説明

レーザ加工方法、及び、レーザ加工装置

【課題】 良質の加工を高効率で行う。
【解決手段】 (a)線状パターン上の少なくとも2つの点の座標を測定して加工目標線を決定する。(b)加工目標線に沿ってレーザビームが走査されるように、複数の入射目標位置を設定する。(c)レーザビームの入射位置、または走査方向前方の線状パターンの位置情報を取得し、取得された位置情報に基づいて、入射目標位置を補正することにより、入射指令値を算出する。(d)現在の入射位置から、算出された入射指令値による入射位置までレーザビームを走査する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、加工対象物にレーザビームを照射して行うレーザ加工方法、及び、レーザ加工装置に関する。
【背景技術】
【0002】
図5(A)〜(C)を参照して、レーザビームを照射して行うパターニング加工の従来技術について説明する。
【0003】
図5(A)は、パターニング加工の加工対象物であるパネル50を示す平面図である。パネル50は、たとえば太陽電池製造の一工程に現れるパネルである。パネル50には、直線状の凹部50bが縦横に形成されている。
【0004】
図5(B)に、図5(A)の5B−5B線に沿う断面図を示す。パネル50は、表面に複数の凹部50bが形成された厚さ0.5mm〜0.7mmのガラス基板50aと、ガラス基板50a表面上に形成された透明導電膜、たとえば厚さ0.1μm〜0.2μmのITO(Indium Tin Oxide)膜50cを含んで構成される。ITO膜50cは、ガラス基板50aの凹部50b内にも形成される。
【0005】
太陽電池製造のため、レーザビーム60を凹部50b上方からパネル50に照射し、照射位置のITO膜50cの除去加工を行う。本図には、レーザビーム60の照射により除去されるITO膜50cに右下がりの斜線を付して示した。レーザビーム60は、凹部50bの長さ方向に沿って走査される。この結果、凹部50b内のITO膜50cを、凹部50bの長さ方向に連続的に除去するパターニング加工が行われる。
【0006】
図5(C)を参照して、上述のパターニング加工の従来方法について説明する。図5(C)は、図5(A)において点線で囲んだ領域を拡大した図である。
【0007】
図5(A)に示す複数の直線状凹部50bのそれぞれの座標は、パネル50上に画定された座標系によって、CADデータで与えられている。そこでまず複数の凹部50bの端点の座標や、縦方向に伸びる凹部50bと横方向に伸びる凹部50bの複数の交点の座標を、パネル50上に画定された座標系において求める。
【0008】
次に、パネル50をレーザパターニング装置のステージ上に載置し、上記端点や交点を撮像して画像処理を行うことで計測し、偏差を求めて、レーザパターニング装置の座標系における実際の交点の座標、たとえば図5(C)に示した範囲においては交点50x及び50yの座標を測定する。
【0009】
そして両交点50x、50yを結んだ線分(加工目標線50z)に沿う位置にレーザビームを入射させ、加工目標線50zに沿ってレーザパターニングを行う。
【0010】
しかしこのレーザパターニング方法では、交点50x、50y間の凹部50bが直線状に形成されていない場合などには、高精度でパターニングを行うことができない。
【0011】
加工対象物を撮影して被加工線を検出し、検出された被加工線に基づいて自動位置合わせを行い、被加工線上にレーザビームを照射して溶接を行うレーザ加工装置の発明が開示されている(たとえば、特許文献1参照)。自動位置合わせに際しては、レーザビームの焦点位置と、当該焦点位置から最も近い被加工線上の点との間のずれを算出し、両者を一致させる制御を行う。
【0012】
しかしながら、特許文献1記載の技術では、レーザ加工に要する時間が長くなる場合があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0013】
【特許文献1】特開平9−141474号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
本発明の目的は、良質の加工を高効率で行うことのできるレーザ加工装置を提供することである。
【0015】
また、良質の加工を高効率で行うことのできるレーザ加工方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0016】
本発明の一観点によれば、(a)線状パターン上の少なくとも2つの点の座標を測定して加工目標線を決定する工程と、(b)前記加工目標線に沿ってレーザビームが走査されるように、複数の入射目標位置を設定する工程と、(c)レーザビームの入射位置、または走査方向前方の前記線状パターンの位置情報を取得し、取得された位置情報に基づいて、前記入射目標位置を補正することにより、入射指令値を算出する工程と、(d)現在の入射位置から、算出された入射指令値による入射位置までレーザビームを走査する工程とを有するレーザ加工方法が提供される。
【0017】
また、本発明の他の観点によれば、レーザビームを出射するレーザ光源と、加工対象物を保持するステージと、制御装置から与えられる入射指令値に基づいて、前記レーザ光源から出射したレーザビームの入射位置を、現在の入射位置から入射指令値で規定される位置まで移動させるビーム走査器と、レーザビームの入射位置を含む領域、またはレーザビームの入射位置の移動方向前方の領域の、前記加工対象物の表面の像を取得する受光装置とを有し、前記制御装置は、レーザビームを入射させるべき複数の入射目標位置を記憶しており、前記受光装置で得られた像に基づいて前記入射目標位置を補正することにより、入射指令値を算出し、前記ビーム走査器に入射指令値を送信するレーザ加工装置が提供される。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、良質の加工を高効率で行うことの可能なレーザ加工装置を提供することができる。
【0019】
また、良質の加工を高効率で行うことの可能なレーザ加工方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】実施例によるレーザ加工装置を示す概略図である。
【図2】(A)〜(E)は、実施例によるレーザ加工方法について説明するための図である。
【図3】変形例によるレーザ加工装置を示す概略図である。
【図4】(A)〜(C)は、変形例によるレーザ加工装置を用いて行うレーザ加工方法について説明するための図である。
【図5】(A)〜(C)は、レーザビームを照射して行うパターニング加工の従来技術について説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
図1は、実施例によるレーザ加工装置を示す概略図である。実施例によるレーザ加工装置は、レーザ光源10、アッテネータ11、マスク12、フォーカスレンズ13、レンズ移動機構14、ダイクロイックミラー15、ガルバノスキャナ16、CCDカメラ17、制御装置18、及び加工テーブル20を含んで構成される。
【0022】
レーザ光源10が、制御装置18から送られるトリガ信号を受けて、パルスレーザビーム30を出射する。レーザ光源10は、たとえばNd:YAGレーザ発振器、及び非線形光学結晶を含む。パルスレーザビーム30は、たとえばNd:YAGレーザの2倍高調波である。
【0023】
パルスレーザビーム30は、アッテネータ11でエネルギを減衰された後、マスク12に入射する。マスク12は透光領域と遮光領域とを有し、パルスレーザビーム30の断面形状を整形する。マスク12で断面形状を整形されたパルスレーザビーム30は、フォーカスレンズ13、ダイクロイックミラー15を透過してガルバノスキャナ16に入射する。
【0024】
ガルバノスキャナ16は2枚の揺動鏡を含んで構成され、制御装置18からの制御信号を受けて、パルスレーザビーム30を2次元方向に走査して出射することができる。パルスレーザビーム30は、ガルバノスキャナ16で出射方向を変化されて、加工テーブル20上に載置されたパネル50に入射する。
【0025】
パネル50は、たとえば図5(A)〜(C)に示した、太陽電池製造の一工程に現れるパネルである。パネル50にパルスレーザビーム30を照射して、ガラス基板50aの線状パターン上(凹部50b内)に形成されたITO膜50cを、凹部50bの長さ方向に沿って連続的に除去するパターニング加工を行う。
【0026】
レンズ移動機構14は、フォーカスレンズ13を、パルスレーザビーム30の光軸方向(進行方向)に移動可能に保持する。レンズ移動機構14によるフォーカスレンズ13の移動の制御は、制御装置18の信号により行われる。フォーカスレンズ13の移動により、パネル50上におけるパルスレーザビーム30の入射位置が変化しても、パルスレーザビーム30はパネル50上に焦点を結んで入射する。
【0027】
パネル50に入射するパルスレーザビーム30と逆の経路を進行する光が、ガルバノスキャナ16を経由してダイクロイックミラー15で反射され、CCDカメラ17で受光される。これによってパルスレーザビーム30入射位置近傍の像を得ることができる。
【0028】
加工テーブル20は、制御装置18からの制御信号を受けて、パネル50を図の上下方向(パネル50の面内方向と交差する方向、たとえばパネル50の法線方向)に移動させることができる。これによりCCDカメラ17の焦点合わせを行うことができる。レーザ光源10の光軸とCCDカメラ17の光軸は一致している。制御装置18は、レーザ光源10とCCDカメラ17の位置座標のマップをもっており、両者の座標系は一致している。CCDカメラ17で撮影された像のデータは、制御装置18に送信され、レーザパターニング加工の制御に用いられる。
【0029】
図2(A)〜(E)を参照して実施例によるレーザ加工方法について説明する。
【0030】
図2(A)を参照する。パネル50の直線状凹部50bのそれぞれの座標は、パネル50上に画定された座標系によってCADデータで与えられており、それらは制御装置18の記憶領域に記憶されている。制御装置18は、まず複数の凹部50bの端点の座標や、縦方向に伸びる凹部50bと横方向に伸びる凹部50bの複数の交点の座標を、パネル50上に画定された座標系において求め、記憶領域に保存する。またはあらかじめ求められた端点や交点の座標を記憶領域に保存しておいてもよい。
【0031】
次に、パネル50を、図1に示したレーザ加工装置の加工テーブル20上に載置し、上記端点や交点をCCDカメラ17で撮像して画像処理を行うことで計測し、偏差を求めて、CCDカメラ17の座標系における実際の交点の座標、たとえば図2(A)に示した範囲においては交点50x及び50yの座標を測定する。
【0032】
制御装置18は、両交点50x、50yを結んだ線分を加工目標線50zとして決定する。加工目標線50zは加工開始時に暫定的に定められるレーザパターニングの実施位置である。制御装置18は、加工目標線50zに沿ってパルスレーザビーム30が走査されるように、加工目標線50z上に複数の入射目標位置を設定する。設定された入射目標位置は、制御装置18の記憶領域に記憶される。
【0033】
図2(A)には、交点50x、50y間の凹部50bが直線的に形成されていない場合を示した。凹部50bが直線的に形成されている場合であれば、凹部50bの幅方向の中心線Lと加工目標線50zとは一致する。レーザパターニング加工は、凹部50bの幅方向の中心線Lに沿って行うのが望ましい。
【0034】
図2(B)に、パルスレーザビーム30が入射する位置のパネル50を撮影するCCDカメラ17の画界を示す。本図に示すのは、図2(A)に一点鎖線で囲んだ領域の画像である。図2(B)には、画界の中心Cとパルスレーザビーム30のビームスポットの中心Cとが一致する場合を示した。パルスレーザビーム30のビームスポットが入射した部分に加工線50dが形成される。加工線50dは、加工目標線50zに沿ってパルスレーザビーム30が走査されてパターニングされた部分である。
【0035】
図2(B)に示す画像は、CCDカメラ17から制御装置18に送信される。制御装置18は、凹部50bのパターン及びその幅方向の中心線(中心位置)Lを検出する。そして中心線(中心位置)Lと画界中心C(ビームスポットの中心C、加工線50d)との幅方向における差dを算出する。
【0036】
図2(C)を参照する。制御装置18は、算出された差dに基づいてガルバノスキャナ16に補正された制御信号を送信し、揺動鏡を駆動して、パルスレーザビーム30のパネル50上への入射位置を制御する。
【0037】
ガルバノ目標値は、差dに基づく補正が反映可能な段階において、加工目標線50z上の入射目標位置にパルスレーザビーム30を入射させるための揺動鏡のミラー角度を示す。現在値は、図2(B)に示した位置にパルスレーザビーム30を入射させたときの揺動鏡のミラー角度を示す。制御装置18は、ガルバノ目標値に、差dに対応する補正ミラー角度を加え、現在値を減じて算出した制御信号(指令値)を、ガルバノスキャナ18に送信する。ガルバノスキャナ18の駆動により、現在の入射位置(図2(B)に示したビーム入射位置)から、算出された制御信号(指令値)による入射位置までパルスレーザビーム30が走査される。
【0038】
なお、制御信号(指令値)が算出されてから加工を開始する。
【0039】
このような制御を行うことで、パルスレーザビーム30の入射位置(ビームスポットの中心C、加工線50d)と、凹部50bの幅方向の中心線(中心位置)Lとの差を小さくすることができ、凹部50bの幅方向の中心線(中心位置)Lに沿ってレーザパターニング加工を行うことも可能である。
【0040】
実施例によるレーザ加工方法は、加工中に加工位置周辺を撮像して画像処理を行い、加工位置の補正をリアルタイムに行う。パルスレーザビーム30のビームスポットの中心Cと、本来加工することが望まれる凹部50bの幅方向の中心線(中心位置)Lとの差dを検出し、差dに基づいてパルスレーザビーム30の入射位置を修正することで、高精度のレーザパターニング加工を実現することができる。
【0041】
また、あらかじめ加工対象物を撮影して被加工線を検出する等の準備を要しないため、加工時間を短くすることができ、高効率でレーザパターニング加工を行うことができる。
【0042】
図2(D)には、図2(B)と異なり、画界の中心Cとパルスレーザビーム30のビームスポットの中心Cとが一致しない場合を示した。レーザ加工の初期にレーザ光源10の光軸とCCDカメラ17の光軸(座標系)が一致しているときでも、キャリブレーションの不足や経時変化などが原因で、両者が不一致となることがある。このような場合にも、凹部50bの幅方向の中心線(中心位置)Lとビームスポットの中心C(加工線50d)との幅方向における差dを算出して、図2(C)を参照して説明した制御と同じ制御を行えばよい。
【0043】
図2(E)に制御方法の他の例を示した。図2(C)に示した制御方法と比較した場合、差dに対応するミラー角度補正をどの段階で行うかの違いがあるのみである。本図に示す制御例においては、差dを現在値から減じることで補正を行う。
【0044】
図3は、変形例によるレーザ加工装置を示す概略図である。変形例によるレーザ加工装置は、CCDカメラ17に代えて、ラインセンサカメラ19a、19bが用いられている点において実施例によるレーザ加工装置と異なる。
【0045】
パネル50に入射するパルスレーザビーム30と逆の経路を進行する光が、ガルバノスキャナ16を経由してダイクロイックミラー15で反射され、ハーフミラー21で二分岐される。二分岐された光の一方は、ラインセンサカメラ19aで受光され、他方は折り返しミラー22で反射された後、ラインセンサカメラ19bで受光される。ラインセンサカメラ19a、19bで得られたデータは、制御装置18に送信される。
【0046】
図4(A)〜(C)を参照し、変形例によるレーザ加工装置を用いて行うレーザ加工方法について説明する。図4(A)〜(C)においては、ラインセンサカメラ19a、19bの画界をそれぞれ画界25a、25bと示した。
【0047】
ラインセンサカメラ19aは、パネル50の縦方向(図4(A)、(B)及び図5(A)の縦方向)に形成された直線状凹部50b内のITO膜50cを除去するパターニング加工に用いる。また、ラインセンサカメラ19bは、パネル50の横方向(図4(A)、(B)及び図5(A)の横方向)に形成された直線状凹部50b内のITO膜50cを除去するパターニング加工に用いる。
【0048】
本レーザ加工方法においては、パルスレーザビーム30の入射位置(ビームスポットの中心Cの位置)とラインセンサカメラ19a、19bの画界25a、25bの位置をあらかじめ計測しておく。
【0049】
パルスレーザビーム30の入射位置(ビームスポットの中心Cの位置)と、ラインセンサカメラ19a、19bの画界25a、25bとの相対的な位置関係は、図4(A)に示すようにパターニング加工の進行方向側にオフセットしていてもよいし、図4(B)に示すように一致させることも可能である。
【0050】
図4(A)を参照する。実施例と同様に、凹部50bに、加工目標線50zに沿ってパルスレーザビーム30を入射させる。パネル50の縦方向に形成された直線状凹部50b内に、パルスレーザビーム30が照射され、ITO膜50cが除去されて加工線50dが形成される。前述のように、縦方向にパターニングする際には、ラインセンサカメラ19aを用いて得られた画像を利用して加工を行う。
【0051】
図4(C)に、ラインセンサカメラ19aから制御装置18に送信された画像情報を基に求められる位置と輝度との関係をグラフにして示す。グラフ横軸の「位置」は、凹部50bの幅方向に沿う位置である。
【0052】
凹部50bが形成されている位置の輝度は高い。制御装置18は、高輝度部分の中央位置を凹部50bの幅方向に沿って求め、この位置を凹部50bの幅方向の中心位置Lとする。パルスレーザビーム30の入射位置(ビームスポットの中心Cの位置)は、あらかじめ計測されているため、ビームスポットの中心C(加工線50d)と凹部50bの中心位置Lとの幅方向の差dが制御装置18によって求められる。
【0053】
差dが得られた後は、図2(C)及び(E)を参照して説明した制御と同様の制御を行って、ラインセンサカメラ19aを用いて画像情報を得た位置にパルスレーザビーム30を入射させる。こうすることで、凹部50bの幅方向の中心線(中心位置)Lに沿って高精度のレーザパターニング加工を行うことが可能となる。
【0054】
変形例によるレーザ加工装置は、ラインセンサカメラを用いているため、差dを高速に計測することができる。このため差dを反映した補正制御を高速で行うことができる。
【0055】
以上、実施例に沿って本発明を説明したが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0056】
たとえば、実施例においてはCCDカメラを用い、変形例においてはラインセンサカメラを使用したが、両者をともに用いて装置を構成することもできる。
【0057】
その他、種々の変更、改良、組み合わせ等が可能なことは当業者には自明であろう。
【産業上の利用可能性】
【0058】
レーザ加工一般、殊にレーザパターニング加工に好適に利用することができる。
【符号の説明】
【0059】
10 レーザ光源
11 アッテネータ
12 マスク
13 フォーカスレンズ
14 レンズ移動機構
15 ダイクロイックミラー
16 ガルバノスキャナ
17 CCDカメラ
18 制御装置
19a、19b ラインセンサカメラ
20 加工テーブル
21 ハーフミラー
22 折り返しミラー
25a ラインセンサカメラ19aの画界
25b ラインセンサカメラ19bの画界
30 パルスレーザビーム
50 パネル
50a ガラス基板
50b 凹部
50c ITO膜
50d 加工線
50x、50y 交点
50z 加工目標線
60 レーザビーム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)線状パターン上の少なくとも2つの点の座標を測定して加工目標線を決定する工程と、
(b)前記加工目標線に沿ってレーザビームが走査されるように、複数の入射目標位置を設定する工程と、
(c)レーザビームの入射位置、または走査方向前方の前記線状パターンの位置情報を取得し、取得された位置情報に基づいて、前記入射目標位置を補正することにより、入射指令値を算出する工程と、
(d)現在の入射位置から、算出された入射指令値による入射位置までレーザビームを走査する工程と
を有するレーザ加工方法。
【請求項2】
前記工程(b)と(c)とを繰り返す請求項1に記載のレーザ加工方法。
【請求項3】
前記工程(c)で入射指令値が算出されるまでは、前記入射目標位置にレーザビームを入射させる請求項1または2に記載のレーザ加工方法。
【請求項4】
前記工程(c)における前方は、ガルバノスキャナを経由して見ることのできる視野の範囲にある請求項1〜3のいずれか1項に記載のレーザ加工方法。
【請求項5】
レーザビームを出射するレーザ光源と、
加工対象物を保持するステージと、
制御装置から与えられる入射指令値に基づいて、前記レーザ光源から出射したレーザビームの入射位置を、現在の入射位置から入射指令値で規定される位置まで移動させるビーム走査器と、
レーザビームの入射位置を含む領域、またはレーザビームの入射位置の移動方向前方の領域の、前記加工対象物の表面の像を取得する受光装置と
を有し、
前記制御装置は、レーザビームを入射させるべき複数の入射目標位置を記憶しており、前記受光装置で得られた像に基づいて前記入射目標位置を補正することにより、入射指令値を算出し、前記ビーム走査器に入射指令値を送信するレーザ加工装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate


【公開番号】特開2010−158704(P2010−158704A)
【公開日】平成22年7月22日(2010.7.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−3279(P2009−3279)
【出願日】平成21年1月9日(2009.1.9)
【出願人】(000002107)住友重機械工業株式会社 (2,241)
【Fターム(参考)】