説明

中子、残砂検出方法および残砂検出装置

【課題】残砂を容易かつ確実に検出することが可能な中子、中子の残砂の検出方法及び中子の残砂の検出装置を提供する。
【解決手段】残砂検出装置1に、シリンダヘッド15の表面に紫外線、X線または電子線を照射する照射手段2と、蛍光砂12が発する可視光または紫外線を検出する検出手段3と、を具備し、蛍光体を被覆した蛍光砂12を少なくとも一部に含む中子10をシリンダヘッド15から除去した後に、シリンダヘッド15の表面に残留した蛍光砂12を検出する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、鋳物の内部空間を形成するために用いられる中子を構成する砂が、鋳造後の鋳物の表面に残留した場合において、当該砂を検出する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、エンジンのシリンダヘッド等、形状が複雑でアンダーカット部や中空部を有する鋳物を鋳造する場合に、鋳造用の鋳型の内部に別の鋳型である中子を配置する技術は公知となっている。例えば、特許文献1に記載の如くである。
このような中子のうち、砂等の粉粒体(粉体、粒体またはこれらの混合物)をバインダー等を用いて所定の形状に成形した、いわゆる崩壊性の中子を形成する代表的な方法としては、(1)シェルモールド法、(2)RCS法等が挙げられる。
(1)シェルモールド法は砂(乾燥骨材)とフェノール樹脂とヘキサミン(ヘキサメチレンテトラミン)との混合物を約250℃に加熱した金型上に供給し、金型の熱によりフェノール樹脂を溶融するとともにヘキサミンの熱分解により生じたホルムアルデヒドによりフェノール樹脂の重合度を高めて砂粒同士を融着させることにより、殻状の中子を形成する方法である。
(2)RCS(Resin Coated Sand)法は、金型上に砂とフェノール樹脂とヘキサミンとの混合物を供給する際の粉塵の発生、砂とフェノール樹脂の比重差に起因する偏析等のシェルモールド法の問題点を解消したものであり、砂(乾燥骨材)と液状または溶融フェノール樹脂とヘキサミンとを加熱混練して砂粒の表面にフェノール樹脂とヘキサミンを均一に分散、被覆し、次いでフェノール樹脂の融点以下の温度でこれらの混練を続けることにより、樹脂被覆砂粒、すなわちRCSを形成し、該RCSを約250℃に加熱した金型に供給することにより殻状の中子を形成する方法である。
【0003】
上記方法等により得られた中子を用いて鋳物を鋳造した場合、鋳物を鋳型から取り出した後、中子を砕いて鋳物から除去する必要があるが、当該鋳物の表面に中子を構成する砂が一部付着して残留する場合がある(以下、鋳物表面に付着、残留した中子由来の砂を本出願においては「残砂」と呼ぶこととする)。
そして、残砂は鋳物の製品品質の低下の原因となり得るため、鋳物の表面に残留する残砂の有無を作業者が目視で検査、除去している。
【特許文献1】特開平4−197573号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、目視による鋳物の表面に残留する残砂の有無の検査は、(A)残砂は微小な粒であり、特に残砂が少量の場合には目視で確実に発見することが困難であること、(B)鋳物において中子が配置されていた部分およびその周辺部は通常は複雑な形状をしているために目視による検査が面倒であり、作業者への負担が大きく、作業効率が良くないこと、(C)複数の作業者で行った場合に、作業者間の検査の精度にばらつきが生じやすいこと、といった問題がある。
【0005】
本発明は以上の如き状況に鑑み、残砂を容易かつ確実に検出することが可能な中子、中子の残砂の検出方法及び中子の残砂の検出装置を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段を説明する。
【0007】
即ち、請求項1においては、
砂に蛍光体を被覆して形成した蛍光砂を少なくとも一部に含むものである。
【0008】
請求項2においては、
砂に蛍光体を被覆して蛍光砂を形成する蛍光砂形成工程と、
該蛍光砂を少なくとも一部に含む中子を形成する中子形成工程と、
該中子を用いて所定の形状の鋳物を鋳造する鋳造工程と、
該鋳物から該中子を除去する中子除去工程と、
該鋳物の表面に紫外線、X線または電子線を照射し、該鋳物の表面に残留する蛍光砂が発する可視光または紫外線を検出する残砂検出工程と、
を具備するものである。
【0009】
請求項3においては、
蛍光体を被覆した蛍光砂を少なくとも一部に含む中子を鋳物から除去した後に、該鋳物の表面に残留した蛍光砂を検出する残砂検出装置であって、
該鋳物の表面に紫外線、X線または電子線を照射する照射手段と、
該蛍光砂が発する可視光または紫外線を検出する検出手段と、
を具備するものである。
【0010】
請求項4においては、
前記照射手段は、
所定の波長の紫外線、X線または電子線を発生させる光源と、
該光源により発生した所定の波長の紫外線、X線または電子線を伝送し、前記鋳物の表面に照射する照射側ライトガイドと、
を具備するものである。
【0011】
請求項5においては、
前記照射側ライトガイドはリキッドライトガイドであるものである。
【0012】
請求項6においては、
前記検出手段は、
前記鋳物の表面に残留した蛍光砂が発する可視光または紫外線を伝送する検出側ライトガイドと、
該検出側ライトガイドにより伝送された可視光または紫外線の量を検出するフォトンカウンターと、
を具備するものである。
【0013】
請求項7においては、
前記検出手段は、
複数の前記検出側ライトガイドを具備する場合において、
該複数の検出側ライトガイドと前記フォトンカウンターとの間に配置され、該複数の検出側ライトガイドが伝送する可視光または紫外線をそれぞれ遮断または通過するように切り替え可能とするシャッターを具備するものである。
【0014】
請求項8においては、
前記検出手段は、
前記検出側ライトガイドと前記フォトンカウンターとの間に配置され、前記蛍光砂が発する可視光または紫外線を選択的に通過させるフィルターと、該フィルターを通過した可視光または紫外線を増幅する光電子倍増管と、を具備する検出ヘッド、
を具備するものである。
【0015】
請求項9においては、
前記検出側ライトガイドはリキッドライトガイドであるものである。
【0016】
請求項10においては、
前記検出側ライトガイドの受光部に広角度のレンズを設けたものである。
【0017】
請求項11においては、
前記検出手段はボアスコープを具備するものである。
【0018】
請求項12においては、
前記ボアスコープの受光部に広角度のレンズを設けたものである。
【発明の効果】
【0019】
本発明の効果として、以下に示すような効果を奏する。
【0020】
請求項1においては、当該中子を用いて鋳造した鋳物の表面に紫外線、X線または電子線を照射すると、該表面に残留している蛍光砂は可視光または紫外線を発する。そのため、鋳物の表面に残留する蛍光砂を通常の砂よりも容易かつ確実に検出することが可能である。
【0021】
請求項2においては、鋳物の表面に残留する蛍光砂を容易かつ確実に検出することが可能である。
【0022】
請求項3においては、鋳物の表面に残留する蛍光砂を容易かつ確実に検出することが可能である。
【0023】
請求項4においては、鋳物の表面、特に中子と接触していた部分およびその周囲の形状が複雑な場合でも、確実に所定の波長の紫外線、X線または電子線を照射することが可能である。
【0024】
請求項5においては、紫外線やX線、電子線の伝送時の損失が少なく、鋳物の表面により強い紫外線やX線、電子線を照射することが可能である。
【0025】
請求項6においては、鋳物の表面に残留する蛍光砂を容易かつ確実に検出することが可能である。
また、鋳物の表面に残留する蛍光砂の検出に要する時間を短縮することが可能である。
【0026】
請求項7においては、鋳物の表面の複数の箇所に残留する蛍光砂を検出する場合に、その都度検出側ライトガイドの位置を変えて検出する必要が無く、作業性に優れる。
【0027】
請求項8においては、蛍光砂が発する可視光または紫外線が微弱な場合でもこれを確実に検出することが可能である。
【0028】
請求項9においては、可視光や紫外線の伝送時の損失が少ないため、鋳物の表面に残留した蛍光砂の検出精度を向上させることが可能である。
【0029】
請求項10においては、検出側ライトガイドの視野角、すなわち蛍光砂の発する可視光または紫外線を受光可能な範囲が広くなり、より確実に鋳物の表面に残留した蛍光砂を検出することが可能である。
【0030】
請求項11においては、鋳物の表面に残留する蛍光砂を容易かつ確実に検出することが可能である。
【0031】
請求項12においては、ボアスコープの視野角、すなわち蛍光砂の発する可視光または紫外線を受光可能な範囲が広くなり、より確実に鋳物の表面に残留した蛍光砂を検出することが可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0032】
以下では、図1を用いて本発明に係る中子の実施の一形態である中子10の構成について説明する。
ここで、本出願における「中子」は、鋳物を鋳造するための主たる鋳型の内部に設けられ、該鋳物のアンダーカット部や中空部に対応する部分等を成形するための別の鋳型を指すものとする。
また、「鋳物」は、鋳型に供給した溶湯を凝固させて所定の形状に成形したものを広く指すものとする。溶湯には、溶融状態の鋳鉄、アルミニウム、アルミニウム合金、銅、銅合金その他の金属の他、溶融状態の樹脂等も含まれる。
【0033】
本実施例の中子10は、いわゆる崩壊性の中子である。
本出願における「崩壊性の中子」は、砂と、該砂を所定の形状に固めるためのバインダーと、を具備する中子を指すものとする。崩壊性の中子は、細かく砕く、すなわち崩壊させることにより鋳造後の鋳物から除去される。
【0034】
本出願における「砂」は砂粒の集合体であって、一般的に中子の形成に用いられている砂を全て含むものとする。
砂の具体例としては、石英(SiO)を主成分とする「山砂」や「珪砂」(日本工業規格:JIS G5901、JIS G5902を参照)、ジルコン砂(示成式:ZrSiO)、炭素粒を主成分とするカーボン砂の他、カンラン石を破砕して得られるオリビン砂(示成式:(Mg,Fe)SiO)、造粒により作られたムライト系のセラミック砂、フェロニッケル鋼滓を風砕処理したもの等が挙げられる。
【0035】
本出願における砂の粒径は特に限定されない。これは、中子に求められる性質(強度に優れていること、ガス発生量が少ないこと、温度変化による膨張が少ないこと、耐熱性に優れている(中子が化学的に焼着しない)こと、通気性に優れていること、充填性に優れている(中子が物理的に焼着しない)こと、残留強度が低い(注湯後の中子の強度が低く、鋳物から中子を除去しやすい)こと、等)に応じて砂の種類および砂の粒径、粒径の分布等を適宜選択することが望ましく、また、本発明に係る中子は、後述する如く、該中子を構成する砂の粒径に関わらず同様の効果を奏するからである。
【0036】
図1の(a)は、本実施例の中子10を示す模式図であり、図1の(b)は、中子10の表面の一部(図1の(a)において点線で囲まれた部分)を拡大した模式図である。
図1の(b)に示す如く、本実施例の中子10は、RCS11および蛍光砂12を含む。
【0037】
RCS11は、はRCS法により得られる砂である。すなわち、出発材となる砂と、バインダーとなる液状または溶融フェノール樹脂とヘキサミンと、を加熱混練することにより、砂の表面にフェノール樹脂とヘキサミンを均一に分散、被覆したものである。
【0038】
本出願における「蛍光砂」は、表面の少なくとも一部に(一部または全部に)蛍光体を被覆した砂粒の集合体を指すものとする。
また、本出願における「蛍光体」は、後述の具体例に限定されず、紫外線、X線、電子線等を照射すると所定の波長の可視光または紫外線を発する性質を有するものを全て含むものとする。
なお、中子10は鋳造時に鋳物に接触するものであるため、その温度が溶湯の温度付近まで上昇し、その後室温まで冷却される。従って、蛍光体は、このような温度変化を受けた後も紫外線、X線、電子線等を照射すると所定の波長の可視光または紫外線を発する性質を有することが求められる。そして、上記溶湯の温度は溶湯を構成する材料により異なるため、当該溶湯を構成する材料に応じて蛍光体を選択することが望ましい。
【0039】
本出願における蛍光体の具体例としては、以下のものが挙げられる。
(a)紫外線を発する蛍光体
(Y,Sr)TaO:Nb、BaSi:Pb
(b)青色光を発する蛍光体
ZnS:Ag、3(Ba,Mg),8Al:Eu、(Sr,Ca,Ba,Mg)10(PO・Cl:Eu、BaMgAl1017:Eu、CaWO
(c)青緑色光を発する蛍光体
3(Ba,Mg)O,8Al:Eu,Mn、(Ba,Ca,Mg)10(PO・Cl:Eu
(d)緑色光を発する蛍光体
ZnS:Cu,Al、ZnS:Cu,Au,Al、(La,Ce)(P,B)O:Ce,Tb、ZnSiO:Mn、GdS:Tb、ZnSiO:Mn、
(e)橙色光を発する蛍光体
ZnS:Cu,Mn、(Sr,Mg)(PO:Sn
(f)赤色光を発する蛍光体
S、Y:Eu、(Y,Gd)BO:Eu、3.5MgO・0.5MgF・GeO:Mn
(g)白色光を発する蛍光体
Ca10(POFCl:Sb,Mn
【0040】
本実施例の蛍光砂12は、出発材となる砂と、バインダーとなる液状または溶融フェノール樹脂とヘキサミンと、蛍光体と、を加熱混練することにより砂粒の表面にフェノール樹脂とヘキサミンと蛍光体とを均一に分散、被覆したものである。
なお、所定の粒径の蛍光体が分散された塗料(蛍光塗料)を砂粒の表面に塗布することによっても本出願における蛍光砂を得ることが可能である。
【0041】
本実施例の中子10は、RCS11と蛍光砂12とを所定の割合で混合したもの、を所定の温度に加熱した金型上に供給することにより形成される。
なお、RCS11と蛍光砂12とを混合する「所定の割合」は、後述の如く、中子10を鋳物から除去した後に鋳物の表面に残留する砂、すなわち残砂の量に応じて適宜選択することが望ましい。また、当該所定の割合は、蛍光砂12が100%の場合、すなわち中子10を構成する砂を全て蛍光砂12とする場合、も含まれる。
【0042】
以下では、図2を用いて本発明に係る残砂検出装置の第一実施例である残砂検出装置1の構成について説明する。
本実施例の残砂検出装置1は、蛍光砂12を少なくとも一部に含む中子10をシリンダヘッド15から除去した後にシリンダヘッド15の表面に残留した蛍光砂12を検出する装置であり、主として照射手段2、検出手段3、制御手段4等を具備する。
【0043】
残砂検出装置1による残砂の検出の対象となるシリンダヘッド15は、本出願における鋳物の実施の一形態であり、形状が複雑でアンダーカット部や中空部、例えば、孔15a・15b・15c・15d等を有することから、中子10を用いて鋳造される。
なお、本実施例においては、孔15a・15b・15c・15dがシリンダヘッド15の内部で連通しているものとする。
【0044】
照射手段2は、シリンダヘッド15の表面、特に中子10と接触していた部分およびその周囲(すなわち、中子10に含まれる蛍光砂12が残砂として残留し得る部分)に紫外線、X線または電子線を照射するものである。
本実施例の照射手段2は主として光源21、照射側ライトガイド22等を具備する。
【0045】
光源21は所定の波長の紫外線、X線または電子線を発生させるものである。
本実施例の照射側ライトガイド22は、単数の光ファイバーケーブル、または複数の光ファイバーケーブルを束ねたもの、の外周を被覆したものであり、その一端が光源21に接続され、他端は孔15dの内部に差し込まれている。照射側ライトガイド22は光源21により発生した所定の波長の紫外線、X線または電子線を伝送し、シリンダヘッド15の表面、特に孔15a・15b・15c・15dの内周面、すなわち中子10と接触していた部分およびその周囲に照射する。
なお、照射側ライトガイド22としては、コア材の屈折率をクラッド材の屈折率よりも高くした光ファイバーを用いたいわゆるポリマーライトガイドを用いることが可能であるが、コア部分を中空にして当該中空部分にクラッド材よりも屈折率が大きい液体を充填した光ファイバーを用いたいわゆるリキッドライトガイドを用いることが望ましい。
これは、リキッドライトガイドは波長の短い紫外線やX線、電子線の伝送時の損失が少ないため、シリンダヘッド15の表面により強い紫外線やX線、電子線を照射することが可能だからである。
【0046】
検出手段3は、シリンダヘッド15の表面に残留する蛍光砂12が照射手段2により紫外線、X線または電子線が照射されて発する可視光または紫外線を検出するものである。
検出手段3は主として検出側ライトガイド31・32・33、シャッター34、検出ヘッド35、フォトンカウンター36等を具備する。
【0047】
検出側ライトガイド31・32・33はシリンダヘッド15の表面に残留した蛍光砂12、より厳密には蛍光砂12に被覆された蛍光体が発する可視光または紫外線を伝送するものである。検出側ライトガイド31・32・33の一端、すなわち受光部はそれぞれ孔15a・15b・15cに差し込まれており、孔15a・15b・15cの内周面に残留する蛍光砂が発する可視光または紫外線を他端に伝送する。
【0048】
なお、検出側ライトガイド31・32・33としては、コア材の屈折率をクラッド材の屈折率よりも高くした光ファイバーを用いたいわゆるポリマーライトガイドを用いることが可能であるが、コア部分を中空にして当該中空部分にクラッド材よりも屈折率が大きい液体を充填した光ファイバーを用いたいわゆるリキッドライトガイドを用いることが望ましい。
これは、リキッドライトガイドは可視光や紫外線の伝送時の損失が少ないため、シリンダヘッド15の表面に残留した蛍光砂12の検出精度を向上させることが可能だからである。
【0049】
また、本実施例では、検出側ライトガイド31・32・33の受光部に図示せぬ広角度のレンズを設けている。このように構成することにより、検出側ライトガイド31・32・33の視野角、すなわち蛍光砂12の発する可視光または紫外線を受光可能な範囲が広くなり、より確実にシリンダヘッド15の表面に残留した蛍光砂12を検出することが可能である。上記広角度のレンズの具体例としては、魚眼レンズ等が挙げられる。
【0050】
シャッター34は、本実施例の如く、複数の検出側ライトガイド(三つの検出側ライトガイド31・32・33)を具備する場合において、該複数の検出側ライトガイドと後述するフォトンカウンター36との間に配置され、該複数の検出側ライトガイドが伝送する可視光または紫外線をそれぞれ遮断または通過するように切り替え可能とするものである。
従って、検出側ライトガイドを複数具備しない場合には、シャッター34を省略することも可能である。
【0051】
検出ヘッド35は、主としてフィルター35a、光電子倍増管35b等を具備する。
検出ヘッド35は、検出側ライトガイド31・32・33と後述するフォトンカウンター36との間(より厳密には、シャッター34と後述するフォトンカウンター36との間)に配置される。
【0052】
フィルター35aは、検出側ライトガイド31・32・33のいずれかからシャッター34を経て伝送されてきた蛍光砂が発する可視光または紫外線を選択的に通過させるものである。
ここで、本出願における「蛍光砂が発する可視光または紫外線を選択的に通過させる」とは、蛍光砂が発する可視光または紫外線が通過する際の損失が、蛍光砂が発する可視光または紫外線に対応する波長以外の波長を持つ可視光または紫外線が通過する際の損失よりも相対的に小さいことを指すものとする。
【0053】
光電子倍増管35bは、フィルター35aを通過した可視光または紫外線を増幅するものであり、可視光または紫外線を電子に変換する光電面と、該変換された電子を増幅して電流パルス信号を出力する電子倍増管と、を具備する。
【0054】
なお、本実施例の検出ヘッド35についてはフィルター35aおよび光電子倍増管35bを具備する構成としたが、光電子倍増管35bに代えてイメージインテンシファイア付きフォトダイオードアレイ検出器を具備する構成や、光電子倍増管35bに代えてCCD検出器を具備する構成としてもフィルター35aを通過した可視光または紫外線を増幅することが可能である。
【0055】
フォトンカウンター36は検出側ライトガイド31・32・33により伝送された可視光または紫外線の量を検出するものである。
本実施例の場合、検出側ライトガイド31・32・33により伝送された可視光または紫外線は、シャッター34を経て検出ヘッド35に到達し、検出ヘッド35にて可視光または紫外線の量に応じた電流パルス信号に変換される。そして、フォトンカウンター36は当該電流パルス信号に基づいて検出側ライトガイド31・32・33により伝送された可視光または紫外線の量を検出する。
【0056】
制御手段4は、残砂検出装置1を構成する各部材の動作を制御するとともに、残砂検出装置1による検出結果を記憶するものである。
制御手段4は主として制御部41、入力部42、表示部43等を具備する。
【0057】
制御部41は照射手段2や検出手段3の動作を制御するためのプログラムを格納する格納手段、該プログラム群を展開する展開手段、該プログラム群に従って所定の演算を行う演算手段、残砂検出装置1による検出結果を記憶する記憶手段等を具備する。
制御部41は、より具体的にはCPU、ROM、RAM、HDD等がバスで接続される構成であっても良く、あるいはワンチップのLSI等からなる構成であっても良い。
また、制御部41は専用品でも良いが、市販のパソコンやワークステーション等を用いて達成することも可能である。
【0058】
入力部42は、作業者等が残砂検出装置1による残砂の検出に係るデータ等を制御部41に入力するものである。
入力部42は専用品でも良いが、市販のキーボードやタッチパネル等を用いて達成することも可能である。
【0059】
表示部43は、入力部42により入力されたデータ、および残砂の検出結果等を表示するものである。
表示部43は専用品でも良いが、市販のモニターや液晶ディスプレイ等を用いて達成することも可能である。
【0060】
以下では、図3を用いて本発明に係る残砂検出装置の第二実施例である残砂検出装置101の構成について説明する。
本実施例の残砂検出装置101は、蛍光砂12を少なくとも一部に含む中子10をシリンダヘッド15から除去した後にシリンダヘッド15の表面に残留した蛍光砂12を検出する装置であり、主として照射手段102、検出手段103、等を具備する。
【0061】
照射手段102はシリンダヘッド15の表面、特に中子10と接触していた部分およびその周囲(すなわち、中子10に含まれる蛍光砂12が残砂として残留し得る部分)に紫外線、X線または電子線を照射するものである。
照射手段102は主として光源121、照射側ライトガイド122等を具備する。光源121、照射側ライトガイド122の構成についてはそれぞれ上述の光源21、照射側ライトガイド22の構成と略同じである。
【0062】
検出手段103は、シリンダヘッド15の表面に残留する蛍光砂12が照射手段102により紫外線、X線または電子線が照射されて発する可視光または紫外線を検出するものである。
検出手段103は主としてボアスコープ131、モニター132等を具備する。
【0063】
ボアスコープ131は挿入部131a、接眼部131b、ケーブル131c等を具備する。
【0064】
挿入部131aはステンレス等からなる管状の部材の内部に画像伝送用のレンズを複数設けたもの、またはライトガイド(光ファイバー等からなる)からなる。挿入部131aは先端部(受光部)が捉えた画像を基部に伝送する。
挿入部131aは細長い形状をしており、目視で確認することが困難な孔の内部等に挿入して該内部を観察する場合に適している。
【0065】
また、本実施例では、挿入部131aの受光部に図示せぬ広角度のレンズを設けている。このように構成することにより、挿入部131aの視野角、すなわち蛍光砂12の発する可視光または紫外線を受光可能な範囲が広くなり、より確実にシリンダヘッド15の表面に残留した蛍光砂12を検出することが可能である。上記広角度のレンズの具体例としては、魚眼レンズ等が挙げられる。
【0066】
接眼部131bは挿入部131aが伝送する画像を作業者等が目視で確認するためのものである。接眼部131bは挿入部131aの基部に接続される。
【0067】
ケーブル131cは光ファイバー等からなる。ケーブル131cの一端は接眼部131b(より厳密には、挿入部131aの基部)に接続され、他端はモニター132に接続される。ケーブル131cは挿入部131aが捉えた画像をモニター132に伝送する。
【0068】
モニター132はボアスコープ131により捉えられ、伝送されてきた画像を表示するものである。
【0069】
以下では、図4を用いて、本発明に係る残砂検出方法の実施例について説明する。
なお、以下では便宜上、図2に示す残砂検出装置1を用いて説明する。
【0070】
図4に示す如く、残砂検出方法の実施例は、主として蛍光砂形成工程201、中子形成工程202、鋳造工程203、中子除去工程204、残砂検出工程205等を具備する。
【0071】
蛍光砂形成工程201は、砂に蛍光体を被覆して蛍光砂を形成する工程である。
本実施例の場合、出発材となる砂と、バインダーとなる液状または溶融フェノール樹脂とヘキサミンと、蛍光体と、を加熱混練することにより砂粒の表面にフェノール樹脂とヘキサミンと蛍光体とを均一に分散、被覆して、蛍光砂12を形成する。
蛍光砂形成工程201が終了したら、中子形成工程202に移行する。
【0072】
中子形成工程202は、蛍光砂を少なくとも一部に含む中子を形成する工程である。
本実施例の場合、蛍光砂12、またはRCS11と蛍光砂12とを所定の割合で混合したもの、を所定の温度に加熱した金型上に供給することにより中子10を形成する。
中子形成工程202が終了したら、鋳造工程203に移行する。
【0073】
鋳造工程203は、中子を用いて所定の形状の鋳物を鋳造する工程である。
本実施例の場合、中子10が内部に配置された図示せぬ鋳型の内部に溶湯を供給し、該溶湯を凝固させて所定の形状に成形することによりシリンダヘッド15を鋳造する。
鋳造工程203が終了したら、中子除去工程204に移行する。
【0074】
中子除去工程204は、鋳物から中子を除去する工程である。
本実施例の場合、中子10を細かく砕く、すなわち崩壊させることにより、シリンダヘッド15から中子10を除去する。中子10を崩壊させる方法の一例としては、シリンダヘッド15に振動を付与して中子10を崩壊させる方法が挙げられる。
中子除去工程204が終了したら、残砂検出工程205に移行する。
【0075】
残砂検出工程205は、鋳物の表面に紫外線、X線または電子線を照射し、該鋳物の表面に残留する蛍光砂が発する可視光または紫外線を検出する工程である。
本実施例の場合、残砂検出装置1の照射手段2により中子10を除去したシリンダヘッド15の表面(より厳密には、孔15a・15b・15cの内周面等、中子10と接触していた部分およびその周囲)に紫外線、X線または電子線を照射し、残砂検出装置1の検出手段3によりシリンダヘッド15の表面に残留する蛍光砂12が発する可視光または紫外線を検出する。
【0076】
以上の如く、本発明に係る中子の実施の一形態である中子10は、
砂に蛍光体を被覆して形成した蛍光砂12を少なくとも一部に含むものである。
このように構成することにより、中子10を用いて鋳造したシリンダヘッド15の表面に紫外線、X線または電子線を照射すると、該表面に残留している蛍光砂12は可視光または紫外線を発する。そのため、シリンダヘッド15の表面に残留する蛍光砂12を容易かつ確実に検出することが可能である。
【0077】
また、本発明に係る残砂検出方法の実施例は、
砂に蛍光体を被覆して蛍光砂12を形成する蛍光砂形成工程201と、
蛍光砂12を少なくとも一部に含む中子10を形成する中子形成工程202と、
中子10を用いてシリンダヘッド15を鋳造する鋳造工程203と、
シリンダヘッド15から中子10を除去する中子除去工程204と、
シリンダヘッド15の表面に紫外線、X線または電子線を照射し、シリンダヘッド15表面に残留する蛍光砂12が発する可視光または紫外線を検出する残砂検出工程205と、
を具備するものである。
このように構成することにより、シリンダヘッド15の表面に残留する蛍光砂12を容易かつ確実に検出することが可能である。
【0078】
また、本発明に係る残砂検出装置の第一(二)実施例である残砂検出装置1(残砂検出装置101)は、
蛍光体を被覆した蛍光砂12を少なくとも一部に含む中子10をシリンダヘッド15から除去した後に、シリンダヘッド15の表面に残留した蛍光砂12を検出する残砂検出装置であって、
シリンダヘッド15の表面に紫外線、X線または電子線を照射する照射手段2(照射手段102)と、
蛍光砂12が発する可視光または紫外線を検出する検出手段3(検出手段103)と、
を具備するものである。
このように構成することにより、シリンダヘッド15の表面に残留する蛍光砂12を容易かつ確実に検出することが可能である。
【0079】
また、本発明に係る残砂検出装置の第一(二)実施例である残砂検出装置1(残砂検出装置101)の照射手段2(照射手段102)は、
所定の波長の紫外線、X線または電子線を発生させる光源21(光源121)と、
光源21(光源121)により発生した所定の波長の紫外線、X線または電子線を伝送し、シリンダヘッド15の表面に照射する照射側ライトガイド22(照射側ライトガイド122)と、
を具備するものである。
このように構成することにより、シリンダヘッド15の表面、特に中子10と接触していた部分およびその周囲の形状が複雑な場合でも、確実に所定の波長の紫外線、X線または電子線を照射することが可能である。
【0080】
また、本発明に係る残砂検出装置の第一(二)実施例である残砂検出装置1(残砂検出装置101)の照射手段2(照射手段102)の照射側ライトガイド22(照射側ライトガイド122)は、リキッドライトガイドであるものである。
このように構成することにより、紫外線やX線、電子線の伝送時の損失が少なく、シリンダヘッド15の表面により強い紫外線やX線、電子線を照射することが可能である。
【0081】
また、本発明に係る残砂検出装置の第一実施例である残砂検出装置1の検出手段3は、
シリンダヘッド15の表面に残留した蛍光砂12が発する可視光または紫外線を伝送する検出側ライトガイド31・32・33と、
検出側ライトガイド31・32・33により伝送された可視光または紫外線の量を検出するフォトンカウンター36と、
を具備するものである。
このように構成することにより、シリンダヘッド15の表面に残留する蛍光砂12を容易かつ確実に検出することが可能である。
また、シリンダヘッド15の表面に残留する蛍光砂12の検出に要する時間を短縮することが可能である。
さらに、シリンダヘッド15の表面に残留する蛍光砂12の検出に要する時間を短縮することが可能であることから、シリンダヘッド15の製造工程に組み込んで全数検査に用いることが可能となり、シリンダヘッド15の品質向上に寄与する。
【0082】
また、本発明に係る残砂検出装置の第一実施例である残砂検出装置1の検出手段3は、
検出側ライトガイド31・32・33を具備する場合において、
検出側ライトガイド31・32・33とフォトンカウンター36との間に配置され、検出側ライトガイド31・32・33が伝送する可視光または紫外線をそれぞれ遮断または通過するように切り替え可能とするシャッター34を具備するものである。
このように構成することにより、シリンダヘッド15の表面の複数の箇所に残留する蛍光砂12を検出する場合に、その都度検出側ライトガイドの位置を変えて検出する必要が無く、作業性に優れる。
【0083】
また、本発明に係る残砂検出装置の第一実施例である残砂検出装置1の検出手段3は、
検出側ライトガイド31・32・33とフォトンカウンター36との間に配置され、蛍光砂12が発する可視光または紫外線を選択的に通過させるフィルター35aと、フィルター35aを通過した可視光または紫外線を増幅する光電子倍増管35bと、を具備する検出ヘッド35、
を具備するものである。
このように構成することにより、蛍光砂12が発する可視光または紫外線が微弱な場合でもこれを確実に検出することが可能である。
【0084】
また、本発明に係る残砂検出装置の第一実施例である残砂検出装置1の検出手段3の検出側ライトガイド31・32・33は、リキッドライトガイドであるものである。
このように構成することにより、可視光や紫外線の伝送時の損失が少ないため、シリンダヘッド15の表面に残留した蛍光砂12の検出精度を向上させることが可能である。
【0085】
また、本発明に係る残砂検出装置の第一実施例である残砂検出装置1の検出手段3の検出側ライトガイド31・32・33は、その受光部に広角度のレンズを設けたものである。
このように構成することにより、検出側ライトガイド31・32・33の視野角、すなわち蛍光砂12の発する可視光または紫外線を受光可能な範囲が広くなり、より確実にシリンダヘッド15の表面に残留した蛍光砂12を検出することが可能である。
【0086】
また、本発明に係る残砂検出装置の第二実施例である残砂検出装置101の検出手段103は、ボアスコープ131を具備するものである。
このように構成することにより、シリンダヘッド15の表面に残留する蛍光砂12を容易かつ確実に検出することが可能である。
【0087】
また、本発明に係る残砂検出装置の第二実施例である残砂検出装置101の検出手段103のボアスコープ131は、その受光部に広角度のレンズを設けたものである。
このように構成することにより、ボアスコープ131の視野角、すなわち蛍光砂12の発する可視光または紫外線を受光可能な範囲が広くなり、より確実にシリンダヘッド15の表面に残留した蛍光砂12を検出することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0088】
【図1】本発明に係る中子の実施の一形態を示す図。
【図2】本発明に係る残砂検出装置の第一実施例を示す図。
【図3】本発明に係る残砂検出装置の第二実施例を示す図。
【図4】本発明に係る残砂検出方法の実施例を示すフロー図。
【符号の説明】
【0089】
1 残砂検出装置
2 照射手段
3 検出装置
10 中子
12 蛍光砂
15 シリンダヘッド(鋳物)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
砂に蛍光体を被覆して形成した蛍光砂を少なくとも一部に含むことを特徴とする中子。
【請求項2】
砂に蛍光体を被覆して蛍光砂を形成する蛍光砂形成工程と、
該蛍光砂を少なくとも一部に含む中子を形成する中子形成工程と、
該中子を用いて所定の形状の鋳物を鋳造する鋳造工程と、
該鋳物から該中子を除去する中子除去工程と、
該鋳物の表面に紫外線、X線または電子線を照射し、該鋳物の表面に残留する蛍光砂が発する可視光または紫外線を検出する残砂検出工程と、
を具備することを特徴とする残砂検出方法。
【請求項3】
蛍光体を被覆した蛍光砂を少なくとも一部に含む中子を鋳物から除去した後に、該鋳物の表面に残留した蛍光砂を検出する残砂検出装置であって、
該鋳物の表面に紫外線、X線または電子線を照射する照射手段と、
該蛍光砂が発する可視光または紫外線を検出する検出手段と、
を具備することを特徴とする残砂検出装置。
【請求項4】
前記照射手段は、
所定の波長の紫外線、X線または電子線を発生させる光源と、
該光源により発生した所定の波長の紫外線、X線または電子線を伝送し、前記鋳物の表面に照射する照射側ライトガイドと、
を具備することを特徴とする請求項3に記載の残砂検出装置。
【請求項5】
前記照射側ライトガイドはリキッドライトガイドであることを特徴とする請求項4に記載の残砂検出装置。
【請求項6】
前記検出手段は、
前記鋳物の表面に残留した蛍光砂が発する可視光または紫外線を伝送する検出側ライトガイドと、
該検出側ライトガイドにより伝送された可視光または紫外線の量を検出するフォトンカウンターと、
を具備することを特徴とする請求項3から請求項5までのいずれか一項に記載の残砂検出装置。
【請求項7】
前記検出手段は、
複数の前記検出側ライトガイドを具備する場合において、
該複数の検出側ライトガイドと前記フォトンカウンターとの間に配置され、該複数の検出側ライトガイドが伝送する可視光または紫外線をそれぞれ遮断または通過するように切り替え可能とするシャッターを具備することを特徴とする請求項6に記載の残砂検出装置。
【請求項8】
前記検出手段は、
前記検出側ライトガイドと前記フォトンカウンターとの間に配置され、前記蛍光砂が発する可視光または紫外線を選択的に通過させるフィルターと、該フィルターを通過した可視光または紫外線を増幅する光電子倍増管と、を具備する検出ヘッド、
を具備することを特徴とする請求項6または請求項7に記載の残砂検出装置。
【請求項9】
前記検出側ライトガイドはリキッドライトガイドであることを特徴とする請求項6から請求項8までのいずれか一項に記載の残砂検出装置。
【請求項10】
前記検出側ライトガイドの受光部に広角度のレンズを設けたことを特徴とする請求項6から請求項9までのいずれか一項に記載の残砂検出装置。
【請求項11】
前記検出手段はボアスコープを具備することを特徴とする請求項3から請求項5までのいずれか一項に記載の残砂検出装置。
【請求項12】
前記ボアスコープの受光部に広角度のレンズを設けたことを特徴とする請求項11に記載の残砂検出装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2006−218495(P2006−218495A)
【公開日】平成18年8月24日(2006.8.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−33416(P2005−33416)
【出願日】平成17年2月9日(2005.2.9)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】