説明

二環アリール−スルホン酸[1,3,4]−チアジアゾール−2−イル−アミド類、それらの製造方法及び医薬品としてのそれらの使用

本発明は、PPARアルファ、PPARデルタ及びPPARガンマ作動薬活性を示す、定義された基を有する式(I)の二環アリール−スルホン酸[1,3,4]−チアジアゾール−2−イル−アミド類、並びにそれらの生理学的に許容される塩及び生理学的に機能性の誘導体、及びそれらの生理学的に許容可能な塩並びにその製造法に関する。本化合物は、脂肪酸代謝の障害及びグルコース利用障害の治療及び/又は予防と共に、インスリン抵抗性が関与する障害や中枢及び末梢神経系の脱髄障害や他の神経変性障害の治療及び/又は予防に適している。
【化1】


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、PPAR作動活性を示す二環アリール−スルホン酸[1,3,4]チアジアゾール−2−イル−アミド類、並びにそれらの生理学的に許容される塩及び生理学的に機能性の誘導体に関する。
【背景技術】
【0002】
PPARに結合するベンゼンスルホンアミノ化合物は、WO第2005/005421号に記載されている。血糖低下活性を示すスルホンアミド化合物は、Khimiko-Farmatsevticheskii Zhurnal (1987), 21(8), 965-8において開示されている。WO第97/40017号において、ヘテロ環に結合したフェニル基を有する化合物は、ホスホチロシン認識ユニットを備えた分子の調節剤として知られている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明は、治療上利用可能な脂質及び/又は糖質の代謝の調節を可能とし、従って2型糖尿病及びアテローム性動脈硬化症、並びにそれらの続発症などの疾病の予防及び/又は治療に適切な化合物を提供することの目的に基づいた。本発明の別の目的は、中枢及び末端神経系の、脱髄障害及び他の神経変性障害を治療することである。
【0004】
PPA受容体の活性を調節する、これまで未知であった一連の化合物が見出されている。それらの化合物は、特にPPARデルタ、又はPPARデルタ及びPPARガンマを活性化するのに適しているが、しかし相対的な活性化は、特定の化合物に依存して変化する可能性がある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の化合物は、式I:
【化1】

[式中、
R1は、(C1−C6)アルキル、(C0−C6)アルキレン−(C3−C6)シクロアルキル、(C0−C6)アルキレン−O−(C1−C6)アルキル、(C0−C6)アルキレン−O−(C3−C6)シクロアルキル、(C0−C6)アルキレン−(C6−C14)アリール、(C0−C6)アルキレン−(C5−C15)ヘテロアリールであり、ここで、アルキル、アルキレン、アリール、ヘテロアリール及びシクロアルキルは無置換、又はF、Cl、Br、OCF3、CN、CO−(C1−C6)アルキル、COO(C1−C6)アルキル、CON((C0−C6)アルキレン−H)((C0−C6)アルキレン−H)、S(O)m(C1−C6)アルキルにより一、二若しくは三置換されても良く;
R2、R3、R4、R5は、独立に、H、ハロゲン、(C1−C6)アルキル、(C0−C4)アルキレン−O−(C0−C4)アルキレン−H、CN、COO(C1−C6)アルキル、CON((C0−C6)アルキレン−H)((C0−C6)アルキレン−H)、S(O)m(C1−C6)アルキルであり、ここで、アルキル及びアルキレンは無置換、又はFにより一、二若しくは三置換され;
Aは、(C6−C14)アリール又は(C4−C10)ヘテロアリールであり;
nは、1、2、3であり;
m、zは、0、1、2であり;
R6、R7、R8は、独立に、H、(C1−C6)アルキル、CN、CO−(C1−C6)アルキル、COO−(C1−C6)アルキル、CON((C0−C6)アルキレン−H((C0−C6)アルキレン−H)、S(O)m(C1−C6)アルキル、N((C0−C6)アルキレン−H)((C0−C6)アルキレン−H)、N((C0−C6)アルキレン−H)−CO−(C1−C6)アルキル、N((C0−C6)アルキレン−H)−CO−(C1−C6)アルキル、ハロゲン、(C0−C6)アルキレン−O−(C0−C6)アルキレン−H、(C0−C6) アルキレン−(C6−C14)アリール、(C0−C6)アルキレン−O−(C6−C14)アリール、SCF3、S(O)2CF3、NO2であり、ここで、アルキル、アリール及びアルキレンは無置換、又はFにより一、二若しくは三置換され、そして、アリールは、無置換、又はCF3により一置換されても良い]
で記載される化合物であって、その全ての立体異性体の形態、エナンチオマーの形態及び任意の割合での混合物の形態にある化合物、並びにその生理学的に許容される塩及び互変異性体である。
【0006】
本発明の別の実施態様は、式1の化合物であって、
式中、
R1は、(C1−C6)アルキル、(C0−C6)アルキレン−(C3−C6)シクロアルキル、(C0−C6)アルキレン−O−(C1−C6)アルキル、(C0−C6)アルキレン−O−(C3−C6)シクロアルキル、(C0−C6)アルキレン−(C6−C14)アリールであり、ここで、アルキル、アルキレン、アリール及びシクロアルキルは無置換、又はF、Cl、Brにより一、二若しくは三置換されても良く;
R2、R3、R4、R5は、独立に、H、ハロゲン、(C1−C6)アルキル、(C0−C4)アルキレン−O−(C0−C4)アルキレン−Hであり、ここで、アルキル及びアルキレンは無置換、又はFにより一、二若しくは三置換され;
Aは、(C6−C14)アリール又は(C4−C10)ヘテロアリールであり;
nは、1、2であり;
zは、1、2であり;
R6、R7、R8は、独立に、H、(C1−C6)アルキル、CN、ハロゲン、(C0−C6)アルキレン−O−(C0−C6)アルキレン−H、(C0−C6)アルキレン−(C6−C14)アリール、(C0−C6)アルキレン−O−(C6−C14)アリール、SCF3、S(O)2CF3であり、ここで、アルキル、アリール及びアルキレンは無置換、又はFにより一、二若しくは三置換され、そして、アリールは無置換、又はCF3により一置換されても良い;
化合物であり、その全ての立体異性体の形態、エナンチオマーの形態及び任意の割合での混合物の形態にある化合物、並びにその生理学的に許容される塩及び互変異性体である。
【0007】
本発明の別の実施態様は、式1の化合物であって、
式中、
R1は、(C1−C6)アルキル、(C0−C6)アルキレン−(C3−C6)シクロアルキル、(C0−C6)アルキレン−(C6−C14)アリールであり、ここで、アルキル、アルキレン、アリール及びシクロアルキルは無置換、又はFにより一、二若しくは三置換され
ても良く;
R2、R3、R4、R5は、独立に、H、ハロゲン、(C1−C6)アルキル、(C0−C4)アルキレン−O−(C0−C4)アルキレン−Hであり、ここで、アルキル及びアルキレンは無置換、又はFにより一、二若しくは三置換され;
Aは、(C6−C14)アリール又は(C4−C10)ヘテロアリールであり;
nは、1、2であり;
zは、1であり;
R6、R7、R8は、独立に、H、(C1−C6)アルキル、CN、ハロゲン、(C0−C6)アルキレン−O−(C6−C14)アリール、(C0−C6)アルキレン−O−(C0−C6)アルキレン−Hであり、ここで、アルキル及びアルキレンは、無置換、又はFにより一、二若しくは三置換され、そして、アリールは無置換、又はCF3により一置換されても良い;
化合物であり、その全ての立体異性体の形態、エナンチオマーの形態及び任意の割合での混合物の形態にある化合物、並びにその生理学的に許容される塩及び互変異性体である。
【0008】
本発明の別の実施態様は、式1の化合物であって、
式中、
R1は、(C1−C6)アルキル、(C0−C6)アルキレン−(C3−C6)シクロアルキル、(C0−C6)アルキレン−(C6−C14)アリールであり、ここで、アルキル、アルキレン、アリール及びシクロアルキルは無置換、又はFにより一、二若しくは三置換されても良く;
R2、R3、R4、R5は、独立に、H、ハロゲン、(C1−C6)アルキル、(C0−C4)アルキレン−O−(C0−C4)アルキレン−Hであり、ここで、アルキル及びアルキレンは無置換、又はFにより一、二若しくは三置換され;
Aは、フェニル、ピリジン又はチオフェンであり;
nは、1であり;
zは、1であり;
R6は、オルト位にあり、そして、F、Cl、Br又はO−(C1−C4)−アルキルであり;
R7は、パラ位にあり、そして、F、Cl、Br、CH3又はCF3であり;
R8は、Hである;
化合物であり、その全ての立体異性体の形態、エナンチオマーの形態及び任意の割合での混合物の形態にある化合物、並びにその生理学的に許容される塩及び互変異性体である。
【0009】
本発明の別の実施態様は、式1の化合物であって、
式中、
R1は、(C1−C4)アルキル、(C0−C2)アルキレン(C3−C6)シクロアルキル、(C0−C2)アルキレン−(C6−C10)アリールであり、ここで、アルキル、アリール及びシクロアルキルは無置換、又はFにより一、二若しくは三置換されても良く;
R2は、H、ハロゲン、(C1−C6)アルキル、O−(C0−C4)アルキレン−Hであり、ここで、アルキル及びアルキレン無置換、又はFにより一、二若しくは三置換され;
R3は、Hであり;
R4は、Hであり;
R5は、H、(C1−C4)アルキルであり;
Aは、(C6)アリール又は(C5−C6)ヘテロアリールであり;
nは、1、2であり;
zは、1であり;
R6は、(C1−C4)アルキル、ハロゲン、(C0−C2)アルキレン−O−(C0−C6)アルキレン−H、(C0−C2)アルキレン−(C6−C10)アリールであり、ここで、アルキル、アリール及びアルキレンは無置換、又はFにより一、二若しくは三置換され、
そして、アリールは無置換、又はCF3により、一置換されても良く;
R7は、H、(C1−C4)アルキル、ハロゲンであり、ここで、アルキルは無置換、又はFにより一、二若しくは三置換され;
R8は、H、Fである;
化合物であり、その全ての立体異性体の形態、エナンチオマーの形態及び任意の割合での混合物の形態にある化合物、並びにその生理学的に許容される塩及び互変異性体である。
【0010】
本発明の別の実施態様は、式1の化合物であって、
式中、
R1は、(C1−C4)アルキル、(C3−C6)シクロアルキル、フェニルであり、ここで、アルキルは無置換、又はFにより一、二若しくは三置換されても良く;
R2は、H、F、Cl、O−(C1−C4)アルキレン−Hであり、ここで、アルキレンは無置換、又はFにより一、二若しくは三置換され;
R3は、Hであり;
R4は、Hであり;
R5は、H、(C1−C4)アルキルであり;
Aは、フェニル、チオフェン、チアゾール、ピリジンであり;
nは、1、2であり;
zは、1であり;
R6は、(C1−C4)アルキル、F、Cl、O−(C0−C6)アルキレン−H、フェニルであり、ここで、フェニルは無置換、又はCF3により一置換されても良く;
R7は、H、(C1−C4)アルキル、Clであり、ここで、アルキルは無置換、又はFにより一、二若しくは三置換され;
R8は、H、Fである;
化合物であり、その全ての立体異性体の形態、エナンチオマーの形態及び任意の割合での混合物の形態にある化合物、並びにその生理学的に許容される塩及び互変異性体である。
【0011】
本発明の別の実施態様は、式1の化合物であって、
式中、
R1は、エチル、イソプロピル、tert−ブチル、シクロプロピル、シクロヘキシル、フェニル又はトリフルオロメチルであり;
R2、R3、R4、R5は、H、F、Cl、OCH3、OCH2CF3であり;
Aは、フェニルであり;
nは、1であり;
zは、1であり;
R6は、オルト位にあり、そして、Cl、Br又はO−(C1−C2)−アルキルであり;
R7は、パラ位にあり、そして、Cl、Br又はCF3であり;
R8は、Hである;
化合物であり、その全ての立体異性体の形態、エナンチオマーの形態及び任意の割合での混合物の形態にある化合物、並びにその生理学的に許容される塩及び互変異性体である。
【0012】
本発明の別の実施態様は、式1の化合物であって、
式中、
R1は、イソプロピルであり;
R2、R3、R4、R5は、Hであり;
Aは、フェニルであり;
nは、1であり;
zは、1であり;
R6は、O(C1−C2)−アルキルであり、そしてオルト位にあり;
R7は、パラ位にあり、そして、Cl又はCF3であり;
R8は、Hである;
化合物であり、その全ての立体異性体の形態、エナンチオマーの形態及び任意の割合での混合物の形態にある化合物、並びにその生理学的に許容される塩及び互変異性体である。
【0013】
本発明の別の実施態様は、式1の化合物であって、
式中、
R1は、トリフルオロメチルであり;
R2、R3、R4、R5は、Hであり;
Aは、フェニルであり;
nは、1であり;
zは、1であり;
R6は、O−エチルであり、そしてオルト位にあり;
R7は、パラ位にあり、そして、Cl又はCF3であり;
R8は、Hである;
化合物であり、その全ての立体異性体の形態、エナンチオマーの形態及び任意の割合での混合物の形態にある化合物、並びにその生理学的に許容される塩及び互変異性体である。
【0014】
本発明の別の実施態様は、式1の化合物であって、
式中、
R1は、シクロヘキシルであり;
R2、R3、R4、R5は、Hであり;
Aは、フェニルであり;
nは、1であり;
zは、1であり;
R6は、O−エチルであり、そして、オルト位にあり;
R7は、パラ位にあり、そして、Cl又はCF3であり;
R8は、Hである;
化合物であり、その全ての立体異性体の形態、エナンチオマーの形態及び任意の割合での混合物の形態にある化合物、並びにその生理学的に許容される塩及び互変異性体である。
【0015】
本発明の別の実施態様は、式1の化合物であって、
式中、
R1は、フェニルであり;
R2、R3、R4、R5は、Hであり;
Aは、フェニルであり;
nは、1であり;
zは、1であり;
R6は、O−エチルであり、そして、オルト位にあり;
R7は、パラ位にあり、そして、Cl又はCF3であり;
R8は、Hである;
化合物であり、その全ての立体異性体の形態、エナンチオマーの形態及び任意の割合での混合物の形態にある化合物、並びにその生理学的に許容される塩及び互変異性体である。
【0016】
本発明の別の実施態様は、式1の化合物であって、
式中、
R1は、シクロプロピルであり;
R2、R3、R4、R5はHであり;
Aは、フェニルであり;
nは、1であり;
zは、1であり;
R6は、O−エチルであり、そしてオルト位にあり;
R7は、パラ位にあり、そして、Cl又はCF3であり;
R8は、Hである;
化合物であり、その全ての立体異性体の形態、エナンチオマーの形態及び任意の割合での混合物の形態にある化合物、並びにその生理学的に許容される塩及び互変異性体である。
【0017】
本発明の別の実施態様は、式1の化合物であって、
式中、
R1は、イソプロピルであり;
R2、R3、R4、R5は、Hであり;
Aは、チオフェンであり;
nは、1であり;
zは、1であり;
R6は、O−エチルであり、そして、オルト位にあり;
R7は、パラ位にあり、そして、Cl又はCF3であり;
R8は、Hである;
化合物であり、その全ての立体異性体の形態、エナンチオマーの形態及び任意の割合での混合物の形態にある化合物、並びにその生理学的に許容される塩及び互変異性体である。
【0018】
本発明に基づく別の実施態様は、以下の化合物である:
2−エトキシ−N−[5−(5−イソプロピル−[1,3,4]チアジアゾール−2−イルスルファモイル)−インダン−2−イル]−4−トリフルオロメチル−ベンズアミド;
2−エトキシ−N−[5−(5−イソプロピル−[1,3,4]チアジアゾール−2−イルスルファモイル)−インダン−2−イル]−4−トリフルオロメチル−ベンズアミド(エナンチオマー1);
2−エトキシ−N−[5−(5−イソプロピル−[1,3,4]チアジアゾール−2−イルスルファモイル)−インダン−2−イル]−4−トリフルオロメチル−ベンズアミド(エナンチオマー2);
2−エトキシ−4−トリフルオロメチル−N−[5−(5−トリフルオロメチル−[1,3,4]チアジアゾール−2−イルスルファモイル)−インダン−2−イル]−ベンズアミド;
4−メチル−2−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−チアゾール−5−カルボン酸−[5−(5−イソプロピル−[1,3,4]チアジアゾール−2−イルスルファモイル)−インダン−2−イル]−アミド;
4−メチル−2−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−チアゾール−5−カルボン酸−[5−(5−シクロプロピル−[1,3,4]チアジアゾール−2−イルスルファモイル)−インダン−2−イル]−アミド;
2−エトキシ−N−[(S)−7−(5−イソプロピル−[1,3,4]チアジアゾール−2−イルスルファモイル)−1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフタレン−2−イル]−4−トリフルオロメチル−ベンズアミド;
2−エトキシ−N−[(R)−7−(5−イソプロピル−[1,3,4]チアジアゾール−2−イルスルファモイル)−1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフタレン−2−イル]−4−トリフルオロメチル−ベンズアミド;
N−[5−クロロ−6−(5−イソプロピル−[1,3,4]チアジアゾール−2−イルスルファモイル)−インダン−2−イル]−2−エトキシ−4−トリフルオロメチル−ベンズアミド;
2−エトキシ−N−[5−(5−イソプロピル−[1,3,4]チアジアゾール−2−イルスルファモイル)−6−メトキシ−インダン−2−イル]−4−トリフルオロメチル−ベンズアミド;
【0019】
3−エトキシ−5−トリフルオロメチル−チオフェン−2−カルボン酸[5−クロロ−6−(5−イソプロピル−[1,3,4]チアジアゾール−2−イルスルファモイル)−インダン−2−イル]−アミド;
3−エトキシ−5−トリフルオロメチル−チオフェン−2−カルボン酸[5−(5−イソプロピル−[1,3,4]チアジアゾール−2−イルスルファモイル)−6−メトキシ−インダン−2−イル]−アミド;
3−エトキシ−5−トリフルオロメチル−チオフェン−2−カルボン酸 [5−(5−イソプロピル−[1,3,4]チアジアゾール−2−イルスルファモイル)−インダン−2−イル]−アミド;
2−エトキシ−N−[2−(5−イソプロピル−[1,3,4]チアジアゾール−2−イルスルファモイル)−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ベンゾシクロヘプテン−7−イル]−4−トリフルオロメチル−ベンズアミド;
2−クロロ−N−[5−(5−イソプロピル−[1,3,4]チアジアゾール−2−イルスルファモイル)−インダン−2−イル]−5−トリフルオロメチル−ベンズアミド;
4−クロロ−N−[5−(5−イソプロピル−[1,3,4]チアジアゾール−2−イルスルファモイル)−インダン−2−イル]−2−メチル−ベンズアミド;
2,3−ジフルオロ−N−[5−(5−イソプロピル−[1,3,4]チアジアゾール−2−イルスルファモイル)−インダン−2−イル]−4−トリフルオロメチル−ベンズアミド;
2−フルオロ−N−[5−(5−イソプロピル−[1,3,4]チアジアゾール−2−イルスルファモイル)−インダン−2−イル]−4−トリフルオロメチル−ベンズアミド;
4−クロロ−N−[5−(5−イソプロピル−[1,3,4]チアジアゾール−2−イルスルファモイル)−インダン−2−イル]−2−メトキシ−ベンズアミド;
2,4−ジクロロ−N−[5−(5−イソプロピル−[1,3,4]チアジアゾール−2−イルスルファモイル)−インダン−2−イル]−ベンズアミド;
2−エトキシ−N−[5−フルオロ−6−(5−イソプロピル−[1,3,4]チアジアゾール−2−イルスルファモイル)−インダン−2−イル]−4−トリフルオロメチル−ベンズアミド;
2−エトキシ−N−[5−(5−イソプロピル−[1,3,4]チアジアゾール−2−イルスルファモイル)−1−メチル−インダン−2−イル]−4−トリフルオロメチル−ベンズアミド;
2−エトキシ−N−[5−(5−イソプロピル−[1,3,4]チアジアゾール−2−イルスルファモイル)−6−(2,2,2−トリフルオロ−エトキシ)−インダン−2−イル]−4−トリフルオロメチル−ベンズアミド;
N−[5−(5−シクロプロピル−[1,3,4]チアジアゾール−2−イルスルファモイル)−インダン−2−イル]−2−エトキシ−4−トリフルオロメチル−ベンズアミド;
2−エトキシ−N−[5−(5−フェニル−[1,3,4]チアジアゾール−2−イルスルファモイル)−インダン−2−イル]−4−トリフルオロメチル−ベンズアミド;
2−エトキシ−N−[5−(5−シクロヘキシル−[1,3,4]チアジアゾール−2−イルスルファモイル)−インダン−2−イル]−4−トリフルオロメチル−ベンズアミド;
3−メトキシ−ピリジン−2−カルボン酸[5−(5−イソプロピル−[1,3,4]チアジアゾール−2−イルスルファモイル)−インダン−2−イル]−アミド。
【0020】
本発明は、また本明細書に記載した本発明の好ましい側面のあらゆる組合せを包含する。
【0021】
本明細書で使用される用語アルキルは、線状、換言すれば直鎖状、又は分枝鎖状であっても良い飽和の炭化水素残基を意味すると最も広義に解すべきである。別に定義されない限り、アルキルは、1〜8個の炭素原子を有する。「−(C1−C8)−アルキル」の例としては、1、2、3、4、5、6、7又は8個の炭素原子を含むアルキル残基であり、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル又はオクチル、これら全ての残基のn−異性体である、イソプロピル、イソブチル、1−メチルブチル、イソペンチル、ネオペンチル、2,2−ジメチルブチル、2−メチルペンチル、3−メチルペンチル、イソヘキシル、sec−ブチル、tert−ブチル又はtert−ペンチルがある。用語「−(C0−C8)−アルキル」は、1、2、3、4、5、6、7又は8個の炭素原子を含む炭化水素残基であり、ここで、用語「−C0−アルキル」は、共有結合である。これら全ての説明は、またアルキレンにも適用される。
【0022】
これら全ての説明は、またアルキル基が別の残基上の置換基として存在する場合、例えば、アルキルオキシ残基、アルキルオキシカルボニル残基又はアリールアルキル残基にも適用される。
【0023】
別に定義されない限り、アルキル及びアルキレンは、無置換、又は例えばF、Cl、Br、I、CF3、NO2、CN、COOH,CO−O−(C0−C4)アルキレン−(C6−C10)アリール、CO−O−(C1−C4)アルキル、CO−O−(C0−C4)アルキレン−(C3−C13)シクロアルキル、CO−O−(C0−C4)アルキレン−(C3−C13)ヘテロ環、CO−N((C0−C4)アルキレン−H)−(C0−C4)アルキレン−(C6−C10)アリール、CO−N((C0−C4)アルキレン−H)−(C0−C4)アルキレン−H、CO−N((C0−C4)アルキレン−H)−(C0−C4)アルキレン−(C3−C13)シクロアルキル、CO−N((C0−C4)アルキレン−H)−(C0−C4)アルキレン−(C3−C15)ヘテロ環、(C0−C4)アルキレン−(C3−C6)シクロアルキル、(C0−C4)アルキレン−(C6−C10)アリール、(C0−C4)アルキレン−(C3−C15)ヘテロ環、(C2−C6)−アルケニル、(C2−C6)−アルキニル、O−(C0−C6)−アルキル、O−(C0−C4)アルキレン−(C6−C10)アリール、O−(C0−C4)アルキレン−(C3−C12)シクロアルキル、O−(C0−C4)アルキレン−(C3−C15)ヘテロ環、O−CO−O−(C0−C4)アルキレン−(C6−C10)アリール、O−CO−O−(C1−C4)アルキル、O−CO−O−(C0−C4)アルキレン−(C3−C13)シクロアルキル、O−CO−O−(C0−C4)アルキレン−(C3−C15)ヘテロ環、S−(C1−C4)アルキル、S−(C0−C4)アルキレン−(C3−C13)シクロアルキル、S−(C0−C4)アルキレン−(C6−C10)アリール、S−(C0−C4)アルキレン−(C3−C15)ヘテロ環、SO−(C1−C4)アルキル、SO−(C0−C4)アルキレン−(C3−C13)シクロアルキル、SO−(C0−C4)アルキレン−(C6−C10)アリール、SO−(C0−C4)アルキレン−(C3−C15)ヘテロ環、SO2−(C1−C4)アルキル、SO2−(C0−C4)アルキレン−(C3−C13)シクロアルキル、SO2−(C0−C4)アルキレン−(C6−C10)アリール、SO2−(C0−C4)アルキレン−(C3−C15)ヘテロ環、SO2−N((C0−C4)アルキレン−H)−(C0−C4)アルキレン−(C6−C10)アリール、SO2−N((C0−C4)アルキレン−H)−(C0−C4)アルキレン−H,SO2−N((C0−C4)アルキレン−H)−(C0−C4)アルキレン−(C3−C13)シクロアルキル、SO2−N((C0−C4)アルキレン−H)−(C0−C4)アルキレン−(C3−C15)ヘテロ環の様な適切な基により、互いに独立に一、二又は三置換され、ここで、アリール環又はヘテロ環は、無置換、又はF、Cl、Br、OH、CF3、NO2、CN、OCF3、O−(C1−C6)−アルキル、(C1−C6)−アルキル、N((C0−C4)−アルキレン−H)−(C0−C4)−アルキレン−H;N((C0−C4)−アルキレン−H)−(C0−C4)−アルキレン−H、N((C0−C4) アルキレン−H)−(C0−C4)アルキレン−H)−(C1−C6)シクロアルキル、N((C0−C4)アルキレン−H)−(C0−C4)アルキレン−(C6−C12)−アリール、N((C0−C4)アルキレン−H)−(C0−C4)アルキレン−(C3−C15)ヘテロ環、N((C0−C4)アルキレン−H)−CO−(C0−C4)アルキレン−(C6−C12)−アリール、N((C0−C4)アルキレン−H)−CO−(C0−C4)アルキル、N((C0−C4)アルキレン−H)−CO−(C0−C4)アルキレン−(C3−C13)シクロアルキル、N((C0−C4)アルキレン−H)−CO−(C0−C4)アルキレン−(C3−C15)ヘテロ環、N((C0−C4)アルキレン−H)−CO−O−(C0−C4)アルキレン−(C6−C12)−アリール、N((C0−C4)アルキレン−H)−CO−O−(C0−C4)アルキル、N((C0−C4)アルキレン−H)−CO−O−(C0−C4)アルキレン−(C3−C13)シクロアルキル、N((C0−C4)アルキレン−H)−CO−O−(C0−C4)アルキレン−(C3−C15)ヘテロ環、N((C0−C4)アルキレン−H)−CO−N((C0−C4)−アルキレン−H)−(C0−C4)アルキレン−(C6−C12)−アリール、N((C0−C4)アルキレン−H)−CO−N((C0−C4)−アルキレン−H)−(C0−C4)アルキル、N((C0−C4)アルキレン−H)−CO−N((C0−C4)−アルキレン−H)−(C0−C4)アルキレン−(C3−C13)シクロアルキル、N((C0−C4)アルキレン−H)−CO−N((C0−C4)−アルキレン−H)−(C0−C4)アルキレン−(C3−C15)ヘテロ環により一若しくは二置換され、ここで、アリール環又はヘテロ環は、無置換、又はF、Cl、Br、I、OH、CF3、NO2、CN、OCF3、O−(C1−C6)−アルキル、(C1−C6)−アルキル、N((C0−C4)−アルキレン−H)−(C0−C4)−アルキレン−H、SO2−CH3、COOH、COO−(C1−C6)−アルキル、SF5、CONH2により一若しくは二置換される。
【0024】
用語シクロアルキルは、3〜13個の炭素原子を含む飽和の炭化水素環であって、単環又は二環、縮合環、架橋環又はスピロ環を意味すると解すべきである。(C3−C13)−シクロアルキル残基の例は、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチル、シクロノニル、シクロデシル、シクロウンデシル又はシクロドデシルの様な、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12又は13個の環炭素原子を含むシクロアルキル残基である。用語シクロアルキルには、また上記のシクロアルキル環がベンゼン環と縮合した二環基、例えば、インダン、1,2,3,4−テトラヒドロナフタレンが含まれる。
【0025】
別に定義されない限り、シクロアルキルは、無置換、又は例えばF、Cl、Br、I、CF3、NO2、CN、COOH、CO−O−(C0−C4)アルキレン−(C6−C10)アリール、CO−O−(C1−C4)アルキル、CO−O−(C0−C4)アルキレン−(C3−C13)シクロアルキル、CO−O−(C0−C4)アルキレン−(C3−C15)ヘテロ環、CO−N((C0−C4)アルキレン−H)−(C1−C6)アルキレン−H、CO−N((C0−C4)アルキレン−H)−(C1−C6)シクロアルキル、CON((C0−C4)アルキレン−H)−(C0−C4)アルキレン−(C6−C12)−アリール、(C0−C4)アルキレン−(C3−C6)シクロアルキル、(C3−C6)アルキル、(C2−C6)−アルケニル、(C2−C6)−アルキニル、(C0−C4)アルキレン−(C6−C10)アリール、(C0−C4)アルキレン−(C3−C15)ヘテロ環、O−(C0−C6)−アルキル、(C0−C4)アルキレン−O−(C0−C4)アルキル、(C0−C4)アルキレン−O−(C0−C4)アルキレン−(C3−C13)シクロアルキル、(C0−C4)アルキレン−O−(C0−C4)アルキレン−(C6−C10)アリール、(C0−C4)アルキレン−O−(C0−C4)アルキレン−(C3−C15)ヘテロ環、O−CO−O−(C0−C4)アルキレン−(C6−C10)アリール、O−CO−O−(C1−C4)アルキル、O−CO−O−(C0−C4)アルキレン−(C3−C13)シクロアルキル、O−CO−O−(C0−C4)アルキレン−(C3−C15)ヘテロ環、O−CO−N((C0−C4)アルキレン−H)−(C0−C4)アルキレン−(C6−C10)アリール、O−CO−N((C0−C4)アルキレン−H)−(C0−C4)アルキレン−H、O−CO−N((C0−C4)アルキレン−H)−(C0−C4)アルキレン−(C3−C13)シクロアルキル、O−CO−N((C0−C4)アルキレン−H)−(C0−C4)アルキレン−(C3−C15)ヘテロ環、S−(C1−C4)アルキル、S−(C0−C4)アルキレン−(C3−C13)シクロアルキル、S−(C0−C4)アルキレン−(C6−C10)アリール、S−(C0−C4)アルキレン−(C3−C15)ヘテロ環、SO−(C1−C4)アルキル、SO−(C0−C4)アルキレン−(C3−C13)シクロアルキル、SO−(C0−C4)アルキレン−(C6−C10)アリール、SO−(C0−C4)アルキレン−(C3−C15)ヘテロ環、SO2−(C1−C4)アルキル、SO2−(C0−C4)アルキレン−(C3−C13)シクロアルキル、SO2−(C0−C4)アルキレン−(C6−C10)アリール、SO2−(C0−C4)アルキレン−(C3−C15)ヘテロ環、SO2−N((C0−C4)アルキレン−H)−(C0−C4)アルキレン−(C6−C10)アリール、SO2−N((C0−C4)アルキレン−H)−(C0−C4)アルキレン−H、SO2−N((C0−C4)アルキレン−H)−(C0−C4)アルキレン−(C3−C13)シクロアルキル、SO2−N((C0−C4)アルキレン−H)−(C0−C4)アルキレン−(C3−C15)ヘテロ環の様な、適切な基により、互いに独立に一、二若しくは三置換され、ここで、アリール環又はヘテロ環は、無置換、又はF、Cl、Br、OH、CF3、NO2、CN、OCF3、O−(C1−C6)−アルキル、(C1−C6)−アルキル、N((C0−C4)−アルキレン−H)−(C0−C4)−アルキレン−H、N((C0−C4)−アルキレン−H)−(C0−C4)−アルキレン−H、N((C0−C4)アルキレン−H)−(C0−C4)アルキレン−H)−(C1−C6)シクロアルキル、N((C0−C4)アルキレン−H)−(C0−C4)アルキレン−(C6−C12)−アリール、N((C0−C4)アルキレン−H)−(C0−C4)アルキレン−(C3−C15)ヘテロ環、N((C0−C4)アルキレン−H)−CO−(C0−C4)アルキレン−(C6−C12)−アリール、N((C0−C4)アルキレン−H)−CO−(C0−C4)アルキル、N((C0−C4)アルキレン−H)−CO−(C0−C4)アルキレン−(C3−C13)シクロアルキル、N((C0−C4)アルキレン−H)−CO−(C0−C4)アルキレン−(C3−C15)ヘテロ環、N((C0−C4)アルキレン−H)−CO−O−(C0−C4)アルキレン−(C6−C12)−アリール、N((C0−C4)アルキレン−H)−CO−O−(C0−C4)アルキル、N((C0−C4)アルキレン−H)−CO−O−(C0−C4)アルキレン−(C3−C13)シクロアルキル、N((C0−C4)アルキレン−H)−CO−O−(C0−C4)アルキレン−(C3−C15)ヘテロ環、N((C0−C4)アルキレン−H)−CO−N((C0−C4)−アルキレン−H)−(C0−C4)アルキレン−(C6−C12)−アリール、N((C0−C4)アルキレン−H)−CO−N((C0−C4)−アルキレン−H)−(C0−C4)アルキル、N((C0−C4)アルキレン−H)−CO−N((C0−C4)−アルキレン−H)−(C0−C4)アルキレン−(C3−C13)シクロアルキル、N((C0−C4)アルキレン−H)−CO−N((C0−C4)−アルキレン−H)−(C0−C4)アルキレン−(C3−C15)ヘテロ環により一若しくは二置換され、ここで、アリール又はヘテロ環は、無置換、又はF、Cl、Br、I、OH、CF3、NO2、CN、OCF3、O−(C1−C6)−アルキル、(C1−C6)−アルキル、N((C0−C4)−アルキレン−H)−(C0−C4)−アルキレン−H、SO2−CH3、COOH、COO−(C1−C6)−アルキル、SF5、CONH2により一若しくは二置換される。
【0026】
用語「アリール」は、6〜14個の炭素原子を含む、単環又は二環の芳香族炭化水素環を意味すると解すべきである。(C6−C14)−アリール環の例は、フェニル、ナフチル、例えば、1−ナフチル及び2−ナフチル、ビフェニリル、例えば、2−ビフェニリル、3−ビフェニリル及び4−ビフェニリル、アントリル又はフルオレニルがある。ビフェニリル環、ナフチル環及び特にフェニル環は、アリール環の更なる実施態様である。
【0027】
用語ヘテロ環は、単環又は二環の、縮合環、橋掛け環又はスピロ環の、3〜15個の炭素原子を含有する、飽和の(ヘテロシクロアルキル)、部分飽和の(ヘテロシクロアルケニル)又は不飽和の(ヘテロアリール)炭化水素環で、ここで、3〜15個の環炭素原子のうち、1〜5個の炭素原子は窒素、酸素又は硫黄の様なヘテロ原子で置換され、更に、このヘテロ原子は、例えば、N=O、S=O、SO2の様に酸化されても良い環を意味すると解すべきである。ヘテロ環の例としては、アクリジニル、アザインドール(1H−ピロロピリジニル)、アザベンゾイミダゾリル、アザスピロデカニル、アゼピニル、アゼチジニル、アジリジニル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾフラニル、ジヒドロベンゾフラニル、ベンゾチオフラニル、ベンゾチオフェニル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾトリアゾリル、ベンゾテトラゾリル、ベンゾイソオキサゾリル、ベンゾイソチアゾリル、カルバゾリル、4aH−カルバゾリル、カルボリニル、クロマニル、クロメニル、シンノリニル、デカヒドロキノリニル、4,5−ジヒドロオキサゾリニル、ジオキサゾリル、ジオキサジニル、1,3−ジオキソラニル、1,3−ジオキソレニル、3,3−ジオキソ[1,3,4]オキサチアジニル、6H−1,5,2−ジチアジニル、ジヒドロフロ[2,3−b]−テトラヒドロフラニル、フラニル、フラザニル、イミダゾリジニル、イミダゾリニル、イミダゾリル、1H−インダゾリル、インドリニル、インドリジニル、インドリル、3H−インドリル、イソベンゾフラニル、イソクロマニル、イソインダゾリル、イソインドリニル、イソインドリル、イソキノリニル(ベンゾイミダゾリル)、イソチアゾリル、イソチアゾリジニル、イソチアゾリニル、イソオキサゾリル、イソオキサゾリニル、イソオキサゾリジニル、2−イソオキサゾリニル、ケトピペラジニル、モルホリニル、ナフチリジニル、オクタヒドロイソキノリニル、オキサジアゾリル、1,2,3−オキサジアゾリル、1,2,4−オキサジアゾリル、1,2,5−オキサジアゾリル、1,3,4−オキサジアゾリル、1,2−オキサ−チエパニル、1,2−オキサチオラニル、1,4−オキサゼパニル、1,4−オキサゼピニル、1,2−オキサジニル、1,3−オキサジニル、1,4−オキサジニル、オキサゾリジニル、オキサゾリニル、オキサゾリル、オキセタニル、オキソカニル、フェナントリジニル、フェナントロリニル、フェナジニル、フェノチアジニル、フェノキサチイニル、フェノキサジニル、フタラジニル、ピペラジニル、ピペリジニル、プテリジニル、プリニル、ピラニル、ピラジニル、ピラゾリジニル、ピラゾリニル、ピラゾリル、ピリダジニル、ピリドオキサゾリル、ピリドイミダゾリル、ピリドチアゾリル、ピリジニル、ピリジル、ピリミジニル、ピロリジニル、ピロリジノニル、ピロリニル、2H−ピロリル、ピロリル、キナゾリニル、キノリニル、4H−キノリジニル、キノキサリニル、キヌクリジニル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロイソキノリニル、テトラヒドロキノリニル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロピラニル、テトラヒドロピリジニル、テトラヒドロチオフェニル、テトラジニル、テトラゾリル、6H−1,2,5−チアジアジニル、1,2,3−チアジアゾリル、1,2,4−チアジアゾリル、1,2,5−チアジアゾリル、1,3,4−チアジアゾリル、チアントレニル、1,2−チアジニル、1,3−チアジニル、1,4−チアジニル、1,3−チアゾリル、チアゾリル、チアゾリジニル、チアゾリニル、チエニル、チエタニル、チエノチアゾリル、チエノオキサゾリル、チエノイミダゾリル、チオモルホリニル、チオフェノリル、チオフェニル、チオピラニル、1,2,3−トリアジニル、1,2,4−トリアジニル、1,3,5−トリアジニル、1,2,3−トリアゾリル、1,2,3−トリアゾリル、1,2,4−トリアゾリル、1,2,5−トリアゾリル、1,3,4−トリアゾリル及びキサンテニルがある。
【0028】
ヘテロ環は、無置換、又は例えばF、Cl、Br、I、CF3、NO2、CN、COOH、CO−O−(C0−C4)アルキレン−(C6−C10)アリール、CO−O−(C1−C4)アルキル、CO−O−(C0−C4)アルキレン−(C3−C13)シクロアルキル、CO−O−(C0−C4)アルキレン−(C3−C15)ヘテロ環、CO−N((C0−C4)アルキレン−H)−(C1−C6)アルキレン−H、CO−N((C0−C4)アルキレン−H)−(C1−C6)シクロアルキル、CON((C0−C4)アルキレン−H)−(C0−C4)アルキレン−(C6−C12)−アリール、(C0−C4)アルキレン−(C3−C6)シクロアルキル、(C3−C6)アルキル、(C2−C6)−アルケニル、(C2−C6)−アルキニル、(C0−C4)アルキレン−(C6−C10)アリール、(C0−C4)アルキレン−(C3
−C15)ヘテロ環、O−(C0−C6)−アルキル、(C0−C4)アルキレン−O−(C0−C4)アルキル、(C0−C4)アルキレン−O−(C0−C4)アルキレン−(C3−C13)シクロアルキル、(C0−C4)アルキレン−O−(C0−C4)アルキレン−(C6−C10)アリール、(C0−C4)アルキレン−O−(C0−C4)アルキレン−(C3−C15)ヘテロ環、O−CO−O−(C0−C4)アルキレン−(C6−C10)アリール、O−CO−O−(C1−C4)アルキル、O−CO−O−(C0−C4)アルキレン−(C3−C13)シクロアルキル、O−CO−O−(C0−C4)アルキレン−(C3−C15)ヘテロ環、O−CO−N((C0−C4)アルキレン−H)−(C0−C4)アルキレン−(C6−C10)アリール、O−CO−N((C0−C4)アルキレン−H)−(C0−C4)アルキレン−H、O−CO−N((C0−C4)アルキレン−H)−(C0−C4)アルキレン−(C3−C13)シクロアルキル、O−CO−N((C0−C4)アルキレン−H)−(C0−C4)アルキレン−(C3−C15)ヘテロ環、S−(C1−C4)アルキル、S−(C0−C4)アルキレン−(C3−C13)シクロアルキル、S−(C0−C4)アルキレン−(C6−C10)アリール、S−(C0−C4)アルキレン−(C3−C15)ヘテロ環、SO−(C1−C4)アルキル、SO−(C0−C4)アルキレン−(C3−C13)シクロアルキル、SO−(C0−C4)アルキレン−(C6−C10)アリール、SO−(C0−C4)アルキレン−(C3−C15)ヘテロ環、SO2−(C1−C4)アルキル、SO2−(C0−C4)アルキレン−(C3−C13)シクロアルキル、SO2−(C0−C4)アルキレン−(C6−C10)アリール、SO2−(C0−C4)アルキレン−(C3−C15)ヘテロ環、SO2−N((C0−C4)アルキレン−H)−(C0−C4)アルキレン−(C6−C10)アリール、SO2−N((C0−C4)アルキレン−H)−(C0−C4)アルキレン−H、SO2−N((C0−C4)アルキレン−H)−(C0−C4)アルキレン−(C3−C13)シクロアルキル、SO2−N((C0−C4)アルキレン−H)−(C0−C4)アルキレン−(C3−C15)ヘテロ環の様な適切な基で一、二若しくは三置換され、ここで、アリール環又はヘテロ環は、無置換、又はF、Cl、Br、OH、CF3、NO2、CN、OCF3、O−(C1−C6)−アルキル、(C1−C6)−アルキル、N((C0−C4)−アルキレン−H)−(C0−C4)−アルキレン−H、N((C0−C4)−アルキレン−H)−(C0−C4)−アルキレン−H、N((C0−C4)アルキレン−H)−(C0−C4)アルキレン−H)−(C1−C6)シクロアルキル、N((C0−C4)アルキレン−H)−(C0−C4)アルキレン−(C6−C12)−アリール、N((C0−C4)アルキレン−H)−(C0−C4)アルキレン−(C3−C15)ヘテロ環、N((C0−C4)アルキレン−H)−CO−(C0−C4)アルキレン−(C6−C12)−アリール、N((C0−C4)アルキレン−H)−CO−(C0−C4)アルキル、N((C0−C4)アルキレン−H)−CO−(C0−C4)アルキレン−(C3−C13)シクロアルキル、N((C0−C4)アルキレン−H)−CO−(C0−C4)アルキレン−(C3−C15)ヘテロ環、N((C0−C4)アルキレン−H)−CO−O−(C0−C4)アルキレン−(C6−C12)−アリール、N((C0−C4)アルキレン−H)−CO−O−(C0−C4)アルキル、N((C0−C4)アルキレン−H)−CO−O−(C0−C4)アルキレン−(C3−C13)シクロアルキル、N((C0−C4)アルキレン−H)−CO−O−(C0−C4)アルキレン−(C3−C15)ヘテロ環、N((C0−C4)アルキレン−H)−CO−N((C0−C4)−アルキレン−H)−(C0−C4)アルキレン−(C6−C12)−アリール、N((C0−C4)アルキレン−H)−CO−N((C0−C4)−アルキレン−H)−(C0−C4)アルキル、N((C0−C4)アルキレン−H)−CO−N((C0−C4)−アルキレン−H)−(C0−C4)アルキレン−(C3−C13)シクロアルキル、N((C0−C4)アルキレン−H)−CO−N((C0−C4)−アルキレン−H)−(C0−C4)アルキレン−(C3−C15)ヘテロ環により一若しくは二置換され、ここで、アリール環又はヘテロ環は、無置換、又はF、Cl、Br、I、OH、CF3、NO2、CN、OCF3、O−(C1−C6)−アルキル、(C1−C6)−アルキル、N((C0−C4)−アルキレン−H)−(C0−C4)−アルキレン−H、SO2−CH3、COOH、COO−(C1−C6)−アルキル、SF5、CONH2により一若しくは二置換される。
【0029】
用語「オキソ残基」又は「=O」は、カルボニル(−C(O)−)、ニトロソ(−N=O)、スルフィニル(−SO−)又はスルホニル(−SO2−)の様な残基を意味する。
【0030】
ハロゲンは、フッ素、塩素、臭素又はヨウ素である。
【0031】
式Iの化合物に存在する光学活性の炭素原子は、互いに独立にR配置又はS配置を取ることができる。式Iの化合物は、純粋なエナンチオマー若しくは純粋なジアステレオマーの形態で、又はエナンチオマー及び/若しくはジアステレオマーの混合物の形態で、例えば、ラセミ体として存在することができる。本発明は、純粋なエナンチオマー及びエナンチオマーの混合物、並びに純粋なジアステレオマー及びジアステレオマーの混合物に関する。本発明は、式Iの化合物の2つ又はそれ以上の立体異性体の混合物を含み、そして混合物中に、あらゆる比率の立体異性体を含む。式Iの化合物がE異性体又はZ異性体(又はシス異性体若しくはトランス異性体)として存在し得る場合、本発明は、純粋なE異性体及び純粋なZ異性体の両者、並びにあらゆる比率におけるE/Z混合物に関する。本発明は、また式Iの化合物の全ての互変異性体をも含む。
【0032】
ジアステレオマーは、E/Z異性体を含めて、例えば、クロマトグラフィーにより、個々の異性体に分離することができる。ラセミ体は、通例の方法により、例えば、キラル相でのクロマトグラフィーにより、又は例えば光学活性な酸又は塩基を用いて得られるジアステレオマー塩の結晶化による分割により、2つのエナンチオマーに分離することができる。立体化学的に均一な式Iの化合物は、また立体化学的に均一な出発物質を用いて、又は立体選択的反応を用いて得ることも可能である。
【0033】
式Iの化合物は、ラセミ体、ラセミ混合物、純粋なエナンチオマー、ジアステレオマー及びジアステレオマーの混合物、並びに互変異性体の形態として存在することができる。本発明は、式Iの化合物のこれらの異性体及び互変異性体の形態の全てを包含する。これらの異性体の形態は、いくつかの場合は特に記載されていなくても、公知の方法により入手可能である。
【0034】
薬学的に許容される塩は、その水に対する溶解性が、元の化合物又は基本化合物のそれより大きいために、特に医学用途に適している。これらの塩は薬学的に許容されるアニオン又はカチオンを有していなければならない。本発明化合物の薬学的に許容される好適な酸付加塩は、塩酸、臭化水素酸、リン酸、メタリン酸、硝酸及び硫酸などの無機酸;及び、例えば、酢酸、ベンゼンスルホン酸、安息香酸、クエン酸、エタンスルホン酸、フマル酸、グルコン酸、グリコール酸、イセチオン酸、乳酸、ラクトビオン酸、マレイン酸、リンゴ酸、メタンスルホン酸、コハク酸、p−トルエンスルホン酸及び酒石酸などの有機酸の塩である。薬学的に許容される適切な塩基塩は、アンモニウム塩、アルカリ金属塩(ナトリウム及びカリウム塩など)、アルカリ土類金属塩(マグネシウム及びカルシウム塩など)及びトロメタモール(2アミノ−2−ヒドロキシメチル−1,3−プロパンジオール)、ジエタノールアミン、リシン、又はエチレンジアミンの塩である。
【0035】
薬学的に許容されないアニオンを有する塩、例えば、トリフルオロ酢酸塩は、薬学的に許容される塩の製造若しくは精製のための有用な中間体として、及び/又は非治療的な、例えばインビトロでの適用における使用のため、同様に本発明の範囲内に属する。
【0036】
本明細書で使われる用語「生理学的に機能性の誘導体」は、本発明の式Iの化合物のあらゆる生理学的に認容される誘導体、例えばエステルを意味し、それは例えばヒトなどの哺乳類へ投与した場合、式Iの化合物を又はその活性代謝物を生成することができる(直接的に又は間接的に)。
【0037】
生理学的に機能性の誘導体は、また、例えばH. Okada et al., Chem. Pharm. Bull. 1994, 42, 57-61に記載されているような、本発明の化合物のプロドラッグも含む。その様なプロドラッグは、生体内で本発明の化合物に代謝されることが可能である。これらのプロドラッグは、それ自身活性であっても非活性であっても良い。
【0038】
本発明の化合物は、また種々の多形の形態で、例えば非晶性の及び結晶性の多形体として存在することもできる。本発明の化合物のあらゆる多形の形態は本発明の範囲内に属し、そしてそれは本発明の更なる側面の1つである。
【0039】
これ以降の「式Iの化合物」の全ての言及は、上記の式Iの化合物及び本明細書に記載した、その塩、溶媒和物及び生理学的に機能性の誘導体を意味する。
【0040】
使用
本発明は、更に、PPARリガンドとしての式Iの化合物及びそれらの医薬組成物の使用に関する。本発明のPPARリガンドは、PPAR活性のモジュレーターとして適している。
【0041】
ペルオキシソーム増殖因子活性化受容体(PPAR)は、リガンドによって活性化され得る、核内ホルモン受容体の部類に属する転写因子である。3種のPPARアイソフォーム、PPARアルファ、PPARガンマ及びPPARデルタ(PPARベータに同じ)が存在し、これらは異なる遺伝子によってコードされる(ペルオキシソーム増殖因子活性化受容体(PPAR):構造、活性化のメカニズム及び多様な機能:Motojima K., Cell Struct Funct., 1993, 18(5), 267-77)。
【0042】
ヒトでは、PPARガンマは3つのバリアント、即ちPPARガンマ1、ガンマ2、及びガンマ3として存在し、これらはプロモーター及び異なったmRNAスプライシングのオルタナティブ使用の結果である。異なるPPARは異なる組織分布を有し、諸種の生理機能を調節する。PPARは多数の遺伝子の調節(regulation)の種々の局面(aspect)で重要な役割を果たしており、これらの遺伝子の産物は直接間接に脂質及び糖質代謝に大きく関与する。従って、例えば、PPARアルファ受容体は、肝臓の脂肪酸異化作用又はリポ蛋白質代謝の調節において重要な役割を担うが、PPARガンマは、例えば脂肪細胞分化の調節に大きく関与する。しかしながら、PPARは、また糖質又は脂質代謝に直接関連しないものを含む他の多くの生理学的プロセスの調節にも関与している。異なったPPARの活性は、種々の脂肪酸、脂肪酸誘導体及び合成化合物によって種々の程度に調節できる。機能、生理作用及び病態生理の関連レビューについては、以下を参照のこと:Berger, J. et al., Annu. Rev. Med., 2002, 53, 409-435; Wilson, T. et al., J. Med. Chem., 2000, 43 (4), 527-550; Kliewer, S. et al., Recent Prog Horm Res., 2001, 56, 239-63; Moller, D.E. and Berger, J.P., Int J Obes Relat Metab Disord., 2003, 27 Suppl 3, 17-21; Ram, V.J., Drugs Today, 2003, 39(8),609-32)。
【0043】
3つのPARアイソフォームのうち、PPARデルタの生理機能は長い間謎であった。PPARデルタの最初に提案された薬理学的役割は、コレステロールホメオスタシスの調節であった。多少選択的なPPARデルタリガンドL−165041が、糖尿病動物モデルで血漿コレステロールを上昇させることが示された(Berger J. et al., J.Biol.Chem., 1999, 274, 6718-6725; Leibowitz M.D.et al., FEBS Lett., 2000, 473(3), 333-336)。肥満のインスリン抵抗性アカゲザルでは、強力かつ選択的なPPARデルタリガンドGW501516がHDL−コレステロールを上昇させ、血漿LDL−コレステロール、トリグリセリド及びインスリンレベルを減少させる(Oliver, W. et al., Proc. Natl. Acad. Sci., 2001, 98, 5306-5361)。 二重PPARデルタ/PPARアルファ作動薬YM−16638は、アカゲザルとカニクイザルの血漿脂質を著しく低下させ(Goto、S. et al., Br. J. Pharm., 1996, 118,174-178) 、健常ボランティアの2週間臨床試験において同様に作用する (Shimokawa, T. et al., Drug Dev. Res., 1996, 38, 86-92)。
【0044】
最新の刊行物は、PPARデルタが異脂肪血症、インスリン抵抗性、2型糖尿病、アテローム性動脈硬化症及びシンドロームXの治療の重要なターゲットであることを明確に示している(Wang、Y-X. et al., Cell, 2003, 113, 159-170; Luquet, S. et al., FASEB J., 2003, 17, 209-226; Tanaka, T. et al., PNAS, 2003, 100, 15924-15929; Holst, D. et al., BioChem. Biophys. Acta, 2003, 1633, 43-50; Dressel, U. et al., Mol. Endocrin., 2003, 17, 2477-2493; Lee, C.H. et al., Science, 2003, 302, 453-457)。
【0045】
脂質、グルコース及びコレステロール代謝の調節因子としての作用の他に、PPARデルタは胚発生、着床(implantation)及び骨形成の役割を担っていることが知られている(Lim, H. and Dey, S.K., Trends Endocrinol Metab., 2000, 11(4), 137-42; Ding, N.Z et al. Mol Reprod Dev., 2003, 66(3), 218-24; Mano, H. et al., J Biol Chem., 2000, 275(11), 8126-32)。
【0046】
多数の刊行物は、PPARデルタが皮膚障害や創傷治癒においてその役割の証拠となるケラチン細胞の増殖と分化を誘導することを証明している(Di-Poi, N. et al., J Steroid Biochem Mol Biol, 2003, 85(2-5), 257-65; Tan, N.S. et al., Am J Clin Dermatol., 2003, 4(8), 523-30; Wahli, W., Swiss Med Wkly., 2002, 132(7-8), 83-91)。
【0047】
PPARデルタは、CNSに著しく発現しているようである;しかし、その機能の大部分は未だに解明されていない。しかし特に注目すべきは、PPARデルタがCNSの主要脂質産生細胞であるげっ歯類の乏突起膠細胞に発現したという発見である(J. Granneman, et al., J. Neurosci. Res., 1998、51、563-573)。更に、またPPARデルタ選択的作動薬が、マウス培養物において乏突起膠細胞ミエリン遺伝子発現とミエリン鞘の径を著しく増加させることが見出された(I. Saluja et al.,Glia, 2001, 33, 194-204)。このように、PPARデルタアクチベータは、脱髄疾患や髄鞘発育不全疾患の治療に寄与する可能性がある。MSや他の脱髄疾患の治療のためのペルオキシソーム増殖因子活性化受容体デルタ作動薬の使用は、WO第2005/097098号に記載のように示され得る。
【0048】
脱髄状態は、ミエリン−多くの神経線維をカバーする脂質と蛋白質の多重稠密層−の消失として現れる。これらの層は中枢神経系(CNS)の乏突起膠細胞、及び末梢神経系(PNS)のシュヴァン(Schawann)細胞によって与えられる。脱髄状態患者では、脱髄は非可逆的と考えられる;これは通常、軸索変性に、そしてしばしば細胞変性に随伴するか又は続いて起る。脱髄は、異常免疫反応、局所損傷、虚血、代謝異常、毒性物質のためであろうと、ウイルス感染のためであろうと神経障害又はミエリン自体への障害の結果として起こり得る(Prineas and McDonald, Demyelinating Diseases. In Greenfield's Neuropathology, 6.sup.th ed. (Edward Arnold: New York、1997) 813-811, Beers and Berkow, eds. The Merck Manual of Diagnosis and Therapy, 17.sup.th ed. (Whitehouse Station, N.J.: Merck Research Laboratories, 1999) 1299, 1437, 1473-76, 1483)。
【0049】
中枢性脱髄(CNSの脱髄)は、しばしば病因不明のいくつかの状態で起こり、原発性脱髄疾患として知られるようになった。これらのうち、多発性硬化症(MS)が最も優勢である。他の原発性脱髄疾患として、副腎脳白質ジストロフィー(ALD)、副腎脊髄ニューロパシー、AIDS空胞性ミエロパシー、HTLV関連ミエロパシー、レーバー(Leber)遺伝性視神経萎縮、進行性多病巣性白質脳症(PML)、亜急性硬化性汎脳炎、ギラン・バレー症候群及び熱帯性痙性不全対麻痺が挙げられる。加えて、脱髄がCNSに起こり得る急性状態、例えば急性播種性脳脊髄炎(ADEM)及び急性ウイルス性脳脊髄炎がある。更に、原因不明の急性脊髄離断(トランセクション)が1つ又はそれ以上の隣接胸分節において、灰白質又は白質を冒す症候群として急性横断性脊髄炎も脱髄をもたらす可能性がある。また脊髄損傷、ニューロパシー及び神経損傷を含むミエリン形成グリア細胞が損傷される障害も同様である。
【0050】
本発明は、PPARの活性、特にPPARデルタ及びPPARアルファの活性調節に適する式Iの化合物に関する。調節プロファイルに応じて、式Iの化合物は、以下に記載の適応症の治療、コントロール及び予防、更にそれらに関連する多くの他の薬物適用に適している(例えば、以下を参照:Berger、J., et al., Annu. Rev. Med., 2002, 53, 409-435; Wilson, T. et al., J. Med. Chem., 2000, 43(4), 527-550; Kliewer, S. et al., Recent Prog Horm Res., 2001, 56, 239-63; Fruchart, J.C. et al., 2001, Pharmacological Research, 44(5), 345-52; Kersten, S. et al., Nature, 2000, 405, 421-424; Torra, I.P. et al., Curr Opin Lipidol, 2001, 12, 245-254)。
【0051】
このタイプの化合物は、以下の治療及び/又は予防に特に適している。
1.−脂肪酸代謝及びグルコース利用障害
−インスリン抵抗性が関与する障害
2.関連する続発症の予防を含む糖尿病、特に2型糖尿病
これに関連する特別な側面として:
−高血糖症
−インスリン抵抗性の改善
−耐糖能の改善
−膵臓β細胞の保護
−微小及び大血管障害の予防
3.異脂肪血症及びその続発症、例えばアテローム性動脈硬化症、冠動脈心疾患、脳血管障害等、特に以下の1つ又はそれ以上の因子で特徴付けられるもの(これに限定されないが):
−高血漿トリグリセリド濃度、高い食後の血漿トリグリセリド濃度
−低HDLコレステロール濃度
−低アポAリポ蛋白濃度
−高LDLコレステロール濃度
−小さい高密度LDLコレステロール粒子
−高アポBリポ蛋白濃度
4.以下のようなメタボリックシンドロームに関連する可能性のある他の種々の状態:
−中心性肥満を含む肥満(過剰体重)
−血栓症、凝固能亢進性の及び血栓形成前の状態(動脈と静脈の)
−高血圧
−例えば(これに限定されないが)、心筋梗塞、高血圧性心疾患又は心筋症後の心不全
5.炎症反応が関与する障害又は状態:
−例えば(これに限定されないが)、狭心症又は心筋梗塞を含む冠動脈硬化症、卒中などのアテローム性動脈硬化症
−血管再狭窄又は再閉塞
−例えば、Crohn病や潰瘍性大腸炎などの慢性炎症性腸疾患
−喘息
−エリテマトーデス(LE)、又は例えば関節リウマチなどの炎症性リウマチ障害
−他の炎症状態
6.細胞周期又は細胞分化プロセスの障害:
−脂肪細胞腫瘍
−例えば、脂肪肉腫などの脂肪腫性カルシノーマ
−例えば(これに限定されないが)、消化管、肝臓、胆管及び膵臓の癌腫、内分泌腫瘍、肺、腎臓と尿路、生殖管の癌腫、前立腺癌腫などの固形腫瘍及び新生物
−急性及び慢性骨髄増殖性疾患、並びにリンパ腫
−血管新生
7.下記を含む中枢及び末梢神経系の脱髄疾患及び他の神経変性障害:
−アルツハイマー病
−多発性硬化症
−パーキンソン病
−副腎脳白質ジストロフィー(ALD)
−副腎脊髄神経障害
−AIDS空胞性ミエロパシー
−HTLV関連ミエロパシー
−レーバー遺伝性視神経萎縮
−進行性多病巣性白質脳障害(PML)
−亜急性硬化性汎脳炎
−ギラン−バレー症候群
−熱帯性痙性不全対麻痺
−急性播種性脳脊髄炎(ADEM)
−急性ウイルス性脳脊髄炎
−急性横断性脊髄炎
−脊髄及び脳外傷
−シャルコー−マリー−ツース病
8.皮膚障害及び/又は創傷治癒プロセスの障害:
−例えば、乾癬などの紅斑落屑性皮膚疾患
−尋常性座瘡
−PPARによって調節される他の皮膚障害及び皮膚病変
−湿疹及び神経皮膚炎
−例えば、脂漏性皮膚炎又は光線皮膚炎などの皮膚炎
−例えば、脂漏性角化症、老年性角化症、光線角化症、光誘起性角化症又は毛包性角化症などの角膜炎及び角化症
−ケロイドとケロイド予防
−コンジローム又は尖圭コンジロームを含むいぼ
−例えば、性病性乳頭腫などのヒトパピローマウイルス(HPV)感染、及び例えば伝染性軟属腫、白斑症などのウイルス性いぼ
−例えば、扁平苔癬などの丘疹性皮膚疾患
−例えば、基底細胞がん、黒色腫又は皮膚T細胞リンパ腫などの皮膚がん
−例えば、角皮症、表皮母斑などの限局性良性表皮性腫瘍
−凍瘡
−創傷治癒
9.他の障害:
−高血圧
−膵臓炎
−シンドロームX
−多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)
−喘息
−変形性関節症
−例えば、関節リウマチなどのエリトマトーデス(LE)又は炎症性リウマチ障害
−脈管炎
−るいそう(悪液質)
−痛風
−虚血/再潅流症候群
−急性呼吸窮迫症候群(ARDS)
【0052】
製剤
望ましい生物学的効果を達成するために必要な式Iの化合物の量は、例えば、選択した特定の化合物、使用目的、投与様式及び患者の臨床状態など多くの要因に依存する。日用量は、一般的に一日につき、体重kg当り0.001mgから100mg(通常0.01mgから50mg)、例えば、0.1から10mg/kg/日である。静脈内用量は、例えば0.001mgから1.0mg/kgの範囲であり、10ngから100ng/kg・分で注入により適切に投与することができる。その目的のための適切な注入液剤は、例えば0.1ngから10mg/ml、通常1ngから10mg/mlを含有する。単回投与剤は、例えば1mgから10gの有効成分を含有する。従って、注射用アンプルは、例えば1mgから100mgを含有し、そして経口投与可能な単回投与製剤、例えばカプセル及び錠剤は、例えば0.05から1000mg、通常は0.5から600mgを含有する。上記の状態の治療のために、式Iの化合物は、化合物それ自体で使用することもできるが、許容される担体を用いた医薬組成物の形態が好ましい。担体は、勿論組成物の他の成分と適合性があり、そして患者の健康に有害ではないという意味で許容可能でなければならない。この担体は、固体若しくは液体、又はその両者であり、単回投与として、例えば、0.05質量%から95質量%の有効成分を含有する錠剤として、本化合物と製剤化することが好ましい。式Iの他の化合物を含め、他の薬学的活性物質も同様に存在してよい。本発明の医薬組成物は、本質的にその成分を薬理学的許容担体及び/又は添加剤と混合することからなる、既知の製薬方法の1つによって製造することができる。
【0053】
本発明の医薬組成物は、経口、直腸、局所、口腔(peroral)(例えば舌下)及び非経口(例えば、皮下、筋肉内、皮内又は静脈内)投与に適しているものであるが、最適投与様式は、各個体の症例において治療すべき状態の性質と重症度、及び各症例で使用される式Iの化合物の性質に依存する。被覆製剤及び被覆徐放性製剤も、本発明のフレームワークの範囲に属する。酸性及び耐胃液性製剤が好ましい。適切な耐胃液性の被覆剤は、セルロースアセテートフタレート、ポリビニルアセテートフタレート、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート、並びにメタクリル酸及びメタクリル酸メチルのアニオン性ポリマーを含む。
【0054】
経口投与に適する医薬製剤は、例えば、カプセル剤、カシェ剤、サッカブル(suckable)錠剤又は錠剤などの別個の単位の形態であり、各製剤は、規定量の式Iの化合物を、粉末又は顆粒として;水系又は非水液体中の溶液又は懸濁液として;又は水中油若しくは油中水エマルションとして含有する。これらの組成物は、既に記載したように、有効成分と担体(1つ又はそれ以上の添加成分から構成され得る)を接触させる工程を含む適切な製剤方法によって調剤されてよい。組成物は、一般的に、有効成分を、液体及び/又は微粉化固体担体と一様かつ均一に混合することによって製造され、必要に応じて、その後生成物は成形される。従って、例えば、錠剤は、化合物の粉末又は顆粒を、必要により1つ又はそれ以上の追加成分と共に、圧縮又は成型することによって製造することができる。圧縮した錠剤は、例えば、粉末又は顆粒などの自由流動形態の化合物を、必要により結合剤、流動促進剤、不活性希釈剤及び/又は1つ(又はそれ以上)の界面活性剤/分散剤と、適切な機械で混合して打錠することによって製造することができる。湿製錠剤は、粉末状態にあって粉末形態であり不活性液体希釈剤で加湿した化合物を、適切な機械で成型することによって製造することができる。
【0055】
口腔(舌下)投与に適した医薬組成物は、矯味矯臭剤、通常蔗糖及びアラビアゴム又はトラガントガムと共に式Iの化合物を含むサッカブル錠剤、並びにゼラチン及びグリセリン又は蔗糖及びアラビアゴムのような不活性基剤中にこの化合物を含むパステル剤(pastilles)を含む。
【0056】
非経口投与に適した医薬組成物は、好ましくは式Iの化合物の滅菌水性製剤を含み、これは用いられる予定のレシピエントの血液と等張であることが望ましい。これらの製剤は静脈内投与が望ましいが、投与はまた皮下、筋肉内又は皮内注射で行なってもよい。これらの製剤は、好ましくは本化合物と水を混合し、得られた溶液を滅菌し血液と等張にすることによって製造することができる。本発明の注射用組成物は、一般的に0.1から5質量%の活性化合物を含有する。
【0057】
直腸投与に適した医薬組成物は、単回投与坐剤の形態が好ましい。これらは、式Iの化合物を1つ又はそれ以上の従来の固体担体、例えばカカオ脂などと混合し、得られる混合物を成形することによって製造することができる。
【0058】
皮膚への局所使用に適した医薬組成物は、軟膏、クリーム、ローション、パスタ、スプレー、エアゾール又はオイルの形態が好ましい。使用可能な担体はワセリン、ラノリン、ポリエチレングリコール類、アルコール類及び2つ又はそれ以上のこれらの物質の組合せである。有効成分は、一般的に組成物に対して0.1から15質量%の濃度、例えば0.5から2質量%で存在する。
【0059】
経皮投与も、また可能である。経皮使用に適した医薬組成物は、患者の表皮と長期間密接に接触させるのに適した単一プラスターの形態であり得る。このようなプラスターは、水溶液中に有効成分を適切に含有し、この水溶液は、必要により緩衝化され、接着剤中に溶解及び/若しくは分散されるか、又はポリマー中に分散される。適切な有効成分濃度は、約1%から35%、好ましくは3%から15%である。特別な可能性として、有効成分が、例えば、Pharmaceutical Research, 2(6): 368 (1986) に記載のエレクトロトランスポート又はイオントフォレシスによって放出しようとするものがある。
【0060】
式Iの化合物は、代謝障害に対する好ましい効果によって区別される。これらは脂質と糖代謝に有益な影響を与え、特にトリグリセリドレベルを低下させ、そしてII型糖尿病及びアテローム性動脈硬化症、並びにそれらの多様な続発症の予防と治療に適している。
【0061】
他の薬剤との併用
本発明の化合物は、単独で、又は1つ若しくはそれ以上の更なる薬理活性物質と組み合わせて投与することができる。特に、本発明の化合物は、類似の薬理作用を有する有効成分と組み合わせて投与することができる。例えば、これらは代謝障害又はそれと高頻度に併発する障害に対して、好ましい効果を有する有効成分と組み合わせて投与することができる。
このような薬剤の例は:
1.血糖を降下させる薬剤、抗糖尿病薬、
2.異脂肪血症の治療用の有効成分、
3.抗アテローム性動脈硬化性の薬剤、
4.抗肥満剤、
5.抗炎症性有効成分、
6.悪性腫瘍治療用の有効成分、
7.抗血栓性有効成分、
8.高血圧の治療用の有効成分、
9.心不全の治療用の有効成分、及び
10.糖尿病に起因する又は糖尿病に随伴する合併症の治療及び/又は予防用の有効成分、
11.神経変性疾患の治療用の有効成分、
12.中枢神経系障害の治療用の有効成分、
13.薬物、ニコチン及びアルコール依存症の治療用の有効成分、
14.鎮痛薬、
である。
【0062】
それらは、特に活性の相乗的増強のために、本発明の式Iの化合物と組み合わせることができる。有効成分組み合わせ物の投与は、患者に対して有効成分を別々に投与することによるか、又は複数の有効成分を1つの医薬製剤に存在させる組み合わせ製品の形態で実施することができる。
【0063】
配合剤に特に適切な更なる有効成分は:
Rote Liste 2006, Chapter 12に記載の全ての抗糖尿病薬;Rote Liste 2006, Chapter 1に記載の全ての減量薬/食欲抑制薬;Rote Liste 2006, Chapter 58に記載の全ての脂質低下薬である。これらは、特に活性の相乗的増強のために、本発明の式Iの化合物と組み合わせることができる。この活性化合物組み合わせは、患者に対して活性化合物を別々に投与することによるか、又は複数の活性化合物が1つの医薬製剤に存在する配合剤の形態で投与することができる。以下に記載の活性化合物の大部分は、USP Dictionary of USAN and International Drug Names, US Pharmacopeia, Rockville 2001に記載されている。
【0064】
抗糖尿病薬としては、例えば、Lantus(登録商標)(www.lantus.com参照)又は HMR1964、又はWO第2005005477号(Novo Nordisk)に記載のものなどのインスリン及びインスリン誘導体;速効性インスリン(USP第6,221,633号参照);例えば、Exubera(登録商標)のような吸入可能なインスリン;又は例えばIN−105(Nobex)若しくは Oral-lynTM(Generex Biotechnology)などの経口インスリン;例えば、エクセナチド(Exenatide)、リラグルチド(Liraglutide)、又はNovo Nordisk A/SによるWO第98/08871号若しくはWO第2005027978号、ZealandによるWO第01/04156号、又はBeaufour-IpsenによるWO第00/34331号に開示のものなどのGLP−1誘導体;酢酸プラムリンチド(Symlin; Amylin Pharmaceuticals);及び更に経口で有効な血糖降下有効成分が挙げられる。
【0065】
活性化合物としては、好ましくは:
スルホニル尿素類、
ビグアニジン類、
メグリチニド類、
オキサジアゾリジンジオン類、
チアゾリジンジオン類、
グルコシダーゼ阻害剤、
グリコーゲンホスホリラーゼ阻害剤、
グルカゴン拮抗薬、
グルコキナーゼアクチベーター、
フルクトース−1,6−ビスホスファターゼの阻害剤、
グルコーストランスポーター4(GLUT4)のモジュレーター、
グルタミン:フルクトース−6−リン酸アミドトランスフェラーゼ(GFAT)の阻害剤、
GLP−1作動薬、
カリウムチャンネル開口薬、例えば、Novo Nordisk A/SによるWO第97/26265号及びWO第99/03861号に開示されているもの、
ジペプチジルペプチダーゼIV(DPP−IV)の阻害剤、
インスリン感受性増強剤、
糖新生及び/又はグリコーゲン分解の刺激に関与する肝臓酵素の阻害剤、
グルコース取込み、グルコース輸送及びグルコース逆吸収(backresorption)のモジュレーター、
11β−HSD1の阻害剤、
蛋白質チロシンホスファターゼ1B(PTP1B)の阻害剤、
ナトリウム/グルコース共輸送体1又は2(SGLT1、SGLT2)のモジュレーター、
抗高脂血症性有効成分や抗脂血有効成分などの脂質代謝を変える化合物、
食物取込みと食物吸収を低下させる化合物、
熱発生を増加させる化合物、
PPARとPXRモジュレーター、及び
ベータ細胞のATP依存性カリウムチャンネルに作用する有効成分、
が挙げられる。
【0066】
本発明の1つの実施態様において、式Iの化合物は、例えば、シンバスタチン、フルバスタチン、プラバスタチン、ロバスタチン、アトルバスタチン、セリバスタチン、ロスバスタチン又はL−659699などのHMGレダクターゼ阻害剤と組み合わせて投与される。
【0067】
本発明の1つの実施態様において、式Iの化合物は、例えば、エゼチミブ、チクエシド、パマクエシド、FM−VP4(シトスタノール/リン酸カンペステロールアスコルビル;Forbes Medi-Tech によるWO第2005042692号)、MD−0727(Microbia Inc. によるWO第2005021497号)などのコレステロール吸収阻害剤、又はWO第2002066464号(Kotobuki Pharmaceutical Co. Ltd.)、WO第2005062824号(Merck & Co.)、若しくはWO第2005061451号及びWO第2005061452号(AstraZeneca AB)に記載の化合物と組み合わせて投与される。
【0068】
本発明の1つの実施態様において、式Iの化合物は、例えば、ロシグリタゾン、ピオグリタゾン、JTT−501、GI262570、R−483又はCS−011(リボグリタゾン)などのPPARガンマ作動薬と組み合わせて投与される。
【0069】
本発明の1つの実施態様において、式Iの化合物は、例えば、GW9578、GW−590735、K−111、LY−674、KRP−101又はDRF−10945などのPPARアルファ作動薬と組み合わせて投与される。
【0070】
本発明の1つの実施態様において、式Iの化合物は、例えば、ムラグリタザル、テサグリタザル、ナベグリタザル、LY−510929、ONO−5129、E−3030、又はWO第00/64888号、WO第00/64876号、WO第03/020269号、WO第2004075891号、WO第2004076402号、WO第2004075815号、WO第2004076447号、WO第2004076428号、WO第2004076401号、WO第2004076426号、WO第2004076427号、WO第2006018118号、WO第2006018115号及びWO第2006018116号;又はJ.P. Berger et al., TRENDS in Pharmacological Sciences 28(5), 244-251, 2005に記載の混合PPARアルファ/ガンマ作動薬と組み合わせて投与される。
【0071】
本発明の1つの実施態様において、式Iの化合物は、例えば、GW−501516又はWO第2005097762号、WO第2005097786号、WO第2005097763号及びWO第2006029699号に記載のPPARデルタ作動薬と組み合わせて投与される。
【0072】
本発明の1つの実施態様において、式Iの化合物は、メタグリダセンと、又はMBX−2044若しくは他のPPARガンマ部分作動薬/拮抗薬と組み合わせて投与される。
【0073】
本発明の1つの実施態様において、式Iの化合物は、例えば、フェノフィブラート、クロフィブラート又はベザフィブラートなどのフィブラートと組み合わせて投与される。
【0074】
本発明の1つの実施態様において、式Iの化合物は、例えば、インプリタピド、BMS−201038、R−103757又はWO第2005085226号に記載のものなどのMTP阻害剤と組み合わせて投与される。
【0075】
本発明の1つの実施態様において、式Iの化合物は、例えば、トルセトラピブ又はJTT−705などのCETP阻害剤と組み合わせて投与される。
【0076】
本発明の1つの実施態様において、式Iの化合物は、例えば、HMR1741又はDE第10 2005 033099.1号及びDE第10 2005 033100.9号に記載のものなどの胆汁酸吸収阻害剤(例えば、USP第6,245,744号、USP第6,221,897号又はWO第00/61568号参照)と組み合わせて投与される。
【0077】
本発明の1つの実施態様において、式Iの化合物は、例えば、コレスチラミン又はコレセベラムなどの重合体の胆汁酸吸着剤と組み合わせて投与される。
【0078】
本発明の1つの実施態様において、式Iの化合物は、例えば、HMR1171、HMR1586又はWO第2005097738号に記載のものなどのLDL受容体誘導剤(USP第6,342,512号参照)と組み合わせて投与される。
【0079】
本発明の1つの実施態様において、式Iの化合物は、例えば、Omacor(登録商標)(オメガ−3脂肪酸類;高濃縮のエイコサペンタエン酸及びドコサヘキサエン酸のエチルエステル)と組み合わせて投与される。
【0080】
本発明の1つの実施態様において、式Iの化合物は、例えば、アバシミブ(avasimibe)などのACAT阻害剤と組み合わせて投与される。
【0081】
本発明の1つの実施態様において、式Iの化合物は、例えば、OPC−14117、プロブコール、トコフェロール、アスコルビン酸、β−カロチン又はセレンなどの抗酸化剤と組み合わせて投与される。
【0082】
本発明の1つの実施態様において、式Iの化合物は、例えば、ビタミンB6又はビタミンB12などのビタミンと組み合わせて投与される。
【0083】
本発明の1つの実施態様において、式Iの化合物は、例えば、イブロリピム(NO−1886)などのリポ蛋白質リパーゼモジュレーターと組み合わせて投与される。
【0084】
本発明の1つの実施態様において、式Iの化合物は、例えば、SB−204990などのATPクエン酸リアーゼ阻害剤と組み合わせて投与される。
【0085】
本発明の1つの実施態様において、式Iの化合物は、例えば、BMS−188494又はWO第2005077907号に記載のスクアレンシンターゼ阻害剤と組み合わせて投与される。
【0086】
本発明の1つの実施態様において、式Iの化合物は、例えば、ゲムカベン(gemcabene)(CI−1027)などのリポ蛋白質(a)拮抗薬と組み合わせて投与される。
【0087】
本発明の1つの実施態様において、式Iの化合物は、例えば、ニコチン酸などのHM74A受容体作動薬と組み合わせて投与される。
【0088】
本発明の1つの実施態様において、式Iの化合物は、例えば、オルリスタット又はセチリスタット(ATL−962)などのリパーゼ阻害剤と組み合わせて投与される。
【0089】
本発明の1つの実施態様において、式Iの化合物は、インスリンと組み合わせて投与される。
【0090】
本発明の1つの実施態様において、式Iの化合物は、例えば、トルブタミド、グリベンクラミド、グリピジド又はグリメピリドなどのスルホニル尿素と組み合わせて投与される。
【0091】
本発明の1つの実施態様において、式Iの化合物は、例えば、メトホルミンなどのビグアニドと組み合わせて投与される。
【0092】
本発明の別の実施態様において、式Iの化合物は、例えば、レパグリニド又はナテグリニドなどのメグリチニドと組み合わせて投与される。
【0093】
本発明の1つの実施態様において、式Iの化合物は、例えば、トログリタゾン、シグリタゾン、ピオグリタゾン、ロシグリタゾン又はDr. Reddy's Research FoundationによるWO第97/41097号に開示されている化合物、特に5−[[4−[(3,4−ジヒドロ−3−メチル−4−オキソ−2−キナゾリニルメトキシ]−フェニル]メチル]−2,4−チアゾリジンジオンなどのチアゾリジンジオンと組み合わせて投与される。
【0094】
本発明の1つの実施態様において、式Iの化合物は、例えば、ミグリトール又はアカルボースなどのα−グルコシダーゼ阻害剤と組み合わせて投与される。
【0095】
本発明の1つの実施態様において、式Iの化合物は、例えば、トルブタミド、グリベンクラミド、グリピジド、グリメピリド又はレパグリニドなどのベータ細胞のATP依存性カリウムチャンネルに作用する有効成分と組み合わせて投与される。
【0096】
本発明の1つの実施態様において、式Iの化合物は、上記化合物の2つ以上と組み合わせて、例えば、スルホニル尿素とメトホルミン、スルホニル尿素とアカルボース、レパグリニドとメトホルミン、インスリンとスルホニル尿素、インスリンとメトホルミン、インスリンとトログリタゾン、インスリンとロバスタチンなどと組み合わせて投与される。
【0097】
本発明の1つの実施態様において、式Iの化合物は、例えば、PSN−357又はFR第258900、又はWO第2003084922号、WO第2004007455号、WO第2005073229−31号若しくはWO第2005067932号に記載のものなどのグリコーゲンホスホリラーゼの阻害剤と組み合わせて投与される。
【0098】
本発明の1つの実施態様において、式Iの化合物は、例えば、A−770077、NNC−25−2504、又はWO第2004100875号若しくはWO第2005065680号におけるようなグルカゴン受容体拮抗薬と組み合わせて投与される。
【0099】
本発明の1つの実施態様において、式Iの化合物は、例えば、RO−4389620、LY−2121260(WO第2004063179号)、PSN−105、PSN−110、GKA−50、又は例えばProsidionによるWO第2004072031号、W
O第2004072066号、WO第05103021号若しくはWO第06016178号に記載のもの、RocheによるWO第00058293号、WO第00183465号、WO第00183478号、WO第00185706号、WO第00185707号、WO第01044216号、GB02385328号、WO第02008209号、WO第02014312号、WO第0246173号、WO第0248106号、DE第10259786号、WO第03095438号、US第04067939号若しくはWO第04052869号に記載のもの、Novo NordiskによるEP第1532980号、WO第03055482号、WO第04002481号、WO第05049019号、WO第05066145号若しくはWO第05123132号に記載のもの、Merck/BanyuによるWO第03080585号、WO第03097824号、WO第04081001号、 WO第05063738号若しくはWO第05090332号に記載のもの、Eli LillyによるWO第04063194号に記載のもの、又はAstra ZenecaによるWO第01020327号、WO第03000262号、WO第03000267号、WO第03015774号、WO第04045614号、WO第04046139号、WO第05044801号、WO第05054200号、WO第05054233号、WO第05056530号、WO第05080359号、WO第05080360号若しくはWO第05121110号に記載のものなどの、グルコキナーゼの活性化剤と組み合わせて投与される。
【0100】
本発明の1つの実施態様において、式Iの化合物は、例えば、FR第225654号などの糖新生の阻害剤と組み合わせて投与される。
【0101】
本発明の1つの実施態様において、式Iの化合物は、例えば、CS−917などのフルクトース−1,6−ビスホスファターゼ(FBPアーゼ)の阻害剤と組み合わせて投与される。
【0102】
本発明の1つの実施態様において、式Iの化合物は、例えば、KST−48 (D.-O. Lee et al.: Arzneim.-Forsch. Drug Res. 54 (12), 835 (2004)) などのグルコーストランスポーター4(GLUT4)のモジュレーターと組み合わせて投与される。
【0103】
本発明の1つの実施態様において、式Iの化合物は、例えば、WO第2004101528号に記載のグルタミン:フルクトース−6−リン酸アミドトランスフェラーゼ(GFAT)の阻害剤と組み合わせて投与される。
【0104】
本発明の1つの実施態様において、式Iの化合物は、例えば、ビルダグリプチン(LAF−237)、シタグリプチン(MK−0431)、サクサグリプチン(BMS−477118)、GSK−823093、PSN−9301、SYR−322、SYR−619、TA−6666、TS−021、GRC−8200、GW−825964X、又はWO第2003074500号、WO第2003106456号、WO第200450658号、WO第2005058901号、WO第2005012312号、WO第2005/012308号、PCT/EP2005/007821号、PCT/EP2005/008005号、PCT/EP2005/008002号、PCT/EP2005/008004号、PCT/EP2005/008283号、DE第10 2005 012874.2号若しくはDE第10 2005 012873.4号に記載のものなどの、ジペプチジルペプチダーゼIV(DPP−IV)の阻害剤と組み合わせて投与される。
【0105】
本発明の1つの実施態様において、式Iの化合物は、例えば、BVT−2733、又は例えばWO第200190090−94号、WO第200343999号、WO第2004112782号、WO第200344000号、WO第200344009号、WO第2004112779号、WO第2004113310号、WO第2004103980号、WO第2004112784号、WO第2003065983号、WO第2003104207号、WO第2003104208号、WO第2004106294号、WO第2004011410号、WO第2004033427号、WO第2004041264号、WO第2004037251号、WO第2004056744号、WO第2004065351号、WO第2004089367号、WO第2004089380号、WO第2004089470−71号、WO第2004089896号、WO第2005016877号若しくはWO第2005097759号に記載のものなどの、11−ベータ−ヒドロキシステロイドデヒドロゲナーゼ−1(11β−HSD1)の阻害剤と組み合わせて投与される。
【0106】
本発明の1つの実施態様において、式Iの化合物は、例えば、WO第200119830−31号、WO第200117516号、WO第2004506446号、WO第2005012295号、PCT/EP2005/005311号、PCT/EP2005/005321号、PCT/EP2005/007151号、PCT/EP2005/号若しくはDE第10 2004 060542.4号に記載の、蛋白質チロシンホスファターゼ1B(PTP1B)の阻害剤と組み合わせて投与される。
【0107】
本発明の1つの実施態様において、式Iの化合物は、例えば、KGA−2727、T−1095及びSGL−0010、又は例えばWO第2004007517号、WO第200452903号、WO第200452902号、WO第2005121161号、WO第2005085237号、JP第2004359630号若しくはA. L. Handlon による Expert Opin. Ther. Patents (2005) 15(11), 1531-1540に記載のナトリウム/グルコース共輸送体1若しくは2(SGLT1、SGLT2)のモジュレーターと組み合わせて投与される。
【0108】
本発明の1つの実施態様において、式Iの化合物は、例えば、WO第01/17981号、WO第01/66531号、WO第2004035550号、WO第2005073199号又はWO第03/051842号に記載のものなどの、ホルモン感受性リパーゼ(HSL)の阻害剤と組み合わせて投与される。
【0109】
本発明の1つの実施態様において、式Iの化合物は、例えば、WO第199946262号、WO第200372197号、WO第2003072197号又はWO第2005044814号に記載のものなどの、アセチル−CoAカルボキシラーゼ(ACC)の阻害剤と組み合わせて投与される。
【0110】
本発明の1つの実施態様において、式Iの化合物は、例えば、WO第2004074288号に記載のものなどの、ホスホエノールピルビン酸カルボキシキナーゼ(PEPCK)の阻害剤と組み合わせて投与される。
【0111】
本発明の1つの実施態様において、式Iの化合物は、例えば、US第2005222220号、WO第2004046117号、WO第2005085230号、WO第2005111018号、WO第2003078403号、WO第2004022544号、WO第2003106410号、WO第2005058908号、US第2005038023号、WO第2005009997号、US第2005026984号、WO第2005000836号、WO第2004106343号、EP第1460075号、WO第2004014910号、WO第2003076442号、WO第2005087727号又はWO第2004046117号に記載のものなどの、グリコーゲンシンターゼキナーゼ−3ベータ(GSK−3ベータ)の阻害剤と組み合わせて投与される。
【0112】
本発明の1つの実施態様では、式Iの化合物は、例えば、ルボキシスタウリンなどの蛋白質キナーゼCベータ(PKCベータ)の阻害剤と組み合わせて投与される。
【0113】
本発明の1つの実施態様において、式Iの化合物は、例えば、アボセンタン(avosentan)(SPP−301)などのエンドセリン−A受容体拮抗薬と組み合わせて投与される。
【0114】
本発明の1つの実施態様において、式Iの化合物は、例えば、WO第2001000610号、WO第2001030774号、WO第2004022553号又はWO第2005097129号に記載のものなどの「I−カッパBキナーゼ」の阻害剤(IKK阻害剤)と組み合わせて投与される。
【0115】
本発明の1つの実施態様において、式Iの化合物は、例えば、WO第2005090336号に記載のグルココルチコイド受容体のモジュレーターと組み合わせて投与される。
【0116】
本発明の更なる実施態様において、式Iの化合物は、以下の物質:
CARTモジュレーター(「コカイン−アンフェタミン制御転写産物はマウスにおいてエネルギー代謝、不安及び胃内容排出に影響する」、 Asakawa, A. et al.: Hormone and Metabolic Research (2001), 33(9), 554-558参照);
NPY拮抗薬、例えば、{4−[(4−アミノキナゾリン−2−イルアミノ)メチル]シクロヘキシルメチル}ナフタレン−1−スルホンアミド塩酸塩(CGP71683A)など;
ペプチドYY3−36(PYY3−36)又は類似化合物、例えば、CJC−1682(Cys34を介してヒト血清アルブミンと接合したPYY3−36)、CJC−1643(血清アルブミンにインビボで接合するPYY3−36の誘導体)又はWO第2005080424号に記載のものなど;
カンナビノイド受容体1拮抗薬、例えば、リモナバント、SR147778、又は、例えば、EP第0656354号、WO第00/15609号、WO第02/076949号、WO第2005080345号、WO第2005080328号、WO第2005080343号、WO第2005075450号、WO第2005080357号、WO第200170700号、WO第2003026647−48号、WO第200302776号、WO第2003040107号、WO第2003007887号、WO第2003027069号、USP第6,509,367号、WO第200132663、WO第2003086288号、WO第2003087037号、WO第2004048317号、WO第2004058145号、WO第2003084930号、WO第2003084943号、WO第2004058744号、WO第2004013120号、WO第2004029204号、WO第2004035566号、WO第2004058249号、WO第2004058255号、WO第2004058727号、WO第2004069838号、US第20040214837号、US第20040214855号、US第20040214856号、WO第2004096209号、WO第2004096763号、WO第2004096794号、WO第2005000809号、WO第2004099157号、US第20040266845号、WO第2004110453号、WO第2004108728号、WO第2004000817号、WO第2005000820号、US第20050009870号、WO第200500974号、WO第2004111033−34号、WO第200411038−39号、WO第2005016286号、WO第2005007111号、WO第2005007628号、US第20050054679号、WO第2005027837号、WO第2005028456号、WO第2005063761−62号、WO第2005061509号若しくはWO第2005077897号に記載のものなど;
【0117】
MC4作動薬(例えば、[2−(3a−ベンジル−2−メチル−3−オキソ−2,3,3a,4,6,7−ヘキサヒドロ−ピラゾロ[4,3−c]ピリジン−5−イル)−1−(4−クロロフェニル)−2−オキソエチル]−1−アミノ−1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフタレン−2−カルボキサミド(WO第01/91752号))、又はLB53280、LB53279、LB53278若しくはTHIQ、MB243、RY764、CHIR−785、PT−141、又はWO第2005060985号、WO第2005009950号、WO第2004087159号、WO第2004078717号、WO第2004078716号、WO第2004024720号、US第20050124652号、WO第2005051391号、WO第2004112793号、WOUS第20050222014号、US第20050176728号、US第20050164914号、US第20050124636号、US第20050130988号、US第20040167201号、WO第2004005324号、WO第2004037797号、WO第2005042516号、WO第2005040109号、WO第2005030797号、US第20040224901号、WO第200501921号、WO第200509184号、WO第2005000339号、EP第1460069号、WO第2005047253号、WO第2005047251号、EP第1538159号、WO第2004072076号、WO第2004072077号若しくはWO第2006024390号に記載のもの;
【0118】
オレキシン受容体拮抗薬(例えば、1−(2−メチルベンゾオキサゾール−6−イル)−3−[1,5]ナフチリジン−4−イル尿素塩酸塩(SB−334867−A)、又は例えばWO第200196302号、WO第200185693号、WO第2004085403号若しくはWO第2005075458号に記載のもの);
ヒスタミンH3受容体作動薬(例えば、3−シクロヘキシル−1−(4,4−ジメチル−1,4,6,7−テトラヒドロイミダゾ[4,5−c]ピリジン−5−イル)−プロパン−1−オンシュウ酸塩(WO第00/63208号)又はWO第200064884号、WO第2005082893号に記載のもの);
CRF拮抗薬(例えば、[2−メチル−9−(2,4,6−トリメチルフェニル)−9H−1,3,9−トリアザフルオレン−4−イル]ジプロピルアミン(WO第00/66585号));
CRFBP拮抗薬(例えば、ウロコルチン);
ウロコルチン作動薬;
β3作動薬(例えば、1−(4−クロロ−3−メタンスルホニルメチルフェニル)−2−[2−(2,3−ジメチル−1H−インドール−6−イルオキシ)エチルアミノ]エタノール塩酸塩(WO第01/83451号)など);
MSH(メラニン細胞刺激ホルモン)作動薬;
MCH(メラニン凝集ホルモン)受容体拮抗薬(例えば、NBI−845、A−761、A−665798、A−798、ATC−0175、T−226296、T−71、GW−803430、又はWO第2003/15769号、WO第2005085200号、WO第2005019240号、WO第2004011438号、WO第2004012648号、WO第2003015769号、WO第2004072025号、WO第2005070898号、WO第2005070925号、WO第2006018280号、WO第2006018279号、WO第2004039780号、WO第2003033476号、WO第2002006245号、WO第2002002744号、WO第2003004027号若しくはFR第2868780号に記載の化合物など);
CCK−A作動薬(例えば、{2−[4−(4−クロロ−2、5−ジメトキシフェニル)−5−(2−シクロヘキシルエチル)−チアゾール−2−イルカルバモイル]−5,7−ジメチルインドール−1−イル}酢酸トリフルオロ酢酸塩(WO第99/15525号)、SR−146131(WO第0244150号)又はSSR−125180など);
【0119】
セロトニン再取り込み阻害剤(例えばデクスフェンフルラミン);
混合型セロトニン・ノルアドレナリン作動化合物(例えば、WO第00/71549号);
5−HT受容体作動薬、例えば、1−(3−エチルベンゾフラン−7−イル)ピペラジンシュウ酸塩(WO第01/09111号);
5−HT2C受容体作動薬(例えば、APD−356、BVT−933、又はWO第200077010号、WO第20077001−02号、WO第2005019180号、WO第2003064423号、WO第200242304号若しくはWO第2005082859号に記載のものなど);
5−HT6受容体拮抗薬、例えば、WO第2005058858号に記載のものなど;
ボンベシン受容体作動薬(BRS−3作動薬);
ガラニン受容体拮抗薬;
成長ホルモン(例えば、ヒト成長ホルモン又はAOD−9604);
成長ホルモン放出化合物(6−ベンジルオキシ−1−(2−ジイソプロピルアミノ−エチルカルバモイル)−3,4−ジヒドロ−1H−イソキノリン−2−カルボン酸t−ブチル(WO第01/85695号));
成長ホルモン分泌促進物質受容体拮抗薬(グレリン拮抗薬)、例えば、A−778193又はWO第2005030734号に記載のものなど;
TRH作動薬(例えば、EP第0 462 884号参照);
脱共役蛋白質2又は3モジュレーター;
レプチン作動薬(例えば、Lee, Daniel W.; Leinung, Matthew C.; Rozhavskaya- Arena, Marina; Grasso, Patricia. 肥満治療の可能性のあるアプローチとしてのレプチン作動薬. Drugs of the Future (2001), 26(9), 873-881を参照);
DA作動薬(ブロモクリプチン又はDoprexin);
リパーゼ/アミラーゼ阻害剤(例えば、WO第00/40569号に記載のものなど);
ジアシルグリセロールO−アシルトランスフェラーゼ(DGAT)の阻害剤、例えば、US第2004/0224997号、WO第2004094618号、WO第200058491号、WO第2005044250号、WO第2005072740号、JP第2005206492号又はWO第2005013907号に記載のものなど;
脂肪酸シンターゼ(FAS)の阻害剤、例えば、C75又はWO第2004005277号に記載のものなど;
オキシントモジュリン;
オレオイル−エストロン、
又は例えばKB−2115又はWO第20058279号、WO第200172692号、WO第200194293号、WO第2003084915号、WO第2004018421号若しくはWO第2005092316号に記載の甲状腺ホルモン受容体作動薬;
と組み合わせて投与される。
【0120】
本発明の1つの実施態様において、更なる有効成分はレプチンである; 例えば、“Perspectives in the therapeutic use of leptin”, Salvador, Javier; Gomez-Ambrosi, Javier; Fruhbeck, Gema, Expert Opinion on Pharmacotherapy (2001), 2(10), 1615-1622を参照。
【0121】
本発明の1つの実施態様において、更なる有効成分はデキサンフェタミン又はアンフェタミンである。
【0122】
本発明の1つの実施態様において、更なる有効成分はフェンフルラミン又はデクスフェンフルラミンである。
【0123】
本発明の別の実施態様において、更なる有効成分はシブトラミンである。
【0124】
本発明の1つの実施態様において、更なる有効成分はマジンドール又はフェンテルミンである。
【0125】
本発明の1つの実施態様において、式Iの化合物は、膨張性薬剤、好ましくは不溶性膨張性薬剤(例えば、イナゴマメ/Caromax(登録商標)(Zunft H J; et al. Carob pulp preparation for treatment of hypercholesterolemia, ADVANCES IN THERAPY (2001 Sep-Oct), 18(5), 230-6)と組み合わせて投与される。Caromax(登録商標)はNutrinova, Nutrition Specialties & Food Ingredients GmbH, Industriepark Hoechst, 65926 Frankfurt/Main製のイナゴマメ含有製品である)。Caromax(登録商標)との組み合わせは、1つの製剤で、又は式Iの化合物及びCaromax(登録商標)を別々に投与することにより可能である。これに関連して、Caromax(登録商標)は、例えば、ベーカリー製品又はムースリ・バーなどの食品の形態でも投与することができる。
【0126】
本発明の1つの実施態様において、式Iの化合物は、例えば、WO第2003/077949号又はWO第2005012485号に記載のPDE(ホスホジエステラーゼ)阻害剤と組み合わせて投与される。
【0127】
本発明の1つの実施態様において、式Iの化合物は、例えば、WO第2004094429号に記載のNAR−1(ニコチン酸受容体)作動薬と組み合わせて投与される。
【0128】
本発明の1つの実施態様において、式Iの化合物は、例えば、US第2005/143448号に記載のCB2(カンナビノイド受容体)作動薬と組み合わせて投与される。
【0129】
本発明の1つの実施態様において、式Iの化合物は、例えば、WO第2005101979号に記載のヒスタミン1作動薬と組み合わせて投与される。
【0130】
本発明の1つの実施態様において、式Iの化合物は、例えば、WO第2006017504号に記載のブプロピオンと組み合わせて投与される。
【0131】
本発明の1つの実施態様において、式Iの化合物は、例えば、WO第2005107806号又はWO第2004094429号に記載のオピオイド拮抗薬と組み合わせて投与される。
【0132】
本発明の1つの実施態様において、式Iの化合物は、例えば、WO第200202513号、WO第2002/06492号、WO第2002040008号、WO第2002040022号又はWO第2002047670号に記載の、中性エンドペプチダーゼ阻害剤と組み合わせて投与される。
【0133】
本発明の1つの実施態様において、式Iの化合物は、例えば、WO第2002047670号に記載のNPY阻害剤(ニューロペプチドY)と組み合わせて投与される。
【0134】
本発明の1つの実施態様において、式Iの化合物は、例えば、WO第2003092694号に記載のナトリウム/プロトン交換阻害剤と組み合わせて投与される。
【0135】
本発明の1つの実施態様において、式Iの化合物は、例えば、WO第2005090336号に記載のグルココルチコイド受容体のモジュレーターと組み合わせて投与される。
【0136】
本発明の1つの実施態様において、式Iの化合物は、例えば、WO第2004094429号に記載のニコチン受容体作動薬と組み合わせて投与される。
【0137】
本発明の1つの実施態様において、式Iの化合物は、例えば、WO第2002053140号に記載のNRI(ノルエピネフリン再取り込み阻害剤)と組み合わせて投与される。
【0138】
本発明の1つの実施態様において、式Iの化合物は、例えば、セゲリン(segeline)、又は例えばWO第2002053140号に記載のMOA(E−ベータ−メトキシアクリレート)と組み合わせて投与される。
【0139】
本発明の1つの実施態様において、式Iの化合物は、例えば、クロピドロゲル(clopidrogel)などの抗血栓性有効成分と組み合わせて投与される。
【0140】
本発明の化合物と、1つ又はそれ以上の上記の化合物、及び場合により1つ又はそれ以上の更なる薬理学的に活性な物質との適切な組み合わせは、当然のことながら、本発明の範囲に包含される。
【0141】
上記の開発コードのいくつかの化学式を以下に示す。
【化2】

【0142】
【化3】

【0143】
【化4】

【0144】
【化5】

【0145】
【化6】

【0146】
【化7】

【0147】
化合物の活性は、以下のように試験した。
【0148】
細胞PPARアルファのアッセイにおけるPPAR作動薬のEC50値の測定
原理
ヒトPPARアルファに結合し、作動的な様式でそれを活性化する物質の効力は、本明細書でPPARアルファレポーター細胞株と称する、安定にトランスフェクションされたHEK細胞株(HEK=ヒト胎児腎臓)を用いて分析した。それには2つの遺伝要素が含まれ、ルシフェラーゼレポーター要素(pデルタM−GAL4−Luc−Zeo)と、PPARアルファリガンドに依存するルシフェラーゼレポーター要素の発現を仲介する、PPARアルファ融合蛋白(GR−GAL4−ヒトPPARアルファ−LBD)である。安定的で構成的に発現された融合蛋白GR−GAL4−ヒトPPARアルファ−LBDは、PPARアルファレポーター細胞株の細胞核において、GAL4蛋白部分を介して細胞株のゲノムに安定的に融合された、ルシフェラーゼレポーター要素のGAL4DNAモチーフの5’−上流に結合する。脂肪酸除去ウシ胎児血清(cs−FCS)をアッセイで用いる場合、PPARアルファリガンドの不存在下では、ルシフェラーゼレポーター遺伝子はわずかしか発現しない。PPARアルファリガンドは、PPARアルファ融合蛋白に結合してこれを活性化し、それによってルシフェラーゼレポーター遺伝子の発現を刺激する。形成されたルシフェラーゼは、適切な基質を介して化学発光法によって検出し得る。
【0149】
PPARアルファレポーター細胞株の構築
PPARアルファレポーター細胞株を2段階で調製した。先ず、ルシフェラーゼレポーター要素を構築し、HEK細胞に安定的にトランスフェクションした。この目的のために、酵母転写因子GAL4(登録番号#AF264724)の5つの結合部位を、68個の塩基対の長さの最小限MMTVプロモータ(登録番号#V01175)の5’−上流にクローニングした。最小限MMTVプロモータ部位には、RNAポリメラーゼIIによる十分な転写を可能にするために、CCAATボックスとTATA要素が含まれる。GAL4−MMTV構築物のクローニングとシーケンシングは、Sambrook J.らの記述と同様にして行った(Molecular cloning, Cold Spring Harbor Laboratory Press, 1998)。次に、完全Photinus pyralis遺伝子(登録番号#M15077)を、GAL4−MMTV要素の3’−下流にクローニングした。シーケンシング後、5つのGAL4結合部位、MMTVプロモーター部位及びルシフェラーゼ遺伝子から成るルシフェラーゼレポーター要素を、ゼオシン耐性を与えたプラスミドに再クローニングして、プラスミドpデルタM−GAL4−Luc−Zeoを得た。このベクターを、F. M. Ausubelらの記載に従ってHEK細胞にトランスフェクションした(Current protocols in molecular biology, Vol. 1-3, John Wiley & Sons, Inc., 1995)。そして、ゼオシン含有培地(0.5mg/ml)を使用して、ルシフェラーゼ遺伝子の非常に低い基底発現を示す、適切な安定細胞クローンを選択した。
【0150】
第2の段階では、PPARアルファ融合蛋白(GR−GAL4−ヒトPPARアルファ−LBD)を、前述の安定な細胞クローンに導入した。この目的のために、先ずグルココルチコイド受容体(登録番号#P04150)のN末端76アミノ酸をコードするcDNAを、酵母転写因子GAL4(登録番号#P04386)の1から147のアミノ酸をコードするcDNA部分に連結した。ヒトPPARアルファ受容体のリガンド結合領域(アミノ酸S167−Y468;登録番号#S74349)のcDNAを、このGR−GAL4構築物の3’−末端にクローニングした。この方法で調製し、融合構築物(GR−GAL4−ヒトPPARアルファ−LBD)を、サイトメガロウイルスプロモータによるそこでの構成的発現を可能にするために、プラスミドpcDNA3(Invitrogen)に再クローニングした。このプラスミドを制限エンドヌクレアーゼで線状にし、前述のルシフェラーゼレポーター要素を含む細胞クローンに安定的にトランスフェクションした。ルシフェラーゼレポーター要素を含み、PPARアルファ融合蛋白(GR−GAL4−ヒトPPARアルファ−LBD)を構成的に発現する最終的なPPARアルファレポーター細胞株を、ゼオシン(0.5mg/ml)とG418(0.5mg/ml)を用いた選択によって単離した。
【0151】
アッセイ手順
PPARアルファ作動薬の活性を、以下に示す3日間分析によって測定した。
1日目
PPARアルファレポーター細胞株を、以下の添加物類を混合したDMEM(#41965−039、Invitrogen)において、80%のコンフルエンスまで培養した:10%のcs−FCS(ウシ胎児血清;#SH−30068.03、Hyclone)、0.5mg/mlゼオシン(#R250−01、Invitrogen)、0.5mg/mlG418(#10136−027、Invitrogen)、1%ペニシリン−ストレプトマイシン溶液(#15140−122、Invitrogen)及び2mMのL−グルタミン(#25030−024、Invitrogen)であった。5%炭酸ガス存在下、37℃の条件で、細胞培養インキュベーター中で標準細胞培養ビン(#353612、Becton Dickinson)にて培養を行なった。80%コンフルエントの細胞を、15mlのPBS(#14190−094、Invitrogen)で一回洗浄し、37℃で2分間、3mlのトリプシン溶液(#25300−054、Invitrogen)で処理し、5mlの前述のDMEMに溶解し、細胞計数装置で計数した。500,000細胞数/mlに希釈後、透明のプラスチック基板(#3610、Corning Costar)を有する96穴マイクロタイタープレートのそれぞれのウェルに35,000細胞を播種した。そのプレートを37℃、5%炭酸ガス下で24時間細胞培養インキュベーターでインキュベートした。
2日目
テストしようとするPPARアルファ作動薬を、10mMの濃度でDMSOに溶解した。この保存液を、5%のcs−FCS(#SH−30068.03、Hyclone)、2mMのL−グルタミン(#25030−024、Invitrogen)及び前述の抗生物質(ゼオシン、G418、ペニシリン及びストレプトマイシン)を混合したDMEM(#41965−039、Invitrogen)中に希釈した。
試験物質は10μMから100pMの11の範囲の異なった濃度でテストした。より強力な化合物は1μMから10pM、又は100nMから1pMの濃度範囲でテストした。
1日目に播種したPPARアルファレポーター細胞株の培地は吸引によって完全に取り除かれ、培地中に希釈された試験物質を直ちに細胞に加えた。物質の希釈と添加は、ロボット(Beckman FX)で行った。培地に希釈された試験物質の最終体積は、96穴マイクロタイタープレートのウェル当たり100μlである。アッセイにおけるDMSO濃度は、溶媒の細胞毒性の影響を回避するために0.1%v/vよりも少ない量とした。
それぞれ個々のプレートにおいてアッセイが機能しているのを実証するために、それぞれのプレートを11の異なった濃度に同様に希釈した標準PPARアルファ作動薬で満たした。アッセイプレートは、インキュベーター中、37℃、5%炭酸ガス下で24時間インキュベートされた。
3日目
試験物質で処理されたPPARアルファレポーター細胞を、インキュベーターから取り出し、培地を吸引除去した。96穴マイクロタイターのそれぞれのウェルに50μlのBright Glo試薬(Promega製)をピペッティングして細胞を溶解した。暗所で10分間、室温にてインキュベーション後、マイクロタイタープレートを照度計(Wallac製のTrilux)で測定した。マイクロタイタープレートにおける1ウェル当たりの測定時間は1秒間であった。
【0152】
評価
照度計からの生データを、Microsoft社のExcelファイルに転送した。用量−効果プロットとPPAR作動薬のEC50値を、製造会社(IDBS)仕様のXL.Fitプログラムを用いて計算した。
【0153】
細胞のPPARデルタのアッセイにおけるPPAR作動薬のEC50値の測定
原理
ヒトPPARデルタに結合し、それを作動的な様式で活性化する物質の効力は、本明細書でPPARデルタレポーター細胞株と称する、安定にトランスフェクションされたHEK細胞株(HEK=ヒト胎児腎臓)を用いて分析した。PPARアルファの項で記載されたアッセイと同様に、PPARデルタレポーター細胞株も、2つの遺伝要素、ルシフェラーゼレポーター要素(pデルタM−GAL4−Luc−Zeo)とPPARデルタリガンドに依存するルシフェラーゼレポーター要素の発現を仲介する、PPARデルタ融合蛋白(GR−GAL4−ヒトPPARデルタ−LBD)を含有する。安定的で構成的に発現された融合蛋白GR−GAL4−ヒトPPARデルタ−LBDは、PPARデルタレポーター細胞株の細胞核において、GAL4蛋白部分を介して細胞株のゲノムに安定的に融合されたルシフェラーゼレポーター要素のGAL4DNAモチーフの5’−上流に結合する。もし脂肪酸除去ウシ胎児血清(cs−FCS)をその測定に用いる場合、PPARデルタリガンドの不存在下では、ルシフェラーゼレポーター遺伝子はわずかしか発現しない。PPARデルタリガンドは、PPARデルタ融合蛋白に結合し活性化し、それによってルシフェラーゼレポーター遺伝子の発現を刺激する。形成されたルシフェラーゼは、適切な基質を介して化学発光法によって検出し得る。
【0154】
PPARデルタレポーター細胞株の構築
安定なPPARデルタレポーター細胞株の生産は、ルシフェラーゼレポーター要素で安定的にトランスフェクションされた安定なHEK−細胞クローンに基づいている。この工程は、すでに「PPARアルファレポーター細胞株の構築」の項で述べた。第2工程で、PPARデルタ融合蛋白(GR−GAL4−ヒトPPARデルタ−LBD)を、この細胞株に安定的に導入した。この目的のために、グルココルチコイド受容体(登録番号#P04150)のN末端76アミノ酸をコードするcDNAを、酵母転写因子GAL4(登録番号#P04386)の1から147のアミノ酸をコードするcDNA部分に連結した。ヒトPPARデルタ受容体のリガンド結合領域(アミノ酸S139−Y441;登録番号#L07592)のcDNAを、このGR−GAL4構築物の3’末端にクローニングした。この方法で調製した融合構築物(GR−GAL4−ヒトPPARデルタ−LBD)を、サイトメガロウイルスプロモータによるそこでの構成的発現を可能にするために、プラスミドpcDNA3(Invitrogen)に再クローニングした。このプラスミドを制限エンドヌクレアーゼで線状にし、前述のルシフェラーゼレポーター要素を含む細胞クローンに安定的にトランスフェクションした。ルシフェラーゼレポーター要素を含み、PPARデルタ融合蛋白(GR−GAL4−ヒトPPARデルタ−LBD)を構成的に発現する得られたPPARデルタレポーター細胞株を、ゼオシン(0.5mg/ml)とG418(0.5mg/ml)を用いた選択によって単離した。
【0155】
アッセイの手順と評価
PPARデルタ作動薬の活性を、PPARデルタレポーター細胞株及び特異的PPARデルタレポーター作動薬を、標準として用いて試験の有効性の対照としたことを除いて、3日間分析における、PPARアルファレポーター細胞株ですでに記載したのと全く同様の手順で測定した。
この明細書に記載された実施例1から25のPPAR作動薬について、測定されたPPARデルタのEC50値は1nMから10μMより大までの範囲であった。本発明の式Iの化合物は、PPARデルタ受容体を部分的に(partially)活性化する。
【0156】
細胞のPPARガンマのアッセイにおけるPPAR作動薬のEC50値の測定
原理
トランジエントトランスフェクションシステムを使用して、PPAR作動薬の細胞のPPARガンマ活性を測定する。これはルシフェラーゼレポータープラスミド(pGL3basic−5xGAL4−TK)及びPPARガンマ発現プラスミド(pcDNA3−GAL4−ヒトPPARガンマLBD)の使用に基づいている。どちらのプラスミドも、一過的にヒト胎児腎臓細胞(HEK細胞)にトランスフェクションする。次いで、レポータープラスミドのGAL4結合部位に結合した融合タンパク質GAL4−ヒトPPARガンマLBDの細胞中での発現が起こる。PPARガンマ活性リガンドの存在下で、活性化された融合タンパク質GAL4−ヒトPPARガンマLBDは、ルシフェラーゼレポーター遺伝子の発現を誘発し、それによりルシフェラーゼ基質を添加した後、化学発光シグナルの形で検出することができる。安定にトランスフェクションしたPPARアルファレポーター細胞株とは異なり、細胞のPPARガンマアッセイでは、PPARガンマ融合タンパク融合蛋白質の安定で恒久的な発現が細胞毒性であるため、2つの成分(ルシフェラーゼレポータープラスミド及びPPARガンマ発現プラスミド)をHEK細胞に一時的にトランスフェクションした。
【0157】
プラスミドの構築
ルシフェラーゼレポータープラスミドpGL3basic−5xGAL4−TKは、PromegaからのベクターpGL3basicをベースにした。レポータープラスミドを、イースト転写因子GAL4の5箇所の結合部位(各結合部位は配列5'CTCGGAGGACAGTACTCCG-3'を有する)を、160塩基対の長さのチミジンキナーゼプロモーター部分(Genbank登録#AF027128)と一緒に、pGL3basic中に5’−上流にクローニングすることにより作成した。チミジンキナーゼプロモーターの3’−下流は、既にプラスミドpGL3basicの成分として使われたPhotinus pyralis(Genbank登録#M15077)からの完全ルシフェラーゼ遺伝子である。レポータープラスミドpGL3basic−5xGAL4−TKのクローニング及び配列決定はSambrook J. et. al.(Molecular cloning, Cold Spring Harbor Laboratory Press、1989)の記載と同様に行った。
PPARガンマ発現プラスミドpcDNA3−GAL4−ヒトPPARガンマLBDを、先ずイースト転写因子GAL4(Genbank登録#P04386)のアミノ酸1−147をコードするcDNAを、サイトメガロウイルス・プロモーターのプラスミドpcDNA3(Invitrogenから)3’−下流にクローニングして、作成した。続いて、GAL4DNA結合ドメインのヒトPPARガンマ受容体(アミノ酸I152−Y475;登録#g1480099)の3’−下流のリガンド結合ドメイン(LBD)のcDNAについて行った。PPARガンマ発現プラスミドpcDNA3−GAL4−ヒトPPARガンマLBDのクローニング及び配列決定を再度Sambrook J. et. al.(Molecular cloning, Cold Spring Harbor Laboratory Press、1989)の記載と同様に行った。ルシフェラーゼレポータープラスミドpGL3塩基性−5xGAL4−TK及びPPARガンマ発現プラスミドpcDNA3−GAL4−ヒトPPARガンマLBDに加えて、細胞PPARガンマアッセイでは、参照プラスミドpRL−CMV(Promegaから)及びStrategeneからのプラスミドpBluescriptSK(+)も使用した。Qiagenからのプラスミド作成キットを使って全4つのプラスミドを作成し、HEK細胞へトランスフェクションする前に、最小のエンドトキシン含有量を有するプラスミド品質となるようにした。
【0158】
アッセイ手順
PPARガンマ作動薬活性を、以下に記述される4日アッセイにおいて測定した。トランスフェクションの前に、HEK細胞を、以下の添加物:10%FCS(#16000−044、Invitrogen)、1%ペニシリン−ストレプトマイシン溶液(#15140−122、Invitrogen)及び2mMのL−グルタミン(#25030−024、Invitrogen)を添加して混合したDMEM(41965−039、Invitrogen)で培養した。
1日目
先ず、溶液A、即ちDMEMに加えて、先に記述された全ての4つのプラスミドを含有するトランスフェクション混合物を調製した。一つのアッセイにつき各96穴のマイクロタイタープレート当り、3mlの溶液Aにするために:2622μlの抗生物質も血清も含まないDMEM(#41965−039、Invitrogen)、100μlの参照プラスミドpRLCMV(1ng/μl)、100μlのルシフェラーゼレポータープラスミドpGL3basic−5xGAL4−TK(10ng/μl)、100μlのPPARガンマ発現プラスミドpcDNA3−GAL4−ヒトPPARガンマLBD(100ng/μl)、及び78μlのプラスミドpBluescriptSK(+)(500ng/μl)の量を用いた。次いで、2mlの溶液Bを、各96穴のウエルマイクロタイタープレート当り、1.9mlのDMEM(#41965−039、Invitrogen)を、100μlのPolyFectトランスフェクション試薬(Qiagenから)と混合することによって作成した。次いで、3mlの溶液Aを2mlの溶液Bと混ぜて、5mlの溶液Cとし、それを複数のピペッティングによって十分に混合し、10分の間常温でインキュベートした。
175cm2の容量の細胞培養瓶からの80%−コンフルエントのHEK細胞を、15mlのPBS(#14190−094(Invitrogen)で一回洗浄し、3mlのトリプシン溶液(#25300−054、Invitrogen)で37°Cで2分間処理した。次に、細胞を10%FCS(#16000−044、Invitrogen)、1%ペニシリン−ストレプトマイシン溶液(#15140−122、Invitrogen)及び2mmL−グルタミン(#25030−024、Invitrogen)を混合した15mlのDMEM(#41965−039、Invitrogen)に溶解した。細胞懸濁液を細胞カウンターで計数した後、懸濁液を25万細胞/mlに希釈した。1マイクロタイタープレート当り15mlのこの細胞懸濁液を、5mlの溶液Cと混ぜ合わせた。200μlの懸濁液を、透明なプラスチックベース(3610、Corning Costar)を有する96穴のマイクロタイタープレートの各ウェルに播種した。プレートを、細胞培養インキュベーター中、37℃及び5%CO2で24時間インキュベートした。
2日目
テストするPPAR作動薬を10mmの濃度でDMSOに溶解した。このストック溶液を、2%のUltroser(#12039−012、Biosepra)、1%のペニシリン・ストレプトマイシン溶液(#15140−122、Invitrogen)及び2mMのL−グルタミン(#25030−024、Invitrogen)を混合したDMEM(#41965−039、Invitrogen)中に希釈した。試験物質は、10μMから100pmの範囲の合計11の異なった濃度でテストした。より強力な化合物は、1μMから10pmの濃度範囲でテストした。
1日目にトランスフェクションして播種したHEK細胞の培地を、アスピレーターによって完全に除去し、培地中に希釈された試験物質を、細胞へ直ちに加えた。物質の希釈及び追加は、ロボット(Beckman FX)によって行った。培地中に希釈された試験物質の最終容積は、96穴のマイクロタイタープレートの1ウェル当たり100μlであった。各プレートは、個々のプレート中のアッセイが機能していることを実証するために、11の異なる濃度で同様に希釈した標準PPARガンマ作動薬を入れた。アッセイプレートを、インキュベーター中、37℃及び5%CO2でインキュベートした。
4日目
アスピレーターにより培地を除去した後、細胞を溶解し、細胞中に形成された蛍ルシフェラーゼ(Photinus pyralis)の基質を与えるために、製造会社の説明書に従って、50μlのDual-GloTM試薬(Dual-GloTM Luciferase Assay System; promega)をそれぞれのウェルに追加した。室温で10分間の暗所でのインキュベーション後、蛍ルシフェラーゼ媒介化学発光を測定器(測定時間/ウェル:1秒;WallacからのTrilux)で測定した。その後、蛍ルシフェラーゼの活性を停止させ、かつ参照プラスミドpRL−CMVによって発現されたRenillaルシフェラーゼの基質を供給させるために、50μlのDual-GloTM STOP & Glo試薬(Dual-GloTMのルシフェラーゼアッセイシステム; Promega)を各ウェルに添加した。室温で更に10分間の暗所でのインキュベーション後、Renillaシフェラーゼによって媒介された化学発光を、再度測定器でウェル当たり1秒間測定した。
【0159】
評価
照度計からの生データをMicrosoftのエクセルファイルに転送した。蛍/Renillaルシフェラーゼ活性の比率を、マイクロタイタープレートの1ウェルから誘導された各測定について決定した。製造会社(IDBS)により指定されたXL.Fitプログラムによって用量−効果プロットとPPAR作動薬のEC50値を、比率から算出した。
【0160】
本出願に記述された実施例1〜25のPPAR作動薬についてPPARガンマのEC50値は、1nM以上10μMより大の範囲で測定された。本発明の式Iの化合物は、PPARガンマ受容体を部分的に活性化する。
【0161】
表1(点線はアミドへの結合点を意味する)に示された実施例は、本発明の説明に資するものであるが、それに限定されるものではない。
【表1】

【0162】
【表2】

【0163】
いくつかの記載された実施例の物質の効力を、以下の表に示す。
【表3】

【0164】
方法
本発明による一般式Iの化合物であって、A、n、z、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8が定義された通りである化合物は、以下の反応スキームで概要を示す様にして得ることができる。
【化8】

【0165】
一般式2のアミノ二環化合物を、無水酢酸又はアセチルクロリドの様なアシル化剤で処理して中間体3を生成させ、それをクロロスルホン酸と反応させ、一般式4のベンゼンスルホニルクロリドを得る。一般式4のベンゼンスルホニルクロリドを、一般式5の[1,3,4]チアジアゾール−2−イルアミンと、塩基の存在下、又はピリジンの様な塩基性溶媒中でカップリングさせてスルホニルアミドを得、それを2Nの塩酸中で還流させてN−アセチル基を脱離させ、一般式6のアミンをその塩酸塩として得る。
【0166】
一般式6のアミンを、X=OHである一般式7のカルボン酸と、O−((エトキシカルボニル)シアノメチレンアミノ)−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウムテトラフルオロボラートの様なカップリン剤を用いて、トリエチルアミンの様な塩基の存在下、ジメチルホルムアミド又はテトラヒドロフランの様な適切な溶媒中でカップリングさせ、一般式1の化合物を得る。代わりに、一般式6のアミンを、X=Clである一般式7のカルボニルクロリドと、又はアミンと反応可能な他の公知の酸の誘導体と、ジクロロメタンの様な溶媒中、トリエチルアミンの様な塩基の存在下でカップリングさせ、一般式1の化合物を得る。
【0167】
一般式1の化合物を製造するための更なる方法は、アミノインダン2のカルボン酸誘導体7によるアシル化、及びクロロスルホン酸との反応と、それに続くアミノヘテロ環5との反応にある。
【0168】
略号のリスト
【表4】

【0169】
【表5】

【0170】
実験の部
1)2−エトキシ−N−[5−(5−イソプロピル−[1,3,4]チアジアゾール−2−イルスルファモイル)−インダン−2−イル]−4−トリフルオロメチル−ベンズアミド
【化9】

【0171】
1a)2−メトキシ−4−トリフルオロメトキシ−安息香酸 メチルエステル
【化10】

2−ヒドロキシ−(トリフルオロメトキシ)安息香酸(1.0g)を、ジメチルホルムアミド(30ml)に溶解した。ヨードメタン(640mg)及び炭酸セシウム(4.70g)を加え、そして、反応混合物を室温で3時間撹拌した。反応混合物を、酢酸エチル(100ml)を加えて希釈し、水(30ml)及びブラインで洗浄し、次いでMgSO4で乾燥した。溶媒を減圧下で除去し、2−メトキシ−4−トリフルオロメトキシ−安息香酸メチルエステル(590mg)を得た。
MS(ESI):(M+1)=251。
【0172】
1b)2−メトキシ−4−トリフルオロメトキシ−安息香酸
【化11】

2−メトキシ−4−トリフルオロメトキシ−安息香酸メチルエステル(590mg)を、テトラヒドロフラン(30ml)及び水(10ml)の混合物に溶解した。水酸化リチウム(367mg)を加え、反応混合物を60℃で、2時間撹拌した。冷却した反応混合物を、濃塩酸を滴下して酸性にし、次いで混合物を80mlずつの酢酸エチルで3回抽出した。合わせた有機層をMgSO4で乾燥し、 溶媒を減圧下で除去し、2−メトキシ−4−トリフルオロメトキシ−安息香酸(518mg)を得た。
MS(ESI):(M+1)=237。
【0173】
1c)N−インダン−2−イル−アセトアミド
無水酢酸(3.55ml)を、2−アミノインダン塩酸塩(6.37g)、酢酸エチル(60ml)及びトリエチルアミン(10.4ml)の混合物に滴下した。反応混合物を室温で15時間撹拌した。溶媒を減圧下で除去し、固体残留物を水で温浸し(digerated)、濾過し、減圧下40℃で乾燥した。
収量:5.5g、Mp:126.5℃。
【0174】
1d)2−アセチルアミノ−インダン−5−スルホニルクロリド
【化12】

クロロスルホン酸(1.6ml)を、N−インダン−2−イル−アセトアミド(1.06g)及びジクロロメタン(50ml)の溶液に滴下した。混合物を室温で15時間撹拌した。次いで反応を冷水でクエンチし、有機相を分離し、硫酸マグネシウムで乾燥し、蒸発させた。得られた残留物を更に精製をせずに、次の反応に用いた。
収量:1.4g
【0175】
1e)N−[5−(5−イソプロピル−[1,3,4]チアジアゾール−2−イルスルファモイル)−インダン−2−イル]−アセトアミド
【化13】

2−アセチルアミノ−インダン−5−スルホニルクロリド(500mg)をピリジン(5ml)に溶解し、触媒量の4−ジメチルアミノピリジンを加えた。5−イソプロピル−[1,3,4]チアジアゾール−2−イルアミン(262mg)を加えた後、混合物を60℃で1時間撹拌し、次いで蒸発させた。得られた粗物質をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、溶離液:ジクロロメタン/メタノール=95/5)で精製した。
収量:250mg、MS(ESI):(M+1)=381。
【0176】
1f)N−(5−スルファモイル−インダン−2−イル)−アセトアミド
【化14】

この化合物を、2−アセチルアミノ−インダン−5−スルホニルクロリド及び過剰のアンモニアから製造した。
MS(ESI):(M+1)=255。
【0177】
1g)2−アミノ−インダン−5−スルホン酸(5−イソプロピル−[1,3,4]チアジアゾール−2−イル)−アミド・塩酸塩
【化15】

N−[5−(5−イソプロピル−[1,3,4]チアジアゾール−2−イルスルファモイル)−インダン−2−イル]−アセトアミド(96mg)を、2Nの塩酸(10ml)中100℃で加熱し、27時間撹拌した。反応が完結した後、透明溶液が生成した。この溶液を蒸発乾固し、固体残留物を更に精製せずに用いた。
MS(ESI):(M+1)=339。
【0178】
1)2−エトキシ−N−[5−(5−イソプロピル−[1,3,4]チアジアゾール−2−イルスルファモイル)−インダン−2−イル]−4−トリフルオロメチル−ベンズアミド(A003541307)
【化16】

2−アミノ−インダン−5−スルホン酸(5−イソプロピル−[1,3,4]チアジアゾール−2−イル)−アミド・塩酸塩(40mg)、ジメチルホルムアミド(1.5ml)、トリエチルアミン(0.037ml)、HATU(41mg)及び2−エトキシ−4−トリフルオロメチル−安息香酸(25mg)の混合物を、室温で終夜撹拌した。溶媒を減圧下で蒸発させ、得られた粗物質をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、溶離液:ジクロロメタン/メタノール=95/5)で精製した。
MS(ESI):(M+1)=555。
【0179】
1.1)2−エトキシ−N−[5−(5−イソプロピル−[1,3,4]チアジアゾール−2−イルスルファモイル)−インダン−2−イル]−4−トリフルオロメチル−ベンズアミド(エナンチオマー1)、及び
1.2)2−エトキシ−N−[5−(5−イソプロピル−[1,3,4]チアジアゾール−2−イルスルファモイル)−インダン−2−イル]−4−トリフルオロメチル−ベンズアミド(エナンチオマー2)
これらの化合物を、キラルカラム(chiralcel OJ-H/73、溶離液:MeOH+0.1%TFA、30℃)による実施例1のラセミ化合物の分離により製造した。
【0180】
2)2−エトキシ−4−トリフルオロメチル−N−[5−(5−トリフルオロメチル−[1,3,4]チアジアゾール−2−イルスルファモイル)−インダン−2−イル]−ベンズアミド
【化17】

この化合物を、実施例2a)の中間体から出発して、実施例1)と類似の方法により製造した。
MS(ESI):(M+1)=581。
【0181】
2a)N−[5−(5−トリフルオロメチル−[1,3,4]チアジアゾール−2−イルスルファモイル)−インダン−2−イル]−アセトアミド
【化18】

2−クロロ−5−トリフルオロメチル−[1,3,4]チアジアゾール(300mg)、N−(5−スルファモイル−インダン−2−イル)−アセトアミド(300mg)、炭酸セシウム(1.8g)及びNMP(10ml)の混合物を、70℃で3時間撹拌した。室温に冷却した後、水(50ml)を加え、そして2Nの塩酸でpH=3に調整した。生成物を酢酸エチル(30ml)で2回抽出し、有機層を水(20ml)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下で蒸発させた。得られた未精製の物質をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、溶離液:ジクロロロメタン/メタノール=90/10)で精製した。MS(ESI):(M+1)=407。
【0182】
以下の化合物を、同様の方法で製造した:
3)4−メチル−2−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−チアゾール−5−カルボン酸−[5−(5−イソプロピル−[1,3,4]チアジアゾール−2−イルスルファモイル)−インダン−2−イル]−アミド
MS(ESI):(M+1)=608。
【化19】

【0183】
4)4−メチル−2−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−チアゾール−5−カルボン酸−[5−(5−シクロプロピル−[1,3,4]チアジアゾール−2−イルスルファモイル)−インダン−2−イル]−アミド
MS(ESI):(M+1)=606。
【化20】

【0184】
5)2−エトキシ−N−[(S)−7−(5−イソプロピル−[1,3,4]チアジアゾール−2−イルスルファモイル)−1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフタレン−2−イル]−4−トリフルオロメチル−ベンズアミド
【化21】

この化合物を、実施例5d)から出発して、実施例1)と類似の方法で製造した。
MS(ESI):(M+1)=569。
【0185】
5a)(S)−N−(1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフタレン−2−イル)−アセトアミド
【化22】

この化合物を、公知の方法に従い、市販の(S)−7−アミノ−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレンと無水酢酸との反応により製造した。
MS(ESI):(M+1)=190。
【0186】
5b)(S)−7−アセチルアミノ−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−2−スルホニルクロリド
【化23】

この化合物を、実施例5a)の化合物のクロロスルホン酸によるスルホクロロ化で製造した。
MS(ESI):(M+1)=288。
【0187】
5c)(S)−N−[(S)−7−(5−イソプロピル−[1,3,4]チアジアゾール−2−イルスルファモイル)−1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフタレン−2−イル]−アセトアミド
【化24】

この化合物を、ピリジン中、実施例5b)の化合物と5−イソプロピル−[1,3,4]−チアジアゾール−2−イルアミンとの反応により製造した。
MS(ESI):(M+1)=395。
【0188】
5d)(S)−7−アミノ−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−2−スルホン酸−(5−イソプロピル−[1,3,4]チアジアゾール−2−イル)−アミド−塩酸塩
【化25】

この化合物を、実施例5c)の化合物と5Nの塩酸を、100℃で25時間反応させることにより製造した。
MS(ESI):(M+1)=353。
【0189】
6)2−エトキシ−N−[(R)−7−(5−イソプロピル−[1,3,4]チアジアゾール−2−イルスルファモイル)−1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフタレン−2−イル]−4−トリフルオロメチル−ベンズアミド
【化26】

この化合物を、市販の(R)−7−アミノ−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレンから出発して、実施例5)の化合物の製造と類似の反応順路により製造した。
MS(ESI):(M+1)=569。
【0190】
7)N−[5−クロロ−6−(5−イソプロピル−[1,3,4]チアジアゾール−2−イルスルファモイル)−インダン−2−イル]−2−エトキシ−4−トリフルオロメチル−ベンズアミド
【化27】

この化合物を、5−クロロ−インダン−2−イルアミンから出発して、実施例1)の化合物を製造する方法と類似の反応順路により製造した。
MS(ESI):(M+1)=589。
【0191】
8)2−エトキシ−N−[5−(5−イソプロピル−[1,3,4]チアジアゾール−2−イルスルファモイル)−6−メトキシ−インダン−2−イル]−4−トリフルオロメチル−ベンズアミド(benza)
【化28】

この化合物を、5−メトキシ−インダン−2−イルアミンから出発して、実施例1)の化合物を製造する方法と類似の反応順路により製造した。
MS(ESI):(M+1)=585。
【0192】
9)3−エトキシ−5−トリフルオロメチル−チオフェン−2−カルボン酸 [5−クロロ−6−(5−イソプロピル−[1,3,4]チアジアゾール−2−イルスルファモイル)−インダン−2−イル]−アミド
【化29】

この化合物を、2−アミノ−6−クロロ−インダン−5−スルホン酸(5−イソプロピル−[1,3,4]チアジアゾール−2−イル)・塩酸塩と、3−エトキシ−5−トリフルオロメチル−チオフェン−2−カルボン酸メチルエステルの水/メタノール中での水酸化リチウムによる加水分解で得られた3−エトキシ−5−トリフルオロメチル−チオフェン−2−カルボン酸(mp:143.7℃)との反応により製造した。
3−エトキシ−5−トリフルオロメチル−チオフェン−2−カルボン酸メチル エステル(mp:93,6℃)は、公知の3−ヒドロキシ−5−トリフルオロメチル−チオフェン−2−カルボン酸メチルエステル(Synthesis 2000, No.8, 1078-1080)から、炭酸セシウムの存在下、DMF溶媒中でのエチルヨージドによるアルキル化により製造した。
MS(ESI):MS(ESI):(M+1)=595。
【0193】
10)3−エトキシ−5−トリフルオロメチル−チオフェン−2−カルボン酸 [5−(5−イソプロピル−[1,3,4]チアジアゾール−2−イルスルファモイル)−6−メトキシ−インダン−2−イル]−アミド
【化30】

この化合物を、2−アミノ−6−メトキシ−インダン−5−スルホン酸(5−イソプロピル−[1,3,4]チアジアゾール−2−イル)・塩酸塩と3−エトキシ−5−トリフルオロメチル−チオフェン−2−カルボン酸との反応により同様に製造した。
MS(ESI):(M+1)=591。
【0194】
11)3−エトキシ−5−トリフルオロメチル−チオフェン−2−カルボン酸 [5−(5−イソプロピル−[1,3,4]チアジアゾール−2−イルスルファモイル)−インダン−2−イル]−アミド
【化31】

この化合物を、2−アミノ−インダン−5−スルホン酸(5−イソプロピル−[1,3,4]チアジアゾール−2−イル)・塩酸塩と3−エトキシ−5−トリフルオロメチル−チオフェン−2−カルボン酸との反応により同様に製造した。
MS(ESI):(M+1)=561。
【0195】
12)2−エトキシ−N−[2−(5−イソプロピル−[1,3,4]チアジアゾール−2−イルスルファモイル)−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ベンゾシクロヘプテン−7−イル]−4−トリフルオロメチル−ベンズアミド
【化32】

この化合物を、6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ベンゾシクロヘプテン−7−イルアミンから出発して、実施例1)の化合物の製造と類似の反応順路により製造した。
MS(ESI):(M+1)=583。
【0196】
13)2−クロロ−N−[5−(5−イソプロピル−[1,3,4]チアジアゾール−2−イルスルファモイル)−インダン−2−イル]−5−トリフルオロメチル−ベンズアミド
【化33】

この化合物を、2−アミノ−インダン−5−スルホン酸(5−イソプロピル−[1,3,4]チアジアゾール−2−イル)・塩酸塩と、2−クロロ−5−トリフルオロメチル−安息香酸との反応により、同様に製造した。
MS(ESI):(M+1)=545。
【0197】
14)4−クロロ−N−[5−(5−イソプロピル−[1,3,4]チアジアゾール−2−イルスルファモイル)−インダン−2−イル]−2−メチル−ベンズアミド
【化34】

この化合物を、2−アミノ−インダン−5−スルホン酸(5−イソプロピル−[1,3,4]チアジアゾール−2−イル)・塩酸塩と4−クロロ−2−メチル−安息香酸との反応により、同様に製造した。
MS(ESI):(M+1)=491。
【0198】
15)2,3−ジフルオロ−N−[5−(5−イソプロピル−[1,3,4]チアジアゾール−2−イルスルファモイル)−インダン−2−イル]−4−トリフルオロメチル−ベンズアミド
【化35】

この化合物を、2−アミノ−インダン−5−スルホン酸(5−イソプロピル−[1,3,4]チアジアゾール−2−イル)・塩酸塩と2,3−ジフルオロ−4−トリフルオロメチル−安息香酸との反応により、同様に製造した。
MS(ESI):(M+1)=547。
【0199】
16)2−フルオロ−N−[5−(5−イソプロピル−[1,3,4]チアジアゾール−2−イルスルファモイル)−インダン−2−イル]−4−トリフルオロメチル−ベンズアミド
【化36】

この化合物を、2−アミノ−インダン−5−スルホン酸(5−イソプロピル−[1,3,4]チアジアゾール−2−イル)・塩酸塩と、2−フルオロ−4−トリフルオロメチル−安息香酸との反応により、同様に製造した。
MS(ESI):(M+1)=529。
【0200】
17)4−クロロ−N−[5−(5−イソプロピル−[1,3,4]チアジアゾール−2−イルスルファモイル)−インダン−2−イル]−2−メトキシ−ベンズアミド
【化37】

この化合物を、2−アミノ−インダン−5−スルホン酸(5−イソプロピル−[1,3,4]チアジアゾール−2−イル)・塩酸塩と4−クロロ−2−メトキシ−安息香酸との反応により、同様に製造した。
MS(ESI):(M+1)=507。
【0201】
18)2,4−ジクロロ−N−[5−(5−イソプロピル−[1,3,4]チアジアゾール−2−イルスルファモイル)−インダン−2−イル]−ベンズアミド
【化38】

この化合物を、2−アミノ−インダン−5−スルホン酸(5−イソプロピル−[1,3,4]チアジアゾール−2−イル)・塩酸塩と2,4−ジクロロ−安息香酸との反応により、同様に製造した。
MS(ESI):(M+1)=511。
【0202】
19)2−エトキシ−N−[5−フルオロ−6−(5−イソプロピル−[1,3,4]チアジアゾール−2−イルスルファモイル)−インダン−2−イル]−4−トリフルオロメチル−ベンズアミド
【化39】

この化合物を、5−フルオロ−インダン−2−イル−アミンから出発して、実施例1に記載の方法と同様に製造した。
MS(ESI):(M+1)=573。
【0203】
20)2−エトキシ−N−[5−(5−イソプロピル−[1,3,4]チアジアゾール−2−イルスルファモイル)−1−メチル−インダン−2−イル]−4−トリフルオロメチル−ベンズアミド
【化40】

この化合物を、1−メチル−インダン−2−イル−アミンから出発して、実施例1に記載の方法と同様に製造した。
MS(ESI):(M+1)=569。
【0204】
21)2−エトキシ−N−[5−(5−イソプロピル−[1,3,4]チアジアゾール−2−イルスルファモイル)−6−(2,2,2−トリフルオロ−エトキシ)−インダン−2−イル]−4−トリフルオロメチル−ベンズアミド
【化41】

この化合物を、5−(2,2,2−トリフルオロ−エトキシ)−インダン−2−イル−アミンから出発して、実施例1に記載の方法と同様に製造した。
MS(ESI):(M+1)=653。
【0205】
22)N−[5−(5−シクロプロピル−[1,3,4]チアジアゾール−2−イルスルファモイル)−インダン−2−イル]−2−エトキシ−4−トリフルオロメチル−ベンズアミド
【化42】

この化合物を、5−シクロプロピル−[1,3,4]チアジアゾール−2−イルアミンから出発して、実施例1に記載の方法と同様に製造した。
MS(ESI):(M+1)=553。
【0206】
23)2−エトキシ−N−[5−(5−フェニル−[1,3,4]チアジアゾール−2−イルスルファモイル)−インダン−2−イル]−4−トリフルオロメチル−ベンズアミド
【化43】

この化合物を、5−フェニル−[1,3,4]チアジアゾール−2−イルアミンから出発して、実施例1に記載の方法と同様に製造した。
MS(ESI):(M+1)=589。
【0207】
24)2−エトキシ−N−[5−(5−シクロヘキシル−[1,3,4]チアジアゾール−2−イルスルファモイル)−インダン−2−イル]−4−トリフルオロメチル−ベンズアミド
【化44】

この化合物を、5−シクロヘキシル−[1,3,4]チアジアゾール−2−イルアミンから出発して、実施例1に記載の方法と同様に製造した。
MS(ESI):(M+1)=595。
【0208】
25)3−メトキシ−ピリジン−2−カルボン酸[5−(5−イソプロピル−[1,3,4]チアジアゾール−2−−イルスルファモイル)−インダン−2−イル]−アミド
【化45】

この化合物を、3−メトキシ−ピリジン−2−カルボン酸から出発して、実施例1に記載の方法と同様に製造した。
MS(ESI):(M+1)=474。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式1:
【化1】

[式中、
R1は、(C1−C6)アルキル、(C0−C6)アルキレン(C3−C6)シクロアルキル、(C0−C6)アルキレン−O−(C1−C6)アルキル、(C0−C6)アルキレン−O−(C3−C6)シクロアルキル、(C0−C6)アルキレン−(C6−C14)アリール、(C0−C6)アルキレン−(C5−C15)ヘテロアリールであり、ここで、アルキル、アルキレン、アリール、ヘテロアリール及びシクロアルキルは、無置換、又はF、Cl、Br、OCF3、CN、CO−(C1−C6)アルキル、COO(C1−C6)アルキル、CON((C0−C6)アルキレン−H)((C0−C6)アルキレン−H)、S(O)m(C1−C6)アルキルにより一、二若しくは三置換されても良く;
R2、R3、R4、R5は、独立に、H、ハロゲン、(C1−C6)アルキル、(C0−C4)アルキレン−O−(C0−C4)アルキレン−H、CN、COO(C1−C6)アルキル、CON((C0−C6)アルキレン−H)((C0−C6)アルキレン−H)、S(O)m(C1−C6)アルキルであり、ここで、アルキル及びアルキレンは無置換、又はFにより一、二若しくは三置換され;
Aは、(C6−C14)アリール又は(C4−C10)ヘテロアリールであり;
nは、1、2、3であり;
m、zは、0、1、2であり;
R6、R7、R8は、独立に、H、(C1−C6)アルキル、CN、CO−(C1−C6)アルキル、COO−(C1−C6)アルキル、CON((C0−C6)アルキレン−H((C0−C6)アルキレン−H)、S(O)m(C1−C6)アルキル、N((C0−C6)アルキレン−H)((C0−C6)アルキレン−H)、N((C0−C6)アルキレン−H)−CO−(C1−C6)アルキル、N((C0−C6)アルキレン−H)−CO−(C1−C6)アルキル、ハロゲン、(C0−C6)アルキレン−O−(C0−C6)アルキレン−H、(C0−C6)アルキレン−O−(C6−C14)アリール、SCF3、S(O)2CF3、NO2であり、ここで、アルキル、アリール及びアルキレンは無置換、又はFにより一、二若しくは三置換される]
の化合物、全てのその立体異性体、エナンチオマー体及び任意の割合での混合物、並びにその生理学的に許容される塩及び互変異性体。
【請求項2】
R1は、(C1−C6)アルキル、(C0−C6)アルキレン−(C3−C6)シクロアルキル、(C0−C6)アルキレン−O−(C1−C6)アルキル、(C0−C6)アルキレン−O−(C3−C6)シクロアルキル、(C0−C6)アルキレン−(C6−C14)アリールであり、ここで、アルキル、アルキレン、アリール及びシクロアルキルは無置換、又はF、Cl、Brにより一、二若しくは三置換されても良く;
R2、R3、R4、R5は、独立に、H、ハロゲン、(C1−C6)アルキル、(C0−C4)アルキレン−O−(C0−C4)アルキレン−Hであり、ここで、アルキル及びアルキレンは無置換、又はFにより一、二若しくは三置換され;
Aは、(C6−C14)アリール又は(C4−C10)ヘテロアリールであり;
nは、1、2であり;
zは、1、2であり;
R6、R7、R8は、独立に、H、(C1−C6)アルキル、CN、ハロゲン、(C0−C6)アルキレン−O−(C0−C6)アルキレン−H、(C0−C6)アルキレン−(C6−C14)アリール、(C0−C6)アルキレン−O−(C6−C14)アリール、SCF3、S(O)2CF3であり、ここで、アルキル、アリール及びアルキレンは無置換、又はFにより一、二若しくは三置換され、そして、アリールは無置換、又はCF3により一置換されても良い;
請求項1に記載の式1の化合物、全てのその立体異性体、エナンチオマー体及び任意の割合での混合物、並びにその生理学的に許容される塩及び互変異性体。
【請求項3】
R1は、(C1−C6)アルキル、(C0−C6)アルキレン(C3−C6)シクロアルキル、(C0−C6)アルキレン−(C6−C14)アリールであり、ここで、アルキル、アルキレン、アリール及びシクロアルキルは無置換、又はFにより一、二若しくは三置換されても良く;
R2、R3、R4、R5は、独立に、H、ハロゲン、(C1−C6)アルキル、(C0−C4)アルキレン−O−(C0−C4)アルキレン−Hであり、ここで、アルキル及びアルキレンは無置換、又はFにより一、二若しくは三置換され;
Aは、フェニル、ピリジン又はチオフェンであり;
nは、1であり;
zは、1であり;
R6は、オルト位にあり、そして、F、Cl、Br又はO(C1−C4)−アルキルであり;
R7は、パラ位にあり、そして、F、Cl、Br、CH3又はCF3であり;
R8は、Hである;
請求項1又は2に記載の式1の化合物、全てのその立体異性体、エナンチオマー体及び任意の割合での混合物、並びにその生理学的に許容される塩及び互変異性体。
【請求項4】
R1は、(C1−C4)アルキル、(C0−C2)アルキレン(C3−C6)シクロアルキル、(C0−C2)アルキレン−(C6−C10)アリールであり、ここで、アルキル、アリール及びシクロアルキルは無置換、又はFにより一、二若しくは三置換されても良く;
R2は、H、ハロゲン、(C1−C6)アルキル、O−(C0−C4)アルキレン−Hであり、ここで、アルキル及びアルキレンは無置換、又はFにより一、二若しくは三置換され;
R3は、Hであり;
R4は、Hであり;
R5は、H、(C1−C4)アルキルであり;
Aは、(C6)アリール又は(C5−C6)ヘテロアリールであり;
nは、1、2であり;
zは、1であり;
R6は、(C1−C4)アルキル、ハロゲン、(C0−C2)アルキレン−O−(C0−C6)アルキレン−H、(C0−C2)アルキレン−(C6−C10)アリールであり、ここで、アルキル、アリール及びアルキレンは無置換、又はFにより一、二若しくは三置換され、そして、アリールは無置換、又はCF3により一置換されても良く;
R7は、H、(C1−C4)アルキル、ハロゲンであり、ここで、アルキルは無置換、又はFにより一、二若しくは三置換され;
R8は、H、Fである;
請求項1〜3のいずれか1項に記載の式1の化合物、全てのその立体異性体、エナンチオマー体及び任意の割合での混合物、並びにその生理学的に許容される塩及び互変異性体。
【請求項5】
R1は、(C1−C4)アルキル、(C3−C6)シクロアルキル、フェニルであり、ここで、アルキルは無置換、又はFにより一、二若しくは三置換されても良く;
R2は、H、F、Cl、O−(C1−C4)アルキレン−Hであり、ここで、アルキレンは無置換、又はFにより一、二若しくは三置換され;
R3は、Hであり;
R4は、Hであり;
R5は、H、(C1−C4)アルキルであり;
Aは、フェニル、チオフェン、チアゾール、ピリジンであり;
nは、1、2であり;
zは、1であり;
R6は、(C1−C4)アルキル、F、Cl、O−(C0−C6)アルキレン−H、フェニルであり、ここで、フェニルは無置換、又はCF3により一置換されても良く;
R7は、H、(C1−C4)アルキル、Clであり、ここで、アルキルは無置換、又はFにより一、二若しくは三置換され;
R8は、H、Fである;
請求項1〜4のいずれか1項に記載の式1の化合物、全てのその立体異性体、エナンチオマー体及び任意の割合での混合物、並びにその生理学的に許容される塩及び互変異性体。
【請求項6】
R1は、エチル、イソプロピル、tert−ブチル、シクロプロピル、シクロヘキシル、フェニル又はトリフルオロメチルであり;
R2、R3、R4、R5は、H、F、Cl、CH3、OCH3であり;
Aは、フェニルであり;
nは、1であり;
zは、1であり;
R6は、オルト位にあり、そして、Cl、Br又はO−(C1−C2)−アルキルであり;
R7は、パラ位にあり、そして、Cl、Br又はCF3であり;
R8は、Hである;
請求項1〜5のいずれか1項に記載の式1の化合物、全てのその立体異性体、エナンチオマー体及び任意の割合での混合物、並びにその生理学的に許容される塩及び互変異性体。
【請求項7】
R1は、イソプロピルであり;
R2、R3、R4、R5は、Hであり;
Aは、フェニルであり;
nは、1であり;
zは、1であり;
R6は、O−(C1−C2)−アルキルであり、そして、オルト位にあり;
R7は、パラ位にあり、そして、Cl又はCF3であり;
R8は、Hである;
請求項1〜6のいずれか1項に記載の式1の化合物、全てのその立体異性体、エナンチオマー体及び任意の割合での混合物、並びにその生理学的に許容される塩及び互変異性体。
【請求項8】
R1は、トリフルオロメチルであり;
R2、R3、R4、R5は、Hであり;
Aは、フェニルであり;
nは、1であり;
zは、1であり;
R6は、O−エチルであり、そして、オルト位にあり;
R7は、パラ位にあり、そしてCl又はCF3であり;
R8は、Hである;
請求項1〜7のいずれか1項に記載の式1の化合物、全てのその立体異性体、エナンチオマー体及び任意の割合での混合物、並びにその生理学的に許容される塩及び互変異性体。
【請求項9】
R1は、シクロヘキシルであり;
R2、R3、R4、R5は、Hであり;
Aは、フェニルであり;
nは、1であり;
zは、1であり;
R6は、O−エチルであり、そしてオルト位にであり;
R7は、パラ位にあり、そして、Cl又はCF3であり;
R8は、Hである;
請求項1〜8のいずれか1項に記載の式1の化合物、全てのその立体異性体、エナンチオマー体及び任意の割合での混合物、並びにその生理学的に許容される塩及び互変異性体。
【請求項10】
R1は、フェニルであり;
R2、R3、R4、R5は、Hであり;
Aは、フェニルであり;
nは、1であり;
zは、1であり;
R6は、O−エチルであり、そして、オルト位にあり;
R7は、パラ位にあり、そして、Cl又はCF3であり;
R8は、Hである;
請求項1〜9のいずれか1項に記載の式1の化合物、全てのその立体異性体、エナンチオマー体及び任意の割合での混合物、並びにその生理学的に許容される塩及び互変異性体。
【請求項11】
R1は、シクロプロピルであり;
R2、R3、R4、R5はHであり;
Aは、フェニルであり;
nは、1であり;
zは、1であり;
R6は、O−エチルであり、そしてオルト位にあり;
R7は、パラ位にあり、そして、Cl又はCF3であり;
R8は、Hである;
請求項1〜10のいずれか1項に記載の式1の化合物、全てのその立体異性体、エナンチオマー体及び任意の割合での混合物、並びにその生理学的に許容される塩及び互変異性体。
【請求項12】
R1は、イソプロピルであり;
R2、R3、R4、R5は、Hであり;
Aは、チオフェンであり;
nは、1であり;
zは、1であり;
R6は、O−エチルであり、そして、オルト位にあり;
R7は、パラ位にあり、そして、Cl又はCF3であり;
R8は、Hである;
請求項1〜11のいずれか1項に記載の式1の化合物、全てのその立体異性体、エナンチオマー体及び任意の割合での混合物、並びにその生理学的に許容される塩及び互変異性体。
【請求項13】
請求項1〜12のいずれか1項に記載の1つ又はそれ以上の式1の化合物を含む医薬品。
【請求項14】
請求項1〜12のいずれか1項に記載の1つ又はそれ以上の式1の化合物、及び1つ又はそれ以上の代謝障害又はそれと高頻度に併発する疾患に対して好ましい効果を有する有効成分を含む医薬品。
【請求項15】
請求項1〜12のいずれか1項に記載の1つ又はそれ以上の式1の化合物、及び1つ又はそれ以上の抗糖尿病薬を含む医薬品。
【請求項16】
請求項1〜12のいずれか1項に記載の1つ又はそれ以上の式1の化合物、及び1つ又はそれ以上の脂質モジュレーターを含む医薬品。
【請求項17】
脂肪酸代謝の障害及びグルコース利用障害の治療及び/又は予防のための、請求項1〜12のいずれか1項に記載の式1の化合物の使用。
【請求項18】
インスリン抵抗性が関与する障害の治療及び/又は予防のための、請求項1〜12のいずれか1項に記載の式1の化合物の使用。
【請求項19】
糖尿病に伴う続発症の予防を含む糖尿病の治療及び/又は予防のための、請求項1〜12のいずれか1項に記載の式1の化合物の使用。
【請求項20】
異脂肪血症及びその続発症の治療及び/又は予防のための、請求項1〜12のいずれか1項に記載の式1の化合物の使用。
【請求項21】
メタボリックシンドロームに関連する可能性のある状態の治療及び/又は予防のための、請求項1〜12のいずれか1項に記載の式1の化合物の使用。
【請求項22】
中枢及び末梢神経系の脱髄障害及び他の神経変性障害の治療及び/又は予防のための、請求項1〜12のいずれか1項に記載の式1の化合物の使用。
【請求項23】
脂肪酸代謝の障害及びグルコース利用障害の治療のための、少なくとも1つの更なる活性化合物と組み合わせる請求項1〜12のいずれか1項に記載の化合物の使用。
【請求項24】
インスリン抵抗性が関与する障害の治療のための、少なくとも1つの更なる活性化合物と組み合わせる請求項1〜12のいずれか1項に記載の化合物の使用。
【請求項25】
活性化合物を薬学的に適切な担体と混合し、この混合物を投与に適切な形態にすることを含む請求項1〜12のいずれか1項に記載の1つ又はそれ以上の化合物を含む医薬品の製造法。

【公表番号】特表2009−510146(P2009−510146A)
【公表日】平成21年3月12日(2009.3.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−533906(P2008−533906)
【出願日】平成18年9月26日(2006.9.26)
【国際出願番号】PCT/EP2006/009300
【国際公開番号】WO2007/039174
【国際公開日】平成19年4月12日(2007.4.12)
【出願人】(399050909)サノフィ−アベンティス (225)
【Fターム(参考)】