一体型金属プロセシング設備
【課題】より効果的な熱処理および金属キャスティングの処理を可能にする、より効果的な方法およびシステムまたは設備を提供すること。
【解決手段】金属キャスティングを形成および熱処理するための一体型金属プロセシング設備であって、溶融金属を一連の鋳型に鋳込んで該キャスティングを形成するための、鋳込みステーション;該キャスティングの熱処理のための少なくとも1つの熱処理ステーションを備える、熱処理ユニット;該鋳込みステーションから該熱処理ユニットへと該キャスティングを移動させるための、移送システム;および該キャスティングの移動経路に沿って位置する熱源であって、該キャスティングを該熱処理ステーションに導入する前に該キャスティングに熱を付与して、該キャスティングの金属に対するプロセス制御温度以上に該キャスティングを維持するための、熱源を備える、一体型金属プロセシング設備。
【解決手段】金属キャスティングを形成および熱処理するための一体型金属プロセシング設備であって、溶融金属を一連の鋳型に鋳込んで該キャスティングを形成するための、鋳込みステーション;該キャスティングの熱処理のための少なくとも1つの熱処理ステーションを備える、熱処理ユニット;該鋳込みステーションから該熱処理ユニットへと該キャスティングを移動させるための、移送システム;および該キャスティングの移動経路に沿って位置する熱源であって、該キャスティングを該熱処理ステーションに導入する前に該キャスティングに熱を付与して、該キャスティングの金属に対するプロセス制御温度以上に該キャスティングを維持するための、熱源を備える、一体型金属プロセシング設備。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の引用)
本願は、米国仮出願番号60/266,357(2001年2月2日出願)の利益を主張する。
【0002】
(技術分野)
本発明は、概して、冶金学的キャスティングおよび処理プロセス、より詳細には、一体型金属処理設備およびキャスティングを熱処理する方法に関する。
【背景技術】
【0003】
(発明の背景)
伝統的に、金属キャスティングを形成するための従来のプロセスにおいて、鋳型(例えば、本明細書中で規定される所望のキャスティングの外部の特徴を有する内部チャンバを有する金属ダイスまたは砂鋳型)は、溶融金属で満たされる。このキャスティングの内部の特徴を規定する砂中子が加えられ、そして/または鋳型内に配置されて、溶融金属が中子の周囲で固化する際にキャスティングの内部の細部を形成する。キャスティングの溶融金属が固化した後、キャスティングはその後、一般的に、キャスティングの熱処理、砂中子および/または鋳型からの砂の除去、ならびに必要な場合、他のプロセスのために処理炉に移される。熱処理プロセスは、このキャスティングの金属または金属合金を調整し、その結果、それらは、異なる適用に適した所望の物理的特性を有して提供される。
【0004】
代表的に、鋳込みステーションから熱処理ステーションへのキャスティングの移送の間に(特に、キャスティングがかなりの時間放置される場合)、キャスティングは、一般的に、鋳造設備または金属処理設備の周囲環境に曝される。結果として、キャスティングは、溶融温度または半溶融温度から急速に冷却され始める傾向にある。キャスティングを固化するために、ある程度のキャスティングの冷却が必要であるが、本発明者/本出願人は、キャスティングの温度が下がれば下がるほど、そしてキャスティングのプロセス臨界またはプロセス制御温度下にキャスティングが維持される時間が長ければ長いほど、それらの所望の物理的特性を達成するために、キャスティングを所望の熱処理温度に戻すためおよびキャスティングを熱処理するための温度でキャスティングを維持するために熱処理炉内でより長い熱処理時間が必要とされることを見出した。
【0005】
特定の型の金属について、キャスティングがそのプロセス制御温度未満に下がる時間毎に、4分間またはそれ以上の過剰の熱処理時間が、所望の処理を達成するために必要とされる。従って、キャスティングの金属のプロセス制御温度未満で、わずか10分間下がるだけでも、所望の処理された物理的特性を達成するために、40分もの過剰の熱処理時間を必要とし得る。従って、代表的に、これらのキャスティングは、少なくとも2〜6時間、いくつかの場合、それより長く、所望の熱処理効果を達成するために熱処理される。しかし、結果として、熱処理時間が長ければ長いほど、および適切かつ完全にキャスティングを熱処理するのに必要とされる熱量が多ければ多いほど、熱処理プロセスの費用が高くなり、熱およびエネルギーの消費も多くなる。
【0006】
熱の損失を低減するために鋳込みステーションと熱処理ステーションとの間の距離を短くする試みがなされている。例えば、Mercedes unit of Daimler Benz in Germanyは、熱処理炉を、回転ラック型鋳込みステーションの発射点または移送点の近くに配置した。キャスティングが発射点に到達して、それらのダイスから取り出された場合、それらは、一般的に、キャスティングのバッチの収集のためのバスケットまたはキャリアに移される。次いで、キャスティングは、バッチ処理のために熱処理炉に導入される。このシステムの抱える問題は、収集バスケットへのキャスティングの移送の間およびキャスティングがバスケットの中で熱処理炉への導入を待っている間に、キャスティングが周囲環境(周囲環境は、一般的に、キャスティングの所望のプロセス制御温度よりずっと低い温度である)に曝されるという問題になおも取り組めないことである。このアイドル時間はなおも、鋳込みステーションおよび熱処理ステーションの処理速度に依存して、10分間またはそれ以上であり得る。しかし、キャスティングが、熱処理前に適切に固化することを可能にするために、少なくともある程度の所望の時間、キャスティングが、キャスティング金属の熱処理温度またはそれ未満の温度で冷却および維持されることもまた重要である。従って、鋳込みから熱処理へのキャスティングの移動が速すぎると、キャスティングの形成を破壊し、キャスティングが適切に固化するのを妨げ得る。
【0007】
従って、産業上、キャスティングの熱処理プロセスを増強する必要性が存在し、それによって、より効果的な熱処理および金属キャスティングの処理を可能にし、さらにより効果的な砂中子および/または砂鋳型の除去および再利用を潜在的に可能にするより効果的な方法およびシステムまたは設備に対する継続的な必要性が存在する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、上述した従来技術の課題を解決する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
(発明の要旨)
簡単に述べると、本発明は、概して、金属または金属合金上に形成されたキャスティングの鋳込み、形成、熱処理、およびさらなる処理のための統合された金属処理設備を包含する。この統合された金属処理設備は、概して、溶融金属(例えば、アルミニウムまたは鉄、あるいは金属合金)を鋳型またはダイス(例えば、永久金属製鋳型、半永久鋳型、または砂鋳型)に鋳込む、鋳込みステーションを備える。次いで、この鋳型は、この鋳込みステーションの鋳込み位置またはキャスティング位置から移送位置に移され、移動位置で、キャスティングは、その鋳型から取り除かれるか、または、鋳型は次いで、キャスティングをその中に含んだ状態で、移送機構により熱処理ラインに移される。移送機構は、代表的に、ロボットアーム、クレーン、オーバーヘッドホイストまたはリフト、プッシャー、コンベヤまたは類似の輸送機構を備える。いくつかの場合、同一の機構はまた、キャスティングをそれらの鋳型から取り除くためおよびキャスティングを熱処理ラインに移すために使用され得る。この鋳込み位置もしくは鋳込み点から移送位置もしくは移送点へ、および/または熱処理ラインへの輸送の間、キャスティングの溶融金属は、金属が固化してその中にキャスティングを形成するのに十分な程度まで冷却され得る。
【0010】
熱処理ラインまたは熱処理ユニットは、一般的に、プロセス温度制御ステーションおよび熱処理ステーションまたは設備(代表的に、1つ以上の加熱炉チャンバを有し、いくつかの実施形態において、一般的に、急冷ステーションが熱処理ステーションの下流に配置される)を備える。このプロセス温度制御ステーションは、一般的に、細長チャンバまたは細長トンネルとして形成され、キャスティングは、これらを通して、熱処理ステーションへの導入前に受け渡される。プロセス温度制御ステーションのチャンバは、代表的に、熱を供給してチャンバ内に加熱された環境を生成するために、チャンバに沿って取り付けられた一連の熱源(例えば、放射加熱器、赤外線加熱器、誘導加熱器、対流加熱器、伝導加熱器、または他の型の加熱要素)を備える。プロセス温度制御ステーションの壁および天井はさらに、代表的に、それらに適用された放射物質で形成されるかまたはこの放射物質を有する。この放射物質は、チャンバを透過するので、キャスティングおよび/または鋳型を放射するかまたはこれらに熱を直接向ける性質を有する。
【0011】
キャスティングおよび/またはキャスティングを中に含む鋳型は、プロセス温度制御ステーションのチャンバ内に受け取られるかまたはチャンバを通過する場合、キャスティングの冷却は、プロセス制御温度以上で停止される。プロセス制御温度は、一般的に、キャスティングの金属に必要とされる溶液熱処理温度より低い温度であり、その結果、キャスティングは、キャスティングを固化させるのに十分な量または程度であるが、それらの溶液加熱処理温度までキャスティングを上昇させるのに必要とされる時間未満冷却され、そして熱処理後、キャスティングは急激に増大する。キャスティングは、熱処理ステーションへの導入前にプロセス温度制御ステーションを通過するので、それらのプロセス制御温度またはそれより高い温度で維持される。
【0012】
あるいは、一連の熱源(放射加熱要素(例えば、赤外線加熱要素および誘導性加熱要素)、対流加熱要素、伝導加熱要素、または他の型の熱源を含む)は、キャスティングの移動通路に沿って配置され得る。なぜならば、キャスティングは、熱処理ステーションに供給するために、鋳込みステーションから熱処理ラインへ移されるからである。このような実施形態について、プロセス温度制御ステーションは、キャスティングまたは鋳型が鋳込みステーションから熱処理ステーションへ供給される際に、キャスティングまたは鋳型に熱を向かわせるよう(例えば、加熱された空気または他の媒体の流れを通じて)、鋳込みステーションから熱処理炉へのキャスティングの移動通路に沿って取り付けられた一連の熱源と置き換えられ得る。さらに、加熱要素または熱源は、キャスティングおよび/またはキャスティングを中に含む砂鋳型にまたはそれらに対して熱流を向けるよう、移送機構に直接取り付けられ得る。従って、プロセス制御温度未満でのキャスティングの冷却は、鋳込みステーションから熱処理ステーションへの直接的なキャスティングの移送および導入の間の移送機構自体からの直接的な熱の適用により停止される。
【0013】
キャスティングの冷却を停止し、そしてその後、実質的にそのキャスティングの金属のプロセス制御温度かまたはその温度より高い温度にキャスティングを維持することにより、キャスティングの熱処理に必要とされる時間は、有意に減少され得る。なぜなら、このキャスティングは、熱処理ステーションまたは熱処理炉への導入後比較的短い期間内に、容体化熱処理温度まで急速に昇温され得るからである。従って、キャスティングについての鋳込みステーションの出力は増加され得、従ってキャスティングについての全体の処理および熱処理の時間は増大されるかまたは減少され得る。
【0014】
キャスティングが熱処理ステーションを通過するとき、これらのキャスティングは、キャスティングの金属を完全にかつ十分に熱処理するため、およびキャスティングの砂中子および砂鋳型の砂の分解および再生のために必要とされる所望の長さの時間、容体化熱処理温度に維持されるか均熱される。その後、キャスティングは、急冷ステーションを通され得、そしてさらにキャスティングの時効ならびに更なる処理およびプロセシングのために時効ステーションを通され得る。
【0015】
本発明の種々の目的、特徴、および利点は、添付の図面と合わせて、以下の詳細な説明を検討する際に当業者に明らかとなる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1A】図1Aは、一体型多機能金属処理炉の概略図であって、本発明のキャスティングの処理を概略的に図示する。
【図1B】図1Bは、本発明の代替の実施形態の概略図であって、複数の鋳込みステーションから本発明の熱処理ユニットへのキャスティングの収集および移送を図示する。
【図1C】図1Cは、鋳型からのチル除去を伴う本発明の別の代替の実施形態の概略図である。
【図1D】図1Dは、本発明のさらなる代替の実施形態の概略図であって、キャスティングが熱処理ユニットへ移動される場合の移送機構によるキャスティングの移送およびプロセス加熱を図示する。
【図2A】図2Aは、本発明のプロセス温度制御ステーションおよび熱処理ステーションの頂平面図である。
【図2B】図2Bは、図2Aに図示される本発明のプロセス温度制御ステーションおよび熱処理ステーションの側面立面図である。
【図3】図3は、本発明の代替の実施形態の斜視図であり、ここでキャスティングは、プロセス温度制御ステーションを通ってバッチで、熱処理ステーションへの供給のために供給される。
【図4A】図4Aは、従来の熱源を利用する、プロセス温度制御モジュールまたはステーションの第1の実施形態を図示する。
【図4B】図4Bは、従来の熱源を利用する、プロセス温度制御モジュールまたはステーションの第1の実施形態を図示する。
【図5A】図5Aは、直接熱/熱衝突熱源を利用する、プロセス温度制御モジュールまたはステーションのさらなる実施形態を図示する。
【図5B】図5Bは、直接熱/熱衝突熱源を利用する、プロセス温度制御モジュールまたはステーションのさらなる実施形態を図示する。
【図6A】図6Aは、放射熱源を利用する、プロセス温度制御モジュールまたはステーションのさらなる実施形態を図示する。
【図6B】図6Bは、放射熱源を利用する、プロセス温度制御モジュールまたはステーションのさらなる実施形態を図示する。
【発明を実施するための形態】
【0017】
(発明の詳細な説明)
ここで、図面(ここで、いくつかの図を通して、同様の数は、同様の部分を参照する)を詳細に参照して、図1A〜3は、一体型金属処理炉またはシステム5および金属キャスティングを処理する方法を概略的に図示する。金属キャスティングプロセスは、一般的に当業者に周知であり、そして伝統的なキャスティングプロセスは、参照の目的のために手短にしか記載しない。本発明は、任意の種類のキャスティングプロセス(アルミニウム、鉄、鋼および/または他の種類の金属および金属合金のキャスティングを形成するための金属キャスティングプロセスを含む)において使用され得ることはまた、当業者によって理解される。従って、本発明は、特定のキャスティングプロセスまたは特定の種類の金属もしくは金属合金での使用のみに限定されるべきではない。
【0018】
図1Aに示されるように、代表的に、溶融金属または金属合金Mは、キャスティング12(例えば、円筒形ヘッドまたはエンジンブロックまたは類似のキャスト部品)を形成するために、ダイまたは鋳型10中に、鋳込みステーションまたはキャスティングステーション11にて鋳込まれる。代表的には、中空のキャビティおよび/またはキャスティングの細部または幅木を、各鋳型内に形成されているキャスティング内に形成するように、砂および有機結合剤(例えば、フェノール性樹脂)から形成されるキャスティング中子13は、鋳型10内に受容されるかまたは配置される。この鋳型の各々はさらに、永久金属鋳型またはダイであり得、代表的には鋼、鋳鉄のような金属または当該分野で公知の他の材料から形成され、そして開け易さおよび鋳型からのキャスティングの除去のし易さのためにクラムシェル式の設計を有する。あるいは、この鋳型としては、「精密砂鋳型」のタイプの鋳型および/または「生砂鋳型」が挙げられ得、これらの鋳型は、一般的に、キャスティング砂中子13と同様に、フェノール樹脂のような結合剤または当該分野で公知の他の結合剤と混合された、ケイ砂またはジルコンサンドのような砂材料から形成される。鋳型は、半永久砂鋳型をさらに含み得、これは、代表的に砂および結合剤から形成された外部鋳型壁、鋼のような金属、または両方の種類の材料の組合せを有する。
【0019】
用語「鋳型」は、以下において、上記のような全てのタイプの鋳型をいうために一般的に使用され、これには、永久ダイまたは金属ダイ、半永久鋳型および精密砂鋳型のタイプの鋳型、ならびに特定のタイプの鋳型が示されている場合を除いて他の金属キャスティング鋳型が含まれることが理解される。以下で考察される種々の実施形態において、特定のタイプの鋳型および/または熱処理プロセスが示されていなければ、本発明は、その永久鋳型から取り出されたキャスティング、または組み合わされた熱処理および砂鋳型の分解および砂の再生のために砂鋳型内に残っているキャスティングを熱処理するために使用され得ることがさらに理解される。
【0020】
図1Aに示されるように、鋳型10の各々は、一般的に、側壁14、上部壁または頂部16、下部壁または底部17を備え、これらは、集合的に内部キャビティ18を規定し、このキャビティに溶融金属が受容され、そしてキャスティング12に形成される。鋳込み開口部19は、一般的に、各鋳型の上部壁または頂部16に形成され、そして鋳込みステーション11において各鋳型を通りそしてその内部キャビティ18に至る溶融金属の経路のために内部キャビティと連絡している。図1A〜1Cに示されるように、鋳込みステーション11は、一般的に溶融金属Mを鋳型に鋳込むための取鍋または同様の機構21およびコンベヤ22(例えば、回転ラック、ピストン、割り出しまたは同様の運搬機構)を備え、このコンベヤは、1つ以上の鋳型を、鋳込み位置またはキャスティング位置(23で示される)から、移送点または移送位置(24で示される)まで移動させる。この鋳込みまたはキャスティング位置において、溶融金属は鋳型内に鋳込まれる。この移送点または移送位置において、キャスティングはその鋳型から取り出されるか、またはキャスティングを中に含む鋳型は、鋳込みステーションから熱処理ユニット26または熱処理用ラインまで移送される。溶融金属がその鋳型内に鋳込まれた後、この鋳型は、移送位置に運搬され、この間に、金属は、金属が固化してキャスティングになることを可能にする必要がある場合、ダイ内の所望の程度または温度まで放冷される。この後、このキャスティングは、所望の熱処理温度において熱処理され得る。
【0021】
本発明者らが見出したように、キャスティングの金属が冷却されるにつれて、この金属はプロセス制御温度に達し、プロセス制御温度未満にて、熱処理温度にキャスティングを戻して上昇させ、そして熱処理を行うという両方に必要な時間は、有意に増加される。このプロセス制御温度は、キャスティングを形成するために使用される金属および/または金属合金に依存して変化し、この温度は、いくつかの合金または金属については約400℃以下という温度から、鉄のような金属の他の合金については約1000℃〜1300℃以上までの範囲である。例えば、アルミニウム/銅合金については、プロセス制御温度は、概して、約400℃〜470℃の範囲であり得、この温度は、概して大部分の銅合金についての容体化加熱処理温度未満である。この温度は、代表的には、約475℃〜約495℃の範囲である。キャスティングはそのプロセス制御温度範囲内にあるが、キャスティングは、代表的には、所望の場合、その金属を凝固させるに十分なレベルまで冷却されることが見出された。
【0022】
しかし、キャスティングの金属がそのプロセス制御温度未満に冷却されることが可能である場合、熱処理が行われ得るように、所望の熱処理温度(例えば、アルミニウム/銅合金については475℃〜495℃、またはアルミニウム/マグネシウム合金については510℃〜570℃まで)にて、キャスティングの温度を上昇させかつ維持するために、キャスティングの金属がそのプロセス制御温度未満に冷却される1分間につき、さらなる約4分間以上にわたり、キャスティングを加熱する必要があることが、本発明者らによりさらに見出された。従って、キャスティングを、短時間であってもそれらのプロセス制御温度未満に冷却させる場合、適切かつ完全にキャスティングを熱処理するに要する時間は、その後に有意に増大される。さらに、いくつかのキャスティングが1つのバッチで熱処理ステーションを通じてプロセシングされるバッチプロセシング鋳型のシステム(例えば、図1B、1C、および1Dに例示される)においては、キャスティングのバッチ全体についての熱処理時間は、概して、バッチ中の最も低い温度を用いるキャスティングに要する熱処理時間に基づく。結果として、プロセシングされているキャスティングのバッチ中のキャスティングの1つが、約10分間の間そのプロセス制御温度未満に冷却される場合、例えば、バッチ全体は、代表的には、キャスティングの全てが、確実に適切かつ完全に熱処理されるために、約40分以上というさらなる熱処理時間に供される。
【0023】
従って、本発明は、システム5の一体型プロセシング設備(図1A〜3)、および(それらの鋳型内または鋳型から離れている)キャスティングを鋳込みステーション11から熱処理システムまたはユニット26へと移動しそして/または移送するように設計された金属キャスティングをプロセシングする方法に関する。キャスティングの溶融金属の冷却は、キャスティングの金属のプロセス制御温度付近にて、またはこの温度を超えると停止されるが、キャスティングの必要な凝固冷却に適応し、そしてキャスティングのためのより効率的でより短い熱処理時間を可能にするように、その所望の熱処理温度未満またはこの温度に等しくされる。本発明によりプロセシングされるキャスティングのためのプロセス制御温度が、キャスティングに使用される特定の金属および/または金属合金に依存して変動することは、当業者に理解される。従って、多くの金属および金属合金についてのプロセス制御温度が、概して、アルミニウムのような金属については約400℃、鉄のような金属については約1300℃以上までの範囲内にある一方で、この温度より高い温度またはこの温度より低い温度もまた、プロセシングされるキャスティング材料に依存して、適応され得ることがまた理解される。
【0024】
一体型設備5の第1の実施形態およびこの設備を通じてキャスティングを移動しそして/またはプロセシングするためのプロセスは、図1Aおよび2A〜2Bに例示される。図1Bおよび3は、一体型設備5のさらなる代替的実施形態、およびキャスティングが回収され、バッチプロセシング型構成での熱処理を通じてプロセシングされる、キャスティングを形成および処理するためのプロセスをさらに例示する。しかし、本発明の原理が、キャスティングがこの設備(従って、本発明)を通じて個々にプロセシングされる、バッチ型設備および連続プロセシング型設備に等しく適用され得ることは、当業者により理解される。従って、本明細書中以降に記載される実施形態は、連続型プロセシング設備のみ、またはバッチ型プロセシング設備のみに限定されず、そしてこれらにのみ限定されるべきでもない。図1Cおよび1Dは、キャスティングからのチル除去(図1C)または複数の熱処理炉へのキャスティングの供給(図1D)のようなさらなるプロセシング工程を行うための、本発明の代替的実施形態をさらに例示する。さらに、本明細書中以降で議論され、かつ図面で例示される実施形態の種々の特徴は、本発明のさらなる実施形態を形成するように組み合わせられ得ることが当業者により理解される。
【0025】
図1Aおよび2A〜2Bに例示される実施形態において、キャスティング12は、概して、移送ステーションまたは鋳込みステーション11にて、移送機構27によりそれらの鋳型10から外される。図2Aおよび2Bに示されるように、移送システムまたは移送機構27は、代表的には、28で示されるロボットアームまたはロボットクレーンを備えるが、キャスティングおよび/または鋳型を移動するための種々の他のシステムおよびデバイス(例えば、オーバーヘッドブームもしくはホイスト、コンベヤ、プッシャーロッド、または他の類似の材料取り扱い機構)もまた、使用され得ることが当業者により理解される。図1A、1B、および2Aに示されるように、移送機構のロボットアーム28は、概して、鋳型もしくはキャスティングを係合かつ保持するための係合部分もしくはグリッピング部分またはクランプ29、ならびに基部31を備え、この部分の上でアーム28は、鋳込みステーションの移送点24と、矢印32および32’(図2A)によって示される熱処理ラインとの間を移動可能であるように回転可能に取り付けられる。さらに、図1Bに示されるように、移送機構は、複数の鋳込みステーションステーション11および11’から鋳型ならびに/またはキャスティングを移送するために使用され得、複数の熱処理ラインもしくはユニット26(図1C)に鋳型および/またはキャスティングを移送し得る。
【0026】
鋳型とこの鋳型中にあるキャスティングは、代表的には、図2Aに示されるように、鋳込みステーション11からピックアップ点または移送点24(この上で移送機構27は、概して、鋳型とこの鋳型に含まれるキャスティングをピックアップするか、またはそれらの鋳型からキャスティング12を取り外し、熱処理ユニット26へそのキャスティングを輸送する)へと移動される。従って、同じマニピュレーターもしくは移送機構は、鋳込みステーションからキャスティングを取り外すために、および熱処理ユニットへキャスティングを導入するために使用され得る。代表的には、熱源または加熱要素33は、熱をキャスティングに供給するために、キャスティングの移送点28に隣接して配置される。熱源は、代表的には、任意の鋳型の加熱要素または供給源(例えば、導電(conductive)型熱源、放射(radiant)型熱源、赤外線(infrared)型熱源、導電型熱源、対流(convective)型熱源、および直接衝撃(direct impingement)型熱源)が挙げられ得る。図2Aに例示されるように、複数熱源33が使用され得、鋳込みステーションから熱処理ラインへの移送操作の間にキャスティングへ熱を最も効率的に供給するように配置され得る。
【0027】
代表的には、永久ダイスまたは金属ダイスまたは鋳型の場合、図1Dに示されるように、この鋳型は、移送点にて開けられ、移送機構によりキャスティングが外される。次いで、移送機構は、一体型プロセシング設備5の熱処理ユニット、ライン、またはシステム26の1以上の入口コンベヤ34(図1Bおよび2A)にキャスティングを移送する。鋳型が開けられ、キャスティングが取り外されると、熱源33(図2A)は、キャスティングの金属のプロセス制御温度付近またはこの温度を超える温度にキャスティングを維持するために、キャスティングが熱処理ユニットに移送されているとき、熱をキャスティングに直接供給して、鋳造工場またはプラントの周辺環境に対するそれらの曝露の間にキャスティングの冷却を停止またはそうでなければ制御する。
【0028】
半永久的に形成されるキャスティング、または砂鋳型(熱処理の間、代表的にキャスティングがこれらの鋳型内に保持され、この熱処理の間、鋳型は、この鋳型の砂を保持する結合剤材料の熱分解によって分解される)のプロセシングのために、移送機構27は、鋳型全体を、それらに含まれるキャスティングとともに、移送点から入口コンベヤ34に移送する。このように、熱源33は、熱を鋳型自身に付与し続け、付与される熱の量は、鋳型の内側のキャスティングの温度を、鋳型の過剰な分解または早い分解を引き起こすことなく、キャスティングの金属のプロセス制御温度付近のレベルまたはプロセス制御温度より上のレベルに維持するように制御される。
【0029】
本明細書中において、以後、「キャスティング」の移送、加熱、処理、またはそれ以外の移動またはプロセシングに対する参照がなされる場合、他に示される場合を除いて、このような考察は、それらの鋳型なしのそれら自身によるキャスティングの除去およびプロセシング、ならびにキャスティングが熱処理のためにそれらの砂鋳型内に残り、鋳型および中子が破壊され、そして砂が再生利用されるプロセス(米国特許第5,294,994号;同第5,565,046号;同第5,738,162号、および同第6,217,317号ならびに2000年9月9日に出願された係属中の米国特許出願番号09/665,354号(これらの開示は、本明細書中において参考として援用される)に開示される)の両方を含むことが、理解される。
【0030】
図1Aおよび2A〜2Bに示されるように、キャスティングは、最初に、入口コンベヤ34(図2Aおよび2B)またはコンベヤ34および34’(図1B)によって、プレチャンバーまたがプロセス温度制御ステーションもしくはモジュール36に示される(indexed)かまたは移送される。図2Aおよび2Bに示されるように、プロセス温度制御ステーションまたはモジュールは、一般的に、加熱内側チャンバ37を備え、この加熱内側チャンバ37を通って、キャスティングおよび/または中にキャスティングを有する鋳型が、チェーンコンベヤー、ローラーまたは類似の移送機構38上の熱処理ラインに沿って、それらのプロセシング経路によって移送される。キャスティングは、上流または入口端39においてチャンバ37に入り、そして下流または出口端41を通ってチャンバ37を出て、そして一般的に、熱処理ライン26の熱処理炉またはステーション42に直接導入される。プロセス温度制御ステーションの入口端39および出口端41は、さらに、開放であり得るか、または図2Bの43に示されるように、ドアまたは類似の閉鎖構造を備えて、その中の熱の過剰な損失を避けるようにチャンバ37を密封するのを助け得る。代表的には、キャスティングは、プロセス温度制御ステーション36’から熱処理ステーション42へと直接供給され、従って、熱処理およびプロセス温度制御ステーションは、さらに潜在的な熱の損失を避け、おそらく熱の共有を可能にするために、一緒に連結される。
【0031】
チャンバ37は、一般的に、放射チャンバであり、そしてそれら中に取り付けられた一連の熱源45を備え、熱源は、チャンバの壁46および/または天井47に沿って配置される。代表的には、複数の熱源45が使用され、そして1つ以上の種々の異なる型の熱源または加熱要素を備え得、これには、赤外エネルギー源、電磁エネルギー源または誘導エネルギー源のような放射熱源、伝導型、対流型、および直接衝撃型の熱源(例えば、ガスフレームをチャンバに導入するガス燃焼バーナー)が挙げられる。さらに、放射チャンバ37の側壁および天井は、一般的に、熱を放射し得、そして一般的に、壁および天井上に非粘着性表面を形成する、金属、金属フィルムもしくは類似の材料、セラミック、または複合材料のような高温放射材料から形成されるか、またこれらの材料を用いてコーティングされる。結果として、チャンバの壁および天井が加熱される場合、この壁および天井は、キャスティングに対して熱を放射する傾向があり、一方、同時に、それらの表面は、一般的に、砂鋳型および/または中子の結合剤の燃焼由来の廃棄ガスおよび残渣(例えば、すすなど)を、チャンバの壁および天井上でのそれらの収集および蓄積を防ぐために、燃焼させるのに十分な温度に加熱される。
【0032】
図4A〜6Bは、プロセス温度制御ステーションの種々の異なる実施形態を示す。図4A〜4Bは、対流型熱源45を使用するプロセス温度制御ステーション36を示す。各々の対流熱源は、一般的に、導管52によって加熱媒体の源に接続される1つ以上のノズルまたは送風機51を備える。送風機51は、チャンバ37の天井47および側壁46の周りに配置されるかまたは位置付けられて、加熱媒体(例えば、空気もしくは他のガス)、および/または流体を、チャンバ中の、その中に含まれるキャスティングおよび/または鋳型に対して方向付ける。対流送風機は、一般的に、矢印53によって示されるような、キャスティングの周りに乱流の加熱流体流れを作り出して、キャスティングおよび/または砂鋳型の実質的に全ての面に熱を付与する傾向がある。結果として、キャスティングは、加熱媒体内で実質的に均一に浸されて、その金属のプロセス制御温度付近またはその上に、キャスティングの温度を維持する。さらに、キャスティングがそれらの砂鋳型においてプロセスされる場合、プロセス温度制御ステーション内の熱の付与は、鋳型自身を加熱する傾向があり、その中の結合剤材料が燃焼し始めるか、熱分解し始めるか、またはそれ以外で追い出され(drive off)始める分解温度または燃焼温度に向かってそれらの温度を上昇する。
【0033】
送風機またはノズル52を、それらの入口端に隣接するプロセス温度制御ステーションの前面に有し、キャスティングおよび/または鋳型の冷却をより迅速に抑えようとするためにより高い速度および/または温度で操作することもまた可能である。チャンバの中間および/または端部(例えば、プロセス温度制御ステーションの出口において)に向かって配置されるノズルまたは送風機52は、キャスティングおよび/または砂鋳型の所望の温度レベルを維持するためにより低い温度または速度で実行され得、砂鋳型の完全な分解を防ぎ、一方で、プロセス温度制御ステーションの中にあるままで、熱処理の前にキャスティングの固化が完了され得る。
【0034】
あるいは、図5Aおよび5Bは、プロセス温度制御ステーション36’の別の実施形態を示し、ここで、熱源45’は、一般的に、1つ以上の放射ヒータ54(例えば、赤外加熱要素)、電磁エネルギー源、または類似の放射熱源)を含む。代表的に、放射ヒータ54は、対流送風機51の配置と類似して、プロセス温度制御ステーション36の放射チャンバ37の壁46および天井47の周りで、所望の配置および方向で、複数の位置またはセットで配置される。対流熱源52とともに、チャンバの入口端に隣接する放射ヒータは、それらがプロセス温度制御ステーションに入るとき、砂鋳型中のキャスティングの冷却をより迅速に抑えるために、より高温で操作され得る。さらに、減圧送風機、ポンプまたは排気ファン/システム56は、一般的に、導管57を通して放射チャンバに接続され、そして放射チャンバ37内に陰圧を作り出して、放射ヒータの要素の冷却を助けるかまたは過熱を妨げるために、チャンバ内の砂中子および/または砂鋳型の結合剤の燃焼(burnig)または燃焼(combustion)から生成される熱および/または廃棄ガスを排出する。
【0035】
プロセス温度制御ステーション36”のなおさらなる代替の実施形態が図6Aおよび6Bに示され、これは、直接衝突型加熱源45”を示す。直接衝突熱源は、放射チャンバ37内の選択された位置または方向のセットまたはアレイに配列された一連のバーナーまたはノズル58を備える。これらのバーナー58は、一般的に、導管59によって、燃料源(例えば、天然ガスなど)に接続される。直接衝突熱源のノズルまたはバーナー要素は、実質的に、キャスティングの側面、上面、および底面に向かって熱を方向付けそして付与する。従って、キャスティングは、実質的に均一に加熱され、そしてそれらから放出される砂材料は、さらに、その結合剤材料を燃焼させるために直接的な加熱に曝露され得る。
【0036】
これらの異なる熱源が放射チャンバにおける使用のために組み合わされ得ることが、当業者にさらに理解されている。さらに、このチャンバのプロセス制御温度またはプロセス制御温度を超えたキャスティングの冷却を停滞させ、その後、このキャスティングの温度を、それらを熱処理ステーションへの入力のために待機させる(queued)ように維持するために、複数のチャンバが、連続して使用され得る。
【0037】
種々の型の熱源の使用に加えて、図1Aに示されるように、キャスティング用の金属の加熱からの熱を分配しそしてエネルギーを回収するのを可能にするために、鋳込みステーション11において溶融金属材料をそれらの鋳型に鋳込む間、矢印60によって示されるように、この溶融金属材料をプロセス温度制御ステーション36の放射チャンバに鋳込む間に発生および捕捉される発生気体を、指向および回収することがさらに可能である。あるいは、キャスティングの砂中子および/または熱処理ステーション42内の砂鋳型、ならびにキャスティングの熱処理用の結合剤の破壊および燃焼の結果として生じる過剰な熱もまた、プロセス温度制御ステーションの放射チャンバの内部環境の加熱を助けるために、図1Aの点線の矢印61によって示されるように、このプロセス温度制御ステーションに戻され得る。廃棄ガスおよび廃熱のこのような回収は、プロセス温度制御ステーションのチャンバを、所望の温度または必要とされる温度まで加熱して、それを通過するキャスティングの冷却を停滞させるために必要とされるエネルギーの量を減少するのを助ける。
【0038】
図2B、4A、5Aおよび6Aにさらに示されるように、収集ホッパーまたはシュート62は、一般に、プロセス温度制御ステーション36の底面に沿って形成され、その放射チャンバ37の下方に位置付けられる。このホッパー62は、一般に、側壁63を備え、この側壁は、その低部端64にて下向きに傾斜している。この傾斜した側壁は、結合剤の熱変性がプロセス温度制御ステーションで始まる際に、キャスティングの砂中子および/または砂鋳型から取り除かれた砂を収集する。この砂は、代表的に、ホッパー62の開口低部端の下方に位置付けられた収集コンベヤ66の下方に指向される。代表的に、流動化システムまたは機構67は、ホッパー62の壁の底部64に沿って位置付けられる。流動器としては、代表的に、以下が挙げられる:バーナー、送風機、分配器または類似の流動化ユニット(加熱媒体(例えば、空気または他の流体)の流れを砂に適用して、結合剤のさらなる変性を促進させ、任意のクランプの砂および結合剤(これらは、キャスティングから取り除かれて、実質的に純粋な形態のキャスティング用の砂中子および/または砂鋳型の砂の再生を助ける)を破壊する、流動化ユニット(例えば、米国特許第5,294,994号;同第5,565,046号;および同第5,738,162号(これらは、参考として本明細書中で援用される)に開示および主張されている)。再生された砂は、コンベヤ66により収集され、そしてプロセス温度制御ステーションから運ばれる。
【0039】
さらに、図1A、2A〜2B、4A、5Aおよび6Aに示されるように、キャスティングの砂中子および/または砂鋳型用の結合材料の燃焼によって発生する、過剰な熱および廃棄ガスは、プロセス温度制御ステーション36の放射チャンバ37から収集または引き出され得、そして図1Aの矢印68によって示されるように、熱処理ステーション42へ向う。このプロセス温度制御ステーションから熱処理ステーションへの、過剰な熱および廃棄ガスのこのチャネリングによって、このプロセス温度制御ステーションのチャンバ内で発生した熱の強力なリカップリングと、加熱処理チャンバ内の砂鋳型および/または砂中子の結合剤の変性から生じる廃棄ガスのさらなる加熱および/または燃焼との両方が可能になる。図1Aに示されるように、送風機または類似の空気分配機構69は、さらに一般に、熱処理ステーションに沿って取り付けられ、そして代表的に、キャスティングの熱処理、ならびにキャスティングの砂中子および/または砂鋳型から得られた結合剤材料の焼き払いの間に発生する廃棄ガスを撤退させる。これらの廃棄ガスは、送風機によって収集され、そして代表的に、これらの廃棄ガスをさらに処理および燃焼して、これらのガスを再処理し、そしてキャスティングおよび熱処理プロセスによって発生した汚染の量を減らすために、焼却炉71に向けられる。フィルターを使用して、熱処理ステーションに導入される前にプロセス温度制御ステーションから発生する廃棄ガスをさらに濾過し、そして/または、熱処理ステーションから焼却炉に発生するガスを濾過することもまた可能である。
【0040】
従って、プロセス温度制御ステーションは、熱処理ステーションまたはチャンバの前の入れ子領域として機能する。ここにおいて、キャスティングは、プロセス制御温度でまたはプロセス制御温度より高く、維持または停滞された温度で維持され得るが、それらが熱処理ステーションに導入されるのを待っている間に、所望の熱処理温度より低くなる。従って、このシステムにより、鋳込みライン(単数または複数)は、より高速でかまたはより有効な速度で操作されることが可能になり、キャスティングは、列をなして配置されることなく、ラインは、周囲温度に曝されながら熱処理ステーションに供給されるのを待ち、その結果キャスティングが処理制御温度より低い温度に冷却されることはない。その後、キャスティングはさらに、図1A、1Cおよび2A〜2Bに示されるように、個々にか、あるいは図1B、1Cおよび3に示されるように、熱処理、砂再生のために破壊および除去される砂中子および/または砂鋳型、およびおそらく砂再生のための熱処理ステーション42内でのバッチで、供給され得る。
【0041】
熱処理ステーション42(図2B)は、代表的に、細長加熱炉であり、この加熱炉は、少なくとも1個の直列に取り付けられた加熱炉チャンバ75を備え、ここを通って、コンベヤ76は、そこを通るキャスティング移送を延滞させる。従来型熱源(例えば、加熱媒体(例えば、空気または他の流体)に適用する送風機またはノズル)、導電性熱源(例えば、流動床)、非導電性放射熱源および/または他の型の熱源を含む、熱源77(図2A)は、程度および量を変更する際にキャスティングの周囲に熱、おそらく気流を与えて、金属に適切な熱処理温度までキャスティングを加熱するために、チャンバ75の壁および/または天井に取り付けられる。このような所望の熱処理温度および熱処理時間は、当業者に公知であるように、キャスティングを形成する金属または金属合金の型に従って、変更される。
【0042】
キャスティングの砂中子および/または砂鋳型の熱処理、ならびに少なくとも一部の破壊および除去(おそらく砂中子および砂鋳型からの砂の再生のため)のための熱処理加熱炉の例は、米国特許第5,294,994号;同第5,565,046号;および同第5,738,162号(これらの開示の全体が、本明細書中で参考として援用される)において例示されている。本発明とともに使用するための熱処理加熱炉または熱処理ステーションのさらなる例は、米国特許出願番号09/313,111(1999年5月17日に出願)、および同番号09/665,354(2000年9月9日)(これらの開示は同様に、本明細書中で参考として援用される)において例示および開示されている。このような熱処理ステーションまたは熱処理加熱炉は、さらに一般には、キャスティングの熱処理の間に除去された、このキャスティングの砂中子および/または砂鋳型からの砂を再生するのを可能にする。
【0043】
熱処理の後、このキャスティングは、一般に、熱処理ステーションから除去され、そしてキャスティングを急冷するための急冷ステーション78(図1A)に移動され、ここで、キャスティングは、洗浄され得、そしてさらにプロセスされ得る。この急冷ステーションは、代表的には、冷却流体(例えば、水または他の公知の冷却剤)を有する急冷タンクを備えるか、または冷却流体(例えば、空気、水または当該分野で公知の類似の冷却媒体)を適用する一連のノズルを有するチャンバを備える。その後、キャスティングは、洗浄および必要ならばさらなるプロセシングのために、急冷ステーションから取り出される。
【0044】
一体型設備5のさらなる実施形態が、図1Bに例示される。この実施形態において、移送機構27(ここではクレーンまたはロボットアーム28として示される)は、複数の鋳込みラインまたはステーション11および11’(ここでは、回転ラック型システムとして示される)からキャスティングを取り出し、このシステムにおいて、鋳型は、鋳込み位置またはキャスティング位置23と、移送点24との間で回転され、この移送点において、この移送機構27は、砂鋳型をその中にあるキャスティングと係合しかつこの砂鋳型を移送するか、またはキャスティングを鋳型から取り出し、このキャスティングを、熱処理ユニット26の1個以上の入口コンベヤ34および34’まで移送する。このキャスティングは、熱処理ステーション42に導入するために、プロセス温度制御ステーション36に、およびここを通して個々に移動させるか、またはキャスティングをバッチプロセスするために、バスケットもしくはコンベヤートレイ79に収集させ得る。
【0045】
図1Bに図示される実施形態において、プロセス温度制御ステーション36は、一般的に、細長放射トンネル81として形成され、この細長放射トンネル81は、キャスティングおよび/またはキャスティングを中に含む砂鋳型が、そこを通って移動されるかまたは運搬されるチャンバ82を規定する。放射トンネル81は、一般的に、その放射トンネルに沿って取り付けられた一連の熱源83(例えば、図2A〜2Bおよび4A〜6Bの実施形態に関して上記で考察された種々の異なる加熱源45、45’および45”)を備える。代表的に、放射トンネル81のチャンバ82の壁84および天井は、耐熱性材料から形成されるかまたは耐熱性材料でコーティングされ、その結果、この放射トンネル内で生成した熱が、トンネルに沿って移動されるキャスティングに向かって反射/放射される。放射トンネル81の末端には、収集ステーション86があり、ここでキャスティングは、このキャスティングまたは中にキャスティングを含む砂鋳型を、熱処理ステーション42に通してバッチ処理するために、バスケット79または同様の運搬トレイ中に収集され、そして/または置かれ得る。熱処理ステーションにおけるバッチ処理のためのバスケット内のキャスティングの収集はまた、図1Cおよび3に示されるように、キャスティングが放射チャンバまたはプロセス温度制御ステーション36のトンネルを通過する前に行われ得る。
【0046】
本発明の一体型設備5のなおさらなる実施形態は、図1Cに概略的に示される。この実施形態において、プロセス温度制御ステーション36(ここでは、(図1Bに関して考察したとおり)細長放射トンネルまたはチャンバ81を備えるように示される)は、チル除去ステーション87と接続するかまたはチル除去ステーション87に供給し、これは、熱処理ステーション42と連絡しており、そしてキャスティングをこの熱処理ステーション42に供給する。代表的には、この実施形態において、キャスティングは、移動され、それらの半永久的な鋳型または砂鋳型(これらに取り付けられた「チル」をさらに含む)内に含まれたまま、熱処理されるかまたは処理される。チルは、一般的に金属プレートであり、代表的には、鋼または同様の材料から形成され、キャスティング表面の所望の設計特徴を形成するための設計起伏を有し、そして溶融金属材料を鋳型に注ぐ際または注ぐ前にこの鋳型内に置かれる。チルは、キャスティングの熱処理またはチルの再生および再使用の前に最終的に取り除かれなければならない。放射トンネル81のチャンバ82を通過(この間に、砂鋳型の燃焼は、一般的に少なくとも部分的に始まっている)した後、これらのチルは、熱処理ステーション42への鋳型およびキャスティングの移動を有意に遅らせることなく鋳型から容易に取り除かれ得る。チル除去ステーションにおけるチルの除去後、キャスティングが中にある鋳型は、一般的に、熱処理、砂中子および砂鋳型の破壊、ならびに砂の再生のために熱処理ステーション中に直接入れられる。
【0047】
本発明の一体型設備のなおさらなる代替の実施形態は、図1Dに図示される。この実施形態において、キャスティングは、一般的に、その鋳型から除去され得、そして1つ以上の熱処理炉またはステーション92中に直接供給されるために、入口コンベヤ90または91へと輸送され得る。あるいは、キャスティングが砂鋳型内に形成されている場合、鋳型全体が、輸送点28から入口コンベヤ90または91のうちの1つへと輸送される。図1Dに示されるように、その鋳型からのキャスティングの除去および続くキャスティングの移送、またはキャスティングを中に残したまま鋳型を鋳込みステーションから除去することおよび熱処理ステーション92への輸送は、一般的に、同じ輸送機構または操作者により行われ得る。
【0048】
この実施形態において、熱源93は、移送機構27自体に取り付けられて示され、そしてこのキャスティングが鋳込みラインの移送点から熱処理炉92のための入口コンベヤ90または91のうちの1つに移動されるにつれて、キャスティングおよび/または砂鋳型に直接熱を加える。この熱源(上記で議論したとおり)としては、放射エネルギー源(例えば、赤外線発生器または電磁発生器、誘導性熱源、対流性熱源および/または伝導性熱源、あるいは当業者に明らかとなる他の鋳型の熱源が挙げられる。キャスティングおよび/または鋳型の冷却を阻止し、それによりキャスティング金属の温度を実質的にその金属のプロセス制御温度かまたはその温度より高く維持するように、キャスティングまたは鋳型が入口コンベヤに移送されるにつれて、移送機構27に取り付けられた熱源93からの熱は、一般的に1つ以上の表面(例えば、キャスティングまたは鋳型の頂面および/または側面)に向けられる。
【0049】
94で示されるような、さらなる熱源は、図1Dに示されるように入口コンベヤ90および91の上もしくはこれらに隣接して、または矢印96および96’ならびに97および97’により示されるように移送機構の移動経路に沿って取付けられて、キャスティングの加熱およびキャスティングの温度の拘束を維持し得る。さらに、加えられている熱を、輸送されているキャスティングおよび/または鋳型に対して実質的にその側面、頂面および底面の周囲に分布させるための加熱された媒体(例えば、空気または他の加熱された流体)を適用して、鋳込みラインから熱処理炉92への移送の間のコールドスポットの発生およびキャスティングの不均一な加熱または冷却を低減しようと試みるために、送風機、ファンまたは他の類似の空気移動デバイス(示さず)はまた、移送機構に隣接して、またはその移動経路(矢印96および96’ならびに97および97’で示される)に沿って位置付けられ得る。従って、移送機構上に、そしていくつかの配置では、キャスティングの移動経路に沿って取り付けられたこのような熱源または構成要素の使用は、キャスティングをプロセス制御温度以上に拘束および維持するのを助けるためにプロセス温度制御ステーションの機能を実行する。
【0050】
図3に図示されるように、一体型金属処理設備のさらなる実施形態において、キャスティングおよび/または砂鋳型は、図3に示されるように、キャスティング用全体バッチ加熱プロセスの一部としてプロセス温度制御ステーション中に供給するために、移送機構27により収集バスケットまたは運搬トレイ100内に直接置かれ得る。米国特許出願第09/665,354号(2000年9月9日出願、本明細書中に参考として援用される)に開示されそして特許請求の範囲に記載されるように、このような配置において、キャスティング12は、一般的に運搬トレイ100の一連の区画またはチャンバ101中にロードされ、ここで、キャスティングが、プロセス温度制御ステーション102および熱処理ステーション103中に、そしてこれらを通って移動されるにつれて、中子除去機能および他の機能のために指向された熱の適用のために、既知の示された位置にキャスティングが配置される。この実施形態において、トレイ100は、代表的に、キャスティングが中にロードされる場合に矢印106および106’で示されるように、プロセス温度制御ステーションのチャンバ104の内および外に割り出しされる。結果として、このトレイの種々の他の区画101がそのバッチの残りのキャスティングと共にロードされる間、キャスティングの周囲環境への曝露(これは、キャスティングをそのプロセス制御温度または臨界温度より下まで冷却する)は、最小にされる。
【0051】
さらに、図3に示されるように、トレイ100の区画101の各々に指向された熱源107を提供することがさらに可能である。例えば、最初の区画101’がキャスティング12’と共にロードされ、そして図3に示されるようにプロセス温度制御ステーション102中に割り出しされる場合、第1の熱源107’は、特定のチャンバ内のキャスティングおよび/または砂鋳型に向かって特異的に方向付けられた熱を適用するために作動される。その後、続きのキャスティングまたは鋳型がバスケットの他のチャンバまたは区画内にロードされる場合、これらの区画に指向された追加の熱源107が作動される。従って、プロセス温度制御ステーションのチャンバ104の加熱は、キャスティングのより効率的な加熱が必要とされる場合、特定の領域またはゾーンに限定され得るかまたは方向付けられ得る。
【0052】
図3がさらに示すように、一連の送風機または他の同様の空気移動デバイス108は、一般的に砂中子および/または砂鋳型結合剤材料の分解により生成される排ガスを抜くために、プロセス温度制御ステーションの頂部に取り付けられ得る。これらのガスおよびさらなる廃熱は、次いで、熱の再生および汚染の縮小、ならびにプロセス温度制御ステーション102のチャンバの側面および天井に可燃性廃棄物が集まることを回避するのをさらに補助するために導管109を介して熱処理ステーション103に向けられる。
【0053】
本発明は、上で開示される特定の実施形態を参照して開示されてきたが、種々の付加、削除、改変および変化が、本発明の精神および範囲から逸脱することなくそれらに対してなされ得ることを、当業者は理解する。本発明の種々の実施形態および/または特徴は、組み合わされてさらなる本発明の実施形態を形成し得るということもまた理解される。
(項1)
金属キャスティングを形成および熱処理するための一体型金属プロセシング設備であって、以下:
溶融金属を一連の鋳型に鋳込んで該キャスティングを形成するための、鋳込みステーション;
該キャスティングの熱処理のための少なくとも1つの熱処理ステーションを備える、熱処理ユニット;
該鋳込みステーションから該熱処理ユニットへと該キャスティングを移動させるための、移送システム;および
該キャスティングの移動経路に沿って位置する熱源であって、該キャスティングを該熱処理ステーションに導入する前に該キャスティングに熱を付与して、該キャスティングの金属に対するプロセス制御温度以上に該キャスティングを維持するための、熱源、
を備え;
これによって、該キャスティングが該鋳込みステーションから該熱処理ユニットへと移動される場合に、該キャスティングの溶融金属は、固化することが可能であり、一方で該キャスティングは、該キャスティングが該熱処理ステーションに導入されるまで、該キャスティングのプロセス制御温度以上に維持される、一体型金属プロセシング設備。
(項2)
前記移送システムが、ロボットアームまたは機械式アームを備え、該アームが、内部の該キャスティングと共に前記鋳型を把持し、そして前記鋳込みステーションから前記熱処理ステーションへと移動させるよう適合されている、項1に記載の一体型金属プロセシング設備。
(項3)
前記熱源が、前記移送システムに取り付けられた加熱要素を備え、該加熱要素が、前記鋳込みステーションから前記熱処理ラインへの移動の間に、前記キャスティングに熱を付与するためのものである、項1に記載の一体型金属プロセシング設備。
(項4)
前記熱処理ステーションの入口端部に隣接して位置する、プロセス温度制御チャンバをさらに備える、項1に記載の一体型金属プロセシング設備。
(項5)
前記プロセス温度制御ステーションが、放射チャンバを備え、該放射チャンバを通して、前記キャスティングが移動され、前記熱源が、該放射チャンバに熱を供給するために、該プロセス温度制御ステーションに沿って取り付けられた一連の加熱要素を備える、項4に記載の一体型金属プロセシング設備。
(項6)
前記加熱要素が放射ヒータを備える、項5に記載の一体型金属プロセシング設備。
(項7)
前記加熱要素が対流ヒータを備える、項5に記載の一体型金属プロセシング設備。
(項8)
前記加熱要素が、燃料源に接続された一連のバーナーを備える、項5に記載の一体型金属プロセシング設備。
(項9)
前記熱処理ラインが、複数の炉チャンバを有する炉を備え、該炉チャンバの各々が、熱処理ステーションを規定している、項1に記載の一体型金属プロセシング設備。
(項10)
前記熱処理ラインが、プロセス温度制御ステーションおよび複数の熱源をさらに備え、該プロセス温度制御ステーションは、細長チャンバを備え、該細長チャンバを通して、前記キャスティングが前記熱処理ステーションに導入される前に、該キャスティングが受容され、そして該複数の熱源は、該チャンバに熱を供給して、該チャンバ内に加熱環境を作製し、ここで、該キャスティングが冷めることが阻止され、これによって、該キャスティングは、前記プロセス制御温度以上に維持される、項1に記載の一体型金属プロセシング設備。
(項11)
金属キャスティングを形成および処理する方法であって、以下:
溶融金属を鋳型に鋳込む工程;
該鋳型内の該溶融金属を、該溶融金属が固化してキャスティングを形成し得るに十分な温度まで冷ます工程;
該キャスティングが熱処理ラインの熱処理ステーションに移動する際に、該キャスティングが冷めることを阻止し、そして該キャスティングの金属に対するプロセス制御温度以上に該キャスティングを維持する工程;および
該キャスティングを熱処理する工程;
を包含する、方法。
(項12)
前記キャスティングが冷めることを阻止し、そしてプロセス制御温度以上に該キャスティングを維持する工程が、該キャスティングの金属に対する溶体熱処理温度(solution heat treatment temperature)より高温に該キャスティングを加熱することなく、該キャスティングが冷めることを阻止するために十分な温度で、該キャスティングに熱を付与する工程を包含する、項11に記載の方法。
(項13)
前記キャスティングが冷めることを阻止し、そしてプロセス制御温度以上に該キャスティングを維持する工程が、該キャスティングに熱を付与するための一連の加熱源が内部に取り付けられた放射チャンバを通して、該キャスティングを移動させる工程を包含する、項12に記載の方法。
(項14)
前記熱源が、前記キャスティングに向けて熱を放射する放射ヒータを備える、項13に記載の方法。
(項15)
前記熱源が、前記キャスティングに向けて加熱された媒体の流れを方向付ける、対流ヒータを備える、項13に記載の方法。
(項16)
前記キャスティングを移送する工程が、該キャスティングを鋳型から取り出す工程、およびその後、該キャスティングを鋳込みステーションから前記熱処理ラインへと移動させる工程を包含する、項11に記載の方法。
(項17)
前記キャスティングを移送する工程が、移送機構を用いて、前記鋳型を該鋳型の内部に含まれるキャスティングと係合させる工程、および該キャスティングを、鋳込みステーションから、前記熱処理ラインのための入口コンベヤへと移動させる工程を包含する、項11に記載の方法。
(項18)
前記キャスティングが冷めることを阻止する工程が、前記キャスティングおよび鋳型が前記熱処理ラインに移送される際に、前記移送機構に取り付けられた熱源からの熱を該キャスティングに向けて方向付ける工程を包含する、項17に記載の方法。
(項19)
キャスティングのバッチにおいて前記キャスティングを加熱するためのバスケットに、該キャスティングを装填する工程をさらに包含する、項11に記載の方法。
(項20)
廃棄ガスおよび熱を、前記放射チャンバから前記熱処理ステーションへと方向付ける工程をさらに包含する、項13に記載の方法。
(項21)
前記キャスティングが冷めることを阻止する工程が、該キャスティングを前記鋳込みステーションから前記熱処理ラインへと移送する間に、該キャスティングに熱を付与する工程を包含する、項11に記載の方法。
(項22)
前記キャスティングを熱処理する前に、前記鋳型からチルを除去する工程をさらに包含する、項11に記載の方法。
(項23)
溶融金属から形成されたキャスティングをプロセシングするためのシステムであって、以下:
該溶融金属が一連の鋳型に鋳込まれて、該キャスティングを形成する、鋳込みステーション;ならびに
該鋳込みステーションの下流の熱処理ラインであって、以下:
少なくとも1つの熱処理炉であって、該熱処理炉を通って、該キャスティングの熱処理のために該キャスティングが通過する、熱処理炉;および
プロセス温度制御ステーションであって、該熱処理炉の上流に位置し、そしてチャンバおよび一連の加熱要素を有し、該チャンバを通って、熱処理の前に該キャスティングが通過し、該加熱要素は、該チャンバ内で、該金属キャスティングに対するプロセス制御温度以上で、該キャスティングに、該キャスティングが冷めることを阻止するために十分な熱を付与するためのものである、プロセス温度制御ステーション、
を備える、熱処理ライン、
を備える、システム。
(項24)
前記キャスティングを、前記鋳込みステーションから前記熱処理ラインへと移送するための、移送機構をさらに備える、項23に記載のシステム。
(項25)
前記加熱要素が放射ヒータを備える、項23に記載のシステム。
(項26)
前記加熱要素が対流ヒータを備える、項23に記載のシステム。
(項27)
前記加熱要素が、燃料源に接続された一連のバーナーを備える、項23に記載のシステム。
(項28)
前記チャンバが、天井および側壁を有する細長トンネルを備え、該細長トンネルは、放射材料を含み、該放射材料は、前記キャスティングが該トンネルを通る際に、該キャスティングに向けて熱を方向付けるためのものである、項23に記載のシステム。
(項29)
前記移送機構に取り付けられた熱源をさらに備え、該熱源は、前記キャスティングを前記鋳込みステーションから前記熱処理ラインへと移動する間に、該キャスティングに熱を付与するよう適合されている、項24に記載のシステム。
(項30)
前記熱処理ラインが、複数の炉チャンバを有する炉を備え、該チャンバの各々が、熱処理ステーションを規定している、項23に記載のシステム。
(項31)
収集トレイをさらに備え、該収集トレイは、前記キャスティングを前記鋳込みステーションから受容するためのものであり、そして該収集トレイは、連続的なキャスティングが該トレイ内部に配置されるにつれて、前記プロセス温度制御ステーションの内へおよび外へ往復的に移動可能である、項23に記載のシステム。
【技術分野】
【0001】
(関連出願の引用)
本願は、米国仮出願番号60/266,357(2001年2月2日出願)の利益を主張する。
【0002】
(技術分野)
本発明は、概して、冶金学的キャスティングおよび処理プロセス、より詳細には、一体型金属処理設備およびキャスティングを熱処理する方法に関する。
【背景技術】
【0003】
(発明の背景)
伝統的に、金属キャスティングを形成するための従来のプロセスにおいて、鋳型(例えば、本明細書中で規定される所望のキャスティングの外部の特徴を有する内部チャンバを有する金属ダイスまたは砂鋳型)は、溶融金属で満たされる。このキャスティングの内部の特徴を規定する砂中子が加えられ、そして/または鋳型内に配置されて、溶融金属が中子の周囲で固化する際にキャスティングの内部の細部を形成する。キャスティングの溶融金属が固化した後、キャスティングはその後、一般的に、キャスティングの熱処理、砂中子および/または鋳型からの砂の除去、ならびに必要な場合、他のプロセスのために処理炉に移される。熱処理プロセスは、このキャスティングの金属または金属合金を調整し、その結果、それらは、異なる適用に適した所望の物理的特性を有して提供される。
【0004】
代表的に、鋳込みステーションから熱処理ステーションへのキャスティングの移送の間に(特に、キャスティングがかなりの時間放置される場合)、キャスティングは、一般的に、鋳造設備または金属処理設備の周囲環境に曝される。結果として、キャスティングは、溶融温度または半溶融温度から急速に冷却され始める傾向にある。キャスティングを固化するために、ある程度のキャスティングの冷却が必要であるが、本発明者/本出願人は、キャスティングの温度が下がれば下がるほど、そしてキャスティングのプロセス臨界またはプロセス制御温度下にキャスティングが維持される時間が長ければ長いほど、それらの所望の物理的特性を達成するために、キャスティングを所望の熱処理温度に戻すためおよびキャスティングを熱処理するための温度でキャスティングを維持するために熱処理炉内でより長い熱処理時間が必要とされることを見出した。
【0005】
特定の型の金属について、キャスティングがそのプロセス制御温度未満に下がる時間毎に、4分間またはそれ以上の過剰の熱処理時間が、所望の処理を達成するために必要とされる。従って、キャスティングの金属のプロセス制御温度未満で、わずか10分間下がるだけでも、所望の処理された物理的特性を達成するために、40分もの過剰の熱処理時間を必要とし得る。従って、代表的に、これらのキャスティングは、少なくとも2〜6時間、いくつかの場合、それより長く、所望の熱処理効果を達成するために熱処理される。しかし、結果として、熱処理時間が長ければ長いほど、および適切かつ完全にキャスティングを熱処理するのに必要とされる熱量が多ければ多いほど、熱処理プロセスの費用が高くなり、熱およびエネルギーの消費も多くなる。
【0006】
熱の損失を低減するために鋳込みステーションと熱処理ステーションとの間の距離を短くする試みがなされている。例えば、Mercedes unit of Daimler Benz in Germanyは、熱処理炉を、回転ラック型鋳込みステーションの発射点または移送点の近くに配置した。キャスティングが発射点に到達して、それらのダイスから取り出された場合、それらは、一般的に、キャスティングのバッチの収集のためのバスケットまたはキャリアに移される。次いで、キャスティングは、バッチ処理のために熱処理炉に導入される。このシステムの抱える問題は、収集バスケットへのキャスティングの移送の間およびキャスティングがバスケットの中で熱処理炉への導入を待っている間に、キャスティングが周囲環境(周囲環境は、一般的に、キャスティングの所望のプロセス制御温度よりずっと低い温度である)に曝されるという問題になおも取り組めないことである。このアイドル時間はなおも、鋳込みステーションおよび熱処理ステーションの処理速度に依存して、10分間またはそれ以上であり得る。しかし、キャスティングが、熱処理前に適切に固化することを可能にするために、少なくともある程度の所望の時間、キャスティングが、キャスティング金属の熱処理温度またはそれ未満の温度で冷却および維持されることもまた重要である。従って、鋳込みから熱処理へのキャスティングの移動が速すぎると、キャスティングの形成を破壊し、キャスティングが適切に固化するのを妨げ得る。
【0007】
従って、産業上、キャスティングの熱処理プロセスを増強する必要性が存在し、それによって、より効果的な熱処理および金属キャスティングの処理を可能にし、さらにより効果的な砂中子および/または砂鋳型の除去および再利用を潜在的に可能にするより効果的な方法およびシステムまたは設備に対する継続的な必要性が存在する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、上述した従来技術の課題を解決する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
(発明の要旨)
簡単に述べると、本発明は、概して、金属または金属合金上に形成されたキャスティングの鋳込み、形成、熱処理、およびさらなる処理のための統合された金属処理設備を包含する。この統合された金属処理設備は、概して、溶融金属(例えば、アルミニウムまたは鉄、あるいは金属合金)を鋳型またはダイス(例えば、永久金属製鋳型、半永久鋳型、または砂鋳型)に鋳込む、鋳込みステーションを備える。次いで、この鋳型は、この鋳込みステーションの鋳込み位置またはキャスティング位置から移送位置に移され、移動位置で、キャスティングは、その鋳型から取り除かれるか、または、鋳型は次いで、キャスティングをその中に含んだ状態で、移送機構により熱処理ラインに移される。移送機構は、代表的に、ロボットアーム、クレーン、オーバーヘッドホイストまたはリフト、プッシャー、コンベヤまたは類似の輸送機構を備える。いくつかの場合、同一の機構はまた、キャスティングをそれらの鋳型から取り除くためおよびキャスティングを熱処理ラインに移すために使用され得る。この鋳込み位置もしくは鋳込み点から移送位置もしくは移送点へ、および/または熱処理ラインへの輸送の間、キャスティングの溶融金属は、金属が固化してその中にキャスティングを形成するのに十分な程度まで冷却され得る。
【0010】
熱処理ラインまたは熱処理ユニットは、一般的に、プロセス温度制御ステーションおよび熱処理ステーションまたは設備(代表的に、1つ以上の加熱炉チャンバを有し、いくつかの実施形態において、一般的に、急冷ステーションが熱処理ステーションの下流に配置される)を備える。このプロセス温度制御ステーションは、一般的に、細長チャンバまたは細長トンネルとして形成され、キャスティングは、これらを通して、熱処理ステーションへの導入前に受け渡される。プロセス温度制御ステーションのチャンバは、代表的に、熱を供給してチャンバ内に加熱された環境を生成するために、チャンバに沿って取り付けられた一連の熱源(例えば、放射加熱器、赤外線加熱器、誘導加熱器、対流加熱器、伝導加熱器、または他の型の加熱要素)を備える。プロセス温度制御ステーションの壁および天井はさらに、代表的に、それらに適用された放射物質で形成されるかまたはこの放射物質を有する。この放射物質は、チャンバを透過するので、キャスティングおよび/または鋳型を放射するかまたはこれらに熱を直接向ける性質を有する。
【0011】
キャスティングおよび/またはキャスティングを中に含む鋳型は、プロセス温度制御ステーションのチャンバ内に受け取られるかまたはチャンバを通過する場合、キャスティングの冷却は、プロセス制御温度以上で停止される。プロセス制御温度は、一般的に、キャスティングの金属に必要とされる溶液熱処理温度より低い温度であり、その結果、キャスティングは、キャスティングを固化させるのに十分な量または程度であるが、それらの溶液加熱処理温度までキャスティングを上昇させるのに必要とされる時間未満冷却され、そして熱処理後、キャスティングは急激に増大する。キャスティングは、熱処理ステーションへの導入前にプロセス温度制御ステーションを通過するので、それらのプロセス制御温度またはそれより高い温度で維持される。
【0012】
あるいは、一連の熱源(放射加熱要素(例えば、赤外線加熱要素および誘導性加熱要素)、対流加熱要素、伝導加熱要素、または他の型の熱源を含む)は、キャスティングの移動通路に沿って配置され得る。なぜならば、キャスティングは、熱処理ステーションに供給するために、鋳込みステーションから熱処理ラインへ移されるからである。このような実施形態について、プロセス温度制御ステーションは、キャスティングまたは鋳型が鋳込みステーションから熱処理ステーションへ供給される際に、キャスティングまたは鋳型に熱を向かわせるよう(例えば、加熱された空気または他の媒体の流れを通じて)、鋳込みステーションから熱処理炉へのキャスティングの移動通路に沿って取り付けられた一連の熱源と置き換えられ得る。さらに、加熱要素または熱源は、キャスティングおよび/またはキャスティングを中に含む砂鋳型にまたはそれらに対して熱流を向けるよう、移送機構に直接取り付けられ得る。従って、プロセス制御温度未満でのキャスティングの冷却は、鋳込みステーションから熱処理ステーションへの直接的なキャスティングの移送および導入の間の移送機構自体からの直接的な熱の適用により停止される。
【0013】
キャスティングの冷却を停止し、そしてその後、実質的にそのキャスティングの金属のプロセス制御温度かまたはその温度より高い温度にキャスティングを維持することにより、キャスティングの熱処理に必要とされる時間は、有意に減少され得る。なぜなら、このキャスティングは、熱処理ステーションまたは熱処理炉への導入後比較的短い期間内に、容体化熱処理温度まで急速に昇温され得るからである。従って、キャスティングについての鋳込みステーションの出力は増加され得、従ってキャスティングについての全体の処理および熱処理の時間は増大されるかまたは減少され得る。
【0014】
キャスティングが熱処理ステーションを通過するとき、これらのキャスティングは、キャスティングの金属を完全にかつ十分に熱処理するため、およびキャスティングの砂中子および砂鋳型の砂の分解および再生のために必要とされる所望の長さの時間、容体化熱処理温度に維持されるか均熱される。その後、キャスティングは、急冷ステーションを通され得、そしてさらにキャスティングの時効ならびに更なる処理およびプロセシングのために時効ステーションを通され得る。
【0015】
本発明の種々の目的、特徴、および利点は、添付の図面と合わせて、以下の詳細な説明を検討する際に当業者に明らかとなる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1A】図1Aは、一体型多機能金属処理炉の概略図であって、本発明のキャスティングの処理を概略的に図示する。
【図1B】図1Bは、本発明の代替の実施形態の概略図であって、複数の鋳込みステーションから本発明の熱処理ユニットへのキャスティングの収集および移送を図示する。
【図1C】図1Cは、鋳型からのチル除去を伴う本発明の別の代替の実施形態の概略図である。
【図1D】図1Dは、本発明のさらなる代替の実施形態の概略図であって、キャスティングが熱処理ユニットへ移動される場合の移送機構によるキャスティングの移送およびプロセス加熱を図示する。
【図2A】図2Aは、本発明のプロセス温度制御ステーションおよび熱処理ステーションの頂平面図である。
【図2B】図2Bは、図2Aに図示される本発明のプロセス温度制御ステーションおよび熱処理ステーションの側面立面図である。
【図3】図3は、本発明の代替の実施形態の斜視図であり、ここでキャスティングは、プロセス温度制御ステーションを通ってバッチで、熱処理ステーションへの供給のために供給される。
【図4A】図4Aは、従来の熱源を利用する、プロセス温度制御モジュールまたはステーションの第1の実施形態を図示する。
【図4B】図4Bは、従来の熱源を利用する、プロセス温度制御モジュールまたはステーションの第1の実施形態を図示する。
【図5A】図5Aは、直接熱/熱衝突熱源を利用する、プロセス温度制御モジュールまたはステーションのさらなる実施形態を図示する。
【図5B】図5Bは、直接熱/熱衝突熱源を利用する、プロセス温度制御モジュールまたはステーションのさらなる実施形態を図示する。
【図6A】図6Aは、放射熱源を利用する、プロセス温度制御モジュールまたはステーションのさらなる実施形態を図示する。
【図6B】図6Bは、放射熱源を利用する、プロセス温度制御モジュールまたはステーションのさらなる実施形態を図示する。
【発明を実施するための形態】
【0017】
(発明の詳細な説明)
ここで、図面(ここで、いくつかの図を通して、同様の数は、同様の部分を参照する)を詳細に参照して、図1A〜3は、一体型金属処理炉またはシステム5および金属キャスティングを処理する方法を概略的に図示する。金属キャスティングプロセスは、一般的に当業者に周知であり、そして伝統的なキャスティングプロセスは、参照の目的のために手短にしか記載しない。本発明は、任意の種類のキャスティングプロセス(アルミニウム、鉄、鋼および/または他の種類の金属および金属合金のキャスティングを形成するための金属キャスティングプロセスを含む)において使用され得ることはまた、当業者によって理解される。従って、本発明は、特定のキャスティングプロセスまたは特定の種類の金属もしくは金属合金での使用のみに限定されるべきではない。
【0018】
図1Aに示されるように、代表的に、溶融金属または金属合金Mは、キャスティング12(例えば、円筒形ヘッドまたはエンジンブロックまたは類似のキャスト部品)を形成するために、ダイまたは鋳型10中に、鋳込みステーションまたはキャスティングステーション11にて鋳込まれる。代表的には、中空のキャビティおよび/またはキャスティングの細部または幅木を、各鋳型内に形成されているキャスティング内に形成するように、砂および有機結合剤(例えば、フェノール性樹脂)から形成されるキャスティング中子13は、鋳型10内に受容されるかまたは配置される。この鋳型の各々はさらに、永久金属鋳型またはダイであり得、代表的には鋼、鋳鉄のような金属または当該分野で公知の他の材料から形成され、そして開け易さおよび鋳型からのキャスティングの除去のし易さのためにクラムシェル式の設計を有する。あるいは、この鋳型としては、「精密砂鋳型」のタイプの鋳型および/または「生砂鋳型」が挙げられ得、これらの鋳型は、一般的に、キャスティング砂中子13と同様に、フェノール樹脂のような結合剤または当該分野で公知の他の結合剤と混合された、ケイ砂またはジルコンサンドのような砂材料から形成される。鋳型は、半永久砂鋳型をさらに含み得、これは、代表的に砂および結合剤から形成された外部鋳型壁、鋼のような金属、または両方の種類の材料の組合せを有する。
【0019】
用語「鋳型」は、以下において、上記のような全てのタイプの鋳型をいうために一般的に使用され、これには、永久ダイまたは金属ダイ、半永久鋳型および精密砂鋳型のタイプの鋳型、ならびに特定のタイプの鋳型が示されている場合を除いて他の金属キャスティング鋳型が含まれることが理解される。以下で考察される種々の実施形態において、特定のタイプの鋳型および/または熱処理プロセスが示されていなければ、本発明は、その永久鋳型から取り出されたキャスティング、または組み合わされた熱処理および砂鋳型の分解および砂の再生のために砂鋳型内に残っているキャスティングを熱処理するために使用され得ることがさらに理解される。
【0020】
図1Aに示されるように、鋳型10の各々は、一般的に、側壁14、上部壁または頂部16、下部壁または底部17を備え、これらは、集合的に内部キャビティ18を規定し、このキャビティに溶融金属が受容され、そしてキャスティング12に形成される。鋳込み開口部19は、一般的に、各鋳型の上部壁または頂部16に形成され、そして鋳込みステーション11において各鋳型を通りそしてその内部キャビティ18に至る溶融金属の経路のために内部キャビティと連絡している。図1A〜1Cに示されるように、鋳込みステーション11は、一般的に溶融金属Mを鋳型に鋳込むための取鍋または同様の機構21およびコンベヤ22(例えば、回転ラック、ピストン、割り出しまたは同様の運搬機構)を備え、このコンベヤは、1つ以上の鋳型を、鋳込み位置またはキャスティング位置(23で示される)から、移送点または移送位置(24で示される)まで移動させる。この鋳込みまたはキャスティング位置において、溶融金属は鋳型内に鋳込まれる。この移送点または移送位置において、キャスティングはその鋳型から取り出されるか、またはキャスティングを中に含む鋳型は、鋳込みステーションから熱処理ユニット26または熱処理用ラインまで移送される。溶融金属がその鋳型内に鋳込まれた後、この鋳型は、移送位置に運搬され、この間に、金属は、金属が固化してキャスティングになることを可能にする必要がある場合、ダイ内の所望の程度または温度まで放冷される。この後、このキャスティングは、所望の熱処理温度において熱処理され得る。
【0021】
本発明者らが見出したように、キャスティングの金属が冷却されるにつれて、この金属はプロセス制御温度に達し、プロセス制御温度未満にて、熱処理温度にキャスティングを戻して上昇させ、そして熱処理を行うという両方に必要な時間は、有意に増加される。このプロセス制御温度は、キャスティングを形成するために使用される金属および/または金属合金に依存して変化し、この温度は、いくつかの合金または金属については約400℃以下という温度から、鉄のような金属の他の合金については約1000℃〜1300℃以上までの範囲である。例えば、アルミニウム/銅合金については、プロセス制御温度は、概して、約400℃〜470℃の範囲であり得、この温度は、概して大部分の銅合金についての容体化加熱処理温度未満である。この温度は、代表的には、約475℃〜約495℃の範囲である。キャスティングはそのプロセス制御温度範囲内にあるが、キャスティングは、代表的には、所望の場合、その金属を凝固させるに十分なレベルまで冷却されることが見出された。
【0022】
しかし、キャスティングの金属がそのプロセス制御温度未満に冷却されることが可能である場合、熱処理が行われ得るように、所望の熱処理温度(例えば、アルミニウム/銅合金については475℃〜495℃、またはアルミニウム/マグネシウム合金については510℃〜570℃まで)にて、キャスティングの温度を上昇させかつ維持するために、キャスティングの金属がそのプロセス制御温度未満に冷却される1分間につき、さらなる約4分間以上にわたり、キャスティングを加熱する必要があることが、本発明者らによりさらに見出された。従って、キャスティングを、短時間であってもそれらのプロセス制御温度未満に冷却させる場合、適切かつ完全にキャスティングを熱処理するに要する時間は、その後に有意に増大される。さらに、いくつかのキャスティングが1つのバッチで熱処理ステーションを通じてプロセシングされるバッチプロセシング鋳型のシステム(例えば、図1B、1C、および1Dに例示される)においては、キャスティングのバッチ全体についての熱処理時間は、概して、バッチ中の最も低い温度を用いるキャスティングに要する熱処理時間に基づく。結果として、プロセシングされているキャスティングのバッチ中のキャスティングの1つが、約10分間の間そのプロセス制御温度未満に冷却される場合、例えば、バッチ全体は、代表的には、キャスティングの全てが、確実に適切かつ完全に熱処理されるために、約40分以上というさらなる熱処理時間に供される。
【0023】
従って、本発明は、システム5の一体型プロセシング設備(図1A〜3)、および(それらの鋳型内または鋳型から離れている)キャスティングを鋳込みステーション11から熱処理システムまたはユニット26へと移動しそして/または移送するように設計された金属キャスティングをプロセシングする方法に関する。キャスティングの溶融金属の冷却は、キャスティングの金属のプロセス制御温度付近にて、またはこの温度を超えると停止されるが、キャスティングの必要な凝固冷却に適応し、そしてキャスティングのためのより効率的でより短い熱処理時間を可能にするように、その所望の熱処理温度未満またはこの温度に等しくされる。本発明によりプロセシングされるキャスティングのためのプロセス制御温度が、キャスティングに使用される特定の金属および/または金属合金に依存して変動することは、当業者に理解される。従って、多くの金属および金属合金についてのプロセス制御温度が、概して、アルミニウムのような金属については約400℃、鉄のような金属については約1300℃以上までの範囲内にある一方で、この温度より高い温度またはこの温度より低い温度もまた、プロセシングされるキャスティング材料に依存して、適応され得ることがまた理解される。
【0024】
一体型設備5の第1の実施形態およびこの設備を通じてキャスティングを移動しそして/またはプロセシングするためのプロセスは、図1Aおよび2A〜2Bに例示される。図1Bおよび3は、一体型設備5のさらなる代替的実施形態、およびキャスティングが回収され、バッチプロセシング型構成での熱処理を通じてプロセシングされる、キャスティングを形成および処理するためのプロセスをさらに例示する。しかし、本発明の原理が、キャスティングがこの設備(従って、本発明)を通じて個々にプロセシングされる、バッチ型設備および連続プロセシング型設備に等しく適用され得ることは、当業者により理解される。従って、本明細書中以降に記載される実施形態は、連続型プロセシング設備のみ、またはバッチ型プロセシング設備のみに限定されず、そしてこれらにのみ限定されるべきでもない。図1Cおよび1Dは、キャスティングからのチル除去(図1C)または複数の熱処理炉へのキャスティングの供給(図1D)のようなさらなるプロセシング工程を行うための、本発明の代替的実施形態をさらに例示する。さらに、本明細書中以降で議論され、かつ図面で例示される実施形態の種々の特徴は、本発明のさらなる実施形態を形成するように組み合わせられ得ることが当業者により理解される。
【0025】
図1Aおよび2A〜2Bに例示される実施形態において、キャスティング12は、概して、移送ステーションまたは鋳込みステーション11にて、移送機構27によりそれらの鋳型10から外される。図2Aおよび2Bに示されるように、移送システムまたは移送機構27は、代表的には、28で示されるロボットアームまたはロボットクレーンを備えるが、キャスティングおよび/または鋳型を移動するための種々の他のシステムおよびデバイス(例えば、オーバーヘッドブームもしくはホイスト、コンベヤ、プッシャーロッド、または他の類似の材料取り扱い機構)もまた、使用され得ることが当業者により理解される。図1A、1B、および2Aに示されるように、移送機構のロボットアーム28は、概して、鋳型もしくはキャスティングを係合かつ保持するための係合部分もしくはグリッピング部分またはクランプ29、ならびに基部31を備え、この部分の上でアーム28は、鋳込みステーションの移送点24と、矢印32および32’(図2A)によって示される熱処理ラインとの間を移動可能であるように回転可能に取り付けられる。さらに、図1Bに示されるように、移送機構は、複数の鋳込みステーションステーション11および11’から鋳型ならびに/またはキャスティングを移送するために使用され得、複数の熱処理ラインもしくはユニット26(図1C)に鋳型および/またはキャスティングを移送し得る。
【0026】
鋳型とこの鋳型中にあるキャスティングは、代表的には、図2Aに示されるように、鋳込みステーション11からピックアップ点または移送点24(この上で移送機構27は、概して、鋳型とこの鋳型に含まれるキャスティングをピックアップするか、またはそれらの鋳型からキャスティング12を取り外し、熱処理ユニット26へそのキャスティングを輸送する)へと移動される。従って、同じマニピュレーターもしくは移送機構は、鋳込みステーションからキャスティングを取り外すために、および熱処理ユニットへキャスティングを導入するために使用され得る。代表的には、熱源または加熱要素33は、熱をキャスティングに供給するために、キャスティングの移送点28に隣接して配置される。熱源は、代表的には、任意の鋳型の加熱要素または供給源(例えば、導電(conductive)型熱源、放射(radiant)型熱源、赤外線(infrared)型熱源、導電型熱源、対流(convective)型熱源、および直接衝撃(direct impingement)型熱源)が挙げられ得る。図2Aに例示されるように、複数熱源33が使用され得、鋳込みステーションから熱処理ラインへの移送操作の間にキャスティングへ熱を最も効率的に供給するように配置され得る。
【0027】
代表的には、永久ダイスまたは金属ダイスまたは鋳型の場合、図1Dに示されるように、この鋳型は、移送点にて開けられ、移送機構によりキャスティングが外される。次いで、移送機構は、一体型プロセシング設備5の熱処理ユニット、ライン、またはシステム26の1以上の入口コンベヤ34(図1Bおよび2A)にキャスティングを移送する。鋳型が開けられ、キャスティングが取り外されると、熱源33(図2A)は、キャスティングの金属のプロセス制御温度付近またはこの温度を超える温度にキャスティングを維持するために、キャスティングが熱処理ユニットに移送されているとき、熱をキャスティングに直接供給して、鋳造工場またはプラントの周辺環境に対するそれらの曝露の間にキャスティングの冷却を停止またはそうでなければ制御する。
【0028】
半永久的に形成されるキャスティング、または砂鋳型(熱処理の間、代表的にキャスティングがこれらの鋳型内に保持され、この熱処理の間、鋳型は、この鋳型の砂を保持する結合剤材料の熱分解によって分解される)のプロセシングのために、移送機構27は、鋳型全体を、それらに含まれるキャスティングとともに、移送点から入口コンベヤ34に移送する。このように、熱源33は、熱を鋳型自身に付与し続け、付与される熱の量は、鋳型の内側のキャスティングの温度を、鋳型の過剰な分解または早い分解を引き起こすことなく、キャスティングの金属のプロセス制御温度付近のレベルまたはプロセス制御温度より上のレベルに維持するように制御される。
【0029】
本明細書中において、以後、「キャスティング」の移送、加熱、処理、またはそれ以外の移動またはプロセシングに対する参照がなされる場合、他に示される場合を除いて、このような考察は、それらの鋳型なしのそれら自身によるキャスティングの除去およびプロセシング、ならびにキャスティングが熱処理のためにそれらの砂鋳型内に残り、鋳型および中子が破壊され、そして砂が再生利用されるプロセス(米国特許第5,294,994号;同第5,565,046号;同第5,738,162号、および同第6,217,317号ならびに2000年9月9日に出願された係属中の米国特許出願番号09/665,354号(これらの開示は、本明細書中において参考として援用される)に開示される)の両方を含むことが、理解される。
【0030】
図1Aおよび2A〜2Bに示されるように、キャスティングは、最初に、入口コンベヤ34(図2Aおよび2B)またはコンベヤ34および34’(図1B)によって、プレチャンバーまたがプロセス温度制御ステーションもしくはモジュール36に示される(indexed)かまたは移送される。図2Aおよび2Bに示されるように、プロセス温度制御ステーションまたはモジュールは、一般的に、加熱内側チャンバ37を備え、この加熱内側チャンバ37を通って、キャスティングおよび/または中にキャスティングを有する鋳型が、チェーンコンベヤー、ローラーまたは類似の移送機構38上の熱処理ラインに沿って、それらのプロセシング経路によって移送される。キャスティングは、上流または入口端39においてチャンバ37に入り、そして下流または出口端41を通ってチャンバ37を出て、そして一般的に、熱処理ライン26の熱処理炉またはステーション42に直接導入される。プロセス温度制御ステーションの入口端39および出口端41は、さらに、開放であり得るか、または図2Bの43に示されるように、ドアまたは類似の閉鎖構造を備えて、その中の熱の過剰な損失を避けるようにチャンバ37を密封するのを助け得る。代表的には、キャスティングは、プロセス温度制御ステーション36’から熱処理ステーション42へと直接供給され、従って、熱処理およびプロセス温度制御ステーションは、さらに潜在的な熱の損失を避け、おそらく熱の共有を可能にするために、一緒に連結される。
【0031】
チャンバ37は、一般的に、放射チャンバであり、そしてそれら中に取り付けられた一連の熱源45を備え、熱源は、チャンバの壁46および/または天井47に沿って配置される。代表的には、複数の熱源45が使用され、そして1つ以上の種々の異なる型の熱源または加熱要素を備え得、これには、赤外エネルギー源、電磁エネルギー源または誘導エネルギー源のような放射熱源、伝導型、対流型、および直接衝撃型の熱源(例えば、ガスフレームをチャンバに導入するガス燃焼バーナー)が挙げられる。さらに、放射チャンバ37の側壁および天井は、一般的に、熱を放射し得、そして一般的に、壁および天井上に非粘着性表面を形成する、金属、金属フィルムもしくは類似の材料、セラミック、または複合材料のような高温放射材料から形成されるか、またこれらの材料を用いてコーティングされる。結果として、チャンバの壁および天井が加熱される場合、この壁および天井は、キャスティングに対して熱を放射する傾向があり、一方、同時に、それらの表面は、一般的に、砂鋳型および/または中子の結合剤の燃焼由来の廃棄ガスおよび残渣(例えば、すすなど)を、チャンバの壁および天井上でのそれらの収集および蓄積を防ぐために、燃焼させるのに十分な温度に加熱される。
【0032】
図4A〜6Bは、プロセス温度制御ステーションの種々の異なる実施形態を示す。図4A〜4Bは、対流型熱源45を使用するプロセス温度制御ステーション36を示す。各々の対流熱源は、一般的に、導管52によって加熱媒体の源に接続される1つ以上のノズルまたは送風機51を備える。送風機51は、チャンバ37の天井47および側壁46の周りに配置されるかまたは位置付けられて、加熱媒体(例えば、空気もしくは他のガス)、および/または流体を、チャンバ中の、その中に含まれるキャスティングおよび/または鋳型に対して方向付ける。対流送風機は、一般的に、矢印53によって示されるような、キャスティングの周りに乱流の加熱流体流れを作り出して、キャスティングおよび/または砂鋳型の実質的に全ての面に熱を付与する傾向がある。結果として、キャスティングは、加熱媒体内で実質的に均一に浸されて、その金属のプロセス制御温度付近またはその上に、キャスティングの温度を維持する。さらに、キャスティングがそれらの砂鋳型においてプロセスされる場合、プロセス温度制御ステーション内の熱の付与は、鋳型自身を加熱する傾向があり、その中の結合剤材料が燃焼し始めるか、熱分解し始めるか、またはそれ以外で追い出され(drive off)始める分解温度または燃焼温度に向かってそれらの温度を上昇する。
【0033】
送風機またはノズル52を、それらの入口端に隣接するプロセス温度制御ステーションの前面に有し、キャスティングおよび/または鋳型の冷却をより迅速に抑えようとするためにより高い速度および/または温度で操作することもまた可能である。チャンバの中間および/または端部(例えば、プロセス温度制御ステーションの出口において)に向かって配置されるノズルまたは送風機52は、キャスティングおよび/または砂鋳型の所望の温度レベルを維持するためにより低い温度または速度で実行され得、砂鋳型の完全な分解を防ぎ、一方で、プロセス温度制御ステーションの中にあるままで、熱処理の前にキャスティングの固化が完了され得る。
【0034】
あるいは、図5Aおよび5Bは、プロセス温度制御ステーション36’の別の実施形態を示し、ここで、熱源45’は、一般的に、1つ以上の放射ヒータ54(例えば、赤外加熱要素)、電磁エネルギー源、または類似の放射熱源)を含む。代表的に、放射ヒータ54は、対流送風機51の配置と類似して、プロセス温度制御ステーション36の放射チャンバ37の壁46および天井47の周りで、所望の配置および方向で、複数の位置またはセットで配置される。対流熱源52とともに、チャンバの入口端に隣接する放射ヒータは、それらがプロセス温度制御ステーションに入るとき、砂鋳型中のキャスティングの冷却をより迅速に抑えるために、より高温で操作され得る。さらに、減圧送風機、ポンプまたは排気ファン/システム56は、一般的に、導管57を通して放射チャンバに接続され、そして放射チャンバ37内に陰圧を作り出して、放射ヒータの要素の冷却を助けるかまたは過熱を妨げるために、チャンバ内の砂中子および/または砂鋳型の結合剤の燃焼(burnig)または燃焼(combustion)から生成される熱および/または廃棄ガスを排出する。
【0035】
プロセス温度制御ステーション36”のなおさらなる代替の実施形態が図6Aおよび6Bに示され、これは、直接衝突型加熱源45”を示す。直接衝突熱源は、放射チャンバ37内の選択された位置または方向のセットまたはアレイに配列された一連のバーナーまたはノズル58を備える。これらのバーナー58は、一般的に、導管59によって、燃料源(例えば、天然ガスなど)に接続される。直接衝突熱源のノズルまたはバーナー要素は、実質的に、キャスティングの側面、上面、および底面に向かって熱を方向付けそして付与する。従って、キャスティングは、実質的に均一に加熱され、そしてそれらから放出される砂材料は、さらに、その結合剤材料を燃焼させるために直接的な加熱に曝露され得る。
【0036】
これらの異なる熱源が放射チャンバにおける使用のために組み合わされ得ることが、当業者にさらに理解されている。さらに、このチャンバのプロセス制御温度またはプロセス制御温度を超えたキャスティングの冷却を停滞させ、その後、このキャスティングの温度を、それらを熱処理ステーションへの入力のために待機させる(queued)ように維持するために、複数のチャンバが、連続して使用され得る。
【0037】
種々の型の熱源の使用に加えて、図1Aに示されるように、キャスティング用の金属の加熱からの熱を分配しそしてエネルギーを回収するのを可能にするために、鋳込みステーション11において溶融金属材料をそれらの鋳型に鋳込む間、矢印60によって示されるように、この溶融金属材料をプロセス温度制御ステーション36の放射チャンバに鋳込む間に発生および捕捉される発生気体を、指向および回収することがさらに可能である。あるいは、キャスティングの砂中子および/または熱処理ステーション42内の砂鋳型、ならびにキャスティングの熱処理用の結合剤の破壊および燃焼の結果として生じる過剰な熱もまた、プロセス温度制御ステーションの放射チャンバの内部環境の加熱を助けるために、図1Aの点線の矢印61によって示されるように、このプロセス温度制御ステーションに戻され得る。廃棄ガスおよび廃熱のこのような回収は、プロセス温度制御ステーションのチャンバを、所望の温度または必要とされる温度まで加熱して、それを通過するキャスティングの冷却を停滞させるために必要とされるエネルギーの量を減少するのを助ける。
【0038】
図2B、4A、5Aおよび6Aにさらに示されるように、収集ホッパーまたはシュート62は、一般に、プロセス温度制御ステーション36の底面に沿って形成され、その放射チャンバ37の下方に位置付けられる。このホッパー62は、一般に、側壁63を備え、この側壁は、その低部端64にて下向きに傾斜している。この傾斜した側壁は、結合剤の熱変性がプロセス温度制御ステーションで始まる際に、キャスティングの砂中子および/または砂鋳型から取り除かれた砂を収集する。この砂は、代表的に、ホッパー62の開口低部端の下方に位置付けられた収集コンベヤ66の下方に指向される。代表的に、流動化システムまたは機構67は、ホッパー62の壁の底部64に沿って位置付けられる。流動器としては、代表的に、以下が挙げられる:バーナー、送風機、分配器または類似の流動化ユニット(加熱媒体(例えば、空気または他の流体)の流れを砂に適用して、結合剤のさらなる変性を促進させ、任意のクランプの砂および結合剤(これらは、キャスティングから取り除かれて、実質的に純粋な形態のキャスティング用の砂中子および/または砂鋳型の砂の再生を助ける)を破壊する、流動化ユニット(例えば、米国特許第5,294,994号;同第5,565,046号;および同第5,738,162号(これらは、参考として本明細書中で援用される)に開示および主張されている)。再生された砂は、コンベヤ66により収集され、そしてプロセス温度制御ステーションから運ばれる。
【0039】
さらに、図1A、2A〜2B、4A、5Aおよび6Aに示されるように、キャスティングの砂中子および/または砂鋳型用の結合材料の燃焼によって発生する、過剰な熱および廃棄ガスは、プロセス温度制御ステーション36の放射チャンバ37から収集または引き出され得、そして図1Aの矢印68によって示されるように、熱処理ステーション42へ向う。このプロセス温度制御ステーションから熱処理ステーションへの、過剰な熱および廃棄ガスのこのチャネリングによって、このプロセス温度制御ステーションのチャンバ内で発生した熱の強力なリカップリングと、加熱処理チャンバ内の砂鋳型および/または砂中子の結合剤の変性から生じる廃棄ガスのさらなる加熱および/または燃焼との両方が可能になる。図1Aに示されるように、送風機または類似の空気分配機構69は、さらに一般に、熱処理ステーションに沿って取り付けられ、そして代表的に、キャスティングの熱処理、ならびにキャスティングの砂中子および/または砂鋳型から得られた結合剤材料の焼き払いの間に発生する廃棄ガスを撤退させる。これらの廃棄ガスは、送風機によって収集され、そして代表的に、これらの廃棄ガスをさらに処理および燃焼して、これらのガスを再処理し、そしてキャスティングおよび熱処理プロセスによって発生した汚染の量を減らすために、焼却炉71に向けられる。フィルターを使用して、熱処理ステーションに導入される前にプロセス温度制御ステーションから発生する廃棄ガスをさらに濾過し、そして/または、熱処理ステーションから焼却炉に発生するガスを濾過することもまた可能である。
【0040】
従って、プロセス温度制御ステーションは、熱処理ステーションまたはチャンバの前の入れ子領域として機能する。ここにおいて、キャスティングは、プロセス制御温度でまたはプロセス制御温度より高く、維持または停滞された温度で維持され得るが、それらが熱処理ステーションに導入されるのを待っている間に、所望の熱処理温度より低くなる。従って、このシステムにより、鋳込みライン(単数または複数)は、より高速でかまたはより有効な速度で操作されることが可能になり、キャスティングは、列をなして配置されることなく、ラインは、周囲温度に曝されながら熱処理ステーションに供給されるのを待ち、その結果キャスティングが処理制御温度より低い温度に冷却されることはない。その後、キャスティングはさらに、図1A、1Cおよび2A〜2Bに示されるように、個々にか、あるいは図1B、1Cおよび3に示されるように、熱処理、砂再生のために破壊および除去される砂中子および/または砂鋳型、およびおそらく砂再生のための熱処理ステーション42内でのバッチで、供給され得る。
【0041】
熱処理ステーション42(図2B)は、代表的に、細長加熱炉であり、この加熱炉は、少なくとも1個の直列に取り付けられた加熱炉チャンバ75を備え、ここを通って、コンベヤ76は、そこを通るキャスティング移送を延滞させる。従来型熱源(例えば、加熱媒体(例えば、空気または他の流体)に適用する送風機またはノズル)、導電性熱源(例えば、流動床)、非導電性放射熱源および/または他の型の熱源を含む、熱源77(図2A)は、程度および量を変更する際にキャスティングの周囲に熱、おそらく気流を与えて、金属に適切な熱処理温度までキャスティングを加熱するために、チャンバ75の壁および/または天井に取り付けられる。このような所望の熱処理温度および熱処理時間は、当業者に公知であるように、キャスティングを形成する金属または金属合金の型に従って、変更される。
【0042】
キャスティングの砂中子および/または砂鋳型の熱処理、ならびに少なくとも一部の破壊および除去(おそらく砂中子および砂鋳型からの砂の再生のため)のための熱処理加熱炉の例は、米国特許第5,294,994号;同第5,565,046号;および同第5,738,162号(これらの開示の全体が、本明細書中で参考として援用される)において例示されている。本発明とともに使用するための熱処理加熱炉または熱処理ステーションのさらなる例は、米国特許出願番号09/313,111(1999年5月17日に出願)、および同番号09/665,354(2000年9月9日)(これらの開示は同様に、本明細書中で参考として援用される)において例示および開示されている。このような熱処理ステーションまたは熱処理加熱炉は、さらに一般には、キャスティングの熱処理の間に除去された、このキャスティングの砂中子および/または砂鋳型からの砂を再生するのを可能にする。
【0043】
熱処理の後、このキャスティングは、一般に、熱処理ステーションから除去され、そしてキャスティングを急冷するための急冷ステーション78(図1A)に移動され、ここで、キャスティングは、洗浄され得、そしてさらにプロセスされ得る。この急冷ステーションは、代表的には、冷却流体(例えば、水または他の公知の冷却剤)を有する急冷タンクを備えるか、または冷却流体(例えば、空気、水または当該分野で公知の類似の冷却媒体)を適用する一連のノズルを有するチャンバを備える。その後、キャスティングは、洗浄および必要ならばさらなるプロセシングのために、急冷ステーションから取り出される。
【0044】
一体型設備5のさらなる実施形態が、図1Bに例示される。この実施形態において、移送機構27(ここではクレーンまたはロボットアーム28として示される)は、複数の鋳込みラインまたはステーション11および11’(ここでは、回転ラック型システムとして示される)からキャスティングを取り出し、このシステムにおいて、鋳型は、鋳込み位置またはキャスティング位置23と、移送点24との間で回転され、この移送点において、この移送機構27は、砂鋳型をその中にあるキャスティングと係合しかつこの砂鋳型を移送するか、またはキャスティングを鋳型から取り出し、このキャスティングを、熱処理ユニット26の1個以上の入口コンベヤ34および34’まで移送する。このキャスティングは、熱処理ステーション42に導入するために、プロセス温度制御ステーション36に、およびここを通して個々に移動させるか、またはキャスティングをバッチプロセスするために、バスケットもしくはコンベヤートレイ79に収集させ得る。
【0045】
図1Bに図示される実施形態において、プロセス温度制御ステーション36は、一般的に、細長放射トンネル81として形成され、この細長放射トンネル81は、キャスティングおよび/またはキャスティングを中に含む砂鋳型が、そこを通って移動されるかまたは運搬されるチャンバ82を規定する。放射トンネル81は、一般的に、その放射トンネルに沿って取り付けられた一連の熱源83(例えば、図2A〜2Bおよび4A〜6Bの実施形態に関して上記で考察された種々の異なる加熱源45、45’および45”)を備える。代表的に、放射トンネル81のチャンバ82の壁84および天井は、耐熱性材料から形成されるかまたは耐熱性材料でコーティングされ、その結果、この放射トンネル内で生成した熱が、トンネルに沿って移動されるキャスティングに向かって反射/放射される。放射トンネル81の末端には、収集ステーション86があり、ここでキャスティングは、このキャスティングまたは中にキャスティングを含む砂鋳型を、熱処理ステーション42に通してバッチ処理するために、バスケット79または同様の運搬トレイ中に収集され、そして/または置かれ得る。熱処理ステーションにおけるバッチ処理のためのバスケット内のキャスティングの収集はまた、図1Cおよび3に示されるように、キャスティングが放射チャンバまたはプロセス温度制御ステーション36のトンネルを通過する前に行われ得る。
【0046】
本発明の一体型設備5のなおさらなる実施形態は、図1Cに概略的に示される。この実施形態において、プロセス温度制御ステーション36(ここでは、(図1Bに関して考察したとおり)細長放射トンネルまたはチャンバ81を備えるように示される)は、チル除去ステーション87と接続するかまたはチル除去ステーション87に供給し、これは、熱処理ステーション42と連絡しており、そしてキャスティングをこの熱処理ステーション42に供給する。代表的には、この実施形態において、キャスティングは、移動され、それらの半永久的な鋳型または砂鋳型(これらに取り付けられた「チル」をさらに含む)内に含まれたまま、熱処理されるかまたは処理される。チルは、一般的に金属プレートであり、代表的には、鋼または同様の材料から形成され、キャスティング表面の所望の設計特徴を形成するための設計起伏を有し、そして溶融金属材料を鋳型に注ぐ際または注ぐ前にこの鋳型内に置かれる。チルは、キャスティングの熱処理またはチルの再生および再使用の前に最終的に取り除かれなければならない。放射トンネル81のチャンバ82を通過(この間に、砂鋳型の燃焼は、一般的に少なくとも部分的に始まっている)した後、これらのチルは、熱処理ステーション42への鋳型およびキャスティングの移動を有意に遅らせることなく鋳型から容易に取り除かれ得る。チル除去ステーションにおけるチルの除去後、キャスティングが中にある鋳型は、一般的に、熱処理、砂中子および砂鋳型の破壊、ならびに砂の再生のために熱処理ステーション中に直接入れられる。
【0047】
本発明の一体型設備のなおさらなる代替の実施形態は、図1Dに図示される。この実施形態において、キャスティングは、一般的に、その鋳型から除去され得、そして1つ以上の熱処理炉またはステーション92中に直接供給されるために、入口コンベヤ90または91へと輸送され得る。あるいは、キャスティングが砂鋳型内に形成されている場合、鋳型全体が、輸送点28から入口コンベヤ90または91のうちの1つへと輸送される。図1Dに示されるように、その鋳型からのキャスティングの除去および続くキャスティングの移送、またはキャスティングを中に残したまま鋳型を鋳込みステーションから除去することおよび熱処理ステーション92への輸送は、一般的に、同じ輸送機構または操作者により行われ得る。
【0048】
この実施形態において、熱源93は、移送機構27自体に取り付けられて示され、そしてこのキャスティングが鋳込みラインの移送点から熱処理炉92のための入口コンベヤ90または91のうちの1つに移動されるにつれて、キャスティングおよび/または砂鋳型に直接熱を加える。この熱源(上記で議論したとおり)としては、放射エネルギー源(例えば、赤外線発生器または電磁発生器、誘導性熱源、対流性熱源および/または伝導性熱源、あるいは当業者に明らかとなる他の鋳型の熱源が挙げられる。キャスティングおよび/または鋳型の冷却を阻止し、それによりキャスティング金属の温度を実質的にその金属のプロセス制御温度かまたはその温度より高く維持するように、キャスティングまたは鋳型が入口コンベヤに移送されるにつれて、移送機構27に取り付けられた熱源93からの熱は、一般的に1つ以上の表面(例えば、キャスティングまたは鋳型の頂面および/または側面)に向けられる。
【0049】
94で示されるような、さらなる熱源は、図1Dに示されるように入口コンベヤ90および91の上もしくはこれらに隣接して、または矢印96および96’ならびに97および97’により示されるように移送機構の移動経路に沿って取付けられて、キャスティングの加熱およびキャスティングの温度の拘束を維持し得る。さらに、加えられている熱を、輸送されているキャスティングおよび/または鋳型に対して実質的にその側面、頂面および底面の周囲に分布させるための加熱された媒体(例えば、空気または他の加熱された流体)を適用して、鋳込みラインから熱処理炉92への移送の間のコールドスポットの発生およびキャスティングの不均一な加熱または冷却を低減しようと試みるために、送風機、ファンまたは他の類似の空気移動デバイス(示さず)はまた、移送機構に隣接して、またはその移動経路(矢印96および96’ならびに97および97’で示される)に沿って位置付けられ得る。従って、移送機構上に、そしていくつかの配置では、キャスティングの移動経路に沿って取り付けられたこのような熱源または構成要素の使用は、キャスティングをプロセス制御温度以上に拘束および維持するのを助けるためにプロセス温度制御ステーションの機能を実行する。
【0050】
図3に図示されるように、一体型金属処理設備のさらなる実施形態において、キャスティングおよび/または砂鋳型は、図3に示されるように、キャスティング用全体バッチ加熱プロセスの一部としてプロセス温度制御ステーション中に供給するために、移送機構27により収集バスケットまたは運搬トレイ100内に直接置かれ得る。米国特許出願第09/665,354号(2000年9月9日出願、本明細書中に参考として援用される)に開示されそして特許請求の範囲に記載されるように、このような配置において、キャスティング12は、一般的に運搬トレイ100の一連の区画またはチャンバ101中にロードされ、ここで、キャスティングが、プロセス温度制御ステーション102および熱処理ステーション103中に、そしてこれらを通って移動されるにつれて、中子除去機能および他の機能のために指向された熱の適用のために、既知の示された位置にキャスティングが配置される。この実施形態において、トレイ100は、代表的に、キャスティングが中にロードされる場合に矢印106および106’で示されるように、プロセス温度制御ステーションのチャンバ104の内および外に割り出しされる。結果として、このトレイの種々の他の区画101がそのバッチの残りのキャスティングと共にロードされる間、キャスティングの周囲環境への曝露(これは、キャスティングをそのプロセス制御温度または臨界温度より下まで冷却する)は、最小にされる。
【0051】
さらに、図3に示されるように、トレイ100の区画101の各々に指向された熱源107を提供することがさらに可能である。例えば、最初の区画101’がキャスティング12’と共にロードされ、そして図3に示されるようにプロセス温度制御ステーション102中に割り出しされる場合、第1の熱源107’は、特定のチャンバ内のキャスティングおよび/または砂鋳型に向かって特異的に方向付けられた熱を適用するために作動される。その後、続きのキャスティングまたは鋳型がバスケットの他のチャンバまたは区画内にロードされる場合、これらの区画に指向された追加の熱源107が作動される。従って、プロセス温度制御ステーションのチャンバ104の加熱は、キャスティングのより効率的な加熱が必要とされる場合、特定の領域またはゾーンに限定され得るかまたは方向付けられ得る。
【0052】
図3がさらに示すように、一連の送風機または他の同様の空気移動デバイス108は、一般的に砂中子および/または砂鋳型結合剤材料の分解により生成される排ガスを抜くために、プロセス温度制御ステーションの頂部に取り付けられ得る。これらのガスおよびさらなる廃熱は、次いで、熱の再生および汚染の縮小、ならびにプロセス温度制御ステーション102のチャンバの側面および天井に可燃性廃棄物が集まることを回避するのをさらに補助するために導管109を介して熱処理ステーション103に向けられる。
【0053】
本発明は、上で開示される特定の実施形態を参照して開示されてきたが、種々の付加、削除、改変および変化が、本発明の精神および範囲から逸脱することなくそれらに対してなされ得ることを、当業者は理解する。本発明の種々の実施形態および/または特徴は、組み合わされてさらなる本発明の実施形態を形成し得るということもまた理解される。
(項1)
金属キャスティングを形成および熱処理するための一体型金属プロセシング設備であって、以下:
溶融金属を一連の鋳型に鋳込んで該キャスティングを形成するための、鋳込みステーション;
該キャスティングの熱処理のための少なくとも1つの熱処理ステーションを備える、熱処理ユニット;
該鋳込みステーションから該熱処理ユニットへと該キャスティングを移動させるための、移送システム;および
該キャスティングの移動経路に沿って位置する熱源であって、該キャスティングを該熱処理ステーションに導入する前に該キャスティングに熱を付与して、該キャスティングの金属に対するプロセス制御温度以上に該キャスティングを維持するための、熱源、
を備え;
これによって、該キャスティングが該鋳込みステーションから該熱処理ユニットへと移動される場合に、該キャスティングの溶融金属は、固化することが可能であり、一方で該キャスティングは、該キャスティングが該熱処理ステーションに導入されるまで、該キャスティングのプロセス制御温度以上に維持される、一体型金属プロセシング設備。
(項2)
前記移送システムが、ロボットアームまたは機械式アームを備え、該アームが、内部の該キャスティングと共に前記鋳型を把持し、そして前記鋳込みステーションから前記熱処理ステーションへと移動させるよう適合されている、項1に記載の一体型金属プロセシング設備。
(項3)
前記熱源が、前記移送システムに取り付けられた加熱要素を備え、該加熱要素が、前記鋳込みステーションから前記熱処理ラインへの移動の間に、前記キャスティングに熱を付与するためのものである、項1に記載の一体型金属プロセシング設備。
(項4)
前記熱処理ステーションの入口端部に隣接して位置する、プロセス温度制御チャンバをさらに備える、項1に記載の一体型金属プロセシング設備。
(項5)
前記プロセス温度制御ステーションが、放射チャンバを備え、該放射チャンバを通して、前記キャスティングが移動され、前記熱源が、該放射チャンバに熱を供給するために、該プロセス温度制御ステーションに沿って取り付けられた一連の加熱要素を備える、項4に記載の一体型金属プロセシング設備。
(項6)
前記加熱要素が放射ヒータを備える、項5に記載の一体型金属プロセシング設備。
(項7)
前記加熱要素が対流ヒータを備える、項5に記載の一体型金属プロセシング設備。
(項8)
前記加熱要素が、燃料源に接続された一連のバーナーを備える、項5に記載の一体型金属プロセシング設備。
(項9)
前記熱処理ラインが、複数の炉チャンバを有する炉を備え、該炉チャンバの各々が、熱処理ステーションを規定している、項1に記載の一体型金属プロセシング設備。
(項10)
前記熱処理ラインが、プロセス温度制御ステーションおよび複数の熱源をさらに備え、該プロセス温度制御ステーションは、細長チャンバを備え、該細長チャンバを通して、前記キャスティングが前記熱処理ステーションに導入される前に、該キャスティングが受容され、そして該複数の熱源は、該チャンバに熱を供給して、該チャンバ内に加熱環境を作製し、ここで、該キャスティングが冷めることが阻止され、これによって、該キャスティングは、前記プロセス制御温度以上に維持される、項1に記載の一体型金属プロセシング設備。
(項11)
金属キャスティングを形成および処理する方法であって、以下:
溶融金属を鋳型に鋳込む工程;
該鋳型内の該溶融金属を、該溶融金属が固化してキャスティングを形成し得るに十分な温度まで冷ます工程;
該キャスティングが熱処理ラインの熱処理ステーションに移動する際に、該キャスティングが冷めることを阻止し、そして該キャスティングの金属に対するプロセス制御温度以上に該キャスティングを維持する工程;および
該キャスティングを熱処理する工程;
を包含する、方法。
(項12)
前記キャスティングが冷めることを阻止し、そしてプロセス制御温度以上に該キャスティングを維持する工程が、該キャスティングの金属に対する溶体熱処理温度(solution heat treatment temperature)より高温に該キャスティングを加熱することなく、該キャスティングが冷めることを阻止するために十分な温度で、該キャスティングに熱を付与する工程を包含する、項11に記載の方法。
(項13)
前記キャスティングが冷めることを阻止し、そしてプロセス制御温度以上に該キャスティングを維持する工程が、該キャスティングに熱を付与するための一連の加熱源が内部に取り付けられた放射チャンバを通して、該キャスティングを移動させる工程を包含する、項12に記載の方法。
(項14)
前記熱源が、前記キャスティングに向けて熱を放射する放射ヒータを備える、項13に記載の方法。
(項15)
前記熱源が、前記キャスティングに向けて加熱された媒体の流れを方向付ける、対流ヒータを備える、項13に記載の方法。
(項16)
前記キャスティングを移送する工程が、該キャスティングを鋳型から取り出す工程、およびその後、該キャスティングを鋳込みステーションから前記熱処理ラインへと移動させる工程を包含する、項11に記載の方法。
(項17)
前記キャスティングを移送する工程が、移送機構を用いて、前記鋳型を該鋳型の内部に含まれるキャスティングと係合させる工程、および該キャスティングを、鋳込みステーションから、前記熱処理ラインのための入口コンベヤへと移動させる工程を包含する、項11に記載の方法。
(項18)
前記キャスティングが冷めることを阻止する工程が、前記キャスティングおよび鋳型が前記熱処理ラインに移送される際に、前記移送機構に取り付けられた熱源からの熱を該キャスティングに向けて方向付ける工程を包含する、項17に記載の方法。
(項19)
キャスティングのバッチにおいて前記キャスティングを加熱するためのバスケットに、該キャスティングを装填する工程をさらに包含する、項11に記載の方法。
(項20)
廃棄ガスおよび熱を、前記放射チャンバから前記熱処理ステーションへと方向付ける工程をさらに包含する、項13に記載の方法。
(項21)
前記キャスティングが冷めることを阻止する工程が、該キャスティングを前記鋳込みステーションから前記熱処理ラインへと移送する間に、該キャスティングに熱を付与する工程を包含する、項11に記載の方法。
(項22)
前記キャスティングを熱処理する前に、前記鋳型からチルを除去する工程をさらに包含する、項11に記載の方法。
(項23)
溶融金属から形成されたキャスティングをプロセシングするためのシステムであって、以下:
該溶融金属が一連の鋳型に鋳込まれて、該キャスティングを形成する、鋳込みステーション;ならびに
該鋳込みステーションの下流の熱処理ラインであって、以下:
少なくとも1つの熱処理炉であって、該熱処理炉を通って、該キャスティングの熱処理のために該キャスティングが通過する、熱処理炉;および
プロセス温度制御ステーションであって、該熱処理炉の上流に位置し、そしてチャンバおよび一連の加熱要素を有し、該チャンバを通って、熱処理の前に該キャスティングが通過し、該加熱要素は、該チャンバ内で、該金属キャスティングに対するプロセス制御温度以上で、該キャスティングに、該キャスティングが冷めることを阻止するために十分な熱を付与するためのものである、プロセス温度制御ステーション、
を備える、熱処理ライン、
を備える、システム。
(項24)
前記キャスティングを、前記鋳込みステーションから前記熱処理ラインへと移送するための、移送機構をさらに備える、項23に記載のシステム。
(項25)
前記加熱要素が放射ヒータを備える、項23に記載のシステム。
(項26)
前記加熱要素が対流ヒータを備える、項23に記載のシステム。
(項27)
前記加熱要素が、燃料源に接続された一連のバーナーを備える、項23に記載のシステム。
(項28)
前記チャンバが、天井および側壁を有する細長トンネルを備え、該細長トンネルは、放射材料を含み、該放射材料は、前記キャスティングが該トンネルを通る際に、該キャスティングに向けて熱を方向付けるためのものである、項23に記載のシステム。
(項29)
前記移送機構に取り付けられた熱源をさらに備え、該熱源は、前記キャスティングを前記鋳込みステーションから前記熱処理ラインへと移動する間に、該キャスティングに熱を付与するよう適合されている、項24に記載のシステム。
(項30)
前記熱処理ラインが、複数の炉チャンバを有する炉を備え、該チャンバの各々が、熱処理ステーションを規定している、項23に記載のシステム。
(項31)
収集トレイをさらに備え、該収集トレイは、前記キャスティングを前記鋳込みステーションから受容するためのものであり、そして該収集トレイは、連続的なキャスティングが該トレイ内部に配置されるにつれて、前記プロセス温度制御ステーションの内へおよび外へ往復的に移動可能である、項23に記載のシステム。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
本願明細書または図面に記載の発明
【請求項1】
本願明細書または図面に記載の発明
【図1A】
【図1B】
【図1C】
【図1D】
【図2A】
【図2B】
【図3】
【図4A】
【図4B】
【図5A】
【図5B】
【図6A】
【図6B】
【図1B】
【図1C】
【図1D】
【図2A】
【図2B】
【図3】
【図4A】
【図4B】
【図5A】
【図5B】
【図6A】
【図6B】
【公開番号】特開2012−71354(P2012−71354A)
【公開日】平成24年4月12日(2012.4.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−247980(P2011−247980)
【出願日】平成23年11月11日(2011.11.11)
【分割の表示】特願2008−187971(P2008−187971)の分割
【原出願日】平成14年1月18日(2002.1.18)
【出願人】(501239217)コンソリデイテッド エンジニアリング カンパニー, インコーポレイテッド (11)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年4月12日(2012.4.12)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年11月11日(2011.11.11)
【分割の表示】特願2008−187971(P2008−187971)の分割
【原出願日】平成14年1月18日(2002.1.18)
【出願人】(501239217)コンソリデイテッド エンジニアリング カンパニー, インコーポレイテッド (11)
【Fターム(参考)】
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