説明

二次元画像表示装置及び遊技機

【課題】コンパクト性を損なうことなく画像伝達パネルから二次元画像が飛び出して見える距離を大きく取るとともに、二次元画像に対する観賞方向のずれにより画質が劣化して見えるのを防止し、十分な画質を確保する。
【解決手段】二次元画像表示装置35は、反射鏡305が画像表示面350からの光を反射画像光として反射させ、画像伝達パネル306のマイクロレンズアレイ361が当該反射画像光を屈折させて当該マイクロレンズアレイ361の前記反射鏡303とは反対側に位置する空間に二次元画像を結像させて当該反射画像光を人物の眼に入射させことで、コンパクト性を損なうことなく画像伝達パネルから二次元画像が飛び出して見える距離を大きく取る。反射面角度変更駆動装置812は、前記画像光に対する前記反射鏡305の傾斜角度を変動させ、二次元画像に対する観賞方向のずれにより画質が劣化して見えるのを防止する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、マイクロレンズアレイを介して二次元画像を表示する二次元画像表示装置及び遊技機に関し、特に人物の眼に対して二次元画像を前記マイクロレンズアレイの当該人物側の表面より手前側に視認させる二次元画像表示装置及び遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来のパチンコ機と呼ばれ一般的に普及している遊技機では、遊技店の島設備に取り付けられる外枠と、外枠に回動可能に支持されたガラス枠とを具備する。外枠には、遊技球が流下する遊技領域が形成された遊技盤が設けられている。一方、ガラス枠の遊技盤に対向する上部中央には透明なガラス板が取り付けられ、下部中央には、遊技者が所持する遊技球を貯留する受け皿が設置されている。
【0003】
また、近年普及したパチンコ機には、液晶表示装置が一般的に設けられている。
一方、液晶表示装置においては、ステレオ式立体映像表示が可能な3Dテレビが普及してきている。一般的な3Dテレビでは、視聴者が偏光フィルムや液晶シャッタを用いた立体メガネを着用する必要があり、煩わしく感じる視聴者が多かった。また、左右の眼に対応して異なる左右の映像を作成する必要があり、映像の作成コストが高かった。
【0004】
このことに対応して浮遊画像表示モニターと呼ばれる立体的二次元画像表示装置(例えば特許文献1参照)が実用化されている。立体的二次元画像表示装置は、LCD(液晶パネル)の手前にマイクロレンズアレイによる画像伝達パネル(3D用レンズ)を配置し、前記LCDの二次元画像を画像伝達パネルよりも手前の結像面に結像させることで、人物の眼に対して前記二次元画像を画像伝達パネルよりも手前側の空中に視認させるようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2001−255493号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、二次元画像を空中に視認させる従来の二次元画像表示装置は、画像伝達パネルに設けられた複数のマイクロレンズのサイズが非常に小さいので、複数のマイクロレンズにプロジェクタ用レンズのような複雑な光学構成を採用できず、十分な画質を確保する場合には、人物の眼に対して前記二次元画像を視認させる結像面との間の距離、即ち画像伝達パネルから二次元画像が飛び出して見える距離を、LCD(液晶パネル)と画像伝達パネルの間の光路長と同程度またはそれ以下に設定していた。このことから、十分な画質を確保し、且つ画像伝達パネルから二次元画像が飛び出して見える距離を大きくする場合には、二次元画像表示装置の前後長が非常に長くなり、二次元画像表示装置及び当該二次元画像表示装置を用いた機器のコンパクト性が低下することになっていた。また、二次元画像を空中に鮮明に視認させることができる視野角が狭く、観賞方向のずれにより鮮明な二次元画像を見ることができない場合も多かった。
【0007】
本発明は、コンパクト性を損なうことなく画像伝達パネルから二次元画像が飛び出して見える距離を大きく取るとともに、二次元画像に対する観賞方向のずれにより画質が劣化して見えるのを防止し、十分な画質を確保することができる二次元画像表示装置及び遊技機の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
請求項1に記載の発明は、二次元画像表示装置であって、画像光を発光することで二次元画像を表示する画像表示面を有する二次元画像表示手段と、前記画像光が反射面の表側に傾斜して入射され、当該画像光を当該反射面で反射させることにより反射画像光となす傾斜入射光反射部材と、複数のレンズを配列するマイクロレンズアレイを有し、当該マイクロレンズアレイが前記反射画像光の光路上に配置され、当該マイクロレンズアレイが当該反射画像光を屈折させて当該マイクロレンズアレイによる当該反射画像光の出射側に位置する空間の結像面に前記二次元画像を結像させ、当該結像面からの当該反射画像光を人物の眼に入射させることで、当該眼に対して前記二次元画像を前記マイクロレンズアレイの当該人物側の表面より手前側に視認させる画像伝達パネルと、前記画像光に対する前記傾斜入射光反射部材の傾斜角度を変動させる反射部材角度変動手段とを備えることを特徴とする。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の二次元画像表示装置であって、前記画像伝達パネルに対する前記眼の方向を判別する眼方向判別手段と、前記結像面からの当該反射画像光の光束の中心方向が前記眼方向判別手段の判別結果の前記眼の方向と一致するかまたは近づくように前記反射部材角度変動手段を制御する制御手段とを更に備えることを特徴とする。
請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載の二次元画像表示装置であって、前記二次元画像表示手段と前記傾斜入射光反射部材との間の前記画像光の光路上で前記反射画像光を反射させることで当該光路を折曲して当該画像光の中継を行う中継反射部材を更に備えることを特徴とする。
請求項4に記載の発明は、遊技領域が設けられた遊技盤と、前記遊技領域を視認可能に覆う透明板と、前記遊技盤の手前側において前記透明板を支持する支持部材と、前記遊技盤または前記支持部材に設けられた二次元画像表示装置とを備える遊技機であって、前記二次元画像表示装置は、画像光を発光することで二次元画像を表示する画像表示面を有する二次元画像表示手段と、前記画像光が反射面の表側に傾斜して入射され、当該画像光を当該反射面で反射させることにより反射画像光となす傾斜入射光反射部材と、複数のレンズを配列するマイクロレンズアレイを有し、当該マイクロレンズアレイが前記反射画像光の光路上に配置され、当該マイクロレンズアレイが当該反射画像光を屈折させて当該マイクロレンズアレイによる当該反射画像光の出射側に位置する空間の結像面に前記二次元画像を結像させ、当該結像面からの当該反射画像光を遊技者の眼に入射させることで、当該眼に対して前記二次元画像を前記マイクロレンズアレイの当該遊技者側の表面より手前側に視認させる画像伝達パネルと、前記画像光に対する前記傾斜入射光反射部材の傾斜角度を変動させる反射部材角度変動手段とを備えることを特徴とする。
請求項5に記載の発明は、請求項4に記載の遊技機であって、前記二次元画像表示装置は、前記画像伝達パネルに対する前記眼の方向を判別する眼方向判別手段と、前記結像面からの当該反射画像光の光束の中心方向が前記眼方向判別手段の判別結果の前記眼の方向と一致するかまたは近づくように前記反射部材角度変動手段を制御する制御手段と
を更に備えることを特徴とする。
請求項6に記載の発明は、請求項4または5に記載の遊技機であって、前記二次元画像表示装置は、前記二次元画像表示手段と前記傾斜入射光反射部材との間の前記画像光の光路上で前記反射画像光を反射させることで当該光路を折曲して当該画像光の中継を行う中継反射部材を更に備えることを特徴とする。
【0009】
請求項1に記載の二次元画像表示装置の発明によれば、傾斜入射光反射部材が、画像表示面からの画像光を反射画像光として反射させ、画像伝達パネルのマイクロレンズアレイが当該反射画像光を屈折させて当該マイクロレンズアレイの前記傾斜反射部材とは反対側に位置する空間の結像面に前記反射画像光を結像させ、当該結像面からの当該反射画像光を人物の眼に入射させることで、当該眼に対して前記二次元画像を前記マイクロレンズアレイの当該人物側の表面より手前側に視認させ、反射部材角度変動手段が前記画像光に対する前記傾斜入射光反射部材の傾斜角度を変動させるので、コンパクト性を損なうことなく画像伝達パネルから二次元画像が飛び出して見える距離を大きく取るとともに、二次元画像に対する観賞方向のずれにより画質が劣化して見えるのを防止し、十分な画質を確保することができる。
【0010】
請求項4に記載の遊技機の発明によれば、傾斜入射光反射部材が、画像表示面からの画像光を反射画像光として反射させ、画像伝達パネルのマイクロレンズアレイが当該反射画像光を屈折させて当該マイクロレンズアレイの前記傾斜反射部材とは反対側に位置する空間の結像面に前記反射画像光を結像させ、当該結像面からの当該反射画像光を遊技者の眼に入射させることで、当該眼に対して前記二次元画像を前記マイクロレンズアレイの当該人物側の表面より手前側に視認させ、反射部材角度変動手段が前記画像光に対する前記傾斜入射光反射部材の傾斜角度を変動させるので、コンパクト性を損なうことなく画像伝達パネルから二次元画像が飛び出して見える距離を大きく取るとともに、二次元画像に対する観賞方向のずれにより画質が劣化して見えるのを防止し、十分な画質を確保することができる。
【発明の効果】
【0011】
請求項1に記載の二次元画像表示装置の発明によれば、傾斜入射光反射部材が、画像表示面からの画像光を反射画像光として反射させ、画像伝達パネルのマイクロレンズアレイが当該反射画像光を屈折させて当該マイクロレンズアレイの前記傾斜反射部材とは反対側に位置する空間の結像面に前記反射画像光を結像させ、当該結像面からの当該反射画像光を人物の眼に入射させることで、当該眼に対して前記二次元画像を前記マイクロレンズアレイの当該人物側の表面より手前側に視認させ、反射部材角度変動手段が前記画像光に対する前記傾斜入射光反射部材の傾斜角度を変動させるので、コンパクト性を損なうことなく画像伝達パネルから二次元画像が飛び出して見える距離を大きく取るとともに、二次元画像に対する観賞方向のずれにより画質が劣化して見えるのを防止し、十分な画質を確保することができる。
【0012】
請求項4に記載の遊技機の発明によれば、傾斜入射光反射部材が、画像表示面からの画像光を反射画像光として反射させ、画像伝達パネルのマイクロレンズアレイが当該反射画像光を屈折させて当該マイクロレンズアレイの前記傾斜反射部材とは反対側に位置する空間の結像面に前記反射画像光を結像させ、当該結像面からの当該反射画像光を遊技者の眼に入射させることで、当該眼に対して前記二次元画像を前記マイクロレンズアレイの当該人物側の表面より手前側に視認させ、反射部材角度変動手段が前記画像光に対する前記傾斜入射光反射部材の傾斜角度を変動させるので、コンパクト性を損なうことなく画像伝達パネルから二次元画像が飛び出して見える距離を大きく取るとともに、二次元画像に対する観賞方向のずれにより画質が劣化して見えるのを防止し、十分な画質を確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の第1の実施形態の遊技機の正面図である。
【図2】本発明の第1の実施形態の遊技機の斜視図である。
【図3】本発明の第1の実施形態のガラス枠を開放させた状態の遊技機の斜視図である。
【図4】本発明の第1の実施形態の遊技機の裏面側の斜視図である。
【図5】本発明の第1の実施形態の二次元画像表示装置の分解斜視図である。
【図6】本発明の第1の実施形態赤外線撮像ユニットの斜視図である。
【図7】裸眼立体視用液晶表示装置の分解斜視図である。
【図8】裸眼立体視用液晶表示装置の液晶表示ユニットの分解斜視図である。
【図9】仰俯角変更駆動ユニットの断面図である。
【図10】左右回動角変更駆動ユニットの断面図である。
【図11】本発明の第1の実施形態の二次元画像表示装置の組み立てた状態の斜視図である。
【図12】本発明の第1の実施形態の二次元画像表示装置の組み立てた状態の断面図である。
【図13】本発明の第1の実施形態の二次元画像表示装置の光学系の作用を示す第1の説明図である。
【図14】本発明の第1の実施形態の二次元画像表示装置の光学系の作用を示す第2の説明図である。
【図15】本発明の第1の実施形態の遊技機全体のブロック図である。
【図16】本発明の第1の実施形態の画像制御基板のブロック図である。
【図17】本発明の第1の実施形態のVDPにおける制御レジスタの構造図の一例である。
【図18】本発明の第1の実施形態の大当たり判定テーブル及び当たり判定テーブルを示す図である。
【図19】本発明の第1の実施形態の図柄決定テーブルを示す図である。
【図20】本発明の第1の実施形態の特別電動役物作動態様決定テーブルを示す図である。
【図21】本発明の第1の実施形態の大入賞口開放態様テーブルを示す図である。
【図22】本発明の第1の実施形態の変動演出パターン決定テーブルを示す図である。
【図23】本発明の第1の実施形態の主制御基板におけるメイン処理を示す図である。
【図24】本発明の第1の実施形態の主制御基板におけるタイマ割込処理を示す図である。
【図25】本発明の第1の実施形態の主制御基板における特図特電制御処理を示す図である。
【図26】本発明の第1の実施形態の主制御基板における特別図柄記憶判定処理を示す図である。
【図27】本発明の第1の実施形態の主制御基板から演出制御基板に送信されるコマンドの種別を示す図である。
【図28】本発明の第1の実施形態の演出制御基板におけるメイン処理を示す図である。
【図29】本発明の第1の実施形態の演出制御基板におけるタイマ割込処理を示す図である。
【図30】本発明の第1の実施形態の演出制御基板におけるコマンド解析処理1を示す図である。
【図31】本発明の第1の実施形態の演出制御基板におけるコマンド解析処理2を示す図である。
【図32】本発明の第1の実施形態の演出制御基板における結像面方向制御処理を示す図である。
【図33】本発明の第1の実施形態の演出制御基板における演出入力制御処理を示す図である。
【図34】本発明の第1の実施形態のホストCPUにおけるメイン処理を示す図である。
【図35】本発明の第1の実施形態のホストCPUにおける割込処理を示す図である。
【図36】本発明の第1の実施形態のアニメグループの一例である。
【図37】本発明の第1の実施形態のアニメパターンの一例である。
【図38】本発明の第1の実施形態の描画制御コマンド群から構成されるディスプレイリストの一例である。
【図39】本発明の第1の実施形態の伸長回路における伸長制御処理を示す図である。
【図40】本発明の第1の実施形態の描画回路における描画制御処理を示す図である。
【図41】本発明の第1の実施形態の表示回路における表示制御処理を示す図である。
【図42】本発明の第1の実施形態の液晶表示装置で表示される遊技内容を説明する説明図である。
【図43】本発明の第1の実施形態の液晶表示装置における変動演出パターンの表示画面の構成図である。
【図44】本発明の第1の実施形態の二次元画像表示装置の動作を説明する説明図である。
【図45】赤外線イメージセンサが捉えた画像を示す説明図である。
【図46】本発明の第1の実施形態の二次元画像表示装置で表示される第1及び第2の擬似空中画像の第1の表示例を示す説明図である。
【図47】本発明の第1の実施形態の二次元画像表示装置で表示される第1及び第2の擬似空中画像の第2の表示例を示す説明図である。
【図48】本発明の第2の実施形態の二次元画像表示装置を示す断面図である。
【図49】本発明の第3の実施形態の二次元画像表示装置を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
(第1の実施形態)
以下、本発明の第1の実施形態について図面を参照しながら具体的に説明する。
【0015】
(遊技機の構成)
次に、図1〜図4を参照して、本発明の第1の実施形態の遊技機1の構成について具体的に説明する。図1は本発明の第1の実施形態の遊技機1の正面図であり、図2は本発明の第1の実施形態のガラス枠を開放させた状態の遊技機1の斜視図であり、図3は本発明の第1の実施形態のガラス枠を開放させた状態の遊技機1の斜視図であり、図4は遊技機1の裏面側の斜視図である。
【0016】
図1乃至図3において、遊技機1は、遊技店の島設備に取り付けられる外枠60と、その外枠60と回動可能に支持されたガラス枠50とが備えられている(図1、図3参照)。また、外枠60には、遊技球200が流下する遊技領域6が形成された遊技盤2が設けられている。遊技盤2は、木質の合板による遊技板2aの表面に釘2b、風車2c等の部材を取り付けたものである。図1及び図2において、ガラス枠50には、回動操作されることにより遊技領域6に向けて遊技球を発射させる操作ハンドル3と、音声出力装置32と、複数のランプを有する上下の演出用照明装置34a、34bと、空間に突出して見える二次元画像を表示する二次元画像表示装置35とが設けられている。
【0017】
さらに、図3において、ガラス枠50の下側には、受皿ユニット8が設けられている。受皿ユニット8には、複数の遊技球200を貯留する球皿部71が設けられており、この球皿部71は、操作ハンドル3の方向側に遊技球200が流下するように下りの傾斜を有している。この球皿部71の下りの傾斜の端部には、遊技球を受け入れる受入口が設けられており、この受入口に受け入れられた遊技球は、玉送りソレノイド4bが駆動することにより、ガラス枠50の裏面に設けられた玉送り開口部41へ1個ずつ送り出される。そして、玉送り開口部41へ送り出された遊技球は、打出部材4cの方向に向けて下り傾斜を有している発射レール42により、発射レール42の下り傾斜の端部に誘導される。発射レール42の下り傾斜の端部の上方には、遊技球を停留させる停止するストッパー43が設けられており、玉送り開口部41から送り出された遊技球200は、発射レール42の下り傾斜の端部で1個の遊技球が停留されることになる。
【0018】
そして、遊技者が操作ハンドル3を回動させると、操作ハンドル3に直結している発射ボリューム3b(図15参照)も回動し、発射ボリューム3bにより遊技球の発射強度が調整され、調整された発射強度で発射用ソレノイド4aに直結された打出部材4cが回転する。この打出部材4cが回転することで、打出部材4cにより発射レール42の下り傾斜の端部に貯留されている遊技球200が打ち出され、遊技球が遊技領域6に発射されることとなる。
【0019】
上記のようにして発射された遊技球は、発射レール42からレール5a、5b間を上昇して玉戻り防止片5cを超えると、遊技領域6に到達し、その後遊技領域6内を落下する。このとき、遊技領域6に設けられた複数の釘や風車によって、遊技球は予測不能に落下することとなる。
【0020】
(遊技領域6の構成)
【0021】
図1において、上記遊技領域6には、複数の一般入賞口12が設けられている。これら各一般入賞口12には、一般入賞口検出スイッチ12a(図15参照)が設けられており、この一般入賞口検出スイッチ12aが遊技球の入賞を検出すると、所定の賞球(例えば10個の遊技球)が払い出される。
【0022】
また、上記遊技領域6の中央下側の領域には、遊技球が入球可能な始動領域を構成する第1始動口14および第2始動口15と、遊技球が入球可能な第2大入賞口17とが設けられている。
【0023】
この第2始動口15は、一対の可動片15bを有しており、これら一対の可動片15bが閉状態に維持される第1の態様と、一対の可動片15bが開状態となる第2の態様とに可動制御される。なお、第2始動口15が上記第1の態様に制御されているときには、当該第2始動口15の真上に位置する第2大入賞口17の入賞部材が障害物となって、遊技球の受入れを不可能としている。一方で、第2始動口15が上記第2の態様に制御されているときには、上記一対の可動片15bが受け皿として機能し、第2始動口15への遊技球の入賞が容易となる。つまり、第2始動口15は、第1の態様にあるときには遊技球の入賞機会がなく、第2の態様にあるときには遊技球の入賞機会が増すこととなる。
【0024】
ここで、第1始動口14には遊技球の入球を検出する第1始動口検出スイッチ14a(図15参照)が設けられ、第2始動口15には遊技球の入球を検出する第2始動口検出スイッチ15a(図15参照)が設けられている。そして、第1始動口検出スイッチ14a又は第2始動口検出スイッチ15aが遊技球の入球を検出すると、特別図柄判定用乱数値等を取得し、後述する大当たり遊技を実行する権利獲得の抽選(以下、「大当たりの抽選」という)が行われる。また、第1始動口検出スイッチ14a又は第2始動口検出スイッチ15aが遊技球の入球を検出した場合にも、所定の賞球(例えば3個の遊技球)が払い出される。
【0025】
また、第2大入賞口17は、遊技盤2に形成された開口部から構成されている。この第2大入賞口17の下部には、遊技盤面側からガラス板52側に突出可能な第2大入賞口開閉扉17bを有しており、この第2大入賞口開閉扉17bが遊技盤面側に突出する開放状態と、遊技盤面に埋没する閉鎖状態とに可動制御される。そして、第2大入賞口開閉扉17bが遊技盤面に突出していると、遊技球を第2大入賞口17内に導く受け皿として機能し、遊技球が第2大入賞口17に入球可能となる。この第2大入賞口17には第2大入賞口検出スイッチ17aが設けられており、この第2大入賞口検出スイッチ17aが遊技球の入球を検出すると、予め設定された賞球(例えば15個の遊技球)が払い出される。
【0026】
さらに、上記遊技領域6の右側の領域には、遊技球が通過可能な普通領域を構成する普通図柄ゲート13と、遊技球が入球可能な第1大入賞口16とが設けられている。
【0027】
このため、操作ハンドル3を大きく回動させ、強い力で打ち出された遊技球でないと、普通図柄ゲート13と第1大入賞口16とには遊技球が、通過又は入賞しないように構成されている。特に、後述する時短遊技状態に移行したとしても、遊技領域6の左側の領域に遊技球を流下させてしまうと、普通図柄ゲート13に遊技球が通過しないことから、第2始動口15にある一対の可動片15bが開状態とならず、第2始動口15に遊技球が入賞することが困難になるように構成されている。
【0028】
この普通図柄ゲート13には、遊技球の通過を検出するゲート検出スイッチ13a(図15参照)が設けられており、このゲート検出スイッチ13aが遊技球の通過を検出すると、普通図柄判定用乱数値を取得し、後述する「普通図柄の抽選」が行われる。
【0029】
第1大入賞口16は、通常は第1大入賞口開閉扉16bによって閉状態に維持されており、遊技球の入球を不可能としている。これに対して、後述する特別遊技が開始されると、第1大入賞口開閉扉16bが開放されるとともに、この第1大入賞口開閉扉16bが遊技球を第1大入賞口16内に導く受け皿として機能し、遊技球が第1大入賞口16に入球可能となる。第1大入賞口16には第1大入賞口検出スイッチ16a(図15参照)が設けられており、この第1大入賞口検出スイッチ16aが遊技球の入球を検出すると、予め設定された賞球(例えば15個の遊技球)が払い出される。
【0030】
さらには、遊技領域6の最下部であって遊技領域6の最下部の領域には、一般入賞口12、第1始動口14、第2始動口15、第1大入賞口16および第2大入賞口17のいずれにも入球しなかった遊技球を排出するためのアウト口11が設けられている。
【0031】
また、遊技領域6の中央には、遊技球の流下に影響を与える飾り部材7が設けられている。この飾り部材7の略中央部分には、液晶表示装置(LCD)31が設けられており、この液晶表示装置31の上方には、ベルトの形をした演出用駆動装置33が設けられている。
【0032】
この液晶表示装置31は、遊技が行われていない待機中に画像を表示したり、遊技の進行に応じた画像を表示したりする。なかでも、後述する大当りの抽選結果を報知するための3個の演出図柄36が表示され、特定の演出図柄36の組合せ(例えば、777等)が停止表示されることにより、大当りの抽選結果として大当りが報知される。
より具体的には、第1始動口14又は第2始動口15に遊技球が入球したときには、3個の演出図柄36をそれぞれスクロール表示するとともに、所定時間経過後に当該スクロールを停止させて、演出図柄36を停止表示するものである。また、この演出図柄36の変動表示中に、さまざまな画像やキャラクタ等を表示することによって、大当たりに当選するかもしれないという高い期待感を遊技者に与えるようにもしている。
【0033】
上記演出用駆動装置33は、その動作態様によって遊技者に期待感を与えるものである。演出用駆動装置33は、例えば、ベルトが下方に移動したり、ベルト中央部の回転部材が回転したりする動作を行う。これら演出用駆動装置33の動作態様によって、遊技者にさまざまな期待感を与えるようにしている。
【0034】
さらに、上記の各種の演出装置に加えて、音声出力装置32は、BGM(バックグランドミュージック)、SE(サウンドエフェクト)等を出力し、サウンドによる演出を行い、演出用照明装置34a、34bは、各ランプの光の照射方向や発光色を変更して、照明による演出を行うようにしている。
【0035】
遊技領域6の右下方には、第1特別図柄表示装置20、第2特別図柄表示装置21、普通図柄表示装置22、第1特別図柄保留表示器23、第2特別図柄保留表示器24、普通図柄保留表示器25が設けられている。
【0036】
上記第1特別図柄表示装置20は、第1始動口14に遊技球が入球したことを契機として行われた大当たりの抽選結果を報知するものであり、7セグメントのLEDで構成されている。つまり、大当たりの抽選結果に対応する特別図柄が複数設けられており、この第1特別図柄表示装置20に大当たりの抽選結果に対応する特別図柄を表示することによって、抽選結果を遊技者に報知するようにしている。例えば、大当たりに当選した場合には「7」が表示され、ハズレであった場合には「−」が表示される。このようにして表示される「7」や「−」が特別図柄となるが、この特別図柄はすぐに表示されるわけではなく、所定時間変動表示された後に、停止表示されるようにしている。
【0037】
ここで、「大当たりの抽選」とは、第1始動口14又は第2始動口15に遊技球が入球したときに、特別図柄判定用乱数値を取得し、取得した特別図柄判定用乱数値が「大当たり」に対応する乱数値であるか、「小当たり」に対応する乱数値であるかの判定する処理をいう。この大当たりの抽選結果は即座に遊技者に報知されるわけではなく、第1特別図柄表示装置20において特別図柄が点滅等の変動表示を行い、所定の変動時間を経過したところで、大当たりの抽選結果に対応する特別図柄が停止表示して、遊技者に抽選結果が報知されるようにしている。なお、第2特別図柄表示装置21は、第2始動口15に遊技球が入球したことを契機として行われた大当たりの抽選結果を報知するためのもので、その表示態様は、上記第1特別図柄表示装置20における特別図柄の表示態様と同一である。
【0038】
また、本発明の第1の実施形態において「大当たり」というのは、第1始動口14又は第2始動口15に遊技球が入球したことを条件として行われる大当たりの抽選において、大当たり遊技を実行する権利を獲得したことをいう。「大当たり遊技」においては、第1大入賞口16又は第2大入賞口17が開放されるラウンド遊技を計15回行う。各ラウンド遊技における第1大入賞口16又は第2大入賞口17の最大開放時間については予め定められた時間が設定されており、この間に第1大入賞口16又は第2大入賞口17に所定個数の遊技球(例えば9個)が入球すると、1回のラウンド遊技が終了となる。つまり、「大当たり遊技」は、第1大入賞口16又は第2大入賞口17に遊技球が入球するとともに、当該入球に応じた賞球を遊技者が獲得できる遊技である。
なお、この大当たり遊技には、複数種類の大当たりが設けられているが、詳しくは後述する。
【0039】
また、普通図柄表示装置22は、普通図柄ゲート13を遊技球が通過したことを契機として行われる普通図柄の抽選結果を報知するためのものである。詳しくは後述するが、この普通図柄の抽選によって当たりに当選すると普通図柄表示装置22が点灯し、その後、上記第2始動口15が所定時間、第2の態様に制御される。
【0040】
ここで、「普通図柄の抽選」とは、普通図柄ゲート13に遊技球が通過したときに、普通図柄判定用乱数値を取得し、取得した普通図柄判定用乱数値が「当たり」に対応する乱数値であるかどうかの判定する処理をいう。この普通図柄の抽選結果についても、普通図柄ゲート13を遊技球が通過して即座に抽選結果が報知されるわけではなく、普通図柄表示装置22において普通図柄が点滅等の変動表示を行い、所定の変動時間を経過したところで、普通図柄の抽選結果に対応する普通図柄が停止表示して、遊技者に抽選結果が報知されるようにしている。
【0041】
さらに、特別図柄の変動表示中や後述する特別遊技中等、第1始動口14又は第2始動口15に遊技球が入球して、即座に大当たりの抽選が行えない場合には、一定の条件のもとで、大当たりの抽選の権利が保留される。より詳細には、第1始動口14に遊技球が入球したときに取得された特別図柄判定用乱数値を第1保留として記憶し、第2始動口15に遊技球が入球したときに取得された特別図柄判定用乱数値を第2保留として記憶する。
【0042】
これら両保留は、それぞれ上限保留個数を4個に設定し、その保留個数は、それぞれ第1特別図柄保留表示器23と第2特別図柄保留表示器24とに表示される。なお、第1保留が1つの場合には、第1特別図柄保留表示器23の左側のLEDが点灯し、第1保留が2つの場合には、第1特別図柄保留表示器23の2つのLEDが点灯する。また、第1保留が3つの場合には、第1特別図柄保留表示器23の左側のLEDが点滅するとともに右側のLEDが点灯し、第1保留が4つの場合には、第1特別図柄保留表示器23の2つのLEDが点滅する。また、第2特別図柄保留表示器24においても、上記と同様に第2保留の保留個数が表示される。
【0043】
そして、普通図柄の上限保留個数も4個に設定されており、その保留個数が、上記第1特別図柄保留表示器23および第2特別図柄保留表示器24と同様の態様によって、普通図柄保留表示器25において表示される。
【0044】
(受皿ユニット8の構成)
図2において、受皿ユニット8の球皿部71の前側及び右側には、斜め前方に傾斜する傾斜面部74が設けられている。傾斜面部74の右側部には、二次元画像表示装置35が配置されている。
【0045】
二次元画像表示装置35の左斜め後側には、整列路72が設けられている。
【0046】
整列路72の右側には、球抜きボタン75が設けられており、球抜きボタン75を手動で押し続けることにより、整列路72の先端に設けた開閉板を移動させて球皿側球排出口76を開放し、上球受皿に貯留された遊技球を球抜きして下側球排出口77(図1参照)に送るようにしている。下側球排出口77から排出される遊技球は、通常、ドル箱と呼ばれる遊技球収納箱に受け止められ収納される。
【0047】
受皿ユニット8の下側には、下側演出用照明装置34bが設けられている。
【0048】
(ガラス枠50の構成)
図3において、ガラス枠50は、遊技盤2の前方(遊技者側)において遊技領域6を視認可能に覆うガラス板52を支持している。なお、ガラス板52は、ガラス枠50に対して着脱可能に固定されている。
【0049】
またガラス枠50は、左右方向の一端側(たとえば遊技機1に正対して左側)においてヒンジ機構部51を介して外枠60に連結されており、ヒンジ機構部51を支点として左右方向の他端側(たとえば遊技機1に正対して右側)を外枠60から開放させる方向に回動可能とされている。ガラス枠50は、ガラス板52とともに遊技盤2を覆い、ヒンジ機構部51を支点として扉のように回動することによって、遊技盤2を含む外枠60の内側部分を開放することができる。ガラス枠50の他端側には、ガラス枠50の他端側を外枠60に固定するロック機構が設けられている。ロック機構による固定は、専用の鍵によって解除することが可能とされている。また、ガラス枠50には、ガラス枠50が外枠60から開放されているか否かを検出する扉開放スイッチ133も設けられている。
【0050】
(遊技機1の裏面の構成)
図4において、遊技機1の裏面には、主制御基板110、演出制御基板120、払出制御基板130、電源基板170、遊技情報出力端子板30などが設けられている。また、電源基板170に遊技機1に電力を給電するための電源プラグ171や、図示しない電源スイッチが設けられている。
【0051】
(二次元画像表示装置35の構成)
図5は、二次元画像表示装置35の分解斜視図である。図6は赤外線撮像ユニット386の斜視図である。図7は、反射方向可変反射鏡装置381の分解斜視図である。図8は、反射方向可変反射鏡装置381の反射鏡可動部383の分解斜視図である。図9は、仰俯角変更駆動ユニット613の断面図である。図10は、左右回動角変更駆動ユニット614の断面図である。図11は、二次元画像表示装置35の組み立てた状態の斜視図である。図12は、二次元画像表示装置35の組み立てた状態の断面図である。図13及び図14は、二次元画像表示装置35の光学系の作用を示す説明図であり、図13(a)は本実施形態の光学系を示し、図13(b)は比較例の光学系を示している。図14は、反射方向可変反射鏡装置381の動作による光学系の作用を示している。
【0052】
図5において、二次元画像表示装置35は、フレーム301と、液晶表示ユニット302と、反射鏡303、304と、反射方向可変反射鏡装置381と、画像伝達パネル306と、赤外線発光ユニット307、385と、赤外線センサ308と、上部カバー309と、赤外線撮像ユニット386と、複数のネジ391…391、392…392、393…393、394…394、395…395、396…396とから構成されている。
【0053】
フレーム301は、五面の枠状部311、312、313、314、315の左右の側面壁部316、317を設けた構造になっている。
図5及び図12において、第1の枠状部311は、フレーム301の前面下側に配置し、前方に向けて開口321を形成している。第2の枠状部312は、フレーム301の背面下側に配置し、後斜下方に向けて開口322を形成している。第3の枠状部313は、フレーム301の背面上側に配置し、後斜上方に向けて開口323を形成している。第4の枠状部314は、フレーム301の前面上側に配置し、前斜下方に向けて開口324を形成している。第5の枠状部315は、フレーム301の上面に配置し、上方に向けて開口325を形成している。
【0054】
第2の枠状部312の開口322の開口面は、第1の枠状部311の開口321の開口面に対して右から見て右回りに45°傾けられている。第3の枠状部313の開口323の開口面は、第2の枠状部312の開口322の開口面に対して右から見て右回りに90°の角度で設けられている。第4の枠状部314の開口324の開口面は、第1の枠状部311の開口321の開口面に対して右から見て左回りに225°傾けられている。第5の枠状部315の開口325の開口面は、第4の枠状部314の開口324の開口面に対して右から見て左回りに45°傾けられている。
【0055】
図5において、第1の枠状部311の左辺からは、上下のネジ止め片311aが左側ら突出して設けられている。第1の枠状部311の右辺には、上下のネジ止め片311bが右側ら突出して設けられている。上下のネジ止め片311a、311bには、液晶表示ユニット302のネジ止め部302a、302bが4本のネジ391…391によりネジ止めされる。第2の枠状部312には、第1の反射鏡303が4本のネジ392…392によりネジ止めされる。第3の枠状部313には、第2の反射鏡304が4本のネジ393…393によりネジ止めされる。第4の枠状部314には、第3の反射鏡305を備える反射方向可変反射鏡装置381が4本のネジ394…394によりネジ止めされる。第5の枠状部315には、画像伝達パネル306が4本のネジ395…395によりネジ止めされる。
【0056】
フレーム301の左右の側面壁部316、317の上部には、上方に延出する左右の部品取り付け部318、319が設けられている。
左の部品取り付け部318には、異なる波長の赤外線を発光する赤外線発光ユニット307、385を取り付けている。赤外線発光ユニット307は、850nmの近赤外線を発光し比較的狭い照射角度で照射するものを用いている。赤外線発光ユニット307は、ランプ制御基板140の制御により赤外線を照射する方向を変動させることが可能になっている。赤外線発光ユニット385は、950nmの近赤外線を発光し、比較的広い照射角度で照射するものを用いている。
右の部品取り付け部319には、赤外線センサ308及び赤外線撮像ユニット386を取り付けている。赤外線センサ308は、ランプ制御基板140の制御により赤外線を検出する方向を変動させることが可能になっている。
赤外線撮像ユニット386は、図6に示すように、ケース386a、撮像レンズ386b、赤外線イメージセンサ386c及び信号処理回路386dにより構成される。撮像レンズ386bは、赤外線発光ユニット385により赤外線で照明された遊技者の像を赤外線イメージセンサ386cのセンサ面に映す。赤外線イメージセンサ386cは、センサ面に映された像を光電変換する。信号処理回路386dは、赤外線イメージセンサ386cにより光電変換された出力を映像信号(輝度信号)に変換してケース386aの外側後方に延出するハーネス386eを介してランプ制御基板140に送信する。
図5において、フレーム301の左の側面壁部316の上部の前後にはネジ締付部316a、316aが外側面に突出して設けらけている。フレーム301の右の側面壁部317の上部の前後にはネジ締付部317a、317aが外側面に突出して設けらけている。
【0057】
上部カバー309は、上面部331及び前後左右の壁部332、333、334、335とから構成されている。上面部331には、画像伝達パネル306に対応する位置に窓部336が形成されている。窓部336には、画像伝達パネル306からの光を通過させる透明板337が取り付けられている。窓部336の左右には、半円形状の左右の膨出部338、339が形成されている。左の膨出部338の右面には、赤外線発光ユニット307の赤外線を透過させる透過部338aが設けられている。左の膨出部338の上部の手前寄りには、赤外線発光ユニット385の赤外線を透過させる透過部338bが設けられている。左の膨出部338の内側には、フレーム301の左の側面壁部316のネジ締付部316a、316aがネジ396、396によりネジ止めされるネジ止め部338c、338cが形成されている。
【0058】
右の膨出部339の左面には、遊技者の指から反射した赤外線の内、赤外線発光ユニット307が発光波長の赤外線を透過し、赤外線発光ユニット385の赤外線をカットするバンドパスフィルタ部339aが設けられている。右の膨出部339の上部の手前寄りには、遊技者から反射した赤外線の内、赤外線発光ユニット385の発光波長の赤外線を透過し、赤外線発光ユニット307の赤外線をカットするバンドパスフィルタ部339bが設けられている。右の膨出部339の内側には、フレーム301の右の側面壁部317のネジ締付部317a、317aがネジ396、396によりネジ止めされるネジ止め部339c、339cが形成されている。
【0059】
上部カバー309の左の壁部334には、受皿ユニット8の傾斜面部74の内側にネジ止めされる前後のネジ締付部334a、334aが形成されている。上部カバー309の右の壁部335には、受皿ユニット8の傾斜面部74の内側にネジ止めされる前後のネジ締付部335a、335aが形成されている。
【0060】
図7及び図8において、反射方向可変反射鏡装置381は、反射面角度変更駆動装置382と反射鏡可動部383とから構成されている。
図8において、反射面角度変更駆動装置382は、枠状部材611と、回動支持部612と、仰俯角変更駆動ユニット613と、左右回動角変更駆動ユニット614と、ネジ615、615とを備えている。
【0061】
枠状部材611は、アルミ合金を枠状に形成したものであり、上下左右の長尺板状部621、622、623、624を有する。
【0062】
上側の長尺板状部621の下面の左右方向の中央の前側には、軸受け625が下方に突出して設けられている。軸受け625には、反射鏡可動部383の上部の回転軸693が正逆両方向で回動可能な状態で取り付けられる。長尺板状部621の軸受け625の左右には、左右回動角変更駆動ユニット614をネジ止めするためのネジ孔626、626が設けられている。
【0063】
下側の長尺板状部622の上面の左右方向の中央の前側には、軸受け627が上方に突出して設けられている。軸受け627には、反射鏡可動部383の下部の回転軸694が正逆両方向で回動可能な状態で取り付けられる。
【0064】
左側の長尺板状部623の右面中央には、軸628が左側に突出して設けられている。軸628は、仰俯角変更駆動ユニット613により正逆両方向で回動可能な状態で軸支される。右側の長尺板状部624の右面中央には、軸629が右側に突出して設けられている。軸629は、回動支持部612により正逆両方向で回動可能な状態で軸支される。
【0065】
また、左側の長尺板状部623の前辺における上下の中間部には、かさ歯車部630がリベット631、631により取り付け固定されている。かさ歯車部630には、軸628の中心としたかさ歯車形状の歯632が形成されている。
【0066】
かさ歯車部630の右側面には、L字状部633が一体で形成されている。L字状部633の前側は、歯632より前方に突出してから左方向に折れ曲がる。L字状部633の先端は、仰俯角変更駆動ユニット613のフォトセンサ645(図9参照)により検出される鏡状の反射検出面634になっている。
【0067】
回動支持部612には、舌片形状のネジ締付部635、636が前側の上下に突出して形成されている。ネジ締付部635、636は、、2本のネジ394(図5参照)によりフレーム301(図5参照)の第4の枠状部314(図5参照)にネジ止め固定される。回動支持部612の左面には、右側の長尺板状部624の軸629を正逆両方向で回動可能な状態で軸支する軸受け部637が形成されている。
【0068】
仰俯角変更駆動ユニット613のケース641には、舌片形状のネジ締付部642、643が前側の上下に突出して形成されている。ネジ締付部642、643は、2本のネジ394(図5参照)によりフレーム301(図5参照)の第4の枠状部314(図5参照)にネジ止め固定される。ケース641の右面には、左側の長尺板状部623の軸628を軸支する軸受け部644が形成されている。
【0069】
左右回動角変更駆動ユニット614のケース671には、舌片形状のネジ締付部672、673が前側下部から左右に突出して形成されている。ネジ615、615は、ネジ締付部672、673のネジ挿通孔に挿通し、長尺板状部621のネジ孔626、626に上側から螺入して締め付けられることで、ネジ締付部672、673を長尺板状部621の上面のネジ止め固定するようになっている。
【0070】
反射方向可変反射鏡装置711の反射鏡可動部713は、反射鏡305と、かさ歯車部691とネジ692、692とから構成されている。反射鏡305の一方の板面(表面)は、反射面353になっている。
【0071】
反射鏡305の上辺中央には、回転軸693が突出して設けられている。回転軸693は、長尺板状部621の軸受け625により軸受けされることで、長尺板状部621の軸受け625に正逆両方向で回動可能な状態で取り付けられる。
反射鏡305の下辺中央には、回転軸694が突出して設けられている。回転軸693は、下側の長尺板状部622の軸受け627により軸受けされることで、長尺板状部621の軸受け627に正逆両方向で回動可能な状態で取り付けられる。
【0072】
反射鏡305の他方の板面(裏面)の上部中央には、かさ歯車部691がネジ692、692(図8参照)により取り付けられている。かさ歯車部691には、回転軸693の中心としたかさ歯車形状の歯695が形成されている。かさ歯車部691の下面には、L字状部696と一体で形成されている。L字状部696の後ろ側は、歯695より後方に突出してから上方向に折れ曲がる。L字状部696の先端は、左右回動角変更駆動ユニット614のフォトセンサ645(図9参照)により検出される鏡状の反射検出面697になっている。
【0073】
図9において、仰俯角変更駆動ユニット613は、ケース641と、フォトセンサ645と、ステッピングモータ651と、平歯車652、653と、軸654と、かさ歯車655とから構成されている。ケース641は、軸受け部644が形成された右側部646と、フォトセンサ645を取り付ける左側部647とから構成される。ステッピングモータ651と、平歯車652、653と、軸654とは、ケース641の右側部646と左側部647により形成される空間の内部に収納される。ケース641の右側部646の右面には、軸受け部644が形成される。右側部646の左面には、ステッピングモータ651が取り付け固定される。右側部646の左面の前部には、軸654を回転可能な状態で軸支する前後の軸受け部648、649が設けられている。
【0074】
ステッピングモータ651は、回転軸656が前方に向けられている。回転軸656には、平歯車652が取り付け固定されている。軸654の後側は、後側の軸受け部649から後方に突出し、平歯車653が取り付け固定されている。平歯車652、653は、咬み合っており、ステッピングモータ651の回転軸656からの動力を軸654に伝達するようになっいる。軸654における軸受け部648、649の間の位置には、かさ歯車655が取り付け固定されている。かさ歯車655は、ケース641の右側部646に形成されたスリット650を介してケース641の右側に突出する。かさ歯車655の歯657は、かさ歯車部630のかさ歯車形状の歯632と咬み合い、軸654からの動力をかさ歯車部630に伝達するようになっている。
【0075】
左側部647の左側面後側には、ステッピングモータ651のハーネス658を延出させる開口部661が設けられている。左側部647の前部には、フォトセンサ645が嵌入して取り付けられる収納部662が設けられている。収納部の662の右側には、フォトセンサ645の発光部及び受光部を露出させる開口663が設けられている。フォトセンサ645のハーネス659は、収納部662の左側から左側部647の外部に延出するようになっている。ステッピングモータ651のハーネス658及びフォトセンサ645のハーネス659は、ランプ制御基板140(図15参照)に接続されている。
【0076】
このような構造により、ステッピングモータ651が回転軸656を前側から見て右回りに回転させた場合、平歯車652は、前側から見て右回りに回転し、平歯車653、軸654、かさ歯車655は、前側から見て左回りに回転し、かさ歯車部630及び枠状部材611は、左から見て軸628を中心にして左回りで回動する。一方、ステッピングモータ651が回転軸656を前側から見て左回りに回転させた場合、平歯車652は、前側から見て左回りに回転し、平歯車653、軸654、かさ歯車655は、前側から見て右回りに回転し、かさ歯車部630及び枠状部材611は、左から見て軸628を中心にして右回りで回動する。これにより仰俯角変更駆動ユニット613は、軸628を中心にして枠状部材611の仰角の変更を行う。
【0077】
フォトセンサ645は、反射検出面634に対して光の送受光を行うことで当該反射検出面634の検出を行い、枠状部材611の長尺板状部622が仰俯角変更駆動ユニット613に対して特定の角度にあることを検出する。
【0078】
図10において、左右回動角変更駆動ユニット614は、ケース671とフォトセンサ675と、ステッピングモータ681と、平歯車682、683と、軸684と、かさ歯車685とから構成されている。ケース671は、ベースとなる下側部676と、フォトセンサ675を取り付ける上側部677とから構成される。ステッピングモータ681と、平歯車682、683と、軸684とは、ケース671の下側部676と上側部677により形成される空間の内部に収納される。ケース671の下側部676の下面は、枠状部材611の上面と密接する。
【0079】
下側部676の上面には、ステッピングモータ681が取り付け固定される。下側部676の上面の前部には、軸684を回転可能な状態で軸支する後前の軸受け部678、679が設けられている。ステッピングモータ681は、回転軸686が前方に向けられている。回転軸686には、平歯車682が取り付け固定されている。軸684の後側は、後側の軸受け部679から後方に突出し、平歯車683が取り付け固定されている。平歯車682、683は、咬み合っており、ステッピングモータ681の回転軸686からの動力を軸684に伝達するようになっいる。軸684における軸受け部678、679の間の位置には、かさ歯車685が取り付け固定されている。かさ歯車685は、ケース671の下側部676に形成されたスリット680を介してケース671の外側下方に突出する。かさ歯車685の歯687は、かさ歯車部691のかさ歯車形状の歯695と咬み合い、軸684からの動力をかさ歯車部691に伝達するようになっている。
【0080】
上側部677の上面後側には、ステッピングモータ681のハーネス688を露出させる開口部691が設けられている。上側部677の前部には、フォトセンサ675が嵌入して取り付けられる収納部692が設けられている。収納部の692の下側には、フォトセンサ675の発光部及び受光部を露出させる開口693が設けられている。フォトセンサ675のハーネス689は、収納部692の上側から上側部677の外部に延出するようになっている。ステッピングモータ681のハーネス688及びフォトセンサ675のハーネス689は、ランプ制御基板140(図15参照)に接続されている。
【0081】
このような構造により、ステッピングモータ681が回転軸686を前側から見て右回りに回転させた場合、平歯車682は、前側から見て右回りに回転し、平歯車683、軸684、かさ歯車685は、前側から見て左回りに回転し、かさ歯車部691及び反射鏡可動部713は、上から見て軸693を中心にして左回りで回動する。ステッピングモータ681が回転軸686を前側から見て左回りに回転させた場合、平歯車682は、前側から見て左回りに回転し、平歯車683、軸684、かさ歯車685は、前側から見て右回りに回転し、かさ歯車部691お含む反射鏡可動部383は、上から見て軸693を中心にして右回りで回動する。これにより左右回動角変更駆動ユニット614は、軸693を中心にして反射鏡可動部713の左右回動角の変更を行う。
【0082】
フォトセンサ675は、反射鏡可動部713に固定されたL字状部696反射検出面697に対して光の送受光を行うことで反射検出面697の検出を行い、反射鏡可動部383が左右回動角変更駆動ユニット614に対して特定の角度にあることを検出する。
図11に示すように、フレーム301には、液晶表示ユニット302、反射鏡303、304、反射方向可変反射鏡装置381及び画像伝達パネル306がネジ止めされ、赤外線発光ユニット307及び赤外線センサ308を取り付れた状態で更に上部を覆う上部カバー309が取り付けられる。
【0083】
図12に示すように、液晶表示ユニット302は、ケース341、342と、液晶表示パネル343と、光拡散パネル344と、バックライト345と、液晶駆動基板346とから構成される。
【0084】
枠状のケース341の内側には、液晶表示パネル343、光拡散パネル344と、バックライト345が取り付けられる。一方の側が開放したケース342の内側には、液晶駆動基板346が取り付けられる。
【0085】
液晶表示パネル343の裏面には、光拡散パネル344が重ねられ、液晶表示パネル343と光拡散パネル344は、枠状のケース341に画面裏側から嵌め込まれる。枠状のケース341には、光拡散パネル344の裏側にバックライト345を取り付けている。バックライト345は、複数の高輝度放電灯ランプ345aと反射板345bとから構成されている。
枠状のケース341の画面裏側には、ケース342の開放側が取り付けられる。ケース342の内側には、液晶駆動基板346が取り付けられる。液晶駆動基板346は、ハーネス347を介して液晶表示パネル343と電気的に接続している。ケース342の下面にはハーネス348、349挿通される貫通部342aが形成されている。
【0086】
液晶駆動基板346は、ハーネス348を介して画像制御基板150(図15参照)に接続され、画像制御基板150(図15参照)からの制御コマンドを受信し、受信した制御コマンドに基づいて液晶表示パネル343の各画素の透過率を駆動制御する。
【0087】
バックライト345は、ハーネス349を介して画像制御基板150(図15参照)に接続されて高輝度放電灯ランプ345aが発光駆動され、高輝度放電灯ランプ345aからの光を直接または反射板345bにより反射させて光拡散パネル344に照射するようになっている。
【0088】
光拡散パネル344は、高輝度放電灯ランプ345aからの光を拡散して液晶表示パネル343の画像表示面350の裏側に導くようになっている。液晶表示パネル343の画像表示面350は、画素毎に制御された透過率で光拡散パネル344からの光が透過することで、当該画像表示面350を発光して画像を表示するようになっている。
【0089】
反射鏡303は、画像表示面350の後ろ側において、反射面351が前記画像表示面350に対して右側から見て右回りに45°傾斜して配置され、当該画像表示面350からの光L1を当該反射面351で反射画像光L2として上方に反射させる。
【0090】
反射鏡304は、反射鏡303の上側において、反射面352が反射鏡303の反射面351に対して右側から見て右回りに90°の角度を介して配置され、反射鏡304からの反射画像光L2を当該反射面352で反射画像光L3として前方に反射させる。
【0091】
反射方向可変反射鏡装置381の反射鏡305は、反射鏡304の前方において、標準の状態で反射面353が反射鏡304の反射面352に対して平行に配置され、反射鏡304からの反射画像光L3を当該反射面353で反射画像光L4として上方に反射させる。反射方向可変反射鏡装置381は、反射鏡305の反射面353の仰俯角及び左右角をランプ制御基板140の制御により標準位置から変更可能になっている。
【0092】
画像伝達パネル306は、複数のレンズを配列するマイクロレンズアレイ361を有し、当該マイクロレンズアレイ361が前記反射画像光L4の光路上に配置され、当該マイクロレンズアレイ361が当該反射画像光を屈折させて当該マイクロレンズアレイ361の前記反射鏡303とは反対側に位置する空間の結像面371(図11参照)に前記反射画像光を結像させ、当該結像面371からの当該反射画像光を人物の眼に入射させることで、当該眼に対して前記二次元画像を前記マイクロレンズアレイの当該人物側の表面より手前側に視認させる。
【0093】
以下、画像伝達パネル306について詳細に説明する。
図13(a)において、画像伝達パネル306は、マイクロレンズアレイ361とこれの有効領域を囲むレンズ枠領域362例えばレンズ枠体からなる。マイクロレンズアレイ361は液晶表示パネル343の画像表示面350に書き込まれた二次元画像を目視せしめるための正立等倍光学系である。本実施形態においてマイクロレンズアレイ361の有効面積は、液晶表示パネル343の画像表示面350の面積と同一とされている。レンズ枠領域362は黒色などの暗色を呈し、マイクロレンズアレイの存在を目視者が意識する度合を抑制している。
【0094】
マイクロレンズアレイ361は、2枚のレンズアレイ半体363、364を2枚一組で一体化したマイクロ凸レンズ板である。マイクロ凸レンズ板では、各光軸が同軸に配置された1対の凸レンズからなるレンズ系の複数が、それら光軸が互いに平行となるように、二次元状に配列されている。奥側に配置するレンズアレイ半体363の透明平板部365の裏面及び表面には、それぞれ凸レンズ367、368が形成されている。手前側に配置するレンズアレイ半体364の透明平板部366の裏面及び表面には、それぞれ形成された凸レンズ369、370が形成されている。
【0095】
凸レンズ367、368、369、370は、曲率が同一に設定されている。レンズアレイ半体363、364の像側焦点(結像面371)とレンズアレイ半体364のレンズ面との間の光L5の光路の距離A2は、液晶表示パネル343とレンズアレイ半体363のレンズ面との間の光L1、L2、L3、L4の光路の距離A1と同じになるように凸レンズ367、368、369、370の曲率が設定されている。凸レンズ367、368、369、370はそれぞれ同じ材質で同じ形状を有し、例えば透明平板上にマトリクス状に互いに隣接して整列形成されている。凸レンズ367、368、369、370の光軸L0は、対となって隣接するレンズアレイ半体363、364のもの同士間で一致している。凸レンズ367、368、369、370及び透明平板部365、366の材質はアクリルであるが、また透明平板にガラスを用いてもよい。
【0096】
ここで、図13(b)に示す比較例の光学系で、反射鏡を介さずに液晶表示パネル343からの画像光を画像伝達パネル306に直接導くことを考える。液晶表示パネル343からの画像光を画像伝達パネル306に直接導く場合、レンズ面との間の光L11の光路は、図13(a)に示す実施形態の光L1、L2、L3、L4の光路を直線で並べたものとなり、液晶表示パネル343と画像伝達パネル306の距離は、光L11の光路の距離A1と同じ長さとなる。このため、図13(a)に示す実施形態では、図13(b)に示す比較例に比べて液晶表示パネル343から画像伝達パネル306に光が伝達される部分の奥行きを2/3、体積を1/2程度に圧縮できる。従って、結像面371を画像伝達パネル306より十分離間し、且つ二次元画像表示装置35の奥行きもコンパクトとすることができる。
【0097】
また、図14に示すように、反射方向可変反射鏡装置381が反射鏡305の角度を変更することで、前記マイクロレンズアレイ361に照射される前記反射画像光L41の光路の角度を変更させ、前記マイクロレンズアレイ361を介して外部に照射される光L51のの角度を変更させ、反射画像光の結像面371を前後左右に移動させることが可能になっている。
【0098】
(遊技機全体のブロック図)
次に、図15の遊技機1全体のブロック図を用いて、遊技の進行を制御する制御手段について説明する。
【0099】
主制御基板110は遊技の基本動作を制御する主制御手段であり、第1始動口検出スイッチ14a等の各種検出信号を入力して、第1特別図柄表示装置20や第1大入賞口開閉ソレノイド16c等を駆動させて遊技を制御するものである。
【0100】
この主制御基板110は、メインCPU110a、メインROM110bおよびメインRAM110cから構成されるワンチップマイコン110mと、主制御用の入力ポートと出力ポート(図示せず)と少なくとも備えている。
【0101】
この主制御用の入力ポートには、払出制御基板130、一般入賞口12に遊技球が入球したことを検知する一般入賞口検出スイッチ12a、普通図柄ゲート13に遊技球が入球したことを検知するゲート検出スイッチ13a、第1始動口14に遊技球が入球したことを検知する第1始動口検出スイッチ14a、第2始動口15に遊技球が入球したことを検知する第2始動口検出スイッチ15a、第1大入賞口16に遊技球が入球したことを検知する第1大入賞口検出スイッチ16a、第2大入賞口17に遊技球が入球したことを検知する第2大入賞口検出スイッチ17aが接続されている。この主制御用の入力ポートによって、各種信号が主制御基板110に入力される。
【0102】
また、主制御用の出力ポートには、払出制御基板130、第2始動口15の一対の可動片15bを開閉動作させる始動口開閉ソレノイド15c、第1大入賞口開閉扉16bを動作させる第1大入賞口開閉ソレノイド16c、第2大入賞口開閉扉17bを動作させる第2大入賞口開閉ソレノイド17c、特別図柄を表示する第1特別図柄表示装置20と第2特別図柄表示装置21、普通図柄を表示する普通図柄表示装置22、特別図柄の保留球数を表示する第1特別図柄保留表示器23と第2特別図柄保留表示器24、普通図柄の保留球数を表示する普通図柄保留表示器25、外部情報信号を出力する遊技情報出力端子板30が接続されている。この主制御用の出力ポートによって、各種信号が出力される。
【0103】
メインCPU110aは、各検出スイッチやタイマからの入力信号に基づいて、メインROM110bに格納されたプログラムを読み出して演算処理を行うとともに、各装置や表示器を直接制御したり、あるいは演算処理の結果に応じて他の基板にコマンドを送信したりする。
【0104】
主制御基板110のメインROM110bには、遊技制御用のプログラムや各種の遊技に決定に必要なデータ、テーブルが記憶されている。
【0105】
例えば、大当たり抽選に参照される大当り判定テーブル、普通図柄の抽選に参照される当り判定テーブル、特別図柄の停止図柄を決定する図柄決定テーブル等がメインROM110bに記憶されている。
【0106】
なお、上述したテーブルは、本発明の第1の実施形態におけるテーブルのうち、特徴的なテーブルを一例として列挙しているに過ぎず、遊技の進行にあたっては、この他にも不図示のテーブルやプログラムが多数設けられている。
【0107】
主制御基板110のメインROM110bには、遊技制御用のプログラムや各種の遊技に決定に必要なデータ、テーブルが記憶されている。
【0108】
例えば、大当たり抽選に参照される大当り判定テーブル(図21参照)、普通図柄の抽選に参照される当り判定テーブル(図21参照)、特別図柄の停止図柄を決定する図柄決定テーブル(図22参照)、大当たり終了後の遊技状態を決定するための大当たり遊技終了時設定データテーブル、大入賞口開閉扉の開閉条件を決定する特別電動役物作動態様決定テーブル(図23参照)、大入賞口開放態様テーブル(図24参照)特別図柄の変動パターンを決定する変動パターン決定テーブル、等がメインROM110bに記憶されている。
【0109】
なお、上述したテーブルは、本発明の第1の実施形態におけるテーブルのうち、特徴的なテーブルを一例として列挙しているに過ぎず、遊技の進行にあたっては、この他にも不図示のテーブルやプログラムが多数設けられている。
【0110】
主制御基板110のメインRAM110cは、メインCPU110aの演算処理時におけるデータのワークエリアとして機能し、複数の記憶領域を有している。
【0111】
例えば、メインRAM110cには、普通図柄保留数(G)記憶領域、普通図柄保留記憶領域、普通図柄データ記憶領域、第1特別図柄保留数(U1)記憶領域、第2特別図柄保留数(U2)記憶領域、第1特別図柄乱数値記憶領域、第2特別図柄乱数値記憶領域、ラウンド遊技回数(R)記憶領域、開放回数(K)記憶領域、大入賞口入球数(C)記憶領域、遊技状態記憶領域(高確率遊技フラグ記憶領域と時短遊技フラグ記憶領域)、高確率遊技回数(X)カウンタ、時短回数(J)カウンタ、遊技状態バッファ、停止図柄データ記憶領域、演出用伝送データ格納領域、特別図柄時間カウンタ、特別遊技タイマカウンタなど各種のタイマカウンタが設けられている。なお、上述した記憶領域も一例に過ぎず、この他にも多数の記憶領域が設けられている。
【0112】
遊技情報出力端子板30は、主制御基板110において生成された外部情報信号を遊技店のホールコンピュータ等に出力するための基板である。遊技情報出力端子板30は、主制御基板110と配線接続され、外部情報を遊技店のホールコンピュータ等と接続をするためのコネクタが設けられている。
【0113】
電源基板170は、コンデンサからなるバックアップ電源を備えており、遊技機1に電源電圧を供給するとともに、遊技機1に供給する電源電圧を監視し、電源電圧が所定値以下となったときに、電断検知信号を主制御基板110に出力する。より具体的には、電断検知信号がハイレベルになるとメインCPU110aは動作可能状態になり、電断検知信号がローレベルになるとメインCPU110aは動作停止状態になる。バックアップ電源はコンデンサに限らず、例えば、電池でもよく、コンデンサと電池とを併用して用いてもよい。
【0114】
演出制御基板120は、主に遊技中や待機中等の各演出を制御する。この演出制御基板120は、サブCPU120a、サブROM120b、サブRAM120cを備えており、主制御基板110に対して、当該主制御基板110から演出制御基板120への一方向に通信可能に接続されている。
【0115】
サブCPU120aは、主制御基板110から送信されたコマンド、又は、ランプ制御基板140からの操作検知信号、又は、タイマからの入力信号に基づいて、サブROM120bに格納されたプログラムを読み出して演算処理を行うとともに、当該処理に基づいて、対応するデータをランプ制御基板140又は画像制御基板150に送信する。サブRAM120cは、サブCPU120aの演算処理時におけるデータのワークエリアとして機能する。
【0116】
例えば、演出制御基板120におけるサブCPU120aは、主制御基板110から特別図柄の変動態様を示す変動パターン指定コマンドを受信すると、受信した変動パターン指定コマンドの内容を解析して、液晶表示装置31、音声出力装置32、演出用駆動装置33、演出用照明装置34a、34b、二次元画像表示装置35に所定の演出を実行させるためのデータを生成し、かかるデータを画像制御基板150やランプ制御基板140へ送信する。また、CPU120aは、前記変動パターン指定コマンドを受信すると、二次元画像表示装置35により遊技者を検知するための制御情報を生成し、かかる制御情報をランプ制御基板140に送信する。
【0117】
演出制御基板120のサブROM120bには、演出制御用のプログラムや各種の遊技の決定に必要なデータ、テーブルが記憶されている。
例えば、主制御基板から受信した変動パターン指定コマンドに基づいて演出パターンを決定するための演出パターン決定テーブル、停止表示する演出図柄36の組み合わせを決定するための演出図柄決定テーブル、擬似空中画像演出パターンを決定する擬似空中画像演出パターン決定テーブル、擬似空中画像操作演出の可否を選択決定する擬似空中画像操作演出決定テーブル等がサブROM120bに記憶されている。なお、上述したテーブルは、本発明の第1の実施形態におけるテーブルのうち、特徴的なテーブルを一例として列挙しているに過ぎず、遊技の進行にあたっては、この他にも不図示のテーブルやプログラムが多数設けられている。
【0118】
演出制御基板120のサブRAM120cは、複数の記憶領域を有している。
サブRAM120cには、遊技状態記憶領域、演出モード記憶領域、演出パターン記憶領域、演出図柄記憶領域、擬似空中画像演出パターン記憶領域、擬似空中画像結像面方向記憶領域、擬似空中画像操作演出実行フラグ記憶領域、遊技者検知フラグ記憶領域等が設けられている。なお、上述した記憶領域も一例に過ぎず、この他にもサブRAM120cには多数の記憶領域が設けられている。
【0119】
払出制御基板130は、遊技球の払い出し制御を行う。この払出制御基板130は、図示しない払出CPU、払出ROM、払出RAMから構成されるワンチップマイコンを備えており、主制御基板110に対して、双方向に通信可能に接続されている。払出CPUは、遊技球が払い出されたか否かを検知する払出球計数検知スイッチ132、扉開放スイッチ133、タイマからの入力信号に基づいて、払出ROMに格納されたプログラムを読み出して演算処理を行うとともに、当該処理に基づいて、対応するデータを主制御基板110に送信する。また、払出制御基板130の出力側には、遊技球の貯留部から所定数の賞球を遊技者に払い出すための賞球払出装置の払出モータ131が接続されている。払出CPUは、主制御基板110から送信された払出個数指定コマンドに基づいて、払出ROMから所定のプログラムを読み出して演算処理を行うとともに、賞球払出装置の払出モータ131を制御して所定の賞球を遊技者に払い出す。このとき、払出RAMは、払出CPUの演算処理時におけるデータのワークエリアとして機能する。
【0120】
ランプ制御基板140は、遊技盤2に設けられた演出用照明装置34a、34bを点灯制御したり、光の照射方向を変更するためのモータに対する駆動制御をしたりする。また、ランプ制御基板140は、演出用駆動装置33を動作させるソレノイドやモータ等の駆動源を通電制御する。このランプ制御基板140は、演出制御基板120に接続されており、演出制御基板120から送信された各種のコマンドに基づいて、上記の各制御を行うこととなる。さらに、ランプ制御基板140は、二次元画像表示装置35の赤外線発光ユニット307、385、赤外線センサ308、赤外線撮像ユニット386に接続されている。ランプ制御基板140は、演出制御基板120におけるサブCPU120aからの制御情報に基づいて、赤外線発光ユニット307を発光させるとともに、赤外線センサ308からの赤外線検出信号の解析を行い、二次元画像表示装置35により形成された擬似空中画像の中心において遊技者の指等の体の一部の検知を行う。また、ランプ制御基板140は、演出制御基板120におけるサブCPU120aからの制御情報に基づいて、赤外線発光ユニット307を発光させるとともに、赤外線撮像ユニット386からの映像信号を演出制御基板120に送信する。ランプ制御基板140は、結像面方向データ(反射面353の仰角及び左右の回動角のデータ)を後述の方法で生成し演出制御基板120に送信する。
演出制御基板120は、ランプ制御基板140からの結像面方向のデータを擬似空中画像結像面方向記憶領域に記憶させるとともに、赤外線撮像ユニット386からの映像信号を解析し、この解析結果に基づいて、擬似空中画像の結像面方向制御処理を行い、擬似空中画像結像面方向記憶領域の結像面方向のデータが赤外線撮像ユニット386からの映像信号を解析の解析結果に対して適合する位置のデータでなかった場合には、擬似空中画像の結像面方向の制御目標を決定し、この制御目標に結像面方向を変動させるコマンドをランプ制御基板140に供給する。
ランプ制御基板140は、演出制御基板120からの結像面を移動させるコマンドに基づいて赤外線発光ユニット307の赤外線を照射する方向及び赤外線センサ308の赤外線を検出する方向の制御を行うとともに、反射面角度変更駆動装置382の仰俯角変更駆動ユニット613と左右回動角変更駆動ユニット614の制御を行う。
【0121】
ここで、ランプ制御基板140は、フォトセンサ645が反射検出面634を検出した場合、反射鏡305の反射面353の迎角を後側+45°と判定する。さらにランプ制御基板140は、迎角を後側+45°と判定した後にステッピングモータ651に供給した左回り用及び右回り用の駆動パルスによりステッピングモータ651の回転軸656の回転角を判別し、枠状部材611の回転角を判別することで反射鏡305の反射面353の仰角を判別し、判別した反射面353の仰角のデータと演出制御基板120からの結像面を移動させるコマンドに基づいて仰俯角変更駆動ユニット613の制御を行う。
【0122】
ランプ制御基板140は、フォトセンサ675が反射検出面697を検出した場合、反射鏡305の反射面353の左右の回動角を±0°と判定する。さらにランプ制御基板140は、左右の回動角を±0°と判定した後にステッピングモータ681に供給した左回り用及び右回り用の駆動パルスによりステッピングモータ681の回転軸686の回転角を判別することで反射鏡305の反射面353の左右の回動角を判別し、判別した反射面353の左右の回動角のデータと演出制御基板120からの結像面を移動させるコマンドを解析に基づいて左右回動角変更駆動ユニット614の制御を行う。
【0123】
画像制御基板150は、上記液晶表示装置31および音声出力装置32と接続されており、演出制御基板120から送信された各種のコマンドに基づいて、液晶表示装置31における画像の表示制御、音声出力装置32における音声の出力制御を行う。また、画像制御基板150は、二次元画像表示装置35の液晶表示ユニット302と接続されており、演出制御基板120から送信された各種のコマンドに基づいて、液晶表示ユニット302における画像の表示制御を行う。
画像制御基板150の詳しい説明は、図16の画像制御基板のブロック図を用いて後述する。
【0124】
発射制御基板160は、遊技球の発射制御を行う。この発射制御基板160は、入力側にタッチセンサ3aおよび発射ボリューム3bが接続されており、出力側に発射用ソレノイド4aおよび玉送りソレノイド4bを接続している。発射制御基板160は、タッチセンサ3aからのタッチ信号を入力するとともに、発射ボリューム3bから供給された電圧に基づいて、発射用ソレノイド4aや玉送りソレノイド4bを通電させる制御を行う。
【0125】
タッチセンサ3aは、操作ハンドル3の内部に設けられ、遊技者が操作ハンドル3に触れたことによる静電容量の変化を利用した静電容量型の近接スイッチから構成される。タッチセンサ3aは、遊技者が操作ハンドル3に触れたことを検知すると、発射制御基板160(図15参照)に発射用ソレノイド4aの通電を許可するタッチ信号を出力する。発射制御基板160は、大前提としてタッチセンサ3aからタッチ信号の入力がなければ、遊技球200を遊技領域6に発射させないように構成されている。
【0126】
発射ボリューム3bは、操作ハンドル3が回動する回動部に直結して設けられ、可変抵抗器から構成される。発射ボリューム3bは、その発射ボリューム3bに印加された定電圧(例えば5V)を可変抵抗器により分圧して、分圧した電圧を発射制御基板160に供給する(発射制御基板160に供給する電圧を可変させる)。発射制御基板160は、発射ボリューム3bにより分圧された電圧に基づいて、発射用ソレノイド4aを通電して、発射用ソレノイド4aに直結された打出部材4cを回転させることで、遊技球200を遊技領域6に発射させる。
【0127】
発射用ソレノイド4aは、ロータリーソレノイドから構成され、発射用ソレノイド4aには打出部材4cが直結されており、発射用ソレノイド4aが回転することで、打出部材4cを回転させる。
【0128】
ここで、発射用ソレノイド4aの回転速度は、発射制御基板160に設けられた水晶発振器の出力周期に基づく周波数から、約99.9(回/分)に設定されている。これにより、1分間における発射遊技数は、発射ソレノイドが1回転する毎に1個発射されるため、約99.9(個/分)となる。すなわち、1個の遊技球は約0.6秒毎に発射されることになる。
【0129】
玉送りソレノイド4bは、直進ソレノイドから構成され、球皿部71にある遊技球を、発射用ソレノイド4aに直結された打出部材4cに向けて1個ずつ送り出す。
【0130】
(画像制御基板のブロック図)
次に、図16の画像制御基板150のブロック図を用いて、画像表示制御について説明する。
【0131】
画像制御基板150は、液晶表示装置31及び液晶表示ユニット302の画像表示制御を行うためホストCPU150a、ホストRAM150b、ホストROM150c、CGROM151、水晶発振器152、VRAM153、VDP(Video Display Processor)400と、音声制御回路154とを備えている。
【0132】
ホストCPU150aは、演出制御基板120から受信した演出パターン指定コマンドに基づいて、VDP400にCGROM151に記憶されている画像データを液晶表示装置31及び液晶表示ユニット302に表示させる指示を行う。かかる指示は、VDP400における制御レジスタ411におけるデータの設定、描画制御コマンド群から構成されるディスプレイリストの出力によって行われる。
また、ホストCPU150aは、VDP400からVブランク割込信号や描画終了信号を受信すると、適宜割り込み処理を行う。
【0133】
さらに、ホストCPU150aは、音声制御回路154にも、演出制御基板120から受信した演出パターン指定コマンドに基づいて、所定の音声データを音声出力装置32に出力させる指示を行う。
【0134】
ホストRAM150bは、ホストCPU150aに内蔵されており、ホストCPU150aの演算処理時におけるデータのワークエリアとして機能し、ホストROM150cから読み出されたデータを一時的に記憶するものである。また、ホストRAM150bの記憶領域には、演出タイマカウンタ等の各種のタイマカウンタが設けられている。なお、上述した記憶領域も一例に過ぎず、この他にも多数の記憶領域が設けられている。
【0135】
また、ホストROM150cは、マスクROMで構成されており、ホストCPU150aの制御処理のプログラム、ディスプレイリストを生成するためのディスプレイリスト生成プログラム、演出パターンのアニメーションを表示するためのアニメパターン、アニメシーン情報等が記憶されている。
【0136】
このアニメパターンは、演出パターンのアニメーションを表示するにあたり参照され、その演出パターンに含まれるアニメシーン情報の組み合わせや各アニメシーン情報の表示順序等を記憶している。また、アニメシーン情報には、ウェイトフレーム(表示時間)、対象データ(スプライトの識別番号、転送元アドレス等)、パラメータ(スプライトの表示位置、転送先アドレス等)、描画方法等などの情報を記憶している。
【0137】
CGROM151は、フラッシュメモリ、EEPROM、EPROM、マスクROM等から構成され、所定範囲の画素(例えば、32×32ピクセル)における画素情報の集まりからなる画像データ(スプライト、ムービー)等を圧縮して記憶している。なお、前記画素情報は、それぞれの画素毎に色番号を指定する色番号情報と画像の透明度を示すα値とから構成されている。
【0138】
さらに、CGROM151には、色番号を指定する色番号情報と実際に色を表示するための表示色情報とが対応づけられたパレットデータを圧縮せずに記憶している。
なお、CGROM151は、全ての画像データを圧縮せずとも、一部のみ圧縮している構成でもよい。また、ムービーの圧縮方式としては、MPEG4等の公知の種々の圧縮方式を用いることができる。
【0139】
水晶発振器152は、パルス信号をVDP400(クロック生成回路415)に出力し、このパルス信号を分周することで、クロック生成回路415にてVDP400が制御を行うためのシステムクロック、液晶表示装置31及び液晶表示ユニット302と同期を図るための同期信号等が生成される。
【0140】
VRAM153は、画像データの書込みまたは読み出しが高速なSRAMで構成されている。
【0141】
また、VRAM153は、ホストCPU150aから出力されたメインの液晶表示装置31用(以下メイン用と呼ぶ)のディスプレイリストを一時的に記憶するメイン用ディスプレイリスト記憶領域153a1と、伸長回路416により伸長されたメイン用の画像データを記憶するメイン用展開記憶領域153b1と、メイン用の画像を描画または表示するためのメイン用第1フレームバッファ153c1、メイン用第2フレームバッファ153d1とを有している。また、VRAM153には、パレットデータも記憶される。
【0142】
なお、この2つのフレームバッは、描画の開始毎に、「描画用フレームバッファ」と「表示用フレームバッファ」とに交互に切り替わるものである。
【0143】
また、VRAM153は、ホストCPU150aから出力された二次元画像表示装置35の液晶表示ユニット302用(以下擬似空中画像表示用と呼ぶ)のディスプレイリストを一時的に記憶する擬似空中画像表示用ディスプレイリスト記憶領域153a2と、伸長回路416により伸長された擬似空中画像表示用の画像データを記憶する擬似空中画像表示用展開記憶領域153b2と、擬似空中画像表示用の画像を描画または表示するための擬似空中画像表示用第1フレームバッファ153c2、擬似空中画像表示用第2フレームバッファ153d2とを有している。
【0144】
VDP400は、いわゆる画像プロセッサであり、ホストCPU150aからの指示に基づいて、いずれかのフレームバッファ(表示用フレームバッファ)から画像データを読み出し、読み出した画像データに基づいて、映像信号(RGB信号等)を生成して、液晶表示装置31及び液晶表示ユニット302に出力するものである。
【0145】
また、VDP400は、制御レジスタ411と、CGバス I/F412と、CPU I/F413と、クロック生成回路415と、伸長回路416と、描画回路417と、表示回路418と、メモリコントローラ419とを備えている。
【0146】
制御レジスタ411は、VDP400が描画や表示の制御を行うためレジスタであり、制御レジスタ411に対するデータの書き込みと読み出しで、描画の制御や表示の制御が行われる。ホストCPU150aは、CPU I/F413を介して、制御レジスタ411に対するデータの書き込みと読み出しを行うことができる。
【0147】
この制御レジスタ411は、VDP400が動作するために必要な基本的な設定を行うシステム制御レジスタ、データの転送に必要な設定をするデータ転送レジスタ、描画の制御をするための設定をする描画レジスタ、バスのアクセスに必要な設定をするバスインターフェースレジスタ、圧縮された画像の伸長に必要な設定をする伸長レジスタ、表示の制御をするための設定をする表示レジスタ等の複数種類のレジスタを備えている。
【0148】
CGバス I/F412は、CGROM151との通信用のインターフェース回路であり、CGバス I/F412を介して、CGROM151からの画像データがVDP400に入力される。
また、CPU I/F413は、ホストCPU150aとの通信用のインターフェース回路であり、CPU I/F413を介して、ホストCPU150aがVDP400にディスプレイリストを出力したり、制御レジスタにアクセスしたり、VDP400からの各種の割込信号をホストCPU150aが入力したりする。
【0149】
データ転送回路414は、各種デバイス間のデータ転送を行う。
具体的には、ホストCPU150aとVRAM153とのデータ転送、CGROM151とVRAM153とのデータ転送、VRAM153の各種記憶領域(フレームバッファも含む)の相互間のデータ転送を行う。
【0150】
クロック生成回路415は、水晶発振器152よりパルス信号を入力し、VDP400の演算処理速度を決定するシステムクロックを生成する。また、メイン用及び擬似空中画像表示用の同期信号生成用クロックを生成し、表示回路を介してメイン用及び擬似空中画像表示用の同期信号をそれぞれ液晶表示装置31及び液晶表示ユニット302に出力する。
【0151】
伸長回路416は、CGROM151に圧縮された画像データを伸長するための回路であり、伸長した画像データをメイン用展開記憶領域153b1または擬似空中画像表示用展開記憶領域153b2に記憶させる。
【0152】
描画回路417は、描画制御コマンド群から構成されるディスプレイリストによるシーケンス制御を行う回路である。
【0153】
表示回路418は、VRAM153にある「表示用フレームバッファ」に記憶された画像データ(デジタル信号)から、メイン用及び擬似空中画像表示用の映像信号として画像の色データを示すRGB信号(アナログ信号)を生成し、生成したメイン用及び擬似空中画像表示用の映像信号(RGB信号)をそれぞれ液晶表示装置31及び液晶表示ユニット302に出力する回路である。さらに、表示回路418は、液晶表示装置31及び液晶表示ユニット302と同期を図るためのメイン用及び擬似空中画像表示用の同期信号(垂直同期信号、水平同期信号等)も液晶表示装置31及び液晶表示ユニット302に出力する。
【0154】
なお、本実施形態では、映像信号として、デジタル信号をアナログ信号に変換したRGB信号を液晶表示装置31及び液晶表示ユニット302に出力するように構成したが、デジタル信号のまま映像信号を出力してもよい。
【0155】
メモリコントローラ419は、ホストCPU150aからフレームバッファ切換えの指示があると、「描画用フレームバッファ」と「表示用フレームバッファ」とを切り替える制御を行うものである。
【0156】
音声制御回路154には、音声データが多数格納されている音声ROMが備えられており、音声制御回路154が、演出制御基板120から送信されたコマンドに基づいて所定のプログラムを読み出すとともに、音声出力装置32における音声出力制御をする。
【0157】
(VDP400における制御レジスタの構造図)
ここで、図17を参照して、VDP400に備えられた制御レジスタ411の構成について説明する。図17は、VDP400における制御レジスタ411の代表的なデータを取得して示した構造図である。
【0158】
上述した通り、制御レジスタ411は、システム制御レジスタ、データ転送レジスタ、描画レジスタ、バスインターフェースレジスタ、伸長レジスタ、表示レジスタとの6種類のレジスタを備えているが、図17は、システム制御レジスタ、描画レジスタ、伸長レジスタ、表示レジスタの代表的なデータを取得して示した構造図である。
【0159】
図17(a)は、システム制御レジスタの0〜1bit目を取得した構造図である。システム制御レジスタの0bit目が、Vブランク割込信号を出力させることを指示するデータであり、システム制御レジスタの1bit目が、描画終了割込信号を出力させることを指示するデータである。これらのシステム制御レジスタの0〜1bit目が、「割込レジスタ」に該当する。
具体的には、クロック生成回路415により1/60秒(約16.6ms)毎にVブランク割込信号(垂直同期信号)が生成され、かかるVブランク割込信号が生成される毎にシステム制御レジスタの0bit目に1がセットされる。また、描画回路417は、描画が終了すると、システム制御レジスタの1bit目に1をセットする。
そして、これらの「割込レジスタ」に1がセットされると、CPU I/F413はVブランク割込信号又は描画終了割込信号をホストCPU150aに出力する。なお、CPU I/F413は、各種割込信号を出力後には、各種割込レジスタの対応するbitに0をセットする。
【0160】
図17(b)は、描画レジスタの0bit目を取得した構造図である。描画レジスタの0bit目は、描画回路417に描画の実行開始を指示するデータである。
具体的には、ホストCPU150aは、CPU I/F413を介して、描画レジスタの0bit目に1をセットして、描画回路417に描画の実行開始を指示する。描画回路417は、描画を開始すると、描画レジスタの0bit目に0をセットする。
【0161】
図17(c)は、伸長レジスタの0〜1bit目を取得した構造図である。伸長レジスタの0bit目は、伸長回路416に圧縮された画像の伸長開始を指示するデータである。また、伸長レジスタの1bit目は、伸長回路416の伸長実行状態を示すデータである。
具体的には、描画回路417は、ホストCPU150aから出力されたディスプレイリストを解析し、使用する画像データがVRAM153の展開記憶領域153bに存在しないと、伸長レジスタの0bit目に1をセットして、伸長回路416に使用する画像データの伸長を開始させて展開記憶領域153bに記憶させる指示を行う。伸長回路416は、伸長を開始すると、伸長レジスタの0bit目に0をセットする。
また、伸長回路416は、伸長を実行している間は伸長レジスタの1bit目に1をセットし、圧縮された画像の伸長が終了すると伸長レジスタの1bit目に0をセットする。
【0162】
図17(d)は、表示レジスタの0〜1bit目を取得した構造図である。表示レジスタの0bit目は、表示回路418に映像信号を出力させることを指示するデータであり、表示レジスタの1bit目は、VRAM153のフレームバッファを指定するデータである。
具体的には、ホストCPU150aは、電源投入時に、CPU I/F413を介して、表示レジスタの0bit目に1をセットして、表示回路418に映像信号を作成して出力させることを指示する。これにより、表示回路418は、指定されている「表示用フレームバッファ」にある画像データに基づいて、映像信号を生成して液晶表示装置31に出力する。
また、ホストCPU150aは、Vブランク割込信号を入力したときに描画が終了していれば、CPU I/F413を介して、表示レジスタの1bit目に1を加算して、メモリコントローラ419に「表示用フレームバッファ」と「描画用フレームバッファ」とを切り替える指示を与える。すなわち、描画の終了毎に、表示レジスタの1bit目が1加算されていくので、「0→1→0→1→・・・・・」と切り替わっていく。
【0163】
以上の図17に示すレジスタの構造図は、あくまで制御レジスタ411の代表的なデータを取得したものに過ぎず、より詳細なデータが存在することはいうまでもない。
【0164】
次に、図18〜図19を参照して、メインROM110bに記憶されている各種テーブルの詳細について説明する。
【0165】
(大当たり判定テーブル)
図18(a−1)、図18(a−2)は、「大当たりの抽選」に用いられる大当り判定テーブルを示す図である。図18(a−1)は、第1特別図柄表示装置20において参照される大当り判定テーブルであり、図18(a−2)は、第2特別図柄表示装置21において参照される大当り判定テーブルである。図18(a−1)と図18(a−2)とのテーブルでは、小当たりの当選確率が相違しているものの、大当たり確率は同一である。
【0166】
具体的には、大当り判定テーブルは、現在の確率遊技状態と取得された特別図柄判定用乱数値に基づいて、「大当たり」か「小当たり」か「ハズレ」かを判定するものである。
例えば、図18(a−1)に示す第1特別図柄表示装置用の大当り判定テーブルによれば、低確率遊技状態であるときには、「7」、「8」という2個の特別図柄判定用乱数値が大当たりと判定される。一方、高確率遊技状態であるときには、「7」〜「26」の20個の特別図柄判定用乱数値が大当たりと判定される。
また、図18(a−1)に示す第1特別図柄表示装置用の大当り判定テーブルによれば、低確率遊技状態であっても高確率遊技状態であっても、特別図柄判定用乱数値が「50」、「100」、「150」、「200」の4個の特別図柄判定用乱数値であった場合に「小当たり」と判定される。なお、上記以外の乱数値であった場合には、「ハズレ」と判定される。
従って、特別図柄判定用乱数値の乱数範囲が0〜598であるから、低確率遊技状態のときに大当たりと判定される確率は1/299.5であり、高確率遊技状態のときに大当たりと判定される確率は10倍アップして1/29.9である。また、第1特別図柄表示装置においては、小当たりと判定される確率は、低確率遊技状態であっても高確率遊技状態であっても1/149.75となる。
【0167】
(当たり判定テーブル)
図18(b)は、「普通図柄の抽選」に用いられる当り判定テーブルを示す図である。
具体的には、当たり判定テーブルは、時短遊技状態の有無と取得された普通図柄判定用乱数値に基づいて、「当たり」か「ハズレ」かを判定するものである。
例えば、図18(b)に示す当り判定テーブルによれば、非時短遊技状態であるときには、「0」という1個の特定の普通図柄判定用乱数値が当たりと判定される。一方、時短遊技状態であるときには、「0」〜「65534」の65535個の特定の普通図柄判定用乱数値が当たりと判定される。なお、上記以外の乱数値であった場合には、「ハズレ」と判定される。
従って、普通図柄判定用乱数値の乱数範囲が0〜65535であるから、非時短遊技状態のときに当たりと判定される確率は1/65536であり、時短遊技状態のときに当たりと判定される確率は65535/65536=1/1.00002である。
【0168】
(図柄決定テーブル)
図19は、特別図柄の停止図柄を決定する図柄決定テーブルを示す図である。
図19(a)は、大当たりのときに停止図柄を決定するために参照される図柄決定テーブルであり、図19(b)は、小当たりのときに停止図柄を決定するために参照される図柄決定テーブルであり、図19(c)は、ハズレのときに停止図柄を決定するために参照される図柄決定テーブルである。
【0169】
具体的には、図19に示す図柄決定テーブルによれば、特別図柄表示装置の種別(遊技球が入賞した始動口の種別)と、第1始動口14又は第2始動口15に遊技球が入球したときに取得される大当たり図柄用乱数値又は小当たり図柄用乱数値等とに基づいて、特別図柄の種類(停止図柄データ)が決定される。
例えば、第1特別図柄表示装置においては、大当たりのときには図19(a)に示す図柄決定テーブルを参照し、取得された大当たり図柄用乱数値が「55」であれば、停止図柄データとして「03」(特別図柄3(第1確変大当たり3))を決定する。また、第1特別図柄表示装置においては、小当たりのときには図19(b)に示す図柄決定テーブルを参照し、取得された小当たり図柄用乱数値が「50」であれば、停止図柄データとして「08」(特別図柄B(小当たりB))を決定する。又はズレのときには、いずれの乱数値も参照せずに、停止図柄データとして「00」(特別図柄0(ハズレ))を決定する。
【0170】
そして、特別図柄の変動開始時には、決定した特別図柄の種類(停止図柄データ)に基づいて、特別図柄の情報としての演出図柄指定コマンドが生成される。ここで、演出図柄指定コマンドは、1コマンドが2バイトのデータで構成されており、制御コマンドの分類を識別するため1バイトのMODEデータと、実行される制御コマンドの内容を示す1バイトのDATAデータとから構成される。このことは、後述する変動パターン指定コマンド等についても同様である。
【0171】
なお、後述するように、特別図柄の種類(停止図柄データ)によって、大当たり遊技終了後の遊技状態、大当たり遊技の種類(図20参照)が決定されることから、特別図柄の種類が大当たり遊技終了後の遊技状態と大当たり遊技の種類を決定するものといえる。
【0172】
次に、図22を参照して、サブROM120bに記憶されている各種テーブルの詳細について説明する。
【0173】
(変動演出パターン決定テーブル)
図22は、液晶表示装置31等においての演出図柄36の変動態様を決定するための変動演出パターン決定テーブルを示す図である。
【0174】
サブCPU120aは、主制御基板110から受信した特別図柄の変動パターン指定コマンド及び演出用乱数値1に基づいて、変動演出パターンを決定する。ここで、同じ特別図柄の変動パターン指定コマンドであっても演出用乱数値1に基づいて、異なる変動演出パターンが決定可能に構成されていることから、特別図柄の変動パターン指定コマンドの数を減少させて、主制御基板110における記憶容量の削減を図っている。
なお、「変動演出パターン」とは、特別図柄の変動中に行われる演出手段(液晶表示装置31、音声出力装置32、演出用駆動装置33、演出用照明装置34a、34b)における具体的な演出態様をいう。例えば、液晶表示装置31においては、変動演出パターンによって表示される背景の表示態様、キャラクタの表示態様、演出図柄36の変動態様が決定される。また、本発明の第1の実施形態でいう「リーチ」とは、特別遊技に移行することを報知する演出図柄36の組合せの一部が停止表示され、他の演出図柄36が変動表示を行っている状態をいう。例えば、大当たり遊技に移行することを報知する演出図柄36の組合せとして「777」の3桁の演出図柄36の組み合わせが設定されている場合に、2つの演出図柄36が「7」で停止表示され、残りの演出図柄36が変動表示を行っている状態をいう。
【0175】
サブCPU120aは、変動演出パターンを決定すると、決定した変動演出パターンに対応する演出パターン指定コマンドを画像制御基板150のホストCPU150aに送信する。
具体的には、演出パターン指定コマンドは、1コマンドが2バイトのデータで構成されており、制御コマンドの分類を識別するため1バイトのMODEデータと、実行される制御コマンドの内容を示す1バイトのDATAデータとから構成される。また、変動演出パターンに対応する演出パターン指定コマンドとしては、第1特別図柄表示装置20における特別図柄の変動パターンに基づく変動演出パターンのときには、「MODE」が「A1H」で設定され、第2特別図柄表示装置21における特別図柄の変動パターンに基づく変動演出パターンのときには、「MODE」が「B1H」で設定され、変動演出パターンの識別番号に合わせて「DATA」が設定される。
【0176】
図示は省略するが、演出パターン指定コマンドは、変動演出パターンに対応するもの以外にも、MODEの設定値を変化させて、「デモ演出パターンに対応する演出パターン指定コマンド(MODE=01H)」、「当たり開始演出パターンに対応する演出パターン指定コマンド(MODE=02H)」、「大当り演出パターンに対応する演出パターン指定コマンド(MODE=03H)」、「当たり終了演出パターンに対応する演出パターン指定コマンド(MODE=04H)」
等の各種の演出パターン指定コマンドを画像制御基板150に送信する。
【0177】
(遊技状態の説明)
次に、遊技が進行する際の遊技状態について説明する。本発明の第1の実施形態においては、大当たりの抽選に関する状態として「低確率遊技状態」と「高確率遊技状態」とを有し、第2始動口15が有する一対の可動片15bに関する状態として「非時短遊技状態」と「時短遊技状態」とを有する。この大当たりの抽選に関する状態(低確率遊技状態、高確率遊技状態)と一対の可動片15bに関する状態(非時短遊技状態、時短遊技状態)とは、それぞれの状態を関連させることもでき、独立させることもできる。つまり、
(1)「低確率遊技状態」であって「時短遊技状態」である場合と、
(2)「低確率遊技状態」であって「非時短遊技状態」である場合と、
(3)「高確率遊技状態」であって「時短遊技状態」である場合と、
(4)「高確率遊技状態」であって「非時短遊技状態」である場合とを設けることが可能になる。
なお、遊技を開始したときの遊技状態、すなわち遊技機1の初期の遊技状態は、「低確率遊技状態」であって「非時短遊技状態」に設定されており、この遊技状態を本発明の第1の実施形態においては「通常遊技状態」と称することとする。
【0178】
本発明の第1の実施形態において「低確率遊技状態」というのは、第1始動口14又は第2始動口15に遊技球が入球したことを条件として行われる大当たりの抽選において、大当たりの当選確率が1/299.5に設定された遊技状態をいう。これに対して「高確率遊技状態」というのは、上記大当たりの当選確率が1/29.95に設定された遊技状態をいう。したがって、「高確率遊技状態」では、「低確率遊技状態」よりも、大当たりに当選しやすいこととなる。なお、この高確率遊技状態のときには、後述する高確率遊技フラグがセットされており、低確率遊技状態のときには、高確率遊技フラグがオフになっている。
また、低確率遊技状態から高確率遊技状態に変更するのは、後述する大当たり遊技を終了した後である。
【0179】
本発明の第1の実施形態において「非時短遊技状態」というのは、普通図柄ゲート13を遊技球が通過したことを条件として行われる普通図柄の抽選において、その抽選結果に対応する普通図柄の変動時間が29秒と長く設定され、かつ、当たりに当選した際の第2始動口15の開放制御時間が0.2秒と短く設定された遊技状態をいう。つまり、普通図柄ゲート13を遊技球が通過すると、普通図柄の抽選が行われて、普通図柄表示装置22において普通図柄の変動表示が行われるが、普通図柄は変動表示が開始されてから29秒後に停止表示する。そして、抽選結果が当たりであった場合には、普通図柄の停止表示後に、第2始動口15が約0.2秒間、第2の態様に制御される。
【0180】
これに対して「時短遊技状態」というのは、普通図柄ゲート13を遊技球が通過したことを条件として行われる普通図柄の抽選において、その抽選結果に対応する普通図柄の変動時間が3秒と、「非時短遊技状態」よりも短く設定され、かつ、当たりに当選した際の第2始動口15の開放制御時間が3.5秒と、「非時短遊技状態」よりも長く設定された遊技状態をいう。さらに、「非時短遊技状態」においては普通図柄の抽選において当たりに当選する確率が1/65536に設定され、「時短遊技状態」においては普通図柄の抽選において当たりに当選する確率が65535/65536に設定される。なお、この時短遊技状態のときには、後述する時短遊技フラグがセットされており、非時短遊技状態のときには、時短遊技フラグがオフになっている。
したがって、「時短遊技状態」においては、「非時短遊技状態」よりも、普通図柄ゲート13を遊技球が通過する限りにおいて、第2始動口15が第2の態様に制御されやすくなる。これにより、「時短遊技状態」では、遊技者が遊技球を消費せずに遊技を進行することが可能となる。
また、普通図柄ゲート13が第2の遊技領域6Rのみからなる第2の専用領域(遊技領域6の右側の領域)に設けられていることから、「時短遊技状態」のときには、操作ハンドル3を大きく回動させ、強い発射強度で遊技球を発射して遊技を行うように構成されている。
なお、普通図柄の抽選において当たりに当選する確率を「非時短遊技状態」および「時短遊技状態」のいずれの遊技状態であっても変わらないように設定してもよい。
【0181】
(大当たり遊技の種類の説明)
本発明の第1の実施形態においては、第1大入賞口16を長い開放時間で開放させる「長当たり遊技」と、第2大入賞口17を短い開放時間で開放させる「短当たり遊技」と、第2大入賞口17を短い開放時間で開放させてから、長い開放時間で開放させる「発展当たり遊技」との3種類の「大当たり遊技」と、1種類の「小当たり遊技」とが設けられている。なお、本発明の第1の実施形態においては、「大当たり遊技」と上記「小当たり遊技」とを総称して「特別遊技」という。
【0182】
本発明の第1の実施形態において「長当たり遊技」というのは、第1始動口14又は第2始動口15に遊技球が入球したことを条件として行われる大当たりの抽選において、大当りに当選し、長大当たりに対応する特別図柄が決定されたときに実行される遊技をいう。
「長当たり遊技」においては、第1大入賞口16が開放されるラウンド遊技を合計15回行う。各ラウンド遊技における第1大入賞口16の最大開放時間は最大29秒に設定されており、この間に第1大入賞口16に規定個数(9個)の遊技球が入球すると、1回のラウンド遊技が終了となる。つまり、「長当たり遊技」は、第1大入賞口16に遊技球が入球するとともに、当該入球に応じた賞球を遊技者が獲得できることから、多量の賞球を獲得可能な特別遊技である。また、第1大入賞口16は、遊技領域6の右側の領域に設けられていることから、「長当たり遊技」のときには、操作ハンドル3を大きく回動させ、強い発射強度で遊技球を発射して遊技を行うように構成されている。
【0183】
本発明の第1の実施形態において「短当たり遊技」というのは、第1始動口14又は第2始動口15に遊技球が入球したことを条件として行われる大当たりの抽選において、大当りに当選し、短当たりに対応する特別図柄が決定されたときに実行される遊技をいう。
「短当たり遊技」においては、第2大入賞口17が開放されるラウンド遊技を合計15回行う。各ラウンド遊技における第2大入賞口17の最大開放時間は、最大0.052秒に設定されており、1個の遊技球が発射される発射時間(約0.6秒)よりも短くなっている。この間に第2大入賞口17に規定個数(9個)の遊技球が入球すると、1回のラウンド遊技が終了となるが、上記のとおり第2大入賞口17の開放時間が極めて短いため、遊技球が入球することはほとんどない。つまり、「短当たり遊技」は、「長当たり遊技」とは異なり、賞球の獲得が困難な特別遊技である。
【0184】
本発明の第1の実施形態において「発展当たり遊技」というのは、第1始動口14又は第2始動口15に遊技球が入球したことを条件として行われる大当たりの抽選において、大当りに当選し、発展当たりに対応する特別図柄が決定されたときに実行される遊技をいう。
「発展当たり遊技」においては、第2大入賞口17が開放されるラウンド遊技を合計15回行う。初回のラウンド遊技において、第2大入賞口17の開放時間が短い開閉動作を複数回実行した後、第2大入賞口17の開放時間が長い開閉動作を行う。2ラウンド遊技以降の第2大入賞口17の最大開放時間は29秒に設定されており、この間に第2大入賞口17に所定個数の遊技球(例えば9個)が入球すると、1回のラウンド遊技が終了となる。つまり、「発展当たり遊技」は、当初は第2大入賞口17の開放時間が短い開閉動作を繰り返した後、第2大入賞口17の開放時間が長い開閉動作を繰り返している間には、第2大入賞口17に遊技球が入球するとともに、当該入球に応じた賞球を遊技者が獲得できることから、多量の賞球を獲得可能な遊技である。
【0185】
本発明の第1の実施形態において「小当たり遊技」というのは、第1始動口14もしくは第2始動口15に遊技球が入球したことを条件として行われる大当たりの抽選において、小当たり遊技を実行する権利を獲得した場合に実行される遊技をいう。
「小当たり遊技」においても、上記「短当たり遊技」と同様、第2大入賞口17が15回開放される。このときの第2大入賞口17の開放時間、開閉タイミング、開閉態様は、上記「短当たり遊技」と同じか、又は、遊技者が「小当たり遊技」と「短当たり遊技」との判別を不能もしくは困難な程度に近似するように設定している。
【0186】
次に、遊技機1における遊技の進行について、フローチャートを用いて説明する。
【0187】
(主制御基板のメイン処理)
図23を用いて、主制御基板110のメイン処理を説明する。
【0188】
電源基板170により電源が供給されると、メインCPU110aにシステムリセットが発生し、メインCPU110aは、以下のメイン処理を行う。
【0189】
まず、ステップS10において、メインCPU110aは、初期化処理を行う。この処理において、メインCPU110aは、電源投入に応じて、メインROM110bから起動プログラムを読み込むとともに、メインRAM110cに記憶されるフラグなどを初期化する処理を行う。
【0190】
ステップS20において、メインCPU110aは、特別図柄の変動態様(変動時間)を決定するためのリーチ判定用乱数値および特図変動用乱数値の更新を行う演出用乱数値更新処理を行う。
【0191】
ステップS30において、メインCPU110aは、特別図柄判定用初期乱数値、大当たり図柄用初期乱数値、小当たり図柄用初期値乱数値、普通図柄判定用初期乱数値の更新を行う。以降は、所定の割込み処理が行われるまで、ステップS20とステップS30との処理を繰り返し行う。
【0192】
(主制御基板のタイマ割込処理)
図24を用いて、主制御基板110のタイマ割込処理を説明する。
【0193】
主制御基板110に設けられたリセット用クロックパルス発生回路によって、所定の周期(4ミリ秒)毎にクロックパルスが発生されることで、以下に述べるタイマ割込処理が実行される。
【0194】
まず、ステップS100において、メインCPU110aは、メインCPU110aのレジスタに格納されている情報をスタック領域に退避させる。
【0195】
ステップS110において、メインCPU110aは、特別図柄時間カウンタの更新処理、特別電動役物の開放時間等などの特別遊技タイマカウンタの更新処理、普通図柄時間カウンタの更新処理、普電開放時間カウンタの更新処理等の各種タイマカウンタを更新する時間制御処理を行う。具体的には、特別図柄時間カウンタ、特別遊技タイマカウンタ、普通図柄時間カウンタ、普電開放時間カウンタから1を減算する処理を行う。
【0196】
ステップS120において、メインCPU110aは、特別図柄判定用乱数値、大当たり図柄用乱数値、小当たり図柄用乱数値、普通図柄判定用乱数値の乱数更新処理を行う。
具体的には、それぞれの乱数値及び乱数カウンタを+1加算して更新する。なお、加算した乱数カウンタが乱数範囲の最大値を超えた場合(乱数カウンタが1周した場合)には、乱数カウンタを0に戻し、その時の初期乱数値からそれぞれの乱数値を新たに更新する。
【0197】
ステップS130において、メインCPU110aは、ステップS30と同様に、特別図柄判定用初期乱数値、大当たり図柄用初期乱数値、小当たり図柄用初期値乱数値、普通図柄判定用初期乱数値を更新する初期乱数値更新処理を行う。
ステップS200において、メインCPU110aは、入力制御処理を行う。
この処理において、メインCPU110aは、一般入賞口検出スイッチ12a、第1大入賞口検出スイッチ16a、第2大入賞口検出スイッチ17a、第1始動口検出スイッチ14a、第2始動口検出スイッチ15a、ゲート検出スイッチ13aの各スイッチに入力があったか否か判定する入力処理を行う。
【0198】
具体的には、一般入賞口検出スイッチ12a、第1大入賞口検出スイッチ16a、第2大入賞口検出スイッチ17a、第1始動口検出スイッチ14a、第2始動口検出スイッチ15aからの各種検出信号を入力した場合には、ぞれぞれの入賞口毎に設けられた賞球のために用いる賞球カウンタに所定のデータを加算して更新する。
【0199】
さらに、第1始動口検出スイッチ14aから検出信号を入力した場合には、第1特別図柄保留数(U1)記憶領域にセットされているデータが4未満であれば、第1特別図柄保留数(U1)記憶領域に1を加算し、特別図柄判定用乱数値、大当たり図柄用乱数値、小当たり図柄用乱数値、リーチ判定用乱数値および特図変動用乱数値を取得して、取得した各種乱数値を第1特別図柄乱数値記憶領域にある所定の記憶部(第0記憶部〜第4記憶部)に記憶する。
【0200】
同様に、第2始動口検出スイッチ15aから検出信号を入力した場合には、第2特別図柄保留数(U2)記憶領域にセットされているデータが4未満であれば、第2特別図柄保留数(U2)記憶領域に1を加算し、特別図柄判定用乱数値、大当たり図柄用乱数値、小当たり図柄用乱数値、リーチ判定用乱数値および特図変動用乱数値を取得して、取得した各種乱数値を第2特別図柄乱数値記憶領域にある所定の記憶部(第0記憶部〜第4記憶部)に記憶する。
【0201】
また、ゲート検出スイッチ13aから検出信号を入力した場合には、普通図柄保留数(G)記憶領域にセットされているデータが4未満であれば、普通図柄保留数(G)記憶領域に1を加算し、普通図柄判定用乱数値を取得して、取得した普通図柄判定用乱数値を普通図柄保留記憶領域にある所定の記憶部(第0記憶部〜第4記憶部)に記憶する。
【0202】
さらに、第1大入賞口検出スイッチ16a又は第2大入賞口検出スイッチ17aからの検出信号を入力した場合には、第1大入賞口16又は第2大入賞口17に入賞した遊技球を計数するための大入賞口入球数(C)記憶領域に1を加算して更新する。
【0203】
ステップS300において、メインCPU110aは、大当たりの抽選、特別電動役物、遊技状態の制御を行うための特図特電制御処理を行う。詳しくは、図25を用いて後述する。
【0204】
ステップS400において、メインCPU110aは、普通図柄の抽選、普通電動役物の制御を行うための普図普電制御処理を行う。
具体的には、まず普通図柄保留数(G)記憶領域に1以上のデータがセットされているか否かを判定し、普通図柄保留数(G)記憶領域に1以上のデータがセットされていなければ、今回の普図普電制御処理を終了する。
普通図柄保留数(G)記憶領域に1以上のデータがセットされていれば、普通図柄保留数(G)記憶領域に記憶されている値から1を減算した後、普通図柄保留記憶領域にある第1記憶部〜第4記憶部に記憶された普通図柄判定用乱数値を1つ前の記憶部にシフトさせる。このとき、既に第0記憶部に書き込まれていた普通図柄判定用乱数値は上書きされて消去されることとなる。
そして、図18(b)に示す当たり判定テーブルを参照し、普通図柄保留記憶領域の第0記憶部に記憶された普通図柄判定用乱数値が「当たり」に対応する乱数値であるかどうかの判定する処理を行う。その後、普通図柄表示装置22において普通図柄の変動表示を行って、普通図柄の変動時間が経過すると普通図柄の抽選の結果に対応する普通図柄の停止表示を行う。そして、参照した普通図柄判定用乱数値が「当たり」のものであれば、始動口開閉ソレノイド15cを駆動させ、第2始動口15を所定の開放時間、第2の態様に制御する。
ここで、非時短遊技状態であれば、普通図柄の変動時間を29秒に設定し、「当たり」であると第2始動口15を0.2秒間、第2の態様に制御する。これに対して、時短遊技状態であれば、普通図柄の変動時間を0.2秒に設定し、「当たり」であると第2始動口15を3.5秒間、第2の態様に制御する。
【0205】
ステップS500において、メインCPU110aは、払出制御処理を行う。
この払出制御処理において、メインCPU110aは、ぞれぞれの賞球カウンタを参照し、各種入賞口に対応する払出個数指定コマンドを生成して、生成した払出個数指定コマンドを払出制御基板130に送信する。
【0206】
ステップS600において、メインCPU110aは、外部情報データ、始動口開閉ソレノイドデータ、第1大入賞口開閉ソレノイドデータ、第2大入賞口開閉ソレノイドデータ、特別図柄表示装置データ、普通図柄表示装置データ、記憶数指定コマンドのデータ作成処理を行う。
【0207】
ステップS700において、メインCPU110aは、出力制御処理を行う。この処理において、上記S600で作成した外部情報データ、始動口開閉ソレノイドデータ、第1大入賞口開閉ソレノイドデータ、第2大入賞口開閉ソレノイドデータの信号を出力させるポート出力処理を行う。
また、第1特別図柄表示装置20、第2特別図柄表示装置21および普通図柄表示装置22の各LEDを点灯させるために、上記S600で作成した特別図柄表示装置データと普通図柄表示装置データとを出力する表示装置出力処理を行う。
さらに、メインRAM110cの演出用伝送データ格納領域にセットされているコマンドを演出制御基板120に送信するコマンド送信処理も行う。なお、演出制御基板120に送信されるコマンドの種別については、図27を用いて後述する。
【0208】
ステップS800において、メインCPU110aは、ステップS100で退避した情報をメインCPU110aのレジスタに復帰させる。
【0209】
(主制御基板の特図特電制御処理)
図25を用いて、主制御基板110の特図特電制御処理を説明する。
【0210】
まず、ステップS301において特図特電処理データの値をロードし、ステップS302においてロードした特図特電処理データから分岐アドレスを参照し、特図特電処理データ=0であれば特別図柄記憶判定処理(ステップS310)に処理を移し、特図特電処理データ=1であれば特別図柄変動処理(ステップS320)に処理を移し、特図特電処理データ=2であれば特別図柄停止処理(ステップS330)に処理を移し、特図特電処理データ=3であれば大当たり遊技処理(ステップS340)に処理を移し、特図特電処理データ=4であれば大当り遊技終了処理(ステップS350)に処理を移し、特図特電処理データ=5であれば小当り遊技処理(ステップS360)に処理を移す。
この「特図特電処理データ」は、後述するように特図特電制御処理の各サブルーチンの中で必要に応じてセットされていくので、その遊技において必要なサブルーチンが適宜処理されていくことになる。
【0211】
ステップS310の特別図柄記憶判定処理においては、メインCPU110aは、大当たり判定処理、停止表示する特別図柄の決定をする特別図柄決定処理、特別図柄の変動時間を決定する変動時間決定処理等を行う。ここで、図26を用いて、特別図柄記憶判定処理の具体的な内容を説明する。
【0212】
(主制御基板の特別図柄記憶判定処理)
図26は、主制御基板110の特別図柄記憶判定処理を示す図である。
【0213】
まず、ステップS311において、メインCPU110aは、第1特別図柄保留数(U1)記憶領域又は第2特別図柄保留数(U2)記憶領域に1以上のデータがセットされているか否かを判定する。
そして、第1特別図柄保留数(U1)記憶領域又は第2特別図柄保留数(U2)記憶領域のいずれの記憶領域にも1以上のデータがセットされていなければ、特図特電処理データ=0を保持したまま、今回の特別図柄変動処理を終了する。
一方、第1特別図柄保留数(U1)記憶領域又は第2特別図柄保留数(U2)記憶領域に1以上のデータがセットされていれば、ステップS312に処理を移す。
【0214】
ステップS312において、メインCPU110aは、大当たり判定処理を行う。
具体的には、第2特別図柄保留数(U2)記憶領域に1以上のデータがセットされている場合には、第2特別図柄保留数(U2)記憶領域に記憶されている値から1を減算した後、第2特別図柄乱数値記憶領域にある第1記憶部〜第4記憶部に記憶された各種乱数値を1つ前の記憶部にシフトさせる。このとき、既に第0記憶部に書き込まれていた各種乱数値は上書きされて消去されることとなる。そして、図18(a−2)に示す大当たり判定テーブルを参照して、第2特別図柄乱数値記憶領域の第0記憶部に記憶された特別図柄判定用乱数値が「大当たり」に対応する乱数値であるか、「小当たり」に対応する乱数値であるかの判定を行う。
【0215】
また、第2特別図柄保留数(U2)記憶領域に1以上のデータがセットされておらず、第1特別図柄保留数(U1)記憶領域に1以上のデータがセットされている場合には、第1特別図柄保留数(U1)記憶領域に記憶されている値から1を減算した後、第1特別図柄乱数値記憶領域にある第1記憶部〜第4記憶部に記憶された各種乱数値を1つ前の記憶部にシフトさせる。このときにも、既に第0記憶部に書き込まれていた各種乱数値は上書きされて消去されることとなる。そして、図18(a−1)に示す大当たり判定テーブルを参照して、第1特別図柄乱数値記憶領域の第0記憶部に記憶された特別図柄判定用乱数値が「大当たり」に対応する乱数値であるか、「小当たり」に対応する乱数値であるかの判定を行う。
【0216】
本発明の第1の実施形態では、第1特別図柄乱数値記憶領域よりも第2特別図柄乱数値記憶領域に記憶された乱数値が優先してシフト(消化)されることになる。しかしながら、始動口に入賞した順序で、第1特別図柄記憶領域又は第2特別図柄記憶領域をシフトさせてもよいし、第1特別図柄記憶領域を第2特別図柄記憶領域よりも優先させてシフトさせてもよい。
【0217】
ステップS313において、メインCPU110aは、停止表示する特別図柄の種類を決定するための特別図柄決定処理を行う。
この特別図柄決定処理では、上記大当り判定処理(ステップS312)において「大当たり」と判定された場合には、図19(a)に示す図柄決定テーブルを参照して、第1特別図柄乱数値記憶領域の第0記憶部に記憶された大当たり図柄用乱数値に基づいて大当たり図柄(特別図柄1〜特別図柄6)を決定する。また、上記大当り判定処理(ステップS312)において「小当たり」と判定された場合には、図19(b)に示す図柄決定テーブルを参照して、第1特別図柄乱数値記憶領域の第0記憶部に記憶された小当たり図柄用乱数値に基づいて小当たり図柄(特別図柄A、特別図柄B)を決定する。また、上記大当り判定処理(ステップS312)において「ハズレ」と判定された場合には、図19(c)に示す図柄決定テーブルを参照して、ハズレ図柄(特別図柄0)を決定する。
そして、決定した特別図柄に対応する停止図柄データを停止図柄データ記憶領域に記憶する。
【0218】
ステップS314において、メインCPU110aは、特別図柄の変動時間決定処理を行う。
具体的には、変動パターン決定テーブルを参照して、第1特別図柄乱数値記憶領域の第0記憶部に記憶されたリーチ判定用乱数値および特図変動用乱数値に基づいて、特別図柄の変動パターンを決定する。その後、決定した特別図柄の変動パターンに対応する特別図柄の変動時間を決定する。そして、決定した特別図柄の変動時間に対応するカウンタを特別図柄時間カウンタにセットする処理を行う。このような処理を行うことで、大当たりの抽選の一回の判定結果(特別図柄の判定結果)に対応した演出時間は、特別図柄の変動時間(変動態様)に対応しており、当該判定の直後に決定する。
【0219】
ステップS315において、メインCPU110aは、第1特別図柄表示装置20又は第2特別図柄表示装置21に特別図柄の変動表示(LEDの点滅)を行わせるための変動表示データを所定の処理領域にセットする。これにより、所定の処理領域に変動表示データがセットされていると、上記ステップS600でLEDの点灯又は消灯のデータが適宜作成され、作成されたデータがステップS700において出力されることで、第1特別図柄表示装置20又は第2特別図柄表示装置21の変動表示が行われる。
さらに、メインCPU110aは、特別図柄の変動表示が開始されるときに、上記ステップS314で決定された特別図柄の変動パターンに対応する特別図柄の変動パターン指定コマンド(第1特別図柄用変動パターン指定コマンド又は第2特別図柄用変動パターン指定コマンド)をメインRAM110cの演出用伝送データ格納領域にセットする。
【0220】
ステップS316において、メインCPU110aは、特図特電処理データ=0から特図特電処理データ=1にセットして、特別図柄変動処理のサブルーチンに移す準備を行い、特別図柄記憶判定処理を終了する。
【0221】
再び、図25に示す特図特電制御処理について説明を戻すことにする。
ステップS320の特別図柄変動処理においては、メインCPU110aは、特別図柄の変動時間が経過したか否かを判定する処理を行う。
具体的には、ステップS314で決定された特別図柄の変動時間が経過したか(特別図柄時間カウンタ=0)否かを判定し、特別図柄の変動時間が経過していないと判定した場合には、特図特電処理データ=1を保持したまま、今回の特別図柄変動処理を終了する。なお、上記ステップS314でセットされた特別図柄の変動時間のカウンタは、上記ステップS110において減算処理されていく。
特別図柄の変動時間が経過したと判定すれば、上記ステップS313で決定された特別図柄を第1特別図柄表示装置20又は第2特別図柄表示装置21に停止表示させる。これにより、第1特別図柄表示装置20又は第2特別図柄表示装置21に特別図柄が停止表示され、遊技者に大当たりの判定結果が報知されることとなる。
また、時短回数(J)>0のときには時短回数(J)カウンタから1を減算して更新し、時短回数(J)=0となれば、時短遊技フラグをクリアし、高確率遊技回数(X)>0のときには高確率遊技回数(X)カウンタから1を減算して更新し、高確率遊技回数(X)=0となれば、高確率遊技フラグをクリアする。
最後に、特図特電処理データ=1から特図特電処理データ=2にセットして、特別図柄停止処理のサブルーチンに移す準備を行い、特別図柄変動処理を終了する。
【0222】
ステップS330の特別図柄停止処理においては、メインCPU110aは、停止表示された特別図柄が「大当たり図柄」であるか、「小当たり図柄」であるか、「ハズレ図柄」であるかを判定する処理を行う。
そして、大当たり図柄と判定された場合には、遊技状態記憶領域に記憶されているデータを参照し、現在の遊技状態を示すデータ(00H〜03H)を遊技状態バッファにセットする。その後に、高確率遊技フラグ記憶領域および時短遊技フラグ記憶領域に記憶されているデータ(高確率遊技フラグと時短遊技フラグ)、高確率遊技回数(X)カウンタ、時短回数(J)カウンタをクリアする。さらに、特図特電処理データ=2から特図特電処理データ=3にセットして、大当たり遊技処理のサブルーチンに移す準備を行い、特別図柄停止処理を終了する。
また、小当たり図柄と判定された場合には、遊技状態記憶領域に記憶されているデータはクリアせずに、特図特電処理データ=2から特図特電処理データ=5にセットして、小当たり遊技処理のサブルーチンに移す準備を行い、特別図柄停止処理を終了する。
一方、ハズレ図柄と判定された場合には、特図特電処理データ=2から特図特電処理データ=0にセットして、特別図柄記憶判定処理のサブルーチンに移す準備を行い、特別図柄停止処理を終了する。
【0223】
ステップS340の大当たり遊技処理においては、メインCPU110aは、上記長当たり又は短当たりのいずれの大当たりを実行させるかを決定し、決定した大当たりを制御する処理を行う。
具体的には、まず図20に示す特別電動役物作動態様決定テーブルを参照し、上記ステップS313で決定された大当たり図柄の種類(停止図柄データ)に基づいて、大当たりの開放態様を決定する(長当たりTBL、短当たりTBL又は発展当たりTBLを決定する)。
次に、決定した大当たりの開放態様を実行させるために図21(a)に示す大入賞口開放態様テーブルを参照し、大当たりの種類に応じた開放時間を特別遊技タイマカウンタにセットするとともに、第1大入賞口開閉ソレノイド16c(又は第2大入賞口開閉ソレノイド17c)の駆動データを出力して第1大入賞口開閉扉16b(又は第2大入賞口開閉扉17b)を開放させる。このとき、ラウンド遊技回数(R)記憶領域に1を加算する。
この開放中に規定個数の遊技球が入球するか、大入賞口の開放時間が経過すると(大入賞口入球数(C)=9又は特別遊技タイマカウンタ=0である)と、第1大入賞口開閉ソレノイド16c(又は第2大入賞口開閉ソレノイド17c)の駆動データの出力を停止して第1大入賞口開閉扉16b(又は第2大入賞口開閉扉17b)を閉鎖させる。これにより、1回のラウンド遊技が終了する。このラウンド遊技の制御を繰り返し15回行う。
15回のラウンド遊技が終了すると(ラウンド遊技回数(R)=15)、ラウンド遊技回数(R)記憶領域および大入賞口入球数(C)記憶領域に記憶されているデータをクリアするとともに、特図特電処理データ=3から特図特電処理データ=4にセットして、大当り遊技終了処理のサブルーチンに移す準備を行い、大当たり遊技処理を終了する。
【0224】
ステップS350の大当り遊技終了処理においては、メインCPU110aは、高確率遊技状態又は低確率遊技状態のいずれかの確率遊技状態を決定するとともに、時短遊技状態又は非時短遊技状態のいずれかの遊技状態を決定する処理を行う。
具体的には大当たり遊技終了時設定データテーブルを参照し、遊技状態バッファに記憶されているデータと上記ステップS313で決定された大当たり図柄の種類(停止図柄データ)とに基づいて、高確率遊技フラグの設定、高確率遊技回数(X)の設定、時短遊技フラグの設定、時短回数(J)の設定を行う。例えば、特別図柄1であれば、高確率遊技フラグ記憶領域に高確率遊技フラグをセットし、高確率遊技回数(X)カウンタに10000回をセットする。さらに、時短遊技フラグ記憶領域に時短遊技フラグをセットし、時短回数(J)カウンタにも10000回をセットする。
その後、特図特電処理データ=4から特図特電処理データ=0にセットして、特別図柄記憶判定処理のサブルーチンに移す準備を行い、大当り遊技終了処理を終了する。
【0225】
ステップS360の小当たり遊技処理においては、メインCPU110aは、まず図20に示す特別電動役物作動態様決定テーブルを参照し、上記ステップS313で決定された小当たり図柄の種類(停止図柄データ)に基づいて、小当たりの開放態様を決定する。
次に、決定した小当たりの開放態様を実行させるために図21(b)に示す大入賞口開放態様テーブルを参照し、小当たりの開放時間を特別遊技タイマカウンタにセットするとともに、第2大入賞口開閉ソレノイド17cの駆動データを出力して第2大入賞口開閉扉17bを開放させる。このとき、開放回数(K)記憶領域に1を加算する。
小当たりの開放時間が経過する(特別遊技タイマカウンタ=0)と、第2大入賞口開閉ソレノイド17cの駆動データの出力を停止して第2大入賞口開閉扉17bを閉鎖させる。この第2大入賞口開閉扉17bの開閉制御を繰り返し15回行う。
そして、第2大入賞口開閉扉17bの開閉制御が15回行われるか、第2大入賞口17に規定個数の遊技球が入球する(開放回数(K)=15又は大入賞口入球数(C)=9である)と、小当たり遊技を終了させるため、第2大入賞口開閉ソレノイド17cの駆動データの出力を停止させ、開放回数(K)記憶領域および大入賞口入球数(C)記憶領域に記憶されているデータをクリアするとともに、特図特電処理データ=5から特図特電処理データ=0にセットして、特別図柄記憶判定処理のサブルーチンに移す準備を行い、小当たり遊技処理を終了する。
【0226】
(コマンドの説明)
上述の主制御基板110におけるフローチャートでは一部説明を省略した主制御基板110から演出制御基板120に送信されるコマンドの種別について、図27を用いて説明する。
【0227】
主制御基板110から演出制御基板120に送信されるコマンドは、1コマンドが2バイトのデータで構成されており、制御コマンドの分類を識別するため1バイトのMODEの情報と、実行される制御コマンドの内容を示す1バイトのDATAの情報とから構成されている。
【0228】
「演出図柄指定コマンド」は、停止表示される特別図柄の種別を示すものであり、「MODE」が「E0H」で設定され、特別図柄の種別に合わせてDATAの情報が設定されている。なお、特別図柄の種別が結果的に大当たりの種別や高確率遊技状態を決定するものであるから、演出図柄指定コマンドは、大当たりの種別や、遊技状態を示すものともいえる。
この演出図柄指定コマンドは、各種の特別図柄が決定され、特別図柄の変動表示が開始されるときに、決定された特別図柄に対応する演出図柄指定コマンドが演出制御基板120に送信される。具体的には、上記ステップS313において各種の特別図柄が決定され、上記ステップS315において特別図柄の変動表示が開始されるときに、決定された特別図柄に対応する演出図柄指定コマンドがメインRAM110cの演出用伝送データ格納領域にセットされる。その後、すぐさま上記ステップS700において演出用伝送データ格納領域にセットされている演出図柄指定コマンドが演出制御基板120に送信されることになる。
【0229】
「第1特別図柄記憶指定コマンド」は、第1特別図柄保留数(U1)記憶領域に記憶されている保留記憶数を示すものであり、「MODE」が「E1H」で設定され、保留記憶数に合わせてDATAの情報が設定されている。
この第1特別図柄記憶指定コマンドは、第1特別図柄保留数(U1)記憶領域に記憶されている保留記憶数が切り替わるときに、保留記憶数に対応する第1特別図柄記憶指定コマンドが演出制御基板120に送信される。具体的には、上記ステップS200(orS230)又は上記ステップS312において第1特別図柄保留数(U1)記憶領域に記憶されている値が増減したときに、増減後の保留記憶数に対応する第1特別図柄記憶指定コマンドがメインRAM110cの演出用伝送データ格納領域にセットされる。その後、すぐさま上記ステップS700において演出用伝送データ格納領域にセットされている第1特別図柄記憶指定コマンドが演出制御基板120に送信されることになる。
【0230】
「第2特別図柄記憶指定コマンド」は、第2特別図柄保留数(U2)記憶領域に記憶されている保留記憶数を示すものであり、「MODE」が「E2H」で設定され、保留記憶数に合わせてDATAの情報が設定されている。
この第2特別図柄記憶指定コマンドは、第2特別図柄保留数(U2)記憶領域に記憶されている保留記憶数が切り替わるときに、保留記憶数に対応する第2特別図柄記憶指定コマンドが演出制御基板120に送信される。具体的には、上記ステップS200(orS240)又は上記ステップS312において第2特別図柄保留数(U2)記憶領域に記憶されている値が増減したときに、増減後の保留記憶数に対応する第2特別図柄記憶指定コマンドがメインRAM110cの演出用伝送データ格納領域にセットされる。その後、すぐさま上記ステップS700において演出用伝送データ格納領域にセットされている第2特別図柄記憶指定コマンドが演出制御基板120に送信されることになる。
なお、本発明の第1の実施形態では、「第1特別図柄記憶指定コマンド」と「第2特別図柄記憶指定コマンド」とをまとめて「特別図柄記憶指定コマンド」という。
【0231】
「図柄確定コマンド」は、特別図柄が停止表示されていることを示すものであり、「MODE」が「E3H」で設定され、「DATA」が「00H」に設定されている。
この図柄確定コマンドは、特別図柄が停止表示されているときに演出制御基板120に送信される。具体的には、上記ステップS320において特別図柄を第1特別図柄表示装置20又は第2特別図柄表示装置21に停止表示させるときに、図柄確定コマンドがメインRAM110cの演出用伝送データ格納領域にセットされる。その後、すぐさま上記ステップS700において演出用伝送データ格納領域にセットされている図柄確定コマンドが演出制御基板120に送信されることになる。
【0232】
「電源投入時指定コマンド」は、遊技機1の電源が投入されたことを示すものであり、「MODE」が「E4H」で設定され、「DATA」が「00H」に設定されている。
この電源投入時指定コマンドは、遊技機1の電源が投入されたときに演出制御基板120に送信される。具体的には、上記ステップS10において遊技機の電源が投入されたときに、電源投入時指定コマンドがメインRAM110cの演出用伝送データ格納領域にセットされる。その後、すぐさま上記ステップS700において演出用伝送データ格納領域にセットされている電源投入時指定コマンドが演出制御基板120に送信されることになる。
【0233】
「RAMクリア指定コマンド」は、メインRAM110cに記憶された情報がクリアされたことを示すものであり、「MODE」が「E4H」で設定され、「DATA」が「01H」に設定されている。
ここで、遊技機1の裏側には図示しないRAMクリアボタンが設けられており、RAMクリアボタンを押圧しながら、遊技機1の電源を投入すると、上記ステップS10においてメインRAM110cに記憶された情報がクリアされる。
そして、RAMクリア指定コマンドは、RAMクリアボタンを押圧しながら遊技機1の電源が投入されたときに演出制御基板120に送信される。具体的には、上記ステップS10においてRAMクリアボタンを押圧しながら遊技機の電源が投入されたときに、RAMクリア指定コマンドがメインRAM110cの演出用伝送データ格納領域にセットされる。その後、すぐさま上記ステップS700において演出用伝送データ格納領域にセットされているRAMクリア指定コマンドが演出制御基板120に送信されることになる。
【0234】
「電源復旧指定コマンド」は、遊技機1の電源が投入されて、正常に復旧したことを示すものであり、「MODE」が「E4H」で設定され、「DATA」が「02H〜05H」に設定されている。また、電源復旧指定コマンドは、電源復旧時の遊技状態も示しており、電源復旧時の遊技状態が「低確率遊技状態かつ非時短遊技状態」であれば「DATA」が「02H」に設定され、「低確率遊技状態かつ時短遊技状態」であれば「DATA」が「03H」に設定され、「高確率遊技状態かつ非時短遊技状態」であれば「DATA」が「04H」に設定され、「高確率遊技状態かつ時短遊技状態」であれば「DATA」が「05H」に設定される。
この電源復旧指定コマンドは、遊技機1の電源が投入されて、正常に復旧したときに演出制御基板120に送信される。具体的には、遊技機の電源が投入されると、電源投入時にメインRAM110cのチェックサムを作成し、作成した電源投入時のメインRAM110cのチェックサムと電断時のメインRAM110cのチェックサムとを比較する。ここで、チェックサムが一致していれば正常に復旧したものと判定し、遊技状態に応じて電源復旧指定コマンドを生成し、生成した電源復旧指定コマンドがメインRAM110cの演出用伝送データ格納領域にセットされる。その後、すぐさま上記ステップS700において演出用伝送データ格納領域にセットされている電源投入時指定コマンドが演出制御基板120に送信されることになる。
【0235】
「デモ指定コマンド」は、第1特別図柄表示装置20又は第2特別図柄表示装置21が作動していないことを示すものであり、「MODE」が「E5H」で設定され、「DATA」が「00H」に設定されている。
このデモ指定コマンドは、第1特別図柄表示装置20又は第2特別図柄表示装置21の特別図柄の保留記憶がないときに、演出制御基板120に送信される。具体的には、上記ステップS311において第1特別図柄保留数(U1)記憶領域又は第2特別図柄保留数(U2)記憶領域のいずれの記憶領域にも1以上のデータがセットされていないときに、デモ指定コマンドがメインRAM110cの演出用伝送データ格納領域にセットされる。その後、すぐさま上記ステップS700において演出用伝送データ格納領域にセットされているデモ指定コマンドが演出制御基板120に送信されることになる。
【0236】
「第1特別図柄用変動パターン指定コマンド」は、第1特別図柄表示装置20における特別図柄の変動時間(変動態様)を示すものであり、「MODE」が「E6H」で設定され、各種の変動パターンに合わせてDATAの情報が設定されている。
この第1特別図柄用変動パターン指定コマンドは、第1特別図柄表示装置20の特別図柄の変動表示が開始されるときに、決定された特別図柄の変動パターンに対応する第1特別図柄用変動パターン指定コマンドが演出制御基板120に送信される。具体的には、上記ステップS314において特別図柄の変動パターンが決定され、上記ステップS315において特別図柄の変動表示が開始されるときに、決定された特別図柄の変動パターンに対応する第1特別図柄用変動パターン指定コマンドがメインRAM110cの演出用伝送データ格納領域にセットされる。その後、すぐさま上記ステップS700において演出用伝送データ格納領域にセットされている第1特別図柄用変動パターン指定コマンドが演出制御基板120に送信されることになる。
【0237】
「第2特別図柄用変動パターン指定コマンド」は、第2特別図柄表示装置21における特別図柄の変動時間(変動態様)を示すものであり、「MODE」が「E7H」で設定され、各種の変動パターンに合わせてDATAの情報が設定されている。
この第2特別図柄用変動パターン指定コマンドは、第2特別図柄表示装置21の特別図柄の変動表示が開始されるときに、決定された特別図柄の変動パターンに対応する第2特別図柄用変動パターン指定コマンドが演出制御基板120に送信される。
具体的には、上記ステップS314において特別図柄の変動パターンが決定され、上記ステップS315において特別図柄の変動表示が開始されるときに、決定された特別図柄の変動パターンに対応する第2特別図柄用変動パターン指定コマンドがメインRAM110cの演出用伝送データ格納領域にセットされる。その後、すぐさま上記ステップS700において演出用伝送データ格納領域にセットされている第2特別図柄用変動パターン指定コマンドが演出制御基板120に送信されることになる。
なお、本発明の第1の実施形態では、「第1特別図柄用変動パターン指定コマンド」と「第2特別図柄用変動パターン指定コマンド」とをまとめて、「変動パターン指定コマンド」という。
【0238】
「大入賞口開放指定コマンド」は、各種大当りの種別に合わせた大当たりのラウンド数を示すものであり、「MODE」が「EAH」で設定され、大当たりのラウンド数に合わせてDATAの情報が設定されている。
この大入賞口開放指定コマンドは、大当りラウンドが開始されるときに、開始されたラウンド数に対応する大入賞口開放指定コマンドが演出制御基板120に送信される。具体的には、上記ステップS340において第1大入賞口開閉扉16b(又は第2大入賞口開閉扉17b)を開放させるときに、開放させるときのラウンド数に対応する大入賞口開放指定コマンドがメインRAM110cの演出用伝送データ格納領域にセットされる。その後、すぐさま上記ステップS700において演出用伝送データ格納領域にセットされている大入賞口開放指定コマンドが演出制御基板120に送信されることになる。
【0239】
「オープニング指定コマンド」は、各種の大当りが開始することを示すものであり、「MODE」が「EBH」で設定され、大当たりの種別に合わせてDATAの情報が設定されている。
このオープニング指定コマンドは、各種の大当りが開始するときに、大当たりの種別に対応するオープニング指定コマンドが演出制御基板120に送信される。具体的には、上記ステップS340の大当たり遊技処理の開始のときに、大当たりの種別に対応するオープニング指定コマンドがメインRAM110cの演出用伝送データ格納領域にセットされる。その後、すぐさま上記ステップS700において演出用伝送データ格納領域にセットされているオープニング指定コマンドが演出制御基板120に送信されることになる。
【0240】
「エンディング指定コマンド」は、各種の大当りが終了したことを示すものであり、「MODE」が「ECH」で設定され、大当たりの種別に合わせてDATAの情報が設定されている。
このエンディング指定コマンドは、各種の大当りが終了するときに、大当たりの種別に対応するエンディング指定コマンドが演出制御基板120に送信される。具体的には、上記ステップS350の大当り遊技終了処理の開始のときに、大当たりの種別に対応するエンディング指定コマンドがメインRAM110cの演出用伝送データ格納領域にセットされる。その後、すぐさま上記ステップS700において演出用伝送データ格納領域にセットされているエンディング指定コマンドが演出制御基板120に送信されることになる。
【0241】
「遊技状態指定コマンド」は、時短遊技状態であるか非時短遊技状態であるかを示すものであり、「MODE」が「EEH」で設定され、非時短遊技状態であれば「DATA」が「00H」に設定され、時短遊技状態であれば「DATA」が「01H」に設定されている。
この遊技状態指定コマンドは、特別図柄の変動開始時、特別図柄の変動終了時、大当り遊技の開始時および大当りの終了時に、遊技状態に対応する遊技状態指定コマンドが演出制御基板120に送信される。具体的には、上記ステップS315において特別図柄の変動表示が開始されるとき、上記ステップS320において特別図柄を停止表示させるとき、上記ステップS320において高確率遊技フラグ、高確率遊技回数、時短遊技フラグおよび時短回数(J)をクリアしたとき、上記ステップS350において高確率遊技フラグ、高確率遊技回数、時短遊技フラグおよび時短回数(J)の設定を行ったときに、現在の遊技状態に対応する遊技状態指定コマンドがメインRAM110cの演出用伝送データ格納領域にセットされる。その後、すぐさま上記ステップS700において演出用伝送データ格納領域にセットされている遊技状態指定コマンドが演出制御基板120に送信されることになる。
【0242】
次に、演出制御基板120におけるサブCPU120aにより実行される処理について説明する。
【0243】
(演出制御基板のメイン処理)
図28を用いて、演出制御基板120のメイン処理を説明する。
【0244】
ステップS1000において、サブCPU120aは、初期化処理を行う。この処理において、サブCPU120aは、電源投入に応じて、サブROM120bからメイン処理プログラムを読み込むとともに、サブRAM120cに記憶されるフラグなどを初期化し、設定する処理を行う。この処理が終了した場合には、ステップS1100に処理を移す。
【0245】
ステップS1100において、サブCPU120aは、演出用乱数更新処理を行う。この処理において、サブCPU120aは、サブRAM120cに記憶される乱数(演出用乱数値1、演出用乱数値2、演出図柄決定用乱数値、演出モード決定用乱数値等)を更新する処理を行う。以降は、所定の割込み処理が行われるまで、上記ステップS1100の処理を繰り返し行う。
【0246】
(演出制御基板のタイマ割込処理)
図29を用いて、演出制御基板120のタイマ割込処理を説明する。
図示はしないが、演出制御基板120に設けられたリセット用クロックパルス発生回路によって、所定の周期(2ミリ秒)毎にクロックパルスが発生され、タイマ割込処理プログラムを読み込み、演出制御基板のタイマ割込処理が実行される。
【0247】
まず、ステップS1300において、サブCPU120aは、サブCPU120aのレジスタに格納されている情報をスタック領域に退避させる。
【0248】
ステップS1400において、サブCPU120aは、演出制御基板120で用いられる各種タイマカウンタの更新処理を行う。
【0249】
ステップS1500において、サブCPU120aは、コマンド解析処理を行う。この処理において、サブCPU120aは、サブRAM120cの受信バッファに格納されているコマンドを解析する処理を行う。コマンド解析処理の具体的な説明は、図30および図31を用いて後述する。なお、演出制御基板120は、主制御基板110から送信されたコマンドを受信すると、図示しない演出制御基板120のコマンド受信割込処理が発生し、受信したコマンドを受信バッファに格納する。その後、本ステップS1500において受信したコマンドの解析処理が行われる。
【0250】
ステップS1600において、サブCPU120aは、赤外線撮像ユニット386からの映像信号の解析を行い、二次元画像表示装置35に関する結像面方向制御処理を行う。詳しくは、図32を用いて後述する。
ステップS1700において、サブCPU120aは、赤外線発光部35bの駆動と赤外線センサ35cの検出電圧のチェックを行い、二次元画像表示装置35に関する演出入力制御処理を行う。詳しくは、図33を用いて後述する。
【0251】
ステップS1800において、サブCPU120aは、サブRAM120cの送信バッファにセットされている各種のコマンドをランプ制御基板140や画像制御基板150へ送信するデータ出力処理を行う。
【0252】
ステップS1900において、サブCPU120aは、ステップS1810で退避した情報をサブCPU120aのレジスタに復帰させる。
【0253】
(演出制御基板のコマンド解析処理)
図30および図31を用いて、演出制御基板120のコマンド解析処理を説明する。なお、図31のコマンド解析処理2は、図30のコマンド解析処理1に引き続いて行われるものである。
【0254】
ステップS1501において、サブCPU120aは、受信バッファにコマンドが有るか否かを確認して、コマンドを受信したかを確認する。
サブCPU120aは、受信バッファにコマンドがなければコマンド解析処理を終了し、受信バッファにコマンドがあればステップS1510に処理を移す。
【0255】
ステップS1510において、サブCPU120aは、受信バッファに格納されているコマンドが、デモ指定コマンドであるか否かを確認する。
サブCPU120aは、受信バッファに格納されているコマンドがデモ指定コマンドであれば、ステップS1511に処理を移し、デモ指定コマンドでなければステップS1520に処理を移す。
【0256】
ステップS1511において、サブCPU120aは、デモ演出パターンを決定するデモ演出パターン決定処理を行う。
具体的には、デモ演出パターンを決定し、決定したデモ演出パターンを演出パターン記憶領域にセットするとともに、決定したデモ演出パターンの情報を画像制御基板150とランプ制御基板140に送信するため、決定したデモ演出パターンに基づく演出パターン指定コマンドをサブRAM120cの送信バッファにセットする。
【0257】
ステップS1520において、サブCPU120aは、受信バッファに格納されているコマンドが、特別図柄記憶指定コマンドであるか否かを確認する。
サブCPU120aは、受信バッファに格納されているコマンドが特別図柄記憶指定コマンドであれば、ステップS1521に処理を移し、特別図柄記憶指定コマンドでなければステップS1530に処理を移す。
【0258】
ステップS1521において、サブCPU120aは、特別図柄記憶指定コマンドを解析して、液晶表示装置31に表示させる特図保留画像の表示個数を決定するとともに、決定した特図保留画像の表示個数に対応する特図表示個数指定コマンドを画像制御基板150とランプ制御基板140に送信する特別図柄記憶数決定処理を行う。
【0259】
ステップS1530において、サブCPU120aは、受信バッファに格納されているコマンドが、演出図柄指定コマンドであるか否かを確認する。
サブCPU120aは、受信バッファに格納されているコマンドが演出図柄指定コマンドであれば、ステップS1531に処理を移し、演出図柄指定コマンドでなければステップS1540に処理を移す。
【0260】
ステップS1531において、サブCPU120aは、受信した演出図柄指定コマンドの内容に基づいて、液晶表示装置31に停止表示させる演出図柄36を決定する演出図柄決定処理を行う。
具体的には、演出図柄指定コマンドを解析して、大当たりの有無、大当たりの種別に応じて演出図柄36の組み合わせを構成する演出図柄データを決定し、決定された演出図柄データを演出図柄記憶領域にセットするとともに、演出図柄データを画像制御基板150とランプ制御基板140に送信するため、演出図柄データ示す停止図柄指定コマンドをサブRAM120cの送信バッファにセットする。
【0261】
ステップS1532において、サブCPU120aは、上記ステップ1100において更新されている演出モード決定用乱数値から1つの乱数値を取得し、取得した演出モード決定用乱数値と受信した演出図柄指定コマンドに基づいて、複数の演出モード(例えば、ノーマル演出モードやチャンス演出モード)の中から1つの演出モードを決定する演出モード決定処理を行う。また、決定した演出モードは、演出モード記憶領域にセットされる。
【0262】
ステップS1540において、サブCPU120aは、受信バッファに格納されているコマンドが、変動パターン指定コマンドであるか否かを確認する。
サブCPU120aは、受信バッファに格納されているコマンドが変動パターン指定コマンドであれば、ステップS1541に処理を移し、変動パターン指定コマンドでなければステップS1550に処理を移す。
【0263】
ステップS1541において、サブCPU120aは、上記ステップ1100において更新されている演出用乱数値1から1つの乱数値を取得し、取得した演出用乱数値1、受信した変動パターン指定コマンド及び演出モード記憶領域にセットされている演出モードに基づいて、複数の変動演出パターンの中から1つの変動演出パターンを決定する変動演出パターン決定処理を行う。
具体的には、ノーマル演出モードであれば、図22に示す変動演出パターン決定テーブルを参照し、取得した演出用乱数値1に基づいて1つの変動演出パターンを決定し、決定した変動演出パターンを演出パターン記憶領域にセットするとともに、決定した変動演出パターンの情報を画像制御基板150とランプ制御基板140に送信するため、決定した変動演出パターンに基づく演出パターン指定コマンドをサブRAM120cの送信バッファにセットする。例えば、変動パターン指定コマンドとして「E6H01H」を受信したときには、取得した演出用乱数値1が「0〜49」であれば変動演出パターン1を決定し、取得した演出用乱数値が「50〜99」であれば変動演出パターン2を決定し、決定した変動演出パターンを演出パターン記憶領域にセットする。さらに、決定した変動演出パターンに基づく演出パターン指定コマンドをサブRAM120cの送信バッファにセットする。
この後、かかる演出パターンに基づいて、液晶表示装置31、音声出力装置32、演出用駆動装置33、演出用照明装置34a、34bが制御されることになる。なお、ここで決定した変動演出パターンに基づいて、演出図柄36の変動態様が決定されることとなる。尚、大当たりの抽選の一回の判定結果に対応した演出時間は、演出図柄36の変動態様が示す演出時間と一致している。演出パターン指定コマンドは、画像制御基板150のホストCPU150aに対して大当たりの抽選の一回の判定結果に対応した演出時間を指定するようになっている。
【0264】
ステップS1550において、サブCPU120aは、受信バッファに格納されているコマンドが、図柄確定コマンドであるか否かを確認する。
サブCPU120aは、受信バッファに格納されているコマンドが図柄確定コマンドであれば、ステップS1551に処理を移し、図柄確定コマンドでなければステップS1560に処理を移す。
【0265】
ステップS1551において、サブCPU120aは、演出図柄36を停止表示させるために、演出図柄を停止表示させるための停止指定コマンドをサブRAM120cの送信バッファにセットする演出図柄停止表示処理を行う。
【0266】
ステップS1560において、サブCPU120aは、受信バッファに格納されているコマンドが、遊技状態指定コマンドであるか否かを判定する。
サブCPU120aは、受信バッファに格納されているコマンドが遊技状態指定コマンドであればステップS1561に処理を移し、遊技状態指定コマンドでなければステップS1570に処理を移す。
【0267】
ステップS1561において、サブCPU120aは、受信した遊技状態指定コマンドに基づいた遊技状態を示すデータをサブRAM120cにある遊技状態記憶領域にセットする。
【0268】
ステップS1570において、サブCPU120aは、受信バッファに格納されているコマンドが、オープニングコマンドであるか否かを確認する。
サブCPU120aは、受信バッファに格納されているコマンドがオープニングコマンドであればステップS1571に処理を移し、オープニングコマンドでなければステップS1580に処理を移す。
【0269】
ステップS1571において、サブCPU120aは、当たり開始演出パターンを決定する当たり開始演出パターン決定処理を行う。
具体的には、オープニングコマンドに基づいて当たり開始演出パターンを決定し、決定した当たり開始演出パターンを演出パターン記憶領域にセットするとともに、決定した当たり開始演出パターンの情報を画像制御基板150とランプ制御基板140に送信するため、決定した当たり開始演出パターンに基づく演出パターン指定コマンドをサブRAM120cの送信バッファにセットする。
【0270】
ステップS1580において、サブCPU120aは、受信バッファに格納されているコマンドが、大入賞口開放指定コマンドであるか否かを確認する。
サブCPU120aは、受信バッファに格納されているコマンドが大入賞口開放指定コマンドであればステップS1581に処理を移し、大入賞口開放指定コマンドでなければステップS1590に処理を移す。
【0271】
ステップS1581において、サブCPU120aは、大当たり演出パターンを決定する大当たり演出パターン決定処理を行う。
具体的には、大入賞口開放指定コマンドに基づいて大当たり演出パターンを決定し、決定した大当たり演出パターンを演出パターン記憶領域にセットするとともに、決定した大当たり演出パターンの情報を画像制御基板150とランプ制御基板140に送信するため、決定した大当たり演出パターンに基づく演出パターン指定コマンドをサブRAM120cの送信バッファにセットする。
【0272】
ステップS1590において、サブCPU120aは、受信バッファに格納されているコマンドが、エンディングコマンドであるか否かを確認する。
サブCPU120aは、受信バッファに格納されているコマンドがエンディングコマンドであればステップS1591に処理を移し、エンディングコマンドでなければステップS1592に処理を移す。
【0273】
ステップS1591において、サブCPU120aは、当たり終了演出パターンを決定する当たり終了演出パターン決定処理を行う。
【0274】
具体的には、エンディングコマンドに基づいて当たり終了演出パターンを決定し、決定した当たり終了演出パターンを演出パターン記憶領域にセットするとともに、決定した当たり終了演出パターンの情報を画像制御基板150とランプ制御基板140に送信するため、決定した当たり終了演出パターンに基づく演出パターン指定コマンドをサブRAM120cの送信バッファにセットする。
【0275】
ステップS1592において、サブCPU120aは、受信バッファに格納されているコマンドが、擬似空中画像演出指定コマンドであるか否かを確認する。サブCPU120aは、受信バッファに格納されているコマンドが擬似空中画像演出指定コマンドであればステップS1593に処理を移し、擬似空中画像演出指定コマンドでなければコマンド解析処理を終了する。
【0276】
ステップS1593において、サブCPU120aは、受信した擬似空中画像演出指定コマンドに基づいて擬似空中画像演出パターンを決定し、決定した擬似空中画像演出パターンをサブRAM120の擬似空中画像演出パターン記憶領域に記憶してステップS1594の処理に移行する。
【0277】
ステップS1594において、サブCPU120aは、受信した擬似空中画像演出指定コマンドに基づいて擬似空中画像操作演出決定テーブルを決定し、決定した擬似空中画像操作演出決定テーブルと取得した乱数値等より擬似空中画像操作演出の可否を選択決定し、擬似空中画像操作演出の可を選択した場合、サブRAM120cに擬似空中画像操作演出実行フラグ=01をセットし、擬似空中画像操作演出の不可を選択した場合、サブRAM120cに擬似空中画像操作演出実行フラグ=00をセットする。サブCPU120aは、ステップS1594の処理を終了すると、コマンド解析処理が終了する。
【0278】
(演出制御基板の結像面方向制御処理)
図32を用いて、結像面方向制御処理について説明する。
まず、ステップS1601において、サブCPU120aは、赤外線撮像ユニット386からの映像信号の解析を行い、赤外線撮像ユニット386が人物を認識したか否かの判別を行う。人物の判別方法については後述の図45を用いて詳細に説明する。ここで、サブCPU120aは、人物を認識していないと判定すれば、当該処理を終了し、人物を認識したと判定すれば、ステップS1602の処理に移行する。
【0279】
ステップS1602において、サブCPU120aは、ランプ制御基板140からの結像面方向データ(反射面353の仰角及び左右の回動角のデータ)から遊技者が擬似空中視を行える擬似空中視可能方向を算出し、赤外線撮像ユニット386からの映像信号の解析結果による人物の認識方向が擬似空中視可能方向と一致するか否かを判別する。ここで、サブCPU120aは、人物の認識方向が擬似空中視可能方向に一致していないと判定すれば、当該処理を終了し、人物の認識方向が擬似空中視可能方向に一致したと判定すれば、ステップS1603の処理に移行する。
【0280】
ステップS1603において、サブCPU120aは、赤外線撮像ユニット386による人物の認識方向がランプ制御基板140の結像面方向の変更により制御可能な擬似空中視可能方向の制御範囲内にあるかを判別する。ここで、サブCPU120aは、人物の認識方向が擬似空中視可能方向の制御範囲内でないと判別すれば当該処理を終了し、人物の認識方向が擬似空中視可能方向の制御範囲内であると判定すれば、ステップS1604の処理に移行する。
【0281】
ステップS1604において、サブCPU120aは、擬似空中視可能方向が赤外線撮像ユニット386からの映像信号の解析結果による人物の認識方向と一致するように結像面方向(反射面353の仰角及び左右の回動角)を制御する制御コマンドをランプ制御基板140向けの送信バッファにセットして処理を終了する。
(演出制御基板の演出入力制御処理)
図33を用いて、演出入力制御処理について説明する。
まず、ステップS1701において、サブCPU120aは、サブRAM120cの記憶領域に擬似空中画像操作演出実行フラグ=01がセットされているか否かを判定する。ここで、サブCPU120aは、擬似空中画像操作演出実行フラグ=01がセットされていなければ、ステップS1709の処理に移行し、擬似空中画像操作演出実行フラグ=01がセットされていれば、ステップS1702の処理に移行する。
【0282】
ステップS1702において、サブCPU120aは、サブRAM120cの記憶領域に遊技者検知フラグ=01がセットされているか否かを判定する。ここで、サブCPU120aは、遊技者検知フラグ=01がセットされていなければ、ステップS1703の処理に移行し、遊技者検知フラグ=01がセットされていれば、ステップS1706の処理に移行する。
【0283】
ステップS1703において、サブCPU120aは、ランプ制御基板140による遊技者の検知結果を判別する。ランプ制御基板140による遊技者の検知結果とは、ランプ制御基板140が赤外線発光ユニット307を発光させるとともに、赤外線センサ308からの赤外線検出信号の解析を行い、二次元画像表示装置35により形成された擬似空中画像の中心とこの中心の近傍の領域において遊技者の指等の体の一部の検知を行なった結果のことである。サブCPU120aは、ステップS1703において、遊技者の検知結果が遊技者の検知を示した場合、ステップS1704の処理に移行し、遊技者の検知結果が遊技者の検知を示しさないと判別した場合、今回の演出入力制御処理を終了する。
【0284】
ステップS1704において、サブCPU120aは、擬似空中画像操作演出実行コマンドを送信バッファにセットする。このコマンドは、画像制御基板150に擬似空中画像操作に対応した画像切換演出を実行させるためのコマンドである。サブCPU120aは、ステップS1704の処理の後にステップS1705の処理に移行する。
【0285】
ステップS1705において、サブCPU120aは、サブRAM120cの記憶領域に擬似空中画像操作演出実行フラグ=01をセットする。サブCPU120aは、ステップS1705の処理により今回の演出入力制御処理を終了する。
【0286】
ステップS1706において、サブCPU120aは、ランプ制御基板140による遊技者の検知結果を判別する。サブCPU120aは、ステップS1706において、遊技者の検知結果が遊技者の検知を示しさないと判別した場合、ステップS1707の処理に移行し、遊技者の検知結果が遊技者の検知を示した場合、今回の演出入力制御処理を終了する。
【0287】
ステップS1707において、サブCPU120aは、擬似空中画像操作終了演出実行コマンドを送信バッファにセットする。このコマンドは、画像制御基板150に擬似空中画像操作終了に対応した画像切換演出を実行させるためのコマンドである。サブCPU120aは、ステップS1707の処理の後にステップS1708の処理に移行する。
【0288】
ステップS1708において、サブCPU120aは、サブRAM120cの記憶領域に擬似空中画像操作演出実行フラグ=00をセットする。サブCPU120aは、ステップS1708の処理により今回の演出入力制御処理を終了する。
【0289】
ステップS1709において、サブCPU120aは、サブRAM120cの記憶領域に擬似空中画像操作演出実行フラグ=00をセットする。サブCPU120aは、ステップS1709の処理により今回の演出入力制御処理を終了する。
【0290】
ここで、サブCPU120aは、演出入力制御処理の後のステップS1800(図29参照)において送信バッファにセットされたコマンドを画像制御基板150及びランプ制御基板140に送信する。画像制御基板150は受信したコマンドに基づいて、液晶表示装置31、音声出力装置32及び二次元画像表示装置35の液晶表示ユニット302を作動させ、ランプ制御基板140は受信したコマンドに基づいて演出用駆動装置33、演出用照明装置34a、34bさせる。
【0291】
次に、画像制御基板150におけるホストCPU150aにより実行される処理について説明する。
【0292】
(画像制御基板のメイン処理)
図34を用いて、画像制御基板150のメイン処理を説明する。
電源基板170により電源が供給されると、ホストCPU150aにシステムリセットが発生し、ホストCPU150aは、以下のメイン処理を行う。
【0293】
ステップS2010において、ホストCPU150aは、初期化処理を行う。この処理において、ホストCPU150aは、電源投入に応じて、ホストROM150cからメイン処理プログラムを読み込むとともに、ホストCPU150aの各種モジュールやVDP400の初期設定を指示する。
ここで、ホストCPU150aは、VDP400の初期設定の指示として、
(1)表示回路418に映像信号を作成して出力させることを指示するため、映像信号作成の指示をしたり(表示レジスタの0bit目に1をセットしたり)、
(2)伸長回路416に使用頻度の高い画像データ(演出図柄36等の画像データ)をVRAM153の展開記憶領域153bに伸長させて展開させるために、伸長レジスタに所定の初期値データをセットしたり、
(3)描画回路417に初期値画像データ(「電源投入中」という文字画像等)を描画させるため、初期値ディスプレイリストを出力したりする。
【0294】
ステップS2020において、ホストCPU150aは、描画実行開始処理を行う。この処理において、既に出力したディスプレイリストに対する描画の実行をVDP400に指示するため、描画レジスタに描画実行開始データをセットする(図17(b)参照)。
すなわち、電源投入開始時には上記ステップS2010で出力された初期値ディスプレイリストに対する描画の実行が指示され、通常のルーチン処理時には後述するS2050で出力されたディスプレイリストに対する描画の実行が指示されることになる。
【0295】
ステップS2030において、ホストCPU150aは、演出制御基板120から送信された演出指示コマンド(ホストRAM150bの受信バッファに格納されているコマンド)を解析する演出指示コマンド解析処理を行う。
なお、画像制御基板150は、演出制御基板120から送信されたコマンドを受信すると、図示しない画像制御基板150のコマンド受信割込処理が発生し、受信したコマンドを受信バッファに格納する。その後、本ステップS2030において受信したコマンドの解析処理が行われる。
【0296】
演出指示コマンド解析処理は、受信バッファに演出指示コマンド(例えば、図22に示すような演出パターン指定コマンド)が記憶されているか否かを確認する。受信バッファに演出指示コマンドが記憶されていなければ、そのままステップS2040に処理を移す。
受信バッファに演出指示コマンドが記憶されていれば、新たな演出指示コマンドを読み込み、読み込んだ演出指示コマンドに基づいて、実行する1つ又は複数のアニメグループを決定するとともに、それぞれのアニメグループからアニメパターンを決定する(図36参照)。
また、ホストCPU150aは、受信バッファに演出パターン指定コマンドが記憶されていれば、ホストRAM150bの演出タイマカウンタに演出パターン指定コマンドに対応する演出時間をセットする。なお、演出タイマカウンタは、4ms毎に減算処理される。
また、ホストCPU150aは、受信バッファに第1から第nのエリア操作対応表示実行コマンドが記憶されていれば、新たな第1から第nのエリア操作対応表示実行コマンドを読み込み、ホストRAM105bの記憶領域に第1から第nのエリア操作対応表示実行フラグ=01をセット(第1から第nのエリア操作対応表示実行フラグをオン)する。
また、ホストCPU150aは、演出タイマカウンタの減算処理により読み込んだ演出指示コマンドに対応する演出時間が終了すると、ホストRAM105bの記憶領域に第1から第nのエリア操作対応表示実行フラグ=00をセット(第1から第nのエリア操作対応表示実行フラグをオフ)する。
【0297】
ステップS2040において、ホストCPU150aは、アニメーション制御処理を行う。この処理において、後述するステップS2210において更新される上記「シーン切換えカウンタ」、上記「ウェイトフレーム」、上記「フレームカウンタ」と、上記ステップS2030で決定されたアニメパターンとに基づいて、各種アニメシーンのアドレスを更新する。
【0298】
ステップS2050において、ホストCPU150aは、アニメシーンが属するアニメグループの優先順位(描画順序)に従って、更新したアドレスにあるアニメシーンの1フレームの表示情報(スプライトの識別番号、表示位置等)から、ディスプレイリストを生成していく(図38参照)。そして、ディスプレイリストの生成が完了すると、ホストCPU150aはディスプレイリストをVDP400に出力する。ここで出力するディスプレイリストについては、図36を用いて後述する。
なお、ここで出力されたディスプレイリストは、VDP400におけるCPU I/F413を介して、VRAM153のディスプレイリスト記憶領域153aに記憶される。
【0299】
ステップS2060において、ホストCPU150aは、FB切換えフラグ=01であるか否かを判定する。
ここで、FB切換えフラグは、図35(b)で後述するように、1/60秒(約16.6ms)毎のVブランク割込みにおいて、前回のディスプレイリストの描画が完了していれば、FB切換えフラグ=01になる。すなわち、ステップS2060では、前回の描画が完了したか否かを判定することになる。
ホストCPU150aは、FB切換えフラグ=01であれば、ステップS2070に処理を移し、FB切換えフラグ=00であれば、FB切換えフラグ=01になるまで待機をする。
【0300】
ステップS2070において、ホストCPU150aは、FB切換えフラグ=00をセットして(FB切換えフラグをオフにして)、ステップS2020に処理を移す。
以降は、図35に示す所定の割り込みが発生するまで、ステップS2020〜ステップS2070の処理を繰り返し行う。
【0301】
(画像制御基板の割込処理)
図35を用いて、画像制御基板150の割込処理を説明する。
【0302】
画像制御基板150の割込処理には、描画終了割込信号を入力したことで行う描画終了割込処理と、Vブランク割込信号を入力したことで行うVブランク割込処理と、コマンドを受信したことで行われるコマンド受信割込処理とを、少なくとも備えている。
なお、描画終了割込処理とVブランク割込処理とは、図35を用いて説明を行うが、コマンド受信割込処理については、ステップS2030において説明をした通りであり、図示は省略する。
【0303】
(画像制御基板の描画終了割込処理)
図35(a)は、画像制御基板150の描画終了割込処理を示す図である。
【0304】
VDP400は所定単位のフレーム(1フレーム)の描画が終了すると、CPU I/F413を介して、ホストCPU150aに描画終了割込信号を出力する。
ホストCPU150aは、VDP400から描画終了割込信号を入力すると、描画終了割込処理を実行する
【0305】
描画終了割込処理においては、ホストCPU150aは、描画終了フラグ=01をセット(描画終了フラグをオン)して、今回の描画終了割込処理を終了する(ステップS2110)。すなわち、描画の終了毎に描画終了フラグがオンになる。
【0306】
(画像制御基板のVブランク割込処理)
図35(b)は、画像制御基板150のVブランク割込処理を示す図である。
VDP400は1/60秒(約16.6ms)毎に、CPU I/F413を介して、ホストCPU150aにVブランク割込信号(垂直同期信号)を出力する。
ホストCPU150aは、VDP400からVブランク割込信号を入力すると、Vブランク割込処理を実行する。
【0307】
ステップS2210において、ホストCPU150aは、「シーン切換えカウンタ」、「ウェイトフレーム」、「フレームカウンタ」の各種カウンタを更新する処理を行う。
【0308】
ステップS2220において、ホストCPU150aは、描画終了フラグ=01であるか否かを判定する。すなわち、所定単位のフレームの描画が終了しているか否かを判定する。
ホストCPU150aは、描画終了フラグ=01であれば、ステップS2230に処理を移し、描画終了フラグ=01でなければ、今回のVブランク割込処理を終了する。すなわち、Vブランク割込信号を入力しても、描画が終了していなければ、ステップS2230以降の処理が行われない。
【0309】
ステップS2230において、ホストCPU150aは、描画終了フラグ=00をセットする(描画終了フラグをオフにする)。
【0310】
ステップS2240において、ホストCPU150aは、VDP400のメモリコントローラ419に「表示用フレームバッファ」と「描画用フレームバッファ」とを切り替える指示を与える。
具体的には、ホストCPU150aは、CPU I/F413を介して、表示レジスタの1bit目に1を加算する処理を行う(図17(d)参照)。
【0311】
ステップS2250において、ホストCPU150aは、FB切換えフラグ=01をセットし(FB切換えフラグをオンにし)、上記ステップS2060における待機状態を解除して、今回のVブランク割込処理を終了する。
【0312】
次に、図36〜図38を参照して、アニメパターンの決定方法およびディスプレイリストの生成方法について説明する。
【0313】
(アニメパターン)
図36は、演出パターンのアニメーションを表示するためのアニメグループの一例である。図37は、演出パターンのアニメーションを表示するためのアニメパターンの一例である。
【0314】
図36に示すように、アニメパターンは、液晶表示装置31に表示するオブジェクトやシーン毎にグループ化され、背景のアニメーションを表示するための背景グループ、予告Aに用いるキャラクタのアニメーションを表示するための予告Aグループ、予告Bに用いるキャラクタのアニメーションを表示するための予告Bグループ、リーチキャラクタのアニメーションを表示するためのリーチグループ、演出図柄36のアニメーションを表示するための演出図柄グループ、大当り演出のアニメーションを表示するための大当り演出グループ、擬似空中画像操作演出のアニメーションを表示するための擬似空中画像操作演出グループ・・・・等の多数のグループが存在している。そして、それぞれのグループ毎に多数のアニメパターンが対応付けられてホストROM150cに記憶されている。
ホストCPU150aは、サブCPU120aから受信した演出パターン指定コマンドに基づいて、実行する1つ又は複数のアニメグループを決定するとともに、それぞれのアニメグループからアニメパターンを決定する。
【0315】
図37(a)〜(d)は、図22に示す変動演出パターン7(10秒の特別図柄の変動パターン6)に対応する演出パターン指定コマンド(A1H07H)を受信したときに、決定されるアニメパターンの一例を示している。
【0316】
ホストCPU150aは、変動演出パターン7に対応する変動演出パターン指定コマンド(A1H07H)を受信したときには、ホストCPU150aにより、背景グループ、予告Aグループ、予告Bグループ、演出図柄グループの4つのグループを決定し、背景グループからはアニメパターン1、予告Aグループからはアニメパターン11、予告Bグループからはアニメパターン21、演出図柄グループからはアニメパターン501を決定する。
【0317】
ここで、アニメパターンは、図37(a)〜(d)に示すように、アニメシーン情報の組み合わせや各アニメシーン情報の表示順序等を記憶している。
例えば、図37(d)に示す演出図柄グループ・アニメパターン501では、1番目にアニメシーン501が実行され、2番目にアニメシーン511が実行される。
ホストRAM150bには、1フレーム毎に更新する「シーン切換カウンタ」を有しており、1番目のアニメシーン501を実行している間にシーン切換えカウンタが540を計測すると、2番目のアニメシーン511にアニメシーンが切り替わる。そして、2番目のアニメシーン511を実行している間にシーン切換えカウンタが60を計測すると、演出図柄グループ・アニメパターン501のアニメシーンが終了する。
なお「1フレーム」とは、液晶表示装置の更新タイミング(垂直同期信号の更新タイミング)であり、1/60秒(約16.6ms)毎に、1フレーム更新されて行く。すなわち、1秒で60フレームが計測される。
【0318】
また、各アニメシーンには、アニメシーン情報が記憶されており、1フレーム毎に更新されるウェイトフレーム(すなわち表示時間)、対象データ(スプライトの識別番号、転送元アドレス等)、パラメータ(スプライトの表示位置、転送先アドレス等)、描画方法等などの表示情報を記憶している。
例えば、標準速によるアニメーション表示において、図37(d)に示すアニメシーン501では、最初に第1図柄〜第4図柄が所定の座標に20フレーム(約0.33秒)まで表示され続ける。その後、第1図柄〜第4図柄が別の座標に15フレーム(約0.25秒)まで表示され続ける。以降も同様に、第1図柄〜第4図柄が予め定められたフレームまで異なる座標に表示され続けていくと、第1図柄〜第4図柄が移動して表示していくようなアニメーションを表示することができる。
【0319】
そして、図37(a)〜(d)に示すように、背景グループのアニメパターン1と、予告Aグループからはアニメパターン11と、予告Bグループからはアニメパターン21と、演出図柄グループからはアニメパターン501と、、擬似空中画像操作演出グループからはアニメパターン601のアニメパターンの複数のアニメパターンが決定され、これらのアニメパターンのアニメーションが並列するように実行される。
すなわち、液晶表示装置31の表示領域には、アニメパターンの開始から終了に至るまで、背景としてBG1(山)とBG2(雲)の画像が表示され続け、アニメパターンの開始から2秒(120フレーム)後にキャラクタAの予告表示のアニメーションを行う画像が3秒(180フレーム)表示され、アニメパターンの開始から3秒(180フレーム)後に、キャラクタBの予告表示のアニメーションを行う画像が4秒(240フレーム)表示される。さらには、演出図柄の通常変動表示のアニメーションを行う画像が9秒間(540フレーム)行われ、その後1秒間(60フレーム)の仮停止表示のアニメーションを行う画像が表示される。
なお、これらの画像は、液晶表示装置31の表示領域に重複して表示されることになり、最初に描画された画像は、後に描画された画像によって上書きされて消されることになる。この画像の生成方法は、後述のディスプレイリストにおいて説明する。
【0320】
(ディスプレイリスト)
図38は、描画制御コマンド群から構成されるディスプレイリストの一例である。
【0321】
ホストCPU150aは、上記図36に示すようにアニメパターンを決定すると、所定単位のフレーム毎(1フレーム毎)にディスプレイリストを生成して、生成したディスプレイリストをVDP400に出力する。
【0322】
ここで、ディスプレイリストの生成方法については、ホストCPU150aが、現在のフレームを示す「フレームカウンタ」と決定されたアニメパターン(アニメシーン)とに基づいて、現在のフレーム数におけるアニメシーンの内容に従った描画制御コマンドを、各アニメグループの優先順位(描画順序)に従って生成することで、現在のフレーム数におけるディスプレイリストが生成される。
【0323】
例えば、上記図37(a)〜(d)に示すアニメグループの優先順位として、背景グループには最も低い優先順位10のデータが対応づけられ、予告Aグループには優先順位9のデータが対応づけられ、予告Bグループには優先順位8のデータが対応づけられ、・・・・、演出図柄グループには優先順位1のデータが対応づけられられているものとする。
【0324】
そして、上記図37(a)〜(d)に示すように、背景グループのアニメパターン1と、予告Aグループからはアニメパターン11と、予告Bグループからはアニメパターン21と、演出図柄グループからはアニメパターン501の複数のアニメパターンが決定されたものとする。
次に、最も低い優先順位のアニメグループ(背景グループ)のアニメパターン1から、現在のフレームカウンタ(現在のフレーム数)におけるアニメシーンの内容に従った描画制御コマンドを順次生成していき、決定したアニメグループのうちで最も高い優先順位のアニメグループ(演出図柄グループ)までの描画制御コマンドが生成されると、最後に描画終了コマンドを生成して、図38に示すようなディスプレイリストを完成させる。
このようなディスプレイリストは、ホストCPU150aが必要なデータを参照しながら、プログラム処理によって生成されて行く。
【0325】
このように、所定単位のフレーム毎(1フレーム毎)に描画制御コマンド群をまとめたディスプレイリストを、ホストCPU150aがVDP400に出力することで、VDP400にある描画回路417が具体的な描画処理を行い、ホストCPU150aの処理負担の軽減を図ることができる。
【0326】
次に、VDP400において実行される処理について説明する。
【0327】
(伸長回路の伸長制御処理)
図39を用いて、VDP400における伸長回路416の伸長制御処理を説明する。
【0328】
まず、ステップS2310において、伸長回路416は、描画回路417から描画する画像データを伸長させる伸長実行開始の指示があったか否かの判定を行う。具体的には、描画回路417により伸長レジスタに伸長実行開始データがセットされたか否か(伸長レジスタの0bit目に1がセットされたか否か)の判定を行う(図17(c)参照)。
伸長回路416は、伸長実行開始の指示があったときは、ステップS2320に処理を移し、伸長実行開始の指示がなかったときは、伸長実行開始の指示があるまで待機をする。
【0329】
ステップS2320において、伸長回路416は、描画回路417によりセットされた伸長レジスタの伸長実行開始データをクリアする(伸長レジスタの0bit目に0をセットする)。
【0330】
ステップS2330において、伸長回路416は、描画回路417に伸長の実行中であることを知らせるため、伸長レジスタに伸長実行中データをセットする(伸長レジスタの1bit目に1をセットする)(図17(c)参照)。
【0331】
ステップS2340において、伸長回路416は、CRROM151に圧縮された圧縮画像データを読み出し、読み出された圧縮画像データを元画像データに伸長して、伸長された画像データをVRAM153の展開記憶領域153bに展開させる。
【0332】
ステップS2350において、伸長回路416は、1つの画像の伸長が完了したか否かを判定する。
伸長回路416では、1つの画像の伸長が完了したときは、ステップS2360に処理を移し、1つの画像の伸長が完了していないときは、ステップS2340に処理を戻して伸長処理を繰り返し行う。
【0333】
ステップS2360において、伸長回路416は、1つの画像の伸長が完了すると、描画回路417に伸長が終了したことを知らせるため、伸長レジスタの伸長実行中データをクリア(伸長レジスタの1bit目に0をセット)して、ステップS2310に処理を戻して伸長制御処理を繰り返し行う。
【0334】
(描画回路における描画制御処理)
図40を用いて、VDP400における描画回路417の描画制御処理を説明する。
【0335】
ステップS2410において、描画回路417は、ホストCPU150aから描画の実行開始の指示があったか否かの判定を行う。具体的には、ホストCPU150aにより描画レジスタに描画実行開始データがセットされているか否か(描画レジスタの0bit目に1がセットされているか否か)の判定を行う(図17(b)参照)。
描画回路417では、描画の実行開始の指示があったときは、ステップS2420に処理を移し、描画の実行開始の指示がなかったときは、描画の実行開始の指示があるまで待機をする。
【0336】
ステップS2420において、描画回路417は、ホストCPU150aによりセットされた描画レジスタの描画実行開始データをクリアする(描画レジスタの0bit目に0をセットする)。
【0337】
ステップS2430において、描画回路417は、VRAM153のディスプレイリスト記憶領域153aに記憶されたディスプレイリストを読み込み、読み込んだディスプレイリストの描画制御コマンドを、あらかじめ定められた優先順位(描画順序)に従って順次解析していく。
なお、ここではディスプレイリストにある複数の描画制御コマンドを全て一括して解析するわけではなく、1回のディスプレイリスト解析制御処理においては、あらかじめ定められた優先順位(描画順序)に従って、所定単位(例えば1つの画像データ)の描画制御コマンドを順次解析していく。
【0338】
ステップS2440において、描画回路417は、ディスプレイリストに圧縮された画像を伸長させる伸長コマンドが記憶されており、描画する画像データがVRAM153の展開記憶領域153bに記憶(伸長)されていなければ、伸長回路416に描画する画像データを伸長させること指示する。具体的には、具体的には、伸長レジスタに伸長実行開始データをセットする(伸長レジスタの0bit目に1をセットする)。
【0339】
ステップS2450において、描画回路417は、描画する画像の伸長が完了したか否かを判定する。具体的には、伸長レジスタに伸長実行中データがクリアされているか否か(伸長レジスタの1bit目に0がセットされているか否か)を判定する。
描画回路417は、描画する画像の伸長が完了したときはステップS2460に処理を移し、描画する画像の伸長が完了していなかったときは、描画する画像の伸長が完了するまで待機をする。
【0340】
ステップS2460において、描画回路417は、ディスプレイリストの描画制御コマンドに従い、適宜必要なデータを描画レジスタに設定しながら、VRAM153の展開記憶領域153bに伸長された画像を、VRAM153にある「描画用フレームバッファ」に描画する描画処理を行う。
【0341】
ステップS2470において、描画回路417は、1フレームのディスプレイリストの全ての描画制御コマンドが終了(1フレームの描画処理が完了)したか否かを判定する。
描画回路417は、1フレームの描画処理が完了したときは、ステップS2480に処理を移し、1フレームの描画処理が完了していなかったときは、ステップS2430に処理を戻して、1フレームの描画処理が完了するまで上記ステップS2430の「ディスプレイリスト解析制御処理」と上記ステップS2440の「伸長指示処理」と上記ステップS2460の「描画処理」とを繰り返し行う。
なお、本発明の第1の実施形態のように、画像データを全て圧縮してCGROM151に記憶しているとすると、ディスプレイリストに従い、1つの画像毎に伸長して描画していくことになる。
【0342】
ステップS2480において、描画回路417は、割込レジスタに描画終了データをセットし(システム制御レジスタの1bit目に1をセットし)(図17(a)参照)、ステップS2410に処理を戻して描画制御処理を繰り返し行う。
【0343】
(表示回路における表示制御処理)
図41を用いて、VDP400における表示回路418の表示制御処理を説明する。
【0344】
ステップS2510において、表示回路418は、ホストCPU150aから映像信号作成の指示があったか否かの判定を行う。具体的には、表示レジスタの0bit目に1がセットされているか否かを判定する(図17(d)参照)。
表示回路418は、映像信号の作成の指示があったときは、ステップS2520に処理を移し、映像信号作成の指示がなかったときは、映像信号作成の指示があるまで待機をする。
なお、表示レジスタの0bit目は、原則として、電源投入時から「1」はセットされたままになっている(電源投入時から映像信号作成ONの状態を維持している)。
【0345】
ステップS2520において、表示回路418は、VRAM153にある「表示用フレームバッファ」に記憶された画像データ(デジタル信号)から、映像信号として画像の色データを示すRGB信号(アナログ信号)を生成する。
【0346】
ステップS2530において、表示回路418は、生成した映像信号(RGB信号)と、液晶表示装置31及び液晶表示ユニット302と同期を図るための同期信号(垂直同期信号、水平同期信号等)とを液晶表示装置31及び液晶表示ユニット302に出力する。その後、ステップS2510に処理を戻して表示制御処理を繰り返し行う。
【0347】
次に、演出制御基板120について簡単に概略を説明する。
【0348】
演出制御基板120は、主制御基板110から送信されたコマンドを受信すると、演出制御基板120のコマンド受信割込処理が発生し、受信したコマンドを受信バッファに格納する。
【0349】
そして、演出制御基板120におけるサブCPU120aは、2ms毎に行われる演出制御基板120のタイマ割込み処理にて、受信したコマンドを解析して各コマンドに対応する各種コマンドを生成する。その後、生成した各種コマンドは、画像制御基板150やランプ制御基板140へ送信される。
【0350】
例えば、演出制御基板120におけるサブCPU120aは、主制御基板110から変動パターン指定コマンドを受信すると、受信した変動パターン指定コマンドの内容を解析して、液晶表示装置31、音声出力装置32、演出用駆動装置33、演出用照明装置34a、34bに所定の演出を実行させるためのコマンドを生成し、かかるコマンドを画像制御基板150やランプ制御基板140へ送信する。
【0351】
次に、ランプ制御基板140と画像制御基板150について簡単に概略を説明する。
【0352】
ランプ制御基板140においては、演出制御基板120から演出用のコマンドを受信すると、受信した演出用のコマンドに基づいて演出用駆動装置作動プログラムを読み出して、演出用駆動装置33を作動制御するとともに、受信した演出用のコマンドに基づいて演出用照明装置制御プログラムを読み出して、演出用照明装置34a、34bを制御する。
【0353】
画像制御基板150において、演出制御基板120から演出用のコマンドを受信すると、受信した演出用のコマンドに基づいて、音声CPUが音声ROMから音声出力装置制御プログラムを読み出して、音声出力装置32における音声を出力制御するとともに、ホストCPU150aが画像ROMからアニメーション制御プログラムを読み出して、液晶表示装置31及び液晶表示ユニット302における画像表示を制御する。
【0354】
(遊技内容)
次に、図42〜図43を用いて、遊技者が擬似空中画像310に触れない状態で液晶表示装置31の表示画面等で行われる遊技内容について説明する。
図42は、演出図柄36の変動表示開始から大当り遊技までの遊技内容を説明するための説明図である。
また、図43は、図42(a)の表示画面の構成図であり、リーチ演出が表示されるまでの変動演出パターンの表示画面の構成図を示している。
【0355】
図42(a)は、液晶表示装置31の表示領域に演出図柄36が変動表示されている表示画面である。
演出図柄36は4種類の図柄で構成され、図42(a)には、液晶表示装置31の表示領域の中央に左用の演出図柄36aと中用の演出図柄36bと右用の演出図柄36cとが表示され、液晶表示装置31の表示領域の左下に小さく、第4の演出図柄36dが表示されている。また、液晶表示装置31の表示領域の下方には、情報基礎画像37bが表示され、その情報基礎画像37bの上には、2個の特図保留画像37aと3個の普図保留画像38a、38bとが表示されている。さらには、演出図柄36の背景には、山背景画像39a、予告Aに用いる飛行機画像39bが表示されている。
【0356】
図42(b)は、図42(a)の状態から所定の時間が経過して、リーチとなった状態を示す表示画面である。
このとき、左用の演出図柄36aと右用の演出図柄36cとは、表示領域の両隅に同じ種類の演出図柄(例えば7)が停止表示されている。
なお、本発明の第1の実施形態における演出図柄36の「停止表示」とは、演出図柄36が全く動かない完全停止表示と、演出図柄36が小さく揺れ動く仮停止表示とを含むものである。
【0357】
図42(c)は、図42(b)の状態から所定の時間が経過して、キャラクタZ39cが登場した表示画面である。
このとき、キャラクタZ39cが液晶表示装置31の表示領域の前面に亘って表示され、液晶表示装置31の表示領域の下方にある特図保留画像37a、普図保留画像38a、38bは消去されている。
【0358】
図42(d)は、図42(c)の状態から所定の時間が経過して、リーチ演出の結果を表示している表示画面である。
このとき、左用の演出図柄36aと右用の演出図柄36cと同じ種類の中用の演出図柄36bが停止表示されている。また、リーチ演出の結果として、キャラクタZ39cが倒された表示も行われている。
【0359】
図42(e)は、図42(d)の状態から所定の時間が経過して、大当り遊技に移行することを表示している表示画面である。
このとき、液晶表示装置31の表示領域には、「大当り」という文字画像が表示されている。尚、本発明の第1の実施形態において、図42(e)の表示画面は、演出図柄36の変動表示の演出指示コマンドに対応する演出時間の終了後を行われるものであり、大当り遊技の演出時間に含まれる。
【0360】
図42(f)は、図42(e)の状態から所定の時間が経過して、大当り遊技が行われていることを表示している表示画面である。
このとき、大当りの契機となった演出を報知するための履歴画像39e、大当りラウンド画像39f、大当り背景画像39gが表示されている。
【0361】
(変動演出パターンの表示画面の構成図)
図42(a)の表示画面の構成図について、図43を用いて説明する。
【0362】
図43は、図42(a)の表示画面の構成図であり、上記図38に示すディスプレイリストに従って描画されたデータが表示されたものである。
【0363】
図16に示す描画回路417は、図38(a)に示すディスプレイリストに従って描画処理を行い、図43(a)の示すように、最初に山背景画像39aを描画し、次に飛行機画像39bを描画し、情報基礎画像37b、3個の普図保留画像38a、38b、2個の特図保留画像37a、左用の演出図柄36a、右用の演出図柄36c、中用の演出図柄36b、第4の演出図柄36dの順に描画することで、下から順に複数の画像を重ね合わせ、最終的に図43(b)に示す表示画面を作成する。
【0364】
なお、図42(a)では、演出図柄36の変動表示を矢印で表示したが、正確には所定のフレーム数のあいだ演出図柄36は停止表示されているので(いわゆるペラペラ漫画のような構成)、図43では演出図柄36が停止表示されたようになっている。
【0365】
(二次元画像表示装置35の動作)
図44は、二次元画像表示装置35に対する操作方法を示す説明図である。
演出制御基板120のサブCPU120aの受信バッファに格納されているコマンドが、擬似空中画像演出指定コマンドである場合、サブCPU120aは、図31に示すステップS1592→S1593→S1594の処理を実行し、二次元画像表示装置35に対して図44に示す擬似空中画像の表示を行わせる。
【0366】
図44において、二次元画像表示装置35の上部カバー309の上方には、画像伝達パネル306によって結像面371が生成される。液晶表示ユニット302(図12参照)に表示された画像は、結像面371に前記擬似空中画像310として表示される。赤外線発光ユニット307は、レンズにより直線光状に集光された赤外線照射光を、透過部338aを介して結像面371の中央の領域E1に向けて照射する。赤外線センサ308は、結像面371の領域E1における赤外線を検出するように結像レンズと検出素子の検出方向がセットけられている。即ち、赤外線発光ユニット307の赤外線の照射範囲D1と、結像面371において赤外線センサ308の検出範囲D2とが交差する空間が領域E1を含む遊技者の操作を検出する空間S1になっている。擬似空中画像操作演出実行フラグ=01(図33参照)になった場合、演出制御基板120のサブCPU120aは、液晶表示ユニット302に擬似空中画像操作演出用の画像を表示させるコマンドを画像制御基板150に送信し、例えば、結像面371の擬似空中画像310には押せの表示が行われる。
【0367】
遊技者91は、結像面371の擬似空中画像310に押せの表示が行われると、指92で擬似空中画像310の中心またはその近傍を押す。これにより、赤外線センサ308は、領域E1を含む空間S1で指92から反射された赤外線を受光する。赤外線センサ308が赤外線を受光すると、ランプ制御基板140は遊技者を検知したことを示す操作検知信号を演出制御基板120に送信する。
【0368】
演出制御基板120のサブCPU120aは、ランプ制御基板140から操作検知信号を受信した場合、ステップS1703判別がYESとなり、図33に示すステップS1704→S1705の処理を行い、サブROM120bに格納されたプログラムを読み出して演算処理を行うとともに、当該処理に基づいて、液晶表示ユニット302に表示する画像を擬似空中画像操作されたことに対応する画像に切り換えるコマンドを画像制御基板150に送信する。この後、図44に示す遊技者91の指92が擬似空中画像310の領域E1を含む空間S1から離れると、赤外線センサ308は、赤外線を受光しなくなり、ランプ制御基板140は遊技者を検知しなくなったことを示す操作検知信号を演出制御基板120に送信する。
【0369】
演出制御基板120のサブCPU120aは、ランプ制御基板140から操作検知信号を受信した後に操作検知信号を受信しなくなった場合、図33に示すステップS1706の判別がNOとなり、ステップS1707→S1708の処理を行い、サブROM120bに格納されたプログラムを読み出して演算処理を行うとともに、当該処理に基づいて、液晶表示ユニット302に表示する画像を擬似空中画像操作終了演出の画像に切り換えるコマンドを画像制御基板150に送信する。
次に、図5、図44及び図45を用いて、赤外線撮像ユニット386により撮像された画像の処理について説明する。
【0370】
ここで、遊技機1(図1参照)が可動状態の場合、図5に示すように赤外線発光ユニット385は、赤外線を直接遊技者91に向けて照射し、赤外線撮像ユニット386の赤外線イメージセンサ386cには、遊技者91の像と背景が映されることになる。遊技者91は、赤外線発光ユニット385の近くにいるため、比較的高い輝度で検出され、背景は赤外線発光ユニット385のと遠くにあるため、比較的低い輝度で検出される。赤外線撮像ユニット386は、このようにして検出された輝度の映像信号が演出制御基板120に供給される。演出制御基板120は、演出制御基板120からの映像信号を輝度の所定の閾値で二値化する。
【0371】
図45は、演出制御基板120からの映像信号をに近二値化した画像421を示す説明図であり、図45(a)は、遊技者が遊技機1に向かって左右方向中央の標準的な位置にいる場合を示し、図45(b)は、遊技者が遊技機1に向かって比較的左側の位置にいる場合(遊技者の後方から見て遊技者が左側にいる場合)を示し、図45(c)は、遊技者が遊技機1に向かって比較的上側の位置にいる場合を示している。
【0372】
図45(a)、図45(b)、図45(c)において画像421では、遊技者に対応する部分が閾値より高輝度のドット422で示され、、遊技者に対応する部分が閾値より低輝度のドット423で示される。
【0373】
図45(a)に示すように遊技者が二次元画像表示装置35に向かって左右方向中央の標準的な位置にいる場合、高輝度のドット422は、ドット全体の30%程度となり、高輝度のドット422の位置の平均は、画像421の左右方向中央の下寄りの位置になる。
【0374】
図45(b)に示すように遊技者が二次元画像表示装置35に向かって左側の位置にいる場合を示し、高輝度のドット422は、ドット全体の25%程度となり、高輝度のドット422の位置の平均は、画像421の左右方向中央の右下寄りの位置になる。
【0375】
図45(c)に示すように遊技者が二次元画像表示装置35に向かって左側の位置にいる場合を示し、高輝度のドット422は、ドット全体の45%程度となり、高輝度のドット422の位置の平均は、画像421の左右方向中央の図45(a)より上寄りの位置になる。
【0376】
図32に示すステップS1601において、サブCPU120aは、画像421における高輝度のドット422の割合が10%以上、80%以下の場合に赤外線撮像ユニット386が人物を認識したと判別する。
【0377】
図32に示すステップS1602において、サブCPU120aは、画像421における高輝度のドット422の位置の平均により人物の認識方向を判定する。尚、本実施形態では、サブCPU120aは、人物の認識方向から人物の眼の方向を予測することで、ランプ制御基板140を介して前記結像面371からの反射画像光の光束の中心方向が予測した人物の眼の方向と一致するかまたは近づくように反射面角度変更駆動装置382の仰俯角変更駆動ユニット613と左右回動角変更駆動ユニット614の制御を行う。
【0378】
遊技者91が二次元画像表示装置35に向かって左右方向中央の位置にいる場合には、画像421における高輝度のドット422の左右方向の位置の平均は、例えば図45(a)に示すように画像421の左右方向中央の位置になり、ランプ制御基板140(図15参照)は、反射面角度変更駆動装置382の左右回動角変更駆動ユニット614を制御して反射鏡305の角度調整を行い、結像面371の方向を遊技者91がいる真上の方向に制御する。
【0379】
遊技者91が図44に示す手前側から見て破線91aの左側の位置に移動した場合、図32に示す結像面方向制御処理はステップS1601→S1602→S1603→S1604→RETURNの流れとなり、画像421における高輝度のドット422の左右方向の位置の平均は、例えば図45(b)に示すように画像421の左右方向中央より右の位置になり、サブCPU120aは、擬似空中視可能方向が赤外線撮像ユニット386からの映像信号の解析結果による人物の認識方向と一致するように反射鏡305の反射角度を制御する制御コマンドとして反射鏡305の角度を左方向の所定角度に向けるコマンドをランプ制御基板140向けの送信バッファにセットして送信し、ランプ制御基板140(図15参照)は、前記結像面371からの反射画像光の光束の中心方向が人物の眼の方向と一致するかまたは近づくように左右回動角変更駆動ユニット614を制御して結像面371を遊技者91の眼の方向に近い左方向の破線の位置371aに移動させる。
【0380】
遊技者91が図44の実線に示すように二次元画像表示装置35に向かって前後方向の標準的な位置にいる場合には、画像421における高輝度のドット422の位置の平均は、例えば図45(a)に示すように画像421の上下方向の下寄りの標準位置になり、サブCPU120aは、ランプ制御基板140を制御して結像面371を遊技者91の方向に制御する。
【0381】
遊技者がが図44の実線に示すの状態から一点鎖線91bの奥側(後側)の位置に移動した場合、図32に示す結像面方向制御処理はステップS1601→S1602→S1603→S1604→RETURNの流れとなり、画像421における高輝度のドット422の位置の平均は、例えば図45(c)に示すように画像421の上下方向の標準位置より上側の位置になり、サブCPU120aは、擬似空中視可能方向が赤外線撮像ユニット386からの映像信号の解析結果による人物の認識方向と一致するように反射鏡305の反射角度を制御する制御コマンドとして反射鏡305の反射角度を斜め奥45°より奥方向の所定角度に向けるコマンドをランプ制御基板140向けの送信バッファにセットして送信し、ランプ制御基板140(図15参照)は、前記結像面371からの反射画像光の光束の中心方向が前記眼の方向と一致するかまたは近づくように仰俯角変更駆動ユニット613を制御して結像面371を遊技者91の眼の方向に近い奥側の一点鎖線の位置371bに移動させる。
【0382】
このような動作により、遊技機1は結像面371を遊技者が擬似空中視可能な方向に向けることができる。
【0383】
赤外線発光ユニット307は、ランプ制御基板140の制御により結像面371に移動に合わせて赤外線を照射する照射範囲D1を変動させる。
【0384】
赤外線センサ308は、ランプ制御基板140の制御により結像面371に移動に合わせて赤外線を検出する検出範囲D2を変動させる。
【0385】
照射範囲D1と検出範囲D2とが交差し遊技者の操作を検出する空間S1は、結像面371の移動に合わせて移動することになる。結像面371の空間S1に対応する領域E1も結像面371の移動に合わせて移動することになる。
【0386】
図46は、擬似空中画像310の第1の表示例を示す説明図であり、図47は、擬似空中画像310の第2の表示例を示す説明図である。図46及び図47は、結像面371に表示される擬似空中画像310の第1の表示例を上部カバー309の上側から見た状態を示している。擬似空中画像310は、左右の膨出部338、339の間に表示される。
【0387】
以下、擬似空中画像310の第1の表示例について詳細に説明する。
【0388】
第1の表示例では、演出図柄36が変動表示されている状態で図46(a)に示すように、擬似空中画像310として卵が回転する画像431と押せの文字の画像432が表示される。遊技者91が領域E1を押さない場合(領域E1を含む空間S1に指92を侵入させない場合)、例えば演出図柄36の変動表示が終了するまで図46(a)に示す擬似空中画像310として画像が表示されこの後、前面黒レベルの画像が表示される。図46(b)に示すように遊技者91が指92で擬似空中画像310の領域E1を押した場合(領域E1を含む空間S1に指92を侵入させた場合)、擬似空中画像310において、回転中の卵の画像431が右に移動し、図46(c)に示すように右からナースの画像433が登場し、指92の位置に注射を行う動画434が表示される。この後、遊技者91が領域E1を含む空間S1から指92を離すと、図46(d)に示すように擬似空中画像310にハズレの文字の画像435が表示され、この後、図46(e)に示すように擬似空中画像310の中央に卵が回転する画像431が表示される。
【0389】
第2の表示例では、演出図柄36が変動表示されている状態で図47(a)に示すように、擬似空中画像310として卵が回転する画像441と押せの文字の画像442が表示される。遊技者91が領域E1を押さない場合、例えば演出図柄36の変動表示が終了するまで擬似空中画像310として図47(a)に示す画像が表示され、この後、前面黒レベルの画像が表示される。図47(b)に示すように遊技者91が指92で擬似空中画像310の領域E1を押した、擬似空中画像310において、卵が爆発する動画443が表示され、この後、図47(c)に示すように4匹の蝶が羽ばたく動画の画像444が表示される。この後、遊技者91が領域E1を含む空間S1から指92を離すと、図47(d)に示すように4匹の蝶が羽ばたく画像444とともに、特殊景品が回転する画像445が表示され、この後、図47(e)に示すように大当りの文字の画像446が表示される。
【0390】
図46及び図47に示した表示例において、輝度レベルや色レベルによって画像信号を切り分ける公知の画像信号処理方法により、擬似空中画像310における背景などの浮遊させる必要のない画像を黒色などの暗い色を呈する二次元画像とすれば、液晶表示ユニット302の周囲1や、フレ―ム301も黒色などの暗い色を呈するので、目視者からは立体像の映像対象として表示すべき画像(画像431、432、433、434、435、441、442、443、444、445)だけが前方に浮き出、あたかも3次元画像であるかのように認識できる。また、立体像の映像対象としては、静的な物体より、動いている動物、乗り物のような動的な物体であることが好ましい。
【0391】
以上の構成及び動作を纏めて説明すると、二次元画像表示装置35は、空間に浮遊する擬似空中画像310を表示する。
液晶表示ユニット302は、発光することで二次元画像を表示する画像表示面350を有する二次元画像表示手段になっている。
【0392】
反射方向可変反射鏡装置381の反射鏡305は、前記画像光が反射面353の表側に傾斜して入射され、当該画像光を当該反射面353で反射させることにより反射画像光となす傾斜入射光反射部材になっている。
【0393】
画像伝達パネル306は、複数のレンズを配列するマイクロレンズアレイ361を有し、当該マイクロレンズアレイ361が反射鏡305からの前記反射画像光の光路上に配置され、当該マイクロレンズアレイ361が当該反射画像光を屈折させて当該マイクロレンズアレイ361の前記反射鏡303とは反対側に位置する空間の結像面371に前記反射画像光を結像させ、当該結像面371からの当該反射画像光を人物の眼に入射させることで、当該眼に対して前記二次元画像を前記マイクロレンズアレイの当該人物側の表面より手前側に視認させる。
【0394】
反射面角度変更駆動装置812は、前記画像光に対する前記反射鏡305の傾斜角度を変動させる反射部材角度変動手段になっている。
【0395】
赤外線発光ユニット385と赤外線撮像ユニット386と及び演出制御基板120は、画像伝達パネル306に対する前記眼の方向を判別する眼方向判別手段なっている。
【0396】
ランプ制御基板140は、前記結像面371からの当該反射画像光の光束の中心方向が前記眼方向判別手段の判別結果の前記眼の方向と一致するかまたは近づくように前記反射面角度変更駆動装置812を制御する制御手段になっている。
【0397】
以上説明した本発明の実施形態によれば、反射鏡305が、画像表示面350からの光を当該反射面で反射画像光として反射させ、画像伝達パネル306のマイクロレンズアレイ361が当該反射画像光を屈折させて当該マイクロレンズアレイ361の前記反射鏡303とは反対側に位置する空間に二次元画像を結像させて当該反射画像光を人物の眼に入射させることで、人物の眼に対して前記二次元画像を前記マイクロレンズアレイの当該人物側の表面より手前側に視認させ、コンパクト性を損なうことなく画像伝達パネル306から二次元画像が飛び出して見える距離を大きく取るとともに、反射面角度変更駆動装置812が前記画像光に対する前記反射鏡305の傾斜角度を変動させるので、二次元画像に対する観賞方向のずれにより画質が劣化して見えるのを防止し、十分な画質を確保することができる。具体的には、図13(b)に示す液晶表示ユニット302の画像表示面350からの光L11を直接画像伝達パネル306に導く場合に比べて液晶表示パネル343から画像伝達パネル306に光が伝達される部分の奥行きを2/3、体積を1/2程度に圧縮できる。
尚、図1乃至図47に示した実施形態では、赤外線発光ユニット385と赤外線撮像ユニット386と及び演出制御基板120による眼方向判別手段の判別結果に基づいて前記反射面角度変更駆動装置812を制御し、前記反射鏡305の傾斜角度の変動調整を行い、観賞方向のずれにより画質の劣化を防止したが、前記反射鏡305の傾斜角度の変動調整は、十字キーによるマニュアル調整で行えるようにしてもよい。
【0398】
(第2の実施形態)
図48は本発明の第2の実施形態の二次元画像表示装置700を示す断面図である。図48を用いた第2の実施形態の説明では、図1乃至図47に示した第1の実施形態と同様の構成要素に同じ符号を付して説明を省略する。
【0399】
図48において、二次元画像表示装置700は、フレーム701と、液晶表示ユニット302と、反射方向可変反射鏡装置711と、画像伝達パネル706と、赤外線発光ユニット307と、赤外線センサ308(図5参照)と、上部カバー309と、複数のネジとから構成されている。
【0400】
液晶表示ユニット302はフレーム701の後側に取り付けられる。
反射方向可変反射鏡装置711は、標準位置において液晶表示ユニット302の画像表示面350の手前側において、反射鏡703の反射面751が前記画像表示面350に対して右側から見て左回りに45°傾斜して配置され、当該画像表示面350からの光L11を当該反射面351で反射画像光L12として上方に反射させる。反射方向可変反射鏡装置711は、図7乃至図10に示した第1の実施形態の反射方向可変反射鏡装置381と同様のものを用いている。反射方向可変反射鏡装置711は、反射鏡703を備える反射面角度変更駆動装置712と反射鏡可動部713とから構成されている。反射方向可変反射鏡装置711は、反射鏡703の反射面751の仰俯角及び左右角をランプ制御基板140の制御により標準位置から変更可能になっている。
【0401】
画像伝達パネル706は、マイクロレンズアレイ361が前記反射画像光L11の光路上に配置され、当該マイクロレンズアレイ361が当該反射画像光を屈折させて当該マイクロレンズアレイの前記反射鏡303とは反対側に位置する空間に前記二次元画像の実像を表示する結像面を生成することで、当該結像面に前記二次元画像を前記擬似空中画像で表示する。また、第2の実施形態では、反射方向可変反射鏡装置711が反射鏡703の反射面751の角度を変更することで前記結像面を移動可能になっている。
【0402】
このような第2の実施形態によれば、液晶表示ユニット302の画像表示面350からの光L11を直接画像伝達パネル706に導く場合に比べて液晶表示パネル343から画像伝達パネル706に光が伝達される部分の体積を1/2程度に圧縮できる。従って、結像面371を画像伝達パネル706より十分離間し、且つ画像表示装置の奥行きもコンパクトとすることができる。
(第3の実施形態)
【0403】
図49は本発明の第3の実施形態の二次元画像表示装置を示す断面図である。図49を用いた第3の実施形態の説明では、図1乃至図47に示した第1の実施形態と同様の構成要素には同じ符号を付して説明を省略する。
【0404】
図49において、二次元画像表示装置800は、フレーム801と、液晶表示ユニット302と、反射鏡803と、反射方向可変反射鏡装置811と、画像伝達パネル806と、赤外線発光ユニット307と、赤外線センサ308(図5参照)と、上部カバー309と、複数のネジとから構成されている。
【0405】
反射鏡803は、液晶表示ユニット302の画像表示面350の上前側において、反射面851が前記画像表示面350に対して右側から見て右回りに45°傾斜して配置され、当該画像表示面350からの光L21を当該反射面851で反射画像光L22として反射させる。
【0406】
反射方向可変反射鏡装置811は、標準位置において反射鏡803の反射面851の前方において、反射鏡804の反射面852が反射鏡803の反射面851に対して平行に配置され、反射鏡803からの反射画像光L22を当該反射面852で反射画像光L23として反射させる。反射方向可変反射鏡装置811は、図7乃至図10に示した第1の実施形態の反射方向可変反射鏡装置381と同様のものを用いている。反射方向可変反射鏡装置811は、反射鏡703を備える反射面角度変更駆動装置812と反射鏡可動部813とから構成されている。反射方向可変反射鏡装置811は、反射鏡804の反射面852の仰俯角及び左右角をランプ制御基板140の制御により標準位置から変更可能になっている。
【0407】
画像伝達パネル806は、マイクロレンズアレイ361が前記反射画像光L23の光路上に配置され、当該マイクロレンズアレイ361が当該反射画像光を屈折させて当該マイクロレンズアレイの前記反射鏡804とは反対側に位置する空間に前記二次元画像の実像を表示する結像面を生成することで、当該結像面に前記二次元画像を前記擬似空中画像で表示する。また、第3の実施形態では、反射方向可変反射鏡装置811が反射鏡804の反射面852の角度を変更することで前記結像面を移動可能になっている。
【0408】
このような第3の実施形態によれば、液晶表示ユニット302の画像表示面350からの光L11を反射鏡を介さずに直接画像伝達パネル806に導く場合に比べて液晶表示パネル343から画像伝達パネル806に光が伝達される部分のの奥行きを2/3、体積を1/2程度に圧縮できる。
【0409】
尚、本発明の第1乃至第3の実施形態の説明においては、遊技機としてパチンコ遊技機を用いたが、じやん球遊技機、アレンジボール遊技機に用いてもよい。
【符号の説明】
【0410】
1 遊技機
2 遊技盤
6 遊技領域
6a 分割領域
8 受皿ユニット
14 第1始動口
14a 第1始動口検出スイッチ
15 第2始動口
15a 第2始動口検出スイッチ
20 第1特別図柄表示装置、
21 第2特別図柄表示装置
31 液晶表示装置
35 二次元画像表示装置
110 主制御基板
110a メインCPU
110b メインROM
110c メインRAM
120 演出制御基板
120a サブCPU
120b サブROM
120c サブRAM
150 画像制御基板
150a ホストCPU
150b ホストRAM
150c ホストROM
151 CGROM
153 VRAM
153a ディスプレイリスト記憶領域
153b 展開記憶領域
153c 第1フレームバッファ
153d 第2フレームバッファ
200 遊技球
301 フレーム
302 液晶表示ユニット
303、304、305 反射鏡
306 画像伝達パネル
307 赤外線発光ユニット
308 赤外線センサ
309 上部カバー
350 画像表示面
351、352、353 反射面
361 マイクロレンズアレイ
362 レンズ枠領域
363、364 レンズアレイ半体
365、366 透明平板部
367、368、369、370 凸レンズ
381 反射方向可変反射鏡装置
382 反射面角度変更駆動装置
383 反射鏡可動部
400 VDP
411 制御レジスタ
412 CGバス I/F
413 CPU I/F
415 クロック生成回路
416 伸長回路
417 描画回路
418 表示回路
419 メモリコントローラ
611 枠状部材
612 回動支持部
613 仰俯角変更駆動ユニット
614 左右回動角変更駆動ユニット
615、615 ネジ


【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像光を発光することで二次元画像を表示する画像表示面を有する二次元画像表示手段と、
前記画像光が反射面の表側に傾斜して入射され、当該画像光を当該反射面で反射させることにより反射画像光となす傾斜入射光反射部材と、
複数のレンズを配列するマイクロレンズアレイを有し、当該マイクロレンズアレイが前記反射画像光の光路上に配置され、当該マイクロレンズアレイが当該反射画像光を屈折させて当該マイクロレンズアレイによる当該反射画像光の出射側に位置する空間の結像面に前記二次元画像を結像させ、当該結像面からの当該反射画像光を人物の眼に入射させることで、当該眼に対して前記二次元画像を前記マイクロレンズアレイの当該人物側の表面より手前側に視認させる画像伝達パネルと、
前記画像光に対する前記傾斜入射光反射部材の傾斜角度を変動させる反射部材角度変動手段と、
を備えることを特徴とする二次元画像表示装置。
【請求項2】
前記画像伝達パネルに対する前記眼の方向を判別する眼方向判別手段と、
前記結像面からの当該反射画像光の光束の中心方向が前記眼方向判別手段の判別結果の前記眼の方向と一致するかまたは近づくように前記反射部材角度変動手段を制御する制御手段と、
を更に備えることを特徴とする請求項1に記載の二次元画像表示装置。
【請求項3】
前記二次元画像表示手段と前記傾斜入射光反射部材との間の前記画像光の光路上で前記反射画像光を反射させることで当該光路を折曲して当該画像光の中継を行う中継反射部材を更に備えることを特徴とする請求項1または2に記載の二次元画像表示装置。
【請求項4】
遊技領域が設けられた遊技盤と、
前記遊技領域を視認可能に覆う透明板と、
前記遊技盤の手前側において前記透明板を支持する支持部材と、
前記遊技盤または前記支持部材に設けられた二次元画像表示装置と、
を備える遊技機であって、
前記二次元画像表示装置は、
画像光を発光することで二次元画像を表示する画像表示面を有する二次元画像表示手段と、
前記画像光が反射面の表側に傾斜して入射され、当該画像光を当該反射面で反射させることにより反射画像光となす傾斜入射光反射部材と、
複数のレンズを配列するマイクロレンズアレイを有し、当該マイクロレンズアレイが前記反射画像光の光路上に配置され、当該マイクロレンズアレイが当該反射画像光を屈折させて当該マイクロレンズアレイによる当該反射画像光の出射側に位置する空間の結像面に前記二次元画像を結像させ、当該結像面からの当該反射画像光を遊技者の眼に入射させることで、当該眼に対して前記二次元画像を前記マイクロレンズアレイの当該遊技者側の表面より手前側に視認させる画像伝達パネルと、
前記画像光に対する前記傾斜入射光反射部材の傾斜角度を変動させる反射部材角度変動手段と、
を備えることを特徴とする遊技機。
【請求項5】
前記二次元画像表示装置は、
前記画像伝達パネルに対する前記眼の方向を判別する眼方向判別手段と、
前記結像面からの当該反射画像光の光束の中心方向が前記眼方向判別手段の判別結果の前記眼の方向と一致するかまたは近づくように前記反射部材角度変動手段を制御する制御手段と、
を更に備えることを特徴とする請求項4に記載の遊技機。
【請求項6】
前記二次元画像表示装置は、
前記二次元画像表示手段と前記傾斜入射光反射部材との間の前記画像光の光路上で前記反射画像光を反射させることで当該光路を折曲して当該画像光の中継を行う中継反射部材を更に備えることを特徴とする請求項4または5に記載の遊技機。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【図36】
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【図37】
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【図38】
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【図39】
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【図40】
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【図41】
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【図48】
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【図49】
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【図42】
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【図43】
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【図44】
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【図45】
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【図46】
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【図47】
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【公開番号】特開2012−181284(P2012−181284A)
【公開日】平成24年9月20日(2012.9.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−43338(P2011−43338)
【出願日】平成23年2月28日(2011.2.28)
【出願人】(000161806)京楽産業.株式会社 (4,820)
【Fターム(参考)】