説明

三輪付き立乗り型乗物

本発明に係る三輪付き立乗り型乗物は、下側に前輪が回動自在に取設される支柱軸と、前記支柱軸の上に取設される操舵部と、前記支柱軸に配設される関節部と、一方は前記関節部と連結され、他方は下側に車輪が配備された左右足載板組立体と連結される左右作動フレームと、を備え、前記関節部は、前記支柱軸に嵌着されて前記支柱軸を中心に回転する主胴体と、前記主胴体の側面に締着される主軸と、前記胴体に取設されて前記主胴体を中心に回転する補助胴体と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は三輪付き立乗り型乗物に係り、さらに詳しくは、三輪付き立乗り型乗物の構造を改良して、乗員の安全を確保することができ、且つ、目的地に着くまでの運動量を最小化させることのできる三輪付き立乗り型乗物に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に、従来の立乗り型乗物(普通、キックボードと呼ばれるもの)は、底面に2本の車輪を取り付けた50cm寸法の踏み板の上に立ったまま片足を載せ、もう一方の足で地面を蹴って得られる推進力により進み、速度が乗ったら両足を足載板に乗せて、滑走する装置である。
この種の立乗り型乗物は、約1メートルの高さのハンドルを操舵して方向を変えたり、踏み板に両足を載せてバランスを取りながら走行するものである。
このような構造を有する従来の立乗り型乗物は、高速にて走行する最中に立乗り型乗物を止めたいときには、バランスと取ると同時にフットブレーキを踏むことを余儀なくされるため、未熟練者はバランスが上手に取られず、しかも、ブレーキ動作も行えない結果、頻繁な衝突事故と安全事故を引き起こしてしまうという不都合があった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
したがって、本発明の目的は、従来技術において発生していた上記の問題を解決し、三輪付き立乗り型乗物の構造を改良して、ユーザの安全性を高めると共に、楽しみながら運動効果を得られる三輪付き立乗り型乗物を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記の目的を達成するために、本発明は、下側に前輪が回動自在に取設される支柱軸と、前記支柱軸上に取設される操舵部と、前記支柱軸に配設される関節部と、一方は前記関節部と連結され、他方は下側に車輪が配備された左右足載板組立体と連結される左右作動フレームと、を備え、前記関節部は、前記支柱軸に嵌着されて前記支柱軸を中心に回動する主胴体と、前記主胴体の側面に締着される主軸と、前記主胴体に取設されて前記主胴体を中心に回動する補助胴体と、を備える三輪付き立乗り型乗物を提供する。
本発明の効果を奏するための三輪付き立乗り型乗物の第1変形実施例において、効果的には前記主胴体は、前記支柱軸に嵌着され、前記主胴体の頂側及び底側にそれぞれ結合される上下胴体と、前記支柱軸に嵌着され、前記上下胴体の上下方にそれぞれ配設される上下軸受と、前記上下軸受の上下方にそれぞれ配設されて前記支柱軸に締着される上下締付ナットと、を備える。
本発明の効果を奏するための三輪付き立乗り型乗物の第2変形実施例において、効果的には前記補助胴体と前記上胴体との間に互いに離間して介装される左右上圧縮ばねと、前記補助胴体と前記下胴体との間に互いに離間して介装される左右下圧縮ばねと、をさらに備える。
本発明の効果を奏するための三輪付き立乗り型乗物の第3変形実施例において、効果的には前記主胴体の頂面と底面にそれぞれ形成された上下ピン孔と、前記上胴体の底面または前記下胴体の頂面に位置し、前記上ピン孔または前記下ピン孔と対応するように突設された締付ガイド突起と、を備える。
本発明の効果を奏するための三輪付き立乗り型乗物の第4変形実施例において、効果的には前記上胴体または前記下胴体の左右両側に上右支持竿及び上左支持竿または右下支持竿及び左下支持竿が設けられている。
本発明の効果を奏するための三輪付き立乗り型乗物の第5変形実施例において、効果的には前記右下支持竿及び前記左下支持竿に第1ばねガイド突起が突設され、前記上右支持竿及び前記上左支持竿に第2ばねガイド突起が突設されている。
本発明の効果を奏するための三輪付き立乗り型乗物の第6変形実施例において、効果的には前記補助胴体は、左右両側にそれぞれ設けられた左右下支持アームと、前記補助胴体の左右両側に、前記右下支持アーム及び前記左下支持アームから離れてそれぞれ設けられた左右上支持アームと、前記左右上支持アームに穿設された第3及び第4締付孔と、前記左右下支持アームにおける前記第3及び第4締付孔と対応する位置に穿設された第7及び第8締付孔と、を備える。
本発明の効果を奏するための三輪付き立乗り型乗物の第7変形実施例において、効果的には前記左右作動フレームは、前記左右作動フレームに穿設された第13締付孔と、前記左右作動フレームに前記第13締付孔のそれぞれから離れて形成された係止顎と、前記左右作動フレームと前記係止顎との間に凹設された収容溝と、前記第3締付孔と前記第7締付孔及び前記第13締付孔の一方に貫着される第1軸と、前記第4締付孔と前記第8締付孔及び前記第13締付孔のもう一方に貫着される第2軸と、前記上右下支持アームまたは前記上左下支持アームの間に固定され、前記収容溝の内部に配設される左右緩衝部材と、を備える。
本発明の効果を奏するための三輪付き立乗り型乗物の第8変形実施例において、効果的には前記補助胴体の左右両側の頂面または底面に左座り溝または右座り溝がさらに凹設されている。
本発明の効果を奏するための三輪付き立乗り型乗物の第9変形実施例において、効果的には前記左座り溝または前記右座り溝に第3ばねガイド突起または第4ばねガイド突起がさらに突設されている。
本発明の効果を奏するための三輪付き立乗り型乗物の第10変形実施例において、効果的には前記補助胴体は、前記補助胴体の左右両側の頂面または底面にそれぞれ形成された左右上基部または左右下基部と、前記左右下基部に突設された第3ばねガイド突起と、前記左右上基部に突設された第4ばねガイド突起と、を備える。
本発明の効果を奏するための三輪付き立乗り型乗物の第11変形実施例において、効果的には前記左右足載板組立体は、前記左右作動フレームとそれぞれ連設された左右回動部と、前記左右回動部を取り囲むように設けられ、前記左右回動部により左右に回動する左右足載板と、前記左右足載板の下側に配設された車輪部と、を備える。
本発明の効果を奏するための三輪付き立乗り型乗物の第12変形実施例において、効果的には前記左右足載板は、第1足載板と、前記第1足載板の下側に配設された滑り止め部材と、前記滑り止め部材の下側に位置して前記滑り止め部材を取り囲みながら前記第1足載板と結合される第2足載板と、を備える。
本発明の効果を奏するための三輪付き立乗り型乗物の第13変形実施例において、効果的には前記左右回動部は、前記左右作動フレームとそれぞれ連結され、前記滑り止め部材と前記第2足載板との間に連結フレームの回動軸が締着されて前記左右足載板を回動させる左右連結フレームと、前記回動軸と隣り合う前記左右連結フレームの両側に配設された第1及び第2係止突起と、前記滑り止め部材と前記第2足載板との間に前記回動軸から離れて締着されて、前記左右足載板の回動方向に応じて前記第1及び第2係止突起に突き当たる第1及び第2係止部材と、前記第2足載板の下側に配設されて前記回動軸と第1及び第2係止部材とを締合する固定ブラケットと、
を備える。
本発明の効果を奏するための三輪付き立乗り型乗物の第14変形実施例において、効果的には前記第1及び第2係止部材は、高い摩擦係数を有するウレタンまたは軟質ゴムから形成される。
本発明の効果を奏するための三輪付き立乗り型乗物の第15変形実施例において、効果的には前記車輪部は、前記左右足載板の下側に配設された第1及び第2車輪連結フレームと、前記第1及び第2車輪連結フレームの間に締着された1以上の車輪と、前記第1及び第2車輪連結フレームの間に前記1以上の車輪から離れて締着されて車輪を制動する制動部材と、を備える。
本発明の効果を奏するための三輪付き立乗り型乗物の第16変形実施例において、効果的には前記車輪は、横力が加わったときに所定角度だけ方向を変え、横力が除去された後に元の位置に復元可能な方向性キャスターホイールである。
本発明の効果を奏するための三輪付き立乗り型乗物の第17変形実施例において、効果的には前記車輪部は、前記足載板の下側に配設された第1及び第2車輪連結フレームと、前記第1及び第2車輪連結フレームの間に締着された2以上の車輪と、前記第1及び第2車輪連結フレームの間に前記2以上の車輪から離れて締着されていずれかの車輪を制動する制動部材と、を備える。
【発明の効果】
【0005】
本発明の三輪付き立乗り型乗物によれば、下記の効果が得られる。
第一に、ユーザの安全性を高めると共に、楽しみながら運動効果を得られる。
第二に、バランスが取られた状態で安定的に走行することから、製品の安全性の面で信頼性を高められる。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【図1】本発明の一実施形態による三輪付き立乗り型乗物を説明するための図である。
【図2】本発明の一実施形態による三輪付き立乗り型乗物における関節部の一例を説明するための図である。
【図3】本発明の一実施形態による三輪付き立乗り型乗物における関節部の一例を説明するための図である。
【図4】本発明の一実施形態による三輪付き立乗り型乗物における関節部の一例を説明するための図3のA−A線断面図である。
【図5】本発明の一実施形態による三輪付き立乗り型乗物における関節部の一例を説明するための図3のB−B線断面図である。
【図6】本発明の一実施形態による三輪付き立乗り型乗物における関節部の一例を説明するための分解図である。
【図7】図6における関節部の詳細を示す分解図である。
【図8】図6における関節部の詳細を示す分解図である。
【図9】本発明の一実施形態による三輪付き立乗り型乗物における関節部の他の例を説明するための図である。
【図10】本発明の一実施形態による三輪付き立乗り型乗物における関節部のさらに他の例を説明するための図である。
【図11】本発明の一実施形態による三輪付き立乗り型乗物における左足載板組立体の一例を説明するための図である。
【図12】本発明の一実施形態による三輪付き立乗り型乗物における左足載板組立体の一例を説明するための図である。
【図13】本発明の一実施形態による三輪付き立乗り型乗物における左足載板組立体の一例を説明するための分解図である。
【図14】本発明の一実施形態による三輪付き立乗り型乗物における左足載板組立体の左右への回動例を説明するための図である。
【図15】本発明の一実施形態による三輪付き立乗り型乗物における左足載板組立体の左右への回動例を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
したがって、本発明の目的は、従来技術において発生していた上記の問題を解決し、三輪付き立乗り型乗物の構造を改良して、ユーザの安全性を高めると共に、楽しみながら運動効果を得られる三輪付き立乗り型乗物を提供することにある。
上記の目的を達成するために、本発明は、下側に前輪が回動自在に取設される支柱軸と、前記支柱軸上に取設される操舵部と、前記支柱軸に配設される関節部と、一方は前記関節部と連結され、他方は下側に車輪が配備された左右足載板組立体と連結される左右作動フレームと、を備え、前記関節部は、前記支柱軸に嵌着されて前記支柱軸を中心に回動する主胴体と、前記主胴体の側面に締着される主軸と、前記主胴体に取設されて前記主胴体を中心に回動する補助胴体と、を備える三輪付き立乗り型乗物を提供する。
本発明の効果を奏するための三輪付き立乗り型乗物の第1変形実施例において、効果的には前記主胴体は、前記支柱軸に嵌着され、前記主胴体の頂側及び底側にそれぞれ結合される上下胴体と、前記支柱軸に嵌着され、前記上下胴体の上下方にそれぞれ配設される上下軸受と、前記上下軸受の上下方にそれぞれ配設されて前記支柱軸に締着される上下締付ナットと、を備える。
本発明の効果を奏するための三輪付き立乗り型乗物の第2変形実施例において、効果的には前記補助胴体と前記上胴体との間に互いに離間して介装される左右上圧縮ばねと、前記補助胴体と前記下胴体との間に互いに離間して介装される左右下圧縮ばねと、をさらに備える。
本発明の効果を奏するための三輪付き立乗り型乗物の第3変形実施例において、効果的には前記主胴体の頂面と底面にそれぞれ形成された上下ピン孔と、前記上胴体の底面または前記下胴体の頂面に位置し、前記上ピン孔または前記下ピン孔と対応するように突設された締付ガイド突起と、を備える。
本発明の効果を奏するための三輪付き立乗り型乗物の第4変形実施例において、効果的には前記上胴体または前記下胴体の左右両側に上右支持竿及び上左支持竿または右下支持竿及び左下支持竿が設けられている。
本発明の効果を奏するための三輪付き立乗り型乗物の第5変形実施例において、効果的には前記右下支持竿及び前記左下支持竿に第1ばねガイド突起が突設され、前記上右支持竿及び前記上左支持竿に第2ばねガイド突起が突設されている。
本発明の効果を奏するための三輪付き立乗り型乗物の第6変形実施例において、効果的には前記補助胴体は、左右両側にそれぞれ設けられた左右下支持アームと、前記補助胴体の左右両側に、前記右下支持アーム及び前記左下支持アームから離れてそれぞれ設けられた左右上支持アームと、前記左右上支持アームに穿設された第3及び第4締付孔と、前記左右下支持アームにおける前記第3及び第4締付孔と対応する位置に穿設された第7及び第8締付孔と、を備える。
本発明の効果を奏するための三輪付き立乗り型乗物の第7変形実施例において、効果的には前記左右作動フレームは、前記左右作動フレームに穿設された第13締付孔と、前記左右作動フレームに前記第13締付孔のそれぞれから離れて形成された係止顎と、前記左右作動フレームと前記係止顎との間に凹設された収容溝と、前記第3締付孔と前記第7締付孔及び前記第13締付孔の一方に貫着される第1軸と、前記第4締付孔と前記第8締付孔及び前記第13締付孔のもう一方に貫着される第2軸と、前記上右下支持アームまたは前記上左下支持アームの間に固定され、前記収容溝の内部に配設される左右緩衝部材と、を備える。
本発明の効果を奏するための三輪付き立乗り型乗物の第8変形実施例において、効果的には前記補助胴体の左右両側の頂面または底面に左座り溝または右座り溝がさらに凹設されている。
本発明の効果を奏するための三輪付き立乗り型乗物の第9変形実施例において、効果的には前記左座り溝または前記右座り溝に第3ばねガイド突起または第4ばねガイド突起がさらに突設されている。
本発明の効果を奏するための三輪付き立乗り型乗物の第10変形実施例において、効果的には前記補助胴体は、前記補助胴体の左右両側の頂面または底面にそれぞれ形成された左右上基部または左右下基部と、前記左右下基部に突設された第3ばねガイド突起と、前記左右上基部に突設された第4ばねガイド突起と、を備える。
本発明の効果を奏するための三輪付き立乗り型乗物の第11変形実施例において、効果的には前記左右足載板組立体は、前記左右作動フレームとそれぞれ連設された左右回動部と、前記左右回動部を取り囲むように設けられ、前記左右回動部により左右に回動する左右足載板と、前記左右足載板の下側に配設された車輪部と、を備える。
本発明の効果を奏するための三輪付き立乗り型乗物の第12変形実施例において、効果的には前記左右足載板は、第1足載板と、前記第1足載板の下側に配設された滑り止め部材と、前記滑り止め部材の下側に位置して前記滑り止め部材を取り囲みながら前記第1足載板と結合される第2足載板と、を備える。
本発明の効果を奏するための三輪付き立乗り型乗物の第13変形実施例において、効果的には前記左右回動部は、前記左右作動フレームとそれぞれ連結され、前記滑り止め部材と前記第2足載板との間に連結フレームの回動軸が締着されて前記左右足載板を回動させる左右連結フレームと、前記回動軸と隣り合う前記左右連結フレームの両側に配設された第1及び第2係止突起と、前記滑り止め部材と前記第2足載板との間に前記回動軸から離れて締着されて、前記左右足載板の回動方向に応じて前記第1及び第2係止突起に突き当たる第1及び第2係止部材と、前記第2足載板の下側に配設されて前記回動軸と第1及び第2係止部材とを締合する固定ブラケットと、
を備える。
本発明の効果を奏するための三輪付き立乗り型乗物の第14変形実施例において、効果的には前記第1及び第2係止部材は、高い摩擦係数を有するウレタンまたは軟質ゴムから形成される。
本発明の効果を奏するための三輪付き立乗り型乗物の第15変形実施例において、効果的には前記車輪部は、前記左右足載板の下側に配設された第1及び第2車輪連結フレームと、前記第1及び第2車輪連結フレームの間に締着された1以上の車輪と、前記第1及び第2車輪連結フレームの間に前記1以上の車輪から離れて締着されて車輪を制動する制動部材と、を備える。
本発明の効果を奏するための三輪付き立乗り型乗物の第16変形実施例において、効果的には前記車輪は、横力が加わったときに所定角度だけ方向を変え、横力が除去された後に元の位置に復元可能な方向性キャスターホイールである。
本発明の効果を奏するための三輪付き立乗り型乗物の第17変形実施例において、効果的には前記車輪部は、前記足載板の下側に配設された第1及び第2車輪連結フレームと、前記第1及び第2車輪連結フレームの間に締着された2以上の車輪と、前記第1及び第2車輪連結フレームの間に前記2以上の車輪から離れて締着されていずれかの車輪を制動する制動部材と、を備える。
以下、添付図面に基づき、本発明の好適な実施形態を詳述する。
<実施形態>
図1は、本発明の一実施形態による三輪付き立乗り型乗物を説明するための図である。
図1に示すように、本発明の一実施形態による三輪付き立乗り型乗物1は、支柱軸10の下側に前輪13が回動自在に取設され、支柱軸10の上側と下側にはそれぞれ操舵部14と関節部20が配設され、関節部20には一対の左右足載板組立体17Lおよび17Rが連結される。
前記前輪13はフォーク12に取設されるが、フォーク12は固定キャップ11に取設され、固定キャップ11は前記支柱軸10の下端に取設される。
また、前記支柱軸10は折り畳み自在に形成されてもよいが、折り畳み自在な構成は本発明の要旨ではないため、これについての詳細な説明は省く。
前記操舵部14は、通常の自転車のハンドルのような構成を有するものであり、制動レバー15がさらに設けられていてもよい。
前記制動レバー15はその動力が伝達するようにワイヤーと連結される。
前記一対の左右足載板組立体17L、17Rには前記制動レバー15と有機的に動作される制動部材150が配設されるが、その制動力はワイヤーを介して一対の左右足載板組立体17L、17Rの車輪に伝動されて制動をかけることになる。
前記関節部20は、正面から見て一対の左右足載板組立体17L、17Rが時計回りまたは反時計回りに回動可能であり、且つ、人為的な外力が除去されると初期の状態に戻る。
さらに、関節部20は、左足載板組立体17Lと右足載板組立体17Rが左右方向に別々に拡開可能であり、且つ、元の位置に戻ることも可能である。
特に、左足載板組立体17Lが拡開されたり元の位置に戻ったりするときに右足載板組立体17Rにはその動力が伝動されず、各足載板組立体が独立して動作可能になる。
このように、本発明の一実施形態による三輪付き立乗り型乗物1の関節部20は、左足載板組立体17Lと右足載板組立体17Rを所望の方向に自由に回動させることができるが、これについては後述する。
以下、図2及び図3に基づき、本発明の一実施形態による三輪付き立乗り型乗物に採用可能な関節部20を説明する。
図2及び図3は、本発明の一実施形態による三輪付き立乗り型乗物1における関節部20の一例を説明するための正面斜視図及び背面斜視図である。
図2及び図3に示すように、本発明の一実施形態による三輪付き立乗り型乗物1の関節部20は、支柱軸10に主胴体30が回動自在に取設され、主胴体30の後方には補助胴体70が回動自在に取設され、補助胴体70には左フレーム94Lと右フレーム94Rが回動自在に取設される。
前記左右フレーム94L、94Rにはそれぞれ左右作動フレーム16L、16Rが延設される。
また、前記左右作動フレーム16L、16Rにはそれぞれ左右足載板組立体17L、17Rが取設される。
以下、図4、図6及び図7に基づき、前記支柱軸10に主胴体30が回動自在に取設される構成について説明する。
図4は、本発明の一実施形態による三輪付き立乗り型乗物1における関節部20の一例を説明するための図3のA−A線断面図であり、図6は、本発明の一実施形態による三輪付き立乗り型乗物1における関節部20の一例を説明するための分解図であり、図7は、図6における関節部の詳細を示す分解図である。
特に、図6は、説明の便宜のために、関節部20を2群(第1関節群21及び第2関節群22)に分けて説明するものであり、図7および図8は、第1関節群21及び第2関節群22の詳細図である。
すなわち、支柱軸10には、固定キャップ11の上側にこの順に配設された下締付ナット61B、下軸受60B、下胴体40、主胴体30、上胴体50、上軸受60T及び上締付ナット61Tが嵌着される。
特に、前記下締付ナット61Bと上締付ナット61Tは支柱軸10に締着されて、前記上胴体50、主胴体30及び下胴体40が不意に外されることを防ぐ。
また、前記上軸受60Tと下軸受60Bは、前記上胴体50、主胴体30及び下胴体40の前記支柱軸10における回動を可能にする。
前記主胴体30は、図7に詳細に示すように、第1嵌合孔31と並ぶ方向に形成された締付タップ32Tを有するが、前記締付タップ32Tは貫通孔状に形成されてもよく、所定の深さの凹溝状に形成されてもよい。
特に、締付タップ32Tは、主胴体30に所定の深さをもつ孔として形成されるとき、頂面及び底面が対称をなすように形成されてもよい。
さらに、主胴体30の頂面と底面にはそれぞれ上ピン孔35Tと下ピン孔35Bが穿設されてもよい。
さらに、主胴体30の側面にはメインタップ33が形成され、特に、主胴体30を上から見て、第1嵌合孔31を基準としてメインタップ33が形成される側の厚さは他方の厚さよりも厚く形成され、このように厚く形成することにより、メインタップ33を一層長尺化させることが可能になる。
すなわち、メインタップ33を一層長尺化させることにより、後述する主軸101と一層堅く締合可能になる。
前記下胴体40と上胴体50は、側面から見て互いに対称をなしてもよい。
前記下胴体40はその中央に第2嵌合孔41が穿設され、前記主胴体30の締付タップ32Tと対応する位置に第1締付孔42が穿設される。
また、下胴体40の頂面における前記主胴体30の下ピン孔35Bと対応する位置に締付ガイド突起45が突設される。
前記締付ガイド突起45は、前記主胴体30と下胴体40を組み合わせるとき、組合位置を一層設定し易くするためのガイドの役割を果たすものである。
さらに、前記下胴体40の後方に延伸するようにそれぞれ右下支持竿43Rと左下支持竿43Lが形成される。
前記右下支持竿43Rと左下支持竿43Lの頂面には第1ばねガイド突起44が突設されてもよく、また、具体的に開示はしないが、後述する右下圧縮ばね93BRと左下圧縮ばね93BLを収容可能な座り溝を凹設してもよい。
前記第1ばねガイド突起44は、前記右下圧縮ばね93BRと左下圧縮ばね93BLが不意に外されることを防ぐ役割を果たす。
上胴体50の構成は前記下胴体40のそれと同様であり、側面から見て向かい合うように対称に配設されている。
すなわち、上胴体50の構成は下胴体40の構成についての説明により容易に理解できると認められ、その重複する説明は省く。
前記主胴体30に下胴体40または上胴体50を合わせ、前記下締付ボルト62Bまたは上締付ボルト62Tは第1締付孔42または第2締付孔52を介して締付タップ32Tに締め付ける。
すなわち、下締付ボルト62Bまたは上締付ボルト62Tにより下胴体40または上胴体50が主胴体30に固設される。
以下、図5、図6及び図8に基づき、補助胴体70が回動自在に取設される構成について説明する。
前記主胴体30の側面に形成されたメインタップ33には主軸101が締着され、主軸101には補助胴体70が回動自在に取設される。
また、補助胴体70の中心には主軸孔71が穿設され、その主軸孔71には複数の第3及び第4軸受99a、99bが嵌設されて、主軸101における補助胴体70の一層円滑な回転を可能にする。
また、主胴体30側に配設される第3軸受99aの外側には軸受柱100がさらに配設されてもよく、軸受柱100は補助胴体70の内部において第3軸受99aが不意に外されることを防ぐ。
具体的に開示はしないが、前記主軸101は主胴体30に締着された後にねじ緩み止め手段により主軸101が不意に緩むことを防ぐことができる。
前記ねじ緩み止めの方法としては、主胴体30の第1嵌合孔31の内側において主軸101と主胴体30を溶接して永久的に分解不能にする方法が採られ、他の方法としては、主胴体30と主軸101を貫通するようにピンを差し込むことができる。
また、主軸101のねじ部に接着剤を塗り付けた状態で、主胴体30に主軸30を固定してもよい。
以下、図5及び図8に基づき、前記補助胴体70において左フレーム94Lと右フレーム94Rが回動自在に取設される構成について説明する。
補助胴体70の左右両側には左右フレーム94L、94Rがそれぞれ取設されるが、これらの左右フレーム94L、94Rが固定される構成は、上から見て主軸101を基準に対称をなす構成である。
前記補助胴体70は左右両側の頂面にそれぞれ右座り溝78Rと左座り溝78Lが凹設され、且つ、具体的に開示はしないが、正面から見て補助胴体70の底面には前記右座り溝78Rと左座り溝78Lと対称をなす他の座り溝が凹設されてもよい。
また、前記右座り溝78Rと左座り溝78Lにはばねガイド突起が直接的に突設されもよい。
さらに、補助胴体70は、正面から見て左右に対称をなすようにそれぞれ右下支持アーム72Rと左下支持アーム72Lが形成される。
さらに、前記右下支持アーム72Rと垂直方向に離れた位置に上右支持アーム73Rが形成され、前記左下支持アーム72Lと垂直方向に離れた位置に上左支持アーム73Lが形成される。
前記上右支持アーム73Rと上左支持アーム73Lには垂直方向に第3及び第4締付孔77a、77bが穿設される。
さらに、前記右下支持アーム72Rと左下支持アーム72Lには前記第3及び第4締付孔77a、77bと対応する位置に第7及び第8締付孔75a、75bが穿設される。
前記第7及び第8締付孔75a、75bには雌ねじなどのタップが形成されてもよい。
また、前記上右支持アーム73Rと上左支持アーム73Lには、上から見て垂直方向に第3及び第4締付孔77a、77bの外側に第5及び第6締付孔76a、76bが穿設される。
さらに、前記右下支持アーム72Rと左下支持アーム72Lには前記第5及び第6締付孔76a、76bと対応する位置に第1及び第2タップ74a、74bが形成される。
さらに、補助胴体70の上方には別途の上右基部90TRと上左基部90TLがさらに配設されてもよく、また、補助胴体70の下方には別途の右下基部90BRと左下基部90BLがさらに配設されてもよい。
前記上右下基部90TR、90BRと上左下基部90TL、90BLは互いに対称をなしている。
すなわち、上左基部90TLと右下基部90BRは同様に構成されて向かい合うように配設される。
また、前記上右基部90TR、上左基部90TL、右下基部90BR及び左下基部90BLは外表面にそれぞれ第3及び第4ばねガイド突起91a、91bが突設されてもよい。
前記第3ばねガイド突起91aは前記上右圧縮ばね93TRと上左圧縮ばね93TLに嵌着されて不意に外されることが防がれる。
前記上右圧縮ばね93TR、上左圧縮ばね93TL、右下圧縮ばね93BR及び左下圧縮ばね93BLは、説明の便宜上、複数の圧縮ばねと統称する。
また、前記第4ばねガイド突起91bは前記右下圧縮ばね93BRと左下圧縮ばね93BLに嵌着されて不意に外されることが防がれる。
一方、図3及び図9に示すように、前記上右圧縮ばね93TRと上左圧縮ばね93TLは、前後方からみるとき、台形状に傾設されてもよい。
他方、図3及び図10に示すように、前記右下圧縮ばね93BRと左下圧縮ばね93BLは前方または後方からみるとき、逆台形状に傾設されてもよい。
すなわち、上右圧縮ばね93TRと左下圧縮ばね93BLは並設されてもよく、上左圧縮ばね93TLと右下圧縮ばね93BRは並設されてもよい。
上述したように、上右圧縮ばね93TRと上左圧縮ばね93TLが台形状に配設され、且つ、右下圧縮ばね93BRと左下圧縮ばね93BLが逆台形状に配設されるのである。
このように、台形状または逆台形状に配設する理由は、主軸101を中心に補助胴体70が回転するときに複数の圧縮ばねに加えられる応力が圧縮ばねの長手方向に加えられるようにするためである。
このため、走行中には主胴体30において補助胴体70が不規則的に回転運動をするが、このとき、複数の圧縮ばねが能動的に耐えうることになる。
また、前記上右基部90TR、上左基部90TL、右下基部90BR及び左下基部90BLにはそれぞれ第9、第10、第11、第12締付孔92a、92b、92c、92dが穿設されてもよく、第9、第10、第11、第12締付孔92a、92b、92c、92dは前記第3及び第4締付孔77a、77bと対応する位置であってもよい。
すなわち、前記上右基部90TR、上左基部90TL、右下基部90BR及び左下基部90BLは補助胴体70と組み合わせられたときに補助胴体70とは異なる材質から形成されることにより異質感を有するものであり、外観を異ならしめると共に、立体感を演出する。
また、前記上右支持アーム73Rと右下支持アーム72Rとの間には右フレーム94Rが介装される。
前記右フレーム94Rは垂直方向に第13の締付孔95が穿設され、第13締付孔95の前方外側には係止顎96が形成され、係止顎96と右フレーム94Rの前方との間には収容溝97が凹設される。
すなわち、前記右フレーム94Rは前記上右支持アーム73Rと右下支持アーム72Rとの間に嵌着され、このとき、第13締付孔95は第3締付孔77a及び第7締付孔75aと整合され、第3締付孔77aには第1軸103aが嵌合される。
また、第1軸103aはその端部が締まり嵌めにより第7締付孔75aに嵌まり込んで第7締付孔75aに嵌着されてもよい。
また、第1軸103aは端部に雄ねじが形成されてもよく、第7締付孔75aにタップが形成されてもよいが、このときには、第1軸103aが第3締付孔77aにねじで締着可能である。
また、第1軸103aは端部に雄ねじが形成されてもよく、第7締付孔の外側に別途のナットをさらに設けてもよいが、このときには、第1軸103aが別途のナットに締着可能である。
他方、左フレーム94Lは前記右フレーム94Rの構成と対称の構成を有するものであり、左フレーム94Lの構成は理解し易いものであるため別途の説明は省く。
また、前記右フレーム94Rの前方には右緩衝部材98Rが取設される。
前記右緩衝部材98Rは、衝撃吸収効率に優れた材質(例えば、ゴム、ウレタン)から管体状に形成されてもよい。
すなわち、前記右緩衝部材98Rは前記上右支持アーム73Rと右下支持アーム72Rとの間に嵌まり込み、このとき、右緩衝部材98Rは第5締付孔76a及び第1タップ74aと整合され、第1締付ボルト102aが第5締付孔76aに嵌まり込んだ後にねじで第1タップ74aに締め付けられる。
また、右緩衝部材98Rは、図5に示すように、前記右フレーム94Rの収容溝97の内部に収容されるように配設されてもよい。
ここで、図7は、本発明に採用可能な主胴体30の上下側に上胴体50と下胴体40が組み付けられる一例を開示しているが、本発明はこれに限定されるものではない。
例えば、図7には、主胴体30の上側と下側にそれぞれ上胴体50と下胴体40が組み付けられることが示してあるが、これとは異なり、図9に示すように、主胴体30と上胴体50だけで組み立ててもよく、図10に示すように、主胴体30と下胴体40だけで組み立ててもよい。
すなわち、図9に示す実施形態は、補助胴体70が初期の水平状態に戻るときに上右圧縮ばね93TRと上左圧縮ばね93TLにより復元力が発生するものである。
図10に示す実施形態は、補助胴体70が初期の水平状態に戻るとき、右下圧縮ばね93BRと左下圧縮ばね93BLにより復元力が発生するものである。
図11及び図12は、本発明の一実施形態による三輪付き立乗り型乗物における左足載板組立体の一例を説明するための図であり、図13は、本発明の一実施形態による三輪付き立乗り型乗物における左足載板組立体の一例を説明するための分解図である。
図14及び図15は、本発明の一実施形態による三輪付き立乗り型乗物における左足載板組立体が左右に回動する一例を説明するための図である。
先ず、本発明の一実施形態による三輪付き立乗り型乗物の左足載板組立体と右足載板組立体は互いに対称をなすように配設される。このため、本発明の一実施形態による三輪付き立乗り型乗物の左右足載板組立体は、説明の便宜上、左足載板組立体を例に取って説明する。
図11から図15に示すように、本発明の一実施形態による三輪付き立乗り型乗物の左足載板組立体17Lおよび右足載板組立体17Rは、左右回動部201、左右足載板221、車輪部241などを備えている。
左右回動部201は、左右作動フレーム16L、16Rにそれぞれ連設される。具体的に、左右回動部201は左右連結フレーム202、第1係止突起204、第2係止突起206、第1係止部材216、第2係止部材217、固定ブラケット218などを備えている。
ここで、左右連結フレーム202は左右作動フレーム16L、16Rとそれぞれ連結され、後述する左右足載板221の滑り止め部材223と第2足載板225との間に回動軸224aが左右連結フレーム孔203を貫通して締着される。
このとき、回動軸224aは第1及び第2軸受213、215と締合されてもよい。
前記第1及び第2軸受213、215は後述する左右足載板221を一層強固に支持し、左右連結フレーム202との締結性を高めて左右連結フレーム202を効率よく回動させる。
第1及び第2係止突起204、206は回動軸224aと隣り合う左右連結フレーム202の両側に配設される。
また、第1及び第2係止部材216、217は後述する左右足載板221の滑り止め部材223と第2足載板225との間に回動軸224aから離れるように配設される。
このとき、第1及び第2係止部材216、217は第1及び第2補助用回動軸224b、224cに嵌着される。
これらの第1及び第2係止部材216、217は後述する左右足載板221の回動方向に応じて第1及び第2係止突起204、206に選択的に突き当たる。
ここで、第1及び第2係止部材216、217はウレタン軟質ゴムから形成されることが好ましい。
固定ブラケット218は、後述する第2足載板225の下側に配設され、第1及び第2締付ボルト219、220により回動軸224aと第1及び第2補助用回動軸224b、224cをねじ締合するように配設される。
左右足載板221は左右回動部201を取り囲むように配設され、左右回動部201により左右に回動される。
このとき、左右足載板221は第1足載板222、滑り止め部材223、第2足載板225などを備える。
第1足載板222はユーザの足を載せるためのものであり、特に滑り止め部材223は第1足載板222の下側に配設されてユーザの足が滑り込むことを防ぐ。
第2足載板225は、滑り止め部材223の下側に位置して滑り止め部材223を取り囲みながら第1足載板222と締合される。
このとき、第1足載板222と滑り止め部材223は締合のための締付溝222aと締付突起223aなどを備え、第1足載板222と滑り止め部材223及び第2足載板225はボス226と第3及び第4締付ボルト227、228により締着可能である。
前記車輪部241は左右足載板221の下側に配設されるが、車輪部241は第1及び第2車輪連結フレーム242、244、車輪246、制動部材250などを備える。
第1及び第2車輪連結フレーム242、244は第2足載板225の下側に互いに離間して配設され、車輪246は2以上が第1及び第2車輪連結フレーム242、244の間に位置して締付手段247、248、249により締着される。
制動部材250は第1及び第2車輪連結フレーム242の間に位置して2以上の車輪246と離間して配設されて2以上の車輪246のうちの1以上の車輪246を制動するように配設される。
より具体的に、制動部材250はストッパー250a、ブレーキライン収集手段250b、トーションばね250c、固定ピン250dなどを備え、前記ストッパー250aは第1及び第2車輪連結フレーム242、244の間に位置して2以上の車輪246と離間して配設されるが、いずれか1以上の車輪246を制動させる。
このとき、ストッパー250aの先端にブレーキラインを集めるためのブレーキライン収集手段250bが第5締付ボルト251により締着され、ストッパー250aの隣には固定ピン250dにより固定され、ストッパー250aを元の位置に戻すトーションばね250cが配設される。
以下、本発明の一実施形態による三輪付き立乗り型乗物1の作用を説明する。
本発明の一実施形態による三輪付き立乗り型乗物1は、乗員が左右足載板組立体17L、17Rに立ち乗った状態で走行することになる。
特に、乗員が操舵部14のハンドルを千鳥状に動かしながら左足載板組立体17Lまたは右足載板組立体17Rを外方に押し出すように力を加えて推進力を得て前方に進むものであり、まるでインラインスケートまたは氷上スケートをするように動くのである。
このとき、乗員が操舵部14を捻ったときに主胴体30において支柱軸10が回転して三輪付き立乗り型乗物1の方向を変えることが可能になる。
また、図5に示すように、乗員の運動方向に応じて左右足載板組立体17L、17Rは拡開または収縮される。
特に、左足載板組立体17Lまたは右足載板組立体17Rが最外側の限界または最内側の限界に達すると、左フレーム94Lまたは右フレーム94Rが左緩衝部材98Lまたは右緩衝部材98Rに引っかかってそれ以上拡開または収縮できないようにする。
特に、図5の詳細図に示すように、第1内壁97aまたは反対側の第2内壁97bは左緩衝部材98Lまたは右緩衝部材98Rを圧縮させると共に、衝撃を吸収することになる。
他方、図5に示すように、左フレーム94Lまたは右フレーム94Rの回転中心となる第1及び第2軸103a、103Bは支柱軸10の中心よりも前方に配設され、且つ、補助胴体70は主胴体30の後方側に取設される。
すなわち、左足載板組立体17Lまたは右足載板組立体17Rの各運動半径は従来の同じサイズの三輪付き立乗り型乗物1に比べるとき一層大きく形成され、これにより、本発明の三輪付き立乗り型乗物1は一層安定した走行が可能となる。
また、図3、図9及び図10に示すように、左フレーム94Lと右フレーム94Rは補助胴体70に取設されたものであり、左フレーム94Lの先端部が下がると必ず反対側である右フレーム94Rの先端部が常に上がるように構成されている。
乗員が走行中に三輪付き立乗り型乗物1の推進力を生じさせるためには体重を左側または右側に移動しながら左側または右側の外側に地面を蹴るように運動を繰り返し行うが、このとき、体重が載っていない側の足載板組立体のうちの1つ(左足載板組立体または右足載板組立体)は地面との摩擦が起こらないように瞬時に地面から浮かび上がるような状態となる。
本発明の一実施形態よる三輪付き立乗り型乗物1は、上述したように、体重が載っていない側、例えば、左足載板組立体17Lに体重が載ったならば、右足載板組立体17Rは地面に接することなく浮かび上がることになる。
また、右足載板組立体17Rが浮かび上がる度合いは、乗員の熟練度による。
すなわち、走行中に推進力を生じさせるに当たって、地面との間に引き起こされる余計な摩擦抵抗を極力抑えることが可能になることから、なお一層の高速化が図れる。
また、どちらか一方の足載板組立体(左足載板組立体または右足載板組立体)が浮かび上がることは、結局として主胴体30から補助胴体70が角度回転するものと理解可能であり、 このとき、補助胴体70は無限に回転するのではなく、補助胴体70と上胴体50または補助胴体70と下胴体40との間に介装される上右圧縮ばね93TR、上左圧縮ばね93TL、右下圧縮ばね93BR及び左下圧縮ばね93BLの応力に応じて制限される。
他方、図3に示すように、上左右下のいずれに圧縮ばねが配設されたときには主軸101を基準として対角線方向に位置する圧縮ばねは圧縮と復元が同時に行われると共に、能動的に対応することができて安定した走行を期待することができる。
また、図9または図10に示すように、左右上または左右下に圧縮ばねが配設されたときには関節部20の構成を単純化させることができ、これにより、製造コストを下げることができる。
さらに、図14及び図15に示すように、左右足載板組立体が左右に回動可能であることから、外方に押し出すように力を加えて推進力を得ながら前方に進むことができて、所望の目的地までの運動量を極力抑えることができる。
本発明が属する技術分野における通常の知識を持った者は、本発明がその技術的思想や必須の特徴を変更することなく他の具体的な形態に実施可能であるということが理解できる筈である。よって、上述した実施形態はあらゆる面で例示的なものに過ぎず、限定的なものではないと理解すべきであり、本発明の範囲は前記詳細な説明よりは特許請求の範囲により明確になり、特許請求の範囲の意味及び範囲、並びにその等価概念から導き出されるあらゆる変更または変形された形態が本発明の範囲に含まれるものと解釈されるべきである。
【符号の説明】
【0008】
1:三輪付き立乗り型乗物
10:支柱軸
11:固定キャップ
12:フォーク
13:前輪
14:操舵部
15:制動レバー
16R、16L:右左作動フレーム
17R、17L:右左足載板組立体
20:関節部
21、22:第1及び第2関節群
30:主胴体
31:第1嵌合孔
32T:締付タップ
33:メインタップ
35T:上ピン孔
35B:下ピン孔
40:下胴体
41:第2嵌合孔
42:第1締付孔
43R:右下支持竿
43L:左下支持竿
44:第1ばねガイド突起
45:締付ガイド突起
50:上胴体
51:第3取設孔
52:第2締付孔
53R:上右支持竿
53L:上左支持竿
54:第2ばねガイド突起
55:締付ガイド突起
60T:上軸受
60B:下軸受
61T:上締付ナット
61B:下締付ナット
62T:上締付ボルト
62B:下締付ボルト
70:補助胴体
71:主軸孔
72R:右下支持アーム
72L:左下支持アーム
73R:上右支持アーム
73L:上左支持アーム
74a、74b:第1及び第2タップ
75a、75b:第7及び第8締付孔
76a、76b:第5及び第6締付孔
77a:77b:第3及び第4締付孔
78R:右座り溝
78L:左座り溝
90TR:上右基部
90TL:上左基部
90BR:右下基部
90BL:左下基部
91a:第3ばねガイド突起
91b:第4ばねガイド突起
92a、92b、92c、92d:第9、第10、第11、第12締付孔
93TR:上右圧縮ばね
93TL:上左圧縮ばね
93BR:右下圧縮ばね
93BL:左下圧縮ばね
94R:右フレーム
94L:左フレーム
95:第13締付孔
96:係止顎
97:収容溝
97a、97b:第1及び第2内壁
98R:右緩衝部材
98L:左緩衝部材
99a、99b:第3及び第4軸受
100:軸受柱
101:主軸
102a、102b:第1及び第2締付ボルト
103a、103b:第1及び第2軸
201:左右回動部
202:連結フレーム
203:連結フレーム孔
204:第1係止突起
206:第2係止突起
213:第1軸受
215:第2軸受
216:第1係止部材
217:第2係止部材
218:固定ブラケット
219:第1締付ボルト
220:第2締付ボルト
221:左右足載板
222:第1足載板
222a:締付溝
223:滑り止め部材
223a:締付突起
224a:回動軸
224b:第1補助用回動軸
224c:第2補助用回動軸
225:第2足載板
226:ボス
227:第3締付ボルト
228:第4締付ボルト
241:車輪部
242:第1車輪連結フレーム
244:第2車輪連結フレーム
246:車輪
247、248、249:締付手段
250:制動部材
250a:ストッパー
250b:ブレーキライン収集手段
250c:トーションばね
250d:固定ピン
251:第5締付ボルト

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下側に前輪が回動自在に取設される支柱軸と、
前記支柱軸の上に取設される操舵部と、
前記支柱軸に配設される関節部と、
一方は前記関節部と連結され、他方は下側にそれぞれ車輪が配備された左右足載板組立体と連結される左右作動フレームと、
を備え、
前記関節部は、
前記支柱軸に嵌着されて前記支柱軸を中心に回転する主胴体と、
前記主胴体の側面に締着される主軸と、
前記主胴体に取設されて前記主胴体を中心に回転する補助胴体と、
を備える三輪付き立乗り型乗物。
【請求項2】
前記主胴体は、
前記支柱軸に嵌着され、前記主胴体の頂側及び底側にそれぞれ結合される上下胴体と、
前記支柱軸に嵌着され、前記上下胴体の上下方にそれぞれ配設される上下軸受と、
前記上下軸受の上下方にそれぞれ配設されて前記支柱軸に締着される上下締付ナットと、
を備える請求項1に記載の三輪付き立乗り型乗物。
【請求項3】
前記補助胴体と前記上胴体との間に互いに離間して介装される左右上圧縮ばねと、
前記補助胴体と前記下胴体との間に互いに離間して介装される左右下圧縮ばねと、
をさらに備える請求項2に記載の三輪付き立乗り型乗物。
【請求項4】
前記主胴体の頂面と底面にそれぞれ形成された上下ピン孔と、
前記上胴体の底面または前記下胴体の頂面に位置し、前記上ピン孔または前記下ピン孔と対応するように突設された締付ガイド突起と、
を備える請求項1または2に記載の三輪付き立乗り型乗物。
【請求項5】
前記上胴体または前記下胴体の左右両側に上右支持竿及び上左支持竿または右下支持竿及び左下支持竿が設けられている請求項4に記載の三輪付き立乗り型乗物。
【請求項6】
前記右下支持竿及び前記左下支持竿に第1ばねガイド突起が突設され、前記上右支持竿及び前記上左支持竿に第2ばねガイド突起が突設されている請求項5に記載の三輪付き立乗り型乗物。
【請求項7】
前記補助胴体は、
左右両側にそれぞれ設けられた左右下支持アームと、
前記補助胴体の左右両側に、前記右下支持アーム及び前記左下支持アームから離れてそれぞれ設けられた左右上支持アームと、
前記左右上支持アームにそれぞれ穿設された第3及び第4締付孔と、
前記左右下支持アームにおける前記第3及び第4締付孔と対応する位置に穿設された第7及び第8締付孔と、
を備える請求項1に記載の三輪付き立乗り型乗物。
【請求項8】
前記左右作動フレームは、
前記左右作動フレームに穿設された第13締付孔と、
前記左右作動フレームに前記第13締付孔から離れて形成された係止顎と、
前記左右作動フレームと前記係止顎との間に凹設された収容溝と、
前記第3締付孔と前記第7締付孔及び前記第13締付孔の一方に貫着される第1軸と、
前記第4締付孔と前記第8締付孔及び前記第13締付孔のもう一方に貫着される第2軸と、
前記上右下支持アームまたは前記上左下支持アームの間に固定され、前記収容溝の内部に配設される左右緩衝部材と、
を備える請求項7に記載の三輪付き立乗り型乗物。
【請求項9】
前記補助胴体の頂面または底面に左座り溝または右座り溝がさらに凹設されている請求項7に記載の三輪付き立乗り型乗物。
【請求項10】
前記左座り溝または前記右座り溝に第3ばねガイド突起または第4ばねガイド突起がさらに突設されている請求項9に記載の三輪付き立乗り型乗物。
【請求項11】
前記補助胴体は、
前記補助胴体の頂面または底面にそれぞれ形成された左右上基部または左右下基部と、
前記左右下基部に突設された第3ばねガイド突起と、
前記左右上基部に突設された第4ばねガイド突起と、
を備える請求項7に記載の三輪付き立乗り型乗物。
【請求項12】
前記左右足載板組立体は、
前記左右作動フレームとそれぞれ連設された左右回動部と、
前記左右回動部を取り囲むように設けられ、前記左右回動部により左右に回動する左右足載板と、
前記左右足載板の下側に配設された車輪部と、
を備える請求項1に記載の三輪付き立乗り型乗物。
【請求項13】
前記左右足載板は、
第1足載板と、
前記第1足載板の下側に配設された滑り止め部材と、
前記滑り止め部材の下側に位置して前記滑り止め部材を取り囲みながら前記第1足載板と結合される第2足載板と、
を備える請求項12に記載の三輪付き立乗り型乗物。
【請求項14】
前記左右回動部は、
前記左右作動フレームとそれぞれ連結され、前記滑り止め部材と前記第2足載板との間に前記連結フレームの回動軸が締着されて前記左右足載板を回動させる左右連結フレームと、
前記回動軸と隣り合う前記左右連結フレームの両側に配設された第1及び第2係止突起と、
前記滑り止め部材と前記第2足載板との間に前記回動軸から離れて締着されて、前記左右足載板の回動方向に応じて前記第1及び第2係止突起に突き当たる第1及び第2係止部材と、
前記第2足載板の下側に配設されて前記回動軸と第1及び第2係止部材とを締合する固定ブラケットと、
を備える請求項13に記載の三輪付き立乗り型乗物。
【請求項15】
前記第1及び第2係止部材は、高い摩擦係数を有するウレタンまたは軟質ゴムから形成される請求項14に記載の三輪付き立乗り型乗物。
【請求項16】
前記車輪部は、
前記左右足載板の下側に配設された第1及び第2車輪連結フレームと、
前記第1及び第2車輪連結フレームの間に締着された1以上の車輪と、
前記第1及び第2車輪連結フレームの間に前記1以上の車輪から離れて締着されて車輪を制動する制動部材と、
を備える請求項12に記載の三輪付き立乗り型乗物。
【請求項17】
前記1以上の車輪は、横力が加わったときに所定角度だけ方向を変え、横力が除去された後に元の位置に復元可能な方向性キャスターホイールである請求項16に記載の三輪付き立乗り型乗物。
【請求項18】
前記車輪部は、
前記左右足載板の下側に配設された第1及び第2車輪連結フレームと、
前記第1及び第2車輪連結フレームの間に締着された2以上の車輪と、
前記第1及び第2車輪連結フレームの間に前記2以上の車輪から離れて締着されていずれかの車輪を制動する制動部材と、
を備える請求項12に記載の三輪付き立乗り型乗物。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公表番号】特表2011−510691(P2011−510691A)
【公表日】平成23年4月7日(2011.4.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−540589(P2010−540589)
【出願日】平成20年12月29日(2008.12.29)
【国際出願番号】PCT/KR2008/007760
【国際公開番号】WO2009/091136
【国際公開日】平成21年7月23日(2009.7.23)
【出願人】(510169321)エムエスケイアイ コーポレーション (1)
【Fターム(参考)】