説明

二重ローター電磁装置の制御

【課題】逆起電力を減少させるために、装置が作動している間にローターの相対的な角度変位を調整するための機構を備えた二重ローターの電気同期機の必要性が存在する。高いトルク負荷を担持することができる調整機構の必要性も存在する。
【解決手段】電気同期機には、ハウジングと、当該ハウジング内に回転可能に支持されている第一及び第二のシャフトとが備えられ、当該第一及び第二のシャフトの各々は、対応するローターが固定されており、これらは両方とも永久磁石界磁極を有している。各ローターは、対応する環状のステータによって包囲されており、ステータコイルが両方のステータに巻かれている。第一のシャフトと第二のシャフトとの間に遊星変速機が結合されており、当該遊星変速機は、第一及び第二のシャフトが回転中に、第一のシャフトに対する第二のシャフトの配向角を調整するように作動可能である。

【発明の詳細な説明】
【発明の分野】
【0001】
本発明は、ブラシレスの永久磁石電動機及び発電機、特に、ハイブリッド車両又は工作機械において使用されるもののような広い速度範囲に亘って作動しなければならないブラシレスの永久磁石電動機及び発電機に関する。より特定すると、本発明は、電動機の作動中におけるこのような電動機の制御に関する。
(関連出願の記載)
本願は、2006年10月26日にRonald D Bremnerによって出願された“二重ローター電磁装置”という名称の米国特許出願第11/588546号の一部継続出願に基づくものであり、同一発明者及び出願人によるものである。
【背景技術】
【0002】
ブラシレスの永久磁石電動機は、その速度に比例した逆起電力を有している。高速度においては、電動機の逆起電力は、電源が供給し得る量よりも遙かに高くなり得る。この速度以上においては、電動機の磁界を弱めるために、逆起電力を有する位相からずれた位相の付加的な電流出力が付加されなければならない。このことは、“弱め界磁”として知られており、Unique Mobility,Inc.に付与された米国特許第5,677,605号に説明されている。この電流は電力損失及び熱を形成するので、電子部品が高い電流容量を有することを必要とする。
【0003】
この問題を解決するための一つの試みが米国特許第6,998,757号に記載されている。当該米国特許においては、多重ローター同期機が、ステータコアの外周及び内周に設けられている第一及び第二のローターを含んでいる。第二のローターの内部に設置されている機構は、第一のローターと第二のローターとの相対的な回転を制御している。2つのローターを備えた電磁装置が米国特許第4,739,201号に記載されている。ローターは、トルクリップルを減少させるために、相対的に角度を付けて配置されるけれども、ローター間の相対的な角度変位を制御又は変化させるための機構は記載されていない。2つのローターを備えた別の電磁装置が米国特許第6,975,055号に記載されている。この装置においては、界磁石を備えた2つのローターが、ねじが切られたロッドにねじ止めされている。
【0004】
しかしながら、これらの装置のいずれもが、簡素で、低廉で、装置が作動している間に作動することができ且つ高いトルク負荷を支えることができるローターの相対的な角度変位を調整するための機構を有していないことが明らかである。更に、これらの装置のいずれも、互いに180度で整合されたローターによる逆起電力を提供するローターを使用していない。
【発明の開示】
【0005】
従って、本発明は、簡素で且つ低廉なローターの相対的な角度変位を調整するための機構を備えた二重ローター電磁装置を提供することを目的としている。
本発明のもう一つ別の目的は、このような装置が作動しつつある間に作動することができる機構を備えている二重ローター電磁装置を提供することである。
【0006】
本発明の更にもう一つ別の目的は、高いトルク負荷を支えることができるこのような機構を備えた二重ローター電磁装置を提供することである。
これらの及びその他の目的は、電気同期機がハウジングと当該ハウジング内に回転可能に支持されている一対のシャフトとを含んでいる本発明によって達成される。第一のローターが第一のシャフトと共に回転するように固定されており、第二のローターが第二のシャフトと共に回転するように固定されている。これらのローターは両方とも、永久磁石の界磁極を担持している。第一の環状のステータが、ハウジング内に取り付けられ且つ第一のローターを包囲している。第二の環状のステータが、ハウジング内に取り付けられ且つ第二のローターを包囲している。これらのステータは両方ともステータコイルが巻かれている。第一のステータと第二のステータとは空隙によって分離されている。第一のシャフトと第二のシャフトとの間には結合機構が結合されており、当該結合機構は、第一及び第二のシャフトの回転中に、第一のシャフトに対する第二のシャフトの配向角を調整するように作動可能である。
【0007】
当該結合機構は、第一のシャフトに結合された第一の太陽歯車、第二のシャフトに結合された第二の太陽歯車、第一の太陽歯車に結合された第一の遊星歯車セット、第二の太陽歯車に結合された第二の遊星歯車セット、前記第一及び第二の遊星歯車セットを回転可能に支持している遊星枠、ハウジングに固定され且つ前記第一の遊星歯車セットとかみ合い係合している固定されたリング歯車、ハウジングによって回転可能に支持され且つ前記第二の遊星歯車セットとかみ合い係合している可動のリング歯車、を備えた遊星変速機である。
【0008】
本発明による電気同期機を制御する方法は、各々が異なる長さを有し且つ少なくとも1つの磁石の対が外周に取り付けられている2つのローター間の所望の整合角度を決定するステップを含んでいる。当該電気同期機内の2つのローター間の角度の整合は、当該同期機の作動中に、遊星機構を使用して自動的に所望の整合角度に変えられる。0度の角度の整合すなわち2つのローターが相対的に整合せしめられたときの基準速度での逆起電力が、180度の角度整合すなわちローター同士が相対的に一杯まで不整合とされたときの最大速度での逆起電力と等しくなるようにできる。
【0009】
本発明による電気同期機を製造する方法は、所定の特定された同期機がちょうど1つのローターを有するようにされている場合に、当該特定された同期機のローター全長さを決定するステップを含んでいる。所定の特定された所望の基準速度及び最大速度に基づいて、2つのローターの各々に対して異なる別個のローター長さが決定される。当該電気同期機は、前記決定された異なる別個のローター長さによって製造される。異なる別個のローター長さは、以下の式に基づいて決定される。
【0010】
すなわち、Δ=基準速度/最大速度である場合に、
第一のローターの長さ=(0.5+Δ/2)*ローターの全長さ、とされ、
第二のローターの長さ=(0.5−Δ/2)*ローターの全長さ、とされる。
【0011】
当該同期機を駆動するための少なくとも1つの電子電動機の特定の定格電圧に対して、基準速度における逆起電力に基づいたコイルの第一の数が決定され、当該決定されたコイルの第一の数によって電気同期機が製造される。従って、1つのローター又は0度で整合された等しい長さの2つのローターを有する電気同期機に対して、前記コイルの第一の数は、最大速度での逆起電力に基づいている場合に必要とされるコイルの第二の数より増され、それによって、コイルの当該増やされた数によって前記電気同期機の電流要件が減じられるようにされる。
【好ましい実施形態の説明】
【0012】
図1を参照すると、多重ローター電磁同期機10はハウジングを備え、当該ハウジングは、第一の端部ハウジング12と、中央ハウジング14と、第二の端部ハウジング16とを含んでいる。円筒形のハウジングリング18が、第二の端部ハウジング16から突出しており且つ遊星歯車機構20を包囲している。ウォーム歯車24を備えたアクチュエータ22がハウジングリング18に取り付けられている。
【0013】
図2を参照すると、中央ハウジング14は、内側スリーブ30と外側スリーブ32とを備えている。端部プレート19がハウジングリング18を覆っている。複数の水冷通路34が内側スリーブ30の外周面に形成されており、これらの通路34は、外側スリーブ32によって覆われ且つシールされている。スリーブ30は、T字形状の断面を有し且つアルミニウムのような熱伝導性材料によって形成されるのが好ましい。スリーブ30は、円筒形の縁33の内面から径方向内方へ突出している環状の中央脚部31を備えている。端部ハウジング12は中央穴36を備えている。端部プレート19は中央の止まり穴38を形成している。ベアリング40が穴36内に取り付けられており、ベアリング42が穴38内に取り付けられており、それによって、2つの部分からなるシャフトアセンブリ44を回転可能に支持している。
【0014】
シャフトアセンブリ44は、第一の中空の外側シャフト46と第二の中実の内側シャフト48とを含んでいる。第二のシャフト48は、より大きな直径部分50と、第一のシャフト46を回転可能に受け入れるより小さな直径部分52とを含んでいる。シャフト48のより大きな直径部分50は、ベアリング40によって回転可能に支持されており、小径部分52の端部53はベアリング42によって回転可能に支持されている。より大きな直径部分50は、第一のシャフト46内を通り、第一のシャフト46の軸線方向端部から外方へ突出している端部53へと延びている。ベアリングスリーブ49は、シャフト48のより大きな直径部分とより小さい直径部分とを結合している肩部に隣接した中空シャフト46の内側端部を回転可能に支持している。
【0015】
中空の環状ステータ54及び56は、シャフトアセンブリ44と同心状のハウジングの内側に非回転状態で取り付けられており、鋼によって作られているのが好ましい。一般的な中空環状コイルアセンブリ58が、ステータ54及び56の内側に非回転状態で取り付けられており且つこれらもまたシャフトアセンブリ44と同心状である。
【0016】
第一のローター60は、第一のシャフト46と共に回転するように当該シャフトと一体化されるか又は固定的に取り付けられている。第二のローター62は、第二のシャフト48のより大きな直径部分50と共に回転するように当該部分と一体化されるか又は固定的に取り付けられ、第一のローター60から軸線方向に隔置されている。空隙によって、ステータアセンブリ54及び56がローター60及び62から隔てられている。
【0017】
環状の磁気検知リング61か、ローター60の外側端面の隣でシャフト46に取り付けられている。環状の磁気検知リング63は、ローター62の外側端面の隣でシャフト50に取り付けられている。磁気検知リング61及び63は、一般的な検知リングであり且つこれらが取り付けられているシャフトの位置を示す信号を提供するために使用しても良い。当該モーターは三相巻線を有しているのが好ましい。コントローラ(図示せず)は、シャフトの検知された位置に基づいて巻線に電流を送る。
【0018】
図2及び5を参照すると、遊星変速機20はハウジングリング18によって包囲されている。遊星変速機20は、第一のシャフト46の外側端部に形成された第一の太陽歯車72と、スプライン(図示せず)によって内側シャフト48の端部53に一緒に回転できるように取り付けられ且つ固定された第二の太陽歯車74とを含んでいる。太陽歯車72及び74は、同じ外径を有しているのが好ましい。回転可能な遊星枠75は、複数の遊星枠の支柱76を含んでいる。第一の遊星歯車セット78は、第一の太陽歯車72の歯とかみ合い係合するために支柱76に回転可能に取り付けられている。第二の遊星歯車セット82が、太陽歯車74とかみ合い係合するために支柱76上に遊星歯車78に隣接して回転可能に取り付けられている。固定のリング歯車84は、リングハウジング18の内面に固定されており且つ第一の遊星歯車78とかみ合い係合している。可動のリング歯車86が、固定のリング歯車84に隣接しているリングハウジング18内に回転可能に取り付けられている。リング歯車86は、第二の遊星歯車82とかみ合い係合している。アクチュエータ22のウォーム歯車24は、リング歯車86の外側面上に形成された歯とかみ合い係合している。
【0019】
図3に最も良く見られるように、第一のローター60は、環状のローター部材90と、その周囲に取り付けられた複数の永久磁石91〜96とを含んでいる。磁石91,93及び95は、N磁極が径方向外方に向いている。磁石92,94及び96は、磁石91,93及び95の各対間に配置されており且つS磁極が径方向外方を向いている。その結果、ローター60の外周に沿って前進するときに、各磁石は、隣接する磁石と反対のすなわち180度ずれた磁極の向きを有している。各ローターは、少なくとも1つの磁石の対を備えており、当該磁石の対のうちの第一の磁石は、N磁極が径方向外方を向いており、当該磁石の対のうちの第二の磁石は、S磁極が径方向外方を向いている。この磁石の対のうちの第一の磁石及び第二の磁石は、互いに180度離して取り付けられている。1以上の磁石の対が、同様にそれ自体位置決めされ且つ外方へ放射される磁極がローターの外周に沿って等間隔で隔置された磁石の対間でN極とS極とが互い違いになるように、磁石の対が等間隔で隔置されている。
【0020】
図4に最も良く見られるように、第二のローター62は、環状のローター部材100と、その外周に取り付けられた複数の永久磁石101〜106とを含んでいる。磁石101,103及び105は、N磁極が径方向外方を向いている。磁石102,104及び106は、磁石101,103及び105の各対間に配置されており且つS磁極が径方向外方を向いている。この結果、第二のローター62の外周に沿って前進するときに、各磁石は、隣接する磁石と反対のすなわち180度ずれた磁極の向きを有している。磁石91〜96及び101〜106は、同じ角度幅を有しているのが好ましい。これらの磁石もまた、同じ軸線方向長さを有していても良い。
【0021】
図2に最も良く見られるように、ステータ54及び56は軸線方向に隔てられており、これらの間の空隙は、スリーブ30の脚部31によって塞がれている。図3及び4に最も良く見られるように、スリーブ30の脚部31は、径方向内方へ延びており且つ各々がコイル58のうちの対応する一つを収容している複数の溝孔37を含んでいる。その結果、脚部31は、各コイル58の内側端部以外の全てを包囲して熱をコイル58から効率良く逃がす。
【0022】
ローター60及び62は、電動機の速度で回転する。図6に示されているように、基準速度以下においては、ローター60及び62は、当該ローターの各々の磁石91〜96及び101〜106のN極及びS極が径方向において同じ整合状態を有するように相対的に配向されている。このことにより、各コイル部分58内の電圧が最大逆起電力を形成するようにされる。基準電動機速度以上においては、ローター60及び62は、リング歯車86を回転させることによって、意図的に相対的に不整合状態とされる。例えば、図1においてリング歯車86を反時計方向に回転させることによって、太陽歯車74、シャフト48及び第二のローター62が第一のローター60に対して時計方向に回転せしめられるであろう。遊星変速機20においては、電動機10が作動している間に、ローター60及び62の整合が変化せしめられ且つ制御され、遊星変速機20は、高出力及び高トルクレベルでの作動に耐えるであろう。
【0023】
ローター60及び62のうちの一方並びに当該一方のローターに取り付けられた磁石は、他方のローター及びその磁石よりも軸線方向においてより長いのが好ましい。例えば、図2においては、ローター62は、55%乃至45%の比率でローター60よりも軸線方向に長い。その結果、図6に示されているように整合されたローター60及び62における基準速度においては、逆起電力の総計は、最大(100%)であろう。ローター60と62との不整合によって逆起電力り総計が減少する。従って、この同じ速度において、ローターが一杯まで不整合状態とされている場合には、逆起電力の総計は、最大値(55%〜45%)の10%であろう。基準速度の10倍においては、ローターは一杯まで不整合とされた場合には、逆起電力の総計は、基準速度での最大値の100%(10×(55〜45))であろう。
【0024】
別の方法として、各ローター上の磁石が同じ大きさ及び形状を有しており且つ同じ磁気特性を有している場合には、ローターは一杯まで(6個の磁石を担持しているローターにおいて60度ずつ)不整合とされ得る。この結果、ローター60のN磁極はローター62のS磁極と整合せしめられ、逆起電力は発生されないであろう。このように、ローター10は、過回転作動中に逆起電力電圧を発生しない構造とすることができ、それによって、コイル58の電圧の過負荷及び短絡に対して保護することができる。
【0025】
本発明の一実施形態は、存在する場合に所望のレベルの逆起電力(起電力)電圧を達成するために、基準速度以上及び以下において電動機が作動している間にローターの割り振りを制御する。ローターの割り振りの制御は、ローターの相対的な整合を制御することを含んでいる。基準速度は、ローターが整合されたときに最大の許容可能な逆起電力を生成する如何なる選択された速度とすることもできる。
【0026】
基準速度以下では、ローターは、第一のローターのN極が第二のローターのN極と整合されるように互いに整合されるであろう。ローターが基準速度以上において整合される場合には、電動機は、所望されるよりも大きな逆起電力を発生するであろう。従って、基準速度以上においては、ローターは、逆起電力がほぼ一定のままであるように割り振られるであろう。市販によって入手可能な電動機コントローラは、一定の逆起電力を必要としない。しかしながら、本発明の一実施形態においては、適正に一定の逆起電力を有することによって、コントローラがより低い電流によって作動するのが可能になる。
【0027】
各ローターが等しい長さを有する場合には、ローターが180度で整合されているときに逆起電力はゼロになるであろう。しかしながら、ローターが等しい長さでない場合には、180度での逆起電力は次の式によって決定される。
【式1】
【0028】

【0029】
式中、Δは、ローターの長さによって決定される逆起電力比率であり、
aは、第一のローターの長さであり、
bは、第二のローターの長さであり、
は、0度の整合における逆起電力であり、
180は、180度の整合における逆起電力である。

上式から、ローターの好ましい長さは、基準速度と最大速度とによって決定することができる。この速度比は、
【式2】
【0030】

【0031】
式中、Rspeedは速度比である。RspeedがΔに等しく設定され、整合角度が180に等しく設定されている場合には、最大速度での逆起電力は、基準速度において整合されたローターの逆起電力と同じであろう。
【0032】
上式から、a及びbの長さは、次式によって決定することができる。
第一のローターの長さ=(0.5+Δ/2)*ローターの全長さ
第二のローターの長さ=(0.5−Δ/2)*ローターの全長さ

電気同期機は、ただ一つのローターを有している所定の特定電気同期機にとって必要とされるローターの全長さを予め決定することによって、構成し、設計し、製造することができる。次いで、各ローターに対して、所定の所望基準速度及び最大速度に応じて異なる別個のローター長さを決定することができる。第一のローターの長さと第二のローターの長さとの合計は、所定のローターの全長さと等しくなる。
【0033】
次の数学的な恒等式が存在する。
【式3】
【0034】

【0035】
式中、
aは、一番目のサイン波の振幅であり、
bは、二番目のサイン波の振幅であり、
cは、結果的に得られるサイン波の振幅であり、
αは、一番目の波と二番目の波との間の位相角である。
βの関係は、当該好ましい実施形態の装置においては使用されていない。
【0036】
一つの実施形態においては、ローターの長さはサイン波の振幅に比例している。従って、“a”は、第一のローターの長さを両方のローターの長さの合計で割った値である。言い換えると、第一のローターの長さが50mmであり、第二のローターの長さが50mmである場合には、aは50/100=0.50である。第一のローターの長さが30mmであり、第二のローターの長さが70mmである場合には、aは30/100すなわち0.30である。値“b”は、第二のローターの長さを両方のローターの長さの合計で割った値である。好ましい実施形態においては、“a”及び“b”は、“a”プラス“b”が常に1に等しいように規定されている。
【0037】
両方のローターが同じ長さ、a=b=0.50である場合に、
αは、一つのローターが第二のローターと比較して割り振りされる角度である。どのローターが他のローターより前方に割り振りされるかは問題ではない。
【0038】
cは、ローターが整合された場合に、電動機がどの程度の大きさの逆起電力を発生するかに比較して、電動機がどの程度大きな逆起電力を発生するかを決定するであろう。上の恒等式から、cの最大値は1であり、これはcosα=1すなわちα=0°であるときに生じる。
【0039】
電動機が基準速度よりも遅い速度で作動している場合には、cは1に等しいように設定され、0°の割り振り角度を有するようにローターが整合されるであろう。電動機が基準速度より速い速度で作動している場合には、逆起電力は減じられるであろう。
【0040】
標準的な永久磁石の装置の場合には、逆起電力は次の式に基づく。
【式4】
【0041】

【0042】
式中、Eは逆起電力であり、
は電圧常数であり、
ωは電動機速度である。
【0043】
この実施形態に記載されている同期機に対しては、同期機の速度が基準速度よりも高速であるときには、上の式は以下のように修正することができる。
【式5】
【0044】

【0045】
式中、Eは一定の逆起電力として維持されており、
c(ω)は、c(ω)=ω/ω(式中、ωは同期機の基準速度である)として計算される変数である。
【0046】
上記の恒等式は、以下のように処理することができる。
【式6】
【0047】

【0048】
電動機の速度が基準速度以上に変化すると、cは上式によって減じられるであろう。括弧内の値のアークコサイン(arccos)は、ローターが整合される必要がある角度を付与するであろう。
【0049】
一つの実施形態においては、アークコサインの計算は、当該装置が作動している間にプロセッサによって行われる。他の実施形態においては、電動機の速度に基づく計算を行うことによって予め作られたルックアップ表が使用される。このルックアップ表は、ローターが所望の逆起電力のために整合される必要がある電動機の速度の割り振りに対する所望の角度を有している。
【0050】
更に別の実施形態においては、ローターの所望の割り振り角度が、電動機の検知された逆起電力に基づいて決定される。これは、例えばA/Dコンバータを使用することによって電動機の逆起電力を測定することによって行うことができる。電動機の逆起電力が基準速度での逆起電力よりも高いときには、逆起電力が正しくなるまで所望の割り振り角度で増分される。逆起電力を検知する一実施形態においては、ここに記載されているローター位置センサーの一つ又は両方を取り除くことができる。
【0051】
ローター間の角度不整合が、同期機が作動している間にプロセッサによって判定されるか、ルックアップ表を使用して判定されるか、同期機の逆起電力を測定することによって判定されるかに拘わらず、判定値は、アクチュエータによって必要とされる形態で入力されてローターが判定された値に基づいて変更されて整合状態とされる。アクチュエータは、信号を受け取り、当該信号に応答して、ローターの相対的な角度位置を変える。
【0052】
ローターの相対的な角度位置を相対的に制御するための実施形態においては、一つのリング歯車は停止しており、第二のリング歯車は回転可能である。ローターは、回転可能なリング歯車を動かすことによって整合せしめられる。このリング歯車は、リング歯車にトルクを付与するシリンダによって回転させても良い。当該シリンダは、液圧によるものであっても、空気圧によるものであっても、電気的なものであっても良い。図7は、シリンダ701によって調整できるリング歯車を備えた構造を図示している。
【0053】
別の方法として、リング歯車は、リング歯車と係合し且つそれを回転させるウォーム歯車によって回転させても良い。リング歯車を備えた構造が図1及び2に示されている。アクチュエータ22はウォーム歯車24を駆動する。
【0054】
電気同期機を制御するための方法は、各々がその外周に少なくとも一対の磁石を有する2つのローター間の所望の整合角度を決定し、当該同期機の作動中に当該同期機内の前記2つのローター間の角度の整合を前記所望の整合角度へと自動的に変える。前記所望の整合角度の決定は、同期機の速度及び逆起電力のうちの少なくとも1つに基づく。プロセッサのうちの少なくとも1つ、ルックアップ表及び同期機の検知された逆起電力のうちの少なくとも1つが当該決定をするために利用される。当該方法は更に、同期機の速度が基準速度よりも大きいか否かを判定すること、及び同期機の速度が基準速度よりも大きい場合に前記所望の整合角度を決定することを更に伴う。当該同期機の逆起電力は、同期機の現在の速度に応答して同期機内の2つのローター間の角度整合を自動的に変えることによって制御される。同期機の速度が基準速度から更に増加すると、結果的に得られる逆起電力は、基準速度で作動している同期機によって生じる基準の逆起電力によって一定に保たれる。
【0055】
電気同期機を制御するための装置は、同期機の現在の状態(この現在の状態には、同期機の速度の少なくとも1つ、同期機の逆起電力及び各々が異なる長さを有し且つその外周に取り付けられた少なくとも1つの磁石の対を有している2つのローター間の整合角度が含まれる)を検知するためのセンサーと、同期機の作動中及び前記現在の状態に基づいた入力を受け取ることに応答して当該同期機内の2つのローター間の角度の整合を自動的に変えるアクチュエータとを含んでいる。同期機の逆起電力は、同期機の現在の速度に応答して、同期機内の2つのローター間の角度の整合を自動的に変えるアクチュエータによって制御される。
【0056】
電気同期機を制御するための装置は、同期機の速度に基づいて、各々が異なる軸線方向長さを有している2つのローター間の所望の整合角度を決定するための制御ロジックと、同期機の作動中の速度の変化に応答して、前記決定された所望の整合角度によって同期機内の2つのローター間の角度整合を自動的に変えるアクチュエータとを含んでいる。前記制御ロジックは、同期機の速度が基準速度よりも速い場合に所望の整合角度を決定し、前記アクチュエータは、前記基準速度以上の速度変化に応答して角度整合を自動的に変える。当該同期機の逆起電力は、同期機の現在の速度に応答して同期機内の2つのローター間の角度整合を自動的に変えるアクチュエータによって制御される。
【0057】
図8は、割り振り角度が決定される方法のフロー図である。このプロセスは、ステップ801において始まり、ステップ802において、電動機の速度が基準速度よりも速いか否かを判定する。答えが是である場合には、次いで、ステップ803において、基準速度を電動機速度で割った値に等しい逆起電力比として“c”が計算される。ステップ804においては、所定の電動機に対して定数“a”及び“b”が使用される。これらの定数は、電動機の製造者から入手可能である。定数“a”は、ローター1の長さをローターの全長さで割ったローター1の比である。定数“b”は、1−“a”に等しいローター2の比である。ステップ806においては、整合角度が、既に記載したようにして計算される。次いで、図9に示されているように、整合サブルーチン810までプロセスが続けられる。しかしながら、ステップ802まで戻って、電動機速度が基準速度以下である場合には、次いで、ステップ807において整合角度がゼロに等しくされる。図9に示されているように、プロセスは、整合サブルーチン810へと続く。
【0058】
図9は、整合サブルーチン810のフロー図であり、装置の誤差が判定される方法を示している。ステップ811及び812の各々において、ローター1及び2の電気的な角度が入力される。次いで、ステップ814において、ローター1の電気的角度からローター2の電気的角度を差し引くことによって相対的な位置が判定される。ステップ815において、前記整合角度から前記相対的な位置を差し引くことによって誤差が判定される。ステップ820において、プロセスは割り振りサブルーチンによって続けられる。
【0059】
図10は、割り振りサブルーチン820のフロー図であり、ひとたび誤差があることがわかったときに、割り振りが如何にして生じるかを示している。決定ブロック822は、誤差の絶対値がヒステリシスバンドより大きいか否かを判定する。これが否である場合には、当該ルーチンはステップ826において出て行く。是である場合には、割り振り角度が小さすぎるか否かの判定823が行われる。これが是である場合には、ステップ825において割り振り角度が増される。否である場合には、ステップ824において割り振り角度が減じられる。次いで、ルーチンはステップ826において出て行く。
【0060】
図11Aは一実施形態のフロー図である。電気同期機を制御するための方法は、各々がその外周に少なくとも一対の磁石を有する2つのローター間の所望の整合角度を決定し(ステップ210)、当該同期機の作動中に当該同期機内の前記2つのローター間の角度の整合を前記所望の整合角度へと自動的に変える(ステップ222)。前記所望の整合角度の決定210は、同期機の速度201及び逆起電力202のうちの少なくとも1つに基づく。プロセッサ211、ルックアップ表212及び同期機の検知された逆起電力213のうちの少なくとも1つが当該決定をするために利用される。当該方法は更に、同期機の速度が基準速度よりも大きいか否かを判定することを更に伴う(ステップ220)。答えが否である場合には、角度整合は、0度に調整されるか又は保たれる(ステップ223)。速度が基準速度よりも速い場合には、角度整合は変えられる(ステップ222)。当該同期機の逆起電力は、同期機の現在の速度に応答して同期機内の2つのローター間の角度整合を自動的に変えることによって制御される。同期機の速度が基準速度から更に増加すると、結果的に得られる逆起電力は、基準速度で作動している同期機によって生じる基準の逆起電力によって一定に保たれる。
【0061】
図11Bは、好ましい実施形態のブロック図である。電気同期機を制御するための装置240は、同期機の速度251、同期機の逆起電力252、及び、各々が異なる軸線方向長さを有し且つ各々がその外周に取り付けられた少なくとも1つの磁石の対を有している2つのローター間の整合角度253のうちの少なくとも1つである同期機の現在の状態を検知するためのセンサー250と、同期機の作動中に且つ前記現在の状態に基づいた入力の受け取りに応答して同期機内の2つのローター間の角度の整合を自動的に変えるアクチュエータ260とを含んでいる。同期機の逆起電力は、同期機の現在の速度に応答して同期機内の2つのローター間の角度の整合を自動的に変えるアクチュエータによって制御される。
【0062】
電気同期機280を制御するための装置240は更に、同期機の速度に基づいて、各々が異なる軸線方向長さを有している2つのローター間の所望の整合角度を決定するための制御ロジック270と、同期機の作動中の速度の変化に応じて、前記決定された所望の整合角度によって同期機内の2つのローター間の角度の整合を自動的に変えるアクチュエータ260とを含んでいる。制御ロジック270は、同期機の速度が基準速度よりも速い場合に所望の整合角度を決定し、アクチュエータ260は、基準速度を越える速度の変化に応答して、角度調整を自動的に変える。同期機の逆起電力は、同期機の現在の速度に応じて、同期機内の2つのローター間の角度整合を自動的に変えるアクチュエータによって制御される。
【0063】
図12は、本発明の一実施形態の制御ロジックのフロー図である。同期機の速度がセンサーによって検知され且つ制御ロジックに入力され(ステップ901)、当該制御ロジックは、速度が基準速度より速いか否かを判定する(ステップ903)。答えが否である場合には、速度が基準速度以上であるか否かという判定がステップ903でなされるまで速度がステップ901において検知され続ける。速度が基準速度以上である場合には、制御ロジックは、ローターの相対的な回転を判定して所望の角度調整を達成する(ステップ905)。この判定は、ここに提供されている計算に従って、マイクロコード、プログラムコード化された指示及びプロセッサを使用して行うことができ、又は所定の同期機用として予め形成されたルックアップ表を使用して行うことができる。入力に基づいて、制御ロジックは、所望の角度調整を達成するために、ローターが調整することを必要としているか否かを判定する(ステップ907)。答えが否である場合には、制御はステップ901へと戻る。答えが是である場合には、アクチュエータ信号が送られ、決定された所望の角度整合に基づいて一つのローターの他のローターに対する角度位置を回転させる(ステップ909)。次いで、逆起電力が測定される(ステップ911)。制御ロジックは、測定された逆起電力が所望のレベルにあるか否かを判定する(ステップ913)。答えが否である場合には、ローターの相対的な角度調整が調整され(ステップ909)、制御は、逆起電力の測定へステップ911へと戻る。ステップ913において逆起電力が所望のレベルにあると判定されると、次いで、制御はステップ903へと移り、速度が基準速度以上であるか否かが判定される(ステップ903)。
【0064】
図13は、電気同期機を製造するためのプロセスのフロー図である。大きさを含む所定の電気同期機のための規格についての入力が受け取られる(ステップ951)。一つのローターに対して必要とされるローターの全長さが、所定の特定された同期機に対して決定される(ステップ961)。所定の電気同期機に対する基準速度と最大速度とを特定する入力が受け取られる(ステップ952)。ステップ952におけるこの入力及びステップ961で決定されたローターの全長さから、異なるローター長さの決定がなされる(ステップ962)。同期機を駆動するために少なくとも1つの装置の定格電圧を特定する入力が受け取られる(ステップ953)。これによって、基準速度において必要とされるコイルの数が決定される。種々のローター長さ及び決定された数のコイルを有している電気同期機が製造される(ステップ970)。
【0065】
種々の軸線方向長さのローターを包含している上記の実施形態の利点は、ローターが一杯まで不整合状態とされたとき、すなわち磁石の対の各々に対して相互に180度で整合されているときに、電気同期機が逆起電力を提供することができる点である。
【0066】
上記の実施形態の利点は、電動機すなわち電気同期機が、低速で極めて少ない電流を必要とするように設計することができることである。所定のローター及びステータの設計においては、電動機内のコイルの数は、同期機に対して見積もられる最大逆起電力によって制限される。一般的な永久磁石による装置においては、この最大逆起電力は最大定格速度において生じる。ここに示した実施形態においては、この最大値はより遅い基準速度において生じる。ここに記載された実施形態は、同期機の逆起電力が基準速度以上の速度において減少せしめられて、逆起電力が基準速度において一定に維持されるのを可能にする。従って、コイルの数は増すことができる。例えば、同期機の逆起電力が半分に切りつめられている場合には、コイルの数は2倍にすることができる。
【0067】
当該同期機の電流要件は、コイルの数及び同期機のアンペアターン条件によって決定される。電流要件は、アンペアターンをコイルの数で割った値である。従って、コイルの数が2倍である場合には、電流要件は半分に切り詰められる。同様に、逆起電力が3分の1まで減じられると、コイルの数は3倍にすることができ、電流要件は、元の電流要件の3分の1まで減じられるであろう。従って、逆起電力が減じられるのと同じ割合の量だけ電流要件を減じることができる。同様に、電流条件は、コイルの数が増されるのと同じ割合量だけ減少させることができる。このことにより、パワーエレクトロニクスの電流要件が減じられる。
【0068】
上記の同期機のもう一つ別の利点は、コイルの数が増大せしめられない場合には、パワーエレクトロニクスの電圧要件が減じられることである。最大逆起電力は減じられ、従って、定格電圧の装置を使用することができる。上記のうちの両方ともが、パワーエレクトロニクスのコストを低減させるであろう。
【0069】
“角度整合”という用語が、一つのローター上の磁石の向きが他のローター上の磁石の向きに対して形成する角度を指していることは注意されるべきである。ローターが、これらのローター間にある相対角度を達成する方法で整合されている場合には、ローターは角度整合状態にあると言われる。角度が0度以外の如何なる角度である場合にも、ローターはまた不整合状態であると言うことができる。不整合及び整合という用語は、相対的な角度のずれ又はある角度の不整合を記載するために、ここでは互換的に使用しても良い。角度整合は、0度での整合及び如何なる不整合をも含んでいる。
【0070】
以上、本発明を特定の実施形態に関連して説明したが、上記の説明を参考にすれば、多くの代替例、変形例及び変更例が当業者に明らかとなるであろうということが理解される。例えば、ローター及び磁石は、種々の大きさ、形状及び材料を有することができ、又は、ローターは、より少ない若しくはより多くの磁石を担持することができる。従って、本発明は、特許請求の範囲の精神及び範囲に含まれるそのような代替例、変形例及び変更例の全てを包含することを意図している。
【0071】
また、好ましい実施形態を説明したが、添付の特許請求の範囲に規定されている本発明の範囲から逸脱することなく、種々の変形を施すことができることも明らかとなるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0072】
【図1】図1は、端部プレートが除去された状態の、本発明を実施化している電磁装置の斜視図である。
【図2】図2は、図1の電磁装置の断面図である。
【図3】図3は、図2の線3−3に沿った断面図である。
【図4】図4は、図2の線4−4に沿った断面図である。
【図5】図5は、図1の電磁装置の端面図である。
【図6】図6は、図1のローターアセンブリの斜視図である。
【図7】図7は、ローターの相対的な角度位置を変えるためにソレノイドを使用した本発明の一実施形態による電磁同期機の斜視図である。
【図8】図8は、割り振り角度を決定するための制御論理フロー図である。
【図9】図9は、整合サブルーチンのフロー図である。
【図10】図10は、角度割り振りのためのサブルーチンのフロー図である。
【図11A】図11Aは、本発明の一実施形態の制御論理のフロー図である。
【図11B】図11Bは、本発明の一実施形態のシステムのブロック図である。
【図12】図12は、本発明の一実施形態の制御論理のフロー図である。
【図13】図13は、電気同期機を製造するためのプロセスのフロー図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気同期機を製造する方法であり、
所定の特定された同期機のための第一のローター長さ及び第二のローター長さのためのローターの合計長さを予め決定するステップと、
所定の特定された所望の基準速度及び最大速度に応じて、各ローターのための異なる別個のローター長さを決定するステップと、
前記決定された異なる別個のローター長さによって前記電気同期機を製造するステップと、を含む方法。
【請求項2】
請求項1に記載の方法であり、
Δ=基準速度/最大速度である場合に、
第一のローターの長さ=(0.5+Δ/2)*ローターの全長さ、とされ、
第二のローターの長さ=(0.5−Δ/2)*ローターの全長さ、とされる方法。
【請求項3】
請求項1に記載の方法であり、
前記電気同期機を駆動するための少なくとも1つの電動機装置の特定の定格電圧に対して、前記基準速度での逆起電力に基づいてコイルの第一の数を決定するステップと、
前記決定された第一の数のコイルによって電気同期機を製造するステップと、を更に含んでいる方法。
【請求項4】
請求項3に記載の方法であり、
前記コイルの第一の数が、前記最大速度での逆起電力に基づいている場合に必要とされるコイルの第二の数より増され、それによって、コイルの当該増やされた数によって電気同期機の電流要件が減じられるようにした方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11A】
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【図11B】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2008−182875(P2008−182875A)
【公開日】平成20年8月7日(2008.8.7)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2007−278791(P2007−278791)
【出願日】平成19年10月26日(2007.10.26)
【出願人】(591005165)ディーア・アンド・カンパニー (109)
【氏名又は名称原語表記】DEERE AND COMPANY
【Fターム(参考)】