説明

予測駆動範囲に基づくハイブリッド車のモータ補助

車両の内燃機関に、内燃機関に連結される電動モータを用いて補助を提供する方法が提供される。該方法は、駆動範囲履歴データに基づき駆動範囲を予想することを備える。駆動範囲履歴データは、車両が1つまたはそれ以上の以前の駆動サイクル中に駆動された1つまたはそれ以上の距離を含む。該方法は、内燃機関の所定の作動条件で内燃機関に補助を提供するようにモータを選択的に作動させることをさらに備える。1つまたはそれ以上の所定の作動条件で内燃機関に提供される補助は、予測駆動範囲に少なくとも部分的に基づき決定される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願)
本願は、以下の特許出願への優先権とその権利を主張し、引用によりその開示の全文を本明細書に組み込む。2009年9月15日に提出されたインド特許出願第2108/MUM/2009号、2009年9月15日に提出されたインド特許出願第2109/MUM/2009号、2009年11月15日に提出された国際出願第PCT/IN2009/000655号、2009年11月15日に提出された国際特許出願第PCT/IN2009/000656号、および2010年4月30日に提出されたインド特許出願第1391/MUM/2010号。
【0002】
本開示は、概して車両駆動系システムの分野に関する。特に、本開示は、エンジンとモータとを利用するハイブリッド車駆動系システムに関する。
【背景技術】
【0003】
現在、車道を走っている車両の大部分は、迅速な加速に必要な動力を生み出すために比較的大型の内燃機関を必要とする。標準的な車両におけるエンジンは通常、ピーク動力要件に合わせた寸法に設定されている。しかしながら、大半のドライバは、駆動時間のうち、ほんのわずか(たとえば、1%)しかエンジンのピーク動力を使用していない。大型エンジンは重く非効率であり、高い排出量および/または低い燃料経済性を招く場合がある。
【0004】
車両の効率は、電動モータとエンジンとの両方を利用するハイブリッドシステムの使用を通じて向上させることができる。ハイブリッドシステムによっては、一定の範囲の作動条件については電動モータが車両を駆動する動力を提供し、別の範囲の作動条件についてはエンジンが車両を駆動する動力を提供することができる(すなわち、いずれかの所与の時間において、モータとエンジンのいずれか一方のみが動力を提供する)。他のハイブリッドシステムでは、車両を駆動する動力を供給する際にモータがエンジンを補助することができる。ハイブリッドシステムは、非ハイブリッドシステムよりも小さいエンジンで所要の動力を送達することができる。小型のエンジンは大型のエンジンに比べ、軽く、シリンダの数が少なく、および/または通常、最大負荷により近接して作動することができる。小型エンジンの使用は車両の効率(たとえば、排出量、燃料経済性)を向上させることができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
現行のハイブリッドシステムと比較して、燃料経済性が向上し、排出量が低減された車両用ハイブリッドシステムを提供することは有益であろう。
【課題を解決するための手段】
【0006】
一例示の実施形態は、内燃機関に連結される電動モータを用い、車両の内燃機関に補助を提供する方法に関する。該方法は、駆動範囲履歴データに基づき、駆動範囲を予想することを含む。駆動範囲履歴データは、車両が1つまたはそれ以上の以前の駆動サイクルの間に駆動された1つまたはそれ以上の距離を含む。該方法はさらに、内燃機関の所定の作動条件で内燃機関への補助を提供するように電動モータを選択的に作動させることを備える。1つまたはそれ以上の所定の条件作動条件でエンジンに提供される補助は、予測駆動範囲に少なくとも部分的に基づいて決定される。
【0007】
その他の各種例示の実施形態は、上記方法を利用するように構成されるモータコントローラ、コンピュータ読取り可能媒体、システム、および車両に関する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1A】一例示の実施形態に係る車両用ハイブリッド動力システムの概略図である。
【図1B】別の例示の実施形態に係る車両用ハイブリッド動力システムの概略図である。
【図2A】一例示の実施形態に係るモータ制御システムのブロック図である。
【図2B】一例示の実施形態に係るモータ制御システムのより詳細なブロック図である。
【図3A】一例示の実施形態に係る、エンジンへの補助を提供するようモータを制御する工程のフロー図である。
【図3B】一例示の実施形態に係る、モータによってエンジンに提供される補助を決定する工程のフロー図である。
【図3C】一例示の実施形態に係る、変動する作動条件下でのサンプルエンジンの効率を示す輪郭グラフである。
【図3D】一例示の実施形態に係る、排出量テストによる結果の排出量データを示すグラフである。
【図4A】一例示の実施形態に係る、予測駆動範囲に基づきモータによってエンジンに提供される補助を決定する工程のフロー図である。
【図4B】一例示の実施形態に係る、例示セットのモータ補助プロファイルに対して異なる利用可能エネルギーレベルおよび駆動範囲で提供され得る平均補助を示すモータ補助の表である。
【図4C】各種例示の実施形態に係る、各種駆動範囲でモータによってエンジンに提供される補助を示すグラフである。
【図4D】各種例示の実施形態に係る、各種駆動範囲でモータによってエンジンに提供される補助を示すグラフである。
【図4E】各種例示の実施形態に係る、各種駆動範囲でモータによってエンジンに提供される補助を示すグラフである。
【図4F】各種例示の実施形態に係る、各種駆動範囲でモータによってエンジンに提供される補助を示すグラフである。
【図5A】一例示の実施形態に係る、駆動範囲を決定する際に使用される情報を収集および/または記憶する工程のフロー図である。
【図5B】一例示の実施形態に係る、駆動範囲履歴データに基づき駆動範囲を決定する工程のフロー図である。
【図5C】別の例示の実施形態に係る、駆動範囲履歴データに基づき駆動範囲を決定する工程のフロー図である。
【図5D】別の例示の実施形態に係る、駆動範囲履歴データに基づき駆動範囲を決定する工程のフロー図である。
【図5E】さらに別の例示の実施形態に係る、駆動範囲履歴データに基づき駆動範囲を決定する工程のフロー図である。
【図6】一例示の実施形態に係る、モータによって補助が提供された排出量テストによる結果の排出量データを示すグラフである。
【図7A】各種例示の実施形態に係る、排出量テストによる結果の排出量データを示すグラフである。
【図7B】各種例示の実施形態に係る、排出量テストによる結果の排出量データを示すグラフである。
【図8A】各種例示の実施形態に係る、排出量テストによる結果の排出量データを示すグラフである。
【図8B】各種例示の実施形態に係る、排出量テストによる結果の排出量データを示すグラフである。
【図9A】例示の実施形態に係る、各種作動条件下でのサンプルエンジンの効率を示すグラフである。
【図9B】例示の実施形態に係る、各種作動条件下でのサンプルエンジンの効率を示すグラフである。
【図9C】例示の実施形態に係る、各種作動条件下でのサンプルエンジンの効率を示すグラフである。
【図9D】例示の実施形態に係る、各種作動条件下でのサンプルエンジンの効率を示すグラフである。
【図9E】例示の実施形態に係る、図9A〜9Dにそれぞれ示されるデータに関連するヒストグラムである。
【図9F】例示の実施形態に係る、図9A〜9Dにそれぞれ示されるデータに関連するヒストグラムである。
【図9G】例示の実施形態に係る、図9A〜9Dにそれぞれ示されるデータに関連するヒストグラムである。
【図9H】例示の実施形態に係る、図9A〜9Dにそれぞれ示されるデータに関連するヒストグラムである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
図面を概して参照すると、各種例示の実施形態に係る、車両に駆動力を提供する際にエンジンを補助するシステムおよび方法が記載されている。モータはエンジンに連結され、車両に駆動力を提供する際にエンジンを補助するように構成される。モータは、異なる作動条件で補助レベルを変動して提供するように選択的に制御することができる。たとえば、補助の恩恵(たとえば、排出量の低減、燃料経済性の向上、動力の増大など)が大きい作動条件ほど提供される補助は多く、補助の恩恵が低い作動条件ほど提供される補助は少ない。
【0010】
各種例示の実施形態によると、提供される補助の量および/または補助が提供される作動条件は、モータを駆動するのに利用可能な動力および/または予測駆動範囲、または車両が充電と充電の間で駆動されると予測される距離(たとえば、差込式ハイブリッド車の場合)に基づき、変動させることができる。いくつかの実施形態では、補助は、モータを駆動するのに利用可能な動力(たとえば、エネルギー貯蔵素子の場合は開始放電深度と最大放電深度間の差)に基づき構成することができる。他の実施形態では、補助は、予測駆動範囲に代替的にまたは追加的に基づき、構成することができる。予測駆動範囲は、ユーザの駆動範囲履歴データに基づき予想または算出することができる。補助が利用可能な充電量および/または予測駆動距離に基づき構成されない場合、ユーザが予測よりも短い距離車両を駆動する、あるいはエネルギー貯蔵素子が予見よりも多くの利用可能エネルギーを有し、駆動サイクルの終了時に充電が未使用で残る(たとえば、利用可能な補助量に満たない量が提供される)場合がある。もしくは、ユーザが予想よりも長い距離車両を駆動する、あるいはエネルギー貯蔵素子の利用可能エネルギーが予見よりも少なく、駆動サイクルが終了する前に充電が枯渇する(たとえば、モータが、駆動サイクルの少なくとも一部の間、エンジンを補助するのに利用できない)場合がある。利用可能な動力および/または予測駆動範囲に基づき補助を構成することによって、補助は駆動サイクルの予測条件に合わせて調節(たとえば最適化)され、また(たとえば、利用可能な補助が駆動サイクルの間に大いに利用され、モータが駆動サイクルの大半でエンジンを補助するのに利用可能であるように)補助を賢く提供することができる。予測駆動範囲を履歴データに基づき決定することで、ユーザは補助を構成するためにパラメータを入力する必要なく、予測駆動条件に合わせてカスタマイズされたモータ補助の恩恵を得ることができる。
【0011】
次に図1Aを参照すると、一例示の実施形態に係る、ハイブリッド駆動システム100およびその構成要素が示されている。ハイブリッド駆動システム100は、元の機器メーカおよび/または改造用途として別の事業体のいずれかによって車両(たとえば、自動車、トラック、スポーツ用多的車、ミニバン、バスなどの車両、三脚、スクータ、航空機、船舶など)内に設置されるように構成される。ハイブリッド駆動システム100は、エンジンの駆動負荷を選択的に低減する、および/またはエンジンのクランク軸の回転を補助することによってエンジンのトルク容量を増加させることができる。ハイブリッド駆動システム100の車両への追加は、ハイブリッド駆動システム100なしで作動する同じ車両と比較して、燃料経済性、排出率、および/または車両動力を向上させることを目的とする。ハイブリッド駆動システム100は、車両内のいずれかの適切な位置に設置し、他のいずれかの車両構成要素と一体化させ、広範な寸法、形状、および構成で提供し、各種例示の実施形態に係る、広範な製造および組立工程を用いて設置することができる。このような変形はすべて本開示の範囲に含まれることを意図される。
【0012】
図1Aは、一例示の実施形態に係るハイブリッド駆動システム100の概略図である。ハイブリッド駆動システム100は通常、内燃機関102、電動モータ104、モータ制御ユニット106、および電気化学セルの形状で複数のエネルギー貯蔵素子を含む電池パック108として図1に示される電源(ただし、その他の例示の実施形態に係る電池の代わりに、またはそれに加えてスーパーキャパシタおよび/またはウルトラキャパシタなどの容量性素子を使用することができる)を含む。内燃機関102は、車両の1つまたはそれ以上の車輪110を駆動するのに十分なトルク出力を生成することによって車両の原動機としての機能を果たす。電動モータ104は、内燃機関102の駆動負荷を低減する、および/または内燃機関102の動力を補充することによって内燃機関102を補助するために設けられる。電動モータ104は電池パック108によって動力が供給され、モータ制御ユニット106によって制御される。
【0013】
内燃機関102の駆動負荷を低減する、および/または内燃機関102の動力を補充することによって内燃機関102を補助することに加えて、電動モータ104は、電池パック108を充電する、および/または電気エネルギーを車両内の各種電気部品に供給する発電機として機能するように構成することもできる。電動モータ104は、車両が下り坂を惰性走行しているとき、制動中であるとき、(たとえば、内燃機関102からの駆動力を必要とせずに)蓄積された推進力で前進しているとき、および/またはその他の作動条件下にあるときなど、車両の1つまたはそれ以上の作動条件下で発電機として機能する(たとえば、回生機能を提供する)ように構成することができる。さらに、電動モータ104は、車両内の1つまたはそれ以上のシステムを作動する機械エネルギー(たとえば、回転機械エネルギーなど)を供給するように構成することができる。たとえば、後に詳述するように、電動モータ104は、車両の空調システムの一部であるコンプレッサに動力を供給するために使用することができる。
【0014】
さらに図1Aを参照すると、内燃機関102は、第1の出力118と第2の出力120とを有するクランク軸116として示される出力軸を含む。第1の出力118は、1つまたはそれ以上の車輪110に動力を送達する車両の駆動系に連結されるように構成される。図示される実施形態によると、車両は前輪駆動車であり、駆動系は、1つまたはそれ以上の車軸、差動装置、連結装置などを介して前輪110に連結されるトランスミッション122(オートマチックトランスミッションまたはマニュアルトランスミッションのいずれか)を含む。各種実施形態によると、ハイブリッド駆動システム100は後輪駆動車および/または全輪駆動車上で使用することができる。内燃機関102は、クランク軸116を回転させることによってトランスミッション122を通じて駆動輪に回転機械エネルギーを送達する。
【0015】
電動モータ104は、回転機械エネルギーをトランスミッション122に供給する際に内燃機関102を補助するため内燃機関102と平行に連結される。図示される実施形態によると、電動モータ104はクランク軸116の第2の出力120に連結される。第2の出力120は、電動モータ104が、クランク軸116の、第1の出力118の反対側の端部に設けられ、電動モータ104がクランク軸116の、トランスミッション122に連結される反対側の端部に連結されるようになっている。内燃機関102に対して、トランスミッション122と同じ側ではなくこのような位置で電動モータ104を連結することによって、特に改造用途で、ハイブリッド駆動システム100の追加を簡易化することができる。さらに、トランスミッション122以前に電動モータ104を配置することで、電動モータ104はトランスミッション122のギア切換を利用して電動モータ104への負荷を低減することができる。たとえば、5速マニュアルトランスミッションを有する車両の場合、ギア位置が第1ギアから第5ギアに変更される際にギア比は約3.45〜約0.8間で変動する場合がある。よって、この例の場合、電動モータ104をトランスミッション122以前でクランク軸116に連結することで、電動モータ104は、同じ電動モータ104がトランスミッション122以降でクランク軸116に連結された場合の3.45倍の出力トルクを第1ギアで提供することができる。よって、このシステムは、電動モータ104がトランスミッション122以降でクランク軸116に連結された場合よりも小型の電動モータ104を使用して、特定の用途のトルク需要を満たすことができる。
【0016】
電動モータ104は、クランク軸116の回転を補助することによって内燃機関102を補助し、それにより、内燃機関102の駆動負荷を低減する、および/または内燃機関102の動力を補充する。内燃機関102の駆動負荷を低減することができるため、燃料消費量および/または排出率を向上させることができる。電動モータ104によって提供される補助の量、および/または電動モータ104によって補助が提供される期間は、ハイブリッド駆動システム100が使用されている用途の特定のニーズおよび/またはパラメータに応じて変動し得る。電動モータ104の補助により、内燃機関102の作動をより効率的な作動ゾーンへと移動させ、その結果、排出量の低減や燃料経済性の向上などを実現することができる。
【0017】
電動モータ104は通常、モータハウジング124と出力軸126とを含む。一例示の実施形態によると、電動モータ104は内燃機関102に対して、ハウジング124が内燃機関102の一方の側面に隣接し、出力軸126がクランク軸116に略平行となり、該クランク軸に並置されるように、配置される。図示される実施形態によると、電動モータ104は(車両の駆動方向に対して)内燃機関102の前方に配置され、プーリシステム126を介して内燃機関102に連結される。プーリシステム126は通常、第1のプーリ128と第2のプーリ130とを含む。第1のプーリ128はクランク軸116の第2の出力120に回転可能に連結され、第2のプーリ130は電動モータ104の出力軸124に回転可能に連結される。ベルト132として示される連結装置(たとえば、チェーンやストラップなど)が第1のプーリ126と第2のプーリ128との間に設けられる。
【0018】
各種別の実施形態によると、プーリシステムは、ギアシステムを含むがそれに限定されないその他のいずれかの適切な連結システムと置き換えることができる。図1Bを参照すると、別の例示の実施形態に係るハイブリッド駆動システム100が示されている。図示される実施形態では、電動モータ104は、ハウジング124の端部が内燃機関102の端部に対面し、出力軸126がクランク軸116の第2の出力120と少なくとも部分的に(たとえば、同軸状、同心状など)に整列するように、内燃機関102に対して配置される。自在継ぎ手136として示される軸継ぎ手(たとえば、自在ジョイントやカラーなど)が出力軸126と第2の出力120との間に設けられて、電動モータ104を内燃機関102に直接連結する。自在継ぎ手136は、出力軸126と第2の出力120の間のわずかな不一致も相殺するように構成される。図示される実施形態によると、自在継ぎ手136は第1のプーリ128に装着され、第1のプーリ128は内燃機関102によって回転可能に支持される。図1Aに関して上記に詳述した実施形態と同様、第1のプーリ128は、交流発電機と空調システムのコンプレッサとのうち、少なくとも1つに連結されるベルトを支持することができる。
【0019】
次に図2Aを参照すると、一例示の実施形態に係るハイブリッド車用のモータ制御システム200のブロック図が示されている。モータ制御システム200は、ハイブリッド駆動システム100と併せて上述したものと類似する、電動モータ205の1つまたはそれ以上の制御信号を生成および/または提供するように構成されるモータコントローラ204を含む。モータコントローラ204は、1つまたはそれ以上のプロセッサ(たとえば、マイクロコントローラ)と、モータ制御システム200によって利用される各種データ、および/または各種機能の実行のためにプロセッサにより実行される指示を記憶するように構成される1つまたはそれ以上のコンピュータ読取り可能媒体(たとえば、メモリ)とを、含むことができる。モータコントローラ204のメモリは、モータ205を制御する制御信号を生成するモータ制御モジュールを含むことができる。いくつかの実施形態では、モータ制御モジュールは、図3および4を参照してより詳細に説明される1つまたはそれ以上のモータ補助プロファイルに基づき、制御信号を生成することができる。モータコントローラ204は、エネルギー貯蔵素子203(たとえば、電池、キャパシタ、電池アレイ、および/または複数のキャパシタなど)によって供給されるエネルギーを管理するように構成することもできる。各種実施形態では、エネルギー貯蔵素子203は、1つまたはそれ以上の鉛酸電池、リチウムイオン電池、ニッケル水素電池、スーパーキャパシタ、および/またはその他の種類のエネルギー貯蔵素子を含むことができる。
【0020】
モータコントローラ204は、1つまたはそれ以上の車両入力201(たとえば、ブレーキ、クラッチ、車速、回転速度、温度など)を各種センサ、回路、および/またはその他の車両構成要素から受信することができる。いくつかの実施形態では、モータコントローラ204は車両入力201のうち1つまたはそれ以上に基づき、モータの制御信号を生成する、および/またはエネルギー貯蔵素子203からのエネルギーの使用を管理するように構成することができる。モータコントローラ204は、1つまたはそれ以上のシステム出力202を生成するように構成することができる。各種実施形態では、システム出力202は、モータコントローラへの動力を切り替えるモータコントローラ動力出力、故障を示す故障ランプ出力、モータコントローラシステム200に関する各種情報を(たとえば、車両のドライバや整備士などに)表示する表示出力、および/またはその他の種類の出力を含むことができる。
【0021】
次に図2Bを参照すると、一例示の実施形態に係る、1つの可能なモータ制御システム240のより詳細なブロック図が示されている。モータ制御システム240はモータコントローラ254(たとえば、比例積分微分(PID)コントローラ)を含む。モータコントローラ254は1つまたはそれ以上のプロセッサ262とメモリ264とを含む。メモリ264は1つまたはそれ以上のモジュール(たとえば、ソフトウェアモジュール)を含むことができる。メモリ264内に記憶されるモジュールは、1つまたはそれ以上の制御信号を生成してモータ260(たとえば、多相モータ、単相モータ、ACモータ、DCモータ、誘導モータなど)の作動を制御するように構成されるモータ制御モジュール268を含むことができる。モータ260は(たとえば、自在継ぎ手またはベルトによって)車両のエンジンに連結され、エンジンに補助を提供するように構成することができる。いくつかの実施形態では、モータ制御モジュール268は、図3および4についてより詳細に説明するような1つまたはそれ以上のモータ補助プロファイルに基づき、制御信号を生成することができる。
【0022】
モジュールは、1つまたはそれ以上のエネルギー貯蔵素子253によって提供されるエネルギーを管理するように構成されるエネルギー管理モジュール266も含むことができる。エネルギー貯蔵素子253は電池、キャパシタ、および/またはその他の種類の貯蔵素子を含むことができる。いくつかの実施形態では、エネルギー貯蔵素子253は、充電(たとえば、下り坂の惰性走行や制動中などに車両によって回生されるエネルギー)を一時的に保存するように構成されるキャパシタ255に電気的に連結することができる。エネルギー貯蔵素子253は、(たとえば、差込式ハイブリッドの場合)充電装置に接続することもできる。エネルギー管理モジュール266は、エネルギー貯蔵素子253内に残る利用可能な充電量を決定するように構成することができる。いくつかの実施形態では、エネルギー管理モジュール266は、単独で、あるいはモータ制御モジュール268と組み合わせて、エネルギー貯蔵素子253および/またはその他の車両作動条件における利用可能な充電量に基づきモータ260に提供される制御信号を変更するように構成することができる。
【0023】
モータコントローラ254は、エンジン、エネルギー貯蔵素子253、および/またはその他の車両構成要素から各種入力を受信するように構成することができる。入力はデジタル入力250(たとえば、ブレーキ、ハンドブレーキ、クラッチ、逆行、空調、イグニッション、節約モードやパワーモードなどのモード選択など)、調整および/または符号化された入力251(たとえば、車速センサ、エンジン速度センサ、エンコーダなど)、アナログ入力252(たとえば、モータ温度、エンジン温度、エネルギー貯蔵素子の温度、スロットル位置、マニホールド圧力、ブレーキ位置など)、および/または他の種類の入力を含むことができる。いくつかの実施形態では、入力250、251、および/または252は、絶縁体回路(たとえば、ガルバニ絶縁体)を介して絶縁することができる。入力250、251、および/または252で受信される情報は、各種車両センサ(たとえば、既存の車両センサ、モータ制御システム240による使用のために車両に追加されるセンサなど)から受信することができる。いくつかの実施形態では、入力250、251、および/または252は、2つのコントローラ間のリンクに接続するなどによって、2つまたはそれ以上のマイクロコントローラ(たとえば、エンジン制御または車両制御モジュール)間の通信リンクから受信することができる。このような実施形態では、コントローラ間のリンクは、コントローラ領域ネットワークバス(「CAN−バス」)リンクや、車両内の2つのコントローラ間の通信用の別の適切なプロトコルによるリンクとなるように構成することができる。
【0024】
モータコントローラ254は、インジェクタ出力256および/またはシステム出力257などの1つまたはそれ以上の出力(たとえば、デジタル出力やアナログ出力など)を生成するように構成することもできる。インジェクタ出力256は、エンジンへの燃料流を遅延させる、および/または制限するために、(たとえば、1つまたはそれ以上のコントローラを通じて)燃料インジェクタを制御するように構成される。いくつかの実施形態では、モータコントローラ254は、エンジン制御ユニットおよび/またはエンジン管理システムを修正せずに燃料インジェクタを制御するように構成することができる。システム出力257は、動力供給制御出力、モータコントローラ冷却ファン出力、故障ランプ出力、ポンプ出力、および/または車両の各種構成要素に情報を提供する、および/または車両の各種構成要素を制御するために使用されるその他の種類の出力を含むことができる。モータコントローラ254は、車両のドライバに対して(たとえば、車両のダッシュボードまたはその近傍のディスプレイ上に)表示するための表示情報258を生成するように構成することもできる。
【0025】
図3Aを参照すると、一例示の実施形態に係る、エンジン(たとえば、図1Aおよび1Bに示される内燃機関102)への補助を提供するモータ(たとえば、図1Aおよび1Bに示されるモータ104)を制御する工程300のフロー図が示されている。工程300は、エンジン、車両、および/またはハイブリッドシステム(たとえば、モータ、エネルギー貯蔵素子など)の1つまたはそれ以上の所定の作動条件でエンジンに補助を提供するようにモータを選択的に制御、および/または作動するために使用することができる。
【0026】
ステップ302で、工程300はエンジン、車両、および/またはハイブリッドシステムの1つまたはそれ以上の作動条件を監視する。モータコントローラは、線速度、回転速度(RPM)、エンジン負荷、加速および/または加速需要などの作動条件を監視することができる。モータコントローラは、車両速度センサ、エンジン速度(たとえば、回転速度)センサ、スロットル位置、ギア位置などのエンジンの作動条件を監視する際に使用される1つまたはそれ以上のセンサからの入力を受信することができる。モータコントローラは、モータによって提供される補助を決定する際に使用される1つまたはそれ以上のセットの作動条件を(たとえば、継続的にまたは定期的に)決定するように構成することができる。
【0027】
ステップ304で、モータによって提供される補助は、ステップ320で監視された各種作動条件に基づき選択的に決定される。この補助は各種作動条件で提供されるべき補助レベルを定義するモータ補助プロファイルに応じて決定することができる。一実施形態では、モータ補助プロファイルは、異なる線速度と回転速度で提供されるべき補助レベルを表すデータを有する(たとえば、モータコントローラに関連付けられるメモリに記憶される)参照テーブルであってもよい。ステップ302でモータコントローラによって観察される1セットの作動条件の場合、モータコントローラは、もしあれば、モータ補助プロファイルにおいて、モータに提供されるべき補助を参照するように構成することができる。次に、モータによって提供される補助は、観察された作動条件に最も密接に対応するモータ補助プロファイルに含まれる値に基づき設定することができる。たとえば、モータ補助プロファイルは、モータが20km/hの速度および3200rpmのRPMで低いレベルの補助(たとえば、ピークトルクの10%のモータ出力トルク)を提供すべきであることを示す値を含むことができる。別の例では、モータ補助プロファイルは、モータが50km/hの速度および1300pmのRPMでより高いレベルの補助(たとえば、ピークトルクの90%のモータ出力トルク)を提供すべきであると示すことができる。各種実施形態では、モータ補助プロファイルに反映される補助レベルは、加速需要、エンジン負荷、ギア位置などのその他の作動条件に基づくことができる。
【0028】
ステップ306で、ステップ304で決定された補助レベルに基づきモータの作動(たとえば、モータによって提供される補助)を制御するために信号が生成される。その信号は、ステップ302で観察された作動条件に関するモータ補助プロファイルから得られる値に基づき、生成することができる。その後、生成された信号は、モータの作動および/またはモータによってエンジンに提供される補助を制御するために、モータに送信することができる。
【0029】
いくつかの実施形態では、少なくともいくつかの作動条件に関して(たとえば、作動条件が加速の需要を示すときなど)、モータは、(たとえば、排出量および/または動力需要または加速における急増を示す)上記作動条件中に、短時間または短パルスで、モータの連続作動定格よりも高い電流(たとえば、ピークトルク)または高いトルク(たとえば、ピークトルク)で作動させることができる。いくつかの実施形態では、上記条件で補助を提供するようモータを作動させることのできる電流および/またはトルクはより高く、モータの連続定格の3〜4倍となり得る。たとえば、一実施形態では、50アンペア(「A」)の連続電流定格を有するモータは、180Aの電流レベルあるいはモータの連続50A定格を超える何らかの他の(たとえば所定の)値でパルスを発生させることができる。別の例では、30ニュートンメートル(「N−m」)の連続トルク定格を有するモータは、40N−mのトルクレベルで、またはモータの連続20N−m定格を超える何らかのその他の値でパルスを発生させることができる。短パルスの形状で高電流および/または高トルクでモータを作動させることによって、モータの連続定格よりも高い電流および/またはトルクレベルで作動中にモータに実質的損傷を負わせることなく、小型モータを利用することができる(たとえば、コスト節減や、モータと既存の構成要素との一体化の簡易化などがもたらされる)。モータがその定格連続値よりも高い電流および/またはトルクで作動される例示の実施形態を、図3Bを参照してより詳細に説明する。
【0030】
次に図3Bを参照すると、一例示の実施形態に係る、電動モータ(たとえば、図1Aおよび1Bに示されるモータ104)によってエンジン(たとえば、図1Aおよび1Bに示される内燃機関102)に提供される補助を決定する工程310のフロー図が示されている。工程310は、いかにしてモータが異なる駆動条件(たとえば、異なる線速度および/または回転速度で提供される補助の量)の下でエンジンを補助するかを定義するモータ補助プロファイルを決定するために使用することができる。モータは、決定されたモータ補助プロファイルに基づきエンジンに選択的補助を提供するように調整することができる。いくつかの実施形態では、(たとえば、モータ補助プロファイルに基づき)エンジンを補助するためにモータを使用することにより、エンジンをより効率的に作動することができる、および/または車両排出量の低減、燃料消費量の低減(すなわち、燃料経済性の向上)、車両動力の増大、および/またはその他の恩恵を提供することができる。
【0031】
工程310のステップ312で、エンジンを特徴付けるために、作動条件の範囲の全域で当該エンジンに関して排出量データが決定される(たとえば、収集または受信される)。排出量データは、一酸化炭素排出量、二酸化炭素排出量、炭化水素排出量、酸化窒素排出量、および/またはその他の車両排出量に関連するデータを含むことができる。いくつかの実施形態では、(たとえば、エンジン負荷、ギア位置、加速データなど、排出量データと異なるが、関連する)その他のデータを使用して、エンジン用のモータ補助プロファイルを決定することができる。各種類のエンジン(たとえば、ガソリン、ディーゼルなど)が、異なる排出量データ(たとえば、異なる排出量プロファイルまたは曲線)と関連付けられる。たとえば、小型ハッチバック車のエンジンは大型トラックのエンジンとは排出量データが異なる。ハイブリッドシステムが利用されるエンジンの各種類に関して、異なる排出量データまたは排出量プロファイルを決定することができる。
【0032】
一実施形態では、排出量データは、当該エンジンの排出量テストに基づき収集することができる。たとえば、特定の種類の1つまたはそれ以上のサンプルエンジン(たとえば、特定の自動車または車種ラインで使用されるエンジン)を排出量に関してテストすることができる。一実施形態では、排出量は、排気ガス分析装置またはその他の排出量測定装置を用いて(たとえば、車両の排気管で)排出量レベルを測定しつつ、線速度および/または回転速度(たとえば、毎分回転数(「RPM」))を測定するように構成される装置(たとえば、動力計)上でエンジンを稼働することによってテストすることができる。線速度および回転速度は本明細書ではそれぞれ速度およびRPMと称するが、各種実施形態では他の尺度の線速度および/または回転速度を使用することができると理解すべきである。
【0033】
排出量データは上記テストに基づき収集することができる。一実施形態では、排出量データは線速度、回転速度、およびエンジン排出量のうち少なくとも2つの間の関係を反映するように構成することができる。複数のサンプルエンジンがテストされる実施形態では、排出量データは、最も望ましい、および/または正確な結果または複数の結果、あるいは複数の結果の組み合わせ(たとえば、複数の結果の平均や複数の結果の標準偏差など)の選択に基づき収集および/または算出することができる。一実施形態では、排出量データに基づき作成されたモータ補助プロファイルは、テストされた複数のまたはすべての種類のエンジン(たとえば、テストされたエンジンを利用する全種類または全車種ラインの自動車)に関して使用することができる。テストの測定値に基づきエンジンの排出量データを決定することによって、エンジンおよび/または車両の所定の排出量データにアクセスするために個人または事業体がモータ補助プロファイルを作成する(たとえば、「ブラックボックス」環境でモータ補助プロファイルを作成する)必要性を低減または排除することができる。他の例示の実施形態では、エンジンおよび/または車両の所定の排出量データは(たとえば、エンジンおよび/または車両メーカによって)提供される場合もあり、提供された排出量データを用いてモータ補助プロファイルを作成することができる。
【0034】
いったん当該エンジンに関する排出量データが得られたら、排出量データが分析され、排出量データの分析に基づきモータ補助プロファイルが作成される(ステップ314)。モータ補助プロファイルは、エンジンの効率を向上させ、排出量を低減するためにモータにエンジンの補助を指示するように設計することができる。図3Cを参照すると、一例示の実施形態に係る特定のエンジンの効率を表す輪郭グラフ350が示されている。グラフ350のx軸は、最小RPMと最大RPMとの間を%単位で回転速度を表している。グラフ350のy軸は、最小負荷と最大負荷との間を%単位でエンジン負荷(たとえば、マニホールド絶対圧力(MAP))を表す。グラフ350は、エンジンが各種レベルの効率で作動する複数のゾーン352〜370を含む。エンジンは、ゾーン352で駆動しているときに最も効率的に作動する。このゾーンは比較的高い負荷と比較的低いRPMとに相当する。グラフ350に示されるようなエンジン負荷は車速に関連している。通常、車速が上昇すれば、エンジン負荷も増加する。エンジンがゾーン352以外の各ゾーンで作動している間、エンジンの効率は順次低下していく。たとえば、2番目に効率的な作動ゾーンは、グラフ350においてゾーン352のすぐ隣のゾーン354である。3番目に効率的な作動ゾーンはゾーン356であり、4番目はゾーン358であり、5番目はゾーン360などである。最も非効率なゾーン(たとえば、エンジンが最大レベルの排出量を排出し、燃料を最も消費するゾーン)はゾーン372である。いくつかの実施形態では、工程310は、エンジンに補助を提供し、作動を効率の低いゾーンからより効率的なゾーンへとシフトさせるためにモータ補助プロファイルを利用することができる。
【0035】
次に図3Dを参照すると、一例示の実施形態に係る(たとえば、図3Bの例示の実施形態のステップ312で得られた)サンプルエンジンまたは車両に関する排出量データを表すグラフ375が示されている。グラフ375は、排出量軸382を参照して決定された排出量を表す排出量曲線380を含む。排出量軸382は、最小排出量レベル(たとえば、100万分の1での)と最大排出量レベルとの間の排出量を%点で表す。図示される例示の実施形態における排出量曲線380に反映される排出量は一酸化炭素排出量である。他の例示の実施形態では、排出量は、二酸化炭素排出量、炭化水素排出量、亜酸化窒素排出量、または他の種類の排出量であってもよい。グラフ375は速度(たとえば、線速度)曲線384も含み、この曲線384は、速度軸386を参照して車速を表す。速度軸386は、最低速度(たとえば、毎時キロメートル(「km/h」))と最高速度との間の線速度を%点で表す。グラフ375は、テストが行われている時間を示す時間軸388をさらに含む。時間軸388は、テスト開始時間(たとえば、秒で)からテスト終了時間までの%点で時間を表す。図示される例示の実施形態では、車両はそのギア範囲を通じて、低速から高速へ段階的に進行した。各ギアに関し、車両は低速で稼働され、高速のギアに達するまで速度は上昇し(たとえば、固定または可変単位で)、高速のギアに達した時点で車両が次の最高ギアにシフトされる。この工程を5つのギアで繰り返した。時間軸388上の点390は車両が第1ギアから第2ギアにシフトされた時間を反映し、点392は第2ギアから第3ギアへのシフトを、点394は第3ギアから第4ギアへのシフトを、点396は第4ギアから第5ギアへのシフトを反映している。各種例示の実施形態では、排出量データを得るために他のテストまたは例示のテストの変形を使用する場合もある。
【0036】
再度図3Bを参照すると、モータからの補助が提供されるべきエンジン作動条件、および/または提供される補助のレベルまたは量は、排出量データに基づき決定され、モータ補助プロファイルがその決定に基づき作成される(ステップ314)。エンジンの作動条件の1つまたはそれ以上の範囲(たとえば、線速度および回転速度の範囲)にわたって補助は提供することができる。補助のレベルは、1つまたはそれ以上の範囲間および/または単独の範囲内で変動し得る。たとえば、20km/h〜90km/hの速度範囲および/または1000rpm〜3700rpmのRPM範囲で補助を提供すべきであると決定することができるが、特定の速度でRPMが低い小範囲(たとえば高ギアについて)では、同じ速度でRPMが高い小範囲(たとえば、低ギアについて)よりも多くの補助が提供されるべきである。
【0037】
別の例では、図3Dのグラフ375に反映されている例示のエンジンの場合、RPMが低い点398では、RPMが高い点397よりも大きい補助が提供されるべきであると決定することができる。高速であるほど、同じ速度で作動する高いギアよりは、低いギアであるほうが高いRPMで作動する。たとえば、点392の直前の点397では、エンジンは、点392の直後の点398において第3ギアで同じ速度で作動するよりも高いRPMで、第2ギアで作動する。点398でより大きな補助を提供することのほうが、点397でより大きな補助を提供することよりもエンジンの効率効果を高めることができる。というのは、(排出量曲線380に反映されているように)RPMは同速では点397よりも点398で低く、排出量は高いからである。
【0038】
モータからエンジンに補助を提供することで、エンジンは、それが車両に駆動力を提供する唯一の構成要素である場合に可能なRPMよりも低いRPMで作動しつつ、所望の速度および/または加速を達成することができる。たとえば、図3Cのグラフ350を参照すると、(たとえば、図3Dのグラフ375の点397および/または398で)補助を提供することによって、エンジンの作動を効率の低いゾーン(たとえば、ゾーン368)からより効率的なゾーン(たとえば、ゾーン362)へとシフトさせることができる。
【0039】
いくつかの実施形態では、補助はすべてのエンジン作動条件の範囲を通じてモータによって提供することができるが、補助の程度(たとえば量)は作動条件に基づき変動させることができる。いったん補助の適切な範囲および/またはレベルが決定されれば、モータによって提供されるべき決定された補助を反映するモータ補助プロファイルが生成される。モータ補助プロファイルは、モータおよび/またはモータコントローラに関連付けられるメモリに記憶することができ、(たとえば、モータ制御アルゴリズムによって)モータが補助を提供すべき作動条件および補助レベルを決定するために利用することができる。
【0040】
いくつかの実施形態では、加速中など、動力の急増が望まれる(たとえば、排出量データが一時的に高い排出量すなわち排出量の急上昇を示す)作動条件中に、より大きな補助をエンジンに提供することができる。図3Dのグラフ375を調べると、(速度曲線384に反映されるように)車両が(たとえば、急に)低速から高速に加速する場合には排出量曲線380の急上昇が示されている。これらの作動条件では、排出量曲線380に反映される排出量の一時的上昇に対抗し(たとえば、モータ補助なしの場合よりも一時的上昇が小さくなる、あるいは振幅が小さくなるように)、より大きな動力を提供するように、さらに大きな補助をモータから提供することができる。
【0041】
いくつかの実施形態では、モータは、(たとえば、図3Aを参照して上述したように)このような作動条件中のモータの連続作動定格よりも、短時間または短パルスで、高電流(たとえば、ピークトルク)または高トルク(たとえば、ピークトルク)で作動させることができる。各種実施形態によると、パルスの持続期間および/または振幅は、エンジン負荷需要(たとえば、加速)および/または排出量データに依存する場合もある。たとえば、排出量データが排出量において大きい、または長い急増を示す場合、排出量における急増が少ないまたは短い場合に比べて、印加されるパルスの振幅または寸法および/または持続期間が大きくなる場合もある。いくつかの実施形態では、動力需要の変化率が一定のレベルを超過する場合(たとえば、加速が一定の閾値を超える場合)にのみ、パルスを印加することができる。他の実施形態では、パルスは車両が加速を求められる場合は常に印加することができる、および/またはパルスの振幅および/または持続期間を動力需要の変化率(たとえば、加速)に依存させることができる。
【0042】
各種実施形態では、モータコントローラは、モータを損傷から保護するためにパルスの持続期間および/または振幅を制限するように構成することができる。いくつかの実施形態では、パルスの振幅は、モータに提供される電流および/またはトルクが、モータの推奨ピーク電流および/または推奨ピークトルク(たとえば、モータの連続電流定格の2〜5倍)を超過しないように制限することができる。他の実施形態では、パルスの持続期間(たとえば、電流および/またはトルクが連続定格を超えている期間)はモータの温度によって制限することができる。たとえば、モータ温度入力が、モータが温度閾値(たとえば、モータが損傷を受ける可能性のある温度)に近づいていることを示す場合、モータコントローラはパルスの持続期間を短縮する、あるいはパルスを切断するように構成することができる。
【0043】
別の実施形態では、各種エンジン作動条件で提供する補助は、車両が1つまたはそれ以上の作動条件の範囲内で駆動されると予測される頻度に基づいて決定することができる。たとえば、車両が20km/h未満などの低速で駆動されることはあまりない(たとえば、20km/hよりも低い制限速度の道路はほとんど存在せず、ドライバは通常の駆動速度よりもかなり迅速に車両を加速させる傾向にあるため)。この低速度範囲内の速度では補助をほとんど、または全く提供しないと決定することができる。別の実施形態では、速度がこの低速度範囲内にありRPMが高範囲(たとえば、2500RPM以上)にある作動条件では、補助をほとんどまたは全く提供しないと決定することができるが、速度がこの低範囲内にあり、RPMが低範囲(たとえば、1000RPM〜2500RPM)内にある作動条件では、より大きな補助を提供することができる。
【0044】
車両は、第2〜第4または第5ギア(たとえば、第5ギアの低範囲)で通常作動している速度などの、中間速度範囲(たとえば、20km/h〜80km/h)で駆動されていることが比較定期多い。たとえば、多くの道路はこの中間速度範囲に速度制限を掲げている。いくつかの実施形態では、モータは、この中間速度範囲でエンジンに大きな補助を提供するように構成することができる。別の実施形態では、モータは、この中間速度範囲内では、RPMが低い作動条件下よりもRPMが高い作動条件下で(たとえば、エンジンの排出量により大きな影響を与える、および/またはこうした条件下でエンジンをより効率的な作動ゾーンに移動させるために)、より高い補助レベルを提供するように構成することができる。
【0045】
さらに別の実施形態では、補助を提供する決定は、モータが利用可能な電池パワーおよび/または電池の充電があまりにも早く枯渇しないように電池パワー節減の要望に少なくとも部分的に基づくことができる。いくつかの実施形態では、補助の決定は、エンジン効率および/または排出量削減を、電池の充電が利用可能である時間および/または距離とバランスを取って行うことができる。たとえば、速度が非常に高い範囲(たとえば、90km/h超)にある作動条件では、排出量が非常に高い可能性があるが、補助の提供で電池が急速に枯渇する場合があるため、このような条件ではほとんど補助は提供されない。いくつかの実施形態では、速度が高速度範囲内で上昇するにつれ、補助を次第になくしていくことができる。
【0046】
いくつかの実施形態では、モータ補助は、モータが追加のトルクを提供して速度の低下に合わせて車両を低いRPMで作動させる(たとえば、低ギアへのシフトなしで車両を減速させる)ように定義することができる。通常作動時(たとえば、モータからの補助なし)、エンジンは高ギア(たとえば、第4ギア)では低速(たとえば、10km/h)で作動することができない。ユーザが同じギアで維持できるように(たとえば、ユーザがエンストを避けるためにシフトダウンをする必要がないように)車両が減速される際にモータ補助を提供することができる。これにより、エンジンは高RPMで作動する1つまたはそれ以上の追加のギアを経て進む代わりに、(たとえば、一貫して)低RPMかつ低速で作動することができる。
【0047】
いったんモータ補助プロファイルが作成されれば、モータ補助プロファイルは(たとえば、モータコントローラと関連して)ハイブリッドシステム内で実行することができ、作動条件(たとえば、速度とRPM)の範囲全体にわたるモータからの補助を伴うエンジンの排出量データが決定される(ステップ315)。いくつかの実施形態では、一貫性を持たせるため、ステップ315で排出量の決定に使用されるテスト(たとえば、作動パラメータの範囲や検査機器など)は、ステップ312で排出量を決定するのに利用されたテストに実質的に類似していてもよい。
【0048】
ステップ315で決定された排出量データは、モータ補助プロファイルへのさらなる変更が望まれるか否かを決定するように検査および/または分析することができる(ステップ320)。1つまたはそれ以上の作動条件の範囲についてステップ315で決定された排出量データに反映されるよりも排出量の低減量が大きい場合、さらなる変更が実行される。ステップ315で決定された排出量データが、作動条件の1つまたはそれ以上の範囲について所望するよりも大きな排出量低減を反映する場合も変更が望ましく、電池パワーを節減するためにモータ補助の低減を実行することができる。モータ補助プロファイルへのさらなる変更が望まれる場合、モータ補助プロファイルは所望の変更を実行するように調節することができ(ステップ325)、工程310はステップ315に進んで、調節されたモータ補助プロファイルに定義されるようにモータによって補助が提供されるエンジンの排出量データを再度決定することができる。モータ補助プロファイルへの更なる変更が望まれない場合、ハイブリッドシステム(たとえば、モータおよび/またはモータコントローラ)はモータ補助プロファイルに基づき調整される、および/または構成される(ステップ330)。
【0049】
図3Bに示される例示の実施形態の各種ステップは、排出量データに基づき実施されると記載されている。しかしながら、他の例示の実施形態では、類似のステップ(たとえばデータの分析およびモータ補助プロファイルの作成)はその他の種類のデータまたは車両情報に基づくことができる。たとえば、一実施形態では、エンジン負荷データに基づき(たとえば、エンジン負荷が高い作動条件ほど大きな補助が提供され、エンジン負荷が低い作動条件ほど小さな補助が提供されるように)モータ補助プロファイルを作成することができる、および/または補助を変動させることができる。別の実施形態では、ギア位置に基づき(たとえば、第1ギア、第2ギア、第3ギアなど、いくつかのギアで残りのギアよりも大きな補助が提供されるように)モータ補助プロファイルを作成することができる、および/または補助を変動させることができる。さらに別の実施形態では、加速データおよび/または加速器(たとえば、ガスペダル)位置に基づきモータ補助プロファイルを作成することができる、および/または補助を変動させることができる。
【0050】
次に図4Aを参照すると、一例示の実施形態に係る、予測駆動範囲に基づきモータによってエンジンに提供される補助を決定する工程400のフロー図が示されている。制限された量の動力がエネルギー貯蔵素子(たとえば、電池および/またはキャパシタ)から利用可能であり、この動力を用いてエンジンへ補助を提供するためにモータを駆動させる。たとえば、差込式ハイブリッドは、ハイブリッドモード(たとえば、モータ補助あり)での充電サイクル間に制限された距離のみを移動することができる。その距離は、モータによって提供されている補助の量に依存することができる。ハイブリッドシステムは一定の条件下で(たとえば、下り坂の惰性走行中や制動中など)エネルギー貯蔵素子に動力を回生するように構成することができるが、動力が回生される条件は、利用可能な充電量が枯渇し、モータがもはやエンジンに補助を提供できなくなる前に、車両がさらに制限された距離のみを移動できるように、限定することができる。
【0051】
補助は、特定の概算距離にわたり補助を提供するように最適化された(たとえば、上述の工程300などの工程により作成される)モータ補助プロファイルに基づき提供することができる。しかしながら、車両のドライバは、異なる時間に異なる距離にわたって車両を作動することを望む場合がある。工程400を用いて、駆動範囲(たとえば、駆動距離)は過去の駆動データに基づき予測することができ、モータ補助プロファイルがその予測駆動範囲に基づき選択され、そのモータ補助プロファイルをモータにより提供される補助を制御するのに使用することができる。たとえば、長い駆動範囲が過去の情報に基づき予測されると、すべての利用可能エネルギーが行程の早い時期に枯渇してしまわず、モータが駆動範囲の大部分または全体にわたって補助を提供できるように、モータ補助プロファイルは長い駆動範囲に合わせて選択、および/またはカスタマイズされる。短い駆動範囲が予測されると、利用可能エネルギーの大部分または全部が利用され、モータが駆動範囲すべてにわたってより大きな補助を提供できるように、モータ補助プロファイルは短い駆動範囲に合わせて選択、および/またはカスタマイズされる。工程400は、変動する駆動範囲においてハイブリッドシステムの効率を高め、ハイブリッドシステムの汎用性を向上させるのに役立つことができる。さらに、工程400によって、モータにより提供される補助は、車両のユーザからの入力を必要とせず、知的に構成される。
【0052】
各種実施形態では、工程400の1つまたはそれ以上のステップは、手動で(たとえば、人間によって)実行することができる、および/またはコンピュータ(たとえば、1つまたはそれ以上のコンピュータ読取り可能媒体(たとえば、メモリ)内に記憶され、1つまたはそれ以上のプロセッサによって実行可能な指示を介して)実施することができる。たとえば、工程400の各種ステップは、図2Aの例示の実施形態について説明されたモータコントローラ204および/または図2Bの例示の実施形態について説明されたモータコントローラ254などのモータコントローラによって実行することができる。
【0053】
ステップ401で、(たとえば、モータコントローラ204および/または254などのモータコントローラによって実行される)工程400は、モータを駆動し、エンジンを補助するのに利用可能なエネルギー量を決定する。モータコントローラは、エネルギー貯蔵素子の充電状態入力などの1つまたはそれ以上の入力(たとえばハイブリッドシステム入力)を利用して利用可能なエネルギーを決定するように構成することができる。いくつかの実施形態では、利用可能なエネルギーは、エネルギー貯蔵素子内に保存される総エネルギーと等価でなくともよい。ハイブリッドシステムは、たとえば、エネルギー貯蔵素子の損傷を回避するために、エネルギー貯蔵素子が一定の最大放電深度(「DOD」)(たとえば、50%のDOD、60%のDOD、70%のDODなど)を超えるのを防ぐように構成することができる。最大放電深度は、エネルギー貯蔵素子、モータ、エンジン、車両、および/またはその他の要因の特徴に基づき決定することができる。利用可能な充電量は、開始DODと最大DODとの差に基づき決定することができる。たとえば、電池の最大DODが電池の総容量の60%と決定され、駆動サイクルの開始時の開始DODが10%である場合、駆動サイクルの経過全体にわたってモータ補助を提供するのに利用可能な充電量は電池の総容量の50%と決定することができる。いくつかの実施形態では、最大DODおよび/または利用可能エネルギーは、電池温度、電池寿命、モータ寸法、および/またはその他の要因などの要因に基づき決定することができる。
【0054】
放電深度は、エネルギー貯蔵素子の保存容量のどの程度が使い果たされたかを示す尺度である。いくつかの実施形態では、補助を提供するために利用可能エネルギーは、エネルギー貯蔵素子の充電状態(「SOC」)に基づき決定することができる。エネルギー貯蔵素子のSOCはそのDODに反比例する。利用可能エネルギーは、エネルギー貯蔵素子の開始SOCと決定された最小SOCとの差に基づき決定することができる。たとえば、最小SOCが電池の総容量の40%であり、開始SOCが90%である場合、モータ補助を提供するために利用可能な充電量は電池の容量の50%と決定することができる。
【0055】
ステップ402で、モータコントローラ(たとえば、モータコントローラ204および/または254)は、モータによってエンジンに提供されるべき補助を確定する際に使用される駆動範囲を予測するように構成される。いくつかの実施形態では、モータコントローラは、駆動サイクルの開始時に(たとえば、エネルギー貯蔵素子が充電された後にいったん車両がオンになると)駆動範囲を予測するように構成することができる。他の実施形態では、モータコントローラは、駆動サイクル中に(たとえば、実際の駆動範囲が予測駆動範囲を超えそうであると決定されると)駆動範囲の予測を修正するように構成することができる。一実施形態では、駆動範囲は、(たとえば、自動範囲決定モードで)駆動範囲履歴データ、あるいは以前の駆動サイクル(たとえば、以前の隣接する充電サイクル間の)または以前の複数日に駆動された距離に関連するデータに基づき予測することができる。駆動範囲履歴データは、長期間(たとえば、複数日および/または複数の駆動サイクルにわたって)蓄積することができ、モータコントローラによってアクセス可能なメモリに記憶することができる。駆動範囲履歴データは、(たとえば、走行距離計からの)距離データ、(たとえば、モータコントローラのクロック回路からの)時間データ、(たとえば、電池充電器からの)電池充電データなどの各種入力に基づくことができる。一実施形態では、モータコントローラは、以前の複数日(たとえば、90日間)の各日に駆動された距離の記録をメモリに記憶するように構成することができる。別の実施形態では、モータコントローラは、複数の駆動サイクル(たとえば、隣接する充電間)のそれぞれの間に駆動された距離の記録をメモリに記憶するように構成することができる。
【0056】
メモリに記憶された過去の駆動データは、モータ補助を決定する際に使用される駆動範囲を予測するために処理することができる。いくつかの実施形態では、予測駆動範囲は、最近の駆動範囲履歴データの平均や標準偏差などに基づき算出することができる。たとえば、モータコントローラは、以前の20日間について駆動範囲履歴の平均として予測駆動範囲を算出することができる。他の実施形態では、駆動範囲は、現在の日付または曜日に基づき予測することができる。たとえば、火曜日の駆動範囲を予測するには、モータコントローラは、以前の複数の平日(たとえば、就業日)の駆動範囲を検討する(たとえば、平均を取る)ように構成することができる。土曜日の駆動範囲を予測するには、モータコントローラは、以前の複数の週末(たとえば、非就業日)の駆動範囲履歴を検討するように構成することができる。いくつかの例では、ユーザが、特定の曜日や日付などに発生する定期的事象に参加する場合がある。いくつかの実施形態では、駆動範囲は、定期的事象が発生した以前の複数日を検討することによって、定期的事象が発生する日を予測することができる。たとえば、ユーザが水曜日に定期的事象を有する場合、モータコントローラは最近の水曜日の駆動範囲履歴に基づき駆動範囲を予測するように構成することができる。ユーザが毎月第2木曜日に定期的事象を有する場合、モータコントローラは、過去6ヶ月間の各月の第2木曜日の駆動範囲履歴データを検討することによって駆動範囲を予測することができる。各種実施形態では、駆動範囲はその他の各種検討事項に基づき予測することができる。駆動範囲履歴データの構成と駆動範囲の予測を、各種例示の実施形態に係る図5A〜5Eを参照してさらに詳細に説明する。
【0057】
いくつかの実施形態では、駆動範囲は、駆動範囲履歴データにおける1つまたはそれ以上の傾向の分析に基づき予測することができる。モータコントローラは、以前の駆動サイクル(たとえば、複数日)中の駆動範囲履歴データを分析し、2またはそれ以上の駆動サイクル中の範囲履歴間の類似性を特定するように構成することができる。モータコントローラは、特定の以前の期間または特定数の以前の駆動サイクル中の駆動範囲履歴データを検討し、互いに一定の許容誤差内に収まる範囲履歴を特定するように構成することができる。モータコントローラは、それらの範囲履歴中の日付、曜日、複数の駆動サイクルにおける傾向などを比較し、類似の範囲履歴が生じた時に関する相関関係または傾向があるか否かを決定するように構成することができる。傾向が存在する場合、モータコントローラはその傾向を認識し、許容誤差の範囲内にある範囲履歴に基づき、その傾向に属する日の駆動範囲を予測することができる。
【0058】
各種実施形態では、モータコントローラは、異なる傾向を認識するように構成することができる。たとえば、ユーザは毎週月〜木曜日(たとえば、職場への通勤)に比較的固定された駆動範囲内で駆動するかもしれない。モータコントローラは、一定の期間(たとえば、30日)内の月〜木曜日間の大半の日の駆動範囲が、類似の値範囲(たとえば、50kmの7km以内または43km〜57kmなどの、共通値の一定の許容誤差内)に収まると特定するかもしれない。その後、モータコントローラは、月〜木曜日の1日の駆動範囲が類似の駆動範囲に収まる可能性が高いと決定し、類似の範囲値内に収まる駆動範囲を予測することができる。たとえば、モータコントローラは、月〜木曜日に当たり、共通値の許容誤差の範囲内にある以前の複数日についての範囲平均として予測駆動範囲を算出することができる。別の実施形態では、モータコントローラは、定期的に発生する(たとえば、毎週、毎月など)駆動範囲履歴に関連する傾向を認識するように構成することができる。このような傾向は毎週の会合などの定期的事象に相当する場合がある。たとえば、ユーザは、毎週火曜日に遠隔地で会合に出席し、ユーザの通常の駆動範囲に約20kmを追加する場合がある。モータコントローラは、ユーザが毎週火曜日は他の平日や就業日よりも約20km長く移動することを特定するように構成することができる。モータコントローラは、(たとえば、定期的な駆動範囲の傾向に基づきモータコントローラによって特定されるように)ユーザが会合に出席した以前の火曜日の運転範囲履歴データに基づき、ユーザが会合に出る火曜日の駆動範囲を予測するように構成することができる。
【0059】
ステップ403で、モータ補助プロファイルは、ステップ401で決定された利用可能エネルギーおよび/またはステップ402で予測された駆動範囲に基づき決定される。一実施形態では、それぞれが異なる利用可能エネルギーレベルおよび/または予測駆動範囲に関連付けられる複数のモータ補助プロファイルが(たとえば、モータコントローラの)メモリに記憶され、適切なモータ補助プロファイルが記憶されたプロファイルの中から選択される。複数のモータ補助プロファイルはそれぞれ、特定の利用可能エネルギーレベルおよび/または予測駆動範囲に基づく、および/またはそれに合わせて最適化することができる。大量の利用可能エネルギーおよび/または短い駆動範囲に関連付けられるモータ補助プロファイルは、小量の利用可能エネルギーおよび/または長い範囲に関連付けられるモータ補助プロファイルよりも、作動条件の範囲全体にわたって高い補助レベルを提供することができる。モータに動力を供給するのに利用可能な充電量が減少する、および/またはモータ補助プロファイルに関連付けられる範囲が増加するにつれ、結果的に恩恵(たとえば、排出量、燃料経済性など)が低減するような状況および/または作動条件において補助を低減するように、補助を選択的に低減させ、利用可能な電池充電量を引き延ばすことができる。
【0060】
いくつかの実施形態では、各モータ補助プロファイルは、1つの利用可能エネルギーレベルと1つの予測駆動範囲とに基づくことができる。たとえば、1つのモータ補助プロファイルは、エネルギー貯蔵素子の容量60%の利用可能エネルギーレベルと50kmの予測駆動範囲とに関連付けることができる。別のモータ補助プロファイルは、エネルギー貯蔵素子の容量40%の利用可能エネルギーレベルと80kmの予測駆動範囲とに関連付けることができる。各利用可能エネルギーレベルに関して複数のプロファイルを設け、そのそれぞれが異なる予測駆動範囲に関連する場合もある。各予測駆動範囲に関して、複数のプロファイルを設け、それぞれが異なる利用可能エネルギーレベルに関連する場合もある。他の各種実施形態では、各モータ補助プロファイルは利用可能エネルギーレベルおよび/または予測駆動範囲の一方または両方に基づくことができ、プロファイルが明確には基づいていない要因に基づき修正することができる。たとえば、一実施形態では、モータ補助プロファイルは、60kmの予測駆動範囲とエネルギー貯蔵素子が完全に充電されているという仮定とに基づくことができる。エネルギー貯蔵素子が完全に充電されていない場合、(たとえば、特定の作動条件での補助を低減または排除することによって)モータ補助プロファイルを修正することができる。
【0061】
各利用可能エネルギーレベルおよび/または予測駆動範囲のモータ補助プロファイルは、図3Aに示される例示の実施形態を参照して説明される類似の方法および/または検討事項に基づき作成および/またはカスタマイズすることができる。いくつかの実施形態では、高予測駆動範囲および/または低利用可能エネルギーレベルのモータ補助プロファイルは、低予測駆動範囲および/または高利用可能エネルギーレベルを有するモータ補助プロファイルと比較して、1つまたはそれ以上の作動条件で提供される補助を低減することによって生成することができる。たとえば、(たとえば、排出量および/または燃料経済性に対する)補助の恩恵効果が低い1つまたはそれ以上の作動条件で提供される補助レベルを低減することができる。さらに、低予測駆動範囲および/または高利用可能エネルギーレベルのモータ補助プロファイルは、高予測駆動範囲および/または低利用可能エネルギーレベルに関連付けられるモータ補助プロファイルと比較して、1つまたはそれ以上の作動条件で提供される補助を増加させることによって生成することができる。たとえば、補助の恩恵効果が高い1つまたはそれ以上の作動条件で提供される補助レベルを上昇させることができる。
【0062】
他の実施形態では、異なるモータ補助プロファイルを用いて異なる作動条件で補助を提供することができる。たとえば、いくつかの実施形態では、低予測駆動範囲および/または高利用可能エネルギーレベルを有するモータ補助プロファイルと比較して、1つまたはそれ以上の作動条件を排除することによって、高予測駆動範囲および/または低利用可能エネルギーレベルのモータ補助プロファイルを生成することができる。たとえば、(たとえば、排出量および/または燃料経済性に対する)補助の恩恵効果が低い1つまたはそれ以上の作動条件では、補助を提供しないということもできる。さらに、低予測駆動範囲および/または高利用可能エネルギーレベルのモータ補助プロファイルは、高予測駆動範囲および/または低利用可能エネルギーレベルを有するモータ補助プロファイルに従って補助が提供されない1つまたはそれ以上の作動条件で補助を提供することによって、生成することができる。たとえば、補助の恩恵効果が高い1つまたはそれ以上の作動条件について補助を追加することができる。
【0063】
次に図4Bを参照すると、一例示の実施形態に係る、例示のセットのモータ補助プロファイルに関する異なる利用可能エネルギーレベルおよび異なる予測駆動範囲で提供され得る平均補助を示す、モータ補助の表410が示されている。表410は、異なる予測駆動範囲(たとえば、40km、60km、80km、および100km)を表す4つの列と、異なる利用可能エネルギーレベル(たとえば、エネルギー貯蔵素子の総容量のパーセンテージとして表される)を表す4つの行とを含む。表410の各セルに表される値は、異なる予測駆動範囲および異なる利用可能エネルギーレベルに関する駆動サイクル(たとえば、充電サイクル間の時間)全体にわたって提供される平均補助を表す。表410では、60kmの予測駆動範囲と70%の利用可能な充電量(たとえば、フル充電を表す)が基本条件を表し、その他の条件での平均補助は、この基本条件を基準として提供される。たとえば、利用可能エネルギーが70%と決定され、予測駆動範囲が40kmである場合、駆動サイクル全体にわたって提供される平均補助は120%であろう、すなわち60kmの予測駆動範囲で提供される平均補助よりも20%大きくなるであろう。利用可能エネルギーが55%と決定され、予測駆動範囲が60kmである場合、平均補助は80%であろう、すなわち70%の利用可能エネルギーレベルで提供される平均補助よりも20%低くなるであろう。その他の各種条件は結果的に、表410に示されるように異なる平均補助レベルをもたらす。表410は、モータによって提供される補助が利用可能エネルギーレベルおよび/または予測駆動範囲に基づき変動する場合があることを示すために提示されており、補助がいかに異なる条件下で変動し得るかを示す一例に過ぎない。各種例示の実施形態では、補助が提供される作動条件および/または異なる各種方法で補助の程度を変動し得ると認識すべきである。さらに、利用可能エネルギーレベル、予測駆動範囲、および/または補助レベル間の段階的変化は各種例示の実施形態において変動し得ると認識すべきである。このような変形はすべて本開示の範囲に含まれると意図される。
【0064】
次に図4C〜4Fを参照すると、一例示の実施形態に係る、それぞれが異なる予測駆動範囲に関連付けられるいくつかのモータ補助プロファイルにしたがって提供される補助がグラフで示されている。特に図4Cを参照すると、一例示の実施形態に係る、最短の予測駆動範囲(たとえば、40km)に関するモータ補助プロファイルに対応するグラフ420が示されている。グラフ420は、回転速度軸424(たとえば、最小RPMと最大RPMとの間の%点として示される)とモータ駆動電流軸422(たとえば、最小駆動電流と最大駆動電流との間の%点として示される)とを含む。いくつかの実施形態では、軸422は、モータの出力トルク(たとえば、出力トルクが駆動電流に比例するとき)を表すことができる。グラフ420は、第1ギア、第2ギア、第3ギア、第4ギア、および第5ギアにおける異なるRPMレベルで提供される補助をそれぞれ表す複数の曲線426、428、430、432、および434も含む。次に図4D〜4Fを参照すると、例示の実施形態に係るグラフ440、460、および480がそれぞれ示されている。グラフ440、460、および480は、段々と長くなる予測駆動範囲(たとえば、60km、80km、および100km)のモータ補助プロファイルにそれぞれ対応する。グラフ420、440、460、および480を比較すると、補助が各種例示の実施形態の予測駆動範囲に基づき選択的に変更される様子がわかる。たとえば、グラフ440では、グラフ420の場合よりも第1ギアで少ない補助を提供することができる(たとえば、40km範囲の場合の第1ギア曲線426と60km範囲の場合の第1ギア曲線446とを比較する)。中間範囲のギア(たとえば、第2、第3、および/または第4ギア)で提供される補助は、40km〜60kmの範囲で比較的一定に保持することができる(たとえば、40kmの範囲の曲線428、430、および/または432と、60kmの範囲の曲線448、450、および/または452とを比較する)。図4Eおよび4Fを参照すると、モータ補助プロファイルは、より大きな予測駆動範囲の一定の作動条件(たとえば、第1および/または第5ギア)での補助を、その他の作動条件(たとえば、第2、第3、および/または第4ギア)での補助を低減する前に、選択的に低減するように設計することができる。
【0065】
図4C〜4Fはギア位置に対する補助レベルを示すが、モータによって提供される補助は各種作動条件(たとえば、線速度、回転速度など)に基づくことができ、必ずしもギア位置に基づかなくてもよいことを認識しておくべきである。グラフ420、440、460、および480は、モータによって提供される補助が予測駆動範囲に基づき、いかに変動し得るかを例示するために示されており、異なる条件下でいかに補助が変動し得るかを示す例にすぎない。各種例示の実施形態は補助が提供される作動条件および/または補助の程度を様々に変動させることができると認識すべきであり、このような変形はすべて本開示の範囲に含まれると意図される。
【0066】
再度図4Aを参照すると、ステップ404で、モータコントローラは、ステップ403で決定されたモータ補助プロファイルに基づきモータの作動を制御する制御信号を生成するように構成される。生成された制御信号はモータに提供され、いかにしてモータが変動する作動条件下でエンジンへの補助を提供するかを定義する。概して図5A〜5Eを参照すると、各種例示の実施形態に係る、駆動範囲履歴データを収集することと、(たとえば、自動範囲決定モードで)モータによって提供される補助を決定する際に使用される駆動範囲を予測することに関連するいくつかの工程が示されている。図5Aは、予測駆動範囲が基にする駆動範囲履歴データを収集するのに使用可能な工程500を示す。図5Bは、(たとえば、工程500に類似する工程を用いて収集された)駆動範囲履歴データに基づく駆動範囲を予測するのに使用される工程550を示す。図5C〜5Eは、各種例示の実施形態に係る、異なるオプションおよび/または状況下での駆動範囲を予測するいくつかの工程を示す。
【0067】
特に図5Aを参照すると、一例示の実施形態に係る、駆動範囲を予想するのに使用される駆動範囲履歴データを収集および/または記憶する工程500が示されている。ステップ505で、各種入力は、(たとえば、モータコントローラによって)車両センサ、エネルギー貯蔵素子、ハイブリッドシステムに関連付けられる1つまたはそれ以上のメモリ、および/または駆動範囲履歴データを生成する際に使用されるその他のソースから、受信することができる。たとえば、モータコントローラは、車両の走行距離計から距離情報を受信することができる。モータコントローラは、車両コンピュータまたはその他のソースから時間、日付、曜日、および/またはその他の時間情報を受信することができる。いくつかの実施形態では、モータコントローラは、このような情報を提供するように構成される内部クロックを含むことができる。モータコントローラは、(たとえば、充電装置または電池監視装置から)エネルギー貯蔵素子の充電状態に関連するデータを受信することができる。各種実施形態では、モータコントローラは、電池パラメータおよび/または条件(たとえば、最大放電深度、温度など)、モータパラメータおよび/または条件(たとえば、トルク、速度、温度など)、車両パラメータおよび/または条件(たとえば、車速、エンジン負荷、エンジントルク、エンジン温度など)、および/またはその他の種類のデータなどのその他の様々な種類のデータを受信することができる。
【0068】
いくつかの実施形態では、ユーザ入力装置により、複数の車両用ユーザプロファイルを作成し、選択することが可能になり得る。たとえば、典型的な1日の通勤距離が70kmであるユーザと、典型的な1日の通勤距離が15kmであるユーザの2人が同じ車両を使用する場合がある。同じ駆動範囲が各ユーザに使用されるとすれば、決定される駆動範囲は70kmよりもかなり短く、15kmよりもかなり長くなってしまう。別々のユーザプロファイルを使用することにより、モータコントローラは予測駆動範囲をより正確に予測することができる。
【0069】
ステップ510で、1つまたはそれ以上の入力が、様々な時間および/または各種作動条件(たとえば、充電状態)で駆動範囲履歴データを決定するように処理される。入力の処理は、距離履歴データと時間履歴データとを相関させて、異なる時点で車両が移動した総距離(たとえば、マイル)を決定することを含むことができる。いくつかの実施形態では、距離データおよび/または時間データと充電状態データを相関させて、期間中の充電状態、時間、および/または距離の関係を決定することができる。別の実施形態では、他の出力を時間データ、距離データ、および/または充電状態データと相関させることができる。複数のユーザプロファイルがサポートされる実施形態では、時間データ、距離データ、充電状態データ、および/またはその他のデータを、1つまたはそれ以上のユーザプロファイルと相関させることができる。
【0070】
いくつかの実施形態では、入力の処理は、1つまたはそれ以上の時間間隔および/または充電間隔(たとえば、駆動サイクル)について駆動範囲履歴を決定することをさらに含むことができる。たとえば、距離データと時間データは、(たとえば、最初の時間に関連する走行距離計の測定値を、その日の最後の時間に関連する走行距離計の測定値から引くことによって)1日または複数日で移動した距離(たとえば、駆動範囲)を決定するのに使用することができる。別の実施形態では、距離履歴データおよび充電状態情報は、1つまたはそれ以上の駆動サイクルの駆動範囲を決定するのに使用することができる。たとえば、特定の駆動サイクルの場合、2つの隣接するフル充電レベル間の走行距離計の測定値を比較して、その駆動サイクル間に移動した距離を決定することができる。複数のユーザプロファイルがサポートされる実施形態では、駆動範囲履歴データは、(たとえば、メモリ内の別々の駆動範囲履歴データセットまたはデータベースに記憶される)1つまたはそれ以上のユーザプロファイルと関連付けることができる。
【0071】
ステップ515で、駆動範囲履歴データは、メモリ(たとえば、モータコントローラに関連付けられるメモリ内の参照テーブル)に記憶される。いくつかの実施形態では、メモリに記憶される駆動範囲履歴データは、受信した入力に関連する瞬間的なデータ点(たとえば、1つまたはそれ以上の時点での走行距離計データおよび/または充電状態データ)を含むことができる。他の実施形態では、記憶される過去の駆動範囲データは、記憶されたデータが1つまたはそれ以上の期間(たとえば、日や週など)および/または1つまたはそれ以上の駆動サイクルに関連付けられる駆動範囲を反映するように、さらに処理することができる。各種実施形態では、モータコントローラはこの駆動範囲履歴データにアクセスして、モータによってエンジンに提供されるべき補助を決定することができる。
【0072】
次に図5Bを参照すると、例示の実施形態に係る駆動範囲履歴データ(たとえば、工程500に類似する工程に基づき生成される駆動範囲履歴データ)に基づき駆動範囲を予測する工程550が示されている。ステップ555で、いかにして駆動範囲を決定すべきかを定義する各種オプションを設定することができる。オプションは、たとえば、駆動範囲を決定する際に検討されるべき以前の日数および/または充電サイクルを含むことができる。他の実施形態では、オプションは、検討されるべき日付の範囲、日の種類(たとえば、平日または週末)、および/または1つまたはそれ以上の曜日を含むことができる。たとえば、ユーザは通常、移動の主要ルートが職場への比較的固定されたルートである平日には、特定の距離を駆動し得る。ユーザが週末(たとえば、ユーザが週末には働かない場合)には異なる距離を駆動し、その距離は平日よりも大きく変動する場合がある。他の実施形態では、パラメータは、平日のみ働かないユーザによって入力され得る作業スケジュールや特定の曜日に発生する事象(たとえば、定期的事象)などのその他の日付および/または時間情報に基づき構成することができる。
【0073】
各種実施形態では、オプションは異なる形で設定および/または変更することができる。いくつかの実施形態では、モータコントローラは固定のオプションセット(たとえば、デフォルトオプション)を利用することができ、常にその固定オプションに基づき駆動範囲を予測することができる。他の実施形態では、モータコントローラは、算出または観察に基づきデフォルト実施形態を調節することができる。たとえば、モータコントローラが過去10日間の平均駆動範囲履歴を算出し、平均駆動範囲履歴がそれ以前の50日間と大きく異なる場合(たとえば、休暇中に車両が駆動された場合)、モータコントローラは駆動範囲を予測する際に過去10日間を無視するオプションを起動することができる。いくつかの実施形態では、モータコントローラは、駆動範囲履歴データで特定される傾向に基づき1つまたはそれ以上のオプションを決定することができる。他の実施形態では、車両のユーザが(たとえば、ユーザ入力装置を介して)1つまたはそれ以上のオプションを設定することができる。たとえば、ユーザは各週の特定の曜日に発生する定期的事象を定義することができ、モータコントローラは駆動範囲を予測する際に定期的事象を検討するように構成することができる。
【0074】
ステップ560で、駆動範囲履歴データがメモリから検索される。駆動範囲履歴データは、ステップ555で設定されたオプションに基づき検索することができる。たとえば、パラメータが、予測しようとしている駆動範囲が過去2週間の履歴データに基づくべきであると示す場合に、処理のためメモリから過去2週間の駆動範囲履歴データを検索するようにモータコントローラを構成することができる。別の例では、パラメータが、予測しようとして駆動範囲が月曜日の履歴データに基づくべきであると示す場合に、最近の平日または最近の月曜日の駆動範囲履歴データを検索するようにモータコントローラを構成することができる。
【0075】
ステップ565で、駆動範囲履歴データが処理され、モータによって提供される補助を構成する際に使用される駆動範囲が予測される。駆動範囲履歴データは、ステップ555でパラメータセットに基づき処理することができる。たとえば、パラメータが、過去2週間の履歴データに基づき駆動範囲を決定すべきであると示す場合に、過去2週間の履歴データに基づき駆動範囲を決定するようにモータコントローラを構成することができる。モータコントローラは、駆動範囲、駆動範囲の標準偏差の平均、あるいは異なる機能または駆動範囲履歴データの分析に基づき駆動範囲を決定することができる。
【0076】
各種実施形態では、モータコントローラは、曜日、日の種類(たとえば、平日または週末)などのいくつかの要因に基づき異なって駆動範囲履歴データを処理することができる。たとえば、いくつかの実施形態では、モータコントローラは、他の平日のみの履歴データを処理することによって平日の駆動範囲を予測するように構成することができる。この結果、ユーザが平日に比較的規則的な駆動ルーティンに従う(たとえば、出勤する)場合、駆動範囲をより正確に予測することができる。さらに、モータコントローラは、他の週末の日のみの履歴データを処理することによって週末の駆動範囲を予測するように構成することができる。他の実施形態では、モータコントローラは、他の就業日のみの履歴データを処理することによって(たとえば、ユーザ入力装置へのユーザ入力を介して示されるように)就業日の駆動範囲を予測し、他の非就業日のみの履歴データを処理することによって非就業日の駆動範囲を予測するように構成することができる。さらに別の実施形態では、ユーザは、月のうち特定の日付、または曜日における1つまたはそれ以上の定期的事象の有無を(たとえば、ユーザ入力装置を介して)示すことができる。たとえば、ユーザは、特定の日にスポーツリーグに参加する、あるいは定期的な毎週または毎月の会合に出席する場合がある。上記実施形態では、モータコントローラは、その事象が発生する他の日のみの履歴データを処理することによって、事象が発生する日の駆動範囲を予測するように構成することができる。その他の各種例示の実施形態では、モータコントローラは、その他の各種要因および/または検討事項(たとえば、ユーザ定義パラメータ)に基づき駆動範囲を予測するように構成することができる。さらに別の実施形態では、モータコントローラは、駆動範囲履歴データで特定される(たとえば、曜日、日付、作業スケジュール、定期的事象などに関連する)1つまたはそれ以上の傾向に基づき駆動範囲を予測するように構成することができる。
【0077】
複数のユーザプロファイルがサポートされるいくつかの実施形態では、モータコントローラは、(たとえば、ユーザ入力装置を介してユーザによって提供される)車両の現行ユーザに基づき、ユーザ履歴データを処理する、および/または駆動範囲を予測するように構成することができる。たとえば、車両は、別々のユーザプロファイルおよび/または別々の駆動範囲履歴データを有する2人の定義済のユーザと関連付けることができる。第1のユーザプロファイルは、第2のユーザプロファイルに関連付けられるのとは異なる作業スケジュール、異なる定期的行動、および/またはその他の検討事項を指定することができる。モータコントローラは、稼働中のユーザプロファイルに基づき異なって履歴データを処理し、予測駆動範囲を予測するように構成することができる。たとえば、第1のユーザは毎週火曜日に定期的事象を有する場合、モータコントローラは以前の5回の火曜日の履歴データに基づき火曜日の第1のユーザの駆動範囲を予測するように構成することができる。第2のユーザは火曜日に同じ定期的事象を有していない場合、モータコントローラは、以前の10日間の通常の平日(たとえば、特別事象および/または定期的事象のない日)の履歴データに基づき第2のユーザの駆動範囲を予測するように構成することができる。
【0078】
次に図5Cを参照すると、一例示の実施形態に係る、以前の複数日の駆動履歴データに基づき駆動範囲を予測するために使用可能な工程570が示されている。工程570は、たとえば、駆動範囲が最近の特定の複数日(たとえば、過去30日間)の駆動範囲履歴の平均にのみ基づいて予測される場合に使用することができる。ステップ571で、モータコントローラは、過去30日間の駆動範囲データをメモリから検索するように構成される。ステップ572で、モータコントローラは、過去30日間の駆動範囲履歴データに基づき駆動範囲を予測するように構成される。モータコントローラは、過去30日間にわたって駆動された距離の平均として予測駆動範囲を算出するように構成することができる。
【0079】
次に図5Dを参照すると、一例示の実施形態に係る、同じ種類(たとえば、平日または週末)の以前の複数日の駆動履歴データに基づき駆動範囲を予測するために使用可能な工程580が示されている。工程580は、たとえば、ユーザが一定の曜日に比較的固定されたルートを駆動する(たとえば、職場への通勤)場合に使用することができる。いくつかの実施形態では、作業スケジュールは、モータコントローラによって(たとえば、互いに一定の許容誤差内におさまる駆動範囲を有する)傾向として特定することができる。ステップ581で、モータコントローラは(たとえば、クロック回路またはカレンダーモジュールを用いて)現在の曜日を決定する。ステップ582で、モータコントローラは、ステップ581で決定された曜日と同種の日を有する最近の複数日の駆動範囲履歴データを検索する。たとえば、モータコントローラが現在の曜日を火曜日と決定する場合、モータコントローラは、以前の平日の駆動範囲履歴データを検索することができる。現在の曜日が日曜日である場合、モータコントローラは、以前の週末の駆動範囲履歴データを検索することができる。ステップ583で、モータコントローラは、履歴データに基づき駆動範囲を予測するように構成される。たとえば、現在の曜日が火曜日であり、検索された履歴データが以前の平日10日間のものである場合、モータコントローラは、以前の10日間に駆動された距離の平均として予測駆動範囲を算出するように構成することができる。
【0080】
次に図5Eを参照すると、一例示の実施形態に係る、定期的事象の存在に基づき駆動範囲を予測するように使用可能な工程590が示されている。工程590は、たとえば、ユーザがいつものように定期的事象(たとえば、毎週または毎月の会合)まで駆動する場合に使用することができる。ステップ591で、モータコントローラは現在の曜日を決定する。ステップ592で、モータコントローラは、定期的事象が現在の曜日に発生しているか否かを決定する。一実施形態では、車両は、ユーザが事象の発生する曜日または日付を指定して、それをメモリに記憶させることのできるユーザインタフェースをユーザに提供する。モータコントローラは、現在の曜日とメモリに記憶されたユーザ供給データとを比較することによって、ステップ591で事象が発生しているか否かを決定することができる。事象が現在の曜日に発生していない場合、モータコントローラは、最近の複数日の(たとえば、以前の複数日について、日の種類に基づくなどして)の駆動範囲履歴データをメモリから検索するように構成することができる(ステップ593)。次に、モータコントローラは、ステップ593で検索された駆動範囲履歴データに基づき駆動範囲を予測するように構成される。
【0081】
事象が現在の曜日に発生している場合、モータコントローラは、事象が発生した最近の複数日の駆動範囲履歴データを検索するように構成することができる(ステップ594)。たとえば、ユーザが毎週火曜日に定期会合に出席する場合、モータコントローラは、過去の7回の火曜日の駆動範囲履歴データを検索するように構成することができる。別の例では、ユーザが毎月15日に定期会合に出席する場合、モータコントローラは、過去9ヶ月間の15日の駆動範囲履歴データを検索するように構成することができる。モータコントローラは、ステップ594で検索された事象の発生した日の駆動範囲履歴データに基づき駆動範囲を予測するように構成される。
【0082】
再度図4Aを参照すると、いくつかの実施形態では、モータ補助プロファイルは、メモリに記憶され、以前の車両作動条件に関連する履歴データにおける傾向に基づき選択および/または修正することができる。一実施形態では、モータによって提供される補助は、エンジンが1つまたはそれ以上の作動条件で作動される頻度に基づき修正することができる。以前の駆動サイクル、複数日などの間の各種作動条件(たとえば、RPM、速度、ギア位置など)に関連するデータを(たとえば、センサから)収集し、エンジンが最も頻繁に作動される作動条件における傾向を決定するためにそのデータを使用することができる。たとえば、モータコントローラは、(たとえば、頻繁な街乗りのために)ユーザが最も頻繁に第2および第3ギアで車両を作動させると決定することができる。それに応答して、モータコントローラは、それらのギアに関係するRPMおよび速度範囲でより多くの補助を提供するモータ補助プロファイルを選択することができる。もしくは、モータコントローラは、第2および第3ギアに関係するRPMおよび速度範囲でさらに大きな補助を提供することによって、選択されたモータ補助プロファイルまたはデフォルトモータ補助プロファイルを変更することができる。他の実施形態では、モータコントローラは、エンジンが一定の速度範囲および/またはRPM範囲内で頻繁に作動されていると決定した場合、その速度範囲および/またはRPM範囲内でより大きなモータ補助を提供するように構成することができる。
【0083】
本明細書に記載の各種実施形態では、適切なモータ補助プロファイルは、利用可能エネルギーレベルおよび/または予測駆動範囲に基づき1セットのモータ補助プロファイルから選択される。別の実施形態では、利用可能な(たとえば、デフォルト)モータ補助プロファイルは、(たとえば、複数のモータ補助プロファイルの中から選択されるのではなく)利用可能エネルギーレベルおよび/または予測駆動範囲に基づき変更または調節することができる。たとえば、60kmの駆動範囲に関連付けられるデフォルトモータ補助プロファイルは、80kmの予測駆動範囲に合わせて変更または最適化することができる。予測駆動範囲がデフォルトモータ補助プロファイルと関連付けられる駆動範囲より短い場合(たとえば、デフォルトモータ補助プロファイルが60kmの駆動範囲に関連付けられ、駆動範囲が40kmと予測される場合)、デフォルトモータ補助プロファイルは、いくつかの作動条件中により大きな補助レベルを提供する、および/またはデフォルトモータ補助プロファイルの下では補助が提供されなかった作動条件で補助を提供するように変更することができる。ステップ401で決定された利用可能エネルギーレベルがデフォルトモータ補助プロファイルに関連付けられるエネルギーレベルよりも高い場合(たとえば、決定された利用可能エネルギーレベルが70%であり、デフォルトモータ補助プロファイルが50%の利用可能エネルギーレベルに関連付けられている場合)、デフォルトモータ補助プロファイルは、いくつかの作動条件中により大きな補助レベルを提供する、および/またはデフォルトモータ補助プロファイルの元では補助が提供されなかった作動条件で補助を提供するように変更することができる。変更は、エンジンのRPM、車速、ギア位置、加速など、図3Aに関して説明されたような方法に基づくことができる。
【0084】
予測駆動範囲がデフォルトモータ補助プロファイルに関連付けられる駆動範囲よりも長い場合(たとえば、デフォルトモータ補助プロファイルは60kmの駆動範囲に関連付けられており、駆動範囲は90kmと予測される場合)、モータ補助プロファイルは、充電量を節減するため、いくつかの作動条件中により低い補助レベルを提供する、および/またはデフォルトモータ補助プロファイル下で補助が提供されるいくつかの条件での補助を排除するように変更することができる。ステップ401で決定された利用可能エネルギーレベルがデフォルトモータ補助プロファイルに関連付けられるエネルギーレベルよりも低い場合(たとえば、決定された利用可能エネルギーレベルが40%であり、デフォルトモータ補助プロファイルが50%の利用可能エネルギーレベルに関連付けられる場合)、モータ補助プロファイルは、いくつかの作動条件中により少ない補助レベルを提供する、および/またはデフォルトモータ補助プロファイル下で補助が提供される条件での補助を排除するように変更することができる。たとえば、中〜高RPM、低ギア(たとえば、第1ギア)および高(たとえば、第5)ギアなどでの補助を低減または排除することができる。
【0085】
いくつかの実施形態では、ユーザは、決定された距離の予測を無効にし、その代わりに(たとえば、マニュアル範囲決定モードで)手動で距離を提供することを許可される。ユーザは、1つまたはそれ以上のノブおよび/またはボタン、および/またはタッチスクリーンなどの入力装置を介して入力を行うことができる。入力装置は車両内部および/または車両のダッシュボード上またはその近傍に配置することができる。一実施形態では、ユーザは予測駆動範囲または距離を入力することができる。入力される駆動範囲は、ユーザが1日の間および/またはエネルギー貯蔵素子の充電サイクル間に移動すると予測する範囲または距離を表す。一実施形態では、ディスプレイは複数の範囲オプション(たとえば、20キロメートル(「km」)未満、20km、40km、60km、80km、100km、100km超など)をユーザに提示することができ、ユーザはそこから範囲を選択できる。別の実施形態では、ユーザが範囲を指定することができる(たとえば、駆動範囲を表す数字をキーパッドまたはタッチスクリーンにタイプすることができる)。
【0086】
さらに別の実施形態では、ユーザは、各種作動条件でモータにより提供される補助をカスタマイズするように1つまたはそれ以上の利用可能なモードを選択することができる。たとえば、ユーザは、補助が燃料経済性および効率を高めるように提供される節約モードを選択することができる。別の例示の実施形態では、ユーザは、(たとえば、加速のために)余分の動力を提供するように補助が提供されるパワーモードを選択することができる。他の実施形態では、車両および/またはハイブリッドシステムに関連付けられたセンサからの入力に自動的に基づき、モードを選択することができる。
【0087】
いくつかの実施形態では、モータコントローラは、エネルギー貯蔵素子の充電レベル(たとえば、現在の充電レベル、DOD、SOCなど)を(たとえば、継続的に、周期的になど)監視して、充電レベルが最大DODを超えないよう(もしくは最小SOCを下回らないよう)確保するように構成することができる。充電レベルは、たとえば、エネルギー貯蔵素子、エネルギー貯蔵素子用の充電装置、エネルギー貯蔵素子用の監視装置などからの入力を用いて監視することができる。各種実施形態では、モータコントローラが、充電レベル(たとえば、現在のDOD)が最大DODに近い、最大DODである、あるいは最大DODを超えると決定すれば、モータコントローラはモータへの動力供給を切断する(たとえば、エンジンへのモータ補助をオフにする)ことができる。
【0088】
いくつかの実施形態では、ハイブリッドシステムは、モータ補助が切断されている間(たとえば、制動中や坂を下る惰性走行中など)、エネルギーをエネルギー貯蔵素子に回生させることができる。回生の結果、エネルギー貯蔵素子において利用可能エネルギーが増え、SOCが減少し、DODが減少する。いくつかの実施形態では、モータコントローラは、いったんエネルギー貯蔵素子のDCD最大DODを下回るレベルに戻るとモータ補助を再起動するように構成することができる。他の実施形態では、モータコントローラは、DODがエネルギー貯蔵素子の最大DODを下回る(たとえば、ユーザ定義、ハイブリッドシステム定義の、静的、動的、電池および/またはモータの特性に基づく)特定の閾値に達する、あるいは超えた場合、モータ補助を再起動するように構成することができる。たとえば、電池のDODは電池容量の60%とすることができ、閾値は最大DODより20%下に設定することができ、もし電池の充電量が60%の最大DODを超過してモータ補助が切断されたら、モータ補助は電池充電量が(たとえば、回生を通じて)40%以下のDODになるまで再起動されない。いくつかの実施形態では、モータ補助が再起動されたとき、補助は、補助が切断される前に利用されていたのと同じモータ補助プロファイルに応じて決定することができる。
【0089】
他の各種実施形態では、モータコントローラは、監視された充電レベルに基づき異なるプロファイルを選択するように構成することができる。いくつかの実施形態では、モータコントローラは、充電レベルが所定の閾値(たとえば、電池の最大DODの20%内)を下回るときに別のプロファイルを選択するように構成することができる。充電レベルが閾値を下回った時点で使用されていたモータ補助プロファイルよりも、低い利用可能な充電量および/または長い駆動範囲に基づくことができるようにモータの補助を指示するために、新たなプロファイルを選択することができる。たとえば、充電レベルが、60%の利用可能な充電レベルと50kmの駆動範囲に関連付けられるモータ補助プロファイル下で、閾値を下回る場合、20%の利用可能な充電レベルおよび/または100kmの駆動範囲に関連付けられる新たなモータ補助プロファイルを選択することができる。他の実施形態では、充電レベルが閾値を下回った時点で有効であったモータ補助プロファイルを変更する、および/または低充電レベルに基づき補助を低減することができる。たとえば、1つまたはそれ以上の作動条件でモータに提供される補助を低減する、および/または1つまたはそれ以上の作動条件についての補助を排除することができる。
【0090】
いくつかの実施形態では、利用可能エネルギーレベルおよび/またはモータによって提供される補助は、駆動範囲すべてにわたってハイブリッドシステムによって(たとえば、制動中や下り坂の惰性走行中などに)回生されると予想される概算エネルギー量に基づき決定および/または修正することができる。いくつかの実施形態では、回生されると予想されるエネルギー量は、(たとえば、モータコントローラに関連付けられるメモリに記憶される)一定の距離にわたって回生される平均(たとえば、固定)エネルギー量に基づき決定することができる。たとえば、ハイブリッドシステムを利用する車両は、運転される60km毎に、モータに動力を提供する電池容量の15%を回生することが分かっている。駆動サイクルの駆動範囲は60kmの場合、回生されると予想されるエネルギー量は電池容量の15%であると決定することができる。駆動サイクルの駆動範囲が40kmである場合、回生されると予想されるエネルギー量は電池容量の10%と決定することができる。
【0091】
回生されると予想されるエネルギー量は、メモリに記憶された回生履歴データに基づき決定することができる。たとえば、モータコントローラは、異なる長さおよび異なる時間の駆動サイクルすべてにわたって回生されるエネルギー量に関連するデータを(たとえば、電池充電装置または電池監視装置から受信した電池充電データを用いて)収集するように構成することができる。一実施形態では、モータコントローラは、類似の距離または駆動範囲の1つまたはそれ以上の以前の駆動サイクル間に回生されたエネルギーに基づき、予想回生エネルギーを推定するように構成することができる。たとえば、50kmの駆動範囲が選択される場合、モータコントローラは、50km近傍の駆動範囲を有する複数の以前の駆動サイクルに関する回生エネルギー値の平均として予想回生エネルギーを決定することができる。別の実施形態では、モータコントローラは、1日またはそれ以上以前の日の回生データに、代替的にまたは追加的に基づき、予想回生エネルギーを決定するように構成することができる。たとえば、予想回生エネルギーが決定される現駆動サイクルが水曜日に当たる場合、予想回生エネルギーは、複数の以前の水曜日の回生データに基づき決定することができる。
【0092】
いくつかの実施形態では、ステップ401で決定された利用可能エネルギーレベルは、駆動サイクル中に回生されると予想されるエネルギー量によって増大させることができる。たとえば、決定された利用可能エネルギーレベルが電池容量の50%であり、ハイブリッドシステムが電池充電量の10%を補充するのに十分なエネルギーを回生すると予想される場合、利用可能エネルギーレベルは60%に設定または増大させることができる。
【0093】
他の実施形態では、モータによって提供される補助は、駆動サイクル中に回生されると予想されるエネルギーに基づき修正することができる。一実施形態では、予想回生エネルギーに基づき、異なるモータ補助プロファイルを選択することができる。たとえば、ステップ401で決定される利用可能エネルギーレベルが40%であり(予想される回生を考慮せずに)、駆動範囲が50kmであり、予想回生エネルギーが電池の容量の20%である場合、60%の利用可能エネルギーレベルと50kmの駆動範囲に関連付けられるモータ補助プロファイルを選択することができる。別の実施形態では、選択されたまたはデフォルトのモータ補助プロファイルを、予想回生エネルギーに基づき修正することができる。1つまたはそれ以上の作動条件でより大きな補助を提供することができる、および/または未修正のプロファイルの下では補助が提供されないであろう1つまたはそれ以上の作動条件で補助を提供することができる。各種実施形態では、提供される補助は、予想回生エネルギーが増えるとともに、(たとえば、平均で)増大し得る。
【0094】
次に図6を参照すると、一例示の実施形態に係る、モータによって補助が提供された排出量テストから生じる排出量データのグラフ600が示されている。グラフ600に示されるデータは、(たとえば、モータからの補助なしの車両に関するデータを示す)図3Dのグラフ375と類似する、または同じテストを用いて得られる。グラフ500は、本明細書に記載の各種例示の実施形態に係る、モータから選択的な補助を提供するハイブリッドシステムを含む車両に関して得られる排出量データを表す排出量曲線605を含む。
【0095】
モータからの補助のない作動と補助のある作動との差の効果は、グラフ375の排出量曲線380とグラフ600の排出量曲線605とのを比較すると明らかである。2つの排出量曲線が明確に示すように、排出量テストの範囲全体にわたる総排出量は、モータからの選択的補助のある排出量曲線605においては、モータ補助のない排出量曲線380よりも大幅に低い。さらに、2つの排出量曲線の比較が示すように、異なるレベルの補助が異なる作動条件で提供される。たとえば、排出量曲線380と605間の差が目立つ25%〜67%の速度範囲では、排出量曲線380と605間の差があまり目立たない0%〜25%の速度範囲よりも大きな補助が提供されているようである。
【0096】
各種例示の実施形態に係る、本明細書に記載されるようなモータからの補助を利用する車両は、大幅な排出量削減および/または燃料経済性の向上を達成することができる。一例では、約11kmの駆動範囲の場合、エンジンへの補助を提供するハイブリッドシステムを利用する車両は、モータ補助なしの類似の車両よりも、一酸化炭素排出量を約43%削減し、炭化水素排出量を約16%削減し、亜酸化窒素排出量を約53%削減し、二酸化炭素排出量を約35%削減し、および/または燃料経済性を約55%向上させることができる。その他の各種例示の実施形態では、恩恵は、エンジンによって提供される補助、システムに利用可能な保存エネルギー、予測駆動範囲、および/またはその他の要因次第でさらに大きくなる場合がある。いくつかの実施形態では、燃料経済性は、モータからの補助を利用することによって130%以上まで向上させることができる。
【0097】
次に図7A、7B、8A、および8Bを参照すると、各種例示の実施形態に係る、別の排出量テストによる結果の排出量データのグラフが示されている。図7A〜8Bの基本排出量テストは、図3Dおよび図6の基本テストとは異なる。図7A〜8Bに示される基本排出量テストは、車両が停止状態からいくつかの異なる速度へ急加速され、各速度に到達した後に停止状態に戻る駆動テストである(速度曲線705に示される)。その後、車両は高速に加速され(たとえば、速度範囲の最高速度の70%)、低速に減速され(たとえば、50%)、高速に戻り(たとえば、70%)、そして停止される前に、さらに高速に、加速される(たとえば、90%)。
【0098】
図7Aは、モータ補助なしの車両(たとえば、非ハイブリッド車)に関するテストの実施による結果の二酸化炭素排出量データを示すグラフ700を含む。二酸化炭素排出量曲線710は、上記テストで得られる二酸化炭素排出量データのグラフである。図7Bは、モータ補助ありの類似の車両(たとえば、ハイブリッドモード)に関するテストの実施による結果の二酸化炭素排出量データを示すグラフ720を含む。二酸化炭素排出量曲線730は、本明細書に記載の特徴を利用するハイブリッドモードにおけるテストで得られる二酸化炭素排出量データのグラフである。排出量曲線710と730との比較が実証するように、二酸化炭素排出量は、モータからの補助を利用することによって、いくつかの異なる作動条件で選択的に低減させることができる。
【0099】
図8Aは、非ハイブリッド車におけるテストの実施による結果の一酸化炭素排出量データを示すグラフ800を含む。一酸化炭素排出量曲線810は、上記テストで得られる一酸化炭素排出量データのグラフである。図8Bは、(たとえば、ハイブリッドモードで)モータ補助を有する類似の車両におけるテストの実施による結果の一酸化炭素排出量データを示すグラフ820を含む。一酸化炭素排出量曲線830は、本明細書に記載の特徴を利用するハイブリッドモードにおけるテストで得られる一酸化炭素排出量データのグラフである。排出量曲線810および830の比較が実証するように、一酸化炭素排出量もまた、モータからの補助を利用することによって、異なる作動条件で選択的に低減させることができる。
【0100】
次に図9A〜9Dを参照すると、図1〜4を参照して本明細書で説明されるハイブリッドシステムの各種例示の実施形態を利用することによって達成され得るサンプル結果を示す4つのグラフ900、905、910、および915が提供されている。グラフ900、905、910、および915のx軸は、最小RPMと最大RPMとの間の回転速度を%単位で表す。グラフ900、905、910、および915のy軸は、最小負荷と最大負荷との間の(たとえば、マニホールド絶対圧力(MAP)で測定される)エンジン負荷を%単位で表す。グラフ900、905、910、および915に表示される各ドットは、駆動シミュレーションテスト中の異なる時点および/または異なる作動条件で収集されるデータ点を表す。
【0101】
次に特に図9Aおよび9Bを参照すると、2つのグラフ900および905は、非ハイブリッド車またはハイブリッドモードが起動されていない車両の例示のデータを示す。グラフ900は、空調システムをオンにして作動している非ハイブリッド車のデータを示し、グラフ905は空調システムをオフにして作動している非ハイブリッド車のデータを示す。グラフ900および905は、モータからの補助を受けていないエンジンのデータを反映している。グラフ900および905に示されるデータ点は、比較的早い回転速度に主に集中しており、これはエンジンが頻繁に高RPMで作動していることを示す。
【0102】
次に図9Cおよび9Dを参照すると、グラフ910および915は、図1〜5Eについて説明されたようなハイブリッドシステムが稼働中であり、モータによって補助がエンジンに提供されている車両(たとえば、同じまたは類似の車両)の例示のデータを示す。グラフ910は空調をオンにしてハイブリッド車を作動させたときのデータを示し、グラフ915は最適なギアシフト(たとえば、車両が最も効率的な時間および/または作動条件でギアシフトを行った場合)でのハイブリッド車のデータを示す。グラフ910および915のデータ点はグラフ900および905のデータ点よりも低い回転速度に集中しており、これはハイブリッドシステムが稼働中でないとき(たとえば、グラフ900および905に示される)よりも低いRPM範囲でより頻繁に作動していることを示す。
【0103】
モータからの補助なしでの作動と補助ありでの作動の差の効果は、図9A〜9Dと図3Bとの比較から明らかである。図3Bを参照すると、エンジンは低いRPMで駆動しているときほど、より効率的な作動ゾーンでより頻繁に作動している。図9A〜9Dのそれぞれ(たとえば、図9Aおよび9C)と図3Bとを比較すると、図9Aおよび9B(たとえば、補助が提供されないことを反映している)よりも図9Cおよび9D(たとえば、モータにより補助が提供されていることを反映している)において、より大量のデータ点が効率的な作動ゾーン内にあることが分かる。
【0104】
補助の効果は、図9E〜9Hのデータの比較からも明らかである。図9E〜9Hは、例示の実施形態に係る、それぞれ図9A〜9Dに示されるデータに関連するヒストグラムを示す。図9E〜9Hは、グラフ900、905、910、および915にそれぞれ示されるデータ点の分布に基づき生成されるヒストグラム920、925、930、および935を含む。ヒストグラム920、925、930、および935は、図9A〜9Dに示される例示の実施形態においてエンジンが異なるRPM範囲で作動している頻度を分析する別の方法を提供する。ヒストグラム920および925とヒストグラム930および935との比較が実証するように、エンジンは、モータから補助を受けていないときよりも、受けているときの方が低いRPMでより頻繁に作動される。図3Cについて上述したように、エンジンは、低いRPMで作動するときほどより効率的な作動ゾーンで作動する。
【0105】
上記実施形態で使用される「モータコントローラ」という用語は、モータを制御するのに使用されるプロセッサを含む装置を意味することができる。別の例示の実施形態によると、モータコントローラによって実行される作業は、一部または全部を、オンラインまたはオフラインのいずれかで、別のコンピュータによって実行することができる。たとえば、分析履歴は、オフラインコンピュータを用いて実行され、その後で関連情報をモータコントローラにダウンロードすることができる。
【0106】
本明細書で使用されるように「およそ」、「約」、「かなり」、および類似の用語は本開示の主題に関係する当業者によって一般的に認知された用法と一致する広範な意味を有することを意図する。本開示を検討する当業者は、これらの用語は、記載され請求される特定の特徴の記載を、それらの特徴を提供される正確な数値範囲に限定せずに許容することを意図すると理解すべきである。したがって、これらの用語は、記載される主題の実体的でない、あるいは些細な修正や変更は本開示の範囲に含まれることを示すものであると解釈されるべきである。
【0107】
各種実施形態を説明するために本明細書で使用される「例示の」という用語は、そのような実施形態が可能な実施形態の例、表示、および/または例示であると示すことを目的とすることに留意すべきである(上記の用語は、上記実施形態が必然的に特別な、または最高の例であると示唆することを意図していない)。
【0108】
各種要素の配向は他の例示の実施形態によって異なる場合があり、そのような変形も本開示に含まれることに留意すべきである。
【0109】
各種例示の実施形態で示される要素の構造および配置は単に例示であることに留意するのが大事である。本開示の範囲を逸脱せずに、各種例示の実施形態の設計および配置にその他の置換、修正、変更、および省略を加えることができる。
【0110】
本開示は、各種作動を実行する任意の機械読取り可能媒体上の方法、システム、およびプログラム製品を企図する。本開示の実施形態は、既存の集積回路、コンピュータプロセッサを用いて、または本目的または別の目的のために組み込まれた適切なシステム用の特定用途コンピュータプロセッサによって、あるいは有線システムによって実行することができる。本開示の範囲に含まれる実施形態は、機械実行可能指示を担持または保持する機械読取り可能媒体またはそこに記憶されるデータ構造を備えるプログラム製品を含む。このような機械読取り可能媒体は、汎用または特定用途コンピュータ、またはプロセッサを有するその他の機械によってアクセス可能な何らかの利用可能な媒体とすることができる。たとえば、上記機械読取り可能媒体は、RAM、ROM、EPROM、EEPROM、CD−ROMまたはその他の光学ディスク記憶装置、磁気ディスク記憶装置またはその他の磁気記憶装置、あるいは機械実行可能指示またはデータ構造の形状で所望のプログラムコードを担持または記憶するために使用でき、汎用または特定用途コンピュータまたはプロセッサを有するその他の機械によってアクセスすることができる何らかのその他の媒体を、備えることができる。情報がネットワークまたはその他の通信接続(有線、無線、または有線と無線の組み合わせのいずれか)によって機械に送信または提供されるとき、その接続を機械は機械読取り可能媒体と適切にみなす。よって、このような接続は機械読取り可能媒体と適切に称される。上記の組み合わせも機械読取り可能媒体の範囲に含まれる。機械実行可能指示は、たとえば、汎用コンピュータ、特定用途コンピュータ、または特定用途処理機械に一定の機能または機能群を実行させる指示およびデータを含む。
【0111】
図面は方法ステップの具体的な順番を示しているが、ステップの順番は記載されているものと異なっていてもよい。2つ以上のステップを、同時に、または部分的に同時に実行することができる。各種実施形態では、本開示の範囲を逸脱することなく、特定の方法に関してより多い、より少ない、あるいは異なるステップを利用することができる。このような変更は、選択されるソフトウェアおよびハードウェアシステム、および設計者の選択に左右される。このような変更はすべて本開示の範囲に含まれる。同様に、ソフトウェアの実装は、様々な接続ステップ、処理ステップ、比較ステップ、および決定ステップを実現するために、ルールに基づく論理およびその他の論理を備える標準的なプログラム技術により達成することができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両の内燃機関に、前記内燃機関に連結される電動モータを用いて、補助を提供する方法であって、
駆動範囲履歴データに基づき駆動範囲を予測することであって、前記駆動範囲履歴データが、前記車両が1つまたはそれ以上の以前の駆動サイクル中に駆動された1つまたはそれ以上の距離を含むことと、
前記内燃機関の所定の作動条件で前記内燃機関への補助を提供するように前記モータを選択的に作動させることであって、前記所定の作動条件のうちの1つまたはそれ以上で前記内燃機関に提供される補助が、前記予測駆動範囲に少なくとも部分的に基づき決定されることと、
を含む方法。
【請求項2】
前記駆動範囲履歴データに基づき前記駆動範囲を予測することが、
互いの所定の許容誤差内に収まる前記駆動範囲履歴データ内の少なくとも2つの駆動範囲履歴を特定することと、
前記駆動範囲履歴が発生したときに関連する傾向を特定することと、
現在の日が前記傾向に属するとき、前記互いの所定の許容誤差内に収まる少なくとも2つの駆動範囲履歴に基づき前記駆動範囲を予測することと、
を含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記駆動範囲が、2つまたはそれ以上の以前の駆動サイクルについての駆動範囲履歴データの平均に基づき予測されることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記エンジンに提供される補助が、前記車両が1つまたはそれ以上の作動条件で作動される頻度に少なくとも部分的に基づき決定され、前記頻度が前記車両の履歴データに基づき決定されることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記所定の作動条件の1つまたはそれ以上で前記内燃機関に提供される補助が、前記電動モータに動力を提供するように構成されるエネルギー貯蔵素子の利用可能エネルギーレベルに少なくとも部分的に基づき決定され、前記利用可能エネルギーレベルが開始エネルギーレベルと最小エネルギーレベルとの差に基づき、前記利用可能エネルギーレベルが前記エネルギー貯蔵素子に保存され得る総エネルギーよりも少なくなるように、前記最小エネルギーレベルが前記エネルギー貯蔵素子の可能な最小のエネルギーレベルよりも高いことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記所定の作動条件の1つまたはそれ以上で前記内燃機関に提供される補助が、前記駆動範囲すべてにわたって回生されると予測されるエネルギー量に少なくとも基づき決定され、回生されると予想される前記エネルギー量が、1つまたはそれ以上の以前の駆動サイクル中に回生されるエネルギー量に基づき予測されることを特徴とする請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記エネルギー貯蔵素子の現在のエネルギーレベルを監視することをさらに備え、前記所定の作動条件の1つまたはそれ以上で前記内燃機関に提供される補助が前記現在のエネルギーレベルに基づき変動されることを特徴とする請求項5に記載の方法。
【請求項8】
前記モータを選択的に作動させるステップが、複数のモータ補助プロファイルのうちの1つに基づき前記電動モータの作動を制御するように構成される1つまたはそれ以上の制御信号を生成することを備え、前記モータ補助プロファイルが前記予測駆動範囲に基づき前記複数のモータ補助プロファイルの中から選択されることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項9】
1つまたはそれ以上のセンサから受信する入力に基づき前記車両の加速データを決定することをさらに備え、前記加速データが前記電動モータの連続電流定格を超える電流で前記電動モータを作動させることにより、加速の需要を示す1つまたはそれ以上の時点で、少なくとも1つのパルスの補助を提供するように前記電動モータを制御するように前記1つまたはそれ以上の制御信号が構成されることを特徴とする請求項1から8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
前記電動モータが前記エンジンのクランク軸に連結され、前記電動モータが前記エンジンの第1の側で前記クランク軸に連結され、トランスミッションが前記第1の側に対向する前記エンジンの第2の側で前記クランク軸に連結されることを特徴とする請求項1から9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
1つまたはそれ以上のコンピュータ読取り可能媒体に記憶される指示を実行するように構成される1つまたはそれ以上のプロセッサを備えるモータコントローラであって、前記指示が請求項1から10のいずれか一項に記載の方法を実施するために前記1つまたはそれ以上のプロセッサによって実行可能であることを特徴とするモータコントローラ。
【請求項12】
非ハイブリッド車をハイブリッド車に変換することを特徴とする請求項11に記載のモータコントローラの使用。
【請求項13】
指示を記憶する1つまたはそれ以上のコンピュータ読取り可能媒体であって、前記指示が請求項1から10のいずれか一項に記載の方法を実施するためにプロセッサによって実行可能であることを特徴とするコンピュータ読取り可能媒体。
【請求項14】
非ハイブリッド車をハイブリッド車に変換するシステムであって、
前記ハイブリッド車のための駆動力を提供する際に内燃機関に補助を提供するように構成された電動モータと、
電動モータの作動を制御するように構成されるコントローラと、を備え、
前記コントローラが、1つまたはそれ以上のコンピュータ読取り可能媒体に記憶された指示を実行するように構成された1つまたはそれ以上のプロセッサを備え、前記指示が請求項1から10のいずれか一項に記載の方法を実施するために前記1つまたはそれ以上のプロセッサによって実行可能であることを特徴とするシステム。
【請求項15】
車両であって、
当該車両のための駆動力を提供するように構成された内燃機関と、
当該車両のための駆動力を提供する際に前記内燃機関に補助を提供するように構成された電動モータと、
電動モータの作動を制御するように構成されるモータコントローラと、を備え、
前記モータコントローラが、1つまたはそれ以上のコンピュータ読取り可能媒体に記憶された指示を実行するように構成された1つまたはそれ以上のプロセッサを備え、前記指示が請求項1から10に記載の方法を実施するために前記1つまたはそれ以上のプロセッサによって実行可能であることを特徴とする車両。

【図1A】
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【図1B】
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【図2A】
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【図2B】
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【図3A】
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【図3B】
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【図3C】
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【図3D】
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【図4A】
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【図4B】
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【図4C】
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【図4D】
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【図4E】
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【図4F】
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【図5A】
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【図5B】
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【図5C】
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【図5D】
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【図5E】
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【図6】
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【図7A】
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【図7B】
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【図8A】
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【図8B】
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【図9A】
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【図9B】
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【図9C】
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【図9D】
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【図9E】
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【図9F】
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【図9G】
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【図9H】
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【公表番号】特表2013−504490(P2013−504490A)
【公表日】平成25年2月7日(2013.2.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−529405(P2012−529405)
【出願日】平成22年9月14日(2010.9.14)
【国際出願番号】PCT/IN2010/000614
【国際公開番号】WO2011/039771
【国際公開日】平成23年4月7日(2011.4.7)
【出願人】(512065672)ケーピーアイティ カミンズ インフォシステムズ リミテッド (6)
【Fターム(参考)】