説明

レーダ装置

【課題】定常的な変化と非定常的な変化を識別し分析作業効率の向上を図ったレーダ装置を提供する。
【解決手段】波動を照射し観測対象で反射した波動を受信し観測対象を画像化するレーダ装置であり、観測対象の同一領域の3つ以上のレーダ画像を相対的に短い短時間差と相対的に長い長時間差で得るレーダ画像生成手段001A−B,011,012,013,014と、短時間差および長時間差についてそれぞれに2つのレーダ画像の相互相関を計算して相互相関画像を生成する画像相関手段015と、短時間差における相互相関が第1の所定値よりも小さくなる領域を定常変化領域として抽出し、長時間差における相互相関が第2の所定値よりも小さくなる領域でかつ前記短時間差における定常変化領域以外の領域を非定常変化領域として抽出する変化領域判定手段016,017と、を備えた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、例えば衛星や航空機等からなるプラットフォームから高分解能に地表面を観測する合成開口レーダ(SAR, Synthetic Aperture Radar)等からなるレーダ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
合成開口レーダ(SAR, Synthetic Aperture Radar)は、衛星や航空機から高分解能に地表面を観測する装置である。高分解能に撮像された地表面のうち、災害や植生の生育などのよって変化した領域のみを抽出する処理は、画像を解析する作業の効率化に有用である。変化検出処理の一手法としてコヒーレント変化抽出と呼ばれる手法が知られている。この手法は、異なる時刻で撮像された同じ領域の複素振幅レーダ画像の相互相関を算出し、相互相関の絶対値が小さい領域が、2回の撮像の間の時刻に生じた地表面変化であるとみなす。例えば下記特許文献1には、変化抽出の空間分解能を向上するための手法が提案されている。
【0003】
コヒーレント変化抽出は、レーダ画像の各画素の複素振幅の位相の変化も考慮されるため、電波の波長オーダの微小な変化も捉えることが可能である。しかし、植生領域などを観測した場合には、風により樹木上の葉が微小に揺れることなどにより、短時間のうちに画像間の相関が低下する。そのため、災害などの時間的に不連続あるいは非定常的な事象により変化した領域だけでなく、定常的に変化している領域も変化として抽出される。画像解析者が非定常的な変化に注目している場合、定常的な変化が抽出されることは、分析作業の効率低下につながる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−310391号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来の変化抽出処理は、変化の定常性、非定常性を考慮していないため、定常的な変化と非定常的な変化の両方が同時に抽出されるため、画像解析者が注目対象としていない領域までもが抽出されてしまい、分析作業が非効率になってしまうという問題があった。
【0006】
この発明は上記のような問題点を解決するためになされたもので、定常的な変化と非定常的な変化を識別し、分析作業効率の向上を図ったレーダ装置を提供することを目的とする。
またこの発明では、定常的な変化について、変化の時定数に注目することにより、定常的変化の種類を判別することを可能にした。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この発明は、波動を照射し観測対象で反射した波動を受信して前記観測対象を画像化するレーダ装置であって、前記観測対象の同一領域の3つ以上のレーダ画像を相対的に短い短時間差と相対的に長い長時間差で得るレーダ画像生成手段と、前記短時間差および長時間差についてそれぞれに2つのレーダ画像の相互相関を計算して相互相関画像を生成する画像相関手段と、前記短時間差における相互相関が第1の所定値よりも小さくなる領域を定常変化領域として抽出し、前記長時間差における相互相関が第2の所定値よりも小さくなる領域でかつ前記短時間差における定常変化領域以外の領域を非定常変化領域として抽出する変化領域判定手段と、を備えたことを特徴とするレーダ装置等にある。
【発明の効果】
【0008】
この発明では、定常的な変化と非定常的な変化を識別することで、分析作業効率の向上が図れる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】この発明の実施の形態1によるレーダ装置の構成を示すブロック図である。
【図2】この発明によるレーダ装置の衛星間距離を設定する基準を説明するための図である。
【図3】この発明によるレーダ装置における変化の分類を表す図である。
【図4】この発明の実施の形態2によるレーダ装置の衛星の構成を示す図である。
【図5】この発明の実施の形態3によるレーダ装置の構成を示すブロック図である。
【図6】この発明の実施の形態3によるレーダ装置における画素の相関時間の算出を説明するための図である。
【図7】この発明の実施の形態3によるレーダ装置における注目する活動度のみを抽出する方法を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、この発明によるレーダ装置を各実施の形態に従って図面を用いて説明する。なお、各実施の形態において、同一もしくは相当部分は同一符号で示し、重複する説明は省略する。
【0011】
実施の形態1.
図1はこの発明の実施の形態1によるレーダ装置の構成を示すブロック図である。図1において、001Aは第1の衛星、002Aは波動である例えばレーダ波の送受信、すなわちレーダ波を生成するとともに、受信波に受信処理を行うことにより受信信号を生成する送受信部、003Aは送受信部002Aで生成されたレーダ波を006Aに示すように空間へ放射するとともに、地表面100で散乱されたレーダ波を空間から取り込むアンテナ、004Aは受信信号を衛星外に伝送するために、受信信号の情報を含む通信波を生成する伝送部、005Aは通信波007Aを衛星外へ放射する伝送アンテナである。
【0012】
第1の衛星001Aは、送受信部002A、アンテナ003A、伝送部004A、伝送アンテナ005Aを搭載している。また第2の衛星001Bは第1の衛星001Aと同様な、送受信部002B、アンテナ003B、伝送部004B、伝送アンテナ005Bを搭載している。
【0013】
010は第1および第2の衛星001A,001Bから伝送された通信波007A,007Bを受信してデータ処理を行うデータ処理装置である地上局、011は伝送アンテナ005A,005Bから放射された通信波を地上局010に取りこむ地上局アンテナ、012は通信波007A,007Bから受信信号を複製するデータ受信部、013はデータ受信部012で複製された受信信号に画像再生データ処理を施すことによりレーダ画像を生成する画像再生部、014はレーダ画像を蓄積する画像蓄積部、015Aおよび015Bは画像蓄積部014から取り出した2つのレーダ画像の相互相関を計算することにより相互相関画像を生成する第1および第2の画像相関部、016Aおよび016Bはそれぞれ第1の画像相関部015A、第2の画像相関部015Bで得られた相互相関画像から相関係数が小さい領域を変化領域とみなして抽出する第1および第2の変化領域抽出部、017は第1および第2の変化領域抽出部016A,016Bで抽出された領域から変化領域を選択する変化領域選択部である。
【0014】
次に動作について説明する。この実施の形態のレーダ装置は、第1の衛星001Aに搭載された構成要素、第2の衛星001Bに搭載された構成要素、地上局010の構成要素により、レーダ画像の撮像から変化領域の選択的抽出までの機能を実現している。
【0015】
第1の衛星001Aに搭載された構成要素の動作をまず説明する。これらの構成要素の動作は、一般の合成開口レーダの動作と同様のものである。まず送受信部002Aでレーダ波を生成する。一般には周波数が直線的に変化する周波数変調を施されたパルス波がレーダ波として用いられる。生成されたレーダ波はアンテナ003Aを介して空間へと放射される。006Aで示す放射されたレーダ波は地表面100で散乱される。その一部は第1の衛星001Aの方へ戻ってくるため、アンテナ003Aによって空間から散乱波を受信波として取り込む。受信波は送受信部002Aにて増幅あるいは周波数変換などにより、データ処理に適した形に変換される。ここでは変換後の信号を受信信号と呼ぶことにする。
【0016】
受信信号は伝送部004Aによって、空間伝送に適した形に変調され、伝送アンテナ005Aを介して通信波007Aとして空間へと放射される。通信波007Aは地上局010で受信され、データ処理が行われる。
【0017】
データ処理装置である地上局010の動作を以下に述べる。地上局アンテナ011は空間から通信波007Aを取り込み、データ受信部012へと出力する。データ受信部012では、伝送部004Aで施された変調を復調することにより、受信信号を再生する。この受信信号に対して、画像再生部013にてレーダ画像を生成する。レーダ画像を再生するアルゴリズムには様々なものが知られているが、この発明では特にアルゴリズムの種類は問わない。再生されたレーダ画像の各画素は複素振幅のデータ値を保持している。再生されたレーダ画像は画像蓄積部014に蓄積される。このレーダ画像をここではレーダ画像Aと呼ぶ。
【0018】
以上は第1の衛星001Aで撮像したレーダ画像の蓄積までを説明した。同様のレーダ画像の撮像および蓄積は第2の衛星001Bついても行われる。第1の衛星001Aと第2の衛星001Bは、同じ軌道を一定の時間差を伴って飛行している。言い換えると、第1の衛星001Aと第2の衛星001Bは、空間上で一定の間隔を保った状態で飛行している。第2の衛星001Bにおいても、第1の衛星001Aが撮像したのと同じ領域のレーダ画像が画像再生部013で生成され、画像蓄積部014に蓄積される。ただし、第2の衛星001Bで撮像されたレーダ画像は衛星間の距離と衛星の速度で定まる時間差を持って撮像されたものとなる。このレーダ画像をここではレーダ画像Bと呼ぶことにする。
【0019】
第1の画像相関部015Aでは、レーダ画像Aとレーダ画像Bの相互相関(係数)を計算することにより相互相関画像を生成する。この相互相関画像をここでは相互相関画像ABと呼ぶことにする。相互相関画像ABは、レーダ画像Aを撮像した時刻と、レーダ画像Bを撮像した時刻の間に生じた地表面変化が低い相関係数の領域として確認することができる。第1の変化領域抽出部016Aでは、予め設定した閾値(第1の所定の閾値)よりも相関係数が小さい領域を変化領域として抽出する。この領域を変化領域ABと呼ぶことにする。
【0020】
第1の衛星001Aと第2の衛星001Bの間の距離は、定常的変化により相互相関画像ABの相関が十分低下するだけ十分な長さとする。これを具体的に以下に述べる。定常的変化は地表面100の散乱体がゆらぎを持つことにより生じる。ゆらぎを持つ領域内の注目画素について、ゆらぎの大きさがドップラースペクトルのスペクトル幅によって表現できるとし、その速度幅(標準偏差)をσとする。注目画素からの反射信号の時定数τは次式で表される。
【0021】
τ=λ/{2√(2)πσ} (1)
【0022】
ただし、λはレーダ送信波長である。プラットフォーム(衛星)の速度をVとすると、観測時間差が時定数と一致するプラットフォーム間隔Lは次式となる。
【0023】
=λV/{2√(2)πσ} (2)
【0024】
実際のプラットフォーム間隔LをLよりも長くすれば、短時間差で定常変化のコヒーレンスが低下し、定常変化領域を特定することができる。その結果、長時間差でのコヒーレンス画像から、定常変化領域を除去し、非定常変化領域のみの抽出が可能になる。
【0025】
衛星搭載SARの典型的な例として、送信周波数帯(バンド:band)がL、C、X、Kuの場合について、最小ベースライン長(=プラットフォーム間隔)を計算した例を図2に示す。植生の速度幅が仮に0.1m/sと見込めるとすると、プラットフォーム間隔(距離)Lは250m以上とすれば、短時間差で相関が落ちるため、定常変化として検出することができる。
【0026】
第1の衛星001Aおよび第2の衛星001Bは、軌道によって定まる回帰周期、例えば数日あるいは数ヶ月の周期で、同じ地表面100の撮像が可能になる。回帰した際にも前述と同様のレーダ画像の撮像が行われる。例えば、第1の衛星001Aで回帰後のレーダ画像Cを画像再生部013で再生し、画像蓄積部014に蓄積する。
【0027】
第2の画像相関部015Bでは、レーダ画像Aとレーダ画像Cとの相互相関(係数)を計算することにより相互相関画像ACを生成する。相互相関画像ACには、レーダ画像Aを撮像した時刻と、レーダ画像Cを撮像した時刻の間に生じた地表面100の変化が、低い相関係数の領域として確認することができる。第2の変化領域抽出部016Bでは、予め設定した閾値(第2の所定の閾値)よりも相関係数が小さい領域を変化領域として抽出する。これは従来のコヒーレント変化抽出処理である。抽出された領域を変化領域ACとする。ただし、相互相関画像ACでは、常に変化が生じている定常変化領域も、低い相関値となる。
【0028】
そこで、変化領域選択部017では、短時間差で変化抽出した変化領域ABと、長時間差で変化抽出した変化領域ACを比較することにより、非定常的な変化のみを抽出する。具体的には、図3に示すように、短時間差では変化抽出されず(すなわちコヒーレンスが低下せず)、長時間差のみで変化が抽出される(コヒーレンスが低下する)領域を、非定常的な変化がある領域として抽出する。
【0029】
以上のような図1に示したこの発明によるレーダ装置によれば、コヒーレント変化検出のような微小変化検出において、植生のように定常的に変化する領域と非定常的な変化の生じた領域を識別して抽出することが可能になる。
【0030】
実施の形態2.
図4はこの発明の実施の形態2によるレーダ装置の衛星の構成を示す図である。地上局に関しては図1し示したものと基本的に同じである。前述の実施の形態1では図1に示すように、アンテナ003Aとアンテナ003Bを別々の衛星001A,001Bに搭載する例を示した。これは、短時間差で定常的変化のコヒーレンスが十分低下するだけ衛星間距離を離すためであったが、定常的変化のコヒーレンス低下が確認できる程度にアンテナ間隔を離すことができるのであれば、アンテナ003Aとアンテナ003Bを、図4に示す構成のように一つの衛星001(アンテナ003A,003Bのためのそれぞれ送受信部002,008を設けた)に距離をおいて搭載してもよい。この場合、レーダ画像はアンテナ間の距離と衛星の速度で定まる時間差を持って撮像されたものとなる。
【0031】
図2によれば、送信周波数が高周波になる程、短い衛星間距離でコヒーレンスが低下する。同一衛星で短時間差を構成する場合は、送信周波数は高周波とするとコヒーレンス低下を確認しやすくなる。また、アンテナ間距離が短い分だけコヒーレンス低下量が少なくなるので、コヒーレンス推定の推定精度を向上させる必要がある。例えば空間平均による平滑化に用いる平均点数(マルチルック数)を増やすことが必要となる。
【0032】
以上のような図4に示した構成の衛星を使用すれば、短時間差のコヒーレンス低下の量が小さくなるため、コヒーレンス低下の確認がしずらくなるが、単一衛星で定常的変化の識別が可能になるという利点がある。
【0033】
なお実施の形態1,2において、第1および第2の衛星001A,001B(実施の形態2の場合は衛星001)、地上局010の地上局アンテナ011、データ受信部012、画像再生部013、画像蓄積部014がレーダ画像生成手段を構成し、第1および第2の画像相関部015A,015Bが画像相関手段を構成し、第1および第2の変化領域抽出部016A,016Bおよび変化領域選択部017が変化領域判定手段を構成する。
【0034】
実施の形態3.
図5はこの発明の実施の形態3によるレーダ装置の構成を示すブロック図である。上述の各実施の形態では、相互相関を計算する時間差が短時間差と長時間差の2つだけであった。これを拡張し、短時間差の情報をより詳細に得るために、この実施の形態では、図5に示すように3つ以上の衛星(図5では4つの衛星の場合を示した)を用いて、複数の時間差を短時間差として得られるようにしている。
【0035】
図5において、各衛星001A〜001Dの構成は図1の第1および第2の衛星001A,001Bと同じである。データ処理装置である地上局010aは、各衛星001A〜001Dから伝送された通信波007を地上局010に取りこむ地上局アンテナ011、通信波007から受信信号を複製するデータ受信部012、データ受信部012で複製された受信信号に画像再生データ処理を施すことによりレーダ画像を生成する画像再生部013、レーダ画像を蓄積する画像蓄積部014、画像蓄積部014から取り出した2つのレーダ画像の相互相関関数を計算することにより相互相関画像を生成する画像相関部015、予め設定した基準値(所定の基準値)まで相互相関関数が低下する時間差(時定数)を相互相関画像の各画素毎に算出し、相関時間画像を生成する相関時間画像算出・表示部018を備える。
【0036】
このように3つ以上の衛星を用いることにより、図6に示す模式図で示すように、各画素毎に、時間差の増加とともに相互相関関数が低下する様子が分かるようになる。すなわち相互相関関数の形状が分かるようになる。これにより、予め設定した基準値まで相互相関関数が低下する時間差を時定数と定義すれば、相互相関関数から時定数を求めることができる。相関時間画像算出・表示部018では、このような時定数を相互相関画像の各画素毎に算出し、相関時間画像を得る。
【0037】
相互相関時間は定常変化の種類、あるいは地表面上での人為的な活動の活動度によって変わる。複数衛星による短時間差の相互相関係数の算出結果に加えて、複数回帰での撮像間での相互相関係数の算出結果も用いることにより、図7に示すように秒単位から日単位、あるいは月単位での相関時間の相違を知ることができる。ある相関時間の領域のみを相関時間画像から抽出すれば、地表面の種別の分類(植生か否か)や活動度の違いも知ることが可能となる。相関時間画像算出・表示部018は、このような相関時間画像から所定範囲の相関時間を持つ画素のみを抽出して表示するようにしてもよい。
【0038】
なお実施の形態3において、衛星001A〜001D、地上局010の地上局アンテナ011、データ受信部012、画像再生部013、画像蓄積部014がレーダ画像生成手段を構成し、画像相関部015が画像相関手段を構成し、相関時間画像算出・表示部018が相関時間演算手段を構成する。
【0039】
なお、上記各実施の形態ではプラットフォームが衛星である場合について説明したが、この発明はこれに限定されるものではなく、プラットフォームを航空機等の他の飛行体としてもよい。
また、データ処理装置を地上局として地上に配置する構成を説明したが、データ処理装置は必ずしも地上に設置しなくてもよい。例えば複数の衛星(飛行体)のいずれか1つにデータ処理装置を設定し、衛星上のデータ処理装置で変化領域を選択的に抽出するようにしてもよい。
またこの発明は上記各実施の形態に限定されるものではなく、これらの可能な組み合わせも全て含むことは云うまでもない。
【符号の説明】
【0040】
001 衛星、001A 第1の衛星、001B 第2の衛星、002A,002B、008 送受信部、003A,003B アンテナ、004A,004B 伝送部、005A,005B 伝送アンテナ、007A,007B 通信波、010,010a 地上局、011 地上局アンテナ、012 データ受信部、013 画像再生部、014 画像蓄積部、015A 第1の画像相関部、015B 第2の画像相関部、016A 第1の変化領域抽出部、016B 第2の変化領域抽出部、017 変化領域選択部、018 相関時間画像算出・表示部、100 地表面。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
波動を照射し観測対象で反射した波動を受信して前記観測対象を画像化するレーダ装置であって、
前記観測対象の同一領域の3つ以上のレーダ画像を相対的に短い短時間差と相対的に長い長時間差で得るレーダ画像生成手段と、
前記短時間差および長時間差についてそれぞれに2つのレーダ画像の相互相関を計算して相互相関画像を生成する画像相関手段と、
前記短時間差における相互相関が第1の所定値よりも小さくなる領域を定常変化領域として抽出し、前記長時間差における相互相関が第2の所定値よりも小さくなる領域でかつ前記短時間差における定常変化領域以外の領域を非定常変化領域として抽出する変化領域判定手段と、
を備えたことを特徴とするレーダ装置。
【請求項2】
前記レーダ画像生成手段が、レーダ画像を得るための1つのアンテナをそれぞれに搭載した同じ軌道を一定の時間差を伴って飛行する2つのプラットフォームを含み、前記短時間差が2つのプラットフォームの時間差、前記長時間差が2つのプラットフォームの回帰周期で定まることを特徴とする請求項1に記載のレーダ装置。
【請求項3】
前記レーダ画像生成手段が、レーダ画像を得るための所定の軌道を飛行する前記軌道に沿って距離をおいて2つのアンテナを搭載した1つのプラットフォームを含み、前記短時間差が2つのアンテナの距離とプラットフォームの速度、前記長時間差がプラットフォームの回帰周期で定まることを特徴とする請求項1に記載のレーダ装置。
【請求項4】
波動を照射し観測対象で反射した波動を受信して前記観測対象を画像化するレーダ装置であって、
前記観測対象の同一領域の3つ以上のレーダ画像を複数の時間差で撮像して得るレーダ画像生成手段と、
各時間差毎にレーダ画像の相互相関を計算する画像相関手段と、
各画素の相互相関関数から各画素の相関時間を算出して相関時間画像を求める相関時間処理手段と、
を備えたことを特徴とするレーダ装置。
【請求項5】
前記相関時間処理手段が、相関時間画像から所定範囲の相関時間を持つ画素のみを抽出して表示することを特徴とする請求項4に記載のレーダ装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2011−174750(P2011−174750A)
【公開日】平成23年9月8日(2011.9.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−37557(P2010−37557)
【出願日】平成22年2月23日(2010.2.23)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】