説明

レーダ装置及びその異常検出方法

【課題】故障を的確に診断して出力信号の周波数が所定の周波数帯から逸脱するのを防止することが可能なレーダ装置を提供する。
【解決手段】レーダ装置100は、異常検出手段として、位相比較回路130と電流異常検出回路140と検波回路150とを備えている。位相比較回路130は、ミリ波発振器101から出力される高周波信号を、所定の基準信号に位相同期させてロック状態を保持させるとともに、故障等によりロック状態が解除されると、これを早期に検出してミリ波発振器101の電源を遮断することで、所定の周波数帯から逸脱した高周波信号が送出されるのを防止している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両等の移動体に搭載して用いられるレーダ装置に関し、特に自動車衝突防止を目的に用いられるレーダ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
対向車などの対象物との衝突を防止するために、車載用の自動車衝突防止レーダの開発が従来より進められている。このような用途のレーダ装置では、何らかの故障が発生した場合に的確な故障診断が行えないと、運転者に誤った情報を与えてかえって危険性を高めてしまうおそれがある。そのため、車載用レーダ装置の故障診断については、これまで色々な故障診断手法が検討されている
【0003】
特許文献1では、レーダを構成する高周波回路のミリ波ユニットに関し、その消費電流を監視することによって動作不良を検出する動作不良検出手段の技術が開示されている。この動作不良検出手段によれば、ミリ波ユニット全体の消費電流を電圧に変換し、この電圧が所定の基準電圧範囲を外れた場合に、レーダが動作不良であると判断してアラームを出力するように構成されている。上記の基準電圧範囲は、レーダが正常動作中にユニットに流れる電流を電圧に変換した際の電位幅又はその電位幅よりもやや広い電位幅に基づいて決定されたものである。
【0004】
特許文献1に記載のレーダの構成を図12に示す。ミリ波ユニット901に給電しているラインに動作不良検出手段902が接続されており、ミリ波ユニット901に流れる電流を動作不良検出手段902で電圧に変換し、この電圧が基準電圧範囲を逸脱した場合にアラームを出力させる。このように構成された動作不良検出手段902では、例えばオープンやショートといった消費電流の大きな変動を検出することができる。
【0005】
また、レーダを構成する高周波回路には、MMIC(モノリシックマイクロ波集積回路)やFET(電界効果トランジスタ)といった高周波用半導体部品が使用される。これらの部品は、図13に例示するように、ベアチップ911をパッケージ912にパッケージングする際に、直流の配線と高周波の配線を金ワイヤ913でワイヤボンディングするのが一般的である。レーダを構成する高周波回路の故障で最も多いと考えられるのが、高周波用半導体部品の故障である。その故障の多くは、消費電流といった直流の変動量を診断することで検出することができる。
【0006】
別の従来技術として、位相同期発振器の異常を回避するための技術が特許文献2に開示されている。一般に、発振器には位相同期回路(PLL回路)が用いられており、入力信号の位相に同期した出力信号を生成するのに用いられる。PLL回路の基本的な回路構成を図14に示す。PLL回路が正常に動作している場合には、位相比較器921により入力信号と出力信号との位相差が常に検出され、それに基づいて発振器922の制御電圧が制御される。これにより、発振器922の出力信号の周波数が安定に維持される。
【0007】
特許文献2には、入力信号に同期して安定した出力信号が得られるように、図15に示すような構成の位相同期回路が開示されている。ここでも、基本的には上記と同様の手法を用いて出力信号を制御しているが、特許文献2に記載の位相同期回路では、入力段位相同期ループ回路931と、平均周波数計算部932と、出力段位相同期ループ回路933とを備えた構成としている。このような構成とすることにより、等価的にリニアな制御を可能としている。また、特許文献2に記載の位相同期回路では、何らかの原因によって位相比較器934の同期が外れるなど非定常状態となった場合には、ロックアラーム信号を出力するとともにメモリ935のデータをリセットし、再度位相比較処理を行わせるようにしている。
【0008】
従来の一般に用いられている位相同期回路でも、位相比較の同期が外れるなどの非定常状態となった場合には、アラームを発生させるとともに、アラームをトリガとして再度ロックさせるためのリトライ処理を行っている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開平6−59023号公報
【特許文献2】特開平7−245562号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかしながら、従来の車載用レーダ装置用に開発されている故障診断手段では、個々の故障に対して診断が可能となるように構成されているものの、複数の故障診断を総合的に行う故障診断技術については、これまで知られていなかった。そのため、特定の機能に対して故障診断を行うことは可能であっても、別機能の故障に対して診断するのが困難であった。また、発振器の故障によりPLL回路で周波数を特定のものに制御できない場合には、所定外の周波数の出力信号を出力してしまうおそれがあったが、これを検出して早期に正常な状態に復帰させることが可能な故障診断技術については、これまで知られていない。
【0011】
特許文献1の動作不良検出手段では、微小な電流異常を検出することは困難であり、またMMICやFET等の高周波用半導体部品の高周波線路接続部のワイヤ破断等の異常に対しても、その故障を診断することが難しいといった問題があった。微小な電流異常を診断するために、主要な能動部品毎に動作不良検出手段を持たせることも可能であるが、回路の寸法が大きくなるとともにコスト増も見込まれるため好ましくない。また、消費電流の診断では直流系の故障診断が行えるが、高周波系の主線路におけるワイヤ破断やはんだ付け不良等の配線不良が発生した場合には、消費電流だけでこれを検出することは困難である。
【0012】
特許文献2に記載の位相同期発振器では、位相同期回路で正常なロック状態に復帰できない場合、リトライ処理を実行することによって正常にロック状態に復帰すれば問題ないが、復帰できない場合には発振器に供給される制御電圧が不安定になってフリーランの状態、すなわち発振器の出力信号が一定の周波数に固定されず不安定に変化するおそれがある。さらに、レーダ装置あるいは発振器への電力供給が遮断されない限り、所定外の周波数の出力信号を出力してしまうおそれもある。
【0013】
発振器のV−F特性の一例を図16に示す。同図に示すV−F特性は、発振器に供給される制御電圧に対する出力周波数の変化を示したものである。例えば、車載用レーダ装置への用途として法令上認可されている周波数帯は、世界各国でとくに統一されてはいないが、同図に示す所定の周波数帯FAであるとすると、発振器がフリーランの状態では発振器の制御電圧も同図に示す電圧範囲VAから逸脱した電圧が供給されてしまうおそれがあり、その結果発振周波数が周波数帯FAの範囲外となるおそれが生じる。
【0014】
そこで本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、故障を的確に診断して出力信号の周波数があらかじめ定められた周波数帯から逸脱するのを防止できるレーダ装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0015】
上記課題を解決するため、本発明のレーダ装置の第1の態様は、所定周波数の高周波信号を生成する発振器と、前記高周波信号を入力して所定の出力レベルまで増幅させた送信信号を出力する第1増幅回路と、前記送信信号を入力して送信波として放射する送信アンテナと、前記送信波が対象物で反射された反射波を受信して受信信号を出力する受信アンテナと、前記受信信号を増幅する第2増幅回路と、前記第2増幅回路で増幅された受信信号をベースバンド信号に変換する周波数混合回路と、前記ベースバンド信号を増幅する第3増幅回路と、前記第3増幅回路で増幅されたベースバンド信号を入力して周波数解析により対象物との相対距離および相対速度を検出する信号処理回路と、を備えるレーダ装置であって、前記送信信号の位相同期を制御するとともに、該位相同期の異常を検出すると前記送信信号の放射を停止させる位相比較回路をさらに備えることを特徴とする。
【0016】
本発明のレーダ装置の他の態様は、前記位相比較回路は、前記送信信号の位相同期を制御するPLLICと、前記PLLICに周波数設定データを出力するCPUと、前記PLLICから前記位相同期の異常を通知する異常信号を入力すると前記CPUにリセット信号を出力するトリガー部と、を備え、前記トリガー部が前記PLLICから前記異常信号を入力すると前記発振器の電源を遮断することを特徴とする。
【0017】
本発明のレーダ装置の他の態様は、前記CPUは、前記トリガー部から前記リセット信号を所定回数入力すると、前記信号処理回路に警報用信号を送出することを特徴とする。
【0018】
本発明のレーダ装置の他の態様は、回路の消費電流を検出電圧に変換して入力し、該検出電圧が所定の基準電圧範囲から逸脱したことを検出すると前記信号処理回路に警報用信号を送出する電流異常検出回路をさらに備えることを特徴とする。
【0019】
本発明のレーダ装置の他の態様は、前記電流異常検出回路は、前記検出電圧を反転入力端に入力するとともに第1閾値電圧を非反転入力端に入力する第1コンパレータと、前記検出電圧を非反転入力端に入力するとともに前記第1閾値電圧よりも低い第2閾値電圧を反転入力端に入力する第2コンパレータと、を備え、前記第1閾値電圧より低く前記第2閾値電圧より高い範囲を前記基準電圧範囲に用いていることを特徴とする。
【0020】
本発明のレーダ装置の他の態様は、前記第1の増幅回路で増幅された前記送信信号を分岐して入力する検波ダイオードと、前記検波ダイオードから検波電圧を入力して該検波電圧の異常を検出する検波部と、を有する検波回路をさらに備え、前記検波部で前記検波電圧の異常を検出すると前記信号処理回路に警報用信号を送出することを特徴とする。
【0021】
本発明のレーダ装置の他の態様は、前記検波部は、前記検波電圧が第1検波閾値より低下すると軽故障を通知するための警報用信号を前記信号処理装置に送出し、前記検波電圧がさらに低下して前記第1検波閾値より低い第2検波閾値に達すると重故障を通知するための警報用信号を前記信号処理装置に送出することを特徴とする。
【0022】
本発明のレーダ装置の他の態様は、前記検波回路は、前記検波ダイオードの入力端に前記送信信号の正常送信周波数範囲に整合された整合回路をさらに備え、前記送信信号が前記正常送信周波数範囲を逸脱すると、前記検波部が前記検波電圧の異常な低下を検出することを特徴とする。
【0023】
本発明のレーダ装置の異常検出方法の第1の態様は、所定周波数の高周波信号を生成する発振器と、前記発振器で生成される高周波信号の位相同期を制御するPLLICと、前記高周波信号を入力して所定の出力レベルまで増幅させた送信信号を出力する第1増幅回路と、前記送信信号を入力して送信波として放射する送信アンテナと、前記送信波が対象物で反射された反射波を受信して受信信号を出力する受信アンテナと、前記受信信号を増幅する第2増幅回路と、前記第2増幅回路で増幅された受信信号をベースバンド信号に変換する周波数混合回路と、前記ベースバンド信号を増幅する第3増幅回路と、前記第3増幅回路で増幅されたベースバンド信号を入力して周波数解析により対象物との相対距離および相対速度を検出する信号処理回路と、を備えるレーダ装置の異常を検出する方法であって、前記PLLICから前記位相同期の異常信号を入力すると前記発振器の電源を遮断するとともに警報用信号を出力することを特徴とする。
【0024】
本発明のレーダ装置の異常検出方法の他の態様は、所定の回路における消費電流を検出電圧に変換し、該検出電圧が所定の基準電圧範囲から逸脱したことを検出すると警報用信号を出力することを特徴とする。
【0025】
本発明のレーダ装置の異常検出方法の他の態様は、前記所定の回路は、前記発振回路、前記第1増幅回路、及び前記第2増幅回路のいずれか1つ以上であり、前記検出電圧をもとに前記所定の回路の停止を検出することを特徴とする。
【0026】
本発明のレーダ装置の異常検出方法の他の態様は、前記第1の増幅回路から出力される前記送信信号を分岐して検波ダイオードに入力し、該検波ダイオードで検波電圧に変換し、前記検波電圧が第1検波閾値以下に低下すると軽故障と判定し、さらに前記第1検波閾値より低い第2検波閾値以下に低下すると重故障と判定して警報用信号を出力することを特徴とする。
【発明の効果】
【0027】
本発明によれば、位相比較回路により故障を的確に診断して出力信号の周波数が所定の周波数帯から逸脱するのを防止することが可能なレーダ装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】本発明の実施形態に係るレーダ装置の構成を示すブロック図である。
【図2】位相比較回路の構成を示すブロック図である。
【図3】位相比較回路の制御系シーケンスを説明するための説明図である。
【図4】電流異常検出回路の実施形態例を示すブロック図である。
【図5】電流異常検出回路の別の実施形態例を示すブロック図である。
【図6】電流異常検出回路の別の実施形態例による判定結果を示す表である。
【図7】検波回路の構成を示すブロック図である。
【図8】検波回路内の検波ダイオードの特性を示すグラフである。
【図9】検出可能な故障モードを示す表である。
【図10】検波回路の別の実施形態例を示すブロック図である。
【図11】検波回路の別の実施形態例における検波ダイオードの出力特性を示すグラフである。
【図12】従来のレーダ装置の構成を示すブロック図である。
【図13】高周波半導体パッケージの実装例を示す説明図である。
【図14】従来の位相同期回路の構成を示すブロック図である。
【図15】従来の別の位相同回路の構成を示すブロック図である。
【図16】発振器のV−F特性を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0029】
本発明の好ましい実施の形態におけるレーダ装置について、図面を参照して詳細に説明する。同一機能を有する各構成部については、図示及び説明簡略化のため、同一符号を付して示す。
【0030】
本発明の実施の形態に係るレーダ装置の構成を、図1を用いて説明する。図1は、本実施形態のレーダ装置100の構成を示すブロック図である。レーダ装置100は、高周波信号を発生させるミリ波発振器101と、ミリ波発振器101からの出力信号を所望の出力レベルまで増幅させる増幅回路102と、増幅回路102で増幅させた送信信号を空中に放射させる送信アンテナ103と、送信アンテナ103から放射された送信波が前方の障害物で反射された反射波を受信する受信アンテナ111と、受信アンテナ111から出力される受信信号を増幅する増幅回路112と、増幅された受信信号をビデオ信号に変換する周波数混合回路113と、ビデオ信号を増幅するビデオ増幅器114と、ビデオ信号を入力して対象物との相対距離及び相対速度を算出する信号処理回路120とを備えている。
【0031】
ミリ波発振器101には電圧制御型発振器(VCO)が用いられ、レーダ装置100から放射させる周波数Foutの送信信号を発振させるとともに、受信信号をダウンコンバートするための局発信号を発振させて周波数混合回路113に出力している。また、周波数混合回路113は、増幅回路112で増幅された受信信号を、ミリ波発振器101から入力した高周波信号でダウンコンバートし、これをビデオ信号として出力している。ビデオ増幅器114は、周波数混合回路113から出力されるビデオ信号を所定の強度まで増幅して信号処理回路120に出力している。
【0032】
本実施形態のレーダ装置100は、上記の構成に加えて、主要な回路で発生した故障を自己診断するための異常検出手段を有しており、これにより故障が検出されると運転者に診断情報を通知して適切に対応できるようにしている。本実施形態のレーダ装置100は、異常検出手段として、位相比較回路130と電流異常検出回路140と検波回路150とを備えている。また、信号処理回路120には、上記の各異常検出手段から異常を通知する信号を入力して適切な処理を行う監視部121が設けられている。
【0033】
位相比較回路130は、ミリ波発振器101から出力される高周波信号の位相同期を制御するとともに、この位相同期が正常に行われているかを診断しており、位相同期が維持されず非定常状態になったことを検出すると、運転者に直ちに警報を出力するとともに、所定の周波数帯から逸脱した周波数の出力信号が送信アンテナ103に出力されて外部に放射されるのを防止している。
【0034】
位相比較回路130の構成を、図2を用いて説明する。図2は、本実施形態の位相比較回路130の構成を示すブロック図である。ミリ波発振器101は、出力信号である高周波信号の一部を分配して1/M分周器101aに入力し、ここで1/Mに分周した信号を位相比較回路130に出力している。位相比較回路130は、PLLIC131、基準信号発振器132、LPF(ローパスフィルタ)133、CPU134、及びトリガー部135を備えている。また、PLLIC131は、内部に1/N分周器131a、位相比較部131b、及び1/L分周器131cを備えている。
【0035】
ミリ波発振器101から位相比較回路130に出力された信号は、PLLIC131に入力され、1/N分周器131aで位相同期比較を行う周波数までさらに分周されて位相比較部131bに入力される。ここでは、ミリ波発振器101から出力される高周波信号の周波数を、1/M分周器101a及び1/N分周器131aを用いて2段階の分周を行っているが、比較周波数によっては1段階の分周としてもよい。
【0036】
位相比較部131bにおいて比較の基準となる比較周波数は、水晶振動子等で発生させた基準信号発振器132の周波数Finを1/L分周器131cで分周させた周波数としている。基準信号発振器132に水晶振動子を用いると、温度に対しても安定した発振を得ることができる。位相比較部131bは、ミリ波発振器101から出力される高周波信号を分周した信号と、基準信号発振器132で発生させた基準信号を分周した信号とを比較して位相差を求め、その位相差に応じた大きさの制御信号を出力している。この制御信号は、LPF(ローパスフィルタ)133を介して制御電圧としてミリ波発振器101に入力される。これにより、ミリ波発振器101から出力される高周波信号の周波数Foutが変化することで、高周波信号の周波数が調整される。
【0037】
上記のような制御過程により、ミリ波発振器101から出力される高周波信号の周波数を、入力信号である基準信号の位相と同期させることで調整することができる。高周波信号の周波数Foutと基準信号の周波数Finとの関係は、上記の分周比から
【数1】

となる。なお、レーダ装置100から放射される送信信号の変調方式として、変調信号をバッファアンプ104を介してLPF133の出力信号に加算し、これをミリ波発振器101に入力することで、ミリ波発振器101から直接変調された高周波信号を出力させ、これを送信信号に用いることも可能である。
【0038】
上記のように構成された位相比較回路130で位相同期が正常に行われているときには、周波数Foutの高周波信号がミリ波発振器101から出力されるが、同期がとれなくなって非定常状態になった場合には、周波数を再設定するための信号がCPU134からPLLIC131に送出される。PLLIC131に周波数を設定するときの制御系シーケンスの一例を図3に示す。ミリ波発振器101から出力される高周波信号を所定の周波数に設定するために、CPU134からPLLIC131に3種類の信号DATA、CLK、LEが送出される。
【0039】
レーダ装置100に電源が投入された際には、図3の矢印10が示すように、送信信号を所定の周波数に設定するために、CPU134からPLLIC131に上記の3種類の信号が送出され、周波数設定データ(DATA)がPLLIC131内に書き込まれる。これにより、位相比較部131bが上記のように動作して送信信号の周波数を所定の周波数Foutに収束させ、位相同期が維持されたロック状態に移行させる。このロック状態に移行されるまでの状態では、PLLIC131からALM信号(警報信号)として”H”が出力されているが、ロック状態に移行するとALM信号が”L”に変わる。位相比較部131bによって位相同期が維持されているロック状態の期間中は、ALM信号は”L”の値に保持される。
【0040】
何らかの原因で位相同期が行えなくなると、図3の矢印11で示すように、ロック状態から離脱したことを通知するために、PLLIC131から出力されるALM信号が”L”から”H”に変更される。ALM信号が”H”に変更されると、ALM信号を入力しているトリガー部135からCPU134に、CPU134をリセットするための信号MCLRが出力される。それと同時に、ミリ波発振器101の電源(VCO電源)を遮断するための要求信号がトリガー部135から監視部121に出力され、監視部121からミリ波発振器101の電源スイッチ101cに発振停止の制御信号が出力される。これにより、電源スイッチ101cがオフに切り替えられてミリ波発振器101の電源が遮断される。
【0041】
その後、図3の矢印12で示すように、CPU134がリセットされてミリ波発振器101の電源が再投入されると、CPU134からPLLIC131に上記の3種類の信号が送出され、周波数設定データ(DATA)がPLLIC131内に書き込まれる。これにより位相同期されたロック状態に復帰すれば、ALM信号は”H”に変更される。また、正常なロック状態に復帰しない場合には、上記と同様にして周波数設定データをPLLIC131内に書き込ませる動作を繰り返し行わせる。
【0042】
PLLIC131への周波数設定データの書き込みが所定回数行われても正常なロック状態に復帰しない場合には、何らかの故障が発生したと判定してトリガー部135から信号処理回路120内の監視部121に警報要求信号を出力する。監視部121は、警報要求信号を入力すると、運転者に対しレーダ装置100が異常であることを通知させるための警報情報を出力する。また、それと同時にミリ波発振器101に発振停止信号を送出し、ミリ波発振器101が高周波信号を発振できないようにする。あるいは、レーダ装置100の電源を遮断して運転を停止させるようにしてもよい。
【0043】
上記のように、本実施形態のレーダ装置100に備えられた位相比較回路130によれば、ミリ波発振器101から出力される高周波信号を、所定の基準信号に位相同期させてロック状態を保持させるとともに、ロック状態が解除されると、これを早期に検出してミリ波発振器101の電源を遮断することで、所定の周波数帯から逸脱した高周波信号が送出されるのを防止している。
【0044】
次に、電流異常検出回路140による異常検出の方法を以下に説明する。電流異常検出回路140は、レーダ装置100が動作しているときの消費電流(直流電流)を電圧値に換算し、これが所定の基準電圧範囲を逸脱したときに警報を出力させる機能を有している。以下では、電流異常検出回路140の実施形態例として、ミリ波発振器101における消費電流を診断するための構成について説明する。電流異常検出回路140は、ミリ波発振器101の消費電流に限らず、例えば増幅回路102,112等における消費電流についても、同様の手段を用いて異常検出することができる。
【0045】
ミリ波発振器101での消費電流を監視する方法を、図4を用いて説明する。図4は、ミリ波発振器101の消費電流を診断するための電流異常検出回路140の一実施形態例を示すブロック図である。同図に示す電流異常検出回路140aは、電源Vddからミリ波発振器101に供給している電流を診断するために、ミリ波発振器101の入力側の電圧Vinを測定している。電源Vddからミリ波発振器101への給電ラインには、抵抗値の小さい抵抗器141が接続されており、ミリ波発振器101で消費される電流Iによって抵抗器141での電圧降下が変化する。その結果、消費電流Iによって電圧Vinが変化することから、電流異常検出回路140aはこの電圧Vinがレーダ装置100の動作中に基準電圧範囲から逸脱しないかを監視し、基準電圧範囲から逸脱した場合には警報要求信号を信号処理回路120内の監視部121に出力する。
【0046】
ミリ波発振器101における主な故障原因として、ミリ波発振器101に搭載された能動部品のショート故障あるいはオープン故障等がある。これらの故障が発生した場合には、消費電流が大きく変動することから、抵抗器141で発生する電圧降下が大きく変化する。その結果、電圧Vinも大きく変化してミリ波発振器101における消費電流の変動を検出することができる。電圧Vinが基準電圧範囲を逸脱すると、警報要求信号が出力されて運転者に警報が提供される。但し、本実施形態例の電流異常検出回路140aでは、基準電圧範囲として設定される閾値を、レーダ装置100の動作状況等に応じて適切に決定するのが困難なため、微小な電流変化に対しては診断するのが難しいといった問題がある。
【0047】
そこで、基準電圧範囲に用いる閾値を容易に設定できる別の実施形態例の電流異常検出回路140bを、図5を用いて説明する。図5は、ミリ波発振器101の消費電流を監視ための電流異常検出回路140の別の実施形態例を示すブロック図である。同図に示す電流異常検出回路140bも、図4に示した電流異常検出回路140aと同様に、ミリ波発振器101に消費電流を供給する電源Vddに接続された抵抗器141の後段側の電圧、すなわちミリ波発振器101の入力側の電圧Vinを測定している。電流異常検出回路140bは、4つの抵抗器142〜145と2つのコンパレータ146、147を備えており、これらを用いてVinが所定の正常電圧範囲から逸脱するのを検出するための回路である。
【0048】
2つのコンパレータ146、147には、所定の基準電圧Vref1及びVref2がそれぞれ設定されている。この基準電圧Vref1、Vref2は、ミリ波発振器101に故障が発生したことを判定するのに適切な電圧値に調整されている。一例として、Vin<Vref2のとき、コンパレータ1の出力がオフでコンパレータ2の出力がオンとなっている。コンパレータ146、147の出力はオープンコレクタとなっていることから、コンパレータ146、147の少なくともいずれか一方の出力がオンとなることによって、コンパレータ146、147からの合成出力Voutは、”L”となる。
【0049】
コンパレータ146、147からの出力Voutは、入力電圧Vinの大きさに応じて図6に示すように変化する。すなわち、電圧Vinが
【数2】

を満たすときにミリ波発振器101が正常と診断され、Vin<Vref2、及びVref1<Vinのときにミリ波発振器101が異常であると診断されて信号処理回路120の監視部121に警報要求信号が出力される。本実施形態例の電流異常検出回路140bでは、正常電圧範囲としての閾値(Vref1、Vref2)を適切に設定することが可能となることから、消費電流の診断による異常検出をより高精度に行うことが可能となる。
【0050】
次に、検波回路150による異常検出の方法を、図7を用いて以下に説明する。図7は、検波回路150の構成を示すブロック図である。ミリ波発振器101から出力される高周波信号を送信アンテナ103から送信可能な所定の送信電力まで増幅させるために増幅回路102が設けられているが、増幅回路102から出力される送信信号の送信電力が適正であるかを診断するために、増幅回路102の後段に検波回路150を接続する。検波回路150は、適正な送信電力が出力されているときの検波電圧を、基準電圧として事前に内部に設定している。そして、レーダ装置100が稼働中の検波電圧と基準電圧との電圧差が所定の範囲内であるかを診断し、電圧差が所定の範囲を超えるときにレーダ装置100の故障や経年劣化等による異常と判定する。電流異常検出回路140が直流電流を監視するのに対し、検波回路150は主に高周波系の異常を検出する機能を有している。
【0051】
送信信号を分岐して検波回路150に入力させるために、増幅回路102と送信アンテナ103との間に4ポートの結合器151を挿入する。送信信号を伝送する伝送路105に結合器151を用いて電磁結合させた伝送路152の一方を終端器153で終端させ、他方を高周波信号を整流する検波ダイオード154を経由して検波部155に接続している。結合器151は、少なくとも数dB程度の結合度を持つものとする。検波ダイオード154の入力電力をPrf、ビルトイン電圧をVfとすると、検波ダイオード154から出力される検波電圧Vdetは
【数3】

と表される。
【0052】
検波ダイオード154の高周波入力電力Prfに対する検波電圧Vdetの特性の一例を、図8に示す。図8では、検波ダイオード154のPrfに対するVdetの特性を符号50で示している。送信信号が正常に出力されているときの高周波入力電力Prf(符号51で示す)からPrfが低下していくと、検波電圧Vdetも低下していくことが示されている。検波部155は、検波ダイオード154から入力した検波電圧を検波し易い電圧まで増幅させて検波することができる。すなわち、検波部155が入力信号に比例した直流電圧が得られる検波器を備え、これを用いて送信電力の出力レベルを監視することが可能となる。
【0053】
一例として、図8の符号51で示す送信電力が正常なときの正常時検波電圧からある一定幅だけ出力レベルが低下したときの検波電圧を検出すると、レベル低下を知らせる軽故障アラームを出力するようにすることができる。図8に示す検波ダイオード154の特性グラフにおいて、軽故障アラームを出力するときの高周波入力電力Prfと検波電圧Vdetとの関係を符号52で示す。また、送信出力が遮断するような重大故障時には検波出力電圧がほぼ0Vとなり、検波回路150がこれを検出して重故障アラームを出力させるようにすることができる。重故障アラームを出力するときの高周波入力電力Prfと検波電圧Vdetとの関係を符号53で示す。上記のように、検波回路150は、電流異常検出回路140で異常診断できなかった高周波系の異常も診断することができ、異常のレベルに応じて適切に処理することができる。
【0054】
上記の位相比較回路130、電流異常検出回路140、及び検波回路150を備えることにより、レーダ装置100は図9に示す重大故障モードを診断することが可能となる。第1の重大故障モードとしてミリ波発振器101が停止した場合には、消費電流の大幅な減少が予想されるため電流異常検出回路140により異常を検出することができる。また、ミリ波発振器101からの送信出力が遮断されるため、検波回路150でも検波電圧がほぼ0Vとなって異常を検出することができる。さらに、位相比較回路130でも位相同期が行えなくなることから、やはり異常を確実に検出することができる。
【0055】
第2の重大故障モードとして増幅回路102あるいは112が停止した場合も、消費電流の低下や送信電力の低下が予想されるため、電流異常検出回路140による直流電流の異常検出、および検波回路150による送信電流低下の異常検出が可能となる。第3の重大故障モードとして送信電力異常の場合には、電流異常検出回路140による直流電流の診断からは異常検出が難しいが、検波回路150により送信電流の異常を確実に検出することができる。
【0056】
第4の重大故障モードとして、位相比較回路130内のPLLIC131に異常が発生した場合には、上記で説明したように位相比較回路130内で位相同期が外れたことを検出することができる。位相同期が外れた場合には、ミリ波発振器101の電源スイッチ101cをオフにして高周波信号が生成されないようにしていることから、所定の周波数帯から逸脱する高周波信号が外部に放射されるのを防止することができる。第5の重大故障モードとして電源供給異常が発生した場合には、消費電流が大幅に変動することが予想されるため、電流異常検出回路140で異常を検出することができる。第6の重大故障モードとして所定外(例えば法令認可外)の周波数帯での送信信号の放射は、第4の重大故障モードで説明した通り、位相比較回路130がミリ波発振器101の電源スイッチ101cをオフにするように構成することで、所定の周波数帯から逸脱する高周波信号が外部に放射されるのを防止することが可能となっている。
【0057】
位相同期が外れて所定の周波数帯から逸脱した周波数の高周波信号が放射されたことを検出するために、検波回路150を図10に示すような構成とすることができる。図10は、検波回路150の別の実施形態例を示すブロック図である。同図に示す検波回路150aは、検波ダイオード154の入力端に整合回路156を挿入した構成となっている。整合回路156は、レーダ装置100から送信信号が正常に放射されたときの送信周波数範囲(所定の周波数帯)に整合されている。
【0058】
整合回路156を上記のように構成することにより、レーダ装置100から送信周波数範囲で送信信号が放射されるときには、整合回路156と整合が取れているため挿入損失が少なく、検波ダイオード154に十分な高周波入力電力が供給される。これに対し、レーダ装置100から送信周波数範囲を逸脱する送信信号が放射されると、整合回路156での挿入損失が増加するため検波ダイオード154に十分な高周波入力電力が供給されない。整合回路156での挿入損失が増加したときの、検波ダイオード154の高周波入力電力Prfに対する検波電圧Vdetの特性を図11に例示する。同図において、符号54の点線で示すPrfに対するVdetの特性が、整合回路156での挿入損失が増加したときのものである。Prfに対しVdetが大幅に低下することがわかる。
【0059】
上記のように、本実施形態例の検波回路150aによれば、検波する検波電圧に周波数特性を持たせることにより、レーダ装置100から送信周波数範囲を逸脱する送信信号が放射されると、これを確実に検出することが可能となる。
【0060】
なお、本実施の形態における記述は、本発明に係るレーダ装置の一例を示すものであり、これに限定されるものではない。本実施の形態におけるレーダ装置の細部構成及び詳細な動作などに関しては、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
【符号の説明】
【0061】
100 レーダ装置
101 ミリ波発振器
102、112 増幅回路
103 送信アンテナ
104 バッファアンプ
105 伝送路
111 受信アンテナ
113 周波数混合回路
114 ビデオ増幅器
120 信号処理回路
121 監視部
130 位相比較回路
131 PLLIC
132 基準信号発振器
133 LPF(ローパスフィルタ)
134 CPU
135 トリガー部
140、140a、140b 電流異常検出回路
141〜145 抵抗器
146、147 コンパレータ
150 検波回路
151 結合器
152 伝送路
153 終端器
154 検波ダイオード
155 検波部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定周波数の高周波信号を生成する発振器と、
前記高周波信号を入力して所定の出力レベルまで増幅させた送信信号を出力する第1増幅回路と、
前記送信信号を入力して送信波として放射する送信アンテナと、
前記送信波が対象物で反射された反射波を受信して受信信号を出力する受信アンテナと、
前記受信信号を増幅する第2増幅回路と、
前記第2増幅回路で増幅された受信信号をベースバンド信号に変換する周波数混合回路と、
前記ベースバンド信号を増幅する第3増幅回路と、
前記第3増幅回路で増幅されたベースバンド信号を入力して周波数解析により対象物との相対距離および相対速度を検出する信号処理回路と、を備えるレーダ装置であって、
前記送信信号の位相同期を制御するとともに、該位相同期の異常を検出すると前記送信信号の放射を停止させる位相比較回路をさらに備える
ことを特徴とするレーダ装置。
【請求項2】
前記位相比較回路は、前記送信信号の位相同期を制御するPLLICと、前記PLLICに周波数設定データを出力するCPUと、前記PLLICから前記位相同期の異常を通知する異常信号を入力すると前記CPUにリセット信号を出力するトリガー部と、を備え、
前記トリガー部が前記PLLICから前記異常信号を入力すると前記発振器の電源を遮断する
ことを特徴とする請求項1に記載のレーダ装置。
【請求項3】
前記CPUは、前記トリガー部から前記リセット信号を所定回数入力すると、前記信号処理回路に警報用信号を送出する
ことを特徴とする請求項2に記載のレーダ装置。
【請求項4】
回路の消費電流を検出電圧に変換して入力し、該検出電圧が所定の基準電圧範囲から逸脱したことを検出すると前記信号処理回路に警報用信号を送出する電流異常検出回路をさらに備える
ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載のレーダ装置。
【請求項5】
前記電流異常検出回路は、
前記検出電圧を反転入力端に入力するとともに第1閾値電圧を非反転入力端に入力する第1コンパレータと、
前記検出電圧を非反転入力端に入力するとともに前記第1閾値電圧よりも低い第2閾値電圧を反転入力端に入力する第2コンパレータと、を備え、
前記第1閾値電圧より低く前記第2閾値電圧より高い範囲を前記基準電圧範囲に用いている
ことを特徴とする請求項4に記載のレーダ装置。
【請求項6】
前記第1の増幅回路で増幅された前記送信信号を分岐して入力する検波ダイオードと、 前記検波ダイオードから検波電圧を入力して該検波電圧の異常を検出する検波部と、を有する検波回路をさらに備え、
前記検波部で前記検波電圧の異常を検出すると前記信号処理回路に警報用信号を送出する
ことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載のレーダ装置。
【請求項7】
前記検波部は、前記検波電圧が第1検波閾値より低下すると軽故障を通知するための警報用信号を前記信号処理装置に送出し、前記検波電圧がさらに低下して前記第1検波閾値より低い第2検波閾値に達すると重故障を通知するための警報用信号を前記信号処理装置に送出する
ことを特徴とする請求項6に記載のレーダ装置。
【請求項8】
前記検波回路は、前記検波ダイオードの入力端に前記送信信号の正常送信周波数範囲に整合された整合回路をさらに備え、
前記送信信号が前記正常送信周波数範囲を逸脱すると、前記検波部が前記検波電圧の異常な低下を検出する
ことを特徴とする請求項6または7に記載のレーダ装置。
【請求項9】
所定周波数の高周波信号を生成する発振器と、前記発振器で生成される高周波信号の位相同期を制御するPLLICと、前記高周波信号を入力して所定の出力レベルまで増幅させた送信信号を出力する第1増幅回路と、前記送信信号を入力して送信波として放射する送信アンテナと、前記送信波が対象物で反射された反射波を受信して受信信号を出力する受信アンテナと、前記受信信号を増幅する第2増幅回路と、前記第2増幅回路で増幅された受信信号をベースバンド信号に変換する周波数混合回路と、前記ベースバンド信号を増幅する第3増幅回路と、前記第3増幅回路で増幅されたベースバンド信号を入力して周波数解析により対象物との相対距離および相対速度を検出する信号処理回路と、を備えるレーダ装置の異常を検出する方法であって、
前記PLLICから前記位相同期の異常信号を入力すると前記発振器の電源を遮断するとともに警報用信号を出力する
ことを特徴とするレーダ装置の異常検出方法。
【請求項10】
所定の回路における消費電流を検出電圧に変換し、該検出電圧が所定の基準電圧範囲から逸脱したことを検出すると警報用信号を出力する
ことを特徴とする請求項9に記載のレーダ装置の異常検出方法。
【請求項11】
前記所定の回路は、前記発振回路、前記第1増幅回路、及び前記第2増幅回路のいずれか1つ以上であり、前記検出電圧をもとに前記所定の回路の停止を検出する
ことを特徴とする請求項10に記載のレーダ装置の異常検出方法。
【請求項12】
前記第1の増幅回路から出力される前記送信信号を分岐して検波ダイオードに入力し、該検波ダイオードで検波電圧に変換し、前記検波電圧が第1検波閾値以下に低下すると軽故障と判定し、さらに前記第1検波閾値より低い第2検波閾値以下に低下すると重故障と判定して警報用信号を出力する
ことを特徴とする請求項9乃至11のいずれか1項に記載のレーダ装置の異常検出方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2010−237062(P2010−237062A)
【公開日】平成22年10月21日(2010.10.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−85927(P2009−85927)
【出願日】平成21年3月31日(2009.3.31)
【出願人】(000005290)古河電気工業株式会社 (4,457)
【出願人】(391045897)古河AS株式会社 (571)
【Fターム(参考)】