説明

ロール紙の梱包構造

【課題】輸送コストを維持しつつ、コアレスロール紙を保持することのできる、ロール紙の梱包構造を提供する。
【解決手段】軸部分が中空部R1となっており、巻芯を有さないコアレスロール紙Rを梱包するための構造であって、ロール紙Rを収納するための外箱2と、外箱2内に嵌合するような外形を有する基台部31、及び基台部31から上方に延びロール紙Rの中空部R1の内径と合致するような外径を有する棒状部32を有する下部保持部材3と、ロール紙Rの外径と合致するような内径を有する凹部41が形成され、外箱2内に嵌合するような外形を有する上部保持部材4と、を備えている。下部保持部材3は、棒状部32を上方に向けて外箱2内に設置されており、上部保持部材3は、凹部41を下方に向けて、下部保持部材3の上方において外箱2内に設置されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ロール紙の梱包構造に関するものであり、より詳細には巻芯を有さないコアレスロール紙の梱包構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、業務用プリンタなどの記録装置にロール紙が用いられているが、コスト削減や省資源化などからの要求により、例えば特許文献1に示されるような、巻芯を省略したコアレスロール紙が普及している。このようなコアレスロール紙は巻芯がないため、従来から使用されてきた梱包構造、すなわちロール紙を収納する外箱内に設置された保持部材によってロール紙の巻芯を両端から保持するというな梱包構造(例えば、特許文献2)を用いることができない。そこで、コアレスロール紙の梱包構造として、コアレスロール紙の両端部において外周面を保持する保持部材を外箱内に設置するという梱包構造が考えられる。
【特許文献1】実公平7−42766号公報
【特許文献2】特開平7−69341号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、上述したような、保持部材がロール紙の外周面を保持するタイプの梱包構造では、その保持する部分の強度を保つために、巻芯を保持するタイプの保持部材に比べて大きくする必要があり、その結果、保持部材が設置される外箱も大きくなり、輸送コストが増加するという問題が発生する。
【0004】
そこで、本発明は、輸送コストを維持しつつ、コアレスロール紙を保持することのできる、ロール紙の梱包構造を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明に係るロール紙の梱包構造は、上記課題を解決するためになされたものであり、軸部分が中空部となっており、巻芯を有さないコアレスロール紙を梱包するための構造であって、ロール紙を収納するための外箱と、前記外箱内に嵌合するような外形を有する基台部、及び前記基台部から上方に延びロール紙の中空部の内径と合致するような外径を有する棒状部を有する下部保持部材と、ロール紙の外径と合致するような内径を有する凹部が形成され、前記外箱内に嵌合するような外形を有する上部保持部材と、を備え、前記下部保持部材は、棒状部を上方に向けて前記外箱内に設置されており、前記上部保持部材は、前記凹部を下方に向けて、前記下部保持部材の上方において前記外箱内に設置されている。
【0006】
この構成によれば、まず、下部保持部材の基台部及び上部保持部材が外箱内に嵌合するような外形を有しているため、下部保持部材及び上部保持部材は、外箱内に設置されると、外箱内に嵌合されて固定される。このように外箱内に嵌合固定された下部保持部材の基台部から棒状部が上方に延びているが、この棒状部はロール紙の中空部の内径と合致するような外径を有している。このため、中空部内に棒状部が挿入されるようにロール紙を外箱内に収納することによって、外箱内においてロール紙を保持することができる。また、外箱内において、下部保持部材の上方に、ロール紙の外径と合致するような内径を有する凹部が形成された上部保持部材が嵌合固定されている。このため、下部保持部材によって保持されたロール紙の上端を上部保持部材の凹部内に挿入することによって、ロール紙の上端が下端を中心に揺動することを防止することができる。以上のように、下部保持部材の棒状部によって、ロール紙の中空部を保持しており、ロール紙の外周面を保持する必要がないため、下部保持部材の大きさを小さくすることができる。また、上部保持部材はロール紙の外周面を保持しているが、上述したように下部保持部材がロール紙の中空部を保持しており、上部保持部材はロール紙の揺動を防止するだけでよいため、その大きさを大きくする必要がない。この結果、輸送コストを維持しつつ、コアレスロール紙を保持することができる。なお、上記上部保持部材の凹部は、貫通穴として形成されていてもよい。また、上記棒状部の「ロール紙の中空部の内径と合致するような外径」とは、棒状部の外径と中空部の内径とが全く同一の寸法である必要はなく、棒状部の外径と中空部の内径との差は±0.3〜1、好ましくは0.3〜0.5mm以内であればよい。。また、上記上部保持部材の凹部の「ロール紙の外径と合致するような内径」とは、上部保持部材の凹部とロール紙の外径とが全く同一の寸法でなくてもよく、上部保持部材の凹部の内径とロール紙の外径との差は±0.3〜1、好ましくは0.3〜0.5mm以内であればよい。
【0007】
上記梱包構造は種々の構成をとることができるが、例えば、上記下部保持部材は、基台部と棒状部とが別体に形成されており、基台部は、棒状部の外径と合致するような内径を有する凹部が形成されており、該凹部内に前記棒状部の一方の端部が挿入されているように構成することが好ましい。このように基台部と棒状部とを別体に形成することで、容易に下部保持部材を形成することができる。
【0008】
また、上記上部保持部材の凹部を覆うように配置された、衝撃を緩和する緩衝シートをさらに備えていることが好ましい。このように、上部保持部材の凹部を覆うように緩衝シートを配置することで、ロール紙の上端部を上部保持部材の凹部に挿入させると、ロール紙と凹部との間に緩衝シートが介在することになるので、外箱に衝撃が加わってもロール紙への衝撃を緩和することができる。
【0009】
また、上記上部保持部材の上方において、外箱内に嵌合するように設置された収納箱をさらに備えていてもよい。この収納箱内には例えばインクリボンなどを収納することができる。通常、外箱が落下するときはその底面から先に落下するため、外箱の下部に一番大きな衝撃が加わる。しかし、収納箱は外箱内の上部に設置されているため落下時の衝撃の影響が少なく、衝撃に弱いインクリボンなどを衝撃から守ることができる。
【0010】
また、上記収納箱は、被収納物を収納するための箱本体部と、前記箱本体部の側面から外方に突出した羽根部とを有していることが好ましい。このように、被収納物が収納された箱本体部は、羽根部を介して外箱に設置されているため、外箱に衝撃が加わった際、羽根部によってその衝撃を吸収し、被収納物が収納された箱本体部を衝撃から確実に保護することができる。
【0011】
また、被収納物を包装するための包装シートをさらに備え、包装シートは、被収納物を包装して残った部分を丸めた状態にして収納箱内に収納されていることが好ましい。このように被収納物を包装シートによって包装することで被収納物を衝撃から確実に保護することができる。また、余った包装シートを丸めた状態にして収納箱内に収納しているため、この丸められた包装シートによって衝撃を吸収することができ、より確実に被収納物を衝撃から保護することができる。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、輸送コストを維持しつつ、コアレスロール紙を保持することのできる、ロール紙の梱包構造を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、本発明に係るロール紙の梱包構造の実施形態について図面を参照しつつ説明する。図1は本実施形態に係るロール紙の梱包構造を示す正面断面図、図2は本実施形態に係る下部保持部材の斜視図、図3は本実施形態に係る下部保持部材の基台部の折り畳み前の状態(a)及び折り畳み後の状態(b)を示す平面図、図4は、本実施形態に係る上部保持部材の折り畳み前の状態(a)及び折り畳み後の状態(b)を示す平面図、図5は、本実施形態に係る上部保持部材の斜視図である。
【0014】
図1に示すように、梱包構造1は、直方体状の外箱2を備えており、この外箱2内の底面側から順に、ロール紙Rを保持する下部保持部材3と、ロール紙Rの上端部を保持する上部保持部材4と、インクリボンTを収納するための収納箱5とが設置されている。そして、ロール紙Rが下部保持部材3と上部保持部材4との間に収納されている。なお、ロール紙Rの軸部分は、巻芯を有しておらず、断面円形状の空洞部R1が軸方向に延びるように形成されている。
【0015】
上記梱包構造1を構成する各部材の詳細について説明すると、まず、外箱2は、段ボールなどによって直方体状に構成され、いわゆる段ボール箱として構成されており、その上面はフラップ21aを折り曲げることによって開閉可能であり、底面はフラップ21bを折り曲げることによって開閉可能である。なお、図1のようにロール紙Rを梱包した状態では、上面及び底面のフラップ部21a、21bはともに閉められており、ガムテープなどの接着テープを貼ることによって、その閉められた状態で保持されている。
【0016】
この閉鎖された外箱2の底面に、下部保持部材3が設置されている。この下部保持部材3は、図1及び図2に示すように、外箱2内に嵌合するような外径を有する板状の基台部31と、基台部31の中心から上方に延びる円柱状の棒状部32とから構成されている。基台部31は、平面視矩形状であり、外箱2の横断面形状とほぼ合致するような外径を有している。また、基台部31の中央部には凹部33が形成されており、この凹部33内に、棒状部32の下端部が挿入されている。ここで、棒状部32の外径は基台部31の凹部33の内径とほぼ同一の寸法であるため、棒状部32の下端部を凹部33内に挿入した状態では、その下端部は凹部33内に嵌合されて固定されている。また、棒状部32の外径は、ロール紙Rの中空部R1の内径とほぼ同一の寸法であるため、ロール紙Rの中空部R1内に棒状部32を挿入すると、ロール紙Rは下部保持部3の棒状部32に固定される。なお、この棒状部32の材質は紙とすることが好ましい。また紙以外に、プラスティック部材としてはアクリロ.ニトリルブタジエンスチレン(ABS)、ポリスチレン(PS)、ポリプロピレン(PP)とすることが好ましい。
【0017】
図3(a)に示すように、下部保持部材3の基台部31は、外箱2の横断面形状とほぼ合致するような外形を有する第1保持部34及び第2保持部35によって構成されている。第1保持部34はその中央部に第1の貫通穴331が形成されており、また第2保持部35も同様に中央部に第2の貫通穴332が形成されている。これら第1及び第2の貫通穴331、332は同一の形状となっており、その内径は、棒状部32の外径と同一の寸法となっている。また、第1保持部34と第2保持部35とは、一体的に形成されており、例えば一枚の段ボールなどによって形成することができる。そして、第1保持部34と第2保持部35との間には、裏まで貫通するように切り込みを入れることでI字状の切込み線36が形成されている。このI字状の切込み線36は、縦方向に延びる縦切込み線361と、縦切込み線361の上端及び下端に連結された横方向に延びる横切込み線362a、362bとから構成されている。そして、横切込み線362aの右端及び左端のそれぞれから下部保持部材3の上端まで延びる折り曲げ線37aが形成されるとともに、横切込み線362bの右端及び左端からのそれぞれからは下部保持部材3の下端まで延びる折り曲げ線37bが形成されている。この横切込み線362a及び折り曲げ線37aによって、第1保持部34と第2保持部35とを連結する連結部38aが画定されており、横切込み線362b及び折り曲げ線37bによって、第1保持部34と第2保持部35とを連結する連結部38bが画定されている。この各連結部38a、38bの幅は、第1保持部34と第2保持部35の厚みを合計した寸法とほぼ同一とすることが好ましい。
【0018】
この下部保持部材3の基台部31は、I字状の切込み線36及び折り曲げ線37a、37bによって、第1保持部34が第2保持部35に対して谷折りできるようになっている。すなわち、図3(a)にあるような折り曲げられていない状態から、第1保持部34を第2保持部35上に重なるように谷折りする(図2及び図3(b))。このように第2保持部35上に第1保持部34が重なるように折り曲げられた状態では、第1の貫通穴331と第2の貫通穴332とが重なり、この第1及び第2の貫通穴331,332とによって凹部33が構成されている。
【0019】
図1に戻って説明を続けると、このように構成された下部保持部材3を外箱2の底面上に設置し、ロール紙Rの中空部R1内に棒状部32を挿入させることで、ロール紙Rを下部保持部材3に保持させている。そして、下部保持部材3に保持されたロール紙Rの上端部を覆うように緩衝シート7が配置されている。この緩衝シート7の材質は、特に限定されるものではないが、ポリエチレンや発泡ポリエチレン等を使用することが好ましい。ポリエチレンとしてはミラーマット、発泡ポリエチレンとしてはエアーキャップ(登録商標)等を使用することが好ましい。
【0020】
そして、緩衝シート7で覆われたロール紙Rの上端部を保持するように、上部保持部材4が外箱2内に設置されている。この上部保持部材4は、図4及び図5に示すように、外箱2の横断面形状とほぼ合致するような外形を有する第1保持部42と第2保持部43とから構成されている。
【0021】
図4(a)に示すように、第1保持部42はその中央部に第1の貫通穴411が形成されており、第2保持部43も同様にその中央部に第2の貫通穴412が形成されている。これら第1及び第2の貫通穴411,412は同一形状であり、その内径は、ロール紙Rの外径とほぼ同一の寸法となっている。また、上部保持部材4も、下部保持部材3と同様に、第1保持部42と第2保持部材43とが一体的に形成されており、例えば一枚の段ボールから形成されている。そして、第1保持部42と第2保持部43との間には、縦切込み線441と横切込み線442a、442bとからなるI字状の切込み線44と、折り曲げ線45a、45bとが形成されている。これら横切込み線442a及び折り曲げ線45aによって連結部46aが形成されており、また、横切込み線442b及び折り曲げ線45bによって連結部46bが形成されている。この各連結部46a、46bによって第1保持部42と第2保持部43とが連結されている。なお、上部保持部材4は、下部保持部材3と異なり、第1保持部42及び第2保持部43の各上端及び下端の中央部に半円状の切欠部47が形成されている。このように半円状の切欠部47が形成されていることで、作業者が指を入れて上部保持部材4を外箱2から取り出し易くし、作業性の向上という効果を得ることができる。
【0022】
そして、I字状の切込み線44及び折り曲げ線45a、45bによって、第1保持部42が第2保持部43に対して谷折りできるようになっている。すなわち、図4(a)にあるような折り曲げられていない状態から、第1保持部42を第2保持部43上に重なるように谷折りする(図4(b)及び図5)。このように折り曲げられた状態で上部保持部材4は外箱2内に設置される。なお、このように折り曲げられた状態では、第1保持部42の第1の貫通穴411と第2保持部43の第2の貫通穴412とが重なり、この第1及び第2の貫通穴411,412とによって凹部41が構成されている。なお、この凹部41は、第1保持部42及び第2保持部43を貫通するような貫通穴として形成されている。
【0023】
以上のように構成された上部保持部材4を外箱2内に設置し、凹部41内にロール紙Rの上端を挿入することで、ロール紙Rの外径と凹部41の内径とがほぼ同一の寸法であるため、ロール紙Rの上端が凹部41内に嵌合して固定される。このようにロール紙Rの上端を固定した上部保持部材4の上方には、図6から図8に示すようなインクリボンなどを収納するための収納箱5が設置されている。図6は、本実施形態に係る収納箱の平面図、図7は収納箱の斜視図、図8はインクリボンが収納された収納箱の正面断面図である。図6及び図7に示すように、収納箱5は、内部にインクリボンTを収納できるように直方体状に形成された箱本体部51と、箱本体部51の側面から外方に延びる4つの羽根部52とから構成されている。収納箱5は、図1の左右方向には羽根部52によって外箱2内に嵌合しており、図1の奥行き方向には箱本体部51によって外箱2内に嵌合している。この箱本体部51内にはインクリボンTが包装シート8によって包装された状態で収納されている。より詳細には、図8に示すように、インクリボンTは、供給ロール部T1と巻取ロール部T2とから構成されている。この供給ロール部T1と巻取ロールT2との間には緩衝シート7が介在されており、この状態で、包装シート8がインクリボンT全体を覆っている。なお、この包装シート8は、インクリボンTを保護できるような材質であれば特に限定されるものではないが、好ましくは、ポリエチレンや発泡ポリエチレン等を使用することが好ましい。ポリエチレンとしてはミラーマット、発泡ポリエチレンとしてはエアーキャップ(登録商標)等を使用することができる。また、この収納箱5は、本実施形態ではインクリボンを収納するために使用しているが、特にインクリボンを収納することに限定されるものではなく、その他のものを収納してもよい。
【0024】
次に、上述したロール紙の梱包構造1を使用した梱包方法について図面を参照しつつ説明する。まず、図1に示すように、外箱2を準備し、フラップ21bを閉じた状態でガムテープを貼って底面を形成する。そして、下部保持部材3を棒状部32が上方を向くように外箱2内に挿入し、基台部31の下面が外箱2の底面に接するまで下部保持部材3を押し込む。このように、下部保持部材3を外箱2内に設置したとき、下部保持部材3の基台部31の外形は外箱2の底面の形状に合致しているので、下部保持部材3は外箱2内に嵌合されて固定されている。
【0025】
続いて、ロール紙Rの中空部R1内に下部保持部材3の棒状部32が挿入されるようにロール紙Rを外箱2内に収納し、ロール紙Rを下部保持部材3に保持させる。そして、下部保持部材3に固定されたロール紙R上に緩衝シート7を被せ、緩衝シート7の上からロール紙Rの上端部が凹部41内に挿入されるように上部保持部材4を外箱2内に設置する。上部保持部材4の外形は、外箱2の横断面形状とほぼ同一の形状であるため、上部保持部材4は外箱2内に嵌合されて固定される。さらに、この外箱2内に嵌合固定された上部保持部材4の凹部41の内径は、ロール紙Rの外径とほぼ同一の寸法であるため、ロール紙Rは上部保持部材4の凹部41内に嵌合して固定される。
【0026】
さらに続いて、インクリボンTを、包装シート8で覆うように包装して収納箱5の箱本体部51内に収納する。そして、このような状態でインクリボンTが収納された収納箱5を外箱2内に収納し、収納箱5の下面が上部保持部材4の上面に接触するまで収納箱5を押し込む。この状態で収納箱5は、箱本体部51及び4本の羽根部52によって外箱2内に嵌合されるため、外箱2内に固定される。そして、最後に外箱2のフラップ21aを閉じてガムテープを貼ることで、外箱2の上面を閉鎖する。
【0027】
以上のように本実施形態によれば、まず、下部保持部材3の基台部31及び上部保持部材4が外箱2内に嵌合するような外形を有しているため、下部保持部材3及び上部保持部材4は、外箱2内に設置されると、外箱2内に嵌合されて固定される。このように外箱2内に嵌合固定された下部保持部材3の基台部31から棒状部32が上方に延びているが、この棒状部32はロール紙Rの中空部R1の内径と合致するような外径を有している。このため、中空部R1内に棒状部32が挿入されるようにロール紙Rを外箱2内に収納することによって、外箱2内においてロール紙Rを保持することができる。また、外箱2内において、下部保持部材3の上方に、ロール紙Rの外径と合致するような内径を有する凹部41が形成された上部保持部材4が嵌合固定されている。このため、下部保持部材3によって保持されたロール紙Rの上端を上部保持部材4の凹部41内に挿入することによって、ロール紙Rの上端が下端を中心に揺動することを防止することができる。以上のように、下部保持部材3の棒状部32をロール紙Rの中空部R1に挿入することによって、ロール紙Rを保持しており、ロール紙Rの外周面を保持する必要がないため、下部保持部材3の大きさを小さくすることができる。また、上部保持部材4はロール紙Rの外周面を保持しているが、上述したように下部保持部材3がロール紙Rを保持しており、上部保持部材4はロール紙Rの揺動を防止するだけでよいため、その大きさを大きくする必要がない。この結果、輸送コストを維持しつつ、コアレスロール紙Rを保持することが可能な梱包構造1とすることができる。
【0028】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明はこれらに限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない限りにおいて種々の変更が可能である。例えば、上記実施形態では、上部保持部材4は、凹部41が貫通穴となっているが、図9に示すように、凹部41は貫通穴でなくてもよい。
【0029】
また、上記実施形態では、下部保持部材3は、基台部31と棒状部32とが別体として形成されているが、これを一体的に形成することもできる。
【0030】
また、上記実施形態では、収納箱5を上部保持部材4の上方に設置しているが、収納箱5を省略し、その分だけ外箱2の高さを低くすることもできる。
【0031】
また、上記実施形態では、下部保持部材3や上部保持部材4は一枚の段ボールを折り曲げた構成を取っているが、この構成に限定されるものではなく、例えば、これら保持部材3,4を折り曲げていない構成とすることもできる。この場合、例えば、下部保持部材3は、凹部33内で棒状部32を十分に保持できるような厚さを有していることが好ましい。
【0032】
また、上記実施形態では、梱包方法として、下部保持部材3を基台部31の凹部33内に棒状部32が固定された状態で外箱2内に設置してから、ロール紙Rを外箱2内に収納しているが、これ以外の方法をとることもできる。例えば、まず、下部保持部材3の基台部31のみを外箱2内に設置する。そして、ロール紙Rの中空部R1内に、棒状部32を挿入する。そして、棒状部32の下端部をロール紙Rの中空部R1から突出させ、その突出した棒状部32の下端部が基台部31の凹部33内に嵌合固定されるように、ロール紙Rを外箱2内に収納することもできる。
【0033】
また、上記実施形態では、包装シート8は、インクリボンTを覆っているのみであるが、例えば図10に示すように、一旦インクリボンTを覆い、余った部分を丸めた状態にしインクリボンTに隣接するような状態で収納箱5内に収納することもできる。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】本発明に係るロール紙の梱包構造の実施形態を示す正面断面図である。
【図2】本実施形態に係る下部保持部材を示す斜視図である。
【図3】本実施形態に係る下部保持部材の基台部の折り畳み前(a)及び折り畳み後(b)を示す平面図である。
【図4】本実施形態に係る上部保持部材の折り畳み前(a)及び折り畳み後(b)を示す平面図である。
【図5】本実施形態に係る上部保持部材を示す斜視図である。
【図6】本実施形態に係る収納箱を示す平面図である。
【図7】本実施形態に係る収納箱を示す斜視図である。
【図8】本実施形態に係る包装シートによって包装されたインクリボンが収納された収納箱の正面断面図である。
【図9】本発明に係るロール紙の梱包構造の他の実施形態を示す正面断面図である。
【図10】他の実施形態に係る包装シートによって包装されたインクリボンが収納された収納箱の正面断面図である。
【符号の説明】
【0035】
1 梱包構造
2 外箱
3 下部保持部材
31 基台部
32 棒状部
33 凹部
4 上部保持部材
41 凹部
7 緩衝シート
R ロール紙

【特許請求の範囲】
【請求項1】
軸部分が中空部となっており、巻芯を有さないコアレスロール紙を梱包するための構造であって、
ロール紙を収納するための外箱と、
前記外箱内に嵌合するような外形を有する基台部、及び前記基台部から上方に延びロール紙の中空部の内径と合致するような外径を有する棒状部を有する下部保持部材と、
ロール紙の外径と合致するような内径を有する凹部が形成され、前記外箱内に嵌合するような外形を有する上部保持部材と、を備え、
前記下部保持部材は、棒状部を上方に向けて前記外箱内に設置されており、
前記上部保持部材は、前記凹部を下方に向けて、前記下部保持部材の上方において前記外箱内に設置されている、ロール紙の梱包構造。
【請求項2】
前記下部保持部材は、基台部と棒状部とが別体に形成されており、
前記基台部は、前記棒状部の外径と合致するような内径を有する凹部が形成されており、該凹部内に前記棒状部の一方の端部が挿入されている、請求項1に記載のロール紙の梱包構造。
【請求項3】
前記上部保持部材の凹部を覆うように配置された、衝撃を緩和する緩衝シートをさらに備えた、請求項1又は2に記載のロール紙の梱包構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2009−51541(P2009−51541A)
【公開日】平成21年3月12日(2009.3.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−220632(P2007−220632)
【出願日】平成19年8月28日(2007.8.28)
【出願人】(000002897)大日本印刷株式会社 (14,506)
【出願人】(596057435)大善株式会社 (4)
【Fターム(参考)】