説明

ロール適用ラベル用の芳香族−脂肪族ポリエステルホットメルト接着剤

二塩基酸成分としての、テレフタル酸とアジピン酸、グルタル酸またはこれらの混合物との組合せ、および1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオールまたはこれらの組合せを含有するジオール成分、を含有する芳香族−脂肪族ポリエステルから製造される、ホットメルト接着剤を開示する。これらの接着剤は、特定の温度ウインドウの範囲内で迅速に構成される。ホットメルト接着剤は、多様な用途において使用できるが、ロール適用されるラベルのシーム接着剤として特に好適である。これらの接着剤は、シーム中の収縮ラベルのカールおよび尚早な収縮を防止するのに十分低い温度でのその適用を可能にし、更にはラインスピードを犠牲にすることなく収縮トンネルの高温に耐えることができる強いラベルシームを与える融解温度および結晶化特性を有する。ラベル付容器、およびロールオンの収縮ラベルを容器に本発明のホットメルト接着剤を用いて適用する方法もまた開示する。

【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
発明の背景
従来の非収縮ラベルは、しばしば紙、箔、ポリプロピレンフィルム等から製造され、容器に「ロール供給」法(これにおいてはラベルを同時に容器の周りに巻き付けそして容器に接着させる)によって適用される。接着剤は典型的にはホットメルト接着剤、例えばスチレンブロックコポリマーまたはエチレン酢酸ビニルであり、これはラベルシームに適用してラベルを自身(「シーム」)に接着し、そして容器に適用してラベルを所定位置に保持するという両者である。
【0002】
ホットメルト接着剤は室温で固体の熱可塑性物質である。液体または溶融形状に加熱された時点で、ホットメルト接着剤は1つ以上の表面(これらはホットメルト接着剤が冷却されて固体に戻るに従って一緒に接合される)に適用できる。非収縮ラベルのための接着剤については、典型的な取扱い手順の間ラベルを所定位置に保持するための十分な強度を得ること以外に特別な要求はない。加えて、非収縮ラベルは寸法安定性である(すなわち収縮しない)ため、ラベルシームを尚早に収縮させるかまたはカールさせるおそれを有さずに、接着剤を広範囲の温度に亘って適用できる。
【0003】
しかし、非収縮フィルム用に用いる接着剤は、一般的には収縮ラベル用には満足できるものではない。収縮ラベルはその「収縮(シュリンク)オンセット」温度(すなわち収縮が生じる温度)を超えて加熱されると変形し、接着剤は、ラベルの尚早なカールおよび収縮を防止するような温度で適用しなければならない。更に、収縮ラベルのシーム後、これは、ラベルを下地容器上に収縮させるために熱トンネルに通さなければならない。収縮トンネルにおいて、接着剤は高温および収縮ラベルからの力(これはラベルシームを引き離す傾向がある)に耐えられなければならない。よって、収縮ラベル用の接着剤シームは、典型的には非収縮ラベルにおけるシームよりも大きい強度を有することになり、そしてこの強度を収縮トンネルの高温で維持できなければならない。
【0004】
ロールオンのシュリンクオンラベルで現在使用されるホットメルト接着剤は、低収縮フィルム(例えば15%以下の収縮を有する)を含む用途,例えばポリプロピレン基材から製造されるラベル等に制限されている。これらのフィルムは低い収縮力および収縮を有するため、ラベルのシームの分離およびカールは生じない。
【0005】
これに対し、他のポリマー,例えばポリエステル、ポリスチレン、ポリ(塩化ビニル)、およびポリ(乳酸)等から製造されるラベルは、ロール適用されるシュリンクオン用途について現在使用される物質よりも大幅に大きい収縮および収縮力を有することができる。例えば、ポリエステルポリマーから製造されるラベルは、20〜80%の収縮を有することができる。この高い収縮は、高起伏の容器に対して収縮ラベルをきつく適合させてより美観的に美しいパッケージをもたらすことを可能にする。十分な結合強度を与えて高収縮力および高温に耐え、そしてフィルムの尚早な収縮またはカールの原因とならない温度で適用できる、ロール適用される収縮ラベルのための新規なホットメルト接着剤が求められている。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
発明の要約
高収縮フィルムの収縮オンセット温度未満の温度で適用でき、収縮トンネルにおいて一般的に用いる高温での高収縮力に耐えることができる、少なくとも50質量%のポリエステルを含むホットメルト接着剤組成物を我々は見出した。よって、一態様において、我々の発明は:
A.接着剤組成物の総質量基準で50〜100質量%の少なくとも1種のポリエステルであって、(i)二塩基酸残基の総モル基準で、30〜60モル%のアジピン酸、グルタル酸またはこれらの組合せの残基、30〜60モル%のテレフタル酸の残基、および0〜40モル%の4〜40個の炭素原子を有する少なくとも1種の改質性ジカルボン酸の残基、を含む二塩基酸残基;ならびに(ii)ジオール残基の総モル基準で、80〜100モル%の1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオールまたはこれらの組合せの残基、および0〜20モル%の少なくとも1種の改質性ジオールの残基、を含むジオール残基;ならびに
B.0〜50質量%の粘着付与剤、可塑剤、ワックス、成核剤、またはこれらの組合せ;
を含み、該ポリエステルが、25℃にて60質量%フェノールおよび40質量%テトラクロロエタンを含む溶媒100ml当たり0.5グラムのポリマーを用いて測定したときのインヘレント粘度0.1〜0.4dL/g、融解温度70〜130℃、および融解熱0.1cal/g〜6cal/gを有し;そして
接着剤組成物が150℃にて溶融粘度300〜3000センチポイズを有する、ホットメルト接着剤組成物を提供する。
本発明のホットメルト接着剤は幅広い用途,特に制御された温度ウインドウ内での迅速な結晶化時間を要求するような用途において使用できる。我々のホットメルト接着剤は、液体として適用でき、そして優れた結合強度を、初期適用温度を超える温度にて与える。この特徴は、熱的に敏感および/または熱的に活性化されている基材,例えば高い収縮度を有するロール適用される収縮ラベル等を結合させる場合に特に有益である。
【0007】
我々の接着剤組成物は、ロール適用される収縮ラベルを容器に接着させるのに有用である。本発明の別の態様は、従って、
A.接着剤組成物の総質量基準で50〜100質量%の少なくとも1種のポリエステルであって、(i)二塩基酸残基の総モル基準で、30〜60モル%のアジピン酸、グルタル酸またはこれらの組合せの残基、30〜60モル%のテレフタル酸の残基、および0〜40モル%の4〜40個の炭素原子を有する少なくとも1種の改質性ジカルボン酸の残基、を含む二塩基酸残基;ならびに(ii)ジオール残基の総モル基準で、80〜100モル%の1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオールまたはこれらの組合せの残基、および0〜20モル%の少なくとも1種の改質性ジオールの残基、を含むジオール残基;ならびに
B.0〜50質量%の粘着付与剤、可塑剤、ワックス、成核剤、またはこれらの組合せ;
を含み、該ポリエステルが、25℃にて60質量%フェノールおよび40質量%テトラクロロエタンを含む溶媒100ml当たり0.5グラムのポリマーを用いて測定したときのインヘレント粘度0.1〜0.35dL/g、融解温度70〜130℃、および融解熱0.1cal/g〜6cal/gを有し;そして
接着剤組成物が150℃にて溶融粘度300〜3000センチポイズを有する、ホットメルト接着剤組成物で容器に接着されているラベルを含む容器である。
【0008】
我々の発明はまた、ロールオンの収縮ラベルを容器に適用する方法であって:
I.ホットメルト接着剤を、熱収縮性ラベル、容器、またはこれらの組合せの上の1つ以上の位置に適用し、ホットメルト接着剤が
A.接着剤組成物の総質量基準で50〜100質量%の少なくとも1種のポリエステルであって、(i)二塩基酸残基の総モル基準で、30〜60モル%のアジピン酸、グルタル酸またはこれらの組合せの残基、30〜60モル%のテレフタル酸の残基、および0〜40モル%の4〜40個の炭素原子を有する少なくとも1種の改質性ジカルボン酸の残基、を含む二塩基酸残基;ならびに(ii)ジオール残基の総モル基準で、80〜100モル%の1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオールまたはこれらの組合せの残基、および0〜20モル%の少なくとも1種の改質性ジオールの残基、を含むジオール残基;ならびに
B.0〜50質量%の粘着付与剤、可塑剤、ワックス、成核剤、またはこれらの組合せ;
を含み、該ポリエステルが、25℃にて60質量%フェノールおよび40質量%テトラクロロエタンを含む溶媒100ml当たり0.5グラムのポリマーを用いて測定したときのインヘレント粘度0.1〜0.35dL/g、融解温度70〜120℃、および融解熱0.1cal/g〜6cal/gを有し;そして
接着剤組成物が150℃にて溶融粘度300〜3000センチポイズを有すること;
II.該容器の周りに該ラベルを取付けてラベル付容器を得ること;
III.適用されたホットメルト接着剤を少なくとも部分的に結晶化させること;および
IV.該ラベル付容器を加熱することによって該ラベルを収縮させること;
を含む、方法を提供する。
【発明を実施するための形態】
【0009】
詳細な説明
本発明のホットメルト接着剤組成物は、少なくとも50質量%のポリエステルを含み、そしてロール適用される収縮ラベル(ここでフィルムは高い収縮(例えば25〜75%)および収縮力を示す)に対して特に有用である。一般的な態様において、我々のホットメルト接着剤組成物は:
A.接着剤組成物の総質量基準で50〜100質量%の少なくとも1種のポリエステルであって、(i)二塩基酸残基の総モル基準で、30〜60モル%のアジピン酸、グルタル酸またはこれらの組合せの残基、30〜60モル%のテレフタル酸の残基、および0〜40モル%の4〜40個の炭素原子を有する少なくとも1種の改質性ジカルボン酸の残基、を含む二塩基酸残基;ならびに(ii)ジオール残基の総モル基準で、80〜100モル%の1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオールまたはこれらの組合せの残基、および0〜20モル%の少なくとも1種の改質性ジオールの残基、を含むジオール残基;ならびに
B.0〜50質量%の粘着付与剤、可塑剤、ワックス、成核剤、またはこれらの組合せ;
を含み、該ポリエステルが、25℃にて60質量%フェノールおよび40質量%テトラクロロエタンを含む溶媒100ml当たり0.5グラムのポリマーを用いて測定したときのインヘレント粘度0.1〜0.4dL/g、融解温度70〜130℃、および融解熱0.1cal/g〜6cal/gを有し;そして
接着剤組成物が150℃にて溶融粘度300〜3000センチポイズを有する。
本発明のホットメルト接着剤は、広範囲の用途,特に迅速な結晶化および高い結合強度を初期適用温度を超える温度にて必要とするものにおいて使用できる。本発明のホットメルト接着剤は、ポリエステルの、ロール適用される収縮ラベルに対して有用である。
【0010】
特記がない限り、明細書および特許請求の範囲において用いる含有成分、特性(例えば分子量、反応条件)等の量を表す全ての数は、全ての場合で用語「約」によって修飾されると理解すべきである。従って、特記がない限り、以下の明細書および添付の特許請求の範囲に記載される数値パラメータ等は近似であり、本発明によって得られることが求められる所望の特性に応じて変動できる。最低でも、各数値パラメータは少なくとも報告される有効桁数で、および通常の四捨五入法を適用することによって解釈すべきである。更に、本開示および特許請求の範囲において記載する範囲は、1つまたは複数の端点のみならず全範囲を具体的に包含することが意図される。例えば、0〜10と記載される範囲は、0から10の間の全整数,例えば1,2,3,4等、0から10の間の全端数,例えば1.5,2.3,4.57,6.1113等、ならびに0および10の端点を開示することを意図する。また、化学置換基,例えば「C1〜C5炭化水素」等に関連する範囲は、C1およびC5の炭化水素、更にC2、C3およびC4の炭化水素を具体的に包含および開示することを意図する。
【0011】
本発明の広範な範囲を説明する数値範囲およびパラメータが近似であることに関わらず、具体例において説明される数値は可能な限り厳密に記載される。しかしいずれの数値も、これらのそれぞれの試験測定で見られる標準偏差に起因して本質的にある程度の誤差を必然的に含む。
【0012】
また、1以上の方法ステップの記載は、組み合わされた列挙されるステップの前もしくは後の追加の方法ステップ、または明確に規定されるこれらのステップの間の途中の方法ステップの存在を排除しないことを理解すべきである。さらに、方法ステップの表記は別々の働きまたはステップを規定するための便宜的な手段であり、そして列挙された方法ステップは他の記載がない限り任意の配列に並べることができる。
【0013】
本発明のホットメルト接着剤は熱可塑性ポリエステルを含む。用語「ポリエステル」は、「コポリエステル」を包含することが意図され、そして、1種以上の二官能カルボン酸と1種以上の二官能ヒドロキシル化合物とのポリエステル化および重縮合によって製造される合成ポリマーを意味することが理解される。典型的には、二官能カルボン酸は、ジカルボン酸であり、そして二官能ヒドロキル化合物は、二価アルコール,例えばグリコールおよびジオールである。これに代えて、二官能カルボン酸は、ヒドロキシカルボン酸,例えばp−ヒドロキシ安息香酸等であることができ、そして二官能ヒドロキシル化合物は、2つのヒドロキシル置換基を有する芳香核,例えばハイドロキノン等であることができる。本明細書で用いる用語「残基」は、対応するモノマーを含む重縮合反応を通じてポリマー中に組み込まれる任意の有機構造を意味する。本明細書で用いる用語「繰り返し単位」は、カルボニルオキシ基を介して結合するジカルボン酸残基およびジオール残基を有する有機構造を意味する。よって、ジカルボン酸残基は、ジカルボン酸モノマーまたはその関連の酸ハライド、エステル、塩、無水物、またはこれらの混合物に由来することができる。従って、本明細書で用いる用語「ジカルボン酸」は、ジカルボン酸およびジカルボン酸の任意の誘導体,例えばその関連の酸ハライド、エステル、半エステル、塩、半塩、無水物、混合無水物、またはこれらの混合物の、ジオールとの重縮合プロセスにおいてポリエステルを形成するプロセスにおいて有用なものを包含することが意図される。
【0014】
本明細書で用いる表現「ロールオン シュリンクオン」(本明細書で「ROSO」と略す)は、表現「ロール適用されるシュリンクオン(本明細書で「RAS」と略す)と同義と理解され、そしてラベルを容器に取付けて容器をロールまたはスピンさせてラベルを容器の周りに巻付けることによって容器に適用されるラベルを意味する。典型的には、ラベルをロールからラベリングプロセスに供給するが、当該分野において「カットアンドスタック」プロセスとして公知であるものにおいて個別のラベルとして与えることもできる。
【0015】
本明細書で用いる用語「基材」は、表面にホットメルト接着剤を適用および接着させる該表面を意味する。基材の非限定例としては、フィルム、ボトル、箱、瓶等であって例えばプラスチック、木材、金属、紙、ガラス、またはこれらの組合せ等の材料から製造できるものが挙げられる。
【0016】
本発明のホットメルト接着剤において使用するポリエステルは、ジカルボン酸残基およびジオール残基を含む。本発明のポリエステルは、実質的に等モル比率の二塩基酸残基(100モル%)およびジオール残基(100モル%)(これらは繰返し単位の総モルが100モル%になるように実質的に等比率で反応する)を含有する。本開示において与えるモル%は、従って、二塩基酸残基の総モル、ジオール残基の総モル、または繰返し単位の総モルを基準とすることができる。例えば、総二塩基酸残基基準で30モル%のアジピン酸を含有するポリエステルは、ポリエステルが100モル%の二塩基酸残基のうち30モル%のアジピン酸残基を含むことを意味する。よって、二塩基酸残基100モル当たり30モルのアジピン酸残基が存在する。別の例において、総ジオール残基基準で30モル%の1,4−ブタンジオールを含有するポリエステルは、ポリエステルが全部で100モル%のジオール残基のうち30モル%の1,4−ブタンジオール残基を含有することを意味する。よって、ジオール残基100モル当たり30モルの1,4−ブタンジオール残基が存在する。
【0017】
我々の発明のホットメルト接着剤は、接着剤組成物の総質量基準で50〜100質量%の、低分子量の熱可塑性ポリエステルをそのベース物質として含む。ポリエステルは、二塩基酸残基の総モル基準で30〜60モル%のアジピン酸、グルタル酸またはこれらの組合せの残基、30〜60モル%のテレフタル酸の残基、および0〜40モル%の4〜40個の炭素原子を有する少なくとも1種の改質性ジカルボン酸の残基、を含む二塩基酸残基を含む。例えば、ポリエステルは、30〜60モル%のアジピン酸またはグルタル酸の残基、30〜50モル%のテレフタル酸の残基、および0〜30モル%の改質性ジカルボン酸の残基を有することができる。別の例において、ポリエステルは、35〜60モル%のアジピン酸またはグルタル酸の残基、35〜45モル%のテレフタル酸の残基、および0〜30モル%の改質性ジカルボン酸を有することができる。
【0018】
ポリエステルは、0〜30モル%の、4〜40個の炭素原子を有する少なくとも1種の改質性ジカルボン酸の残基を含むことができる。改質性ジカルボン酸の幾つかの代表的な例としては、これらに限定するものではないが、コハク酸、スベリン酸、ピメリン酸、フマル酸、マレイン酸、イタコン酸、グリコール酸、セバシン酸、アゼライン酸、ダイマー酸、イソフタル酸、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、およびこれらの組合せが挙げられる。例えば、改質性ジカルボン酸は、イソフタル酸を含むことができる。ポリエステルはまた、特別の官能基を含有するジカルボン酸,例えば5−ソジオスルホイソフタル酸、t−ブチルイソフタル酸、5−ヒドロキシイソフタル酸、および4,4’−スルホニルジ安息香酸等の残基を含むことができる。ここでシスおよびトランスの異性体が可能であり、純粋なシスもしくはトランスまたはシスおよびトランスの異性体の混合物を使用できる。
【0019】
ベースポリエステルのジオール成分は、ジオール残基の総モル基準で80〜100モル%の、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、またはこれらの組合せの残基;および0〜20モル%の少なくとも1種の改質性ジオールの残基を含む。例えば、本発明の一態様において、ポリエステルは、90〜100モル%の1,4−ブタンジオールの残基、および10〜0モル%の改質性ジオールの残基を含むジオール残基を含むことができる。別の例において、ポリエステルは100%の1,6−ヘキサンジオールの残基を含むことができる。改質性ジオールの例としては、1,4−シクロヘキサンジメタノール、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,5−ペンタンジオール、ネオペンチルグリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,8−オクタンジオール、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、2,4−ジメチル−2−エチルヘキサン−1,3−ジオール;2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール、2−エチル−2−ブチル−1,3−プロパンジオール、2−エチル−2−イソブチル−1,3−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、2,2,4,4−テトラメチル−1,3−シクロブタンジオール、またはこれらの組合せが挙げられる。
【0020】
上記のように、ポリグリコール,例えばジエチレングリコール、テトラエチレングリコールおよびポリアルキレングリコール等は、1,4−ブタンジオールとの組合せで使用できる。これらのグリコールの多くは、市販で入手可能な、例えばDow Chemical CompanyによってCARBOWAXTM商標名で製造されるポリアルキレングリコールである。ポリアルキレングリコールの分子量は、典型的には、200〜10,000g/モルとなる。例えば、ポリエステルはまた、より高次のアルキル類似体,例えばジプロピレングリコール、ジブチレングリコール、およびジヘキシレングリコールの残基を含むことができる。同様に、より高次のポリアルキレンジオール、特に、ポリプロピレングリコールおよびポリテトラメチレングリコールであって分子量が200〜10,000g/モルの範囲のものは有用である。
【0021】
一例において、ホットメルト接着剤組成物のポリエステルは、30〜60モル%のアジピン酸の残基、30〜50モル%のテレフタル酸の残基、および0〜30モル%の改質性ジカルボン酸の残基、を含む二塩基酸残基;ならびに90〜100モル%の1,4−ブタンジオールの残基、および0〜10モル%の改質性ジオールの残基、を含むジオール残基を含むことができる。上記の態様において、上記の改質性ジカルボン酸は、イソフタル酸を含むことができ、そして改質性ジオールは、ジエチレングリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、またはこれらの組合せを含むことができる。
【0022】
別の例において、二塩基酸残基は、40〜60モル%のアジピン酸の残基、30〜45モル%のテレフタル酸の残基、および5〜30モル%の改質性ジカルボン酸の残基を含み;そしてジオール残基は、90〜100モル%の1,4−ブタンジオールの残基および10〜0モル%の1,4−シクロヘキサンジメタノールの残基を含む。改質性ジカルボン酸は、上記例におけるイソフタル酸であることができる。
【0023】
我々の新規なホットメルト接着剤のポリエステルは、25℃にて60質量%フェノールおよび40質量%テトラクロロエタンを含む溶媒100ml当たり0.5グラムのポリマーを用いて測定したときのインヘレント粘度0.1〜0.35dL/gを有することができる。ポリエステルについてのインヘレント粘度の幾つかの更なる例は、0.1〜0.33;0.1〜0.30;0.1〜0.27;0.1〜0.25;および0.1〜0.20である。この比較的低い粘度を実現するために、ポリエステルの分子量は、典型的には、1000〜15,000g/モルである。ポリエステルの分子量範囲の幾つかの更なる例は、1000〜13,000g/モル、1000〜10,000g/モル;および1000〜8000g/モルである。
【0024】
ポリエステルはまた、0〜5モル%の1種以上の単官能連鎖停止剤を組込んで重合度の制御を助けることができる。これらの連鎖停止剤は当該分野で周知である。連鎖停止剤の幾つかの非限定例は、1種以上の単官能の直鎖脂肪族、脂環式、または芳香族のカルボン酸または単官能アルコールであって1〜36個の炭素原子を有するものである。これらの連鎖停止剤は、任意の官能基を含有できる。官能基は、例えば、イオン性末端基,例えばソジオスルホ安息香酸:反応性末端基;またはこれらの組合せであることができる。これらの種々の官能基を用いて、ポリエステルの末端基を本来的により酸性または塩基性に調整できる。これらの改質は、例えば、接着剤と基材との間の表面相互作用を改善するのに、または接着剤と特定配合含有成分との間の相溶性を改善するのに、有用であることができる。
【0025】
ポリエステルは、典型的には、融解温度70〜130℃を有する。殆どのポリマーは、示差走査熱量測定(「DSC」)により、ポリマーの熱履歴に左右される可能性がある特徴(例えば、融解エンタルピーおよびピーク温度)を有する1次融解温度より低温で、1つ以上のより小さい融解ピークを示す。本明細書で用いる用語「融解温度」(本明細書で「Tm」と略す)は、2回目加熱サイクルの融解吸熱ピーク温度と定義する。例えば、複数の融解ピークが存在する場合には、最も高いピーク融解温度を、本発明に係るポリエステルの融解温度と考える。融解温度範囲の他の例は、80〜130℃、80〜120℃、90〜120℃、および100〜120℃である。これは、溶融ポリエステルがラベルの収縮オンセット温度未満で再結晶化する、ロール適用されるシュリンクオン用途にも望ましい。よって、本発明の一態様において、ホットメルト接着剤のポリエステルは、再結晶化温度0〜80℃を有する。再結晶化温度の別の例は、0〜75℃、0〜70℃、0〜65℃、0〜60℃、0〜55℃、および0〜50℃である。再結晶化温度は、加熱時の再結晶化温度「Tch」(20℃/分にて)または冷却時の再結晶化温度「Tcc」(20℃/分)のいずれかとしてDSCによって、本明細書で記載するように評価できる。
【0026】
ポリエステルは、示差走査熱量測定によって測定したときに融解熱(heat of melting)(本明細書で「ΔHm」と略す)0.1cal/g〜6cal/gを有する。融解熱は、どのくらい大きな結晶性がポリエステルに存在しているかに比例する。典型的には、ΔHmは、試験するサンプルの質量で規格化され、そしてJ/gまたはcal/gのいずれかとして報告する。融解熱の範囲の他の例は、0.1〜4cal/g、0.3〜4cal/g、ならびに0.5および3cal/gである。
【0027】
融解熱(heat of fusion)(本明細書で「ΔHf」と略す)は、固有の物質パラメータであり(すなわち、これは熱履歴に依存しない)、100%結晶固体について得られることになるΔHmの値を表す。ΔHfの値は理論的な数値であり、そして典型的にはDSC測定を他の測定(例えばX線)と相関および推定させることにより、または理論計算により、決定できる。本明細書で用いる用語「融解熱(heat of fusion)」は、用語「融解エンタルピー」「融解潜熱」「融解エンタルピー変化」および「融解比熱」と同義であり、そして1グラムのポリエステルについて吸収または発生して固体から液体またはその逆に相変化させるべき熱エネルギーの量を意味すると理解される。融解熱(heat of fusion)が与えられるポリマーについて既知であれば、結晶性%は以下の等式によって見積もることができる:
結晶性%=ΔHm/ΔHf*100%
典型的には、ΔHfは決定が困難であり、そして得られることは稀である。ΔHmはポリマーの結晶性と直接比例し、ΔHmは本明細書で結晶性の間接的な指標として報告されるからである。
【0028】
本発明のポリエステルは、適切なジカルボン酸、エステル、無水物、または塩、および適切なジオールまたはジオール混合物から、典型的な重縮合反応条件を用い、当業者に公知の手順によって、容易に調製できる。これらは連続式、半連続式、およびバッチ式の操作で形成でき、そして多様な反応器種を用いることができる。好適な反応器種の例としては、これらに限定するものではないが、撹拌タンク、連続撹拌タンク、スラリー、管型、ワイプフィルム(wiped-film)、降下膜(falling film)、または押出反応器が挙げられる。ジオールおよびジカルボン酸の反応は、従来のポリエステル重合条件を用い、または溶融相プロセスにより、実施できる。例えば、ポリエステルを、エステル交換反応によって,すなわちジカルボン酸成分のエステル形から、調製する場合、反応プロセスは2ステップを含むことができる。第1ステップでは、ジオール成分およびジカルボン酸成分,例えばジメチルテレフタレート等を、高温,典型的には150℃〜250℃で、0.5〜8時間、圧力0.0kPaゲージ〜414kPaゲージ(60ポンド毎平方インチ,「psig」で反応させる。例えば、エステル交換反応のための温度は、180℃〜230℃で1〜4時間の範囲であることができ、一方圧力は103kPaゲージ(15psig)〜276kPaゲージ(40psig)の範囲である。その後、反応生成物をより高温かつ減圧で加熱して、ジオールの排除とともにポリエステルを形成し、これは、これらの条件下で容易に蒸発して系から除去される。この第2ステップ、または重縮合ステップ、はより高い減圧下および温度(一般的には230℃〜350℃で0.1〜6時間である)で、インヘレント粘度によって測定したときの所望の重合度を有するポリマーが得られるまで継続する。重縮合ステップは、53kPa(400torr)〜0.013kPa(0.1torr)という減圧で有利に実施できる。撹拌または適切な条件を両段階で用いて、反応混合物の適切な伝熱および表面更新を確保する。両段階の反応速度は、適切な触媒,例えばアルコキシチタン化合物、アルカリ金属ヒドロキシドおよびアルコレート、有機カルボン酸の塩、アルキルスズ化合物、金属オキサイド等によって増大する。特に酸およびエステルの混合モノマー供給物を採用する場合には、米国特許第5,290,631号に記載されるのと同様の3段階製造手順を用いることができる。
【0029】
エステル交換反応によるジオール成分とジカルボン酸成分との反応を確実に完了させるために、1モルのジカルボン酸成分に対して1.05〜2.5モルのジオール成分を用いることが望ましい場合がある。しかし当業者は、ジオール成分のジカルボン酸成分に対する比が一般的には反応器(その中で反応プロセスが生じる)の設計によって決定されることを理解するであろう。
【0030】
直接エステル化による,すなわち酸形のジカルボン酸成分からの、ポリエステルの調製において、ポリエステルは、ジカルボン酸またはジカルボン酸の混合物をジオール成分またはジオール成分の混合物と反応させることによって製造する。反応は、圧力7kPaゲージ(1psig)〜1379kPaゲージ(200psig)、好ましくは689kPa(100psig)未満で実施して、平均重合度1.4〜10を有する低分子量ポリエステル生成物を製造する。直接エステル化反応の間に用いる温度は、典型的には、180℃〜280℃の範囲である。この低分子量ポリマーは、次いで、重縮合反応によって重合させることができる。
【0031】
ポリエステルは、ホットメルト接着剤の唯一の成分としてストレート(neat)で使用できるが、ホットメルト接着剤組成物はまた、複数種のポリマー、粘着付与剤、増量剤、改質剤、接着促進剤、成核剤、ロジン等のブレンド物を含んでレオロジー、結晶性および加工性を必要に応じて制御できる。他の可能な添加剤としては、酸化防止剤、接着促進剤またはカップリング剤(シラン系および非シラン系)、溶媒、水、紫外光硬化性反応性オリゴマー、架橋剤、光開始剤(反応性レジンプレポリマーおよび/または感光剤)、フィラー(補強性、中和導電性、難燃性、水溶性、膨張性)、相溶化剤、脱粘着剤、防炎剤、ポリエチレングリコール(「PEGS」)、指示剤、金属粒子、強化剤、ワックス、反応性希釈剤、着色剤および/または顔料、チキソトロピック剤、チョップドファイバー、無機物(シリカ、カーボネート、酸化物、フッ化物、タルク、クレーおよびスルフェート)、有機物(セルロース、ジュート)、殺生剤、防湿剤、発泡剤、保湿剤、および衝撃改質剤が挙げられる。添加剤はまた、1種以上のポリマーのブレンド物(有用である可能性があるもの)であることができる(例えば異なる材料の2種以上の基材が含まれる場合)。
【0032】
例えば、接着剤組成物は、50質量%以下の、粘着付与剤、可塑剤、ワックス、成核剤またはこれらの組合せを含むことができる。粘着付与剤の幾つかの非限定例としては、トール油、ガムまたは木材のロジンであって改質されていないもの、部分的に水素化されているもの、完全に水素化されているもの、または不均化されているもののそれぞれ、重合ロジン、ロジン誘導体,例えばロジンエステル、フェノール改質ロジンエステル、酸改質ロジンエステル、蒸留ロジン、二量化ロジン、マレエート化ロジン、および重合ロジン;炭化水素レジン,例えば脂肪族および芳香族のレジン、クマロン−インデンレジン、ポリテルペン、テルペン−フェノールレジン、フェノールレジン、マレインレジン、ケトンレジン、反応性レジン、ハイブリッドレジン、およびポリエステルレジンが挙げられる。一態様において、例えば、粘着付与剤は、トール油ロジン、ガムロジン、木材ロジン、水素化ロジン、重合ロジン、不均化ロジン、芳香族炭化水素レジン、クマロン−インデンレジン、ポリテルペン、テルペン−フェノールレジン、フェノールレジン、マレインレジン、ケトンレジン、ポリエステルレジン、またはこれらの組合せを含むことができる。炭化水素レジンは、水素化または部分水素化できる。粘着付与剤の幾つかの更なる例は、米国特許第5,418,052号;第5,442,001号;および第5,532,306号に見出すことができる。粘着付与剤の他の例としては、これらに限定するものではないが、スチレンおよびアルファメチルスチレンレジン、グリセロールおよびペンタエリスリトールエステル等が挙げられる。市販で入手可能な粘着付与剤の幾つかの例としては、WINGTACK 95TM(Goodyearから入手可能)、EASTOTAC H100TMおよびKRYSTALEXTM 3100(両者ともEastman Chemical Co.から入手可能)およびECR 149BTMまたはECR 179ATM(Exxon Chemical Co.から入手可能)が挙げられる。他の粘着付与剤としては、ロジンおよびその誘導体であってReichold Chemicalから入手可能なものが挙げられる。一例において、接着剤は、酸価145〜175mgKOH/ロジングラムを有する少なくとも1種の水素化ロジンを含む粘着付与剤を含む。
【0033】
接着剤組成物はまた、1種以上の可塑剤を含んでポリエステル成分のガラス転移温度および/または粘度を低減することができる。可塑剤の例としては、ベンゾエートエステル、フタレートエステル、シトレートエステル、ホスフェートエステル、テレフタレートエステル、イソフタレートエステルまたはこれらの組合せが挙げられる。フタレート可塑剤の幾つかの例としては、ジオクチルフタレートおよびブチルベンジルフタレート;液体ポリエステル(非結晶),例えばDYNACOL 720TM(Hulsから入手可能);ベンゾエート可塑剤,例えば1,4−シクロヘキサンジメタノールジベンゾエート(例えば、BENZOFLEX 352TM,Velsicolから市販で入手可能)、ジエチレングリコール/ジプロピレングリコールジベンゾエート(例えば、BENZOFLEX 50TM,Velsicolから市販で入手可能)およびジエチレングリコールジベンゾエートであってエステル化されたヒドロキシル基のモル分率が0.5〜0.95であるもの(例えば、BENZOFLEX 2−45TM High Hydroxyl,これもVelsicolより);ホスフェート可塑剤,例えばt−ブチルフェニルジフェニルホスフェート(例えば、SANTICIZERTM,Ferro Corporationから市販で入手可能);ポリ(エチレングリコール)であって分子量1000未満のもの、およびポリ(エチレングリコール)の誘導体(例えば、PYCATM L94,PEGのフェニルエーテル,ICIから市販で入手可能);エトキシル化ビスフェノールA(例えば、MACOL 206 EM,PPG Industriesより);ジノニルフェノールエトキシレート(例えば、SURFONICTM DNP 100,Huntsman Chemical Corp.から市販で入手可能);更に植物油および動物油,例えば脂肪酸のグリセロールエステルおよびその重合生成物が挙げられる。例えば、接着剤組成物は、ベンゾエートエステル,例えば1,4−シクロヘキサンジメタノールジベンゾエート、ネオペンチルグリコールジベンゾエート、ジプロピレングリコールジベンゾエート、プロピレングリコールジベンゾエート、イソデシルベンゾエート、アルキルベンゾエートエステル、またはこれらの組合せを含むことができる。
【0034】
接着剤組成物はまた、結合強度を改善し、コールドフローを防止または低減し、そして硬化時間を低減するために、1種以上の相溶性ワックスを含むことができる。相溶性ワックスの幾つかの代表例は、米国特許第5,750,605号に記載されている。これらの化合物は、一般的には、分子量500g/モル未満を、少なくとも1つの極性基とともに有して、ベースポリエステルとの相溶性および結晶融点を促進する。より高い極性基濃度は、より高分子量のワックスのために必要である。これらの極性基としては、ヒドロキシル、アミド(1級、2級、および3級)、スルホン、ホスフェートエステル、スルホンアミド、カーボネート、ウレア、アミン、ウレタン、およびカルボン酸;ならびにカルボキシレート、ウレア、およびスルホネート塩が挙げられる。例えば、接着剤組成物において使用できる幾つかのワックスとしては、12−ヒドロキシステアルアミド、N−(2−ヒドロキシエチル)−12−ヒドロキシステアルアミド,商標PARICINTM 220(CasChemから入手可能)によって公知、ステアルアミド,KENAMIDETM S(Witcoから入手可能)として公知、グリセリンモノステアレート、ソルビタンモノステアレート、および12−ヒドロキシステアリン酸が挙げられる。また上記との組合せで有用なものは、より低極性のワックス,例えばN,N’−エチレン−ビス−ステアルアミド(KEMAMIDETM W−40,Witcoより)、水素化ひまし油(キャスターワックス)、酸化合成ワックス、および官能化合成ワックス,例えば酸化ポリエチレワックス(PETROLITETM E−1040)が挙げられる。
【0035】
成核剤は、結晶性の形成を改質および制御するために、接着剤組成物とともに使用できる。本明細書で用いる用語「成核剤(nucleator)」は、用語「核生成剤(nucleating agent)」と同義であることが意図され、そして、ポリマー中に組み込まれたときに、ポリマー溶融物において結晶成長のための核を形成する化学物質を意味する。任意の非相溶性物質は、溶融した接着剤が冷えるに従ってこれが迅速に粒子に分かれることを条件に、成核剤として働くことができる。当該分野で周知の多様な有機および無機の成核剤を使用できる。例えば、本発明の一態様において、接着剤組成物は、低分子量ポリオレフィンおよび/またはオレフィン性アイオノマー(融解温度が70〜130℃の範囲のもの)を含む1種以上の成核剤を含む。
【0036】
一例において、我々の発明の接着剤組成物は、酸価145〜175mgKOH/ロジングラムを有する少なくとも1種の水素化ロジンを含む粘着付与剤;1,4−シクロヘキサンジメタノールジベンゾエート、ネオペンチルグリコールジベンゾエート、ジプロピレングリコールジベンゾエート、プロピレングリコールジベンゾエート、イソデシルベンゾエート、アルキルベンゾエートエステル(7〜40個の炭素原子を有するもの)またはこれらの組合せを含む可塑剤;およびポリエチレン、ポリプロピレン、オレフィン性アイオノマーまたはこれらの組合せを含む成核剤;を含むことができる。別の態様において、接着剤組成物は、上記した50〜70質量%のポリエステル、20〜40質量%の水素化ロジン、および5〜15質量%の可塑剤(1,4−シクロヘキサンジメタノールジベンゾエートを含むもの)、ワックス(ステアルアミド、12−ヒドロキシステアルアミド、N−(2−ヒドロキシエチル)−12−ヒドロキシステアルアミド、もしくはその組合せを含むもの)、または可塑剤およびワックスの組合せを含むことができる。
【0037】
本発明の接着剤は他のポリマーとブレンドして性能を拡張または向上させることができる。これらのポリマーとしては、これらに限定するものではないが、ポリオレフィン、非晶ポリオレフィン、コポリエステル、スルホポリエステル、ポリウレタン、ポリアミド、エチレン−酢酸ビニル(EVA)、酢酸ビニル−エチレン(VAE)、天然ゴム、ポリブテン、ポリイソブチレン、スチレン−ブタジエンゴム、スチレン性ジ−,トリ−および多−ブロックコポリマー(スチレン−イソプレン−スチレン、スチレン−ブタジエン−スチレン、スチレン−エチレン/プロピレン−スチレン、スチレン−エチレン/ブテン−スチレン、スチレン−イソプレン/ブタジエン−スチレン)、ニトリルゴム、エチレン−プロピレン−ジエン改質ゴム、シリコーン、ビニルピロリドン、エチレンアクリル、ポリビニルアルコール、アクリル、およびこれらのブレンド物が挙げられる。また、官能化ポリマー,例えばエポキシ化された、またはカルボキシル末端のポリマーも挙げられる。
【0038】
接着剤組成物は、典型的には、溶融粘度300〜3000センチポイズを150℃で有する。溶融粘度は、当該分野で周知の方法を用いて,例えばBrookfield DVII粘度計(サーモセルおよび27番スピンドルを備える)等を用いてASTM法 D3236,”Apparent Viscosity of Hot Melt Adhesives and Coating Materials”に従って評価できる。150℃での溶融粘度の追加の例は、300〜2500センチポイズ、300〜2000センチポイズ、500〜2500センチポイズ、300〜700センチポイズ、および1000センチポイズ以下である。収縮ラベル用にホットメルト接着剤組成物を用いる場合、接着剤の溶融粘度は、ラベルの収縮オンセット温度(「TSO」)+80℃にて3000センチポイズ以下、および別の態様において2000センチポイズ以下、であることが一般的に望ましい。例えば、RAS用途のために用いる多くのフィルムについての収縮オンセット温度は、約70℃であり;よって、ホットメルト接着剤組成物の後者の溶融粘度についての温度は、TSO+80℃=150℃である。当業者は、上記の温度および粘度は、フィルム基材の収縮オンセット温度に従って調整できることを理解するであろう。上記の粘度は、配合された接着剤についてのものであり、そして可塑剤、粘着付与剤、ベースポリマー、および他の添加剤の効果を含むことに留意すべきである。典型的には、添加剤は、総接着剤配合物の50質量%を超えないのがよい。
【0039】
ホットメルト接着剤組成物は、当該分野で公知の方法を用いて配合できる。例えば、ポリエステル、粘着付与剤、可塑剤、ワックス、成核剤および他の添加剤を、ジャケット付混合ケトル内、好ましくはジャケット付強力ミキサー内で溶融物として混合できる。混合および加熱は、平滑で均一な塊が得られるまで継続し、そして残りの化合物を完全かつ均一にこれと混合する。配合は、当該分野で周知の設備を用いて実施でき、バッチミキサー、バンバリーミキサー、ニーダー、二軸および単軸スクリュー連続コンパウンダー、ロールミル、および高剪断ミキサー(Zブレードまたはシグマブレード)が挙げられる。コンパウンドは、空気中または不活性ガス中のいずれでも実施できる。接着剤は、好ましい場合には適用前に乾燥できるが、通常は必要ない。
【0040】
環球軟化点は、本発明の接着剤について重大ではなく、そして典型的には60℃超である。基材上の接着剤の相溶性および濡れ性は、接着剤と基材との表面張力の違いにある程度依存する可能性がある。例えば、接着剤組成物の表面張力は基材のものよりも小さいことができる。別の態様において、接着剤組成物の表面張力は、基材の5ダイン/cm以内である。更に別の例において、表面張力は、基材の3ダイン/cm以内である。2つの異なる基材,例えばラベルおよび容器が含まれる場合には、接着剤は、両基材よりも小さい、またはそうでなければ両基材の5ダイン/cm以内の表面張力を有することができる。複数の接着剤アプリケーターを介して複数の基材を接着するために複数の接着剤を用いることもできる。
【0041】
本発明のホットメルト接着剤組成物を用いて、ポリエステルのラベル、フィルムおよび容器に加えて広範囲の基材を結合できる。例えば、接着剤組成物は、ポリスチレン、ポリオレフィン、ポリ塩化ビニル、ナイロン、ポリカーボネート、スチレン−アクリロニトリル、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレンポリマー、スチレン−ブタジエンコポリマー、アクリル、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、上記ポリマーのブレンド物等から作製されたフィルム上に使用できる。別の例において、接着剤組成物を用いてラベルをガラス、プラスチックおよび金属の容器に接着できる。代表例のプラスチック容器としては、ポリエステル(例えばポリ(エチレン)テレフタレート,「PET」)、ポリカーボネート、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレンおよびナイロンから形成されるものが挙げられる。
【0042】
我々の発明の別の側面は、従って、ホットメルト接着剤組成物で容器に接着されているラベルを含む容器であって、該ホットメルト接着剤組成物が:
A.接着剤組成物の総質量基準で50〜100質量%の少なくとも1種のポリエステルであって、(i)二塩基酸残基の総モル基準で、30〜60モル%のアジピン酸、グルタル酸またはこれらの組合せの残基、30〜60モル%のテレフタル酸の残基、および0〜40モル%の4〜40個の炭素原子を有する少なくとも1種の改質性ジカルボン酸の残基、を含む二塩基酸残基;ならびに(ii)ジオール残基の総モル基準で、80〜100モル%の1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオールまたはこれらの組合せの残基、および0〜20モル%の少なくとも1種の改質性ジオールの残基、を含むジオール残基;ならびに
B.0〜50質量%の粘着付与剤、可塑剤、ワックス、成核剤、またはこれらの組合せ;
を含み、該ポリエステルが、25℃にて60質量%フェノールおよび40質量%テトラクロロエタンを含む溶媒100ml当たり0.5グラムのポリマーを用いて測定したときのインヘレント粘度0.1〜0.35dL/g、融解温度70〜130℃、および融解熱0.1cal/g〜6cal/gを有し;そして
接着剤組成物が150℃にて溶融粘度300〜3000センチポイズを有する、容器である。
【0043】
上記の接着剤組成物は、上記のポリエステル、インヘレント粘度、融解熱、可塑剤、ワックス、成核剤および粘着付与剤の種々の態様を任意の組合せで包含することが理解される。例えば、改質性ジカルボン酸は、コハク酸、スベリン酸、ピメリン酸、フマル酸、マレイン酸、イタコン酸、グリコール酸、セバシン酸、アゼライン酸、ダイマー酸、イソフタル酸、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、またはこれらの組合せを含むことができ;そして改質性ジオールが、1,4−シクロヘキサンジメタノール、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,5−ペンタンジオール、ネオペンチルグリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,8−オクタンジオール、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、2,4−ジメチル−2−エチルヘキサン−1,3−ジオール;2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール、2−エチル−2−ブチル−1,3−プロパンジオール、2−エチル−2−イソブチル−1,3−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、2,2,4,4−テトラメチル−1,3−シクロブタンジオール、またはこれらの組合せを含むことができる。
【0044】
別の例において、ホットメルト接着剤組成物は、30〜60モル%のアジピン酸の残基、30〜50モル%のテレフタル酸の残基、および0〜30モル%の、イソフタル酸を含む改質性ジカルボン酸の残基を含み;そして、90〜100モル%の1,4−ブタンジオールの残基、および0〜10モル%の、ジエチレングリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノールまたはこれらの組合せを含む改質性ジオールの残基、を含むジオール残基を含む、ポリエステルを含むことができる。別の例において、ジオール残基は、100モル%の1,6−ヘキサンジオールの残基を含む。
【0045】
更なる例において、二塩基酸残基は、40〜60モル%のアジピン酸の残基、30〜45モル%のテレフタル酸の残基、および5〜30モル%の改質性ジカルボン酸の残基を含むことができ;そしてジオール残基は、90〜100モル%の1,4−ブタンジオールの残基および10〜0モル%の1,4−シクロヘキサンジメタノールの残基を含むことができる。イソフタル酸は上記例における改質性酸の一例である。
【0046】
ホットメルト接着剤のポリエステルは、上記のインヘレント粘度0.1〜0.35dL/gを有することができる。ポリエステルについてのインヘレント粘度の幾つかの追加の例は、0.1〜0.33;0.1〜0.30;0.1〜0.27;0.1〜0.25;および0.1〜0.20である。この比較的低い粘度を実現するために、ポリエステルの分子量は、典型的には、1000〜15,000g/モルの範囲である。ポリエステルの分子量範囲の幾つかの追加の例は、1000〜13,000g/モル;1000〜10,000g/モル;および1000〜8000g/モルである。
【0047】
加えて、ポリエステルは、典型的には、融解温度70〜130℃を有する。融解温度の他の例は、80〜130℃、80〜120℃、90〜120℃および100〜120℃である。前記のように、ポリエステルは、融解熱0.1cal/g〜6cal/gを有する。融解熱範囲の他の例は、0.1〜4cal/g、0.3〜4cal/g、および0.5〜3cal/gである。また、前記のように、接着剤組成物は、0〜50質量%の粘着付与剤、可塑剤、ワックス、成核剤、またはこれらの組合せを含むことができる。例えば、一態様において、粘着付与剤は、トール油ロジン、ガムロジン、木材ロジン、水素化ロジン、重合ロジン、不均化ロジン、芳香族炭化水素レジン、クマロン−インデンレジン、ポリテルペン、テルペン−フェノールレジン、フェノールレジン、マレインレジン、ケトンレジン、ポリエステルレジン、またはこれらの組合せを含むことができる。炭化水素レジンは、水素化または部分水素化できる。一態様において、接着剤は、酸価145〜175mgKOH/ロジングラムを有する少なくとも1種の水素化ロジンを含む粘着付与剤を含む。
【0048】
可塑剤の例としては、ベンゾエートエステル、フタレートエステル、シトレートエステル、ホスフェートエステル、テレフタレートエステル、イソフタレートエステルまたはこれらの組合せが挙げられる。例えば、接着剤組成物は、ベンゾエートエステル,例えば1,4−シクロヘキサンジメタノールジベンゾエート、ネオペンチルグリコールジベンゾエート、ジプロピレングリコールジベンゾエート、プロピレングリコールジベンゾエート、イソデシルベンゾエート、アルキルベンゾエートエステル、またはこれらの組合せを含むことができる。
【0049】
接着剤組成物において使用できる幾つかのワックスの代表例としては、12−ヒドロキシステアルアミド、N−(2−ヒドロキシエチル)−12−ヒドロキシステアルアミド、ステアルアミド、グリセリンモノステアレート、ソルビタンモノステアレート、および12−ヒドロキシステアリン酸が挙げられる。成核剤の代表例としては、これらに限定するものではないが、低分子量のポリオレフィンまたはオレフィン性アイオノマー(融解温度が70〜130℃の範囲のもの)またはこれらの組合せが挙げられる。例えば、一態様において、我々の発明の接着剤組成物は、ロジンの酸価145〜175mgKOHを有する少なくとも1種の水素化ロジンを含む粘着付与剤;1,4−シクロヘキサンジメタノールジベンゾエート、ネオペンチルグリコールジベンゾエート、ジプロピレングリコールジベンゾエート、プロピレングリコールジベンゾエート、イソデシルベンゾエート、アルキルベンゾエートエステル(7〜40個の炭素原子を有するもの)またはこれらの組合せを含む可塑剤;およびポリエチレン、ポリプロピレン、オレフィン性アイオノマーまたはこれらの組合せを含む成核剤;を含むことができる。別の態様において、接着剤組成物は、上記した50〜70質量%のポリエステル、20〜40質量%の水素化ロジン、および5〜15質量%の可塑剤(1,4−シクロヘキサンジメタノールジベンゾエートを含むもの)、ワックス(ステアルアミド、12−ヒドロキシステアルアミド、N−(2−ヒドロキシエチル)−12−ヒドロキシステアルアミド、もしくはその組合せを含むもの)、または可塑剤およびワックスの組合せを含むことができる。
【0050】
別の態様において、容器のホットメルト接着剤組成物は、酸価145〜160mgKOH/ロジングラムを有する少なくとも1種の水素化ロジン;1,4−シクロヘキサンジメタノールジベンゾエート、ネオペンチルグリコールジベンゾエート、ジプロピレングリコールジベンゾエート、プロピレングリコールジベンゾエート、イソデシルベンゾエート、アルキルベンゾエートエステル(7〜40個の炭素原子を有するもの)またはこれらの組合せを含む可塑剤;ならびに、ポリエチレン、ポリプロピレン、オレフィン性アイオノマーまたはこれらの組合せを含む成核剤;を含むことができる。更に別の例において、容器の接着剤組成物は、50〜70質量%のポリエステル、20〜40質量%の水素化ロジン、および5〜15質量%の、1,4−シクロヘキサンジメタノールジベンゾエートを含む可塑剤;またはステアルアミド、12−ヒドロキシステアルアミド、N−(2−ヒドロキシエチル)−12−ヒドロキシステアルアミドもしくはこれらの組合せを含むワックス;または可塑剤およびワックスの組合せ;を含むことができる。
【0051】
容器は、上記のホットメルト接着剤で該容器に接着するラベルを含む。ラベルは、少なくとも1つの層を有することができ、そして多様な材料,例えばポリエステル、ポリオレフィン、ポリ塩化ビニル、ナイロン、ポリ乳酸、紙、金属、ポリカーボネート、アクリル、またはポリスチレンのフィルムから作製できる。例えば、ラベルは収縮フィルムであることができる。加えて、ラベルは単層もしくは多層であることができ、共押出し、ラミネート、明澄、不透明、顔料入り、金属化、穿孔、印刷されていることができ、または当該分野で周知の任意の他の典型的な改質を有することができる。多層ラベルについて、個別の層は、2以上の異なるポリマー,例えばポリエステルとポリスチレン、ポリエステルとポリプロピレン、およびポリスチレンとポリプロピレン等を含むことができる。同様に、層は、1種以上の材料を一緒にブレンドすることによって製造でき、そして複数のポリエステルを一緒にブレンドすることを含んで特定の収縮性能を実現することもできる。フィルムはまた、密度を低下させ、そしてリサイクル性を改善するために、マイクロボイド(微小空洞)または発泡を有することができる。そして、これらはひいては内側、外側またはこれらの任意の組合せでボイド形成された層を有する単層または多層であることができる。添加剤、顔料、染料、粘着防止剤、スリップ剤、潤滑剤、ピニング添加剤、帯電防止剤、UV吸収剤、捕捉剤、および他の加工助剤/添加剤であって当該分野で公知のものもまたフィルムに添加できるが、これらの添加剤がホットメルト接着剤の性能に干渉しないことの確保に対する注意が必要である。フィルム厚みに制限はないが、範囲はRASラベルについて典型的には10〜100ミクロンである。
【0052】
ホットメルト接着剤は、ポリエステルフィルムから作製されるロール適用の収縮ラベルの接着およびシームに特に有用である。これらのポリエステルラベルは、多様な容器,例えばボトル、瓶、缶、箱、およびバッテリーケーシング等に取付けることができる。容器は任意の物質,例えばプラスチック,例えばポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ナイロン、ポリカーボネート、ポリスチレン、スチレン−アクリロニトリル、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレンポリマー、スチレン−ブタジエンコポリマー、アクリル、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、上記ポリマーのブレンド物等;金属、ガラス、またはこれらの物質のいずれかの組合せ;のものであることができる。
【0053】
例えば、容器はポリエステル収縮ラベル付のポリ(エチレン)テレフタレート(「PET」)のボトルまたは瓶であることができる。この組合せは、ポリエステルポリマーをリサイクルするのに便利である。ポリエステル系のホットメルト接着剤はPETと相溶性であり、PETリサイクルフレークとともに存続する任意の接着剤残留物が混入またはヘイズの問題の原因とならないからである。一般的に、接着剤は後続の加工の間にPETと混合およびトランスエステル化し、そして負の作用を殆どまたは全く有さない。
【0054】
ポリエステルラベルは、単独ポリエステルまたは2種以上のポリエステルのブレンド物を含むことができる。例えば、ポリエステルまたはポリエステルブレンド物は、総二塩基酸残基基準で80〜100モル%のテレフタル酸の残基および0〜20モル%の1種以上の改質性の酸(これらに限定するものではないが、イソフタル酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、アジピン酸、スベリン酸、セバシン酸、アゼライン酸、ダイマー酸、ドデカン二酸、スルホイソフタル酸、2,6−デカヒドロナフタレン−ジカルボン酸、4,4’−ビフェニルジカルボン酸、3,3’−および4,4−スチルベンジカルボン酸、4,4’−ジベンジルジカルボン酸、および1,4−、1,5−、2,3−、2,6−および2,7−ナフタレンジカルボン酸が挙げられる)を含むことができる。ジオール残基は、60〜99モル%のエチレングリコールを、1〜40モル%の1種以上の改質性グリコール(これらに限定するものではないが、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ジエチレングリコールプロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、2,4−ジメチル2−エチルヘキサン−1,3−ジオール、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール、ジエチレングリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、2−エチル−2−ブチル−1,3−プロパンジオール、2−エチル−2−イソブチル−1,3−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,8−オクタンジオール、2,2,4−トリメチル−1,6−ヘキサンジオール、チオジエタノール、1,2−シクロヘキサン−ジメタノール、1,3−シクロヘキサンジメタノール、2,2,4,4−テトラメチル−1,3−シクロブタンジオール等が挙げられる)を含むことができる。
【0055】
別の例において、ポリエステルまたはポリエステルブレンド物は、総二塩基酸残基基準で90〜100モル%のテレフタル酸の残基を含むことができる。別の例において、ポリエステルラベルの二塩基酸残基は、95〜100モル%のテレフタル酸残基を含むことができる。ポリエステルラベル中のテレフタル酸残基含有量の幾つかの更なる例は、90モル%超、92モル%超、95モル%超、97モル%超、および99モル%超である。ポリエステルラベルの二塩基酸残基は、10モル%以下の、4〜40個の炭素原子を含有する改質性カルボン酸の残基を更に含むことができる(所望の場合)。例えば、0〜10モル%の、8〜16個の炭素原子を含有する他の芳香族ジカルボン酸、8〜16個の炭素原子を含有する脂環式ジカルボン酸、2〜16個の炭素原子を含有する非環式ジカルボン酸、またはこれらの混合物を使用できる。改質性ジカルボン酸の例としては、これらに限定するものではないが、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、アジピン酸、スベリン酸、セバシン酸、アゼライン酸、ダイマー酸、ドデカン二酸、スルホイソフタル酸、2,6−デカヒドロナフタレンジカルボン酸、イソフタル酸、4,4’−ビフェニルジカルボン酸、3,3’−および4,4−スチルベンジカルボン酸、4,4’−ジベンジルジカルボン酸、および1,4−、1,5−、2,3−、2,6−および2,7−ナフタレンジカルボン酸が挙げられる。ここでシスおよびトランスの異性体が可能であり、純粋なシスもしくはトランスまたはシスおよびトランスの異性体の混合物を使用できる。
【0056】
ポリエステルラベルはまた、総ポリエステルジオール残基基準で5〜89モル%のエチレングリコールの残基、10〜70モル%の1,4−シクロヘキサンジメタノールの残基および1〜25モル%のジエチレングリコールの残基、を含むジオール残基を含む。ポリエステルはまた、0〜10モル%の少なくとも1種の改質性ジオールを含むことができる。改質性ジオールの幾つかの代表例は上記で列挙した通りであり、プロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、2,4−ジメチル−2−エチルヘキサン−1,3−ジオール、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール、ジエチレングリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、2−エチル−2−ブチル−1,3−プロパンジオール、2−エチル−2−イソブチル−1,3−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,8−オクタンジオール、2,2,4−トリメチル−1,6−ヘキサンジオール、チオジエタノール、1,2−シクロヘキサンジメタノール、1,3−シクロヘキサンジメタノール、2,2,4,4−テトラメチル−1,3−シクロブタンジオール等が挙げられる。
【0057】
例えば、ポリエステルラベルは、95〜100モル%のテレフタル酸残基、35〜89モル%のエチレングリコール残基、および10〜40モル%の1,4−シクロヘキサンジメタノール残基、および1〜25モル%のジエチレングリコール残基を含むことができる。別の例において、ポリエステルラベルは、50〜77モル%のエチレングリコール残基15〜35モル%の1,4−シクロヘキサンジメタノール残基、および8〜15モル%のジエチレングリコール残基を含むことができる。更に別の例において、ポリエステルラベルは、90〜100モル%のテレフタル酸の残基および52〜88モル%のエチレングリコールの残基、10〜28モル%の1,4−シクロヘキサンジメタノールの残基、および2〜20モル%のジエチレングリコールの残基を含むことができる。テレフタル酸、エチレングリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、およびジエチレングリコールの残基についてのモルパーセント範囲の他の可能な組合せは当業者には明らかであろう。
【0058】
本発明の容器の上に用いるポリエステル収縮ラベルは、典型的には、当該分野で周知の方法,例えば押出し、カレンダー、キャスト、ドラフト、テンター、またはブローによって作製される。これらの方法は、まず無配向または「キャスト」フィルムを形成し、これを続いて少なくとも1方向に延伸して配向させる。本明細書で用いる用語「配向」は、ポリエステルフィルムを延伸してポリマー鎖を方向付けまたは配向させることを意味する。よって、ポリエステルフィルムは、「1軸延伸」でき、これはポリマーマトリクスが1方向に延伸されることを意味し、または「2軸延伸」でき、これはポリマーマトリクスが2つの異なる方向に延伸されていることを意味する。典型的には、常にではないが、2方向は実質的に直角である。例えば、フィルムの場合、2方向はフィルムの長さ方向または機械方向(「MD」)(フィルムがフィルム形成機上で製造される方向)およびフィルムの横方向(「TD」)(フィルムのMDと直角の方向)である。2軸延伸される物品は、逐次延伸、同時延伸、または同時および逐次の延伸の何らかの組合せで延伸できる。一般的には、延伸またはドローの比1.1×〜8×を1以上の方向に与えて1軸または2軸に配向したフィルムを形成する。語句「延伸比」および「ドロー比」は同義を意図し、そして延伸フィルムの長さを非延伸フィルムの長さで除したものを意味する。例えば、「機械方向ドロー比」または「MDドロー比」は、機械方向におけるドロー比を意味する。同様に、「TDドロー比」は、横方向におけるドロー比を意味する。より典型的には、延伸比は4×〜6Xである。延伸は、例えば、ダブルバブルブローフィルム塔、テンターフレーム、機械方向ドラフター、カレンダーラインのドラフトおよびドローダウンの区画、またはこれらの方法の組合せを用いて実施できる。延伸は、一般的には、ポリマーのガラス転移温度(Tg)またはその近傍で実施する。ポリエステルについて、例えば、この範囲は典型的にはTg+5℃(Tg+10°F)からTg+33℃(Tg+60°F)であるが、範囲は若干添加剤に依存して変動する場合がある。より低い延伸温度は、より大きい配向をより小さいリラックス(そして従ってより大きな収縮)で与えるが、フィルム引き裂きを増大させる場合がある。これらの効果のバランスをとるために、中範囲での最適な温度をしばしば選択する。
【0059】
例えば、ラベルは熱収縮性のポリエステルフィルムから作製できる。これは機械方向(MD)にドロー比2〜7;2〜6;3〜7;3〜6;4〜7;または4〜6;で延伸する。典型的には、フィルムの延伸においては、そのガラス転移温度を超える温度までまず加熱することができる。次いでフィルムを速度毎分10〜300メートルで延伸できる。
【0060】
ラベルにおいて用いるポリエステルの熱収縮性フィルムは、1軸配向していることができ、これは加工履歴が機械方向での延伸を横方向での延伸を伴わずに含むことができることを意味する。代替として、熱収縮性フィルムの加工履歴は、横方向での追加の延伸(同時または逐次のいずれでも)をドロー比1.1未満、1.2未満、1.5未満または2.0未満で含むことができることを意味する。例えば、熱収縮性フィルムは、機械方向でドロー比2〜6にて、そして横方向でドロー比1.2〜1.6にて、延伸できる。
【0061】
延伸後のアニールまたは熱セットを用いてフィルムの収縮特性を適合させることができるが、張力下でのフィルムのアニールは、追加のネックインに起因するTD成長を増大させる原因となる可能性がある。用語「ネックイン」は、ウエブが、これを機械方向で延伸するに従って受ける幅の減少を意味する。アニールの時間および温度は、機械によって、そして各配合で変動するが、典型的にはTgからTg+50℃で1〜15秒間の範囲である。より高い温度は、通常はより短いアニール時間を必要とし、そしてより高いラインスピードのために好ましい。アニールプロセスは、典型的には、MD収縮をしかるべく低減させる。一般的には、更なるネックインおよびTD成長を防止するために、アニールはフィルムが低張力下にある間に実施するのがよい。例えば、一態様において、アニールは、フィルムウエブの延伸後の総ネックインが5%以下に維持される条件下で実施する。
【0062】
一態様において、ラベルは、最終収縮20%以上、好ましくは40%以上を有する機械方向(MD)配向ポリエステルフィルムを含む。別の態様において、フィルムは、軸外の収縮または成長(TD方向)10%未満を有するのがよい。本明細書で用いる語句「TDの成長または収縮」は、フィルムウエブ(ここからラベルを切断する)の駆動側、中央、またはオペレーター側で測定したときのTDの成長または収縮を意味することを意図する。例えば、フィルムのいずれかの区画がTDの成長または収縮を10%超で示す場合には、フィルムはTDの成長または収縮を10%超有すると考える(フィルムウエブの他の区画が10%未満の成長または収縮を示したとしても)。フィルムは、任意の標準的なフィルムプロセス(同時または逐次の2軸延伸、ドラフト、テンター、カレンダー、またはブローフィルム(シングルバブルまたはダブルバブル)が挙げられる)によって製造できる。典型的には、本明細書に記載するポリエステルフィルムは通常、収縮オンセット温度60〜80℃を有する。
【0063】
例えば、一態様において、ラベルは2軸延伸されたフィルムを含むことができる。これは熱収縮性フィルムが25〜85%の機械方向(MD)収縮および10%未満の軸外(TD)の収縮または成長を、95℃水中に10秒間浸漬した際に受ける。これらの特性を有するフィルムは、(i)機械方向(MD)でドロー比3〜6にてガラス転移温度よりも高温で延伸すること、(ii)横方向(TD)でドロー比1.1〜3にて延伸すること、および(iii)フィルムをテンターフレームの熱セット部分で温度80〜180℃にてアニールすること、によって製造できる。
【0064】
別の態様において、本発明の容器に接着したラベルは、25〜85%の機械方向収縮および0〜10%の横方向の収縮または成長を、水中に95℃で10秒間浸漬した際に有することができる。熱収縮性ラベルを特徴付けることができるMD収縮の幾つかの追加の例としては、25〜80%;25〜75%;25〜70%;25〜65%;25〜60%;25〜50%;25〜45%;25〜40%;30〜85%;30〜80%;30〜75%;30〜70%;30〜65%;30〜60%;30〜55%;30〜50%;35〜85%;35〜80%;35〜75%;35〜70%;35〜65%;35〜60%;35〜55%;35〜50%;40〜85%;40〜80%;40〜75%;40〜70%;40〜65%;40〜60%;40〜55%;40〜50%;45〜85%;45〜80%;45〜75%;45〜70%;45〜65%;45〜60%;45〜55%;50〜85%;50〜80%;50〜75%;50〜70%;または50〜60%が挙げられる。加えて、熱収縮性ラベルは、0〜4,0〜5,0〜6,0〜7,0〜8,または0〜10%の横方向の収縮または成長を有することができる。
【0065】
ポリエステルラベルはまた、ポリエステルフィルムとは非相溶性でその中に分散している少なくとも1種のポリマーを含むボイド形成剤を更に含むことができる。本明細書で用いる用語「ボイド」、「マイクロボイド」および「マイクロポア」は同義であることを意図し、そして当業者によって、ラベルのポリエステルフィルムの表面の下のポリエステル中に含有される微小な不連続のボイドまたはポア(物品の製造中に意図的に形成するもの)を意味することがよく理解される。同様に、ポリエステルラベルに関して本明細書で用いる用語「ボイド形成した」、「マイクロボイド形成した」、「空洞形成(cavitate)した」および「ボイド含有」は同義であることが意図され、そして「微小な不連続のボイドまたはポアを含有すること」を意味する。本発明のラベルは、ポリエステルマトリクス中に分散している「ボイド形成剤」を包含する。本明細書で用いる用語「ボイド形成剤」は、用語「ボイド形成組成物」、「マイクロボイド形成剤」、および「空洞剤」と同義であり、そしてポリマーマトリクスの配向または延伸の際にポリマーマトリクス中のボイドの形成を引き起こしまたはその原因となるのに有用なポリマーマトリクス中に分散している物質を意味することが理解される。本明細書で用いる用語「ポリマーマトリクス」は、用語「マトリクスポリマー」と同義であり、そして連続相(ここで、ボイド形成剤の粒子が連続相によって囲まれそして含有されるようにボイド形成剤が繰り返すが分散していることができる)を与えるポリエステルまたはポリエステルブレンド物を意味する。
【0066】
使用できる典型的なボイド形成剤としては、セルロースポリマー、スターチ、エステル化スターチ、ポリケトン、ポリエステル、ポリアミド、ポリスルホン、ポリイミド、ポリカーボネート、オレフィン性ポリマー、およびこれらのコポリマーから選択される少なくとも1種のポリマーが挙げられる。本明細書で用いる用語「オレフィン性ポリマー」は、エチレン性不飽和モノマー,例えばポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリ(アクリロニトリル)、ポリ(アクリルアミド)、アクリルポリマー、ポリ(酢酸ビニル)、ポリ(塩化ビニル)等の付加重合によって得られるポリマー、およびこれらのポリマーのコポリマーを意味することを意図する。ボイド形成剤はまた、1種以上の無機化合物,例えばタルク、二酸化ケイ素、二酸化チタン、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、カオリン、珪灰石、およびマイカを含むことができる。ボイド形成剤はまた、ポリマー物質および無機物質の組合せを含むことができる。ポリエステルフィルムは、配向または延伸にて、ポリエステルマトリクスのTgまたはこれを超える温度でボイドを形成する。延伸は、1つ以上の方向で、延伸比またはドロー比少なくとも1.5で実施できる。よって、前記のように、組成物は「1軸延伸」でき、これはポリエステルが1方向に延伸されることを意味し、または「2軸延伸」でき、これはポリエステルが2つの異なる方向に延伸されていることを意味する。
【0067】
ボイド形成剤は、1種以上のポリマーを含むことができる。ボイド形成剤は、単独ポリマーまたは1種以上のポリマーのブレンド物であることができる。例えば、ボイド形成剤は、セルロースポリマー、スターチ、エステル化スターチ、ポリケトン、フッ素ポリマー、ポリアセタール、ポリエステル、ポリアミド、ポリスルホン、ポリイミド、ポリカーボネート、オレフィン性ポリマー、およびこれらのポリマーと他のモノマーとのコポリマー,例えばエチレンとアクリル酸およびそのエステルとのコポリマー、等から選択される少なくとも1種のポリマーを含むことができる。セルロースポリマーは、特に有効なボイド形成剤である。例えば、ボイド形成剤は、マイクロクリスタリンセルロース、セルロースエステル、またはセルロースエーテルの1種以上を含む少なくとも1種のセルロースポリマーを含む第1のポリマーを含むことができる。別の例において、第1のポリマーは、セルロースエステル,例えばセルロースアセテート、セルローストリアセテート、セルロースアセテートプロピオネート、またはセルロースアセテートブチレート等であることができる。更に別の例において、第1のポリマーはセルロースエーテル(これらに限定するものではないが、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルエチルセルロース、またはカルボキシメチルセルロースの1種以上を挙げることができる)であることができる。
【0068】
ボイド形成剤はまた、ポリアミド、ポリケトン、ポリスルホン、フッ素ポリマー、ポリアセタール、ポリエステル、ポリカーボネート、オレフィン性ポリマー、またはこれらのコポリマーから選択される1種以上のポリマーを含む第2のポリマーを含むことができる。例えば、第2のポリマーとしては、これらに限定するものではないが、1種以上のオレフィン性ポリマー,例えばポリエチレン、ポリスチレン、ポリプロピレンおよびこれらのコポリマーを挙げることができる。オレフィン性コポリマーの更なる非限定例としては、エチレン酢酸ビニル、エチレンビニルアルコールコポリマー、エチレンメチルアクリレートコポリマー、エチレンブチルアクリレートコポリマー、エチレンアクリル酸コポリマー、アイオノマー、またはこれらの混合物が挙げられる。オレフィン性コポリマー,例えばエチレンメチルアクリレートコポリマー(本明細書で「EMAC」と略す)、エチレンブチルアクリレート(本明細書で「EBAC」と略す)、エチレンアクリル酸(本明細書で「EAA」と略す)コポリマー、マレエート化、酸化またはカルボキシル化されたPE、およびアイオノマー等を、上記のセルロースポリマーとともに第2のポリマーとして有利に使用してフィルムの不透明性を増大ならびに全体の美観および感触を改善することができる。これらのオレフィン性ポリマーはまた、セルロース物質のコンパウンドおよび分散を助けることができる。よって、例えば、第2のポリマーは、EMACまたはEBACの1種以上を含むことができる。別の態様において、例えば、ボイド形成剤は、セルロースアセテート、セルローストリアセテート、セルロースアセテートプロピオネート、セルロースアセテートブチレート、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルエチルセルロース、カルボキシメチルセルロースまたはこれらの混合物を含む第1のポリマー;およびポリエチレン、ポリスチレン、ポリプロピレン、エチレン酢酸ビニル、エチレンビニルアルコールコポリマー、エチレンメチルアクリレートコポリマー、エチレンブチルアクリレートコポリマー、エチレンアクリル酸コポリマー、アイオノマーまたはこれらの混合物を含む第2のポリマー;を含むことができる。別の例において、第1のポリマーは、セルロースアセテートまたはセルロースアセテートプロピオネートの1種以上を含むことができ、そして第2のポリマーはポリスチレン、ポリプロピレン、エチレンメチルアクリレートコポリマーまたはこれらの混合物を含むことができる。更に別の例において、第1のポリマーは、セルロースアセテートを含み、第2のポリマーはポリプロピレンおよびエチレンメチルアクリレートコポリマーを含む。
【0069】
ボイド形成剤の第1のポリマーおよび第2のポリマーとして使用できるポリマーは、当該分野で周知の方法に従って調製できるか、または市販で得ることができる。本発明において使用できる市販で入手可能なポリマーの例としては、EASTARTM,EASTAPAKTM,SPECTARTM,およびEMBRACETMのポリエステルおよびコポリエステル(Eastman Chemical Coから入手可能);LUCITETMアクリル(Dupontから入手可能);TENITETMセルロースエステル(Eastman Chemical Co.から入手可能);LEXANTM(Sabic Innovative Plasticsから入手可能)またはMAKROLONTM(Bayerから入手可能)ポリカーボネート;DELRINTMポリアセタール(Dupontから入手可能);K−RESINTM(Phillipsから入手可能)およびFINACLEARTM/FINACRYSTATM(Atofinaから入手可能)スチレン物質およびスチレン性コポリマー;FINATHENETM(Atofinaから入手可能)およびHIFORTM/TENITETM(Eastmanから入手可能)ポリエチレン;ZYTETMナイロン(Dupontから入手可能);ULTRAPEKTMPEEK(BASFから入手可能);KAPTONTMポリイミド(Dupontから入手可能);ならびにTEDLARTMおよびKYNARTMフッ素ポリマー(DupontおよびAtofinaからそれぞれ入手可能)が挙げられる。
【0070】
ボイド含有ポリエステルラベルは、一般的には、フィルムの総質量基準で1〜40質量%のボイド形成剤を含有する。フィルム中のボイド形成剤の含有量の他の例は、5〜35質量%、10〜35質量%、15〜35質量%、および15〜30質量%である。典型的には、ボイド形成剤は、ボイド形成剤の総質量基準で5〜95質量%の第1のポリマーを含む。ボイド形成剤中の第1のポリマーの他の質量%範囲は、30〜60質量%および50〜60質量%である。ボイド形成剤がセルロースポリマーおよびオレフィンポリマーを含む場合、ボイド形成剤は、典型的には、組成物の総質量基準で少なくとも5質量%以上のセルロースポリマーを含む。例えば、ボイド形成剤は、少なくとも30質量%のセルロースポリマーを含むことができる。ボイド形成剤の成分は、混合装置,例えば2軸押出機、遊星ミキサー、またはバンバリーミキサーで一緒にコンパウンドでき、または、成分をフィルム形成中に別個に添加できる。少量の無機ボイド形成剤もまた含まれることができる。セルロースポリマーとオレフィン(ここでオレフィンはその中にセルロース物質を分散させる担体レジンの一部として使用できる)とを予めコンパウンドすることが望ましい場合がある。オレフィンとセルロースポリマーとを予めコンパウンドすることは、オレフィンがセルロースポリマーを分散させるための媒体として働き、そして有効な水分バリアを与えて最終押出し前に水分がセルロースポリマー中に入り込むことを防止するという更なる利点を与える。加えて、ボイド形成剤は取り扱いおよび乾燥がより容易である。ポリマーのブレンド物をボイド形成剤として使用することもまた、十分な剪断(例えば2軸押出機または高剪断単軸押出機を用いることによる)を用いてボイド形成剤の成分を適切に分散させる限りは可能である。
【0071】
上記のように、本発明のホットメルト接着剤組成物は、ロールオンの収縮ラベルを容器に接着させるために使用できる。従って、我々の発明はまた、ロールオンの収縮ラベルを容器に適用する方法を包含し、該方法は:
I.ホットメルト接着剤を、熱収縮性ラベル、容器、またはこれらの組合せの上の1つ以上の位置に適用し、ホットメルト接着剤が
A.接着剤組成物の総質量基準で50〜100質量%の少なくとも1種のポリエステルであって、(i)二塩基酸残基の総モル基準で、30〜60モル%のアジピン酸、グルタル酸またはこれらの組合せの残基、30〜60モル%のテレフタル酸の残基、および0〜40モル%の4〜40個の炭素原子を有する少なくとも1種の改質性ジカルボン酸の残基、を含む二塩基酸残基;ならびに(ii)ジオール残基の総モル基準で、80〜100モル%の1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオールまたはこれらの組合せの残基、および0〜20モル%の少なくとも1種の改質性ジオールの残基、を含むジオール残基;ならびに
B.0〜50質量%の粘着付与剤、可塑剤、ワックス、成核剤、またはこれらの組合せ;
を含み、該ポリエステルが、25℃にて60質量%フェノールおよび40質量%テトラクロロエタンを含む溶媒100ml当たり0.5グラムのポリマーを用いて測定したときのインヘレント粘度0.1〜0.35dL/g、融解温度70〜130℃、および融解熱0.1cal/g〜6cal/gを有し;そして
接着剤組成物が150℃にて溶融粘度300〜3000センチポイズを有すること;
II.該容器の周りに該ラベルを取付けてラベル付容器を得ること;
III.適用されたホットメルト接着剤を少なくとも部分的に結晶化させること;および
IV.該ラベル付容器を加熱することによって該ラベルを収縮させること;
を含む。
上記方法は、ホットメルト接着剤組成物について上記される種々の態様を包含することが理解され、例えば、ポリエステル、インヘレント粘度、融解熱、可塑剤、ワックス、成核剤、および粘着付与剤の任意の組合せ;容器;およびポリエステルラベル;での種々の態様等である。例えば、ホットメルト接着剤組成物は、30〜60モル%のアジピン酸の残基、30〜50モル%のテレフタル酸の残基、および0〜30モル%のイソフタル酸の残基、を含む二塩基酸残基;ならびに、80〜100モル%の1,4−ブタンジオールの残基、および0〜10モル%のジエチレングリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノールまたはこれらの組合せの残基、を含むジオール残基、を含むポリエステルを含むことができる。別の例において、ジオール残基は100モル%の1,6−ヘキサンジオールの残基を含むことができる。
【0072】
ホットメルト接着剤を用いて、熱収縮ラベルを適切な容器に、例えば米国特許第4,704,173号および第4,844,957号に記載される従来の包装設備を用いて、取付けることができる。これらの方法は、ガラス、金属またはプラスチックの、筒状または多面状の容器のラベリングにおいて特に有用であり、そしてポリエステル、ポリオレフィン(例えばポリプロピレンまたはポリエチレン)、ポリ塩化ビニルのフィルム、または類似のプラスチックシートから調製されるラベルのために使用できる。
【0073】
ホットメルト接着剤は、熱収縮性ラベル上の1つ以上の位置に、当該分野で公知の任意の方法(ワイプオン、スプレー、ローラー、ノズル、発泡ホットメルトアプリケーター、高低圧アプリケーター、グラビア、接着ガン、ホイール、パターンコーター等が挙げられる)で適用できる。例えば、ホットメルト接着剤は、ラベルの一端または両端および1つ以上の表面に適用できる。代替として、接着剤は、ラベルのまたは容器上の1つの表面に適用できる。他の用途は、2つの基材の1つに接着剤を適用するための任意の方法であって、その後に2つを直ちに一緒にして接着結合を形成するものを包含できる。例えば、ラベルは、ラベルの前縁および後縁にて概略垂線でこれに適用するホットメルト接着剤を有することができる。ラベルの残り部分は、好ましくは、ラベルが収縮するに従ってラベル材料の皴の原因となることなくラベルがシフトできるように、接着剤を含まない。代替として、押出しコーター、ドクターブレード、スロットダイコーター等でホットメルトを基材に適用し、次いで熱活性化で別の基材にラミネートする用途を想定できる。接着剤は、任意の厚みで、プライマー、ライナーまたは離型コーティングを伴いまたは伴わずに、適用できる。接着剤はまた、他のシーム法と併用して適用できる。例えば、別の方法,例えば溶媒シーム、超音波シーム、またはレーザーシーム等を用いてシームするために、ホットメルト接着剤を用いてラベルを容器に粘着させることができる。
【0074】
接着剤を適用した後、ラベルを当該分野で公知の任意の方法によって容器に取付ける。例えば、ホットメルト接着剤は、容器の狭い領域またはフィルム部分の前縁に適用して、フィルムの前縁を容器、容器の回りに巻付けたフィルムおよび容器に固定されているフィルム部分(後縁を重複させることにより)(その狭い領域はホットメルト接着剤でコートされている)に固定できる。
【0075】
接着剤を適用する間、回転減圧ドラムまたは当該分野で周知の他のラベル輸送機構によって、ラベルを支持および輸送できる。ラベルの前縁は、容器または他の物品と正のまたは圧縮の接触をさせて、2つの間の接着結合を与える。その後容器をその軸について回転させて、容器の周りにラベル全量を巻付ける。
【0076】
ラベルの後縁が下地のラベルの前縁と初期接触するに従い、ラベルの支持されていないまたは独立しているシーム部分に圧縮力を適用する。この力は空気圧手段(例えば支持されていないシームの内側壁に対して容器の軸から概略外側に向けられるエアの噴流)で簡便に与えられる。減圧ドラムまたは他のラベル輸送装置の壁は簡便な裏当て(これに対して空気力を働かせることができる)を与える。機械的手段(例えばホイール、指等)はまた、エア噴流に置き換えてラベルシームに対する必要な圧縮力を与えることができる。ラベルの前縁と後縁との間の初期接触の重大局面でのこのような圧縮力の適用は、2つの端部の親密な接触を維持する一方でシーム結合を形成するのに有効である。
【0077】
ラベルへの適用前に、ホットメルト接着剤は融解温度(「Tm」)より高温で溶融させ、これによりこれを結晶固体から液体にする。しかし、収縮ラベルへの適用前に、接着剤を冷却して収縮ラベルの温度を収縮オンセット温度よりも低く低減する一方で接着剤を液体形状に維持することが望ましい。
【0078】
ラベルを容器に固定した後、容器を加熱してラベルを収縮させる前に、これを少なくとも部分的に結晶化する。結晶化の量は、とりわけ、ポリエステル組成、成核剤の存在、ホットメルト接着剤の適用温度、および接着剤の適用と収縮オーブン内での容器の加熱の開始との間の持続時間によって調整できる。一旦基材に適用された接着剤は冷え続け、そして急速に結晶化して高モジュラスの固体に固まり始める。結晶化度は、示差走査熱量測定で融解吸熱を測定することによって評価できる。典型的には、再結晶化温度(「Trcry」)(すなわち、冷却時に生じる結晶化温度、「Tcc」という,または後続の加熱時に生じる結晶化温度(「Tch」)のいずれか、両者が存在する場合にはいずれか初めに生じる方)は収縮オンセット温度Tso未満(複数の再結晶化ピークが存在する場合には、少なくとも1つがTso未満でなければならない)である。一態様において、例えば、再結晶化温度はTsoよりも少なくとも20℃低いことができる。
【0079】
ホットメルト接着剤を少なくとも部分的に結晶化させた後、ラベル付容器を加熱してラベルを収縮させる。ラベル付容器は、典型的には容器を収縮オーブンまたはトンネルに、当該分野で周知の方法に従ったラベルの収縮オンセット温度よりも高い温度で、通すことによって加熱する。典型的な収縮トンネルは、スチーム、高温エア、赤外ヒーター、またはこれらの方法の組合せを用いて、温度80〜90℃を維持する。収縮トンネル内の容器についての典型的な滞留時間は2〜20秒間である。
【0080】
ロール適用の収縮ラベル用途において一般的に用いる容器およびフィルムの材料に加え、本発明の接着剤組成物はまた、多くの基材(アルミニウム、銅、鉛、他の金属、および他の金属化ポリマーフィルム、紙、皮革、ガラス、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、ポリエステル、セルロース物質(セロハン(登録商標)およびセルロースアセテート)、ポリスチレン、ポリウレタン、アクリル、ポリイミド、超高分子量ポリエチレン、ポリカーボネート、ポリビニルアルコール、ポリアミド、ポリラクチド、スチレン−アクリロニトリル、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレンポリマー、スチレン−ブタジエンコポリマー、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ブレンド物、発泡体、織布、不織布、ティシュー、および合成紙が挙げられる)に適用できる。
【0081】
他の一般的な適用領域としては、ケースおよびカートンシーリング、ダンボール箱、トレーシーリング、紙ラミネート、不織布(例えば、おむつ、衛生用品、失禁用品、使い捨てガーメント、フィルターおよびセパレーター)、弾性留め具、構造接着剤、書籍および定期刊行物のための綴じ具、ラベル、バッグ、布帛、カーペットシーム、家具(オフィスパーティションおよび作り付け家具が挙げられる)、缶、チューブ、ドラム、コートされた研磨具(サンドペーパー、サンドディスク、サンドベルト、研削砥石等)、自動車用吸音防音接着剤、ワックス様コーティング(撥水性)、パッケージ用コーティング、コンポジット、発泡体、膜、スポンジ、プライマー、後から使用者によって熱活性化されるポリエステルフィルム用ホットメルト、フレキシブル印刷回路フィルムボンディング、ステッチレスソーイング、補強シームに対する接着剤、フットウエア、アートおよびホビー、多層紙袋、特殊袋、タバコの紙およびフィルター、共押出しのタイコート、飲料缶および食品を閉じるための剥がせるトップ、シームでシールまたは接着剤で結合した容器、インク、フラックス、木材製品(プライウッド、再生木材板製品、硬質板、中密度繊維板、パーティクルボード、配向ストランドボードが挙げられる)、およびガラスラミネート接着剤が挙げられる。
【0082】
一態様において、例えば、接着剤組成物は、100%リサイクル可能な、ポリエステル接着剤およびポリエステル裏当てを含む感圧接着剤である。別の態様において、本発明の接着剤は、塗料およびインクに対する改質剤として使用できる。更に別の態様は、蓋フィルム用および関係するパッケージ用途のための剥がせるシールを製造するためのこれらの接着剤の用途である。
【0083】
本発明はまた、以下の段落[0083]〜[0101]に記載される以下の態様を包含する:
A.接着剤組成物の総質量基準で50〜100質量%の少なくとも1種のポリエステルであって、(i)二塩基酸残基の総モル基準で、30〜60モル%のアジピン酸、グルタル酸またはこれらの組合せの残基、30〜60モル%のテレフタル酸の残基、および0〜40モル%の4〜40個の炭素原子を有する少なくとも1種の改質性ジカルボン酸の残基、を含む二塩基酸残基;ならびに(ii)ジオール残基の総モル基準で、80〜100モル%の1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオールまたはこれらの組合せの残基、および0〜20モル%の少なくとも1種の改質性ジオールの残基、を含むジオール残基;ならびに
B.0〜50質量%の粘着付与剤、可塑剤、ワックス、成核剤、またはこれらの組合せ;
を含み、該ポリエステルが、25℃にて60質量%フェノールおよび40質量%テトラクロロエタンを含む溶媒100ml当たり0.5グラムのポリマーを用いて測定したときのインヘレント粘度0.1〜0.35dL/g、融解温度70〜130℃、および融解熱0.1cal/g〜6cal/gを有し;そして
接着剤組成物が150℃にて溶融粘度300〜3000センチポイズを有する、ホットメルト接着剤組成物。
【0084】
段落[0083]の態様を包含する接着剤組成物であって、改質性ジカルボン酸が、コハク酸、スベリン酸、ピメリン酸、フマル酸、マレイン酸、イタコン酸、グリコール酸、セバシン酸、アゼライン酸、ダイマー酸、イソフタル酸、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、またはこれらの組合せを含み;そして改質性ジオールが、1,4−シクロヘキサンジメタノール、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,5−ペンタンジオール、ネオペンチルグリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,8−オクタンジオール、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、2,4−ジメチル−2−エチルヘキサン−1,3−ジオール;2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール、2−エチル−2−ブチル−1,3−プロパンジオール、2−エチル−2−イソブチル−1,3−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、2,2,4,4−テトラメチル−1,3−シクロブタンジオール、またはこれらの組合せを含む、接着剤組成物。
【0085】
段落[0084]の態様を包含する接着剤組成物であって、二塩基酸残基が、30〜60モル%のアジピン酸の残基、30〜50モル%のテレフタル酸の残基、および0〜30モル%の改質性ジカルボン酸の残基を含み;そしてジオール残基が、90〜100モル%の1,4−ブタンジオールの残基、および0〜10モル%の改質性ジオールの残基を含む、接着剤組成物。
【0086】
段落[0085]の態様を包含する接着剤組成物であって、改質性ジカルボン酸が、イソフタル酸を含み;そして改質性ジオールが、ジエチレングリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、またはこれらの組合せを含む、接着剤組成物。
【0087】
段落[0086]の態様を包含する接着剤組成物であって、二塩基酸残基が、40〜60モル%のアジピン酸の残基、30〜45モル%のテレフタル酸の残基、および5〜30モル%の改質性ジカルボン酸の残基を含み:そして改質性ジオールが、1,4−シクロヘキサンジメタノールを含む、接着剤組成物。
【0088】
段落[0083]〜[0087]のいずれか1つの態様を包含する接着剤組成物であって、粘着付与剤が、トール油ロジン、ガムロジン、木材ロジン、水素化ロジン、重合ロジン、不均化ロジン、芳香族炭化水素レジン、クマロン−インデンレジン、ポリテルペン、テルペン−フェノールレジン、フェノールレジン、マレインレジン、ケトンレジン、ポリエステルレジン、またはこれらの組合せを含み;可塑剤が、ベンゾエートエステル、フタレートエステル、シトレートエステル、ホスフェートエステル、テレフタレートエステル、イソフタレートエステル、またはこれらの組合せを含み;ワックスが、ステアルアミド、12−ヒドロキシステアルアミド、N−(2−ヒドロキシエチル)−12−ヒドロキシステアルアミド、グリセリンモノステアレート、ソルビタンモノステアレート、12−ヒドロキシステアリン酸、またはこれらの組合せを含み;そして、成核剤が、融解温度70〜130℃を有するポリオレフィンまたはオレフィン性アイオノマー、またはこれらの混合物を含む、接着剤組成物。
【0089】
段落[0083]〜[0088]のいずれか1つの態様を包含する接着剤組成物であって、粘着付与剤が、酸価145〜160mgKOH/ロジングラムを有する少なくとも1種の水素化ロジンを含み;可塑剤が、1,4−シクロヘキサンジメタノールジベンゾエート、ネオペンチルグリコールジベンゾエート、ジプロピレングリコールジベンゾエート、プロピレングリコールジベンゾエート、イソデシルベンゾエート、7〜40個の炭素原子を有するアルキルベンゾエートエステル、またはこれらの組合せを含み;そして、成核剤が、ポリエチレン、ポリプロピレン、オレフィン性アイオノマー、またはこれらの組合せを含む、接着剤組成物。
【0090】
段落[0083]〜[0089]のいずれか1つの態様を包含する接着剤組成物であって、50〜70質量%のポリエステル、20〜40質量%の水素化ロジン、および5〜15質量%の、1,4−シクロヘキサンジメタノールジベンゾエートを含む可塑剤;またはステアルアミド、12−ヒドロキシステアルアミド、N−(2−ヒドロキシエチル)−12−ヒドロキシステアルアミドもしくはこれらの組合せを含むワックス;または可塑剤とワックスとの組合せ、を含む、接着剤組成物。
【0091】
段落[0083]〜[0090]のいずれか1つの態様を包含する接着剤組成物であって、ポリエステルが融解熱0.1〜4cal/gを有する、接着剤組成物。
【0092】
段落[0083]〜[0091]のいずれか1つの態様を包含する接着剤組成物であって、0.1〜5質量%の成核剤を含む、接着剤組成物。
【0093】
段落[0083]〜[0092]のいずれか1つのホットメルト接着剤組成物を含む、ホットメルト接着剤組成物で容器に接着されているラベルを含む、容器。
【0094】
段落[0093]の態様を包含する容器であって、接着剤組成物のポリエステルが融解熱0.1〜4cal/gおよび融解温度90〜120℃を有する、容器。
【0095】
段落[0093]または[0094]の態様を包含する容器であって、ラベルが、少なくとも1つの層を有しかつポリエステル、ポリオレフィン、ポリ塩化ビニル、ポリ乳酸、紙、金属、またはポリスチレンのフィルムを含む、容器。
【0096】
段落[0093]、[0094]および[0095]のいずれか1つの態様を包含する容器であって、ラベルが収縮ラベルである、容器。
【0097】
段落[0093]〜[0096]のいずれか1つの態様を包含する容器であって、ラベルが、二塩基酸残基の総モル基準で90〜100モル%のテレフタル酸の残基を含む二塩基酸残基;ならびに、ジオール残基の総モル基準で、52〜88モル%のエチレングリコールの残基、10〜28モル%の1,4−シクロヘキサンジメタノールの残基、および2〜20モル%のジエチレングリコールの残基、を含むジオール残基;を含むポリエステルフィルムを含む、容器。
【0098】
段落[0093]〜[0097]のいずれか1つの態様を包含する容器であって、ラベルが、25〜85%の機械方向の収縮および0〜10%の横方向の収縮または伸びを有する、容器。
【0099】
段落[0093]〜[0098]のいずれか1つの態様を包含する容器であって、ポリエステルラベルが、ポリエステルフィルムと非相溶性でその中に分散している少なくとも1種のポリマーを含むボイド形成剤を更に含む、容器。
【0100】
段落[0093]〜[0099]のいずれか1つの態様を包含する容器であって、ボトル、瓶、缶、箱、またはバッテリーケーシングである、容器。
【0101】
ロールオンの収縮ラベルを容器に適用する方法であって:
I.段落[0083]〜[0092]のいずれか1つの態様を包含するホットメルト接着剤を、熱収縮性ラベル、容器、またはこれらの組合せの上の1つ以上の位置に適用し、該ホットメルト接着剤が
A.接着剤組成物の総質量基準で50〜100質量%の少なくとも1種のポリエステルであって、(i)二塩基酸残基の総モル基準で、30〜60モル%のアジピン酸、グルタル酸またはこれらの組合せの残基、30〜60モル%のテレフタル酸の残基、および0〜40モル%の4〜40個の炭素原子を有する少なくとも1種の改質性ジカルボン酸の残基、を含む二塩基酸残基;ならびに(ii)ジオール残基の総モル基準で、80〜100モル%の1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオールまたはこれらの組合せの残基、および0〜20モル%の少なくとも1種の改質性ジオールの残基、を含むジオール残基;ならびに
B.0〜50質量%の粘着付与剤、可塑剤、ワックス、成核剤、またはこれらの組合せ;
を含み、該ポリエステルが、25℃にて60質量%フェノールおよび40質量%テトラクロロエタンを含む溶媒100ml当たり0.5グラムのポリマーを用いて測定したときのインヘレント粘度0.1〜0.35dL/g、融解温度70〜130℃、および融解熱0.1cal/g〜6cal/gを有し;そして
接着剤組成物が150℃にて溶融粘度300〜3000センチポイズを有すること;
II.該容器の周りに該ラベルを取付けてラベル付容器を得ること;
III.適用されたホットメルト接着剤を少なくとも部分的に結晶化させること;および
IV.該ラベル付容器を加熱することによって該ラベルを収縮させること;
を含む、方法。
【0102】
本発明は以下の例によって更に説明できる。
【0103】

インヘレント粘度(IV)値は、25℃にて60/40 wt/wtのフェノール/テトラクロロエタン中で測定した。ポリマーサンプルは、溶媒中に、濃度0.25g/50mLで溶解させた。ポリマー溶液の粘度は、Viscotek Modified Differential Viscometerを用いて評価した。差動式粘度計の操作原理の説明は、ASTM法 D 5225に見出すことができる。
【0104】
溶融粘度は、ASTM法 D3236、”Apparent Viscosity of Hot Melt Adhesives and Coating Materials,”に従い、Brookfield DVII粘度計(サーモセルおよび♯27スピンドルを備える)を用いて測定した。そして表1および2に示す。測定温度は、名目12グラムのサンプルを用いて150℃であった。本明細書で規定する溶融粘度の要件は、完全に配合した接着剤に基づき、従って可塑剤、粘着付与剤、成核剤および他の添加剤の効果を含む。
【0105】
融解温度(Tm)、ガラス転移温度(Tg)、融解熱(ΔHm)、冷却時の結晶化温度(Tcc)、および加熱時の結晶化温度(Tch)は、示差走査熱量計(DSC)を用い、ASTM法 D3418(小さい変更を伴う)に従って測定した。そして表1および2に示す。サンプル質量は各測定の前に測定し、そして約2〜5mgの間であった。1回目および2回目の加熱スキャンは、スキャン速度20℃/分で実施した。1回目および2回目の加熱の間の冷却スキャンもまた、冷却時の結晶化ピーク(Tcc)の存在を評価するためにこの同じ速度で実施した。スキャンは、典型的には、約−50℃〜175℃の間で実施して、Tgおよび全ての融解ピークを確実に検出した。3回目のクールダウンおよび2回目の加熱によるデータを表1および2に報告する。冷却時の結晶化ピークが存在した場合には、Tccは結晶化発熱のピーク温度として評価した。同様に、結晶化が2回目加熱サイクル時に生じた場合、値Tchはこの結晶化発熱のピークから評価した。融解温度Tmは、2回目加熱サイクルの融解吸熱のピーク温度から得た。そして表1および2に報告する。複数の融解ピークが存在した場合には、最も高い融解温度での吸熱のピーク値を、特許請求の範囲および表1および2に記載する融点とした。結晶化または融解のピークの不存在は表中で「ND」と示している。
【0106】
融解吸熱(1つ以上)の面積の絶対値の和を、融解熱(ΔHm)とし、そして加熱および冷却のサイクルの間に形成する有効な結晶性の指標として用いた。融解吸熱は、接着剤中で形成する結晶性の量に対する相対近似として用いた。吸熱の値は、典型的には、単位cal/gまたはJ/gで報告する。
【0107】
ラボでの接着性能は、以下の手順に従って評価した。各接着剤のサンプルを接着剤スティックに形成した。接着剤を融解させ、そしてホットメルト接着剤ガンで適用した。接着剤ガン温度は約110〜130℃の間で制御して基材の収縮を防止した。接着剤温度は、熱電対をバレル端部内に入れ、抵抗器で入力を制御することによって、ガンの中で測定および制御した。2つのフィルムサンプルストリップ(名目1インチ幅、2mil厚、および約4インチ長)を、接着剤を用いて重ね摺り継ぎで一緒に結合した。
【0108】
制御された幅および厚みの接着剤を適用するために真鍮鋳型を用いた。鋳型は名目5mil厚であり、そして中央からの5mm幅ストリップ切出しを有した。鋳型をフィルムストリップの1つの端部に亘って配置し、接着剤を鋳型の端部に適用し、次いでレーザーブレードを用いて溶融接着剤をストリップ全体に亘って、そしてフィルムの制御された区画の上に広げた。鋳型を次いで迅速に取外し、名目約3〜5mil厚の5mm幅の接着剤ビードを残した。適用後、第2のフィルムストリップの端部を接着剤ビードの上に配置し、そして接合部を形成した。均一な接触を確保するために、ローラーを軽い圧力で接合部に亘って走らせて接着剤と2つのフィルム基材との間の均一な接触を確保した。接着剤の適用とロールとの間の総時間は約2〜4秒間であった。
【0109】
接着剤適用の間、幾つかの接着剤は急速に結晶化して良好な結合を与えなかった。これらは満足されるものではないと認められた。滑らかに適用された接着剤は良好な粘着を維持し、そして良好な初期強度を有し、性能の相対的なレベルに応じて満足できるものであると認められた。収縮トンネル温度での接着強度を試験するために、結合させたフィルムの両端を木質ボードに粘着させてフィルムを拘束した。次いで構造全体をスチームポット内にいれるか、またはラボ高温エア収縮トンネルに通した。スチームポットは、名目温度約90〜95℃を有していた。破壊までの時間、および破壊の相対的な様式(例えば結合剥離、接着剤融解)を用いて結合強度を調べた。接着剤は、典型的には、収縮ラベルが接着剤結合を引き離すことによって、または接着剤が融解および緩くなることによって、破壊する。スチームポットにおける破壊までの時間は、たった数秒から、20秒間以上の範囲であった。
【0110】
スチームポットは、良好な予備的な接着剤検討を与えたが、サンプルの多くもまた、約205°F(97℃)に設定した高温エア収縮トンネルを用いて試験した。支持板およびフィルムサンプルを高温エアトンネル(これは滞留時間約8〜10秒間を有していた)に通した。この試験は、商業スケール設備で実施した接着剤ラベル実験に対しての結合性能のより良好な比較を与えた。両試験、更に商業赤外収縮トンネルでの接着試験を用いて、全体的な高温結合性能を評価した。
【0111】
2つの主要なフィルム基材を、フィルム試験の殆ど全てに用いた。第1のものはMD延伸明澄コポリエステル収縮フィルム(50%最終収縮および収縮力4MPaを有する)であった。フィルムは、テレフタル酸およびエチレングリコール(22モル%のシクロヘキサンジメタノールおよび12モル%のジエチレングリコールで改質されている)を基にするコポリエステルから形成した。第2のものは、マイクロボイド形成された収縮フィルム(これも50%最終収縮、および4MPa収縮力を有する)であった。これは上記のコポリエステルの75/25ブレンド物(50wt%セルロースアセテート、40wt%ポリプロピレンおよび10wt%エチレンメチルアクリレートコポリマーからなるボイド形成濃縮物を有する)をMD延伸することによって製造した。マイクロボイド形成されたフィルムは不透明であり、そして密度約0.89g/ccを有し、これにより従来のリサイクル/フレーク洗浄プロセスにおいて分離可能であった。両フィルムは名目2mil(50ミクロン)厚であり、そして収縮オンセット温度約70℃を有する。以下の略号は表1および2中で種々の二塩基酸およびジオールのモノマーについて用いる:
【0112】
【表1】

【0113】
例1.ポリエステルホットメルト接着剤の調製−500mlの丸底フラスコ(すりガラスヘッド、304SS単独翼撹拌軸、窒素入口、および側枝を備える)に42グラム(0.29モル)のアジピン酸、42グラム(0.22モル)のジメチルテレフタレート、89グラム(0.75モル)の1,6−ヘキサンジオール、および、0.61mlの、チタン(IV)イソプロポキシドのn−ブタノール中0.98%(w/v)溶液を入れた。フラスコをパージし、そして200℃でのBelmont金属浴中の浸漬の前に窒素で2回排気した。ここで、0.2標準立方フィート毎時(scfm)で35分間および更に40分間220℃での窒素通気(200rpmで撹拌しながら)下でのメタノールの発生とともにトランスエステル化を進行させた。回収したポリマー溶融物は明澄、無色透明であり、約45分間の静置で結晶化して不透明な白色固体になった。インヘレント粘度(IhV)0.351および溶融粘度1875cP(150℃にて)が評価された。熱分析は、−30℃および73℃の値を、ガラス転移温度および融点についてそれぞれ、融解熱2.9カロリー/グラムとともに与えた。NMR分析は、56モル%のアジピン酸残基、44モル%のテレフタル酸残基、および100モル%の1,6−ヘキサンジオール残基で構成された最終ポリマーを示した。
【0114】
比較例C1〜C21:ストレート接着剤サンプルでの接着剤試験−比較例C1〜C21は、例1について上記したのと同じ手順を用いて準備した。これらのポリエステルは満足できる接着性能を種々の理由で与えなかった。これら比較サンプルは、DSC、溶融粘度試験を用いて定量し、そして結果を表1に示す。概要において、二塩基酸成分およびジオール成分のモル%を示す。そして酸の100モル%全体、およびジオールの100モル%全体を基準とする。粘度はセンチポイズ単位で、インヘレント粘度はdl/g単位で、そして温度は摂氏単位で与える。比較例C1〜C7についての溶融粘度は測定しなかった。そして表1中で該当なし(「n/a」)と示す。
【0115】
接着試験は、可能な場合には、ホットメルト接着剤ガン試験で実施した。比較例は結合が困難(収縮試験下で悪い結合強度を示した)であり、粘稠すぎ、および/または高すぎる融解温度を有した。表IおよびII中で「悪い」と記されるサンプルは、不適切にふるまい、そしていずれの種類のRASまたは一般的な接着剤の用途についても許容可能ではない。「有望」と記されるサンプルは、より良好な粘度、融解温度、および結合強度特性を示したが、機能性接着剤とは判定されなかった。これに反し、「優れる」と記される接着剤は、RAS用途において良好にふるまうことが予測され、一方「良い」と記されるサンプルは、汎用接着剤と同程度に良好に、そして低収縮またはより低い収縮オンセット温度を有するフィルムでの一般的なRAS用途に対して、ふるまうことが予測される。
【0116】
破壊の具体的な理由に関し、比較例C1およびC2は性能が悪かった。これらは結晶化が速すぎて強い接着剤結合を生じさせることができなかったためである。接着剤は結合を形成できた稀な例で許容不能に脆い結合を形成した。
【0117】
他の比較例,例えばC8およびC9は良好に適用したが、識別できる結晶性は示さず、収縮試験中に低い溶融物強度を有し、そして接着剤結合は収縮トンネル内で破壊された。これに対し、比較例C10〜C15は、過度に高い溶融粘度(>3000cPを150℃にて)を有し、そして均一な適用を可能にするのに十分には軟化できなかった。比較例C18は良好に結合したが、十分な耐熱性を有さず、そして結合は加熱下で急速に破壊された。比較例C19は十分低い温度では十分に溶融できず、そして適用時に収縮フィルムをカールさせる傾向があった。
【0118】
【表2】

【0119】
【表3】

【0120】
例1〜15.ストレート接着剤での接着剤試験−例1〜15は、例1について上記したのと同じ手順を用いて調製したストレートのポリマー接着剤である。これらの熱的特性および性能特性を表2に示す。これらのサンプルの全てはストレートであり、従って何らの可塑剤または改質剤も含有しない。上記の比較例のように、サンプルを、接着剤ガンおよび鋳型を用いてポリエステルフィルムストリップに適用した。適用および後続の収縮トンネル試験の間のサンプル性能を調べた。
【0121】
一般的に、表2中の全ての例は良好な結合を生じさせることができ、これは収縮トンネルに耐える。例えば例1および15は優れた結合を与えたが、より低い融解温度を有した。この接着剤は、一般的な接着剤用途およびRAS用途であってより低い収縮オンセット温度を伴うものに有用である。
【0122】
【表4】

【0123】
【表5】

【0124】
表2中の残りの例は「良い」結合品質を示し、そして許容可能な結合を与えたが、「優れる」結合品質を有すると示された表2中の例と比べてより低い強靭性および粘着性を有した。これらの多くは中間結晶化レベルを有した。これはこれらを部分的に粘着性にした。これらのサンプルでは他の実験において結晶化低減可塑剤およびワックスを含むことの利点が最大限に見出された。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
A.接着剤組成物の総質量基準で約50〜100質量%の少なくとも1種のポリエステルであって、(i)二塩基酸残基の総モル基準で、30〜60モル%のアジピン酸、グルタル酸またはこれらの組合せの残基、30〜60モル%のテレフタル酸の残基、および0〜40モル%の4〜40個の炭素原子を有する少なくとも1種の改質性ジカルボン酸の残基、を含む二塩基酸残基;ならびに(ii)ジオール残基の総モル基準で、80〜100モル%の1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオールまたはこれらの組合せの残基、および0〜20モル%の少なくとも1種の改質性ジオールの残基、を含むジオール残基;ならびに
B.0〜50質量%の粘着付与剤、可塑剤、ワックス、成核剤、またはこれらの組合せ;
を含み、該ポリエステルが、25℃にて60質量%フェノールおよび40質量%テトラクロロエタンを含む溶媒100ml当たり0.5グラムのポリマーを用いて測定したときのインヘレント粘度0.1〜0.35dL/g、融解温度70〜130℃、および融解熱0.1cal/g〜6cal/gを有し;そして
接着剤組成物が150℃にて溶融粘度300〜3000センチポイズを有する、ホットメルト接着剤組成物。
【請求項2】
改質性ジカルボン酸が、コハク酸、スベリン酸、ピメリン酸、フマル酸、マレイン酸、イタコン酸、グリコール酸、セバシン酸、アゼライン酸、ダイマー酸、イソフタル酸、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、またはこれらの組合せを含み;そして改質性ジオールが、1,4−シクロヘキサンジメタノール、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,5−ペンタンジオール、ネオペンチルグリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,8−オクタンジオール、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、2,4−ジメチル−2−エチルヘキサン−1,3−ジオール;2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール、2−エチル−2−ブチル−1,3−プロパンジオール、2−エチル−2−イソブチル−1,3−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、2,2,4,4−テトラメチル−1,3−シクロブタンジオール、またはこれらの組合せを含む、請求項1に記載の接着剤組成物。
【請求項3】
二塩基酸残基が、30〜60モル%のアジピン酸の残基、30〜50モル%のテレフタル酸の残基、および0〜30モル%の改質性ジカルボン酸の残基を含み;そしてジオール残基が、90〜100モル%の1,4−ブタンジオールの残基、および0〜10モル%の改質性ジオールの残基を含む、請求項2に記載の接着剤組成物。
【請求項4】
改質性ジカルボン酸が、イソフタル酸を含み;そして改質性ジオールが、ジエチレングリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、またはこれらの組合せを含む、請求項3に記載の接着剤組成物。
【請求項5】
二塩基酸残基が、40〜60モル%のアジピン酸の残基、30〜45モル%のテレフタル酸の残基、および5〜30モル%の改質性ジカルボン酸の残基を含み:そして改質性ジオールが、1,4−シクロヘキサンジメタノールを含む、請求項4に記載の接着剤組成物。
【請求項6】
粘着付与剤が、トール油ロジン、ガムロジン、木材ロジン、水素化ロジン、重合ロジン、不均化ロジン、芳香族炭化水素レジン、クマロン−インデンレジン、ポリテルペン、テルペン−フェノールレジン、フェノールレジン、マレインレジン、ケトンレジン、ポリエステルレジン、またはこれらの組合せを含み;可塑剤が、ベンゾエートエステル、フタレートエステル、シトレートエステル、ホスフェートエステル、テレフタレートエステル、イソフタレートエステル、またはこれらの組合せを含み;ワックスが、ステアルアミド、12−ヒドロキシステアルアミド、N−(2−ヒドロキシエチル)−12−ヒドロキシステアルアミド、グリセリンモノステアレート、ソルビタンモノステアレート、12−ヒドロキシステアリン酸、またはこれらの組合せを含み;そして、成核剤が、融解温度70〜130℃を有するポリオレフィンまたはオレフィン性アイオノマー、またはこれらの混合物を含む、前掲の請求項のいずれかに記載の接着剤組成物。
【請求項7】
粘着付与剤が、酸価145〜160mgKOH/ロジングラムを有する少なくとも1種の水素化ロジンを含み;可塑剤が、1,4−シクロヘキサンジメタノールジベンゾエート、ネオペンチルグリコールジベンゾエート、ジプロピレングリコールジベンゾエート、プロピレングリコールジベンゾエート、イソデシルベンゾエート、7〜40個の炭素原子を有するアルキルベンゾエートエステル、またはこれらの組合せを含み;そして、成核剤が、ポリエチレン、ポリプロピレン、オレフィン性アイオノマー、またはこれらの組合せを含む、請求項6に記載の接着剤組成物。
【請求項8】
50〜70質量%のポリエステル、20〜40質量%の水素化ロジン、および5〜15質量%の、1,4−シクロヘキサンジメタノールジベンゾエートを含む可塑剤;ステアルアミド、12−ヒドロキシステアルアミド、N−(2−ヒドロキシエチル)−12−ヒドロキシステアルアミドもしくはこれらの組合せを含むワックス;または可塑剤とワックスとの組合せ、を含む、請求項6に記載の接着剤組成物。
【請求項9】
ポリエステルが融解熱0.1〜4cal/gを有する、前掲の請求項のいずれかに記載の接着剤組成物。
【請求項10】
0.1〜5質量%の成核剤を含む、前掲の請求項のいずれかに記載の接着剤組成物。
【請求項11】
前掲の請求項のいずれかに記載のホットメルト接着剤組成物で容器に接着されているラベルを含む、容器。
【請求項12】
ラベルが、少なくとも1つの層を有しかつポリエステル、ポリオレフィン、ポリ塩化ビニル、ポリ乳酸、紙、金属、またはポリスチレンのフィルムを含む、請求項11に記載の容器。
【請求項13】
ラベルが収縮ラベルである、請求項11または12に記載の容器。
【請求項14】
ラベルが、二塩基酸残基の総モル基準で90〜100モル%のテレフタル酸の残基を含む二塩基酸残基;ならびに、ジオール残基の総モル基準で、52〜88モル%のエチレングリコールの残基、10〜28モル%の1,4−シクロヘキサンジメタノールの残基、および2〜20モル%のジエチレングリコールの残基、を含むジオール残基;を含むポリエステルフィルムを含む、請求項13に記載の容器。
【請求項15】
ラベルが、25〜85%の機械方向の収縮および0〜10%の横方向の収縮または伸びを有する、請求項14に記載の容器。
【請求項16】
ポリエステルラベルが、ポリエステルフィルムと非相溶性でその中に分散している少なくとも1種のポリマーを含むボイド形成剤を更に含む、請求項15に記載の容器。
【請求項17】
ボトル、瓶、缶、箱、またはバッテリーケーシングである、請求項11〜16のいずれか1項に記載の容器。
【請求項18】
ロールオンの収縮ラベルを容器に適用する方法であって:
I.請求項1〜10のいずれか1項に記載のホットメルト接着剤を、熱収縮性ラベル、容器、またはこれらの組合せの上の1つ以上の位置に適用すること;
II.該容器の周りに該ラベルを取付けてラベル付容器を得ること;
III.適用されたホットメルト接着剤を少なくとも部分的に結晶化させること;および
IV.該ラベル付容器を加熱することによって該ラベルを収縮させること;
を含む、方法。

【公表番号】特表2012−507594(P2012−507594A)
【公表日】平成24年3月29日(2012.3.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−534496(P2011−534496)
【出願日】平成21年10月22日(2009.10.22)
【国際出願番号】PCT/US2009/005761
【国際公開番号】WO2010/056271
【国際公開日】平成22年5月20日(2010.5.20)
【出願人】(594055158)イーストマン ケミカル カンパニー (391)
【Fターム(参考)】