説明

乗客コンベアのチェーンテンション測定用治具

【課題】この発明は、チェーンを張設方向と直交する方向の一側に振った際のチェーン位置を、チェーンの弛み測定の基準位置として保持できる乗客コンベアのチェーンテンション測定用治具を得る。
【解決手段】チェーンテンション測定用治具30は、一面に平坦な取付面を有する固定部材31と、固定部材31の他面から固定部材31の一面と直交する方向に延設された基準位置指示部材32と、を備えている。固定部材31は、永久磁石を円盤状に成形して作製された磁石部のみで構成されている。基準位置指示部材32は、矩形平板状の金属板をL字状に折り曲げて作製され、その基部32aを固定部材31の他面にねじ33により締着固定されている。そして、L字状の折り曲げ片32bが固定部材31の他面から固定部材31の一面と直交する方向に延出されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、乗客コンベアの移動手摺りチェーンなどのチェーンテンションを測定するのに好適なチェーンテンション測定用治具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、乗客コンベアにおいては、テンションゲージを用い、チェーンを例えば、49N(5kgf)の操作力で押し引きし、そのチェーンの弛み、即ち触れ幅を測定し、その触れ幅の測定値が管理値を超えていると、チェーンテンションの調整、又はチェーンを取り替えるという管理をしていた。
【0003】
従来の乗客コンベアのチェーンの弛み量測定方法は、異なる外径のシリンダがそれぞれ進退自在に多段に内挿されたテレスコープ形シリンダの少なくとも1箇所にバネを内設し、内挿されるシリンダの底部を常時押圧して延伸させている柱体を、他のシリンダの進退を阻止して所定の延伸状態に設定しておいて、この柱体の一端を乗客コンベアの固定部に設置し、他端をチェーンに当接させた状態でチェーンを張設方向と直交する方向の一側に振ってばねによって押圧されたシリンダの第1の伸長距離を測定し、ついでチェーンを張設方向と直交する方向の他側に振ってばねによって押圧されたシリンダの第2の伸長距離を測定し、第1の伸長距離と第2の伸長距離との差から振れ幅を算出していた(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
【特許文献1】特開2001−158587号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来の乗客コンベアのチェーンの弛み量測定方法では、作業者は、狭いトラス内で窮屈な体勢で、測定装置の柱体の一端を乗客コンベアの固定部に設置し、他端をチェーンに当接させた状態で、チェーンを張設方向と直交する方向の一側に振ってシリンダの第1の伸長距離を測定し、ついでチェーンを張設方向と直交する方向の他側に振ってシリンダの第2の伸長距離を測定しなければならず、作業負荷が大きなものとなる。また、チェーンを張設方向と直交する方向の一側および他側に振るたびにシリンダの伸長距離を測定しなければならず、作業時間が長くなる。
【0006】
このような状況を鑑み、本出願人は、チェーンを張設方向と直交する方向の一側に振った時のチェーン位置を振れ幅測定の基準位置として保持できれば、その後のチェーンを張設方向と直交する方向の他側に振った状態でのチェーン位置と保持された基準位置との距離を測定することで、チェーンの弛み量を簡易に測定できる、との着想に基づいて本発明を発明したものである。
【0007】
この発明は、チェーンを張設方向と直交する方向の一側に振った際のチェーン位置を、チェーンの弛み測定の基準位置として保持できる乗客コンベアのチェーンテンション測定用治具を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この発明による乗客コンベアのチェーンテンション測定用治具は、磁石部を有し、該磁石部の磁気吸引力により、チェーンのテンション測定部位の近辺の乗客コンベアの固定物に一面を密接させて取り付けられる固定部材と、固定部材の一面と直交する方向に該固定部材の他面から延設された基準位置指示部材と、を備えている。
【発明の効果】
【0009】
この発明では、基準位置指示部材が磁石部を備えた固定部から延設されているので、基準位置指示部材がテンションゲージの押棒により張設方向と直交する方向の一側に振られたチェーンに接するように、磁石部の磁気吸引力により固定部材を乗客コンベアの固定物に取り付けられる。これにより、チェーンの振り幅の基準位置がチェーンテンション測定用治具により保持される。そこで、チェーンがテンションゲージの押棒により張設方向と直交する方向の他側に振られた際に、張設方向と直交する方向の他側に振られたチェーンの位置と基準位置指示部材との距離を1回測定することで、チェーンの弛み量を簡易に測定できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
まず、本発明による乗客コンベアのチェーンテンション測定用治具が適用されるエスカレータの構成について図10を参照しつつ説明する。
図10はエスカレータの移動手摺り駆動装置周りを模式的に示す側面図である。
である。
【0011】
図10において、エスカレータは、乗客が乗る踏み板5の両側に一対の欄干が立設され、移動手摺り6が各欄干の周縁部に配設されて構成されている。そして、駆動モータ2および上部踏み板スプロケット3が、エスカレータのトラスフレーム1内の上部に内蔵されている。また、下部踏み板スプロケット(図示せず)がトラスフレーム1内の下部に内蔵されている。そして、無端状の駆動チェーン12が駆動モータ2と上部踏み板スプロケット3とに巻き掛けられ、さらに無端状の踏み板チェーン4が上部踏み板スプロケット3と下部踏み板スプロケットとに巻き掛けられている。
【0012】
また、移動手摺り駆動スプロケット7が上部踏み板スプロケット3と一体的に軸装されている。そして、移動手摺り駆動機構部15がトラスフレーム1内に配設されている。さらに、第1移動手摺りチェーン13が移動手摺り駆動スプロケット7と第1移動手摺り中間スプロケット8とに巻き掛けられ、第2移動手摺りチェーン14が、第1移動手摺り中間スプロケット8と同心状に配設されている第2移動手摺り中間スプロケット9と移動手摺り駆動機構部15の移動手摺り主スプロケット19とに巻き掛けられている。
なお、スプロケット10、11が、第2移動手摺りチェーン14の走行方向を変換するために、第2移動手摺り中間スプロケット9と移動手摺り主スプロケット19との間に配設されている。
【0013】
ここで、手摺り駆動機構部15の構成について説明する。
3つの駆動ローラ16が、移動手摺り6の復路側の裏面側に、移動手摺り6の走行方向に1列に配列されて配設されている。また、加圧ローラ17が、各駆動ローラ16に相対するように配設され、移動手摺り6が駆動ローラ16と加圧ローラ17との間に加圧挟持されている。さらに、テンション調整用アイドラ18が隣り合う駆動ローラ16間に移動手摺り6を挟んで配設されている。さらにまた、移動手摺り副スプロケット20が移動手摺り主スプロケット19と同心状に設けられて、移動手摺り主スプロケット19と一体的に軸装されている。そして、無端状の第3移動手摺りチェーン21が、駆動ローラ16と一体的に軸装されている駆動ローラ用スプロケット(図示せず)、テンション調整用アイドラ18、および移動手摺り副スプロケット20に巻き掛けられている。そして、第3移動手摺りチェーン21のテンションがテンション調整用アイドラ18により調整される。
【0014】
このように構成されたエスカレータでは、駆動モータ2が駆動されると、駆動モータ2の動力が駆動チェーン12を介して踏み板スプロケット3に伝達され、踏み板チェーン4が走行され、踏み板5が移動する。同時に、駆動モータ2の動力が移動手摺り駆動スプロケット7に伝達され、第1移動手摺りチェーン13を介して第1および第2移動手摺り中間スプロケット8,9に伝達され、さらに第2移動手摺りチェーン14を介して移動手摺り主スプロケット19に伝達される。そして、移動手摺り主スプロケット19に伝達された駆動モータ2の動力が、移動手摺り副スプロケット20に伝達され、第3移動手摺りチェーン21を介して駆動ローラ16に伝達される。そして、駆動ローラ16に伝達された動力が、駆動ローラ16と加圧ローラ17との間に加圧挟持されている移動手摺り6に伝達され、移動手摺り6が踏み板5に同期して移動する。
【0015】
このように、エスカレータでは、踏み板5や移動手摺り6を駆動するのにチェーンが使用されている。これらのチェーンは、使用によって伸びて弛みが生じる。チェーンに弛みが生じると、バックラッシュが大きくなって好ましくない。このため、チェーンは常に所定の弛みとなるように張設されていることが必要となる。そこで、チェーンの中間部を張設方向と直交する方向にチェーンを振って、その振り幅を測定し、その測定値が所定の範囲内となるように管理される。
【0016】
実施の形態1.
図1はこの発明の実施の形態1に係るチェーンテンション測定用治具を示す斜視図、図2はこの発明の実施の形態1に係るチェーンテンション測定用治具を用いたチェーンテンション測定方法を説明する図、図3はこの発明の実施の形態1に係るチェーンテンション測定用治具を用いたチェーンテンション測定方法を説明する工程図である。
【0017】
図1において、チェーンテンション測定用治具30は、一面に平坦な取付面を有する固定部材31と、固定部材31の他面から固定部材31の一面と直交する方向に延設された基準位置指示部材32と、を備えている。固定部材31は、永久磁石を両端面を平坦面とする円盤状に成形して作製された磁石部のみで構成されている。基準位置指示部材32は、矩形平板状の金属板をL字状に折り曲げて作製され、その基部32aを固定部材31の他面にねじ33により締着固定されている。そして、L字状の折り曲げ片32bが固定部材31の他面から固定部材31の一面と直交する方向に延出されている。
【0018】
つぎに、このチェーンテンション測定用治具30を用いたチェーンテンションの測定方法について図2および図3を参照しつつ説明する。ここでは、図2に示されるように、第3移動手摺りチェーン21のチェーンテンションを測定する場合について説明する。なお、テンションゲージ25は、内蔵されたバネを圧縮させることで所望の押圧力を発生し、押棒26に付された目盛り27から押棒26の収縮量に対応する押圧力を読みとることができる一般的なものであり、ここでは、その説明は省略する。
【0019】
まず、固定部材31の磁気吸引力により、第3移動手摺りチェーン21の測定部の近辺に存在しているトラスフレーム1の固定物に固定部材31を装着する。そして、テンションゲージ25の押棒26の先端を第3移動手摺りチェーン21に当て、例えば49N(5kgf)の押圧力Fで第3移動手摺りチェーン21をその張設方向と直交する方向の一側に押圧する。そして、図3の(a)に示されるように、基準位置指示部材32の折り曲げ片32bが、押棒26により押圧されて張設方向と直交する方向の一側に振れている第3移動手摺りチェーン21に接するように、固定部材31をスライド移動させる。この折り曲げ片32bの位置が、第3移動手摺りチェーン21の振れ幅測定の基準位置となる。
【0020】
ついで、図3の(b)に示されるように、テンションゲージ25の押棒26の先端を第3移動手摺りチェーン21に逆側から当て、例えば49N(5kgf)の押圧力Fで第3移動手摺りチェーン21をその張設方向と直交する方向の他側に押圧する。そして、第3移動手摺りチェーン21が押棒26により張設方向と直交する方向の他側に押圧されている状態で、第3移動手摺りチェーン21と基準位置指示部材32の折り曲げ片32bとの間の距離、即ち触れ幅dを物差し(図示せず)を用いて測定する。そして、この振れ幅dの測定値に基づいて、第3移動手摺りチェーン21の弛み量を管理する。
【0021】
このように、実施の形態1によれば、チェーンテンション測定用治具30を用いて、第3移動手摺りチェーン21の弛み量の測定基準位置を保持できるので、狭いトラス内での窮屈な姿勢を伴う物差しを使っての測定作業が1回で済み、作業負荷を軽減できるとともに、作業時間を短縮することができる。さらに、測定誤差が少なくなり、第3移動手摺りチェーン21のテンションを高精度に管理することができる。
また、チェーンテンション測定用治具30の固定部材31の磁石部に永久磁石を用いているので、チェーンテンション測定用治具30の着脱が簡易にでき、作業性が高められる。さらに、基準位置指示部材32を固定部材31に締着固定してチェーンテンション測定用治具30を構成しているので、チェーンテンション測定用治具30を安価に作製できる。
【0022】
実施の形態2.
図4はこの発明の実施の形態2に係るチェーンテンション測定用治具を示す斜視図、図5はこの発明の実施の形態2に係るチェーンテンション測定用治具を用いたチェーンテンション測定方法を説明する図である。
【0023】
図4において、チェーンテンション測定用治具30Aは、押棒挿通穴32cが基準位置指示部材32の折り曲げ片32bの先端側に穿設されている。なお、他の構成は上記実施の形態1と同様に構成されている。
【0024】
このチェーンテンション測定用治具30Aは、基準位置指示部材32の折り曲げ片32bが、押棒26により押圧されて張設方向と直交する方向の一側に振れている第3移動手摺りチェーン21に接するようにトラスフレーム1の固定物に装着される。そして、図5に示されるように、テンションゲージ25はその押棒26を押棒挿通穴32cに通してその先端を第3移動手摺りチェーン21に逆側から当て、第3移動手摺りチェーン21をその張設方向と直交する方向の他側に押圧する。そして、第3移動手摺りチェーン21と基準位置指示部材32の折り曲げ片32bとの間の距離、即ち触れ幅dを物差しを用いて測定する。
【0025】
この実施の形態2によれば、押棒挿通穴32cが基準位置指示部材32の折り曲げ片32bの先端側に穿設されているので、押棒26を押棒挿通穴32cに通して第3移動手摺りチェーン21をその張設方向と直交する方向の他側に押圧することができる。そこで、第3移動手摺りチェーン21をその張設方向と直交する方向の他側に押圧する位置が、測定基準位置である基準位置指示部材32の折り曲げ片32bと相対する位置となり、振れ幅dを精度よく測定できる。
【0026】
ここで、テンションゲージ25の押棒26に距離を表す目盛り28を付しておけば、図6に示されるように、物差しを用いることなく、押棒挿通穴32cの位置で簡易に振れ幅dを読みとることができ、作業負荷が一層軽減される。
【0027】
実施の形態3.
図7はこの発明の実施の形態3に係るチェーンテンション測定用治具を示す斜視図である。
【0028】
図7において、チェーンテンション測定用治具30Bは、目盛りが固定部材31からの基準位置指示部材32の折り曲げ片32bの延設方向と直交する方向に沿って付された目盛り体34が基準位置指示部材32とともに固定部材31に一体に装着されている。なお、他の構成は上記実施の形態1と同様に構成されている。
従って、この実施の形態3によれば、目盛り体34が固定部材31に一体に装着されているので、作業者が物差しを手にして触れ幅dを測定する必要がなく、作業負荷が軽減される。
【0029】
実施の形態4.
図8はこの発明の実施の形態4に係るチェーンテンション測定用治具の構成を説明する図であり、図8の(a)はその側面図、図8の(b)はその背面図を示している。
【0030】
図8において、チェーンテンション測定用治具30Cは、矩形平板をL字状に曲げて作製された金属板35と、金属板35のL字状の一辺である基部35aの一面に固着された磁石部としての矩形平板状のマグネットシート36と、を備えている。そして、固定部材が金属板35の基部35aと、マグネットシート36とから構成され、基準位置指示部材が金属板35のL字状の他辺である折り曲げ辺35bから構成されている。なお、他の構成は上記実施の形態1と同様に構成されている。
従って、この実施の形態4によれば、磁石部として安価なマグネットシート36を用いているので、チェーンテンション測定用治具30Cを安価に作製できる。
【0031】
実施の形態5.
図9はこの発明の実施の形態5に係るチェーンテンション測定用治具の構成を説明する断面図であり、図9の(a)は退避状態を示し、図9の(b)はその作動状態を示している。
【0032】
図9において、チェーンテンション測定用治具30Dは、矩形平板状の基部38、および基部38の一面に固着された磁石部としてのマグネットシート36からなる固定部材37と、矩形平板状の基準位置指示部材39と、を備えている。そして、基準位置指示部材39は、図9の(a)に示されるように基部38の他面に沿った退避位置と、図9の(b)に示されるように基部38の他面から基部38の一面と直交する方向に延在する作動位置とをとるように、その一端を基部38に軸38a周りに回動自在に取り付けられている。さらに、コイルバネ40が軸38aに装着され、基準位置指示部材39を退避位置から作動位置に回動させる方向に付勢している。なお、他の構成は上記実施の形態1と同様に構成されている。
【0033】
このチェーンテンション測定用治具30Dは、コイルバネ40の付勢力に抗して基準位置指示部材39を退避位置まで回動させて基部38に係止することで、基準位置指示部材39が退避位置に保持される。また、基準位置指示部材39の係止を解くことで、基準位置指示部材39はコイルバネ40の付勢力により回動し、基部38のストッパ38bに当接して作動位置に保持される。
従って、この実施の形態5によれば、チェーンテンション測定用治具30Dが折り畳み自在に構成されているので、持ち運び時のチェーンテンション測定用治具30Dの嵩を小さくでき、携帯性が高められる。
【0034】
ここで、基準位置指示部材39を基部38に係止する手段については説明していないが、係止する手段は、基準位置指示部材39を退避位置に保持できればよく、例えば面ファスナーなどが用いられる。また、コイルバネ40の付勢力により基準位置指示部材39をストッパ38bに当接させて作動位置に保持するようにしているが、基準位置指示部材39を作動位置に保持する手段はこれに限定されない。
【0035】
なお、上記各実施の形態では、エスカレータに適用するものとして説明しているが、本発明はエスカレータ以外の乗客コンベア、例えば歩く歩道に適用しても、同様の効果を奏する。
また、上記各実施の形態では、第3移動手摺りチェーンのチェーンテンションを測定する場合について説明しているが、本発明は第3移動手摺りチェーン以外のチェーンのチェーンテンションの測定に適用してもよいことは言うまでもないことである。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】この発明の実施の形態1に係るチェーンテンション測定用治具を示す斜視図である。
【図2】この発明の実施の形態1に係るチェーンテンション測定用治具を用いたチェーンテンション測定方法を説明する図である。
【図3】この発明の実施の形態1に係るチェーンテンション測定用治具を用いたチェーンテンション測定方法を説明する工程図である。
【図4】この発明の実施の形態2に係るチェーンテンション測定用治具を示す斜視図である。
【図5】この発明の実施の形態2に係るチェーンテンション測定用治具を用いたチェーンテンション測定方法を説明する図である。
【図6】この発明の実施の形態2に係るチェーンテンション測定用治具を用いた他のチェーンテンション測定方法を説明する図である。
【図7】この発明の実施の形態3に係るチェーンテンション測定用治具を示す斜視図である。
【図8】この発明の実施の形態4に係るチェーンテンション測定用治具の構成を説明する図である。
【図9】この発明の実施の形態5に係るチェーンテンション測定用治具の構成を説明する断面図である。
【図10】エスカレータの移動手摺り駆動装置周りを模式的に示す側面図である。
【符号の説明】
【0037】
30,30A,30B,30C,30D チェーンテンション測定用治具、31 固定部材、32 基準位置指示部材、32c 押棒挿通穴、34 目盛り体、35 金属板、35a 基部(金属板の一辺、固定部材)、35b 折り曲げ辺(金属板の他辺、基準位置指示部材)、36 マグネットシート(磁石部、固定部材)、37 固定部材、38 基部、39 基準位置指示部材。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
スプロケットに巻き掛けられて張設された乗客コンベアのチェーンのテンションを測定するチェーンテンション測定用治具であって、
磁石部を有し、該磁石部の磁気吸引力により、上記チェーンのテンション測定部位の近辺の上記乗客コンベアの固定物に一面を密接させて取り付けられる固定部材と、
上記固定部材の一面と直交する方向に該固定部材の他面から延設された基準位置指示部材と、
を備えていることを特徴とする乗客コンベアのチェーンテンション測定用治具。
【請求項2】
押棒挿通穴が上記基準位置指示部材に穿設されていることを特徴とする請求項1記載の乗客コンベアのチェーンテンション測定用治具。
【請求項3】
上記固定部材の他面に設けられ、目盛りが該固定部材からの上記基準位置指示部材の延設方向と直交する方向に沿って付された目盛り体を備えていることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の乗客コンベアのチェーンテンション測定用治具。
【請求項4】
上記固定部材が、L字状の金属板の一辺と、該金属板の一辺の一面に固着された磁石部とから構成され、
上記基準位置指示部材が、上記金属板の他辺で構成されていることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の乗客コンベアのチェーンテンション測定用治具。
【請求項5】
上記基準位置指示部材は、その一端側を上記固定部材に回動可能に取り付けられ、上記固定部材の他面に沿った退避位置と該固定部材の一面と直交する作動位置との間を移動可能に構成されていることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の乗客コンベアのチェーンテンション測定用治具。
【請求項6】
上記磁石部がマグネットシートであることを特徴とする請求項4又は請求項5記載の乗客コンベアのチェーンテンション測定用治具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2009−208927(P2009−208927A)
【公開日】平成21年9月17日(2009.9.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−55228(P2008−55228)
【出願日】平成20年3月5日(2008.3.5)
【出願人】(000236056)三菱電機ビルテクノサービス株式会社 (1,792)
【Fターム(参考)】