説明

二次電池

【課題】二次電池を提供する。
【解決手段】二次電池が開示され、該二次電池は、それぞれ第1電極活物質及び第2電極活物質、並びに第1電極タブ及び第2電極タブが形成された第1電極板及び第2電極板と、第1電極板及び第2電極板間で重なるように配置されたセパレータと、を含む電極組立体と、電極組立体の長手方向に沿って互いに反対になる第1端部及び第2端部のうちいずれか1つの端部上に配置されたものであって、端部上に露出された段差のついた表面を覆って平滑化させるための平坦化部材と、を含む。これにより、電極組立体の端部に形成される段差のついた表面を平滑化させることによって、段差のついた表面による電極組立体の内部損傷を防止し、正極・負極間の内部短絡を防止することが可能である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、充放電の可能な二次電池に関する。
【背景技術】
【0002】
携帯電話、ノート型パソコンのようなモバイル機器に係わる技術開発及び生産増加によって、エネルギー源として、二次電池の需要が急増している。最近では、化石燃料を代替するための代替エネルギー源として、電気自動車、ハイブリッド自動車の用途にも、活発な研究開発が進められている。
【0003】
このような二次電池は、発電素子として電極組立体を含むが、電極組立体の段差のついた表面による内部損傷、例えば、電極活物質の脱落や、電極組立体内部シートのスクラッチ、裂けなどによって充放電効率が落ち、正極・負極間の内部短絡が発生するという危険性がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の一実施形態は、電極組立体の端部に形成される段差のついた表面を平滑化させることによって、段差のついた表面による電極組立体の内部損傷を防止し、正極・負極間の内部短絡を防止することができる二次電池を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
前記のような課題及びそれ以外の課題を解決するために、本発明の二次電池は、それぞれ第1電極活物質及び第2電極活物質、並びに第1電極タブ及び第2電極タブが形成された第1電極板及び第2電極板と、前記第1電極板及び前記第2電極板間で重なるように配置されたセパレータと、を含む電極組立体と、前記電極組立体の長手方向に沿って互いに反対になる第1端部及び第2端部のうちいずれか1つの端部上に配置されたものであって、前記端部上に露出された段差のついた表面を覆って平滑化させるための平坦化部材と、を含む。
【0006】
例えば、前記平坦化部材は、前記第1電極活物質及び前記第2電極活物質の境界、前記第1電極タブ及び前記第2電極タブ、前記第1電極板及び前記第2電極板のエッジまたは前記セパレータのエッジの段差形状のうち、少なくとも一つ以上の段差形状を受容するための受容部を含む。
【0007】
例えば、前記平坦化部材は、前記電極組立体の端部上に露出された段差のついた表面と相補的な段差形状を有する。
【0008】
例えば、前記平坦化部材は、シート基材上に積層され、相互に段差がつくように形成された少なくとも2層以上のコーティング層を含む。
【0009】
例えば、前記平坦化部材は、前記電極組立体の端部上に塗布及び硬化された絶縁性樹脂系で形成される。
【0010】
例えば、前記平坦化部材は、前記第1電極活物質及び前記第2電極活物質の境界、前記第1電極タブ及び前記第2電極タブ、前記第1電極板及び前記第2電極板のエッジ、または前記セパレータのエッジのうち少なくとも一つ以上を覆うように形成される。
【0011】
例えば、前記第1電極タブ及び前記第2電極タブは、前記電極組立体の第1端部上に共に形成され、前記平坦化部材は、前記第1電極タブ及び前記第2電極タブを共に覆うように延設される。
【0012】
例えば、前記第1電極タブ及び前記第2電極タブの間には、前記第1電極タブを横切って延びる前記第1電極板のエッジ、及び前記第1電極板のエッジよりもさらに延びる前記セパレータのエッジが形成され、前記平坦化部材は、前記第1電極タブ及び前記第2電極タブと共に、前記第1電極板のエッジ及び前記セパレータのエッジを連続して覆うように延設される。
【0013】
例えば、前記電極組立体の第1端部で、前記セパレータは、前記第1電極板より長く、前記第2電極板より短く延びる。
【0014】
例えば、前記第1電極板及び前記第2電極板は、電極活物質が形成されていない無地部を含み、前記平坦化部材は、前記無地部を覆う。
【0015】
例えば、前記平坦化部材は、前記第1電極板のエッジ及び前記セパレータのエッジを覆う。
【0016】
例えば、前記平坦化部材は、前記第1電極タブを横切って延び、前記第1電極活物質の境界を覆う。
【0017】
例えば、前記平坦化部材は、前記電極組立体の段差を受容するための空間を定義する第1面と、平坦な第2面と、を有し、平坦な前記第2面は、前記電極組立体の巻き取り時に、段差による圧力を軽減させることができる。
【0018】
例えば、前記第1電極板及び前記第2電極板は、電極活物質が形成されていない無地部を含み、前記平坦化部材は、前記無地部を覆う。
【0019】
例えば、前記平坦化部材は、前記第1電極板のエッジ及び前記セパレータのエッジを覆う。
【0020】
例えば、前記平坦化部材は、前記第1電極活物質のエッジ及び前記第1電極板のエッジを覆う。
【0021】
例えば、前記第1電極タブ及び第2電極タブは、前記電極組立体の前記第1端部及び前記第2端部にそれぞれ形成される。
【0022】
例えば、前記電極組立体は、前記第1端部を巻き取り開始部とし、前記第2端部を巻き取り終了部とし、ロール状に巻き取られ、前記平坦化部材は、前記第1端部上に形成される。
【0023】
例えば、前記平坦化部材は、前記第1端部上及び第2端部上にそれぞれ形成された第1平坦化部材及び第2平坦化部材を含む。
【発明の効果】
【0024】
本発明の一実施形態による二次電池は、電極組立体の端部上に露出された段差のついた表面を埋め込んで平滑化された表面を提供することによって、電極組立体の巻き取り時に、段差のついた表面と対向することによる内部損傷や内部短絡を防止し、電極組立体の反復的な充放電中に、熱膨脹による内部圧力や、セパレータと電極板との粘着、または電極組立体の圧縮成形のための加圧過程で生じる加圧圧力にもかかわらず、電極組立体の損傷及び内部短絡を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】本発明の一実施形態による二次電池を図示した斜視図である。
【図2】図1のII−II線に沿って切り取った断面図である。
【図3】図1の二次電池を展開した状態で図示した斜視図である。
【図4】図3の断面図である。
【図5】本発明と対応する比較例で、電極組立体の巻き取りについて説明するための図面である。
【図6】平坦化部材の互いに異なる実施形態を示す断面図である。
【図7】平坦化部材の互いに異なる実施形態を示す断面図である。
【図8】平坦化部材の互いに異なる実施形態を示す断面図である。
【図9】本発明の他の実施形態による二次電池の断面図である。
【図10】本発明のさらに他の実施形態による二次電池の斜視図である。
【図11】本発明のさらに他の実施形態による二次電池の斜視図である。
【図12】図11の断面図である。
【図13】本発明のさらに他の実施形態による二次電池の断面図である。
【図14】本発明のさらに他の実施形態による二次電池の分解斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、添付された図面を参照し、本発明の望ましい実施形態について説明する。
【0027】
図1は、本発明の一実施形態による二次電池の斜視図である。図2は、図1のII−II線に沿って切り取った断面図である。
【0028】
図面を参照すれば、二次電池は、電極組立体100と、電極組立体100の巻き取り方向に、第1端部S1及び第2端部S2のうちいずれか1つの端部上に形成される平坦化部材210と、を含む。
【0029】
電極組立体100は、電極活物質が塗布された第1電極板110及び第2電極板120を、セパレータ150を介在して相互に隔離させ、また追加セパレータ150’を介在し、第1電極板110及び第2電極板120を相互に隔離させることができる。
【0030】
第1電極板110及び第2電極板120、並びにセパレータ150を、ゼリーロール状に共に巻き取り、ロール状に成形することができる。例えば、電極組立体100の第1端部S1を巻き取りの開始部とし、電極組立体100の第2端部S2を巻き取りの終了部とし、ロール状に成形することができる。
【0031】
第1電極板110及び第2電極板120、並びにそれらの間のセパレータ150を含む電極組立体100は、巻き取り中心を取り囲み、内側から外側に向けてロール状に延び、第1端部S1は、巻き取り中心、あるいは巻き取り中心に隣接するように形成され、第2端部S2は、電極組立体100の外周の一部を形成し、最外郭を形成することができる。
【0032】
例えば、ロール状に巻き取られた電極組立体100は、円柱形状の外形を有し、必要によって、加圧成形過程を介して、平たくプレス成形された形態、例えば、楕円形断面を有する形態に成形することができる。
【0033】
第1電極板110及び第2電極板120には、化学反応で形成された電荷を外部回路に引き出し、充放電電流のパスを形成するための第1電極タブ113及び第2電極タブ123が形成される。
【0034】
第1電極板110及び第2電極板120は、セパレータ150を介在して互いに重なるように配置されるが、巻き取り方向によって、セパレータ150の外側に配置された第2電極板120が、電極組立体100の最外郭ターンを形成し、セパレータ150の内側に配置された第1電極板110が、第2電極板120の内側に配置されてもよい。
【0035】
例えば、最外郭の電極を負極、その内側の電極を正極に選択することによって、第1電極板110及び第2電極板120は、それぞれ正極板及び負極板として形成される。ただし、余裕をもった十分な長さに延設されたセパレータ150が、第2電極板120の周囲を覆い包みつつ、最外郭ターンを形成することもできる。
【0036】
図3は、図1の二次電池を展開して図示した図面である。図4は、図3の断面形状を図示した図面である。
【0037】
図3を参照すれば、電極組立体100では、一方向に沿って帯状に延設された第1電極板110及び第2電極板120が、セパレータ150を介在して互いに対面するように積層される。
【0038】
第1電極板110は、第1電極活物質115で生じる電荷の移動経路を提供し、第1電極活物質115を支持する機能を行う。例えば、第1電極板110は、正極として機能し、アルミニウムまたはアルミニウム合金を含んでもよい。
【0039】
第1電極板110の少なくとも一面上には、第1電極活物質115が形成される。第1電極活物質115は、電極活物質、バインダ、導電剤などからなる電極合剤を溶媒に分散させてスラリ状にした後、これを電極板110の少なくとも一面に塗布し、乾燥及び圧縮して形成される。
【0040】
第1電極板110には、第1電極活物質115が形成されていない無地部が形成され、例えば、第1電極板110の長手方向に沿って、第1端部110S1及び第2端部110S2のうち少なくとも一端部には、第1電極活物質115が形成されていない無地部が形成される。図示された実施形態では、第1電極板110の第1端部110S1及び第2端部110S2に、無地部が形成されている。
【0041】
無地部上には、化学反応で形成された電荷を外部に取り出すための第1電極タブ113が形成される。例えば、第1電極タブ113は、第1端部110S1の無地部上に形成され、超音波溶接で、第1端部110S1の無地部に結合される。第1電極タブ113は、正極タブとして機能し、アルミニウムまたはアルミニウム合金を含んでもよい。
【0042】
第2電極板120は、第2電極活物質125で生じる電荷の移動経路を提供し、第2電極活物質125を支持する機能を行う。例えば、第2電極板120は、負極として機能し、銅または銅合金を含んでもよい。
【0043】
第2電極板120の少なくとも一面上には、第2電極活物質125が形成される。第2電極活物質125は、電極活物質、バインダ、導電剤などからなる電極合剤を溶媒に分散させてスラリ状にした後、これを電極板120の少なくとも一面に塗布し、乾燥及び圧縮して形成される。
【0044】
第2電極板120には、第2電極活物質125が形成されていない無地部が形成され、例えば、第2電極板120の長手方向に沿って、第1端部120S1及び第2端部120S2のうち少なくとも一端部には、第2電極活物質125が形成されていない無地部が形成される。図示された実施形態では、第2電極板120の第1端部120S1及び第2端部120S2に、無地部が形成されている。
【0045】
無地部上には、化学反応で形成された電荷を外部に取り出すための第2電極タブ123が形成される。例えば、第2電極タブ123は、第1端部120S1の無地部上に形成され、超音波溶接で、第1端部120S1の無地部に結合される。第2電極タブ123は、負極タブとして機能し、ニッケルまたはニッケル合金を含んでもよい。
【0046】
例えば、第1電極タブ113及び第2電極タブ123は、電極組立体110の第1端部S1に共に形成され、後述するように、隣接した位置の第1電極タブ113及び第2電極タブ123を共に埋め込む平坦化部材210を介して、第1電極タブ113及び第2電極タブ123の段差のついた形状を除去し、電極組立体100の巻き取り時に、電極タブ113,123の段差のついた形状と対向することによる圧力集中を避けることができる。これについては、後でさらに詳細に説明する。
【0047】
第1電極板110及び第2電極板120は、セパレータ150を介在して互いに対面するように積層され、セパレータ150は、第1電極板110及び第2電極板120間で、正極・負極間の短絡を防止する。セパレータ150は、高いイオン透過度を有し、機械的な強度を有する多孔性フィルムから形成され、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのオレフィン系ポリマーから形成される。
【0048】
セパレータ150は、第1電極板110及び第2電極板120間で十分な長さに延び、熱的伸縮による第1電極板110及び第2電極板120間の内部短絡を防止することができるが、例えば、第1電極板110及び第2電極板120のうち少なくともいずれか一つより、長く延設される。
【0049】
二次電池は、電極組立体100の内部に含浸されている電解質(図示せず)をさらに含んでもよい。電解質(図示せず)は、電極組立体100と共に、電池ケース(図示せず)内に収容されて電極組立体100内に含浸され、例えば、電解質としては、非水系電解質が使われる。
【0050】
図3及び図4を参照すれば、電極組立体100の第1端部S1上には、平坦化部材210が形成される。平坦化部材210は、第1電極タブ113及び第2電極タブ123を含みつつ、それら間の段差のついた表面を覆うように形成される。平坦化部材210は、第1電極タブ113及び第2電極タブ123が形成する段差の形状、すなわち、第1電極タブ113及び第2電極タブ123が、第1電極板110及び第2電極板120から厚み方向に目立って突出した段差形状(または突出部、以下同様)を吸収する。平坦化部材210は、第1電極タブ113及び第2電極タブ123が形成する段差形状を吸収して段差形状を埋め込むように、第1電極タブ113及び第2電極タブ123を埋め込み、平坦化部材210の表面に段差形状を露出させず、実質的に扁平な表面を形成する。平坦化部材210自体は、扁平であってもよいが、必ずしも扁平である必要はない。例えば、平坦化部材210は、カーブや突出部を有してもよく、第1電極板110及び第2電極板120、並びにセパレータ150に損傷を与えることがある鋭利な突出部(段差形状)を軽減させる目的に寄与する限り、いかなる形状を有してもよい。
【0051】
ここで、扁平な表面とは、平坦化部材210の表面に沿って完全に扁平な面を含み、段差形状が緩和された面、例えば、鋭利な段差形状が除去されるように平滑化された面を含む。
【0052】
平坦化部材210は、第1電極タブ113及び第2電極タブ123を共に覆うように形成される。第1電極タブ113及び第2電極タブ123は、柔軟性が不足した硬い金属材料から形成され、コーナーを介して集中的な圧力を引き起こすことによって、相対的に内部損傷を起こす危険性がある。また、第1電極タブ113及び第2電極タブ123は、電気抵抗を考慮し、0.1mm以上の十分な厚みに形成されるので、それらを覆って埋め込む平坦化部材210を介して、段差のついた表面を平滑化させることができる。
【0053】
平坦化部材210は、第1電極タブ113及び第2電極タブ123を共に埋め込むように、十分な長さに延設され、電極組立体100の長手方向に沿って、第1電極タブ113及び第2電極タブ123の間に形成された段差形状が埋め込まれる。
【0054】
一実施形態で、第1電極タブ113及び第2電極タブ123間には、第1電極板110のエッジ110e、セパレータ150のエッジ150eが露出され、それら第1電極板110のエッジ110e及びセパレータ150のエッジ150eは、第1電極タブ113及び第2電極タブ123と共に、階段形状に段差のついた表面を形成する。第1電極タブ113及び第2電極タブ123を共に覆うように形成される平坦化部材210は、第1電極板110のエッジ110e及びセパレータ150のエッジ150eを含み、第1電極タブ113及び第2電極タブ123間の段差のついた表面を共に埋め込むことによって、段差のついた表面を外部に露出させず、平坦化部材210の表面を介して平滑化された面を提供する。
【0055】
電極組立体100の第1端部S1で、セパレータ150は、第1電極板110より長く、第2電極板120より短く形成され、第1電極板110より余裕をもって長く延びることによって、セパレータ150の熱的収縮にもかかわらず、第1電極板110及び第2電極板120間の短絡を防止することができる。
【0056】
セパレータ150は、第1電極タブ113と第2電極タブ123との間で、エッジ150eを形成して終了してもよいが、セパレータ150が、第1電極タブ113及び第2電極タブ123、特に、セパレータ150の下側に配置される第2電極タブ123を露出させるように短く形成されることによって、第1電極タブ113及び第2電極タブ123が平坦化部材によって埋め込まれる。
【0057】
電極組立体100の第1端部S1上に、段差のついた表面がそのまま露出されれば、第1端部S1を巻き取り開始部とし、第1端部S1が巻き取り中心あるいは巻き取り中心に隣接するロール状に成形され、あるいは第1端部S1を巻き取り終了部とし、第1端部S1が外周上に形成されるロール状に成形される巻き取り過程で、第1端部S1の段差のついた表面と対面する対向面に圧力集中を誘発し、電極板110,120、またはセパレータ150に物理的な損傷を与え、スクラッチまたは裂けなどの損傷を発生させることがある。また、損傷したセパレータ150を通じ、あるいは電極板110,120から脱落した活物質によって、正極・負極間の短絡が起こりうる。
【0058】
また、ロール状に巻き取られた電極組立体100は、必要によって、圧縮成形することが可能であるが、このような圧縮成形時、電極組立体100の第1端部S1は、それと対向する対向面に対して圧力集中を起こしうる。そして、充放電を反復することによって、電極組立体100が膨脹することもあるが、電池ケース(図示せず)から、膨脹が抑制された電極組立体100の内部には、巻き取り中心に向けた圧迫が生じることがあり、このとき、電極組立体100の段差のついた表面は、電極板110,120、またはセパレータ150の損傷や、正極・負極間の短絡を引き起こすことがある。
【0059】
特に、接着性にすぐれる高分子バインダをコーティングしたセパレータ150と電極板110,120とを高温下で加圧して互いに粘着させる技術では、セパレータ150と電極板110,120とを巻き取った電極組立体100を高圧力で加圧するので、段差のついた表面による電極板110,120やセパレータ150の損傷を引き起こすことがある。
【0060】
平坦化部材210は、電極組立体100の巻き取り時、ロール状の電極組立体100の内部で、電極組立体100の他の部分と対向するように重なって当接することがある。このとき、平坦化部材210は、扁平な表面を介して、対向部分と段差のない接触面を形成することができ、対向部分の全面にわたって、均一な圧力で接触することによって、特定部分に圧力が集中することによる電極組立体100の物理的な損傷を防止し、絶縁破壊による正極・負極間の短絡を防止することができる。
【0061】
平坦化部材210の表面は、相対的に平滑な面を有し、裏面側には、電極組立体100の段差のついた表面と相補的に段差のついた形状を有してもよい。例えば、平坦化部材210は、多段の階段形状を有し、電極組立体100の長手方向に沿って配置された順番通りに、第1電極タブ113、第1電極板のエッジ110e、セパレータのエッジ150e、第2電極タブ123を受容する受容部210a,210b,210c,210dを有してもよい。すなわち、平坦化部材210は、裏面側に、第1電極タブ受容部210a、第1電極板のエッジ受容部210b、セパレータのエッジ受容部210c、第2電極タブ受容部210dを有してもよい。
【0062】
平坦化部材210は、絶縁性材料から形成され、電極タブ113,123と、電極板110,120との間で、正極・負極間の短絡を防止する。すなわち、平坦化部材210は、第1電極タブ113及び第2電極タブ123を埋め込むことによって、電極組立体100がロール状に巻き取られるとき、反対極性の第1電極タブ113及び第2電極タブ123と、第1電極板110及び第2電極板120とが互いに対向するように重なることによる内部短絡を防止することが可能である。
【0063】
電極組立体100の第1端部S1で、セパレータ150は、第1電極板110より長く、第2電極板120より短く形成され、第1電極板110より余裕をもって長く延び、熱的収縮による第1電極板110及び第2電極板120間の短絡を防止する一方、セパレータ150の下側の第2電極タブ123を露出させることによって、第2電極タブ123が平坦化部材210によって覆われるようにすることが可能である。
【0064】
一方、電極組立体100の第2端部S2で、セパレータ150は、第1電極板110及び第2電極板120より長く延び、熱的収縮による第1電極板110及び第2電極板120間の短絡を防止することが可能である。第1端部S1では、平坦化部材210によって、セパレータ150の位置が拘束されるが、相対的に拘束のない第2端部S2では、セパレータ150の伸縮変形に備え、第1電極板110及び第2電極板120より長く延設される。例えば、電極組立体100の第1端部S1を巻き取り開始部とし、電極組立体100を巻き取るとき、第2端部S2側で、第1電極板110及び第2電極板120を超えて延びる余裕をもったセパレータ150は、電極組立体の外周周囲を取り囲むように形成される。
【0065】
平坦化部材210は、電極板110,120のエッジ、例えば、第1電極板110のエッジ110eに形成されたバリに対する安定性を向上させることが可能である。電極板110,120は、ロール・ツー・ロール工程を介して、連続的な形態のシートを、個別電極板110,120の形態にカッティングして個別化させ、電極板110,120のエッジには、カッティングによるバリが形成される。平坦化部材210は、電極板110,120のエッジ、例えば、第1電極板エッジ110eのバリを覆い、あるいはバリの突出を乗り越えるのに十分な厚みに形成されることによって、バリと、他の内部シート(例えば、電極板110、120、セパレータ150)との接触を防止することができる。
【0066】
また、平坦化部材210は、第1電極タブ113及び第2電極タブ123を埋め込むように形成されることによって、第1電極タブ113及び第2電極タブ123のコーナーに形成されたバリに対する安定性を向上させることが可能である。第1電極タブ113及び第2電極タブ123にバリが突出形成されれば、電極組立体100の巻き取り時、バリと対向する電極組立体100の内部シートに損傷を与えることになるが、平坦化部材210によって、このような損傷を防止することが可能である。
【0067】
図5は、本発明と対比される比較例による電極組立体の巻き取り過程を概略的に示す図面である。図面を参照すれば、第1電極板10及び第2電極板20には、電極活物質15,25が形成され、その端部には、電極活物質15,25が排除された無地部が形成される。そして、第1電極板10及び第2電極板20の各無地部には、第1電極タブ13及び第2電極タブ23が形成される。
【0068】
第1電極板10及び第2電極板20は、図示されていないセパレータを介在して共に巻き取られ、例えば、第1電極タブ13及び第2電極タブ23が形成された端部を巻き取り開始部として巻き取られる。巻き取り初期に、第1電極板10は、それのみで1回ターンを実施するが、第1電極板10が、自体の無地部10a上に重なるように1回ターンされた後、初めて第2電極板20と重なって共に巻き取られる。例えば、図面の点線を基準に、第1電極板10が折り畳まれつつ、第1電極タブ13が、自体の無地部10a上に重なる1回ターンを実施し、第1電極タブ13の段差またはバリなどが、無地部10aに覆われるようにし、電極組立体の内部損傷を防止することが可能である。
【0069】
第1電極板10には、相対的に長く延びた無地部10aが形成され、初期1回ターンを実施し、第1電極タブ13を覆い包むのに十分なほどの長さに延設される。しかし、電極活物質15が形成されていない無地部10aが相対的に長く延びれば、相対的に電荷生成に寄与する電極活物質15の区間が短縮されて充放電効率が落ちる。
【0070】
図4に図示された本発明の実施形態では、電極タブ113,123を埋め込むように、平坦化部材210が形成されるので、電極タブ113,123を覆い包むための初期の1回ターンが要求されない。従って、本発明の実施形態では、無地部の長さが短縮され、相対的に電極活物質115,125の区間がそれだけ増加し、充放電効率を高めることが可能である。無地部は、第1電極タブ113及び第2電極タブ123の結合のための長さだけ確保すれば十分であり、例えば、第1電極タブ113及び第2電極タブ123に隣接した位置まで、電極活物質115,125が形成される。
【0071】
平坦化部材210は、階段形状の段差のついた表面を形成する第1電極タブ113、第1電極板110のエッジ110e、セパレータ150のエッジ150e及び第2電極タブ123をいずれも覆うように延設される。ただし、第1端部S1の段差のついた表面を形成する第1電極タブ113、第1電極板のエッジ110e、セパレータのエッジ150e及び第2電極タブ123は、必要によって、単独で、または互いに異なる組み合わせで、平坦化部材210によって覆われるように形成され、平坦化部材210は、段差のついた表面の選択された一部または全部を覆うように、連続して延長した形態、または不連続に断絶されて2以上の部材に分離された形態に形成されてもよい。
【0072】
多様な実施形態を介して、段差のついた表面の選択された一部または全部を覆うように、平坦化部材210を形成することは、段差のついた表面の位置によって、平滑化させる必要性が異なるためである。段差のついた表面を除去し、内部損傷を減らすための目的に寄与する限り、平坦化部材210は、段差のついた表面のいずれかの任意箇所を覆い、あるいは段差のついた表面の全部を覆うように形成される。
【0073】
図6には、平坦化部材220の一実施形態が図示されている。図面に図示されているように、平坦化部材220は、テープ状に作られ、電極組立体100の第1端部S1上に付着される。例えば、テープ状の平坦化部材220は、電極組立体100の第1端部S1と相補的に段差のついた対向面を形成するために、多層構造によって形成される。
【0074】
例えば、平坦化部材220は、多段の階段形状を有するように、シート基材221上に積層された多層のコーティング層222,223,224,225を含んでもよい。シート基材221と多層のコーティング層222,223,224,225は、いずれも絶縁性材料から形成され、コーティング層222,223,224,225は、電極組立体の第1端部S1の対向する段差要素との粘着性結合のために、粘着性を有する樹脂系で形成され、あるいはコーティング層222,223,224,225上に、別の粘着剤が塗布されてもよい。
【0075】
平坦化部材220の付着時、平坦化部材220と電極組立体の第1端部S1との接着を助けるように、加熱手段が適用されることもあり、所定の圧力下で、平坦化部材220が電極組立体の第1端部S1上に密着されてもよい。
【0076】
例えば、平坦化部材220は、互いに異なるレベルに形成された第1コーティング層ないし第4コーティング層222,223,224,225を含み、互いに異なる領域にわたって形成されることによって、電極組立体の第1端部S1と相補的な段差を有する段差のついた表面を形成することが可能である。
【0077】
図7は、平坦化部材230の他の実施形態を示す図面である。図面を参照すれば、図示された平坦化部材230は、テープ状に作られるが、シート基材231と、シート基材231上に形成された段差吸収層235とを含んでもよい。シート基材231は、絶縁性材料から形成され、段差吸収層235は、加圧圧着時、電極組立体の第1端部S1の段差を吸収するのに十分な柔軟性を付与するために、絶縁性樹脂系の材料から形成される。平坦化部材230の付着時、段差吸収層235は、加圧圧力によって、電極組立体100の段差のついた表面に対して圧迫され、第1端部S1上の段差を吸収するように柔軟に変形される。平坦化部材230の付着時、平坦化部材230の柔軟な変形を助け、第1端部S1上に密着接着されるように、加熱手段が適用されてもよい。
【0078】
図8には、平坦化部材のさらに他の実施形態が図示されている。図面を参照すれば、図示された平坦化部材240は、電極組立体の第1端部S1上に、塗布及び硬化された絶縁性樹脂系の材料から形成される。例えば、平坦化部材240は、電極組立体の第1端部S1上に、ペースト状態で塗布され、適正な硬化処理を介して、第1端部S1上に固着される。平坦化部材240の塗布過程で、平坦化部材240は、第1端部S1の段差のついた表面に沿って塗布され、段差のついた表面を埋め込むように、十分な厚みで塗布される。
【0079】
図9は、本発明の他の実施形態による二次電池を図示した図面である。図面を参照すれば、第1電極タブ113及び第2電極タブ123を埋め込むように形成された平坦化部材250は、電極活物質115の境界115eを埋め込むように延設される。電極活物質115は、無地部との境界を形成し、電極活物質115の境界115eでは、電極活物質115の厚みほどの段差が形成される。平坦化部材250は、電極活物質115の境界115eを受容し、これを覆うように形成され、電極組立体100の巻き取り時、段差のついた電極活物質115の境界115eと対向することによる電極組立体100の内部損傷を防止することが可能である。
【0080】
図9の実施形態で、平坦化部材250は、第1電極タブ113及び第2電極タブ123を覆うように形成され、第1電極タブ113を超えた位置まで延設され、第1電極活物質115の境界115eを埋め込むことができる。例えば、平坦化部材250は、第1電極タブ113及び第2電極タブ123を含み、第1電極タブ113及び第2電極タブ123間の段差のついた表面を埋め込むように形成され、第1電極タブ113及び第2電極タブ123間の第1電極板110のエッジ110e、並びにセパレータ150のエッジ150eを覆うように形成される。また、平坦化部材250は、電極組立体100の長手方向に沿って、第1電極タブ113を超えた位置まで延び、第1電極活物質115の境界115eを覆うように形成される。
【0081】
さらに具体的には、平坦化部材250の表面は、相対的に平滑な面を有し、裏面側には、電極組立体100の段差のついた表面と相補的に段差のついた形状を有してもよい。例えば、平坦化部材250は、多段の階段形状を有し、電極組立体100の長手方向に沿って配置された順番通りに、第1電極活物質の境界115e、第1電極タブ113、第1電極板のエッジ110e、セパレータのエッジ150e、第2電極タブ123を受容する受容部250a,250b,250c,250d,250eを有してもよい。すなわち、平坦化部材250は、裏面側に、第1電極活物質のエッジ受容部250a、第1電極タブ受容部250b、第1電極板のエッジ受容部250c、セパレータエッジ受容部250d、第2電極タブ受容部250eを有してもよい。
【0082】
図10は、本発明の他の実施形態による二次電池を図示した図面である。図面を参照すれば、第1電極板110及び第2電極板120は、セパレータ150を介在して積層される。第1電極板110及び第2電極板120には、電極活物質115,125が形成され、第1電極板110及び第2電極板120の端部には、電極活物質が形成されていない無地部が形成される。そして、第1電極板110及び第2電極板120の無地部には、第1電極タブ113及び第2電極タブ123が形成される。
【0083】
第1電極タブ113及び第2電極タブ123は、電極組立体100の長手方向に沿って互いに反対になる第1端部S1及び第2端部S2にそれぞれ形成される。例えば、第1電極タブ113は、第1電極板110の第1端部110S1に形成される一方、第2電極タブ123は、第2電極板120の第2端部120S2に形成される。例えば、電極組立体100は、第1端部S1を巻き取りの開始部とし、第2端部S2を巻き取りの終了部とし、ロール状に巻き取られ、巻き取り完了した電極組立体100で、第1端部S1は、巻き取りの中心あるいは巻き取りの中心に近いように内側に配置され、第2端部S2は、電極組立体の外周上で、最外郭を形成することが可能である。
【0084】
電極組立体100の第1端部S1には、第1平坦化部材261が配置されてもよい。第1平坦化部材261は、第1端部S1に形成された第1電極タブ113を埋め込むように形成され、第1平坦化部材261は、第1電極タブ113の段差形成を受容し、その表面に第1電極タブ113の段差形状を露出させず、実質的に扁平な表面を形成する。
【0085】
第1端部S1は、電極組立体100の巻き取り開始部を形成することができ、巻き取り完了した電極組立体100で、巻き取り中心あるいは巻き取り中心に近く配置されてもよい。第1端部S1は、強く引っ張られた状態で、電極組立体100が巻き取られつつ、電極組立体100の巻き取り中心から放射線方向に沿って、電極組立体100の他の部分と多数の接触箇所を形成するので、第1端部S1を覆う第1平坦化部材261を介して、電極組立体100の内部損傷を防止することが可能である。
【0086】
一方、電極組立体100の第2端部S2には、第2平坦化部材262が配置されてもよい。第2平坦化部材262は、第2端部S2に形成された第2電極タブ123を埋め込むように形成され、第2平坦化部材262は、第2電極タブ123の段差形成を受容し、その表面に、第2電極タブ123の段差形状を露出させず、実質的に扁平な表面を形成することが可能である。
【0087】
図10の実施形態で、電極組立体100の第1端部S1及び第2端部S2には、第1電極タブ113及び第2電極タブ123を覆うように、第1平坦化部材261及び第2平坦化部材262が形成される。第1平坦化部材261及び第2平坦化部材262は、第1電極タブ113及び第2電極タブ123を受容し、それらを埋め込むように形成され、第1電極タブ113及び第2電極タブ123の段差形状を吸収し、平滑な表面を形成することが可能である。すなわち、第1平坦化部材261及び第2平坦化部材262は、電極組立体100の第1端部S1上で、第1電極タブ113を受容して埋め込む第1平坦化部材261と、電極組立体100の第2端部S2上で、第2電極タブ123を受容して埋め込む第2平坦化部材262と、を含んでもよい。
【0088】
第1電極タブ113及び第2電極タブ123は、相対的に硬い金属材料から形成され、コーナーを介して集中的な圧力を引き起こすことによって、相対的に内部損傷を起こす危険性がある。従って、電極組立体100の互いに反対になる第1端部S1及び第2端部S2にそれぞれ形成された第1電極タブ113及び第2電極タブ123を埋め込むように、第1平坦化部材261及び第2平坦化部材262を形成することによって、段差のついた表面と対向することによる電極組立体100の内部損傷を防止することが可能である。
【0089】
図11は、本発明のさらに他の実施形態による二次電池を図示した斜視図である。図12は、図11の断面図である。図面を参照すれば、電極組立体100の第1端部S1上には、第1平坦化部材271が形成され、第1平坦化部材271は、階段形状の段差のついた表面を形成する第1電極タブ113、第1電極板のエッジ110e及びセパレータのエッジ150eをいずれも共に覆うように延設されてもよい。電極組立体の第1端部S1で、セパレータ150は、第1電極板110より長く、第2電極板120より短く形成されるが、他の実施形態で、セパレータ150は、第1電極板110及び第2電極板120より長く形成されてもよい。
【0090】
第1平坦化部材271は、第1電極タブ113、第1電極板のエッジ110e及びセパレータのエッジ150eをいずれも共に覆うように延設され、それらによる段差のついた表面を吸収することによって、電極組立体の他の部分との対向による内部損傷を防止することが可能である。
【0091】
さらに具体的には、第1平坦化部材271の表面は、相対的に平滑な面を有し、裏面側には、電極組立体100の段差のついた表面と相補的に段差のついた形状を有してもよい。例えば、平坦化部材271は、多段の階段形状を有し、電極組立体100の長手方向に沿って配置された順番通りに、第1電極タブ113、第1電極板のエッジ110e及びセパレータのエッジ150eを受容する受容部271a,271b,271cを有してもよい。すなわち、平坦化部材271は、裏面側に、第1電極タブ受容部271a、第1電極板のエッジ受容部271b、セパレータのエッジ受容部271cを有してもよい。
【0092】
第1端部S1の段差のついた表面を形成する第1電極タブ113、第1電極板のエッジ110e及びセパレータのエッジ150eは、必要によって、単独で、または互いに異なる組み合わせで、第1平坦化部材271によって覆われるように形成され、第1平坦化部材271は、段差のついた表面の選択された一部または全部を覆うように、連続して延長した形態、または不連続に断絶されて2以上の部材に分離された形態に形成されてもよい。
【0093】
多様な実施形態を介して、段差のついた表面の選択された一部または全部を覆うように、第1平坦化部材271を形成することは、段差のついた表面の位置によって、平滑化させる必要性が互いに異なるためである。段差のついた表面を除去して内部損傷を減らすための目的に寄与する限り、第1平坦化部材271は、段差のついた表面のいずれか任意箇所、または段差のついた表面の全部を覆うように形成される。
【0094】
一方、電極組立体100の第2端部S2上には、第2平坦化部材272が形成され、第2平坦化部材272は、階段形状の段差のついた表面を形成する第2電極タブ123、セパレータのエッジ150e及び第1電極板のエッジ110eをいずれも共に覆うように延設されてもよい。電極組立体100の第2端部S2で、セパレータ150は、第1電極板110より長く、第2電極板120より短く形成されるが、他の実施形態で、セパレータ150は、第1電極板110及び第2電極板120より長く形成されてもよい。
【0095】
第2平坦化部材272は、第2電極タブ123、セパレータのエッジ150e及び第1電極板のエッジ110eをいずれも共に覆うように延設され、それらによる段差のついた表面を吸収することによって、電極組立体100の他の部分と対向することによる内部損傷を防止することが可能である。
【0096】
さらに具体的には、第2平坦化部材272の表面は、相対的に平滑な面を有し、裏面側には、電極組立体100の段差のついた表面と相補的に段差のついた形状を有してもよい。例えば、第2平坦化部材272は、多段の階段形状を有し、電極組立体100の長手方向に沿って配置された順番通りに、第2電極タブ123、セパレータのエッジ150e及び第1電極板のエッジ110eを受容する受容部272a,272b,272cを有してもよい。すなわち、第2平坦化部材272は、裏面側に、第2電極タブ受容部272a、セパレータのエッジ受容部272b、及び第1電極板のエッジ受容部272cを有してもよい。
【0097】
第2端部S2の段差のついた表面を形成する第2電極タブ123、セパレータのエッジ150e及び第1電極板のエッジ110eは、必要によって、単独で、または互いに異なる組み合わせで、第2平坦化部材272によって覆われるように形成され、第2平坦化部材272は、段差のついた表面の選択された一部または全部を覆うように、連続して延長した形態、または不連続に断絶されて2以上の部材に分離された形態に形成されてもよい。
【0098】
図13は、本発明のさらに他の実施形態による二次電池の断面構造を図示した図面である。図面を参照すれば、平坦化部材281,282は、電極組立体100の第1端部S1上に形成された第1平坦化部材281と、第2端部S2上に形成された第2平坦化部材282とを含んでもよい。第1平坦化部材及び第2平坦化部材281,282は、それぞれ第1端部S1及び第2端部S2上に形成された段差のついた表面を覆うように形成される。
【0099】
例えば、第1平坦化部材281は、階段形状の段差のついた表面を形成する第1電極活物質の境界115e、第1電極タブ113、第1電極板のエッジ110e及びセパレータのエッジ150eをいずれも共に覆うように延設されてもよい。
【0100】
さらに具体的には、第1平坦化部材281の表面は、相対的に平滑な面を有し、裏面側には、電極組立体100の段差のついた表面と相補的に段差のついた形状を有してもよい。例えば、第1平坦化部材281は、多段の階段形状を有し、電極組立体100の長手方向に沿って配置された順番通りに、第1電極活物質の境界115e、第1電極タブ113、第1電極板のエッジ110e、セパレータのエッジ150eを受容する受容部281a,281b,281c,281dを有してもよい。すなわち、第1平坦化部材281は、裏面側に、第1電極活物質の境界受容部281a、第1電極タブ受容部281b、第1電極板のエッジ受容部281c、セパレータのエッジ受容部281dを有してもよい。
【0101】
ただし、第1端部S1の段差のついた表面を形成する第1電極活物質の境界115e、第1電極タブ113、第1電極板のエッジ110e及びセパレータのエッジ150eは、必要によって、単独で、または互いに異なる組み合わせで、第1平坦化部材281によって覆われるように形成され、第1平坦化部材281は、段差のついた表面の選択された一部または全部を覆うように、連続して延長した形態、または不連続に断絶されて2以上の部材に分離された形態に形成されてもよい。
【0102】
例えば、第2平坦化部材282は、階段形状の段差のついた表面を形成する第2電極タブ123、セパレータのエッジ150e、第1電極板のエッジ110e及び第1電極活物質の境界115eをいずれも共に覆うように延設される。
【0103】
さらに具体的には、第2平坦化部材282の表面は、相対的に平滑な面を有し、裏面側には、電極組立体100の段差のついた表面と相補的に段差のついた形状を有してもよい。例えば、第2平坦化部材282は、多段の階段形状を有し、電極組立体100の長手方向に沿って配置された順番通りに、第2電極タブ123、セパレータのエッジ150e、第1電極板のエッジ110e、第1電極活物質の境界115eを受容する受容部282a,282b,282c,282dを有してもよい。すなわち、第2平坦化部材282は、裏面側に、第2電極タブ受容部282a、セパレータのエッジ受容部282b、第1電極板のエッジ受容部282c及び第1電極活物質の境界受容部282dを有してもよい。
【0104】
ただし、第2端部S2の段差のついた表面を形成する第2電極タブ123、セパレータのエッジ150e、第1電極板のエッジ110e及び第1電極活物質の境界115eは、必要によって単独で、または互いに異なる組み合わせで、第2平坦化部材282によって覆われるように形成され、第2平坦化部材282は、段差のついた表面の選択された一部または全部を覆うように、連続して延長した形態、または不連続に断絶された形態に形成されてもよい。
【0105】
図14は、本発明の他の実施形態による二次電池を図示した分解斜視図である。図面を参照すれば、図1の電極組立体100、及び電極組立体100の端部上に形成された平坦化部材210は、電池ケース410内に収納され、電極組立体100を収納した電池ケース410の上端開口部は、キャッププレート350によって密封される。
【0106】
例えば、キャッププレート350には、第1電極タブ113と電気的に連結される電極端子355が組み込まれる。電極端子355は、絶縁ガスケット353を介在して、キャッププレート350の端子ホール351に組み込まれる。キャッププレート350は、絶縁ケース320を貫通して延びる第2電極タブ123と電気的に連結されてもよい。
【0107】
キャッププレート350の下部には、電極端子355と電気的に連結された端子プレート330が配置され、キャッププレート350と端子プレート330との間には、絶縁プレート340が介在され、それらの間の電気的な絶縁を確保することが可能である。例えば、電極端子355は、絶縁プレート340と、端子プレート330とに形成された端子ホール341,331を貫通し、第1電極タブ113と電気的に連結されてもよい。キャッププレート350には、電解質注入のための電解質注入口352が形成され、電解質注入口352は、シーリング部材357によって密封される。
【0108】
電極組立体100、及び電極組立体100の端部上に形成された平坦化部材210は、多様な形状と構造とを備えた電池ケース内に収納され、図14に例示された角形ケース構造に限定されるものではなく、例えば、円筒形ケース構造、またはポーチケースのような柔軟性ケース内に収容されてもよい。
【0109】
本発明は、図面に図示された実施形態を参考にして説明したが、それらは例示的なものに過ぎず、本技術分野の当業者であるならば、それらから多様な変形及び均等な他の実施形態が可能であるという点を理解するであろう。従って、本発明の真の技術的保護範囲は、特許請求の範囲の技術的思想によって決まるものである。
【産業上の利用可能性】
【0110】
本発明の二次電池は、例えば、エネルギー源関連の技術分野に効果的に適用可能である。
【符号の説明】
【0111】
100 電極組立体
110 第1電極板
110e 第1電極板のエッジ
110S1 第1電極板の第1端部
110S2 第1電極板の第2端部
113 第1電極タブ
115 第1電極活物質
115e 第1電極活物質の境界
120 第2電極板
120S1 第2電極板の第1端部
120S2 第2電極板の第2端部
123 第2電極タブ
125 第2電極活物質
150,150’ セパレータ
150e セパレータのエッジ
210,220,230,240,250 平坦化部材
210a,210b,210c,210d,250a,250b,250c,250d,250e 平坦化部材の受容部
221,231 シート基材
222,223,224,225 コーティング層
235 段差吸収層
261,271,281 第1平坦化部材
262,272,282 第2平坦化部材
271a,271b,271c,281a,281b,2891c,281d 第1平坦化部材の受容部
272a,272b,272c,282a,282b,282c,282d 第2平坦化部材の受容部
310 電池ケース
320 絶縁ケース
330 端子プレート
331,341,351 端子ホール
340 絶縁プレート
350 キャッププレート
352 電解質注入口
353 絶縁ガスケット
355 電極端子
357 シーリング部材
S1 電極組立体の第1端部
S2 電極組立体の第2端部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
それぞれ第1電極活物質及び第2電極活物質、並びに第1電極タブ及び第2電極タブが形成された第1電極板及び第2電極板と、前記第1電極板及び前記第2電極板間で重なるように配置されたセパレータと、を含む電極組立体と、
前記電極組立体の長手方向に沿って互いに反対になる第1端部及び第2端部のうちいずれか1つの端部上に配置されたものであって、前記端部上に露出された段差のついた表面を覆って平滑化させるための平坦化部材と、を含む二次電池。
【請求項2】
前記平坦化部材が、前記第1電極活物質及び前記第2電極活物質の境界、前記第1電極タブ及び前記第2電極タブ、前記第1電極板及び前記第2電極板のエッジ、または前記セパレータのエッジの段差形状のうち、少なくとも一つ以上の段差形状を受容するための受容部を含むことを特徴とする、請求項1に記載の二次電池。
【請求項3】
前記平坦化部材が、前記電極組立体の端部上に露出された段差のついた表面と相補的な段差形状を有することを特徴とする、請求項2に記載の二次電池。
【請求項4】
前記平坦化部材が、シート基材上に積層され、相互に段差がつくように形成された少なくとも2層以上のコーティング層を含むことを特徴とする、請求項3に記載の二次電池。
【請求項5】
前記平坦化部材が、前記電極組立体の端部上に塗布及び硬化された絶縁性樹脂系で形成されることを特徴とする、請求項3に記載の二次電池。
【請求項6】
前記平坦化部材が、前記第1電極活物質及び前記第2電極活物質の境界、前記第1電極タブ及び前記第2電極タブ、前記第1電極板及び前記第2電極板のエッジ、または前記セパレータのエッジのうち少なくとも一つ以上を覆うように形成されることを特徴とする、請求項1に記載の二次電池。
【請求項7】
前記第1電極タブ及び前記第2電極タブが、前記電極組立体の第1端部上に共に形成され、
前記平坦化部材が、前記第1電極タブ及び前記第2電極タブを共に覆うように延設されたことを特徴とする、請求項1に記載の二次電池。
【請求項8】
前記第1電極タブ及び前記第2電極タブの間には、
前記第1電極タブを横切って延びる前記第1電極板のエッジ、及び前記第1電極板のエッジよりもさらに延びる前記セパレータのエッジが形成され、
前記平坦化部材は、前記第1電極タブ及び前記第2電極タブと共に、前記第1電極板のエッジ及び前記セパレータのエッジを連続して覆うように延設されたことを特徴とする、請求項7に記載の二次電池。
【請求項9】
前記電極組立体の第1端部で、前記セパレータが、前記第1電極板より長く、前記第2電極板より短く延びることを特徴とする、請求項8に記載の二次電池。
【請求項10】
前記第1電極板及び前記第2電極板が、電極活物質が形成されていない無地部を含み、
前記平坦化部材が、前記無地部を覆うことを特徴とする、請求項9に記載の二次電池。
【請求項11】
前記平坦化部材が、前記第1電極板のエッジ及び前記セパレータのエッジを覆うことを特徴とする、請求項10に記載の二次電池。
【請求項12】
前記平坦化部材が、前記第1電極タブを横切って延び、前記第1電極活物質の境界を覆うことを特徴とする、請求項7に記載の二次電池。
【請求項13】
前記平坦化部材が、前記電極組立体の段差を受容するための空間を定義する第1面と、平坦な第2面と、を有し、
平坦な前記第2面が、前記電極組立体の巻き取り時に、段差による圧力を軽減させることを特徴とする、請求項1に記載の二次電池。
【請求項14】
前記第1電極板及び第2電極板が、電極活物質が形成されていない無地部を含み、
前記平坦化部材が、前記無地部を覆うことを特徴とする、請求項1に記載の二次電池。
【請求項15】
前記平坦化部材が、前記第1電極板のエッジ及び前記セパレータのエッジを覆うことを特徴とする、請求項1に記載の二次電池。
【請求項16】
前記平坦化部材が、前記第1電極活物質のエッジ及び前記第1電極板のエッジを覆うことを特徴とする、請求項15に記載の二次電池。
【請求項17】
前記第1電極タブ及び前記第2電極タブが、前記電極組立体の前記第1端部及び前記第2端部にそれぞれ形成されることを特徴とする、請求項1に記載の二次電池。
【請求項18】
前記電極組立体が、前記第1端部を巻き取り開始部とし、前記第2端部を巻き取り終了部とし、ロール状に巻き取られ、
前記平坦化部材が、前記第1端部上に形成されたことを特徴とする、請求項17に記載の二次電池。
【請求項19】
前記平坦化部材が、前記第1端部上及び前記第2端部上にそれぞれ形成された第1平坦化部材及び第2平坦化部材を含むことを特徴とする、請求項18に記載の二次電池。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2013−41822(P2013−41822A)
【公開日】平成25年2月28日(2013.2.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−166804(P2012−166804)
【出願日】平成24年7月27日(2012.7.27)
【出願人】(590002817)三星エスディアイ株式会社 (2,784)
【Fターム(参考)】