説明

ワークの表面処理装置

【課題】回転工具を回転させながらその先端部をワークの表面部に押し込んで表面処理を施す表面処理装置において、工具押込量が基準押込量よりも過大になることがないように維持しつつ、回転工具の実先端位置を検出する周期を変更して、その位置検出に要するトータルの時間を低減し、ワークの生産性を格段に高める。
【解決手段】位置検出手段6が、回転工具10の先端基準位置に対する実先端位置を検出し、その実先端位置に基づいて、押込量補正手段7が回転工具10をワークWの表面部Waに押し込む工具押込量を基準押込量とするように補正し、指令手段8が、位置検出手段6と押込量補正手段7とを作動させる指令を出力し、その際、位置検出手段6により複数の回転工具10の実先端位置を検出する検出周期について、複数の回転工具10のローテーション回数が所定値以下の場合の検出周期を所定値よりも大きい場合の検出周期よりも短くする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、工作機械の主軸に取り付けられた回転工具を回転させながらその先端部をワークの表面部に押し込み、そのワークの表面部を回転工具との摩擦熱により軟化させ塑性流動させて改質する表面処理を行うワークの表面処理装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、上記ワークの表面処理装置を用いて、鋳造成形品からなるアルミニウム合金製のワークの表面部を改質する技術が周知であり、この表面処理が施されたワークの表面部では、金属組織の微細化、共晶シリコン粒子の均一分散化、鋳造欠陥の減少等が図られ、耐久性(熱疲労強度、耐衝撃性)が高められる。例えば、特許文献1、2には、エンジンのシリンダヘッドのうち隣り合う給排気ポート間の弁間部に、前記表面処理を施す技術が開示されている。
【0003】
このワークの表面処理装置では、主に回転工具とワークとの摩擦熱によって、また、外気や装置作動油の温度変化によって、回転工具、主軸の温度変化に伴う寸法変化(熱膨張)が生じ、この寸法変化に起因して、回転工具をワークの表面部に押し込む工具押込量にバラツキが生じる。そして、工具押込量が基準押込量よりも過小になっても過大になっても、ワークの表面部を適正に改質できなくなり、例えば、工具押込量が基準押込量よりも過小になると、内部未充填欠陥の発生が懸念され、工具押込量が基準押込量よりも過大になると、ワークの表面部に回転工具の痕跡が残存する虞がある。
【0004】
ここで、特許文献1、2に開示されているように、複数本の回転工具をローテーションさせて使用する場合、1本の回転工具を連続して使用する場合に比べると、各回転工具の使用時間(稼働時間)を短縮でき冷却期間が長くなるため、回転工具の熱膨張を抑制できるが、複数の回転工具のローテーション回数が増加していくと、回転工具に摩擦熱が蓄積されていくため、また、主軸の熱膨張は抑制できないため、工具押込量が基準押込量よりも過大になる傾向を抑えることができない。
【0005】
そこで、特許文献1には、主軸に取り付けられた回転工具の所定の先端基準位置に対する実先端位置をタッチセンサ等で検出し、その実先端位置に基づいて、工具押込量を適正な押込量(基準押込量)とするように補正する技術が記載されている。
【特許文献1】特開2003−48064号公報
【特許文献2】特開2003−120415号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1に記載の技術のように、主軸に取り付けられた回転工具の所定の先端基準位置に対する実先端位置をタッチセンサ等で検出すると、その実先端位置に基づいて工具押込量を基準押込量とするように補正できるが、回転工具の実先端位置の検出に要する時間(例えば、約20秒)は比較的長く、この回転工具の位置検出を、ローテーション回数が1回増加する毎に常に行うようにすると、この位置検出に要するトータルの時間が大きくなるため、ワークの生産性が著しく低下する。
【0007】
本発明の目的は、表面処理の際に回転工具をワークの表面部に押し込む工具押込量を基準押込量とするように補正して、ワークの表面部を確実に改質し、しかも、複数の回転工具をローテーションさせて使用する際の、回転工具の所定の先端基準位置に対する実先端位置の変化傾向を加味して、工具押込量が基準押込量よりも過大になることがないように維持しつつ、回転工具の実先端位置を検出する周期を変更して、回転工具の位置検出を適切に間引きして行って、その位置検出に要するトータルの時間を大幅に低減し、ワークの生産性を格段に高めることができる、ワークの表面処理装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
請求項1のワークの表面処理装置は、工作機械の主軸に着脱可能に取り付けられた回転工具を回転させながらその先端部をワークの表面部に押し込み、そのワークの表面部を摩擦熱により軟化させ塑性流動させて改質する表面処理を行い、この表面処理に供する複数の回転工具をローテーションさせて使用し、この一連の表面処理を1又は複数回行う毎に使用に供した回転工具を交換するように構成したワークの表面処理装置において、前記主軸に取り付けられ使用に供する回転工具の所定の先端基準位置に対する実先端位置を検出可能な位置検出手段と、前記位置検出手段で検出された実先端位置に基づいて、前記表面処理の際に回転工具をワークの表面部に押し込む工具押込量を、基準押込量とするように補正する押込量補正手段と、前記位置検出手段と押込量補正手段とを作動させる指令を出力する指令手段であって、前記位置検出手段により前記複数の回転工具の実先端位置を検出する検出周期について、前記複数の回転工具のローテーション回数が所定値以下の場合の検出周期を所定値よりも大きい場合の検出周期よりも短くする指令手段とを備えたものである。
【0009】
このワークの表面処理装置では、工作機械の主軸に回転工具が着脱可能に取り付けられ、この回転工具が回転し先端部がワークの表面部に押し込まれて、そのワークの表面部が回転工具との摩擦熱により軟化し塑性流動して改質される。表面処理に供する複数の回転工具がローテーションして使用され、一連の表面処理が1又は複数回行われる毎に使用に供した回転工具が交換され、これにより、1本の回転工具を連続して使用する場合に比べると、各回転工具の使用時間(稼働時間)が短縮され冷却期間が長くなるため、回転工具の熱膨張を抑制できる。但し、回転工具のローテーション回数が増加していくと、回転工具に摩擦熱が蓄積されていくため、また、主軸の熱膨張は抑制できないため、工具押込量が基準押込量よりも過大になる傾向を抑えることができない。
【0010】
そこで、位置検出手段により、主軸に取り付けられ使用に供する回転工具の所定の先端基準位置に対する実先端位置が検出されると、押込量補正手段により、位置検出手段で検出された実先端位置に基づいて、表面処理の際に回転工具をワークの表面部に押し込む工具押込量が基準押込量となるように補正されて、この工具押込量の補正が行われた回転工具では表面処理が適正に施され、この表面処理後のワーク表面部では、金属組織の微細化等が図られ、耐久性(熱疲労強度、耐衝撃性)が高められる。しかし、回転工具の実先端位置の検出に要する時間は比較的長く、この回転工具の位置検出を、ローテーション回数が1回増加する毎に常に行うようにすると、ワークの生産性が著しく低下する。
【0011】
ここで、回転工具、主軸の温度変化に伴う寸法変化については、この工作機械の始動時からローテーション回数が増加するに連れて、主に回転工具とワークとの間に発生する摩擦熱に起因して大きくなり、その寸法変化量は徐々に小さくなる傾向がある。そこで、指令手段により、位置検出手段により複数の回転工具の実先端位置を検出する検出周期について、ローテーション回数が所定値以下の場合の検出周期を所定値よりも大きい場合の検出周期よりも短くするようにして、位置検出手段と押込量補正手段とを作動させる指令を出力することで、回転工具の所定の先端基準位置に対する実先端位置の変化傾向を加味して、工具押込量が基準押込量よりも過大になることがないように維持しつつ、工具押込量の補正のために回転工具の実先端位置を検出する周期が変更される。
【0012】
請求項1の発明においては、前記指令手段は、工作機械の始動時からの前記ローテーション回数が第1の所定値よりも大きい場合の前記検出周期を一定周期にする(請求項2)、前記指令手段は、工作機械の始動時からの前記ローテーション回数が前記第1の所定値よりも小さい第2の所定値以下の場合に、前記ローテーション回数が1回増加する毎に位置検出手段と押込量補正手段とを作動させる(請求項3)、前記指令手段は、前記表面処理に供する回転工具の本数が少ない程、前記第2の所定値を大きくする(請求項4)、前記指令手段は、前記表面処理に供する回転工具の本数が少ない程、前記検出周期を全体的に短くする(請求項5)、前記ワークがエンジンのシリンダヘッドである(請求項6)、等の構成を採用可能である。
【発明の効果】
【0013】
請求項1のワークの表面処理装置によれば、位置検出手段と押込量補正手段とを設けたので、主軸に取り付けられ使用に供する回転工具の先端基準位置に対する実先端位置を検出し、この実先端位置に基づいて、表面処理の際に回転工具をワークの表面部に押し込む工具押込量を基準押込量とするように補正できるので、ワークの表面部を確実に改質し、金属組織の微細化等を図り、耐久性を高めることができ、しかも、指令手段を設けたので、複数の回転工具の実先端位置を検出する検出周期について、ローテーション回数が所定値以下の場合の検出周期を所定値よりも大きい場合の検出周期よりも短くするようにして、位置検出手段と押込量補正手段とを作動させる指令を出力することで、複数の回転工具をローテーションさせて使用する際の、回転工具の先端基準位置に対する実先端位置の変化傾向を加味して、工具押込量が基準押込量よりも過大になることがないように維持しつつ、回転工具の実先端位置を検出する周期を変更して、回転工具の位置検出を適切に間引きして行って、この位置検出に要するトータルの時間を大幅に低減し、ワークの生産性を高めることができる。
【0014】
請求項2のワークの表面処理装置によれば、指令手段は、工作機械の始動時からのローテーション回数が第1の所定値よりも大きい場合の検出周期を一定周期にするので、この第1の所定値よりも大きい場合には、回転工具の熱膨張による寸法変化が小さく主軸の温度変化も小さいため、回転工具の先端基準位置に対する実先端位置の変化が小さくなる回数に、この第1の所定値を設定して、工具押込量が基準押込量よりも過大になることがないように維持して、回転工具の位置検出を一定周期にて間引きして行うことができる。
【0015】
請求項3のワークの表面処理装置によれば、指令手段は、工作機械の始動時からのローテーション回数が第1の所定値よりも小さい第2の所定値以下の場合に、ローテーション回数が1回増加する毎に位置検出手段と押込量補正手段とを作動させるので、特に、回転工具の温度変化に伴う寸法変化の上昇率が大きくなる期間(回転工具や主軸が冷間状態)において、工具押込量が基準押込量よりも過大にならないように、工具押込量を基準押込量とするように確実に補正できる。
【0016】
請求項4のワークの表面処理装置によれば、指令手段は、表面処理に供する回転工具の本数が少ない程、第2の所定値を大きくするので、表面処理に供する回転工具の本数が少ない程、回転工具の先端基準位置に対する実先端位置の変化が小さくなる迄のローテーション回数は大きくなるため、第2の所定値を大きくすることで、工具押込量が基準押込量よりも過大にならないように、工具押込量を基準押込量とするように確実に補正できる。
【0017】
請求項5のワークの表面処理装置によれば、指令手段は、表面処理に供する回転工具の本数が少ない程、検出周期を全体的に短くするので、表面処理に供する回転工具の本数に応じて、検出周期を適切に設定して、工具押込量が基準押込量よりも過大になることがないように、工具押込量を基準押込量とするように確実に補正できる。
【0018】
請求項6のワークの表面処理装置によれば、ワークがエンジンのシリンダヘッドであるので、例えば、シリンダヘッドのうち給排気ポート間の弁間部に表面処理を施して、弁間部の耐久性を高め、高品質のシリンダヘッドの生産性を高めることが可能になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
本発明のワークの表面処理装置では、位置検出手段により、主軸に取り付けられ使用に供する回転工具の所定の先端基準位置に対する実先端位置が検出され、押込量補正手段により、位置検出手段で検出された実先端位置に基づいて、表面処理の際に回転工具をワークの表面部に押し込む工具押込量が基準押込量となるように補正され、指令手段により、位置検出手段と押込量補正手段とを作動させる指令が出力され、この場合、位置検出手段により複数の回転工具の実先端位置を検出する検出周期について、複数の回転工具のローテーション回数が所定値以下の場合の検出周期を所定値よりも大きい場合の検出周期よりも短くする。
【実施例】
【0020】
図1は本発明のワークの表面処理装置1の構成図であり、図2は回転工具10の先端部分の側面図、図3は図1の回転工具10とワークWを含む要部の断面図である。図1に示すように、表面処理装置1は、回転工具10が着脱可能に取り付けられる主軸2と、回転工具10(主軸2)を回転させる工具回転手段3と、回転工具10(主軸2)をワークWに対して相対的に移動させる工具相対移動手段4を備え、主軸2に取り付けられた回転工具10を主軸2と共に回転させながらその先端部をワークWの表面部Waに押し込み、そのワークWの表面部Waを回転工具10との摩擦熱により軟化させ塑性流動させて改質する表面処理(摩擦攪拌処理)が行われる。
【0021】
図1〜図3に示すように、回転工具10は、ワークWの材料(例えば、アルミニウム合金)よりも硬度の高い材料(例えば、炭素鋼等の鋼材)で構成され、回転基部11と、回転基部11の先端中央部から突出したプローブ部12からなり、このプローブ部12にはネジ山が形成され、回転基部11の先端面には平坦なショルダー部13が形成されている。尚、この回転工具10において、プローブ部12にネジ山を形成しないもの、プローブ部を省略したもの、ショルダー部を基端側へテーパ状に凹ませたもの等、種々の回転工具を採用可能である。
【0022】
この表面処理では、先ず、回転工具10が回転しながら回転工具10のプローブ部12がワークWの表面部Waに押し込まれて位置決めされ、続いて、回転基部11の先端部がショルダー部13からワークWの表面部Waに押し込まれて、そのワークWの表面部Waが回転工具10との摩擦熱により軟化され塑性流動を起こし攪拌されて改質される。図1では、回転工具10の先端部がワークWの表面部Waに押し込まれた状態で、ワークWに対して回転工具10が相対的に移動され、ワークWの表面部Waに連続的に表面処理が施される形態を示している。但し、ワークWの表面部Waにスポット的に表面処理を施すことも可能である。
【0023】
ワークWは、アルミニウム合金製の鋳造成形品であり、表面処理が施されたワークWの表面部Waでは、金属組織の微細化、共晶シリコン粒子の均一分散化、鋳造欠陥の減少等が図られ、耐久性(熱疲労強度、耐衝撃性)が高められる。このワークWは、例えば、図8に示すエンジンのシリンダヘッドWであり、このシリンダヘッドWのうち隣り合う給排気ポートWb,Wc間の弁間部Wdに表面処理が施される。尚、ワークWとして、アルミニウム合金以外の軽金属製のもの、軽金属以外の金属製のもの、鍛造成形品であるもの、シリンダヘッド以外のワーク等、種々のワークを適用可能である。
【0024】
図1に示すように、この表面処理装置1は、主軸2に取り付けられた回転工具10を交換する工具交換手段5を備え、表面処理に供する複数(例えば、4本)の回転工具10をローテーションさせて使用し、一連の表面処理を複数回行う毎に使用に供した回転工具10を交換するように構成されている。ここで、ワークWが図8のシリンダヘッドWの場合、4気筒に対応する4箇所の弁間部Wdの全部に表面処理を施すが、一連の表面処理とは、各弁間部Wdの表面処理の開始から完了までをいい、故に、一連の表面処理を4回行う毎に、つまり、シリンダヘッドW1台毎に、使用に供した回転工具10を交換する。
【0025】
この表面処理装置1は、主軸2に取り付けられ使用に供する回転工具10の所定の先端基準位置に対する実先端位置を検出可能な位置検出手段6と、位置検出手段6で検出された実先端位置に基づいて、表面処理の際に回転工具10をワークWの表面部Waに押し込む工具押込量Fを基準押込量FBとするように補正する押込量補正手段7と、位置検出手段6と押込量補正手段7とを作動させる指令を出力する指令手段8であって、位置検出手段6により複数の回転工具10の実先端位置を検出する検出周期について、複数の回転工具10のローテーション回数Rnが所定値以下の場合の検出周期を所定値よりも大きい場合の検出周期よりも短くするとともに、所定値よりも大きい場合の検出周期を一定周期にする指令手段8を備えている。
【0026】
ここで、主軸2と複数の前記手段3〜8を備えた表面処理装置1について具体的に説明する。図4、図5に示すように、表面処理装置1はマシニングセンタ等の工作機械15を主体に構成され、この工作機械15において、主軸2が回転可能に且つ昇降可能に鉛直向きに支持され、主軸2の下側においてテーブル16が水平直交2方向(X方向とY方向)へ移動可能に支持され、このテーブル16にワークWが位置決めされ載置支持される。
【0027】
工作機械15は、NCコントローラ21を含む制御ユニット20、工具回転モータ22、工具昇降モータ23、テーブルX,Yモータ24,25、ツールチェンジャー26、ツールマガジン27、タッチセンサ27を有する。工具回転モータ22が工具回転手段3に相当し、工具昇降モータ23とテーブルX,Yモータ24,25が工具相対移動手段4に相当し、ツールチェンジャー26が工具交換手段5に相当し、制御ユニット20と工具昇降モータ23とテーブルX,Yモータ24,25とタッチセンサ27が位置検出手段6に相当し、制御ユニット20が押込量補正手段7と指令手段8に相当する。
【0028】
制御ユニット20により、ワークWに応じて予め設定されたNCプログラムに基づいて、工具回転モータ22が駆動され、工具昇降モータ23、テーブルX,Yモータ24,25が数値制御されて、テーブル16に載置されたワークWに表面処理を施し、ワークWが図8のシリンダヘッドWの場合に、4箇所の弁間部Wdにおいて、夫々、矢印で示す経路に沿って回転工具10がワークWに対して相対移動されて表面処理が施される。
【0029】
ツールマガジン27には、少なくとも表面処理に供する複数(例えば、4本)の回転工具10が収容され、制御ユニット20により、ツールチェンジャー26が駆動制御されて、使用に供した回転工具10をツールマガジン27内の新たな回転工具10に交換し、ワークWが図8のシリンダヘッドWの場合に、1台のシリンダヘッドWの表面処理が完了する毎に回転工具10が交換される。尚、ツールマガジン27にはバリ除去用工具も収容され、必要に応じて、ワークWの表面処理後、主軸2にバリ除去用工具が装着されて、ワークWに発生した不要なバリが除去される。
【0030】
図6、図7に示すように、タッチセンサ28は、テーブル16の上面部のワークW及びその表面処理の邪魔にならない部位に上向きに配置固定され、制御ユニット20に電気的に接続されている。主軸2に取り付けられた回転工具10の所定の先端基準位置に対する実先端位置を検出する場合、制御ユニット20により、テーブルX,Yモータ24,25が制御されて、タッチセンサ28を回転工具10の下側に位置させると共に、工具昇降モータ23が制御されて、回転工具10を下降させてタッチセンサ28のタッチ部28aに接触させ、そのタッチ信号がタッチセンサ28から制御ユニット20に送信される。
【0031】
制御ユニット20では、回転工具10の先端基準位置が記憶されており、この先端基準位置に対して、タッチセンサ28からタッチ信号を受信したときの工具昇降モータ23の駆動量に基づいて、回転工具10の実先端位置が演算され検出される。そして、この実先端位置に基づいて、表面処理の際に回転工具10をワークWの表面部Waに押し込む工具押込量Fが基準押込量FBとなるように補正される。
【0032】
ここで、主に回転工具10とワークWとの摩擦熱によって、また、外気や装置作動油の温度変化によって、回転工具10、主軸2の温度変化に伴う寸法変化(主に、熱膨張)が生じ、この寸法変化に起因して、工具押込量Fが過大にならいなように、前記実先端位置の検出と工具押込量の補正が必要になるが、ここで、図10に示すように、工作機械15の始動時からの経過時間に対して、回転工具10の先端基準位置に対する実先端位置の変化量(工具長の変化量)について、ワークWが図8のシリンダヘッドWの場合に、実施例及び比較例1,2のデータを複数採取した。
【0033】
比較例2では、88台のワークWに1本の回転工具10を連続的に使用するとともに、回転工具10の交換毎にタッチセンサ28を用いて工具押込量が検出されるようにして表面処理を施し、工作機械15の始動時を含めてワークW1台毎に検出した回転工具10の工具長の変化量を示し、比較例1では、88台のワークWに4本の回転工具10をローテーションさせて使用して、1台のワークWの表面処理が完了する毎に使用した回転工具10を交換するとともに、回転工具10の交換毎にタッチセンサ28を用いて工具押込量が検出されるようにして表面処理を施し、1本の回転工具10について、工作機械15の始動時を含めてワークW1台毎に検出した回転工具10の工具長の変化量を示している。
【0034】
実施例では、88台のワークWを4本の回転工具10をローテーションさせて使用して、1台のワークWの表面処理が完了する毎に使用した回転工具10を交換するとともに、後述のローテーション回数のときだけタッチセンサ28を用いて工具押込量が検出されるようにして表面処理を施し、1本の回転工具10について、工作機械15の始動時を含めてワークW1台毎に検出した回転工具10の工具長の変化量を示している。尚、約170〜220分の間は、例えば、昼食休憩等で工作機械15が休止している期間である。
【0035】
比較例2では、工具長の変化量が、工作機械15の始動時から約50分、約12台のワークWの表面処理を行う迄は極めて大きくなり、その後も徐々に大きくなり最終的には安定するが不安定な所もある。比較例1では、工具長の変化量が、工作機械15の始動時から約50分、約12台のワークWの表面処理を行う際迄は徐々に大きくなり、その後も多少大きくなるが安定し、工作機械15の始動時から約100分、約44台のワークWの表面処理を行う際以降は安定する。
【0036】
例えば、1台のワークWの表面処理に要する時間は約6分であるが、工具長の計測に要する1本の回転工具10あたりの時間は約21秒必要であり、400台のワークWの1台毎に工具長の計測を行うと、21×400=8400秒=140分必要になり、ワークWの生産性が極めて低くなる。そこで、こうした試験結果を加味して、本発明の表面処理装置1では、工具押込量Fが基準押込量FBよりも過大になることがないように維持しつつ、ワークWの生産性を向上し得るように、回転工具10の実先端位置を検出する周期を変更するように構成されている。
【0037】
次に、この表面処理装置1の制御ユニット20が実行する表面処理を含む処理について、図9のフローチャート(図中のSi(i=1、2、3・・・)は各ステップを示す)に基づいて説明する。尚、この処理を実行する為のプログラムが制御ユニット20の記憶部(コンピュータのROM等)に格納されている。尚、表面処理に供する4本の回転工具10をローテーションさせて使用し、これら回転工具10に工具番号1〜4が夫々対応付けられており、シリンダヘッドWからなるワークWに一連の表面処理を4回行ってワークWを交換する毎に使用に供した回転工具10を交換する。
【0038】
図9に示すように、この処理は工作機械15の作動時(起動時)に開始され、先ず、複数の回転工具10のローテーション回数Rnが1にセットされるとともに、工具番号Tnが1にセットされる(S1)。次に、Rn≦3又はRn=7又はRn=11であるか否か判定され(S2)、S2;Yes の場合、実先端位置検出処理(S3)と工具押込量補正処理(S4)とが実行されて、前記のように、回転工具10の所定の先端基準位置に対する実先端位置が検出され、その実先端位置に基づいて、表面処理の際に回転工具10をワークWの表面部Waに押し込む工具押込量Fが基準押込量FBとなるように補正される。
【0039】
S4の後、表面処理(S5)が実行され、前記のように、回転工具10が回転されながらその先端部がワークWの表面部Waに押し込まれ、そのワークWの表面部Waが回転工具10との摩擦熱により軟化し塑性流動して改質され、この場合、シリンダヘッドWの4箇所の弁間部Wdの全部に表面処理が施される(S5)。その後、Tn=4か否か判定され(S6)、S6;Noの場合、TnがTn+1にインクリメントされ(S7)、そのTnに対応する回転工具10に交換され(S8)、S3へリターンする。
【0040】
一方、S2;Noの場合、S5〜S8と同様に、表面処理(S9)が実行され、Tn=4か否か判定され(S10)、S10;Noの場合、TnがTn+1にインクリメントされ(S11)、そのTnに対応する回転工具10に交換され(S12)、S9へリターンする。こうして、4本の回転工具10によって4台のワークWに表面処理が施され、その際、Rn≦3又はRn=7又はRn=11の場合には、各回転工具10に対して実先端位置検出処理と工具押込量補正処理とが実行され、Rn≦3又はRn=7又はRn=11以外の場合には、実先端位置検出処理と工具押込量補正処理とが省略される。
【0041】
4本の回転工具10によって4台のワークWに表面処理が施されると、Tn=4となるため、S6;Yes 又はS10;Yes となり、次に、ローテーション総数Rna<設定回数であるか否か判定される(S13)。このRnaは回転工具10の寿命を測るために用いられ、工作機械15の未作動時にも記憶保持される。S13;Noの場合、Rn=21であるか否か判定され(S14)、S14;Noの場合には、RnがRn+1にインクリメントされ(S15)、S14;Yes の場合には、Rnが11にセットされ(S16)、その後、RanがRna+1にインクリメントされ(S17)、S2へリターンする。
【0042】
ここで、S13;Yes の場合、工具切換報知(S18)が実行され、この工具切換報知では、音声やランプ等で回転工具10の切り換えが報知され、この報知に基づいて、ローテーションして使用する4本の回転工具10が新たな4本の回転工具10に切り換えられ、その4本の回転工具10に工具番号1〜4が夫々対応付けられる。こうして、工具切換が完了すると(S19;Yes )、Rnaが1にセットされ(S20)、リターンする。
【0043】
つまり、各回転工具10について、ローテーション回数Rnが1〜3回の場合には、ローテーション回数Rnが1回増加する毎に、実先端位置検出処理(S3)と工具押込量補正処理(S4)とが実行され、ローテーション回数Rnが4〜11回の場合には、ローテーション回数Rnが3回目から4回増加する毎に、実先端位置検出処理(S3)と工具押込量補正処理(S4)とが実行され、ローテーション回数Rnがトータルで12回以上になると、ローテーション回数Rnが10回増加する毎に、実先端位置検出処理(S3)と工具押込量補正処理(S4)とが実行される。
【0044】
ここで、図11に示すように、工作機械15の始動時からの経過時間に対して、回転工具10の工具押込量Fの変化量について、ワークWが図8のシリンダヘッドWの場合に、実施例及び比較例1,2のデータを複数採取した。比較例2では、88台のワークWに1本の回転工具10を連続的に使用して表面処理を施し、工作機械15の始動時を含めてワークW1台毎に工具押込量Fを補正した場合の工具押込量Fの変化量を示し、比較例1では、88台のワークWに4本の回転工具10をローテーションさせて使用して、工具押込量Fを補正しない場合の工具押込量Fの変化量を示している。
【0045】
比較例2では、ワークW1台毎に工具押込量Fを補正するため、工具押込量Fの変化量が略0に安定するが、前記のように、工具長の計測に要する時間が長くなり、ワークWの生産性が極めて低くなる。比較例1では、4本の回転工具10をローテーションさせて使用するものの、工具押込量Fを補正しないため、工具押込量Fが過大になり、ワークWの表面部Waを適正に改質できなくなり、ワークWの表面部Waに回転工具10の痕跡が残存する虞も高くなる。そこで、比較例1,2の試験結果を踏まえて、本実施例においては、工具長の計測に要する時間を短くすることと、工具押込量Fが過大になり過ぎないようにすることを、工具長の検出周期を前記のように変更することにより達成した。
【0046】
この表面処理装置1によれば、位置検出手段5と押込量補正手段6とを設けたので、主軸2に取り付けられ使用に供する回転工具10の先端基準位置に対する実先端位置を検出し、この実先端位置に基づいて、表面処理の際に回転工具10をワークWの表面部Waに押し込む工具押込量Fを基準押込量FBとするように補正できるので、ワークWの表面部Waを確実に改質し、金属組織の微細化等を図り、耐久性を高めることができる。
【0047】
しかも、指令手段8を設けたので、4本の回転工具10の実先端位置を検出する検出周期について、ローテーション回数Rnが所定値(第1の所定値の11又は第2所定値の3)以下の場合の検出周期を所定値よりも大きい場合の検出周期よりも短くするようにして、位置検出手段6と押込量補正手段7とを作動させる指令を出力することで、4本の回転工具10をローテーションさせて使用する際の、回転工具10の先端基準位置に対する実先端位置の変化傾向を加味して、工具押込量Fが基準押込量FBよりも過大になることがないように維持しつつ、回転工具10の実先端位置を検出する周期を変更して、回転工具10の位置検出を適切に間引きして行って、この位置検出に要するトータルの時間を大幅に低減し、ワークWの生産性を高めることができる。
【0048】
しかも、指令手段8は、工作機械15の始動時からのローテーション回数Rnが第1の所定値(11回)よりも大きい場合の検出周期を一定周期(10ローテーション周期)にするので、この第1の所定値よりも大きい場合には、回転工具10の熱膨張による寸法変化が小さく主軸2の温度変化も小さいため、回転工具10の先端基準位置に対する実先端位置の変化が小さくなる回数に、この第1の所定値を設定して、工具押込量Fが基準押込量FBよりも過大になることがないように維持して、回転工具10の位置検出を一定周期にて間引きして行うことができる。
【0049】
また、工作機械15の始動時からのローテーション回数Rnが第2の所定値(3)以下の場合に、ローテーション回数Rnが1回増加する毎に位置検出手段6と押込量補正手段7とを作動させるので、特に、回転工具10の温度変化に伴う寸法変化の上昇率が大きくなる期間(回転工具10や主軸2が冷間状態)において、工具押込量Fが基準押込量FBよりも過大にならないように、工具押込量Fを基準押込量FBとするように確実に補正することができる。
【0050】
つまり、ローテーション回数Rnが3回(第2の所定置)以下の場合の検出周期(1ローテーション周期)を3回よりも大きい場合の検出周期(4ローテーション周期又は10ローテーション周期)よりも短くして、また、ローテーション回数Rnが11回(第1の所の定値)以下の場合の検出周期(1ローテーション周期又は4ローテーション周期)を第11回よりも大きい場合の検出周期(10ローテーション周期)よりも短くして、その結果、400台のワークWに表面処理を行う場合、工具長の計測が52回の必要となり348回省略でき、工具長の計測に要する1本の回転工具10あたりの時間を約21秒とする場合、21×348=121.8分の生産時間の短縮が可能になる。
【0051】
こうして、ワークWがエンジンのシリンダヘッドWである場合に、シリンダヘッドWのうち給排気ポートWb,Wc間の弁間部Wdに表面処理を施して、弁間部Wdの耐久性を高め、高品質のシリンダヘッドWの生産性を高めることが可能になる。
【0052】
次に、前記実施例の変更形態について説明する。
1]指令手段8は、表面処理に供する回転工具10の本数が少ない程、前記検出周期を全体的に短くしてもよい。例えば、図12は、表面処理に供する回転工具10の本数が3本の場合と4本の場合の、88台のワークWに4本の回転工具10をローテーションさせて使用して、1台のワークWの表面処理が完了する毎に使用した回転工具10を交換して表面処理を施し、1本の回転工具10について、工作機械15の始動時を含めてワークW1台毎に検出された回転工具10の工具長の変化量を示している。
【0053】
この図からわかるように、表面処理に供する回転工具10の本数が3本の場合の工具長の変化量は、4本の場合と比べて大きく、且つ、工作機械15の始動時から安定する迄の時間も長くなる。従って、指令手段8が、表面処理に供する回転工具10の本数が少ない程、検出周期を全体的に短くすることで、表面処理に供する回転工具10の本数に応じて、検出周期を適切に設定して、工具押込量Fが基準押込量FBよりも過大になることがないように、工具押込量Fを基準押込量FBとするように確実に補正できる。
【0054】
2]この場合、指令手段8は、表面処理に供する回転工具10の本数が少ない程、第2の所定値を大きくしてもよい。例えば、表面処理に供する回転工具10の本数が3本の場合には、第2の所定値を4又は5回にする。つまり、表面処理に供する回転工具10の本数が少ない程、回転工具10の先端基準位置に対する実先端位置の変化が小さくなる迄のローテーション回数Rnは大きくなるため、第2の所定値を大きくすることで、工具押込量Fが基準押込量FBよりも過大にならないように、工具押込量Fを基準押込量FBとするように確実に補正できる。
【0055】
3]ロボットアームに主軸を回転可能に装着し、この主軸に回転工具10を着脱可能に装着し、このロボットアームを作動させて、回転工具10をワークWの表面部Waに押し込んで表面処理を施してもよい。
4]実先端位置の検出については、タッチセンサ28以外に、カメラで回転工具10を撮像して画像解析により行ってもよいし、或いは、赤外線カメラで主軸2、回転工具10を撮像し、画像解析にて得られた主軸2、回転工具10の温度から、予め設定された主軸2、回転工具10の温度に基づく実先端位置(工具長の変化量)を割り出してもよい。
【0056】
5]図9のフローチャートにおいて、表面処理終了後から次の表面処理の開始迄の時間を計時し、その時間が一定時間(例えば、1〜2時間)経過した場合には、S1へリターンするようにしてもよい。これにより、昼食休憩等で工作機械15が休止している場合、主軸2や回転工具10が冷却され、再度、熱膨張が一定期間生じて、工具長の検出と補正が連続的に必要となるが、これに対応することが可能になる。
【0057】
6]回転工具10の交換については、一連の表面処理をメイン実施例のように4回とする以外の複数回行う毎に行ってもよい。即ち、1台のワークWについて、全表面処理が完了しなくても、その途中で回転工具10を交換するようにしてもよい。
7]表面処理に供する回転工具10の数については、メイン実施例の4本に限らず、2本又は3本又は5本以上にしてもよい。
8]第1の所定値、第2所定値については、適宜変更可能である。
【0058】
9]その他、本発明について、その趣旨を逸脱しない範囲において、前記開示事項以外の種々の変更を付加して実施可能であり、シリンダヘッド以外の種々のワークWの表面部Waに、回転工具10を回転させながらその先端部を押し込み、そのワークWの表面部Waを摩擦熱により軟化させ塑性流動させて改質する表面処理装置に適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0059】
【図1】実施例の表面処理装置の構成図である。
【図2】図1の要部の断面図である。
【図3】回転工具の先端部分の側面図である。
【図4】表面処理装置の側面図である。
【図5】表面処理装置のブロック図である。
【図6】タッチセンサの側面図である。
【図7】タッチセンサの平面図である。
【図8】シリンダヘッドの平面図である。
【図9】表面処理装置の制御ユニットが実行する処理のフローチャートである。
【図10】工具長の変化量を示す実施例と比較例の対比図である。
【図11】工具押込量の変化量を示す実施例と比較例の対比図である。
【図12】変更形態の工具数が3本と4本の場合の工具長の変化量を示す対比図である。
【符号の説明】
【0060】
W ワーク
1 表面処理装置
2 主軸
6 位置検出手段
7 押込量補正手段
8 指令手段
10 回転工具
15 工作機械

【特許請求の範囲】
【請求項1】
工作機械の主軸に着脱可能に取り付けられた回転工具を回転させながらその先端部をワークの表面部に押し込み、そのワークの表面部を摩擦熱により軟化させ塑性流動させて改質する表面処理を行い、この表面処理に供する複数の回転工具をローテーションさせて使用し、この一連の表面処理を1又は複数回行う毎に使用に供した回転工具を交換するように構成したワークの表面処理装置において、
前記主軸に取り付けられ使用に供する回転工具の所定の先端基準位置に対する実先端位置を検出可能な位置検出手段と、
前記位置検出手段で検出された実先端位置に基づいて、前記表面処理の際に回転工具をワークの表面部に押し込む工具押込量を、基準押込量とするように補正する押込量補正手段と、
前記位置検出手段と押込量補正手段とを作動させる指令を出力する指令手段であって、前記位置検出手段により前記複数の回転工具の実先端位置を検出する検出周期について、前記複数の回転工具のローテーション回数が所定値以下の場合の検出周期を所定値よりも大きい場合の検出周期よりも短くする指令手段と、
を備えたことを特徴とするワークの表面処理装置。
【請求項2】
前記指令手段は、工作機械の始動時からの前記ローテーション回数が第1の所定値よりも大きい場合の前記検出周期を一定周期にすることを特徴とする請求項1に記載のワークの表面処理装置。
【請求項3】
前記指令手段は、工作機械の始動時からの前記ローテーション回数が前記第1の所定値よりも小さい第2の所定値以下の場合に、前記ローテーション回数が1回増加する毎に位置検出手段と押込量補正手段とを作動させることを特徴とする請求項2に記載のワークの表面処理装置。
【請求項4】
前記指令手段は、前記表面処理に供する回転工具の本数が少ない程、前記第2の所定値を大きくすることを特徴とする請求項3に記載のワークの表面処理装置。
【請求項5】
前記指令手段は、前記表面処理に供する回転工具の本数が少ない程、前記検出周期を全体的に短くすることを特徴とする請求項1に記載のワークの表面処理装置。
【請求項6】
前記ワークがエンジンのシリンダヘッドであることを特徴とする請求項1〜5の何れかに記載のワークの表面処理装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2007−319907(P2007−319907A)
【公開日】平成19年12月13日(2007.12.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−154499(P2006−154499)
【出願日】平成18年6月2日(2006.6.2)
【出願人】(000003137)マツダ株式会社 (6,115)
【Fターム(参考)】