説明

ワイヤハーネス、ワイヤハーネスの製造方法

【課題】 止水性に優れ、構造が簡易である、異種金属によるワイヤハーネスおよびワイヤハーネスの製造方法を提供する。
【解決手段】 ワイヤハーネス1は、端子3および被覆電線5等から構成される。被覆電線5の導体を構成する金属と端子3を構成する金属は異種金属である。被覆電線5を絶縁被覆する導線被覆部23から露出する導線25は導線圧着部13によって端子3に圧着され、導線被覆部23は被覆線圧着部11によって端子3に圧着される。導線圧着部13と被覆線圧着部11との間には被覆導線5の幅方向に端子3を拡幅し、端子3の深さ方向の長さを拡張することによって樹脂溜め部17を設ける。導線被覆部23から露出する導線25の表面および導線圧着部13を樹脂材7で被覆し、樹脂溜め部17において、導線被覆部23の外周面の全周を樹脂材7によって被覆することで端子3と導線25の接続部への浸水を防止する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は自動車等に用いられるワイヤハーネスおよびワイヤハーネスの製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、自動車、OA機器、家電製品等分野では、電力線や信号線として、電気導電性に優れた銅系材料からなる導電線が使用されている。特に、自動車分野においては、車両の高性能化、高機能化が急速に進められており、車載される各種電気機器や制御機器が増加している。したがって、これに伴い、使用されるワイヤハーネスも増加する傾向にある。
【0003】
一方、環境問題が注目される中、自動車の軽量化が要求されている。したがって、ワイヤハーネスの使用量増加に伴う重量増加が問題となる。このため、従来使用されている銅線に代えて、軽量なアルミニウム電線が注目されている。
【0004】
ここで、このような電線同士を接続する際や機器類等の接続部においては、接続用端子が用いられる。しかし、アルミニウム心線を用いたワイヤハーネスであっても、接続部の信頼性等のため、端子部には、電気特性に優れる銅が使用される場合がある。このような場合には、アルミニウム電線と銅製の端子とが接合されて使用される。
【0005】
しかし、異種金属を接触させると、標準電極電位の違いから、いわゆる電食が発生する恐れがある。特に、アルミニウムと銅との標準電極電位差は大きいため、接触部への水の飛散や結露等の影響により、電気的に卑であるアルミニウム側の腐食が進行する。このため、接続部における電線と端子との接続状態が不安定となり、接触抵抗の増加や線径の減少による電気抵抗の増大、更には断線が生じて電装部品の誤動作、機能停止に至る恐れがある。
【0006】
このような異種金属を接続したアルミ電線用端子としては、電線と端子との接続部を覆うように端子に樹脂材を充填した物がある(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2004−111058号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかし、特許文献1において電線と端子との接続部を樹脂で被覆する際には、絶縁被覆された電線を端子に圧着する部分(被覆線圧着部)も上から樹脂で被覆している。被覆線圧着部を樹脂で覆うと、電線が外力を受け屈曲した際などに被覆線圧着部から水が浸入するおそれがある。さらに、端子と電線との間に隙間があれば、電線と端子との接触部に水が入り込み、電食が促進されてしまう。
【0009】
図5は従来技術による、端子103および電線の接続部を樹脂101で覆ったワイヤハーネスの一部を示す断面図である。断面形状がコの字状の端子103に、導線被覆部105と導体109から形成される電線を配置し、導線被覆部105を端子103の開口部から樹脂101を充填することによって被覆する。端子103の底面と電線の間には隙間107が生じる。
【0010】
したがって、ワイヤハーネスが安定して電気特性を維持するためには、端子と電線の接続部への浸水を確実に防止する構造を具備し、かつ簡易な構造であるワイヤハーネスが望まれる。
【0011】
本発明は、このような問題に鑑みてなされたもので、止水性に優れ、構造が簡易である異種金属によるワイヤハーネスおよびワイヤハーネスの製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
前述した目的を達成するために、第1の発明は、周囲を絶縁被覆する導線被覆部を有する電線導体と、前記電線導体とは異なる金属からなる端子とが接続されるワイヤハーネスであって、前記端子は、導線圧着部と、被覆線圧着部と、前記導線圧着部と前記被覆線圧着部との間に設けられる樹脂溜め部と、を具備し、前記導線被覆部から露出する前記電線導体の端部は前記導線圧着部によって前記端子に圧着され、前記導線被覆部は前記被覆線圧着部によって前記端子に圧着され、
前記導線被覆部から露出する前記電線導体の表面および前記導線圧着部が樹脂材で被覆されるとともに、前記樹脂溜め部において、前記導線被覆部の外周面の全周が樹脂材で被覆されることを特徴とするワイヤハーネスである。
【0013】
前記樹脂溜め部には外部に貫通する孔が設けられることが望ましい。
【0014】
前記樹脂溜め部の前記電線導体の長手方向の長さは前記電線導体を前記端子に圧着させる際に生じる前記電線導体の伸びより長いことが望ましい。
【0015】
第1の発明によれば、端子が樹脂溜め部を具備することによって、樹脂溜め部における導線被覆部の外周面の全周を樹脂材で覆うことが可能となり、被覆導線と端子との間に隙間を設けることなく樹脂材を充填することができる。したがって、端子と電線導体の接続部への浸水を確実に防止することができ、構造が簡易であるワイヤハーネスを提供することができる。
【0016】
また、導線圧着部および、導線被覆部から露出する電線導体の表面が樹脂材で被覆され、樹脂溜め部においても、導線被覆部の外周面の全周が樹脂材で覆われているため、例えば電線導体が屈曲した際にも電線と端子の接続部に浸水することがなく、安定して電気特性を維持するワイヤハーネスを提供することができる。
【0017】
また、樹脂溜め部には外部に貫通する孔が設けられることから、樹脂材を樹脂溜め部に充填させる際に、樹脂材を充填する箇所に混入する空気を孔の外側の空気と置換するため、空気溜まりを形成することなく樹脂を充填させることができる。
【0018】
また、樹脂溜め部の電線導体の長手方向の長さが、電線導体を端子に圧着させる際に生じる電線導体の伸びより長いことによって、電線導体を端子に圧着させる際に電線導体に伸びが生じても、導線被覆部の端部を樹脂溜め部上の位置に配置することができ、確実に導線被覆部の外周面の全周を樹脂材で被覆することが可能となる。
【0019】
第2の発明は、ワイヤハーネスの製造方法であって、導線圧着部と、被覆線圧着部と、前記導線圧着部と前記被覆線圧着部との間に設けられる樹脂溜め部と、前記樹脂溜め部に形成される外部に貫通する孔と、を具備する端子を用い、前記導線被覆部から露出する前記電線導体の端部を、前記導線圧着部によって前記端子に圧着し、前記導線被覆部を、前記被覆線圧着部によって前記端子に圧着し、前記導線圧着部と、前記導線被覆部から露出する前記電線導体の表面と、前記樹脂溜め部と、に前記樹脂材を塗布することによって、前記樹脂溜め部には前記樹脂材が充填され、前記樹脂溜め部における前記導線被覆部の外周面の全周を前記樹脂材で被覆することを特徴とするワイヤハーネスの製造方法である。
【0020】
第2の発明によれば、樹脂溜め部における導線被覆部の外周面の全周を樹脂材で覆われたワイヤハーネスを製造することができる。したがって、被覆導線と端子との間に隙間を設けることなく樹脂材を充填することができる。
【0021】
また、導線圧着部および、導線被覆部から露出する電線導体の表面が樹脂材で被覆されるとともに、樹脂溜め部において、導線被覆部の外周面の全周が樹脂材で被覆されることから、電線導体が屈曲した際にも電線と端子の接続部に浸水することがなく、安定して電気特性を維持するワイヤハーネスを製造することが可能となる。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、止水性に優れ、構造が簡易である、異種金属によるワイヤハーネスおよびワイヤハーネスの製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】ワイヤハーネス1を示す図で、(a)は樹脂材7で被覆する面(以下端子表面)を示す斜視図で、(b)は端子裏面を示す斜視図。
【図2】樹脂材7によって被覆する前のワイヤハーネス1を示す図で、(a)は端子表面を示す斜視図で、(b)は端子裏面を示す斜視図。
【図3】ワイヤハーネス1を示す図で、(a)は正面図、(b)は正面断面図、(c)は平面図。
【図4】ワイヤハーネス1の断面図を示す図で(a)は図3におけるA−A線断面図、(b)はB−B線断面図。
【図5】従来技術による端子103および電線の接続部を樹脂101で覆ったワイヤハーネスを示す断面図。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態について説明する。図1はワイヤハーネス1を示す図であり、図1(a)は端子3の樹脂材7で被覆する面(以下端子表面)を示す斜視図で、図1(b)は端子裏面を示す斜視図である。図2は樹脂材7によって被覆する前のワイヤハーネス1を示す図であり、図2(a)は端子表面を示す斜視図で、図2(b)は端子裏面を示す斜視図である。
【0025】
ワイヤハーネス1は、端子3および被覆電線5等から構成される。端子3は、銅もしくは黄銅などが使用される。端子3には、電線導体である被覆電線5が接続される。導線25を導線被覆部23によって絶縁被覆した被覆電線5には、アルミニウムもしくはアルミニウム合金製の導線が使用される。すなわち、被覆電線5の導線25を構成する金属と端子3を構成する金属は異種金属である。なお、以下の説明においては、銅製の端子と、アルミニウム製の(導体を有する)被覆電線である例について説明する。
【0026】
被覆電線5の先端は、導線被覆部23が剥離され、内部の導線25が露出している。被覆電線5の絶縁被覆されている部分は、端子3の一部である被覆線圧着部11によって端子3に圧着される。また、導線被覆部23が剥離されて露出している導線25は、端子3の一部である導線圧着部13によって端子3に圧着される。導線圧着部13において導線25と端子3とが電気的に接続される。
【0027】
また、端子3および導線25の接続部の表面は樹脂材7によって被覆される。樹脂材7の詳細は後述する。
【0028】
端子3の先端部には、例えば筒状の端子本体15が設けられる。図1は、雌型の端子を示す例であり、端子本体15内部に雄端子が挿入されて電気的に接続される。前述の通り、端子3は、被覆線圧着部11、導線圧着部13、端子本体15等から構成され、被覆線圧着部11と導線圧着部13との間には樹脂溜め部17が設けられる。樹脂溜め部17の詳細は後述する。端子3の樹脂材7が充填される面の裏側の樹脂溜め部17の位置には、孔9が設けられる。孔9についても後述する。
【0029】
端子本体15の内部(下部)には例えば、雄端子と接触する端子接触部19が設けられる。すなわち、端子3と接続される雄端子は、端子接触部19の接触面(上面)、端子本体15の両側面(内面)および端子本体15の上面(内面)と接触する。なお、端子3の形状は前述した形状の記載および図面で示した形状にとらわれない。
【0030】
次に樹脂溜め部17について説明する。図3はワイヤハーネス1を示す図で、図3(a)は正面図、図3(b)は正面断面図、図3(c)は平面図である。図3(c)に示したように、被覆線圧着部11と導線圧着部13との間には被覆導線5の幅方向に端子3を拡幅して樹脂溜め部17が設けられる。
【0031】
また、図4はワイヤハーネス1の断面を示す図で、図4(a)は図3におけるA−A線断面図、図4(b)はB−B線断面図である。図4(a)に示すように、樹脂溜め部17の端子3の幅方向の断面形状はコの字状である。樹脂溜め部17の開口部からは樹脂材7が充填される。導線25を絶縁被覆する導線被覆部23の外周面は全周にわたって樹脂材7で覆われ、樹脂材7は樹脂溜め部17を隙間なく満たすまで充填される。
【0032】
図3(a)および図3(b)に示したように、樹脂溜め部17は端子3を、端子3の幅方向に拡幅し、端子3の深さ方向にも長さを拡張することで樹脂材7を充填するのに適した形状となる。
【0033】
図4(a)において示す樹脂溜め部17の位置の端子3の幅方向の断面形状(A−A線断面形状)と、図4(b)において示す導線圧着部13の位置の端子3の幅方向の断面形状(B−B線断面形状)を比較すると、樹脂溜め部17の位置の端子3の幅および深さは、導線圧着部13の位置の端子3の幅および深さよりも大きい。したがって、導線圧着部13の位置における導線25は、導線圧着部13によって端子3に圧着されることから、樹脂溜め部17の位置における導線25と比較して、潰れた形状となる。
【0034】
また、図3(b)および図4(a)に示すように、樹脂溜め部17における端子3の底面には外部に貫通する孔9が設けられる。
【0035】
次に、樹脂材7について説明する。樹脂材7には耐塩水性(絶縁性)の樹脂を用い、−40℃〜125℃における端子3等に対する接着強度が3MPa以上、引張強度が30MPa以上、かつ、弾性率が200〜1000MPaであることが望ましい。樹脂材7の接着強度が小さいと、使用時等において樹脂材7が剥離脱落する恐れがあり、弾性率および引張強度が上記範囲から外れると、樹脂材7の破損や剥離が生じやすくなるため望ましくない。また、樹脂材7の吸水率(沸騰水で2時間における)は5%以下であることが望ましい。
【0036】
このような樹脂材7としては、例えば、シリコン系、アクリル系、ウレタン系、ポリアミド系、エポキシ系等、またはこれらの混合樹脂を使用することができる。
【0037】
樹脂材7を設けるには、たとえば、前述の方法で製造された端子3および被覆電線5を接続し、接続された状態で、導線25と、導体圧着部13と、樹脂溜め部17と、を被覆するように、硬化前の樹脂材7を塗布する。樹脂材7の塗布の方法としては、例えば、ノズル等から樹脂材7を滴下させることによって端子3に樹脂材7を塗布する。この場合、硬化前の樹脂材料として、JIS Z 8803における流体の粘度の測定方法に準じた粘度が5000mPa・s〜20000mPa・sの範囲に調整した物が用いられる。粘度が低すぎると、樹脂材7の塗布後に樹脂材7が流れてしまい、粘度が大きすぎると、樹脂材7が完全に接続部を被覆することが困難となるためである。
【0038】
樹脂材7の塗布後、前述したような接着強度、引張強度、弾性率が得られるように、紫外線、熱等を加えることで樹脂材7を硬化させる。以上により、樹脂材7が設けられる。
【0039】
次に、ワイヤハーネス1の製造方法について説明する。前述した、導線圧着部13と、被覆線圧着部11と、導線圧着部13と被覆線圧着部11との間に設けられる樹脂溜め部17と、樹脂溜め部17に形成される外部に貫通する孔9と、を具備する端子3を用いてワイヤハーネス1を製造する。
【0040】
まず、導線被覆部23から露出する導線25の端部と端子3とを、導線圧着部13によって圧着するとともに、導線被覆部23と端子3とを、被覆線圧着部11によって圧着する。次に、導線圧着部13と、導線被覆部23から露出する導線25の表面と、樹脂溜め部17と、に樹脂材7を塗布する。樹脂溜め部17には樹脂材7が充填され、樹脂溜め部17における導線被覆部23の外周面の全周は樹脂材7によって被覆される。なお、端子3の開口部からのみだけではなく、孔9から樹脂材7を充填させることもできる。
【0041】
また、導線圧着部13によって導線25を圧着する際に、導線25に伸びが生じ、導線被覆部23の端部が被覆線圧着部11の下にずれてしまう可能性がある。しかし、導線被覆部23の外周部の全周を樹脂材7で被覆する目的を達成するためには、導線被覆部23の端部が樹脂溜め部17上の位置に配置される必要がある。したがって、樹脂溜め部17の被覆導線5の長手方向の長さは導線25を端子3に圧着させる際に生じる導線25の伸びより長いことが必要である。
【0042】
以上説明したように、本実施形態のワイヤハーネス1によれば、端子3が樹脂溜め部17を具備することによって、樹脂溜め部17における導線被覆部23の外周面の全周を樹脂材7で覆うことが可能となる。このため、被覆導線5と端子3との間に隙間を設けることなく樹脂材7を充填することができる。したがって、隙間からの浸水を確実に防止することができ、構造が簡易であるワイヤハーネス1を提供することができる。
【0043】
また、導線圧着部13および、導線被覆部23から露出する電線導体の表面が樹脂材7で被覆され、樹脂溜め部17においても、導線被覆部23の外周面の全周が樹脂材7で覆われているため、例えば被覆導線5が屈曲した際にも電線と端子3の接触部に浸水することがなく、安定して電気特性を維持するワイヤハーネス1を提供することができる。
【0044】
また、樹脂溜め部17に外部に貫通する孔9が設けられることから、樹脂材7を樹脂溜め部17に充填させる際に、樹脂材7を充填する箇所に混入する空気を孔9の外側の空気と置換するため、空気溜まりを形成することなく樹脂材7を充填させることができる。
【0045】
また、樹脂溜め部17の電線導体の長手方向の長さが、電線導体を端子3に圧着させる際に生じる電線導体の伸びより長いことによって、電線導体を端子3に圧着させる際に電線導体に伸びが生じても、導線被覆部23の端部を樹脂溜め部17上の位置に配置することができ、確実に導線被覆部17の外周面の全周を樹脂材7で被覆することが可能となる。
【0046】
以上、添付図を参照しながら、本発明の実施の形態を説明したが、本発明の技術的範囲は、前述した実施の形態に左右されない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【符号の説明】
【0047】
1………ワイヤハーネス
3………端子
5………被覆導線
7………樹脂材
9………孔
11………被覆線圧着部
13………導線圧着部
15………端子本体
17………樹脂溜め部
19………端子接触部
23………導線被覆部
25………導線
101………樹脂
103………端子
105………導線被覆部
107………隙間
109………導体

【特許請求の範囲】
【請求項1】
周囲を絶縁被覆する導線被覆部を有する電線導体と、前記電線導体とは異なる金属からなる端子とが接続されるワイヤハーネスであって、
前記端子は、導線圧着部と、被覆線圧着部と、前記導線圧着部と前記被覆線圧着部との間に設けられる樹脂溜め部と、を具備し、
前記導線被覆部から露出する前記電線導体の端部は前記導線圧着部によって前記端子に圧着され、
前記導線被覆部は前記被覆線圧着部によって前記端子に圧着され、
前記導線被覆部から露出する前記電線導体の表面および前記導線圧着部が樹脂材で被覆されるとともに、前記樹脂溜め部において、前記導線被覆部の外周面の全周が樹脂材で被覆されることを特徴とするワイヤハーネス。
【請求項2】
前記樹脂溜め部には外部に貫通する孔が設けられることを特徴とする請求項1記載のワイヤハーネス。
【請求項3】
前記樹脂溜め部の前記電線導体の長手方向の長さは前記電線導体を前記端子に圧着させる際に生じる前記電線導体の伸びより長いことを特徴とする請求項1または請求項2記載のワイヤハーネス。
【請求項4】
ワイヤハーネスの製造方法であって、
導線圧着部と、被覆線圧着部と、前記導線圧着部と前記被覆線圧着部との間に設けられる樹脂溜め部と、前記樹脂溜め部に形成される外部に貫通する孔と、を具備する端子を用い、
前記導線被覆部から露出する前記電線導体の端部を、前記導線圧着部によって前記端子に圧着し、前記導線被覆部を、前記被覆線圧着部によって前記端子に圧着し、
前記導線圧着部と、前記導線被覆部から露出する前記電線導体の表面と、前記樹脂溜め部と、に前記樹脂材を塗布することによって、前記樹脂溜め部には前記樹脂材が充填され、前記樹脂溜め部における前記導線被覆部の外周面の全周を前記樹脂材で被覆することを特徴とするワイヤハーネスの製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2012−190635(P2012−190635A)
【公開日】平成24年10月4日(2012.10.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−52476(P2011−52476)
【出願日】平成23年3月10日(2011.3.10)
【出願人】(000005290)古河電気工業株式会社 (4,457)
【出願人】(391045897)古河AS株式会社 (571)
【Fターム(参考)】