説明

レーザー光を用いた印刷物の作製方法、印刷物および紙容器

【課題】容易かつ確実に紙容器用のブランク材にIDコードを付すこと。
【解決手段】紙容器用のブランク材1aを搬送方向に搬送させた状態でブランク材1aの表面にレーザー光を照射してブランク材1a表面に印字を施す。レーザー光は搬送方向に直交する方向に往復移動する。このことにより、レーザー光によって複数の連続記号30,30…が形成され、各連続記号30,30…は基準線上に始点30aと終点30bを有する。各連続記号30,30…の始点30aと終点30bとの間の距離lは互いに等しくなっている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は液体紙容器等の紙容器を作製する際、紙容器にIDコードを付すために用いられるレーザー光を用いた印刷物の作製方法、印刷物および当該紙容器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より飲料が収納された液体紙容器等の紙容器を作製する際、当該紙容器にIDコードが付されることがある。このような紙容器に付されるIDコードは、紙容器の流通経路において紙容器の所在をトレースするために用いられ、紙容器のIDコードをコードリーダにより読み取ることにより、紙容器の所在をトレースしている。
【0003】
紙容器に付されるIDコードは、一般に紙容器用のブランク材にインクジェットを用いて印字されたり、紙容器用のブランク材にレーザー光を照射して印字されたりしている。
【0004】
しかしながら紙容器用のブランク材にインクジェットを用いてIDコードを印字する場合、ブランク材を搬送させながらインクジェットを用いて印字しているが、インクジェットによる印字速度がブランク材の搬送速度に追従することがむずかしく、しかもインクジェットにより印字されたインクが剥がれたりすることがある。
【0005】
またブランク材に対してレーザー光によってIDコードを印字する場合、ブランク材を搬送させながらレーザー光によって印字しているが、やはりレーザー光による印字速度がブランク材の搬送速度に追従することがむずかしく、IDコードを精度良くかつ鮮明に印字することがむずかしい、という問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2007−161291号公報
【特許文献2】特開2009−067467号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明はこのような点を考慮してなされたものであり、紙容器にIDコードを付す場合、容易かつ精度良くIDコードを付すことができるレーザー光を用いた印刷物の作製方法、印刷物および紙容器を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、印刷物基材を搬送する搬送工程と、印刷物基材を搬送させた状態で、印刷物基材の表面にレーザー光を照射して印刷物基材の表面に印字を施す印字工程とを備え、印字工程において、印刷物基材を搬送させながらレーザー光を印刷物基材の搬送方向に対して直交する方向に往復移動させることにより、レーザー光によって複数の連続記号を形成し、各連続記号は搬送方向に延びる基準線上に始点と終点をもつことを特徴とする印刷物の作製方法である。
【0009】
本発明は、各連続記号の始点と終点との間の距離は互いに等しくなっていることを特徴とする印刷物の作製方法である。
【0010】
本発明は、連続記号は互いに異なる情報を含むことを特徴とする印刷物の作製方法である。
【0011】
本発明は、連続記号は基準線上に底辺をもつ三角形状を有することを特徴とする印刷物の作製方法である。
【0012】
本発明は、印字工程において、印刷物基材を搬送させながらレーザー光をOFFとして、連続記号間に、記号無し領域を形成することを特徴とする印刷物の作製方法である。
【0013】
本発明は、印字工程において、印刷物基材を搬送させながらレーザー光を基準線上に静止することにより、基準線上に延び始点と終点を有する直線状の追加連続記号を形成することを特徴とする印刷物の作製方法である。
【0014】
本発明は、紙基材と、紙基材の所望位置に印刷を施すことにより形成された印刷物基材からなり、印刷物基材を搬送させながらレーザー光を印刷物基材の搬送方向に対して直交する方向に往復移動させることにより、レーザー光によって複数の連続記号が形成され、各連続記号は搬送方向に延びる基準線上に始点と終点をもつことを特徴とする印刷物である。
【0015】
本発明は、印刷物は紙容器用のブランク材であることを特徴とする印刷物である。
【0016】
本発明は、紙基材と、紙基材の所望位置に印字を施すことにより形成された印刷物基材からなり、印刷物基材を搬送させながらレーザー光を印刷物基材の搬送方向に対して直交する方向に往復移動させることにより、レーザー光によって複数の連続記号が形成され、各連続記号は搬送方向に延びる基準線上に始点と終点をもつことを特徴とする紙容器である。
【0017】
本発明におけるレーザーはYVO4、YAG、炭酸ガス等の一般的なレーザーを使用するものとする。
【0018】
本発明における「印字」とは数字、文字、記号、図形、絵柄等を含むものとする。
【発明の効果】
【0019】
以上のように本発明によれば、印刷物基材を搬送させた状態でレーザー光を印刷物基材の搬送方向に対して直交する方向に往復移動させるだけで、印刷物基材の表面に複数の連続記号を形成することができる。この場合、レーザー光を搬送方向に対して直交する方向に往復移動させるだけで、印刷物基材の表面に複数の連続記号を形成することができるので、印刷物基材の搬送速度が速くなってもこの搬送速度に確実に追従して精度良く連続記号を形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】図1は本発明の第1の実施の形態による印刷物の作製方法により得られたブランク材を示す図。
【図2】図2はブランク材からなるゲーベルトップ型紙容器を示す図。
【図3】図3はブランク材全体を示す図。
【図4】図4(a)(b)は印刷物の作製方法により得られた複数の連続記号を示す図。
【図5】図5は印刷物の作製システムを示す図。
【発明を実施するための形態】
【0021】
第1の実施の形態
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
【0022】
図1乃至図5は、本発明によるレーザー光を用いた印刷物の作製方法、この作製方法により得られる印刷物、および紙容器を示す図である。
【0023】
まず本発明によるレーザー光を用いた印刷物の作製方法および印刷物が適用される紙容器について説明する。
【0024】
図2に示すように、このような紙容器1は内部に飲料等の液体を収納する液体紙容器となっている。
【0025】
図2に示すように、紙容器1はゲーベルトップ型の紙容器1であって、四角筒状の胴部2と、四角板状の底部5と、ゲーベルトップ型の上部7とを有している。
【0026】
このうちゲーベルトップ型の上部7は対向する一対の傾斜板3,3と、傾斜板3,3間に位置するとともに傾斜板3,3間に折込まれる一対の折込部6,6とを有している。そして一対の傾斜板3,3には各々の上端にのりしろ4,4が設けられ、一対の傾斜板3,3は各々の上端に設けられたのりしろ4,4により互いに接着されている。
【0027】
このようなゲーベルトップ型の紙容器1において、のりしろ4,4を互いに引離し、上部7を開くことにより紙容器1内から飲料等の内容物を取出すことができる。
【0028】
ゲーベルトップ型の紙容器1は、図3に示すようなブランク材1aを組立てることにより作製される。
【0029】
ブランク材1aは所望の層構成をもつ包装材料を打抜くことにより得られる。このブランク材1aは、紙容器1の胴部2に対応する胴部パネル2aと、底部5に対応する底部パネル5aと、一対の傾斜板3,3に対応する傾斜板パネル3a,3aと、一対の傾斜板3,3間に折込まれる一対の折込部6,6に対応する折込部パネル6a,6aとを有している。
【0030】
また図3に示すブランク材1aにおいて、各傾斜板パネル3a,3aに、のりしろ4,4が設けられている。
【0031】
またブランク材1aにおいて、胴部パネル2aに、印刷領域9が形成されている。そしてこの印刷領域(所望位置)9内に、当該ブランク材1aにより得られる紙容器1に対応するIDコード8がレーザー光を照射して印字を施すことにより形成されている。
【0032】
次にブランク材1aについて述べる。上述のようにブランク材1aは包装材料を打抜くことにより得られる。このようなブランク材1aは、図1に示すように、紙基材14Aと、紙基材14A上に形成された非黒色印刷層12と、非黒色印刷層12上に形成された黒色インキ層11とからなる層構成を有している。
【0033】
このうち、紙基材14Aは例えばポリエチレン層(PE層)13/紙材14/ポリエチレン層(PE層)15からなる。紙基材14Aとしては、その他一般的な積層体を使用することができる。具体的には,PE/紙材、PE/紙材/PE、PE/紙材/PE/PET/PE、PP/紙材、PP/紙材/PP、等がある。PEには高密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレンを用いることができる。紙材14としては賦型性、耐屈曲性、剛性、腰、強度等を有するものが使用できる。
【0034】
具体的には紙材14としては、主強度材であり、強サイド性の晒または未晒の紙材、純白ロール紙、クラフト紙、板紙、加工紙、ミルク厚紙等の各種紙材を用いることができる。紙材14はこれらの紙材を複数重ねたものであってもよい。
【0035】
また使用する紙材14は、坪量80〜600g/m、好ましくは坪量100〜450g/mのものを使用することができる。紙材14の厚さは110〜860μm、好ましくは140〜640μmのものを使用することができる。
【0036】
またブランク材1aのうち印刷領域9において、黒色インキ層11に対してレーザー光が照射される。この場合、黒色インキ層11がレーザー光により昇華されて開口8aが形成され、黒色インキ層11の下方に位置する非黒色印刷層12が開口8aを介して外方へ露出することにより、ブランク材1aに対してレーザー光による印字が施される。
【0037】
このように黒色インキ層11の開口8aを介して外方へ露出される非黒色印刷層12によって、複数の連続記号30,30、追加連続記号30Aおよび記号無し領域33からなるIDコード8が形成される。
【0038】
上述のように、複数の連続記号30,30、追加連続記号30Aおよび記号無し領域33からなるIDコード8の印字位置は、ブランク材1aの上部、胴部、底部パネルの何れかの位置に形成される。
【0039】
上述した本発明の実施の形態において、ブランク材1aの層構成は、PE層15/紙材14/PE層13/非黒色印刷層12/黒色インキ層11となっており、黒色インキ層11に対してレーザー光を照射することによりIDコード8が形成される。
【0040】
ところで図4(a)(b)に示すように、IDコード8を構成する複数の連続記号30,30,…は、各々ブランク材1aの搬送方向(図5の矢印L方向)と平行に延びる基準線31上に始点30aと終点30bとを有している。
【0041】
また各連続記号30,30,…は、始点30aから頂点30cまで延びる直線32と、頂点30cから終点30bまで延びる直線32とを有し、全体として基準線上に底辺をもつ三角形状を有している。この場合、各連続記号30,30は一つの三角形状を有していても良く、二以上の三角形状を有していても良い。
【0042】
また各連続記号30,30,…は、基準線31上において始点30aと終点30bとの間に距離lを有し、各連続記号30,30,…の距離lは互いに等しくなっている。
【0043】
ところで、IDコード8を構成する連続記号30,30は、各々独立した異なる情報を含んでいる。
【0044】
ここで図4(a)は、ブランク材1a表面に印字された連続記号30,30,…を示す図であり、図4(b)は、各連続記号30,30,…が有する情報を示すために便宜的に分離された連続記号30,30,…を示す図である。
【0045】
図4(a)(b)に示すように、IDコード8を構成する複数の連続記号30,30は、ブランク材1aを図5の矢印L方向に搬送させながら、レーザー光を搬送方向(矢印L方向)と直交する方向に往復移動することにより、このレーザー光によって形成される(印字される)。
【0046】
この場合、図4(b)に示すように、基準線31の一側に形成された低い単一の山形形状を有する連続記号30は数字「1」を示し、基準線31の一側に形成された低い2つの山形形状を有する連続記号30は数字「2」を示し、基準線31の一側に形成された高い単一の山形形状を有する連続記号30は数字「3」を示し、基準線31の一側に形成された高い2つの山形形状を有する連続記号30は数字「4」を示す。
【0047】
またブランク材1aを搬送させながらレーザー光を基準線31上に静止することにより、基準線31上に延びる直線状の追加連続記号30Aを形成することができ、この追加連続記号30は数字「5」を示す。この場合、追加連続記号30Aは始点30aと終点30bとを有し、始点30aと終点30bとの間の距離は、他の連続記号30と同様の距離lとなる。
【0048】
同様に、図4(b)に示すように、基準線31の他側に形成された低い単一の山形形状を有する連続記号30は数字「6」を示し、基準線31の他側に形成された低い2つの山形形状を有する連続記号30は数字「7」を示し、基準線31の他側に形成された高い単一の山形形状を有する連続記号30は数字「8」を示し、基準線31の他側に形成された高い2つの山形形状を有する連続記号30は数字「9」を示す。
【0049】
なお、ブランク材1aを図5の矢印L方向に搬送させながらレーザー光をOFFとすることにより、ブランク材1aの連続記号30間に記号無し領域33を形成することができる。この場合、記号無し領域33は、数字「0」を示す。
【0050】
このようにして、連続する連続記号30,30、追加連続記号30Aおよび記号無し領域33によって、ブランク材1aから得られた紙容器1に対応するIDコード8が構成され、所望の連続記号30,30、追加連続記号30Aおよび記号無し領域33を適宜並べることによって、IDコード8は数字「0」「1」「2」「3」「4」「5」「6」「7」「8」「9」を適宜並べた情報を含むコードとなる。
【0051】
次にこのような構成からなる印刷物の作製方法について、図5(a)(b)により説明する。
【0052】
ここで図5(a)(b)は印刷物の作製システムを示す図である。
【0053】
図5(a)(b)に示す印刷物の作製システム20において、PE層13/紙材14/PE層15からなり、予め巻かれた巻体状の紙基材14Aが供給部21に装着されている。
【0054】
図5(a)(b)に示すように、供給部21から紙基材14Aが繰り出され、紙基材14AのPE層13上にオフセット印刷部22により印刷が施され、多色の非黒色印刷層12が形成される。
【0055】
この場合、非黒色印刷層12は、少なくとも胴部パネル2aに対応する印刷領域9に形成される。
【0056】
次に紙基材14A上に形成された印刷領域9の非黒色印刷層12上に、黒色インキ顔料を含む黒色インキ層11が形成される。
【0057】
このようにして、紙基材14Aの少なくとも印刷領域9上に非黒色印刷層12が形成され、非黒色印刷層12上に黒色インキ層11が形成された紙基材14Aは、その後、レーザーマーカー23に至る。
【0058】
そしてこのレーザーマーカー23により、ブランク材1aに形成された印刷領域9の黒色インキ層11に対してレーザー光を照射することにより、黒色インキ層11を昇華させて黒色インキ層11にパターン状の開口8aが形成される。このことにより、黒色インキ層11の開口8aを介して黒色インキ層11の下地となる非黒色印刷層12が外方へ現れ、開口8aを介して外方へ露出する非黒色印刷層12によって、IDコード8が形成される。
【0059】
この場合、ブランク材1aが矢印L方向に沿って連続的に搬送された状態でブランク材1aの表面にレーザー光が照射される。このとき、レーザー光はブランク材1aの搬送方向に対して直交する方向に往復移動する。このことにより、レーザー光によってブランク材1aの印刷領域9表面に、複数の連続記号30,30,…を形成することができる。あるいはレーザー光を基準線31上に静止させることにより追加連続記号30Aを形成することができる。
【0060】
またレーザー光をOFFとすることにより、連続記号30,30、追加連続記号30A間に、記号無し領域33を形成することができる。このようにして連続記号30、追加連続記号30Aおよび記号無し領域33からなるIDコード8を形成することができる。
【0061】
この場合、レーザー光を搬送方向Lに対して直交する方向に大きく移動させることにより、高い山形形状をもつ連続記号30を形成することができ、レーザー光の移動速度を速くすることにより、複数の山形形状をもつ連続記号30を形成することができる。
【0062】
ところで、ブランク材1aの搬送速度が一定の場合、ブランク材1aが距離lだけ進む時間を単位時間とし、この単位時間内においてレーザー光を基準線31から搬送方向Lに対して直交する方向に往復移動させた後基準線31まで戻す。
【0063】
このことにより基準線31上に始点30aと終点30bを有する連続記号30を形成することができ、この場合、始点30aと終点30bの距離lを一定に保つことができる。あるいはレーザー光を単位時間だけ基準線31上に静止させる。
【0064】
このことにより基準線31上に始点30aと終点30bを有する直線状の追加連続記号30Aを形成することができ、この場合、追加連続記号30Aの距離は、他の連続記号30Aと同一の距離lとなる。
【0065】
また上記単位時間だけレーザー光をOFFとすることにより、距離lを有する記号無し領域33を形成することができる。
【0066】
このようにしてレーザーマーカー23によりIDコード8が形成されたブランク材1aは搬送コンベア25により搬送され、排出部26に集積された後、外方へ排出される。
【0067】
その後、IDコード8を有するブランク材1aを組立てることにより紙容器1が得られ、紙容器1のIDコード8を目視、又はコードリーダ(図示せず)にて読み取ることにより紙容器1の生産情報等をトレースすることができる。
【0068】
以上のように本実施の形態によれば、ブランク材1aを搬送させた状態で、レーザー光をブランク材1aの搬送方向Lに対して直交する方向に往復移動させたり、レーザー光を静止させたり、あるいはレーザー光をOFFとするだけで、ブランク材1aの表面に複数の連続記号30、追加連続記号30Aおよび記号無し領域33を形成することができる。この場合、レーザー光を搬送方向Lに対して直交する方向に往復移動させたり、レーザー光を静止させたり、あるいはレーザー光をOFFとするだけで、ブランク材1aの表面に連続記号30、追加連続記号30Aおよび記号無し領域33を形成することができるので、ブランク材1aの搬送速度が速くなっても、この搬送速度に確実に追従して精度良く、連続記号30、追加連続記号30Aおよび記号無し領域33を形成することができる。
【0069】
また、各連続記号30および追加連続記号30Aは、基準線31上に位置する始点30aと終点30bを有し、始点30aと終点30bの距離lが一定となっており、かつ記号無し領域33の距離lも連続記号30および追加連続記号30Aの距離lと同一となっている。このため連続記号30、追加連続記号30Aおよび記号無し領域33からなるIDコード8をレーザー光により容易に形成することができ、コードリーダによりIDコード8を正確に読み取ることができる。
【0070】
なお、上記実施の形態において、ブランク材1aを搬送させた状態でレーザー光を搬送方向Lに対して直交する方向に往復移動させたり、レーザー光を静止させたり、あるいはレーザー光をOFFとして連続記号30、追加連続記号30Aおよび記号無し領域33を形成した例を示したが、ブランク材1aを搬送させた状態でレーザー光を搬送方向Lに対して直交する方向に往復移動させ、あるいはレーザー光を静止させ、このことにより記号無し領域33を形成することなく、連続記号30および追加連続記号30Aのみを形成してもよい。またレーザー光を静止させることなく搬送方向Lに対して直交する方向に連続的に往復移動させて、追加連続記号30Aおよび記号無し領域33を形成することなく、連続記号30のみを形成してもよい。
【0071】
またブランク材1aの層構成は、紙基材14Aと、非黒色インキ層12と、黒色インキ層11とからなっているが、これに限らずブランク材1aの層構成は紙基材14Aと紙基材14A上に形成された黒色インキ層11でも構わない。この場合、IDコードはレーザー光により昇華された黒色インキ層の開口部を介して外方へ露出される紙基材14A層によって形成される。
【0072】
あるいは、ブランク材1aの層構成は紙基材14Aのみでも構わない。この場合、IDコードはレーザー光により溶融、又は昇華されたPE層13の変形部や開口部によって形成される。
【符号の説明】
【0073】
1 紙容器
1a ブランク材
2 胴部
3 傾斜板
5 底部
6 折込部
7 上部
8 IDコード
9 印刷領域
11 黒色インキ層
12 非黒色印刷層
13 PE層
14 紙材
14A 紙基材
15 PE層
20 印刷物の作製システム
23 レーザーマーカー
30 連続記号
30a 始点
30b 終点
30c 頂点
31 基準線
32 直線
33 記号無し領域
L 搬送方向
l 始点と終点との間の距離

【特許請求の範囲】
【請求項1】
印刷物基材を搬送する搬送工程と、
印刷物基材を搬送させた状態で、印刷物基材の表面にレーザー光を照射して印刷物基材の表面に印字を施す印字工程とを備え、
印字工程において、印刷物基材を搬送させながらレーザー光を印刷物基材の搬送方向に対して直交する方向に往復移動させることにより、レーザー光によって複数の連続記号を形成し、
各連続記号は搬送方向に延びる基準線上に始点と終点をもつことを特徴とする印刷物の作製方法。
【請求項2】
各連続記号の始点と終点との間の距離は互いに等しくなっていることを特徴とする請求項1記載の印刷物の作製方法。
【請求項3】
連続記号は互いに異なる情報を含むことを特徴とする請求項1記載の印刷物の作製方法。
【請求項4】
連続記号は基準線上に底辺をもつ三角形状を有することを特徴とする請求項1記載の印刷物の作製方法。
【請求項5】
印字工程において、印刷物基材を搬送させながらレーザー光をOFFとして、連続記号間に、記号無し領域を形成することを特徴とする請求項1記載の印刷物の作製方法。
【請求項6】
印字工程において、印刷物基材を搬送させながらレーザー光を基準線上に静止することにより、基準線上に延び始点と終点を有する直線状の追加連続記号を形成することを特徴とする請求項1記載の印刷物の作製方法。
【請求項7】
印刷物基材を搬送させながらレーザー光を印刷物基材の搬送方向に対して直交する方向に往復移動させることにより、レーザー光によって複数の連続記号が形成され、
各連続記号は搬送方向に延びる基準線上に始点と終点をもつことを特徴とする印刷物。
【請求項8】
印刷物は紙容器用のブランク材であることを特徴とする請求項6記載の印刷物。
【請求項9】
印刷物基材を搬送させながらレーザー光を印刷物基材の搬送方向に対して直交する方向に往復移動させることにより、レーザー光によって複数の連続記号が形成され、
各連続記号は搬送方向に延びる基準線上に始点と終点をもつことを特徴とする紙容器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2012−30568(P2012−30568A)
【公開日】平成24年2月16日(2012.2.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−174330(P2010−174330)
【出願日】平成22年8月3日(2010.8.3)
【出願人】(000002897)大日本印刷株式会社 (14,506)
【Fターム(参考)】