説明

上位セッション管理サーバ、上位セッション管理方法、プログラムおよび上位セッション管理システム

【課題】異なる複数の機器を連携させた通信サービスを容易に実現することのできる上位セッション管理サーバを提供する。
【解決手段】セッションDBにおいて、サービスの開始命令に示されるサービス種情報に対応付けられている複数のセッション種情報を特定するメディア特定部602と、開始命令に示されるデバイス識別情報のうち、セッションDBにおいて、メディア特定部602により特定されたセッション種に対応付けられているデバイス識別情報を特定するデバイス特定部603と、セッションDBにおいて、デバイス特定部603により特定されたデバイス識別情報に対応付けられている複数のセッション情報に基づいて、複数のセッションを開始することにより前記サービスを行うセッション制御部606とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数のデバイス間の通信セッションを管理する上位セッション管理サーバ、上位セッション管理方法、プログラムおよび上位セッション管理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、電話、FAX、IM(Instant Messenger)、TV会議などがSIP(Session Initiation Protocol)により実現されている。これらのサービスを実現するリアルタイム通信機器の増加に伴ってコミュニケーション手段も増加し、ユーザの利便性が向上している。
【0003】
例えば、特許文献1には、シグナリングを用いたサービスとして、電話網に接続されている音声通信機器とインターネットなどの公衆回線網に接続されている映像通信機器とを用いてテレビ会議を実現する方法が開示されている。
【0004】
また、特許文献2には、IP電話によるセッションが確立された場合に、夫々のIP電話に関連付けられた情報処理装置によるセッションを確立する方法が開示されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、一般に提供されるTV会議システムでは、音声通信と映像通信の融合が図られているが、ベンダ毎に同時のシステムとして提供されることが多く、異なるベンダの機器を組み合わせてTV会議システムを実現することは困難であった。
【0006】
特許文献1にかかる技術においては、電話とTV以外の機器の連携は考慮されておらず、また特許文献2にかかる技術においては、それぞれの機器に専用の処理が必要となる。
【0007】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、異なる複数の機器を連携させた通信サービスを容易に実現することのできる上位セッション管理サーバ、上位セッション管理方法、プログラムおよび上位セッション管理システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、複数のデバイス間の通信セッションを管理するセッション管理サーバとネットワークを介して接続する上位セッション管理サーバであって、前記セッション管理サーバから、複数のセッションを利用するサービスの開始を指示する情報と、前記サービスの種類を示すサービス種情報と、前記サービスに参加するデバイスを識別するデバイス識別情報とを含む開始命令を受信する受信手段と、前記サービス種情報と、前記サービスにおいて利用されるセッションの種類を示すセッション種情報とを対応付けて記憶する第1記憶手段と、前記デバイス識別情報と、前記デバイスが利用されるセッションの前記セッション種情報とを対応付けて記憶する第2記憶手段と、前記デバイス識別情報と、前記デバイスがセッションを行うときに利用するセッション情報とを対応付けて記憶する第3記憶手段と、前記第1記憶手段において、前記受信手段が受信した前記サービス種情報に対応付けられている複数の前記セッション種情報を特定するセッション種特定手段と、前記受信手段が受信した前記デバイス識別情報のうち、前記第2記憶手段において、前記セッション種特定手段により特定された前記セッション種情報に対応付けられている複数の前記デバイス識別情報を特定するデバイス特定手段と、前記第3記憶手段において、前記デバイス特定手段により特定された複数の前記デバイス識別情報それぞれに対応付けられている複数の前記セッション情報を特定するセッション情報特定手段と、前記セッション情報特定手段により特定された複数のセッション情報に基づいて、複数のセッションを開始することにより前記サービスを行うセッション制御手段とを備えることを特徴とする。
【0009】
また、本発明の他の形態は、複数のデバイス間の通信セッションを管理するセッション管理サーバとネットワークを介して接続する上位セッション管理サーバにおけるセッション管理方法であって、前記上位セッション管理サーバは、前記サービス種情報と、前記サービスにおいて利用されるセッションの種類を示すセッション種情報とを対応付けて記憶する第1記憶手段と、前記デバイス識別情報と、前記デバイスが利用されるセッションの前記セッション種情報とを対応付けて記憶する第2記憶手段と、前記デバイス識別情報と、前記デバイスがセッションを行うときに利用するセッション情報とを対応付けて記憶する第3記憶手段とを備え、受信手段が、前記セッション管理サーバから、複数のセッションを利用するサービスの開始を指示する情報と、前記サービスの種類を示すサービス種情報と、前記サービスに参加するデバイスを識別するデバイス識別情報とを含む開始命令を受信する受信ステップと、セッション種特定手段が、前記第1記憶手段において、前記受信ステップで受信した前記サービス種情報に対応付けられている複数の前記セッション種情報を特定するセッション種特定ステップと、デバイス特定手段が、前記受信ステップで受信した前記デバイス識別情報のうち、前記第2記憶手段において、前記セッション種特定ステップで特定された前記セッション種情報に対応付けられている複数の前記デバイス識別情報を特定するデバイス特定ステップと、セッション情報特定手段が、前記第3記憶手段において、前記デバイス特定ステップにおいて特定された複数の前記デバイス識別情報それぞれに対応付けられている複数の前記セッション情報を特定するセッション情報特定ステップと、セッション制御手段が、前記セッション情報特定手段により特定された複数のセッション情報に基づいて、複数のセッションを開始することにより前記サービスを行うセッション制御ステップとを有することを特徴とする。
【0010】
また、本発明の他の形態は、複数のデバイス間の通信セッションを管理するセッション管理サーバとネットワークを介して接続するコンピュータにおいて実行されるプログラムであって、前記コンピュータは、前記サービス種情報と、前記サービスにおいて利用されるセッションの種類を示すセッション種情報とを対応付けて記憶する第1記憶手段と、前記デバイス識別情報と、前記デバイスが利用されるセッションの前記セッション種情報とを対応付けて記憶する第2記憶手段と、前記デバイス識別情報と、前記デバイスがセッションを行うときに利用するセッション情報とを対応付けて記憶する第3記憶手段とを備え、前記セッション管理サーバから、複数のセッションを利用するサービスの開始を指示する情報と、前記サービスの種類を示すサービス種情報と、前記サービスに参加するデバイスを識別するデバイス識別情報とを含む開始命令を受信する受信ステップと、前記第1記憶手段において、前記受信ステップで受信した前記サービス種情報に対応付けられている複数の前記セッション種情報を特定するセッション種特定ステップと、前記受信ステップで受信した前記デバイス識別情報のうち、前記第2記憶手段において、前記セッション種特定ステップで特定された前記セッション種情報に対応付けられている複数の前記デバイス識別情報を特定するデバイス特定ステップと、前記第3記憶手段において、前記デバイス特定ステップにおいて特定された複数の前記デバイス識別情報それぞれに対応付けられている複数の前記セッション情報を特定するセッション情報特定ステップと、前記セッション情報特定手段により特定された複数のセッション情報に基づいて、複数のセッションを開始することにより前記サービスを行うセッション制御ステップとをコンピュータに実行させるためのプログラムである。
【0011】
また、本発明の他の形態は、複数のデバイスと、前記複数のデバイス間の通信セッションを管理するセッション管理サーバと、前記セッション管理サーバとネットワークを介して接続する上位セッション管理サーバとを備えた上位セッションシステムであって、前記複数のデバイスのうち第1デバイスは、複数のセッションを利用するサービスの開始を指示する情報と、開始するサービスの種類を示すサービス種情報と、前記サービスに参加するデバイスを識別するデバイス識別情報とを含む開始命令を送信する送信手段を有し、前記上位セッション管理サーバは、前記第1デバイスから前記セッション管理サーバを介して、前記開始命令を受信する受信手段と、前記サービス種情報と、前記サービスにおいて利用されるセッションの種類を示すセッション種情報とを対応付けて記憶する第1記憶手段と、前記デバイス識別情報と、前記デバイスが利用されるセッションの前記セッション種情報とを対応付けて記憶する第2記憶手段と、前記デバイス識別情報と、前記デバイスがセッションを行うときに利用するセッション情報とを対応付けて記憶する第3記憶手段と、前記第1記憶手段において、前記受信手段が受信した前記サービス種情報に対応付けられている複数の前記セッション種情報を特定するセッション種特定手段と、前記受信手段が受信した前記デバイス識別情報のうち、前記第2記憶手段において、前記セッション特定手段により特定された前記セッション種に対応付けられている複数の前記デバイス識別情報を特定するデバイス特定手段と、前記第3記憶手段において、前記デバイス特定手段により特定された複数の前記デバイス識別情報それぞれに対応付けられている複数の前記セッション情報を特定するセッション情報特定手段と、前記セッション情報特定手段により特定された複数のセッション情報に基づいて、複数のセッションを開始することにより前記サービスを行うセッション制御手段とを有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、異なる複数の機器を連携させた通信サービスを容易に実現することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】図1は、第1の実施の形態にかかる通信システム10の全体構成を示す図である。
【図2】図2は、上位セッション管理サーバ600の主な構成を示すブロック図である。
【図3】図3は、第1テーブル701のデータ構成を模式的に示す図である。
【図4】図4は、第2テーブル702のデータ構成を模式的に示す図である。
【図5】図5は、第3テーブル703のデータ構成を模式的に示す図である。
【図6】図6は、第4テーブル704のデータ構成を模式的に示す図である。
【図7】図7は、第5テーブル705のデータ構成を模式的に示す図である。
【図8】図8は、テレビ会議を開始する際の通信システム10における通信シーケンス図である。
【図9】図9は、開始リクエストを示す図である。
【図10】図10は、上位セッション情報生成処理(ステップS106)における上位セッション管理サーバ600の詳細な処理を示すフローチャートである。
【図11】図11は、上位セッション情報を示す図である。
【図12】図12は、上位セッション管理サーバ600のセッション制御部606の制御の下実行されるセッション開始処理を示すシーケンス図である。
【図13】図13は、上位セッションの終了処理を示すシーケンス図である。
【図14】図14は、上位セッション管理サーバ600のセッション制御部606の制御の下実行されるセッション終了処理(ステップS206)を示すシーケンス図である。
【図15】図15は、この場合の通信シーケンス図である。
【図16】図16は、リクエストを示す図である。
【図17】図17は、リクエストを示す図である。
【図18】図18は、上位セッション情報更新処理(ステップS308)における上位セッション管理サーバ600による処理を示すフローチャートである。
【図19】図19は、更新後の上位セッション情報を示す図である。
【図20】図20は、途中参加者がサービスを特定する情報を知っている場合の通信シーケンス図である。
【図21】図21は、参加要求を示す図である。
【図22】図22は、応答を示す図である。
【図23】図23は、会議指定情報を示す図である。
【図24】図24は、イベント登録処理を示す通信シーケンス図である。
【図25】図25は、上位セッション開始時のイベント通知処理を示す通信シーケンス図である。
【図26】図26は、上位セッション情報更新時のイベント通知処理を示す通信シーケンス図である。
【図27】図27は、更新後の第2テーブル702のデータ構成を示す図である。
【図28】図28は、第1の変更例にかかる第2テーブル712のデータ構成を模式的に示す図である。
【図29】図29は、上位セッション情報を示す図である。
【図30】図30は、第2の実施の形態にかかる通信システム30の全体構成を示す図である。
【図31】図31は、第2の実施の形態にかかる通信システム30がサービスとしての上位セッションを開始する際の通信シーケンスを示す図である。
【図32】図32は、第3の実施の形態にかかる通信システム40の全体構成を示す図である。
【図33】図33は、通信システム40による上位セッションへの昇格処理を示す通信シーケンス図である。
【図34】図34は、更新後の第2テーブル722のデータ構成を模式的に示す図である。
【図35】図35は、開始リクエストを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下に添付図面を参照して、この発明にかかる上位セッション管理サーバ、上位セッション管理方法、プログラムおよび上位セッション管理システムの最良な実施の形態を詳細に説明する。
【0015】
(第1の実施の形態)
図1は、本発明の第1の実施の形態にかかる通信システム10の全体構成を示す図である。通信システム10は、複数のデバイスを利用した複数のセッションにより実現される各種サービスを提供する。各セッションは、各種デバイス間で行われる。サービスとしては、例えばテレビ会議やゲームなどがある。テレビ会議やゲームは、例えばオーディオやビデオなど複数の種類のセッションが連携して実現される。なお、このように所定のサービスを実現するために開始される複数のセッションを上位セッションと称する。
【0016】
会議室Aに設置された各種デバイスと、会議室Bに設置された各種デバイスは、サービスにおいて利用される。なお、サービスにおいては、さらに会議参加者の所有する携帯端末を利用することもできる。また、リモートサイトにおいて、所定のデバイスを利用することもできる。
【0017】
会議室Aには、マイクA101と、スピーカA102と、カメラA103と、ディスプレイA104が設置されている。会議室Aには、サービス利用者であるユーザA1およびユーザA2が居るものとする。また、会議室Aには、ユーザA1が利用するPC−A105が持ち込まれている。会議室Bには、マイクB201と、スピーカB202と、カメラB203と、ディスプレイB204が設置されている。会議室Bには、ユーザB1およびユーザB2が居るものとする。会議室Aおよび会議室Bに設置されたデバイスは、いずれもネットワーク20に接続している。
【0018】
会議室Aと会議室Bでは、通信システム10により、音声および映像を共有したテレビ会議等のサービスが行われる。デバイスCは、視聴のみが可能なデバイスであり、ユーザCはデバイスCを利用して会議の様子を視聴することができる。このように、ユーザCは、リモートサイトから、デバイスC300を用いてネットワーク20に接続し、サービスに参加することができる。
【0019】
通信システム10は、会議室Aおよび会議室Bに設置されたデバイスの他、音声を管理する音声サーバ400と、映像を管理する映像サーバ410と、データを管理するデータサーバ420とを備えている。通信システム10は、また、各デバイスのセッションを管理するセッション管理サーバ500と、上位セッション管理サーバ600と、セッションに関する情報を記憶するセッションDB700と、会議を制御する会議制御サーバ800とを備えている。
【0020】
マイクA101およびマイクB201はキャプチャした音声データを音声サーバ400に送信する。音声サーバ400は、受信した複数の音声データを合成し、スピーカA102またはスピーカB202に送信する。
【0021】
スピーカA102およびスピーカB202は、音声サーバ400から音声データを取得し、音声を再生する。カメラA103およびカメラB203は、キャプチャした映像データを映像サーバ410に送信する。映像サーバ410は、受信した複数の映像データを適切に処理(合成等)し、ディスプレイA104またはディスプレイB204に送信する。ディスプレイA104およびディスプレイB204は、映像サーバ410から映像データを取得し再生する。
【0022】
PC−A105は、Webブラウザを搭載したノートPCであり、データサーバ420とデータの送受信を行う。PC−A105は、また会議制御サーバ800のWebサイトにアクセスすることができる。デバイスC300は、音声および映像を受信のみ可能な端末である。
【0023】
マイクA101、マイクB201、スピーカA102、スピーカB202、カメラA103、カメラB203、ディスプレイA104、ディスプレイB204、PC−A105、デバイスC300、音声サーバ400、映像サーバ410、およびデータサーバ420間の通信はセッション管理サーバ500経由で行われる。本実施の形態において利用されるマイクA101、マイクB201、スピーカA102、スピーカB202、カメラA103、カメラB203、ディスプレイA104、ディスプレイB204、PC−A105、デバイスC300は、セッション管理サーバ500または上位セッション管理サーバ600からのリクエストに従い任意のセッションを開始させることができるよう構成されている。この制御は3PCC(3rd Party Call Control)の仕組みにより実現される。なお、他の例としては、別の特別な制御APIを用いて実現されてもよい。
【0024】
本実施の形態においては、マイクA101、スピーカA102、カメラA103、ディスプレイA104は、いずれも直接ネットワーク20に接続しているが、他の例としては、マイクA101およびスピーカA102は、PC−A105を経由してネットワーク20に接続してもよい。このように、各デバイスの構成は実施の形態に限定されるものではない。
【0025】
また、通信システム10が備えるデバイスの種類および数は、実施の形態に限定されるものではなく、提供したいサービスにおいて開始する複数のセッションに必要なデバイスを備えていればよい。
【0026】
セッションDB700は、サービスを利用するユーザに関する情報、セッションに利用されるデバイスに関する情報、セッションを開始するために必要な情報など各種情報を記憶している。セッションDB700は、セッション管理サーバ500および上位セッション管理サーバ600からアクセス可能に接続されており、セッション管理サーバ500または上位セッション管理サーバ600からのリクエストに応じて読み出しや書き込み、更新が行われる。なお、他の例としては、セッションDB700は、ネットワーク20に接続していてもよい。この場合には、セッション管理サーバ500および上位セッション管理サーバ600は、ネットワーク20を介してセッションDB700にアクセスする。
【0027】
セッション管理サーバ500は、ネットワーク20に接続しているデバイス(会議室に設置された各種デバイス101〜105,201〜204,300およびサーバ400,410,420)それぞれを識別するデバイスIDを管理する。セッション管理サーバ500は、デバイスからの接続要求(呼)を適切に相手側のデバイスに転送しセッションを開始させる。また、セッション管理サーバ500は、セッション開始後、デバイス間のセッションの追加や削除、セッションの終了なども仲介して管理する。またセッション管理サーバ500は、必要に応じて呼を上位セッション管理サーバ600に転送する。
【0028】
呼の転送は、呼にかかるセッション情報が所定の条件を満たす場合に実行される。条件は、例えば「呼の発信者がマイクAならば、呼を上位セッション管理サーバに転送する」といったものである。この条件はセッションDB700に記憶されており、上位セッション管理サーバ600は、呼を受信すると、セッションDB700に記憶されている条件を満たしているか否かを確認し、満たしている場合には、受信した呼を上位セッション管理サーバ600に送信する。
【0029】
なお、本実施の形態においては、セッション管理サーバ500が受信した呼はすべて上位セッション管理サーバ600に転送されるものとする。なお、呼制御や呼の転送はSIP(Session Initiation Protocol)やIMS(IP Multimedia Subsystem)により実現される。なお、これらの技術については既知であるため詳細は省略する。
【0030】
上位セッション管理サーバ600は、セッション管理サーバ500から受信した呼を適切に処理し、セッション管理サーバ500に送り返す。なお、この機能は、IMSにおけるAS(Application Server)に該当する。上位セッション管理サーバ600は、上位セッションに含まれる複数のセッションを統合的に管理する。
【0031】
さらに、上位セッション管理サーバ600は、複数のサービス提供サーバから共通して利用できるようにするため、APIを提供する。このAPIはHTTP経由で実行可能であり、上位セッションの追加/編集/削除や上位セッションのコントロールを可能とする。ただし、セキュリティ上の理由から上位セッション管理サーバ600のAPIを操作可能なサーバは信頼できる特定のサーバとし、各サーバは特定の上位セッションの制御のみが許可されるものとする。本実施の形態においては、上位セッション管理サーバ600には、会議制御サーバ800が接続されており、会議制御サーバ800は、上位セッション管理サーバ600に対して、会議サービスに関連する制御のみ行うことができる。
【0032】
会議制御サーバ800は、通信システム10において行われているテレビ会議を管理する。例えば、複数の会議が同時に行われている場合に、複数の会議を管理する。
【0033】
図2は、上位セッション管理サーバ600の主な構成を示すブロック図である。上位セッション管理サーバ600は、通信部601と、メディア特定部602と、デバイス特定部603と、セッション情報特定部604と、上位セッション情報管理部605と、セッション制御部606と、セッションDB管理部607とを有している。
【0034】
通信部601は、ネットワーク20を介して、セッション管理サーバ500および会議制御サーバ800と各種情報を送受信する。通信部601は、例えばテレビ会議などのサービスの開始命令を受信する。メディア特定部602は、通信部601が開始命令を受信すると、セッションDB700を参照し、サービスにおいて開始される複数のメディアを特定する。ここで、メディアとはセッションにおいて送受信されるデータの種類を示すものであり、例えば「audio」や「video」などがある。デバイス特定部603は、通信部601が開始命令を受信すると、セッションDB700を参照し、サービスにおいて利用される複数のデバイスを特定する。
【0035】
上位セッション情報管理部605は、デバイス特定部603により特定された複数のデバイスを含む上位セッション情報を生成する。ここで、上位セッション情報は、上位セッションを開始するために必要な情報であり、具体的には、上位セッションに含まれる複数のセッションそれぞれを開始する複数のデバイスを示す情報を含んでいる。上位セッション情報管理部605はまた、通信部601が受信した情報に基づいて、上位セッション情報の内容を更新する。
【0036】
セッション制御部606は、上位セッション情報管理部605により生成された上位セッション情報に基づいて、各セッションを制御する。具体的には、セッションの開始、更新、および終了を管理する。なお、セッションの開始に際しては、通信部601を介してセッションを開始するデバイスに対しセッション開始リクエストを送信する。なお、上位セッション管理サーバ600へのリクエストは、セッション管理サーバ500経由で送信されるか、または上位セッション管理サーバ600が提供するAPI経由で送信される。セッションの開始においては、セッション管理サーバ500は、セッションDB700を参照し、サービスを実現するために必要なセッションのセッション情報を特定する。ここで、セッション情報とは、セッションを開始させるために必要な情報である。セッション情報には、例えばセッションを識別するセッションIDや、デバイスのIPアドレス、ポート番号などの情報が含まれている。
【0037】
なお、上位セッションが開始、終了した場合、および上位セッションが更新された場合には、セッション制御部606は、イベントを発生し、通信部601を介してこのイベントを既に登録されているサーバに通知する。
【0038】
セッションDB管理部607は、セッションDB700から情報を読み出すとともに、セッションDB700に記憶されている情報の編集、更新、およびセッションDB700への情報の追加を行う。
【0039】
図3から図7は、セッションDB700のデータ構成を模式的に示す図である。図3は、第1テーブル701のデータ構成を模式的に示す図である。第1テーブル701において、デバイスセット/ユーザ名と、デバイスセット/ユーザIDと、サービス種が対応付けられている。デバイスセット/ユーザ名は、デバイスセットまたはユーザの名称である。なお、本実施の形態においては、デバイスセットは、セッションに利用されるデバイスが設置されている会議室を単位としている。例えば、デバイスセット「会議室A」は、会議室Aに設置されているデバイス、すなわちマイクA101、スピーカA102、カメラA103、ディスプレイA104をメンバーとするグループである。また、ユーザ名は、会議に参加するユーザのユーザ名である。デバイスセット/ユーザIDは、デバイスセットまたはユーザを識別する情報である。サービス種は、テレビ会議、ゲームなどサービスの種類を示す情報である。
【0040】
なお、本実施の形態においては、デバイスセットを会議室単位としたがデバイスセットは、利用されるデバイスをメンバーとしたグループであればよくその単位は本実施の形態に限定されるものではない。
【0041】
図4は、第2テーブル702のデータ構成を模式的に示す図である。第2テーブル702においては、サービス種と、メディアと、サーバIDと、タイプが対応付けられている。メディアは、サービスにおいて利用されるメディアの名称である。また、「interactive」は、通信が双方向であることを示している。通信の方向としては、これ以外に送信を示す「active」、送信を示す「passive」がある。サーバIDは、メディアが利用するサーバを識別する情報である。本実施の形態においては、音声サーバ400、映像サーバ410およびデータサーバ420のサーバIDである。タイプは、対応するメディアの通信方法を示している。例えば、対応するメディアがサーバを中継して通信を行うことを示す「relay」などがある。
【0042】
サービス種「tv−conference」は、メディア「audio」および「video」が対応付けられており、いずれのメディアも通信方向は、「interactive」である。したがって、上位セッションであるテレビ会議は、「audio」と「video」の双方向通信を利用するものであることがわかる。
【0043】
また、メディア「video」には、サーバIDおよびタイプ「relay」が対応付けられている。これは、「video」は、サーバIDで識別されるサーバを中継機として接続することを示している。なお、メディア「audio」については、サーバIDおよびタイプが対応付けられていない。これは、「audio」は、中継機なしで直接接続することを示している。
【0044】
図5は、第3テーブル703のデータ構成を模式的に示す図である。第3テーブル703において、デバイスセット/ユーザIDと、デバイスIDが対応付けられている。デバイスIDは、対応するデバイスセットまたはユーザに関連するデバイスを識別する情報である。例えば、会議室AのデバイスセットIDには、会議室Aに設置されているデバイスのデバイスIDが対応付けられている。また、ユーザAのユーザIDには、ユーザAが利用するデバイスのデバイスIDが対応付けられている。なお、図1において説明したように、ユーザBは自身のデバイスを有さず、会議室Bに設置されたデバイスを利用してテレビ会議に参加するので、ユーザBについてのデバイスIDは登録されていない。
【0045】
図6は、第4テーブル704のデータ構成を模式的に示す図である。第4テーブル704において、デバイス名と、デバイスIDと、メディアとが対応付けられている。デバイス間のセッションを行うためには2つの条件を満たしている必要がある。1つ目は、セッションを行うデバイスが同一のメディアに対応付けられていること、すなわちセッションを行うデバイスのセッションの種類が同一であることである。2つ目は、セッションを行うデバイスの通信方向が対応すること、すなわち「active」と「passive」であることである。第4テーブル704において、メディアと通信方向とを参照することにより、セッションを行う2つのデバイスを特定することができる。
【0046】
図7は、第5テーブル705のデータ構成を模式的に示す図である。第5テーブル705において、セッション名と、セッションIDと、デバイスIDと、メディアと、通信方向と、IPアドレスと、ポート番号と、メディア属性が対応付けられている。
【0047】
セッション名は、セッションの名称である。セッションIDは、セッションを識別する情報である。デバイスIDは、セッションに利用されるデバイスのデバイスIDである。例えば、マイクA101は、音声サーバ400にアクセスするので、セッション名「音声」には、マイクA101および音声サーバ400のデバイスIDが対応付けられている。すなわち、「音声」のセッションが確立されると、マイクA101から音声サーバ400への音声データの送信が可能となる。メディアは、セッションにより実現されるメディアを示している、通信方向は、会議室に設置されたデバイスの各種サーバに対する通信方向を示している。IPアドレスおよびポート番号は、各デバイスのIPアドレスおよびポート番号を示している。メディア属性は、対応するメディアの属性を示している。
【0048】
なお、本実施の形態にかかるセッションDB700は、特許請求の範囲に記載の第1記憶手段、第2記憶手段および第3記憶手段に相当する。より詳しくは、第2テーブルは第1記憶手段、第4テーブルは第2記憶手段、第5テーブルは第3記憶手段に相当する。
【0049】
図8は、テレビ会議を開始する際の通信システム10における通信シーケンス図である。ここでは、会議室Aと会議室Bでテレビ会議を開始する場合について説明する。この場合、会議室Aと会議室Bのデバイスがそれぞれ共通の音声サービスおよび映像サービスに接続している必要がある。本通信シーケンスにおいてこのための処理が行われる。
【0050】
まず、ユーザAがPC−A105から会議室Bに対してテレビ会議の開始命令として開始リクエストをセッション管理サーバ500に送信する(ステップS100)。図9は、開始リクエストを示す図である。開始リクエストには、送信者であるユーザAのユーザID「userA@xxx.co.jp」、テレビ会議に利用される会議室Aおよび会議室BのデバイスセットID「roomA@xxx.co.jp」、「roomB@xxx.co.jp」、開始を希望するサービス、すなわちテレビ会議のサービス種「tv−conference」、および会議室Aと会議室Bにおいて行うテレビ会議を、他のテレビ会議と区別するためのサービスID「tv−conference−1@xxx.co.jp−1@xxx.co.jp」などの情報が含まれている。以下、図9に示す開始リクエストが送信された場合を例に説明する。
【0051】
セッション管理サーバ500は、セッションDB700に対し、受信した開始リクエストの転送先を問い合わせる(ステップS102)。本実施の形態においては、すべてのリクエストを上位セッション管理サーバ600に転送するという条件がセッションDB700に記憶されているので、セッション管理サーバ500は、上位セッション管理サーバ600に開始リクエストを転送する(ステップS104)。上位セッション管理サーバ600は、開始リクエストを受信すると、セッションDB700を参照しつつ、上位セッション情報を生成する(ステップS106)。
【0052】
そして、上位セッション管理サーバ600は、上位セッション情報をレスポンスとしてセッション管理サーバ500に返す(ステップS108)。セッション管理サーバ500は、レスポンスを受け取ると、PC−A105に応答を返す(ステップS110)。そして、PC−A105からセッション管理サーバ500を介して上位セッション管理サーバ600に確認応答が送信され(ステップS112)、上位セッション管理サーバ600は、上位セッション情報に基づいて複数のセッションを開始させる(ステップS114)。以上で、通信シーケンスが終了する。
【0053】
図10は、上位セッション情報生成処理(ステップS106)における上位セッション管理サーバ600の詳細な処理を示すフローチャートである。上位セッション管理サーバ600においては、通信部601が開始リクエストを受信すると、まず開始リクエストの送信元(Fromヘッダ)、宛先(Toヘッダ)および開始するサービス(ボディのservice)のサービス種およびサービスIDを特定する(ステップS120)。次に、これらの情報と、セッションDB700の第1テーブル701に基づいて、送信元および宛先、すなわちサービスに参加するデバイスセットが、開始するサービスをサポートしているか否かを確認する。
【0054】
図9に示す例においては、送信元に会議室Aを示す「roomA@xxx.co.jp」、宛先に会議室Bを示す「roomB@xxx.co.jp」、サービスにテレビ会議を示す「tv-conference」が設定されている。図3に示す第1テーブル701において、「roomA@xxx.co.jp」および「roomB@xxx.co.jp」は、いずれもサービス種「tv-conference」に対応付けられている。したがって、送信元および宛先の会議室Aおよび会議室Bはともにテレビ会議をサポートしていることがわかる。すなわち、サービス「テレビ会議」に対する上位セッションを開始することができる。
【0055】
ステップS122において、開始リクエストに示されている送信元および宛先としてのデバイスセットが開始リクエストに示されているサービスをサポートしている場合には(ステップS122,Yes)、ステップS124へ進む。サポートしていない場合には(ステップS122,No)、サービスを開始することはできないため、このまま終了する。
【0056】
ステップS124においては、メディア特定部602は、図4に示す第2テーブル702を参照し、テレビ会議のサービス種に対応付けられているメディア、すなわちサービスにおいて利用されるメディアを特定する(ステップS124)。このように、メディア特定部602は、サービスにおいて利用される複数のメディアを特定する。
【0057】
ここで、デフォルトでは、図4に示すように「audio」は中継機なしで直接接続し、「video」は映像サーバ410「video-server@xxx.co.jp」を経由して接続することがセッションDB700において規定されている。しかし、開始リクエストのボディにおいて、「audio」の中継「relay」に音声サーバ400「audio-server@xxx.co.jp」を使うよう指定されている。この場合には、開始リクエストを優先し、開始リクエストに示されている音声サーバ400を利用したセッションを開始することとする。
【0058】
次に、デバイス特定部603は、第3テーブル703を参照し、デバイスセットに含まれているデバイスのデバイスIDを特定する(ステップS126)。本例においては、デバイス特定部603は、会議室A「roomA@ricoh.co.jp」と会議室B「roomB@ricoh.co.jp」それぞれに関連付けられているデバイスを特定する。会議室Aには、マイクA101「micA@ricoh.co.jp」、スピーカA102「speakerA@ricoh.co.jp」、カメラA103「cameraA@ricoh.co.jp」、ディスプレイA104「displayA@ricoh.co.jp」が対応付けられており、これらが特定される。同様に、会議室Bには、マイクB201「micB@ricoh.co.jp」、スピーカB202「speakerB@ricoh.co.jp」、カメラB203「cameraB@ricoh.co.jp」、ディスプレイB204「displayB@ricoh.co.jp」が対応付けられており、これらが特定される。
【0059】
次に、デバイス特定部603は、第4テーブル704を参照し、ステップS126において特定した各デバイスがサポートするメディアおよび第2テーブル702において特定されたサーバがサポートするメディアを特定する(ステップS128)。本例においては、第3テーブル703において会議室Aおよび会議室Bのデバイスセットに対応付けられている複数のデバイスと、第2テーブル702により特定された映像サーバ410、開始リクエストに示される音声サーバ400のサポートメディアを特定する。
【0060】
そして、デバイス特定部603は、ステップS126において特定したデバイスIDの中から、第4テーブル704において、ステップS124において特定したメディアに対応付けられているデバイスIDを特定する(ステップS130)。なお、ステップS130において特定されたデバイスIDで識別されるデバイスは、サービスにおいて利用されるメディアを用いたセッションを開始するデバイスである。このとき、「active」は情報を送信する側で、「passive」は情報を受信する側である。したがって、「active」と「passive」の組のみが情報を送受信できることに注意する。
【0061】
次に、上位セッション情報管理部605は、デバイス特定部603により特定されたデバイスIDに基づいて、上位セッションを開始するときに利用する上位セッション情報を生成する(ステップS132)。具体的には、第5テーブル705を参照し、セッションを開始するデバイスに対応付けられているセッションID、IPアドレス、ポート番号、メディア属性などの情報を抽出し、これらの情報に基づいて上位セッション情報を生成する。
【0062】
図11は、上位セッション情報を示す図である。このように、上位セッション情報には、テレビ会議というサービスにおいて開始される複数のセッションそれぞれについての情報が含まれている。また、このサービスを識別するサービスIDが含まれている。図8において説明したセッション開始処理(ステップS110)においては、上位セッション管理サーバ600のセッション制御部606は、上位セッション情報に基づいて上位セッション、すなわち複数のセッションを開始する。
【0063】
上位セッション情報には、サービスIDが含まれているので、セッション管理サーバ500は、サービスIDの値を用いて必要に応じて上位セッション管理サーバ600に問い合わせることができる。なお、サービスIDは、デバイスによって作成されるものであるため、上位セッション情報管理部605が既に生成済みの上位セッション情報に含まれるサービスIDと重複する場合がある。このような場合には、上位セッション情報管理部605は、上位セッション情報に含めるサービスIDをデバイスから受信したサービスIDと異なるものに変更する。
【0064】
図12は、上位セッション管理サーバ600のセッション制御部606の制御の下実行されるセッション開始処理を示すシーケンス図である。ここでは、マイクA101と音声サーバ400のセッションについて説明する。セッション制御部606は、上位セッション情報に基づいて、通信部601を介して、セッション管理サーバ500にマイクA101と音声サーバ400の接続要求、すなわちセッション開始の要求を送信する(ステップS140)。次に、セッション管理サーバ500は、セッションDB700に転送先問い合わせを行い(ステップS142)、セッション開始に必要な情報を取得し、マイクA101に音声サーバ300のデバイスIDを含む接続指示を送信する(ステップS144)。セッション管理サーバ500は、マイクA101から接続指示に対する応答を受信すると(ステップS146)、上位セッション管理サーバ500に応答を返す(ステップS148)。
【0065】
次に、セッション管理サーバ500は、マイクA101から音声サーバ400のデバイスIDを含む呼び出しを受信すると(ステップS150)、セッションDB700に転送先の問い合わせを行い(ステップS152)、音声サーバ400のIPアドレス等を取得する。そして、音声サーバ400に接続指示を送信する(ステップS154)。次に、セッション管理サーバ500は、マイクA101に応答を返す(ステップS156)。セッション管理サーバ500は、マイクA101から確認応答を受信すると(ステップS158)、その旨を音声サーバ400に通知し(ステップS160)、音声サーバ400とマイクA101のセッションが開始され、マイクA101から音声データが音声サーバ400に送信される。なお、以上の処理は、3PCCの仕組みにより実現される。
【0066】
なお、ここでは、マイクA101と音声サーバ400とのセッション開始処理について説明したが、マイクB201と音声サーバ400とのセッション開始処理などこれ以外のセッション開始処理は、いずれも同様の処理である。
【0067】
以上の処理により、会議室AのデバイスであるマイクA101と、スピーカA102が音声サーバ400と接続することにより、音声の双方通信を実現できる。また、カメラA103とディスプレイA104が映像サーバ410と接続することにより、映像の双方向通信を実現できる。会議室Bのデバイスについても同様である。
【0068】
このように、本実施の形態にかかる通信システム10においては、テレビ会議などのサービスを開始する際には、上位セッション情報に基づいて、テレビ会議において利用される、複数の異なる機器による複数のセッションを開始することができる。
【0069】
図13は、上位セッションの終了処理を示すシーケンス図である。PC−A105等からサービスの終了要求が送信されると(ステップS200)、セッション管理サーバ500は、セッションDB700に転送先の問い合わせを行い(ステップS202)、終了要求を上位セッション管理サーバ600に転送する(ステップS204)。そして、上位セッション管理サーバ600は、セッション管理サーバ500にセッションの終了を通知した後(ステップS206)、セッションDB700を参照しつつ、上位セッションを終了させる(ステップS208)。セッション管理サーバ500は、セッション終了の通知を受信すると、PC−A105に応答を返す(ステップS210)。
【0070】
図14は、上位セッション管理サーバ600のセッション制御部606の制御の下実行されるセッション終了処理(ステップS206)を示すシーケンス図である。セッション制御部606は、通信部601を介してセッションの切断要求をセッション管理サーバ500に送信する(ステップS210)。セッション管理サーバ500は、セッションDB700に転送先の問い合わせを行い(ステップS212)、マイクA101に切断要求を送信する(ステップS214)。そして、セッション管理サーバ500は、マイクA101からセッション終了が完了した旨の応答を受信すると、上位セッション管理サーバ600に応答を返す(ステップS216)。以上でマイクA101と音声サーバ400のセッションが終了する。同様にして、上位セッション管理サーバ600は、上位セッションに含まれる複数のセッションすべてを終了する。
【0071】
このように、サービスの終了要求を受信した場合には、サービスにおいて利用される複数のセッションすべてを終了することができる。すなわち、サービス終了のタイミングも、上位セッション単位で制御することができる。
【0072】
さらに、本実施の形態にかかる通信システム10においては、サービスの実行中に、新たなユーザがサービスに参加することも可能である。図15は、この場合の通信シーケンス図である。ここでは、会議室Aと会議室Bでのテレビ会議の実行中にユーザCが途中参加する場合について説明する。
【0073】
ユーザCが利用するデバイスC300は、図3の第1テーブル701からわかるように、テレビ会議をサポートしていない。したがって、まずデバイスC300を用いて会議制御サーバ800のwebページにアクセスする。すなわち、会議制御サーバ800に参加要求を送信する(ステップS300)。
【0074】
ところで、会議制御サーバ800は、APIを通して上位セッション管理サーバ600の機能を利用することができる。会議制御サーバ800は、事前に図16に示すようなリクエストを上位セッション管理サーバ600に送信している。リクエストには、送信元のほか、サービス種、イベントが示されている。イベントは、サービスの開始、更新などサービスについてのイベントである。
【0075】
上位セッション管理サーバ600は、このリクエストを送信した場合には、リクエストにおいて指定されているサービス、すなわちテレビ会議が開始または更新された時に上位セッション情報を会議制御サーバ800に通知する。したがって、会議制御サーバ800は、テレビ会議が開始、更新の有無を常に知ることができる。
【0076】
会議制御サーバ800は、Webページにおいて現在開催中のテレビ会議の一覧を提供する。ユーザCは、テレビ会議一覧を参照し、参加したいテレビ会議を選択し、Webページに示される参加ボタンを押下する。これにより、デバイスC300から参加したいテレビ会議を示す情報を含む応答が会議制御サーバ800に送信される(ステップS302)。
【0077】
会議制御サーバ800は、応答を受信すると、上位セッション管理サーバ600に図17に示すリクエストを呼び出しとし送信する(ステップS304)。なお、このときHTTPを利用することができる。リクエストには、図17に示すように、送信元である会議制御サーバのデバイスIDと、途中参加者のユーザID、参加希望のサービスのサービス種およびサービスIDが含まれている。上位セッション管理サーバ600は、呼び出しに対する応答を会議制御サーバ800に返す(ステップS306)。
【0078】
次に、上位セッション管理サーバ600は、上位セッション情報を更新し(ステップS308)、上位セッション情報に基づいて新たなセッションを開始させる(ステップS310)。なお、新たなセッションを開始する際の処理は、図12を参照しつつ説明した処理と同様である。
【0079】
図18は、上位セッション情報更新処理(ステップS308)における上位セッション管理サーバ600による処理を示すフローチャートである。上位セッション情報更新処理においては、まず、上位セッション管理サーバ600のメディア特定部602は、ステップS304において受信したリクエストから、途中参加者のユーザIDと、参加希望のサービスのサービス種およびサービスIDを特定する(ステップS320)。次に、メディア特定部602は、図3に示す第1テーブル701を参照し、途中参加者のデバイスが参加希望のサービスをサポートしているか否かを確認する(ステップS322)。
【0080】
次に、メディア特定部602は、第2テーブル702を参照し、リクエストに示されるサービスのサービス種に対応付けられているメディアを特定する(ステップS324)。次に、メディア特定部602は、第3テーブル703を参照し、参加者のユーザIDに対応付けられているデバイスIDを特定し(ステップS326)、さらに、第4テーブル704を参照し、ステップS326において特定したデバイスIDに対応付けられているメディアを特定する(ステップS328)。
【0081】
次に、デバイス特定部603は、ステップS326において特定したデバイスIDの中から、第4テーブル704において、ステップS324において特定したメディアに対応付けられているデバイスIDを、セッションを開始するデバイスのデバイスIDとして特定する(ステップS330)。
【0082】
次に上位セッション情報管理部605は、デバイス特定部603により特定されたデバイスIDに基づいて、既に生成されている上位セッション情報を更新する(ステップS334)。以上で、上位セッション情報更新処理(ステップS308)が完了する。
【0083】
図17のリクエストに応じた具体的な処理としては、まずメディア特定部602は、第1テーブル701に基づいて、ユーザCがテレビ会議をサポートしていることを確認する(ステップS322)。さらに、第2テーブル702より、テレビ会議に対応付けられているメディア「audio」と「video」を特定する(ステップS324)。さらに、メディア特定部602は、第3テーブル703より、ユーザCのデバイスであるデバイスC「device@xxx.co.jp」を特定する(ステップS326)。
【0084】
そして、第4テーブル704より、デバイスCのメディア「audio」および「video」を特定する(ステップS328)。本例においては、デバイスCのメディア、サービス「テレビ会議」に対応付けられているメディアは、共に「audio」および「video」である。したがって、デバイスCをセッションを開始するデバイスとして特定する(ステップS330)。
【0085】
そして、第5テーブル705を参照し、デバイスCのデバイスIDに対応付けられているセッション情報を特定し(ステップS332)、特定したセッション情報に基づいて、上位セッション情報を更新する(ステップS334)。なお、このとき、サービスIDにより、更新対象となる上位セッションを特定する。図19は、更新後の上位セッション情報を示す図である。図18に示す上位セッション情報のうち、下線部分が更新された内容を示している。
【0086】
デバイスC300が上位セッションをサポートしており、かつユーザCが会議室Aと会議室Bにて行われている会議の会議IDを知っている場合には、デバイスCから会議制御サーバ800への参加要求の送信は不要である。図20は、途中参加者がサービスを特定する情報を知っている場合の通信シーケンス図である。この場合には、まず、ユーザCはデバイスC300から図21に示すリクエストを参加要求として、セッション管理サーバ500を介して上位セッション管理サーバ600に送信する(ステップS340〜ステップS344)。図21に示すリクエストには、ボディは含まれない。また、リクエストにおいては、会議室BのデバイスセットIDにより参加を希望するサービスを特定しているが、参加を希望するサービスを識別できる情報が含まれていればよく、会議室BのデバイスセットIDに替えて、会議室AのデバイスセットIDやサービスIDを含んでもよい。
【0087】
上位セッション管理サーバ600は、参加要求に対し、図22に示す応答をセッション管理サーバ500を介してデバイスC300に返す(ステップS346)。図22は、応答を示す図である。図22に示すように応答には、会議室Bにおいて行われているサービスのサービスID等が含まれている。
【0088】
デバイスC300は、応答に含まれるサービスを参照し、自身が参加を希望するサービスのサービスIDを含む会議指定情報をセッション管理サーバ500を介して上位セッション管理サーバ600に送信する(ステップS348)。図23は、会議指定情報を示す図である。図23に示すように本例における会議指定情報においてはテレビ会議のサービスID「tv−conference−1@xxx.co.jp」が含まれている。なお、ここでは、上位セッション情報中のメディア情報などは省略することができる。
【0089】
以上の処理により、上位セッション管理サーバ600は、参加者のユーザIDおよび参加を希望するサービスのサービスIDを取得することができる。上位セッション管理サーバ600は、これらの情報に基づいて、上位セッション情報の更新(ステップS308)、および新たなセッションの開始(ステップS310)を行う。なお、これらの処理は、図15および図16を参照しつつ説明した処理と同様である。
【0090】
さらに、テレビ会議が行われている途中での脱退も可能である。例えば、デバイスC300がテレビ会議からの脱退を希望する場合には、参加の場合と同様に、脱退要求をセッション管理サーバ500を介して上位セッション管理サーバ600に送信する。なお、脱退要求には、脱退を希望するデバイス、すなわちデバイスC300のデバイスIDおよび脱退を希望するサービス(上位セッション)のサービスIDが含まれている。
【0091】
上位セッション管理サーバ600においては、通信部601が脱退要求を受信すると、上位セッション情報部605は、サービスIDにより識別される上位セッションの上位セッション情報を特定し、この上位セッション情報から脱退要求に含まれるデバイスIDにより識別されるデバイスを利用したセッションに関する情報を削除する。そして、セッション制御部606は、上位セッション情報管理部605による更新後の上位セッション情報に基づいて、脱退要求に含まれるデバイスIDで識別されるデバイスを利用したセッションを終了する。
【0092】
本実施の形態にかかる通信システム10においては、さらにセッションDB700にイベント登録を行うことにより、登録されたイベントの発生または更新がなされた場合に、予め登録されている通知先に所定の情報が通知される。
【0093】
図24は、イベント登録処理を示す通信シーケンス図である。会議制御サーバ800は、上位セッション管理サーバ600にイベント登録指示を送信する(ステップS400)。イベント登録指示には、イベントとしての上位セッションの種類とイベントの通知先が含まれている。上位セッション管理サーバ600は、イベント登録指示に対する応答を会議制御サーバ800に返すとともに(ステップS402)、セッションDB700に対しイベント登録指示に示されるイベントとその通知先とを対応付けて格納する。
【0094】
図25は、上位セッション開始時のイベント通知処理を示す通信シーケンス図である。上位セッションが開始すると(ステップS410)、上位セッション管理サーバ600は、セッションDB700に対し、開始した上位セッションに対応付けられている通知先の問い合わせを行う(ステップS412)。そして、セッションDB700から通知先を受信する(ステップS414)。通知先が会議制御サーバ800である場合には、会議制御サーバ800に上位セッション情報を通知し(ステップS416)、会議制御サーバ800から通知を受けた旨を示す応答を受信し(ステップS418)、処理が完了する。
【0095】
図26は、上位セッション情報更新時のイベント通知処理を示す通信シーケンス図である。上位セッション情報が更新されると(ステップS420)、上位セッション管理サーバ600は、セッションDB700に対し、更新された上位セッションに対応付けられている通知先の問い合わせを行う(ステップS422)。そして、セッションDB700から通知先を受信する(ステップS424)。通知先が会議制御サーバ800である場合には、会議制御サーバ800に上位セッション情報を通知し(ステップS426)、会議制御サーバ600から通知を受けた旨を示す応答を受信し(ステップS428)、処理が完了する。
【0096】
本実施の形態にかかる通信システム10においては、さらにサービスにおいて開始されるセッションを追加または削除、すなわち更新することができる。図27は、更新後の第2テーブル702のデータ構成を示す図である。このように、テレビ会議のサービス種に対し、データサーバ420のサーバID「data-server@xxx.co.jp」が新たに対応付けられる。なお、更新は例えば、会議制御サーバ800が上位セッション管理サーバ600のAPIを利用して行う。
【0097】
さらに、上述の会議室Aと会議室Bにおけるテレビ会議の開催中にこのようなセッションDB700の更新が行われた場合には、デバイス特定部603は、図4に示す第3テーブル703を参照し、会議室Aおよび会議室Bに対応するデバイス、および会議に参加しているユーザが利用するデバイスのデバイスから、データサーバ420と通信可能なデバイスを特定する。
【0098】
本例においては、ユーザA1の所有するPC−A105がデータサーバ420と通信可能であることがわかる。そこで、上位セッション管理サーバ600は、図26に示す上位セッション更新時のイベント通知処理にしたがい、データ通信が可能になったことをセッション管理サーバ500を介してPC−A105に通知する。これにより、ユーザA1は、データサーバ420を利用可能になったことを知ることができる。そして、ユーザA1は、必要に応じてデータサーバ420とPC−A105のセッションの開始を指示し、データサーバ420からデータを取得するなど、データ通信を利用することができる。PC−A105とデータサーバ420のセッション開始の処理は図12を参照しつつ説明した処理と同様であり、図12のマイクA101と音声サーバ400をそれぞれPC−A1−5とデータサーバ4420に置き換えればよい。なお、PC−A105によるセッション開始の処理は、図12を参照しつつ説明した処理と同様であり、セッションが確立すると、データサーバ420からPC−A105にデータが送信される。以上のように、通信システム10においては、既に登録されている上位セッションに任意のセッションを追加することができる。
【0099】
なお、他の例としては、上位セッション管理サーバ600は、セッションDB700の更新の後PC−A105にデータ通信が可能になったことを通知するのに加えて、または通知するのにかえて、PC−A105とデータサーバ420のセッションを開始させてもよい。
【0100】
セッションの削除を希望する場合には、例えば会議制御サーバ800は、上位セッション管理サーバ600に削除指示を送信する。削除指示には、削除元のサービスのサービス種と、削除対象となるメディアが含まれている。セッション管理サーバ600が削除指示を受信すると、セッションDB管理部607は、削除指示にしたがい、セッションDB700を更新する。具体的には、第2テーブル702において、削除指示に含まれるサービス種により特定されるサービス種に対応付けられているメディアを削除する。このように、上位セッションから不要なセッションを削除することができる。
【0101】
以上のように、本実施の形態にかかる通信システム10においては、既に登録されている上位セッションに含まれるセッションを追加、削除することができるので、適宜上位セッションを変更することにより、利用者の利用形態にあった上位セッション、すなわちサービスを提供することができる。
【0102】
本実施の形態の通信システム10の第1の変更例としては、上位セッションにおいては、特権的なアクセスを許可することとしてもよい。図28は、第1の変更例にかかる第2テーブル712のデータ構成を模式的に示す図である。第2テーブル712においては、追加アクセス権がさらにサービスIDに対応付けられている。追加アクセス権は、サーバへのアクセスの許否を示す情報であり、「privileged」は、対応するサービスへの参加者に特権が与えられることを示している。すなわち、追加アクセス権は、サービスが行われている間の特別なアクセスの許可または禁止を示すアクセス制限情報である。例えば、図28に示すように、「privileged」がテレビ会議に対応付けられている場合には、テレビ会議の参加者は、本来許可されていないアクセスが可能となる。
【0103】
図28においては、「privileged」は、テレビ会議のうち、データサーバ420に対応付けられている。したがって、テレビ会議の参加者は、テレビ会議中のみ、本来許可されていないデータサーバ420へのアクセスが許可される。なお、アクセス権は、呼制御中に上位セッション管理サーバ600からセッション管理サーバ500を介してデータサーバ420に通知される。データサーバ420は、この通知を受信した場合に、指定されたセッション中の特別なアクセスを許可する。すなわち、上位セッション管理サーバ600のセッション制御部606は、「privileged」の追加アクセス権が対応付けられている場合に、対応するセッションを開始させることができる。このように、特権を付与することにより、利便性に優れたサービスを提供することができる。
【0104】
第2の変更例としては、上位セッション管理サーバ600は、さらに上位セッションの開始および終了のタイミングを制御してもよい。具体的には、上位セッション管理サーバ600の上位セッション情報管理部605は、例えば会議制御サーバ800からの指示にしたがい、上位セッションに含まれる各セッションの開始および終了のタイミングを示すタイミング情報を含む上位セッション情報を生成する。図29は、上位セッション情報を示す図である。このように、上位セッション情報には、開始および終了のタイミングが含まれているので、セッション制御部606は、これらのタイミングにしたがい、各セッションの開始および終了のタイミングを制御することができる。
【0105】
会議制御サーバ800は、この機能を利用してテレビ会議を管理してもよい。具体的には、会議制御サーバ800は、開始および終了のタイミングを含む上位セッション情報を取得する。これにより、各テレビ会議の開始および終了のタイミングを知ることができる。したがって、実際にテレビ会議が開始したタイミングおよび終了したタイミングで上位セッション管理サーバ600からテレビ会議が開始または終了したことの通知が不要となる。
【0106】
第3の変更例としては、本実施の形態においては、セッションDB700は、複数のテーブルにより各種データを対応付けているが、上位セッションとこれに含まれる複数のセッションとが対応付けられており、また、各セッションと、各セッションにおいて利用されるデバイスとが対応付けられていればよく、セッションDB700のデータ構成は、本実施の形態に限定されるものではない。
【0107】
第4の変更例としては、本実施の形態においては、上位セッション管理サーバ600は、デバイスセットを単位としたサービスの開始命令を受信したが、これにかえて、サービスに参加するデバイスを指定したサービスの開始命令を受信してもよい。この場合には、デバイスセットから対応する複数のデバイスを特定する処理は不要であり、開始命令に示されるデバイスを利用した上位セッション情報を生成する。
【0108】
(第2の実施の形態)
図30は、第2の実施の形態にかかる通信システム30の全体構成を示す図である。通信システム30は、プレゼンスサーバ900をさらに備えている。プレゼンスサーバ900は、通信システム30のデバイスのプレゼンス情報を管理する。プレゼンス情報とは、例えばデバイスがオフラインであるかオンラインであるかなど各デバイスの状態を示す情報である。本実施の形態にかかるプレゼンスサーバ900は、さらに、各デバイスがテレビ会議中か否かなど上位セッション、すなわちサービスに関する情報もプレゼンス情報として管理する。
【0109】
図31は、第2の実施の形態にかかる通信システム30がサービスとしての上位セッションを開始する際の通信シーケンスを示す図である。上位セッション管理サーバ600は、上位セッション情報を生成すると(ステップS106)、次にプレゼンスサーバ900にプレゼンス情報を要求し(ステップS170)、上位セッションに含まれる各セッションに関わるデバイスのプレゼンス情報を取得する(ステップS172)。なお、プレゼンスサーバ900からの情報の取得は、例えばSIPやXMPP(eXtensible Messaging and Presence Protocol)など既知のプレゼンス配信の仕組みにより実現することができる。
【0110】
そして、上位セッション管理サーバ600のセッション制御部606は、プレゼンス情報に基づいて、各セッションに関わるデバイスが通信可能な状態にあるか否かを確認する。例えば、所定のデバイスについてオフラインを示すプレゼンス情報を取得した場合には、通信不能であることがわかる。一方、オンラインを示すプレゼンス情報を取得した場合には通信可能であると判断することができる。
【0111】
セッションに関わるすべてのデバイスが通信可能であった場合には(ステップS174,Yes)、上位セッション管理サーバ600のセッション制御部606は、上位セッション情報に基づいてセッションを開始する(ステップS110)。このように、上位セッションに関連するすべてのデバイスのプレゼンス情報を参照することにより、上位セッションに含まれる複数のセッションの開始を適切なタイミングに調整することができる。
【0112】
さらに、セッション制御部606は、セッションを開始すると、上位セッション情報をプレゼンスサーバ900に送信する(ステップS176)。プレゼンスサーバ900は、上位セッション情報を受信すると、上位セッション情報に基づいて、プレゼンス情報を更新する(ステップS178)。
【0113】
例えば、テレビ会議に関するセッションが開始すると、テレビ会議の上位セッション情報がプレゼンスサーバ900に送信される。プレゼンスサーバ900は、上位セッション情報に基づいて、テレビ会議の参加者のプレゼンスを「テレビ会議中」に書き換える。このように、プレゼンス情報を利用することにより、よりきめ細かいセッション制御を行うことができる。
【0114】
上位セッション情報は、複数の異なるセッションを包含する意味のある集合である。したがって、このような上位セッション情報を利用することにより、より精度の高いプレゼンス情報を提供することができる。また、プレゼンスサーバ900は、上位セッション管理サーバ600からの指示により自動的にプレゼンス情報を生成することにより、ユーザによる手動でのプレゼンス情報の更新を不要にすることができる。また、プレゼンスサーバ900は、上位セッションの開始、更新および終了を購読することにより、これらの情報をサービスのロギング等に利用することができる。
【0115】
なお、本実施の形態にかかる通信システム30のこれ以外の構成および処理は、第1の実施の形態にかかる通信システム10と同様である。
【0116】
(第3の実施の形態)
図32は、第3の実施の形態にかかる通信システム40の全体構成を示す図である。通信システム40は、データサーバ420、セッション管理サーバ500、上位セッション管理サーバ610およびセッションDB700の他、ネットワーク20に接続する電話A110および電話B120を備えている。
【0117】
第3の実施の形態にかかる通信システム40においては、単一セッションを上位セッションに昇格することができる。例えば、電話A110および電話B120を利用したユーザAとユーザBの通話中に、ユーザAがユーザBに特定の動画データを見せたい、などデータサーバ420へのアクセスを希望する場合がある。このような場合に、上位セッション管理サーバ610は、通話という単一セッションにデータ通信という他のセッションを追加した上位セッションについての上位セッション情報を生成する。
【0118】
図33は、通信システム40による上位セッションへの昇格処理を示す通信シーケンス図である。ここでは、上述のように、電話A110と電話B120の通話中に、電話A110と電話B120の通話の他、電話A110および電話Bとデータサーバ420の間のデータ通信に関するセッションを含む上位セッションを新たに生成する場合を例に説明する。
【0119】
まず、電話A110からセッション管理サーバ500を介して上位セッション管理サーバ610にデータ共有要求が送信される(ステップS500〜ステップS506)。なお、データ共有要求には、現在の通話に関する情報、ユーザAのユーザIDおよび電話AのデバイスIDおよびユーザBのユーザIDおよび電話BのデバイスID、追加を希望するデータ通信のメディア、通信先となるサーバであるデータサーバ420のサーバIDなど電話Aおよび電話Bのデータ通信のセッションを開始するために必要な情報が含まれている。
【0120】
上位セッション管理サーバ610は、データ共有要求を受信すると、セッションDB管理部607は、データ共有要求に基づいて、セッションDB700を更新する(ステップS508)。上位セッション管理サーバ610は、セッションDB700から更新完了を示す応答を受信すると(ステップS510)、セッション管理サーバ500を介して電話A110に対し、セッションDB700へのデータ通信を含む上位セッションの登録が完了したことを示す応答を送信する(ステップS512)。なお、ステップS512において電話A110だけでなく電話B120に対しても応答を送信することとしてもよい。これにより、ユーザAおよびユーザBの双方が上位セッションが追加されたことを知ることができる。
【0121】
セッションDB700の更新処理においては、第2テーブル722が更新される。図34は、更新後の第2テーブル722のデータ構成を模式的に示す図である。このように、既に登録されていたテレビ会議に加えて、新たに「データ供給通話」というサービス(上位セッション)が追加される。「データ共有通話」には、通話に相当するメディア「audio」の他、データ通信についてのメディア「data」が対応付けられている。
【0122】
なお、第1テーブル701、第3テーブル703、第4テーブル704および第5テーブル705には予め電話Aおよび電話Bに関する各種情報が登録されているものとする。
【0123】
ユーザAは、応答を受信することにより、セッションDB700への上位セッションの追加を確認した後に、図35に示す開始リクエストを送信する。これにより、上位セッション情報が生成され、上位セッションに含まれるセッションが開始される。本例においては、電話A110とデータサーバ420の間のセッション、電話Bとデータサーバ420の間のセッションが開始する。これにより、ユーザAおよびユーザBはデータサーバ420からデータをダウンロードすることができる。なお、開始リクエストが送信された後の処理は、図8等を参照しつつ説明した処理と同様である。
【0124】
以上処理により、単一セッションを上位セッションへと昇格させることができるので、通話中にデータ通信を行うことができる。さらに、データ通信を限定的なアクセスとしたい場合には、データ共有要求において追加アクセス権についても指定すればよい。これにより、図34に示すように追加アクセス権についても登録することができる。
【0125】
例えば、顧客との電話会議中に一時的に製品やサーバへのアクセスを許可した場合がある。この場合、ISMS(Information Security Management System)などのセキュリティ上の理由により社員の監視が必要となる場合が多い。そこで、電話会議という上位セッション中に追加アクセス権(特権)付きのデータ通信を追加することで監視付きで、かつ限定的なアクセス(電話会議継続中のみのアクセス)が可能となる。
【0126】
なお、第3の実施の形態にかかる通信システム40のこれ以外の構成および処理は、他の実施の形態にかかる通信システムの構成および処理と同様である。
【0127】
本実施の形態の上位セッション管理サーバは、CPUなどの制御装置と、ROM(Read Only Memory)やRAMなどの記憶装置と、HDD、CDドライブ装置などの外部記憶装置と、ディスプレイ装置などの表示装置と、キーボードやマウスなどの入力装置を備えており、通常のコンピュータを利用したハードウェア構成となっている。
【0128】
本実施形態の上位セッション管理サーバで実行されるプログラムは、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルでCD−ROM、フレキシブルディスク(FD)、CD−R、DVD(Digital Versatile Disk)等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録されて提供される。
【0129】
また、本実施形態の上位セッション管理サーバで実行されるプログラムを、インターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供するように構成しても良い。また、本実施形態の上位セッション管理サーバで実行されるプログラムをインターネット等のネットワーク経由で提供または配布するように構成しても良い。
【0130】
また、本実施形態のプログラムを、ROM等に予め組み込んで提供するように構成してもよい。
【0131】
本実施の形態の上位セッション管理サーバで実行されるプログラムは、上述した各部(通信部、メディア特定部、デバイス特定部、セッション情報特定部、上位セッション情報管理部、セッション制御部、セッションDB管理部)を含むモジュール構成となっており、実際のハードウェアとしてはCPU(プロセッサ)が上記記憶媒体からプログラムを読み出して実行することにより上記各部が主記憶装置上にロードされ、各部が主記憶装置上に生成されるようになっている。
【符号の説明】
【0132】
10,30,40 通信システム
20 ネットワーク
101 マイクA
102 スピーカA
103 カメラA
104 ディスプレイA
105 PC−A
201 マイクB
202 スピーカB
203 カメラB
204 ディスプレイB
205 PC−B
400 音声サーバ
410 映像サーバ
420 データサーバ
500 セッション管理サーバ
600,610 上位セッション管理サーバ
601 通信部
602 メディア特定部
603 デバイス特定部
605 上位セッション情報管理部
606 セッション制御部
607 セッションDB管理部
700 セッションDB
800 会議制御サーバ
900 プレゼンスサーバ
【先行技術文献】
【特許文献】
【0133】
【特許文献1】特開2006−135954号公報
【特許文献2】特開2006−319697号公報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のデバイス間の通信セッションを管理するセッション管理サーバとネットワークを介して接続する上位セッション管理サーバであって、
前記セッション管理サーバから、複数のセッションを利用するサービスの開始を指示する情報と、前記サービスの種類を示すサービス種情報と、前記サービスに参加するデバイスを識別するデバイス識別情報とを含む開始命令を受信する受信手段と、
前記サービス種情報と、前記サービスにおいて利用されるセッションの種類を示すセッション種情報とを対応付けて記憶する第1記憶手段と、
前記デバイス識別情報と、前記デバイスが利用されるセッションの前記セッション種情報とを対応付けて記憶する第2記憶手段と、
前記デバイス識別情報と、前記デバイスがセッションを行うときに利用するセッション情報とを対応付けて記憶する第3記憶手段と、
前記第1記憶手段において、前記受信手段が受信した前記サービス種情報に対応付けられている複数の前記セッション種情報を特定するセッション種特定手段と、
前記受信手段が受信した前記デバイス識別情報のうち、前記第2記憶手段において、前記セッション特定手段により特定された前記セッション種情報に対応付けられている複数の前記デバイス識別情報を特定するデバイス特定手段と、
前記第3記憶手段において、前記デバイス特定手段により特定された複数の前記デバイス識別情報それぞれに対応付けられている複数の前記セッション情報を特定するセッション情報特定手段と、
前記セッション情報特定手段により特定された複数のセッション情報に基づいて、複数のセッションを開始することにより前記サービスを行うセッション制御手段と
を備えることを特徴とする上位セッション管理サーバ。
【請求項2】
前記セッション情報特定手段により特定された複数の前記セッション情報に基づいて、複数のセッションを開始するときに利用する上位セッション情報を生成する上位セッション情報管理手段をさらに備え、
前記セッション制御手段は、前記上位セッション情報に基づいて、複数の前記セッションを開始することを特徴とする請求項1に記載の上位セッション管理サーバ。
【請求項3】
前記上位セッション情報管理手段は、前記上位セッション情報に示されるサービスを識別するサービス識別情報を含む前記上位セッション情報を生成し、
前記受信手段は、前記サービスが行われている間に、前記サービスへの新たな参加を希望する参加デバイスから、当該参加デバイスの前記デバイス識別情報と、参加を希望する前記サービスのサービス種および当該サービスを識別するサービス識別情報とを含む参加要求をさらに受信し、
前記セッション特定手段は、前記第1記憶手段において、前記受信手段が受信した前記サービス種情報に対応付けられている前記セッション種情報を特定し、
前記デバイス特定手段は、前記受信手段が受信した前記参加デバイスの前記デバイス識別情報のうち、前記第2記憶手段において、前記セッション特定手段により特定された前記セッション種に対応付けられている前記デバイス識別情報を特定し、
前記セッション情報特定手段は、前記第3記憶手段において、前記デバイス特定手段により特定された前記デバイス識別情報に対応付けられている前記セッション情報を特定し、
前記上位セッション情報管理手段は、前記セッション情報特定手段が特定した前記セッション情報に基づいて、前記受信手段が受信した前記サービス識別情報により識別される前記上位セッション情報を更新し、
前記セッション制御手段は、前記上位セッション情報管理手段による更新後の前記上位セッション情報に基づいて、前記参加デバイスとの新たなセッションを開始することを特徴とする請求項2に記載の上位セッション管理サーバ。
【請求項4】
前記受信手段は、前記サービスに対応する複数のデバイス間のセッション中に、前記サービスに参加中の前記デバイスの前記サービスからの脱退を要求する情報と、前記サービスに参加中の前記デバイスの前記デバイス識別情報および前記デバイスが参加中の前記サービスを識別するサービス識別情報とを含む脱退要求をさらに受信し、
前記上位セッション情報管理手段は、前記受信手段が受信した前記サービス識別情報により識別される前記上位セッション情報から前記脱退要求とともに受信した前記デバイス識別情報により識別される前記デバイスを利用したセッションに関する情報を削除し、
前記セッション制御手段は、前記上位セッション情報管理手段による削除後の前記上位セッション情報に基づいて、前記脱退要求とともに受信した前記デバイス識別情報に示される前記デバイスを利用したセッションを終了することを特徴とする請求項2に記載の上位セッション管理サーバ。
【請求項5】
前記受信手段は、さらに新たなセッションの前記サービスへの追加を要求する情報と、前記サービスの前記サービス種情報と、前記新たなセッションの前記セッション種情報とを含む追加要求をさらに受信し、
前記第1記憶手段に、前記受信手段が受信した前記サービス種情報に対応付けて、前記新たなセッションの前記セッション種情報を追加する更新手段をさらに備えたことを特徴とする請求項1に記載の上位セッション管理サーバ。
【請求項6】
前記受信手段は、さらに前記サービスに含まれる所定のセッションの削除を要求する情報と、前記サービスの前記サービス種情報と、所定のセッションの前記セッション種情報とを含む削除要求をさらに受信し、
前記第1記憶手段から、前記受信手段が受信した前記サービス種情報に対応付けられている、前記削除要求に含まれる前記セッション種情報を削除する更新手段をさらに備えたことを特徴とする請求項1に記載の上位セッション管理サーバ。
【請求項7】
前記受信手段は、さらに前記サービスの終了命令を受信し、
前記セッション制御手段は、前記受信手段が前記終了命令を受信すると、前記サービスに関連する複数のセッションを終了することを特徴とする請求項1に記載の上位セッション管理サーバ。
【請求項8】
前記第1記憶手段は、前記サービス種情報に対応付けて、サービス中の特別アクセスの許可または禁止を示すアクセス制限情報をさらに記憶し、
前記セッション制御情報は、前記第1記憶手段に前記アクセスの許可を示す前記アクセス制御情報が記憶されていた場合に、前記複数のセッションを開始することを特徴とする請求項1に記載の上位セッション管理サーバ。
【請求項9】
前記受信手段は、前記サービスの開始時刻を示す開始時刻情報を含む前記開始命令を受信し、
前記セッション制御手段は、前記受信手段が、前記開始時刻情報を受信した場合には、前記開始時刻に前記複数のセッションを開始することを特徴とする請求項1に記載の上位セッション管理サーバ。
【請求項10】
前記受信手段は、前記サービスの終了時刻を示す終了時刻情報を含む前記開始命令を受信し、
前記セッション制御手段は、前記受信手段が前記終了時刻情報を受信した場合には、前記終了時刻に前記複数のセッションを終了することを特徴とする請求項1に記載の上位セッション管理サーバ。
【請求項11】
前記複数のセッションが開始、更新または終了した場合に、各セッションの前記開始、更新または終了を示す状態情報を外部に送信する送信手段をさらに備えたことを特徴とする請求項1に記載の上位セッション管理サーバ。
【請求項12】
前記受信手段は、前記デバイスの状態を示す状態情報をさらに受信し、
前記セッション制御部は、前記複数のセッションに利用される複数のデバイスそれぞれの前記状態情報に基づいて、前記複数のセッションに利用されるすべてのデバイスがセッション開始可能である場合に、前記複数のセッションを開始することを特徴とする請求項1に記載の上位セッション管理サーバ。
【請求項13】
前記受信手段が、所定のセッションの開始中に、当該セッションを含む前記上位セッションの開始を要求する情報と、前記所定のセッションを行う前記デバイスの前記デバイス識別情報とを含む前記開始命令を受信した場合に、前記セッション制御手段は、前記デバイス種情報により特定される前記セッションを開始することを特徴とする請求項1に記載の上位セッション管理サーバ。
【請求項14】
複数のデバイス間の通信セッションを管理するセッション管理サーバとネットワークを介して接続する上位セッション管理サーバにおけるセッション管理方法であって、
前記上位セッション管理サーバは、
前記サービス種情報と、前記サービスにおいて利用されるセッションの種類を示すセッション種情報とを対応付けて記憶する第1記憶手段と、
前記デバイス識別情報と、前記デバイスが利用されるセッションの前記セッション種情報とを対応付けて記憶する第2記憶手段と、
前記デバイス識別情報と、前記デバイスがセッションを行うときに利用するセッション情報とを対応付けて記憶する第3記憶手段と
を備え、
受信手段が、前記セッション管理サーバから、複数のセッションを利用するサービスの開始を指示する情報と、前記サービスの種類を示すサービス種情報と、前記サービスに参加するデバイスを識別するデバイス識別情報とを含む開始命令を受信する受信ステップと、
セッション種特定手段が、前記第1記憶手段において、前記受信ステップで受信した前記サービス種情報に対応付けられている複数の前記セッション種情報を特定するセッション種特定ステップと、
デバイス特定手段が、前記受信ステップで受信した前記デバイス識別情報のうち、前記第2記憶手段において、前記セッション種特定ステップで特定された前記セッション種情報に対応付けられている複数の前記デバイス識別情報を特定するデバイス特定ステップと、
セッション情報特定手段が、前記第3記憶手段において、前記デバイス特定ステップにおいて特定された複数の前記デバイス識別情報それぞれに対応付けられている複数の前記セッション情報を特定するセッション情報特定ステップと、
セッション制御手段が、前記セッション情報特定手段により特定された複数のセッション情報に基づいて、複数のセッションを開始することにより前記サービスを行うセッション制御ステップと
を有することを特徴とする上位セッション管理方法。
【請求項15】
複数のデバイス間の通信セッションを管理するセッション管理サーバとネットワークを介して接続するコンピュータに実行させるためのプログラムであって、
前記コンピュータは、
前記サービス種情報と、前記サービスにおいて利用されるセッションの種類を示すセッション種情報とを対応付けて記憶する第1記憶手段と、
前記デバイス識別情報と、前記デバイスが利用されるセッションの前記セッション種情報とを対応付けて記憶する第2記憶手段と、
前記デバイス識別情報と、前記デバイスがセッションを行うときに利用するセッション情報とを対応付けて記憶する第3記憶手段と
を備え、
前記セッション管理サーバから、複数のセッションを利用するサービスの開始を指示する情報と、前記サービスの種類を示すサービス種情報と、前記サービスに参加するデバイスを識別するデバイス識別情報とを含む開始命令を受信する受信ステップと、
前記第1記憶手段において、前記受信ステップで受信した前記サービス種情報に対応付けられている複数の前記セッション種情報を特定するセッション種特定ステップと、
前記受信ステップで受信した前記デバイス識別情報のうち、前記第2記憶手段において、前記セッション種特定ステップで特定された前記セッション種情報に対応付けられている複数の前記デバイス識別情報を特定するデバイス特定ステップと、
前記第3記憶手段において、前記デバイス特定ステップにおいて特定された複数の前記デバイス識別情報それぞれに対応付けられている複数の前記セッション情報を特定するセッション情報特定ステップと、
前記セッション情報特定手段により特定された複数のセッション情報に基づいて、複数のセッションを開始することにより前記サービスを行うセッション制御ステップと
を前記コンピュータに実行させるためのプログラム。
【請求項16】
複数のデバイスと、前記複数のデバイス間の通信セッションを管理するセッション管理サーバと、前記セッション管理サーバとネットワークを介して接続する上位セッション管理サーバとを備えた上位セッションシステムであって、
前記複数のデバイスのうち第1デバイスは、
複数のセッションを利用するサービスの開始を指示する情報と、開始するサービスの種類を示すサービス種情報と、前記サービスに参加するデバイスを識別するデバイス識別情報とを含む開始命令を送信する送信手段を有し、
前記上位セッション管理サーバは、前記第1デバイスから前記セッション管理サーバを介して、前記開始命令を受信する受信手段と、
前記サービス種情報と、前記サービスにおいて利用されるセッションの種類を示すセッション種情報とを対応付けて記憶する第1記憶手段と、
前記デバイス識別情報と、前記デバイスが利用されるセッションの前記セッション種情報とを対応付けて記憶する第2記憶手段と、
前記デバイス識別情報と、前記デバイスがセッションを行うときに利用するセッション情報とを対応付けて記憶する第3記憶手段と、
前記第1記憶手段において、前記受信手段が受信した前記サービス種情報に対応付けられている複数の前記セッション種情報を特定するセッション種特定手段と、
前記受信手段が受信した前記デバイス識別情報のうち、前記第2記憶手段において、前記セッション特定手段により特定された前記セッション種に対応付けられている複数の前記デバイス識別情報を特定するデバイス特定手段と、
前記第3記憶手段において、前記デバイス特定手段により特定された複数の前記デバイス識別情報それぞれに対応付けられている複数の前記セッション情報を特定するセッション情報特定手段と、
前記セッション情報特定手段により特定された複数のセッション情報に基づいて、複数のセッションを開始することにより前記サービスを行うセッション制御手段と
を有することを特徴とする上位セッション管理システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【公開番号】特開2011−35833(P2011−35833A)
【公開日】平成23年2月17日(2011.2.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−182658(P2009−182658)
【出願日】平成21年8月5日(2009.8.5)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】