説明

レボドパ/カルビドパ/エンタカポン医薬製剤

【課題】患者のコンプライアンスを改善するための、エンタカポン、レボドパおよびカルビドパの一定投与量複合剤を提供すること。
【解決手段】エンタカポン、レボドパおよびカルビドパ、または薬学的に許容し得るそれらの塩もしくは水和物からなる経口固形組成物であって、カルビドパまたはその薬学的に許容し得る塩または水和物を組成物の残りに別途添加することにより得られ得るか、またはまずエンタカポンおよびレボドパを別々に混合し、カルビドパを別々に添加し、その混合物を複数の投与形態に処方することにより得られ得る組成物。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エンタカポン、レボドパおよびカルビドパ、またはそれらの薬学的に許容し得る塩もしくは水和物からなる新規な医薬組成物、該組成物の製造法ならびに治療法における該組成物の用途に関する。本発明はまた、経口固形一定投与量(fixed dose)組成物の製造におけるエンタカポン、レボドパおよびカルビドパ、またはそれらの薬学的に許容し得る塩もしくは水和物の用途に関する。
【背景技術】
【0002】
エンタカポン、レボドパおよびカルビドパの化学名は、それぞれ、たとえば一水和物として(E)−2−シアノ−3−(3,4−ジヒドロキシ−5−ニトロフェニル)−N,N−ジエチル−2−プロペンアミド、(−)−L−α−アミノ−β−(3,4−ジヒドロキシベンゼン)プロパン酸、および(−)−L−α−ヒドラジノ−α−メチル−β−(3,4−ジヒドロキシベンゼン)プロパン酸である。エンタカポンは、カテコール−O−メチルトランスフェラーゼ(COMT)阻害剤として米国特許番号5,446,194号明細書に記載されている。エンタカポンの腸および腸管外投与経路が米国特許番号5,446,194号明細書で議論されている。エンタカポンおよびクロスカルメロースナトリウムを含有する経口圧縮成形組成物は、ヨーロッパにおいて商標COMTESS(登録商標)およびCOMTAN(登録商標)としてフィンランドのオリオンコーポレーションにより製造され市販されている。レボドパおよびカルビドパは、パーキンソン病の治療において最も一般に使用されている薬物である。レボドパおよびカルビドパは複合錠剤として、たとえば以下の商標:NACOM(登録商標)(DuPont Pharmaによって流通)、ISICOM(登録商標)(Isis−Chemieによって流通)、SINEMET(登録商標)PLUS(イギリスにおいてDuPont Pharmaによって流通)およびSINEMET(登録商標)LP25(DuPont Pharmaによって流通)でヨーロッパにおいて市販されている。
【0003】
パーキンソニズムの薬物治療は、患者を症状の無い状態に保つために1日に数回服用する必要がある。したがって、患者のコンプライアンスは、1日に数回、2つの別個の錠剤、たとえばエンタカポン錠とレボドパ−カルビドパ錠とを服用する代わりにエンタカポン、レボドパおよびカルビドパの一定投与量複合剤を用いることで顕著に改善され得る。とくに、これは振せんや高齢のパーキンソニズムの患者にとっては重要なことである。
【0004】
我々は、エンタカポン、レボドパおよびカルビドパ、またはそれらの薬学的に許容し得る塩もしくは水和物が好適に経口組成物からそれが摂取されたのち可能な限り速やかに放出されるということを見いだした。
【0005】
また、3つの異なる活性薬剤の吸収を1つの同じ経口組成物から調整することは非常に困難である。通常実際には、1つの活性薬剤の吸収は、もう1つの方の吸収が増加する間減少し得る。いくつかの活性薬剤と組み合わせて医薬組成物に使用される医薬賦形剤、崩壊剤およびほかの助剤を選択する場合、多数の因子を考慮しなければならない。たとえば、活性薬剤および助剤の化学および物理特性、活性薬剤のバイオアベイラビリティー、組成物の製造方法、組成物の安定性などである。
【0006】
前記引用特許も出願人が認識するいかなるほかの特許または刊行物も、エンタカポン、レボドパおよびカルビドパ、またはそれらの薬学的に許容し得る塩もしくは水和物からなる経口固形組成物を記載していない。
【発明の開示】
【0007】
出願人は、エンタカポン、レボドパおよびカルビドパ、またはそれらの薬学的に許容し得る塩もしくは水和物が、とくに目的とする性質を有する1つの経口固形組成物中に混合され得ることを見いだした。
【0008】
したがって、本発明は、薬理学的有効量のエンタカポン、レボドパおよびカルビドパ、または薬学的に許容し得るそれらの塩もしくは水和物からなり、さらに1以上の薬学的に許容し得る賦形剤からなる経口固形一定投与量組成物(本明細書中以下、本発明による組成物という)であって、とくに好ましい安定性およびバイオアベイラビリティー特性を有し、飲み込み易い経口固形組成物を提供する。
【0009】
詳細には、本発明は、薬理学的有効量のエンタカポン、レボドパおよびカルビドパ、または薬学的に許容し得るそれらの塩もしくは水和物からなり、さらに糖アルコール、デンプン、または糖アルコールおよびデンプンである1以上の薬学的に許容し得る賦形剤からなる経口固形組成物を提供する。好ましくは、糖アルコールがマンニトールであり、デンプンがトウモロコシデンプンである。
【0010】
本発明はまた、薬理学的有効量のエンタカポン、レボドパおよびカルビドパ、または薬学的に許容し得るそれらの塩もしくは水和物からなり、さらに微結晶セルロース以外の1以上の薬学的に許容し得る賦形剤からなる安定な経口固形組成物を提供する。
【0011】
出願人は、エンタカポン、レボドパおよびカルビドパからなる経口固形組成物からカルビドパのバイオアベイラビリティーを増加させるとくに興味深い方法が、カルビドパを別個に添加すること、たとえば先にレボドパとエンタカポンとを一緒に造粒し、ついで別個にそれら顆粒にカルビドパを添加すること、であることを見いだした。
【0012】
よって、本発明はさらに、薬理学的有効量のエンタカポン、レボドパおよびカルビドパ、または薬学的に許容し得るそれらの塩もしくは水和物、ならびに薬学的に許容し得る賦形剤からなる経口固形組成物であって、カルビドパの実質部分がエンタカポンおよび/またはレボドパから分離された経口固形組成物を提供する。
【0013】
カルビドパのエンタカポンおよびレボドパからの分離を達成するいくつかの異なる技術、たとえばエンタカポンおよびレボドパを一緒に混合、たとえば造粒し、別個にカルビドパを添加する技術などがある。カルビドパはそのまま、または顆粒状で添加できる。
【0014】
したがって、本発明はまた、薬理学的有効量のエンタカポン、レボドパおよびカルビドパ、または薬学的に許容し得るそれらの塩もしくは水和物、ならびに薬学的に許容し得る賦形剤からなる経口固形組成物の製造法であって、先にエンタカポンおよびレボドパを別個に混合し、カルビドパを別個に添加することからなる製造法を提供する。
【0015】
本発明による経口固形組成物は、錠剤、カプセルなどである。好ましくは本発明の経口固形組成物は錠剤の剤形である。
【0016】
さらに、本発明は、たとえば投与の効果の終わり「切れる(wearing-off)」に治療を必要とする患者に本発明の経口固形組成物を、たとえば1日8〜10回まで投与することによるパーキンソン病の治療方法を提供する。
【0017】
本発明はまた、パーキンソン病の様々な段階での、その病気の治療のための経口固形組成物の製造における、エンタカポン、レボドパおよびカルビドパ、または薬学的に許容し得るそれらの塩もしくは水和物の用途を提供する。
【0018】
本発明のさらなる側面および利点は、1部は以下の発明の詳細な説明の部で述べ、1部はその説明から明らかとなり、または本発明の実施によって教示されるであろう。本発明の目的および利点は、添付の特許請求の範囲で詳細に指摘される要素および組み合わせによって完全に理解され、達成されるであろう。
【0019】
前述の一般的な記載と以下の詳細な記載の両方とも、単なる例示的で説明的なものであり、特許請求の範囲に記載されているように、本発明はそれらに制限されないと理解されるべきである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
出願人は、驚くべきことに活性薬剤の充分な吸収が得られる経口固形組成物がエンタカポン、レボドパおよびカルビドパ、または薬学的に許容し得るそれらの塩もしくは水和物の、単一処方における配合によって達成できるということを発見した。これは、とくに組成物のバイオアベイラビリティーおよび安定性を改良すること、および組成物の製造法を改良することによって達成される。
【0021】
出願人は、レボドパ、カルビドパおよびエンタカポンの消化管からの吸収が非常に変化し易いということを見いだした。レボドパおよびカルビドパのバイオアベイラビリティーは個体内でも個体間でも変化する。エンタカポンのバイオアベイラビリティーも、本発明に達するまで本出願人によって幅広く研究された。
【0022】
1つおよび同じ経口固形組成物からの3つの活性薬剤の吸収を調和させることは非常にやりがいのあることである。出願人は組成物の製造法がカルビドパのバイオアベイラビリティーに顕著な効果を有することを見いだした。たとえば、すべての活性薬剤が共に湿式造粒される処方1(実施例1、表1参照)からのカルビドパのバイオアベイラビリティーは、参照物質すなわちSINEMET(登録商標)PLUS100/25mg錠と比較して非常に低い。一方、すべての活性薬剤が共に乾式造粒(圧縮成形造粒)される処方2(実施例1、表1参照)からのカルビドパのバイオアベイラビリティーは許容可能である。しかしながら、処方2に圧縮補助として用いられるポリエチレングリコールは、以下に示すような安定性の問題を引き起こすことがわかった。処方1および2のバイオアベイラビリティーの研究から得られる吸収データを図1〜3に示す。
【0023】
出願人は、エンタカポン、レボドパおよびカルビドパからなる経口固形組成物からのカルビドパのバイオアベイラビリティーを増加させる好ましい方法は、レボドパとエンタカポンとを一緒に混合、たとえば造粒し、ついでこの混合物、たとえば顆粒に別個にカルビドパを添加することであるということを見いだした。
【0024】
したがって、本発明はエンタカポン、レボドパおよびカルビドパ、またはそれらの薬学的に許容し得る塩もしくは水和物、ならびに薬学的に許容し得る賦形剤の経口固形組成物であり、カルビドパの実質部分がエンタカポンおよびレボドパと分離している組成物を提供する。
【0025】
「カルビドパの実質部分がエンタカポンおよびレボドパと分離している」本発明の組成物は、好ましくはエンタカポンおよびレボドパの粒子を別途混合、たとえば造粒し、カルビドパ粒子をそのまままたは顆粒状で別途添加し、任意には1以上の賦形剤を添加し、このようにして本発明の経口固形組成物、たとえば錠剤に形成された混合物を処方することにより得ることができる。
【0026】
したがって、本発明の経口固形組成物の製造プロセスも提供される。本発明の製造プロセスにおいては、カルビドパまたはその薬学的に許容し得る塩もしくは水和物が、別途組成物に添加される。たとえばエンタカポンおよびレボドパを、1つまたは複数の賦形剤と共にまず別途混合し、カルビドパを別途得られた混合物に添加し、混合物を、任意には1つまたは複数の賦形剤と共に複数の投与形態に処方する。
【0027】
エンタカポンおよびレボドパを、好ましくはまず造粒し、それらは別個または一緒のどちらで造粒されてもよい。カルビドパは、別個の顆粒を用いることによって、またはカルビドパをそのまま(粉末状で)処方される混合物に、たとえば圧縮されるための錠剤塊に、顆粒外で添加することによってエンタカポンおよびレボドパから分離できる。湿式造粒および乾式造粒はともに用いることができるが、造粒法は湿式造粒が好ましい。好適な造粒法は当技術分野において既知である。湿式造粒は、好ましくはたとえばポビドンによって達成される。ポビドンはそのまま、またはその水性コロイド分散液として添加される。
【0028】
本発明によるこれらの処方の種類の例は実施例2に記載されている。処方3および4からのエンタカポン、レボドパおよびカルビドパの吸収が研究された。図4〜6の結果は、被験処方の吸収が市販の参照処方に匹敵するということを示している。
【0029】
本発明の組成物の構成成分の相溶性について、本出願人らはエンタカポン、レボドパおよびカルビドパは、たとえば様々な物理化学的技術、たとえばHPLCまたは微小熱量測定を用いて決定されるようにそれ自身お互いに適合する。
【0030】
しかしながら、多くの通常使用される賦形剤が、エンタカポン、レボドパおよびカルビドパを含有する経口固形組成物に用いるのには適当でないことを見いだした。ほとんどの市販のレボドパ−カルビドパ処方は担体として微結晶セルロースを含有する。また、最近ヨーロッパで市販されるようになったエンタカポン処方COMTESS(登録商標)およびCOMTAM(登録商標)も相当量の微結晶セルロースを含有する。先行技術において微結晶セルロースは許容可能な賦形剤であると思われている。本発明の組成物にとっては、本出願人は予想外に微結晶セルロースが、全3つの活性薬剤を一緒に組み合わせた場合、長期保存において処方を不安定化させるということを見いだした。
【0031】
したがって、本発明は、薬理学的有効量のエンタカポン、レボドパおよびカルビドパ、または薬学的に許容し得るそれらの塩もしくは水和物からなり、さらに微結晶セルロース以外の1以上の薬学的に許容し得る賦形剤からなる安定な経口固形医薬組成物を提供する。
【0032】
さらに、賦形剤としてポリエチレングリコールを使用した結果標準安定性テストにおいて不安定であるとされた錠剤となった(実施例1の処方2参照)。本出願人は、安定性の問題の理由は、活性物質の分解を促進し得るポリエチレングリコールの表面活性であると考える。たとえばポリソルベートおよびラウリル硫酸ナトリウムなどのほかの表面活性物質もまた、標準安定性テストによって示されるように一定投与量配複合剤と適合しないということを見いだした。前記物理化学的テストもまた、酸化ケイ素コロイド、コポリビドンおよび表面活性特性を有する既述の物質すなわちポリエチレングリコール、ポリソルベートおよびラウリル硫酸ナトリウムと薬物配合の不適合性を示す。
【0033】
したがって、本発明の好ましい実施態様として、薬理学的有効量のエンタカポン、レボドパおよびカルビドパ、または薬学的に許容し得るそれらの塩もしくは水和物からなり、さらに微結晶セルロースおよび/または表面活性剤および/またはシリカ以外の1以上の薬学的に許容し得る賦形剤からなる安定な経口固形医薬組成物が提供される。
【0034】
いくつか不適合なものが見つかったにもかかわらず、本発明の経口固形組成物は驚くべきことに少しの適合する賦形剤を単独でまたは2つ以上共に用いて製造され得る。適合する賦形剤としては、たとえば糖アルコール、好ましくはマンニトール、およびデンプン、好ましくはトウモロコシデンプンならびに本明細書中記載されたほかの適当な賦形剤があげられる。
【0035】
したがって、本発明は薬理学的有効量のエンタカポン、レボドパおよびカルビドパ、または薬学的に許容し得るそれらの塩もしくは水和物からなり、さらに1以上の薬学的に許容し得る、糖アルコール、デンプン、または糖アルコールおよびデンプンである賦形剤からなる経口固形組成物を提供する。
【0036】
組成物中の糖アルコールの量は、好ましくは約50重量%まで、より好ましくは約5重量%からたとえば約40重量%まで、とくに約7重量%から約25重量%までである。組成物中のデンプンの量は、好ましくは約50重量%まで、より好ましくは約2重量%からたとえば約35重量%まで、とくに約5重量%から約25重量%までである。
【0037】
本発明の経口固形組成物はさらに、たとえば硬化植物油、好ましくは硬化ヒマシ油をたとえば顆粒内賦形剤として含有する。そのとき、好ましくは、組成物における硬化植物油の量は約30重量%まで、そしてたとえば少なくとも5重量%、より好ましくは約20重量%まで、とくに約15重量%までである。
【0038】
本発明による組成物は、好ましくは、デンプングリコール酸ナトリウム、たとえば500000〜1000000ダルトンのもの、たとえばA型(たとえばPrimojel(登録商標)Avebe B.A.社製)またはクロスカルメロースナトリウム(たとえばAc−Di−Sol(登録商標)FMCコーポレーション製)など好適な崩壊剤を含有する。好ましくは本組成物に存在する崩壊剤の量は約10重量%まで、たとえば約0.5重量%からたとえば約6重量%まで、たとえば約2重量%から約6重量%までである。
【0039】
組成物はまた、とりわけ好適な従来の結合剤および/または潤滑剤を当分野において通常の量を含有する。本発明の組成物において有用な適切な潤滑剤の例としては、たとえばステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、硬化植物油、タルクなどがあげられる。
【0040】
経口組成物におけるエンタカポン、レボドパおよびカルビドパ、または薬学的に許容し得るそれらの塩もしくは水和物の量は、患者の症状の重症度、望ましい使用持続時間などの当業者に既知である多数の因子に依存している。本発明の経口固形組成物はまた、1以上のほかの薬理学的活性薬剤を含有しても良い。本発明の処方におけるエンタカポンの量は、好ましくは25〜400mg、たとえば25〜300mg、とくに50〜200mgであり、レボドパの量は、好ましくは25〜300mg、とくに50〜250mgであり、そしてカルビドパの量は、好ましくは5〜75mg、とくに10〜50mgである。
【0041】
本出願人は、以下の実施態様:
a)エンタカポン200mg、レボドパ100mgおよびカルビドパ25mg
が、たとえば初期および後期のパーキンソン病患者を含む広範囲の患者群に対して好ましいということを発見した。
【0042】
ほかの好ましい実施態様としては、
b)エンタカポン200mg、レボドパ50mgおよびカルビドパ12.5mg
c)エンタカポン200mg、レボドパ150mgおよびカルビドパ37.5mg
d)エンタカポン200mg、レボドパ100mgおよびカルビドパ10mg
e)エンタカポン200mg、レボドパ250mgおよびカルビドパ25mg
があげられる。
【0043】
さらなる側面として、本発明は薬理学的有効量のエンタカポン、レボドパおよびカルビドパ、または薬学的に許容し得るそれらの塩もしくは水和物からなり、さらに1以上の薬学的に許容し得る賦形剤からなる経口固形一定投与量組成物を提供する。それによって、パーキンソン病の治療において該組成物により達成される治療効果は、たとえば本明細書で参照したエンタカポン錠剤とレボドパ−カルビドパ錠剤などのエンタカポン、レボドパおよびカルビドパの既知の個別処方を本発明の複合処方と同じ活性成分用量で併用して投与する場合に達成される治療効果に匹敵または類似する。
【0044】
本発明の前記複合組成物の1実施態様において、該組成物は薬物動態学的に、本明細書において参照として用いるエンタカポンおよびレボドパ−カルビドパ処方などの既知の処方を本発明の該組成物と同じ活性成分の用量で併用して投与する場合に匹敵する。さらなる実施態様において、本発明の組成物は実質的に既知処方と生物学的に同等である。たとえば、本発明の組成物によって達成されるバイオアベイラビリティーは、たとえば本明細書において参照として用いられるエンタカポンおよびレボドパ−カルビドパ処方などのエンタカポン、レボドパおよびカルビドパの既知の個別処方の同用量を併用投与して達成されるバイオアベイラビリティーと匹敵するレベルである。(実施例参照)。
【0045】
好ましい実施態様において、
a)用量エンタカポン200mg/レボドパ100mg/カルビドパ25mgの本発明の複合組成物により達成される薬物動態などの治療効果、たとえばバイオアベイラビリティーは、エンタカポンの既知処方とレボドパ−カルビドパの既知処方とを本発明の複合組成物と同用量の活性成分で併用して投与した場合の治療効果に匹敵する:
b)用量エンタカポン200mg/レボドパ50mg/カルビドパ12.5mgの本発明の複合組成物により達成される薬物動態などの治療効果、たとえばバイオアベイラビリティーは、エンタカポンの既知処方とレボドパ−カルビドパの既知処方とを本発明の複合組成物と同用量の活性成分で併用して投与した場合の治療効果に匹敵する:
c)用量エンタカポン200mg/レボドパ150mg/カルビドパ37.5mgの本発明の複合組成物により達成される薬物動態などの治療効果、たとえばバイオアベイラビリティーは、エンタカポンの既知処方とレボドパ−カルビドパの既知処方とを本発明の複合組成物と同用量の活性成分で併用して投与した場合の治療効果に匹敵する:
d)用量エンタカポン200mg/レボドパ100mg/カルビドパ10mgの本発明の複合組成物により達成される薬物動態などの治療効果、たとえばバイオアベイラビリティーは、エンタカポンの既知処方とレボドパ−カルビドパの既知処方とを本発明の複合組成物と同用量の活性成分で併用して投与した場合の治療効果に匹敵する:
e)用量エンタカポン200mg/レボドパ250mg/カルビドパ25mgの本発明の複合組成物により達成される薬物動態などの治療効果、たとえばバイオアベイラビリティーは、エンタカポンの既知処方とレボドパ−カルビドパの既知処方とを本発明の複合組成物と同用量の活性成分で併用して投与した場合の治療効果に匹敵する。
【0046】
エンタカポンは単独で、圧縮成形造粒法で造粒される錠剤、すなわちCOMTESS(登録商標)およびCOMTAN(登録商標)として入手できる。圧縮毛成形造粒が使用される場合、大量の賦形剤が圧縮性顆粒および所望の即時放出処方の早い溶解挙動を有する錠剤を得るために必要である。エンタカポンの成形性はまだ比較的飲み込み易い200mg錠剤の製造に充分なものである。本出願人は一定投与量複合錠剤の成形性は、エンタカポン単独の成形性と比較して驚くほど悪いということを見いだした。成形補助剤としてのポリエチレングリコールの使用が成形性を改善するが、一方上述のように該表面活性剤の使用が、保存において不安定であると表示された錠剤を製造することが見出された。また、圧縮成形造粒により製造されるエンタカポン、レボドパおよびカルビドパからなる一定投与量複合錠剤の大きさは、とくに飲み込みが困難であるパーキンソニズムの患者にとって、過度に大きくなり得る。
【0047】
したがって、本発明は、本発明の経口固形組成物の有益な製造方法であって、a)薬理学的有効量のエンタカポンおよびレボドパ、または薬学的に許容し得るそれらの塩もしくは水和物を、1以上の薬学的に許容し得る賦形剤および崩壊剤と混合し、第1混合物を得る工程、b)第1混合物を造粒し、第1顆粒バッチを得る工程、c)薬理学的有効量のカルビドパ、または薬学的に許容し得るその塩もしくは水和物を、1以上の薬学的に許容し得る賦形剤および崩壊剤と混合し、第2混合物を得る工程、d)第2混合物を造粒し、第2顆粒バッチを得る工程、e)第1顆粒バッチ、第2顆粒バッチ、任意には潤滑剤および任意には1以上の薬学的に許容し得る賦形剤を混合し、第3の混合物を得る工程、f)複数の投与形態に第3の混合物を処方する、たとえば第3の混合物を複数の錠剤に成形し任意には錠剤を被覆する工程からなる製造法を提供する。
【0048】
本発明による経口固形組成物はまた、a)薬理学的有効量のエンタカポンおよびレボドパ、または薬学的に許容し得るそれらの塩もしくは水和物を、1以上の薬学的に許容し得る賦形剤および任意には崩壊剤と混合し、第1混合物を得る工程、b)第1混合物を造粒し、複数の顆粒を得る工程、c)薬理学的有効量のカルビドパ、または薬学的に許容し得るその塩もしくは水和物、任意には潤滑剤、および任意には1以上の薬学的に許容し得る賦形剤を顆粒に添加し、第2混合物を得る工程、d)複数の投与形態に第2混合物を処方する、たとえば第3の混合物を複数の錠剤に成形し任意には錠剤を被覆する工程によっても製造できる。
【0049】
造粒前の混合工程は、回転ミキサーまたは流動層などで実施できるが、好ましくは当分野において既知の方法で高シャーミキサーで実施できる。湿式造粒を顆粒の製造に用いる場合、得られた顆粒は乾燥され、必要ならば次工程の前に乾燥される。顆粒は流動層などで乾燥されても良い。錠剤は、好ましくはHPMC−コーティングなどで被覆される。コーティングは酸化鉄などの色素顔料を含有することが好ましい。
【0050】
本発明の方法を用いることによって、そこに含有される服用量に対してとくに小さく、投与に好都合である本発明の錠剤組成物が製造される。経口型が好ましいが、これはいかなる多様な形にも適用される。この小ささは現在市販されているCOMTAN(登録商標)/COMTESS(登録商標)エンタカポン錠の大きさから見ても、エンタカポンは成形が難しいという点からも驚くべきことであり、レボドパおよびカルビドパの存在下においてとくに許容し得る放出を与える。さらに、我々は本発明の組成物が意外にも、とくに良好な流動特性を有することを見いだした。
【0051】
もう1つの側面において本発明は200mgエンタカポン、50〜150mgレボドパおよび10〜37.5mgカルビドパからなり、実質的に好ましくは以下の特徴:
重量 400〜750mgたとえば550〜590mg、
楕円形錠剤の場合の体積 好ましくは200〜1000mm3たとえば250〜800mm3、300〜600mm3たとえば300〜550mm3
を有する経口医薬錠剤を提供する。
【0052】
さらにもう1つの側面において、本発明は200mgエンタカポン50〜150mgレボドパおよび10〜37.5mgカルビドパからなり、実質的に好ましくは以下の特徴:
重量 400〜750mgたとえば550〜590mg、
楕円形錠剤の場合の寸法
長さ13〜18mmたとえば14〜18mm、
幅6〜9mm
高さ4〜7mmたとえば5〜6mm
を有する経口医薬錠剤を提供する。
【0053】
本発明の錠剤の形状は、もちろん楕円形に限定されず、たとえば与えられた容量の範囲において変化し得る。
【0054】
医薬賦形剤の内容は本明細書の記載に特定されない範囲で、それらはさらに当分野において既知の医薬賦形剤ハンドブック、たとえば医薬賦形剤ハンドブック第2版、Ed.A.H.Kibb、米国薬学会、1994年および、とりわけ製造メーカーのカタログに記載されており、その内容は参考資料によって本明細書に包含されている。
【0055】
本発明はさらに以下の非限定的実施例によって明確にされるであろう。
【0056】
実施例の処方において使用される賦形剤は市販されており、たとえばクロスカルメロースナトリウムは商標Ac−Di−Sol(FMCコーポレーション製)を、デンプングリコール酸ナトリウムは商標Primojel(Avebe B.A製)を、ポビドンは商標Kollidon K30(Basf AG製)を、二酸化ケイ素コロイドは商標Aerosil 220(Degussa AG製)を使用した。トウモロコシデンプンはCerestar スカンジナビアを、マンニトールはRoquette Freresを使用した。
【0057】
実施例1
種々の賦形剤を含有し、種々の方法によって製造されるエンタカポン/レボドパ/カルビドパ200/100/25mg錠処方からのエンタカポン、レボドパおよびカルビドパの吸収を15人の健康なボランティアに単回経口投与後調べた。錠剤は全ての活性成分を同時に湿式造粒する(処方1)か、全ての活性成分を同時に圧縮造粒する(処方2)かによって製造した。処方は表1に記載した通りである。
【0058】
吸収試験は、2つの一定投与量複合錠剤と、SINEMET PLUS(登録商標)、すなわちDuPontファーマシューティカルズ Ltd.によってヨーロッパにおいて流通しているレボドパ/カルビドパ100/25mg錠剤と共に投与されるエンタカポン200mg錠剤との間の活性物質の吸収を評価するために設計した。試験は任意無作為交差検定設定にしたがって行なった。血漿エンタカポン、レボドパおよびカルビドパ濃度を2つの別個の逆相HPLC法、すなわち、エンタカポン濃度を1つの方法によって測定し、レボドパおよびカルビドパ濃度をもう1つの方法によって測定した。
【0059】
結果を図1〜3に示す。
【0060】
【表1】

【0061】
実施例2
適切なエンタカポン/レボドパ/カルビドパ200/100/25mg錠処方の実施例を表2に示す。錠剤は、処方中に顆粒としてカルビドパを添加する方法(処方3)、およびそのまま粉末状で添加する方法(処方4)によって製造した。したがって、処方3を製造するために、エンタカポンおよびレボドパをトウモロコシデンプン、マンニトール、クロスカルメロースナトリウムおよびポビドンと共に従来の高シャーミキサーで湿式造粒した。カルビドパは別にトウモロコシデンプン、マンニトール、クロスカルメロースナトリウムおよびポビドンと共に従来の高シャーミキサーで湿式造粒した。乾燥エンタカポン/レボドパ−顆粒、乾燥カルビドパ顆粒、クロスカルメロースナトリウム、マンニトールおよびステアリン酸マグネシウムを一緒に混合し、得られた総量を楕円形の錠剤に圧縮成形し、色素顔料を含むHPMC−コーティングで被覆した。処方4はカルビドパをそのまま粉末状で添加したほかは処方3と同様にして製造した。
【0062】
処方3および4の吸収は15人の健康なボランティアにおいて単回経口投与後調べた。対照はSINEMET(登録商標)PLUS、すなわちDuPontファーマシューティカルズ Ltd.によってイギリスにおいて流通しているレボドパ/カルビドパ100/25mg錠と共に投与されるエンタカポン200mg錠COMTESS(登録商標)とした。試験は任意無作為交差検定設定にしたがって行なった。血漿エンタカポン、レボドパおよびカルビドパ濃度を2つの別個の逆相HPLC法、すなわち、エンタカポン濃度を1つの方法によって測定し、レボドパおよびカルビドパ濃度をもう1つの方法によって測定した。
【0063】
図4〜6に示した結果により、2被験処方の吸収は市販の対照処方に匹敵する。エンタカポン、レボドパおよびカルビドパの溶解量は、USP溶解装置で測定した場合30分で50%以下である。
【0064】
【表2】

錠剤混合物から圧縮形成された楕円錠剤は以下の大きさを有する:処方3(長さ16.4mm、幅7.7mmおよび高さ5.7mm)および処方4(長さ16.4mm、幅7.7mmおよび高さ5.1mm)。
【0065】
実施例3
表3に示す以下の処方5および6は、200mg/50mg/12.5mgの量(処方5)、および200mg/150mg/37.5mgの量(処方6)のエンタカポン/レボドパ/カルビドパをそれぞれ用いたほかは処方3の手法にしたがって製造した。200mg/100mg/10mgの量のエンタカポン/レボドパ/カルビドパの処方もまたそれにしたがって製造された。
【0066】
【表3】

【0067】
当業者は、特定の実施態様が説明され、記載されているが、様々な改変および変更が本発明の精神および範囲から逸脱しないでなされ得ることを認識するであろう。
【0068】
本発明のほかの実施態様は明細書および本明細書に開示された本発明の実行の検討から当業者に明らかとなるであろう。それは明細書と実施例が、以下のクレームに示される本発明の真の範囲および精神と共に、単に模範的なものとして考慮されることを意図する。
【0069】
本明細書で論じた参考資料は具体的にそれら全体が本明細書に参考で包含される。
【図面の簡単な説明】
【0070】
【図1】処方1、処方2および、SINEMET(登録商標)PLUS100/25錠と共に圧縮成形エンタカポン200mg錠、COMTESS(登録商標)である対照を1回経口投与したのちのエンタカポンの血漿中濃度を示す。
【図2】処方1、処方2および、圧縮成形エンタカポン200mg錠、COMTESS(登録商標)、およびSINEMET(登録商標)PLUS100/25錠である対照を1回経口投与したのちのレボドパの血漿中濃度を示す。
【図3】処方1、処方2および、圧縮形成エンタカポン200mg錠、COMTESS(登録商標)、およびSINEMET(登録商標)PLUS100/25錠である対照を1回経口投与したのちのカルビドパの血漿中濃度を示す。
【図4】処方3、処方4および、圧縮形成エンタカポン200mg錠、COMTESS(登録商標)、およびSINEMET(登録商標)PLUS100/25錠である対照を1回経口投与したのちのエンタカポンの血漿中濃度を示す。
【図5】処方3、処方4および、圧縮形成エンタカポン200mg錠、COMTESS(登録商標)、およびSINEMET(登録商標)PLUS100/25錠である対照を1回経口投与したのちのレボドパの血漿中濃度を示す。
【図6】処方3、処方4および、圧縮形成エンタカポン200mg錠、COMTESS(登録商標)、およびSINEMET(登録商標)PLUS100/25錠である対照を1回経口投与したのちのカルビドパの血漿中濃度を示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
カルビドパまたはその薬学的に許容し得る塩または水和物を組成物の残りに別途添加することにより得られ得る、薬理学的有効量のエンタカポン、レボドパおよびカルビドパ、または薬学的に許容し得るそれらの塩もしくは水和物からなる経口固形組成物。
【請求項2】
まずエンタカポンおよびレボドパを別々に混合し、カルビドパを別々に添加し、その混合物を複数の投与形態に処方することにより得られ得る、薬理学的有効量のエンタカポン、レボドパおよびカルビドパ、または薬学的に許容し得るそれらの塩もしくは水和物からなる経口固形組成物。
【請求項3】
カルビドパをエンタカポンおよびレボドパの顆粒に、顆粒外で粉末状で添加することにより得られ得る請求項1または2記載の組成物。
【請求項4】
カルビドパをエンタカポンおよびレボドパの顆粒バッチに顆粒状で添加することにより得られ得る請求項1または2記載の組成物。
【請求項5】
薬理学的有効量のエンタカポン、レボドパおよびカルビドパ、または薬学的に許容し得るそれらの塩もしくは水和物からなる経口固形組成物であって、
a)薬理学的有効量のエンタカポンおよびレボドパ、または薬学的に許容し得るそれらの塩もしくは水和物を、1以上の薬学的に許容し得る賦形剤および崩壊剤と混合し、第1混合物を得る工程、
b)第1混合物を造粒し、第1顆粒バッチを得る工程、
c)薬理学的有効量のカルビドパ、または薬学的に許容し得るその塩もしくは水和物を、1以上の薬学的に許容し得る賦形剤および崩壊剤と混合し、第2混合物を得る工程、
d)第2混合物を造粒し、第2顆粒バッチを得る工程、
e)第1顆粒バッチ、第2顆粒バッチ、任意には潤滑剤および任意には1以上の薬学的に許容し得る賦形剤を混合し、第3混合物を得る工程、および
f)複数の投与形態に第3混合物を処方する工程
により得られ得る経口固形組成物。
【請求項6】
薬理学的有効量のエンタカポン、レボドパおよびカルビドパ、または薬学的に許容し得るそれらの塩もしくは水和物からなる経口固形組成物であって、
a)薬理学的有効量のエンタカポンおよびレボドパ、または薬学的に許容し得るそれらの塩もしくは水和物を、1以上の薬学的に許容し得る賦形剤および崩壊剤と混合し、第1混合物を得る工程、
b)第1混合物を造粒し、顆粒バッチを得る工程、
c)薬理学的有効量のカルビドパ、または薬学的に許容し得るその塩もしくは水和物、任意には潤滑剤、および任意には1以上の薬学的に許容し得る賦形剤を該顆粒バッチに添加し、第2混合物を得る工程、および
d)複数の投与形態に第2混合物を処方する工程
により得られ得る経口固形組成物。
【請求項7】
湿式造粒によって得られ得る請求項5または6記載の組成物。
【請求項8】
薬理学的有効量のエンタカポン、レボドパおよびカルビドパ、または薬学的に許容し得るそれらの塩もしくは水和物、ならびに薬学的に許容し得る賦形剤からなる経口固形組成物であって、カルビドパの実質的部分がエンタカポンおよびレボドパから分離されており、それによりパーキンソン病の治療における該組成物により達成される治療効果が、エンタカポンおよびレボドパ−カルビドパの既知の個別製剤であって該経口固形組成物と同用量の活性成分で同時投与される個別製剤により達成される治療効果に匹敵する経口固形組成物。
【請求項9】
エンタカポンおよびレボドパが顆粒状であり、カルビドパが粉末状である請求項8記載の組成物。
【請求項10】
エンタカポンおよびレボドパが第1顆粒状であり、カルビドパが第2顆粒状である請求項8記載の組成物。
【請求項11】
エンタカポン200mg、レボドパ100mgおよびカルビドパ25mgの用量を有する請求項8記載の組成物であって、それによりパーキンソン病の治療における該組成物により達成される治療効果が、同用量で同時投与されるエンタカポンおよびレボドパ−カルビドパの既知の個別製剤により達成される治療効果に匹敵する組成物。
【請求項12】
エンタカポン200mg、レボドパ50mgおよびカルビドパ12.5mgの用量を有する請求項8記載の組成物であって、それによりパーキンソン病の治療における該組成物により達成される治療効果が、同用量で同時投与されるエンタカポンおよびレボドパ−カルビドパの既知の個別製剤により達成される治療効果に匹敵する組成物。
【請求項13】
エンタカポン200mg、レボドパ150mgおよびカルビドパ37.5mgの用量を有する請求項8記載の組成物であって、それによりパーキンソン病の治療における該組成物により達成される治療効果が、同用量で同時投与されるエンタカポンおよびレボドパ−カルビドパの既知の個別製剤により達成される治療効果に匹敵する組成物。
【請求項14】
エンタカポン200mg、レボドパ100mgおよびカルビドパ10mgの用量を有する請求項8記載の組成物であって、それによりパーキンソン病の治療における該組成物により達成される治療効果が、同用量で同時投与されるエンタカポンおよびレボドパ−カルビドパの既知の個別製剤により達成される治療効果に匹敵する組成物。
【請求項15】
エンタカポン200mg、レボドパ250mgおよびカルビドパ25mgの用量を有する請求項8記載の組成物であって、それによりパーキンソン病の治療における該組成物により達成される治療効果が、同用量で同時投与されるエンタカポンおよびレボドパ−カルビドパの既知の個別製剤により達成される治療効果に匹敵する組成物。
【請求項16】
賦形剤が、糖アルコールもしくはデンプン、または糖アルコールおよびデンプンである請求項8記載の組成物。
【請求項17】
糖アルコールがマンニトールである請求項16記載の組成物。
【請求項18】
デンプンがトウモロコシデンプンである請求項16記載の組成物。
【請求項19】
組成物がさらに硬化植物油を含有する請求項16記載の組成物。
【請求項20】
硬化植物油が硬化ヒマシ油である請求項19記載の組成物。
【請求項21】
組成物がさらに崩壊剤を含有する請求項16記載の組成物。
【請求項22】
崩壊剤がクロスカルメロースナトリウムである請求項21記載の組成物。
【請求項23】
エンタカポン、レボドパおよびカルビドパ、または薬学的に許容し得るそれらの塩もしくは水和物からなる請求項8記載の経口固形組成物の製造法であって、カルビドパまたはその薬学的に許容し得る塩または水和物を組成物の残りに別途添加することからなる製造法。
【請求項24】
エンタカポン、レボドパおよびカルビドパ、または薬学的に許容し得るそれらの塩もしくは水和物からなる請求項8記載の経口固形組成物の製造法であって、まずエンタカポンおよびレボドパを別々に混合し、カルビドパを別々に添加し、その混合物を複数の投与形態に処方することからなる製造法。
【請求項25】
カルビドパをエンタカポンおよびレボドパの顆粒に、顆粒外で粉末状で添加する請求項23または24記載の製造法。
【請求項26】
カルビドパをエンタカポンおよびレボドパの顆粒バッチに顆粒状で添加する請求項23または24記載の製造法。
【請求項27】
エンタカポン、レボドパおよびカルビドパ、または薬学的に許容し得るそれらの塩もしくは水和物からなる請求項8記載の経口固形組成物の製造法であって、
a)薬理学的有効量のエンタカポンおよびレボドパ、または薬学的に許容し得るそれらの塩もしくは水和物を、1以上の薬学的に許容し得る賦形剤および崩壊剤と混合し、第1混合物を得る工程、
b)第1混合物を造粒し、第1顆粒バッチを得る工程、
c)薬理学的有効量のカルビドパ、または薬学的に許容し得るその塩もしくは水和物を、1以上の薬学的に許容し得る賦形剤および崩壊剤と混合し、第2混合物を得る工程、
d)第2混合物を造粒し、第2顆粒バッチを得る工程、
e)第1顆粒バッチ、第2顆粒バッチ、任意には潤滑剤および任意には1以上の薬学的に許容し得る賦形剤を混合し、第3混合物を得る工程、および
f)複数の投与形態に第3混合物を処方する工程
からなる製造法。
【請求項28】
エンタカポン、レボドパおよびカルビドパ、または薬学的に許容し得るそれらの塩もしくは水和物からなる請求項8記載の経口固形組成物の製造法であって、
a)薬理学的有効量のエンタカポンおよびレボドパ、または薬学的に許容し得るそれらの塩もしくは水和物を、1以上の薬学的に許容し得る賦形剤および崩壊剤と混合し、第1混合物を得る工程、
b)第1混合物を造粒し、顆粒バッチを得る工程、
c)薬理学的有効量のカルビドパ、または薬学的に許容し得るその塩もしくは水和物、任意には潤滑剤、および任意には1以上の薬学的に許容し得る賦形剤を該顆粒バッチに添加し、第2混合物を得る工程、および
d)複数の投与形態に第2混合物を処方する工程
からなる製造法。
【請求項29】
造粒法が湿式造粒である請求項27または28記載の製造法。
【請求項30】
エンタカポン200mg、レボドパ50〜150mgおよびカルビドパ10〜37.5mgからなり、実質的に下記の特徴:
重量400〜750mg、および錠剤に関する体積200〜1000mm
を有する請求項8記載の経口医薬錠剤。
【請求項31】
エンタカポン200mg、レボドパ50〜150mgおよびカルビドパ10〜37.5mgからなり、実質的に下記の特徴:
重量400〜750mg、および錠剤に関する体積寸法:長さ13〜18mm、幅6〜9mmおよび高さ4〜7mm
を有する請求項8記載の経口医薬錠剤。
【請求項32】
パーキンソン病の治療のための医薬の製造のための請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、30または31記載の組成物の使用。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2008−156373(P2008−156373A)
【公開日】平成20年7月10日(2008.7.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−63280(P2008−63280)
【出願日】平成20年3月12日(2008.3.12)
【分割の表示】特願2001−507476(P2001−507476)の分割
【原出願日】平成12年6月29日(2000.6.29)
【出願人】(300046083)オリオン コーポレーション (31)
【Fターム(参考)】