説明

ワイヤハーネス

【課題】車両組付時に不使用のコネクタを、予めワイヤハーネスの製造段階や出荷段階において簡単にワイヤハーネス上の定位置に仮保持しておくことができるようにする。
【解決手段】車両のインストルメントパネル用のワイヤハーネス30であり、複数の電線の束の外側を覆うように、自身の形状を維持し得る程度の剛性を有する樹脂保護材(例えば、ビーズ法により発泡成形された発泡体)32がモールド成形され、該樹脂保護材32の外面に、電線の束の中の少なくとも一部の電線33の端末に取り付けられたコネクタ(オーディオ機器等の後付けされる車載機器用の配線の端末のコネクタ)34を、一時的に嵌合可能な仮保持穴32aが設けられている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、車両のインストルメントパネルの裏側に配索されるワイヤハーネスに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来のワイヤハーネスは、一般的に、複数の電線を束ねてテープ巻きしただけの構造のものであった。あるいは、電線束の外側に樹脂シートやチューブ等の外装材を装着し、必要に応じて更にテープ巻きを加えただけの構造のものであった。従って、ワイヤハーネス自体に自身の形状を保つための強度がないことから、例えば、自動車のインストルメントパネルの裏側に配索する場合は、インストルメントパネル内にあるリンフォースに多数の支持をとって、ワイヤハーネスを配索しているのが現状である(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
また、車両メーカーにおいて、インストルメントパネル用のワイヤハーネスを車両に組み付ける場合、一部の車載機器用の配線については、ディーラー等での後付けに任せるために、配線の端末のコネクタを接続しないまま、定位置に仮固定しただけの状態で出荷することが行われている。
【0004】
例えば、インストルメントパネルに取り付けるオーディオ機器の場合、ディーラー等で後から自由に選択したものを取り付けたいという要望がある。その場合、車両メーカーは、図3に示すように、インストルメントパネル1の表皮樹脂材2に設けたオーディオ機器取付スペース(オーディオ機器取付穴)3を空の状態にしたまま、オーディオレス仕様で出荷しているが、後からオーディオ機器を取り付ける際に配線が容易にできるように、図4に示すように、ワイヤハーネス10から延びるオーディオ機器用の電線11の端末のコネクタ12を、インストルメントパネル1の表皮樹脂材2に形成したオーディオ機器取付スペース(取付穴)3の奥壁4の仮保持穴5に仮固定している。つまり、オーディオレス仕様車は、ディーラー等でのオーディオ取付作業を考慮し、作業者がオーディオ機器に結合すべきコネクタ12を識別し易い場所に仮固定している。
【0005】
従って、図5に示すように、後からオーディオ機器20を取り付ける場合は、オーディオ機器取付スペース3の奥壁4に仮固定してあるコネクタ12を取り外し、そのコネクタ12をオーディオ機器20に接続した上で、オーディオ機器取付スペース3にオーディオ機器20を嵌め込んで組み付けることにより、取付作業を完了することができる。なお、ワイヤハーネス10は、インストルメントパネル1の裏側のリンフォース8に多数の支持をとって固定している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2000−166061号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、上述したように従来では、後付けオーディオ機器用のコネクタ12を、オーディオ機器取付スペース3の奥壁4に仮固定するようにしているが、その場合、オーディオ機器取付スペース3の最奥部までインストルメントパネル1の表皮樹脂材2を延長して成形する必要があるため、材料コストが高くなる問題がある。また、オーディオ機器取付スペース3の最奥部は作業スペースが狭小なため、車両組付工程でのコネクタ12の仮固定作業がやりづらいという問題がある。
【0008】
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、車両へのワイヤハーネスの組み付け時において不使用のコネクタを、後からの接続の便宜を図るために、予めワイヤハーネスの製造段階や出荷段階において簡単にワイヤハーネス上の定位置に仮保持しておくことができ、それにより、車両側にコネクタの仮固定手段を設けておく必要性を無くすと共に、車両への組み付け時に不使用コネクタの仮固定を行う必要性もなくし、結果的にコストの低減と作業性の向上を図ることのできるワイヤハーネスを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の上記目的は、下記の構成により達成される。
(1) 複数の電線の束の外側を覆うように、自身の形状を維持し得る程度の剛性を有する樹脂保護材がモールド成形され、該樹脂保護材の外面に、前記電線の束の中の少なくとも一部の電線の端末に取り付けられたコネクタを、一時的に嵌合可能な仮保持穴が設けられていることを特徴とするワイヤハーネス。
【0010】
(2) 前記ワイヤハーネスが車両のインストルメントパネル用のワイヤハーネスであり、前記一部の電線の端末に取り付けられたコネクタが、オーディオ機器等の後付けされる車載機器用の配線の端末のコネクタであり、前記仮保持穴が、前記ワイヤハーネスを車両に組み付けた際に前記インストルメントパネルの後付けされる車載機器取付スペースに対応する箇所に配置されていることを特徴とする上記(1)に記載のワイヤハーネス。
【0011】
(3) 前記樹脂保護材が発泡体よりなることを特徴とする上記(1)又は(2)に記載のワイヤハーネス。
【0012】
(4) 前記発泡体が、ビーズ法により発泡成形されたものであることを特徴とする上記(3)に記載のワイヤハーネス。
【0013】
上記(1)の構成のワイヤハーネスによれば、該ワイヤハーネスを車両に組み付ける時点では使用しないコネクタを、一時的に定位置(仮保持穴)に仮保持しておくことができる。そのため、後からそのコネクタを使用して配線する必要が生じた場合に、容易にそのコネクタを識別して仮保持穴から取り出し必要箇所に接続することができる。
【0014】
また、ワイヤハーネス自体に、使用しないコネクタを定位置に仮固定しておく仮保持穴を備えているので、ワイヤハーネスを製造し出荷する段階で予め、使用しないコネクタを樹脂保護材の仮保持穴に仮固定しておくことができる。従って、車両へのワイヤハーネスの組み付け時に、不使用のコネクタの仮固定作業を行う必要がなくなり、ワイヤハーネス組み付け時の作業負担を減らせる。特に車両へのワイヤハーネスの組み付け時にコネクタの仮固定作業を行う場合は、狭い小さな空間での作業を余儀なくされていたが、ワイヤハーネス製造時にコネクタの仮固定を行えることで、広い周辺作業スペースでの作業が可能になり、作業負担を減らせる。
【0015】
また、ワイヤハーネス自体に、使用しないコネクタの仮保持穴を設けているので、車両側に仮固定のための手段を設けておく必要がなく、車両側の構成の簡略化・省材料化が図れると共に、後付け機器の取り付けや配線作業のやりやすさを確保しておくことができる。
【0016】
また、複数の電線の束の外側を覆う樹脂保護材が、従来のワイヤハーネスよりも大きな一定の剛性(自身の形状を維持し得る程度の剛性)を持っているので、リンフォースに多数の支持をとりながら配索する必要がなくなり、配索経路の選定の自由度が向上する。また、配索スペースさえあれば、どこでも配索できるようになるので、リンフォースに沿って配索スペースを確保する苦労もなくなる。また、ワイヤハーネスの固定箇所も削減できるので、車両への組付作業性も向上する。また、従来では電線を保護するためにコルゲートチューブやビニールシートあるいはテープ等の多種多様な外装材を手作業で電線束に取り付けていたが、樹脂保護材の一括モールド成形を施すだけで、電線を保護できるようになるため、外装材の取付作業性の向上が図れる。
【0017】
上記(2)の構成のワイヤハーネスによれば、インストルメントパネル用のワイヤハーネスの後付け車載機器用のコネクタを、ワイヤハーネスの樹脂保護材の外面の仮保持穴に嵌合することで、ワイヤハーネスの製造段階において予め仮固定しておくことができる。そして使用時には、インストルメントパネルの車載機器取付スペースから、仮固定してあるコネクタを引き出して車載機器に接続することにより、簡単に配線の接続を済ませることができる。
【0018】
このように、ワイヤハーネス自体に、使用しないコネクタを定位置に仮固定しておく仮保持穴を備えているので、車両へのワイヤハーネスの組み付け時に、不使用のコネクタの仮固定作業を行う必要がなくなり、ワイヤハーネス組付時の作業負担を減らせる。特に従来のように、オーディオ機器等の後付けされる車載機器の取付スペースに不使用コネクタの仮固定手段を設ける場合は、取付スペースの最奥部までインストルメントパネルの表皮樹脂材を延長して、その奥壁に仮固定手段を成形していたので、材料コストが高くなっていたが、その必要がなくなるので、材料コストの低減が図れる。また、車載機器の取付スペースの最奥部に仮固定手段を設ける場合は、作業スペースが狭小なために、車両組付工程でのコネクタの仮固定作業に困難を伴っていたが、車両組付工程におけるコネクタの仮固定作業が不要になるので、組み付け作業が楽に行える。
【0019】
上記(3)の構成のワイヤハーネスによれば、電線束の外側を緩衝性を持つ発泡体で覆うので、周辺部品との干渉や電線間の干渉による摩耗・異音の発生も無くせる。また、例えば、硬質の樹脂保護材で電線束を覆うようにした場合は、樹脂材と電線との間の固着力が大きくなるため、成形後の養生時に電線と樹脂材との膨張率差に起因して、樹脂材や電線に余計な応力が加わり、最悪の場合は、樹脂材が破損したり電線が断線したりするおそれがあるが、発泡体を電線束の外側にモールド成形した場合は、電線と発泡体との間に滑りを発生させて固着力を低く抑えることができるため、養生時に材料間に発生する膨張差を吸収することができ、熱膨張差による成形体の破損や電線の断線等の不具合の発生を防ぐことができる。
【0020】
上記(4)の構成のワイヤハーネスによれば、発泡体がビーズ法(一次発泡した米粒程度の大きさのビーズを金型内に敷き詰め、それを加熱し、二次発泡させる発泡方法)で発泡成形されているので、電線束の外表面の複雑で微細な凹凸に発泡体が入りにくくなり、固着量を更に低く抑えることができる。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、複数の電線の束の外部を覆うようにモールド成形した樹脂保護材の外面に、車両組付時に不使用のコネクタを仮固定するための仮保持穴を設けているので、不使用のコネクタを予めワイヤハーネスの製造段階や出荷段階において簡単にワイヤハーネス上の定位置に仮保持しておくことができる。従って、車両側に不使用コネクタの仮固定手段を設けておく必要がなくなることで、車両側の構成の単純化が可能になり、制作コストの低減が図れる。また、車両へのワイヤハーネスの組み付け時に不使用コネクタの仮固定を行う必要がなくなることで、狭小スペースでの面倒な作業がなくなり、作業性の向上が図れる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明の実施形態のインストルメントパネル用のワイヤハーネスの正面図である。
【図2】同ワイヤハーネスの車両組付状態を示す上から見た断面図であり、(a)は車両組付時において不使用のコネクタを仮保持穴に嵌合させて仮固定している状態を示す図、(b)はそのコネクタを引き出して後付けするオーディオ機器に接続した状態を示す図である。
【図3】従来のオーディオレス仕様のインストルメントパネルの正面図である。
【図4】図3の要部を上から見た断面図で、オーディオ機器取付スペースの奥壁に不使用コネクタを仮固定した状態を示す図である。
【図5】図4のコネクタを引き出して後付けするオーディオ機器に接続した状態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明の実施形態を図面を参照して説明する。
図1は実施形態のインストルメントパネル用のワイヤハーネスの正面図、図2は同ワイヤハーネスの車両組付状態を示す上から見た断面図で、(a)は車両組付時において不使用のコネクタを仮保持穴に嵌合させて仮固定している状態を示す図、(b)はそのコネクタを引き出して後付けするオーディオ機器に接続した状態を示す図である。
【0024】
このワイヤハーネス30は、車両のインストルメントパネル用のワイヤハーネスであり、所定形状に配索された複数の電線の束31の外側を覆うように、樹脂保護材32をモールド成形して構成したものである。樹脂保護材32は、自身の形状を維持し得る程度の剛性を有する材質のもので、ここでは、電線の束31の所定領域の外側を全周にわたって覆うようにモールド成形された発泡体によって構成されている。
【0025】
特に、この発泡体は、ビーズ法により発泡成形されたものであり、例えば、ビーズ法ポリスチレンフォームよりなる。ビーズ法ポリスチレンフォームは、ポリスチレン樹脂と炭化水素系の発泡剤からなる原料ビーズを予備発泡させた後に、金型に充填し加熱することによって作られている。また、ビーズ法ポリスチレンフォーム以外に、ビーズ法ポリウレタンフォームやビーズ法ポリプロピレンフォーム等で代替することもできる。
【0026】
この樹脂保護材32は、全体の外形が電線の束31の配索形状にほぼ倣った形状に成形されており、必要な箇所に、車載する際に便利なようにブロック状の成形部35が設けられている。特に、左右方向に延在するワイヤハーネス30の中央のブロック状の成形部35の前面(外面)には、電線の束31の中のオーディオ機器用の電線33の端末に取り付けられたコネクタ34を、一時的に嵌合可能な仮保持穴32aが設けられている。この仮保持穴32aは、ワイヤハーネス30を車両に組み付けた際に、図2に示すように、インストルメントパネル1の表皮樹脂材2上の後付けされるオーディオ機器取付スペース(取付穴)3に対応する箇所に配置されている。
【0027】
このワイヤハーネス30を作る場合は、例えば次のように工程を進める。まず、配索治具板の上に下型を固定し、配索治具板の上で電線の束31を配索する。その際、樹脂保護材32で覆う範囲の電線の束31を下型の内部に収容する。電線の束31を配索したら、次に下型の上に上型を被せて、上型と下型を型締めする。型締めしたら、成形材料(一次発泡させた原料ビーズ)を、下型と上型で形成されるキャビティに充填する。充填したら、例えばスチームをキャビティに導入し加熱する。加熱により材料を発泡させたら養生して冷却し、冷却が完了したら、上型を取り外し、下型から、成形された樹脂保護材32を脱型させる。これにより、電線の束31の必要箇所が樹脂保護材32で覆われたワイヤハーネス30が得られる。仮保持穴32aは、発泡成形時に一体に形成することができる。
【0028】
このように構成した場合、図2(a)に示すように、ワイヤハーネス30上の後付けオーディオ機器用のコネクタ34を、樹脂保護材32の外面の仮保持穴32aに嵌合することで、ワイヤハーネス30の製造段階及び出荷段階において予め仮固定しておくことができる。従って、広い周辺作業スペースでの作業が可能になり、作業負担を減らせる。そしてコネクタ34の使用時には、図2(b)に示すように、インストルメントパネル1の車載機器取付スペース3から、仮固定してあるコネクタ34を引き出して、オーディオ機器20に接続することにより、簡単に配線の接続を済ませることができる。
【0029】
このように、ワイヤハーネス30自体に、使用しないコネクタ34を定位置に仮固定しておく仮保持穴32aを備えているので、車両へのワイヤハーネス30の組み付け時に、不使用のコネクタ34の仮固定作業を行う必要がなくなり、ワイヤハーネス組付時の作業負担を減らせる。特に従来のように、オーディオ機器取付スペース3に不使用コネクタの仮固定手段を設ける場合は、取付スペース3の最奥部までインストルメントパネルの表皮樹脂材2を延長して、その奥壁4(図4参照)に仮固定手段を成形していたので、材料コストが高くなっていたが、その必要がなくなるので、車両側の構成の簡略化・省材料化によるコスト低減が図れると共に、後付け機器の取付や配線作業のやりやすさを確保しておくことができる。また、オーディオ機器取付スペース3の最奥部に仮固定手段を設ける場合は、作業スペースが狭小なために車両組付工程でのコネクタの仮固定作業に困難を伴っていたが、車両組付工程におけるコネクタの仮固定作業が不要になるので、組み付け作業が楽に行える。
【0030】
また、複数の電線の束31の外側を覆う樹脂保護材32が、従来のワイヤハーネスよりも大きな一定の剛性(自身の形状を維持し得る程度の剛性)を持っているので、図2に示すように、リンフォース8に多数の支持をとりながら配索する必要がなくなり、配索経路の選定の自由度が向上する。例えば、図2に示すように、リンフォース8の位置に単純に密着して沿わせるだけで、ワイヤハーネス30を安定して支持することができる。また、配索スペースさえあれば、どこでも配索できるようになるので、リンフォース8に制約されながら配索スペースを確保する苦労もなくなる。また、ワイヤハーネス30の固定箇所も削減できるので、車両への組付作業性も向上する。また、従来では電線を保護するためにコルゲートチューブやビニールシートあるいはテープ等の多種多様な外装材を手作業で電線束に取り付けていたが、樹脂保護材32の一括モールド成形を施すだけで、電線を保護できるようになるため、外装材の取付作業性の向上が図れる。
【0031】
また、このワイヤハーネス30では、電線の束31の外側を緩衝性を持つ発泡体(樹脂保護材32)で覆うので、周辺部品との干渉や電線間の干渉による摩耗・異音の発生も無くせる。また、例えば、硬質の樹脂保護材で電線束を覆うようにした場合は、樹脂材と電線との間の固着力が大きくなるため、成形後の養生時に電線と樹脂材との膨張率差に起因して、樹脂材や電線に余計な応力が加わり、最悪の場合は、樹脂材が破損したり電線が断線したりするおそれがあるが、発泡体を電線束の外側にモールド成形した場合は、電線と発泡体との間に滑りを発生させて固着力を低く抑えることができるため、養生時に材料間に発生する膨張差を吸収することができ、熱膨張差による成形体の破損や電線の断線等の不具合の発生を防ぐことができる。
【0032】
また、発泡体がビーズ法(一次発泡した米粒程度の大きさのビーズを金型内に敷き詰め、それを加熱し、二次発泡させる発泡方法)で発泡成形されているので、電線束の外表面の複雑で微細な凹凸に発泡体が入りにくくなり、固着量を更に低く抑えることができる。
【0033】
なお、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、適宜、変形、改良、等が可能である。その他、上述した実施形態における各構成要素の材質、形状、寸法、数、配置箇所、等は本発明を達成できるものであれば任意であり、限定されない。
【0034】
例えば、上記実施形態では、オーディオ機器用の電線33の端末のコネクタ34を仮保持する場合を説明したが、他の車載機器用のコネクタを仮保持する場合についても同様である。
【符号の説明】
【0035】
1 インストルメントパネル
3 オーディオ機器取付スペース(車載機器取付スペース)
30 ワイヤハーネス
31 電線の束
32 樹脂保護材
32a 仮保持穴
33 電線
34 コネクタ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の電線の束の外側を覆うように、自身の形状を維持し得る程度の剛性を有する樹脂保護材がモールド成形され、該樹脂保護材の外面に、前記電線の束の中の少なくとも一部の電線の端末に取り付けられたコネクタを、一時的に嵌合可能な仮保持穴が設けられていることを特徴とするワイヤハーネス。
【請求項2】
前記ワイヤハーネスが車両のインストルメントパネル用のワイヤハーネスであり、前記一部の電線の端末に取り付けられたコネクタが、オーディオ機器等の後付けされる車載機器用の配線の端末のコネクタであり、前記仮保持穴が、前記ワイヤハーネスを車両に組み付けた際に前記インストルメントパネルの後付けされる車載機器取付スペースに対応する箇所に配置されていることを特徴とする請求項1に記載のワイヤハーネス。
【請求項3】
前記樹脂保護材が発泡体よりなることを特徴とする請求項1又は2に記載のワイヤハーネス。
【請求項4】
前記発泡体が、ビーズ法により発泡成形されたものであることを特徴とする請求項3に記載のワイヤハーネス。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2012−161183(P2012−161183A)
【公開日】平成24年8月23日(2012.8.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−19743(P2011−19743)
【出願日】平成23年2月1日(2011.2.1)
【出願人】(000006895)矢崎総業株式会社 (7,019)
【Fターム(参考)】