説明

一時預かりボックスシステム

【課題】携帯電話機を利用して容易に一時預かりボックスを解錠することが出来、更にはインターネットを利用して一時預かりボックスの配置位置、経過利用料金、入出荷情報、空き状態等が容易に知得出来、一時預かりボックスの利用料金を携帯電話機の電話番号に対して課金出来る一時預かりボックスシステムを提供する。
【解決手段】電話機能を有する送受信部と、制御部と、オートロックを前提とするノーマルクローズ型の施錠機構と、記憶手段として読み書き可能なメモリと、を有し、一時預かりボックス2の利用者が携帯電話機1で送受信部の電話番号を呼び出したとき、該携帯電話機1の電話番号が発信されて送受信部を介して該携帯電話番号情報がメモリに記憶され、制御部はその発信された携帯電話番号情報を解錠ID情報とし、利用者が指定した利用ボックス番号に基づいて施錠機構の解錠制御を行って、ボックスの扉を開けるように構成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、物品の一時預かりを行うメールボックス、宅配ボックス、クリーニングボックス等の一時預かりボックスシステムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の技術として特開平9−330458号公報(特許文献1)に開示されたロッカーシステムが提案されている。上記公知例ではICカードにより認証識別を行ってロッカーを解錠し、更にはICカードにプリペイド機能を持たせてロッカー使用料金の課金を行うことが出来るものである。
【0003】
【特許文献1】特開平9−330458号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、前述の公知例では、ICカードにより認証識別を行ってロッカーを解錠するため利用者は常時、指定されたロッカー専用のICカードを携帯しなければならない。
【0005】
ICカードは財布や手帳等に携帯し易いという利点が有るものの、銀行のキャッシュカードやクレジットカード、或いは各種スーパーや商店の得点カード等、生活に必要なあらゆるものがカード化している現状では財布や手帳等に収納した各種のカードの中から目的のICカードを探し出すのが面倒な場合もある。
【0006】
また、ICカードを取り出す際には、先ず、該ICカードを収納した財布や手帳を取り出さなければならないため、2工程の取り出し時間がかかり、取り出しが面倒である。
【0007】
また、ICカードを取り出すために、ロッカーに向かって通りや通路に背を向けた無防備な状態で、銀行のキャッシュカードやクレジットカード、或いは現金等を収納した財布や、身分証明書や高額の通勤、通学定期券を収納した手帳等の貴重品を取り出すのでは、防犯上あまりにも無防備であるため盗難を誘発する虞もある。
【0008】
また、ICカードは入力された暗証番号により本人確認を行うため暗証番号の入力工程が必要である。また、ICカードは事前に氏名や暗証番号等を登録しておく必要が有り、且つ紛失し易く、紛失に際したカードの無効化と再発行手続が極めて煩雑である。
【0009】
本発明は前記課題を解決するものであり、その目的とするところは、携帯電話機を利用して容易に一時預かりボックスを解錠することが出来、更にはインターネットを利用して一時預かりボックスの配置位置、経過利用料金、入出荷情報、空き状態等が容易に知得出来、一時預かりボックスの利用料金を携帯電話機の電話番号に対して課金出来る一時預かりボックスシステムを提供せんとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
前記目的を達成するための本発明に係る一時預かりボックスシステムは、一時預かりボックスシステムにおいて、電話機能を有する送受信部と、制御部と、ボックスの扉が自動的に常時施錠されるオートロックを前提とするノーマルクローズ型の施錠機構と、記憶手段として読み書き可能なメモリと、を有し、一時預かりボックスの利用者が携帯電話機で前記送受信部の電話番号を呼び出したとき、該携帯電話機の電話番号が発信されて前記送受信部を介して該携帯電話番号情報が前記メモリに記憶され、前記制御部はその発信された携帯電話番号情報を解錠ID情報とし、利用者が指定した利用ボックス番号に基づいて前記施錠機構の解錠制御を行って、前記ノーマルクローズ型のボックスの扉を開けるように構成されていることを特徴とする。
【0011】
上記構成によれば、利用者が携帯電話機を利用してID情報を発信すると、制御部に設けられたメモリまたは中央コンピュータに設けられたメモリに予め登録されたID情報と、携帯電話機から発信されたID情報とを照合して両者が一致した時に一時預かりボックスを解錠するため許可されたものだけが容易に一時預かりボックスを解錠することが出来る。
【0012】
また、前記ID情報が前記携帯電話機自体の電話番号情報である場合には、予め設定された所定の一時預かりボックスの電話番号に電話を掛けると、携帯電話機自体の電話番号情報が自動的に発信される機能を用いてID情報として電話番号情報を容易に発信することが出来る。
【0013】
前記携帯電話機自体の電話番号は事前に登録されているため身元確認が容易であるため、ID情報の照合を行うことなく一時預かりボックスを解錠することが出来る。また、ID情報に暗証番号情報や声紋情報による識別を加えることにより一層のセキュリティ性の向上を図ることが出来る。
【0014】
前記携帯電話機はインターネットが利用可能であり、前記一時預かりボックスの配置位置、経過利用料金、入出荷情報、空き状態のうち少なくとも1つがインターネットを介して知得出来る場合には、現在空いている一時預かりボックスを容易に知得して利用することが出来、荷物の入出荷状態を容易に知得することが出来、経過利用料金を容易に知得することが出来る。
【0015】
また、前記一時預かりボックスの利用料金が前記携帯電話機の電話番号に対して課金される場合には、電話料金として課金が容易に出来る。
【0016】
また、前記携帯電話機から前記一時預かりボックスの予約をするために該一時預かりボックスの解錠の凍結を遠隔操作出来る場合には、一時預かりボックスの予約を容易に且つ確実に行うことが出来る。
【発明の効果】
【0017】
本発明は、上述の如き構成と作用とを有するので、携帯電話機を利用して容易に一時預かりボックスを解錠することが出来、更にはインターネットを利用して一時預かりボックスの配置位置、経過利用料金、入出荷情報、空き状態等が容易に知得出来、一時預かりボックスの利用料金を携帯電話機の電話番号に対して課金出来る一時預かりボックスシステムを提供することが出来る。
【0018】
即ち、利用者が携帯電話機を利用してID情報を発信すると、制御部が予め登録されたID情報と、携帯電話機から発信されたID情報とを照合して両者が一致した時に一時預かりボックスを解錠するため許可されたものだけが容易に一時預かりボックスを解錠することが出来る。
【0019】
従って、鍵やカード等が不要であり、無くす虞もない。また、荷物の受取人への自動通知や経過利用料金、或いは停滞荷物の警告等の情報提供や予約等が可能となる。
【0020】
また、従来は、利用者は荷物を取り出しに来て初めて料金を知ることが通常であり、支払い時のコインが足りるか否かを心配する煩わしさがあったが、一時預かりボックスの利用料金を携帯電話機の電話番号に対して課金すればコインを持ち歩く必要もない。
【0021】
また、一時預かりボックスの運営会社にとっても利用状況がリアルタイムで把握出来るため別途保管(停滞した荷物を一時取り出し、持ち帰って保管する)の必要性が瞬時に判断出来、一時預かりボックスの回転率の向上や現場見回りの効率化を図ることが出来る。
【0022】
また、一時預かりボックスの利用料金を携帯電話機の電話番号に対して課金すれば現金回収もしなくて済み、ユーザ利用に関するマーケティング統計も容易に取得出来る。
【0023】
また、携帯電話機はインターネットが利用可能であり、一時預かりボックスの配置位置、経過利用料金、入出荷情報、空き状態のうち少なくとも1つがインターネットを介して知得出来る場合には、現在空いている一時預かりボックスを容易に知得して利用することが出来、荷物の入出荷状態を容易に知得することが出来、経過利用料金を容易に知得することが出来る。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
図により本発明に係る一時預かりボックスシステムの一実施形態を具体的に説明する。図1は本発明に係る一時預かりボックスシステムの構成を示す模式説明図、図2は本発明に係る一時預かりボックスシステムの各部の構成を示すブロック図、図3は携帯電話機を用いて一時預かりボックスシステムを利用する手順を示すフローチャートである。
【0025】
図1及び図2において、1はインターネットが利用可能な携帯電話機であり、個人認証識別を行うためのID情報として携帯電話機1自体の電話番号情報を発信出来るものである。携帯電話機1は、例えば、(株)NTTドコモが提供するiモード(NTT移動通信網(株)の登録商標)対応の携帯電話機である。尚、本実施形態では、携帯電話機1としてPHS(Personal Handyphone System)も含む。
【0026】
この携帯電話機1に設けられたディスプレイ1aと、「1〜9」までの数字と「♯、*」の記号からなる所謂テンキー1bを利用したボタン入力操作によってインターネットサイト(情報番組)接続サービスやiモードメール等の各種のオンラインサービスが利用出来るものである。
【0027】
iモード対応の携帯電話機1では、例えば、外出先や移動中でも銀行の残高照会や振込、各種チケットの予約、電子電話番号帳の番号検索、或いは天気予報、株価情報、ニュース速報、レストランガイド等、各種の情報サービス提供者が提供する各種オンラインサービスを利用することが出来、更にはiモード対応の携帯電話機1同士や他のインターネットに接続されたパーソナルコンピュータとの間でインターネットメール(e-mail;電子メール)としても利用出来る。
【0028】
2はメールボックス、宅配ボックス、クリーニングボックス等の一時預かりボックスであり、他の用途としてレンタルビデオや写真(DPE)等の受渡しやロッカーとしても利用可能である。
【0029】
一時預かりボックス2にはテンキーやマイク等の入力手段3aや液晶表示装置やブラウン管ディスプレイ等の表示手段3b、更にはスピーカー3cを配置したコントロールパネル3が設けられており、該コントロールパネル3の内部には携帯電話機1から発信されたID情報を照合して一時預かりボックス2を解錠する制御部4が設けられている。
【0030】
また、各一時預かりボックス2の表面部には空き状態を知らせるためのランプ3eが設けられており、各一時預かりボックス2の内部には物品の存在を検知する赤外線センサ3dが夫々設けられている。尚、赤外線センサ3dの他に重量センサや他の種々のセンサが適用可能である。
【0031】
制御部4の内部には携帯電話機1及び中央コンピュータ10との間でID情報や音声、文字、画像情報を送受信可能で電話機能を有する送受信部5と、CPU(中央演算処理装置)6と、記憶手段として読み書き可能なメモリ7と、一時預かりボックス2の扉を施錠/解錠する施錠機構8が設けられている。
【0032】
CPU6はメモリ7からプログラムや各種データを読み出し、必要な演算や判断を行い、各種制御を行うものである。また、CPU6にはカレンダー機能、時計機能及びタイマー機能及びカウンタ等が設けられている。
【0033】
また、CPU6は赤外線センサ3dの検知情報から一時預かりボックス2の空き状態を判別し、送受信部5からインターネット9を介して図2に示す中央管理センターに設けられた中央コンピュータ10に一時預かりボックス2の空き状態及び運営に関する各種記録データを伝達する。
【0034】
また、CPU6は施錠機構8によりボックスを解錠してから赤外線センサ3dが荷物の投入を検知するまでの時間を測定しており、予め設定された時間を経過した場合には、施錠機構8によりボックスを自動的に施錠するオートロックを作動させる。
【0035】
メモリ7はCPU6が動作するための各種プログラムや、携帯電話機1から発信された電話番号等のID情報や、入力手段3aから入力された暗証番号や暗号、声紋、或いは携帯電話機1から受信した声紋等のID情報を照合するために必要な各種データを格納しており、更には予め一時預かりボックス2の解錠を許可されたID情報が記憶されている。
【0036】
また、メモリ7はCPU6が命令中のデータや演算結果を一時貯えておくワーキングエリア、携帯電話機1から発信されたID情報、或いはコントロールパネル3の入力手段3aから入力されたID情報等の各種データを格納しておくバッファエリア等からなっている。
【0037】
メモリ7は、携帯電話機1から発信されたID情報や、入力手段3aから入力されたID情報を一時記憶し、このID情報と、メモリ7に記憶された予め一時預かりボックス2の扉の解錠を許可されたID情報とをCPU6が比較演算して両者が一致した場合に施錠機構8により一時預かりボックス2の扉を解錠する。
【0038】
一時預かりボックス2の扉は使用前は常時施錠された状態であり、これにより悪戯やごみ捨て場と化すことを未然に防止出来るようになっている。
【0039】
また、電話機能を有する送受信部5はインターネット9を介して中央コンピュータ10に接続されており、該中央コンピュータ10のメモリに格納されている複数の一時預かりボックス2の空き状態や各地の各場所に設置された一時預かりボックス2の配置位置及びそれ等の空き状態等の情報がインターネット9を介して送受信部5からCPU6に送られ、更にはメモリ7に格納されている荷物の入出荷情報や利用者の経過利用料金等の情報と共に該送受信部5から携帯電話機1に音声や文字、画像情報として提供される。
【0040】
また、ID情報としては携帯電話機1自体の電話番号情報が利用出来、一時預かりボックス2の利用料金を携帯電話機1の電話番号に対して課金することが出来る。
【0041】
尚、他のID情報として暗証番号や暗号や声紋等を用いても良いし、課金決済方法も電話料金の他に口座引落しやカード払いであっても良い。
【0042】
また、携帯電話機1を用いて一時預かりボックス2を事前に予約することが出来るようになっており、一時預かりボックス2に到達する以前に予めインターネット9を介して予約を行うと、遠隔操作により中央コンピュータ10から制御部4に向けて施錠機構8の解錠を凍結する旨の指令が出され、予約した者が一時預かりボックス2に到達して携帯電話機1からID情報が送信された時点で一時預かりボックス2の解錠の凍結が解除され、利用出来るようになっている。
【0043】
上記のように構成された一時預かりボックスシステムを利用する手順の一例を図3を用いて詳細に説明する。尚、以下に説明する利用手順は不特定多数の利用者が一時預かりボックス2を利用する場合であり、且つ携帯電話機1の電話番号のみを預入人のID情報として認める場合の一例である。
【0044】
図3のステップS1において、先ず、荷物を預け入れる場合には、利用者は携帯電話機1を所持している必要があり、所持していない場合には利用出来ない(ステップS15)。
【0045】
携帯電話機1を所持している利用者は、例えば、一時預かりボックス2のコントロールパネル3に設けられた表示手段3bに表示された電話番号に携帯電話機1から電話を掛ける(ステップS2)。
【0046】
ステップS3において、ID情報として携帯電話機1の電話番号が発信されない場合には利用出来ない(ステップS16)。
【0047】
ID情報として携帯電話機1の電話番号が発信された場合には送受信部5を介して該電話番号情報がメモリ7に記憶され、更に送受信部5、インターネット9を介して中央管理センターに設けられた中央コンピュータ10に送られる。
【0048】
ステップS3において、携帯電話機1の電話番号を受信した制御部4では、ステップS4において、予めメモリ7に記憶された、例えば「入荷の場合には「01#」を押してください。出荷の場合には「02#」を押してください。」等のメッセージを表示手段3bに表示すると共に、携帯電話機1とスピーカー3cからボイスメッセージを流して入出荷の指示を待つ。
【0049】
利用者が携帯電話機1を用いて「01#」を押して入荷の指示を行うと、各ボックスに設けられたランプ3eのうち、空きボックスのランプ3eが点滅して、利用者に空きボックスを知らせる(ステップS5)。尚、ランプ3eの点滅の代わりに表示手段3bに空きボックスの位置や番号を表示することでも良い。
【0050】
利用者が携帯電話機1を用いて利用ボックス番号を指定すると(ステップS6)、CPU6は指定されたボックスの施錠機構8を駆動して該ボックスの解錠を行い、これと同時に一時預かりボックス2の利用基本料金が携帯電話機1の電話番号に対して課金される(ステップS7)。
【0051】
ステップS8において、利用者がボックスの扉を開けて荷物を入れると、荷物センサとなる赤外線センサ3dにより荷物の有無が検知され(ステップS9)、CPU6に伝達される。ボックスの扉はバネ等で自動的に閉じられ、携帯電話機1から施錠を指示する。但し、赤外線センサ3dにより荷物が検知されない限り、施錠指示は機能しない。
【0052】
ステップS9において、赤外線センサ3dが一定時間内に荷物の感知をしない場合には、予めメモリ7に記憶された、例えば「荷物をセンサの位置に入れてください。」等のメッセージを表示手段3bに表示すると共に、携帯電話機1とスピーカー3cからボイスメッセージを流して荷物が正常な位置に投入されるのを待つ。
【0053】
ここで、所定時間内に荷物の投入が無い場合には、CPU6は施錠機構8を駆動してボックスを自動的に施錠するオートロックを実行し、空きボックスの状態に戻す。利用者は再度ステップS2からやり直すか、クレーム係に電話する。
【0054】
ステップS9において、赤外線センサ3dが荷物を感知すると、CPU6は携帯電話機1からの施錠指示に基づいて施錠機構8を駆動して施錠を行い、これと同時に一時預かりボックス2を利用する時間制料金の課金を開始する(ステップS10)。この時、携帯電話機1と制御部4との間の電話回線が切断される。尚、24時を過ぎた時点で一泊として加算する日割制料金の課金の方法であっても良い。
【0055】
次にステップS11において、受取人の指定を行い、予めメモリ7に記憶された、例えば「受取人がご自分の場合には「11#」を押してください。受取人がご自分以外の場合には「12#」を押してください。受取人が提携業者の場合には「13#」を押してください。」等のメッセージを表示手段3bに表示すると共に、スピーカー3cからボイスメッセージを流して受取人の指示を待つ。尚、一定時間内に指示がなければ自動的に預入人を受取人と認識する。
【0056】
受取人が自分や提携業者以外の第三者である場合には、利用者は入力手段3aを用いて「12#」を押し、入力手段3aから受取人の電話番号またはe−mail(電子メール)アドレス及び暗証番号を入力する(ステップS12)。但し、受取人のID情報が携帯電話機1の電話番号となる場合には暗証番号は不要とする。
【0057】
また、受取人が提携業者である場合には、利用者は同じく入力手段3aを用いて「13#」を押す(ステップS13)。
【0058】
一時預かりボックス2の提携業者は、事前にその電話番号またはe−mail(電子メール)アドレス及び暗証番号がメモリ7や中央コンピュータ10に登録されており、多数桁からなる長いID情報を入力する代わりに短縮番号等の簡易な番号や記号を入力手段3aから入力することで手続を完了することが出来るようになっている。尚、この場合の暗証番号は提携業者から事前に登録され、且つセキュリティの目的で定期的に更新される。
【0059】
また、受取人が自分である場合には、利用者は入力手段3aを用いて「11#」を押す。受取人が自分である場合には、利用者は携帯電話機1を用いて一時預かりボックス2に電話を掛けて荷物を預けたボックスを指定するだけで該ボックスを解錠することが許容されている。
【0060】
ステップS11〜S13において、受取人の指定が行われると、利用日時、オートロックの時間、預入人、受取人、ボックス番号、利用者の電話番号、e−mail(電子メール)アドレス等の利用記録がプリンタ3fから印刷出力され、これと同時に送受信部5、インターネット9を介して上記利用情報が中央管理センターに設けられた中央コンピュータ10に送られる。
【0061】
中央コンピュータ10は指定された受取人の電話またはコンピュータ等の情報端末に対して、インターネット9を介して、預入人からどの一時預かりボックス2に荷物が預けられたかをe−mail(電子メール)やボイスメールにより通知する(ステップS14)。尚、受取人が提携業者である場合には、この時点から利用料を受取人の負担とすることでも良い。
【0062】
インターネット9を介してe−mail(電子メール)やボイスメールにより荷物が預けられたことを知得した第三者や提携業者は、指定された一時預かりボックス2に出向き、前述したと同様にステップS1〜S3を携帯電話機1または入力手段3aを用いて実施した後、ステップS4において、受取人が携帯電話機1または入力手段3aを用いて「02#」を押して出荷の指示を行う。尚、預け入れた本人も同様である。
【0063】
ステップS17において、CPU6は預け入れた利用者が予め指定した受取人(或いは本人)の携帯電話機1の電話番号、或いは暗証番号と、出向いた受取人の携帯電話機1から発信された電話番号或いは入力手段3aを用いて入力された暗証番号とを照合し、それ等が一致しない場合には、予めメモリ7に記憶された、例えば「IDが一致しないため荷物の受け取りが出来ません。」等のメッセージを表示手段3bに表示すると共に、受取人の携帯電話機1またはスピーカー3cからボイスメッセージを流して出荷不能とする(ステップS25)。
【0064】
前記ステップS17において、預け入れた利用者が予め指定した受取人の携帯電話機1の電話番号或いは暗証番号と、出向いた受取人(或いは本人)の携帯電話機1から発信された電話番号或いは入力手段3aを用いて入力された暗証番号とが一致した場合には、予めメモリ7に記憶された、例えば「利用ボックス番号を入力してください。」等のメッセージを表示手段3bに表示すると共に、受取人の携帯電話機1またはスピーカー3cからボイスメッセージを流して利用ボックス番号の入力を待つ。
【0065】
ステップS18において、受取人は入力手段3aを用いて、預け入れた利用者が予め指定した利用ボックス番号を入力し、ステップS19において、CPU6は入力された利用ボックス番号と預入人が利用したボックス番号とが一致した場合に施錠機構8を駆動して一時預かりボックス2を解錠し、これと同時に課金を停止し、電話回線が切断される(ステップS20)。
【0066】
ステップS19において入力された利用ボックス番号と預入人が利用したボックス番号とが一致しない場合には、予めメモリ7に記憶された、例えば「利用ボックス番号が一致しないため荷物の受け取りが出来ません。」等のメッセージを表示手段3bに表示すると共に、携帯電話機1またはスピーカー3cからボイスメッセージを流して出荷不能とする(ステップS26)。
【0067】
次にステップS21において、受取人は指定された一時預かりボックス2の扉を開けて荷物を出し、一時預かりボックス2の扉を閉める。ステップS22において荷物センサとなる赤外線センサ3dにより荷物の有無が検知され、CPU6に伝達される。
【0068】
ボックスの扉は手動でも閉められるが赤外線センサ3dにより荷物が取り出されたことを検知してから所定の時間(例えば1分程度)が経過すると自動的に施錠するオートロックが作動する。
【0069】
ステップS22において、赤外線センサ3dが荷物の感知をしたままの場合には、予めメモリ7に記憶された、例えば「荷物を取り出してください。」等のメッセージを表示手段3bに表示すると共に、スピーカー3cからボイスメッセージを流して荷物が取り出されるのを待つ。
【0070】
そして、赤外線センサ3dにより荷物が取り出されたことを検知してから所定の時間(例えば1分程度)が経過すると、CPU6は施錠機構8を駆動してボックスを自動的に施錠するオートロックを実行する(ステップS23)。尚、一定時間以上、荷物を赤外線センサ3dで感知し続けた場合、該ボックスはオートロックされると同時に中央コンピュータ10へ異常を通知する。
【0071】
受取日時、オートロック解除の時間、預入人、受取人、ボックス番号、利用者の電話番号等の利用記録がプリンタ3fから印刷出力され、これと同時に送受信部5、インターネット9を介して上記利用情報が中央管理センターに設けられた中央コンピュータ10に送られる。
【0072】
受取人が預入人と異なる場合、中央コンピュータ10は預入人に対して、インターネット9を介して、受取人により一時預かりボックス2の荷物が取り出されたことをe−mail(電子メール)やボイスメールにより通知する(ステップS24)。
【0073】
尚、ステップS11において第三者や提携業者を受取人に指定した後、預け入れた本人が一時預かりボックス2を解錠して荷物を取り出した場合には予定受取人に対して荷物の受け取りがキャンセルされた旨のメッセージがインターネット9を介してe−mail(電子メール)やボイスメールにより通知される。
【0074】
尚、表示手段3bやスピーカー3cから通知される各種のメッセージは携帯電話機1のディスプレイ1aにより通知され、入力手段3aを用いた各種の入力も携帯電話機1のテンキー1bを用いて入力することでも良い。
【0075】
また、一時預かりボックス2は事前に予約することが出来るようになっており、中央コンピュータ10からインターネット9を介して得られる一時預かりボックス2の空き情報等に基づいて、一時預かりボックス2から離れた場所からでも前述したステップS1〜S3を行ってステップS4で携帯電話機1のテンキー1bを用いて「01#」を入力して入荷の指示を行うと、利用者に空きボックスが通知され、利用者が携帯電話機1のテンキー1bを用いて利用ボックス番号を指定することが出来る。
【0076】
また、ステップS4において、「01#」を入力して入荷の指示を行うと、例えば「予約の場合には「03#」を入力してください。」等のメッセージが携帯電話機1のディスプレイ1aに表示され、或いはボイスメッセージを流して予約か否かの確認を行う。
【0077】
予約を行う「03#」が入力された場合には、CPU6は指定されたボックスの施錠機構8を制御して該ボックスの解錠の一時凍結を行い、これと同時に一時預かりボックス2の利用基本料金や時間制料金が携帯電話機1の電話番号に対して課金される。
【0078】
尚、予約は一時預かりボックス2の前に立った位置でも同様に行うことが出来、入力手段3aや携帯電話機1のテンキー1bによって「01#」を入力して入荷の指示を行うと、例えば「予約の場合には「03#」を入力してください。」等のメッセージが表示手段3bや携帯電話機1のディスプレイ1aに表示され、或いはスピーカー3cや携帯電話機1等からもボイスメッセージを流して予約か否かの確認を行い、入力手段3aや携帯電話機1のテンキー1bによって予約を行う「03#」を入力する。
【0079】
予約された一時預かりボックス2は再度ステップS1〜S4を行ってステップS4で「01#」を入力して入荷の指示を行うと、一旦、時間制料金の課金が中断され、ステップS7以降の預入操作が実施出来るようになっている。
【0080】
尚、前述した実施形態では、不特定多数の利用者が一時預かりボックス2を利用出来る場合の一例について説明したが、予め登録された利用者に限定した会員制の一時預かりボックス2として構成することも出来る。この場合、預入人や受取人は携帯電話機1を持たなくても予め登録された暗証番号や暗号或いは声紋を入力手段3aにより入力して利用することが出来る。
【0081】
尚、携帯電話機1を所持している場合には声紋は携帯電話機1から入力することが出来る。また、声紋は予め携帯電話機1や電話等を通じて事前に中央コンピュータ10に登録される。
【0082】
また、コイン等の現金により利用料金を支払う構成であっても良いが、携帯電話機1を用いて使用料金を事前に問い合わせることが出来るので支払うべきコイン等の現金を事前に用意しておくことが出来る。
【0083】
また、オートロックを前提とする完璧なノーマルクローズ型であり、預入人を携帯電話機1による利用に制限することにより身元の判明が容易となり、且つ解錠と同時に課金が可能となるため悪戯やごみ捨て場と化す虞がない。
【産業上の利用可能性】
【0084】
本発明の活用例として、物品の一時預かりを行うメールボックス、宅配ボックス、クリーニングボックス等の一時預かりボックスシステムに適用出来る。
【図面の簡単な説明】
【0085】
【図1】本発明に係る一時預かりボックスシステムの構成を示す模式説明図である。
【図2】本発明に係る一時預かりボックスシステムの各部の構成を示すブロック図である。
【図3】携帯電話機を用いて一時預かりボックスシステムを利用する手順を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0086】
1…携帯電話機
1a…ディスプレイ
1b…テンキー
2…一時預かりボックス
3…コントロールパネル
3a…入力手段
3b…表示手段
3c…スピーカー
3d…赤外線センサ
3e…ランプ
3f…プリンタ
4…制御部
5…送受信部
6…CPU
7…メモリ
8…施錠機構
9…インターネット
10…中央コンピュータ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一時預かりボックスシステムにおいて、
電話機能を有する送受信部と、制御部と、ボックスの扉が自動的に常時施錠されるオートロックを前提とするノーマルクローズ型の施錠機構と、記憶手段として読み書き可能なメモリと、を有し、
一時預かりボックスの利用者が携帯電話機で前記送受信部の電話番号を呼び出したとき、該携帯電話機の電話番号が発信されて前記送受信部を介して該携帯電話番号情報が前記メモリに記憶され、前記制御部はその発信された携帯電話番号情報を解錠ID情報とし、利用者が指定した利用ボックス番号に基づいて前記施錠機構の解錠制御を行って、前記ノーマルクローズ型のボックスの扉を開けるように構成されていることを特徴とする一時預かりボックスシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2009−9580(P2009−9580A)
【公開日】平成21年1月15日(2009.1.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−172895(P2008−172895)
【出願日】平成20年7月2日(2008.7.2)
【分割の表示】特願2000−140582(P2000−140582)の分割
【原出願日】平成12年5月12日(2000.5.12)
【出願人】(000003218)株式会社豊田自動織機 (4,162)
【Fターム(参考)】