説明

ロボット操作入力用グリップ及びそれを備えた案内用ロボット

【課題】被案内者が手首を捻らずに把持して入力操作を行うことが可能なロボット操作入力用グリップと、そのロボット操作入力用グリップを備える案内用ロボットを提供する。
【解決手段】基体2の上面に取り付けられ、且つ被案内者によるロボット操作入力用グリップ26への入力操作を検出する入力操作検出部と、入力操作検出部が検出した入力操作に応じて基体2を移動させるための駆動力を発生する移動用アクチュエータを備えた案内用ロボット1であって、ロボット操作入力用グリップ26が備えるグリップ本体部30は、入力操作検出部よりも上方に配置されており、グリップ本体部30が備える十個所のグリップ側凹部32は、グリップ本体部30を回転軸の方向から見て、少なくとも案内用ロボット1の前進方向を含む方向へ放射状に伸びている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、目的地の場所を認識していない被案内者を目的地へ案内する際に、被案内者が把持して案内用ロボットを移動させるための入力操作を行うロボット操作入力用グリップと、そのロボット操作入力用グリップを備える案内用ロボットに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、例えば、目的地を初めて訪問する人等、目的地の場所を明確に認識しておらず、目的地までの移動が困難な被案内者を目的地へ案内するための案内用ロボットとして、例えば、特許文献1に記載の案内用ロボットがある。
特許文献1に記載の案内用ロボットは、基体を移動させるための駆動輪を駆動させる走行用モータと、走行用モータの駆動状態を制御するモータ制御部と、基体へ取り付けられたロボット操作入力用グリップと、被案内者によるロボット操作入力用グリップへの入力操作を検出する入力操作検出部を備えている。
【0003】
そして、特許文献1に記載の案内用ロボットでは、モータ制御部が、入力操作検出部が検出した入力操作に応じて基体の目標速度を算出し、この算出した目標速度で基体が移動するように、走行用モータの駆動状態を制御する。
また、特許文献1に記載の案内用ロボットでは、ロボット操作入力用グリップが、フレーム部と、グリップ部を備えて形成されている。
【0004】
フレーム部は、入力操作検出部を介して基体の上面に取り付けられており、略三角形をなす板状部と、この板状部のうち、二箇所の角部から延在する二本の脚部を有している。
グリップ部は、被案内者が片手で把持可能な略円柱状(バー)に形成されており、その両端は、それぞれ、フレーム部が有する二本の脚部に固定されている。また、グリップ部の軸方向は、基体の幅方向(左右方向)に延在している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2010‐271911号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1に記載の案内用ロボットでは、ロボット操作入力用グリップが、上述したように、グリップ部が略円柱状(バー)に形成されているため、被案内者は、体を案内用ロボットの真後ろへ位置させるために、右側または左側に手首を捻った状態で、ロボット操作入力用グリップを把持することなる。
このため、案内用ロボットの使用時には、手首を捻らずにロボット操作入力用グリップへの入力操作を行うことが可能な位置へ被案内者が移動して、被案内者の体の一部が、案内用ロボットの真後ろから横方向(左右方向)へ突出する可能性がある。
【0007】
したがって、案内用ロボットの使用中に、案内用ロボットが障害物や壁等を回避しても、被案内者の体のうち、案内用ロボットから横方向へ突出している部分が、障害物や壁等に接触するという問題が発生するおそれがある。
本発明は、上記のような問題点に着目してなされたもので、被案内者が手首を捻らずに把持して入力操作を行うことが可能なロボット操作入力用グリップと、そのロボット操作入力用グリップを備える案内用ロボットを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
〔発明1〕 上記課題を解決するために、発明1のロボット操作入力用グリップは、被案内者による入力操作に応じて移動する案内用ロボットが備え、前記被案内者が把持して前記入力操作を行うロボット操作入力用グリップであって、
略回転楕円体状のグリップ本体部を備え、
前記グリップ本体部は、当該グリップ本体部の周方向に沿って配列され、且つ前記グリップ本体部を回転軸の方向から見て放射状に伸びる複数個所のグリップ側凹部を備えることを特徴とする。
【0009】
このような構成であれば、グリップ本体部が略回転楕円体状であるため、手首を捻ることなく、ロボット操作入力用グリップを把持することが可能となる。また、グリップ本体部がグリップ側凹部を備えているので、被案内者の手の指が複数個所のグリップ側凹部内に配置された状態で、被案内者がロボット操作入力用グリップを把持することが可能となる。このため、入力操作時において、ロボット操作入力用グリップを把持している被案内者の手が、ロボット操作入力用グリップに対して滑ることを抑制することが可能となる。
【0010】
〔発明2〕 発明2のロボット操作入力用グリップは、発明1のロボット操作入力用グリップにおいて、前記グリップ本体部は、六箇所以上の前記グリップ側凹部を備えることを特徴とする。
このような構成であれば、グリップ本体部が、被案内者がロボット操作入力用グリップを把持する片手の指の本数よりも多い箇所のグリップ側凹部を備えているため、指とグリップ側凹部との位置関係を個別に確認しなくとも、手首を捻ることなく、指をグリップ側凹部内に配置して、被案内者がロボット操作入力用グリップを把持することが可能となる。
【0011】
〔発明3〕 発明3のロボット操作入力用グリップは、発明1または発明2のロボット操作入力用グリップにおいて、前記グリップ本体部は、予め設定した前記案内用ロボットの移動方向を示す位置に設けられた方向指示用突起部を備えることを特徴とする。
このような構成であれば、ロボット操作入力用グリップを把持した被案内者は、ロボット操作入力用グリップを把持した手が方向指示用突起部と接触すると、予め設定した案内用ロボットの移動方向や向きを、手の触感覚により認識することが可能となる。
【0012】
〔発明4〕 発明4のロボット操作入力用グリップは、被案内者による入力操作に応じて移動する案内用ロボットが備え、前記被案内者が把持して前記入力操作を行うロボット操作入力用グリップであって、
略回転楕円体状のグリップ本体部を備え、
前記グリップ本体部は、当該グリップ本体部の周方向に沿って配列され、且つ前記グリップ本体部を回転軸の方向から見て放射状に伸びる複数個所のグリップ側凸部を備えることを特徴とする。
【0013】
このような構成であれば、グリップ本体部が略回転楕円体状であるため、手首を捻ることなく、ロボット操作入力用グリップを把持することが可能となる。また、グリップ本体部が複数個所のグリップ側凸部を備えているので、被案内者の手の指が隣り合うグリップ側凸部の間に配置された状態で、被案内者がロボット操作入力用グリップを把持することが可能となる。このため、入力操作時において、ロボット操作入力用グリップを把持している被案内者の手が、ロボット操作入力用グリップに対して滑ることを抑制することが可能となる。
【0014】
〔発明5〕 発明5のロボット操作入力用グリップは、発明4のロボット操作入力用グリップにおいて、前記グリップ本体部は、七箇所以上の前記グリップ側凸部を備えることを特徴とする。
このような構成であれば、グリップ本体部が、隣り合うグリップ側凸部の間に、被案内者がロボット操作入力用グリップを把持する片手の指の本数よりも多い箇所の、被案内者の手の指を配置する部分を備えている。このため、隣り合うグリップ側凸部の間と指との位置関係を個別に確認しなくとも、手首を捻ることなく、指を隣り合うグリップ側凸部の間に配置して、被案内者がロボット操作入力用グリップを把持することが可能となる。
【0015】
〔発明6〕 発明6のロボット操作入力用グリップは、発明4または発明5のロボット操作入力用グリップにおいて、前記グリップ本体部は、予め設定した前記案内用ロボットの移動方向を示す位置に設けられた方向指示用突起部を備えることを特徴とする。
このような構成であれば、ロボット操作入力用グリップを把持した被案内者は、ロボット操作入力用グリップを把持した手が方向指示用突起部と接触すると、予め設定した案内用ロボットの移動方向や向きを、手の触感覚により認識することが可能となる。
【0016】
〔発明7〕 発明7の案内用ロボットは、発明1から発明3のうちいずれかの発明に記載したロボット操作入力用グリップと、
基体の上面に取り付けられ、且つ前記被案内者による前記ロボット操作入力用グリップへの入力操作を検出する入力操作検出部と、
前記入力操作検出部が検出した入力操作に応じて前記基体を移動させるための駆動力を発生する移動用アクチュエータと、を備えた案内用ロボットであって、
前記グリップ本体部は、前記入力操作検出部よりも上方に配置されており、
前記複数個所のグリップ側凹部は、前記グリップ本体部を回転軸の方向から見て少なくとも前記案内用ロボットの前進方向を含む方向へ放射状に伸びていることを特徴とする。
【0017】
このような構成であれば、グリップ本体部を、基体の上面に取り付けられた入力操作検出部よりも上方に配置しているため、被案内者は、ロボット操作入力用グリップを、手首を捻ること無く、上方から把持することが可能となり、入力操作を行うことが可能となる。これに加え、複数個所のグリップ側凹部が、グリップ本体部を回転軸の方向から見て少なくとも案内用ロボットの前進方向を含む方向へ放射状に伸びているため、案内用ロボットの後方からロボット操作入力用グリップを把持する被案内者の指が、グリップ側凹部内に配置されることとなる。
【0018】
〔発明8〕 発明8の案内用ロボットは、発明4から発明6のうちいずれかの発明に記載したロボット操作入力用グリップと、
基体の上面に取り付けられ、且つ前記被案内者による前記ロボット操作入力用グリップへの入力操作を検出する入力操作検出部と、
前記入力操作検出部が検出した入力操作に応じて前記基体を移動させるための駆動力を発生する移動用アクチュエータと、を備えた案内用ロボットであって、
前記グリップ本体部は、前記入力操作検出部よりも上方に配置されており、
前記複数個所のグリップ側凸部は、前記グリップ本体部を回転軸の方向から見て少なくとも前記案内用ロボットの前進方向を含む方向へ放射状に伸びていることを特徴とする。
【0019】
このような構成であれば、グリップ本体部を、基体の上面に取り付けられた入力操作検出部よりも上方に配置しているため、被案内者は、ロボット操作入力用グリップを、手首を捻ること無く、上方から把持することが可能となり、入力操作を行うことが可能となる。これに加え、複数個所のグリップ側凸部が、グリップ本体部を回転軸の方向から見て少なくとも案内用ロボットの前進方向を含む方向へ放射状に伸びているため、案内用ロボットの後方からロボット操作入力用グリップを把持する被案内者の指が、隣り合うグリップ側凸部の間に配置されることとなる。
【発明の効果】
【0020】
以上説明したように、発明1のロボット操作入力用グリップによれば、入力操作時において、ロボット操作入力用グリップを、被案内者は、手首を捻ることなく把持することが可能となり、さらに、被案内者の手が、ロボット操作入力用グリップに対して滑ることを抑制することが可能となるため、入力操作の安定性を向上させることが可能となる。
また、発明2のロボット操作入力用グリップによれば、指とグリップ側凹部との位置関係を個別に確認しなくとも、指をグリップ側凹部内に配置して、被案内者がロボット操作入力用グリップを把持することが可能となるため、案内用ロボットの操作性を向上させることが可能となる。
【0021】
また、発明3のロボット操作入力用グリップによれば、ロボット操作入力用グリップを把持した被案内者が、予め設定した案内用ロボットの移動方向を、手の触感覚により認識することが可能となるため、案内用ロボットの操作性を向上させることが可能となる。
また、発明4のロボット操作入力用グリップによれば、入力操作時において、ロボット操作入力用グリップを、被案内者は、手首を捻ることなく把持することが可能となり、さらに、被案内者の手が、ロボット操作入力用グリップに対して滑ることを抑制することが可能となるため、入力操作の安定性を向上させることが可能となる。
【0022】
また、発明5のロボット操作入力用グリップによれば、隣り合うグリップ側凸部の間と指との位置関係を個別に確認しなくとも、指を隣り合うグリップ側凸部の間に配置して、被案内者がロボット操作入力用グリップを把持することが可能となるため、案内用ロボットの操作性を向上させることが可能となる。
また、発明6のロボット操作入力用グリップによれば、ロボット操作入力用グリップを把持した被案内者が、予め設定した案内用ロボットの移動方向を、手の触感覚により認識することが可能となるため、案内用ロボットの操作性を向上させることが可能となる。
【0023】
また、発明7の案内用ロボットによれば、被案内者が、ロボット操作入力用グリップを、案内用ロボットの後方から、手首を捻ること無く、上方から把持して入力操作を行うことが可能となる。
このため、案内用ロボットの使用時に、ロボット操作入力用グリップを把持している被案内者が移動して、被案内者の体の一部が、案内用ロボットの後方(真後ろ)から横方向へ突出する可能性を低減させることが可能となる。
【0024】
また、発明8の案内用ロボットによれば、被案内者が、ロボット操作入力用グリップを、案内用ロボットの後方から、手首を捻ること無く、上方から把持して入力操作を行うことが可能となる。
このため、案内用ロボットの使用時に、ロボット操作入力用グリップを把持している被案内者が移動して、被案内者の体の一部が、案内用ロボットの後方から横方向へ突出する可能性を低減させることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】本発明のロボット操作入力用グリップを備えた案内用ロボットの構成を示す図である。
【図2】図1のII線矢視図である。
【図3】ロボット操作入力用グリップの構成を示す図である。
【図4】図3のIV線矢視図である。
【図5】ロボット操作入力用グリップの正面、右側面及び上面を表す斜視図である。
【図6】本発明の第一実施形態の変形例を示す図であり、ロボット操作入力用グリップの上面図である。
【図7】本発明の第一実施形態の変形例を示す図であり、ロボット操作入力用グリップの正面、左側面及び上面を表す斜視図である。
【図8】本発明の第一実施形態の変形例を示す図であり、ロボット操作入力用グリップの正面図である。
【図9】本発明の第一実施形態の変形例を示す図であり、ロボット操作入力用グリップの上面図である。
【図10】本発明の第一実施形態の変形例を示す図であり、ロボット操作入力用グリップの正面、左側面及び上面を表す斜視図である。
【図11】本発明の第一実施形態の変形例を示す図であり、ロボット操作入力用グリップの正面図である。
【図12】本発明の第二実施形態のロボット操作入力用グリップの構成を示す図であり、ロボット操作入力用グリップの上面図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
(第一実施形態)
以下、本発明の第一実施形態(以下、「本実施形態」と記載する)について、図面を参照しつつ説明する。
(案内用ロボットの構成)
まず、図1及び図2を用いて、本実施形態の案内用ロボット1の構成を説明する。
図1は、本実施形態の案内用ロボット1の構成を示す図であり、案内用ロボット1の側面図である。また、図2は、図1のII線矢視図であり、案内用ロボット1の上面図である。
図1及び図2中に示すように、本実施形態の案内用ロボット1は、基体2と、移動部4を備えている。
【0027】
(基体2の構成)
以下、図1及び図2を参照して、基体2の構成を説明する。
基体2は、基体ベース部6と、基体タワー部8を備えている。
(基体ベース部6の構成)
基体ベース部6は、ベースカバー部材10を備えている。
ベースカバー部材10は、上面視で、案内用ロボット1の前進方向(図1中では左方向。以下同じ)が突出する略五角形をなしており、上面及び下面が開口した筒状体により形成されている。なお、ベースカバー部材10の形状は、これに限定するものではなく、例えば、上面視で、円形や、五角形以外の多角形をなす形状に形成してもよい。
【0028】
また、ベースカバー部材10は、案内用ロボット1の後退方向(図1及び図2中では、右方向。以下同じ)側の部分が、上面視で、案内用ロボット1の幅方向(図2中における上下方向。以下同じ)へ向かうにつれて、案内用ロボット1の前後方向(図1中における左右方向。以下同じ)の長さが短くなるように形成されている。これにより、基体2の後部には、上面視で案内用ロボット1の前進方向へ窪む基体側凹部12が形成されている。
ベースカバー部材10の内部には、第一距離センサ14と、動作制御部(図示せず)が配置されている。
【0029】
第一距離センサ14の取り付け位置は、具体的に、案内用ロボット1の幅方向の中心付近であるとともに、基体ベース部6の先端側(図1中では、左側の端部側)である。
第一距離センサ14は、例えば、レーザレンジセンサを用いて形成されており、案内用ロボット1の前進方向に対し、第一距離センサ14と対象物(障害物等)との距離を検出可能なセンサである。また、第一距離センサ14は、第一距離センサ14と対象物との距離を検出すると、この検出した距離を含む情報信号を、動作制御部へ出力する。なお、第一距離センサ14が対象物との距離を検出可能な範囲は、例えば、案内用ロボット1の上面視において、第一距離センサ14から前方へ延在する線を基準として、左右へ約135[°]の範囲である。
【0030】
動作制御部は、CPU(Central Processing Unit)等を用いて形成されており、ベースカバー部材10の内部において、第一距離センサ14よりも後方(図1中における右方向。以下同じ)に配置されている。なお、動作制御部の詳細な構成は、後述する。
【0031】
(基体タワー部8の構成)
基体タワー部8は、柱状部16と、水平部18を備えている。
柱状部16は、中空の角柱状に形成されており、その下端側は、基体ベース部6の上面(図1中における上側の面。以下同じ)において、案内用ロボット1の前進方向(図1中では左方向。以下同じ)へオフセットして取り付けられている。また、柱状部16の軸方向(長手方向)は、鉛直線に対して、案内用ロボット1の後退方向へ傾斜している。
柱状部16の内部には、第二距離センサ20と、前方床撮影用距離画像カメラ22が取り付けられている。
【0032】
第二距離センサ20は、例えば、レーザレンジセンサを用いて形成されており、柱状部16から案内用ロボット1の後退方向へ突出している。
また、第二距離センサ20は、下方に対し、第二距離センサ20と案内用ロボット1の走行面(路面)との距離(上下方向の距離)を検出可能なセンサである。そして、第二距離センサ20は、第二距離センサ20と障害物等との距離を検出すると、この検出した距離を含む情報信号を、動作制御部へ出力する。なお、第二距離センサ20が走行面との距離を検出可能な範囲は、例えば、案内用ロボット1を前後方向から見て、第二距離センサ20から鉛直方向下方へ延在する線を基準として、左右へ約120[°]の範囲である。
【0033】
前方床撮影用距離画像カメラ22は、例えば、CCD(Charge Coupled Device)カメラを用いて形成されており、鉛直線に対し、柱状部16の傾斜度合いと略平行に傾斜した状態で、柱状部16から案内用ロボット1の前進方向へ突出している。
また、前方床撮影用距離画像カメラ22は、案内用ロボット1の前方の床面との距離を検出可能なセンサである。そして、前方床撮影用距離画像カメラ22は、案内用ロボット1の前方の映像を撮像すると、この検出した撮像を含む情報信号を、動作制御部へ出力する。なお、前方床撮影用距離画像カメラ22が撮像可能な範囲は、例えば、前方床撮影用距離画像カメラ22の撮像方向の中心線から約60[°]の円形の範囲である。
【0034】
水平部18は、柱状部16の上端側と連続しており、柱状部16と同様、中空の角柱状に形成されている。
水平部18には、第三距離センサ24と、ロボット操作入力用グリップ26が取り付けられている。すなわち、案内用ロボット1は、ロボット操作入力用グリップ26を備えている。
【0035】
第三距離センサ24は、例えば、レーザレンジセンサを用いて形成されており、案内用ロボット1の前進方向に対し、第三距離センサ24と対象物(障害物等)との距離を検出可能なセンサである。また、第三距離センサ24は、第三距離センサ24と対象物との距離を検出すると、この検出した距離を含む情報信号を、動作制御部へ出力する。なお、第三距離センサ24が対象物との距離を検出可能な範囲は、例えば、案内用ロボット1の上面視において、第三距離センサ24から前方へ延在する線を基準として、左右へ約135[°]の範囲であるとともに、案内用ロボット1の側面視において、第三距離センサ24から前方へ延在する線を基準として上へ約15[°]、下へ約60[°]の範囲である。
なお、第三距離センサ24は、レーザレンジセンサに限定するものではなく、例えば、赤外線センサや超音波センサ等を用いて形成してもよい。これは、第一距離センサ14及び第二距離センサ20に関しても、同様である。
【0036】
(ロボット操作入力用グリップ26の詳細な構成)
以下、図1及び図2を参照しつつ、図3から図5を用いて、ロボット操作入力用グリップ26の詳細な構成を説明する。なお、図3は、ロボット操作入力用グリップ26の構成を示す図であり、ロボット操作入力用グリップ26の上面図である。また、図4は、図3のIV線矢視図であり、ロボット操作入力用グリップ26の右側面図である。また、図5は、ロボット操作入力用グリップ26の正面、右側面及び上面を表す斜視図である。
【0037】
ロボット操作入力用グリップ26は、案内用ロボット1を使用する被案内者が、案内用ロボット1の使用時に手で把持して、案内用ロボット1を移動させるための入力操作を行う部分であり、後述する入力操作検出部28を介して、水平部18に取り付けられている。すなわち、ロボット操作入力用グリップ26は、基体2に取り付けられている。
また、ロボット操作入力用グリップ26は、グリップ本体部30と、図示しないグリップ側突起部分を備えている。
【0038】
グリップ本体部30は、上面視で、直径が100[mm]程度の略回転楕円体状であるとともに、側面視で、厚さが30[mm]程度の略楕円形に形成されている。なお、図3中では、グリップ本体部30の直径を、符号「DI」で示している。また、図4中では、グリップ本体部30の厚さを、符号「TA」で示している。
また、グリップ本体部30の外径面は、側面視で下方から10[mm]程度の部分が最も突出する形状に形成されている。なお、図4中では、グリップ本体部30の厚さのうち、側面視で下方から10[mm]程度まで部分の厚さを、符号「TL」で示し、符号「TL」で示した部分よりも上方の部分の厚さであり、20[mm]程度の厚さを、符号「TH」で示している。
【0039】
また、グリップ本体部30の回転軸の方向は、案内用ロボット1の高さ方向(図1中に示す上下方向)に対して傾斜している。
本実施形態では、一例として、図1中に示すように、グリップ本体部30の回転軸の方向を、案内用ロボット1の高さ方向を基準として、案内用ロボット1の後退方向側へ傾斜させた場合を説明する。
なお、グリップ本体部30の回転軸の方向を、例えば、案内用ロボット1の高さ方向に対して平行または略平行としてもよい。
【0040】
また、グリップ本体部30は、複数個所のグリップ側凹部32と、方向指示用突起部34を備えている。
複数個所のグリップ側凹部32は、グリップ本体部30の上面30aと下面30bとの間で連続しているとともに、グリップ本体部30の周方向に沿って配列されており、グリップ本体部30を回転軸の方向(図4中における上下方向。以下同じ)から見て、放射状に伸びている。
【0041】
具体的には、複数個所のグリップ側凹部32は、円Cの中心からずれた位置から、放射状に伸びている。
本実施形態では、一例として、複数個所のグリップ側凹部32が、円Cの中心から案内用ロボット1の後退方向にずれた位置から放射状に伸びている場合について説明する。なお、上記の「後退方向にずれた位置」は、各グリップ側凹部32で一致している必要は無いが、略一致していることが好適である。
【0042】
また、全グリップ側凹部32は、グリップ本体部30を回転軸の方向から見て、グリップ本体部30のうちグリップ側凹部32を形成していない部分の外周縁に沿った円Cの内部に配置される形状に形成されている。
また、グリップ本体部30のうち、グリップ側凹部32を形成していない部分の表面は、滑らかな状態に形成されている。
【0043】
本実施形態では、一例として、グリップ本体部30が、十個所のグリップ側凹部32を備えている場合を説明する。すなわち、本実施形態では、グリップ本体部30が、被案内者の片手の指よりも多い箇所のグリップ側凹部32を備えている場合を説明する。
十個所のグリップ側凹部32は、グリップ本体部30の中心から案内用ロボット1の前進方向へ向けて延在する直線を基準として、それぞれ、左側及び右側に五箇所設けられている。
【0044】
これにより、十個所のグリップ側凹部32は、グリップ本体部30の外径面のうち、案内用ロボット1の前進方向から左右両側にかけて、連続して形成されている。また、グリップ本体部30の外径面のうち、案内用ロボット1の後退方向は、グリップ側凹部32が形成されていない部分となっている。
すなわち、複数個所のグリップ側凹部32は、グリップ本体部30を回転軸の方向から見て、少なくとも案内用ロボット1の前進方向を含む方向へ放射状に伸びている。
【0045】
また、十個所のグリップ側凹部32のうち、グリップ本体部30の中心から案内用ロボット1の前進方向へ向けて延在する直線を基準として、左側に設けられている五箇所のグリップ側凹部32と、右側に設けられている五箇所のグリップ側凹部32は、上面視で左右対称に形成されている。
各グリップ側凹部32の深さは、例えば、6[mm]程度に設定されている。この深さは、被案内者の指の平均的な太さに応じて、被案内者の指のうち、第一関節及びその周辺がグリップ側凹部32内に配置されやすい値として設定する。なお、図3中では、グリップ側凹部32の深さを、符号「DE」で示している。
【0046】
また、隣り合うグリップ側凹部32同士の間隔は、例えば、22[mm]程度に設定されている。この間隔は、被案内者の指の平均的な太さに応じて、被案内者の指のうち、第一関節及びその周辺がグリップ側凹部32内に配置されやすい値として設定する。なお、図3中では、隣り合うグリップ側凹部32同士の間隔を、符号「Int」で示している。
ここで、間隔Intは、隣り合うグリップ側凹部32同士の間隔のうち、円Cから突出した部分の間隔、または、径方向の最も外側部分の間隔である。
【0047】
方向指示用突起部34は、グリップ本体部30の上面30aにおいて、予め設定した案内用ロボット1の移動方向を示す位置に設けられている。
本実施形態では、一例として、予め設定した案内用ロボット1の移動方向を、案内用ロボット1の前進方向とした場合を説明する。
具体的には、方向指示用突起部34は、グリップ本体部30の上面30aにおいて、グリップ本体部30の中心から案内用ロボット1の前進方向へ向けて延在する直線に沿って設けられている。
【0048】
また、本実施形態では、一例として、方向指示用突起部34を、グリップ本体部30の中心から案内用ロボット1の前進方向へ向けて延在する直線に沿って配列された、五個の円状突起で形成した場合を説明する。なお、方向指示用突起部34の配列方向は、これに限定するものではなく、例えば、グリップ本体部30の中心から案内用ロボット1の前進方向へ向けて延在する直線を基準として、上面視で右側または左側へ傾斜させた線に沿って配列してもよい。
【0049】
グリップ側突起部分は、グリップ本体部30の下面30bに設けられており、入力操作検出部28に設けられた操作検出部側凹部(図示せず)の内部に挿入されている。すなわち、ロボット操作入力用グリップ26は、グリップ側突起部分を介して、入力操作検出部28に取り付けられて、入力操作検出部28よりも上方に配置されている。
なお、本実施形態では、一例として、ロボット操作入力用グリップ26に、図示しない移動モード切り換え操作部が設けられている場合を説明する。
【0050】
移動モード切り換え操作部は、例えば、ボタンにより形成する。そして、被案内者によるボタン操作により、案内用ロボット1を目的地まで移動させる案内移動モードと、案内用ロボット1をロボット操作入力用グリップ26への入力に応じた方向へ移動させる自由移動モードに切り換える。
なお、移動モード切り換え操作部は、ロボット操作入力用グリップ26以外に、例えば、水平部18の上面のうち、ロボット操作入力用グリップ26の近傍、具体的には、ロボット操作入力用グリップ26を把持している被案内者の指が届く位置に設けてもよい。
【0051】
(入力操作検出部28の構成)
入力操作検出部28は、水平部18の内部に配置されて、基体2の上面に取り付けられている。すなわち、案内用ロボット1は、入力操作検出部28を備えている。
また、入力操作検出部28は、ロボット操作入力用グリップ26を把持する被案内者によるロボット操作入力用グリップ26への入力操作を検出し、この検出した入力操作を含む情報信号を、動作制御部へ出力する。
【0052】
具体的には、入力操作検出部28は、例えば、入力操作検出部28を交点として互いに直交する三軸の軸方向に付与される力と、三軸の軸回りのモーメントを検出可能な六軸力センサを用いて形成されている。また、入力操作検出部28は、三軸のうち少なくとも一軸の軸方向に付与される力や、三軸のうち少なくとも一軸の軸回りのモーメントを検出すると、この検出した力やモーメントを含む情報信号を、動作制御部へ出力する。
【0053】
本実施形態では、入力操作検出部28が軸方向に付与される力及び軸回りのモーメントを検出可能な三軸を、案内用ロボット1の前後方向に延在する軸(以降の説明では、「x軸」と記載する場合がある)と、車輪型案内用ロボット1の幅方向に延在する軸(以降の説明では、「y軸」と記載する場合がある)と、車輪型案内用ロボット1の上下方向(図1中における上下方向)に延在する軸(以降の説明では、「z軸」と記載する場合がある)とする場合を説明する。
【0054】
(移動部4の構成)
以下、図1及び図2を参照して、移動部4の詳細な構成を説明する。
移動部4は、基体2の下方に配置されて基体2を下方から支持しており、被案内者によるロボット操作入力用グリップ26への入力に応じて、基体2を移動させる。
また、移動部4は、駆動輪36と、従動輪38を備えている。
駆動輪36は、図示しない移動用アクチュエータが発生する駆動力により回転して基体2を移動させる左右一対の車輪であり、図示しない移動部プレートに取り付けられている。なお、移動部プレートは、ベースカバー部材10の内部に配置されている。
【0055】
従動輪38は、キャスタ等、案内用ロボット1の上下方向に延在する軸回りに回動可能な回動部材(図示せず)を介して、移動部プレートに取り付けられている。なお、従動輪38の外径(タイヤ径)は、例えば、駆動輪36の外径と同一または略同一とする。
また、従動輪38は、案内用ロボット1の幅方向の中心付近であるとともに、駆動輪36よりも案内用ロボット1の前進方向側に配置されている。
【0056】
移動用アクチュエータは、駆動輪36を回転駆動可能なモータ(以下の説明では、「走行用モータ」と記載する場合がある)で形成されており、動作制御部が出力する指令信号に基づいて駆動し、被案内者によるロボット操作入力用グリップ26への入力操作に応じて基体2が移動するように、駆動輪36を駆動させる。すなわち、案内用ロボット1は、入力操作検出部28が検出した入力操作に応じて基体2を移動させるための駆動力を発生する移動用アクチュエータを備えている。
【0057】
また、移動用アクチュエータは、左右一対の駆動輪36に対し、それぞれ、個別に設けられている。すなわち、本実施形態の案内用ロボット1は、移動用アクチュエータとして、二つの走行用モータを備えている。
すなわち、本実施形態の案内用ロボット1は、車輪(駆動輪36、従動輪38)と、駆動輪36を回転駆動可能な走行用モータを備えた車輪型案内用ロボットである。
【0058】
(動作制御部の詳細な構成)
以下、図1から図5を参照して、動作制御部の詳細な構成を説明する。
動作制御部は、第一距離センサ14と、第二距離センサ20と、前方床撮影用距離画像カメラ22と、第三距離センサ24と、入力操作検出部28と、移動モード切り換え操作部から、情報信号の入力を受け、図示しないスピーカへ出力する指令信号を生成する。なお、スピーカは、例えば、水平部18の上面で開口するように形成する。
【0059】
スピーカへ出力する指令信号は、例えば、案内用ロボット1の進行方向や周辺に障害物等が存在している内容を示す音声や、案内用ロボット1を後退させる内容を示す音声や、従動輪38または駆動輪36が脱輪した内容を示す音声を出力するための指令信号である。また、案内用ロボット1の移動モードが案内移動モードである場合では、案内用ロボット1の移動を開始する内容を示す音声や、目的地へ到着した内容を示す音声や、左右へ大きく旋回する内容を示す音声である。
なお、案内用ロボット1の進行方向や周辺に障害物等が存在している状態は、例えば、第一距離センサ14、第二距離センサ20、前方床撮影用距離画像カメラ22、第三距離センサ24から入力された情報信号に基づいて検出する。
【0060】
また、動作制御部は、第一距離センサ14と、第二距離センサ20と、前方床撮影用距離画像カメラ22と、第三距離センサ24と、入力操作検出部28から情報信号の入力を受け、移動用アクチュエータへ出力する指令信号を生成する。
移動用アクチュエータへ出力する指令信号は、入力操作検出部28が検出した、被案内者によるロボット操作入力用グリップ26への入力に応じて、案内用ロボット1の移動方向(前進・後退・左右への旋回)や、移動速度の変化等を指示するための指令信号である。
【0061】
具体例としては、自由移動モードにおいて、被案内者がロボット操作入力用グリップ26を前方へ傾斜させる動作を行った場合、被案内者は案内用ロボット1を前進方向へ直進させる意思があるため、入力操作検出部28が検出した入力の大きさに応じて、移動用アクチュエータである二つの走行用モータの回転数を変化させて、案内用ロボット1の前進速度を変化させる。
【0062】
また、自由移動モードにおいて、被案内者がロボット操作入力用グリップ26を右側へ傾斜させる動作を行った場合、被案内者は案内用ロボット1を右旋回させる意思があるため、入力操作検出部28が検出した入力の大きさに応じて、移動用アクチュエータである二つの走行用モータに対し、その回転数や回転方向を、個別に変化させる。この場合、例えば、右側の駆動輪36を停止、または逆転(後退方向への回転)させるとともに、左側の駆動輪36を正転(前進方向への回転)させる。
【0063】
また、自由移動モードにおいて、被案内者がロボット操作入力用グリップ26を左側へ傾斜させる動作を行った場合、被案内者は案内用ロボット1を左旋回させる意思があるため、入力操作検出部28が検出した入力の大きさに応じて、移動用アクチュエータである二つの走行用モータに対し、その回転数や回転方向を、個別に変化させる。この場合、例えば、左側の駆動輪36を停止、または逆転させるとともに、右側の駆動輪36を正転させる。
【0064】
また、自由移動モードにおいて、被案内者がロボット操作入力用グリップ26を後方へ傾斜させる動作を行った場合、被案内者は案内用ロボット1を減速させる意思があるため、入力操作検出部28が検出した入力の大きさに応じて、移動用アクチュエータである二つの走行用モータの回転数を変化させて、案内用ロボット1の前進速度を変化させる。
また、案内移動モードにおいて、被案内者がロボット操作入力用グリップ26を後方へ傾斜させる動作を行った場合、被案内者は案内中の案内用ロボット1の移動速度が速いと感じ、案内用ロボット1を減速させる意思があるため、入力操作検出部28が検出した入力の大きさに応じて、移動用アクチュエータである二つの走行用モータの回転数を変化させて、案内用ロボット1の前進速度を変化させる。
【0065】
また、案内移動モード及び自由移動モードにおいて、案内用ロボット1の進行方向や周辺に障害物等が存在している状態を検出すると、検出した障害物等との接触を回避するように、移動用アクチュエータである二つの走行用モータに対し、その回転数や回転方向を、個別に変化させる。
【0066】
(動作)
以下、図1から図5を参照して、本実施形態のロボット操作入力用グリップ26を備えた案内用ロボット1が行う動作について説明する。
案内用ロボット1の使用時には、案内用ロボット1の後方、好適には真後ろに位置する被案内者が、ロボット操作入力用グリップ26を上方から把持し、案内用ロボット1の移動モードを、案内移動モードまたは自由移動モードに切り換える。
【0067】
このとき、本実施形態では、グリップ本体部30を、基体2の上面に取り付けられた入力操作検出部28よりも上方に配置しているため、案内用ロボット1の後方(真後ろ)に位置する被案内者は、手首を捻ること無く、案内用ロボット1の上方から、ロボット操作入力用グリップ26を把持することが可能となる。
また、グリップ本体部30が備える十個所のグリップ側凹部32は、グリップ本体部30の周方向に沿って配列されており、グリップ本体部30を回転軸の方向から見て、少なくとも案内用ロボット1の前進方向を含む方向へ、放射状に伸びている。
【0068】
このため、案内用ロボット1の後方(真後ろ)からロボット操作入力用グリップ26を把持する被案内者の指は、グリップ側凹部32内に配置されることとなる。
これに加え、グリップ本体部30の中心から案内用ロボット1の前進方向へ向けて延在する直線を基準として、左側に設けられている五箇所のグリップ側凹部32と、右側に設けられている五箇所のグリップ側凹部32は、上面視で左右対称に形成されている。
【0069】
このため、案内用ロボット1の後方(真後ろ)に位置する被案内者は、右手でロボット操作入力用グリップ26を把持する場合であっても、左手でロボット操作入力用グリップ26を把持する場合であっても、同様にロボット操作入力用グリップ26を把持することが可能となる。
ロボット操作入力用グリップ26を把持し、案内用ロボット1の移動モードを切り換えた被案内者が、ロボット操作入力用グリップ26により入力操作を行うと、この入力操作を入力操作検出部28が検出する。
【0070】
このとき、本実施形態では、方向指示用突起部34を、グリップ本体部30の上面30aにおいて、グリップ本体部30の中心から案内用ロボット1の前進方向へ向けて延在する直線に沿って設けている。
このため、ロボット操作入力用グリップ26を把持した被案内者の手が方向指示用突起部34と接触すると、被案内者は、案内用ロボット1の前進方向を、手の触感覚により認識することが可能となる。すなわち、被案内者は、ロボット操作入力用グリップ26を把持するだけで、案内用ロボット1の前進方向を認識することが可能となる。
【0071】
入力操作検出部28が入力操作を検出すると、動作制御部が、案内用ロボット1の移動方向や移動速度が、被案内者によるロボット操作入力用グリップ26への入力操作に応じた値となるように、移動用アクチュエータである二つの走行用モータの回転数や回転方向を変化させる指令信号を生成して、二つのモータへ出力する。これにより、案内用ロボット1は、被案内者によるロボット操作入力用グリップ26への入力操作に応じて走行(移動)する。
【0072】
(第一実施形態の効果)
以下、本実施形態の効果を列挙する。
(1)本実施形態のロボット操作入力用グリップ26を備えた案内用ロボット1では、グリップ本体部30を、基体2の上面に取り付けられた入力操作検出部28よりも上方に配置している。これに加え、複数個所のグリップ側凹部32が、グリップ本体部30を回転軸の方向から見て、少なくとも案内用ロボット1の前進方向を含む方向へ放射状に伸びている。
【0073】
このため、被案内者は、ロボット操作入力用グリップ26を、手首を捻ること無く、上方から把持することが可能となり、入力操作を行うことが可能となる。これに加え、案内用ロボット1の後方からロボット操作入力用グリップ26を把持する被案内者の指は、グリップ側凹部32内に配置されることとなる。
【0074】
その結果、案内用ロボット1の使用時に、ロボット操作入力用グリップ26を把持している被案内者が移動して、被案内者の体の一部が、案内用ロボット1の後方(真後ろ)から横方向へ突出する可能性を低減させることが可能となる。
これにより、案内用ロボットの使用中において、被案内者の体が障害物や壁等に接触するという可能性を低減することが可能となり、案内用ロボットの使用時における安全性を向上させることが可能となる。
【0075】
(2)本実施形態では、被案内者の手の指が複数個所のグリップ側凹部32内に配置された状態で、被案内者がロボット操作入力用グリップ26を把持することが可能となるため、入力操作時において、ロボット操作入力用グリップ26を把持している被案内者の手が、ロボット操作入力用グリップ26に対して滑ることを抑制することが可能となる。
【0076】
このため、ロボット操作入力用グリップ26に対する入力操作時において、ロボット操作入力用グリップ26を把持している被案内者による入力操作の安定性を向上させることが可能となる。
その結果、案内用ロボット1の移動状態と被案内者の入力操作との乖離を抑制することが可能となるため、案内用ロボット1の使用時における安定性を向上させることが可能となる。
【0077】
(3)本実施形態では、グリップ本体部30が、被案内者がロボット操作入力用グリップ26を把持する片手の指の本数よりも多い十箇所のグリップ側凹部32を備えている。
このため、被案内者がロボット操作入力用グリップ26を把持する指とグリップ側凹部32との位置関係を個別に確認しなくとも、被案内者の指をグリップ側凹部32内に配置して、被案内者がロボット操作入力用グリップ26を把持することが可能となる。
【0078】
その結果、被案内者は、ロボット操作入力用グリップ26を上方から把持する動作のみで、被案内者の指をグリップ側凹部32内に配置することが可能となるため、案内用ロボット1の操作性を向上させることが可能となる。
また、グリップ側凹部32の数が、被案内者がロボット操作入力用グリップ26を把持する片手の指の本数よりも多いため、案内用ロボット1の後方(真後ろ)に位置する被案内者は、右手でロボット操作入力用グリップ26を把持する場合であっても、左手でロボット操作入力用グリップ26を把持する場合であっても、同様に、ロボット操作入力用グリップ26を把持することが可能となる。
【0079】
(4)本実施形態では、グリップ本体部30が、予め設定した案内用ロボット1の移動方向(前進方向)を示す位置に設けられた方向指示用突起部34を備えている。
このため、ロボット操作入力用グリップ26を把持した被案内者が、ロボット操作入力用グリップ26を把持した手が方向指示用突起部34と接触すると、予め設定した案内用ロボット1の移動方向(前進方向)及び案内用ロボット1の向きを、手の触感覚により認識することが可能となる。
その結果、ロボット操作入力用グリップ26を把持した被案内者が、目視により案内用ロボット1の移動方向(前進方向)を確認する必要が無いため、案内用ロボット1の操作性を向上させることが可能となる。
【0080】
(変形例)
以下、本実施形態の変形例を列挙する。
(1)本実施形態では、案内用ロボット1を車輪型の案内用ロボット(車輪型案内用ロボット)とし、移動用アクチュエータを、駆動輪36を回転駆動可能な走行用モータで形成したが、これに限定するものではない。すなわち、案内用ロボットを、例えば、四足歩行型の案内用ロボット(盲導犬型案内用ロボット)とし、移動用アクチュエータを、四足に設定した間接を個別に回動可能な複数の間接制御用モータで形成してもよい。
【0081】
(2)本実施形態では、予め設定した案内用ロボット1の移動方向を示す部材である方向指示用突起部34を、複数個(五個)の円状突起で形成したが、これに限定するものではない。すなわち、予め設定した案内用ロボット1の移動方向を示す部材を、例えば、図6から図8中に示すように、凹部(以降の説明では、方向指示用凹部40と記載する)で形成してもよい。この場合、方向指示用凹部40の形状は、例えば、グリップ本体部30の中心から案内用ロボット1の前進方向へ向けて延在する直線に沿って連続する一本の溝とする。なお、図6は、本実施形態の変形例を示す図であり、ロボット操作入力用グリップ26の上面図である。また、図7は、本実施形態の変形例を示す図であり、ロボット操作入力用グリップ26の正面、左側面及び上面を表す斜視図である。また、図8は、本実施形態の変形例を示す図であり、ロボット操作入力用グリップ26の正面図である。
【0082】
すなわち、予め設定した案内用ロボット1の移動方向を示す部材は、突起に限定するものではなく、手の触感覚により簡単に認識できる程度の形状・大きさの凹部で形成してもよい。また、予め設定した案内用ロボット1の移動方向を示す部材を構成する凹部(方向指示用凹部40)は、図6から図8中に示すように、その一部がグリップ側凹部32に配置される形状に形成してもよい。
【0083】
(3)本実施形態では、方向指示用突起部34を、グリップ本体部30の上面30aに形成したが、これに限定するものではなく、方向指示用突起部34を、例えば、少なくとも一つのグリップ側凹部32に設けてもよい。
(4)本実施形態では、グリップ本体部30のうち、グリップ側凹部32を形成していない部分の表面を、滑らかな状態に形成したが、これに限定するものではない。すなわち、例えば、図6及び図7中に示すように、グリップ本体部30のうち、グリップ側凹部32を形成していない部分の表面に、ローレット加工等を用いて、被案内者の手のひらとグリップ本体部30との滑り止めの機能を有する表面性状の滑り止め領域42を形成してもよい。
【0084】
(5)本実施形態では、グリップ本体部30の構成を、十箇所のグリップ側凹部32を備えている構成としたが、これに限定するものではなく、例えば、図6中に示すように、グリップ本体部30の構成を、十三箇所、すなわち、十箇所を超えるグリップ側凹部32を備えている構成としてもよい。
この場合、例えば、上述した間隔Intを変更せずにグリップ本体部30の直径を大きくした場合に、グリップ側凹部32の数を増加させる。
これにより、例えば、被案内者が大柄な人である場合等、被案内者の体格が標準的な体格よりも大きく、被案内者の手が大きい場合であっても対応が可能となる。
【0085】
(6)本実施形態では、グリップ本体部30の構成を、十箇所のグリップ側凹部32を備えている構成としたが、これに限定するものではなく、例えば、図9から図11中に示すように、グリップ本体部30の構成を、七箇所、すなわち、十箇所未満のグリップ側凹部32を備えている構成としてもよい。なお、図9は、本実施形態の変形例を示す図であり、ロボット操作入力用グリップ26の上面図である。また、図10は、本実施形態の変形例を示す図であり、ロボット操作入力用グリップ26の正面、左側面及び上面を表す斜視図である。また、図11は、本実施形態の変形例を示す図であり、ロボット操作入力用グリップ26の正面図である。
【0086】
この場合、例えば、上述した間隔Intを変更せずにグリップ本体部30の直径を小さくして、グリップ側凹部32の数を減少させる。
これにより、例えば、被案内者が小柄な人である場合等、被案内者の体格が標準的な体格よりも大きく、被案内者の手が小さい場合であっても対応が可能となる。
【0087】
(7)本実施形態では、方向指示用突起部34を、複数個(五個)の円状突起で形成したが、これに限定するものではない。すなわち、例えば、図9から図11中に示すように、方向指示用突起部34を、一つの突起で形成してもよい。この場合、一つの突起で形成した方向指示用突起部34の形状は、例えば、図9中に示すように、グリップ本体部30を回転軸の方向から見て、案内用ロボット1の前進方向へ向けて幅が縮小する二等辺三角形とする。
【0088】
(第二実施形態)
以下、本発明の第二実施形態(以下、「本実施形態」と記載する)について、図面を参照しつつ説明する。なお、上述した第一実施形態と同様の構成については、説明を省略する場合がある。
(構成)
本実施形態の案内用ロボット1は、ロボット操作入力用グリップ26の構成を除き、上述した第一実施形態と同様であるため、その他の構成については、説明を省略する場合がある。
【0089】
以下、図1から図11を参照しつつ、図12を用いて、本実施形態の案内用ロボット1が備えるロボット操作入力用グリップ26の構成について説明する。
図12は、ロボット操作入力用グリップ26の構成を示す図であり、ロボット操作入力用グリップ26の上面図である。
ロボット操作入力用グリップ26は、案内用ロボット1を使用する被案内者が、案内用ロボット1の使用時に手で把持して、案内用ロボット1を移動させるための入力操作を行う部分であり、後述する入力操作検出部28を介して、水平部18に取り付けられている。
【0090】
また、ロボット操作入力用グリップ26は、グリップ本体部30と、図示しないグリップ側突起部分を備えている。なお、グリップ側突起部分に関する説明は、省略する。また、グリップ本体部30の構成のうち、上述した第一実施形態と同様の構成については、説明を省略する場合がある。
グリップ本体部30は、複数個所のグリップ側凸部44と、方向指示用突起部34を備えている。なお、方向指示用突起部34に関する説明は、省略する。
【0091】
複数個所のグリップ側凸部44は、グリップ本体部30の上面30aと下面30bとの間で連続しているとともに、グリップ本体部30の周方向に沿って配列されており、グリップ本体部30を回転軸の方向から見て、放射状に伸びている。
また、全グリップ側凸部44は、グリップ本体部30を回転軸の方向から見て、グリップ本体部30のうちグリップ側凹部32を形成していない部分の外周縁に沿った円Cよりも、グリップ本体部30の径方向外側へ突出する形状に形成されている。
【0092】
本実施形態では、一例として、グリップ本体部30が、八個所のグリップ側凸部44を備えている場合を説明する。すなわち、本実施形態では、グリップ本体部30が、隣り合うグリップ側凸部44の間を形成する部分の箇所が、被案内者の片手の指よりも多い七箇所である場合を説明する。
八個所のグリップ側凸部44は、グリップ本体部30の中心から案内用ロボット1の前進方向へ向けて延在する直線を基準として、それぞれ、左側及び右側に四箇所設けられている。
【0093】
これにより、八個所のグリップ側凸部44は、グリップ本体部30の外径面のうち、案内用ロボット1の前進方向から左右両側にかけて、連続して形成されている。また、グリップ本体部30の外径面のうち、案内用ロボット1の後退方向は、グリップ側凸部44が形成されていない部分となっている。
すなわち、複数個所のグリップ側凸部44は、グリップ本体部30を回転軸の方向から見て、少なくとも案内用ロボット1の前進方向を含む方向へ放射状に伸びている。
【0094】
また、八個所のグリップ側凸部44のうち、グリップ本体部30の中心から案内用ロボット1の前進方向へ向けて延在する直線を基準として、左側に設けられている四個所のグリップ側凸部44と、右側に設けられている四個所のグリップ側凸部44は、上面視で左右対称に形成されている。
各グリップ側凸部44の突出長さは、例えば、6[mm]程度に設定されている。この突出長さは、被案内者の指の平均的な太さに応じて、被案内者の指のうち、第一関節及びその周辺が隣り合うグリップ側凸部44の間に配置されやすい値として設定する。なお、図12中では、グリップ側凸部44の突出長さを、符号「LK」で示している。
【0095】
(動作)
以下、図1から図12を参照して、本実施形態のロボット操作入力用グリップ26を備えた案内用ロボット1が行う動作について説明する。なお、上述した第一実施形態と同様の動作については、説明を省略する場合がある。
案内用ロボット1の使用時には、案内用ロボット1の後方、好適には真後ろに位置する被案内者が、ロボット操作入力用グリップ26を上方から把持し、案内用ロボット1の移動モードを、案内移動モードまたは自由移動モードに切り換える。
【0096】
このとき、本実施形態では、グリップ本体部30が備える八個所のグリップ側凸部44は、グリップ本体部30の周方向に沿って配列されており、グリップ本体部30を回転軸の方向から見て、少なくとも案内用ロボット1の前進方向を含む方向へ、放射状に伸びている。
このため、案内用ロボット1の後方(真後ろ)からロボット操作入力用グリップ26を把持する被案内者の指は、隣り合うグリップ側凸部44の間に配置されることとなる。
【0097】
これに加え、グリップ本体部30の中心から案内用ロボット1の前進方向へ向けて延在する直線を基準として、左側に設けられている四箇所のグリップ側凸部44と、右側に設けられている四箇所のグリップ側凸部44は、上面視で左右対称に形成されている。
このため、案内用ロボット1の後方(真後ろ)に位置する被案内者は、右手でロボット操作入力用グリップ26を把持する場合であっても、左手でロボット操作入力用グリップ26を把持する場合であっても、同様にロボット操作入力用グリップ26を把持することが可能となる。
【0098】
ロボット操作入力用グリップ26を把持し、案内用ロボット1の移動モードを切り換えた被案内者が、ロボット操作入力用グリップ26により入力操作を行うと、この入力操作を入力操作検出部28が検出する。
入力操作検出部28が入力操作を検出すると、動作制御部が、案内用ロボット1の移動方向や移動速度が、被案内者によるロボット操作入力用グリップ26への入力操作に応じた値となるように、移動用アクチュエータである二つの走行用モータの回転数や回転方向を変化させる指令信号を生成して、二つのモータへ出力する。これにより、案内用ロボット1は、被案内者によるロボット操作入力用グリップ26への入力操作に応じて走行(移動)する。
【0099】
(第二実施形態の効果)
以下、本実施形態の効果を列挙する。
(1)本実施形態のロボット操作入力用グリップ26を備えた案内用ロボット1では、グリップ本体部30を、基体2の上面に取り付けられた入力操作検出部28よりも上方に配置している。これに加え、複数個所のグリップ側凸部44が、グリップ本体部30を回転軸の方向から見て、少なくとも案内用ロボット1の前進方向を含む方向へ放射状に伸びている。
【0100】
このため、被案内者は、ロボット操作入力用グリップ26を、手首を捻ること無く、上方から把持することが可能となり、入力操作を行うことが可能となる。これに加え、案内用ロボット1の後方からロボット操作入力用グリップ26を把持する被案内者の指は、隣り合うグリップ側凸部44の間に配置されることとなる。
【0101】
その結果、案内用ロボット1の使用時に、ロボット操作入力用グリップ26を把持している被案内者が移動して、被案内者の体の一部が、案内用ロボット1の後方(真後ろ)から横方向へ突出する可能性を低減させることが可能となる。
これにより、案内用ロボットの使用中において、被案内者の体が障害物や壁等に接触するという可能性を低減することが可能となり、案内用ロボットの使用時における安全性を向上させることが可能となる。
【0102】
(2)本実施形態では、複数個所のグリップ側凸部44が、円Cよりも、グリップ本体部30の径方向外側へ突出する形状に形成されている。
このため、グリップ本体部30内に確保した、近接センサ等のセンサを配置するための空間を増加させることが可能となり、グリップ本体部30内において、近接センサ等のセンサを円周状に配置することが容易となる。
その結果、案内用ロボット1の構成を、例えば、グリップ本体部30内に配置したセンサにより被案内者の手を検知して、案内用ロボット1を被案内者の手に近づける制御等が可能な構成とすることが容易となる。
【0103】
(3)本実施形態では、被案内者の手の指が複数個所の隣り合うグリップ側凸部44の間に配置された状態で、被案内者がロボット操作入力用グリップ26を把持することが可能となるため、入力操作時において、ロボット操作入力用グリップ26を把持している被案内者の手が、ロボット操作入力用グリップ26に対して滑ることを抑制することが可能となる。
【0104】
このため、ロボット操作入力用グリップ26に対する入力操作時において、ロボット操作入力用グリップ26を把持している被案内者による入力操作の安定性を向上させることが可能となる。
その結果、案内用ロボット1の移動状態と被案内者の入力操作との乖離を抑制することが可能となるため、案内用ロボット1の使用時における安定性を向上させることが可能となる。
【0105】
(4)本実施形態では、グリップ本体部30が、八個所のグリップ側凸部44を備えており、隣り合うグリップ側凸部44の間を形成する部分の箇所が、被案内者の片手の指よりも多い七箇所となっている。
このため、被案内者がロボット操作入力用グリップ26を把持する指とグリップ側凹部32との位置関係を個別に確認しなくとも、被案内者の指を隣り合うグリップ側凸部44の間に配置して、被案内者がロボット操作入力用グリップ26を把持することが可能となる。
【0106】
その結果、被案内者は、ロボット操作入力用グリップ26を上方から把持する動作のみで、被案内者の指を隣り合うグリップ側凸部44の間に配置することが可能となるため、案内用ロボット1の操作性を向上させることが可能となる。
また、隣り合うグリップ側凸部44の間の箇所が、被案内者がロボット操作入力用グリップ26を把持する片手の指の本数よりも多いため、案内用ロボット1の後方(真後ろ)に位置する被案内者は、右手でロボット操作入力用グリップ26を把持する場合であっても、左手でロボット操作入力用グリップ26を把持する場合であっても、同様に、ロボット操作入力用グリップ26を把持することが可能となる。
【0107】
(5)本実施形態では、グリップ本体部30が、予め設定した案内用ロボット1の移動方向(前進方向)を示す位置に設けられた方向指示用突起部34を備えている。
このため、ロボット操作入力用グリップ26を把持した被案内者が、ロボット操作入力用グリップ26を把持した手が方向指示用突起部34と接触すると、予め設定した案内用ロボット1の移動方向(前進方向)及び案内用ロボット1の向きを、手の触感覚により認識することが可能となる。
その結果、ロボット操作入力用グリップ26を把持した被案内者が、目視により案内用ロボット1の移動方向(前進方向)を確認する必要が無いため、案内用ロボット1の操作性を向上させることが可能となる。
【符号の説明】
【0108】
1 案内用ロボット
2 基体
4 移動部
6 基体ベース部
8 基体タワー部
10 ベースカバー部材
12 基体側凹部
14 第一距離センサ
16 柱状部
18 水平部
20 第二距離センサ
22 前方床撮影用距離画像カメラ
24 第三距離センサ
26 ロボット操作入力用グリップ
28 入力操作検出部
30 グリップ本体部
30a グリップ本体部の上面
30b グリップ本体部の下面
32 グリップ側凹部
34 方向指示用突起部
36 駆動輪
38 従動輪
40 方向指示用凹部
42 滑り止め領域
44 グリップ側凸部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被案内者による入力操作に応じて移動する案内用ロボットが備え、前記被案内者が把持して前記入力操作を行うロボット操作入力用グリップであって、
略回転楕円体状のグリップ本体部を備え、
前記グリップ本体部は、当該グリップ本体部の周方向に沿って配列され、且つ前記グリップ本体部を回転軸の方向から見て放射状に伸びる複数個所のグリップ側凹部を備えることを特徴とするロボット操作入力用グリップ。
【請求項2】
前記グリップ本体部は、六箇所以上の前記グリップ側凹部を備えることを特徴とする請求項1に記載したロボット操作入力用グリップ。
【請求項3】
前記グリップ本体部は、予め設定した前記案内用ロボットの移動方向を示す位置に設けられた方向指示用突起部を備えることを特徴とする請求項1または請求項2に記載したロボット操作入力用グリップ。
【請求項4】
被案内者による入力操作に応じて移動する案内用ロボットが備え、前記被案内者が把持して前記入力操作を行うロボット操作入力用グリップであって、
略回転楕円体状のグリップ本体部を備え、
前記グリップ本体部は、当該グリップ本体部の周方向に沿って配列され、且つ前記グリップ本体部を回転軸の方向から見て放射状に伸びる複数個所のグリップ側凸部を備えることを特徴とするロボット操作入力用グリップ。
【請求項5】
前記グリップ本体部は、七箇所以上の前記グリップ側凸部を備えることを特徴とする請求項4に記載したロボット操作入力用グリップ。
【請求項6】
前記グリップ本体部は、予め設定した前記案内用ロボットの移動方向を示す位置に設けられた方向指示用突起部を備えることを特徴とする請求項4または請求項5に記載したロボット操作入力用グリップ。
【請求項7】
請求項1から請求項3のうちいずれか1項に記載したロボット操作入力用グリップと、
基体の上面に取り付けられ、且つ前記被案内者による前記ロボット操作入力用グリップへの入力操作を検出する入力操作検出部と、
前記入力操作検出部が検出した入力操作に応じて前記基体を移動させるための駆動力を発生する移動用アクチュエータと、を備えた案内用ロボットであって、
前記グリップ本体部は、前記入力操作検出部よりも上方に配置されており、
前記複数個所のグリップ側凹部は、前記グリップ本体部を回転軸の方向から見て少なくとも前記案内用ロボットの前進方向を含む方向へ放射状に伸びていることを特徴とする案内用ロボット。
【請求項8】
請求項4から請求項6のうちいずれか1項に記載したロボット操作入力用グリップと、
基体の上面に取り付けられ、且つ前記被案内者による前記ロボット操作入力用グリップへの入力操作を検出する入力操作検出部と、
前記入力操作検出部が検出した入力操作に応じて前記基体を移動させるための駆動力を発生する移動用アクチュエータと、を備えた案内用ロボットであって、
前記グリップ本体部は、前記入力操作検出部よりも上方に配置されており、
前記複数個所のグリップ側凸部は、前記グリップ本体部を回転軸の方向から見て少なくとも前記案内用ロボットの前進方向を含む方向へ放射状に伸びていることを特徴とする案内用ロボット。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2013−101601(P2013−101601A)
【公開日】平成25年5月23日(2013.5.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−229820(P2012−229820)
【出願日】平成24年10月17日(2012.10.17)
【出願人】(000004204)日本精工株式会社 (8,378)
【Fターム(参考)】