説明

レーザー光発生装置

【課題】 レーザー光の波長を変換させることによって所望の波長のレーザー光を出力用レーザー光として生成するレーザー光発生装置を提供する。
【解決手段】 レーザーダイオード6から生成される第1波長のレーザー光が入射されるとともに該レーザー光の波長を第2波長のレーザー光に変換する第1波長変換素子と、該第1波長変換素子にて変換された第2波長のレーザー光が入射されるとともに該レーザー光を第3波長のレーザー光である出力用レーザー光に変換する第2波長変換素子と、該第2波長変換素子にて波長変換された出力用レーザー光の出力光路内に配置されるとともに不要波長のレーザー光を遮断するフィルター10と、前記レーザーダイオードに駆動電流を供給するとともに前記第1波長変換素子及び第2波長変換素子の近傍に設けられたレーザーダイオード駆動回路16とより成る。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、レーザーダイオードから生成されるレーザー光の波長を変換させて所望の波長のレーザー光を出力用レーザー光として生成するレーザー光発生装置に関する。
【背景技術】
【0002】
光ピックアップ装置から照射されるレーザー光を光ディスクに設けられている信号記録層に照射することによって信号の読み出し動作や信号の記録動作を行うことが出来る光ディスク装置が普及している。
【0003】
光ディスク装置としては、CDやDVDと呼ばれる光ディスクを使用するものが一般に普及しているが、最近では記録密度を向上させた光ディスク、即ちBlu−ray規格やHD DVD(High Density Digital Versatile Disk)規格の光ディスクを使用するものが製品化されている。
【0004】
光ディスクに記録される信号の密度を向上させるためには、光ディスクの信号面に照射されるレーザー光のスポット径を小さくする必要があり、そのためにはレーザー光の波長を短くする必要がある。光ディスク装置に使用される光ピックアップ装置には、一般にレーザー光を生成するレーザーダイオードが組み込まれている。
【0005】
前述したCD規格のディスクに記録されている信号を再生するために使用されるレーザー光は赤外光が使用され、DVD規格のディスクに記録されている信号を再生するために使用されるレーザー光は赤色光が使用され、そしてBlu−ray規格やHD DVD(High Density Digital Versatile Disk)規格のディスクに記録されている信号を再生するために使用されるレーザー光は青紫色光が使用されている。
【0006】
前述した赤外光、赤色光及び青紫色光のレーザー光を生成することが出来るレーザーダイオードは、開発されて製品化されているが、緑色のレーザー光を生成することが出来るレーザーダイオードの製品化は遅れている。
【0007】
緑色のレーザー光は、光の三原色を構成するため画像を投射するプロジェクターに使用されるとともに視認性が高いという理由から墨出し器に採用することが考えられているが、緑色のレーザー光を生成するレーザーダイオードが開発されていないので、現在ではレーザー光の波長を変換することによって緑色のレーザー光を得るようにされている。斯かるレーザー光の波長を変換する波長変換素子として、Nd:YVO4等の異方性結晶やKTP結晶(KTiOP4)等の非線形光学結晶が一般に使用されている。(特許文献1参照。)
【特許文献1】特開平7−58391号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
波長変換素子としてYVO4等の異方性結晶やKTP結晶等の非線形光学結晶を使用する場合、その変換効率は入射光波長依存性が大きく、安定した出力のレーザー光を得るためには、入射光の波長を安定させる必要がある。入射光の波長が不安定になる大きな原因として、温度変化があり、斯かる温度変化を抑える方法として特許文献に記載されているようにペルチェ素子を使用する方法が一般的である。
【0009】
従来の技術について図2を参照して説明する。図2において、1はAIGaAs結晶よ
りなるレーザーダイオードであり、波長が808nmのレーザー光を生成する。2は前記レーザーダイオード1から出射されたレーザー光が入射されるYVO4結晶であり、波長が1064nmのレーザー光を励起するように構成されている。
【0010】
3は前記YVO4結晶2にて波長が変換されたレーザー光が入射されるKTP結晶であり、波長を1/2波長である532nm(緑色)のレーザー光に変換するように構成されている。4は前記KTP結晶3から出力される緑色のレーザー光の出力光路内に設けられているフィルターであり、不要な波長のレーザー光を遮断し、緑色のレーザー光のみを出力させる作用を成すものである。
【0011】
5は前記レーザーダイオード1、YVO4結晶2及びKTP結晶3の近傍に設けられているペルチェ素子であり、前記レーザーダイオード1、YVO4結晶2及びKTP結晶の温度を一定にする作用を成すものである。
【0012】
ペルチェ素子を使用しない場合において、変換効率が低い温度にて使用すると、変換されたレーザー光の出力レベルが小さくなるので、レーザー出力を増大させるために大きな駆動電流をレーザーダイオード1に供給する動作が行われる。定格以上の大電流がレーザーダイオード1に供給されるとレーザー結晶が損傷し、寿命が短くなるという問題があるため、電流制限回路が一般に設けられている。
【0013】
電流制限回路を設けた場合、確かにレーザーダイオード1が損傷し、寿命が短くなるという問題は解決することが出来るものの電流制限動作が行われている間、即ち安定した動作を行うことが出来る状態になるまでの間はレーザー光が出射されないという問題がある。図3は温度と光出力との関係を示す特性図であり、実線で示す狭い温度の範囲でのみ安定したレーザー光を発生させることが可能である。
【0014】
また、レーザーダイオード1、YVO4結晶2及びKTP結晶3等はレーザー光発生装置を構成するケース内に配置されるが、所定光量のレーザー光を生成させる場合におけるケースの温度とレーザーダイオード1に供給される駆動電流との関係は図4に示す特性図のようになる。
【0015】
図4に示す特性図より明らかなようにケースの温度が20℃〜30℃の範囲にあるとき、レーザーダイオード1に供給される駆動電流の大きさを最も小さくすることが出来る。そして、図3に示した特性図からも明らかなようにケースの温度を20℃〜30℃になるように制御することによりレーザー光の出射動作を速やかに行うことが出来るとともに安定したレーザー光の発生動作を行うことが出来る。
【0016】
前述した動作を行うために前述したペルチェ素子5を使用して前記レーザーダイオード1、YVO4結晶2及びKTP結晶の温度を一定にする動作が行われているが、装置の小型化が出来ないだけでなく高価になるという問題がある。
【0017】
本発明は、斯かる問題を解決することが出来るレーザー光発生装置を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0018】
本発明は、第1波長のレーザー光を生成するレーザーダイオードから生成される第1波長のレーザー光が入射されるとともに該レーザー光の波長を第2波長のレーザー光に変換する第1波長変換素子と、該第1波長変換素子にて変換された第2波長のレーザー光が入射されるとともに該レーザー光を第3波長のレーザー光である出力用レーザー光に変換する第2波長変換素子と、該第2波長変換素子にて波長変換された出力用レーザー光の出力
光路内に配置されているとともに該出力用レーザー光以外の不要レーザー光を遮断するフィルターを備え、前記レーザーダイオードに駆動電流を供給するレーザーダイオード駆動回路を前記第1波長変換素子及び第2波長変換素子の近傍に設け、該駆動回路から発生する熱を前記第1波長変換素子及び第2波長変換素子に伝達するように構成されている。
【0019】
また、本発明は、第1波長変換素子をNd:YVO4結晶にて構成し、第2波長変換素子をKTP結晶にて構成したことを特徴とするものである。
【0020】
そして、本発明は、第2波長変換素子にて波長変換された出力用レーザー光が照射される位置にレーザー光の強度を検出するモニター用受光素子を設けたことを特徴とするものである。
【0021】
また、本発明は、第2波長変換素子の出射側に設けられているフィルターを出力用レーザー光の光軸に対して傾斜させて配置し、該フィルターにて出力用レーザー光の一部を反射させてモニター用受光素子に導くようにしたことを特徴とするものである。
【0022】
そして、本発明は、レーザーダイオードと波長変換素子との間に回折格子を設け、該回折格子を共振器として動作させることによって第1波長であるレーザー光の波長を安定化したことを特徴とするものである。
【0023】
また、本発明は、第1波長のレーザー光を生成するレーザーダイオードと、該レーザーダイオードから生成される第1波長のレーザー光が入射されるとともに該レーザー光の波長を第2波長のレーザー光に変換する波長変換素子と、該波長変換素子にて変換された出力用レーザー光の出力光路内に配置されているとともに該出力用レーザー光以外の不要レーザー光を遮断するフィルターを備え、前記レーザーダイオードに駆動電流を供給するレーザーダイオード駆動回路を前記波長変換素子の近傍に設け、該駆動回路から発生する熱を前記波長変換素子に伝達するように構成されている。
【0024】
そして、本発明は、波長変換素子をPPLNまたはPPKTPにて構成したことを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0025】
本発明のレーザー光発生装置は、第1波長のレーザー光を生成するレーザーダイオードから生成される第1波長のレーザー光が入射されるとともに該レーザー光の波長を第2波長のレーザー光に変換する第1波長変換素子と、該第1波長変換素子にて変換された第2波長のレーザー光が入射されるとともに該レーザー光を第3波長のレーザー光である出力用レーザー光に変換する第2波長変換素子と、該第2波長変換素子にて波長変換された出力用レーザー光の出力光路内に配置されているとともに該出力用レーザー光以外の不要レーザー光を遮断するフィルターを備え、前記レーザーダイオードに駆動電流を供給するレーザーダイオード駆動回路を前記第1波長変換素子及び第2波長変換素子の近傍に設け、該駆動回路から発生する熱を前記第1波長変換素子及び第2波長変換素子に伝達するようにしたので、第1波長変換素子及び第2波長変換素子の温度を所望の温度、例えば波長変換動作を正確に行うことが出来る温度に速やかに上昇させることが出来、その結果レーザー光発生装置から所望の波長のレーザー光を速やかに発生させることが出来る。
【0026】
また、本発明のレーザー光発生装置は、レーザーダイオードと波長変換素子との間の光路内に回折格子を設け、該回折格子を共振器として動作させることによって第1波長であるレーザー光の波長を安定化させるようにしたので、波長変換素子の変換効率を高めることが出来、その結果消費電力の削減を行うことが出来る。
【実施例】
【0027】
図1は本発明のレーザー光発生装置の一実施例を示す側面図である。同図において、6はAIGaAs結晶よりなるレーザーダイオードであり、第1波長である波長が808nmのレーザー光を生成する。7は前記レーザーダイオード6から生成される第1波長のレーザー光が入射される位置に設けられている回折格子であり、VHG(Volume Holographic Grating)やVBG(Volume Bragg Grating)と呼ばれる素子にて構成されている。斯かるVHG素子は内部に光学的な溝が周期的に刻まれており、所定の波長、即ち本実施例では前記レーザーダイオード6から生成されるレーザー光の波長である808nmの波長のレーザー光が発振するように設定されている。
【0028】
前述したVHG素子に入射されたレーザー光は、該VHG素子内に周期的に刻まれている溝と前記レーザーダイオード6を構成する素子片の端面との間を往復移動することによって発振する動作を行うことになるが、斯かる発振動作は周知であり、その説明は省略する。前記レーザーダイオード6と回折格子7であるVHG素子との協働による発振動作を行うことによってレーザーダイオード6から生成される波長が808nmのレーザー光の波長を第1波長に固定安定化する動作が行われる。
【0029】
8は前記回折格子7にて固定化された第1波長のレーザー光が入射されるYVO4結晶であり、第2波長である波長が1064nmのレーザー光を励起するように構成されている。
【0030】
9は前記YVO4結晶8にて波長が変換されたレーザー光が入射されるKTP結晶であり、波長を1/2波長である532nm(緑色)の第3波長のレーザー光に変換するように構成されている。10は前記KTP結晶9から出力される緑色のレーザー光の出力光路内に設けられているフィルターであり、不要な波長のレーザー光を遮断し、緑色のレーザー光のみを出力させる作用を成すものである。
【0031】
前記回折格子7を備えていない従来のレーザー光発生装置の場合、レーザーダイオード6から生成出射されるレーザー光の第1波長は、808nm±10nmの範囲にて変化し、且つ温度特性も0.3nm/℃変化するという特性がある。
【0032】
斯かる従来のレーザー光発生装置と比較して、回折格子7を備えた本発明のレーザー光発生装置の場合、レーザーダイオード6から生成出射されるレーザー光の第1波長は、808nm±1nmの範囲にて変化するという優れた特性を得ることが出来る。また、本発明のレーザー光発生装置は、温度特性も0.01nm/℃変化するという極僅かな変化に抑えることが出来るという利点がある。
【0033】
11はレーザー光発生装置を構成する基台であり、複数の電極端子12が固定されている。13は前記基台11に固定されている固定基板であり、前記レーザーダイオード6が固定されているレーザー用固定基板14が固定されているとともに前記回折格子7が固定されている。
【0034】
15は前記固定基板13に固定されている波長変換素子用固定基板であり、前記YVO4結晶8及びKTP結晶9が図示したように固定配置されている。16は前記レーザーダイオード6に駆動電流を供給するべく該レーザーダイオード6とリード線(図示せず)にて接続されているレーザーダイオード駆動回路であり、前記波長変換素子用固定基板15内に配置されている。即ち、前記レーザーダイオード駆動回路16から発生する熱が波長変換素子であるYVO4結晶8及びKTP結晶9に伝達されるように構成されている。
【0035】
17は前記基台11に固定されているとともに前記レーザーダイオード6、回折格子7
、YVO4結晶8、KTP結晶9等を覆うカバーであり、出力用レーザー光が照射される位置に前記フィルター10が設けられている。斯かる構成によれば前記KTP結晶9にて第3波長に変換された出力用レーザー光は、前記フィルター10を通して矢印A方向へ出射されることになる。
【0036】
前記フィルター10は図示したように傾斜させて設けられているとともにその入射面10aには出力用レーザー光の一部を反射させる反射膜が形成されている。18は前記基板11に固定されているモニター用受光素子であり、前記フィルター10の入射面10aから反射された出力用レーザー光がカバー17に設けられている反射部17aにて反射された後に照射される位置に配置されている。
【0037】
斯かる構成において、レーザー光発生装置の外部に設けられているレーザーダイオード駆動制御回路から出力される制御信号が電極端子12を通してレーザーダイオード駆動回路16に供給され、該レーザーダイオード駆動回路16からレーザーダイオード6に対して駆動電流が供給される。
【0038】
斯かる駆動電流が前記レーザーダイオード6に供給されると該レーザーダイオード6から第1波長、即ち波長が808nmのレーザー光が生成される。このようにして生成されたレーザー光は、回折格子7に対して照射され、該回折格子7に形成されている溝とレーザーダイオード6を構成する素子片の端面との間を往復移動する動作、即ち発振動作が行われることになる。その結果、レーザーダイオード6から生成されるレーザー光の波長を第1波長である808nmに固定安定化することが出来る。
【0039】
このようにして安定化された第1波長のレーザー光は、YVO4結晶8に入射され、第2波長である波長が1064nmのレーザー光に変換された後KTP結晶9に入射されることになる。その結果、第2波長である波長が1064nmのレーザー光は、KTP結晶9にて1/2波長である532nm(緑色)の第3波長のレーザー光に変換され、出力用レーザー光として出射されることになる。
【0040】
前記KTP結晶9から出力用レーザー光として出射されたレーザー光はフィルター10を通して外部に出射されるとともにその一部は、該フィルター10の入射面10a及びカバー17に設けられている反射部17aにて反射されてモニター用受光素子18に照射される。従って、前記モニター用受光素子18によって出力用レーザー光の出力レベルをモニターすることが出来るので、該モニター用受光素子18から得られるモニター信号を外部に設けられているレーザーダイオード駆動制御回路に対して帰還させることによってレーザーダイオード6から生成されるレーザー光の出力を所望のレベルになるように制御する動作、所謂自動出力制御動作を行うことが出来る。
【0041】
前述したように本実施例におけるレーザー光の発生動作は行われるが、レーザー光を発生させるために電源供給動作が行われるとレーザーダイオード駆動回路16から発生する熱が波長変換素子であるYVO4結晶8及びKTP結晶9に伝達されるので、該YVO4結晶8及びKTP結晶9の温度を波長変換動作を行うために適した温度に速やかに上昇させることが出来る。その結果、入力されるレーザー光に対する波長変換動作を速やかに開始させることが出来、レーザー光発生装置として所望波長のレーザー光を短時間の間に発生させることが可能となる。
【0042】
前述した実施例では、レーザーダイオード6として波長が808nmのレーザー光を生成するレーザーダイオードを使用したが、レーザーダイオード6として波長が1064nmのレーザー光を生成するレーザーダイオードを使用することも出来る。斯かる場合には、レーザーダイオード6から生成されるレーザー光が第1波長である1064nmのレー
ザー光であるため、波長変換素子として第2波長である532nm(緑色)に変換するPPLN(Periodically-Poled Lithium Niobate)結晶又はPPKTP(Periodically-Poled KTiOP4)結晶を使用することが出来る。
【0043】
尚、本実施例では、波長変換素子としてYVO4結晶、KTP結晶、PPLN結晶及びPPKTP結晶を使用したが、他の結晶素子を使用することは出来る。また、緑色のレーザー光を得るために波長が808nmのレーザーダイオードや波長が1064nmのレーザーダイオードを使用したが、その波長は限定されるものではない。
【0044】
そして、本実施例では、出力用レーザー光の波長を緑色である532nmのレーザー光を得る場合について説明したが、他の波長のレーザー光を得るように構成することも出来る。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】本発明のレーザー光発生装置の一実施例を示す側面図である。
【図2】従来のレーザー光発生装置の一実施例を示す概略図である。
【図3】本発明のレーザー光発生装置を説明するための特性図である。
【図4】本発明のレーザー光発生装置を説明するための特性図である。
【符号の説明】
【0046】
6 レーザーダイオード
7 回折格子
8 YVO4結晶
9 KTP結晶
10 フィルター
11 基台
13 固定基板
15 波長変換素子用固定基板
16 レーザーダイオード駆動回路
17 カバー
18 モニター用受光素子

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1波長のレーザー光を生成するレーザーダイオードと、該レーザーダイオードから生成される第1波長のレーザー光が入射されるとともに該レーザー光の波長を第2波長のレーザー光に変換する第1波長変換素子と、該第1波長変換素子にて変換された第2波長のレーザー光が入射されるとともに該レーザー光を第3波長のレーザー光である出力用レーザー光に変換する第2波長変換素子と、該第2波長変換素子にて波長変換された出力用レーザー光の出力光路内に配置されているとともに該出力用レーザー光以外の不要レーザー光を遮断するフィルターを備えたレーザー光発生装置であり、前記レーザーダイオードに駆動電流を供給するレーザーダイオード駆動回路を前記第1波長変換素子及び第2波長変換素子の近傍に設け、該駆動回路から発生する熱を前記第1波長変換素子及び第2波長変換素子に伝達するようにしたことを特徴とするレーザー光発生装置。
【請求項2】
第1波長変換素子をNd:YVO4結晶にて構成し、第2波長変換素子をKTP結晶にて構成したことを特徴とする請求項1に記載のレーザー光発生装置。
【請求項3】
第2波長変換素子にて波長変換された出力用レーザー光が照射される位置にレーザー光の強度を検出するモニター用受光素子を設けたことを特徴とする請求項1に記載のレーザー光発生装置。
【請求項4】
第2波長変換素子の出射側に設けられているフィルターを出力用レーザー光の光軸に対して傾斜させて配置し、該フィルターにて出力用レーザー光の一部を反射させて前記モニター用受光素子に導くようにしたことを特徴とする請求項3に記載のレーザー光発生装置。
【請求項5】
レーザーダイオードと第1波長変換素子との間の光路内に回折格子を設け、該回折格子を共振器として動作させることによって第1波長であるレーザー光の波長を安定化したことを特徴とする請求項1に記載のレーザー光発生装置。
【請求項6】
第1波長のレーザー光を生成するレーザーダイオードと、該レーザーダイオードから生成される第1波長のレーザー光が入射されるとともに該レーザー光の波長を第2波長のレーザー光に変換する波長変換素子と、該波長変換素子にて変換された出力用レーザー光の出力光路内に配置されているとともに該出力用レーザー光以外の不要レーザー光を遮断するフィルターを備えたレーザー光発生装置であり、前記レーザーダイオードに駆動電流を供給するレーザーダイオード駆動回路を前記波長変換素子の近傍に設け、該駆動回路から発生する熱を前記波長変換素子に伝達するようにしたことを特徴とするレーザー光発生装置。
【請求項7】
波長変換素子をPPLN結晶またはPPKTP結晶にて構成したことを特徴とする請求項6に記載のレーザー光発生装置。
【請求項8】
レーザーダイオードと波長変換素子との間の光路内に回折格子を設け、該回折格子を共振器として動作させることによって第1波長であるレーザー光の波長を安定化したことを特徴とする請求項6に記載のレーザー光発生装置。
【請求項9】
出力用レーザー光が緑色であることを特徴とする請求項2または請求項7に記載のレーザー光発生装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate


【公開番号】特開2008−292784(P2008−292784A)
【公開日】平成20年12月4日(2008.12.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−138602(P2007−138602)
【出願日】平成19年5月25日(2007.5.25)
【出願人】(000001889)三洋電機株式会社 (18,308)
【出願人】(504464070)三洋オプテックデザイン株式会社 (315)
【Fターム(参考)】