説明

ワイヤレススキャナシステム

【課題】 詳細な情報を表示することができる液晶表示器などの表示手段をもたないワイヤレススキャナの詳細な状態情報をユーザーが比較的容易に認識できるようにする。
【解決手段】 本発明のワイヤレススキャナシステムは、ホスト装置2と、このホスト装置2と短距離のワイヤレス接続され情報コードを光学的に読み取る機能を備えたワイヤレススキャナ3とから構成されたシステムにおいて、ワイヤレススキャナ3の状態情報を前記ホスト装置2へ送信するように構成すると共に、ワイヤレススキャナ3の状態情報を、ホスト装置2の表示装置4aに表示する、または、ホスト装置2において音声で出力するように構成し、ワイヤレススキャナのユーザーに詳細な状態を報知するようにしたものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ホスト装置と、このホスト装置と短距離無線通信手段を介してワイヤレス接続されたワイヤレススキャナとから構成されたワイヤレススキャナシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
この種のワイヤレススキャナシステムの一例として、特許文献1に記載された構成が知られている。この構成においては、ワイヤレススキャナとして、無線通信機能を有するバーコードリーダを備え、このバーコードリーダによりバーコードを読み取ったときに、その読み取りデータを外部機器(ホスト装置)にワイヤレスで送信するように構成されている。
【特許文献1】特開2000−215266号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
一般的な構成のバーコードリーダには、報知手段として例えばLEDやブザー等が配設されており、バーコードリーダが読み取り動作可能であることをLEDの点灯で知らせたり、読み取りが正常に実行されたときにブザーを鳴動させたり、読み取りが正常に実行されなかったときにブザーを鳴動させないようにしている。そして、このようなLEDの点灯動作やブザーの鳴動動作は、ワイヤレス方式のバーコードリーダの場合にも、同様に実行されている。
【0004】
しかし、上記構成の場合、LEDの点灯動作やブザーの鳴動動作では、ユーザーに報知できる情報が少なく、バーコードリーダの状態情報、例えば電池の残量情報等をユーザーに知らせることができなかった。
【0005】
そこで、本発明の目的は、ワイヤレススキャナの状態情報をユーザーに比較的容易に認識させることができるワイヤレススキャナシステムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のワイヤレススキャナシステムは、ホスト装置と、ユーザーによって操作されるものであって前記ホスト装置と短距離無線通信手段を介してワイヤレス接続され情報コードを光学的に読み取る機能を備えたワイヤレススキャナとから構成されたシステムにおいて、前記ワイヤレススキャナは、状態情報を前記ホスト装置へ送信する状態情報送信手段を備え、そして、前記ホスト装置は、前記ワイヤレススキャナの状態情報を、前記ホスト装置の表示装置に表示する、または、前記ホスト装置において音声で出力する状態情報出力手段を備え、前記状態情報出力手段によって当該ワイヤレススキャナの状態をユーザーに報知するように構成したところに特徴を有する。
【0007】
上記構成によれば、ワイヤレススキャナの状態情報を、ホスト装置へ送信して、ホスト装置の表示装置に表示する、または、ホスト装置において音声で出力するように構成したので、ユーザーは、ホスト装置の表示装置を見ること、または、ホスト装置から出力された音声を聞くことにより、ワイヤレススキャナの状態情報を比較的容易に認識することができる。
【0008】
そして、上記構成の場合、前記ワイヤレススキャナに、LEDやブザーやバイブレータ等の報知手段を設け、前記ワイヤレススキャナの状態情報を前記ホスト装置へ送信すると共に、前記報知手段によって報知して前記ホスト装置の状態情報出力手段の出力をユーザーが参照するように促すように構成することが好ましい。
【0009】
また、前記ワイヤレススキャナに、LEDやブザーやバイブレータ等の報知手段を設け、前記ホスト装置において、前記ワイヤレススキャナの状態情報を受信して前記状態情報出力手段により出力したときに、その出力をユーザーが参照する必要があるときには、その旨を前記ワイヤレススキャナの報知手段により報知するように動作させる制御信号を前記ワイヤレススキャナへ送信するように構成することがより一層好ましい。
【0010】
更に、複数個のワイヤレススキャナを前記ホスト装置にワイヤレス接続するように構成し、前記各ワイヤレススキャナの状態情報送信手段によって、前記ワイヤレススキャナの状態情報を前記ホスト装置へ送信するときに、ワイヤレススキャナを識別する識別情報を添付して送信するように構成し、また、前記ホスト装置によって、前記ワイヤレススキャナの状態情報を前記状態情報出力手段により出力するときには、前記識別情報も出力するように構成することが良い構成である。
【0011】
この構成の場合、前記識別情報に、前記ワイヤレススキャナを操作するユーザーを特定するユーザー情報を含ませるようにし、前記ホスト装置によって、前記ワイヤレススキャナの状態情報を前記状態情報出力手段により出力するときには、前記ユーザー情報も出力するように構成することが好ましい構成である。
【0012】
また、前記ホスト装置によって、前記ユーザー情報も出力する際に、ユーザーの名前を音声で呼び出すように構成することがより一層好ましい。更にまた、前記ワイヤレススキャナにより、情報コードの読み取りデータを前記ホスト装置に送信するときに、前記ワイヤレススキャナの状態情報を添付して送信するように構成することがより一層良い構成である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、本発明の第1の実施例について、図1ないし図4を参照しながら説明する。図1は、本実施例のワイヤレススキャナシステム1の全体構成を概略的に示す図である。この図1に示すように、ワイヤレススキャナシステム1は、ホスト装置2と、このホスト装置2とワイヤレス接続されたワイヤレススキャナ3とから構成されている。
【0014】
ワイヤレススキャナ3は、図1中には1個だけ示すが、複数のワイヤレススキャナ3をホスト装置2にワイヤレス接続することが可能なように構成されている。ホスト装置2は、パソコン4と、このパソコン4に接続されたアクセスポイント5とから構成されている。アクセスポイント5は、通信規格が例えばBluetoothの無線通信機能を備えており、複数のワイヤレススキャナ3とそれぞれ通信することが可能なように構成されている。
【0015】
さて、図2は、ワイヤレススキャナ3とアクセスポイント5の電気的構成を概略的に示すブロック図である。ワイヤレススキャナ3は、図2に示すように、CPU6、光学読取部7、ブザー(報知手段)8、表示LED(報知手段)9、プログラムメモリ10、画像メモリ11、バイブレータ(報知手段)12、無線モジュール13、及び、電源回路14等を備えて構成されている。
【0016】
CPU6は、ワイヤレススキャナ3の動作全般を制御する機能を有している。光学読取部7は、情報コード(2次元コードやバーコード等)を読取可能なセンサと情報コードを照明する照明用LED等とを備えており、情報コードを読み取った画像データはCPU6を介して画像メモリ11に格納される。ブザー8、表示LED9及びバイブレータ12は、CPU6によりそれぞれ駆動制御される。
【0017】
無線モジュール13は、通信規格が例えばBluetoothの無線通信機能を備えており、無線送信部13aと、無線受信部13bと、アンテナ13cとから構成されている。CPU6からの送信信号は、無線モジュール13の無線送信部13a及びアンテナ13cを介して外部のホスト装置2のアクセスポイント5へ送信される。また、アクセスポイント5から送信された電波信号は、アンテナ13c及び無線受信部13bを介して受信され、この受信信号はCPU6へ与えられるようになっている。
【0018】
そして、電源回路14は、1次電池または2次電池からなる電池15から供給された直流電源に基づいて、ワイヤレススキャナ3内の各部(CPU6等)用の電源を生成して各部へ供給するように構成されている。尚、電源回路部14は、電池15の電圧を検知する機能を有しており、その検知信号をCPU6へ与えるようになっている。
【0019】
CPU6は、電池15の検知電圧に基づいて電池残量を判断する機能を有している。この構成の場合、電池15の電圧が例えば3〜4Vでワイヤレススキャナ3が動作可能であるとすると、電池15の電圧が例えば3〜3.3Vのときに電池残量が小であると判断し、電池15の電圧が例えば3.4〜3.6Vのときに電池残量が中であると判断し、電池15の電圧が例えば3.7〜4Vのときに電池残量が大であると判断するように構成されている。この電池残量の情報は、ワイヤレススキャナ3の状態情報の中の1つである。
【0020】
一方、アクセスポイント5は、図2に示すように、無線モジュール16と、USBインターフェース17とを備えて構成されている。無線モジュール16は、通信規格が例えばBluetoothの無線通信機能を備えており、無線送信部16aと、無線受信部16bと、アンテナ16cとから構成されている。
【0021】
この構成の場合、外部のワイヤレススキャナ3から送信された電波信号は、アンテナ16c及び無線受信部16bを介して受信され、この受信信号はUSBインターフェース17を介してパソコン4へ与えられるように構成されている。また、パソコン4からの送信信号は、USBインターフェース17を通り、更に、無線モジュール16の無線送信部16a及びアンテナ16cを介して外部のワイヤレススキャナ3へ送信されるように構成されている。
【0022】
そして、パソコン4は、ワイヤレススキャナ3から送信されてきた情報コードの読み取りデータをアクセスポイント5を介して受信し、この受信した読み取りデータを内部に設けられたデータベース内に格納すると共に、ディスプレイ(表示装置)4aに表示する機能を有している。また、パソコン4は、ワイヤレススキャナ3から送信されてきた状態情報(例えば電池残量の情報等)のデータをアクセスポイント5を介して受信し、この受信したデータを内部に設けられたデータベース内に格納すると共に、ディスプレイ4aに表示する機能を有している。尚、これらの機能は、パソコン4で動作する例えばアプリケーションプログラムで実現されている。
【0023】
次に、上記構成のワイヤレススキャナシステム1の動作について、図3及び図4のフローチャートを参照して説明する。尚、図3のフローチャートはワイヤレススキャナ3の制御内容を示し、図4のフローチャートはパソコン4(アプリケーションプログラム)の制御内容を示す。
【0024】
まず、図3に示すように、ワイヤレススキャナ3側においては、読取待機状態において(ステップS1)、ワイヤレススキャナ3の電池15の残量が「小」以下であるか否かを判断する(ステップS2)。ここで、電池残量が「小」以下でないとき(電池残量が十分あるとき)には、ステップS2にて「NO」へ進み、情報コード、即ち、バーコードまたは2次元コード(例えばQRコード)の読み取りを実行する(ステップS3)。尚、この読み取りは、ユーザーがワイヤレススキャナ3を把持してそのトリガースイッチを操作することにより実行する。
【0025】
続いて、ステップS4へ進み、ワイヤレススキャナ3は、情報コードを読み取った読み取りデータ(コード情報)と、電池残量情報(「大」、「中」または「小」の情報)とをホスト装置2へ送信するように構成されている。そして、この後は、ステップS1へ戻り、読み取り待機状態となる。
【0026】
また、上記ステップS2において、電池残量が「小」以下であるとき(電池残量が少ないとき)には、ステップS2にて「YES」へ進み、ワイヤレススキャナ3は、表示LED9を点滅点灯させると共に、電池残量が「小」の情報をホスト装置2へ送信するように構成されている(ステップS5)。この場合、ワイヤレススキャナ3は、状態情報送信手段としての機能を備えている。そして、この後は、ステップS3へ進み、上述したようにして、読み取り処理を実行するように構成されている。
【0027】
一方、ホスト装置2側においては、図4に示すように、ワイヤレススキャナ3からの送信信号を受信する待機状態において(ステップS11)、ワイヤレススキャナ3から読み取りデータや電池残量等の情報(データ)が送信されると、ホスト装置2のアクセスポイント5は上記送信された電波信号を受信する(ステップS12)。すると、アクセスポイント5は、受信した情報、即ち、読み取りデータや電池残量等の情報をパソコン4へ送るように構成されている。
【0028】
続いて、ステップS13へ進み、パソコン4は、受信した電池残量情報(「大」、「中」または「小」の情報)をディスプレイ4aに表示する。このとき、パソコン4は、受信した情報コードの読み取りデータもディスプレイ4aに表示するように構成されている。尚、電池残量情報(「小」の情報)だけを受信したときには、電池残量情報だけを表示する。そして、ステップS14へ進み、受信した(ディスプレイ4aに表示した)電池残量情報が「小」であるか否かを判断する。
【0029】
ここで、電池残量情報が「小」であるときには、ステップS14にて「YES」へ進み、パソコン4は、「あと、10分で電池が切れます。」というメッセージを、パソコン4のスピーカから音声で出力するように構成されている(ステップS15)。この構成の場合、パソコン4とそのディスプレイ4a、または、パソコン4とそのスピーカが、状態情報出力手段を構成している。
【0030】
そして、この後は、ステップS11へ戻り、ワイヤレススキャナ3からの送信信号を受信する待機状態となる。
また、上記ステップS14において、電池残量情報が「小」でないときには、ステップS14にて「NO」へ進み、ステップS11へ戻り、ワイヤレススキャナ3からの送信信号を受信する待機状態となる。
【0031】
従って、上記構成のワイヤレススキャナシステム1の場合、ワイヤレススキャナ3から電池残量情報が「小」である情報がホスト装置2へ送信されると(図3のステップS5)、その送信情報はホスト装置2のアクセスポイント5により受信され、そして、この受信情報、即ち、電池残量情報が「小」である情報は、パソコン4のディスプレイ4aに表示される(ステップS13)と共に、パソコン4のスピーカから、「あと、10分で電池が切れます。」というメッセージが音声で出力される(ステップS15)。
【0032】
また、ワイヤレススキャナ3は、電池残量情報が「小」である情報をホスト装置2へ送信するときには、表示LED9を点滅点灯するように構成されている。この場合、ユーザーは、上記表示LED9の点滅点灯を視認することにより、ワイヤレススキャナ3の状態に何らかの異常があることがわかり、ホスト装置2のパソコン4のディスプレイ4aの表示を視認したり、または、パソコン4のスピーカから出力される音声を聞いたりする(即ち、ユーザーが状態情報出力手段の出力を参照する)必要があることがわかる。
【0033】
また、上記実施例の場合、ワイヤレススキャナ3により情報コードが読み取られ、読み取りデータと電池残量情報がホスト装置2へ送信されると(図3のステップS4)、その送信情報はホスト装置2のアクセスポイント5により受信され、そして、この受信情報、即ち、読み取りデータと電池残量情報は、パソコン4のディスプレイ4aに表示されるように構成されている(ステップS13)。
【0034】
このような構成の本実施例においては、ワイヤレススキャナ3の電池残量情報(状態情報)を、ホスト装置2へ送信して、ホスト装置2のパソコン4のディスプレイ4aに表示する、または、ホスト装置2のパソコン4のスピーカから音声で出力するように構成した。このため、ユーザーは、ホスト装置2のパソコン4のディスプレイ4aを見ること、または、ホスト装置2のパソコン4のスピーカから出力された音声を聞くことにより、ワイヤレススキャナ3の電池残量(状態情報)を比較的容易に認識することができる。
【0035】
そして、上記実施例の場合、ワイヤレススキャナ3に表示LED5を設け、ワイヤレススキャナ3の電池残量情報をホスト装置2へ送信すると共に、ホスト装置2のパソコン4のディスプレイ4aやスピーカの出力をユーザーが参照する必要があるときには、その旨を上記表示LED5を点滅点灯させることにより、ユーザーに報知するように構成した。これにより、ユーザーは、ホスト装置2のパソコン4のディスプレイ4aやスピーカの出力を速やかに参照することができる。
【0036】
尚、上記実施例では、ホスト装置2のパソコン4のディスプレイ4aやスピーカの出力をユーザーが参照する必要があるときに、ワイヤレススキャナ3の表示LED5を点滅させるように構成したが、これに限られるものではなく、ワイヤレススキャナ3の例えばブザーを鳴動させたり、バイブレータを動作させたりしても良い。
【0037】
また、上記実施例においては、ワイヤレススキャナ3の状態情報として、電池残量情報を送信するように構成したが、これに限られるものではなく、例えば無線通信余裕度の情報や、読み取りエラー率の情報等をホスト装置2へ送信するように構成しても良い。尚、これらの情報は、ワイヤレススキャナ3において収集可能な情報である。
【0038】
一方、上記実施例においては、複数個のワイヤレススキャナ3をホスト装置2のアクセスポイント5にワイヤレス接続することが可能なように構成されていることから、各ワイヤレススキャナ3は、状態情報をホスト装置2へ送信するときに、各ワイヤレススキャナ3を識別する識別情報(ワイヤレススキャナA,B,C,・・・やワイヤレススキャナの番号等)を添付して送信するように構成されている。加えて、本実施例においては、各ワイヤレススキャナ3を操作するユーザーを特定するユーザー情報(ユーザーの名称等)を、上記識別情報に含ませるように構成している。
【0039】
これによって、ホスト装置2のパソコン4において、各ワイヤレススキャナ3の状態情報をディスプレイ4aに表示(またはスピーカから音声で出力)するときには、図1に例示するように、上記識別情報、即ち、ワイヤレススキャナ3を特定する情報とユーザーを特定する名称等の情報も一緒に表示(音声出力)するように構成されている。
【0040】
尚、上記実施例において、ワイヤレススキャナ3を識別する識別情報に、各ワイヤレススキャナ3を操作するユーザーを特定するユーザー情報を含ませる1つの方法として、次のような方法がある。まず、ワイヤレススキャナ3を使用する前に、ホスト装置2のパソコン4において、各ワイヤレススキャナ3の識別情報と、各ワイヤレススキャナ3を操作するユーザーのユーザー情報とを対応させて登録する。この後、対応させた識別情報、即ち、ワイヤレススキャナ3を識別する識別情報に、各ワイヤレススキャナ3を操作するユーザーを特定するユーザー情報を含ませタ識別情報を、パソコン4から各ワイヤレススキャナ3へ送信して各ワイヤレススキャナ3内に登録(記憶)するように構成すれば良い。
【0041】
また、上記実施例では、ワイヤレススキャナ3の識別情報に、各ワイヤレススキャナ3を操作するユーザーのユーザー情報を含ませるように構成したが、これに代えて、ホスト装置2のパソコン4内に、各ワイヤレススキャナ3の識別情報と、各ワイヤレススキャナ3を操作するユーザーのユーザー情報とを対応させるデータテーブルを設け、パソコン4において、送信されてきたワイヤレススキャナ3の識別情報と上記データテーブルとに基づいて、ワイヤレススキャナ3を操作するユーザーのユーザー情報を取得するように構成しても良い。
【0042】
さて、図5ないし図7は、本発明の第2の実施例を示すものである。尚、第1の実施例と同一構成(ステップ)には、同一符号(ステップ番号)を付している。この第2の実施例においては、ワイヤレススキャナ3の電池残量情報が「小」であるか否かの判断を、ホスト装置2のパソコン4側で実行するように構成した。
【0043】
具体的には、ワイヤレススキャナ3側においては、図5のフローチャートに示すように、情報コードの読み取りを実行した(ステップS3)後は、ステップS4へ進み、ワイヤレススキャナ3は、情報コードを読み取った読取データ(コード情報)と、電池残量情報(「大」、「中」または「小」の情報)とをホスト装置2へ送信するだけである。そして、この後は、ステップS1へ戻り、読み取り待機状態となる。
【0044】
これに対して、ホスト装置2側においては、図6に示すように、ステップS11の受信待機状態の処理から、ステップS15の「あと、10分で電池が切れます。」というメッセージを、パソコン4のスピーカから音声で出力する処理までは、第1の実施例と同じであり、この後、第2の実施例では、ステップS21へ進み、パソコン4は、ワイヤレススキャナ3の表示LED5を点滅点灯させる指令信号を、ワイヤレススキャナ3へ送信する。そして、この後は、ステップS11へ戻り、ワイヤレススキャナ3からの送信信号を受信する待機状態となる。
【0045】
また、ワイヤレススキャナ3側においては、上記図5のフローチャートの制御と平行して、図7のフローチャートに示す制御が実行されるように構成されている。この図7の制御では、ワイヤレススキャナ3は、ホスト装置2からの送信信号(電波信号)を受信する受信待機状態(ステップS31)にある。この待機状態で、ホスト装置2から上記したワイヤレススキャナ3の内蔵の表示LED5を点滅点灯させる指令信号を受信すると、ステップS32へ進み、ワイヤレススキャナ3は、その表示LED5を点滅点灯させるように構成されている。
【0046】
そして、この後は、ステップS31へ戻り、ホスト装置2からの送信信号を受信する待機状態となる。
尚、上述した以外の第2の実施例の構成は、第1の実施例の構成と同じ構成となっている。従って、第2の実施例においても、第1の実施例とほぼ同じ作用効果を得ることができる。また、前述した第1の実施例の変形例等は、上記第2の実施例に対しても適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1】本発明の第1の実施例を示すワイヤレススキャナシステムの全体の概略構成図
【図2】ワイヤレススキャナシステムのブロック図
【図3】ワイヤレススキャナの制御のフローチャート
【図4】パソコンの制御のフローチャート
【図5】本発明の第2の実施例を示す図3相等図
【図6】図4相当図
【図7】ワイヤレススキャナの他の制御のフローチャート
【符号の説明】
【0048】
図面中、1はワイヤレススキャナシステム、2はホスト装置、3はワイヤレススキャナ(状態情報送信手段)、4はパソコン(状態情報出力手段)、4aはディスプレイ(表示装置)、5はアクセスポイント、7は光学読取部、8はブザー(報知手段)、9は表示LED(報知手段)、12はバイブレータ(報知手段)、13は無線モジュール、15は電池、16は無線モジュールを示す。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
ホスト装置と、ユーザーによって操作されるものであって前記ホスト装置と短距離無線通信手段を介してワイヤレス接続され情報コードを光学的に読み取る機能を備えたワイヤレススキャナとから構成されたワイヤレススキャナシステムにおいて、
前記ワイヤレススキャナは、状態情報を前記ホスト装置へ送信する状態情報送信手段を備え、
前記ホスト装置は、前記ワイヤレススキャナの状態情報を、前記ホスト装置の表示装置に表示する、または、前記ホスト装置において音声で出力する状態情報出力手段を備え、前記状態情報出力手段によって当該ワイヤレススキャナの状態をユーザーに報知することを特徴とするワイヤレススキャナシステム。
【請求項2】
前記ワイヤレススキャナは、LEDやブザーやバイブレータ等の報知手段を備えており、前記ワイヤレススキャナの状態情報を前記ホスト装置へ送信すると共に、前記報知手段が報知して前記ホスト装置の状態情報出力手段の出力をユーザーが参照するように促すことを特徴とする請求項1記載のワイヤレススキャナシステム。
【請求項3】
前記ワイヤレススキャナは、LEDやブザーやバイブレータ等の報知手段を備え、
前記ホスト装置は、前記ワイヤレススキャナの状態情報を受信して前記状態情報出力手段により出力したときに、その出力をユーザーが参照する必要があるときには、その旨を前記ワイヤレススキャナの報知手段により報知するように動作させる制御信号を前記ワイヤレススキャナへ送信するように構成されていることを特徴とする請求項1記載のワイヤレススキャナシステム。
【請求項4】
複数個のワイヤレススキャナが前記ホスト装置にワイヤレス接続されており、
前記各ワイヤレススキャナの状態情報送信手段は、前記ワイヤレススキャナの状態情報を前記ホスト装置へ送信するときに、各ワイヤレススキャナを識別する識別情報を添付して送信するように構成され、
前記ホスト装置は、前記ワイヤレススキャナの状態情報を前記状態情報出力手段により出力するときには、前記識別情報も出力するように構成されていることを特徴とする請求項1記載のワイヤレススキャナシステム。
【請求項5】
前記識別情報には、前記ワイヤレススキャナを操作するユーザーを特定するユーザー情報が含まれており、
前記ホスト装置は、前記ワイヤレススキャナの状態情報を前記状態情報出力手段により出力するときには、前記ユーザー情報も出力するように構成されていることを特徴とする請求項4記載のワイヤレススキャナシステム。
【請求項6】
前記ホスト装置は、前記ユーザー情報も出力する際に、ユーザーの名前を音声で呼び出すように構成されていることを特徴とする請求項5記載のワイヤレススキャナシステム。
【請求項7】
前記ワイヤレススキャナは、情報コードの読み取りデータを前記ホスト装置に送信するときに、前記ワイヤレススキャナの状態情報を添付して送信するように構成されていることを特徴とする請求項1ないし6のいずれかに記載のワイヤレススキャナシステム。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2006−135772(P2006−135772A)
【公開日】平成18年5月25日(2006.5.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−323840(P2004−323840)
【出願日】平成16年11月8日(2004.11.8)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.Bluetooth
【出願人】(501428545)株式会社デンソーウェーブ (1,155)
【Fターム(参考)】