説明

中空体の首部を把持するための装置及びこうした装置を装備した中空体搬送装置

本発明は中空体の首部(10)の外側を把持するための装置(5)に関する。本発明による装置はそれぞれの支持面(29)を備える把持部片(11、12、13、14)を支持する環状体(18)を備える。上述した把持部片は、支持面(29)が環状体(18)内に突出するような態様で、これらの把持部片が環状体(18)の制限ストッパに載置される第1半径方向位置と、支持面(29)が環状体(18)に係合される中空体の首部の外側壁に対して適用される態様で、これらの把持部片が駆動して戻される第2半径方向位置と、を占有し得るように弾性手段(15)によって半径方向に移動且つ押圧し得る。把持部片(11、12、13、14)の支持面(29)は円筒状円弧の全体形態をして弧を描いている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、吹き付けモールド成形又は引っ張り吹き付けモールド成形で加熱されたプリフォームによって熱可塑性プラスチックで作られるボトルのような各々がこれら自身の首部を具備する中空体、特に容器の製造又は処理の分野に関する。
【背景技術】
【0002】
本発明はこのタイプの製造又は処理のために構成されたインラインプラントに特に関連する。首部(”中空体”は本願明細書では容器のプリフォーム、あるいは別様に完成した容器、あるいは恐らく中間容器、すなわち、2つの顕著な部品、要するに、首部と、本発明が目標とする、プラントで見出し得る”本体”と名付けられた第2部品と、を具備する中空体の何れかのタイプを指すものとして理解されるべきである)を具備する中空体がコンベヤ装置を使って次々に個々に移動される。これらのコンベヤ装置の幾つかは、これらの本体が妨げられないように去るようにこれらの首部によって中空体を保持するように構成されている。
【0003】
単純な吹き付けモールド成形機械内のプリフォームから直に完成した容器を製造すること、及び同様にプリフォームから中間容器を製造すること、あるいは別様に2つの吹き付け段階を含む機械内の中間容器から完成した容器を製造すること、は、プリフォームの本体又は熱調整ユニット、あるいは炉内加熱を伴う。ここで、プリフォームの本体又は中間容器の本体が作られる材料は赤外線ランプで加熱されて自身の結晶化温度に到達せずに自身のガラス遷移温度より上の温度まで材料を昇温させる。このフェーズの終わりでは、プリフォーム又は中間容器は仕上げられたか又は中間容器にモールド成形するために吹き付けモールド成形又は引っ張りモールド成形ユニットまで搬送されるように熱的に条件付けられている。
【0004】
プリフォームが射出モールド成形によって製造されるとき、このタイプの中空体の首部は完成した容器の首部の限定的な形状及び寸法で常に作り出されており、かつ、完成した容器に繋がる引き続く処理の間に変形してはいけない;特に、首部は、該首部が柔軟にし得るように加熱されてはいけない。このために、熱調節ユニットは、中間容器のプリフォームの首部が出来るだけ加熱要素から保護されるように構成される。
【0005】
オンライン処理プラントでは、熱処理はトンネル炉内で行われ、このトンネル炉を通じて中空体(プリフォーム又は中間容器)が、これらの中間容器の首部によって把持することが出来る把持装置を備えた無端コンベヤ装置によって移動される。把持装置は、これら把持装置がコンベヤを構成するそれぞれのコンベヤ構成要素上で回転し得るように取り付けられており、その結果、中空体の実体は炉の一側に位置決めされた加熱ランプに対してこれらの全ての外周上で露出される。炉を通じての移動の間に首部を保護するために、炉にはこれらの首部とこれらの本体との間のちょうど境界にある中空体に続く経路の両側に位置付けられた保護シールドを装備することが実務上周知である。これらのシールドはスクリーンを構成し、かつ加熱ランプによって放たれた放射はプリフォーム又は中間容器の首部に直に到達することはできない。
【0006】
しかしながら、ランプによって放射された放射が全方向に進行するので、幾分かの放射はこれらのランプに入った後に中空体内部から首部に到着し得る。
【0007】
それにも拘わらず、コンベヤ装置の通常の配置構成では、首部を把持するための把持装置は首部内部に挿入され(内側からの”ドーニング”として知られた技術)、かつ前記首部の内側面に固締することによって保持されるように形状構成される。この場合には、ストッパのように作用することによって、中空体に入った放射の何れをもこれら中空体の首部に到達しないように阻止する首部内に導入される把持装置のヘッドである。
【0008】
しかしながら、或る用途、例えば、後に、完成した容器が充填される製品と接触するようにならなければならないこの面の何れかのバクテリアによる汚染を回避する目的のために、中空体はもはや首部の内側面によって把持されないことが有利であるようになった。
これは、また、首部の内側面のかき傷の危険性を何れも削除することができる。こうした場合には、首部上の外側表面から中空体を把持する把持装置(外側からの”ドーニング”の技術を使用する)がこの時使用される。
【0009】
特許文献1は、この文献ではプリフォームから成り、外側からのドーニングのために構成された把持装置を装備し、かつ各々はプリフォームの首部の外側面を把持する把持爪を供える、中空体を搬送するための装置を開示する。把持装置は、首部の内側を軸線方向に貫通し、かつ、プリフォームが把持装置の適所にあるときに、プリフォームの首部と本体の間の境界に多かれ少なかれ軸線方向に位置する反射下側横行面を具備する、中央コアも備える。
【0010】
より詳細には、把持装置は円形頂部プレートと、該頂部プレートの外周端縁から軸線方向下向きに延在する円筒状スカートと、を具備する把持器を備え、その結果、このベルは底部が開放した円筒状空間を画成する。このベルにはその回転軸線の回りに所定角度で分配されたスリットが形成されている。各スリットはスカートの全高を越えて軸線方向に延在し、かつ頂部プレートの最も略外側上を越えて半径方向にも延在する。従って、2つのスリット間に規定されるのは弾性変形可能な爪であり、この弾性変形可能な爪の、スカートの下側端縁によって形成された自由端はベルの回転軸線に対して半径方向に移動し得る。このように構成されたベルプリフォームの首部に亘って取り付けることができる爪は首部の外側面を弾性的に把持する。爪の自由端の内側面は滑らかであり、これはプリフォームが把持され、かつ単純な半径方向クランプによって保持されることを意味する。このベルはポリアセタルタイプのプラスチック材料から作られる。固締力を向上させるために、環状バネは、爪の自由端に半径方向内向きに押し込むためにスカートの下側端縁でベルを包囲し得る。提案された実例では、バネは、自身の下側端縁が、スカートの外側面に形成された円形溝内に収容される。
【0011】
特許文献1に記載の把持装置は、コンベヤ装置を構成するコンベヤ要素上でその軸線回りに回転するように取り付けられている。
【0012】
出願人の会社は特許文献1に記載された把持装置は赤外線ランプの破断のような付随事件、及び加熱されたプリフォームが出る炉と吹き付けモールド成形ユニットとの間の転送に影響を与える転送装置との同期の問題に対して責任があり得る。これらの問題は把持装置内の或るプリフォームの首部の上手くない位置決めによるものと考えられる。プリフォームがどれだけ上手く把持されるかに影響を及ぼしえる非常に多くのパラメータ、例えば、プリフォームの寸法の変動、プリフォームコンベヤライン上の構成要素の上手くない位置決め、把持手段の一時的に不十分な冷却に伴う熱膨張、振動、及び、熱及び/又は機械疲労が存在する。
【0013】
出願人の会社は、従って、上述した付随事件の数及び頻度を出来るだけ減じるために、把持手段の構造を変更することを所望する。
【0014】
出願人の会社に周知な従来技術の固定具はこれらの付随事件を減じることができるようには思えない。これらの先の装置の幾つかは他の付随事件も起こしがちである。
【0015】
特許文献2はプリフォームのような中空体の首部の外側からのドーニングのために構成された把持装置を開示する。この把持装置はベル形状の構成要素を備え、その側壁には半径方向ハウジングが装備され、外周方向に分配され、狭められた開口によって内側に開放している。各ハウジングは、プリフォームの首部の外側面上のリリーフ下で弾性的に支持し得るように、ボールはベルの内壁から部分的に突出するように弾性部材による開口を通じて押し戻されるボールを収容する。特許文献2の図8に例示された実例では、ボールはプリフォームの首部のベースに形成され、かつ首部のフランジに隣接する環状溝の端縁を支持する。ベルの外側端縁はフランジを支持する。この配置構成はベルが首部上で大幅に押し込まれることが要求される欠点を有する。更には、プリフォームの首部のベースに環状溝は常に存在しない。
【0016】
首部上にベルを少量だけ押し込むことによってより迅速なドーニングを得ることができる。その結果、ベルはキャップを完成し充填された容器上にねじ込むように構成されたネジ山によって形成されたリリーフを支持することができる。このタイプのドーニングはこれらのべースに環状溝がないものを含む、全てのタイプの首部に適切とし得る。しかしながら、このケースでは、ネジ山が傾斜しているため、ボールは1つの且つ同じ平面内の半径方向に収束する等価な支持表面を全て見出し得ない。これは、トルクが中空体を斜めになるようにさせる傾向があるであろうことを意味する。上述した欠点は、再び、中空体の危険性(プリフォーム又は中間容器)、加熱ランプを強く打つ危険性、及び、この物体が炉を通過する自身の通路内で、回転するのに沿った物体の不均一な加熱の危険性を被るであろう。さらに、中空体の首部上のネジ山の形状構成は異なる中空体で異なる(単一の飛行又はフライトの部分、異なるピッチ及び従って単数のフライト又は複数のフライト等の異なる傾斜角度)。これは、従って、ボールがネジ山を支持して中空対が処理されるのに従って変動する。
【特許文献1】仏国特許第2789932号明細書
【特許文献2】米国特許出願第2004/0121038号公報明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0017】
本発明の主な目的は、従来技術の装置の上述した欠点はさておいて首部によって中空体を把持するための装置の、改良され、かつ現在の実務の要求である、同時に構造が嵩張り且つ信頼し得るが単純且つ高価でない要求により良く対処することができる改良された構造を提案することである。
【0018】
本発明は、首部の直径の寸法上の変動を寛大に取り扱うことが極めて良くでき、異なる首部の外側輪郭に合うように迅速に構成し得る、首部によって中空体を把持するための装置を提供することを目的としている。
【0019】
本発明は、現在使用中のコンベヤ装置上に並んで既に存在する装置、特に、外側の装置が何れの問題も無しに本発明による装置と交換し得る、と正確に同じ量の空間を取る首部によって中空体を把持するための装置を提供することも目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0020】
これらの目的のために、本発明は外側から中空体の首部を把持する把持装置を提案する。この把持装置は各々が自身の支持面を具備する少なくとも2つの把持器を支持する環状体を備える。前記把持部品は略に半径方向に移動可能であり、かつ弾性手段によって拘束され、その結果、前記把持部品は環状体内に突出するこれらの支持面によって環状体のバッファを支持する第1半径方向位置と、把持部品は、前記環状体に係合される中空体の首部の外側壁を支持するこれらの支持面によって押し戻される第2半径方向位置と、を占有することができる。本発明によって配置されたこの把持装置によれば、把持部品の支持面は円筒形の弧の全体形状に折り曲げられていることを特徴とする。
【0021】
この装置構成によって、把持部品は中空体の首部の外側面上のリリーフの外側を支持する。これらのリリーフが如何なるものであれ、これらの形状にも拘らず、特に、把持部品は、ネジ山の形状構成に拘らず、こうしたネジ山が存在するときには、ネジ山を支持し得る。さらにまた、装置の把持能力は首部の外側面に環状溝が存在するか否かに無関係なままである。しかしながら、把持部品の固締力は全て半径方向であり、かつ同一平面に位置することは確かである。これは、首部はその全外周も周りで保持される、こうして、中空体がその軸線を把持装置の軸線に一致させた状態で位置づけられる。
【0022】
好ましい実施形態では、環状体は少なくとも2つのスロットを備え、かつ把持部品はこれらのスロットを通じてそれぞれ係合されるように設けられている。
【0023】
なお、好ましくは、把持部品は環状部分であり、かつスロットは細長スロットであるようにも設けられている。
【0024】
把持部品が摺動するのを容易にするために、ドーニング中に首部の外側面上で、少なくとも1つの把持部品が切頭円錐下側端部部分及び/又はその支持面に突出部を備えるこことは有利である。
【0025】
首部の外周回りに均一に分配される固締力を保証するために、把持部品を環状体上で互いに対して略に等距離に分配することが望ましい。
【0026】
1つの具体な例示的実施形態では、把持部品及びそれぞれのスロットの数が4つであり、径方向に対向する対をなし、これにより、単純な構造に帰着する一方で、首部の外周上に上手く釣り合った固締を保証するように設けられている。
【0027】
単純且つ経済的な実施形態では、弾性手段は環状体及び把持部品を包囲する弾性材料で作られた少なくとも1つの環状体を備える。そして、有利なことに、弾性手段は幾つかの並配されたOリングを備え、こうしたOリングは通常入手可能であり、かつ、通常、貯蔵庫に保持されている。さらに、幾つかのOリングの使用(例えば、通常の例示的実施形態における3つのOリング)は把持部品に働く復帰力を可能にし、従って、把持部品に働く復帰力を相対的に正確に調整可能にする。さらにまた、この種の設定は今までフェイルセイフであることが判明し得る。1つのOリングが動作中に破断すると、固締力はなお維持され、中空体は落下しない。
【0028】
弾性手段を保護するために、環状体に固定され、かつこれにより支持された環状スカートが設け得ると有利であり、このスカートは弾性手段まで半径方向外向きに延在している。
【0029】
把持装置が環状体の軸線に略に平行な少なくとも1つの指部を備え、かつこの軸線に平行に移動できるようにすることは望ましい。
【0030】
中空体の内側に捉えられた熱から首部を保護するように、電磁放射を反射する下側の長手方向に直角な面を具備する、環状体に対して内側にあり、これと共に同軸な関係のコアを備えることも望ましい。
【0031】
本発明により構成されたる把持装置はその構造を勘案すると、オンライン製造プラント内で首部を具備する中空体の何れのタイプをも搬送するために使用し得る。1つの特別に好ましい用途、及び本発明が目標とするものは首部を具備する中空体を搬送するための装置を取り外すことである。このコンベヤ装置は無端チェーン内に次々に連結され、かつこれらの首部で個々の中空体を把持するためのそれぞれの把持装置を備える多数の搬送要素を備える。前記把持装置は上述したように本発明に従って配置され、特に、これは、プリフォーム又は中間容器を搬送することができる搬送装置とし得るものであり、かつ高温のプリフォーム又は中間容器をモールド成形するための吹き付けモールド成形プラント又は引っ張り吹き付けモールド成形プラントの上流にあるプリフォームを加熱するためのトンネル炉を通じて走行するように構成されている。それぞれの把持装置は自身の軸線の回りで与えられた回転運動をし、その結果、プリフォームの本体又は中間容器の本体は炉の一側で下向きに位置づけられた加熱ランプの全外周に亘って露出している。
【0032】
本発明は熱可塑性プラスチック容器を吹き付けモールド成形するためのプラントのための熱調整オーブンにおける極めて有利な産業用途に見出すことができる。
【0033】
本発明の他の目的及び利点は例示によって純粋に与えられる或る実施形態に従い、添付図面を参照する記述を行う間に明白になるであろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0034】
以下に続く記載の明瞭化のために、頂部、底部、下側、上側のような概念は図面に描いた要素のレイアウトを参照して使用される。これらの用語は機械内の構成要素の正確な位置を示す必要は必ずしも無い。特に或る容器製造プラントでは、コンベヤ装置は炉の上流にあるこのコンベヤ要素を転換するように構成されている。一旦、これらの把持装置がプリフォーム又は中間容器の首部を上にした配向で把持すると、その結果、プリフォーム又は中間容器は加熱装置を過ぎて進み炉内で首部を下げる。それから、これらを吹き付けモールド成形機械内に導入する以前にプリフォーム又は中間容器を炉の下流に方向転換して加熱位置に入れる。
【0035】
最初に、図1を参照する。図1は、搬送要素の下側部分を描いている。搬送要素は多くのこうした要素から構成される搬送装置を構成する。こうした搬送要素は無端チェーン内に互いに対して重なって関着された態様で一緒に固定されている。
【0036】
搬送装置が、PETの様な、熱可塑性プラスチック製容器を製造するためのプラントにある中空体を加熱するための、適切なトンネル炉に取り付けられる際、搬送装置を構成する各々の搬送要素は、搬送コンベア装置がオーブンを通過する際に、中空体の実体はオーブンの一側に下向きに位置づけられた加熱手段に対してその全外周が露出するように、その軸線回りに回転される。
【0037】
参照符号1によって全体的に示されている搬送要素は、中空体の首部10を把持するための、その全体が参照符号5によって示されている装置に属する支持ロッド4に取り付けられた、中央穴3が形成された、回転マンドレル2(図示されていないが当業者には周知である手段によって駆動される。)を備えている。
【0038】
ロッド4はマンドレル2に着脱自在に取り付けられる。こうした、バヨネットタイプの固定具は、周知であり、かつ出願人の会社で使用されている。ロッド4の上側部分は、支持円錐から成る軸線方向の積み重ねによって、穴4の下側端部に形成された対応するバイオネットホルダーに収容されるべく構成されたバヨネットベースを構成する。
【0039】
把持装置5は、底部が開いており、全体形状が円形ベルの環状体18を備え、かつ、例えば、軸線方向ネジ25を使ってロッド4に同軸な関係で取り付けられている。環状体18はスカート24を具備し、その全体的形状は、幾つかの外周に細長いスロット26が貫通形成された回転円筒形の全体的形状と同じである。好ましくは、これらのスロットは、等間隔だけ隔てて配置され、かつ略に等しい。
【0040】
把持装置は、円筒形の円弧の形状をした、幾つかの湾曲した把持部品を備え、これらの湾曲した把持部品の数はスロット26の数に等しく、かつそれぞれのスロット26を貫通して係合される。スロット及び把持部品は、奇数又は偶数の任意の数とし得る。図1〜図3に例示された実例では、4つの把持部品があり、この数は最小数の部品で首部10の正確な把持を得るのに実際に最適な解決策であると考えられる。4つの把持部品はそれぞれの図面中の参照符号11、12、13、14によって示されている。
【0041】
把持部品11−14は、従って、略に同一且つ等距離にある単数又は複数の、この例では直径上対向する対をなす、リング部分の全体形状をしている。等価且つ等距離で湾曲された部分の使用は誤りの危険性のない容易な組立を可能にし、かつ中空体の重量が均等に釣り合っていることを保証する。
【0042】
把持部品11−14は外周肩部27が形成されており、その結果、これらの半径方向外向き面28はスロット26より大きな寸法を有し、及び、各把持部品は、バッファを構成する、それぞれスロット26の後方外周縁に当たり得る。さらに、把持部品11−14は、各把持部品の半径方向内側面29が環状体18によって形成されたベルの内部容積内に突出するスカート24の壁厚保を超える半径方向寸法である厚さを有する。
【0043】
把持部品11、12、13、14は、これらの把持部品を、それぞれのスロットの後縁に当たるべく引き戻す弾性復帰手段15をこれらの把持部品に組み込むことによって、それぞれのスロットを通じて小さな半径方向移動を与えられる。1つの単純な実施形態では、弾性復帰手段15は環状体18及び把持部品11、12、13、14を包囲する弾性材料から作られた少なくとも1つのリングを備える。実際の目的のために、上述した弾性リングは1つ以上のOリングから構成され、図1及び図3に示されている具体的実施形態では3つのOリングである。この場合、単数又は複数のOリングが作られる材料の数及び特性は、首部10に働く固締力を適切に合わせるように選択される。単数のOリング又は複数のOリングは環状体18に取り付けられたが外部スカート16を構成する金属壁によって赤外線から保護される。
【0044】
まさに上述してきた装置構成によって、把持部品11−14は、すなわち、各把持部品11、12、13、14がそれぞれのスロット26の後縁に当たっている(待機又は空位置)、図1の第1位置と、各把持部品11、12、13、14の内面が、環状体18によって規定されたベル内に挿入されていた中空体の首部10に当たっている、図2の第2位置と、の2つの半径方向位置を占有することができる。
【0045】
把持部品11−14の各々の半径方向内向きの面29は中空体の首部29の外側輪郭を捕捉する形状をしている。の空体がネジキャップで密封されるべき容器を構成するプリフォーム又は中間容器である場合には、正確には、プリフォームの射出成形時から、首部10にはその限定的な寸法及び形状でネジ山が形成される。把持部品11−14はネジ山の外側端縁に当たっている。
【0046】
図1〜図3に例示された実例では、各把持部品11、12、13、14は60度程度の角度範囲に亘って延在する。その結果、これらの内面29は首部10を効果的に保持するに十分な摩擦を生成するために十分な支持表面領域を有する。類似の結果がより多数の短い長さの把持部品(例えば、5つのような)を使用することによって、あるいはより少数の長い長さの把持部品(例えば、3つのような)を使用し達成することができるが、これはこれらの長さ全体に亘ってそれ程効果的に首部に当たる危険性を担持するであろう。
【0047】
図示されていない実施形態では、把持部品は裁頭円錐下側第1部分を呈するこれらの把持部品の半径方向内側面29と、回転する円筒形の上側第2部分と、を具備し、ステップはこれらの第1及び第2部分間で規定される。この実施形態は、中空体の首部10が外側環状突出部を具備するときには有利である。何故なら、中空体は、このとき、把持部品11、12、13、14の略に半径方向の横方向運動によって把持されるためである。首部10は把持部品の面の切頭円錐第1部分に沿って滑動し、首部10の外側突出部が前記突出部に当たるようになるときにクリップ固定が得られる。
【0048】
例えば、砂吹き(sand-blasting)のような表面処理は、摩擦係数を増大させるように把持部品11、12、13、14の半径方向内側表面に行い得ることは有利である。
【0049】
把持部品11、12、13、14は別々の部品であり、かつこれらの把持部品のそれぞれの機能間隙は互いに対して相対的に独立していることに留意すべきである。この装置は、把持装置を、中空体の首部のかなりの寸法の変動に寛容に処理可能にする。
【0050】
中空体内部に捉えられた熱の何れをも首部10と接触しないように防ぐために、仏国特許第2789932号明細書の把持装置で使用される保護手段をこの装置内に運ぶことは可能である。これを行うために、把持装置は、例えば、ネジ25を使用して、反射表面を構成する、少なくともその下側の横行面23は、その図2から分かるように、首部のベース又は首部が中空体の実体に遭遇する点のレベルに略位置するように、環状体18の内側に同軸な関係に固定されたコア22を備える。コア22は、熱を除去するために、上に置かれたフィン30から構成されたラジエータを備え得る。
【0051】
図示していない実施形態では、コア22は首部10に入らないので、従って、この首部の内側面の引っ掻きの危険性を回避し、かつ装置を無菌処理機械内で使用可能にする。
搬送要素1が仏国特許第2789932号明細書に提供されたような排出装置を装備するようにすることも可能である。この排出装置は、円上に120度の角度で分配された幾つか(通常は3つ)の指部7、8、9を装備した環状体6を備え、円の直径は首部10の口部31の直径に略に等価であるが該直径より僅かに小さい。プリフォーム排出相対移動中、排出指部7、8、9は把持装置に対して軸線方向下向きにプリフォームを押し出すために、首部10の口部31に当たっている。
【0052】
上述してきた把持装置は多数の利点を有する。
【0053】
中空体の首部10の外側から中空体を把持することは、首部10の内側に接触せずに、これらの中空体を無菌処理機械内に搬送可能にする。
【0054】
仏国特許第2789932号明細書に記載された固定具とは対照的に、オーブンを通じて中空対を搬送するとき、把持システムが熱又は放射によって損傷する危険性はもはや何れも存在しない。
【0055】
従来技術における把持装置の多くと比べて、この把持装置は、例えば、熱の作用又は赤外線の存在下で技術特性の変化を被り得るような、ばねのような”危険に晒される”機械システムを具備しない。
【0056】
把持装置は略に現在使用されている機械に取り付けられた把持装置と寸法が略に等価であり、かつ、従って、単純な交換によって、現在使用されている機械に取り付けられた把持装置の交換を予想することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0057】
【図1】自身の首部によって中空体を把持するための把持装置を装備したコンベヤ装置の一部の直径で切った断面図であって、前記把持装置は空(中空体の首部を把持していない)であることを示す断面図である。
【図2】作動位置に示された図1の装置の直径で切った断面図であって、中空体の首部は、例えば、プリフォームは把持装置によって把持される位置にあることを示す図である。
【図3】図1のIII−IIIで切った断面図である。
【符号の説明】
【0058】
1 搬送要素
2 回転マンドレル
3 中央穴
4 支持ロッド
5 把持装置
6 環状体
7、8、9 指部
10 首部
11、12、13、14 把持部品
15 弾性復帰手段
16 外部スカート
18 環状体
22 コア
23 横行面(長手方向に直角な面)
24 スカート
25 ネジ
26 スロット
28 半径方向外向き面
29 内側面
30 フィン
31 口部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
外側から中空体の首部(10)を把持するための把持装置(5)であって、前記把持装置は、
各々が自身の支持面(29)を具備する少なくとも2つの把持部品(11、12、13、14)を支持する環状体(18)を備え、
前記把持部品(11、12、13、14)が、
前記環状体(18)内に突出する該環状部品の支持面(29)によって該環状体(18)のバッファを支持する第1の半径方向位置と、
前記環状体(18)に係合した中空体の前記首部(10)の外側壁を支持する該環状体の支持面(29)によって押し戻される第2の半径方向位置と、を占有することができるように、前記把持部品は略半径方向に移動可能であり、かつ弾性手段(15)によって拘束される、把持装置において、
前記把持部品(11、12、13、14)の前記支持面(29)は円筒形の弧の全体形状に折り曲げられていることを特徴とする把持装置。
【請求項2】
前記環状体(18)が少なくとも2つのスロット(26)を備え、かつ前記把持装置(11、12、13、14)がこれらのスロット(26)を通じてそれぞれ係合することを特徴とする、請求項1に記載の把持装置。
【請求項3】
前記把持装置(11、12、13、14)が環状部分であり、かつ前記スロット(26)が細長スロットであることを特徴とする、請求項1または請求項2に記載の把持装置。
【請求項4】
少なくとも一つの把持部品が切頭円錐形下側部分及び/又は自身の支持面上の突出部を備えることを特徴とする、請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載の把持装置。
【請求項5】
前記把持装置(11、12、13、14)が前記環状体(18)上に互いに対して略に等距離で分配されていることを特徴とする、請求項1から請求項4までのいずれか1項に記載の把持装置。
【請求項6】
前記把持装置(11、12、13、14)が数は4つであり、径方向に対向する対をなすことを特徴とする、請求項1から請求項5までのいずれか1項に記載の把持装置。
【請求項7】
前記弾性手段(15)は前記環状体(18)及び前記把持部品(11、12、13、14)を包囲する弾性材料で作られた少なくとも1つの環状体を備えることを特徴とする、請求項1から請求項6までのいずれか1項に記載の把持装置。
【請求項8】
前記弾性手段(15)が幾つかの並置された弾性O―リングを備えることを特徴とする、請求項7に記載の把持装置。
【請求項9】
前記弾性手段(15)まで半径方向外向きに延在する、前記環状体(18)に固定され、かつ該環状体によって支持された環状スカート(16)を備えることを特徴とする、
請求項7または請求項8に記載の把持装置。
【請求項10】
前記環状体(8)の軸線に略に平行であり、この軸線に平行に移動することができる少なくとも1つの指部(7、8、9)を装備する排出手段を備えることを特徴とする、請求項1から請求項9までのいずれか1項に記載の把持装置。
【請求項11】
電磁放射を反射する下側の長手方向に直角な面(23)を具備し、前記環状体(18)に対して内部にあり、かつ該環状体と同軸な関係にあるコア(22)を備えることを特徴とする、請求項1から請求項10までのいずれか1項に記載の把持装置。
【請求項12】
特にトンネル炉で、中空体を次々と搬送する搬送装置であって、
この搬送装置が、無端チェーン内に次々と連結される多数の搬送要素(1)であって、これら搬送要素の首部によって個々の中空体を把持するためのそれぞれの把持装置(5)を備える、前記多数の搬送要素(1)を備える搬送装置において、
前記把持装置(5)が請求項1から請求項11までのいずれか1項に記載されたように配置されることを特徴とする搬送装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公表番号】特表2008−532798(P2008−532798A)
【公表日】平成20年8月21日(2008.8.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−500236(P2008−500236)
【出願日】平成18年3月10日(2006.3.10)
【国際出願番号】PCT/FR2006/000539
【国際公開番号】WO2006/095099
【国際公開日】平成18年9月14日(2006.9.14)
【出願人】(506100093)シデル・パーティシペーションズ (72)
【Fターム(参考)】