説明

レンズ、露光装置及びデバイス製造方法

【課題】
光学性能の劣化を抑制した信頼性の高いレンズを提供する。
【解決手段】
レンズ10は、レンズ面の曲率中心を通る光軸1bの方向が重力の方向とは異なる状態で用いられるレンズであって、光線有効部3の中心1aの位置(レンズ面上での光軸の位置)は、レンズ10の外径中心2aの位置(レンズ外径の中心位置)からずれている(偏芯している)。具体的には、光線有効部3の中心1aは、レンズ10の外径中心2aから距離βだけ上方に位置している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はレンズに係り、特に、レンズ面の曲率中心を通る光軸の方向が重力の方向とは異なる状態で用いられるレンズに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、半導体素子や液晶表示素子等のデバイスを製造する際、マスクに形成されたパターンをレジストを塗布した基板上に転写する投影露光装置が用いられている。このような露光装置としては、ステップ・アンド・リピート方式やステップ・アンド・スキャン方式の露光装置が用いられている。近年、半導体デバイスの微細化が進んでおり、0.15μm以下の線幅を有するパターンが転写されるようになっている。微細化が進むことにより、半導体デバイスの集積度が向上し、低電力で高性能な半導体デバイスが達成される。更なる微細化のためには、露光装置の解像力を向上させる必要がある。
【0003】
ここで、露光装置の解像力R(転写可能なラインアンドスペースのピッチ)、投影光学系の開口数NA、及び、露光波長λの関係は、係数k1を用いて、以下の式(1)で表される。
【0004】
R=k1・λ/NA … (1)
式(1)に表されるように、解像力を向上させる(Rを小さくする)には、露光波長λを小さくするか、投影光学系の開口数NAを大きくすればよい。そのため、従来から、投影光学系の高NA化と露光波長の短波長化が進んでいる。
【0005】
しかし高NA化が進むと、レジスト内でP偏光(基板上に入射する光の電場ベクトルが、光線と基板の垂線を含む平面にある光)同士の光が干渉縞のコントラストを下げるという問題が発生する。このため、NAを大きくして解像力を向上するには、高NA化と同時に、P偏光を除去してS偏光(P偏光と電場ベクトルが直交する光)のみでマスクを照明する偏光照明を実現する必要がある。
【0006】
また従来から、露光装置には、短波長光の透過率が高くて屈折率均質性等の光学特性に優れたフッ化カルシウム(CaF)を材料とした光学素子が用いられている。フッ化カルシウムは、応力に対して複屈折性を示し、残留応力があると光学特性が悪化する。このため、例えば、熱処理によって、光学素子内部の残留応力を低減したり、あるいは光学素子に圧力をかけて応力分布を発生させることにより複屈折を補正する必要がある。
【0007】
このため、特許文献1には、レンズの外周部に放射状にレンズ保持部材を配置したレンズ鏡筒が開示されている。更にそれぞれのレンズ保持部材に対して、伸縮部材を接合することで、レンズの外周方向から所望の圧力を加えられるように構成されている。
【0008】
また、特許文献2には、レンズを保持するレンズ保持部材に逃げ溝を設けた構造が開示されている。レンズ保持部材に外部の鏡筒を固定する際の歪がレンズに伝達しないように構成することで、レンズに外力が加えられることが防止される。
【0009】
また、特許文献3には、3つの小さなレンズ当り面でレンズに接触するように構成することで、レンズに外力が加えられることを防止したレンズ支持装置が開示されている。
【特許文献1】特開2004−214454号公報
【特許文献2】特開2003−029116号公報
【特許文献3】特許第3956454号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかしながら、特許文献1乃至3に開示されたレンズ鏡筒では、レンズの光軸方向が重力方向と異なるように配置された場合、レンズの自重による応力を分散することができない。
【0011】
一方、このような偏光崩れの分布にて偏光崩れの影響を受けない領域を光線有効範囲として用いるには、必要な光線有効径にレンズ下部の偏光崩れ影響範囲を加えた大口径レンズを用いる必要があった。しかし、レンズの口径が大きいと、レンズの自重によってレンズ下部に発生する偏光崩れの範囲は広がり、レンズの口径をさらに大きくすることになる。
【0012】
本発明は、光学性能の劣化を抑制した信頼性の高いレンズを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明の一側面としてのレンズは、曲率中心を通る光軸の方向が重力の方向とは異なる状態で用いられるレンズであって、レンズ面上での前記光軸の位置は、該レンズ面上でのレンズ外径の中心位置からずれている。
【0014】
また、本発明の他の側面としての露光装置は、原版のパターンを基板に露光する露光装置であって、光源からの光で前記原版を照明する照明光学系と、前記原版のパターンを前記基板に投影する投影光学系とを有し、前記照明光学系は、曲率中心を通る光軸の方向が重力の方向とは異なる状態で配置されたレンズを備え、前記レンズ面上での前記光軸の位置は、該レンズ面上でのレンズ外径の中心位置から前記重力とは異なる方向にずれている。
【0015】
また、本発明の他の側面としてのデバイス製造方法は、前記露光装置を用いて基板を露光するステップと、露光された前記基板を現像するステップとを有する。
【0016】
本発明の他の目的及び特徴は、以下の実施例において説明される。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、光学性能の劣化を抑制した信頼性の高いレンズを提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、本発明の実施例について、図面を参照しながら詳細に説明する。各図において、同一の部材については同一の参照番号を付し、重複する説明は省略する。
【0019】
まず、本実施例における露光装置について説明する。図3は、本実施例における露光装置の概略構成図である。
【0020】
露光装置100は、マスク124(原版)のパターンをウエハ126(基板)に露光する露光装置である。露光装置100は、紫外線領域の波長を発生させるレーザー120等の光源からの光(照明光)でマスク124を照明する照明光学系を備える。また露光装置100は、マスク124のパターンをウエハ126に投影する投影光学系(投影レンズ125)を備える。
【0021】
レーザー120(光源)は、例えば、KrFエキシマレーザー(波長248nm)、ArFエキシマレーザー(波長193nm)、又は、F2レーザー(波長157nm)を含みうる。レーザー120から射出された露光光は、露光装置100内の光学系を通過する。露光光は、例えば、図示しないマイクロレンズアレイやオプティカルインテグレータ等の光学素子によって、有効範囲内の照度の均一化処理や、図示しない計算機ホログラム(Computer Generated Hologram)が行われる。露光光は、所望のフーリエ変換像を形成した後、コンデンサレンズ127により可動ブラインド121に結像する。
【0022】
可動ブラインド121を透過した露光光は、コンデンサレンズ122を通過した後、ミラー123を介してマスク124に再度結像する。可動ブラインド121は、オプティカルインテグレータのフーリエ変換面となっており、また、マスク124と光学的に共役な位置に配置されている。このため、可動ブラインド121の開口形状を不図示の調整手段を用いて調整することで、マスク124上の露光光照射領域を限定することができる。
【0023】
露光装置100が偏光照明光学系を有する場合、レーザー120から射出された露光光は、水晶やフッ化マグネシウム等の複屈折を有する硝材で製作された不図示のλ/2位相板によって、偏光状態を所定の方向に電場ベクトルが向いた偏光に変換される。また、λ/2位相板は移動可能に構成されている。λ/2位相板を不図示の駆動手段を用いて移動させることにより、被照明面をX偏光で照明するモードと、Y偏光で照明するモードとを切り替えることができる。ここで、X偏光とは、露光装置100のX方向に電場ベクトルを持つ直線偏光で原版を照明するモードであり、Y偏光とは、露光装置100のY方向に電場ベクトルを持つ直線偏光で原版を照明するモードである。
【0024】
このように、偏光照明光学系を有する露光装置では、露光光の偏光を所望の状態に維持することにより、露光性能を確保することが要求される。このとき、露光光が光学系を通過する際に、レンズに起因した偏光性能の変化を高度に抑制する必要がある。
【0025】
ところで、レンズを露光装置100の鏡筒内で保持する場合、レンズの曲率中心を通る光軸の方向が重力方向と同じ状態でレンズを配置すると、レンズの自重による歪は、光軸に対して略対称に発生する。しかし、全ての光学系を同一光軸上に配置するのは困難である。このため、本実施例の露光装置100では、コンデンサレンズ122、127等の一部のレンズを、その光軸が重力の方向とは垂直になるように配置している。このように、光軸と重力の方向が異なって配置されたレンズには、その自重により偏光崩れが発生する。
【0026】
露光装置の照明光学系には、コンデンサレンズ122とコンデンサレンズ127との間にハエの目レンズが配置される。ハエの目レンズを設けることで、露光光を平均化する平均化効果を得ることができる。このため、本実施例では、特にハエの目レンズよりも像側(後段側)に配置されたコンデンサレンズ122を偏芯レンズして構成することが好ましい。
【0027】
次に、レンズの配置と偏光崩れとの関係について、図1及び図2を参照して説明する。図1及び図2は、レンズの光軸方向が重力方向に対して垂直になるように配置された場合を示している。
【0028】
図1において、レンズ10は、レンズ10の外周付近の三箇所の保持部(保持点51a〜51c)により保持されている。このため、それぞれの保持点51a、51cの近傍には、三箇所の保持部によって、それぞれ偏光崩れ52a、52cが発生している。また、レンズ10の下部における保持点51bの近傍では、レンズの自重歪によって、偏光崩れ52a、52cよりも大きい偏光崩れ52bが発生している。
【0029】
図2は、鏡筒を光軸の周りに回転させ、三箇所の保持部の位置をレンズ10の周方向にずらした場合を示す。すなわち、保持点51a〜51cの位置は、それぞれ、保持点51d〜51fに変更されている。図2に示されるように、三箇所の保持部をずらした場合でも、レンズ10の下部の保持点51f、51eの近傍では、大きな偏光崩れ52e、52fが発生している。
【0030】
図1において、2はレンズ10の中心線であり、二つの中心線2の交点はレンズ10の外径中心2aである。3はレンズ10の光線有効部である。光線有効部3は、レンズ10に入射する光線を利用することが可能な半径R2の円領域を示す。1は光線有効部3の中心線であり、二つの中心線1の交点は光線有効部3の中心1aである。
【0031】
図1に示されるように、光線有効部3の中心1aの位置(レンズ面上での光軸の位置)は、レンズ10の外径中心2aの位置(レンズ外径の中心位置)からずれている(偏芯している)。具体的には、光線有効部3の中心1aは、レンズ10の外径中心2aから距離βだけ上方に位置している。このため、光線有効部3の中心1aとレンズ10の下端との間の距離R1+αは、光線有効部3の中心1aとレンズ10の上端との間の距離R1より大きい。このように光線有効部3の中心1aの位置がずれていると、光線有効部3に対して上述のような偏光崩れの影響を抑制することができる。
【0032】
本実施例において、レンズ10は、光線有効部3の中心1aの位置とレンズ面上での光軸の位置とを一致するように偏芯加工されている。ここで光軸とは、二つのレンズ面の曲率中心を結んで形成される軸(レンズ面の曲率中心を通る軸)である。すなわち、レンズ面上での光軸の位置は、レンズ10が凸レンズの場合、光軸の方向においてレンズ面上でのレンズ10が最も厚い位置である。レンズ10が凹レンズの場合、レンズ面上での光軸の位置は、光軸の方向においてレンズ面上でのレンズ10が最も薄い位置である。
【0033】
本実施例において、レンズ鏡筒の外径は略円筒の形状を有する。ただし、偏芯レンズとしてのレンズ10の形状に対応して、レンズ10の光軸の位置と鏡筒の中心軸の位置は、互いに距離βだけずれている。
【0034】
図6は、本実施例におけるレンズ10の概略断面図である。図6に示されるように、レンズ10は、光軸1bがレンズ10の外径中心よりも上方に位置するように偏芯加工されている。レンズ10の外周の保持部(レンズ鏡筒11)には、隙間補填材15が設けられている。隙間補填材15は、偏芯加工されたレンズ10の形状に対応するように、場所に応じて異なる厚みを有する。またレンズ10は、隙間補填材15の反対側から、バネ17等の弾性部材を用いて一定の荷重で押圧されている。
【0035】
図8は、レンズ鏡筒内に複数のレンズ(レンズ群)が配置された場合の概略断面図である。
【0036】
レンズ群(レンズ10、20)の光軸1bの方向が重力方向とは垂直である場合、凸レンズ(レンズ10)について、レンズ10の光線有効部3の半径R2よりも大きな径の領域を、レンズ鏡筒11とレンズ押え12で挟み込んで固定する。同様に、凹レンズ(レンズ20)についても、レンズ20の光線有効径よりも大きな径の領域を、レンズ鏡筒21とレンズ押え22で挟み込んで固定する。
【0037】
ところが本実施例のレンズ鏡筒では、固定対象であるレンズ10、20も偏芯構造となっている。このため、レンズ10、20の上部と、レンズ10、20の下部とでは、光軸1bの方向におけるレンズ10、20の厚さがそれぞれ異なる。したがって、一般のレンズ鏡筒のように、レンズ10、20をそれぞれレンズの周方向において均一な厚さで固定することはできない。
【0038】
図8のレンズ10(凸レンズ)を用いて説明すると、図中右側の曲率部をレンズ外径から同じ距離だけ光軸1bの方向に入った位置で保持しようとすれば、隙間δだけ、レンズ10に段差が形成される。このため、その段差の厚さの差分に相当する厚さの隙間補填材13を用いて、隙間δを埋めることが好ましい。同様に、レンズ20についても隙間補填材23が用いられる。
【0039】
図8においては、説明を簡略化するため、上下の距離の差(隙間δ)を用いて説明したが、実際には図1に示されるように、保持点はレンズ厚みの最大点又は最小点に限定されるものではなく、中間の厚さの保持点に設けられる場合もある。このため、隙間補填材13の厚さを決定することは困難である。例えば、隙間補填材13の厚さがレンズ10の隙間差δと完全に同一ではない場合、レンズ10が傾いて固定されることになる。そこで、本実施例では、レンズ10の有効径(光線有効部)よりも外側の位置において、レンズ外周に段差加工を施すことがより好ましい。
【0040】
図7は、本実施例において、レンズ外周に段差加工が施されたレンズの概略断面図である。図7において、18はフランジ部(レンズフランジ)である。フランジ部18は、レンズ外周部に設けられ、光軸の方向において一定の厚さを有する。段差加工によって形成されたフランジ部18の段差面は、光軸1bの方向に対して垂直に交わっており、また、フランジ部18の両面は平行である。ここでは、凸レンズの場合について説明したが、これに代えて、凹レンズであっても同様の加工を追加して使用できる。
【0041】
このようなフランジ部18を用いることにより、レンズ10の外径中心2aが光軸1b(光線有効部3の中心1a)に対して偏芯している場合でも、レンズ10の外周付近の保持点は、周方向のいずれでも、光軸1bの方向において一定の厚さを有する。このため、レンズ10を設置する際の傾きを抑制することが可能である。
【0042】
フッ化カルシウムや石英等の材料を用いてレンズ10を形成すると、外力により発生する歪によって、偏光状態が変化する。図4は、光学素子の偏光発生状態の説明図である。図4において、光の進行方向と平行になる圧力印加方向61a、61bにレンズ60(光学素子)を加圧すると、複屈折量をRe、光学素子の厚さをt、光弾性係数をC、発生した応力をΔσとすると、以下の式(2)で表される複屈折が発生する。
【0043】
Re=t・C・Δσ … (2)
すなわち、直線偏光の偏光方向62を持つ光がレンズ60を通過する際に、理想的には偏光方向62の状態を維持できる。しかし、圧力により局所的な偏光状態が変化する偏光崩れが発生する。このため、複屈折量Reだけ位相が変化して偏光状態65の光となる。
【0044】
偏光崩れの大きさは、光軸に対して垂直な方向の圧力に比例する。このため、図7に示されるように、フランジ部18を形成するためにレンズ10を段差加工すると、レンズ10の重量がレンズ下部のフランジ部18に集中的に掛かった場合、光軸1bの方向の歪に変換される度合いが減少する。このため、曲率の大きなレンズでは、偏光崩れの発生量自体を減少させることができる。また、レンズ10が凹レンズの場合、レンズ外周を削ることによって、レンズ重量の減少度合いが大きいため、更に大きな効果を得ることが可能である。
【0045】
本実施例のレンズは、その外周を段差加工するものに限定されるものではない。図5は、本実施例において、レンズ外周を接着固定したレンズ鏡筒の概略断面図である。図5に示されるように、レンズ10の外周は、接着剤14を介して、レンズ鏡筒11に接着固定されている。このような構成でも、レンズ10の厚さの不均一性による影響を効果的に抑制することができる。また、レンズ10に偏芯加工を施すことによりレンズ10がレンズ鏡筒11内で回転方向にずれた場合、レンズ10の光軸1bがレンズ鏡筒11内で変化してしまう。このため、レンズ10の外周にオリフラ加工等を行うことにより、レンズ10の回転ずれを抑制することが可能である。
【0046】
本実施例ではレンズの光軸方向と重力方向とが垂直である場合について説明したが、これに限定されるものではない。光軸方向と重力方向とが異なる状態でレンズが配置されている場合にも、本実施例を適用することができる。
【0047】
また本実施例では、両凸レンズ及び両凹レンズについて説明したが、これに限定されるものではなく、例えば、平凸レンズ、凸メニスカスレンズ、凹メニスカスレンズ、平凹レンズ等を用いてもよい。平凸レンズや平凹レンズでは、一方のレンズ面は平面であるが、この場合、レンズ面の曲率中心は無限遠にあると考えることができる。また、本実施例は球面レンズ及び非球面レンズのいずれにも適用可能である。
【0048】
デバイス(半導体集積回路素子、液晶表示素子等)は、前述のいずれかの実施形態の露光装置を使用して感光剤を塗布した基板(ウエハ、ガラスプレート等)を露光する工程と、その基板を現像する工程と、他の周知の工程と、を経ることにより製造される。
【0049】
以上のとおり、本実施例によれば、レンズの光軸方向と重力方向とが異なる状態で用いられる場合でも偏光崩れの影響を抑制したレンズを提供することができる。また、このレンズは、鏡筒を小さな口径で構成することができるため、レンズ面における偏光崩れの影響範囲を小さくすることが可能である。このように、本実施例によれば、光学性能の劣化を抑制した信頼性の高いレンズ及び露光装置を提供することができる。また本実施例によれば、高品質なデバイスを製造するデバイス製造方法を提供することができる。
【0050】
以上、本発明の実施例について具体的に説明した。ただし、本発明は上記実施例として記載された事項に限定されるものではなく、本発明の技術思想を逸脱しない範囲内で適宜変更が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0051】
【図1】本出願による第1の発明を説明する図
【図2】本出願による第1の発明を説明する図
【図3】本実施例における露光装置の概略構成図である。
【図4】光学素子の偏光発生状態を説明する図
【図5】本実施例において、レンズ外周を接着固定したレンズ鏡筒の概略断面図である。
【図6】鏡筒内の光学素子保持方法を説明する図
【図7】本実施例において、レンズ外周に段差加工が施されたレンズの概略断面図である。
【図8】レンズ鏡筒内に複数のレンズが配置された場合の概略断面図である。
【符号の説明】
【0052】
10:レンズ
11:レンズ鏡筒
18:フランジ部
100:露光装置
122,127:コンデンサレンズ
124:マスク
125:投影レンズ
126:ウエハ


【特許請求の範囲】
【請求項1】
レンズ面の曲率中心を通る光軸の方向が重力の方向とは異なる状態で用いられるレンズであって、
レンズ面上での前記光軸の位置は、該レンズ面上でのレンズ外径の中心位置からずれていることを特徴とするレンズ。
【請求項2】
前記光軸の方向において、前記レンズ面上での該レンズの最も厚い位置又は最も薄い位置は、該レンズ面上での前記レンズ外径の中心位置からずれていることを特徴とする請求項1記載のレンズ。
【請求項3】
前記光軸の位置は、前記レンズ外径の中心位置よりも前記重力とは異なる方向に位置していることを特徴とする請求項1又は2記載のレンズ。
【請求項4】
前記光軸の方向において一定の厚さを有するフランジ部をレンズ外周部に備えることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一に記載のレンズ。
【請求項5】
原版のパターンを基板に露光する露光装置であって、
光源からの光で前記原版を照明する照明光学系と、
前記原版のパターンを前記基板に投影する投影光学系とを有し、
前記照明光学系は、レンズ面の曲率中心を通る光軸の方向が重力の方向とは異なる状態で配置されたレンズを備え、
前記レンズ面上での前記光軸の位置は、該レンズ面上でのレンズ外径の中心位置から前記重力とは異なる方向にずれていることを特徴とする露光装置。
【請求項6】
前記照明光学系はハエの目レンズを備え、
前記レンズは、前記ハエの目レンズよりも像側に配置されていることを特徴とする請求項5記載の露光装置。
【請求項7】
請求項6記載の露光装置を用いて基板を露光するステップと、
露光された前記基板を現像するステップと、を有することを特徴とするデバイス製造方法。

【図4】
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【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2010−169718(P2010−169718A)
【公開日】平成22年8月5日(2010.8.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−9581(P2009−9581)
【出願日】平成21年1月20日(2009.1.20)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】