説明

レバー装置

【課題】 小型化が可能であり、かつ、操作レバーの操作範囲が広くなるのを抑制できるレバー装置を提供すること。
【解決手段】 前面側にパネル3が配置されたベース部材2と、ベース部材2に設けた第1軸部10によって回動自在に軸支され、一端にパネル3に設けたスリット23から前面に露出する操作ノブ4が設けられた第1レバー5と、第1軸部10よりも前方側に設けられた第2軸部12によって回動自在に軸支され、一端側が第1レバー5の操作ノブ4側に回転自在に連結されるとともに、他端側にはアウターケーブル70とインナーケーブル71とからなるコントロールケーブル7のインナーケーブル71が取付けられるケーブル取付部63を有する第2レバー6とを設けた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両のヒーターコントロール等に用いられるレバー装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、この種のレバー装置として、例えば、図6に示すものがある。すなわち、101は外部に固定した管状のアウターケーブル102とその内部を移動可能に形成したインナーケーブル103とからなるコントロールケーブルで、104は、一端にノブ105を有し、他端に前記インナーケーブル103を回転自在に接続し、支点106を中心に回転する操作レバーである。そして、操作レバー104を回動させてインナーケーブル103を押引することにより、所定の制御が行われるようになっている。
【0003】
このようなレバー装置に関する先行技術文献情報としては次のものがある。
【0004】
【特許文献1】特開昭61−166716号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、このようなレバー装置では、前面側に配置されるノブ105に対して操作レバー104が奥行き方向に延びて配置されているため、レバー装置の奥行きが大きくなるという問題があった。また、レバー装置の奥行きを短くしようとした場合、操作レバー104を短くすることが考えられるが、この場合、従来のインナーケーブル103の移動量を確保しようとすると、操作レバー104を操作する範囲が広くなり、操作しずらいという問題が発生する。あるいは、操作レバー104のノブ105と支点106との間にインナーケーブル103を接続してインナーケーブル103を作動させる方法もあるが、この場合、インナーケーブル103の作動方向が前述したレバー装置に対して逆転してしまい、コントロールケーブル101によって制御される対象の装置側の構造を変更する必要があった。
【0006】
本発明は以上の点を鑑みてなされたものであり、レバー装置の小型化が可能であり、かつ、操作レバーの操作範囲が広くなるのを抑制できるレバー装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明のレバー装置は、前面側にパネルが配置されたベース部材と、該ベース部材に設けた第1軸部によって回動自在に軸支され、一端に前記パネルに設けたスリットから前面に露出する操作ノブが設けられた第1レバーと、前記第1軸部よりも前方側に設けられた第2軸部によって回動自在に軸支され、一端側が前記第1レバーの操作ノブ側に回転自在に連結されるとともに、他端側にはアウターケーブルとインナーケーブルとからなるコントロールケーブルの前記インナーケーブルが取り付けられるケーブル取付部を有する第2レバーとを備える。
【0008】
この構成によれば、第2レバーの一端側が第1レバーの操作ノブ側に回転自在に連結されているため、操作ノブの回動操作に応じて第1レバーおよび第2レバーは同じ方向に回動し、第2レバーの他端側に連結されたインナーケーブルが押し引き操作される。そして、第2レバーは、第1レバーよりも前方側で回転可能に軸支されているため、第1レバーの回転角度よりも広い角度で回動される。したがって、第2レバーが第1レバーよりも広い角度で回転される分だけ、インナーケーブルをより多く移動させることが可能となり、その分、第2レバーの回転軸心(第2軸部の軸心)からケーブル取付部までの長さを短く設定できる。また、第2レバーは第1レバーよりも前方側で軸支されているため、ケーブル取付部の移動範囲をより前方側に設定することができる。これにより、レバー装置の奥行きを短くでき、レバー装置の小型化が可能となる。また、操作ノブの回動範囲は、第2レバーよりも支点(第1軸部の軸心)から力点(操作ノブ)までの距離が長い第1レバーによって設定できるため、操作ノブの操作範囲が広くなるのを抑制できる。
【0009】
前記第2軸部は、中立位置にある前記第1レバーの操作ノブと前記第1軸部とを結ぶ直線上に設けられるようにしてもよい。この構成によれば、第1レバーと第2レバーの可動範囲をより中央寄りに設定でき、レバー装置の幅を小さくすることが可能となる。
【0010】
前記第1レバーと前記第2レバーとは、前記第2軸部の軸方向で重なるように配置され、前記第1レバーには、回動時に前記第2軸部との緩衝を回避する開口部が設けてもよい。この構成によれば、第1レバーと第2レバーとを重ねて配置することが可能となり、レバー装置の幅を小さくすることが可能となる。
【0011】
前記第1レバーと前記第2レバーとは、一方側に設けられた連結凸部と、他方側に設けられ前記連結凸部が挿通する連結孔とによって回動自在に連結され、前記操作ノブには、第1レバーに連結された第2レバーの軸方向への移動を規制して、第1レバーと第2レバーとの連結が解除されることを防止する規制部を設けてもよい。この構成によれば、別途、連結解除を防止する部材を設ける必要がなく、第1レバーと第2レバーとを簡単および確実に連結することが可能となる。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、第1レバーの回動操作に連動して回動し、第1レバーよりも前方側で軸支される第2レバーによってコントロールケーブルを操作するようにしているため、レバー装置の奥行きを短くでき、レバー装置の小型化が可能となる。また、操作ノブの回動範囲は、第2レバーよりも支点から力点までの距離が長い第1レバーによって設定できるため、操作レバーの操作範囲が広くなるのを抑制できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、本発明の実施の形態を添付図面に沿って説明する。本実施形態のレバー装置1は、車両に設置される空調装置(図示せず)をコントロールするヒータコントローラへの適用例である。
【0014】
図1は、レバー装置1を示す正面図、図2はその底面図、図3は側面断面図である。レバー装置1は、ベース部材2と、該ベース部材2の前面側に配置されるパネル3と、一端に操作ノブ4が取り付けられ、ベース部材2に回動可能に軸支される第1レバー5と、第1レバー5に連動して回動し、その回動に伴いコントロールケーブル7を介して空調装置の操作を行う第2レバー6とを備えて構成されている。尚、以下明細書において、前とは図2(図4、図5も同様)上側を、後とは同図下側を言い、左右とは図2(図4、図5も同様)のそれぞれ左側及び右側を言う。また、時計回り、反時計回りとは、図2(図4、図5も同様)のそれぞれ右回転および左回転を言う。
【0015】
ベース部材2は、樹脂製の板状であり、車両のインストルメントパネル(図示せず)内の所定の位置に固定されるものである。このベース部材2には、図3および図4に示すように、ベース部材2の後部に設けられ下方(図4中紙面手前側)に向けて円柱状に突出する第1軸部10が設けられている。第1軸部10の外周面には、この外周面から突出形成された3つの抜止部11が設けられている。この抜止部11は、第1軸部10に軸支される第1レバー5に係合して、第1レバー5が第1軸部10から抜け落ちてしまうことを防止するものである。
【0016】
第1軸部10の前方側には、下方に向けて円柱状に突出する第2軸部12が設けられている。第2軸部12は第1軸部10よりも下方側まで長く延びて形成され、第2軸部12の側面には、径を途中変えることで段差部13が設けられている。この段差部13は、第2レバー6の上方側への移動を規制して回動可能に支持するものであり、その位置は、第1軸部10の下端よりも僅かに下方側に位置するように設定されている。すなわち、第1軸部10に軸支される第1レバー5と第2軸部12に軸支される第2レバー6とは、回転方向に干渉しないように軸方向にずらして配置されるように構成されている。また、第2軸部12の突端側外周面には、この外周面から突出形成された3つの抜止部14が設けられている。
【0017】
第2軸部12の前方側には、第1レバー5が摺動して第1レバー5とベース部材2との摩擦力を低減するための円弧状に延びるガイドリブ15が設けられている。また、ガイドリブ15の前方側には、第1レバー5に設けられた後述する位置決め機構のスチールボール39が当接する当接壁16が設けられている。この当接壁16は、第1軸部10の軸心を中心として円弧状に延びて形成されている。当接壁16の左右端には、前方側に向けて窪んだ一対の位置決め凹部17a、17bと、その外側に位置して第1レバー5の回転方向に対向して設けられた一対の規制壁18a、18bとが、第1軸部10の軸心点と前記第2軸部12の軸心点とを通る仮想線Aに対して左右対称の位置にそれぞれ設けられている。なお、仮想線Aは、操作ノブ4の操作範囲における中央位置(中立位置)を示す。
【0018】
当接壁16の前方側には、円弧状に延びて前方側が開口し前記操作ノブ4の端部が入り込んで操作ノブ4の回転をガイドするガイド溝19が設けられている。さらに、第1軸部10の左側方には、コントロールケーブル7のアウターケーブル70の一端を固定するケーブル固定部20が設けられている。
【0019】
パネル3は、ベース部材2の前面に配置されるものであり、図1に示すように、その中央部には、横方向に直線状に延びるスリット23が形成されている。また、パネル3の前面には、ベース部材2の位置決め凹部17a、17bと対応する位置に、当該位置に操作ノブ4を移動操作した際に空調装置が動作する機能を示す図柄24が表示されている。
【0020】
第1レバー5は、樹脂製であり、図2に示すように、略扇状の基部30の後方側端部にはベース部材2の第1軸部10に軸支される第1軸孔31が設けられている。また、第1軸孔31の前方側には、第1レバー5の回動可能範囲においてベース部材2の第2軸部12との干渉を回避するための開口部32が設けられている。基部30の前方側端面には、前方側に略直方体状に突出するノブ取付部33が設けられている。ノブ取付部33の左右側面には、前後方向に延びるレール状部34が設けられている。また、ノブ取付部33の左右側面の後端側には、略L字状に前方側に向けて突出し、その先端外側に爪部36が設けられた一対の係止腕35が設けられている。
【0021】
第1レバー5のノブ取付部33の上面には、図3および図4に示すように、ベース部材2の規制壁18a、18bに当接して第1レバー5の回転範囲を規制する凸状部37が上方側に突出して設けられている。凸状部37の前方端には、スプリング40およびスチールボール39を収納する収納孔38が設けられている。収納孔38から一部が露出するように配置されるスチールボール39は、組付け状態において、ベース部材2の当接壁16に向けてスプリング40の付勢力によって付勢され、第1レバー5を左右回動規制端まで操作したときに、スチールボール39がベース部材2の位置決め凹部17a、17b内に嵌りこみ、第1レバー5を当該位置に保持するようになっている。さらに、ノブ取付部33の前方側下面には、図2および図3に示すように、第2レバー6を連結するための連結凸部41が突設されている。
【0022】
操作ノブ4は、第1レバー5の一端に固定されるものであり、一部がパネル3のスリット23から外部に露出してユーザによって手動操作されるものである。詳細には、この操作ノブ4には、パネル3のスリット23を後側から塞ぐために左右方向に円弧状に延びて形成されたカバー板50と、カバー板50の中央が前方側に突出して形成されパネル3のスリット23を貫通して外部に露出する操作部51とが一体的に設けられている。
【0023】
操作ノブ4のカバー板50の中央後面側には、操作部51を挟んだ位置にそれぞれ、第1レバー5のノブ取付部33の側面を挟持するとともに、第1レバー5のレール状部34が嵌入する装着溝52が内面側に形成された一対の第1壁部53が設けられている。また、第1壁部53の外側には、第1レバー5の爪部36が係合する孔54が形成された一対の第2壁部55が設けられている。この第1壁部53と第2壁部55とは、操作ノブ4を第1レバー5に固定するためのものである。すなわち、操作ノブ4と第1レバー5とを組み付ける場合には、第1レバー5のレール状部34と操作ノブ4の装着溝52を対応させた状態で、第1レバー5のノブ取付部33を操作レバーの第1壁部53間に挿入すると、第1レバー5の係止腕35の爪部36が第2壁部55の孔54に係合する。これにより、操作ノブ4は、ノブ取付部33が第1壁部53間に挟持され、レール状部34が装着溝52に嵌入した状態で第1レバー5に対して脱落不能に固定される。
【0024】
また、操作ノブ4の上面側には、第1壁部53からカバー板50の左右端に掛けて、カバー板50の上端縁部から後方側に向けて延設され、ベース部材2の規制壁18a、18bおよび当接壁16の下面と摺動するガイド板56がそれぞれ設けられている。
【0025】
一方、操作部ノブ4の左右の第2壁部55間の下面側は、図3に示すように、閉塞板58によって閉塞されている。この閉塞板58(規制部)は、第1レバー5の連結凸部41の下面に対応する位置に設けられ、第2レバー6の軸方向への移動を規制して、第1レバー5の連結凸部41から後述する第2レバー6の連結孔62が抜け出して第1レバー5と第2レバー6との連結が解除されることを防止する役割をなす。
【0026】
第2レバー6は、樹脂製の長板状であり、そのおよそ中央部にはベース部材2の第2軸部12に軸支される第2軸孔61が設けられている。この第2レバー6は、第2軸部12の段差部13と抜止部14との間に挟持されて軸方向の移動が規制され、第1レバー5とは第2軸部12の軸方向にずれた位置で回動可能に軸支されている。すなわち、第1レバー5と第2レバー6とは第2軸部12の軸方向に重なるように配置されている。第2レバー6の一端側(前方端)には、第1レバー5の連結凸部41が回動可能および第2レバー6の延び方向に移動可能に挿通する連結孔62が設けられ、第1レバー5の回動に連動して第2レバー6も一緒に同じ方向へ回動するように連結されている。第2レバー6の他端側(後方端)は、ベース部材2の第1軸部10とおよそ対応する位置まで延びて設けられ、その端面は、第1レバー5の後端面よりも前方側に位置するように設定されている。そして、第2レバー6の他端部には、コントロールケーブル7のインナーケーブル71の端部を挿通して取り付けるケーブル取付部であるケーブル取付孔63が設けられている。
【0027】
コントロールケーブル7は、第2レバー6の回動を空調装置に伝達するものであり、円筒状のアウターケーブル70と、アウターケーブル70に摺動自在に挿通したインナーケーブル71とからなる。アウターケーブル70の一端部はベース部材2のケーブル固定部20に固定され、インナーケーブル71の先端は、クランク状に折曲されて第2レバー6のケーブル取付孔63に接続されている。一方、コントロールケーブル7の他端側は、空調装置側に固定され、レバー装置1側のインナーケーブル71の押し引きに応じて、空調装置側のレバー等が操作され、所定の空調操作が行われるようになっている。
【0028】
尚、本実施形態のレバー装置1において、図5に示すように、第1レバー5の力点(操作ノブ4の操作部51)から支点(第1軸部10の軸心)までの長さをL11、第1レバー5の支点(第1軸部10の軸心)から作用点(連結凸部41)までの長さをL12、第2レバー6の力点(連結凸部41)から支点(第2軸部12の軸心)までの長さをL21、第2レバーの支点(第2軸部12の軸心)から作用点(ケーブル取付孔63)までの長さをL22、インナーケーブル71を操作するのに必要な操作力をPcとすると、操作ノブ4の操作力P1は、
P1=L12/L11・L22/L21・Pc
(・は乗算記号;/は除算記号)
となる。本実施形態においては、
L11>L12
L21>L22
としているため、
P1<Pc
となり、インナーケーブル71を操作するのに必要な操作力Pcに対して操作ノブ4の操作力P1を小さくすることができる。このように、操作ノブ4の操作力P1は、2つのレバー5、6のレバー比の組み合わせによって調整することが可能である。すなわち、2つのレバー5、6のレバー比を適宜調整することで、操作ノブ4の操作力をある程度自由に設定することが可能である。
【0029】
以上の構成からなるレバー装置1において、パネル3の外部に露出している操作ノブ4の操作部51を図1および図2に示す右操作位置から、図5に示す左操作位置まで操作すると、操作ノブ4に連結された第1レバー5は第1軸部10を回転軸として反時計回りに回動する。すると、一端側が第1レバー5の連結凸部41に連結されている第2レバー6は、第2軸部12を回転軸として第1レバー5と同じく反時計回りに回動し、第2レバー6の他端側に連結されているインナーケーブル71は、ベース部材2のケーブル固定部20に固定されているアウターケーブル70の開口端から引き出される方向に移動する。そして、操作ノブ4の操作部51を左操作位置まで操作すると、第1レバー5の凸状部37がベース部材2の左側の規制壁18aに当接してそれ以上の回転が規制されるとともに、第1レバー5のスチールボール39が、スプリング40の付勢力によってベース部材2の左側の位置決め凹部17a内に嵌りこむことで、第1レバー5および操作ノブ4は左操作位置に保持された状態となる。そして、このインナーケーブル71の移動によって、空調装置側では、所定の空調操作が行われる。
【0030】
一方、操作ノブ4の操作部51を左操作位置から右操作位置まで操作すると、操作ノブ4に連結された第1レバー5は第1軸部10を回転軸として時計回りに回動する。すると、一端側が第1レバー5の連結凸部41に連結されている第2レバー6は、第2軸部12を回転軸として第1レバー5と同じく時計回りに回動し、第2レバー6の他端側に連結されているインナーケーブル71は、ベース部材2のケーブル固定部20に固定されているアウターケーブル70の開口端内に押し込まれる方向に移動する。そして、操作ノブ4の操作部51を右操作位置まで操作すると、第1レバー5の凸状部37がベース部材2の右側の規制壁18bに当接してそれ以上の回転が規制されるとともに、第1レバー5のスチールボール39が、スプリング40の付勢力によってベース部材2の右側の位置決め凹部17b内に嵌りこむことで、第1レバー5および操作ノブ4は右操作位置に保持された状態となる。そして、このインナーケーブル71の移動によって、空調装置側では、所定の空調操作が行われる。
【0031】
上述したように、本実施形態のレバー装置1は、第2レバー6の一端側が第1レバー5の操作ノブ4側に回転自在に連結されているため、操作ノブ4の回動操作に応じて第1レバー5および第2レバー6は同じ方向に回動し、第2レバー6の他端側に連結されたインナーケーブル71が押し引き操作される。そして、第2レバー6は、第1レバー5よりも前方側で回転可能に軸支されているため、第1レバー5の回転角度よりも広い角度で回動される。したがって、第2レバー6が第1レバー5よりも広い角度で回転される分だけ、インナーケーブル71をより多く移動させることが可能となり、その分、第2レバー6の回転軸心(第2軸部12の軸心)からケーブル取付孔63までの長さを短く設定できる。また、第2レバー6は第1レバー5よりも前方側で軸支されているため、ケーブル取付孔63の移動範囲をより前方側に設定することができる。これにより、レバー装置1の奥行きを短くでき、レバー装置1の小型化が可能となる。また、操作ノブ4の回動範囲は、第2レバー6よりも支点(第1軸部10の軸心)から力点(操作ノブ4の操作部51)までの距離が長い第1レバー5によって設定できるため、操作ノブ4の操作範囲が広くなるのを抑制できる。
【0032】
また、第2軸部12は、中立位置にある第1レバー5の操作ノブ4と第1軸部10とを結ぶ直線上に設けているため、第1レバー5と第2レバー6の可動範囲をより中央寄りに設定でき、レバー装置1の幅をさらに小さくすることが可能となる。
【0033】
さらに、第1レバー5と第2レバー6とは、第2軸部12の軸方向で重なるように配置され、第1レバー5には、回動時に第2軸部12との緩衝を回避する開口部32を設けているため、第1レバー5と第2レバー6とを重ねて配置することが可能となり、レバー装置1の幅をより小さくすることが可能となる。
【0034】
また、第1レバー5と第2レバー6とは、第1レバー5に設けられた連結凸部41と、第2レバー6に設けられ連結凸部41が挿通する連結孔62とによって回動自在に連結され、操作ノブ4には、第1レバー5に連結された第2レバー6の軸方向への移動を規制して、第1レバー5と第2レバー6との連結が解除されることを防止する閉塞部(規制部)58を設けている。これにより、別途、連結解除を防止する部材を設ける必要がなく、第1レバー5と第2レバー6とを簡単および確実に連結することが可能となる。
【0035】
なお、本発明のレバー装置1は、前記実施形態の構成に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、種々の変更、追加を行って実施することが可能である。例えば、第1レバー5と第2レバー6との連結構造において、連結孔62を第1レバー5側、連結凸部41を第2レバー6側にそれぞれ設けるようにしてもよい。また、前記実施形態では、第2レバー6の後端は、第1レバー5の後端よりも前方位置で移動されるように構成しているが、第2レバー6の後端は、第1レバー5の後端よりも後方位置で移動されるように構成してもよい。この場合でも、第2レバー6は第1レバー5よりも前方側で軸支されているため、従来の1枚のレバーで構成する場合と比べて、レバー装置の奥行きを短くすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】本発明のレバー装置の正面図である。
【図2】図1の底面図である。
【図3】本発明のレバー装置の側面断面図である。
【図4】ベース部材と第1レバーとの関係を示す一部断面図である。
【図5】図1の別の状態を示す正面図である。
【図6】従来のレバー装置を示す平面図である。
【符号の説明】
【0037】
2・・・ベース部材、3・・・パネル、4・・・操作ノブ、5・・・第1レバー、6・・・第2レバー、7・・・コントロールケーブル、10・・・第1軸部、12・・・第2軸部、23・・・スリット、70・・・アウターケーブル、71・・・インナーケーブル。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
前面側にパネルが配置されたベース部材と、該ベース部材に設けた第1軸部によって回動自在に軸支され、一端に前記パネルに設けたスリットから前面に露出する操作ノブが設けられた第1レバーと、前記第1軸部よりも前方側に設けられた第2軸部によって回動自在に軸支され、一端側が前記第1レバーの操作ノブ側に回転自在に連結されるとともに、他端側にはアウターケーブルとインナーケーブルとからなるコントロールケーブルの前記インナーケーブルが取付けられるケーブル取付部を有する第2レバーとを設けたことを特徴とするレバー装置。
【請求項2】
前記第2軸部は、中立位置にある前記第1レバーの操作ノブと前記第1軸部とを結ぶ直線上に設けられていることを特徴とする請求項1に記載のレバー装置。
【請求項3】
前記第1レバーと前記第2レバーとは、前記第2軸部の軸方向で重なるように配置され、前記第1レバーには、回動時に前記第2軸部との緩衝を回避する開口部が設けられていることを特徴とする請求項1または2に記載のレバー装置。
【請求項4】
前記第1レバーと前記第2レバーとは、一方側に設けられた連結凸部と、他方側に設けられ前記連結凸部が挿通する連結孔とによって回動自在に連結され、前記操作ノブには、第1レバーに連結された第2レバーの軸方向への移動を規制して、第1レバーと第2レバーとの連結が解除されることを防止する規制部を設けたことを特徴とする請求項1乃至3に記載のレバー装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2010−120475(P2010−120475A)
【公開日】平成22年6月3日(2010.6.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−294912(P2008−294912)
【出願日】平成20年11月18日(2008.11.18)
【出願人】(000138462)株式会社ユーシン (241)
【Fターム(参考)】