説明

レンズアレイユニット、光学ヘッドおよび情報装置

【課題】十分な解像度の結像を得ることができるレンズアレイユニットを提供する。
【解決手段】それぞれの光軸に直交する方向に複数のレンズが並ぶレンズアレイを有するレンズ板を備え、少なくとも2枚の前記レンズ板を前記各レンズの光軸が一致するように配置して正立等倍像を結像するレンズアレイユニットにおいて、レンズ板を取り付ける取付け部と、前記レンズ板の各レンズからの一部の光を遮光する遮光部とを有する遮光部材を設け、光軸に直交する長手方向における光軸方向へのレンズアレイユニットの剛性を、光軸に直交する長手方向における光軸と直交する短手方向へのレンズアレイユニットの剛性より大きくしたことを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置のLEDヘッドや読取装置の光学系として使用されるレンズアレイユニット、そのレンズアレイユニットを備えた光学ヘッドおよび情報装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来のレンズアレイユニットは、複数のLED(発光ダイオード)を直線状に配列したLEDヘッドを用いた電子写真式の画像形成装置や複数の受光素子を直線状に配列した受光部に読取り原稿の像を結像させるスキャナやファクシミリ等の読取装置にロッドレンズアレイが用いられている。このロッドレンズアレイは、物体の正立等倍像をライン状に形成することができる光学系である(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
また、マイクロレンズを直線状に配列した2個のレンズアレイを配置して物体の正立等倍像を形成する光学系を構成するようにしたものもある。このマイクロレンズのレンズアレイにおいては、プラスチック射出成型により形状精度の高いレンズアレイを効率よく作成することができ、高い解像度を得ることができるものである。
【特許文献1】特開2000−221445号公報(段落「0017」〜段落「0023」、図2、図3)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述した従来の技術においては、マイクロレンズを直線状に配列した長尺のアレイ板を射出成型するとアレイ板は薄くて長いため長手方向で剛性が弱く、レンズアレイユニットを組み立てるとき、寸法精度を出して取り付けることが困難であるため、十分な解像度の結像を得ることができないという問題がある。
本発明は、このような問題を解決することを課題とし、十分な解像度の結像を得ることができるレンズアレイユニットを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
そのため、本発明は、それぞれの光軸に直交する方向に複数のレンズが並ぶレンズアレイを有するレンズ板を備え、少なくとも2枚の前記レンズ板を前記各レンズの光軸が一致するように配置して正立等倍像を結像するレンズアレイユニットにおいて、レンズ板を取り付ける取付け部と、前記レンズ板の各レンズからの一部の光を遮光する遮光部とを有する遮光部材を設け、光軸に直交する長手方向における光軸方向へのレンズアレイユニットの剛性を、光軸に直交する長手方向における光軸と直交する短手方向へのレンズアレイユニットの剛性より大きくしたことを特徴とする。
【0006】
また、それぞれの光軸に直交する方向に複数のレンズが並ぶレンズアレイを有するレンズ板を備え、2枚の前記レンズ板を前記各レンズの光軸が一致するように配置して正立等倍像を結像するレンズアレイユニットにおいて、レンズ板を取り付ける取付け部と、前記レンズ板の各レンズからの一部の光を遮光する遮光部とを有する遮光部材を設け、前記遮光部材は、光軸方向への剛性が前記レンズ板の光軸方向への剛性の5倍以上であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
このようにした本発明は、十分な解像度の結像を得ることができるという効果が得られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
以下、図面を参照して本発明によるレンズアレイユニット、光学ヘッドおよび情報装置の実施例を説明する。
【実施例1】
【0009】
本実施例の情報処理装置としてのプリンタを図2の第1の実施例におけるプリンタの構成を示す概略図に基づいて説明する。
図2において、プリンタ100は、色材としての顔料を含む樹脂からなるトナーにより、画像データをもとに印字媒体上に画像を形成する。
プリンタ100には、印字媒体としての用紙101を貯留する給紙カセット60が装着され、用紙101を給紙カセット60から取り出す給紙ローラ61を備え、用紙101を給紙して搬送する。
【0010】
本発明におけるプリンタ100は、カラー電子写真方式であり、プリンタ100内には画像形成部としてイエロー、マゼンダ、シアン、ブラックの各色の画像を形成する静電潜像担持体としての感光体ドラム41、その感光体ドラム41に形成された静電潜像をトナーにより現像し、トナー像を形成する現像器5、その現像器5にトナーを供給するトナーカートリッジ51が用紙101の搬送路に沿って並べて配置されている。
【0011】
また、感光体ドラム41の表面に電荷を供給して帯電させる帯電ローラ42、光学ヘッドとしてのLEDヘッド3が、感光体ドラム41の表面に対向するように配置され、LEDヘッド3は帯電ローラ42で帯電された感光体ドラム41の表面に画像データをもとに選択的に光を照射して静電画像を形成する。
さらに、感光体ドラム41上に形成されたトナー像を用紙101上に転写する転写ローラ80が、転写部で用紙101を搬送する転写ベルト81を挟むように感光体ドラム41に対向して配置され、その下流には用紙101上に形成されたトナー像を熱および圧力で定着させる定着器9が配置されている。この定着器9を通過した用紙101は排出部7へ排出される。
【0012】
また、帯電ローラ42および転写ローラ80には図示しない電源により所定の電圧が印加される。そして、転写ベルト81、感光体ドラム41および各ローラはそれぞれ図示しないモータと図示しない駆動を伝達するギアにより回転駆動される。さらに、現像器5、LEDヘッド3、定着器9、および図示しない各モータには、それぞれ電源および制御装置が接続されている。
【0013】
プリンタ100は、外部装置から印刷データを受信する外部インターフェースを有し、その外部インターフェースで受信した印刷データをもとに印字媒体上に画像を形成する。
このように構成されたプリンタ100は、制御プログラムをメモリ等の記憶部に記憶し、その制御プログラムに基づいて全体を制御する制御手段および演算手段としての制御部を備えている。
【0014】
次に、光学ヘッドとしてのLEDヘッド3の構成を図3の第1の実施例におけるLEDヘッドの概略断面図に基づいて説明する。
LEDヘッド3には、レンズアレイユニット1が配設され、そのレンズアレイユニット1はホルダ34によりLEDヘッド3に固定されている。LED素子30およびドライバIC31は配線基板33上に配置され、LED素子30とドライバIC31はワイヤ32により結線され、LED素子30はドライバIC31により制御されて発光する。
【0015】
このレンズアレイユニット1により、感光体ドラム41にLED素子30の像が結像し、感光体ドラム41の回転に合わせてLED素子30を発光させることにより感光体ドラム41上に静電潜像が形成される。
本実施例においては、LEDヘッド3は600dpi(dots per inch)の解像度であり、LED素子30が1インチ当たり(1インチは約25.4mm(ミリメートル))600個配置されている。すなわち、LED素子30が0.0423mm間隔で配列されている。
【0016】
次に、レンズアレイユニット1の構成を図1の第1の実施例におけるレンズアレイユニットに使用されるレンズ板および遮光部材の平面図、図4の第1の実施例におけるレンズアレイユニットの断面図、図5の第1の実施例におけるレンズアレイユニットの側面図および平面図に基づいて説明する。なお、図1(a)はレンズ板の平面図、図1(b)は遮光部材の平面図であり、図5(a)はレンズアレイユニットの側面図、図5(b)はレンズアレイユニットの平面図である。
【0017】
図1(a)において、レンズ板11は、複数のマイクロレンズ12を光軸と直交する方向に中心の間隔をPとして配列して形成される。それぞれのマイクロレンズ12の半径RLは、間隔P/2より大きく、オーバーラップするように配設され、隣接するマイクロレンズ12と接する部分はレンズ形状が切り欠き形状となって連結されている。
図1(b)において、遮光部材13は、中心の間隔をPとして貫通した開口14(遮光部)が形成され、その配列間隔はレンズ板11に配列されるマイクロレンズ12の光軸の間隔に一致する。開口14の開口幅(遮光部材13の長手方向の開口幅)は2RYであり、間隔Pより小さくなるように形成されている。また、遮光部材13は、発光部の光線を遮光する黒色樹脂素材により形成される。
【0018】
図4において、レンズ板11は、遮光部材13に設けられた取付け部としての穴16にレンズ板11の突起15を嵌め込むことで遮光部材13に固定される。遮光部材13は樹脂製であり、穴16の近傍を拡げてレンズ板11を嵌め込むことができ、嵌め込んだ後は、レンズ板11を固定して保持することができるようになっている。
遮光部材13に固定されるレンズ板11は、開口の光の入口側と出口側にそれぞれ1枚ずつ配置され、対向する各レンズ板11のマイクロレンズ12の光軸Cが一致し、さらにその光軸Aが開口14の中心に一致するように固定される。このとき、遮光部材13の開口14の厚さによって対向する2枚のレンズ板11の間隔が、感光体ドラム41上に結像できる間隔に支持される。
【0019】
図5において、遮光部材13に設けられた基準穴18にレンズ板11の基準突起17を嵌め込むことでレンズ板11は遮光部材13に長手方向の基準位置で固定される。
レンズアレイユニット1は、図5に示すように遮光部材13を挟んで2個のレンズ板11は表裏が逆となるように対向して結像面に結像できる間隔で保持されている。遮光部材13を挟んで2個のマイクロレンズ12が光軸を一致させて共役の位置に配置され、正立等倍率の光学系が形成される。このように光軸が一致する2個のマイクロレンズ12からなる光学系は、LED素子30の像を感光体ドラム41の表面に正立等倍率で結像することができる。
【0020】
また、遮光部材13は、レンズ板11の間にあって光軸が一致する2個のマイクロレンズからなる光学系に他の光学系から入る迷光(一部の光)を遮断するとともに他の光学系に迷光を出さないように遮断している。
なお、本実施例では、レンズ板11はシクロオレフィン系樹脂である光学樹脂(日本ゼオン社製、商品名;ZEONEX(ゼオネックス)(登録商標)E48R)を使用し、射出成型により複数のマイクロレンズ12を一体に成型した。また、遮光部材13は、ポリカーボネートを使用し、樹脂成型により作成した。
【0021】
上述した構成の作用について説明する。
まず、プリンタ100の動作を図2に基づいて説明する。
プリンタ100の感光体ドラム41表面は、図示しない電源装置により電圧が印加された帯電ローラ42により帯電される。続いて、感光体ドラム41が回転することによって帯電された感光体ドラム41表面がLEDヘッド3の付近に到達するとLEDヘッド3によって露光され、感光体ドラム41表面に静電潜像が形成される。この静電潜像は現像器5により現像され、感光体ドラム41の表面にトナー像が形成される。
【0022】
一方、給紙カセット60にセットされた用紙101が給紙ローラ61によって給紙カセット60から取り出され、転写ローラ80および転写ベルト81の付近に搬送される。
感光体ドラム41が回転することにより、現像によって得られた感光体ドラム41表面上のトナー像が転写ローラ80および転写ベルト81の付近に到達すると図示しない電源装置により電圧が印加されている転写ローラ80および転写ベルト81によって、感光体ドラム41表面上のトナー像は用紙101上に転写される。
【0023】
続いて、表面にトナー像が形成された用紙101は、転写ベルト81の回転により定着器9へ搬送され、用紙101上のトナー像はその定着器9により加圧されながら加熱されることにより溶解し、用紙101上に固定される。トナー像が固定された用紙101は排出部7に排出されてプリンタ100の動作が終了する。
次に、LEDヘッド3の動作を図3に基づいて説明する。
【0024】
画像データをもとにプリンタ100の制御部によりLEDヘッド3の制御信号が発信されるとドライバIC31はその制御信号に基づき任意の光量でLED素子30を発光させる。そのLED素子30からの光線はレンズアレイユニット1に入射し、感光体ドラム41上に結像が形成される。
次に、レンズアレイユニット1の動作を図4に基づいて説明する。
【0025】
LED素子30の光線は第1のマイクロレンズ12に入射し、その第1のマイクロレンズ12によって光軸方向に隔てた位置に中間像が形成される。さらに、第2のマイクロレンズ12によってその中間像の像が形成されることにより、結像面上にLED素子30の像が形成される。
第1のマイクロレンズ12によって形成される中間像はLED素子30の倒立縮小画像であり、結像面上のLED素子30の像はその中間像の第2のマイクロレンズ12による倒立拡大画像であって、結局、LED素子30の正立等倍像が結像面上に形成される。
【0026】
また、第1のマイクロレンズ12と第2のマイクロレンズ12との間では物体面上の各点からの光線の主光線が平行である、いわゆるテレセントリックになっている。
このようにしてレンズアレイユニット1はLED素子30の正立等倍像を形成する。
なお、LED素子30からの光線は、レンズアレイユニット1に配設された2つ以上の異なる光軸を有するマイクロレンズ12に入射して結像面では重なって像を形成する。
【0027】
また、LED素子30からの光線は第1のマイクロレンズ12から射出された後、結像に寄与しない光線は遮光部材13により遮光される。
レンズアレイユニット1は図3に示す結像関係で性能を満足するには光軸方向における位置精度の許容値は30μm以内であり、レンズアレイユニット1の取付け精度と同時にレンズアレイユニット1の反りが30μm以内にあることが必要である。
【0028】
レンズ板11はマイクロレンズ12の光軸方向は薄い形状になるため、レンズ板11の長手方向における曲げ剛性であって光軸方向の曲げ剛性が低くなり光軸と直交する方向の短手(幅)方向の剛性より小さい。このため、射出成型したレンズ板11は長手方向における光軸方向に反り易い。
本発明では、レンズアレイユニット1の反りを減らすため、剛性を測定してレンズ板11の剛性に対して遮光部材13の剛性を検討した。
【0029】
図7は剛性の測定方法を示す説明図である。
図7において、サンプル93の剛性を測定するため、固定治具92にサンプル93の端部を挟み固定し、そのサンプル93の他方の端部に荷重変位計91の端子を当接させる。この荷重変位計91は端子の押し込み量σと端子に加える荷重Fを測定できるようになっており、端子の押し込み量σはサンプル93の変位量σであるから、サンプル93の剛性KをF/σとして簡易的に求めた。そして、サンプル93の測定長さLを200mmとし、変位σは5mmとなる荷重Fg(グラム)を測定した。
【0030】
遮光部材13は、光軸方向に厚さを増加させるため、レンズ板11の側面を囲む形状とした。これによりレンズアレイユニット1の長手方向における光軸方向の剛性が増加し、光軸と直交する短手(幅)方向の剛性より大きくなった。
また、遮光部材13の長手方向における光軸方向への剛性が、レンズ板11の長手方向における光軸方向への剛性に対して5倍以上あればレンズ板11に反りが有ってもレンズアレイユニット1に嵌合させて組立てた後にはレンズ板11の反りを遮光部材13によって補正することができ、レンズ板11の反りの影響は出なかった。
【0031】
なお、遮光部材13の長手方向における光軸方向への剛性が、レンズ板11の長手方向における光軸方向への剛性に対して5倍以上にするとレンズアレイユニット1の取付け精度と同時にレンズアレイユニット1の反りが許容値である30μm以内になることが実験により分かっている。
本実施例では、レンズ板11を形成する光学材料は高価であって材料の種類も限定されるが、遮光部材13は比較的安価な材料で成型され、剛性を出せる材料、例えばガラス繊維入りのポリカーボ樹脂も選択することができる。
【0032】
また、レンズアレイユニット1の光軸と直交する方向(図5(b)における矢印Bが示す方向)の剛性は、光軸方向(図5(a)における矢印Aが示す方向)の剛性より小さい場合でもホルダ34に沿って取り付けることにより、寸法精度を得ることができる。なお、レンズアレイユニット1の光軸と直交する方向の位置精度の許容値は光軸方向の許容値の約3倍である。
【0033】
なお、本実施例では、発光部としてLED素子30を複数配置したLEDアレイを用いたものとして説明したが、それに限られることなく例えば有機EL(ElectroLumnescence)を発光部とした光学ヘッドであってもよい。
以上説明したように、第1の実施例では、複数のマイクロレンズを直線状に配置したレンズ板を遮光部材に嵌合して基準位置に固定することにより、レンズアレイユニットに位置精度を高くしてレンズ板を配置することができ、また遮光部材の剛性をレンズ板の剛性に対して5倍以上とすることにより、レンズ板の反りを補正することができ、レンズアレイユニットの長手方向において十分な解像度を得ることができるという効果が得られる。
【実施例2】
【0034】
図6は第2の実施例におけるレンズアレイユニットに使用されるレンズ板および遮光部材の平面図である。なお、図6(a)はレンズ板の平面図であり、図6(b)は遮光部材の平面図である。
第2の実施例では、レンズ板21はマイクロレンズ22の光軸に直交する方向にレンズ群を2列の直線状(2本の平行する直線状)に配置して構成される。なお、上述した第1の実施例と同様の部分は、同一の符号を付してその説明を省略する。
【0035】
図6(a)において、レンズ板21には複数のマイクロレンズ22が平行する2列に交互に配置され、各列で並ぶそれぞれのマイクロレンズ22の間隔はPY、二つの平行する列の間隔はPXである。
それぞれのマイクロレンズ22の半径はRLであり、隣接するマイクロレンズ22の中心間を距離PNとして隣接するマイクロレンズ22にオーバーラップするように配置され、隣接するマイクロレンズ22と接する部分はレンズ形状が切り欠き形状となって連結さている。つまり、距離PNは2RLより小さくなっている。
【0036】
図6(b)において、遮光部材23には開口24がレンズ板21のマイクロレンズ22の配置に対応するように形成され、その開口24の配列間隔(中心の間隔)は各列で並ぶ間隔PY、2列の間隔はPXである。この開口24の中心の位置はマイクロレンズ22の光軸に対応し、開口24の弧の半径RAはマイクロレンズ22の半径RLより小さくなるように形成されている。
【0037】
レンズアレイユニット1の組み立ては第1の実施例と同様であり、レンズ板21は、遮光部材23に設けられた穴にレンズ板21の突起を嵌め込むことで遮光部材23に固定される。遮光部材23は樹脂製であり、変形してレンズ板21を嵌め込むことができ、嵌め込んだ後は、レンズ板21を固定して保持することができるようになっている。
遮光部材23に固定されるレンズ板21は、開口24の光の入口側と出口側にそれぞれ1枚ずつ配置され、対向する各レンズ板21のマイクロレンズ22の光軸が一致するように固定される。このとき、遮光部材23の開口24の厚さによって対向する2枚のレンズ板21の間隔が、感光体ドラム41上に結像できる間隔に支持される。
【0038】
また、物体面側のレンズ板21と結像面側のレンズ板21はマイクロレンズ22の光軸を一致させて反対向きに配置することは第1の実施例と同様である。
上述した構成のプリンタ100、LEDヘッド3、およびレンズアレイユニット1の動作は第1の実施例と同様なのでその説明を省略する。
第2の実施例の構成では、マイクロレンズ22が2列に配列されるため、1列に配列した場合よりLED素子30の結像面上の像は光量が均一で明るくなる。
【0039】
以上説明したように、第2の実施例では、第1の実施例の効果に加え、レンズ板にマイクロレンズを2列に並べて配置するようにしたことにより、結像面上の像は光量が均一で明るくなるという効果が得られる。
なお、各実施例において、本発明によるレンズアレイユニットを用いた光学ヘッドをLEDヘッドとして説明したが、それに限られるものでなく、原稿を読取る読取装置の読取りヘッドとしてもよい。また、情報装置として複写機や複合機に利用することもできる。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】第1の実施例におけるレンズアレイユニットに使用されるレンズ板および遮光部材の平面図
【図2】第1の実施例におけるプリンタの構成を示す概略図
【図3】第1の実施例におけるLEDヘッドの概略断面図
【図4】第1の実施例におけるレンズアレイユニットの断面図
【図5】第1の実施例におけるレンズアレイユニットの側面図および平面図
【図6】第2の実施例におけるレンズアレイユニットに使用されるレンズ板および遮光部材の平面図
【図7】剛性の測定方法を示す説明図
【符号の説明】
【0041】
1 レンズアレイユニット
3 LEDヘッド
5 現像器
7 排出部
9 定着器
11、21 レンズ板
12、22 マイクロレンズ
13、23 遮光部材
14、24 開口
15 突起
16 穴
17 基準突起
18 基準穴
30 LED素子
31 ドライバIC
32 ワイヤ
33 配線基板
34 ホルダ
41 感光体ドラム
42 帯電ローラ
51 トナーカートリッジ
60 給紙カセット
61 給紙ローラ
80 転写ローラ
81 転写ベルト

【特許請求の範囲】
【請求項1】
それぞれの光軸に直交する方向に複数のレンズが並ぶレンズアレイを有するレンズ板を備え、少なくとも2枚の前記レンズ板を前記各レンズの光軸が一致するように配置して正立等倍像を結像するレンズアレイユニットにおいて、
レンズ板を取り付ける取付け部と、前記レンズ板の各レンズからの一部の光を遮光する遮光部とを有する遮光部材を設け、
光軸に直交する長手方向における光軸方向へのレンズアレイユニットの剛性を、光軸に直交する長手方向における光軸と直交する短手方向へのレンズアレイユニットの剛性より大きくしたことを特徴とするレンズアレイユニット。
【請求項2】
それぞれの光軸に直交する方向に複数のレンズが並ぶレンズアレイを有するレンズ板を備え、2枚の前記レンズ板を前記各レンズの光軸が一致するように配置して正立等倍像を結像するレンズアレイユニットにおいて、
レンズ板を取り付ける取付け部と、前記レンズ板の各レンズからの一部の光を遮光する遮光部とを有する遮光部材を設け、
前記遮光部材は、光軸方向への剛性が前記レンズ板の光軸方向への剛性の5倍以上であることを特徴とするレンズアレイユニット。
【請求項3】
請求項1または請求項2のレンズアレイユニットにおいて、
前記レンズ板は、光軸に直交する長手方向における光軸方向への剛性が光軸に直交する長手方向における光軸と直交する短手方向の剛性より小さいことを特徴とするレンズアレイユニット。
【請求項4】
請求項1、請求項2または請求項3のレンズアレイユニットにおいて、
前記レンズ板の各レンズは、配列間隔より大きい外径を有し、隣接するレンズとの接合部を切り欠き形状としたことを特徴とするレンズアレイユニット。
【請求項5】
請求項4のレンズアレイユニットにおいて、
前記レンズ板の各レンズを、光軸に対して直交する方向に2列に並べて配置したことを特徴とするレンズアレイユニット。
【請求項6】
請求項5のレンズアレイユニットにおいて、
前記レンズ板の各レンズを、平行する2列に交互に並べて配置したことを特徴とするレンズアレイユニット。
【請求項7】
請求項1から請求項7のいずれか1項のレンズアレイユニットにおいて、
前記遮光部材は、ポリカーボネート樹脂を主材料として成型されることを特徴とするレンズアレイユニット。
【請求項8】
請求項1から請求項7のいずれか1項のレンズアレイユニットにおいて、
前記遮光部材は、前記レンズ板の側面を包む形状であることを特徴とするレンズアレイユニット。
【請求項9】
請求項1から請求項8のいずれか1項のレンズアレイユニットにおいて、
前記遮光部材の遮光部は、貫通した開口を有することを特徴とするレンズアレイユニット。
【請求項10】
請求項1から請求項9のいずれか1項のレンズアレイユニットを用いた光学ヘッド。
【請求項11】
請求項10の光学ヘッドを用いた情報装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2010−72558(P2010−72558A)
【公開日】平成22年4月2日(2010.4.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−242712(P2008−242712)
【出願日】平成20年9月22日(2008.9.22)
【出願人】(591044164)株式会社沖データ (2,444)
【Fターム(参考)】