説明

レーザ集積装置、光ピックアップ装置及びレーザ集積装置の製造方法

【課題】電気信号のノイズを低減することができるレーザ集積装置、光ピックアップ装置及びそのレーザ集積装置の製造方法を提供すること。
【解決手段】レーザ集積素子1は、パッケージ2に所定の各部品が配置されて構成される。パッケージ2は、例えばセラミックス材料によって平板状に形成されたベース基板3と、例えば樹脂材料によって形成された、上述したケース17から構成される。レーザ集積素子1のベース基板3の表面3aにグランド電極26a及び26bが形成されることにより、ベース基板3の裏面等にそれらが形成される場合に比べ、グランド電極26aの表面積を極力大きくすることができ、ノイズが低減される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、レーザ光を発生するレーザ集積装置、光記録媒体の信号を読み取り可能な光ピックアップ装置及びそのレーザ集積装置の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、例えば、CD(Compact Disc)やDVD(Digital Versatile Disk)等の光ディスクに信号を記録し、あるいは記録された信号を再生するための光ピックアップ装置には、半導体レーザを備える半導体集積装置や、対物レンズ等の光学部品が搭載されている(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
特許文献1の半導体集積装置では、セラミックスでなるベース体(3)上に半導体基板(5)及びサブマウント(6)等を介して半導体レーザ(7)が搭載されている。さらに、半導体レーザ(7)から出射されたレーザ光をほぼ垂直に立ち上げるプリズム(10)が半導体基板(5)上に載置されている。一般的に、このような半導体集積装置は、フレキシブルプリント配線板を介して外部のドライバ用のIC(Integrated Circuit)と電気的に接続される。したがって、半導体集積装置は、そのフレキシブルプリント配線板と電気的に接触するための電極を、ベース体(3)の裏面側に備えている。
【特許文献1】特開2004−220675号公報(図3)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記電極のうちグランド電極の面積が小さい場合にはノイズが大きくなるという問題がある。また、フレキシブルプリント配線板の導線が細長い場合にも、アンテナ効果により別の不要なノイズが拾われてしまう。従来において、例えば、フレキシブルプリント配線板の導線を太くすることでノイズの影響は低減されていたが、フレキシブルプリント配線板の大きさには限界があり、ノイズの低減はあまり見込めなかった。
【0005】
以上のような事情に鑑み、本発明の目的は、電気信号のノイズを低減することができるレーザ集積装置光ピックアップ装置及びそのレーザ集積装置の製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本発明に係るレーザ集積装置は、表面を有する基板と、前記表面に形成された導体膜と、前記導体膜上に搭載されたレーザ発生素子と、前記表面に形成され、前記レーザ発生素子が駆動されるときに用いられるグランド電極とを具備する。
【0007】
本発明では、グランド電極が、レーザ発生素子が搭載される表面に形成されているので、基板の裏面に形成される場合に比べ、グランド電極の表面積を極力大きくすることができる。これにより、ノイズを低減することができる。
【0008】
本発明において、レーザ集積装置は、前記基板が有する裏面に形成され、前記レーザ集積素子が駆動されるときに用いられる信号電極をさらに具備し、前記グランド電極の表面積は、前記信号電極の表面積より大きい。これにより、さらにノイズが低減される。本発明には、1つのグランド電極の表面積が1つの信号電極の表面積より大きい、という意味、あるいは、信号電極が複数ある場合に、その総表面積よりグランド電極1つの表面積が大きい、という両方の意味が含まれる。
【0009】
本発明において、当該レーザ集積装置は、前記レーザ発生素子が発生するレーザ光を光記録媒体に導く光学系を備える光ピックアップ装置のベースフレームに搭載される装置であり、前記基板の前記表面は、前記ベースフレームに接触させるための基準面である。すなわち、基準面にグランド電極が形成されるので、グランド電極が大きく形成される分、そのグランド電極がベースフレーム自体、あるいはベースフレームのグランド導通部に接触して、確実にベースフレームに導通させることができる。グランド電極がベースフレーム自体に接触する場合、ベースフレームは導電性の材質でなる。
【0010】
さらに、導体膜とグランド端子の厚さがほぼ同じであれば有利になる。例えばレーザ発生素子からのレーザ光の光軸が導体膜及びグランド電極の膜厚方向に延びる場合、グランド電極がベースフレーム(またはベースフレームの導通部)に接触したときに、そのレーザ光の光路長あるいは光学系の焦点距離を所期の値に設定することができる。つまり、光ピックアップの製造時において、基準面に形成されたグランド電極がベースフレームに接触させられるだけで、当該焦点距離に関する位置決めを簡単に行うことができる。
【0011】
さらに、その場合、前記導体膜は、タングステン膜、ニッケル膜及び金膜を含む膜である。特に、タングステン膜やニッケル膜の厚さのばらつきは比較的大きいものである。したがって、基板表面にグランド電極がなく、その導体膜だけがある場合は、光路長または焦点距離のばらつきも大きくなってしまう。しかしながら、基板表面にグランド電極が形成されていれば、上述のように光路長または焦点距離を高精度に合わせることができる。
【0012】
なお、グランド端子も、導体膜と同様な材料が用いられるが、必ずしも同じでなくもよい。同じ材料であれば、レーザ集積装置の製造が容易になる。
【0013】
本発明に係る光ピックアップ装置は、表面を有する基板と、前記表面に形成された導体膜と、前記導体膜上に搭載されたレーザ発生素子と、前記表面に形成され、前記レーザ発生素子が駆動されるときに用いられるグランド電極とを有するレーザ集積素子と、前記レーザ発生素子が発生するレーザ光を光記録媒体に導く光学系と、前記グランド電極が電気的に接続される導通部を有し、前記レーザ集積素子と前記光学系とが搭載されるベースフレームと具備する。
【0014】
本発明に係るレーザ集積装置の製造方法は、表面を有する基板と、前記基板上に設けられるレーザ発生素子とを備えるレーザ集積装置の製造方法であって、前記表面のうち前記レーザ発生素子が載置される領域に導体膜を形成する工程と、レーザ発生素子が駆動されるときに用いられるグランド電極を前記表面に形成する工程とを具備する。本発明において、導体膜を形成する工程と、グランド電極を形成する工程は同じ工程で(同じ時に)行われてもよいし、異なる工程で(異なる時に)行われてもよい。
【発明の効果】
【0015】
以上のように、本発明によれば、レーザ集積装置に発生する電気信号のノイズを低減することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照しながら説明する。
【0017】
図1は、本発明の一実施の形態に係る光ピックアップ装置を示す概略的な斜視図である。図2は、図1の光ピックアップ装置30の一部を示す概略的な平面図である。
【0018】
光ピックアップ装置30は、光記録媒体としての光ディスク200の径方向に移動するベースフレーム22を備えている。このベースフレーム22の径方向への移動は、いわゆるスレッドモータあるいは送りモータと呼ばれるモータにより行われる。ベースフレーム22は例えば導体でなる。ベースフレーム22の側面22aにはレーザ集積素子1が搭載され、また対物レンズ23が搭載されている。ベースフレーム22には、対物レンズ23を光ディスク200のトラッキング方向(Y方向)及びフォーカシング方向(Z方向)に移動させるための図示しない2軸アクチュエータも搭載されている。さらにベースフレーム22には、対物レンズ23のほかにも、レーザ集積素子1から発生したレーザ光を光ディスク200の信号記録面に導く光学系も搭載されている。ここでいう「光学系」は、上記対物レンズ23のほか、例えば、レーザ集積素子1からX方向に出射されたレーザ光を、対物レンズZ方向にほぼ垂直に立ち上げる図示しないミラー等を含む。図2に示すように、ベースフレーム22の側面22aには、レーザ集積素子1のケース17等が挿入されてレーザ集積素子1を保持するための穴または切り欠き22bが形成されている。
【0019】
なお、2軸アクチュエータでなくても、Z−Y平面内またはZ−X平面内で、光ディスク200の信号記録面に対して対物レンズ23を傾けるチルトアクチュエータを含む3軸アクチュエータが搭載される場合もある。
【0020】
図3は、レーザ集積素子1にフレキシブルプリント配線板(以下、FPC(Flexible Printed Circuit board)という。)24が接続された状態を示す斜視図である。FPC24には、導線25が印刷されており、FPC24の一端24aが後述するレーザ集積素子1のベース基板3に設けられた電極に接続されている。FPC24の他端24bは、レーザ集積素子1を駆動したり、例えばレーザ集積素子1に搭載された後述するフォトディテクタからの再生信号を入力したりする図示しない集積回路に接続されている。
【0021】
図4は、レーザ集積素子1を示す斜視図である。図5は、レーザ集積素子1のX−Y平面で見た断面図である。
【0022】
レーザ集積素子1はパッケージ2に所定の各部品が配置されて構成される。パッケージ2は、例えばセラミックス材料によって平板状に形成されたベース基板3と、例えば樹脂材料によって形成された、上述したケース17から構成される。ケース17は、例えば、図5に示すように内部に、レーザ発生素子の一部または全部を構成する半導体レーザ7等、その他の部品を収容するハウジング4と、ハウジング上に設けられた、各種光学部品を搭載したブロック13とにより構成される。ベース基板3は、例えば多層配線基板であるが、多層配線の基板でなくてもよい。
【0023】
ハウジング4は、例えば、断熱性の高い樹脂材料によって下方に開口された箱状に形成され、上面4aに透過孔4bが形成されている。ハウジング4内であってベース基板3の基準面Aとなる表面3aには、導体膜21を介して半導体基板5が搭載されている。半導体基板5上にはサブマウント6が載置され、該サブマウント6上には半導体レーザ7が配置されている。半導体レーザ7からはレーザ光が出射される。このレーザ光は、半導体基板5上であって半導体レーザ7の隣に配置されたプリズム10に向かう方向(Y方向)に出射される。
【0024】
半導体レーザ7は、例えば第1の波長のレーザ光と、第1の波長より短い第2の波長のレーザ光を出射する。第1の波長は、例えば650〜780nm程度の赤色のレーザ光であり、第2の波長は、例えば405nm前後の青色のレーザ光である。しかし、半導体レーザ7は、上記第1及び第2の波長のうちのいずれか1波長のレーザ光のみを出射する半導体レーザであってもよい。あるいは、半導体レーザ7は、405nmより短い波長または長い波長のレーザ光を出射するものであってもよいし、さらに780nmより長い波長のレーザ光を出射するものであってもよい。あるいは、可視光以外の波長、例えば可視光波長より長い波長、または可視光波長より短い波長のレーザ光が出射される半導体レーザであってもよい。
【0025】
プリズム10は、半導体基板5に例えば接着剤等により取り付けられている。プリズム10は、例えば半導体レーザ7から発光されるレーザ光の光量が一定となるように制御するAPC(Automatic Power Controller)機能を有する図示しないモニター用受光素子を覆うように配置されている。プリズム10には、45度程度に傾斜して形成された光反射面10aと、ほぼ垂直な光透過面10bとがそれぞれ形成されている。半導体レーザ7から出射したレーザ光は、光反射面10aで約90度折り曲げられて反射され、反射されたレーザ光は光ディスク200へ向かう。半導体レーザ7からのレーザ光の一部は、光透過面10bを透過し、透過したレーザ光は上記モニター用受光素子に向かう。
【0026】
なお、半導体基板5上には、光ディスクから反射された戻り光を受光して電気信号に変換する図示しないフォトディテクタ等がさらに搭載されている。
【0027】
ハウジング4の上面4a上に設けられたブロック13は、例えば、透明な樹脂材料によって形成され、下端部の中央部にグレーティング14が配置され、上端部の中央部に1/4波長板15が配置されている。さらに、ブロック13には1/4波長板15の下側に所定の間隔をおいてホログラム16が配置されている。ホログラム16はレーザ光の光路を変更する光路変更機能及びレーザ光を分割する光分割機能を有する素子である。
【0028】
図6は、ベース基板3の裏面3bを示す平面図である。ベース基板3の裏面3bには、上述したように上記FPC24の図示しない電極との導通を図るための電極18及び19が設けられている。例えば、図5においてほぼ中央に配置された電極18はグランド電極であり、グランド電極18の周囲に配置された複数の電極19が信号電極である。ベース基板3の裏面3bのグランド電極18及び信号電極19の配置は、図5に示された配置に限られない。ベース基板3と半導体基板5の間の導体膜21は、例えばベース基板3を介して裏面3bのグランド電極18と導通されている。また、半導体基板5等から延びるボンディングワイヤ20は、例えばベース基板3上に設けられた端子9に接続され、端子9はベース基板3を介して裏面3bの信号電極19等と導通されている。
【0029】
図4及び図5に示すように、ケース17の外側であってベース基板3の表面3aには、グランド電極26a及び26bが形成されている。グランド電極26a及び26bは、例えばケース17の両側に配置され、裏面3bのグランド電極26a及び26bと導通している。
【0030】
このように、ベース基板3の表面3aにグランド電極26a及び26bが形成されることにより、ベース基板3の裏面等に形成される場合に比べ、グランド電極26aあるいはグランド電極26bの表面積を極力大きくすることができる。これにより、信号のノイズを低減することができる。特に、本実施の形態では、信号電極19の表面積よりグランド電極26aまたはグランド電極26bの表面積が大きく形成されている。
【0031】
さらに、例えば図7に示すように、上記ベースフレーム22の穴または切り欠き22aからレーザ集積素子1が挿入されて、導体のベースフレーム22の側面22aとグランド電極26a及び26bが接触する。すなわち、グランド電極26a及び26bが基準面Aである表面3aに大きく形成される分、確実にベースフレーム22に導通させることができる。
【0032】
なお、ベースフレーム22が導体でない樹脂等の絶縁体の場合、ベースフレームはグランド電極26a及び26bが接触する部位に電気的な導通部が設けられ、その導通部がさらに別のグランドに導通する構成であればよい。
【0033】
ここで、導体膜21は、ベース基板3側から半導体基板5側にかけて順にタングステン、ニッケル、金等で構成される。タングステンが形成される理由は、タングステンは融点が高く、酸化しにくく安定しているからである。金は例えばメッキにより形成される。金メッキが形成される理由は、金は導電性が良好であり、かつ、酸化しにくいからである。しかし、金は、タングステンとの接合力が弱いため、ニッケルが中間層として介在している。
【0034】
グランド電極26a及び26bも導体膜21と同じ材料の多層の導体膜でなるが、必ずしもそうでなくてもよい。例えば、上記のようにベース基板3に図示しないマスクが被せられた上から印刷工程により導体膜21、グランド電極26a及び26bが同じ工程で成膜される場合、導体膜21、グランド電極26a及び26bの材料は同じになる。
【0035】
具体的に、これら導体膜21等の製造工程において、タングステン層の膜厚のばらつきは8〜20μm程度である。また、ニッケル層の膜厚のばらつきは1〜9μm程度である。金はフラッシュメッキであり、ばらつきはナノメートルオーダであり小さい。したがって、タングステンやニッケルの膜厚のばらつきが、レーザ光の光路長あるいは焦点距離に悪影響を及ぼす。つまり、それらの膜厚がばらつくと、半導体基板5、サブマウント6、半導体レーザ7等の図5中X方向での位置にばらつきが生じるからである。
【0036】
図8で示すように、ベース基板3の表面3aにグランド電極26a及び26bがない場合、基準面Aである表面103aが直接ベースフレーム22に接触することで、レーザ集積素子100がベースフレーム22に対して位置決めされる。しかし、この場合、基準面Aである、ベース基板103の表面103aと、半導体基板5の下面(つまり、導体膜21の上面21a)とは異なる位置(異なる高さ)になる。この場合、上記のようにレーザ光の光路長あるいは焦点距離がばらつき、光ディスク200への記録信号あるいは光ディスク200からの再生信号の品質が低下してしまうおそれがある。
【0037】
しかしながら、本実施の形態では、ベース基板3の表面3aにグランド電極26a及び26bが形成されているので、基準面Aの代わりに基準面がBの位置、すなわちグランド電極26a及び26bの上面Bの位置が新たな基準面(図5及び図7参照)になる。したがって、図7に示すようにグランド電極26a及び26bがベースフレーム22に当接され、レーザ光の光路長または焦点距離を所期の値に設定することができる。つまり、光ピックアップ装置30の製造時において、基準面Aに形成されたグランド電極26a及び26bがベースフレーム22に接触させられるだけで、当該焦点距離に関する位置決めを簡単に行うことができる。レーザ光の波長が短いほど焦点距離の制御が困難になるので、レーザ光の波長が短いほど効果は大きい。また、上述したように導体膜21、グランド電極26a及び26bが同じ工程で形成される場合、導体膜21、グランド電極26a及び26bの膜厚がほぼ等しくなり、特に有利となる。
【0038】
従来では、図9に示すように、ベース基板103のV字状の溝103bに、例えば金メッキ105等が施されていた。このレーザ集積素子100が上記ベースフレーム22に接触する場合に、そのV溝103bの金メッキ105とベースフレーム22とが半田で接合されることで、グランドの導通が図られていた。しかし、この場合、上記したように、グランド電極の大きさが小さくなりノイズが増えること及び焦点距離の調整が困難であること等の問題があった。
【0039】
図10(A)は、ベース基板3の表面3aにグランド電極26a及び26bがある場合の、光ディスク200の再生信号のアイパターンを示す。図10(B)は、ベース基板3の表面3aにグランド電極26a及び26bがない場合の光ディスク200の再生信号のアイパターンを示す。この実験でのレーザ光の波長は赤色で650nm程度である。これらの図から、グランド電極26a及び26bがある場合のアイパターンの方が高品質であることが分かる。
【0040】
図11は、本発明の他の実施の形態に係るレーザ集積素子を示す平面図である。レーザ集積素子50では、ベース基板3の表面3aに上記レーザ集積素子1と同様のケース17が設けられ、ケース17の両側に、複数のグランド電極56が形成されている。グランド電極56は、例えば4つ形成されているがこれに限られない。このようにグランド電極の数や配置は、どのような形態であってもよい。
【0041】
図12は、本発明のさらに別の実施形態に係るレーザ集積素子を示す平面図である。レーザ集積素子60では、ベース基板3の表面3aの一方側に寄せられるようにケース17が配置され、ケースの隣の表面3aに1つのグランド電極66が形成されている。このように、必ずしもケース17の両側にグランド電極が形成されなくてもよい。
【0042】
本発明は以上説明した実施の形態には限定されるものではなく、種々の変形が可能である。
【0043】
例えば、上記実施の形態では、半導体レーザ7からのレーザ光がプリズム10で反射させる形態であったが、これは単なる例である。プリズムではなく単にミラーで反射させる構成であってもよい。
【0044】
ベースフレーム22、ベース基板3、ケース17等の形状は上記実施形態に限られず、また大きさ等も問わない。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】本発明の一実施の形態に係る光ピックアップ装置を示す概略的な斜視図である。
【図2】図1の光ピックアップ装置の一部を示す概略的な平面図である。
【図3】レーザ集積素子にフレキシブルプリント配線板が接続された状態を示す斜視図である。
【図4】本発明の一実施の形態に係るレーザ集積素子を示す斜視図である。
【図5】レーザ集積素子のX−Y平面で見た断面図である。
【図6】ベース基板の裏面を示す平面図である。
【図7】ベースフレームとグランド電極が接触した状態を示す図である。
【図8】従来において、グランド電極がない場合に、表面が直接ベースフレームに接触することで、レーザ集積素子がベースフレームに対して位置決めされた状態を示す図である。
【図9】従来において、ベース基板のV溝に金メッキが施されたレーザ集積素子を示す斜視図である。
【図10】図10(A)は、ベース基板の表面にグランド電極がある場合の、光ディスクの再生信号のアイパターンを示す図であり、図10(B)は、ベース基板の表面にグランド電極がない場合の光ディスクの再生信号のアイパターンを示す図である。
【図11】本発明の他の実施の形態に係るレーザ集積素子を示す平面図である。
【図12】本発明のさらに別の実施形態に係るレーザ集積素子を示す平面図である。
【符号の説明】
【0046】
A、B…基準面
1、50、60…レーザ集積素子
3…ベース基板
3a…表面
3b…裏面
3a…裏面
5…半導体基板
6…サブマウント
7…半導体レーザ
10…プリズム
11…ケース
13…ブロック
14…グレーティング
15…波長板
16…ホログラム
17…ケース
21…導体膜
22…ベースフレーム
23…対物レンズ
26a、26b、56、66…グランド電極
30…光ピックアップ装置
200…光ディスク

【特許請求の範囲】
【請求項1】
表面を有する基板と、
前記表面に形成された導体膜と、
前記導体膜上に搭載されたレーザ発生素子と、
前記表面に形成され、前記レーザ発生素子が駆動されるときに用いられるグランド電極と
を具備することを特徴とするレーザ集積装置。
【請求項2】
請求項1に記載のレーザ集積装置であって、
前記基板が有する裏面に形成され、前記レーザ集積素子が駆動されるときに用いられる信号電極をさらに具備し、
前記グランド電極の表面積は、前記信号電極の表面積より大きいことを特徴とするレーザ集積装置。
【請求項3】
請求項1に記載のレーザ集積装置であって、
当該レーザ集積装置は、前記レーザ発生素子が発生するレーザ光を光記録媒体に導く光学系を備える光ピックアップ装置のベースフレームに搭載される装置であり、
前記基板の前記表面は、前記フレーム体に接触させるための基準面であることを特徴とするレーザ集積装置。
【請求項4】
請求項1に記載のレーザ集積装置であって、
前記導体膜と前記グランド端子の厚さがほぼ同じであることを特徴とするレーザ集積装置。
【請求項5】
請求項4に記載のレーザ集積装置であって、
前記導体膜は、タングステン膜、ニッケル膜及び金膜を含む膜であることを特徴とするレーザ集積装置。
【請求項6】
表面を有する基板と、前記表面に形成された導体膜と、前記導体膜上に搭載されたレーザ発生素子と、前記表面に形成され、前記レーザ発生素子が駆動されるときに用いられるグランド電極とを有するレーザ集積素子と、
前記レーザ発生素子が発生するレーザ光を光記録媒体に導く光学系と、
前記グランド電極が電気的に接続される導通部を有し、前記レーザ集積素子と前記光学系とが搭載されるベースフレームと
を具備することを特徴とする光ピックアップ装置。
【請求項7】
表面を有する基板と、前記基板上に設けられるレーザ発生素子とを備えるレーザ集積装置の製造方法であって、
前記表面のうち前記レーザ発生素子が載置される領域に導体膜を形成する工程と、
レーザ発生素子が駆動されるときに用いられるグランド電極を前記表面に形成する工程と
を具備することを特徴とするレーザ集積装置の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図11】
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【図12】
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【図10】
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【公開番号】特開2007−172780(P2007−172780A)
【公開日】平成19年7月5日(2007.7.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−371870(P2005−371870)
【出願日】平成17年12月26日(2005.12.26)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】