説明

ワイヤグリッド偏光板の製造方法

【課題】ロール・ツー・ロール方式を用い、製品面内の光学特性にばらつきが小さいワイヤグリッド偏光板を得ることができるワイヤグリッド偏光板の製造方法を提供すること。
【解決手段】本発明のワイヤグリッド偏光板の製造方法は、表面に格子状凸部を有する基材フィルムがロール状に巻かれてなる原反ロールから、搬送用ロールを介して前記基材フィルムを巻取ロールに搬送する間に前記基材フィルム内の有効製品部に金属を被着するロール・ツー・ロール方式のワイヤグリッド偏光板の製造方法であって、前記基材フィルム内の有効製品部に金属が最も多く被着されている部分の金属被着量をdMAXとし、前記基材フィルム内の有効製品部に金属が最も少なく被着されている部分の金属被着量をdMINとしたときに、(dMAX−dMIN)/(dMAX+dMIN)で定義される数値δが、δ<0.15を満たすことを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、格子状凸部を有するワイヤグリッド偏光板の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年のフォトリソグラフィー技術の発達により、光の波長レベルのピッチを有する微細構造パターンを形成することができるようになってきた。このように非常に狭いピッチのパターンを有する部材や製品は、半導体分野だけでなく、光学分野において利用範囲が広く有用である。
【0003】
例えば、基板上に金属などの導電体線が特定のピッチで格子状に配列したワイヤグリッドは、そのピッチが入射光(例えば、可視光の波長400nmから800nm)に比べてかなり小さい場合(例えば、2分の1以下)であれば、導電体線に対して平行に振動する電場ベクトル成分をほとんど反射し、垂直な電場ベクトル成分をほとんど透過させるため、単一偏光を作り出すワイヤグリッド偏光板として使用できる。このようなワイヤグリッド偏光板は、透過しない光を反射して再利用することができるので、光の有効利用の観点からも望ましいものである。
【0004】
従来、このようなワイヤグリッド偏光板は、例えば、特許文献1に開示されているように、凹凸格子を有する基材に対して斜め蒸着法を用いて金属を被着することにより製造していた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2006−201782号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
凹凸格子を有する基材に対して斜め蒸着法を用いて金属を被着するワイヤグリッド偏光板の製造方法においては、蒸着速度の変動や、蒸着膜厚の分布などに起因して、製品面内の光学特性にばらつきが大きかった。
【0007】
本発明はかかる点に鑑みてなされたものであり、ロール・ツー・ロール方式を用い、製品面内の光学特性にばらつきが小さいワイヤグリッド偏光板を得ることができるワイヤグリッド偏光板の製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明のワイヤグリッド偏光板の製造方法は、表面に格子状凸部を有する基材フィルムがロール状に巻かれてなる原反ロールから、搬送用ロールを介して前記基材フィルムを巻取ロールに搬送する間に前記基材フィルム内の有効製品部に金属を被着するロール・ツー・ロール方式のワイヤグリッド偏光板の製造方法であって、前記基材フィルム内の有効製品部に金属が最も多く被着されている部分の金属被着量をdMAXとし、前記基材フィルム内の有効製品部に金属が最も少なく被着されている部分の金属被着量をdMINとしたときに、(dMAX−dMIN)/(dMAX+dMIN)で定義される数値δが、δ<0.15を満たすことを特徴とする。
【0009】
ワイヤグリッド偏光板の製造方法においては、前記金属の被着は、金属供給源と前記基材フィルムとの間に配置され、前記金属を通過させる開口部を有するマスク部材を介して行われ、前記金属供給源と前記開口部との間の距離をTSとし、前記基材フィルムの搬送方向と略直交する方向における前記開口部の幅をW1としたときに、TS/W1>0.25を満たすことが好ましい。
【0010】
ワイヤグリッド偏光板の製造方法においては、前記金属供給源は、それぞれ前記基材フィルムの搬送方向と略平行な方向を長手方向として並設する複数の長尺部材で構成されており、前記長尺部材の長さをLとしたときに、TS/L>1を満たすことが好ましい。
【0011】
ワイヤグリッド偏光板の製造方法においては、前記金属供給源における前記基材フィルムの搬送方向と略直交する方向の長さをW2としたときに、W2>W1を満たすことが好ましい。
【0012】
ワイヤグリッド偏光板の製造方法においては、前記金属を被着する方法が抵抗加熱式真空蒸着方法であり、前記長尺部材が蒸着ボート(るつぼ)であり、前記蒸着ボート(るつぼ)の数をNとしたときに、N>(W1/TS)×4を満たすことが好ましい。
【0013】
ワイヤグリッド偏光板の製造方法においては、前記格子状凸部が前記基材フィルムの幅方向に連続して延在しており、前記格子状凸部の延在方向と前記基材フィルムの搬送方向との間のなす角が30°以上90°以下であることが好ましい。
【0014】
ワイヤグリッド偏光板においては、表面に格子状凸部を有する基材フィルム内の有効製品部に金属が最も多く被着されている部分の金属被着量をdMAXとし、前記基材フィルム内の有効製品部に金属が最も少なく被着されている部分の金属被着量をdMINとしたときに、(dMAX−dMIN)/(dMAX+dMIN)で定義される数値δが、δ<0.15を満たすことが好ましい。
【発明の効果】
【0015】
本発明のワイヤグリッド偏光板の製造方法は、表面に格子状凸部を有する基材フィルムがロール状に巻かれてなる原反ロールから、搬送用ロールを介して前記基材フィルムを巻取ロールに搬送する間に前記基材フィルム内の有効製品部に金属を被着する方法であって、前記基材フィルム内の有効製品部に金属が最も多く被着されている部分の金属被着量をdMAXとし、前記基材フィルム内の有効製品部に金属が最も少なく被着されている部分の金属被着量をdMINとしたときに、(dMAX−dMIN)/(dMAX+dMIN)で定義される数値δが、δ<0.15を満たすので、製品面内の光学特性にばらつきが小さいワイヤグリッド偏光板を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の実施の形態に係るワイヤグリッド偏光板の製造方法により得られたワイヤグリッド偏光板の一部を示す概略断面図である。
【図2】本発明の実施の形態に係るワイヤグリッド偏光板の製造方法の原理を説明するための図である。
【図3】本発明の実施の形態に係るワイヤグリッド偏光板の製造方法に用いる装置を説明するための図である。
【図4】本発明の実施の形態に係るワイヤグリッド偏光板の製造方法における蒸着角度を説明するための図である。
【図5】図3に示す装置の一部を説明するための図である。
【図6】図3に示す装置の一部を説明するための図である。
【図7】実施例1の方法におけるアルミニウムの被着量測定結果を示す図である。
【図8】比較例1の方法におけるアルミニウムの被着量測定結果を示す図である。
【図9】実施例1のワイヤグリッドフィルムの透過率の測定結果を示す図である。
【図10】比較例1のワイヤグリッドフィルムの透過率の測定結果を示す図である。
【図11】実施例1のワイヤグリッドフィルムの偏光度の測定結果を示す図である。
【図12】比較例1のワイヤグリッドフィルムの偏光度の測定結果を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の実施の形態について、添付図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本発明の実施の形態に係るワイヤグリッド偏光板の製造方法で得られるワイヤグリッド偏光板の一部を示す概略断面図である。このワイヤグリッド偏光板は、表面に格子状凸部1aを有する基材1と、基材1上に設けられた誘電体層2と、誘電体層2上に立設された金属ワイヤ3とから主に構成されている。なお、誘電体層2は必ずしも設けなくても良い。
【0018】
基材1に用いる素材は、可視光領域で実質的に透明な樹脂であればよく、加工性の優れた樹脂が好ましい。例えば、ポリメタクリル酸メチル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリスチレン樹脂、シクロオレフィン樹脂(COP)、架橋ポリエチレン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂、変性ポリフェニレンエーテル樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、ポリエーテルサルフォン樹脂、ポリサルフォン樹脂、ポリエーテルケトン樹脂などの非晶性熱可塑性樹脂や、ポリエチレンテレフタレート樹脂(PET)、ポリエチレンナフタレート樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂、芳香族ポリエステル樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリアミド樹脂などの結晶性熱可塑性樹脂や、アクリル系、エポキシ系、ウレタン系などの紫外線硬化性樹脂や熱硬化性樹脂が挙げられる。また、基材1として、紫外線硬化性樹脂や熱硬化性樹脂と、ガラスなどの無機基板、上記熱可塑性樹脂、トリアセテート樹脂とを組み合わせた複合基材を用いても良い。
【0019】
基材1の格子状凸部1aのピッチPは、可視光領域の広帯域にわたる偏光特性を考慮すると、150nm以下であり、好ましくは80nmから120nmである。ピッチが小さくなるほど偏光特性が良くなるが、可視光に対しては80nmから120nmのピッチで十分な偏光特性が得られる。400nm近傍の短波長光の偏光特性を重視しない場合は、ピッチを150nm程度まで大きくしても良い。
【0020】
格子状凸部1aのピッチPは、熱可塑性樹脂を基材1に用いた場合、基材1に格子状凸部形状を付与した後に施す延伸加工の条件を調整することにより制御することができる。なお、本発明において、基材1の格子状凸部1aのピッチPと、誘電体層2のピッチと、金属ワイヤ3のピッチとは、本発明のワイヤグリッドのピッチとほぼ等しく、同じピッチPをとることができる。なお、誘電体層2は必ずしも設けなくても良い。
【0021】
基材1の格子状凸部1aの高さHは、良好な光学特性を得たり、基材1と誘電体層2との間の密着性を高め、誘電体層2を格子状凸部1a上に選択的に積層することを考慮すると、格子状凸部1aのピッチPの0.5倍から2.0倍、特に、1.0倍から2.0倍であることが好ましい。
【0022】
基材1の格子状凸部1aの幅Wは、偏光度、透過率などを考慮すると、格子状凸部間の35%〜60%であることが好ましい。なお、基材1の格子状凸部1aの断面形状に制限はない。
【0023】
基材1に格子状凸部を設ける方法としては、例えば、表面に100nm〜100μmピッチの凹凸格子を有する被延伸部材を、前記凹凸格子の長手方向(格子状凸部の格子と平行な方向)と略直交する方向の前記被延伸部材の幅を自由にした状態で前記長手方向と略平行な方向に自由端一軸延伸加工する方法が挙げられる。この結果、前記被延伸部材の凹凸格子の凸部のピッチが縮小され、ピッチが約120nm以下の格子状凸部を有する基材(延伸済み部材)が得られる。格子状凸部のピッチは、100nm〜100μmの範囲に設定するが、要求する格子状凸部のピッチや延伸倍率に応じて適宜変更することができる。
【0024】
また、表面に100nm〜100μmピッチの凹凸格子を有する被延伸部材を得るには、レーザ光を用いた干渉露光法や切削法などで形成した、100nm〜100μmピッチの凹凸格子を有する型を用いて、被延伸部材にその凹凸格子形状を熱プレスなどの方法で転写すれば良い。なお、干渉露光法とは、特定の波長のレーザ光を角度θ’の2つの方向から照射して形成される干渉縞を利用した露光法であり、角度θ’を変化させることで使用するレーザの波長で制限される範囲内で色々なピッチを有する凹凸格子の構造を得ることができる。干渉露光に使用できるレーザとしては、TEM00モードのレーザに限定され、TEM00モードのレーザ発振できる紫外光レーザとしては、アルゴンレーザ(波長364nm,351nm,333nm)や、YAGレーザの4倍波(波長266nm)などが挙げられる。
【0025】
あるいは、基材1に格子状凸部を設ける方法としては、表面にピッチが120nm以下の格子状凸部を有する型を用いて、基材の表面に格子状凸部を転写して成型する方法が挙げられる。ここで、表面にピッチが120nm以下の格子状凸部を有する型は、前記方法により得た、ピッチが120nm以下の格子状凸部を有する基材を、順に導電化処理、メッキ処理、基材の除去処理を施すことで作製することができる。
【0026】
誘電体層2を構成する誘電体は、可視光領域で実質的に透明な誘電体であれば良い。基材1を構成する材料及び金属ワイヤ3を構成する金属との間の密着性が強い誘電体材料を好適に用いることができる。例えば、珪素(Si)の酸化物、窒化物、ハロゲン化物、炭化物の単体又はその複合物や、アルミニウム(Al)、クロム(Cr)、イットリウム(Y)、ジルコニア(Zr)、タンタル(Ta)、チタン(Ti)、バリウム(Ba)、インジウム(In)、錫(Sn)、亜鉛(Zn)、マグネシウム(Mg)、カルシウム(Ca)、セリウム(Ce)、銅(Cu)などの金属の酸化物、窒化物、ハロゲン化物、炭化物の単体又はそれらの複合物(誘電体単体に他の元素、単体又は化合物が混ざった誘電体)を用いることができる。
【0027】
誘電体層2を、格子状凸部1aを有する基材1の格子状凸部を含んだ領域上に形成する方法としては、誘電体層2を構成する材料により適宜選択する。例えば、スパッタリング法、真空蒸着法などの物理的蒸着法を好適に用いることができる。密着強度の観点からスパッタリング法が好ましい。
【0028】
金属ワイヤ3を構成する金属としては、可視光領域で光の反射率が高く、誘電体層2を構成する材料との間の密着性のよいものであることが好ましい。例えば、アルミニウム(Al)、銀又はそれらの合金で構成されていることが好ましい。コストの観点から、Al又はその合金で構成されていることがさらに好ましい。
【0029】
金属ワイヤ3を形成するために金属を基材1又は誘電体層2上に被着する方法としては、基材1又は誘電体層2を構成する材料と金属ワイヤ3とを構成する金属との間で十分な密着性が得られる方法であれば特に限定されない。例えば、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法などの物理的蒸着法を好適に用いることができる。中でも、金属を誘電体層2の凸部に選択的に、又は誘電体層2の凸部の一方の側面に偏って選択積層できるような方法が好ましい。そのような方法として、例えば、真空蒸着法が挙げられる。
【0030】
本発明の方法においては、必要に応じて、例えば酸又はアルカリのエッチャントを用いて湿式エッチングを行って、格子状凸部間の凹部領域に付着した金属を除去したり、金属ワイヤの凸部同士の接触を解消したり、金属ワイヤの断面形状を前記適正範囲に修正するようにしても良い。
【0031】
ワイヤグリッド偏光板の製造方法においては、基材1の表面に設けられた格子状凸部1aに対して、前記格子状凸部1aの立設方向(図2における破線)と金属を被着する方向(図2における実線)との間のなす角をθとし、被着開始時の前記なす角をθdとし、被着終了時の前記なす角をθsとしたときに、θsからθdとの間の角度範囲において相対的に大きい方の角度から順次金属を被着し、相対的に小さい方の角度からの蒸着量が相対的に大きい方からの蒸着量よりも多いように制御して格子状凸部1a上に金属ワイヤ3を形成する。図2において、参照符号4は、金属ワイヤ3が存在することにより金属が被着されない影部を示す。
【0032】
ワイヤグリッド偏光板の製造方法においては、例えば、図3に示すような装置を用いて金属の被着(蒸着)を行う。図3に示す装置は、表面に格子状凸部を有する基材フィルム6がロール状に巻かれてなる原反ロール5から、搬送用ロール7を介して前記基材フィルム6を巻取ロール8に搬送する装置であり、原反ロール5から基材フィルム6を巻取ロール8に搬送する間に前記基材フィルム6に金属を被着する。すなわち、ワイヤグリッド偏光板の製造方法は、ロール・ツー・ロール方式の方法である。
【0033】
図3に示すような装置において、搬送用ロール7が矢印の方向に回転することにより、原反ロール5から基材フィルム6が引き出され巻取ロール8で巻き取るようになっている。搬送用ロール7の下方(蒸着ボート(るつぼ)11と基材フィルム6との間)には、開口部9を有するマスク10が配設されており、金属供給源である蒸着ボート(るつぼ)11からの金属は、マスク10の開口部9を通過して基材フィルム6に被着される。このとき、基材フィルム6の特定の部分は、マスク10の開口部9から蒸着ボート(るつぼ)11に対して露出しているときに、金属が被着される。この被着開始時(マスク10の開口部9から初めて蒸着ボート(るつぼ)11に対して露出した時)の格子状凸部1aの立設方向(図2における破線)と金属を被着する方向(図2における実線)との間のなす角がθdであり、被着終了時(マスク10の開口部9から蒸着ボート(るつぼ)11に対して露出した状態からマスク10で隠される直前)の前記なす角がθsである。
【0034】
より詳細に説明すると、図4に示すように、成膜室には蒸着角を制御するための開口部9を有するマスク10が配置され、金属供給源である蒸着ボート(るつぼ)11が加熱されて蒸着ボート(るつぼ)11を構成する金属が蒸発する。したがって基材フィルム6には、開口部9にて蒸着ボート(るつぼ)11に露出された地点(被着開始点D)から、マスク10により蒸着ボート(るつぼ)11から遮蔽される地点(被着終了点S)までの間、金属が被着される。なお、被着時の格子状凸部1aの立設方向(図2における破線)は、図4においては搬送用ロール7の中心12から搬送用ロール7の円周の任意の点に引いた線となる。したがって、被着開始時の角度θdは、蒸着ボート(るつぼ)Aと被着開始点Dとを結んだ直線と、搬送用ロール7の中心12と被着開始点Dとを結んだ直線とがなす角に相当する。同様に、被着終了時の角度θsは蒸着ボート(るつぼ)Aと被着終了点Sとを結んだ直線と、搬送用ロール7の中心12から被着終了点Sとを結んだ直線とがなす角に相当する。
【0035】
金属被着中の蒸着ボート(るつぼ)11の温度変動や、蒸着ボート(るつぼ)11上での被着金属の濡れ具合の変動などの要因により、幅方向および長手方向双方において、格子状凸部1aに対する金属の被着量が異なる。ワイヤグリッド偏光板においては、基材フィルム6の有効製品部に金属が最も多く被着されている部分の金属被着量をdMAXとし、この基材フィルム6の有効製品部に金属が最も少なく被着されている部分の金属被着量をdMINとしたときに、(dMAX−dMIN)/(dMAX+dMIN)で定義される数値δが、δ<0.15を満たすことを特徴としている。このように金属被着量を制御することにより(膜厚分布を小さくすることにより)、製品面内の光学特性にばらつきが小さいワイヤグリッド偏光板を得ることができる。なお、基材フィルム6に金属が最も多く被着されている部分とは、2mmφの面積で蛍光X線測定を実施し、AL−Kα線の強度が最も強かった部分をいい、基材フィルム6に金属が最も少なく被着されている部分とは、AL−Kα線の強度が最も弱かった部分をいう。
【0036】
なお、前記基材フィルム内の有効製品部は、(1)原反ロールの搬送方向における開始線から終了線、及び(2)原反ロールの搬送方向と直交する方向(幅方向)における有効範囲、に囲まれた範囲とする。
(1)原反ロールの搬送方向における開始線から終了線
蒸着開始後、前記基材フィルムの搬送方向と直交する方向(幅方向)のいずれかの部位において前記dMAXの95%の量の金属の被着が確認された位置を、搬送方向の開始線とし、蒸着終了直前に幅方向のあらゆる部位において金属の被着量が前記dMAXの95%を下回る位置を、搬送方向の終了線とする。
【0037】
(2)原反ロールの搬送方向と直交する方向(幅方向)における有効範囲
ワイヤグリッド偏光板の製造方法においては、前記金属の被着は、金属供給源と前記基材フィルムとの間に配置された、前記金属を通過させる開口部を有するマスク部材を介して行われるが、前記基材フィルムの搬送方向と略直交する方向(幅方向)のマスクで完全に遮蔽されるフィルム端部には金属が被着されず、またマスク端部の近傍の被着量は少ない。基材フィルムの2端部それぞれから幅方向に向けて金属の被着量を測っていった際に、前記dMAXの90%の量の金属の被着が確認された位置からフィルム搬送方向に直線を引いたとき、2つの直線に囲まれた範囲を有効範囲とする。
中でも透過率、偏光度の均一性を考慮すると、δ≦0.10を満たすことが好ましく、δ≦0.05を満たすことがより好ましい。
【0038】
上記蒸着において、金属供給源である蒸着ボート(るつぼ)11とマスク10の開口部9との間の距離をTSとし、基材フィルム6の搬送方向Y(図5参照)と略直交する方向における開口部9の幅をW1(図6参照)としたときに、TS/W1>0.25を満たすことが好ましい。これにより、基材フィルム6の搬送方向及び、搬送方向と直交する方向における膜厚分布を均一にすることが可能となる。また、金属供給源からの輻射熱の影響を考えるとTSは50mm以上、より好ましくは100mm以上であることが好ましく、金属の利用効率を考えると1000mm以下であることが好ましい。
【0039】
また、蒸着ボート(るつぼ)11は、それぞれ基材フィルム6の搬送方向Y(図5参照)と略平行な方向を長手方向として並設する複数の長尺部材で構成されており(図3参照)、この長尺部材の長さをLとしたときに、TS/L>1、好ましくはTS/L>2を満たすことが好ましい。これにより、金属被着の際の蒸着角度(格子状凸部1aに対する金属の入射角度)を安定化することができる。
【0040】
また、蒸着ボート(るつぼ)11における基材フィルム6の搬送方向Y(図5参照)と略直交する方向の長さをW2(図6参照)としたときに、W2>W1を満たすことが好ましい。これにより、搬送方向と直交する方向の膜厚分布を均一にすることができる。また、幅方向における有効製品部を広く取るためには、W2>1.5×W1を満たすことがさらに好ましい。
【0041】
また、金属を被着する方法が抵抗加熱式真空蒸着方法である場合は、蒸着ボート(るつぼ)11の数をNとしたときに、N>(W1/TS)×4を満たすことが好ましい。これにより、基材フィルム6の搬送方向及び、搬送方向と直交する方向における膜厚分布を均一にすることが可能となる。ここで、蒸着ボート(るつぼ)11の数がN=1の場合でも、膜厚分布を均一にすることは可能である。また、蒸着ボート(るつぼ)11の数がN=1の場合の蒸着方式には、蒸着方式は電子ビーム(EB)式、誘導加熱式蒸着などの方式も採用でき、膜厚分布の均一性を考慮すると、EB式蒸着が好ましい。
【0042】
また、格子状凸部1aが基材フィルム6の幅方向に連続して延在しており、格子状凸部1aの延在方向X(図5参照)と基材フィルム6の搬送方向Y(図5参照)との間のなす角θXが30°以上90°以下であることが好ましい。これにより、凹凸構造の射影効果を有効に利用し、格子状凸部に選択的に金属を被着することができる。
【0043】
一般にロール状の樹脂フィルムは複屈折を有しており、その光学軸(屈折率が最大、最小となる向き)はロールの搬送方向あるいは搬送方向と略直交する方向に存在する。樹脂の複屈折により、透過光の偏光状態を崩したくない用途においては、前記格子状凸部の延在方向と前記基材フィルムの搬送方向との間のなす角はおよそ90°であることが好ましい。逆に、樹脂フィルムの複屈折を積極的に利用し、透過光の偏光状態をコントロールしたい場合(樹脂フィルムを位相差フィルムとして利用する場合)においては、その用途に応じて前記格子状凸部の延在方向と前記基材フィルムの搬送方向との間のなす角が適宜選択されるが、角度が小さくなりすぎると、格子状凸部による金属の遮蔽効果を利用し難くなるため、30°以上であることが好ましい。
【0044】
次に、本発明の効果を明確にするために行った実施例について説明する。
(格子状凸部を有する樹脂基材の作製)
・凹凸格子形状が転写されたCOP板の作製
ピッチが230nmで、凹凸格子の高さが230nmである凹凸格子を表面に有するニッケルスタンパを準備した。この凹凸格子は、レーザ干渉露光法を用いたパターニングにより作製されたものであり、その断面形状は正弦波状で、上面からの形状は縞状格子形状であった。また、その平面寸法は縦横ともに500mmであった。このニッケルスタンパを用いて、熱プレス法により厚さ0.5mm、縦横がそれぞれ520mmのシクロオレフィン樹脂(以下、COPと略す)板の表面に凹凸格子形状を転写し、凹凸格子形状を転写したCOP板を作製した。
【0045】
・延伸によるピッチの縮小
次いで、この凹凸格子形状が転写されたCOP板を520mm×460mmの長方形に切り出し、被延伸部材としての延伸用COP板とした。このとき、520mm×460mmの長手方向(520mm)と凹凸格子の長手方向とが互いに略平行になるように切り出した。
【0046】
次いで、この延伸用COP板の表面に、スプレーによりシリコーンオイルを塗布し、約80℃の循環式空気オーブン中に30分放置した。次いで、延伸用COP板の長手方向の両端10mmを延伸機のチャックで固定し、その状態で113±1℃に温度調節された循環式空気オーブン中に延伸用COP板を10分間放置した。その後、250mm/分の速度でチャック間の距離が2.7倍延伸したところで延伸を終え、20秒後に延伸したCOP板(延伸済みCOP板)を室温雰囲気下に取り出し、チャック間の距離を維持したまま冷却した。この延伸済みCOP板の中央部分約40%は、ほぼ均一にくびれており、最も幅が縮小されている部分は280mmになっていた。
【0047】
この延伸済みCOP板の表面と断面を、電界放出型走査型電子顕微鏡(FE−SEM)にて観察したところ、微細凹凸格子のピッチと高さがそれぞれ、140nm/130nm(ピッチ/高さ)であり、その断面形状が正弦波状で、上面からの形状が縞状格子状となっており、実質的に延伸前の凹凸格子形状と相似で縮小されていたことが分かった。
【0048】
・ニッケルスタンパ作製
得られた、140nmピッチの延伸済みCOP板表面に、それぞれ導電化処理として金をスパッタリングにより30nm被覆した後、それぞれニッケルを電気メッキし、厚さ0.3mm、縦300mm、横180mmの微細凹凸格子を表面に有するニッケルスタンパを作製した。
【0049】
・ロールスタンパ作製
同様にしてニッケルスタンパを計2枚作成し、2枚のスタンパを溶接により円形に接合し、ロールスタンパとした。この際、接合は微細凹凸格子の長手方向とロールスタンパの円周方向が直交する向きで行った。
【0050】
・格子状凸部転写フィルムロールの作製
厚み0.08mm、幅250mmのトリアセチルセルロースフィルム(以下、TACフィルム)のロール(フィルム長250m)をほどきながら、連続的に紫外線硬化性樹脂を幅200mm、厚み0.01mm塗布し、塗布面を上記140nmピッチの微細凹凸格子を表面に有するロールスタンパ上に接触させ、フィルム側から中心波長365nmの紫外線ランプを用いて紫外線を1000mJ/cm2照射し、ロールスタンパの微細凹凸格子を連続的に転写した後、ロール状に巻き取った。以下、このロールを原反ロールと呼ぶことにする。得られた格子状凸部転写フィルムをFE−SEMにより観察し、その断面形状が正弦波状で、上面からの形状が縞状格子状となっていることを確認した。また、上記の方向でスタンパを接合しているため、格子状凸部はTACフィルムの幅方向に連続して延在しており、基材フィルム6の搬送方向との間のなす角は実質的に90°であった。
【0051】
(ワイヤグリッド偏光板の作製)
・原反ロールの乾燥
以上のようにして得られた原反ロールに含まれる水分を乾燥するために、原反ロールを200Wの赤外線ヒーターが3台設けられた真空槽に移し、フィルムを真空中でほどきながら2m/分で走行させ、加熱後、ロール状に巻き取った。フィルム走行停止時の真空度は0.03Pa、フィルム走行中(乾燥中)の真空度は0.15Paであった。また、ヒーター通過後のフィルムの表面温度を知るためにフィルム上には予めサーモラベルを貼っておいた。ヒーター通過後のフィルムの表面温度は60℃から70℃の間であった。
【0052】
・スパッタリング法を用いた誘電体層の形成
乾燥後の原反ロールを乾燥機の真空槽中に12時間放置したところ、フィルムの温度は23℃まで下がった。その後、原反ロールを誘電体形成及び金属ワイヤ形成用の真空チャンバへ移した。その際、フィルムの格子状凸部が設けられている面と反対側の面がフィルム搬送用ロール(メインローラー)と接するように通紙した。誘電体形成には反応性ACマグネトロンスパッタリング法を用いた。ターゲットサイズ127mm×750mm×10mmtのシリコンターゲットを2枚並べ、基板〜ターゲット距離(TS)80mm、アルゴンガス流量200sccm、窒素ガス流量300sccm、出力11kW、周波数37.5kHz、走行速度5m/分で原反ロールをほどきながらフィルム搬送用ロールで巻取ロール側に送りながら窒化珪素層を設け、その後ロール状に巻き取った。スパッタリングの際の張力は30N、メインローラー温度は30℃、スパッタリング開始前のバックグラウンドの真空度は0.005Pa、スパッタリング中の真空度は0.38Paであった。同じ条件でSiチップに窒化珪素を成膜し、エリプソメーターにて窒化珪素層の厚みを算出したところ、3nmであった。
【0053】
・アルミニウム蒸着(実施例1)
原反ロールの格子状凸部転写面に誘電体層として窒化珪素をスパッタリング法にて形成した後、フィルムをスパッタリング時と逆方向にメインローラーで送り、抵抗加熱式真空蒸着法にて金属ワイヤを形成し、ロール状に巻き取った。本実施例では、金属としてアルミニウム(Al)を用いた場合について説明する。
【0054】
アルミニウムの蒸着には斜め蒸着法を用い、格子状凸部の延在方向と垂直に交わる平面内において、θd=32°、θs=15°となるようにマスクを配置して行った。マスク開口部サイズは、フィルムの送り方向が60mm、幅方向(W1)が190mm、マスク開口部の中心と蒸着ボート(るつぼ)との距離(TS)は400mmであった。蒸着ボート(るつぼ)には長さ(L)×幅(w)×厚さ(t)=150mm×25mm×10mmの窒化ホウ素製のものを用い、各ボート(るつぼ)の間隔(P)は30mm、ボート(るつぼ)の本数(N)は7本であった。すなわち1本目のボート(るつぼ)と7本目のボート(るつぼ)の距離(W2)は355mm(=25×7+30×6)であった。また、蒸着ボート(るつぼ)加熱前の真空度は0.005Paであった。また、張力は30N、メインローラーの温度は30℃とした。
【0055】
以上のような条件にて、フィルム送り速度3.5m/分で格子状凸部転写フィルムを走行させながら、加熱されたボート(るつぼ)上に純度99.9%以上、線径1.7mmのアルミワイヤを送り速度200mm/分でフィードし、アルミニウムを蒸着した。蒸着中の真空度は0.007Paであった。
このとき、
TS/W1=400/190=2.105>0.25
TS/L=400/150=2.67>1
N=7>(W1/TS)×4=(190/400)×4=1.9
W2(355)>W1(190)
であった。
【0056】
・アルミニウム蒸着(比較例1)
ボート(るつぼ)の中心部とマスク開口部の中心部の距離(TS)を100mmとし、アルミニウムワイヤの送り速度を115mm/分とした以外は実施例1と同様の条件でアルミニウム蒸着を行った。このとき、
TS/W1=100/190=0.52
TS/L=100/150=0.67
N=7<(W1/TS)×4=(190/100)×4=7.6
W2(355)>W1(190)
【0057】
(アルミニウムの被着量測定)
実施例1、比較例1それぞれについて、長手方向および幅方向各点のアルミニウム被着量を測定するために、原反フィルムを50mおきに50mmの短冊状に切り出し、さらに幅方向に30mmおきにサンプルを切り出し、50mm×30mmの小片とした。その後蛍光X線の発光強度よりアルミニウムの被着量を測定した。実施例1、比較例1それぞれの測定結果を図7、図8に示す。なお、図7、図8に示す被着量は平滑面にアルミニウムの平膜を堆積させたときの厚みである。ここで、原反フィルムにアルミニウムが最も多く被着されている部分の被着量をdMAX、原反フィルムにアルミニウムが最も少なく被着されている部分の被着量をdMINとしたときに、(dMAX−dMIN)/(dMAX+dMIN)で定義される数値δは、実施例が0.05であり、比較例が0.16であった。なお、平滑面、凹凸格子いずれでも、同量のアルミニウムが被着されていれば、蛍光X線の発光強度は同じであった。その後、蛍光X線にてアルミニウムの被着量を測定した小片を、0.5重量%のNaOHaq槽内に65秒間浸漬させ、次いで水洗・風乾して、目的とするワイヤグリッドフィルムを得た。
【0058】
(光学性能の評価)
以上のようにして得られたワイヤグリッドフィルムの透過率、偏光度を測定した。実施例1の透過率を図9に示し、比較例1の透過率を図10に示し、実施例1の偏光度を図11に示し、比較例1の偏光度を図12に示す。これらの図から分かるように、実施例1の方法で得られたワイヤグリッド偏光板では、全測定箇所で透過率は40%〜43%、偏光度は99.8以上であり、ばらつきが非常に小さかったのに対して、比較例1の方法で得られたワイヤグリッド偏光板では、透過率が35%〜45%、偏光度が99.99〜98.50とばらつきが大きかった。
【0059】
図7〜図12から分かるように、透過率が高いものは偏光度が低く、逆に偏光度が高いものは透過率が低いというトレードオフ関係が存在し、比較例においては透過率と偏光度のバランスをとれた部位がきわめて低い。このため、ワイヤグリッドフィルムの製品スペックが透過率40%以上、偏光度99.7以上であるとした場合、実施例での収率は100%、比較例での収率は44%となる。
【0060】
本発明は上記実施の形態に限定されず、種々変更して実施することができる。例えば、上記実施の形態においては、基材フィルム上に誘電体層を介して金属ワイヤを形成してなるワイヤグリッド偏光板について説明しているが、本発明はこれに限定されず、基材フィルム上に直接金属ワイヤを形成してなるワイヤグリッド偏光板についても同様に適用することができる。また、上記実施の形態における材質、数量などについては一例であり、適宜変更することができる。その他、本発明の技術的思想を逸脱しない範囲内で適宜変更して実施することができる。
【符号の説明】
【0061】
1 基材
1a 格子状凸部
2 誘電体層
3,3a 金属ワイヤ
4 影部
5 原反ロール
6 基材フィルム
7 搬送用ロール
8 巻取ロール
9 マスク開口部
10 マスク
11 金属供給源(蒸着ボート(るつぼ))
12 搬送用ロールの中心
D 被着開始点
S 被着終了点

【特許請求の範囲】
【請求項1】
表面に格子状凸部を有する基材フィルムがロール状に巻かれてなる原反ロールから、搬送用ロールを介して前記基材フィルムを巻取ロールに搬送する間に前記基材フィルム内の有効製品部に金属を被着するロール・ツー・ロール方式のワイヤグリッド偏光板の製造方法であって、前記基材フィルム内の有効製品部に金属が最も多く被着されている部分の金属被着量をdMAXとし、前記基材フィルム内の有効製品部に金属が最も少なく被着されている部分の金属被着量をdMINとしたときに、(dMAX−dMIN)/(dMAX+dMIN)で定義される数値δが、δ<0.15を満たすことを特徴とするワイヤグリッド偏光板の製造方法。
【請求項2】
前記金属の被着は、金属供給源と前記基材フィルムとの間に配置され、前記金属を通過させる開口部を有するマスク部材を介して行われ、前記金属供給源と前記開口部との間の距離をTSとし、前記基材フィルムの搬送方向と略直交する方向における前記開口部の幅をW1としたときに、TS/W1>0.25を満たすことを特徴とする請求項1記載のワイヤグリッド偏光板の製造方法。
【請求項3】
前記金属供給源は、それぞれ前記基材フィルムの搬送方向と略平行な方向を長手方向として並設する複数の長尺部材で構成されており、前記長尺部材の長さをLとしたときに、TS/L>1を満たすことを特徴とする請求項1又は請求項2記載のワイヤグリッド偏光板の製造方法。
【請求項4】
前記金属供給源における前記基材フィルムの搬送方向と略直交する方向の長さをW2としたときに、W2>W1を満たすことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載のワイヤグリッド偏光板の製造方法。
【請求項5】
前記金属を被着する方法が抵抗加熱式真空蒸着方法であり、前記長尺部材が蒸着ボート(るつぼ)であり、前記蒸着ボート(るつぼ)の数をNとしたときに、N>(W1/TS)×4を満たすことを特徴する請求項1から請求項4のいずれかに記載のワイヤグリッド偏光板の製造方法。
【請求項6】
前記格子状凸部が前記基材フィルムの幅方向に連続して延在しており、前記格子状凸部の延在方向と前記基材フィルムの搬送方向との間のなす角が30°以上90°以下であることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれかに記載のワイヤグリッド偏光板の製造方法。
【請求項7】
表面に格子状凸部を有する基材フィルム内の有効製品部に金属が最も多く被着されている部分の金属被着量をdMAXとし、前記基材フィルム内の有効製品部に金属が最も少なく被着されている部分の金属被着量をdMINとしたときに、(dMAX−dMIN)/(dMAX+dMIN)で定義される数値δが、δ<0.15を満たすことを特徴とするワイヤグリッド偏光板。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2010−39478(P2010−39478A)
【公開日】平成22年2月18日(2010.2.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−156939(P2009−156939)
【出願日】平成21年7月1日(2009.7.1)
【出願人】(309002329)旭化成イーマテリアルズ株式会社 (771)
【Fターム(参考)】