説明

乾燥装置

【課題】効率よく省エネルギー化を図ることができる乾燥装置を提供すること。
【解決手段】
粉粒体を、貯留ホッパ13内で乾燥して各成形機2へ供給する乾燥装置1において、粉粒体の消費量C(単位時間当たりに貯留ホッパ13から各成形機2へ輸送される粉粒体の質量)が、乾燥装置1の乾燥能力D(単位時間当たりに貯留ホッパ13内で乾燥される粉粒体の質量)に対して、所定の割合を超過しているときに、熱風供給部12を第1の動作量で動作させ、粉粒体の消費量Cが、乾燥装置1の乾燥能力Dに対して、所定の割合以下であるときに、乾燥ブロワ19の送風量を低下させて、熱風供給部12を第1の動作量よりも低い第2の動作量で動作させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、粉粒体を乾燥する乾燥装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、プラスチック成形などにおいて、成形材料であるプラスチックペレットなどの粉粒体を、成形機へ投入する前に乾燥する乾燥装置が用いられている。
【0003】
そのような乾燥装置として、例えば、樹脂材料を貯留するタンクと、タンク内に温風を吹き込む送風ファンおよびヒータとを備える乾燥機において、予め設定された運転パターンで、樹脂材料を乾燥し、その後、送風ファンおよびヒータの稼働を停止させることが知られている(たとえば、下記特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2002−36236号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかるに、上記した特許文献1に記載の乾燥機では、予め設定された運転パターンで、樹脂材料を乾燥している。
【0006】
そのため、例えば、成形機側でトラブルが発生した場合など、樹脂材料の消費が低減または停止した場合でも、予め設定された運転パターンで、樹脂材料を乾燥し続けることとなり、その分、省エネルギー化を図ることが困難である。
【0007】
そこで、本発明の目的は、効率よく省エネルギー化を図ることができる乾燥装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記した目的を達成するため、請求項1に記載の発明は、乾燥装置であって、粉粒体を貯留する貯留ホッパと、前記貯留ホッパ内の粉粒体を加熱する加熱手段と、前記貯留ホッパから被供給装置へ粉粒体を輸送する輸送手段と、前記加熱手段の動作を制御する制御手段とを備え、前記制御手段は、前記加熱手段の動作を、単位時間当たりにおける前記貯留ホッパから前記被供給装置への粉粒体の輸送に起因する、前記貯留ホッパ内における粉粒体の変動量が、前記単位時間当たりに前記貯留ホッパ内で乾燥される粉粒体の質量に対して、所定の割合を超過しているときに、第1の動作量で動作する第1モードと、前記粉粒体の変動量が、前記単位時間当たりに前記貯留ホッパ内で乾燥される粉粒体の質量に対して、所定の割合以下であるときに、前記第1の動作量よりも低い第2の動作量で動作する第2モードとに自動的に切り替えることを特徴としている。
【0009】
このような構成によれば、単位時間当たりにおける前記貯留ホッパから前記被供給装置への粉粒体の輸送に起因する、前記貯留ホッパ内における粉粒体の変動量が、単位時間当たりに貯留ホッパ内で乾燥される粉粒体の質量に対して、相対的に小さくなったときに、加熱手段の動作を、比較的高い動作量で動作させる第1モードから、比較的低い動作量で動作させる第2モードへ、自動的に切り替えることができる。
【0010】
つまり、貯留ホッパ内における粉粒体の変動量に応じて、加熱手段の動作を自動的に低下させることができる。
【0011】
その結果、効率よく省エネルギー化を図ることができる。また、貯留ホッパ内で粉粒体が過熱されることを防止することができ、粉粒体が樹脂材料の場合には、過熱による変質(黄変など)の防止、および、ブロッキングの防止を図ることができる。
【0012】
また、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記加熱手段は、前記貯留ホッパへ向かう気流を発生させる第1気流発生装置と、前記第1気流発生装置からの気流を加熱する第1加熱装置とを備え、前記制御手段は、前記第1気流発生装置および/または前記第1加熱装置の動作量を下げることにより、前記加熱手段の動作量を下げることを特徴としている。
【0013】
このような構成によれば、第1気流発生装置および/または第1加熱装置の動作量を下げることにより、容易に加熱手段の動作量を低下させることができる。
【0014】
また、請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の発明において、前記加熱手段は、さらに、前記第1気流発生装置からの気流に含まれる水分を吸着する吸着部材と、前記吸着部材に吸着された水分を除去する再生装置とを備え、前記再生装置は、前記吸着部材へ向かう気流を発生させる第2気流発生装置と、前記第2気流発生装置からの気流を加熱する第2加熱装置とを備え、前記制御手段は、前記加熱手段の動作量を下げるときには、前記第1気流発生装置および/または前記第1加熱装置の動作量を下げるとともに、前記第2気流発生装置の動作量を下げることを特徴としている。
【0015】
このような構成によれば、吸着部材と再生装置とを備える構成において、第1気流発生装置および/または第1加熱装置の動作量を下げると同時に、再生装置の第2気流発生装置の動作量も下げることができる。
【0016】
そのため、より効率よく省エネルギー化を図ることができる。
【0017】
また、請求項4に記載の発明は、請求項1〜3のいずれか一項に記載の発明において、前記粉粒体の変動量は、単位時間当たりに前記貯留ホッパから前記被供給装置へ輸送される粉粒体の質量であって、前記制御手段は、前記加熱手段の動作を、単位時間当たりに前記貯留ホッパから前記被供給装置へ輸送される粉粒体の質量が、前記単位時間当たりに前記貯留ホッパ内で乾燥される粉粒体の質量に対して、所定の割合を超過しているときに第1モードに切り替え、前記単位時間当たりに前記貯留ホッパから前記被供給装置へ輸送される粉粒体の質量が、前記単位時間当たりに前記貯留ホッパ内で乾燥される粉粒体の質量に対して、所定の割合以下であるときに第2モードに切り替えることを特徴としている。
【0018】
このような構成によれば、単位時間当たりに被供給装置へ輸送される粉粒体の質量に基づいて、加熱手段の動作を切り替えることができる。
【0019】
そのため、実際に被供給装置において使用される粉粒体の量に応じて、加熱手段の動作を自動的に低下させることができる。
【0020】
その結果、より一層効率よく省エネルギー化を図ることができる。
【0021】
また、請求項5に記載の発明は、請求項4に記載の発明において、さらに、質量換算プログラムが格納されている記憶装置を備え、前記質量換算プログラムは、前記制御手段に、前記単位時間当たりに前記貯留ホッパ内で乾燥される粉粒体の質量を、前記輸送手段が1回の動作で輸送する粉粒体の質量で除算して、前記単位時間当たりに前記貯留ホッパ内で乾燥される粉粒体を前記単位時間で輸送するための前記輸送手段の理論動作回数に換算するステップと、前記理論動作回数に対する、前記単位時間当たりに実測された前記輸送手段の実動作回数の割合を算出するステップと、を実施させ、前記制御手段は、前記理論動作回数に対する前記実動作回数の割合が、所定の割合を超過しているときに、前記第1モードで前記加熱手段を動作させ、前記理論動作回数に対する前記実動作回数の割合が、所定の割合以下であるときに、前記第2モードで前記加熱手段を動作させることを特徴としている。
【0022】
このような構成によれば、単位時間当たりに貯留ホッパ内で乾燥される粉粒体の質量を、輸送手段の理論動作回数に換算して、理論動作回数に対する実動作回数の割合に基づいて、加熱手段の動作を第1モードと第2モードとに切り替えることができる。
【0023】
そのため、単位時間当たりに貯留ホッパから被供給装置へ輸送される粉粒体の質量を実測するための構成を設けることなく、輸送手段の実動作回数に基づいて、加熱手段の動作を第1モードと第2モードとに切り替えることができる。
【0024】
その結果、簡易な構成で、被供給装置へ輸送される粉粒体の質量に応じて、加熱手段の動作を自動的に低下させることができる。
【0025】
また、請求項6に記載の発明は、請求項1〜3のいずれか一項に記載の発明において、さらに、前記貯留ホッパ内の粉粒体が前記被供給装置へ輸送された後に前記貯留ホッパに粉粒体を補給する補給手段を備え、前記粉粒体の変動量は、単位時間当たりに前記貯留ホッパへ補給される粉粒体の質量であって、前記制御手段は、前記加熱手段の動作を、単位時間当たりに前記貯留ホッパへ補給される粉粒体の質量が、前記単位時間当たりに前記貯留ホッパ内で乾燥される粉粒体の質量に対して、所定の割合を超過しているときに第1モードに切り替え、前記単位時間当たりに前記貯留ホッパへ補給される粉粒体の質量が、前記単位時間当たりに前記貯留ホッパ内で乾燥される粉粒体の質量に対して、所定の割合以下であるときに第2モードに切り替えることを特徴としている。
【0026】
このような構成によれば、単位時間当たりに貯留ホッパに補給される粉粒体の質量に基づいて、加熱手段の動作を切り替えることができる。
【0027】
そのため、実際に貯留ホッパに補給される粉粒体の量に応じて、加熱手段の動作を自動的に低下させることができる。
【0028】
その結果、貯留ホッパ内で粉粒体が過熱されることをより防止することができる。
【0029】
また、請求項7に記載の発明は、請求項6に記載の発明において、さらに、質量換算プログラムが格納されている記憶装置を備え、前記質量換算プログラムは、前記制御手段に、前記単位時間当たりに前記貯留ホッパ内で乾燥される粉粒体の質量を、前記補給手段が1回の動作で補給する粉粒体の質量で除算して、前記単位時間当たりに前記貯留ホッパ内で乾燥される粉粒体を前記単位時間で補給するための前記補給手段の理論動作回数に換算するステップと、前記理論動作回数に対する、前記単位時間当たりに実測された前記補給手段の実動作回数の割合を算出するステップとを実施させ、前記制御手段は、前記理論動作回数に対する前記実動作回数の割合が、所定の割合を超過しているときに、前記第1モードで前記加熱手段を動作させ、前記理論動作回数に対する前記実動作回数の割合が、所定の割合以下であるときに、前記第2モードで前記加熱手段を動作させることを特徴としている。
【0030】
このような構成によれば、単位時間当たりに貯留ホッパ内で乾燥される粉粒体の質量を、補給手段の理論動作回数に換算して、理論動作回数に対する実動作回数の割合に基づいて、加熱手段の動作を第1モードと第2モードとに切り替えることができる。
【0031】
そのため、単位時間当たりに貯留ホッパへ補給される粉粒体の質量を実測するための構成を設けることなく、輸送手段の実動作回数に基づいて、加熱手段の動作を第1モードと第2モードとに切り替えることができる。
【0032】
その結果、簡易な構成で、貯留ホッパへ補給される粉粒体の質量に応じて、加熱手段の動作を自動的に低下させることができる。
【0033】
また、請求項8に記載の発明によれば、請求項6に記載の発明において、前記貯留ホッパ内の温度を測定する温度検知部材を備え、前記制御手段は、粉粒体の補給後において、2つの任意の時点間における前記貯留ホッパ内の温度上昇割合が、所定の割合以下であるときに、前記第1モードで前記加熱手段を動作させ、前記温度上昇割合が、所定の割合を超過しているときに、前記第2モードで前記加熱手段を動作させることを特徴としている。
【0034】
このような構成によれば、単位時間当たりに貯留ホッパへ補給される粉粒体の質量を実測するための構成を設けることなく、貯留ホッパへ補給される粉粒体の質量に起因する貯留ホッパ内の温度の変動割合(温度上昇割合)を利用して、加熱手段の動作を第1モードと第2モードとに切り替えることができる。
【0035】
そのため、簡易な構成で、貯留ホッパへ補給される粉粒体の質量に応じて、加熱手段の動作を自動的に低下させることができる。
【0036】
また、請求項9に記載の発明は、請求項1〜8のいずれか一項に記載の発明において、さらに、前記制御手段は、所定の時間にわたって前記貯留ホッパから前記被供給装置へ輸送されなかったときに、前記加熱手段の動作を、前記第2の動作量よりも低い第3の動作量で動作する第3モードに自動的に切り替えるか、または、自動的に停止させることを特徴としている。
【0037】
このような構成によれば、所定の時間にわたって貯留ホッパから被供給装置へ輸送されなかったときに、自動的に、加熱手段の動作をさらに低下させるか、または、加熱手段を停止させることができる。
【0038】
そのため、より効率よく省エネルギー化を図ることができる。
【発明の効果】
【0039】
請求項1に記載の発明によれば、貯留ホッパ内における粉粒体の変動量に応じて、加熱手段の動作を自動的に低下させることができるので、効率よく省エネルギー化を図ることができる。また、粉粒体が樹脂材料の場合には、過熱による変質(黄変など)の防止、および、ブロッキングの防止を図ることができる。
【0040】
また、請求項2に記載の発明によれば、第1気流発生装置および/または第1加熱装置の動作量を下げることにより、容易に加熱手段の動作量を低下させることができる。
【0041】
また、請求項3に記載の発明によれば、第1気流発生装置からの気流に含まれる水分を吸着する吸着部材と、吸着部材を再生(吸着部材に吸着された水分を除去)する再生装置とを備える構成において、より効率よく省エネルギー化を図ることができる。
【0042】
また、請求項4に記載の発明によれば、実際に被供給装置において使用される粉粒体の量に応じて、加熱手段の動作を自動的に低下させることができるので、より一層効率よく省エネルギー化を図ることができる。
【0043】
また、請求項5に記載の発明によれば、単位時間当たりに貯留ホッパから被供給装置へ輸送される粉粒体の質量を実測するための構成を設けることなく、輸送手段の実動作回数に基づいて、加熱手段の動作を第1モードと第2モードとに切り替えることができ、簡易な構成で、被供給装置へ輸送される粉粒体の質量に応じて、加熱手段の動作を自動的に低下させることができる。
【0044】
また、請求項6に記載の発明によれば、実際に貯留ホッパに補給される粉粒体の量に応じて、加熱手段の動作を自動的に低下させることができるので、貯留ホッパ内で粉粒体が過熱されることをより防止することができる。
【0045】
また、請求項7に記載の発明によれば、単位時間当たりに貯留ホッパへ補給される粉粒体の質量を実測するための構成を設けることなく、輸送手段の実動作回数に基づいて、加熱手段の動作を第1モードと第2モードとに切り替えることができ、簡易な構成で、貯留ホッパへ補給される粉粒体の質量に応じて、加熱手段の動作を自動的に低下させることができる。
【0046】
また、請求項8に記載の発明によれば、貯留ホッパへ補給される粉粒体の質量に起因する貯留ホッパ内の温度の変動割合(温度上昇割合)を利用して、加熱手段の動作を第1モードと第2モードとに切り替えることができ、簡易な構成で、貯留ホッパへ補給される粉粒体の質量に応じて、加熱手段の動作を自動的に低下させることができる。
【0047】
また、請求項9に記載の発明によれば、所定の時間にわたって貯留ホッパから被供給装置へ輸送されなかったときに、自動的に、加熱手段の動作をさらに低下させるか、または、加熱手段を停止させることができるので、より効率よく省エネルギー化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【図1】図1は、本発明の乾燥装置の第1実施形態を示す概略構成図である。
【図2】図2は、粉粒体の乾燥処理を示すフローチャートであり、第1モードでの乾燥処理を示す。
【図3】図3は、図2に続いて、粉粒体の乾燥処理を示すフローチャートであり、第2モードでの乾燥処理を示す。
【図4】図4は、図3に続いて、粉粒体の乾燥処理を示すフローチャートである。
【図5】図5は、質量換算プログラムの実行を示すフローチャートである。
【図6】図6は、本発明の乾燥装置の第2実施形態を示す概略構成図である。
【図7】図7は、本発明の乾燥装置の第3実施形態における質量換算プログラムのフローチャートである。
【図8】図8は、粉粒体が補給されたときの貯留ホッパ内の温度変化を説明するための説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0049】
(第1実施形態)
図1は、本発明の乾燥装置の第1実施形態を示す概略構成図である。
【0050】
図1に示すように、乾燥装置1は、樹脂材料からなる粉粒体(ペレット)が貯留されているタンク(図示せず)から供給される粉粒体を乾燥して、乾燥された粉粒体を、複数(4つ)の並列に設けられる成形機2(被供給装置の一例)へ供給する装置である。なお、この実施形態では、各成形機2の処理能力(単位時間当たりに溶融成形される粉粒体の質量)は、例えば、10〜15kg/時である。
【0051】
乾燥装置1は、粉粒体を乾燥する乾燥部3と、タンク(図示せず)から乾燥部3へ、または、乾燥部3から各成形機2へ粉粒体を気力輸送する気力輸送部4と、乾燥装置1の動作を制御する制御部5(制御手段の一例)とを備えている。
【0052】
乾燥部3は、粉粒体を貯留する貯留部11と、貯留部11へ熱風を供給する熱風供給部12(加熱手段の一例)とを備えている。
【0053】
貯留部11は、貯留ホッパ13、排出バルブ14および乾燥装置側ローダホッパ15を備えている。
【0054】
貯留ホッパ13は、略円筒形状の上側部分と、下方に向かって開口断面積が小さくなる略円錐形状の下側部分とが連続するように形成されている。また、貯留ホッパ13の容積は、成形機2の処理能力を基準に設定され、例えば、300〜400Lである。
【0055】
また、貯留ホッパ13の内側には、貯留ホッパ13内の粉粒体が一定のレベルにあるか否かを検知する、公知のレベルセンサ24が設けられている。
【0056】
レベルセンサ24は、一定時間毎に、制御部5へ、粉粒体の検知を示す検知信号、または、粉粒体の非検知を示す非検知信号(要求信号)を送信する。
【0057】
また、貯留ホッパ13の上端部には、粉粒体が投入される投入口16が設けられている。また、貯留ホッパ13の下端部には、貯留ホッパ13から粉粒体を排出する排出口17が設けられている。
【0058】
排出バルブ14は、排出口17を開閉するように、貯留ホッパ13の下端部に接続されている。排出バルブ14は、排出口17を開放する開位置と、排出口17を閉鎖する閉位置とに切り替え可能に設けられている。
【0059】
乾燥装置側ローダホッパ15は、貯留ホッパ13よりも小型のホッパであり、略円筒形状の上側部分と、下方に向かって開口断面積が小さくなる略円錐形状の下側部分とが連続するように形成されている。また、乾燥装置側ローダホッパ15は、下端部において、貯留ホッパ13の投入口16に連通されるように、貯留ホッパ13の上端部に接続されている。なお、乾燥装置側ローダホッパ15の上壁内側には、第1吸引ライン33(後述)の吸引方向上流側端部を囲むようにパンチングメタルプレート10が設けられている。パンチングメタルプレート10には、粉粒体の通過を規制するとともに空気の通過を許容する穴が、複数、貫通形成されている。
【0060】
熱風供給部12は、熱風供給ライン18、乾燥ブロワ19(第1気流発生装置の一例)および循環ライン20を備えている。
【0061】
熱風供給ライン18は、乾燥ブロワ19からの気流を加熱して貯留ホッパ13へ供給する配管であり、その供給方向上流側端部が、乾燥ブロワ19に接続されており、その供給方向下流側端部が、貯留ホッパ13の側壁を貫通して貯留ホッパ13内に配置されている。熱風供給ライン18の供給方向下流側端部は、貯留ホッパ13の下端部近傍に配置され、貯留ホッパ13内に熱風を吹き込むために下方に向けて開放されるノズル22を備えている。
【0062】
また、熱風供給ライン18の途中には、貯留ホッパ13の外側において、乾燥ブロワ19からの気流を加熱するヒータ21(第1加熱装置の一例)が設けられている。ヒータ21の加熱温度は、例えば、100〜150℃である。
【0063】
乾燥ブロワ19は、循環ライン20内を吸引しながら、熱風供給ライン18内へ送風して、循環ライン20から乾燥ブロワ19を介して貯留ホッパ13内へ向かう気流を発生させる。
【0064】
循環ライン20は、貯留ホッパ13内の空気を乾燥ブロワ19に吸気させる配管であり、その吸気方向上流側端部が、貯留ホッパ13に接続され、その吸気方向下流側端部が、乾燥ブロワ19に接続されている。また、循環ライン20の途中には、粉塵などを捕集するフィルタ23と、フィルタ23よりも吸気方向上流側において貯留ホッパ13から排気される空気の温度を測定する温度センサ25(温度検知部材の一例)とが設けられている。なお、温度センサ25は、制御部5へ、貯留ホッパ13から排気される空気の温度のデータを送信する。
【0065】
気力輸送部4は、吸引ライン31と、輸送ブロワ32とを備えている。
【0066】
吸引ライン31は、輸送ブロワ32が乾燥装置側ローダホッパ15および各成形機側ローダホッパ42(後述)内の空気を吸引するための配管であり、乾燥装置側ローダホッパ15に接続される第1吸引ライン33と、各成形機側ローダホッパ42(後述)に接続される第2吸引ライン34とを備えている。
【0067】
第1吸引ライン33は、その吸引方向下流側端部が、粉塵などを捕集するフィルタ35を介して輸送ブロワ32に接続され、その吸引方向上流側端部が、乾燥装置側ローダホッパ15の上壁に接続されている。また、第1吸引ライン33の途中には、第1開閉弁36が設けられている。第1開閉弁36は、第1吸引ライン33を開放する開位置と、第1吸引ライン33を閉鎖する閉位置とに選択的に切り替えられる。
【0068】
第2吸引ライン34は、その吸引方向下流側端部が、フィルタ35と開閉弁36との間において、第1吸引ライン33の途中に接続されている。また、第2吸引ライン34は、各成形機2に対応するように途中で4つに分岐されており、分岐された各吸引方向上流側端部が、対応する成形機側ローダホッパ42の上壁に接続されている。また、第2吸引ライン34の分岐された各吸引方向上流側端部には、第2開閉弁37が1つずつ設けられている。各第2開閉弁37は、第2吸引ライン34を開放する開位置と、第2吸引ライン34を閉鎖する閉位置とに選択的に切り替えられる。
【0069】
輸送ブロワ32は、吸引ライン31を介して、乾燥装置側ローダホッパ15または各成形機側ローダホッパ42内を吸引し、タンク(図示せず)から乾燥装置側ローダホッパ15へ向かう気流、または、貯留ホッパ13から供給ライン41(後述)を介して各成形機側ローダホッパ42へ向かう気流を発生させる。輸送ブロワ32は、第1開閉弁36とともに補給手段を構成する。また、輸送ブロワ32は、各第2開閉弁37とともに輸送手段を構成する。つまり、輸送ブロワ32は、は、補給手段と輸送手段とで兼用されている。
【0070】
制御部5は、貯留ホッパ13のレベルセンサ24、および、各成形機2のレベルセンサ44(後述)からの検知信号または非検知信号(要求信号)を、公知の無線または有線による通信方法により、受信可能に構成されている。また、制御部5は、CPU51を備えている。
【0071】
CPU51は、排出バルブ14、乾燥ブロワ19、ヒータ21、輸送ブロワ32、第1開閉弁36、各第2開閉弁37に電気的に接続されており、貯留ホッパ13または各成形機2からの要求信号に基づいて、それらの駆動を制御する。
【0072】
また、CPU51は、質量換算プログラムなどの各種のプログラムが格納されているROM52(記憶装置の一例)、および、各種のプログラムを実行するための一時的な数値を記憶するためのRAM53などを備えている。
【0073】
そして、乾燥装置1と各成形機2とは、供給ライン41と、各成形機2に1つずつ設けられる成形機側ローダホッパ42とを介して接続されている。
【0074】
供給ライン41は、貯留ホッパ13から各成形機2へ粉粒体を供給する配管である。供給ライン41の供給方向上流側端部は、貯留ホッパ13の排出バルブ14を介して貯留ホッパ13の下端部に接続されている。また、第2吸引ライン34は、各成形機2に対応するように途中で4つに分岐されており、分岐された各供給方向下流側端部が、対応する成形機側ローダホッパ42の側壁に接続されている。
【0075】
成形機側ローダホッパ42は、略円筒形状の上側部分と、下方に向かって開口断面積が小さくなる略円錐形状の下側部分とが連続するように形成されている。また、成形機側ローダホッパ42の下端部は、所定の配管を介して成形機2の上端部に接続されている。また、成形機側ローダホッパ42と成形機2との間には、成形機2に供給される途中の粉粒体が滞留される滞留部(図示せず)と、滞留部(図示せず)内に滞留される粉粒体が一定のレベルにあるか否かを検知する、公知のレベルセンサ44とが設けられている。
【0076】
レベルセンサ44は、一定時間毎に、制御部5へ、粉粒体の検知を示す検知信号、または、粉粒体の非検知を示す非検知信号(要求信号)を送信する。
【0077】
なお、成形機側ローダホッパ42の上壁内側には、第2吸引ライン34の吸引方向上流側端部を囲むようにパンチングメタルプレート43が設けられている。パンチングメタルプレート43には、粉粒体の通過を規制するとともに空気の通過を許容する穴が、複数、貫通形成されている。また、成形機側ローダホッパ42の容積は、成形機2の処理能力を基準に設定され、例えば、貯留ホッパ13の容積に対して、5〜10%の容積であり、具体的には、2〜3Lである。
【0078】
図2〜4は、粉粒体の乾燥処理を示すフローチャートである。図5は、質量換算プログラムの実行を示すフローチャートである。
【0079】
以下、図2〜5を参照しながら、粉粒体の乾燥処理について説明する。
【0080】
この乾燥装置1を用いて粉粒体を乾燥させるには、貯留ホッパ13に粉粒体が貯留された後、図2に示すように、乾燥運転を開始する。なお、乾燥が開始されたときには、排出バルブ14は、閉位置に配置されており、貯留ホッパ13からの粉粒体の排出が規制されている。
【0081】
なお、貯留ホッパ13に粉粒体を貯留させるには、第1開閉弁36を開位置に配置させるとともに輸送ブロワ32を駆動させる。
【0082】
すると、タンク(図示せず)から乾燥装置側ローダホッパ15へ向かう気流が発生し、その気流により、タンク(図示せず)から乾燥装置側ローダホッパ15へ粉粒体が輸送される。その後、粉粒体は、乾燥装置側ローダホッパ15に一旦貯留された後、貯留ホッパ13へ供給される。
【0083】
乾燥運転を開始すると、制御部5は、乾燥ブロワ19の送風量(動作量)、および、ヒータ21の加熱温度(動作量)を調整し、熱風供給部12を、第1の動作量(具体的には、乾燥ブロワ19の送風量、および、ヒータ21の加熱温度を含む、熱風供給部12の総動作量)で動作する第1モードで動作させる(S1)。
【0084】
熱風供給部12が第1モードで動作しているときには、乾燥ブロワ19の送風量は、例えば、1.4〜4L/分に調整される。
【0085】
これにより、貯留ホッパ13内の温度(具体的には、温度センサ25で測定された貯留ホッパ13から排気される空気の温度)は、粉粒体の推奨予備乾燥温度(成形前の予備乾燥温度であって、粉粒体のメーカーが推奨する温度。)に基づいて任意に設定された温度、具体的には、100〜150℃に調整される。
【0086】
また、制御部5は、熱風供給部12を、予めユーザが任意に設定した乾燥時間、例えば、3〜4時間、第1モードで動作させる。これにより、貯留ホッパ13内の粉粒体が乾燥される。
【0087】
次いで、乾燥時間が経過し、粉粒体の乾燥が終了した後(S2、YES)、ユーザが、制御パネル(図示せず)等を操作することにより、乾燥装置1から成形機2への粉粒体の供給を選択すると(S3、YES)、制御部5は、各成形機2からの要求信号に応じて、排出バルブ14と、要求信号を発信する成形機2に対応する成形機側ローダホッパ42の第2開閉弁37とを開位置に配置させ、輸送ブロワ32を駆動させる。
【0088】
なお、乾燥時間が経過していない場合であっても(S2、NO)、乾燥装置1から成形機2への粉粒体の供給が選択された場合には(S3’、YES)、制御部5は、各成形機2からの要求信号に応じて、排出バルブ14と、要求信号を発信する成形機2に対応する成形機側ローダホッパ42の第2開閉弁37とを開位置に配置させ、輸送ブロワ32を駆動させる。
【0089】
すると、貯留ホッパ13から、供給ライン41を介して、開位置に配置された第2開閉弁37に対応する成形機側ローダホッパ42へ向かう気流が発生し、その気流により、貯留ホッパ13から成形機側ローダホッパ42へ粉粒体が輸送される。つまり、貯留ホッパ13内の粉粒体の質量は、成形機側ローダホッパ42へ輸送された分、減少(変動)する。その後、粉粒体は、成形機側ローダホッパ42に一旦貯留された後、成形機2へ供給される。
【0090】
このとき、成形機側ローダホッパ42には、その容積を基準として、毎回、一定質量の粉粒体が輸送される。すなわち、輸送ブロワ32が1回の動作で輸送する粉粒体の質量は、成形機側ローダホッパ42の容積に応じて一定質量となる。
【0091】
つまり、一定質量の粉粒体が輸送された後は、第2開閉弁37は、再び閉位置に配置される。この第2開閉弁37の開閉がCPU51において、輸送ブロワ32の1回の輸送動作として認識される。なお、1回の輸送動作で一定質量の粉粒体を輸送するために、第2開閉弁37は、所定の時間、開位置に配置される。
【0092】
そして、貯留ホッパ13から成形機側ローダホッパ42へ粉粒体が輸送されると、同時に、制御部5は、質量換算プログラムを実行し(S4)、単位時間(例えば、1時間)当たりに貯留ホッパ13内で乾燥される粉粒体の質量(乾燥能力D)に対する単位時間当たりに貯留ホッパ13から成形機2へ供給される粉粒体の質量(消費量C、すなわち、貯留ホッパ13内における粉粒体の減少量(変動量))の割合(消費割合R)を計算する。
【0093】
制御部5が質量換算プログラムを実行すると、CPU51は、図5に示すように、まず、乾燥能力Dを、輸送ブロワ32が1回の動作で輸送する粉粒体の質量(単位輸送量T)で除算して、単位時間当たりに貯留ホッパ13内で乾燥される粉粒体を単位時間で輸送するための輸送ブロワ32の理論動作回数Nに換算する(S41)。
【0094】
次いで、CPU51は、理論動作回数Nに対する、単位時間当たりに実測された各第2開閉弁37の実動作回数n(各第2開閉弁37が開位置へ移動した回数の合計)の割合を算出することにより、消費割合Rを概算する(S42)。
【0095】
なお、質量換算プログラムは、乾燥装置1から成形機2への粉粒体の供給が選択されている間、所定の時間(例えば、10分)毎に常に実行される。
【0096】
具体的には、乾燥能力Dが60kg/時であり、単位輸送量Tが1kg/回である場合、まず、1時間当たりの理論動作回数Nは、60回(60÷1)(すなわち、10分間当たりの理論動作回数Nは、10回(60÷6))と計算される。
【0097】
次いで、10分間毎に、実測された各第2開閉弁37の実動作回数n’に基づいて、消費割合R’を算出する。10分間に実測された各第2開閉弁37の実動作回数n’が、例えば、9回である場合には、消費割合R’は、90%(9÷10×100)と計算され、例えば、7回である場合には、消費割合R’は、70%(7÷10×100)と計算される。
【0098】
そして、10分間毎に算出された消費割合R’の移動平均値(具体的には、今回、前回(10分前)、前々回(20分前)に計算された消費割合R’の平均値)を、消費割合Rとする。
【0099】
消費割合Rが、所定の割合(例えば、80%)を超過しているとき(S5:NO)には、制御部5は、熱風供給部12を第1モードで動作させ続ける。
【0100】
なお、成形機側ローダホッパ42への粉粒体の供給により貯留ホッパ13内の粉粒体が減少した場合には、制御部5は、貯留ホッパ13からの要求信号に応じて、第1開閉弁36を開位置に配置させるとともに輸送ブロワ32を駆動させる。
【0101】
すると、上記したように、タンク(図示せず)から乾燥装置側ローダホッパ15へ向かう気流により、タンク(図示せず)から乾燥装置側ローダホッパ15を介して貯留ホッパ13へ、粉粒体が補給される。つまり、貯留ホッパ13内の粉粒体の質量は、タンク(図示せず)から補給された分、増加(変動)する。
【0102】
そして、消費割合Rが、所定の割合(例えば、80%)以下になると(S5:YES)、制御部5は、所定の運転切替待ち時間(例えば、30分)が経過した後(S6:YES、S7:YES)、乾燥ブロワ19の送風量を下げて、熱風供給部12の動作を、第1の動作量よりも低い第2の動作量で動作する第2モード(S9、S12、S15、S18、図3参照)、または、第2の動作量よりも低い第3の動作量で動作する第3モード(S22、図4参照)に切り替えるか、乾燥ブロワ19を停止させる(S21、図4参照)。
【0103】
熱風供給部12が第2モードで動作しているときには、乾燥ブロワ19の送風量は、例えば、熱風供給部12が第1モードで動作しているときの乾燥ブロワ19の送風量に対して、60〜80%の送風量であり、0.84〜3.2L/分に調整される。
【0104】
なお、貯留ホッパ13内の温度は、熱風供給部12が第1モードで動作しているときと同等の温度、すなわち、100〜150℃に保持される。
【0105】
熱風供給部12が第3モードで動作しているときには、乾燥ブロワ19の送風量は、例えば、熱風供給部12が第2モードで動作しているときの乾燥ブロワ19の送風量に対して、50〜100%の送風量であり、0.7〜2L/分に調整される。
【0106】
これにより、貯留ホッパ13内の温度は、熱風供給部12が第1モードで動作しているときと同等の温度、すなわち、100〜150℃に保持される。
【0107】
具体的には、例えば、各成形機2のうち、1つの成形機2が成形作業を停止した場合には、各成形機2の消費量Cの合計が、75%(3/4)に減少する。つまり、消費割合Rが、80%以下であって、60%を超過する割合になる(S7:YES、S8:NO)。
【0108】
すると、制御部5は、乾燥ブロワ19の送風量、および、ヒータ21の温度を調整して、熱風供給部12の動作を、第2モードに切り替える(S9)。
【0109】
また、制御部5は、熱風供給部12の動作を第2モードに切り替えると同時に、熱風供給部12の動作を第2モードで運転させる第2モード運転時間を設定する。
【0110】
第2モード運転時間は、熱風供給部12の動作を第2モードに切り替えるときの消費割合Rに応じて設定され、具体的には、消費割合Rが、80%以下であって、60%を超過する割合である場合には、例えば、10分と設定される。
【0111】
その後、制御部5は、所定の第2モード運転時間が経過した後(S10:YES)、乾燥ブロワ19の送風量を調整して、熱風供給部12の動作を第1モードに切り替える。
【0112】
また、例えば、各成形機2のうち、2つの成形機2が成形作業を停止した場合には、各成形機2の消費量Cの合計が、50%(2/4)に減少し、消費割合Rが、60%以下であって、40%を超過する割合になる(S7:YES、S8:YES、S11:NO)。
【0113】
すると、制御部5は、熱風供給部12の動作を第2モードに切り替える(S12)と同時に、第2モード運転時間を、例えば、20分と設定する。
【0114】
その後、制御部5は、所定の第2モード運転時間が経過した後(S13:YES)、乾燥ブロワ19の送風量、および、ヒータ21の温度を調整して、熱風供給部12の動作を第1モードに切り替える。
【0115】
また、例えば、各成形機2のうち、3つの成形機2が成形作業を停止した場合には、各成形機2の消費量Cの合計が、25%(1/4)に減少し、消費割合Rが、40%以下であって、20%を超過する割合になる(S7:YES、S8:YES、S11:YES、S14:NO)。
【0116】
すると、制御部5は、熱風供給部12の動作を第2モードに切り替える(S15)と同時に、第2モード運転時間を、例えば、30分と設定する。
【0117】
その後、制御部5は、所定の第2モード運転時間が経過した後(S16:YES)、乾燥ブロワ19の送風量、および、ヒータ21の温度を調整して、熱風供給部12の動作を第1モードに切り替える。
【0118】
また、例えば、各成形機2のうち、3つの成形機2が成形作業を停止するとともに、残り1つの成形機2の消費量Cが減少した場合には、消費割合Rが、20%以下であって、0%を超過する割合になる(S7:YES、S8:YES、S11:YES、S14:YES、S17:NO)場合がある。
【0119】
すると、制御部5は、熱風供給部12の動作を第2モードに切り替える(S18)と同時に、第2モード運転時間を、例えば、40分と設定する。
【0120】
その後、制御部5は、所定の第2モード運転時間が経過した後(S19:YES)、乾燥ブロワ19の送風量、および、ヒータ21の温度を調整して、熱風供給部12の動作を第1モードに切り替える。
【0121】
また、例えば、全ての成形機2が成形作業を停止した場合には、消費割合Rが、0%になる(S7:YES、S8:YES、S11:YES、S14:YES、S17:YES)。
【0122】
ここで、ユーザが、制御部5に対して、予め、乾燥装置1の自動停止(成形作業停止時における自動停止)を設定している場合(S20:YES)には、制御部5は、熱風供給部12を停止させる(S21)。
【0123】
また、ユーザが乾燥装置1の自動停止を設定していない場合(S20:NO)には、制御部5は、熱風供給部12の動作を第3モードに切り替える(S22)。
【0124】
第3モードでは、上記したように、熱風供給部12は、第2の動作量よりも低い第3の動作量で動作する。
【0125】
なお、上記した乾燥時間経過後(S2:YES)において、乾燥装置1から成形機2への粉粒体の供給が選択されていない場合(S3:NO)にも、制御部5は、乾燥装置1の自動停止(成形作業停止時における自動停止)を設定している場合(S20:YES)に、熱風供給部12を停止させ(S21)、ユーザが乾燥装置1の自動停止を設定していない場合(S20:NO)に、熱風供給部12の動作を第3モードに切り替える(S22)。
【0126】
その後、各成形機2の成形作業が再開されて、貯留ホッパ13から成形機側ローダホッパ42へ粉粒体が輸送されると(S23:YES)、制御部5は、熱風供給部12の動作を第1モードに切り替える。
【0127】
また、各成形機2の成形作業が再開されない場合(S23:NO)でも、ユーザが乾燥装置1の運転再開スイッチ(図示せず)をONにすると(S24:YES)、制御部5は、熱風供給部12の動作を第1モードに切り替える。
【0128】
このようにして、乾燥装置1では、各成形機2へ輸送される粉粒体の消費割合Rに応じて、熱風供給部12の動作を自動的に切り替える。
【0129】
この乾燥装置1によれば、図2、図3および図4に示すように、粉粒体の消費量C(単位時間当たりに貯留ホッパ13から各成形機2へ輸送される粉粒体の質量)が、乾燥装置1の乾燥能力D(単位時間当たりに貯留ホッパ13内で乾燥される粉粒体の質量)に対して、相対的に小さくなったときに、熱風供給部12の動作を、乾燥ブロワ19の送風量が比較的多い第1モードから、乾燥ブロワ19の送風量が比較的少ない第2モードへ、自動的に切り替えることができる。
【0130】
つまり、粉粒体の消費量Cに応じて、熱風供給部12の動作を自動的に低下させることができる。
【0131】
その結果、効率よく省エネルギー化を図ることができる。また、貯留ホッパ13内で粉粒体が過熱されることを防止することができ、過熱による粉粒体の変質(黄変など)の防止、および、粉粒体のブロッキングの防止を図ることができる。
【0132】
また、この乾燥装置1によれば、乾燥ブロワ19の送風量を下げることにより、容易に熱風供給部12の送風量を低下させて、熱風供給部12を第2モードまたは第3モードで動作させることができる。
【0133】
また、この乾燥装置1によれば、実際に成形機2において使用される粉粒体の消費量Cに応じて、熱風供給部12の動作を自動的に低下させることができる。
【0134】
そのため、より一層効率よく省エネルギー化を図ることができる。
【0135】
また、この乾燥装置1によれば、図5に示すように、乾燥装置1の乾燥能力D(単位時間当たりに貯留ホッパ13内で乾燥される粉粒体の質量)を、各第2開閉弁37の理論動作回数Nに換算して、理論動作回数Nに対する実動作回数nの割合に基づいて、熱風供給部12の動作を第1モードと第2モードとに切り替えることができる。
【0136】
そのため、粉粒体の消費量C(単位時間当たりに貯留ホッパ13から各成形機2へ輸送される粉粒体の質量)を実測するための構成を設けることなく、各第2開閉弁37の実動作回数nに基づいて、熱風供給部12の動作を第1モードと第2モードとに切り替えることができる。
【0137】
その結果、簡易な構成で、粉粒体の消費量Cに応じて、熱風供給部12の動作を自動的に低下させることができる。
【0138】
また、この乾燥装置1によれば、図4に示すように、所定の時間にわたって貯留ホッパ13から各成形機2へ粉粒体が輸送されなかったときに、自動的に、熱風供給部12の動作をさらに低下させるか、または、熱風供給部12を停止させることができる。
【0139】
そのため、より効率よく省エネルギー化を図ることができる。
(第2実施形態)
図6は、本発明の乾燥装置の第2実施形態を示す概略構成図である。なお、第2実施形態において、第1実施形態と同様の部材には同様の符号を付し、その説明を省略する。また、第2実施形態においても、第1実施形態と同様に制御される。
【0140】
上記した第1実施形態では、熱風供給部12を、熱風供給ライン18、乾燥ブロワ19および循環ライン20から構成し、熱風供給ライン18の途中にヒータ21を設けたが、第2実施形態では、熱風供給ライン18の途中に、除湿装置61を設けてもよい。
【0141】
第2実施形態では、循環ライン20は、さらに、冷却装置60を備え、熱風供給ライン18は、さらに、除湿装置61を備えている。
【0142】
冷却装置60は、フィルタ23と乾燥ブロワ19との間に設けられ、乾燥ブロワ19に吸引される空気を冷却する。
【0143】
除湿装置61は、水分を吸着する吸着部材62と、吸着部材62に吸着された水分を除去する再生装置63とを備えている。
【0144】
吸着部材62は、ゼオライトなどの水分を吸着可能なセラミック材料から略円柱形状に形成されており、ケーシング(図示せず)内に、その中心軸線を回転中心として回転可能に支持されている。吸着部材62は、除湿装置61の動作中、常には、ケーシング(図示せず)内において回転されている(図示矢印参照)。吸着部材62は、その径方向一端部において、熱風供給ライン18の途中に介在されている。
【0145】
再生装置63は、熱風供給ライン64と再生ブロワ65(第2気流発生装置の一例)とを備えている。
【0146】
熱風供給ライン64は、再生ブロワ65からの気流を加熱して吸着部材62の径方向他端部へ供給する配管であり、その供給方向上流側端部が、再生ブロワ65に接続されており、その供給方向下流側端部が、吸着部材62の径方向他端部に対向するようにケーシング(図示せず)に接続されている。
【0147】
また、熱風供給ライン64の途中には、再生ブロワ65からの気流を加熱する再生ヒータ66(第2加熱装置の一例)が設けられている。
【0148】
再生ヒータ66は、CPU51に電気的に接続されており、CPU51によってその動作を制御される。再生ヒータ66の加熱温度は、例えば、200〜250℃である。
【0149】
再生ブロワ65は、熱風供給ライン64内に送風して、吸着部材62の径方向他端部へ向かう気流を発生させる。また、再生ブロワ65は、CPU51に電気的に接続されており、CPU51によってその動作を制御される。
【0150】
そして、乾燥ブロワ19から発生された気流は、熱風供給ライン18を介して吸着部材62の径方向一端部に作用する。すると、乾燥ブロワ19からの気流に含有される水分は、吸着部材62の径方向一端部に吸着され、乾燥ブロワ19からの気流から除去される。その後、乾燥ブロワ19からの気流は、上記した第1実施形態と同様に、ヒータ21で加熱されて貯留ホッパ13へ供給される。
【0151】
一方、吸着部材62のうち水分を吸着した部分は、回転されて、再生装置63の熱風供給ライン64の供給方向下流側端部に対向される。すると、再生装置63から発生された気流は、吸着されている水分を除去してケーシング(図示せず)外へ排気される。これにより、水分を吸着した吸着部材62は、再度、水分を吸着していない状態に再生される。
【0152】
なお、熱風供給部12には、再生装置63によって加熱された吸着部材62を冷却する冷却ライン67が設けられている。
【0153】
冷却ライン67は、熱風供給ライン18の途中(乾燥ブロワ19と除湿装置61との間)から分岐された配管であり、吸着部材62の回転方向における、熱風供給ライン64の下流側、かつ、熱風供給ライン18の上流側において、吸着部材62のケーシング(図示せず)に接続され、さらに、吸着部材62のケーシング(図示せず)を介して、循環ライン20の途中(貯留ホッパ13とフィルタ23との間)に接続されている。
【0154】
第2実施形態では、熱風供給部12が第1モードで動作しているときには、第1実施形態と同様に、乾燥ブロワ19の送風量は、例えば、1.4〜4L/分に調整される。
【0155】
また、再生ブロワ65の送風量は、例えば、0.2〜0.7L/分に調整される。
【0156】
そして、図2〜図4に示すように、消費割合Rが、所定の割合(例えば、80%)以下になると(S5:YES)、制御部5は、所定の運転切替待ち時間(例えば、30分)が経過した後(S6:YES、S7:YES)、乾燥ブロワ19の送風量を下げるとともに、再生ブロワ65の送風量を下げて、熱風供給部12の動作を、第1の動作量(具体的には、乾燥ブロワ19の送風量、ヒータ21の加熱温度、再生ブロワ65の送風量、および、再生ヒータ66の加熱温度を含む、熱風供給部12の総動作量)よりも低い第2の動作量で動作する第2モード(S9、S12、S15、S18、図3参照)、または、第2の動作量よりも低い第3の動作量で動作する第3モード(S22、図4参照)に切り替えるか、乾燥ブロワ19を停止させる(S21、図4参照)。
【0157】
熱風供給部12の動作が第2モードに切り替えられると、乾燥ブロワ19の送風量は、熱風供給部12が第1モードで動作しているときの乾燥ブロワ19の送風量に対して、60〜80%の送風量であり、0.84〜3.2L/分に調整される。
【0158】
また、再生ブロワ65の送風量は、熱風供給部12が第1モードで動作しているときの再生ブロワ65の送風量に対して、60〜80%の送風量であり、0.12〜0.56L/分に調整される。
【0159】
また、熱風供給部12の動作が第3モードに切り替えられると、乾燥ブロワ19の送風量は、熱風供給部12が第2モードで動作しているときの乾燥ブロワ19の送風量に対して、50〜100%の送風量であり、0.7〜2L/分に調整される。
【0160】
また、再生ブロワ65の送風量は、熱風供給部12が第2モードで動作しているときの再生ブロワ65の送風量に対して、50〜100%の送風量であり、0.1〜0.35L/分に調整される。
【0161】
第2実施形態の乾燥装置1においても、上記した第1実施形態と同様の作用効果を得ることができる。
【0162】
また、第2実施形態の乾燥装置1によれば、乾燥ブロワ19からの気流に含まれる水分を吸着する吸着部材62と、吸着部材62を再生(吸着部材62に吸着された水分を除去)する再生装置63とを備える構成において、熱風供給部12の動作を低下させるときに、乾燥ブロワ19の送風量を下げると同時に、再生装置63の再生ブロワ65の送風量も下げることができる。
【0163】
そのため、より効率よく省エネルギー化を図ることができる。
(第3実施形態)
図7は、本発明の乾燥装置の第3実施形態における質量換算プログラムのフローチャートである。なお、第3実施形態において、上記した各実施形態と同様の部材には同様の符号を付し、その説明を省略する。
【0164】
上記した各実施形態では、質量換算プログラム(S4)において、単位時間当たりに貯留ホッパ13内で乾燥される粉粒体の質量(乾燥能力D)に対する単位時間当たりに貯留ホッパ13から成形機2へ供給される粉粒体の質量(消費量C)の割合(消費割合R)を計算している。
【0165】
しかし、消費割合Rは、単位時間当たりに貯留ホッパ13内で乾燥される粉粒体の質量(乾燥能力D)に対する単位時間当たりに貯留ホッパ13へ補給される粉粒体の質量(補給量S)の割合として計算することもできる。
【0166】
上述したように、成形機2への粉粒体の供給により貯留ホッパ13内の粉粒体が減少した場合には、タンク(図示せず)から乾燥装置側ローダホッパ15を介して貯留ホッパ13へ、粉粒体が補給される。
【0167】
つまり、貯留ホッパ13へ補給される粉粒体の質量(補給量S、すなわち、貯留ホッパ13内における粉粒体の増加量(変動量))は、貯留ホッパ13から成形機2へ供給される粉粒体の質量(消費量C)に対応している。
【0168】
そのため、貯留ホッパ13から成形機2へ供給される粉粒体の質量(消費量C)の代わりに、貯留ホッパ13に補給される粉粒体の質量(補給量S)に基づいて、消費割合Rを算出することができる。
【0169】
詳しくは、質量換算プログラム(S4)を実行すると、CPU51は、図7に示すように、まず、乾燥能力Dを、輸送ブロワ32が1回動作したときに貯留ホッパ13へ補給される粉粒体の質量(単位補給量S)で除算して、単位時間当たりに貯留ホッパ13内で乾燥される粉粒体に相当する量の粉粒体を単位時間で貯留ホッパ13へ補給するための輸送ブロワ32の理論動作回数Nに換算する(S51)。
【0170】
次いで、CPU51は、理論動作回数Nに対する、単位時間当たりに実測された第1開閉弁36の実動作回数n(第1開閉弁36が開位置へ移動した回数の合計)の割合を算出することにより、消費割合Rを概算する(S52)。
【0171】
具体的には、乾燥能力Dが60kg/時であり、単位補給量Sが1kg/回である場合、まず、1時間当たりの理論動作回数Nは、60回(60÷1)(すなわち、10分間当たりの理論動作回数Nは、10回(60÷6))と計算される。
【0172】
次いで、10分間毎に、実測された第1開閉弁36の実動作回数n’に基づいて、消費割合R’を算出する。10分間に実測された第1開閉弁36の実動作回数n’が、例えば、9回である場合には、消費割合R’は、90%(9÷10×100)と計算され、例えば、7回である場合には、消費割合R’は、70%(7÷10×100)と計算される。
【0173】
そして、10分間毎に算出された消費割合R’の移動平均値(具体的には、今回、前回(10分前)、前々回(20分前)に計算された消費割合R’の平均値)を、消費割合Rとする。
【0174】
そして、上記した各実施形態と同様に、消費割合Rが、所定の割合(例えば、80%)を超過しているとき(S5:NO、図2参照)には、制御部5は、熱風供給部12を第1モードで動作させ続ける。
【0175】
そして、消費割合Rが、所定の割合(例えば、80%)以下になると(S5:YES、図2参照)、制御部5は、所定の運転切替待ち時間(例えば、30分)が経過した後(S6:YES、S7:YES、図2参照)、熱風供給部12の動作を、第1の動作量よりも低い第2の動作量で動作する第2モード(S9、S12、S15、S18、図3参照)、または、第2の動作量よりも低い第3の動作量で動作する第3モード(S22、図4参照)に切り替えるか、停止させる(S21、図4参照)。
【0176】
第3実施形態の乾燥装置1においても、上記した第1実施形態と同様の作用効果を得ることができる。
【0177】
また、第3実施形態の乾燥装置1によれば、粉粒体の補給量S(単位時間当たりに貯留ホッパ13に補給される粉粒体の質量)に基づいて、熱風供給部12の動作を切り替えることができる。
【0178】
そのため、実際に貯留ホッパ13に補給される粉粒体の量に応じて、熱風供給部12の動作を自動的に低下させることができる。
【0179】
その結果、貯留ホッパ13内で粉粒体が過熱されることをより防止することができる。
【0180】
また、第3実施形態の乾燥装置1によれば、図7に示すように、乾燥能力D(単位時間当たりに貯留ホッパ13内で乾燥される粉粒体の質量)を、第1開閉弁36の理論動作回数Nに換算して、理論動作回数Nに対する実動作回数nの割合に基づいて、熱風供給部12の動作を第1モードと第2モードとに切り替えることができる。
【0181】
そのため、粉粒体の補給量S(単位時間当たりに貯留ホッパ13へ補給される粉粒体の質量)を実測するための構成を設けることなく、第1開閉弁36の実動作回数nに基づいて、熱風供給部12の動作を第1モードと第2モードとに切り替えることができる。
【0182】
その結果、簡易な構成で、粉粒体の補給量Sに応じて、熱風供給部12の動作を自動的に低下させることができる。
(第4実施形態)
図8は、粉粒体が補給されたときの貯留ホッパ内の温度変化を説明するための説明図である。なお、第4実施形態において、上記した各実施形態と同様の部材には同様の符号を付し、その説明を省略する。
【0183】
上記した第3実施形態では、乾燥装置1の乾燥能力Dに対する粉粒体の補給量Sの割合(消費割合R)に基づいて、熱風供給部12の動作を切り替えているが、第4実施形態では、貯留ホッパ13へ粉粒体が補給された後における貯留ホッパ13内の温度上昇割合ΔTに基づいて、熱風供給部12の動作を切り替える。
【0184】
詳しくは、図8に示すように、設定温度Tで運転中の乾燥装置1において、貯留ホッパ13へ粉粒体が補給されると、貯留ホッパ13内の温度(すなわち、温度センサ25で測定された貯留ホッパ13から排気される空気の温度)は、粉粒体の補給量Sに応じて、設定温度Tから低下する。
【0185】
なお、t1、t4は、第1開閉弁36が閉位置から開位置へ切り替えられた時間(すなわち、貯留ホッパ13への粉粒体の補給が開始された時間)であり、t2、t5は、第1開閉弁36が開位置から閉位置へ切り替えられた時間(すなわち、貯留ホッパ13への粉粒体の補給が終了した時間)である。
【0186】
貯留ホッパ13内の温度は、粉粒体の補給量Sが多い場合には、設定温度Tから比較的大きく低下した第1低下温度Tとなり、粉粒体の補給量Sが少ない場合には、設定温度Tからの比較的小さく低下した第2低下温度Tとなる。
【0187】
ここで、粉粒体の補給量Sが多い場合には、貯留ホッパ13内における比較的低温(設定温度T以下)の粉粒体の量が多く、貯留ホッパ13内の温度が上昇しにくい。具体的には、貯留ホッパ13への粉粒体の補給が終了した時点t2から、任意の時間Δt経過後の時点t3までにおける、貯留ホッパ13内の温度上昇割合ΔTが小さくなる。
【0188】
一方、粉粒体の補給量Sが少ない場合には、貯留ホッパ13内における比較的低温の粉粒体の量が少なく、貯留ホッパ13内の温度が上昇しやすい。具体的には、貯留ホッパ13への粉粒体の補給が終了した時点t5から、任意の時間Δt経過後の時点t6までにおける、貯留ホッパ13内の温度上昇割合ΔTが大きくなる。
【0189】
そして、温度上昇割合ΔTに基づいて、熱風供給部12の動作を切り替えるには、例えば、消費割合Rが100%であるときの温度上昇割合ΔT(100%)、消費割合Rが80%であるときの温度上昇割合ΔT(80%)、消費割合Rが60%であるときの温度上昇割合ΔT(60%)、消費割合Rが40%であるときの温度上昇割合ΔT(40%)、消費割合Rが20%であるときの温度上昇割合ΔT(20%)をそれぞれ、データテーブルとして、ROM52に記憶させておき、実測された温度上昇割合ΔTと、各消費割合Rに対応する温度上昇割合ΔTとを比較して、上記したように、熱風供給部12の動作を切り替える。
【0190】
より具体的には、実測された温度上昇割合ΔTが、消費割合Rが80%であるときの温度上昇割合ΔT(80%)以下であるときには、第1モードで熱風供給部を動作させ、実測された温度上昇割合ΔTが、消費割合Rが80%であるときの温度上昇割合ΔT(80%)を超過しているときに、第2モードで熱風供給部を動作させる。
【0191】
第4実施形態の乾燥装置1においても、上記した第3実施形態と同様の作用効果を得ることができる。
(その他の実施形態)
なお、上記した各実施形態では、段階的に、熱風供給部12の動作を低下させた(第2モードおよび第3モード)が、例えば、粉粒体の消費量Cに応じて、連続的に、熱風供給部12の動作を低下させることもできる。
【0192】
また、上記した各実施形態では、熱風供給部12の動作を低下させるときに、ヒータ21の動作を変動させないで、第1実施形態では、乾燥ブロワ19の送風量を、また、第2実施形態では、乾燥ブロワ19および再生ブロワ65の送風量を低下させたが、例えば、乾燥ブロワ19や再生ブロワ65の送風量を変動させないで、ヒータ21の加熱温度を低下させることもでき、また、乾燥ブロワ19や再生ブロワ65の送風量を低下させるとともに、ヒータ21の加熱温度を低下させることもできる。
【符号の説明】
【0193】
1 乾燥装置
2 成形機(被供給装置の一例)
5 制御部(制御手段の一例)
12 熱風供給部(加熱手段の一例)
13 貯留ホッパ
19 乾燥ブロワ(第1気流発生装置の一例)
21 ヒータ(第1加熱装置の一例)
25 温度センサ(温度検知部材の一例)
32 輸送ブロワ(輸送手段の一例、補給手段の一例)
36 第1開閉弁(補給手段の一例)
37 第2開閉弁(輸送手段の一例)
52 ROM(記憶装置の一例)
62 吸着部材
63 再生装置
65 再生ブロワ(第2気流発生装置の一例)
66 再生ヒータ(第2加熱装置の一例)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
粉粒体を貯留する貯留ホッパと、
前記貯留ホッパ内の粉粒体を加熱する加熱手段と、
前記貯留ホッパから被供給装置へ粉粒体を輸送する輸送手段と、
前記加熱手段の動作を制御する制御手段と
を備え、
前記制御手段は、前記加熱手段の動作を、
単位時間当たりにおける前記貯留ホッパから前記被供給装置への粉粒体の輸送に起因する、前記貯留ホッパ内における粉粒体の変動量が、前記単位時間当たりに前記貯留ホッパ内で乾燥される粉粒体の質量に対して、所定の割合を超過しているときに、第1の動作量で動作する第1モードと、
前記粉粒体の変動量が、前記単位時間当たりに前記貯留ホッパ内で乾燥される粉粒体の質量に対して、所定の割合以下であるときに、前記第1の動作量よりも低い第2の動作量で動作する第2モードと
に自動的に切り替えることを特徴とする、乾燥装置。
【請求項2】
前記加熱手段は、
前記貯留ホッパへ向かう気流を発生させる第1気流発生装置と、
前記第1気流発生装置からの気流を加熱する第1加熱装置と
を備え、
前記制御手段は、
前記第1気流発生装置および/または前記第1加熱装置の動作量を下げることにより、前記加熱手段の動作量を下げることを特徴とする、請求項1に記載の乾燥装置。
【請求項3】
前記加熱手段は、さらに、
前記第1気流発生装置からの気流に含まれる水分を吸着する吸着部材と、
前記吸着部材に吸着された水分を除去する再生装置と
を備え、
前記再生装置は、
前記吸着部材へ向かう気流を発生させる第2気流発生装置と、
前記第2気流発生装置からの気流を加熱する第2加熱装置と
を備え、
前記制御手段は、
前記加熱手段の動作量を下げるときには、前記第1気流発生装置および/または前記第1加熱装置の動作量を下げるとともに、前記第2気流発生装置の動作量を下げることを特徴とする、請求項2に記載の乾燥装置。
【請求項4】
前記粉粒体の変動量は、単位時間当たりに前記貯留ホッパから前記被供給装置へ輸送される粉粒体の質量であって、
前記制御手段は、前記加熱手段の動作を、
単位時間当たりに前記貯留ホッパから前記被供給装置へ輸送される粉粒体の質量が、前記単位時間当たりに前記貯留ホッパ内で乾燥される粉粒体の質量に対して、所定の割合を超過しているときに第1モードに切り替え、
前記単位時間当たりに前記貯留ホッパから前記被供給装置へ輸送される粉粒体の質量が、前記単位時間当たりに前記貯留ホッパ内で乾燥される粉粒体の質量に対して、所定の割合以下であるときに第2モードに切り替えることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一項に記載の乾燥装置。
【請求項5】
さらに、質量換算プログラムが格納されている記憶装置を備え、
前記質量換算プログラムは、前記制御手段に、
前記単位時間当たりに前記貯留ホッパ内で乾燥される粉粒体の質量を、前記輸送手段が1回の動作で輸送する粉粒体の質量で除算して、前記単位時間当たりに前記貯留ホッパ内で乾燥される粉粒体を前記単位時間で輸送するための前記輸送手段の理論動作回数に換算するステップと、
前記理論動作回数に対する、前記単位時間当たりに実測された前記輸送手段の実動作回数の割合を算出するステップと、
を実施させ、
前記制御手段は、
前記理論動作回数に対する前記実動作回数の割合が、所定の割合を超過しているときに、前記第1モードで前記加熱手段を動作させ、
前記理論動作回数に対する前記実動作回数の割合が、所定の割合以下であるときに、前記第2モードで前記加熱手段を動作させることを特徴とする、請求項4に記載の乾燥装置。
【請求項6】
さらに、前記貯留ホッパ内の粉粒体が前記被供給装置へ輸送された後に前記貯留ホッパに粉粒体を補給する補給手段を備え、
前記粉粒体の変動量は、単位時間当たりに前記貯留ホッパへ補給される粉粒体の質量であって、
前記制御手段は、前記加熱手段の動作を、
単位時間当たりに前記貯留ホッパへ補給される粉粒体の質量が、前記単位時間当たりに前記貯留ホッパ内で乾燥される粉粒体の質量に対して、所定の割合を超過しているときに第1モードに切り替え、
前記単位時間当たりに前記貯留ホッパへ補給される粉粒体の質量が、前記単位時間当たりに前記貯留ホッパ内で乾燥される粉粒体の質量に対して、所定の割合以下であるときに第2モードに切り替えることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一項に記載の乾燥装置。
【請求項7】
さらに、質量換算プログラムが格納されている記憶装置を備え、
前記質量換算プログラムは、前記制御手段に、
前記単位時間当たりに前記貯留ホッパ内で乾燥される粉粒体の質量を、前記補給手段が1回の動作で補給する粉粒体の質量で除算して、前記単位時間当たりに前記貯留ホッパ内で乾燥される粉粒体を前記単位時間で補給するための前記補給手段の理論動作回数に換算するステップと、
前記理論動作回数に対する、前記単位時間当たりに実測された前記補給手段の実動作回数の割合を算出するステップと、
を実施させ、
前記制御手段は、
前記理論動作回数に対する前記実動作回数の割合が、所定の割合を超過しているときに、前記第1モードで前記加熱手段を動作させ、
前記理論動作回数に対する前記実動作回数の割合が、所定の割合以下であるときに、前記第2モードで前記加熱手段を動作させることを特徴とする、請求項6に記載の乾燥装置。
【請求項8】
前記貯留ホッパ内の温度を測定する温度検知部材を備え、
前記制御手段は、粉粒体の補給後において、
2つの任意の時点間における前記貯留ホッパ内の温度上昇割合が、所定の割合以下であるときに、前記第1モードで前記加熱手段を動作させ、
前記温度上昇割合が、所定の割合を超過しているときに、前記第2モードで前記加熱手段を動作させることを特徴とする、請求項6に記載の乾燥装置。
【請求項9】
さらに、前記制御手段は、所定の時間にわたって前記貯留ホッパから前記被供給装置へ輸送されなかったときに、前記加熱手段の動作を、前記第2の動作量よりも低い第3の動作量で動作する第3モードに自動的に切り替えるか、または、自動的に停止させることを特徴とする、請求項1〜8のいずれか一項に記載の乾燥装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−196951(P2012−196951A)
【公開日】平成24年10月18日(2012.10.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−146748(P2011−146748)
【出願日】平成23年6月30日(2011.6.30)
【出願人】(000129183)株式会社カワタ (120)
【Fターム(参考)】