説明

乗り物酔い対策装置および乗り物酔い対策方法

【課題】 行動や生理的変化に基づいて乗り物酔いを検出し、乗り物酔いの程度を低減することが可能な乗り物酔い対策装置および乗り物酔い対策方法を提供すること。
【解決手段】 車両内の搭乗者の状態を検出して搭乗者状態情報を生成する搭乗者状態検出部10と、車両の状態に関する情報を検出して車両状態情報を生成する車両状態検出部20と、搭乗者状態情報、車両状態情報、および、搭乗者が乗り物酔い状態にあるか否かを判定するために用いる乗り物酔い判定閾値の情報を格納するデータ処理格納部40と、データ処理格納部40が格納する情報に基づいて、搭乗者が乗り物酔い状態にあるか否かを判定し、搭乗者が乗り物酔い状態にあると判定したとき、対策措置を施すか否かを決定する乗り物酔い判定部30と、乗り物酔い判定部が対策措置を施すと決定したとき、乗り物酔いの程度を低減するための対策措置を施す対策部50とを備えた構成を有している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両に搭載され、乗り物酔い状態にある搭乗者の乗り物酔いの程度を緩和する乗り物酔い対策装置および乗り物酔い対策方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、人の表情、感情、視線を認識して警告を出す技術や、行動パターンを予測する技術が知られている。具体的には、感情認識装置を用いて利用者の感情の情報を取得し、取得した感情の情報と特徴的な表情等の画像データ等とを関連付けた特徴データをデータベース化し、特徴データに基づいて行動パターンを予測する行動パターン処理装置に関する技術が開示されている
ここで、行動パターン処理装置は、利用者の行動、表情等における特徴を抽出する特徴抽出部と、利用者の感情を認識する感情認識装置と、特徴抽出部から出力される情報と感情認識装置から出力される利用者の感情情報とを関連付けて特徴データを生成する特徴関連付け処理部と、特徴データを記憶するデータベースと、利用者の行動、表情等における特徴とデータベースに記憶された特徴データ等とに基づいて利用者の傾向を抽出する傾向抽出処理部と、行動パターンを提案する動作内容設定部とを備えた構成を有する(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
傾向抽出処理部は、データベースに記憶された特徴データの中から特徴抽出部が抽出する画像等の特徴と類似する特徴データを抽出し、一致しない動作または欠落している動作の内容(以下、動作内容という。)を抽出する。動作内容設定部は、傾向抽出処理部によって抽出された動作内容に基づいて、利用者に提案する動作内容を設定する。感情認識装置は、利用者の感情を認識する処理を行い、感情の認識結果として、「喜」、「怒」、「哀」、「楽」のいずれかに関する情報を出力する。
【0004】
ここで、感情認識装置は、利用者の表情を撮影するためのカメラと、利用者の動作を検出して電気信号に変換するセンサと、カメラによって撮影された利用者の表情を解析して特徴量を抽出する画像認識部等によって構成される。
【0005】
また、視線検出を行って運転者の覚醒状態が低下したこと検出する視線検出装置に関する技術も開示されている(例えば、特許文献2参照。)。視線検出装置は赤外光を発する光源と、赤外線CCDカメラと、赤外線CCDカメラから出力される画像情報に基づいて、運転者の覚醒状態が低下していることを判断する情報処理部とを備える。ここで、情報処理部は、両目の視線の方向が規定値以上ずれているときにも、運転者の覚醒状態が低下していると判断するようになっている。
【特許文献1】特開2002−073634号公報
【特許文献2】特開2002−254956号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、このような特許文献1に開示された従来の行動パターン処理装置では、ユーザの感情を考慮して欲している行動パターンを判断し、提案する機能を有するが、行動や生理的変化に基づいて乗り物酔いを検出して、低減する対策措置を施すことはできないという問題があった。
【0007】
また、特許文献2に開示された従来の視線検出装置では、運転者の視線を検出して移動量を求め、運転者の覚醒状態が低下していることを判断することはできるが、搭乗者の乗り物酔いを判断することはできないという問題があった。
【0008】
本発明はこのような問題を解決するためになされたもので、行動や生理的変化に基づいて乗り物酔いを検出し、乗り物酔いの程度を低減することが可能な乗り物酔い対策装置および乗り物酔い対策方法を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の乗り物酔い対策装置は、車両内の搭乗者の状態を検出する検出手段を有し、前記検出手段が検出した前記搭乗者の状態に関する搭乗者状態情報を生成する搭乗者状態検出部と、前記車両の状態に関する情報を検出して車両状態情報を生成する車両状態検出部と、前記搭乗者状態情報および前記車両状態情報に基づいて、前記搭乗者が乗り物酔い状態にあるか否かを判定する乗り物酔い判定部と、前記乗り物酔い判定部が前記搭乗者が乗り物酔い状態にあると判定したとき、乗り物酔いの程度を低減するための対策措置を施す対策部とを備えた構成を有している。
【0010】
この構成により、搭乗者状態検出部が車両内の搭乗者の状態を検出し、乗り物酔い判定部は搭乗者状態検出部が検出した情報に基づいて、搭乗者が乗り物酔い状態にあるか否かを判定し、対策部が乗り物酔いの程度を低減するため、行動や生理的変化に基づいて乗り物酔いを検出し、乗り物酔いの程度を低減することが可能な乗り物酔い対策装置を実現することができる。
【0011】
また、本発明の乗り物酔い対策装置は、前記搭乗者状態検出部が、前記検出手段が前記車両の所定の位置に埋め込まれている構成を有している。
【0012】
この構成により、検出手段が車両の所定の位置に埋め込まれているため、搭乗者が特に何らかの装置を装着することなく、シートに座っているだけで乗り物酔い状態を検出できると共に、搭乗者に装置の存在を意識させないことが可能な乗り物酔い対策装置を実現することができる。
【0013】
また、本発明の乗り物酔い対策装置は、前記検出手段が、前記車両内の搭乗者の状態を映像として検出し、前記搭乗者状態検出部は、前記車両の搭乗者の映像に所定の情報処理を施して前記搭乗者の状態に関する情報を数値化する状態情報処理手段を有する構成をなしている。
【0014】
この構成により、搭乗者状態検出部が、車両の搭乗者の映像に所定の情報処理を施して搭乗者の状態に関する情報を数値化する状態情報処理手段を有するため、画像データ等の複雑な処理を必要とする情報からも乗り物酔いに関する情報を取得することが可能な乗り物酔い対策装置を実現することができる。
【0015】
また、本発明の乗り物酔い対策装置は、車両内の搭乗者の状態を検出する検出手段を有し、前記検出手段が検出した前記搭乗者の状態に関する搭乗者状態情報を生成する搭乗者状態検出部と、前記車両の状態に関する情報を検出して車両状態情報を生成する車両状態検出部と、前記搭乗者状態情報、前記車両状態情報、および、前記搭乗者が乗り物酔い状態にあるか否かを判定するために用いる乗り物酔い判定閾値の情報を格納するデータ処理格納部と、前記搭乗者状態情報、前記車両状態情報および前記乗り物酔い判定閾値の情報に基づいて、前記搭乗者が乗り物酔い状態にあるか否かを判定する乗り物酔い判定部と、前記乗り物酔い判定部が対前記搭乗者が乗り物酔い状態にあると判定したとき、乗り物酔いの程度を低減するための対策措置を施す対策部とを備えた構成を有している。
【0016】
この構成により、行動や生理的変化に基づいて乗り物酔いを検出し、乗り物酔いの程度を低減することができることに加え、乗り物酔い判定部が、データ処理格納部が格納する搭乗者状態情報、車両状態情報および乗り物酔い判定閾値の情報に基づいて、搭乗者が乗り物酔い状態にあるか否かを判定するため、乗り物酔い判定部は、過去の情報、各搭乗者別の情報等の種々の情報を利用して判定でき、乗り物酔いの程度の判定等の細やかな乗り物酔いの判定をすることが可能な乗り物酔い対策装置を実現することができる。
【0017】
また、本発明の乗り物酔い対策装置は、前記搭乗者状態検出部が、前記検出手段が前記車両の所定の位置に埋め込まれている構成を有している。
【0018】
この構成により、検出手段が車両の所定の位置に埋め込まれているため、搭乗者が特に何らかの装置を装着することなく、シートに座っているだけで乗り物酔い状態を検出できると共に、搭乗者に装置の存在を意識させないことが可能な乗り物酔い対策装置を実現することができる。
【0019】
また、本発明の乗り物酔い対策装置は、前記検出手段が、前記車両内の搭乗者の状態を映像として検出し、前記搭乗者状態検出部は、前記車両の搭乗者の映像に所定の情報処理を施して前記搭乗者の状態に関する情報を数値化する状態情報処理手段を有する構成をなしている。
【0020】
この構成により、搭乗者状態検出部が、車両の搭乗者の映像に所定の情報処理を施して搭乗者の状態に関する情報を数値化する状態情報処理手段を有するため、画像データ等の複雑な処理を必要とする情報からも乗り物酔いに関する情報を取得することが可能な乗り物酔い対策装置を実現することができる。
【0021】
また、本発明の乗り物酔い対策装置は、前記データ処理格納部が、所定時間毎に前記搭乗者状態情報を格納する構成を有している。
【0022】
この構成により、所定時間毎に搭乗者の状態に関する情報をデータ処理格納部に格納するため、乗り物酔いの程度の判定等の細やかな乗り物酔いの判定をすることが可能な乗り物酔い対策装置を実現することができる。
【0023】
また、本発明の乗り物酔い対策装置は、前記データ処理格納部が、過去に格納された前記搭乗者状態情報、前記車両状態情報、および、前記乗り物酔い判定閾値の情報のうちのいずれか1つ以上の情報に基づいて学習を行って、新たに前記乗り物酔い判定閾値の情報を生成し、前記乗り物酔い判定部は、新たに生成した前記乗り物酔い判定閾値の情報に基づいて、前記搭乗者が乗り物酔い状態にあるか否かを判定する構成を有している。
【0024】
この構成により、乗り物酔い判定部は、データ処理格納部が学習を行って新たに生成した乗り物酔い判定閾値の情報に基づいて、搭乗者が乗り物酔い状態にあるか否かを判定するため、さらに細やかな乗り物酔いの判定をすることが可能な乗り物酔い対策装置を実現することができる。
【0025】
また、本発明の乗り物酔い対策装置は、前記搭乗者状態検出部が、車両の搭乗者の体温、心拍数、呼吸、姿勢、顔色、視線、目の形、表情、瞬き、および、動作のうちの少なくとも1つ以上を検出する構成を有している。
【0026】
この構成により、搭乗者状態検出部が、車両の搭乗者の体温、心拍数、呼吸、姿勢、顔色、視線、目の形、表情、瞬き、および、動作のうちの少なくとも1つ以上を検出するため、体温、心拍数、呼吸、姿勢、顔色、視線、目の形、表情、瞬き、および、動作のうちの少なくとも1つ以上の変化に基づいて、乗り物酔いを発見することができると共に、検出する情報のうち、乗り物酔いの影響が出やすい情報を利用して乗り物酔いを発見することが可能な乗り物酔い対策装置を実現することができる。
【0027】
また、本発明の乗り物酔い対策装置は、前記乗り物酔い判定部は、所定時間毎に前記搭乗者状態検出部が生成する前記搭乗者状態情報の変化に基づいて、前記搭乗者が乗り物酔い状態にあるか否かを判定する構成を有している。
【0028】
この構成により、乗り物酔い判定部が、所定時間毎に搭乗者状態検出部が生成する搭乗者状態情報の変化に基づいて、搭乗者が乗り物酔い状態にあるか否かを判定するため、乗り物酔いの程度の判定等の細やかな乗り物酔いの判定をすることが可能な乗り物酔い対策装置を実現することができる。
【0029】
また、本発明の乗り物酔い対策方法は、車両内の搭乗者の状態を検出し、前記搭乗者の状態に関する搭乗者状態情報を生成する搭乗者状態検出ステップと、前記車両の状態に関する情報を検出して車両状態情報を生成する車両状態検出ステップと、前記搭乗者状態情報、前記車両状態情報、および、前記搭乗者が乗り物酔い状態にあるか否かを判定するために用いる乗り物酔い判定閾値の情報を格納するデータ格納ステップと、前記搭乗者状態情報、前記車両状態情報および前記乗り物酔い判定閾値の情報に基づいて、前記搭乗者が乗り物酔い状態にあるか否かを判定する乗り物酔い判定ステップと、前記乗り物酔い判定部が対前記搭乗者が乗り物酔い状態にあると判定したとき、乗り物酔いの程度を低減するための対策措置を施す対策ステップとを備えた構成を有している。
【0030】
この構成により、搭乗者状態検出部が車両内の搭乗者の状態を検出し、乗り物酔い判定部は搭乗者状態検出部が検出した情報に基づいて、搭乗者が乗り物酔い状態にあるか否かを判定し、対策部が乗り物酔いの程度を低減するため、行動や生理的変化に基づいて乗り物酔いを検出し、乗り物酔いの程度を低減することが可能な乗り物酔い対策方法を実現することができる。
【発明の効果】
【0031】
本発明は、搭乗者状態検出部が車両内の搭乗者の状態を検出し、乗り物酔い判定部は搭乗者状態検出部が検出した情報に基づいて、搭乗者が乗り物酔い状態にあるか否かを判定し、対策部が乗り物酔いの程度を低減するため、行動や生理的変化に基づいて乗り物酔いを検出し、乗り物酔いの程度を低減することができるという効果を有する乗り物酔い対策装置および乗り物酔い対策方法を提供することができるものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0032】
以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて説明する。
【0033】
(実施の形態)
図1は、本発明の実施の形態に係る乗り物酔い対策装置のブロック構成を示す図である。図1において、乗り物酔い対策装置100は、車両内の搭乗者の状態を検出する検出手段を有し、検出手段が検出した搭乗者の状態に関する搭乗者状態情報を生成する搭乗者状態検出部10と、車両の状態に関する情報を検出して車両状態情報を生成する車両状態検出部20と、搭乗者状態情報、車両状態情報、および、搭乗者が乗り物酔い状態にあるか否かを判定するために用いる乗り物酔い判定閾値の情報を格納するデータ処理格納部40と、搭乗者状態情報、車両状態情報および乗り物酔い判定閾値の情報に基づいて、搭乗者が乗り物酔い状態にあるか否かを判定し、搭乗者が乗り物酔い状態にあると判定したとき、対策措置を施すことを決定する乗り物酔い判定部30と、乗り物酔い判定部が対策措置を施すと決定したとき、乗り物酔いの程度を低減するための対策措置を施す対策部50とを備えた構成を有する。
【0034】
搭乗者状態検出部10は、さらに、カメラ、センサ等の、車両内の搭乗者の状態を検出する検出手段11と、検出手段11が検出した車両の搭乗者の映像等の搭乗者の状態に関する情報に対して画像処理や数値化処理等の所定の情報処理を行う状態情報処理手段12とを有するのでもよい。図2は、本発明の実施の形態に係る乗り物酔い対策装置100が取り付けられる車両内の構成を概念的に示した図である。
【0035】
図2において、車両は、乗り物酔い対策装置100、シート201、202、シートベルト203、および、アームレスト204を備え、検出手段11を構成するカメラ205、206は、車両内の搭乗者の顔色、動作等を撮影するように対向するシート201に配置され、検出手段11を構成する圧力センサ207は、車両内の搭乗者に近接するようにシート202に配置されている。
【0036】
ただし、カメラ、センサ等からなる検出手段11の配置は、図2に示すものに限定されるものではなく、シート201、202、シートベルト203、および、アームレスト204、その他の位置に配置するのでもよい。また、検出手段11の配置は、シート201、202、シートベルト203、および、アームレスト204内に埋め込む等によって保持されてもよい。さらに、乗り物酔い対策装置100の配置は、シート202の後方に限られず、トランクルーム等のその他の位置に配置するのでもよい。
【0037】
図2において、検出手段11を構成するカメラ205が搭乗者の顔色、視線、目の形、表情、瞬き、動作等を撮影することによって搭乗者の状態に関する情報が検出され、状態情報処理手段12によって画像処理等の情報処理がなされ、搭乗者の顔色、視線、目の形、表情、瞬き、動作等に関する情報が数値化される。同様に、体温に関する情報は赤外線カメラ206によって検出され、状態情報処理手段12によって画像処理等の情報処理がなされ、搭乗者の体温に関する情報が数値化される。
【0038】
また、検出手段11を構成するセンサは、搭乗者の動作や生理的変化を検出するものであり、搭乗者の体温、心拍数、呼吸、発汗、姿勢等に関する情報を検出し、例えばデジタル信号として出力するようになっている。具体的には、心拍数、呼吸に関する情報は、シートベルト203に付けた測定器によって測定される。発汗に関する情報は、アームレスト204や不図示のドアを手で触ることによって検出できる湿度センサ等のセンサを使い、姿勢の変化に関する情報は、シート202に内蔵された圧力センサ207によって検出される。搭乗者状態検出部10が上記で生成した搭乗者状態情報は、図1に示すように、乗り物酔い判定部30からデータ処理格納部40に出力されるようになっている。
【0039】
車両状態検出部20は、温度センサ、湿度センサ、振動検出センサ等を有し、車両の走行、車両内の温度や湿度等の、車両の状態に関する情報を検出するようになっている。車両状態検出部20は、例えば、エンジンが始動したときに検出を開始し、車両に配置した温度センサ、湿度センサ、振動検出センサ等を介して車両の状態に関する情報を検出し、例えばデジタル信号として出力するようになっている。以下、車両状態検出部20は、デジタル信号を出力するものとし、このデジタル信号によって伝達される情報を車両状態情報という。
【0040】
なお、車両の状態に関する情報を検出するセンサは、温度センサ、湿度センサ、振動検出センサに限定されるものではなく、車両の状態に関する情報を検出できるものであればその他のセンサでもよい。また、検出を開始するタイミングは、エンジンの始動時に限定されるものではなく、一定時間走行した後でも、その他のタイミングでもよい。
【0041】
乗り物酔い判定部30は、搭乗者状態検出部10から出力された搭乗者状態情報、車両状態検出部20から出力された車両状態情報、および、データ処理格納部40に格納された情報に基づいて、搭乗者が乗り物酔い状態にあるか否かを判定するようになっている。データ処理格納部40を有していない場合には、用意されている1つ以上の閾値から搭乗者が乗り物酔い状態にあるか否かを判定する。
【0042】
次に、データ処理格納部40について説明する。
【0043】
データ処理格納部40は、搭乗者状態検出部10から出力された搭乗者状態情報、および、車両状態検出部20から出力された車両状態情報(以下、検出情報という。)のうちの所定の情報を時間毎データ格納手段43に格納するようになっている。ここで、時間毎データ格納手段43は、検出情報を搭乗者毎に識別して格納するようになっていてもよい。
【0044】
データ処理格納部40は、また、車両状態検出部20から出力された車両内の温度、湿度等の車両状態情報を車両データ格納手段41に格納するようになっている。
【0045】
さらに、データ処理格納部40は、時間毎データ格納手段43に格納された搭乗者状態情報と車両データ格納手段41に格納された車両状態情報とに基づいて、搭乗者が乗り物酔い状態にあるか否かの判定(以下、単に乗り物酔い判定という。)を行うときの基準となる乗り物酔い判定閾値を算出し、特徴データ格納手段42に格納するようになっている。
【0046】
例えば、検出手段11としてのセンサによって体温が測定された場合、データ処理格納部40は、搭乗者の体温の測定値に基づいて、乗り物酔い状態にないときの搭乗者の体温の範囲を決定し、決定した体温の範囲を規定する上下の境界の体温を乗り物酔い判定閾値として特徴データ格納手段42に格納する。乗り物酔い状態にないときの搭乗者の体温の範囲は、搭乗者状態情報取得直後の所定の時間内に算出して、データ処理格納部40に格納しておくのでも、過去に算出したものを格納しておくのでもよい。
【0047】
データ処理格納部40は、過去に乗り物酔い状態になったときの検出情報、乗り物酔い判定閾値の情報、対策部50が採った対策措置の情報等の、過去に乗り物酔い状態に関する情報(以下、単に乗り物酔い情報という。)を特徴データ格納手段42に格納するのでもよい。この場合、過去に乗り物酔い状態になったときの検出情報のうち、乗り物酔い状態と判定した理由となった検出情報を特徴データ格納手段42に格納するのでもよい。
【0048】
データ処理格納部40では、搭乗者状態検出部10および車両状態検出部20から出力される検出情報に基づいて、個人毎に乗り物酔い判定閾値を決定し、特徴データ格納手段42に格納する。ただし、所定の場合には、搭乗者状態情報に基づいて乗り物酔い判定閾値を決定するのでもよい。
【0049】
例えば、データ処理格納部40を有していて、センサによって測定された体温が特徴データ格納手段42に乗り物酔い状態にないときの搭乗者の体温の範囲を規定する上下の体温を乗り物酔い判定閾値として格納された場合、乗り物酔い判定部30は、搭乗者状態検出部10から出力された搭乗者状態情報に基づいて、搭乗者の体温が乗り物酔い状態にないときの搭乗者の体温の範囲外になったとき、乗り物酔いと判定し、対策部50は、対策措置を施す。
【0050】
以下、数値データとして得られる検出情報に関しては、エンジンの始動後の所定の時間以内に乗り物酔い判定閾値を算出して、データ処理格納部40に格納しておくものとする。姿勢に関する情報を対象とする場合は、圧力センサ207の情報に基づいて姿勢が前かがみになっていることを示す信号(以下、前かがみ信号という。)が状態情報処理手段12によって出力され、前かがみ信号が所定時間以上継続したときに乗り物酔い状態にあると判定する。
【0051】
発汗に関する情報を対象とする場合は、検出手段11としての湿度センサからの検出情報と、車両状態検出部20から得られる車両内の温度、湿度等の情報とに基づいて判定する方法、および、汗の成分を検出できる手段を用いて通常の状態で検出される成分とは異なる汗の成分が検出されたときに、体調が悪化したことから乗り物酔い状態にあると判定する方法がある。
【0052】
さらに、カメラ205を用いて搭乗者の映像を取得する場合、状態情報処理手段12によって搭乗者の予め決められた1以上の部分の解析を行い、解析対象の部分毎に数値化された値がデータ処理格納部40の時間毎データ格納手段43に出力される。顔色に関しては、所定の方法で顔色を数値化して顔色に関する乗り物酔い判定閾値を決定し、データ処理格納部40の特徴データ格納手段42に格納しておき、特徴データ格納手段42に格納した顔色に関する乗り物酔い判定閾値に基づいて、顔色が赤くなったこと、青白くなったことを判定をする。
【0053】
ここで、顔色は車両内の温度および湿度に左右されることが多いため、顔色に関する情報に基づく乗り物酔い判定は、車両データ格納手段41に格納された車両内の温度、湿度等のデータにも基づいて行うのでもよい。また、視線、目の形および表情については、特徴点を検出して特徴データ格納手段42に格納し、特徴点の変化に基づいて判定する。
【0054】
瞬きについては、状態情報処理手段12から出力された、所定時間内の瞬きの回数に関する情報に基づいて、瞬きの回数の乗り物酔い判定閾値の情報を生成して特徴データ格納手段42に格納し、状態情報処理手段12から出力される瞬きの回数の情報と、特徴データ格納手段42に格納した瞬きの回数の乗り物酔い判定閾値の情報とに基づいて、乗り物酔い判定を行うのでもよい。
【0055】
なお、上記では、搭乗者毎に乗り物酔い判定閾値を生成する方法について説明したが、必ずしもこの方法に限られるものではなく、乗り物酔い判定閾値として共通の倍率を用いて乗り物酔い判定を行うのでもよい。この方法では、エンジンが始動した後に、搭乗者状態検出部10が最初に検出した搭乗者状態情報と、車両状態検出部20が最初に検出した車両状態情報とを関連付けして、検出値を既定倍して特徴データ格納手段42に格納し、特徴データ格納手段42に格納した情報に基づいて乗り物酔い判定閾値を算出し、特徴データ格納手段42に格納して、乗り物酔い判定を行う。この方法では、搭乗者状態検出部10から出力される搭乗者状態情報を検出が行われる度に計算する必要がないため、処理負担を減少させることができる。
【0056】
また、データ処理格納部40に学習機能を持たせて、車両状態検出部20から出力された車両状態情報、および、搭乗者の過去の乗り物酔い情報を学習させた情報を特徴データ格納手段42に格納し、これらの車両状態情報および乗り物酔い情報に基づいて乗り物酔い判定を行うのでもよい。以下、上記のようにデータ処理格納部40に学習機能を持たせて乗り物酔い判定を行う方法について説明する。
【0057】
まず、第1の方法として、乗り物酔い状態にある搭乗者が自らボタン(以下、乗り物酔いボタンという。)を押し、乗り物酔いボタンを押したときの状態に関する検出情報をデータ処理格納部40に格納し、格納した検出情報に基づいて学習させる方法がある。これは、自身が乗り物酔い状態にあると思った搭乗者に、車両に設けられた乗り物酔いボタンを押してもらい、そのときの検出情報をデータ処理格納部40に格納し、格納した検出情報に基づいて決定した乗り物酔い判定閾値を特徴データ格納手段42に格納しておき、後に乗り物酔い判定部30が利用するというものである。
【0058】
なお、搭乗者によって乗り物酔いボタンが押される毎に、上記の検出情報がデータ処理格納部40に出力され、データ処理格納部40は、検出情報に基づいて学習を行って、乗り物酔い判定閾値を更新し、更新した結果を特徴データ格納手段42に格納するものとする。
【0059】
第2の方法として、エンジンが始動した後に、所定の時間毎に検出情報をデータ処理格納部40の時間毎データ格納手段43に格納して累積し、時間毎データ格納手段43に格納された検出情報を学習させて乗り物酔い判定閾値を決定し、特徴データ格納手段42に格納しておき、乗り物酔い判定に用いる方法がある。この方法は、所定の時間毎に検出情報をデータ処理格納部40に格納して累積するため、細やかに乗り物酔い判定を行うことができる。
【0060】
第3の方法として、車両の特徴を学習して乗り物酔い判定に利用する方法がある。第3の方法は、複数の車両で学習機能が利用できる場合に用いることができるものであり、特徴データ格納手段42に格納された情報を携帯可能な記憶媒体に記憶させて利用するものである。学習機能が利用できる乗り物酔い対策装置を備えた車両で、上記の携帯可能な記憶媒体を介して情報を伝達させることによって、どの車両でも搭乗者の乗り物酔い情報を利用することができ、車両状態検出部20から出力された車両状態情報にも基づいて乗り物酔い判定を行うことができる。
【0061】
なお、検出手段11は、カメラ、赤外線カメラ、センサ等の手段のうちの1つ以上を有するものとする。検出手段11が複数の手段を有する場合の動作は以下のように行う。複数の手段のうちの1つの手段を介して検出した信号に基づいて搭乗者が乗り物酔い状態にあると判定されたとき、検出情報が乗り物酔い判定部30からデータ処理格納部40に格納され、データ処理格納部40によって学習され、個人毎に早期に乗り物酔い状態が検出される。乗り物酔い状態が検出されたとき、対策部50は、乗り物酔いの程度を低減するための対策措置を施す。このように、学習することによって、搭乗者にあった検出方法を見つけることができる。
【0062】
また、車両データ格納手段41に記憶された検出情報、および、特徴データ格納手段42に格納された乗り物酔い判定閾値に基づいて、乗り物酔いの程度を数値化し、乗り物酔いの度合い情報として対策部50に出力するのでもよい。なお、乗り物酔い判定の方法は、上記の方法に限定されるものではなく、その他の方法でもよい。
【0063】
対策部50は、乗り物酔い判定部30が乗り物酔い状態と判定したとき、乗り物酔いの程度を低減するための対策措置を施すようになっているが、乗り物酔い判定部30から出力された乗り物酔いの度合い情報に基づいて、上記の対策措置を施すのでもよい。対策措置としては、窓を開けて外気を入れること、車両内の温度および湿度を調節すること、車両内の酸素濃度を濃くすること等がある。これらの対策措置は、乗り物酔いが始まる前までの車両状態検出部20のデータを参考にして調節が行われる。
【0064】
また、対策措置としては、事前に用意されているリラックスできるような音楽を流すことなどでもよい。さらに、運転者に乗り物酔い状態にある搭乗者がいることを、警告音、音声、表示等を用いて知らせるのでもよい。なお、乗り物酔い判定部30からの出力に乗り物酔いの度合い情報が含まれている場合、乗り物酔いの度合い情報に応じて必要な量の対策を施すものとする。
【0065】
なお、上記では、乗り物酔い対策装置100がデータ処理格納部40を備え、データ処理格納部40が格納する乗り物酔い判定閾値を基準として乗り物酔い状態を判定する構成を有する場合について説明したが、搭乗者状態検出部10および車両状態検出部20から出力される搭乗者状態情報および車両状態情報に基づいて、乗り物酔い判定部30が搭乗者が乗り物酔い状態にあるか否かを判定し、搭乗者が乗り物酔い状態にあると判定したとき、対策部50が乗り物酔いの程度を低減するための対策措置を施す構成でもよい。この構成では、データ処理格納部40は必要とされず、乗り物酔い判定部30が乗り物酔い判定閾値を予め保持していればよい。また、対策部50による対策措置を施すか否かを、図示しないスイッチによって乗員が切り替えることができるようにしてもよい。
【0066】
以上説明したように、本発明の実施の形態に係る乗り物酔い対策装置は、搭乗者状態検出部が車両内の搭乗者の状態を検出し、乗り物酔い判定部は搭乗者状態検出部が検出した情報に基づいて、搭乗者が乗り物酔い状態にあるか否かを判定し、対策部が乗り物酔いの程度を低減するため、行動や生理的変化に基づいて乗り物酔いを検出し、乗り物酔いの程度を低減することができる。
【0067】
また、検出手段が車両の所定の位置に埋め込まれているため、搭乗者が特に何らかの装置を装着することなく、シートに座っているだけで乗り物酔い状態を検出できると共に、搭乗者に装置の存在を意識させないことができる。
【0068】
また、搭乗者状態検出部が、車両の搭乗者の映像に所定の情報処理を施して搭乗者の状態に関する情報を数値化する状態情報処理手段を有するため、画像データ等の複雑な処理を必要とする情報からも乗り物酔いに関する情報を取得することができる。
【0069】
また、乗り物酔い判定部が、データ処理格納部が格納する搭乗者状態情報、車両状態情報および乗り物酔い判定閾値の情報に基づいて、搭乗者が乗り物酔い状態にあるか否かを判定するため、乗り物酔い判定部は、過去の情報、各搭乗者別の情報等の種々の情報を利用して判定でき、乗り物酔いの程度の判定等の細やかな乗り物酔いの判定をすることができる。
【0070】
また、所定時間毎に搭乗者の状態に関する情報をデータ処理格納部に格納するため、乗り物酔いの程度の判定等の細やかな乗り物酔いの判定をすることができる。
【0071】
また、乗り物酔い判定部は、データ処理格納部が学習を行って新たに生成した乗り物酔い判定閾値の情報に基づいて、搭乗者が乗り物酔い状態にあるか否かを判定するため、さらに細やかな乗り物酔いの判定をすることができる。
【0072】
また、搭乗者状態検出部が、車両の搭乗者の体温、心拍数、呼吸、姿勢、顔色、視線、目の形、表情、瞬き、および、動作のうちの少なくとも1つ以上を検出するため、体温、心拍数、呼吸、姿勢、顔色、視線、目の形、表情、瞬き、および、動作のうちの少なくとも1つ以上の変化に基づいて、乗り物酔いを発見することができると共に、検出する情報のうち、乗り物酔いの影響が出やすい情報を利用して乗り物酔いを発見することができる。
【0073】
また、乗り物酔い判定部が、所定時間毎に搭乗者状態検出部が生成する搭乗者状態情報の変化に基づいて、搭乗者が乗り物酔い状態にあるか否かを判定するため、乗り物酔いの程度の判定等の細やかな乗り物酔いの判定をすることができる。
【0074】
なお、本発明の実施の形態では、搭乗者の乗り物酔い状態を検出し、乗り物酔いの程度を低減するための対策措置を施す乗り物酔い対策装置100について説明したが、車両内の搭乗者の状態を検出し、搭乗者の状態に関する搭乗者状態情報を生成する搭乗者状態検出ステップと、車両の状態に関する情報を検出して車両状態情報を生成する車両状態検出ステップと、搭乗者状態情報、車両状態情報、および、搭乗者が乗り物酔い状態にあるか否かを判定するために用いる乗り物酔い判定閾値の情報を格納するデータ格納ステップと、搭乗者状態情報、車両状態情報および乗り物酔い判定閾値の情報に基づいて、搭乗者が乗り物酔い状態にあるか否かを判定する乗り物酔い判定ステップと、乗り物酔い判定部が対策措置を施すと決定したとき、乗り物酔いの程度を低減するための対策措置を施す対策ステップとを備える乗り物酔い対策方法によっても、上記と同様の効果を得ることができる。
【産業上の利用可能性】
【0075】
本発明に係る乗り物酔い対策装置は、行動や生理的変化に基づいて乗り物酔いを検出し、乗り物酔いの程度を低減することができるという効果が有用な乗り物酔い対策装置および乗り物酔い対策方法等の用途にも適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0076】
【図1】本発明の実施の形態に係る乗り物酔い対策装置のブロック構成を示す図
【図2】本発明の実施の形態に係る乗り物酔い対策装置が取り付けられる車両内の構成を概念的に示した図
【符号の説明】
【0077】
10 搭乗者状態検出部
11 検出手段
12 状態情報処理手段
20 車両状態検出部
30 乗り物酔い判定部
40 データ処理格納部
41 車両データ格納手段
42 特徴データ格納手段
43 時間毎データ格納手段
50 対策部
100 乗り物酔い対策装置
201、202 シート
203 シートベルト
204 アームレスト
205 カメラ
206 赤外線カメラ
207 圧力センサ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両内の搭乗者の状態を検出する検出手段を有し、前記検出手段が検出した前記搭乗者の状態に関する搭乗者状態情報を生成する搭乗者状態検出部と、前記車両の状態に関する情報を検出して車両状態情報を生成する車両状態検出部と、前記搭乗者状態情報および前記車両状態情報に基づいて、前記搭乗者が乗り物酔い状態にあるか否かを判定する乗り物酔い判定部と、前記乗り物酔い判定部が前記搭乗者が乗り物酔い状態にあると判定したとき、乗り物酔いの程度を低減するための対策措置を施す対策部とを備えた乗り物酔い対策装置。
【請求項2】
前記搭乗者状態検出部は、前記検出手段が前記車両の所定の位置に埋め込まれていることを特徴とする請求項1に記載の乗り物酔い対策装置。
【請求項3】
前記検出手段は、前記車両内の搭乗者の状態を映像として検出し、前記搭乗者状態検出部は、前記車両の搭乗者の映像に所定の情報処理を施して前記搭乗者の状態に関する情報を数値化する状態情報処理手段を有することを特徴とする請求項2に記載の乗り物酔い対策装置。
【請求項4】
前記搭乗者状態情報、前記車両状態情報、および、前記搭乗者が乗り物酔い状態にあるか否かを判定するために用いる乗り物酔い判定閾値の情報を格納するデータ処理格納部を備え、前記乗り物酔い判定部は、前記搭乗者状態情報、前記車両状態情報および前記乗り物酔い判定閾値の情報に基づいて、前記搭乗者が乗り物酔い状態にあるか否かを判定することを特徴とする請求項1に記載の乗り物酔い対策装置。
【請求項5】
前記搭乗者状態検出部は、前記検出手段が前記車両の所定の位置に埋め込まれていることを特徴とする請求項4に記載の乗り物酔い対策装置。
【請求項6】
前記検出手段は、前記車両内の搭乗者の状態を映像として検出し、前記搭乗者状態検出部は、前記車両の搭乗者の映像に所定の情報処理を施して前記搭乗者の状態に関する情報を数値化する状態情報処理手段を有することを特徴とする請求項5に記載の乗り物酔い対策装置。
【請求項7】
前記データ処理格納部は、所定時間毎に前記搭乗者状態情報を格納することを特徴とする請求項4乃至請求項6のいずれか1項に記載の乗り物酔い対策装置。
【請求項8】
前記データ処理格納部は、過去に格納された前記搭乗者状態情報、前記車両状態情報、および、前記乗り物酔い判定閾値の情報のうちのいずれか1つ以上の情報に基づいて学習を行って、新たに前記乗り物酔い判定閾値の情報を生成し、前記乗り物酔い判定部は、新たに生成した前記乗り物酔い判定閾値の情報に基づいて、前記搭乗者が乗り物酔い状態にあるか否かを判定することを特徴とする請求項4乃至請求項7のいずれか1項に記載の乗り物酔い対策装置。
【請求項9】
前記搭乗者状態検出部は、車両の搭乗者の体温、心拍数、呼吸、姿勢、顔色、視線、目の形、表情、瞬き、および、動作のうちの少なくとも1つ以上を検出することを特徴とする請求項1乃至請求項8のいずれか1項に記載の乗り物酔い対策装置。
【請求項10】
前記乗り物酔い判定部は、所定時間毎に前記搭乗者状態検出部が生成する前記搭乗者状態情報の変化に基づいて、前記搭乗者が乗り物酔い状態にあるか否かを判定することを特徴とする請求項1乃至請求項9のいずれか1項に記載の乗り物酔い対策装置。
【請求項11】
車両内の搭乗者の状態を検出し、前記搭乗者の状態に関する搭乗者状態情報を生成する搭乗者状態検出ステップと、前記車両の状態に関する情報を検出して車両状態情報を生成する車両状態検出ステップと、前記搭乗者状態情報、前記車両状態情報、および、前記搭乗者が乗り物酔い状態にあるか否かを判定するために用いる乗り物酔い判定閾値の情報を格納するデータ格納ステップと、前記搭乗者状態情報、前記車両状態情報および前記乗り物酔い判定閾値の情報に基づいて、前記搭乗者が乗り物酔い状態にあるか否かを判定する乗り物酔い判定ステップと、前記乗り物酔い判定部が対前記搭乗者が乗り物酔い状態にあると判定したとき、乗り物酔いの程度を低減するための対策措置を施す対策ステップとを備えた乗り物酔い対策方法。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2006−34576(P2006−34576A)
【公開日】平成18年2月9日(2006.2.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−218548(P2004−218548)
【出願日】平成16年7月27日(2004.7.27)
【出願人】(000005821)松下電器産業株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】