説明

予備成形ヒドロゲル製品を含む使用時調製デバイス

開示されているものは、(a)約0.01重量%〜約5重量%のカチオン性架橋増粘ポリマー;(b)約0.1重量%〜約10重量%の、非イオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、及びこれらの化合物からなる群より選択される界面活性剤;及び(c)水性キャリアを含むコンディショニング組成物であり、この組成物は、水不溶性高融点油状化合物を実質的に含んでいない。
本発明のコンディショニング組成物は、コンディショニング組成物にとって好適なレオロジーを有し、コンディショニング利益を提供する。
この組成物は、リンスオフ使用向けのヘアコンディショニング製品のようなヘアケア製品に特に好適である

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、使用時に互いに接触する中間構成成分を含む少なくとも2つの別個の区画を含む、使用時調製デバイスに関する。中間構成成分は、予備成形ヒドロゲル構成成分及び利益構成成分である。デバイスは、予備成形ヒドロゲル構成成分と接触したときに不安定になる構成成分を送達し、また、適した方法で最終予備成形ヒドロゲル製品を調製するのに好適である。
【背景技術】
【0002】
ゲル化剤でできている予備成形ヒドロゲルは、成形されているが可撓性であるその物理的性質により、種々の消費者製品に独特の利益を提供する。予備成形ヒドロゲル貼付剤及びマスクデバイスは、スキンケア活性物質や経皮的に送達可能な医薬品の送達用、並びに火傷又は創傷の治癒の促進用のような、美容及び皮膚科学的処置製品に有用である。食用予備成形ヒドロゲルシート及び予備成形物は、独特の外観、味覚及び舌触りを有する栄養製品及びスナック類、並びに経口与用医薬品を提供する。
【0003】
特に皮膚処置の領域では、パック及びマスクのような特殊化粧品の使用が、これらが有効であり、相対的に安全であり、化学薬品による剥離、レーザー外科療法、光美顔術(photofacia)などのような他の処置と比較して手頃な価格であるという点から、人気が高まっている。PCT国際公開特許WO01/78678及び同時係属米国特許出願60/339287は、皮膚処理剤を皮膚、毛髪、又は爪に有効に送達する予備成形ヒドロゲル製品に関し、デバイスは、皮膚処理剤を予備成形ヒドロゲルのためにコーティング組成物の形態で含んでいる。
【0004】
これらの予備成形ヒドロゲル製品は種々の皮膚処理剤を皮膚に送達するために好適であるが、予備成形ヒドロゲルで不安定になるために、製品に配合することができない特定の皮膚処理剤及び他の化学化合物が存在する。例えば、特定の化合物は予備成形ヒドロゲルと反応し、シネリシス(synerisis)を高め、硬化を促進するか、又は美観を損なう色及び/若しくは匂いを発生する。これらの結果は全て製品の性能及び/又は美観に著しく影響を与えることがある。そのような要因は、予備成形ヒドロゲル製品と配合することができる化合物の範囲を限定する。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
前記に基づいて、多種多様な化合物と配合することができ、消費者が好適に使用することができる予備成形ヒドロゲル製品の必要性が存在する。更に、低価格で提供することができるそのような製品の必要性が存在する。
既存の技術には、本発明の利点及び利益の全てを提供するものは存在しない。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、使用時調製デバイスであって:
(1)第1区画に包装されている予備成形ヒドロゲル構成成分であり、ゲル化剤及び溶媒を含む予備成形ヒドロゲル構成成分と、
(2)第2区画に包装されている利益構成成分であり、予備成形ヒドロゲル構成成分と接触すると不安定になる少なくとも1つの化合物を含む利益構成成分とを含み、
第1及び第2区画が、使用前に別個に包装されており、パッケージが、使用時に予備成形ヒドロゲル構成成分と利益構成成分を接触させる手段を含む、使用時調製デバイスを対象とする。
【0007】
本発明は、更に、予備成形ヒドロゲル構成成分が特定のテキスチャーを有する第1表面を有し、利益構成成分が特定の粘度を有するデバイスを対象とする。
本発明の前述及びその他の特徴、態様、及び利点は、以下の説明及び添付の特許請求の範囲を読むことで、よりよく理解される。
【0008】
(定義)
全ての引用文献は、その全体が本明細書に参照として組み込まれるいかなる参照文献の引用も、特許請求する本発明に対する従来技術としての有用性の決定に関する容認ではない。
【0009】
本明細書では、「含む」とは、最終結果に影響を与えない他の工程及び他の成分を追加できることを意味する。この用語は、「から成る」及び「から本質的に成る」という用語を包含する。
【0010】
特に指定しない限り、百分率、部及び比率は全て、本発明の組成物の総重量を基準とする。記載された成分に関する全てのこのような重量は活性レベルに基づいており、そのため、市販材料に含まれることがあるキャリア又は副産物を含まない。全ての測定は、特に指定のない限り25℃で実施される。
【0011】
本明細書に有用な活性物質及び他の成分のような成分は全て、美容及び/若しくは治療的な利益、又はそれらの自明であると見なされている作用様式によって分類又は記載されることがある。しかし、本明細書に有用な活性物質及び他の成分が、場合により、複数の美容及び/若しくは治療効果をもたらすこと、又は複数の作用様式で作用することが可能であることを理解すべきである。従って、本明細書での分類は便宜上のことであって、成分を特に記載された適用又は列記された適用に限定しようとするものではない。
【0012】
本明細書で使用する時、用語「予備成形」は、その物体が予め定められた形状及び大きさを有する形態に製造されていることを意味しており、ユーザーは、その物体をいずれかの付属パッケージから取り出し、更なる準備工程を実施することなく、指により標的表面上に配置するか又は覆いかけることができる。また、用語「予備成形」は、製造の完了時、その物体が所望の通常保管温度で平らな表面上に配置された時に、その形状をほぼ保持することを意味する。それにもかかわらず、その組成物は、平らでない表面に適用された時又は押しつけられた時に、たわむ又は変形することがある。
【0013】
本明細書で使用する時、用語「支持基材を含まない」は、予備成形ヒドロゲルの組成が均一及び単層であり、予備成形ヒドロゲルの構造又は一体性を助ける追加的な基材又は層がないことを意味する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
本明細書は、本発明を特に指摘し明確に請求する特許請求の範囲をもって結論とするが、本発明は、以下の好ましい非限定的な実施形態及び代表例の説明を添付図面と併せることで、よりよく理解されるものと考えられている。
【0015】
本明細書は本発明を特に指摘し、本発明を明確に主張している特許請求の範囲でまとめているが、本発明は以下の説明からよりよく理解されると考えられる。
【0016】
(使用時調製デバイス)
本発明は、好適には「使用時調製」用の製品と呼ばれる、使用時に、典型的には使用前の約60分以内、好ましくは約10分以内に最終製品を調製するように設計されたデバイスに関する。使用時調製デバイスは、当該技術分野において既知であり、使用時に互いに接触する中間構成成分を含む少なくとも2つの別個の区画を含む。使用時調製デバイスは、中間構成成分が、保管している間は互いに接触しないように設計される。更に、使用時調製デバイスのパッケージは、好ましくは、中間製品の混合のような最終製品の調製が、パッケージの区画の1つを使用して実施することができるように設計される。
【0017】
本発明は、また、ユーザーに少なくとも2つの中間構成成分を送達するのに好適であるそのような使用時調製デバイスに関し、中間構成成分は、少なくとも予備成形ヒドロゲル構成成分と利益構成成分であり、利益構成成分は、予備成形ヒドロゲル構成成分と接触すると不安定になる。図1を参照すると、本発明のデバイス(10)は、中間構成成分を別個に包装する少なくとも2つの区画を含み、すなわち予備成形ヒドロゲル構成成分(21)を第1区画(20)に、利益構成成分(31)を第2区画(30)に含む。本明細書の予備成形ヒドロゲル構成成分は、典型的には、湿度の変化、特に過剰又は急激な乾燥に対して比較的損傷を受けやすい。ある一定の限度を超える乾燥は、組成に応じて、そのゲル構造を破壊することによって予備成形ヒドロゲルを分解又は変形する。従って、本発明のデバイスのパッケージは、中間構成成分が乾ききることを最小限に抑えるため、低い透湿度を有する材料から作られる。第1及び第2区画は、互いに十分に間隔の離れている、そして例えば、プラスチック、アルミニウム又はラミネートフィルムで作られている共通の解除可能なライナー(40)で封止されている凹部開口部を有する、相対的に硬質のプラスチック材料の同一のシートから作られていてよい。
【0018】
本発明のデバイスは、また、適切な方法、すなわちユーザーにとって実施が容易である方法で使用時に最終予備成形ヒドロゲル製品を調製するものである。最終予備成形ヒドロゲル製品は、中間構成成分が初めから包装されている区画の1つで調製され、好ましくは第2区画には初めから利益構成成分が包装されている。本発明のデバイスのパッケージは、予備成形ヒドロゲル構成成分と利益構成成分を使用時に接触させる手段を含む。図2は、シールライナー(40)を取り外したばかりの本発明のデバイスの好ましい実施形態を示す。予備成形ヒドロゲル構成成分(21)は、第1区画(20)に配置され、利益構成成分(31)は第2区画(30)に配置されている。図1に戻ると、切欠領域(50)が第1及び第2区画を分離する材料を通っている。そのような切欠領域は、図4で示されるように、ユーザーにより完全に破裂することなく折り畳めるように、材料を僅かに弱めるものである。そのような折り畳みにより、ユーザーは、予備成形ヒドロゲル構成成分と利益構成成分とを、予備成形ヒドロゲル構成成分又は利益構成成分のいずれにも触れることなく接触させることができる。そのような調製は、手による汚染を回避するので、衛生面から好適である。パッケージが慣用的に使用される材料及び従来の熱成形技術により作られてよいので、パッケージの全体的な形状も製造費用の観点から好適である。
【0019】
好ましい操作様式において、図4及び図5で示されるように、予備成形ヒドロゲル構成成分は、第1区画から第2区画に移動される。このように第2区画に移動された予備成形ヒドロゲル構成成分は、利益構成成分と接触して、最終ヒドロゲル製品を提供し、それはユーザーによって取り出されてよい。ユーザーは、利益構成成分をより良好に取り出すために、予備成形ヒドロゲル構成成分を利益構成成分と更に嵌合させるか又はそれに浸漬させてよい。図3を参照すると、第1区画の内面(22)は、第2区画へ移動する際に予備成形ヒドロゲル構成成分の放出を促進するためにエンボス加工(23)を含んでよい。また第2区画の内面(32)も、例えば、ユーザーがヒドロゲル構成成分を利益構成成分と嵌合させる時、ヒドロゲルが第2区画から滑り落ちることを回避するように、最終製品の調製を促進するためにエンボス加工を含んでもよい。
【0020】
本発明のデバイスは、図6で示されるように、個別のユニット又は一連のユニットで提供されてよい。図6の一連のデバイスは、4用量/1個で提供されており、各ユニットは、穿孔領域(60)を破断して分離することができる。一連のデバイスを提供することは、1日のような定期的な時間で施すように設計された用量を提供するため、及び/又は単に2個目の包装材料を削減するために有益であり得る。
【0021】
(予備成形ヒドロゲル構成成分)
本発明のデバイスは、予備成形ヒドロゲル構成成分を含む。本発明の予備成形ヒドロゲル構成成分は、手による取り扱いを可能にするか、皮膚、毛髪、又は爪、布地又は硬質表面の特定の目標領域の処置に適するか、経口投与又は消費を可能にする、構造及び形状を提供する。強度、可撓性、及び表面テキスチャーのような物理的性質が、予備成形ヒドロゲル構成成分が達成しようとする機能をかなえるように設計される。
【0022】
局所使用では、予備成形ヒドロゲルはまた、リザーバとしてか、或いは皮膚処理剤、薬剤、又は皮膚、毛髪、若しくは爪用の美容化粧剤のための送達ビヒクルとして役割を果たしてもよい。更に、皮膚、毛髪、又は爪に適用される場合には、溶媒が蒸発するので、予備成形ヒドロゲルは、対象に対して使用時に冷却作用を提供することがある。食品又は経口投与薬の分野では、予備成形ヒドロゲルは、香り、味、栄養、又は特定の医薬活性物質を提供してよい。パーソナルケアではない領域では、これはまた、リザーバとしてか、又は染みを除去/吸収する溶媒、洗浄性界面活性剤、及び漂白剤のような布地及び硬質表面処置剤を包含する送達ビヒクルとしても役割を果たすことができる。予備成形ヒドロゲルは、支持基材を有しても、有さなくてもよい。
【0023】
(ゲル化剤)
本発明の予備成形ヒドロゲルは、構造及び形状を提供するゲル化剤を含む。予備成形ヒドロゲルに含まれるべきゲル化剤の種類及び量は、ゲル化剤の特性に応じて、製品の所望の特徴及び目的によって選択される。一般に、ゲル化剤が多いほど、より硬い予備成形ヒドロゲルが提供される。食品又は口腔投与用製品を提供するには、ゲル化剤は、食用でなければならず、味及び香りが許容可能でなければならない。多くの種類のゲル化剤が当該技術分野において既知であり、それにはポリマー系ゲル化剤、及び様々な種類の粘土類又は他のケイ酸塩に基づく材料のような微粒子系ゲル化剤が挙げられる。本明細書に極めて好ましいものは、水と組み合わされて三次元ゲル網状構造を形成するポリマー系ゲル化剤である。美容デバイスを提供するには、予備成形ヒドロゲルは、好ましくは約0.5%〜約20%、より好ましくは約1%〜約10%のゲル化剤を含む。
【0024】
本明細書のゲル化剤は、水溶性又は非水溶性であってよく、溶媒に応じて選択される。溶媒が水又は水に基づくものである時には、ゲル化剤は、好ましくは水溶性である。シリコーン材料、例えば、オルガノポリシロキサン樹脂類又はブロックコポリマー熱可塑性エラストマー類のような非水溶性ポリマー系ゲル化剤を、適切な溶媒中で使用してもよい。
【0025】
本発明で使用する水溶性ポリマー系ゲル化剤は、合成又は天然ポリマー類、及びこれらの混合物から選択される。本明細書に用いるのに好ましいポリマー類は、ゼラチン、多糖類、及びこれらの混合物を含む天然ポリマー類である。好ましくは多糖類である。本明細書では用語「多糖類」は、天然型又は合成的に製造された、単糖類単位の直鎖、分枝状、又は架橋ポリマーを意味しており、これを低濃度で水に分散させると膨張して、水相の厚さを増大させる。
【0026】
本明細書の予備成形ヒドロゲルに使用される多糖類は、好ましくは、紅藻多糖類;グルコマンナン類;ガラクトマンナン類;発酵多糖類若しくはその誘導体;褐藻多糖類;海生無脊椎動物抽出物;デンプン若しくはその誘導体;天然果実抽出物;植物繊維誘導体;ケルプ;天然植物滲出物;及び樹脂性ゴム;又はこれらの混合物から選択される。多糖類の総濃度は、予備成形ヒドロゲルの他の任意構成成分がゲル網状構造内にそれほど強固には結合せずに、拡散可能であるように制御される。
【0027】
本明細書の予備成形ヒドロゲルにゼラチンが使用される時には、高分子量のゼラチンを低分子量のものと組み合わせて溶解度が制御される。20,000以下の低い分子量を有するゼラチンは、単独のゲル化剤として使用する時にはゲル化能が弱い。
【0028】
褐藻多糖類は、様々な種の褐藻綱(Phaebophyceae)からの抽出によって単離される。本明細書に用いるのに好適な褐藻多糖類には、アルギン、アルギン酸、アルギン酸アンモニウム、アルギン酸カルシウム、アルギン酸カリウム、アルギン酸ナトリウム、プロピレングリコールアルギン酸エステル、及びこれらの混合物が挙げられる。
【0029】
紅藻多糖類は、紅藻綱に属する海生植物種から単離される。紅藻多糖類は、予備成形ヒドロゲルに機械的強度を与える。本発明に用いるのに好適な紅藻多糖類としては、産業界で(CTFA)通称寒天フレーク(agaragar flake)として既知であり、TICゴム社(TIC Gums)(米国メリーランド州ベルキャンプ(Belcamp,MD,USA))から「寒天(Agar Agar)100」若しくは「寒天150」として、又はグミックス・インターナショナル社(Gumix International Inc.)(米国ニュージャージー州フォートリー(Fort Lee,NJ,USA))から「寒天K−100」として市販されている種々のテングサ種もしくは近縁種である紅藻由来の寒天;FMC社(米国ペンシルバニア州フィラデルフィア(Philadelphia,PA,USA))から「シー・プラーク(Sea Plaque)(登録商標)」として、及びシグマ・アルドリッチ社(Sigma-Aldrich Co.Ltd.)(英国プール(Poole,UK))から「アガロース・タイプ(Agarose Type)1−b」として市販されているアガロース;産業界で(CTFA)通称ツノマタ属(chondrus)として既知であり、FMC社(米国ペンシルバニア州フィラデルフィア)から「ゲルカリン(Gelcarin)(登録商標)LA」、「シーケム(Seakem)(登録商標)3/LCM」、又は「ビスカリン(Viscarin)(登録商標)XLV」として市販されており、スギノリ科又はミリン科の種々のメンバーから得られる水抽出物である、λ型、ι型、及びκ型の分留を含むカラギーナン;並びに、ガム・テクノロジー社(Gum Technology Corporation)(米国アリゾナ州トゥーソン(Tucson,Arizona,USA))及びコンチネンタル・コロイド社(Continental Colloids Inc.)(米国イリノイ州シカゴ(Chicago,IL,USA)))から市販されているファーセレラン、或いはこれらの混合物が挙げられる。好ましくは、本明細書で使用される紅藻多糖類は、寒天、アガロース、κ−カラギーナン、及びファーセレラン、又はこれらの混合物から選択される。
【0030】
グルコマンナン類は、グルコース及びマンノース残基の実質的に直鎖状の主鎖を含む多糖類である。グルコマンナン類は、直鎖状の主鎖に結合している短い側鎖を有し、アセチル基が糖単位のC−6位にランダムに存在している。このアセチル基は、一般に、糖単位6個当たり1つから糖単位20個当たり1つで見られる。本明細書で用いるのに好適なグルコマンナン類又はその誘導体では、マンノースとグルコースの比率が約0.2〜約3である。本明細書に用いるのに好ましいグルコマンナン類としては、サトイモ科コンニャク属(Amorphophallus konjac)植物(ゾウヤムイモ)の塊茎根を挽いて作った粉末の総称で、FMC社(米国ペンシルバニア州フィラデルフィア)から商標名「ニュートリコール(Nutricol)(登録商標)コンニャク粉末(konjac flour)」として市販されているコンニャクマンナン;及び脱アセチル化したコンニャクマンナン;又はこれらの混合物が挙げられる。
【0031】
ガラクトマンナン類は、マメ科の多くの種子の胚乳細胞中に存在する植物貯蔵多糖類である。「ガラクトマンナン」という総称には、ガラクトース及びマンノース残基で形成された全ての多糖類が含まれる。ガラクトマンナン類は、(1→4)結合した、β−D−マンノピラノシル単位の直鎖状の主鎖を含む。これらの環には、分枝として、α−(1,6)−グルコシド結合により単離ガラクトピラノース残基が結合している。加えてガラクトマンナン類には、また、微量の他の糖残基が含有されることもある。本明細書に用いるのに好適なガラクトマンナン類は、フェヌグリークガム;アルファルファ;クローバー;例えば、産業界で(CTFA)通称イナゴマメ(carob bean)ゴムとして既知であり、FMC社(米国ペンシルバニア州フィラデルフィア(Philadelphia,PA,USA))から「シーガル(Seagul)L」として市販されているイナゴマメゴム;スターライト・プロダクツ社(Starlight Products)(フランス、ルーアン(Rouen,France)))又はブンゲ・フーズ社(Bunge Foods)(米国ジョージア州アトランタ(Atlanta,GA,USA))から市販されているタラゴム;TICゴム社(TIC Gums)(米国メリーランド州ベルキャンプ(Belcamp,MD,USA))から「バートナイト(Burtonite)V7E」として、ローヌ・プーラン社(Rhone-Poulenc)(米国ジョージア州マリエッタ(Marietta,GA,USA))から「ジャガー(Jaguar)C」として、又はアクアロン社(Aqualon)(米国デラウエア州ウィルミントン(Wilmington,DE,USA))から「スーパーコル(Supercol)」として市販されている、マメ科グアー種子(Cyamopsis tetragonolobus)の粉砕された胚乳由来のグアーガム;及びスターライト・プロダクツ社(フランス、ルーアン)から市販されているカッシアゴム、或いはこれらの混合物である。好ましくは、本明細書で使用されるガラクトマンナン類は、平均して1〜約5個のマンノシル単位のうちの1個が(1→6)結合−α−D−ガラクトピラノシル単位で置換されおり、グアーガム、イナゴマメゴム、及びカッシアゴム、又はこれらの混合物から選択される。
【0032】
発酵多糖類とは、炭素及び窒素源、緩衝剤、及び微量元素を含有する培地中で、微生物発酵により商業的に生産される多糖類である。本発明に用いるのに好適な発酵多糖類又はその誘導体としては、産業界で(CTFA)通称ガム・ジェラン(gum gellan)として既知であり、シュードモナス・エロデア(Pseudomonas elodea)による炭水化物の純粋培養発酵によって産生される高分子量のヘテロ多糖類ゴムである、ケルコ社(Kelco)(米国カリフォルニア州サンディエゴ(San Diego,CA,USA))から「ケルコゲル(Kelcogel)」として市販されているジェランガム;産業界で(CTFA)通称キサンタンとして既知であり、キサントモナス・カムペストリス(Xanthomonas campestris)による炭水化物の純粋培養発酵により産生される高分子量のヘテロ多糖類ゴムである、例えば、カルゴン社(Calgon)(米国ペンシルバニア州ピッツバーグ(Pittsburgh,PA,USA))から「ケルトロール(Keltrol)CG1000/BT/F/GM/RD/SF/T/TF」として、又はケルコ社(米国カリフォルニア州サンディエゴ)から「ケルザン(Kelzan)」として市販されている、キサンタンガム;納豆ゴム;プルラン;ラムサンガム;カードラン;サクシノグリカン;ウェランガム;ファルマシア・ファイン・ケミカルズ社(Pharmacia Fine Chemicals)(米国ニュージャージー州ピスカタウェイ(Piscataway,NJ,USA))から「セファデクス(Sephadex)G−25」として市販されているデキストラン及びその誘導体;並びにアルバン・ミュラー・インターナショナル社(Alban Muller International)(フランス、モントレイユ(Montreil,France))から「アミゲル(Amigel)」として市販されているスクレロチウムゴム、又はこれらの混合物が挙げられる。好ましい発酵多糖類又はその誘導体は、ジェランガム及びキサンタンガム、又はこれらの混合物から選択される。より好ましい発酵多糖類又はその誘導体は、キサンタンガムである。
【0033】
また、海生無脊椎動物の抽出物も使用することができる。海生無脊椎動物、特にこのような無脊椎動物の外骨格由来の多糖類は、主にN−アセチル−D−グルコサミン残基からなる。本明細書に用いるのに好適なそのような多糖類の例としては、例えば、味の素(Ajinomoto)(米国ニュージャージー州ティーネック(Teakneck,NJ,USA))から「マリン・デュー(Marine Dew)」として市販されているキトサン;例えば、一丸ファルコス(Ichimaru Pharcos)(日本、岐阜県山県郡)から「HPCH液(HPCH Liquid)」として市販されているヒドロキシプロピルキトサン及びその誘導体;又はこれらの混合物が挙げられる。
【0034】
デンプン類は、種々の比率の2つのグルコースポリマー、アミロース、及びアミロペクチンからなる多糖類である。本明細書に用いるのに好適な材料としては、ナショナル・スターチ社(National Starch)(米国ニュージャージー州ブリッジウォーター(Bridgewater,NJ,USA))から「ナデックス(Nadex)360」として市販されている、デンプン、アミロペクチン、及びデキストリン、並びにこれらの誘導体又は混合物が挙げられる。本明細書に用いるのに好適な天然果実抽出物の例としては、ペクチン、アラビアン(arabian)、及びこれらの混合物が挙げられる。本明細書に用いるのに好適な植物繊維誘導体の好適な一例は、セルロースである。天然植物滲出物から得られる、本明細書に用いるのに好適な多糖類としては、カラヤゴム、トラガカントゴム、アラビアゴム、タマリンドゴム、ガッチゴム(ghatty gum)、又はこれらの混合物が挙げられる。本明細書に用いるのに好適な樹脂性ゴムの例としては、昆虫のラックカイガラムシ(Laccifer(Tachardia)lacca)の樹脂状分泌物から得られるシェラックゴム、ダマールゴム;コーパルゴム及びロジンゴム;又はこれらの混合物が挙げられる。
【0035】
また、他の物質と組み合わせるとゲルを形成する天然及び合成ポリマー系ゲル化剤も、ゲル相の形成を同期させることができるのであれば、他の熱成形ゲル化剤と併せてゲル化剤として使用してもよい。これらは、化学的に架橋されていてよい。ゲル化剤には、糖、アルコール、又は一価若しくは多価塩のような物質と組み合わせるとゲルを形成するものがある。加えて一価又は多価の塩は、本明細書の予備成形ヒドロゲルに追加的な強度を付与するゲル強化剤として作用することもある。このような塩に好適なカチオン類は、カリウムイオン、ナトリウムイオン、アンモニウムイオン、亜鉛イオン、アルミニウムイオン、カルシウムイオン、マグネシウムイオン、又はこれらの混合物から選択することができる。上記カチオン類と組み合わせるのに好適なアニオン類は、塩素アニオン、クエン酸アニオン、硫酸アニオン、炭酸アニオン、ホウ酸アニオン、リン酸アニオン、又はこれらの混合物から選択してよい。
【0036】
本発明で使用する水溶性ポリマー系ゲル化剤は、合成又は天然ポリマー類、及びこれらの混合物から選択される。一般に、本発明の予備成形されたゲルシートは、総重量で50重量%未満、より好ましくは30重量%未満、特に20重量%未満の水溶性ポリマーゲル化剤を含む。本明細書に用いるのに好適な合成ポリマー類には、非イオン性水溶性ポリマー、アクリル酸系ポリマー類、セルロース誘導体、及びこれらの混合物が挙げられる。
【0037】
特に好ましい合成ポリマー系は、PCT国際公開特許WO00/06215(本明細書に参照として組み込まれる)で開示されており、これは、皮膚に装着する生体医用デバイスに好適な製品を記載している。特に、この文献は、水性可塑剤、親水性不飽和水溶性アクリルアミドモノマー、特にNaAMPSを含む1つ以上のモノマーのポリマー、及びエチレン/酢酸ビニルコポリマーのような疎水性ポリマーを含む生体接着剤ヒドロゲル組成物を開示する。
【0038】
物理的架橋とは、化学的な共有結合ではなく、高い結晶化度を有する領域又は高いガラス転移温度を有する領域があるような物理的性質の架橋を有するポリマーを意味する。そのような架橋ポリマーを使用してもよい。好ましくは、ポリマーは熱的に化学架橋されている。加えて、この系で化学架橋が形成される時には、プレミックス中に多官能架橋剤及び/又はフリーラジカル反応開始剤が存在して、照射によって架橋が開始されてもよい。
【0039】
好ましくは、本明細書の予備成形ヒドロゲルは、天然源由来の水溶性ポリマー系ゲル化剤の混合物を含む。本明細書で好ましい水溶性ポリマー系ゲル化剤混合物は、多糖類及び非イオン性の水溶性ポリマーを含んでもよく、又は代替的に2個の多糖類を含んでもよい。より好ましくは、この水溶性ポリマー系ゲル形成剤は多糖類混合物であり、この多糖類混合物が(1)少なくとも1つの紅藻多糖類;褐藻多糖類;又はこれらの混合物;及び(2)少なくとも1つの発酵多糖類;ガラクトマンナン;グルコマンナン;天然植物滲出物;又は天然果実抽出物;及びこれらの誘導体又は混合物を含む。さらにより好ましくは、本発明の予備成形ヒドロゲルの水溶性ポリマー系ゲル形成剤は(1)少なくとも1つの紅藻多糖類;及び(2)少なくとも1つの発酵多糖類;グルコマンナン;又はガラクトマンナン;及びこれらの誘導体又は混合物を含む、多糖類混合物である。
【0040】
支持基材を含まない予備成形ヒドロゲルを提供する好ましい実施形態において、本発明の水溶性ポリマー系ゲル形成剤は、紅藻多糖類及びグルコマンナン又はガラクトマンナンを含む多糖類混合物である。この多糖類混合物中の、紅藻多糖類と、グルコマンナン又はガラクトマンナンとの比率は、好ましくは約20:1〜約1:5、より好ましくは約10:1〜約1:2である。理論によって制限されることなく、本明細書のゲル組成物が、三次元的網状構造又はマトリックスを形成し、それが組成物の他の成分に結合するか又は他の成分を包み込むと考えられている。
【0041】
(溶媒)
本発明の予備成形ヒドロゲルは、ゲル化剤のための溶媒を含み、それは水、水溶液又は水分散体であってよい。典型的には、ゲル化剤は、ゾル相の状態で溶媒に少なくとも混和性があり、最終的には均一な単層の予備成形ヒドロゲルを提供する。溶媒の量及び種類は、所望の機械的特性、特にゲル強度及び可撓性の観点から、また得られる製品の所望の特徴の観点から、ゲル化剤と共に安定なゲル相を提供するように決定される。好ましくは、溶媒は、更に予備成形ヒドロゲルのための可塑剤又は軟化剤として作用する。
【0042】
局所使用では、予備成形ヒドロゲルは、親水性溶媒を含む。本明細書で溶媒に関して使用する時、用語「親水性」は、少なくとも溶媒と水との比率が1対10、好ましくは1対5であり、溶媒が水に混和できることを意味する。局所的に許容可能な親水性溶媒は、皮膚に対して刺激を起こすことなく適用すべき予備成形ヒドロゲルに使用することができ、水に混和性の溶媒である。好適な親水性溶媒には、エタノールのような低級アルコール類、及びプロピレングリコール、ブチレングリコール、ヘキシレングリコール、グリセリン、ソルビトールのような多価アルコール類;分子量30,000未満、好ましくは10,000未満のポリエチレングリコール類;並びに分子量5,000未満、好ましくは1,000未満のポリプロピレングリコール類が挙げられる。有利なことには、本明細書で親水性溶媒として有用な多価アルコール類の多くは、また、皮膚の保湿剤としても機能する。更に、親水性溶媒は、皮膚処理剤の皮膚への拡散を支援すること、及び予備成形ヒドロゲルの蒸発によって冷感を与えることもでき、予備成形ヒドロゲルの装着をより快適にする。後者の点で好ましいものは、25℃で液体である溶媒である。局所使用では、好ましくは溶媒は、水と少なくとも1つの多価アルコールとを含み、より好ましくは溶媒は本質的に水と多価アルコールとからなる。好ましい実施形態において、予備成形ヒドロゲルは、約10%〜約99.5%の水を含み、より好ましくは約20%〜約95%、なおより好ましくは約30%〜約90%の水を含む。なお好ましくは、予備成形ヒドロゲルは、更に、約1.0%〜約50%、好ましくは約5%〜約45%、より好ましくは約10%〜約40%の多価アルコールを含む。
口腔投与使用では、溶媒は、経口消費するのに安全で、好ましくは快適である、前述の群から選択される。
【0043】
(利益構成成分)
本発明のデバイスは、利益構成成分を含む。本発明の利益構成成分は、使用時に接触すると予備成形ヒドロゲル構成成分に追加的な利益を提供するが、予備成形ヒドロゲル構成成分と接触すると不安定になる少なくとも1つの化合物を含む。従って、最終ヒドロゲル製品は、使用時に調製される。利益構成成分は、液体、粉末又は固体、好ましくは液体又は粉末の形態であってよい。利益構成成分は、予備成形ヒドロゲル構成成分と接触すると、シネリシスを向上させ、硬化を促進するか、又は美的感覚をそこなう色、味、香り、及び/又は匂いを発生する化合物を含むことがある。利益構成成分は、予備成形ヒドロゲル構成成分に包含されている水と反応する中間化合物又は触媒を含んでよい。利益構成成分は、予備成形ヒドロゲル構成成分に容易に溶解/吸収されるか、又は予備成形ヒドロゲル構成成分から溶媒を吸収して、その物理的特性が直ちに変わるか又はその性能が減少する化合物を含んでよい。
【0044】
予備成形ヒドロゲル構成成分、特に水により不安定になることが知られており、従って利益構成成分に含まれるのに好適な化合物は、例えば、容易に酸化する水溶性化合物、熱発生化合物、粉末化合物、荷電化合物、気体形成化合物、及びこれらの混合物である。本明細書の不安定な化合物は、化学的/物理的特性、又はそれらの自明であると見なされている作用様式によって分類又は記載されることがある。しかし、本明細書の不安定な化合物が、場合により、複数の利益を提供するか、又は複数の作用様式で作用することが可能であることを理解すべきである。従って、本明細書での分類は便宜上のことであって、化合物を特に記載された性質に限定しようとするものではない。
【0045】
本明細書の容易に酸化する水溶性化合物には、アスコルビン酸化合物が挙げられる。アスコルビン酸化合物は局所使用及び経口消費に有用であるが、約5日間接触すると予備成形ヒドロゲルに目に見える黄色をもたらすことがある。アスコルビン酸化合物は、局所的に使用されると、美白効果をもたらし、経口摂取すると独特な味わいをもたらす。本明細書で有用なアスコルビン酸化合物としては、本質的にL型のアスコルビン酸、アスコルビン酸塩、及びそれらの誘導体が挙げられる。本明細書で有用なアスコルビン酸塩には、ナトリウム、カリウム、リチウム、カルシウム、マグネシウム、バリウム、アンモニウム及びプロタミン塩が挙げられる。本明細書で有用なアスコルビン酸誘導体には、例えば、アスコルビン酸のエステル、及びアスコルビン酸のエステル塩が挙げられる。特に好ましいアスコルビン酸化合物には、2−o−D−グルコピラノシル−L−アスコルビン酸(アスコルビン酸及びグルコースのエステルであり、通常L−アスコルビン酸2−グルコシド又はアスコルビルグルコシドと呼ばれる)及びその金属塩、並びにL−アスコルビン酸ホスフェートエステル塩、例えばリン酸アスコルビルナトリウム、リン酸アスコルビルカリウム、リン酸アスコルビルマグネシウム、及びリン酸アスコルビルカルシウムが挙げられる。市販のアスコルビン酸化合物には、昭和電工(Showa Denko)から入手可能なリン酸アスコルビルマグネシウム、ハヤシバラ(Hayashibara)から入手可能な2−o−D−グルコピラノシル−L−アスコルビン酸、及びロッシュ(Roche)から入手可能な商標名STAY Cのリン酸L−アスコルビルナトリウムが挙げられる。
【0046】
本明細書の熱発生化合物には、調製のためにシールを破断して多量の空気と接触すると、及び/又はヒドロゲル構成成分に含まれる水と接触すると発熱するものが挙げられる。熱の発生は、局所的に使用される時に心地よい暖かい感触をもたらすことがあり、ヒドロゲル構成成分及び/又は利益構成成分に含まれる活性成分の浸透を更に向上させることがある。好適な熱発生化合物には、例えば、塩化カルシウム(CaCl2、CaCl2・H2O、CaCl2・2H2O)、塩化マグネシウム(MgCl2、MgCl2・2H2O、MgCl2・4H2O)、塩化アルミニウム(AlCl3、AlCl3・6H2O)、塩化第二鉄(FeCl3、FeCl3・2H2O)、及び塩化亜鉛(ZnCl2)のような塩化物;硫酸マグネシウム(MgSO4、MgSO4・H2O、MgSO4・4H2O)、硫酸亜鉛(ZnSO4・H2O)、硫酸第一鉄(FeSO4、FeSO4・H2O)、硫酸アルミニウム(Al(SO43)、硫酸カルシウム(CaSO4、CaSO4・1/2H2O、CaSO4・H2O)、及び硫酸ナトリウム(Na2SO4)のような硫酸塩;乾燥ミョウバン;酸化カルシウム(CaO);酸化マグネシウム(MgO);炭酸ナトリウム(Na2CO3);酸化鉄;酸化亜鉛;ゼオライト;並びにリン酸水素ナトリウム(Na2HPO4)が挙げられる。好ましいものは、熱発生の有効性、毛髪及び/又は皮膚に対する穏やかさ、及び取り扱いの容易さの観点から、硫酸ナトリウム(Na2SO4)、硫酸カルシウム(CaSO4)、硫酸マグネシウム(MgSO4)、硫酸アルミニウム(Al(SO43)、塩化カルシウム(CaCl2)、塩化マグネシウム(MgCl2)、酸化カルシウム(CaO)及びこれらの混合物のような無水無機塩類である。より好ましいものは、無水硫酸マグネシウム(MgSO4)である。本明細書で有用な熱発生化合物は、取り扱いの際か、又は局所的に適用された場合にざらつき感を避けるという観点から、好ましくは約0.01μm〜約40μm、より好ましくは約0.05μm〜約30μm、なおより好ましくは約0.1μm〜約20μmの平均直径を有する。
【0047】
本明細書の粉末化合物は、典型的には、予備成形ヒドロゲル構成成分に容易に溶解/吸収されるか、又は予備成形ヒドロゲル構成成分から溶媒を吸収して、その物理的特性が直ちに変わるか又はその性能が減少する。粉末化合物は、局所的な利益を提供するか、又は経口消費に快適であるいずれのものであってもよい。本明細書の局所使用のための粉末化合物には、二酸化チタン、タルク、セルロース粉末、酸化鉄、シリコーン樹脂、酸化第二鉄、酸化亜鉛、及び他のような独特の肌触りを提供するものが挙げられる。本明細書の経口消費のための粉末化合物には、例えば、塩、砂糖、胡椒、米粉、セルロース粉末、デンプン粉末、カカオ粉末、大豆粉末、小麦粉、及び他が挙げられる。
【0048】
電解質及びイオン性界面活性剤のような荷電化合物は、洗浄の目的では有用な化合物であるが、シネリシスを促進することがあり、さらに接触時に予備成形ヒドロゲルを分解することがある。本明細書の荷電化合物には、例えば、アルカリ金属又はアルカリ土類金属イオン、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、アニオン性ポリマー類、カチオン性ポリマー類、及び他をもたらすあらゆる電解質が挙げられる。
【0049】
本明細書で有用な気体形成化合物は、溶媒、典型的には水と接触すると、あらゆる気体形成性の効果を提供するものである。気体形成化合物は、最終製品が作られつつあるという視覚的、聴覚的、又は嗅覚的信号を提供するあらゆる製品に適することがある。気体形成化合物は、味及び香りを向上させるか、局所吸収を向上させるか、又は洗浄効果を向上させることがある。本明細書で有用なものは、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、セスキ炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素カリウム、セスキ炭酸カリウム、及びこれらの混合物を含む、水に溶解すると二酸化炭素を発生するアルカリ塩類である。そのようなアルカリ塩が使用される場合、最終ヒドロゲル製品のpHを調節するために、更に有機酸類又はその塩類を含むことが好ましい。この使用に好適な有機酸類には、クエン酸、酒石酸、リンゴ酸、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、フマル酸、及びマレイン酸のような脂肪族カルボン酸類、安息香酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、及びケイ皮酸のような芳香族カルボン酸類、ニコチン酸類のような複素環式カルボン酸類、グルタミン酸及びアスパラギン酸のような酸性アミノ酸、並びにこれらの混合物が挙げられる。また本明細書で有用なものは、粒子内に閉じ込められた加圧ガスを含有する粒子である。
【0050】
(局所使用製品)
極めて好ましい実施形態において、本発明の最終予備成形ヒドロゲル製品は、皮膚処理剤を皮膚、毛髪、又は爪に送達するのに有用なシート状貼付剤である。この製品は、一般に、各表面が約0.25cm2〜約1,000cm2、好ましくは約1cm2〜約400cm2の面積を有するような大きさである。表面積とは、表面と同一の境界を有する平らな平面、すなわち表面に存在するあらゆるテキスチャーを無視した平面の表面積を意味する。本明細書の予備成形ヒドロゲルは、目の周りの領域、瞼、鼻、口の周りの領域、額、頬、顎、顔の外表面全体、首、腕、体の他の特定の場所、又はこれらの組み合わせのような領域を覆うために、例えば、正方形、円形、半円形、長方形、楕円形、環状、三日月形、涙形、又はこれらの複合物でもよいさらに複雑な他の形状であることができる。予備成形ヒドロゲルは、それが適用される皮膚の表面に沿って適合するように十分に可撓性であるべきである。それにもかかわらず、例えば、ユーザーが製品を装着したときに垂れ下がった場合、予備成形ヒドロゲルが自重で破裂しないような最小ゲル強度が要求される。
【0051】
本発明は、更に、最終予備成形ヒドロゲル製品であって:
(1)予備成形ヒドロゲル構成成分であり、
(a)約10%〜約99.5%の水と、
(b)約0.5%〜約20%の多糖類ゲル化剤とを含み、
予備成形ヒドロゲル構成成分が、支持基材を含まず、約0.1mm〜約5mm、好ましくは約0.5mm〜約2.0mmの厚さ、並びに第1表面及び第2表面を有し、第1表面が、約10μm〜約500μm、好ましくは約50μm〜約200μmの深さを、1mm当たり約0.2〜約1個、好ましくは1mm当たり約0.3〜約0.7個の頻度で有する反復テキスチャーを有し、テキスチャーの深さが、予備成形ヒドロゲル構成成分の厚さの少なくとも約10%である、予備成形ヒドロゲル構成成分;及び
(2)皮膚処理剤を含み、約1000mPa・s〜約100,000mPa・s、好ましくは約5000mPa・s〜約300,000mPa・sの粘度を有する利益構成成分、を含み、
反復テキスチャーが、第1表面が皮膚上に装着された時に利益構成成分の流体連通を可能にする、チャンネルのネットワークを提供するように設計されている、最終予備成形ヒドロゲル製品に関する。
【0052】
本明細書で使用する時、用語「第1表面」は、皮膚上に装着され、第1区画に包装されている時にはシールに面している、予備成形ヒドロゲルの表面を意味する。
【0053】
本明細書で使用する時、用語「厚さ」は、シートが非平坦化された時、テキスチャーのピークが厚さの測定に使用される、予備成形ヒドロゲル構成成分の厚さを意味する。
【0054】
本明細書で使用する時、用語「深さ」は、予備成形ヒドロゲル構成成分表面に提供されるテキスチャーの厚さ方向の長さに関する。
【0055】
本明細書で使用する時、用語「頻度」は、1mm当たりの、繰り返す非平面的な凹凸の数に関連し、この非平面的な凹凸の反復が予備成形シートの表面にテキスチャーを与える。
【0056】
特定の厚さ、並びに特定の深さ及び頻度のテキスチャーを第1表面に有する本発明の予備成形ヒドロゲル構成成分は、多様な利益をユーザーに提供する。第1表面は、第1区画に包装されている時にはシールに面して配置されており、これにより予備成形ヒドロゲル構成成分が第2区画へ移動された時、第1表面が利益構成成分と直接接触し、従ってユーザーはそのような表面を皮膚に適用するように誘導される。一つの極めて好ましい実施形態において、利益構成成分は、図5で示されているように、予備成形ヒドロゲルの第1表面のみを覆うような量及び粘度である。
【0057】
最終予備成形ヒドロゲル製品は、第1表面を皮膚に適用することにより、製品の皮膚への都合の良い接着を促進する利益構成成分を含む。ヒドロゲル製品が皮膚に装着された後、利益構成成分は、直ちに製品が装着されている領域全体にわたって均一に配置され、不連続な空間のある着用者の接触領域をある程度真空にする。従って、製品は皮膚へ吸引される。そのような製品の皮膚への有効な吸引のため、予備成形ヒドロゲル構成成分は、好ましくは厚さが均一になる。チャンネルがさらに予備成形ヒドロゲル構成成分と皮膚の間に利益構成成分のリザーバを提供して、それにより利益構成成分と皮膚の連続的な接触が可能となる。上記の寸法により、ヒドロゲル製品は、垂直の方法で装着されても製品が容易に皮膚からずり落ちないように、皮膚に対して適切な接着を提供する。
【0058】
利益構成成分は、ゲル、或いは水中油型エマルション、油中水型エマルション、又は水若しくは油状外相を有する複エマルションのようなエマルションを含む水性溶液であってもよく、これらは全て約1000mPa・s〜約100,000mPa・sの粘度を有する。コーティング組成物の粘度は、ヘリオパス(heliopath)TバーCスピンドルを0.5ラド/秒(5rpm)で使用するブルックフィールド(Brookfield)粘度計により測定される。
【0059】
利益構成成分と予備成形ヒドロゲル構成成分の重量比は、一般に約1:50を超える、好ましくは約1:25、より好ましくは約1:15〜約10:1である。
【0060】
本明細書の予備成形ヒドロゲル構成成分は、あらゆる適切なプロセス、好ましくはゲル化剤のゲル転移点を利用する冷却プロセスにより製造されることができる。他のプロセスには射出成形が挙げられる。
【0061】
一つの極めて好ましい実施形態において、利益構成成分は、長期的な美白効果を皮膚にもたらすために安全且つ有効量、好ましくは約0.1%〜約10%のアスコルビン酸化合物を含む。
【0062】
(皮膚処理剤)
極めて好ましい実施形態において、利益構成成分は、皮膚、毛髪又は爪のために少なくとも1つの皮膚処理剤を含む液体組成物である。好ましくは、予備成形ヒドロゲル構成成分と利益構成成分は、それぞれ少なくとも1つの共通の皮膚処理剤を含む。本発明の目的において、本明細書のこのセクションで考察される皮膚処理剤には、予備成形ヒドロゲル構成成分により不安定になる化合物は除外される。
【0063】
共通の皮膚処理剤が含まれる場合、利益構成成分は、使用時に素早く皮膚処理剤を標的領域に提供することができ、同時に予備成形ヒドロゲルは、皮膚処理剤のリザーバとして役割を果たすことができるか、又は予備成形ヒドロゲルが皮膚処理剤を利益構成成分から吸収することを抑制することができる。
【0064】
本明細書で使用する時、用語「皮膚処理剤」は、皮膚、毛髪、又は爪上の適用領域に美容的及び/又は治療的な効果をもたらす活性成分を意味する。本明細書に有用な皮膚処理剤には、抗ニキビ剤、皮膚軟化剤、非ステロイド系抗炎症剤、局所麻酔薬、人工日焼け剤、防腐剤、抗菌及び抗真菌活性物質、皮膚鎮静剤、日焼け止め剤、皮膚バリア修復剤、しわ防止剤、皮膚萎縮防止剤、脂質、美白剤、皮脂阻害物質、皮脂阻害物質、皮膚感覚剤、タンパク質分解酵素阻害物質、皮膚引き締め剤、痒み止め剤、発毛阻害物質、落屑酵素強化剤、グリケーション防止剤、及びこれらの混合物が挙げられる。
【0065】
好ましくは、本発明の利益構成成分は、利益構成成分の約0.01重量%〜約60重量%、好ましくは約0.1重量%〜約40重量%、最も好ましくは約0.5重量%〜約30重量%の少なくとも1つの皮膚処理剤又はその混合物を含む。
【0066】
本明細書で有用な皮膚処理剤の好ましい例には、サリチル酸、ナイアシンアミド、パンテノール、トコフェリルニコチネート、過酸化ベンゾイル、3−ヒドロキシ安息香酸、フラボノイド類(例えば、フラバノン、カルコン)、ファルネソール、フィタントリオール、グリコール酸、乳酸、4−ヒドロキシ安息香酸、アセチルサリチル酸、2−ヒドロキシブタン酸、2−ヒドロキシペンタン酸、2−ヒドロキシヘキサン酸、シス−レチノイン酸、トランス−レチノイン酸、レチノール、レチニルエステル類(例えば、レチニルプロピオネート)、フィチン酸、N−アセチル−L−システイン、リポ酸、トコフェロール及びそのエステル類(例えば、トコフェリルアセテート)、アゼライン酸、アラキドン酸、テトラサイクリン、イブプロフェン、ナプロキセン、ケトプロフェン、ヒドロコルチゾン、アセトミノフェン、レゾルシノール、フェノキシエタノール、フェノキシプロパノール、フェノキシイソプロパノール、2,4,4’−トリクロロ−2’−ヒドロキシジフェニルエーテル、3,4,4’−トリクロロカルバニリド、オクトピロックス、塩酸リドカイン、クロトリマゾール、ミコナゾール、ケトコナゾール、ネオマイシンサルフェート、テオフィリン、及びこれらの混合物からなる群から選択されるものが挙げられる。
【0067】
皮膚、毛髪、又は爪を処置する美容方法では、美容用の皮膚処理剤は、好ましくは、しわ防止及び皮膚萎縮防止剤、抗ニキビ活性物質、人工日焼け剤及び加速剤、皮膚軟化剤、保湿剤、皮膚修復活性物質、皮膚バリア修復助剤、美白剤、皮膚感覚剤、皮膚鎮静剤、脂質、皮脂阻害物質、皮脂腺刺激剤、日焼け止め剤、タンパク質分解酵素阻害物質、皮膚引き締め剤、痒み止め成分、及び落屑酵素強化剤、又はこれらの混合物から選択される。
【0068】
本明細書の予備成形ヒドロゲル構成成分及び利益構成成分のpHは、好ましくは約3〜約9、より好ましくは約4〜約8である。pHは、皮膚処理剤の活性に応じて選択されてよい。
【0069】
含有される皮膚処理剤に応じて、本発明の最終予備成形ヒドロゲル製品には、以下の用途の少なくとも1つを有してもよい:皮膚、毛髪、又は爪に潤いを与える;微細な線及びしわを伸ばす;美容的なにきび治療;皮膚の引き締め又は柔軟化;強化;軟化;剥脱;皮膚の色調及び/又はきめの改善及び/又は均一化;皮膚、毛髪、又は爪の美白;日焼け;毛孔の外観の軽減;分泌物の吸収又は抑制;皮膚、毛髪又は爪、筋肉、痛み又は疼痛の保護及び/又は鎮静;腫れ及び/又はくまの軽減;創傷治癒の促進;皮膚、毛髪、又は爪の加温、回復、又は冷却;炎症の緩和;顔色を明るくする;うっ血の緩和;腫れの軽減;皮膚科学的状態の処置;クッション作用;清浄化;芳香の効果;細菌又は微生物の成長の低減;癒し;防虫;不要な毛、汚れ、又は化粧の除去;並びに最終予備成形ヒドロゲル製品が適用される標的領域の着色又は漂白。
【0070】
(使用方法)
本発明の最終ヒドロゲル製品は、皮膚に装着する直前に、好ましくは約10分以内に、上記の調製工程に従って調製される。最終ヒドロゲル製品の第1表面が皮膚上に装着され、これにより表面テキスチャーにより提供されるチャンネルのネットワークが、利益構成成分の流体連通を可能にする。このようにして得られた最終ヒドロゲル製品が皮膚、毛髪又は爪の標的領域に適用され、そして一般にその標的領域に約1分間〜約12時間、好ましくは約5〜約60分間放置される。
【実施例】
【0071】
次の実施例は、本発明の範囲内の好ましい実施形態についてさらに詳しく説明し、実証するものである。本発明の精神及び範囲から逸脱することなく本発明の多くの変形形態が可能であるので、これらの実施例は、単に例示を目的として与えるものにすぎず、本発明を制限するものとして解釈すべきではない。
【0072】
使用時調製デバイスは、下記の組成を有する構成成分により作られ、本明細書で記載されたプロセスにより形成される。
【0073】
成形構造を提供するために、実施例4〜6は更に支持層を含む。
【0074】
【表1】

【0075】
【表2】

【0076】
【表3】

1ケルガム(Kelgum)及びケルトロール(Keltrol)Tは、それぞれ、ケルコ社(Kelco)(米国カリフォルニア州サンディエゴ(San Diego,CA,USA))から供給される、キサンタンガムとイナゴマメゴムとの1:1混合物、及びキサンタンガムである。
2ポリメチルシルセスキオキサン(Polymethylsilsesquioxane):東芝(Toshiba)製
3ジメチコーン、ジメチコノール、ラウレス−4、ラウレス−23、及び水:ダウ・コーニング社(Dow Corning)製
4水及びセチルベタイン:ロンザ社(Lonza)製
5水、トコフェリルアセテート、ポリソルベート80、カプリル酸/カプリン酸トリグリセリド、及びレシチン:チバ社(CIBA)製
6アルラトン(Arlatone)2121:ICI社製
7NaAMPS:ルブリゾール社(Lubrizol)製
8ダロキュア(Darocur)PI:チバ・ガイギー社(Ciba Geigy)
9IRR210XL:UCBケミカルズ社(UCB chemicals)製
10酵母発酵ろ液:カシワヤマ(Kashiwayama)から入手可能なSKIIピテラ(Pitera)
【0077】
(デバイスの調製)
本明細書の使用時調製デバイスは、当該技術分野において既知のあらゆる好適なプロセスにより作られる。実施例1〜6のヒドロゲル構成成分は、局所使用の製品を提供するために、実施例7〜12のいずれかの利益構成成分と組み合わされてよい。実施例7〜11を利益構成成分として含む製品は、スキンケア製品として特に有用である。実施例12を利益構成成分として含む製品は、パウダーファンダーション製品として特に有用である。
【0078】
好ましくは本発明のデバイスは、連続ラインプロセスにより作られ、予備成形ヒドロゲル構成成分は、下記の工程で作られる:
(1)ゾル−ゲル転移点よりも少なくとも5℃高い温度で加熱された予備成形ヒドロゲル構成成分のゾル相組成物を準備する工程;
(2)ゾル相組成物をゾル−ゲル転移点よりも0℃〜5℃高い温度で予冷する工程;
(3)2本のライナーの間にゾル相組成物を押しつけて表面を形成する工程であり、2本のライナーが、互いに向かい合っている2つの逆回転ローラーにより供与され、ローラーが、更に冷却手段を含む、工程;
(4)ゾル相組成物を20℃以下の2つの温度で冷却してゲル相にする工程;及び
(5)ダイでゲル相組成物を切断する工程。
【0079】
図3で示される形状を有するポリプロピレンで作られたパッケージ、及び外面がポリエチレンテレフタレート及び内面がポリプロピレンで積層されたアルミニウムで作られたシール構成成分が提供される。
【0080】
上記で得られた予備成形ヒドロゲル構成成分は、更に、下記の工程を含む、本発明のデバイスを提供するためのプロセスに移される:
(6)各パッケージユニットが、第1区画と第2区画を有する、一連の封止されていないパッケージを準備する工程;
(7)パッケージの第2区画に利益構成成分を適用する工程;
(8)予備成形ヒドロゲル構成成分をパッケージの第1区画に配置する工程;
(9)パッケージを封止する工程;
(10)第1区画と第2区画を分離するパッケージ材料に切欠を設ける工程;及び
(11)各ユニットデバイスを分離するように穿孔を設ける工程。
【0081】
(最終使用時製品の調製)
最終予備成形ヒドロゲル製品は、シールを開けて、パッケージを切欠で折り畳み、予備成形ヒドロゲル構成成分を第2区画へ移動させて、利益構成成分と接触させることにより得られる。
このようにして得られた製品は、皮膚の標的領域に適用される。
【0082】
実施例1〜3のいずれかと実施例7〜11のいずれかとの組み合わせにより作られた製品が、1日2回、それぞれの適用で少なくとも15分間、少なくとも2週間にわたって顔の皮膚に適用される時、長期的な美白効果がもたらされる。そのような製品は、更に、しわ/小じわの減少、きめの改善、及び皮膚の保湿をもたらす。
【0083】
前述した本発明の実施例及び実施形態の詳細な記述は、単に説明のために提示されたものにすぎず、本発明の精神及び範囲から逸脱することなく多数の修正及び変更が当業者には明らかになることが理解され、そのような明らかな修正及び変更は、添付の特許請求の範囲に含まれるものとする。
【0084】
「発明を実施するための最良の形態」において引用した全ての文書は、関連する部分において、参照として本明細書に組み込まれるが、いかなる文書の引用も、本発明に関する先行技術であることの容認と考えられるべきではない。
本発明の特定の実施形態について説明し記載したが、本発明の精神及び範囲から逸脱することなく、その他の様々な変更及び修正を実施できることが、当業者には自明である。従って、本発明の範囲内にあるそのような全ての変更及び修正を、添付の特許請求の範囲で扱うものとする。
【図面の簡単な説明】
【0085】
【図1】パッケージ材料の厚さが誇張されている、本発明のデバイスの好ましい実施形態の断面図。
【図2】シールライナーを取り外したばかりの本発明のデバイスの好ましい実施形態の透視図。
【図3】本発明のパッケージの好ましい実施形態の透視図。
【図4】調製中の本発明デバイスの好ましい実施形態の断面図。
【図5】最終製品の調製が完成している本発明のデバイスの好ましい実施形態の別の断面図。
【図6】一連のユニットである本発明のデバイスの好ましい実施形態の透視図。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
使用時調製デバイスであって:
(1)第1区画に包装されている予備成形ヒドロゲル構成成分であり、ゲル化剤及び溶媒を含む予備成形ヒドロゲル構成成分と、
(2)第2区画に包装されている利益構成成分であり、予備成形ヒドロゲル構成成分と接触すると不安定になる少なくとも1つの化合物を含む利益構成成分とを含み、
第1及び第2区画が、使用前に別個に包装されており、デバイスが、使用時に予備成形ヒドロゲル構成成分と利益構成成分を接触させる手段を含む、使用時調製デバイス。
【請求項2】
利益構成成分が、容易に酸化する水溶性化合物、熱発生化合物、粉末化合物、荷電化合物、気体形成化合物、及びこれらの混合物から成る群から選択される化合物を含む、請求項1に記載のデバイス。
【請求項3】
接触手段が、第1と第2区画の間に位置する切欠領域であり、切欠領域が、ユーザーにより完全に破裂することなく折り畳めるように一定の強度を有する、請求項1に記載のデバイス。
【請求項4】
予備成形ヒドロゲル構成成分が、調製のために第2区画に移動される、請求項3に記載のデバイス。
【請求項5】
第1区画が、予備成形ヒドロゲル構成成分の放出を促進するために、内面にエンボス加工を有し、第2区画が、使用時に最終製品の調製を促進するために、内面にエンボス加工を有する、請求項1に記載のデバイス。
【請求項6】
利益構成成分が、アスコルビン酸化合物を含む、局所使用のための請求項1に記載のデバイス。
【請求項7】
利益構成成分が、熱発生化合物を含む、局所使用のための請求項1に記載のデバイス。
【請求項8】
(1)予備成形ヒドロゲル構成成分が:
(a)約10%〜約99.5%の水;及び
(b)約0.5%〜約20%の多糖類ゲル化剤を含み、
予備成形ヒドロゲル構成成分が、支持基材を含まず、
(2)利益構成成分がアスコルビン酸化合物を含む、
局所使用のための請求項1、6又は7のいずれか1項に記載のデバイス。
【請求項9】
(1)予備成形ヒドロゲル構成成分が:
(a)約10%〜約99.5%の水;及び
(b)約0.5%〜約20%の多糖類ゲル化剤を含み、
予備成形ヒドロゲル構成成分が、支持基材を含まず、約0.1mm〜約5mmの厚さ、並びに第1表面及び第2表面を有し、第1表面が、約10μm〜約500μmの深さを、1mm当たり約0.2〜約1個の頻度で有する反復テキスチャーを有し、テキスチャーの深さが、予備成形ヒドロゲル構成成分の厚さの少なくとも約10%であり、
(2)利益構成成分が、アスコルビン酸化合物及び皮膚処理剤を含み、約1000mPa・s〜約100,000mPa・sの粘度を有し、
反復テキスチャーが、第1表面が皮膚上に装着された時に利益構成成分の流体連通を可能にする、チャンネルのネットワークを提供するように設計されている、
局所使用のための請求項1、6又は7のいずれか1項に記載のデバイス。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公表番号】特表2007−501286(P2007−501286A)
【公表日】平成19年1月25日(2007.1.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−533583(P2006−533583)
【出願日】平成16年6月7日(2004.6.7)
【国際出願番号】PCT/US2004/017985
【国際公開番号】WO2004/110414
【国際公開日】平成16年12月23日(2004.12.23)
【出願人】(590005058)ザ プロクター アンド ギャンブル カンパニー (2,280)
【Fターム(参考)】