説明

不活性出発物質からの生理活性糖タンパク質の生成

本発明は、糖タンパク質およびポリマーもしくは前記ポリマーの誘導体を含む共役複合体の製造方法であって、その中で該ポリマーはヒドロキシアルキルデンプン(HAS)であり、
a)糖タンパク質および修飾ポリオールの間の共有結合の形成を触媒することができるトランスフェラーゼの存在下、前記糖タンパク質を、共有結合によって結合した官能基Zを有する前記修飾ポリオールと反応させて、共有結合によって結合した少なくとも一つの官能基Zを有するポリオールに共有結合した糖タンパク質を生じる段階、並びに
b)該ポリマーまたはその誘導体の少なくとも一つの官能基Aを、段階a)の間に前記糖タンパク質に加えた糖タンパク質の少なくとも一つの官能基Zと反応させ、それによって共有結合を形成する段階を含むことを特徴とする方法に関する。


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【特許請求の範囲】
【請求項1】
糖タンパク質およびポリマーもしくは前記ポリマーの誘導体を含む共役複合体の製造方法であって、その中で該ポリマーはヒドロキシアルキルデンプン(HAS)であり、
a)糖タンパク質と修飾ポリオールの間の共有結合の形成を触媒することができるトランスフェラーゼの存在下、前記糖タンパク質を、共有結合によって結合した官能基Zを有する前記修飾ポリオールと反応させて、共有結合によって結合した少なくとも一つの官能基Zを有するポリオールに共有結合した糖タンパク質を生じる段階、並びに
b)該ポリマーまたはその誘導体の少なくとも一つの官能基Aを、段階a)の間に前記糖タンパク質に加えた糖タンパク質の少なくとも一つの官能基Zと反応させ、それによって共有結合を形成する段階を含むことを特徴とする方法であって、
前記段階b)は、好ましくは、該ポリマーまたはその誘導体の少なくとも一つの官能基Aを、段階a)の間に前記糖タンパク質に加えた糖タンパク質の少なくとも一つの官能基Zと反応させ、それによって共有結合を形成することによって行われ、その中でZは、アミノ基、チオール基、アルデヒド基、ヘミアセタール基、ケト基、マレイミド基、およびチオエステル基からなる群から選択され、
−Zがアルデヒド基またはケト基である場合、AはZとの前記結合を形成するアミノ基を含み、
−Zがアミノ基である場合、Aは反応性カルボキシ基およびアルデヒド基、ケト基もしくはヘミアセタール基からなる群から選択され、
−Zがマレイミド基である場合、AはZとの前記結合を形成するチオール基を含み、
−−Aがアルデヒド基、ケト基またはヘミアセタール基である場合、該方法は、ポリマー中にAを導入してポリマー誘導体を得ることをさらに特徴とし、
−−−それは該ポリマーを少なくとも二官能性の化合物と反応させることによって行い、その一方の官能基は該ポリマーと反応し、その他方の官能基の少なくとも一つは、アルデヒド基、ケト基もしくはヘミアセタール基であるか、またはアルデヒド基、ケト基もしくはヘミアセタール基が得られるようにさらに化学修飾された官能基であり、あるいは
−−−それは該ポリマーを酸化して少なくとも一つ、特に少なくとも二つのアルデヒド基を得ることによって行い;あるいは
−−Aが反応性カルボキシ基である場合、該方法は、ポリマー中にAを導入してポリマー誘導体を得ることをさらに特徴とし、
−−−それは該ポリマーをその還元末端で選択的に酸化させ、生じたカルボキシ基を活性化させることによって行い、あるいは
−−−それは該ポリマーをその酸化されていない還元末端で炭酸ジエステルと反応させることによって行い;あるいは
−Zがチオール基である場合、AはZとの前記結合を形成するマレイミド基またはハロゲンアセチル基を含むことを特徴とする方法。
【請求項2】
段階a)において、出発糖タンパク質の少なくとも50%、より好ましくは少なくとも75%が、共有結合によって結合した少なくとも一つの官能基Zを有するポリオールに共有結合した糖タンパク質に変換される、請求項1の方法。
【請求項3】
段階a)において、修飾ポリオールが修飾糖ヌクレオチド、詳細には、修飾フコースヌクレオチド、修飾グルコースヌクレオチド、修飾マンノースヌクレオチド、修飾N−アセチルグルコサミンヌクレオチド、修飾N−アセチルガラクトサミンヌクレオチド、修飾シアル酸ヌクレオチドまたは修飾ガラクトースヌクレオチド、より詳細には、CMP−NeuAc、GDP−Man、UDP−GlcNAc、UDP−GalNAc、UDP−Glc、またはGDP−Fucである、請求項1の方法。
【請求項4】
官能基Zが、ヒドラジド基、ヒドロキシルアミン、チオール基、アルデヒド基、ヘミアセタール基、ケト基、マレイミド基およびチオエステル基からなる群から選択される、請求項1から3のいずれか一つの方法。
【請求項5】
官能基Zが、リンカー分子、例えば適宜置換された直鎖、分枝鎖および/または環状炭化水素残基を通して糖ヌクレオチドのC−6ヒドロキシル基に結合する、請求項4の方法。
【請求項6】
トランスフェラーゼが、クラスEC 2.4.1のグリコシルトランスフェラーゼ、特にその中で、該トランスフェラーゼが、β1−4 ガラクトシルトランスフェラーゼ、β1−3 ガラクトシルトランスフェラーゼ、β1−3 ガラクトシルトランスフェラーゼ、GlcNAc−トランスフェラーゼ、マンノシルトランスフェラーゼ、グルコシルトランスフェラーゼ、フコシルトランスフェラーゼおよびシアリルトランスフェラーゼからなる群から選択される、請求項1から5のいずれか一つの方法。
【請求項7】
糖タンパク質が、エリスロポエチン(EPO)、IFNベータ、GM−CSF、APC、tPA、A1AT、AT III、HCG、LH、FSH、抗体融合タンパク質、治療抗体、インターロイキン、特にインターロイキン2またはインターロイキン6、IFN−α、CSF、第VII因子、第VIII因子、並びに第IX因子からなる群から選択される、請求項1から6のいずれか一つの方法。
【請求項8】
段階b)において、段階a)の後に得られる修飾糖タンパク質の少なくとも50%、より好ましくは少なくとも75%が、糖タンパク質およびポリマーもしくは前記ポリマーの誘導体を含む共役複合体に変換される、請求項1から7のいずれか一つの方法。
【請求項9】
ヒドロキシアルキルデンプンがヒドロキシエチルデンプンである、請求項1から8のいずれかの方法。
【請求項10】
ヒドロキシエチルデンプンが、2から200kD、好ましくは4から130kD、より好ましくは4から90kDの分子量を有する、請求項9の方法。
【請求項11】
Aを含むポリマー誘導体とZを含むタンパク質の反応の前に、該ポリマーを、その酸化されていない還元末端で、ポリマーの酸化されていない還元末端および化学基Aと反応させることができる官能基を含む少なくとも二官能性の結合化合物と反応させることをさらに特徴とする、請求項1から10のいずれか一つの方法。
【請求項12】
Aがアミノオキシ基またはヒドラジド基である、請求項1から11のいずれか一つの方法。
【請求項13】
少なくとも二官能性の結合化合物がホモ二官能性化合物である、請求項11または12の方法。
【請求項14】
ホモ二官能性化合物が二つのアミノオキシ基を含む、請求項12の方法。
【請求項15】
ホモ二官能性化合物がO−[2−(2−アミノオキシエトキシ)−エチル]ヒドロキシルアミンである、請求項14の方法。
【請求項16】
ポリマーと少なくとも二官能性の結合化合物との反応が水溶媒中で実行される、請求項11から15のいずれかの方法。
【請求項17】
ポリマーと少なくとも二官能性の結合化合物との反応によって、オキシム結合および/またはオキシアミノ結合がもたらされる、請求項14から16のいずれかの方法。
【請求項18】
Zがアミノ基であり、タンパク質が、エリスロポエチン(EPO)、IFNベータ、GM−CSF、APC、tPA、A1AT、AT III、HCG、LH、FSH、抗体融合タンパク質、治療抗体、インターロイキン、特にインターロイキン2またはインターロイキン6、IFN−α、CSF、第VII因子、第VIII因子、並びに第IX因子からなる群から選択される、請求項1から17のいずれか一つの方法。
【請求項19】
ポリマーをその還元末端で選択的に酸化させ、その酸化されたポリマーを、その酸化された還元末端で炭酸N,N’−ジサクシンイミジルと反応させて、反応性カルボキシ基Aを含むポリマー誘導体を得ることをさらに特徴とする、請求項18の方法。
【請求項20】
還元末端が酸化されていないポリマーの少なくとも一つのヒドロキシ基を炭酸ジエステルと反応させて、反応性カルボキシ基Aを得ることをさらに特徴とする、請求項18の方法。
【請求項21】
炭酸ジエステルが対称性ジエステルである、請求項20の方法。
【請求項22】
エステルのアルコール構成要素が、N−ヒドロキシスクシンイミド、スルホン化N−ヒドロキシスクシンイミド、N−ヒドロキシベンゾトリアゾール、並びにニトロ置換フェノールおよびハロゲン置換フェノールからなる群から選択される、請求項20または21の方法。
【請求項23】
ハロゲン置換フェノールが、ニトロフェノール、ジニトロフェノール、トリクロロフェノール、トリフルオロフェノール、ペンタクロロフェノール、およびペンタフルオロフェノールからなる群から選択される、請求項22の方法。
【請求項24】
還元末端が酸化されていないポリマーの少なくとも一つのヒドロキシ基を炭酸ジエステルと反応させて、反応性エステル基Aを得ることを、無水非プロトン性極性溶媒中で実行する、請求項20から23のいずれかの方法。
【請求項25】
溶媒がジメチルアセトアミド、ジメチルホルムアミドまたはその混合物である、請求項24の方法。
【請求項26】
Aが、アルデヒド基、ケト基またはヘミアセタール基である、請求項18の方法であって、ポリマーを少なくとも二官能性の化合物の官能基Mと反応させて、ポリマー誘導体を得ることをさらに特徴とし、その少なくとも二官能性の化合物が、アルデヒド基、ケト基またはヘミアセタール基Aである少なくとも一つの他の官能基Qをさらに含む方法。
【請求項27】
Mがアミノ基を含む、請求項26の方法。
【請求項28】
Aが、アルデヒド基、ケト基またはヘミアセタール基である請求項26の方法であって、ポリマーを少なくとも二官能性の化合物の官能基Mと反応させて、ポリマー誘導体を得ることをさらに特徴とし、その少なくとも二官能性の化合物が、アルデヒド基、ケト基またはヘミアセタール基でない少なくとも一つの他の官能基Qをさらに含み、該官能基Qを少なくとも一つの適当な化合物と反応させて、アルデヒド基、ケト基またはヘミアセタール基Aを含むポリマー誘導体を得ることをさらに特徴とする方法。
【請求項29】
MおよびQがアミノ基を含む、請求項27の方法。
【請求項30】
少なくとも一つの適当な化合物が、カルボキシ基およびアルデヒド基、ケト基もしくはヘミアセタール基を含む、請求項28または29の方法。
【請求項31】
少なくとも一つの適当な化合物が、ホルミル安息香酸または4−(4−ホルミル−3,5−ジメトキシフェノキシ)酪酸である、請求項30の方法。
【請求項32】
Mがアミノ基を含み、Qがベータヒドロキシアミノ基を含む、請求項28または29の方法。
【請求項33】
ポリマーを、その酸化された還元末端で少なくとも二官能性の化合物の官能基Mと反応させる、請求項32の方法。
【請求項34】
ベータヒドロキシアミノ基を酸化させて、アルデヒド基を得ることをさらに特徴とする、請求項32の方法。
【請求項35】
過ヨウ素酸を用いて酸化反応を実行する、請求項34の方法。
【請求項36】
過ヨウ素酸を用いて、ポリマーに開環酸化反応を受けさせて、少なくとも一つ、特に少なくとも二つのアルデヒド基Aを有するポリマー誘導体を得る、請求項18の方法。
【請求項37】
ポリマーまたは該ポリマー誘導体のタンパク質との反応が還元的アミノ化である、請求項26から36のいずれかの方法。
【請求項38】
還元的アミノ化をNaCNBHの存在下で実行する、請求項37の方法。
【請求項39】
還元的アミノ化を7以下のpHで実行する、請求項37または38の方法。
【請求項40】
pHが6以下である、請求項39の方法。
【請求項41】
還元的アミノ化を0から25℃の温度で実行する、請求項37から40のいずれかの方法。
【請求項42】
還元的アミノ化を水溶媒中で実行する、請求項37から41のいずれかの方法。
【請求項43】
Zがチオール基である、請求項1から11のいずれかの方法。
【請求項44】
タンパク質が、エリスロポエチン(EPO)、IFNベータ、GM−CSF、APC、tPA、A1AT、AT III、HCG、LH、FSH、抗体融合タンパク質、治療抗体、インターロイキン、特にインターロイキン2またはインターロイキン6、IFN−α、CSF、第VII因子、第VIII因子、並びに第IX因子からなる群から選択される、請求項43の方法。
【請求項45】
Aがハロゲンアセチル基を含む、請求項42または43の方法であって、ポリマーを、その適宜酸化された還元末端で、各々がアミノ酸を含む少なくとも二つの官能基を有する少なくとも二官能性の化合物と反応させて、アミノ基を含む少なくとも一つの官能基を有するポリマー誘導体を得ることをさらに特徴とする方法であって、該ポリマー誘導体をモノハロゲン置換酢酸および/または反応性モノハロゲン置換酢酸誘導体と反応させることをさらに特徴とする方法。
【請求項46】
ハロゲンがBrまたはIである、請求項43の方法。
【請求項47】
少なくとも二官能性の化合物が、2から10個の炭素原子を有するジアミノアルカンである、請求項43から45のいずれかの方法。
【請求項48】
少なくとも二官能性の化合物が、1から5個のアルキレン単位を有するジアミノポリエチレングリコールである、請求項43から45のいずれかの方法。
【請求項49】
ポリマーを、その酸化された還元末端で少なくとも二官能性の化合物と反応させる、請求項43から48のいずれかの方法。
【請求項50】
ジメチルホルムアミドおよび水の混合物を含む溶媒の存在下で、ハロゲンアセチル基を含むポリマー誘導体を糖タンパク質と反応させる、請求項43から48のいずれかの方法。
【請求項51】
Aがマレイミド基を含む、請求項43または44の方法であって、ポリマーを、その適宜酸化された還元末端で、適宜酸化された還元末端と反応させることができる官能基Uを含む少なくとも二官能性の化合物と反応させることをさらに特徴とする方法であって、その少なくとも二官能性の化合物が、マレイミド基が得られるように化学修飾されうる官能基Wをさらに含み、マレイミド基が得られるように官能基Wを化学修飾することをさらに特徴とする方法。
【請求項52】
Uがアミノ基を含む、請求項51の方法。
【請求項53】
Wがアミノ基を含む、請求項51または52の方法。
【請求項54】
Wを含むポリマー誘導体を、Wと反応させることができる官能基を含み、さらにマレイミド基を含む少なくとも二官能性の化合物と反応させる、請求項50から53のいずれかの方法。
【請求項55】
少なくとも二官能性の化合物がN−(アルファ−マレイミドアセトキシ)スクシンイミドエステルである、請求項54の方法。
【請求項56】
例えば、糖タンパク質の細胞内タンパク質分解のLC−ESI−MS分析を用いることによって、少なくとも一つの遊離アスパラギンおよび/またはグルタミン側鎖を含む糖タンパク質の少なくとも80%が、すべてのアスパラギンおよびグルタミン側鎖において無処理のアミド基を保持している、請求項1から55のいずれかの方法によって得られる共役複合体を含む組成物。
【請求項57】
Aが反応性カルボキシ基であり、その中でAは、ポリマーの少なくとも一つのヒドロキシ基を炭酸ジエステルと反応させることによって、還元末端が酸化されていないポリマー中に導入され、前記共役複合体が、一つのポリマー分子、およびアミド結合を通して該ポリマーと結合した少なくとも一つ、特に1から10個の糖タンパク質分子を含む、請求項56の組成物。
【請求項58】
タンパク質が、エリスロポエチン(EPO)、IFNベータ、GM−CSF、APC、tPA、A1AT、AT III、HCG、LH、FSH、抗体融合タンパク質、治療抗体、インターロイキン、特にインターロイキン2またはインターロイキン6、IFN−α、CSF、第VII因子、第VIII因子、並びに第IX因子からなる群から選択される、請求項57の方法。
【請求項59】
ヒトまたは動物の体の治療方法に使用するための、請求項56から58のいずれかの組成物。
【請求項60】
治療上の有効量の中に、請求項1から55のいずれかの方法によって得られる共役複合体を含む医薬組成物、または特に共役複合体が濃度約1nMで存在している、請求項56から58のいずれかの組成物。
【請求項61】
請求項60の医薬組成物であって、少なくとも一つの医薬的に許容される希釈剤、添加剤、または担体をさらに含み、特にその中で共役複合体が、該医薬組成物中に存在している全タンパク質の少なくとも5%、より好ましくは少なくとも25%、さらに好ましくは50%以上を構成する医薬組成物。
【請求項62】
白血病(例えば有毛細胞白血病、慢性骨髄性白血病)、多発性骨髄腫、濾胞性リンパ腫、癌(例えばカルチノイド腫瘍、悪性黒色腫)および肝炎(例えば慢性B型肝炎および慢性C型肝炎)の治療用薬剤の製造のため、タンパク質がIFNアルファである、請求項112のHAS−タンパク質共役複合体、好ましくはHES−タンパク質共役複合体または請求項56から58もしくは113のいずれかの組成物の使用。
【請求項63】
多発性硬化症、好ましくは再発性型の多発性硬化症の治療用薬剤の製造のため、タンパク質がIFNベータである、請求項112のHAS−タンパク質共役複合体、好ましくはHES−タンパク質共役複合体または請求項56から58もしくは113のいずれかの組成物の使用。
【請求項64】
急性骨髄性白血病、骨髄移植生着の失敗または遅延、流動を有する高齢者における骨髄移植または術前化学療法後の骨髄再構成、並びに自家末梢血前駆細胞の移植後の骨髄再構成用薬剤の製造のため、タンパク質がGM−CSFである、請求項112のHAS−タンパク質共役複合体、好ましくはHES−タンパク質共役複合体または請求項56から58もしくは113のいずれかの組成物の使用。
【請求項65】
重症敗血症、血栓症、血栓塞栓症または閉塞性疾患、特に閉塞性動脈疾患の治療用薬剤の製造のため、タンパク質がAPCである、請求項112のHAS−タンパク質共役複合体、好ましくはHES−タンパク質共役複合体または請求項56から58もしくは113のいずれかの組成物の使用。
【請求項66】
心筋梗塞(心臓発作)、血栓症、血栓塞栓症または閉塞性疾患、特に閉塞性動脈疾患の治療用薬剤の製造のため、タンパク質がtPAである、請求項112のHAS−タンパク質共役複合体、好ましくはHES−タンパク質共役複合体または請求項56から58もしくは113のいずれかの組成物の使用。
【請求項67】
肺気腫、嚢胞性線維症、アトピー性皮膚炎、および/または気管支炎の治療用薬剤の製造のため、タンパク質がA1ATである、請求項112のHAS−タンパク質共役複合体、好ましくはHES−タンパク質共役複合体または請求項56から58もしくは113のいずれかの組成物の使用。
【請求項68】
遺伝的欠損、静脈閉塞症、熱傷および冠状動脈バイパス手術におけるヘパリン耐性、人工呼吸療法に関連するマイクロクロット形成の予防、外傷または胃腸の手術から生じる腸穿孔;播種性血管内凝固(DIC)および/または敗血症の治療用薬剤の製造のため、タンパク質がAT IIIである、請求項112のHAS−タンパク質共役複合体、好ましくはHES−タンパク質共役複合体または請求項56から58もしくは113のいずれかの組成物の使用。
【請求項69】
第VIII因子または第IX因子へのインヒビターを有する血友病Aまたは血友病B患者におけるエピソードの治療用薬剤の製造のため、タンパク質が第VII因子である、請求項112のHAS−タンパク質共役複合体、好ましくはHES−タンパク質共役複合体または請求項56から58もしくは113のいずれかの組成物の使用。
【請求項70】
血友病Aの治療用薬剤の製造のため、タンパク質が第VIII因子である、請求項112のHAS−タンパク質共役複合体、好ましくはHES−タンパク質共役複合体または請求項56から58もしくは113のいずれかの組成物の使用。
【請求項71】
血友病B、好ましくは先天性第IX因子欠乏症またはクリスマス病を有する患者における出血性エピソードの制御および予防、例えば手術環境における出血の制御および予防用薬剤の製造のため、タンパク質が第IX因子である、請求項112のHAS−タンパク質共役複合体、好ましくはHES−タンパク質共役複合体または請求項56から58もしくは113のいずれかの組成物の使用。
【請求項72】
貧血障害または造血機能不全障害あるいはその関連疾患の治療用薬剤の製造のため、タンパク質がEPOである、請求項112のHAS−タンパク質共役複合体、好ましくはHES−タンパク質共役複合体または請求項56から58もしくは113のいずれかの組成物の使用。
【請求項73】
ポリマーがヒドロキシアルキルデンプン(HAS)であり、その中で糖タンパク質の本質的にすべてのアスパラギンおよびグルタミン側鎖が無処理のアミド基を保持している、糖タンパク質およびポリマーあるいはその誘導体を含む共役複合体の存在下でのトランスフェラーゼの使用。
【請求項74】
ポリマーがヒドロキシアルキルデンプン(HAS)であり、その中で共役複合体の本質的にどのメチオニン側鎖も酸化型でない、糖タンパク質および該ポリマーあるいはその誘導体を含む共役複合体の存在下でのトランスフェラーゼの使用。
【請求項75】
一つ以上のHAS分子を含むヒドロキシアルキルデンプン(HAS)−糖タンパク質(GPO)−共役複合体(HAS−GPO)であって、その中で各HASが、糖タンパク質のN−グリカンまたはO−グリカンのガラクトース部位を通してGPOと共役複合し、特に、前記N−グリカンまたはO−グリカンが、シアル酸残基でない少なくとも一つの末端の糖部位をさらに含む共役複合体。
【請求項76】
GPOが、エリスロポエチン(EPO)、IFNベータ、GM−CSF、APC、tPA、A1AT、AT III、HCG、LH、FSH、抗体融合タンパク質、治療抗体、インターロイキン、特にインターロイキン2またはインターロイキン6、IFN−α、CSF、第VII因子、第VIII因子、並びに第IX因子からなる群から選択され、最も好ましくはその中で、EPOがヒトEPOのアミノ酸配列を有する、請求項75のHAS−GPO。
【請求項77】
GPOの本質的にすべてのアスパラギンおよびグルタミン側鎖が無処理のアミド基を保持している、請求項75または76のいずれかのHAS−GPO。
【請求項78】
GPOの本質的にどのメチオニン側鎖も酸化型でない、請求項75または77のいずれか一つのHAS−GPO。
【請求項79】
GPOが、少なくとも一つの末端ガラクトース部位を含む少なくとも一つのN−グリカンまたはO−グリカンを含む、請求項75から78のいずれかのHAS−GPO。
【請求項80】
GPOが、少なくとも二つの末端ガラクトース部位を各々含む二つまたは三つのN−グリカンを含むEPOである、請求項79のHAS−GPO。
【請求項81】
GPOが、哺乳類、昆虫、酵母細胞または遺伝子改変細胞、特にヒト細胞由来である、請求項75から80のいずれかのHAS−GPO。
【請求項82】
HASがリンカー分子を通してGPOと共役複合した、請求項75から81のいずれかのHAS−GPO。
【請求項83】
EPO 1分子あたり1〜12個、好ましくは1〜6個または1〜3個、最も好ましくは1〜4個のHAS分子を含む、請求項75から82のいずれかのHAS−GPO。
【請求項84】
HASが、ヒドロキシエチルデンプン、ヒドロキシプロピルデンプンおよびヒドロキシブチルデンプンからなる群から選択される、請求項75から83のいずれかのHAS−GPO。
【請求項85】
HASがヒドロキシエチルデンプン(HES)である、請求項84のHAS−GPO。
【請求項86】
HESが、1から300kDa、好ましくは5から100kDaの分子量を有する、請求項85のHAS−EPO。
【請求項87】
HESが、ヒドロキシエチル基に関して0.1から0.8のモル置換度および2〜20の範囲内のC:C置換比を示す、請求項85または86のいずれかのHAS−EPO。
【請求項88】
請求項75から87のいずれか一つのヒドロキシアルキルデンプン(HAS)−糖タンパク質(GPO)−共役複合体(HAS−GPO)の生成方法であって、
a)ガラクトース残基である少なくとも二つの末端糖部位を含むGPOを提供し、
b)酵素ガラクトースオキシダーゼの作用によって末端ガラクトース残基を酸化させて、反応性アルデヒド基を含む末端ガラクトース残基を形成し、
c)段階b)のGPOと反応させることができる修飾HASを提供し、並びに
d)段階b)のGPOを段階c)のHASと反応させ、それによって一つ以上のHAS分子を含むHAS−GPO(各HASは、糖タンパク質のN−グリカンまたはO−グリカンのガラクトース部位を通して該GPOと共役複合し、前記N−グリカンまたはO−グリカンは、シアル酸残基でない少なくとも一つの末端糖部位をさらに含む)を生成する段階を含むことを特徴とする方法。
【請求項89】
GPOがEPOであり、特にその中で、該EPOがヒトEPOのアミノ酸配列を有する、請求項88の方法。
【請求項90】
請求項13の方法の前およびその間に、GPOが、常に3.0から9.0の間のpHで保たれ、それによってHAS−GPOが生成され、その中で該GPOの本質的にすべてのアスパラギンおよびグルタミン側鎖が無処理のアミド基を保持している、請求項88の方法。
【請求項91】
GPOが哺乳類、昆虫または酵母細胞、あるいは遺伝子改変細胞、特にヒト細胞由来である、請求項88から90のいずれかの方法。
【請求項92】
末端ガラクトース単位が、末端シアル酸の部分的または完全な酵素的除去の後に酸化される、請求項90の方法。
【請求項93】
段階d)において、修飾HASを、酸化された末端サッカライド単位と共役複合させる、請求項91または92の方法。
【請求項94】
請求項13の段階c)のHASを、それが遊離ヒドラジド、ヒドロキシルアミン、またはセミカルバジド官能基を含むように修飾する、請求項88から93のいずれかの方法。
【請求項95】
段階d)が、少なくとも10重量%のHOを含む反応溶媒中で行われる、請求項88から94のいずれかの方法。
【請求項96】
HASが、リンカー分子を通してGPO、特にEPOと共役複合した、請求項88から95のいずれかの方法。
【請求項97】
HASが、ヒドロキシエチルデンプン、ヒドロキシプロピルデンプンまたはヒドロキシブチルデンプン、好ましくはヒドロキシエチルデンプン(HES)である、請求項88から96のいずれかの方法。
【請求項98】
HESが、請求項86または87のいずれかで定義された特性を有する、請求項97の方法。
【請求項99】
請求項88から98のいずれかの方法によって得られるHAS−GPO。
【請求項100】
請求項75から87のいずれかで定義される特徴を有するHAS−GPO、特に請求項99のHAS−EPO。
【請求項101】
ヒトまたは動物の体の治療方法に使用するための、請求項75から87、99または100のいずれかのHAS−GPO、特にHAS−EPO。
【請求項102】
請求項75から87、99または100のいずれかのHAS−GPO、特にHAS−EPOを含む医薬組成物であって、特にその中でHAS−EPOが濃度約1nMで存在している医薬組成物。
【請求項103】
少なくとも一つの医薬的に許容される担体をさらに含む、請求項102の医薬組成物であって、特にその中でHAS−GPOが、該医薬組成物中に存在している全タンパク質の少なくとも5%、より好ましくは少なくとも25%、さらに好ましくは50%以上を構成する医薬組成物。
【請求項104】
貧血障害または造血機能不全障害の治療用薬物の製造のための、請求項75から87、99または100のいずれかのHAS−EPOの使用。
【請求項105】
200000U/mgより高いタンパク質の生理活性を有するEPOの製造方法において、出発物質として40000U/mgより低いタンパク質のインビボ生理活性を有するEPOの使用。
【請求項106】
医薬組成物中の使用に適した修飾GPOの製造方法において、出発物質としてガラクトース残基である少なくとも二つの末端糖部位を含むGPOの使用。
【請求項107】
医薬組成物中の使用に適した修飾GPOの製造方法において、出発物質として十分なシアル酸付加型のものと比較して70%以上のインビボ生理活性を有するGPOの使用。
【請求項108】
修飾GPOがHAS−GPO、詳細にはHES−GPO、より詳細にはHES−EPOである、請求項105から107のいずれか一つの使用。
【請求項109】
医薬組成物の製造に使用するのに適した修飾GPOの生成方法であって、
a)ガラクトース残基である少なくとも二つの末端糖部位を含むGPOの画分が、全タンパク質の少なくとも10%である、タンパク質の組成物を提供し、
b)酵素ガラクトースオキシダーゼの作用によって末端ガラクトース残基を酸化させて、反応性アルデヒド基を含む末端ガラクトース残基を形成し、
c)段階b)のGPOと反応させることができる修飾HASを提供し、並びに
d)段階b)のGPOを段階c)のHASと反応させ、それによって医薬組成物中の使用に適したHAS−GPOを生成する段階を含むことを特徴とする方法。
【請求項110】
修飾GPOがHAS−GPO、詳細にはHES−GPO、より詳細にはHES−EPOである、請求項109の方法。
【請求項111】
EPOがヒトEPOのアミノ酸配列を有する、請求項110の方法。
【請求項112】
請求項1から55のいずれか一つの方法によって得られる共役複合体。
【請求項113】
請求項112の共役複合体を含む組成物。
【請求項114】
ヒトまたは動物の体の治療方法に使用する、請求項113の組成物。
【請求項115】
ヒトまたは動物の体の治療方法に使用する、請求項112の共役複合体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公表番号】特表2008−532966(P2008−532966A)
【公表日】平成20年8月21日(2008.8.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−500129(P2008−500129)
【出願日】平成18年3月9日(2006.3.9)
【国際出願番号】PCT/EP2006/002179
【国際公開番号】WO2006/094810
【国際公開日】平成18年9月14日(2006.9.14)
【出願人】(505344029)フレゼニウス・カビ・ドイチュラント・ゲゼルシャフト・ミット・ベシュレンクテル・ハフツング (8)
【氏名又は名称原語表記】FRESENIUS KABI DEUTSCHLAND GmbH
【Fターム(参考)】