説明

レンズ装置及びカメラシステム

【課題】アクセサリの使用が可能な交換レンズからカメラに光学収差データを送信する場合に、短時間でカメラでの収差補正を開始させる。
【解決手段】交換レンズ100は、複数のアクセサリ1,2,6,7を選択的に使用可能であり、カメラ200に装着される。該交換レンズは、アクセサリごとの光学収差データ312を記憶した収差データ記憶手段310と、光学収差データのカメラへの送信順位を決定するための送信順位データ311を記憶した順位データ記憶手段310と、複数のアクセサリのうち該交換レンズ装置において使用されるアクセサリの情報と送信順位データとに基づいて、カメラに送信する光学収差データ及びその送信順位を決定する決定手段320と、決定手段により決定された光学収差データを、該送信順位でカメラに送信する送信手段300とを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光学収差情報をカメラに対して送信する機能を有するレンズ装置、及びこれを含むカメラシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
交換レンズを含む各種レンズには、軸上色収差、倍率色収差及びディストーション等の光学収差が存在し、該光学収差によってカメラにより撮影する映像に色にじみや歪み等の劣化が発生する。
このような映像の劣化を抑えるため、交換レンズの光学収差データをズーム位置、フォーカス位置及びアイリス(絞り)位置ごとにカメラに記憶しておき、カメラにおいて該光学収差データを用いて映像の収差補正を行う方法が開示されている(特許文献1参照)。
ただし、特許文献1にて開示されたようにカメラが交換レンズの光学収差データを記憶しておく方法では、交換レンズが複数ある場合に、交換レンズを交換するごとにカメラに記憶された光学収差データを使用者によって書き換えたり追加したりする必要がある。
このような煩雑な作業を不要とするために、交換レンズにそれ自身の光学収差データを記憶しておく。そして、交換レンズがカメラに装着されて電源が投入されることに応じて、光学収差データをカメラに送信し、カメラでその光学収差データを保存して収差補正に用いる方法が考えられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−135805号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、このような方法では、交換レンズからカメラに対して大量の光学収差データを送信する必要があり、該送信が全て完了してカメラにおける収差補正を開始できるようになるまでに長時間を要してしまう。これにより、電源投入後、長時間待たないと収差補正がなされた映像を撮影できず、撮影の機会を逃すおそれがある。
また、交換レンズには、ワイドコンバータ、フィルタ及びエクステンダ等の複数のアクセサリの使用が可能なものが多い。そして、これらのアクセサリにも光学収差が存在する。したがって、アクセサリが使用される交換レンズをカメラに装着する場合には、該アクセサリの光学収差データも交換レンズからカメラに送信する必要がある。これにより、交換レンズからカメラに対して送信すべき光学収差データが益々増大し、データ送信に要する時間がさらに長くなる。
本発明は、アクセサリの使用が可能な交換レンズからカメラに光学収差データを送信する場合に、短時間でカメラでの収差補正を開始することができるようにした交換レンズ装置、及びこれを含むカメラシステムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一側面としての交換レンズは、複数のアクセサリを選択的に使用可能であり、カメラに装着される。該交換レンズは、アクセサリごとの光学収差データを記憶した収差データ記憶手段と、光学収差データのカメラへの送信順位を決定するための送信順位データを記憶した順位データ記憶手段と、複数のアクセサリのうち該交換レンズ装置において使用されるアクセサリの情報と送信順位データとに基づいて、カメラに送信する光学収差データ及びその送信順位を決定する決定手段と、決定手段により決定された光学収差データを、該送信順位でカメラに送信する送信手段とを有することを特徴とする。
また、本発明の他の一側面としてのカメラシステムは、上記交換レンズ装置と、該交換レンズ装置が装着されるカメラとを有する。そして、カメラは、交換レンズ装置から送信された光学収差データを用いて映像の収差補正を行うことを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、アクセサリの使用が可能な交換レンズからカメラに光学収差データを送信する場合に、短時間でカメラでの収差補正を開始させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】本発明の実施例1である交換レンズとカメラとを含むカメラシステムの構成を示すブロック図。
【図2】実施例1における電源投入からの通常通信までの処理を示すフローチャート。
【図3】実施例1における収差データの送信順位の決定処理を示すフローチャート。
【図4】実施例1における収差データの送信タイミングを示す図。
【図5】実施例1におけるイニシャル通信処理を示すフローチャート。
【図6】実施例1における通常通信処理を示すフローチャート。
【図7】実施例1における収差データの構造を示す模式図。
【図8】本発明の実施例2における収差データの構造を示す模式図。
【図9】実施例2における収差データの送信タイミングを示す図。
【図10】本発明の実施例3における収差データの送信タイミングを示す図。
【図11】本発明の実施例4における収差データの送信タイミングを示す図。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明の実施例について図面を参照しながら説明する。
【実施例1】
【0009】
図1には、本発明の実施例1である交換レンズ装置(以下、交換レンズという)と、該交換レンズが装着されたカメラとを含むカメラシステムの構成を示す。
交換レンズ100には、ズーム(変倍)レンズ4と、フォーカスレンズ3と、アイリス(絞り)5と、防振レンズ6と、エクステンダターレット7とにより構成される撮影光学系が設けられている。防振レンズ6と、エクステンダターレット7に設けられた後述する2Xレンズは、交換レンズ100に内蔵されたアクセサリであり、選択的に使用可能である。
カメラ200は、撮影光学系によって形成された被写体像を撮像素子210により光電変換し、G−ch、B−ch及びR−chの3つのカラーチャンネルの撮像信号を生成する。
交換レンズ100には、該交換レンズ100を制御するためのコントローラとしてのレンズCPU300が設けられている。
ズームレンズ4には、その位置を検出するためのズーム位置センサ(ポテンショメータ)18が連結されている。ズーム位置センサ18からのアナログ信号は、A/Dコンバータ23によりデジタル信号に変換されてレンズCPU300に取り込まれる。また、ズームレンズ4には、ズームモータ12が連結されている。レンズCPU300からの制御信号を受けたモータ駆動回路24は、ズームモータ12を制御してズームレンズ4を光軸方向に移動させる。
フォーカスレンズ3には、その位置を検出するためのフォーカス位置センサ(ポテンショメータ)17が連結されている。フォーカス位置センサ17からのアナログ信号は、A/Dコンバータ23によりデジタル信号に変換されてレンズCPU300に取り込まれる。また、フォーカスレンズ3には、フォーカスモータ11が連結されている。レンズCPU300からの制御信号を受けたモータ駆動回路24は、フォーカスモータ11を制御してフォーカスレンズ3を光軸方向に移動させる。
アイリス5には、その位置を検出するためのアイリス位置センサ(ポテンショメータ)19が連結されている。アイリス位置センサ19からのアナログ信号は、A/Dコンバータ23によりデジタル信号に変換されてレンズCPU300に取り込まれる。また、アイリス5には、アイリスモータ13が連結されている。レンズCPU300からの制御信号を受けたモータ駆動回路24は、アイリスモータ13を制御してアイリス5の開口径を変化させる。
交換レンズ100には、防振レンズ6の装着/未装着を検出するための防振レンズ検出スイッチ10が設けられている。レンズCPU300は、防振レンズ検出スイッチ10からの信号によって防振レンズ6の装着/未装着(使用/不使用)を検出する。また、交換レンズ100には、防振レンズ6の水平方向の位置を検出するための位置センサとしてのPSDセンサ20と、その垂直方向の位置を検出するための位置センサとしてのPSDセンサ21とが設けられている。これらPSDセンサ20,21からのアナログ信号は、A/Dコンバータ23によりデジタル信号に変換されてレンズCPU300に取り込まれる。
交換レンズ100には、防振レンズ6を駆動するための水平駆動モータ14と垂直駆動モータ15とが設けられている。レンズCPU300からの制御信号を受けたモータ駆動回路24は、水平駆動モータ14及び垂直駆動モータ15を制御して、防振レンズ6を水平方向及び垂直方向(すなわち、光軸方向に対して直交する方向)に移動させる。
エクステンダターレット7には、1Xレンズ71と2Xレンズ72とバランサー73,74とが設けられている。エクステンダターレット7は、回転することで光路上に配置される(すなわち、使用される)レンズを1Xレンズ71と2Xレンズ72とに切り替えることが可能である。以下の説明では、エクステンダターレットをEXTと称する。
EXT7には、EXT7の回転位置を検出するためのEXTポジションセンサ(ポテンショメータ)22が連結されている。EXTポジションセンサ22からのアナログ信号は、A/Dコンバータ23によりデジタル信号に変換されてレンズCPU300に取り込まれる。レンズCPU300は、該デジタル信号に基づいて、使用されるレンズ(1Xレンズ71及び2Xレンズ72のうち一方)を検出する。
EXT7には、エクステンダモータ16が連結されている。レンズCPU300からの制御信号を受けたモータ駆動回路24は、エクステンダモータ16を制御してEXT7を回転させ、使用されるレンズの切り替えを行う。
さらに、交換レンズ100に選択的に装着可能(使用可能)なアクセサリとして、ワイドコンバータ1とフィルタレンズ(実質的に屈折力の無い平行平板であって、僅かに曲率がついていても構わない)2とが用意されている。図1では、ワイドコンバータ1が装着され、フィルタレンズ2が未装着である場合を示している。
交換レンズ100には、ワイドコンバータ1及びフィルタレンズ2の装着/未装着をそれぞれ検出するためのワイドコンバータ検出スイッチ8及びフィルタレンズ検出スイッチ9が設けられている。レンズCPU300は、ワイドコンバータ検出スイッチ8及びフィルタレンズ検出スイッチ9からの信号によってワイドコンバータ1及びフィルタレンズ2の装着/未装着(使用/不使用)を検出する。
レンズCPU300は、収差データ記憶手段及び順位データ記憶手段としてのメモリ(フラッシュROM)310を含む。該メモリ310には、上記複数のアクセサリの光学収差に関するデータである光学収差データ(以下、収差データという)312と、該収差データをカメラ200に送信する順位を決定するために用いられる送信順位データ311とが記憶されている。
ここで、収差データ312には、軸上色収差データ、倍率色収差データ、及びディストーションデータ等が含まれる。例えば、倍率色収差データは、カメラ200に設けられた撮像素子210のG−chに対するB−chとR−chのずれ量(デフォーカス量)を示す値である。
交換レンズ100には、収差データ312や、カメラ200からの送信要求に応じてズームレンズ4、フォーカスレンズ3及びアイリス5の位置を示すデータ(以下、レンズ位置データともいう)をカメラ200に送信するための通信部330が設けられている。
通信部330は、シリアル通信回路340を介してカメラ200とシリアル通信が可能である。なお、レンズCPU300、通信部330及びシリアル通信回路340により送信手段が構成される。
また、レンズCPU300には、収差データ312をカメラ200に送信する場合に、どのアクセサリの収差データをどのような順序で送信するか(すなわち、送信順位)を決定する送信順位決定部(決定手段)320が設けられている。
カメラ200には、前述した撮像素子210と、該カメラ200を制御するためのコントローラとしてのカメラCPU250とが設けられている。また、カメラ200には、交換レンズ100との通信を行うためのデータ通信部260及びシリアル通信回路270が設けられている。
さらに、カメラ200には、交換レンズ100から受信した収差データ312やレンズ位置データを保存するデータ保存手段としてのメモリ(フラッシュROM)240と、演算部220とが設けられている。演算部220は、メモリ240に保存された収差データ241とレンズ位置データと撮像素子210からの撮像信号とを用いて、収差補正がなされた映像データを生成し、該映像データを映像出力部280及び表示器230に出力する。これにより、カメラ200から、収差補正がなされた映像データが外部装置(モニタやパーソナルコンピュータ等)に出力されたり、カメラ200に設けられたディスプレイに表示されたりする。
例えば、演算部220は、交換レンズ100からカメラ200に対して送信された倍率色収差データを用いて、G−chに対するB−ch及びR−Chのずれ量を0にする又は少なくするための演算を行う。これにより、倍率色収差が補正された映像データが生成される。
また、カメラ200には、データ整理部(データ整理手段)290が設けられている。データ整理部290は、メモリ240に保存された収差データ241が、カメラ200に装着されている交換レンズ(アクセサリを含む)100のものか否かを確認し、同じ交換レンズ100(同じアクセサリ)の収差データを再度取り込まないようにする。
次に、交換レンズ100からカメラ200に送信される収差データについてより詳しく説明する。
各アクセサリの収差データのパラメータには、ズームレンズ4の位置(ズーム位置[ZOOM])と、フォーカスレンズ3の位置(フォーカス位置[FOCUS])と、アイリス5の位置(アイリス位置[IRIS])と、像高とがある。像高とは、映像上における中心からの距離(高さ)である。図7には、収差データを模式的に示している。図7のうち最も小さな四角が上記各パラメータにおける1つの値(位置)に対応する収差データを示す。図7の例では、各アクセサリに対して、7つのズーム位置と7つのフォーカス位置と6つのアイリス位置と5つの像高にそれぞれ対応する収差データが設けられている。すなわち、合計で、
7×7×6×5=1470個
の収差データが設けられている。
使用されるアクセサリが、防振レンズ6、ワイドコンバータ1及びEXT7である場合、交換レンズ100からカメラ200に送信すべき収差データは、以下の通りである。すなわち、防振レンズ6、ワイドコンバータ1、1xレンズ71及び2xレンズ72に対してパラメータごとに設けられた、
1470×4=5880個
の収差データである。ただし、これらの収差データをすべてカメラ200に送信するには長時間を要し、電源投入後のカメラ200がすべての収差データの受信を待って映像の収差補正を開始する場合には、その開始までに大きな遅れが生じる。
これに対し、本実施例では、上記の収差データのうち映像の収差補正に最も大きく影響する収差データは1xレンズ71の収差データ(以下、EXT1xデータという)であるため、これを交換レンズ100の基本収差データとする。基本収差データは、言い換えれば、いずれのアクセサリも使用されない状態での交換レンズ100の収差データでもある。
そして、EXT1xデータをアクセサリの収差データよりも先に(時間を分けて)カメラ200に送信し、EXT1xデータの送信完了とともにカメラ200に収差データの使用許可を与える。これにより、カメラ200がすべてのアクセサリの収差データの受信を待って収差補正を開始する場合に比べて、該開始までに要する時間を短縮することができる。なお、EXT1xデータは、後述する送信順位の決定対象とはならず、常に最初にカメラ200に送信される。
図2のフローチャートには、レンズCPU300における電源投入時から通常通信に至るまでの処理を示している。
ステップS1において、カメラ200及び交換レンズ100の電源がONすると、レンズCPU300は本処理を開始する。
ステップS2において、レンズCPU300は、ワイドコンバータ検出スイッチ8、フィルタレンズ検出スイッチ9及び防振レンズ検出スイッチ10からの信号を取り込む。これにより、レンズCPU300は、交換レンズ100に装着可能なアクセサリであるワイドコンバータ1、フィルタレンズ2及び防振レンズ6の使用/不使用をチェックする。
次に、ステップS3において、レンズCPU300は、ワイドコンバータ1、フィルタレンズ2及び防振レンズ6のうち使用されているアクセサリの情報とメモリ310に記憶された送信順位データ311とに基づいて、収差データの送信順位を決定する。この送信順位(送信優先順位)の決定処理については後述する。
次に、ステップS4において、レンズCPU300は、カメラ200(カメラCPU250)との通信を開始し、EXT1xデータの送信を含むイニシャル通信処理を行う。そして、イニシャル通信処理が完了すると、ステップS5において、アクセサリの収差データの送信を含む通常通信処理を開始する。
図3のフローチャートには、図2のステップS3で行われる収差データの送信順位の決定処理を示している。
送信順位の決定は、ワイドコンバータ検出スイッチ8、フィルタレンズ検出スイッチ9、防振レンズ検出スイッチ10及びEXTポジションセンサ22からの信号とメモリ310に記憶された送信順位データ311とに基づいて行われる。
ここで、メモリ310に記憶された送信順位データ311において送信順位が高い収差データからA1,A2,A3とする。また、A1,A2,A3と2xレンズ72に対する収差データ(以下、EXT2xデータという)のうち送信順位が高い方からT1,T2,T3,T4とする。さらに、T1,T2,T3,T4の送信順位と使用されるアクセサリとから決定される送信順位の高い収差データからP1,P2,P3,P4とする。
また、メモリ310内の送信順位データ311では、ワイドコンバータ1とフィルタレンズ2と防振レンズ(IS)6の収差データに対してそれぞれ以下のようになっている。
A1:防振レンズ6の収差データ(以下、防振レンズ〈IS〉データという)
A2:ワイドコンバータ1の収差データ(以下、ワイドコンバータデータという)
A3:フィルタレンズ2の収差データ(以下、フィルタデータという)
また、ここでは、交換レンズ100に、ワイドコンバータ1と防振レンズ6とが装着され(使用され)、フィルタレンズ2は装着されていない(使用されない)場合について説明する。
ステップS300では、レンズCPU300は、基本収差データであるEXT1xデータをカメラ200に送信する。これにより、カメラ200に収差データの使用許可が与えられる。
次に、ステップS301において、レンズCPU300(送信順位決定部320)は、EXTポジションセンサ22からの信号により、EXT7において2xレンズ72が使用されているか否かを判別する。2xレンズ72が使用されていない場合(1xレンズ71が使用されている場合)はステップS317に進む。
ステップS317では、レンズCPU300は、メモリ310から送信順位データ(A1,A2,A3)311を読み出し、以下のように収差データの送信順位を暫定的に決定する。そして、ステップS318に進む。
T1:防振レンズデータ
T2:ワイドコンバータデータ
T3:フィルタデータ
T4:EXT2xデータ
なお、本実施例では、2xレンズ72が使用されていない場合はEXT2xデータの送信順位を最下位とし、2xレンズ72が使用されている場合はEXT2xデータの送信順位を最上位とする。
ステップS318では、レンズCPU300は、防振レンズ検出スイッチ10からの信号により、防振レンズ6が使用されているか否かを判別する。また、ステップS319及びステップS326では、ワイドコンバータ検出スイッチ8からの信号により、ワイドコンバータ1が使用されているか否かを判別する。さらに、ステップS320,S323,S327及びS340では、フィルタレンズ検出スイッチ9からの信号により、フィルタレンズ2が使用されているか否かを判別する。そして、これらステップでの判別結果に応じて、ステップS321,S322,S324,S325,S338,S339,S341及びS342で、実際にカメラ200に送信する収差データとその送信順位とを決定する。
前述したようにワイドコンバータ1と防振レンズ6が使用され、フィルタレンズ2が使用されない場合は、レンズCPU300は、ステップS318,S319,S320からステップS322に進み、送信する収差データとその送信順位を、以下のように決定する。
P1:防振レンズデータ
P2:ワイドコンバータデータ
P3:EXT2xデータ
一方、ステップS301で、2xレンズ72が使用されると判別した場合は、ステップS302に進む。
ステップS302では、レンズCPU300は、メモリ310から送信順位データ(A1,A2,A3)311を読み出し、以下のように収差データの送信順位を暫定的に決定する。そして、ステップS303に進む。
T1:EXT2xデータ
T2:防振レンズデータ
T3:ワイドコンバータデータ
T4:フィルタデータ
ステップS303では、レンズCPU300は、防振レンズ検出スイッチ10からの信号により、防振レンズ6が使用されているか否かを判別する。また、ステップS304及びステップS311では、ワイドコンバータ検出スイッチ8からの信号により、ワイドコンバータ1が使用されているか否かを判別する。さらに、ステップS305,S308,S312及びS314では、フィルタレンズ検出スイッチ9からの信号により、フィルタレンズ2が使用されているか否かを判別する。そして、これらステップでの判別結果に応じて、ステップS306,S307,S309,S310,S313A,S313B,S315及びS316で、実際にカメラ200に送信する収差データとその送信順位とを決定する。
前述したようにワイドコンバータ1と防振レンズ6が使用され、フィルタレンズ2が使用されない場合は、レンズCPU300は、ステップS303,S304,S305からステップS307に進み、送信する収差データとその送信順位を、以下のように決定する。
P1:EXT2xデータ
P2:防振レンズデータ
P3:ワイドコンバータデータ
以上のようにして、レンズCPU300は、カメラ200に送信する収差データとその送信順位を決定する。
図4には、図2のステップS4でのイニシャル通信処理とステップS5での通常通信処理におけるカメラ200に対する収差データの送信順位を示している。図4は、EXT1xデータがイニシャル通信処理でカメラ200に送信され、通常通信処理にて図3のステップS307にて決定された送信順位でEXT2xデータ、防振レンズデータ及びワイドコンバータデータがカメラ200に送信される場合を示している。図4の横軸は電源投入(Power On)後の時間の経過を示している。
レンズCPU300内のデータ通信部330は、まずイニシャル通信処理においてEXT1xデータをカメラ200に送信する。そして、EXT1xデータの送信完了時に、該EXT1xデータ(P0データ)の使用許可をカメラ200に送信する。これにより、カメラ200は、EXT1xデータを用いて収差補正を行うことができるようになる。
その後、データ通信部330は、通常通信において、EXT2xデータ(P1データ)とその使用許可、防振レンズデータ(P2データ)とその使用許可、及びワイドコンバータデータ(P3データ)とその使用許可をこの順序でカメラ200に送信する。それぞれのアクセサリの収差データとその使用許可を受信したカメラ200は、該収差データを用いて収差補正を行うことができるようになる。例えば、EXT2xデータとその使用許可を受信したカメラ200は、該EXT2xデータを用いて収差補正を行うことができるようになる。
このように、本実施例では、使用されるすべてのアクセサリの収差データがカメラ200に送信される前に、カメラ200は収差補正を開始することが可能となり、電源投入後、短時間で収差補正を開始できる。
図5には、図2のステップS4でのイニシャル通信処理におけるカメラ200(カメラCPU250)と交換レンズ100(レンズCPU300)との間での具体的な通信内容を示している。
カメラ200と交換レンズ100との間の通信は、カメラ200が主導する半二重通信で行われ、カメラ200側からの指示や指令の送信に対して交換レンズ100が返信(応答)する。交換レンズ100における1回のカメラ200に対する応答は、映像信号の垂直同期信号の周期に合わせて16msec又は20msecに一度ずつ行われる。
まず、ステップS401では、カメラ200から交換レンズ100に接続要求が送信される。これに対して交換レンズ100は、ステップS402において、カメラ200に対して接続要求返信を行う。
次に、ステップS403では、カメラ200から交換レンズ100にレンズ名称要求が送信される。これに対して交換レンズ100は、ステップS404において、カメラ200にレンズ名称を返信する。カメラ200は、受信したレンズ名称によって、過去に同じ交換レンズ100が装着されたか否かを判別することができる。前述したデータ整理部290は、このレンズ名称を有する交換レンズの収差データを再度取り込まないようにする。
次に、ステップS405では、カメラ200から交換レンズ100にレンズスペック要求が送信される。これに対して交換レンズ100は、ステップS406において、カメラ200にレンズスペックを返信する(ステップS406)。レンズスペックには、収差データのデータ量の情報やアクセサリの収差データをいくつ(何種類)持つかの情報も含まれる。
収差データのデータ量と収差データの種類の数とから、カメラ200はメモリ240内に、交換レンズ100から送られてくる収差データ241の保存領域を確保する。このステップS405及びステップS406での通信は、レンズスペックの項目が複数あることから複数回行われる。
次に、ステップS407において、カメラ200は、交換レンズ100にレンズコントロールを送信する。これに対して、交換レンズ100は、ステップS408において、カメラ200にコントロールを受け取ったことを知らせる返信を行う。
次に、ステップS409において、カメラ200は、交換レンズ100にレンズ状態要求を送信する。これに対して、交換レンズ100は、ステップS410において、カメラ200にレンズ状態データを返信する。レンズ状態データには、レンズ位置データやEXT7の倍率情報等の複数のデータがあるため、ステップS409及びステップS410での通信は複数回行われる。
次に、ステップS411において、カメラ200は、交換レンズ100に収差データ要求を送信する。これに対して、交換レンズ100は、ステップS412において、カメラ200にこれから送信する収差データがEXT1xデータであることを返信する。
続いてカメラ200は、ステップS413において、交換レンズ100に収差データ要求を送信する。これに対して、交換レンズ100は、ステップS414において、カメラ200にEXT1xの収差データを返信する。
この後、カメラ200は、交換レンズ100に複数回、収差データ要求を送信し、交換レンズ100はカメラ200に対してEXT1xデータを分割して返信する(図ではステップS413〜S416で略記している)。
ステップS417において、カメラ200から交換レンズ100に収差データ要求が送信されると、交換レンズ100は、ステップS418にて、カメラ200にEXT1xデータを送信し終わったので全EXT1xデータの使用を許可する使用許可を返信する。EXT1xデータは、交換レンズ100の基本収差データであるため、このデータのみを用いて収差補正を行っても概ね良好な収差補正が可能である。このため、カメラ200に対して収差補正の開始を許可するトリガとして上記使用許可を送信する。このことによっても、カメラ200は、電源投入後に短時間で収差補正を開始できる。
図6には、図2のステップS5での通常通信処理におけるカメラ200(カメラCPU250)と交換レンズ100(レンズCPU300)との間での具体的な通信内容を示している。
通常通信処理においては、まず、ステップS501にて、カメラ200は、交換レンズ100にアイリス(IRIS)コントロール信号を送信する。これに対して、交換レンズ100は、ステップS502にて、カメラ200にアイリスコントロール信号を受信したことを返信する。
次に、ステップS503にて、カメラ200は、交換レンズ100にレンズ状態データ要求を送信する。これに対して、交換レンズ100は、ステップS504にて、カメラ200にレンズ状態データを返信する。ここにいうレンズ状態データにも、レンズ位置データやEXT7の倍率情報等の複数のデータが含まれる。
次に、ステップS505において、カメラ200は、交換レンズ100にアイリスコントロール信号を送信する。これに対して、交換レンズ100は、ステップS506にて、カメラ200にアイリスコントロール信号を受信したことを返信する。ここで再びアイリスコントロール信号が送信されたのは、短い間隔でアイリスコントロール信号が更新されないと、アイリス5の応答性が悪くなるためである。
次に、ステップS507において、カメラ200は、交換レンズ100に収差データ要求を送信する。これに対して、交換レンズ100は、図2のステップS3で決定した収差データの送信順位に従って最初に送信する収差データの種類(つまりは該収差データに対応するアクセサリの情報)をカメラ200に返信する。
ここまでのステップS501〜S509までが、交換レンズ100からカメラ200に対して収差データを送信する1つの周期となる。該1周期では、図5のステップS411〜ステップS418と同様に、カメラ200から複数回送信されてくる収差データ要求に対して、まず収差データの種類を送信し、次に収差データを送信し、最後に収差データの使用許可を送信する。
ただし、ステップS501〜S509におけるカメラ200から交換レンズ100への収差データ要求は、図5のイニシャル通信処理の中での収差データ要求の送信タイミングとは異なる。すなわち、アイリスコントロール信号(S501)、レンズ状態データ要求(S503)、アイリスコントロール信号(S505)、収差データ要求(S507)というように、1垂直同期周期内の4回の通信のうち1回の割合で収差データ要求が送信される。このように、収差データの送信のために通信が占有されることがなく、カメラ200と交換レンズ100との間の通信機能に影響が出ることはない。
1つのアクセサリの収差データの送信が完了した後は、ステップS501〜S517にて、次のアクセサリの収差データが交換レンズ100からカメラ200に送信される。
【実施例2】
【0010】
本発明の実施例2について説明する。本実施例では、交換レンズ100は、図9に示すように、実施例1の図4に示したイニシャル通信処理におけるEXT1xデータの送信方法とは異なる方法でEXT1xデータをカメラ200に送信する。
具体的には、基本収差データであるEXT1xデータをP00データとP0データとに分割し、イニシャル通信処理時にP00データとその使用許可を送信し、通常通信処理の最初にP0データとその使用許可を送信する。
イニシャル通信処理と通常通信処理におけるデータ送信方法は、実施例1の図5及び図6にて説明したデータ送信方法と同じである。
図8には、P00データとP0データとを模式的に示している。P00データは、EXT1xデータのうち、ズーム位置、フォーカス位置、アイリス位置及び像高の各パラメータにおいて最も収差が大きいパラメータ範囲のデータであり、図8には濃い四角で表している。カメラ200は、P00データのみを用いて、概ね良好な収差補正を行うことができる。一方、P0データは、EXT1xデータのうちP00データ以外のデータである。
図8では、P00データは、7つのズーム位置、3つのフォーカス位置、3つのアイリス位置及び3つの像高に対応する、合計7×3×3×3=189個のデータである。また、P0データは、1470−189=1281個のデータである。
このように、本実施例では、EXT1xデータのうち最も収差が大きい特定パラメータ範囲のP00データの送信順位を、特定パラメータ範囲以外のパラメータ範囲のP0データの送信順位よりも高く設定する。そして、P00データをカメラ200に送信した段階でカメラ200にその使用許可を与える。これにより、実施例1のようにすべてのEXT1xデータの送信終了を待ってその使用許可を与える場合に比べて、カメラ200における電源投入後から収差補正の開始までの時間をより短縮することができる。
P00データ及びP0データの送信後は、実施例1と同様に、決定された送信順位に従ってアクセサリの収差データがカメラ200に送信される。
【実施例3】
【0011】
本発明の実施例3について説明する。本実施例では、図10に示すように、イニシャル通信処理において交換レンズ100からカメラ200に送信する収差データの種類を、実施例1,2に比べて増やしている。
本実施例でも、実施例2と同様に、イニシャル通信処理において、EXT1xデータをP00データとP0データとに分割して送信する。さらに、本実施例では、EXT2xデータをP01データとP1データとに分割し、防振レンズデータをP02データとP2データとに分割し、ワイドコンバータデータをP03データとP3データとに分割する。P01データ、P02データ及びP03データの意味は、図8に示したP00データと同様である。
そして、本実施例では、イニシャル通信処理において、P00データ、P01データ,P02データ及びP03データをカメラ200に送信する。P03データの送信完了後にはこれらのデータの使用許可をカメラ200に送信する。
その後、通常通信処理において、P0データ、P1データ、P2データ及びP3データをカメラ200に送信し、P3データの送信完了後にこれらのデータの使用許可をカメラ200に送信する。
イニシャル通信処理におけるデータ送信方法は、実施例1の図5に示したステップS411〜S416までを繰り返し行ってP00データ、P01データ、P02データ及びP03データをカメラ200に送信する。次に、ステップS417とステップS418で、P00データ、P01データ、P02データ及びP03データの使用許可をカメラ200に送信する。
通常通信処理におけるデータ送信方法は、実施例1の図6に示したデータ送信方法とほぼ同じである。ただし、ステップS516とステップS517での使用許可は、P3データの送信完了後にP0データ、P1データ、P2データ及びP3データに対する使用許可としてのカメラ200に送信される。
【実施例4】
【0012】
本発明の実施例4について説明する。本実施例では、図11に示すように、収差データを収差の種類で分割してカメラ200に送信する。
本実施例では、メモリ301内の送信順位データ311として、アクセサリごとの送信順位データ(第1の送信順位データ)と、収差の種類ごとの送信順位データ(第2の送信順位データ)とが記憶されている。図11には、実施例1と同様に、防振レンズ6とワイドコンバータ1とが使用されるアクセサリであり、収差の種類として、倍率色収差とディストーションの2種類(複数種類)がある場合を示している。また、図11には、収差の種類ごとの送信順位として、第1位に倍率色収差データが、第2位にディストーションデータが設定されている場合を示している。
この場合、交換レンズ100は、イニシャル通信処理において、
P0:EXT1xデータのうち倍率色収差データ
をカメラ200に送信する。
【0013】
次に、通常通信処理において、まず、
P1:EXT2xデータにおける倍率色収差データ
P2:防振レンズデータにおける倍率色収差データ
P3:ワイドコンバータデータにおける倍率色収差データ
の順にカメラ200に送信する。その後、
P10:EXT1xデータにおけるディストーションデータ
P11:EXT2xデータにおけるディストーションデータ
P12:防振レンズデータにおけるディストーションデータ
P13:ワイドコンバータデータにおけるディストーションデータ
の順にカメラ200に送信する。
各倍率色収差データ及び各ディストーションデータがカメラ200に送信されるごとに、その使用許可がカメラ200に与えられる。
このように、本実施例では、アクセサリごとの収差データの送信順位だけでなく、収差の種類ごとの収差データの送信順位も設定し、収差補正に対する優先度の高い収差データから先にカメラ200に送信する。これにより、カメラ200において、電源投入時から収差補正の開始までに要する時間をより短縮することができる。
なお、本実施例では、2種類の収差データがある場合について説明した。しかし、軸上色収差等、他の収差データも有する場合は、それらのうち最も送信優先度の高い収差データをイニシャル通信処理においてカメラ200に送信し、他の収差データを通常通信処理にてカメラ200に送信すればよい。
また、本実施例では、倍率色収差データを最も送信優先度の高い収差データとした場合について説明したが、軸上色収差やディストーションの収差データを最も送信優先度の高い収差データとしてもよい。
以上説明した各実施例は代表的な例にすぎず、本発明の実施に際しては、各実施例に対して種々の変形や変更が可能である。例えば、実施例2又は実施例3と実施例4とを組み合わせて実施することも可能である。
【産業上の利用可能性】
【0014】
アクセサリの装着又は内蔵が可能な交換レンズからカメラに、短時間で収差補正に必要なデータを送信するカメラシステムを実現できる。
【符号の説明】
【0015】
1 ワイドコンバータ
2 フィルタレンズ
6 防振レンズ
7 エクステンダターレット
8 ワイドコンバータ検出スイッチ
9 フィルタレンズ検出スイッチ
10 防振レンズ検出スイッチ
100 交換レンズ
200 カメラ
220 演算部
240 メモリ
290 データ整理部
310 メモリ
311 送信順位データ
312 収差データ
320 送信順位決定部


【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のアクセサリを選択的に使用可能であり、カメラに装着される交換レンズ装置であって、
前記アクセサリごとの光学収差データを記憶した収差データ記憶手段と、
前記光学収差データの前記カメラへの送信順位を決定するための送信順位データを記憶した順位データ記憶手段と、
前記複数のアクセサリのうち該交換レンズ装置において使用されるアクセサリの情報と前記送信順位データとに基づいて、前記カメラに送信する前記光学収差データ及びその送信順位を決定する決定手段と、
該決定手段により決定された前記光学収差データを、前記送信順位で前記カメラに送信する送信手段とを有することを特徴とする交換レンズ装置。
【請求項2】
前記各光学収差データは、前記交換レンズの状態を示すパラメータに応じて異なるデータであり、
前記決定手段は、前記光学収差データのうち特定パラメータ範囲のデータの送信順位を該特定パラメータ範囲以外のパラメータ範囲のデータの送信順位よりも高く設定することを特徴とする請求項1に記載の交換レンズ装置。
【請求項3】
前記アクセサリごとの前記光学収差データは、複数の種類の光学収差のデータを含み、
前記順位データ記憶手段は、前記アクセサリごとに設けられた第1の送信順位データと、前記光学収差の種類ごとに設けられた第2の送信順位データとを記憶しており、
前記決定手段は、前記第1及び第2の送信順位データに基づいて、前記送信順位を前記光学収差の種類ごとに決定することを特徴とする請求項1又は2に記載の交換レンズ装置。
【請求項4】
前記収差データ記憶手段は、該複数のアクセサリが使用されない状態での該交換レンズの光学収差データである基本収差データを記憶しており、
前記送信手段は、前記基本収差データを、前記アクセサリごとの前記光学収差データよりも先に前記カメラに送信することを特徴とする請求項1から3のいずれか1つに記載の交換レンズ装置。
【請求項5】
請求項1から4のいずれか1つに記載の交換レンズ装置と、
該交換レンズ装置が装着されるカメラとを有し、
該カメラは、前記交換レンズ装置から送信された前記光学収差データを用いて映像の収差補正を行うことを特徴とするカメラシステム。
【請求項6】
前記カメラは、
前記交換レンズ装置から送信された前記光学収差データを保存するデータ保存手段と、
該データ保存手段に保存された前記光学収差データと同じ光学収差データを前記交換レンズ装置から取り込まないようにするデータ整理手段とを有することを特徴とする請求項5に記載のカメラシステム。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2010−206553(P2010−206553A)
【公開日】平成22年9月16日(2010.9.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−50005(P2009−50005)
【出願日】平成21年3月4日(2009.3.4)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】