説明

ワイパーシールを備えた直動案内ユニット

【課題】 この直動案内ユニットは,ワイパーシールの軌道レールの軌道面に対する摺動抵抗を小さく,耐摩耗性に優れ,耐久性に富んだワイパーシールを取付板を介してスライダに安定して簡単に装着する。
【解決手段】この直動案内ユニットは,スライダ2の端部には軌道レール1に付着した異物を払拭するためのワイパーシール14を装着する。ワイパーシール14は,オープンポアを有する三次元構造の骨格組織でなるポリエステル系ポリウレタンフォームの素材の厚さを1/4〜1/20の厚さに圧縮成形した空孔部を有する三次元構造の骨格網状組織から構成されている。ワイパーシール14は,スライダ2の端部のケース15内に嵌合されて配設され,軌道レール1に対して0.1〜0.05mmの締め代で摺接される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は,粉塵,切粉,切屑,切削液等の異物が多量に発生するような厳しい作業環境になる切削機械,研削機械,木工機械等の工作機械等の各種の装置に使用されるワイパーシールを備えた直動案内ユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
近年,直動案内ユニットは,機械装置の加工エリアの拡大,コンパクト化,コストダウン等から軌道レールが剥き出しで使用される機会が増加しており,従来の防塵装置であるテレスコカバーやジャバラが無い状態の仕様になっている。そして,直動案内ユニットは,オプション仕様として,スライダの端部から異物の侵入を防ぐ防塵装置,高密封シール装置,スライダに潤滑剤を供給する潤滑装置等の付属装置を付加して機能のアップを図り,使用環境に最適化させて使用することが増えてきている。直動案内ユニットは,特に,粉塵,切粉,切屑,クーラント(研削液や切削液)が多量に発生するような厳しい作業環境になる切削機械,研削機械,木工機械等の工作機械で適用されるようになった。
【0003】
また,直動案内ユニットとして,本出願人に係る特許出願である高密封シール装置を備えた直動案内ユニットが知られている。該直動案内ユニットは,多量の異物が発生するような厳しい作業環境でも,スライダと軌道レールとの間を完全に密封し,異物が軌道レール上を摺動するスライダの端部から内部へ侵入するのを防止するため,スライダに高密封シール装置を設けている。高密封シール装置は,外装部と端面部を備えたホルダケース,ホルダケースの収容部に配設された3枚の板状のシールプレート,及び外装部の端部の開口部に配設された封止プレートから構成されている。シールプレートは,両側面の表層のスキン層と表層間の中間層のスポンジ層との三層構造に形成され,スポンジ層の多孔部には潤滑剤が強制的に含浸されている(例えば,特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2007−255498号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら,上記の高密封装置を備えた直動案内ユニットは,軌道レールとの締め代が大きくて高密封状態にあって耐久性を有するものであったが,軌道レールに対するスライダの摺動抵抗が大きなものになっており,利用し難い状況であり,また,クーラント環境の厳しい作業環境でも更なる良好な摺動性や耐久性が求められる状況になっている。
【0005】
ところで,近年の直動案内ユニットでは,潤滑のメンテナンスフリー,多種用途に使用すること等から,直動案内ユニットに高機能を付加しても,高精度で長寿命で且つ安価なものが要望されるようになった。また,近年,直動案内ユニットは,高剛性,高精度でなるローラ形式のものが多く使用され,更に,劣悪な厳しい使用環境にも適合することが要望され,オプション仕様として,スライダの端部から内部への異物の侵入を防ぐ防塵装置,高密封シール装置,スライダに潤滑剤を供給する潤滑装置等の付属装置をスライダの端面に付加して機能アップを図るようになっており,その際に,直動案内ユニットに潤滑等の付属装置をスライダに安定して簡単に取り付けるため,スライダには取付板が設けられている。また,直動案内ユニットは,粉塵,切粉,切削液等のクーラント等の異物が多量に発生するような厳しい作業環境に設置される工作機械等に適用されるので,そのような厳しい作業環境にも軌道レール上に散在する異物がスライダ内部へ侵入するのを阻止し,軌道レール上でのスライダの往復摺動運動において潤滑油の供給を良好にして良好な摺動特性を確保して摺動抵抗を低減することが求められている。
【0006】
この発明の目的は,上記の課題を解決することであり,本出願人が先に開発した上記の高密封シール装置のシールプレートを更に改善したものであり,粉塵,切粉,切屑,クーラント(研削液,切削液,加工液)等の異物が軌道レールのスライダ摺動面に多量に発生するような厳しい作業環境で使用する切削機械,研削機械,木工機械等の各種の装置に組み込まれても耐久性を向上させると共に,軌道レールとの摺接抵抗が極力小さくなるように潤滑油を良好に含浸させ,軌道レールとの間の隙間を適正に設定して異物がスライダ内部に侵入するのを防止し,スライダの端面に装着した取付板を介して簡単に取り付けることができるワイパーシールを備えた直動案内ユニットを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この発明は,長手方向に沿って軌道面が形成された軌道レール,及び前記軌道レールに複数の転動体を介して摺動自在なスライダから成る直動案内ユニットにおいて,
前記スライダの端部には前記軌道レールに付着した異物を払拭するためのワイパーシールが装着されており,前記ワイパーシールは,輪郭が鮮明でオープンポアを有する三次元構造の骨格組織でなるポリエステル系ポリウレタンフォームの素材の厚さを1/4〜1/20の厚さに圧縮成形した空孔部を有する三次元構造の骨格網状組織から構成されていることを特徴とするワイパーシールを備えた直動案内ユニットに関する。
【0008】
前記ワイパーシールは,前記素材の厚さを1/10の厚さに圧縮成形されたシート材で形成されていることが好ましい。また,前記ワイパーシールは,前記スライダの前記端部に配設されたケース内に嵌合されて配設され,前記ワイパーシールの内周が前記軌道レールの周囲に摺接している。更に,前記ワイパーシールは,前記軌道レールに対して0.1〜0.05mmの締め代で摺接される。また,この直動案内ユニットは,前記ワイパーシールの前記空孔部に潤滑油が含浸されている。
【0009】
この直動案内ユニットは,前記ケースには,複数枚の前記ワイパーシールが収容され,前記軌道面に摺接する前記ワイパーシールの突出部分に嵌合する位置決めピンが形成されている。更に,前記ケースは,前記位置決めピンが前記長手方向の前記ケースの全幅より突出して形成され且つ前記ケースに対向する取付板の位置決めピン穴に嵌合して前記スライダの前記端部に配設されている。
【0010】
また,前記ワイパーシールは,取付板を介して前記スライダの前記端部に取り付けられ,前記取付板は,前記スライダの前記端部に配設されたエンドシールの外側端面に取り付けられ,前記エンドシールのリップ部を覆って収容する凹部になるリップ部収納部が形成されている。
【0011】
また,前記ケースは,剛性を高めるために,周囲部がリブ部を備えた2重フレームに形成されている。また,前記ワイパーシールは,前記軌道レールに隙間を持って遊嵌する前記ケースの端板と前記軌道レールに隙間を持って遊嵌する封止プレートとに挟持されて配設されている。
【0012】
この直動案内ユニットは,前記ワイパーシールの前記三次元構造の前記骨格網状組織は,多数の微細な連続する前記空孔部を持っており,前記潤滑油が前記空孔部に毛細管現象と高い空孔率により含浸して保持され,前記空孔部に対して前記潤滑油の浸出入が可能になっている。
【0013】
この直動案内ユニットは,前記スライダの端部のエンドシールの端面には,取付板を介してワイパー装置が取り付けられ,前記ワイパー装置は,ケース及び該ケース内に収容された一対のワイパーシールと前記取付板側に位置する封止プレートとから成るワイパーシール組立体,並びに前記ワイパーシール組立体の端面に配設されたスクレーパから構成され,前記一対のワイパーシールは,前記軌道レールの外周面,前記ケースの端面の端板と内周フレームの内周壁,及び前記封止プレートに接触するものである。
【発明の効果】
【0014】
この直動案内ユニットは,上記のように構成されているので,ワイパーシールの軌道レールの軌道面に対する摺動抵抗が小さく,ワイパーシールが耐摩耗性に優れ,耐久性に富んでおり,取付板を介してワイパーシールをスライダに安定して簡単に装着できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
この発明による直動案内ユニットは,実施例では,ワイパーシールを2枚に重ねて,ケースに入れた構造を有し,実施例の直動案内ユニットに限らず,軌道軸(軌道レール)と円筒状のスライダとから成る直動案内ユニットにも使用できるものである。直動案内ユニットは,一般の仕様(標準品)では,スライダの端部がエンドキャップ4の端面に軌道レール1とスライダ2との隙間をシールするためのエンドシール6のみが配設された構造に構成されているが,この発明による直動案内ユニットは,粉塵,切粉,切屑,クーラント(研削液,切削液,加工液)等の異物が多量に発生するような厳しい作業環境即ち使用環境で使用されるので,異物がスライダの内部に侵入するのを防ぐことが重要であり,そのために,スライダの端部のエンドシールの外側端面に更にワイパーシールを配設した構造に構成されていることを特徴としている。
【0016】
以下,図面を参照して,この発明によるワイパーシールを備えた直動案内ユニットの実施例について説明する。図1〜図3に示すように,この直動案内ユニットは,両側面47の長手方向に沿ってそれぞれ一対の軌道面11が形成された長尺状の軌道レール1,及び軌道レール1に跨架して転動体であるローラ(図示せず)を介して摺動自在なスライダ2から構成されている。スライダ2は,軌道レール1の軌道面11に対向して形成された軌道面(図示せず)及び該軌道面と軌道面11と間に形成された軌道路(図示せず)に平行なリターン路(図示せず)が形成されたケーシング3,ケーシング3の両端面48にそれぞれ固着され且つ軌道路とリターン路とを連通する方向転換路が形成されたエンドキャップ4,エンドキャップ4の外側の端面49に配置され且つ軌道レール1とスライダ2との隙間をシールするエンドシール6,軌道路とリターン路と一対の方向転換路とからなる循環路を転走する複数のローラを有している。この直動案内ユニットは,スライダ2の端面であるエンドシール6の端面50に,ワイパーシール組立体5とスクレーパ8とから成るワイパー装置10が合成樹脂射出成形により作製された成形品で構成された取付板7を介して取り付けられている。取付板7には,ザグリ凹部13に取付け孔が形成されている。また,軌道レール1には,ベース等に軌道レール1を固定するため取付け孔36が等間隔に隔置して形成され,ケーシング3には,ケーシング3に他部品を固定するための取付け用ねじ穴20が設けられている。この直動案内ユニットは,軌道溝11間の軌道路で大きな負荷を受けながらローラが軌道路を転動するので,金属接触して異常摩耗や損傷が生じないように,潤滑剤(グリース・潤滑油)を給油することが不可欠なものになっており,エンドキャップ4には,ローラの循環路に潤滑剤を供給するため,側面又は端面(図示せず)に給油口が設けられ,側面の給油口にグリースニップル34が設けられている。ケーシング3は,軌道レール1の両側面47に沿って延びる袖部59,及び軌道レール1に跨がって両袖部59を連結する連結部60から構成され,エンドキャップ4は,ケーシング3の袖部59に対向する袖部61,及び軌道レール1に跨がって両袖部61を連結し且つ連結部60に対向する連結部62から構成され,また,取付板7には,エンドシール6を介してエンドキャップ4の袖部61に対向する袖部54,及び軌道レール1に跨がって両袖部54を連結し且つエンドシール6を介してエンドキャップ4の連結部62に対向する連結部54から構成されている。
【0017】
この直動案内ユニットでは,図4に示すように,取付板7は,オプション仕様としてスライダ2の端面50にワイパー装置10を付加するときに,スライダ2とワイパー装置10とを連結するためにスライダ2におけるエンドシール6の端面50に装着されている。ワイパー装置10は,直動案内ユニットを特殊環境で使用するときに,スライダ2に付加して機能アップを図り,上記のような異物が多量に発生するような厳しい作業環境である特殊環境に適合させるものになっている。この実施例では,ワイパー装置10は,ワイパーシール組立体5とスクレーパ8とから成り,特に,粉塵,切粉,切屑,切削液等の異物が多量に発生するような厳しい作業環境に設置される切削機械,研削機械,木工機械等の工作機械に組み込まれて適用されるのに適したものである。図4に示すように,この直動案内ユニットは,エンドキャップ4の端面49の凹部に嵌入した潤滑装置である潤滑剤含浸部材9が内蔵されており,潤滑のメンテナンスフリーを実現したタイプに構成されている。また,取付板7は,一方の端面である内側端面24(エンドシール6側に位置する端面)がエンドシール6の端面50に対向して,エンドシール6及びエンドキャップ4をケーシング3に固着する固定ボルトである第1ボルト21によってエンドシール6及びエンドキャップ4と共にケーシング3に固着され,他方の端面である外側端面28にワイパー装置10が固定ボルトである固定ねじ22により固着されている。また,ワイパー装置10は,図4及び図5に示すように,取付板7の外側端面28に対向して,ケース15内に一対のワイパーシール14と封止プレート16を内蔵したワイパーシール組立体5,及びケース15の反対側の端面である外側端面29に配設されるスクレーパ8で構成されている。第2ボルト22は,スクレーパ8の外側端面30から挿入し,スクレーパ8からワイパーシール組立体5へと,それぞれの取付け孔(図示せず)を貫通し,取付板7に嵌着したナット23に螺入してワイパー装置10を取付板7に固着している。取付板7の軌道レール1に対向する周面は,軌道レール1の外周に接触することなく僅かな隙間56を形成するように,即ち,可及的に軌道レール1の外周に近接した内周面17(図6,図7)に形成され,軌道レール1の軌道面11間の逃げ溝である軌道溝57に嵌入するように凸部33に形成されている。取付板7に形成された凸部75がエンドシール6のザグリ凹部74に嵌合して取付板7とエンドシール6とは位置決めされている。取付板7は,例えば,芯金(図示せず)が合成樹脂製の本体部内に埋設されて構成され,コ字形伏即ち門形の薄板に形成されている。取付板7は,芯金に凸部が無く,成形型の凸部成形部分から芯金の表裏及び縁部にわたり合成樹脂が均一に周って射出成形できるものになっている。
【0018】
この直動案内ユニットでは,特に,ワイパーシール14は,軌道レール1に対する往復摺動において摺動抵抗が従来のシールプレートや潤滑プレートに比較して極力低減され,摩耗が低減された耐久性に富んだことに特徴を有するものである。ワイパーシール14は,特に,輪郭が鮮明でオープンポアを有する三次元構造の骨格組織でなるポリエステル系ポリウレタンフォームの素材を厚さ1/4〜1/20に圧縮成形し,好ましくは1/10の厚さに圧縮成形した空孔部を有する三次元構造の骨格網状組織から構成されていることを特徴としている。即ち,ワイパーシール14を構成する材料(生成物)は,ポリエステル系ポリウレタンフォームを特殊加工し,発泡膜を除去して輪郭が鮮明で,空孔率が97%以上のオープンポアを有する三次元構造の骨格組織に構成されたポリエステル系ポリウレタンフォームの素材(図10,前躯体)を圧縮成形したものである(図8又は図9)。この直動案内ユニットは,具体的には,エンドシール6の外側端面50に取付板7を介してワイパーシール組立体5が簡単に取付け配設され,ワイパーシール組立体5であるケース15の外側端面29に大きな異物を排除するためのスクレーパ8が取り付けられている。ワイパーシール14には,軌道レール1の軌道面11が形成される軌道溝57に対向する突出部78が形成されている。ケース15には軌道レール1の軌道溝57に対向する内周面79と固定ねじ22が挿通する取付け孔42が形成され,スクレーパ8には軌道レール1の軌道溝57に対向する内周面80と固定ねじ22が挿通する取付け孔43が形成されている。スクレーパ8は,鋼板製で作製され,軌道レール1と僅かな隙間で遊嵌され,固定ねじ22で固着されている。ワイパーシール14は,図5に示すように,軌道レール1の外面,ケース15の内周フレーム72の内周壁73と端板66,封止プレート16に接する面,即ち,ワイパーシール14の全面が空孔部を有する骨格網状組織が露出した状態に形成されている。
【0019】
この直動案内ユニットでは,ワイパー装置10を取り付けるため,取付板7がエンドシール6との間に介在され,エンドシール6の端面50に固着される。ワイパー装置10は,図4に示すように,ケース15内に複数(図では2枚)のワイパーシール14と封止プレート16とを嵌合して収納して構成されたワイパーシール組立体5,及びワイパーシール組立体5であるケース15の外側端面29に配設されたスクレーパ8から構成されている。ケース15は,ワイパーシール14を異物から保護して,ワイパーシール14の内周が軌道レール1へシール締め代が0.1mm以下(0.05〜0.1mm)で密接するように嵌合して収納する構造に構成されている。ケース15は,剛性を高めるために,周囲部が外周フレーム71,内周フレーム72及び両フレーム71,72間をリブ部41で連結してなる構造の2重フレーム71,72に形成され,内周フレーム72の内周壁73がワイパーシール14の外周面77に嵌合して構成され,且つケース15の外側端面には端面を閉塞するように内周面79が軌道レール1と僅かな隙間を有して端板66が設けられている。更に,ケース15は,端板66における軌道レール1の軌道面11に対向する近傍部分である対向する一対の突出部70には位置決めピン27が一体で形成され,位置決めピン27が対向するワイパーシール14のピン孔39に嵌合してワイパーシール14の軌道面11への密接を正確に案内するように構成されている。ケース15は,上記のように,ワイパーシール組立体5を構成する複数である2枚のワイパーシール14と封止プレート16とを収容するものになっている。封止プレート16は,ケース15の内周壁73に嵌合してケース15の位置決めピン27にピン孔40を嵌合してケース15内に収容され,ケース15の内側になる端面からワイパーシール14の潤滑油が外部に漏洩しないように端面を閉塞し,ケース15の端板66とで2枚のワイパーシール14を挟持する構造に構成されている。
【0020】
この直動案内ユニットでは,ワイパーシール14をケース15内に複数枚,実施例では2枚配設した理由は,次のとおりである。ワイパーシール14は,実施例では20mmの素材を1/10に圧縮成形したものであり,2mmの厚さになっており,2枚のワイパーシール14によって合計で厚さ4mmのワイパーシール14,14を構成している。ワイパーシール14は,複数枚,即ち多段に配設することによって,1枚目で排除できなかった異物を2枚目で排除することができ,枚数を増やすことによって異物の払拭性能をアップさせることができる。ワイパーシール14は,高精度に仕上げられていたとしても,製品の寸法のバラツキ,切断加工のバラツキ,形状誤差等の許容差範囲にあって,軌道レール1の全周との締め代の均一性にもバラツキが生じ,1枚では不完全さになることが避けられず,複数枚にすることにより,相補的に軌道レール1の全周に対して均一な締め代に組み立てられ,軌道レール1の全周における異物の払拭性を発揮できるものになっている。例えば,2枚分の厚さの厚いワイパーシールを1枚設けた場合は,ケース15内に2枚のワイパーシール14を設けた場合に比較して,見掛けの軌道レール1に対する接触面積が同一であるが,1枚のワイパーシールを偏って取り付けた場合では,軌道レール1との締め代が不均一になり,異物の払拭性が小さくなってしまう。また,ワイパーシール14は,枚数が多いほど異物の払拭性は向上するが,枚数を増やす毎に総合的な効果が増大するとは言えず,異物の払拭性に対する締め代と摺動抵抗とを考慮すると,2枚を配設することが適正であった。
【0021】
ケース15に設けた位置決めピン27は,図4に示すように,ケース15の摺動方向(軸方向)の全幅(全長さ)Lよりも突出量δで突出した長さL1 に形成されており,図6に示すように,位置決めピン27の突出した先端部が取付板7に形成された位置決めピン穴18に嵌合する構造に構成され,ワイパーシール14の弾性体で嵩が膨らんで封止プレート16がケース15の端面から突出した状態になっても,位置決めピン27が封止プレート16を係止するので,組立時にケース15が取付板7から外れた状態であってもワイパーシール組立体5が分解することなく,ワイパーシール組立体5を取付板7に容易に取り付けることができる。また,図7に示すように,エンドキャップ4の端面49に取り付けられたエンドシール6は,一般に芯金45にゴム部46を焼き付けされたものになっており,ゴム部46の軌道レール1の周囲には,ゴム部46から軌道レール1に密着して摺接するリップ部12が端面から突出して形成されている。取付板7は,エンドシール6のリップ部12を周囲に渡って収容する凹部になるリップ部収容部35が形成され,エンドシール6のゴム部46の端面に対向する取付け平面52と内周面17が軌道レール1と僅かに隙間を有してなる取付け平面53との2平面に形成され,取付け平面53にワイパー装置10を安定して精度よく取り付けることができる。
【0022】
図8及び図9には,ワイパーシール14のSEM画像がそれぞれ示されており,図8はワイパーシール14が軌道レール1の外周と接触(摺接)するワイパーシール14の内周面76であり,接触部である断面の50倍のSEM画像であり,図9は図8のSEM画像を更に拡大したものであり,接触部である断面の200倍のSEM画像である。図10には,ワイパーシール14を作製する素材の状態を示し,ポリエステル系ポリウレタンフオームの素材を特殊加工して,オープンポア即ち空孔部の壁面に形成された発泡の薄膜物質(発泡膜)を完全に除去した輪郭が鮮明に形成されたものであり,ワイパーシール14の接触部相当部分である断面の50倍のSEM画像が示されている。従って,図8又は図9は,図10に示す素材(前駆体)を1/10の厚さに圧縮成形した三次元構造の骨格網状組織に構成されている状態が示されている。ワイパーシール14は,圧縮成形されたシート材を刃物等によって所定の形状に切断して形成されている。ワイパーシール14を作製する材料(生成物)は,耐久性が良好になっており,図8又は図9には,接触部が示されているが,これらの接触部から分かるように,ワイパーシール14は全体がオープンポア即ち連続空孔部を備えた均一な組織であり,三次元構造の骨格網状組織に構成されていることが分かる。
ワイパーシール14を形成する材料(生成物)の物性値は,次のとおりである。
即ち,素材のセル数;70ケ/25mm,密度;0.58g/cm3 ,気孔率;52%,伸び率;100%,引張強度;10kg/cm2 ,反発弾性;30%,表面硬度;60度,永久歪;5%である。
【0023】
ワイパーシール14は,上記のように,メッシュが微細な気泡構造で連続気泡(オープンポア)のフェルト状になる三次元構造の骨格網状構造の材料で形成されている。一般のポリエステル系ポリウレタンフオームには,ポリエステル系ポリウレタンを発泡させる物質が半独立で半連続の気泡の壁面に薄膜物質として付着しているが,本発明のワイパーシール14を形成する材料は,上記ポリエステル系ポリウレタンフオームを特殊加工(例えば,溶剤等で溶解処理加工)して気孔壁面から薄膜物質(発泡膜)を除去したものであるので,優れた毛細管現象と高い空孔率により,液体含浸率即ち潤滑油含浸率が高くなり,また,連続空孔部に対する潤滑油の浸出入もスムーズになっており,また,素材(前駆体)を適正な比率にまで圧縮成形したことによって,実質的接触面積が増え,相手面即ち軌道レール1の外周面即ち接触面に存在する異物に対して,払拭性能が極めて優れたものになっている。ワイパーシール14の材料は,空間即ちポアが密になり毛細管現象による吸収性保持性が良く,圧縮により密度が高くなっているので,機械的強度が大きく引裂き等の損傷が発生し難いものになっており,更に,耐薬品性,耐油性,耐寒耐熱性にも優れたものになっている。ワイパーシール14には,軌道レール1と滑らかに摺接するために,また特に軌道レール1に付着したクーラント等の異物に対抗して異物を軌道レール1から払拭するために,油性液でなる多用途の潤滑油を含浸させることができる。また,ワイパーシール14は,上記のように優れた機能を有しているので,軌道レール1との締め代が0.1mm以下にあっても異物の払拭性能を発揮できるものになっており,軌道レール1に対して適正な摺動隙間が存在してスライダ2の滑らかな摺動を実現している。また,ワイパーシール14と軌道レール1との間の隙間は,大き過ぎても小さ過ぎてもワイパーシール14の機能が発揮できないものになるので,実施例では,ワイパーシール14は,軌道レール1の軌道溝11との締め代が適正な値,即ち,0.05〜0.1mmに設定されている。
【0024】
また,この直動案内ユニットにおいて,ワイパーシール14を複数に重ねる仕様に構成すれば,多数に重ねることで異物の払拭性が向上するが,スライダ2の摺動抵抗が大きくなってしまい使用しづらいものになってしまうので,可能な限り枚数が少ない仕様のもので異物に対する払拭性が満足するように構成するため,上記のように,ワイパーシール14は,ケース15内に2枚のワイパーシール14を収納する構造に構成されている。従って,この直動案内ユニットにおけるワイパーシール14は,軌道レール1とスライダ2との隙間を端面部でシールするエンドシール6を補助するように,エンドシール6の前面に配置され,クーラントを含めた異物を軌道レール1から払拭する機能を有するものになっている。ワイパーシール14について,素材(前駆体)の厚さの1/4〜1/20に圧縮成形した範囲のものにおいて,臨界値の1/4に圧縮成形したものでは,素材のセル数;80ケ/25mm,密度;0.40g/cm,気孔率;67%,伸び率;100%,引張強度;4kg/cm,反発弾性;40%,表面硬度;25度になっており,引張強度が小さくなり,耐久性が心配になるが,異物の発生の環境が少量で,スライダ2の摺動抵抗を更に小さなものにする仕様では,良いものになっている。また,臨界値の1/20に圧縮成形したものでは,引張強度が大きくなるが,気孔率が小さくなってしまうので,言い換えれば,異物の侵入を防止する密封シール的機能で適用できるものになっている。従って,この直動案内ユニットでは,ワイパーシール14を構成する材料(生成物)は,素材の厚さが1/4及び1/20に圧縮成形したものが限界であり,1/4〜1/20,好ましくは1/10に圧縮成形したものが適正な圧縮率になる。
【0025】
図11には,図5のワイパーシール14を形成する材料(生成物)に対する摩耗試験をする試験装置が示されている。図11の摩耗試験装置には,ワイパーシール14を形成する材料の試料50mm×5mm×2mmを試料保持体51で支持し,該試料14Sを円筒の回転体37の摺接面44に一定の締め代で押し付け,ノズル25からクーラント26を間欠的に滴下した時の試料14Sの摩耗状況を観察したものである。
試験条件は,回転体37の定速回転11rps,摺接面44の速度2m/sec,含浸油(工業用汎用潤滑油)R0220,クーラントユシローケン(登録商標)シンセティック#663の20倍希釈液,50cc/2hr,試験距離150kmである。
試験結果は,ワイパーシール14の材料即ち試料14Sに僅かな摩耗が見られる程度になっていた。
【0026】
図12には,粉体環境での耐久試験を実施した耐久試験機32が示されている。耐久試験機32は,水平の機台69上に固設された一対の軌道レール1にワイパーシール14を備えたスライダ2をそれぞれ摺動自在に跨架させて設定し,一対の軌道レール1間に往復駆動機58を配設する。往復駆動機58に固定された腕部63はスライダ2に設けた係止部64に係止する。スライダ2は,往復駆動機58の駆動によって軌道レール1上を往復移動する。また,スライダ2と軌道レール1の上方から粉体を降らすように,フレーム65に2個の粉体投入器31を設ける。粉体投入器31から軌道レール1上に粉体を降らして,スライダ2が軌道レール1上を1000km走行後に,スライダ2内に異物の侵入があるか否かを調査するものになっている。
試験条件は,速度;max.300mm/sec,ave.278mm/sec,粉体:破砕鉄粉,粒径300μm以下(125μm以上;60%min,75μm以上;70%min),硬さ;HRC40〜50,1時間に1g(=距離1kmに1g)である。
試験結果は,スライダ2内の軌道路へ粉体の侵入は,ほとんど見られない。
【0027】
図13には,クーラントミストによる直動案内ユニットの耐久試験を実施した試験装置67であり,(A)は正面図,(B)は側面図である。試験装置67は,ベース19上に固設された軌道レール1に一対のスライダ2が摺接方向に水平摺動自在に跨架されている。一対のスライダ2は,係止部64を備えた連結部68で連結し,係止部64を往復駆動装置に固定された腕部63に係止させる。軌道レール1の上方でスライダ2の摺動方向の前後部に,クーラント26を噴霧するノズル25を設置する。スライダ2は,往復駆動装置の駆動によって軌道レール1上を摺動方向両側に等ストローク即ち0.5Sにわたって摺動するものである。
試験装置67による試験は,ノズル25からクーラント26を噴霧して,スライダ2が軌道レール1上を5000km走行後に,ワイパーシール14の耐久性を調査するものになっている。
試験条件は,ストロークS;300mm,クーラント;ユシローケン(登録商標)シンセティック#663の20倍希釈液,クーラント26は1時間に1回5cc噴霧である。 試験結果は,図14に示すように,ワイパーシール14の先端部(摺接面),及びエンドシール6の先端部(摺接面)を測定した結果である。図14の線図において,符号Aは5000km走行後の状態を示すエンドシール6の摺接面と一対のワイパーシール14の摺接面を測定した線図であり,また,符号Bはスライダ2の軌道レール1上を走行前の状態を示すエンドシール6の摺接面と一対のワイパーシール14の摺接面を測定した線図である。
図14の線図から分かるように,ワイパーシール14及びエンドシール6の摩耗は,走行後でも,ほとんど見られない状態であった。即ち,エンドシール6のリップ部12の先端は,0.06mm程度の摩耗が見られたが,全体的には損傷は生じていなかった。従って,ワイパーシール14を備えた直動案内ユニットは,劣悪な環境下に使用されても,ワイパーシール14の存在によって,長期間にわたり粉塵,切粉,切屑,クーラント(研削液・切削液)等の異物がスライダ2内に侵入することが防止されるものになっている。
【0028】
図15及び図16には,ウレタンフォームから発泡の薄膜物質を排除せず且つ圧縮成形が施されていない一般的なウレタンフォームでなるシール部材について試験した結果の顕微鏡拡大図が示されている。一般的なウレタンフォームでなるシール部材は,部材中に大小の気孔即ち空孔部が散在した構造であり,気孔は半独立で半連続状態になっており,図15に示すように,軌道レール1との接触部では,気孔が大小の円形状で開口した状態になっている。図15における楕円形内に見える材料の線状の状態はウォータージェット状の噴射による切断時の傷であると思料される。また,一般的なウレタンフォームでなるシール部材は,図13に示す試験装置67のクーラントミスト試験における500kmの走行後において,図15の接触部の状態から図16に示す接触部の状態になっており,試料が軌道レールとの接触により気孔が塞がった状態,即ち気孔が目詰まりした状態になって潤滑油の浸出入が不可能な状態になり,摩耗が大きくなっている現象が確認できた。従って,一般的なウレタンフォームでなるシール部材は,本発明のワイパーシール14に比較し,潤滑油の浸出入が小さく,耐摩耗性が小さくなったものであると言える。
【産業上の利用可能性】
【0029】
この発明によるワイパーシールを備えた直動案内ユニットは,粉塵,切粉,切屑,切削液等の異物が多量に発生するような厳しい作業環境になる切削機械,研削機械,木工機械等の工作機械等の各種装置に使用して最適なものになっている。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】この発明による直動案内ユニットの実施例を示す正面図である。
【図2】図1の直動案内ユニットを示す側面図である。
【図3】図1の直動案内ユニットを示す平面図である。
【図4】図1の直動案内ユニットにおけるスライダの一方の端部を分解して示す分解図である。
【図5】図4の分解図におけるワイパーシールを含めて構成するワイパー装置を示す分解斜視図である。
【図6】図4の分解図における取付板をスライダの端部のエンドキャップに組み立てた状態を示す端面図である。
【図7】図6のスライダの端面にワイパー装置が組み立てられた状態を断面で示す縦断面図である。
【図8】図5のワイパーシールの接触部を50倍に拡大して示すSEM画像である。
【図9】図8の接触部を200倍に拡大して示すSEM画像である。
【図10】図5のワイパーシールの素材(前躯体)にあってワイパーシールの接触部相当部分を50倍に拡大して示すSEM画像である。
【図11】図5のワイパーシールを形成する材料(生成物)に対する摩耗試験をする試験装置を示す概略説明図である。
【図12】図1の直動案内ユニットを粉体環境での耐久試験を実施した耐久試験機を示す概略説明図である。
【図13】図1の直動案内ユニットをクーラントミストによる耐久試験を実施した試験装置であって,(A)は正面図であり,(B)は側面図である。
【図14】図13の試験装置で本発明品を試験した結果を示すエンドシールとワイパーシールの接触部の測定結果を示す線図である。
【図15】一般的なウレタンフォームでなるシール部材における接触部を拡大して示す顕微鏡拡大図である。
【図16】図15のシール部材における試験後の接触部を拡大して示す顕微鏡拡大図である。
【符号の説明】
【0031】
1 軌道レール
2 スライダ
5 ワイパーシール組立体
6 エンドシール
7 取付板
8 スクレーパ
9 潤滑剤含浸部材
10 ワイパー装置
11 軌道面
12 リップ部
14 ワイパーシール
15 ケース
16 封止プレート
18 位置決めピン穴
27 位置決めピン
35 リップ部収容部
41 リブ部
44 摺接面
50 端面
56 隙間
66 端板
71 外周フレーム
72 内周フレーム
73 内周壁

【特許請求の範囲】
【請求項1】
長手方向に沿って軌道面が形成された軌道レール,及び前記軌道レールに複数の転動体を介して摺動自在なスライダから成る直動案内ユニットにおいて,
前記スライダの端部には前記軌道レールに付着した異物を払拭するためのワイパーシールが装着されており,前記ワイパーシールは,輪郭が鮮明でオープンポアを有する三次元構造の骨格組織でなるポリエステル系ポリウレタンフォームの素材の厚さを1/4〜1/20の厚さに圧縮成形した空孔部を有する三次元構造の骨格網状組織から構成されていることを特徴とするワイパーシールを備えた直動案内ユニット。
【請求項2】
前記ワイパーシールは,前記素材の厚さを1/10の厚さに圧縮成形されたシート材で形成されていることを特徴とする請求項1に記載の直動案内ユニット。
【請求項3】
前記ワイパーシールは,前記スライダの前記端部に配設されたケース内に嵌合されて配設され,前記ワイパーシールの内周が前記軌道レールの周囲に摺接していることを特徴とする請求項1又は2に記載の直動案内ユニット。
【請求項4】
前記ワイパーシールは,前記軌道レールと0.1〜0.05mmの締め代で摺接されることを特徴とする請求項3に記載の直動案内ユニット。
【請求項5】
前記ワイパーシールの前記空孔部には,潤滑油が含浸されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の直動案内ユニット。
【請求項6】
前記ケースには,複数枚の前記ワイパーシールが収容され,前記軌道面に摺接する前記ワイパーシールの突出部分に嵌合する位置決めピンが形成されていることを特徴とする請求項3〜5のいずれか1項に記載の直動案内ユニット。
【請求項7】
前記ケースは,前記位置決めピンが前記長手方向の前記ケースの全幅より突出して形成され且つ前記ケースに対向する取付板の位置決めピン穴に嵌合して前記スライダの前記端部に配設されていることを特徴とする請求項6に記載の直動案内ユニット。
【請求項8】
前記ワイパーシールは,取付板を介して前記スライダの前記端部に取り付けられ,前記取付板は,前記スライダの前記端部に配設されたエンドシールの外側端面に取り付けられ,前記エンドシールのリップ部を覆って収容する凹部になるリップ部収納部が形成されていることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の直動案内ユニット。
【請求項9】
前記ケースは,剛性を高めるために,周囲部がリブ部を備えた2重フレームに形成されていることを特徴とする請求項3〜8のいずれか1項に記載の直動案内ユニット。
【請求項10】
前記ワイパーシールは,前記軌道レールに隙間を持って遊嵌する前記ケースの端板と前記軌道レールに隙間を持って遊嵌する封止プレートとに挟持されて配設されていることを特徴とする請求項3〜9のいずれか1項に記載の直動案内ユニット。
【請求項11】
前記ワイパーシールの前記三次元構造の前記骨格網状組織は,多数の微細な連続する前記空孔部を持っており,前記潤滑油が前記空孔部に毛細管現象と高い空孔率により含浸して保持され,前記空孔部に対して前記潤滑油の浸出入が可能になっていることを特徴とする請求項5〜10のいずれか1項に記載の直動案内ユニット。
【請求項12】
前記スライダの端部のエンドシールの端面には,取付板を介してワイパー装置が取り付けられ,前記ワイパー装置は,ケース及び該ケース内に収容された一対のワイパーシールと前記取付板側に位置する封止プレートとから成るワイパーシール組立体,並びに前記ワイパーシール組立体の端面に配設されたスクレーパから構成され,前記一対のワイパーシールは,前記軌道レールの外周面,前記ケースの端面の端板と内周フレームの内周壁,及び前記封止プレートに接触することを特徴とする請求項1〜11のいずれか1項に記載の直動案内ユニット。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2009−144746(P2009−144746A)
【公開日】平成21年7月2日(2009.7.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−319697(P2007−319697)
【出願日】平成19年12月11日(2007.12.11)
【出願人】(000229335)日本トムソン株式会社 (96)
【Fターム(参考)】