説明

乗物用シート

【課題】前面衝突時に座面を座面位置調整部材により移動させる構成のシートにおいて、座面位置調整部材の作動をスムーズにし、これらの機構をコンパクトに配置する。
【解決手段】ベースフレーム30と、可動フレーム40と、前面衝突時に作動する駆動力発生部材(第2のガスシリンダ61)と、駆動力発生部材の駆動力を、ベースフレーム30と可動フレーム40の間に伝えることで、可動フレーム40をベースフレーム30に対し相対的に移動させる動力伝達部材(第2のワイヤ62)と、一端部が可動フレーム40に対し回動可能に連結されるとともに他端部がベースフレーム30に回動可能に連結され、可動フレーム40がベースフレーム30に対し移動したときに回動される座面位置調整部材(リフト用リンク43)とを備え、座面位置調整部材は、ベースフレーム30の側壁(サイドフレーム31)と可動フレーム40の側壁(サイドフレーム41)の間に設けられる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両用シートなどの乗物用シートに関し、特に、前面衝突時に座面が移動する構成の乗物用シートに関する。
【背景技術】
【0002】
車両が正面衝突するなどの前面衝突時に着座部の座面が後方に移動する構成の車両用シートが知られている。例えば、特許文献1に記載の車両用シートでは、左右方向に軸心を向けたプリテンショナ装置(ガスシリンダ)により、座面を後方に移動させる構成が開示されている。
そして、座面を構成する可動フレームは、後方に移動されると、アームにより前部を上方に持ち上げられるように構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008−213546号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、特許文献1に記載の車両用シートにおいては、可動フレームを上方に移動するためのアーム(座面位置調整部材)は、露出しているため、シートクッションや表皮と干渉するおそれがある。
【0005】
また、これらの機構をコンパクトに配置して、乗物用シートを小型化、軽量化することが望まれる。
【0006】
そこで、本発明は、前面衝突時に座面を座面位置調整部材により移動させる構成のシートにおいて、座面位置調整部材をスムーズに作動できるようにし、また、これらの機構をコンパクトに配置することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記した課題を解決するため、本発明は、乗員を基準とした前面衝突時に着座部の座面が移動するように構成された乗物用シートであって、前記着座部のうち乗物の機体側に支持されるベースフレームと、前記ベースフレームに対し相対的に移動可能な可動フレームと、前面衝突時に作動する駆動力発生部材と、前記駆動力発生部材の駆動力を、前記ベースフレームと前記可動フレームの間で伝達することで、前記可動フレームを前記ベースフレームに対し相対的に移動させる動力伝達部材と、一端部が前記可動フレームに対し回動可能に連結されるとともに他端部が前記ベースフレームに回動可能に連結され、前記可動フレームが前記ベースフレームに対し移動したときに回動される座面位置調整部材とを備え、前記座面位置調整部材は、前記ベースフレームの側壁と前記可動フレームの側壁の間に設けられたことを特徴とする。
【0008】
このような構成によると、座面位置調整部材がベースフレームの側壁と可動フレームの側壁の間の空間を利用してコンパクトに配置されるとともに、これらの側壁により座面位置調整部材が完全には露出しないので座面位置調整部材がシートクッションと干渉しにくく、座面位置調整部材がスムーズに作動することができる。
【0009】
前記した構成においては、前記動力伝達部材は、前記ベースフレームの側壁と前記可動フレームの側壁の間で前後方向に延びて配置された構成とすることができる。
【0010】
このような構成においては、動力伝達部材の多くの部分が可動フレームの側壁とベースフレームの側壁の間に収容され、コンパクトに配置されるとともに、これらの側壁により動力伝達部材がシートクッションと干渉しにくいので、動力伝達部材がスムーズに作動することができる。
【0011】
前記した構成においては、前記可動フレームの側壁は、前記動力伝達部材または前記座面位置調整部材と対向する部分が、上縁部と下縁部を有して凹状に形成された構成とするのが望ましい。
【0012】
このように構成すると、可動フレームの側壁が、コ字形断面となって高い剛性となるとともに、動力伝達部材または前記座面位置調整部材が、このコ字型断面による凹部に対向するので、動力伝達部材および座面位置調整部材をコンパクトに配置することができる。
【0013】
同様に、前記した構成においては、前記ベースフレームの側壁は、前記動力伝達部材または前記座面位置調整部材と対向する部分が、上縁部と下縁部を有して凹状に形成された構成とするのが望ましい。
【0014】
このように構成すると、ベースフレームの側壁が、コ字形断面となって高い剛性となるとともに、動力伝達部材または前記座面位置調整部材が、このコ字型断面による凹部に対向するので、動力伝達部材および座面位置調整部材をコンパクトに配置することができる。
【発明の効果】
【0015】
請求項1に記載の構成によれば、座面位置調整部材をコンパクトに配置できるとともに、座面位置調整部材の動作をスムーズにすることができる。
【0016】
請求項2に記載の構成によれば、動力伝達部材をコンパクトに配置できるとともに、動力伝達部材の動作をスムーズにすることができる。
【0017】
請求項3に記載の構成によれば、可動フレームの剛性を高くして可動フレームの動作をスムーズにするとともに、動力伝達部材および座面位置調整部材をコンパクトに配置することができる。
【0018】
請求項4に記載の構成によれば、ベースフレームの剛性を高くして可動フレームの動作をスムーズにするとともに、動力伝達部材および座面位置調整部材をコンパクトに配置することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】車両用シートのシートフレームの全体斜視図である。
【図2】シートフレームの着座部の分解斜視図である。
【図3】ハイトアジャスト機構を説明する模式図であり、(a)シートを低くしたときと、(b)シートを高くしたときである。
【図4】図1のZ−Z断面図である。
【図5】フロントリンク連結パイプと第2のガスシリンダを前から見た図である。
【図6】リフト用リンクの配置を説明する、着座部の一部を破断して示す平面図である。
【図7】(a)可動フレームの側面図と、(b)(a)のX−X断面図である。
【図8】図1のY−Y断面図である。
【図9】通常状態のスライダ、ベースフレームおよび可動フレームの位置関係を説明する平面図である。
【図10】通常状態のスライダ、ベースフレームおよび可動フレームの位置関係を説明する側面図である。
【図11】作動後状態のスライダ、ベースフレームおよび可動フレームの位置関係を説明する平面図である。
【図12】作動後状態のスライダ、ベースフレームおよび可動フレームの位置関係を説明する側面図である。
【図13】第1のガスシリンダを左右逆向きに配置した変形例である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、図面を参照しながら、本発明の一実施形態について説明する。
本発明の乗物用シートの一例としての車両用シートは、図1に示すようなシートフレーム1の外側に、ウレタンフォームなどからなるシートクッションを被せることで構成されている。シートフレーム1は、シートバックフレーム2と、着座部フレーム3を有する。なお、本発明において、前後、左右、上下は、シートに座る乗員を基準とする。
【0021】
図2に示すように、着座部フレーム3は、車体フロアに着座部を固定するレールスライダ装置10と、座面の高さを変更するハイトアジャスト機構20と、ベースフレーム30と、可動フレーム40と、前面衝突時にシートベルトを引き込むプリテンショナ装置50と、前面衝突時に可動フレーム40を後方へ移動させる座面移動装置60とを主として備えている。可動フレーム40は、前面衝突するとベースフレーム30に対して相対的に後方に移動するように構成され、この前面衝突による作動前の状態を通常状態といい、作動後の状態を作動後状態という。以下、特に断りが無いときは、通常状態の構成を説明する。
【0022】
レールスライダ装置10は、レール11とスライダ15を主に有している。レール11は、前後に長く延びた形状を有し、左右に離れて同様のものが2つ平行に設けられている。各レール11は、フロントブラケット12とリアブラケット13により、車体フロアに固定されている。
【0023】
スライダ15は、前後に長く延びた形状を有し、レール11に対してスライド移動可能に構成されている。スライダ15は、ハイトアジャスト機構20を介してベースフレーム30を支持している。
【0024】
ハイトアジャスト機構20は、フロントリンク21およびリアリンク23を有し、これらの下端21A,23Aがスライダ15に回動可能に接続され、これらの上端21B,23Bがベースフレーム30に回動可能に接続されていることで、4節リンク機構によりベースフレーム30をスライダ15に対して上下動させることができるようになっている。
【0025】
具体的には、フロントリンク21は、左右に2つ設けられ、それぞれの下端21Aが各スライダ15の前端に設けられた金具91に軸支されている。左右のフロントリンク21は、各フロントリンク21中央付近で連結部材の一例としてのフロントリンク連結パイプ22により連結されている。これにより、左右のフロントリンク21は、双方が同時に回動するようになっている。
フロントリンク21の上端21Bは、後述するベースフレーム30に設けられたダイヤル27と同軸で、ピン92(一方のみ図示)により軸支されている。
各フロントリンク21は、下端21Aよりも上端21Bが後に位置するように後傾して配置されている。
【0026】
フロントリンク連結パイプ22は、その長さの7割程度を占める中央部22Aが通常状態において両端部22Bよりも下方に位置するように湾曲している。
【0027】
リアリンク23は、フロントリンク21と同様に、下端23Aが金具93を介してスライダ15に軸支され、上端23Bが後述するベースフレーム30に対し回転可能に係合したピン94に係合されている。また、リアリンク23は、フロントリンク21と同様に下端23Aよりも上端23Bが後に位置するように後傾して配置されている。
左右のリアリンク23は、各リアリンク23の中央付近で、リアリンク連結パイプ24により連結されている。これにより、左右のリアリンク23は、双方が同時に回動するようになっている。
リアリンク連結パイプ24は、その長さの7割程度を占める中央部24Aが、通常状態において、両端部24Bよりも下方かつ後方に位置するように湾曲している。
【0028】
リアリンク23の上端23Bとピン94とは、回転不能に係合している。そして、ピン94は、上方に延びるリンク25と回転不能に係合している。さらに、図3(a),(b)に示すように、リンク25の上端は、前方に延びる操作リンク26と回動可能に連結しており、操作リンク26は、ベースフレーム30に対し回動する扇形のギヤ28に回動可能に連結している。ベースフレーム30には、ギヤを回転させるダイヤル27が設けられており、ダイヤル27のギヤと扇形のギヤ28とが歯合している。これにより、ダイヤル27を回転させると、この回転が扇形のギヤ28の回動に伝達され、扇形のギヤ28の回動が、操作リンク26を介してリンク25を回動させる。リンク25とリアリンク23とは、互いの角度がピン94により固定されているので、リンク25の移動がリアリンク23の回動となる。リアリンク23、ベースフレーム30およびフロントリンク21は4節リンク機構を構成しているので、リアリンク23が前方に向けて起きあがると、フロントリンク21も同様に前方に向けて起きあがり、ベースフレーム30は上方へ移動する。このようにして、ダイヤル27の正逆回転により、ベースフレーム30は上下に高さを調節することができるようになっている。
【0029】
図2に示すように、ベースフレーム30は、左右の側壁を形成するサイドフレーム31と、左右のサイドフレーム31を前端で連結する連結パイプ32とを主に有している。右のサイドフレーム31には前端部にダイヤル27が回転可能に設けられている。ダイヤル27と同軸の位置には、左右のサイドフレーム31に、座面位置調整部材の一例としてのリフト用リンク43の下端部(他端部)がピン92により回動可能に軸支されている。リフト用リンク43は、可動フレーム40が後方に移動するときに可動フレーム40を持ち上げるリンクであり、通常状態では、水平に対し約45°の前方に傾斜しており、上端部(一端部)は、可動フレーム40のサイドフレーム41にピン95(図6参照)により回動可能に連結されている。
左右のサイドフレーム31には、後端部にピン94が回転可能に係合している。
【0030】
可動フレーム40は、左右の側壁を形成するサイドフレーム41と、左右のサイドフレーム41の前端を連結するクロスメンバであるパンフレーム42と、左右のサイドフレーム41の後端を連結する連結パイプ44と、補強パイプ45と、取付板46とを備えている。
【0031】
各サイドフレーム41の後端部には、前後方向に延びるガイド孔41Aが形成され、このガイド孔41Aには、前記したピン94が挿通されている。これにより、可動フレーム40がベースフレーム30に対して後方に移動するときには、可動フレーム40の後端部は、このガイド孔41Aが延びる方向に沿って移動するようになっている。
【0032】
パンフレーム42は、図4に示すように、板金をプレス加工してなり、後方から順に、下から見て凹んだ凹部42A、突出した突部42Bを有している。そして、凹部42Aが位置する部分の上面には、板金の一部を起こして先端が前方へ向かうフック42Hが形成されている。このフック42Hと連結パイプ44の間には、シートスプリング81が張設されている。シートスプリング81の前端は、後述する第2のガスシリンダ61の上端よりも後に位置している。
【0033】
図2に示すように、連結パイプ44は、その長さの7割程度を占める中央部44Aが両端部44Bよりも下方に位置するように湾曲している。各両端部44Bは、サイドフレーム41の後端のガイド孔41Aの真上で上方に突出した突出部41Bに連結されている。すなわち、連結パイプ44は、ガイド孔41Aの真上に位置している。これにより、ガイド孔41Aは、可能な限り後方に位置することができて可動フレーム40の後方移動量を十分に確保できる。また、連結パイプ44の中央部44Aは、乗員に当たり感を感じさせないようにするため所定の低さで配置する必要があるが、本実施形態においては、連結パイプ44は両端部44Bが中央部44Aに対し上方に位置するように湾曲しているので、乗員への当たり感を抑制しながらガイド孔41Aの真上の位置で左右のサイドフレーム41同士を連結することが可能となっている。
【0034】
図6に示すように、左右に配置されたリフト用リンク43の前端部は、ピン95により可動フレーム40の左右のサイドフレーム41に回動可能に支持され、後端部は、ピン92によりベースフレーム30の左右のサイドフレーム31に回動可能に支持されている。各リフト用リンク43は、左右方向において、可動フレーム40のサイドフレーム41とベースフレーム30のサイドフレーム31との間に配置されている。すなわち、サイドフレーム41とサイドフレーム31の間の空間を有効利用してコンパクトに配置されている。また、リフト用リンク43は、サイドフレーム41とサイドフレーム31により挟まれていることで、シートフレーム1からの露出部分は少なく、シートフレーム1に被せられるシートクッションや表皮との干渉が抑制されることで作動がスムーズになっている。
【0035】
プーリ63およびリフト用リンク43の取付剛性について説明すると、プーリ63は、図7(a)に示すように、可動フレーム40のサイドフレーム41に取付板46を介して固定されている。サイドフレーム41は、図8に示すように、上下方向に沿って延びる鉛直部41Rと、鉛直部41Rの上端から外側へ張り出すフランジ41Pと、鉛直部41Rの下端から外側へ張り出すフランジ41Qとを有し、概略コ字型の断面を有している。このため、サイドフレーム41は、パンフレーム42と比較して高い剛性を有している。
【0036】
リフト用リンク43は、鉛直部41Rのうち、プーリ63の上方の外側(側方)へ膨出した部分のリンク取付部43Aに連結されている。リフト用リンク43およびプーリ63は、剛性が高くされたサイドフレーム41に取り付けられているので高い取付剛性を有する。
【0037】
また、図7(a),(b)に示すように、鉛直部41Rの外側の面には、鉛直部41Rのうちリンク取付部43の下の部分的に内側に凹んだ凹部41Sに対応して、補強板65が溶接により固定されている。補強板65は、下端がプーリ63の取付部の一部であるフランジ41Qに連結され、上端が鉛直部41Rのうち凹部41Sの上端に連結されている。これにより、補強板65と凹部41Sが閉じた断面を形成し、取付部の一部であるフランジ41Qの剛性を高くしている。また、補強板65は、リンク取付部43の周囲の膨らみに対応して上縁の中央が凹んでいることから、サイドフレーム41の膨らみと補強板65とを切れ目無く繋ぎ、可動フレーム40の大型化を抑制しつつリンク取付部45の剛性を向上させている。
【0038】
さらに、凹部41Sの内側の面と、取付板46の上面とに渡すように厚めの鋼板からなる補強リブ66が溶接により固定されている。これにより、取付板46と鉛直部41Rの角度が固定され、プーリ63の取付部およびリンク取付部43Aが非常に剛性が高くなっている。また、左右の取付板46同士は補強パイプ45(図1参照)により連結されているので、これによっても取付板46およびプーリ取付部43Aは高い剛性となっている。
【0039】
このように、リフト用リンク43は、サイドフレーム41の膨出した部分で、かつ、補強板65、補強リブ66、取付板46および補強パイプ45により補強された部分であるリンク取付部43Aに取り付けられているので非常に高い取付剛性を有する。
【0040】
サイドフレーム41は、前述したようにパンフレームよりも剛性が高く、実施形態においては、サイドフレーム41はパンフレーム42よりも板厚が大きく、しかも、剛性が高い材質から構成されている。特に、可動フレーム40を構成するサイドフレーム41は、可動フレーム40を構成する部品の中で、最も高い剛性を備えるように設定してあるので、プーリ63およびリフト用リンク43の取付剛性が高く確保されている。
【0041】
また、プーリ63の回転中心は、リンク取付部43Aの取付中心位置よりも前方に設けられているので、可動フレーム40の後方への移動量の確保が容易であり、第2のワイヤ62の固定部の設定自由度も増している。なお、リンク取付部43Aとプーリ63は、前後方向で同じ位置に配置されていてもよい。
【0042】
図2に示すように、プリテンショナ装置50は、第1のガスシリンダ51と、2本の第1のワイヤ52と、2つのプーリ53と、補強パイプ54と、2つのプーリ55とを備えている。
【0043】
第1のガスシリンダ51は、特許文献1のプリテンショナ装置と同様に、シリンダ51Aと、シリンダ51A内で移動するピストン(図示せず)と、ピストンからシリンダ51Aの外部へと軸方向に突出するピストンロッド51Bと、ガスジェネレータ51C(図4参照)とを有している。第1のガスシリンダ51は、その軸線が左右に向けられて配置されている。ガスジェネレータ51Cには、図示しない加速度センサが接続され、加速度センサから、所定値以上の車両の減速度が検出されると、電気信号が入力されることでシリンダ51A内にガスジェネレータ51Cからガスが供給されてピストンロッド51Bがシリンダ51A内に入り込み、第1のガスシリンダ51全体としては軸方向に収縮するようになっている。第1のガスシリンダ51のシリンダ51Aは、第1のワイヤ52によりシートベルトのアンカー56に接続され、ピストンロッド51Bは、もう一つの第1のワイヤ52によりインナーバックル57に接続されている。詳しくは、2つのスライダ15には、それぞれ、上下方向の軸線回りに回転可能なプーリ53がブラケット58を介して設けられ、シリンダ51Aおよびピストンロッド51Bに接続された2本の第1のワイヤ52は、左右方向外側に延びた後、プーリ53に掛け回されることで後方に向けられている。言い換えれば、第1のガスシリンダ51は、前面衝突時に前後に移動しない部分であるスライダ15に設けられた2つのプーリ53間に張設される態様で設けられている。なお、本実施形態において前面衝突時に前後に移動する部分は、可動フレーム40である。
【0044】
そして、2つのスライダ15の後端に設けられた金具93に左右方向の軸線回りに回転可能なプーリ55がそれぞれ設けられ、後方に向いた第1のワイヤ52がプーリ55に掛け回されることで2本の第1のワイヤ52は、斜め上方の前方に向いており、その末端にそれぞれアンカー56とインナーバックル57が接続されている。
【0045】
左右のブラケット58は、補強パイプ54により接続されている。これにより、2本の第1のワイヤ52に強い張力が掛かって左右のプーリ53にお互いが近づくような力が掛かっても、補強パイプ54がこの力に抗して突っ張ることで、左右のスライダ15の間隔を適正に維持できるようになっている。
【0046】
座面移動装置60は、駆動力発生部材の一例としての第2のガスシリンダ61と、動力伝達部材の一例としての第2のワイヤ62と、2つのプーリ63(方向転換部材)を有している。第2のガスシリンダ61は、第1のガスシリンダ51と同様に、シリンダ61A、ピストン、ピストンロッド61Bおよびガスジェネレータ61Cを有している(図5参照)。第2のガスシリンダ61は、その軸線が左右に向けられて配置されている。すなわち、第1のガスシリンダ51と平行に配置されている。シリンダ61Aは、第2のワイヤ62を介して、前面衝突時に移動しない部分であり、また、第2のガスシリンダ61自体よりも後方に位置する左側のピン94に接続されている。ピストンロッド61Bは、もう一つの第2のワイヤ62を介して、前面衝突時に移動しない部分であり、また、第2のガスシリンダ61よりも後方に位置する右側のピン94に接続されている。
【0047】
シリンダ61Aおよびピストンロッド61Bから延び出た2つの第2のワイヤ62は、第2のガスシリンダ61の左右方向外側に設けられた2つのプーリ63にそれぞれ巻き掛けられて後方の2つのピン94に向けて張られている。
【0048】
図8に示すように、プーリ63により後方に向けられた第2のワイヤ62は、前後方向に延び、ベースフレーム30のサイドフレーム31と可動フレーム40のサイドフレーム41の間に配置されている。これにより、後方へ延びる第2のワイヤ62をコンパクトに配置できるとともに、フレーム類の外側に被せられるシートクッションなどと第2のワイヤ62の干渉を抑制することができる。特に、本実施形態においては、第2のワイヤ62は、サイドフレーム31の上下端の内側へ延びるフランジ31P,31Qと、サイドフレーム41の上下端の外側へ延びるフランジ41P(上縁部),41Q(下縁部)とで囲まれた領域に位置しているので、第2のワイヤ62がサイドフレーム31,41の外へはみ出しにくく、外部の部材との干渉が良好に抑制されている。また、サイドフレーム41は、コ字形の断面を有しているので剛性が高く、可動フレーム40の動作が安定する。
【0049】
図4に示すように、第2のガスシリンダ61はパンフレーム42の下に、凹部42Aに対向して配置されている。このようにパンフレーム42の下面における凹部42Aに対向して第2のガスシリンダ61が配置されているので、第2のガスシリンダ61が多少振動してもパンフレーム42に干渉しにくく、かつ、パンフレーム42になるべく近づけてコンパクトに第2のガスシリンダ61が収められている。特に、第2のガスシリンダ61の上部の一部が凹部42Aに入り込んでいるので、第2のガスシリンダ61は、極めてコンパクトに収められている。
【0050】
図5に示すように、第2のガスシリンダ61は、フロントリンク連結パイプ22との関係では、下方に位置した中央部22Aに対向するように配置されている。また、図4に示すようにフロントリンク連結パイプ22の中央部22Aの上方かつ前方に配置されている。このため、前面衝突時に可動フレーム40が後方に移動したときも、フロントリンク連結パイプ22と第2のガスシリンダ61および第2のガスシリンダ61から前方の下方に向けて突出したガスジェネレータ61Cとの干渉が抑制されている。
【0051】
フロントリンク連結パイプ22と、第1のガスシリンダ51および第2のガスシリンダ61の位置関係を説明すると、第1のガスシリンダ51は、フロントリンク連結パイプ22より後に配置され、第2のガスシリンダ61は、フロントリンク連結パイプ22より前に配置されている。これにより、3つの円柱状の部材が前後に分けて配置されているので、これらの部材を設けることによる高さの嵩ばりを抑制することができる。
【0052】
図2および図9に示すように、第1のガスシリンダ51から突出するピストンロッド51Bと、第2のガスシリンダ61から突出するピストンロッド61Bは、互いに左右逆となるような向きで第1のガスシリンダ51と第2のガスシリンダ61は配置されている。詳しくは、第1のガスシリンダ51は、左右に離れた2つのプーリ53の間で、シリンダ51Aが右端に寄り、ピストンロッド51Bがシリンダ51Aの左端から左へ向けて突出するように配置され、第2のガスシリンダ61は、左右に離れた2つのプーリ63の間で、シリンダ61Aが左端に寄り、ピストンロッド61Bがシリンダ61Aの右端から右へ向けて突出するように配置されている。これにより、第1のガスシリンダ51と第2のガスシリンダ61とは、太い部分であるシリンダ51A,61Aが振動しても互いに干渉しにくいとともに、左右の重量バランスも良好となる。また、第1のガスシリンダ51と第2のガスシリンダ61が作動したときにも、それぞれの質量の移動が打ち消し合うので、不要な力を着座部に与えることが無い。また、シリンダ51Aとシリンダ61Aがそれぞれ左右方向の端部に寄せられているので、ピストンロッド61Bの作動量を大きく取ることができる。
【0053】
以上のように構成された車両用シートの動作について説明する。
図9および図10に示すように、通常状態において、ベースフレーム30に対して可動フレーム40は通常の着座に適した位置(作動後状態よりも前の位置)に位置していて、リフト用リンク43が前方から45°程度上に向いている。第1のガスシリンダ51のシリンダ51Aは、プーリ53間の右端に位置していて、第2のガスシリンダ61のシリンダ61Aはプーリ63間の左端に位置している。
【0054】
なお、図9から図12においては、スライダ15、ベースフレーム30および可動フレーム40を重ねて示し、これらを区別しやすくするため、部材ごとに線種を変えて表現してある。同様の理由で、第1のガスシリンダ51、第1のワイヤ52、プーリ53、第2のガスシリンダ61、第2のワイヤ62およびプーリ63も実線で表現してある。
【0055】
車両が前面衝突したときに、所定値以上の大きな減速度が発生すると、図示しない加速度センサから信号が出力されて、ガスジェネレータ51C,61Cを作動させる。これにより、第1のガスシリンダ51および第2のガスシリンダ61が収縮動作して、第1のワイヤ52および第2のワイヤ62を引っ張る。
【0056】
図11および図12に示すように、シリンダ51A,61A、ピストンロッド51B,61Bが移動して、第1のワイヤ52が引かれると、第1のワイヤ52に接続されたアンカー56とインナーバックル57が引き込まれる。これにより、シートベルトのうち、腰部の部分が締まり、乗員が車両用シートから離れるのが抑制される。
第2のワイヤ62が引かれると、第2のワイヤ62に接続されたピン94を、可動フレーム40に対して引き付けようとするので、この力によりベースフレーム30に対し可動フレーム40が後方へ移動する。このとき、可動フレーム40の後端部は、ガイド孔41Aがピン94に沿うように移動する。そして、可動フレーム40の前部は、リフト用リンク43によりベースフレーム30に支持されているので、可動フレーム40が後方に移動するのに伴い、リフト用リンク43が後方へ回ることでその先端が上方へ上がり、可動フレーム40の前部は、リフト用リンク43の先端の移動軌跡と同じように持ち上がる。これにより、図示しないクッション上の座面は後に移動しながら前部が上に上がり、乗員が慣性により前方に移動しようとするのを座面が受け止め易くなり、乗員を車両用シートから離れにくくする。
【0057】
以上のような本実施形態の車両用シートにおいて、次の各効果を奏することができる。
リフト用リンク43がサイドフレーム31とサイドフレーム41の間の空間を利用してコンパクトに配置されているとともに、これらのサイドフレーム31,41によりリフト用リンク43が完全には露出しないのでリフト用リンク43がシートクッションと干渉しにくくスムーズに作動することができる。
【0058】
第2のワイヤ62の多くの部分がサイドフレーム31とサイドフレーム41の間に収容されるので、空いたスペースを利用してコンパクトに配置できるとともに、サイドフレーム31,41に囲まれることで第2のワイヤ62がシートクッションや表皮と干渉しにくいので第2のワイヤ62がスムーズに作動することができる。
【0059】
可動フレーム40のサイドフレーム41が、フランジ41P,41Qを有してコ字状の断面に形成されているので、剛性が高く、サイドフレーム41の凹部に第2のワイヤ62が対向しているので、第2のワイヤ62をコンパクトに配置することができる。
【0060】
ベースフレーム30のサイドフレーム31が、フランジ31P,31Qを有してコ字状の断面に形成されているので、剛性が高く、サイドフレーム31の凹部に第2のワイヤ62が対向しているので、第2のワイヤ62をコンパクトに配置することができる。
【0061】
前面衝突時にシートベルトを引き込むための第1のガスシリンダ51より座面を後方へ移動させるための第2のガスシリンダ61を上に配置したので、第1のワイヤ52および第2のワイヤ62の取り回しが良く、コンパクトに2つのガスシリンダ51,61を配置することができる。
【0062】
そして、着座部のうち、上部前方の空間を利用して第2のガスシリンダ61を配置するとともに、第2のガスシリンダ61よりも後方に配置される第1のガスシリンダ51は、相対的に低い位置とすることで、着座部のうち、特に後方において多く必要とされるクッションのストローク、つまり、シートスプリング81の下方への撓みのための空間を大きめに確保することができる。
【0063】
また、前面衝突時に可動フレーム40の前部が上方に上がることで、乗員が着座部に対しずれにくくなって、車両用シートが乗員を保持しやすくなるとともに、可動フレーム40に設けられた第2のガスシリンダ61も上に上がりながら後方へ移動するため、第1のガスシリンダ51と第2のガスシリンダ61が干渉しにくい。そのため、第1のガスシリンダ51と第2のガスシリンダ61を比較的近づけて配置することも可能となり、これらをコンパクトに配置することができる。
【0064】
そして、左右のフロントリンク21を連結するフロントリンク連結パイプ22に対し、第1のガスシリンダ51と第2のガスシリンダ61が前後に振り分けられ、これらを配設することによる高さの嵩みを抑制することができる。
【0065】
フロントリンク連結パイプ22が両端部22Bより中央部22Aが下方に位置するように湾曲していることで、フロントリンク連結パイプ22と第2のガスシリンダ61との干渉を避けることができ、フロントリンク連結パイプ22と第2のガスシリンダ61をコンパクトに配置することができる。
【0066】
2つのガスシリンダのシリンダ51A,61A同士の干渉を抑制するとともに、前面衝突時の2つのシリンダ51A,61Aの移動による質量の移動が左右で互いに逆になるので、不要な力を着座部に与えることが無い。
【0067】
シリンダ51A,61Aが左右いずれか一端に寄せられて配置されるので、ピストンロッド51B,61Bの作動量を大きく確保できるとともに、第1のワイヤ52または第2のワイヤ62により吊られる各シリンダ51A,61Aの振動の振幅を小さく抑えることができる。
【0068】
以上に本発明の実施形態について説明したが、本発明は、以下の他の形態に示すように、適宜変形して実施することが可能である。
【0069】
例えば、前記実施形態においては、第1のガスシリンダ51のシリンダ51Aを右に配置したが、これを逆にして、図13に示すように左に寄せてシリンダ51Aを配置し、シリンダ51Aに接続された第1のワイヤ52をインナーバックル57に接続し、ピストンロッド51Bに接続された第1のワイヤ52をアンカー56に接続することもできる。このようにすれば、肩からのシートベルトと腰部のシートベルトの2つが繋がっていて引き込みにくいインナーバックル57を作動量が小さいシリンダ51Aに接続し、引き込み易いアンカー56を作動量が大きいピストンロッド51Bに接続したので、シートベルトの腰部に掛け渡される部分を効果的に締めることができる。
【0070】
前記実施形態では、第2のガスシリンダ61は、可動フレーム40に設けられていたが、ベースフレーム30に設けられていてもよい。この場合、第2のガスシリンダ61から延び出る第2のワイヤ62の一端および他端は、可動フレーム40のいずれかの場所に連結するとよい。
【0071】
前記実施形態では、第1のガスシリンダ51の両端(シリンダ51Aおよびピストンロッド51B)から延びる第1のワイヤ52を、シートベルトの端部(アンカー56およびインナーバックル57)に接続したが、これに限定されず、第1のワイヤ52をシートベルトの途中に接続して、第1のガスシリンダ51が作動したときに、シートベルトの途中を引っ張る構成としてもよい。
【0072】
前記実施形態では、ガスシリンダ51,61の軸線を左右に向けて配置したが、これに限定されず、例えば、軸線を前後に向けて配置してもよい。また、2つのガスシリンダ51,61の軸線が向く方向は異なっていてもよい。
【0073】
前記実施形態では、駆動力発生部材としてガスシリンダを例示したが、これに限定されず、例えば、バネやモータなどであってもよい。
【0074】
前記実施形態では、動力伝達部材としてワイヤを例示したが、これに限定されず、例えば、チェーンやロッドなどであってもよい。
【0075】
前記実施形態では、第1のワイヤ52および第2のワイヤ62の力の作用方向を転換させる部材として、回転可能なプーリを例示したが、これに限定されず、例えば、ワイヤなどが巻き掛けられる円筒状の面を有した回転しない部材であってもよいし、ワイヤなどを内部に通す筒状の部材であってもよい。
【0076】
前記実施形態では、左右のサイドフレームやリンクを連結する部材として、円筒状のパイプを例示したが、左右の部材を連結する部材は、これに限定されず、例えば、円柱状や角柱状の連結部材であってもよい。
【0077】
前記実施形態では、前面衝突時に可動フレーム(着座部の座面)が後方に移動する構成としたが、移動方向は後方に限定されず、例えば、前面衝突時において、着座部の前部が持ち上がったり、着座部の後部が下降したりする構成としてもよい。
【0078】
前記実施形態では、前面衝突時に、可動フレーム40が移動し、ベースフレーム30が移動しない構成としたが、これに限定されず、前面衝突時において、機体に対しベースフレームも若干移動する構成としてもよい。
【0079】
前記実施形態では、乗物用シートの適用例として車両用シートを示したが、本発明の乗物用シートは、その他の乗物用シート、例えば、船舶用や航空機用のシートに適用することもできる。なお、本発明において「前」とは、シートに座る乗員を基準としている。したがって、シート(シートに座る乗員)が乗物の進行方向に対して後方を向いている場合には、進行方向後方が乗員を基準として前方となり、例えば、乗物が後から追突されたときなどが前面衝突となる。
【0080】
また、駆動力発生部材としては、前面衝突時に、左右方向外側に伸張するガスシリンダなどを採用してもよい。なお、この場合は、ガスシリンダのシリンダやロッドで左右方向外側に押されることで揺動して、動力伝達部材としてのロッドを前後方向に押す揺動部材を、方向転換部材として採用してもよい。また、この場合の方向転換部材として、ガスシリンダによって左右方向外側に押される楔形のカム部材と、カム部材の斜面によって前後方向に押される部材とを採用してもよい。
【符号の説明】
【0081】
1 シートフレーム
2 シートバックフレーム
3 着座部フレーム
10 レールスライダ装置
11 レール
15 スライダ
20 ハイトアジャスト機構
21 フロントリンク
22 フロントリンク連結パイプ
22A 中央部
22B 両端部
23 リアリンク
24 リアリンク連結パイプ
30 ベースフレーム
31 サイドフレーム
31P フランジ
31Q フランジ
32 連結パイプ
40 可動フレーム
41 サイドフレーム
41A ガイド孔
41B 突出部
41P フランジ
41Q フランジ
42 パンフレーム
42A 凹部
43 リフト用リンク
45 補強パイプ
45A 中央部
45B 両端部
46 取付板
50 プリテンショナ装置
51 第1のガスシリンダ
51A シリンダ
51B ピストンロッド
51C ガスジェネレータ
52 第1のワイヤ
56 アンカー
57 インナーバックル
60 座面移動装置
61 第2のガスシリンダ
61A シリンダ
61B ピストンロッド
61C ガスジェネレータ
62 第2のワイヤ
63 プーリ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
乗員を基準とした前面衝突時に着座部の座面が移動するように構成された乗物用シートであって、
前記着座部のうち乗物の機体側に支持されるベースフレームと、
前記ベースフレームに対し相対的に移動可能な可動フレームと、
前面衝突時に作動する駆動力発生部材と、
前記駆動力発生部材の駆動力を、前記ベースフレームと前記可動フレームの間で伝達することで、前記可動フレームを前記ベースフレームに対し相対的に移動させる動力伝達部材と、
一端部が前記可動フレームに対し回動可能に連結されるとともに他端部が前記ベースフレームに回動可能に連結され、前記可動フレームが前記ベースフレームに対し移動したときに回動される座面位置調整部材とを備え、
前記座面位置調整部材は、前記ベースフレームの側壁と前記可動フレームの側壁の間に設けられたことを特徴とする乗物用シート。
【請求項2】
前記動力伝達部材は、前記ベースフレームの側壁と前記可動フレームの側壁の間で前後方向に延びて配置されたことを特徴とする請求項1に記載の乗物用シート。
【請求項3】
前記可動フレームの側壁は、前記動力伝達部材または前記座面位置調整部材と対向する部分が、上縁部と下縁部を有して凹状に形成されたことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の乗物用シート。
【請求項4】
前記ベースフレームの側壁は、前記動力伝達部材または前記座面位置調整部材と対向する部分が、上縁部と下縁部を有して凹状に形成されたことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の乗物用シート。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2010−285043(P2010−285043A)
【公開日】平成22年12月24日(2010.12.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−139665(P2009−139665)
【出願日】平成21年6月10日(2009.6.10)
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第1項適用申請有り 社団法人 自動車技術会,学術講演会前刷集No.83−09,2009年春季大会,2009年5月20日発行
【出願人】(000220066)テイ・エス テック株式会社 (625)
【Fターム(参考)】