二重管式熱交換器およびその製造方法並びにそれを備えたヒートポンプシステム
【課題】この発明は、気液二相状態の冷媒であっても、複数の管路に均一に分配できる二重管式熱交換器およびその製造方法並びにそれを備えたヒートポンプを得る。
【解決手段】二重管式熱交換器を構成する熱交換用二重管1は、第1冷媒が流通する複数の細孔2aがその孔中心を軸心と平行として周方向に配列して形成された外管2と、外管2の中心穴内に挿通されて外管2の中心穴の内周壁面に密接して配設され、第2冷媒が流通する内管3、外管2と協働して第1および第2ヘッダー空間9a,9bを画成する第1および第2ヘッダー4,5、および第1および第2ヘッダー4,5のそれぞれに接続された第1および第2配管を有する。そして、第1配管6は、その管路中心が外管2の軸心と直交する平面上に位置し、外管2の軸心から径方向外方に変位して該径方向と直交するように第1ヘッダー4に接続されている。
【解決手段】二重管式熱交換器を構成する熱交換用二重管1は、第1冷媒が流通する複数の細孔2aがその孔中心を軸心と平行として周方向に配列して形成された外管2と、外管2の中心穴内に挿通されて外管2の中心穴の内周壁面に密接して配設され、第2冷媒が流通する内管3、外管2と協働して第1および第2ヘッダー空間9a,9bを画成する第1および第2ヘッダー4,5、および第1および第2ヘッダー4,5のそれぞれに接続された第1および第2配管を有する。そして、第1配管6は、その管路中心が外管2の軸心と直交する平面上に位置し、外管2の軸心から径方向外方に変位して該径方向と直交するように第1ヘッダー4に接続されている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、低温流体と高温流体とを熱交換させて高温流体から低温流体に熱を伝える冷熱機器などに用いられる二重管式熱交換器およびその製造方法並びにそれを備えたヒートポンプシステムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の二重管式熱交換器では、壁内を貫通する多数の冷媒流通孔を開設した円筒形の冷媒流通管を通水官の外周に接合して作製された熱交換用二重管と、通水管の外周壁に接合して冷媒流通管の端末部に設けられた袋状のヘッダーと、を備えている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】特開2002−213885号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の二重管式熱交換器では、多数の冷媒流通孔が周方向に配列して冷媒流通管の壁内を貫通して形成されているので、気液二相状態の冷媒を流通させる場合には、冷媒がヘッダー内に供給された後、各冷媒流通孔に均一に分配されにくい。特に、従来の二重管式熱交換器を蒸発器として動作させた場合、気液二相状態の冷媒が冷媒流通孔に不均一に分配され、液冷媒の分配量の少ない冷媒流通孔では、液冷媒がその管路半ばで全て蒸発してしまい、余分な過熱領域が長くなり、熱交換器全体の伝熱性能が極端に低下するという不具合を生じる。
【0005】
この発明は、上述のような問題を解決するためになされたものであり、気液二相状態の冷媒であっても、複数の管路に均一に分配できる二重管式熱交換器およびその製造方法並びにそれを備えたヒートポンプを得ることを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明の二重管式熱交換器は、中心穴が軸心位置に形成された円筒状に作製され、第1冷媒が流通する複数の管路がその管路中心を該軸心と平行として周方向に配列して形成された第1管、上記第1管の中心穴内に挿通されて該第1管の中心穴の内周壁面に密接して配設され、第2冷媒が流通する円筒状の第2管、上記第1管の一端側に同軸に所定の径方向幅および所定の軸方向長さを有する円環状の筒状に形成され、上記複数の管路の一端側が開口され、上記第1冷媒を該複数の管路に分配する第1ヘッダー空間、上記第1管の他端側に形成され、上記複数の管路の他端側が開口され、該複数の管路を流通した上記第1冷媒を集める第2ヘッダー空間、上記第1管と協働して上記第1および第2ヘッダー空間を画成する第1および第2ヘッダー、および上記第1および第2ヘッダー空間のそれぞれに接続された第1および第2配管を有し、上記第1冷媒と上記第2冷媒とを熱交換させる熱交換用二重管を備えている。そして、上記第1配管は、その管路中心が上記第1管の軸心と直交する平面上に位置し、該第1管路の軸心から径方向外方に変位して該径方向と直交するように上記第1ヘッダー空間に接続されている。
【発明の効果】
【0007】
この発明によれば、第1配管の管路中心が第1管の軸心と直交する平面上に位置し、第1管路の軸心から径方向外方に変位して径方向と直交するように第1ヘッダー空間に接続されているので、第1配管から第1ヘッダー空間に流入した気液二相状態の冷媒は、大きな周方向の旋回成分を有する。そこで、冷媒は遠心力により第1ヘッダー空間の外周壁面に沿ったほぼ均一な液膜と冷媒蒸気との環状流となり、第1ヘッダー空間に開口する複数の管路に均等に分配される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
実施の形態1.
図1はこの発明の実施の形態1に係る二重管式熱交換器に適用される熱交換用二重管を示す斜視図、図2はこの発明の実施の形態1に係る二重管式熱交換器に適用される熱交換用二重管の一方のヘッダーを省略した状態を示す斜視図、図3はこの発明の実施の形態1に係る二重管式熱交換器に適用される熱交換用二重管を示す縦断面図、図4は図3のIV−IV矢視断面図、図5は図3のV−V矢視断面図、図6はこの発明の実施の形態1に係る二重管式熱交換器に適用される熱交換用二重管のヘッダー内の冷媒流れを説明する横断面図、図7はこの発明の実施の形態1に係る二重管式熱交換器に適用される熱交換用二重管のヘッダー内の冷媒流れを説明する縦断面図である。
【0009】
図1乃至図5において、熱交換用二重管1は、アルミ合金を押し出し加工して中心穴が軸心位置に穿設された所定肉厚の円筒状の管体に作製され、管路としての細孔2aが孔方向を軸心と平行として壁内を貫通して同一円周上に等角ピッチで例えば12個形成され、第1冷媒が流通する第1管としての外管2と、銅材で円筒状に作製され、外管2の中心穴の内壁面に密接して外管2を挿通して外管2と同軸に配設され、第2冷媒が流通する第2管としての内管3と、それぞれアルミ合金で有底円筒状に作製され、底部に同軸に穿設された貫通穴4a,5aに外管2の両端からの内管3の延出部を挿通させて、貫通穴4a,5aの内壁面が内管3の外壁面に接合され、開口端面が外管2の細孔2aの形成領域の径方向外方の端面に接合されて、外管2の両端部のそれぞれに外管2と同軸に設けられた第1および第2ヘッダー4,5と、管路中心が外管2の軸心と直交する平面上に位置して外管2の軸心から半径方向にずれた位置で半径方向に直交するように第1および第2ヘッダー4,5の底部側に接続されたアルミ合金製の第1および第2配管6,7と、を備える。
【0010】
ここで、外管2と内管3とは、内管3を外管2の中心穴に挿入した後、内管3を機械的に拡管することにより、内管3の外壁面が外管2の中心穴の内壁面に密接し、熱的に密着している。外管2と第1および第2ヘッダー4,5とは、ロウ付けにて接合される。また、内管3と第1および第2ヘッダー4,5とは両者の間に薄板状のステンレス合金を介してロウ付けにて接合される。さらに、第1および第2配管6,7は第1および第2ヘッダー4,5にロウ付けにて接合される。第1ヘッダー空間9aが、外管2、内管3および第1ヘッダー4により外管2の一端側に画成され、所定の径方向幅および所定の軸方向長さを有する円環状の筒状に形成されている。同様に、第2ヘッダー空間9bが、外管2、内管3および第2ヘッダー5により外管2の他端側に画成され、所定の径方向幅および所定の軸方向長さを有する円環状の筒状に形成されている。なお、結露などによる水分からロウ付け部の腐食を防止するために、ロウ付け部の外表面に防食塗装を施しても良い。
【0011】
この実施の形態1による二重管式熱交換器10は、このように構成された1つの熱交換用二重管1を、例えば、図示していないが、第1配管6が第1冷熱機器の吐出配管に連結され、第2配管7が第1冷熱機器の吸入配管に連結され、内管3の一端が第2冷熱機器の吐出配管に接続され、内管3の他端が第2冷熱機器の吸入配管に接続される。
【0012】
そして、第1冷熱機器から吐出された第1冷媒は、第1配管6を介して第1ヘッダー4内に流入し、各細孔2aに分配される。第1冷媒は、各細孔2a内を流通して第2ヘッダー5に集められ、第2配管7から第1冷熱機器に戻される。
一方、第2冷熱機器から吐出された第2冷媒は、内管3内を流通し、第2冷熱機器に戻される。この第2冷媒は内管3内を流通しつつ細孔2a内を流れる第1冷媒と熱交換される。第2冷媒は、細孔2a内を流れる第1冷媒に対して平行流となっているが、第2配管7を第1冷熱機器の吐出配管に接続した場合には、第2冷媒は細孔2a内を流れる第1冷媒に対して対向流となる。もしくは、内管3と第2冷熱機器の連結方向を変えて接続した場合でも第2冷媒は細孔2a内を流れる第1冷媒に対して対向流となる。
【0013】
この二重管式熱交換器10では、熱交換用二重管1の第1および第2配管6,7が、その管路中心が外管2の軸心と直交する平面上に位置し、外管2の軸心から半径方向にずれた位置で半径方向に直交するように第1および第2ヘッダー4,5の底部側に接続されている。そこで、冷媒液8aと冷媒蒸気8bとが混合された気液二相状態の第1冷媒8は、図6中矢印で示されるように、第1配管6から第1ヘッダー4内に導入され、円周方向の旋回成分を有する。そして、第1冷媒8は、遠心力により第1ヘッダー4の内周壁面(第1ヘッダー空間9aの外周壁面)に沿ったほぼ均一の厚みの液膜(冷媒液8a)と冷媒蒸気8bとの環状流となる。そして、第1冷媒8は、図7に矢印で示されるように、冷媒蒸気8bに同伴されて、外管2の端面に到達し、各細孔2aに均等に分配される。
【0014】
この二重管式熱交換器10を蒸発器として動作させる場合に、冷媒液8aが各細孔2aに均等に分配されていないと、冷媒液8aの分配量が少ない細孔2aでは、冷媒液8aの全てが細孔2aの半ばで蒸発してしまう。そこで、余分な過熱領域が長くなり、熱交換器全体の伝熱性能が極端に低下する。この二重管式熱交換器10では、冷媒液8aが各細孔2aに均等に分配されるので、上述の熱交換器の性能低下を防止することができる。
【0015】
なお、熱交換用二重管1の構造上、第1ヘッダー4内での第1冷媒の周方向における分布が重力の影響を受けることから、外管2の軸心を水平に対して傾斜させるように熱交換用二重管1を配置することが好ましく、外管2の軸心を鉛直とするように熱交換用二重管1を配置することがより好ましい。
【0016】
また、第1配管6の管路中心と外管2の径方向との直交点を外管2の軸心から径方向外方に変位させるほど、第1ヘッダー4内に導入された冷媒の円周方向の旋回成分が大きくなることから、第1配管6の管路中心と外管2の径方向との直交点を外管2の外周側に位置させることが好ましい。特に、第1配管6の管路中心を第1ヘッダー4の内周壁面の接線に略一致させるようにすることがより好ましい。つまり、図5に示されるように、第1配管6の管路中心が外管2の軸心と直交する平面上に位置して外管2の半径方向に直交し、かつ第1配管6の内周壁面の接線が第1ヘッダー4の内周壁面の接線と交差するように、第1配管6を第1ヘッダー4に接続すればよい。なお、冷媒の吐出側の第2ヘッダー5および第2配管7は、両者の接続構造を含めて、同じ構成とすることで、第2配管7から第1冷媒を流入させても細孔2aに均等に分配できるので、第1ヘッダー4および第1配管6が流入側に特定されず、熱交換用二重管1の設置自由度を増大することができる。また、後述するように、複数の隣り合う熱交換用二重管1の第2配管7を隣接する熱交換用二重管1の第1配管6に接続して二重管式熱交換器30を製造する場合の生産性も向上する。
【0017】
また、内管3には銅材を用いるものとしているが、これに限定されるものではなく、第2冷媒に応じて適宜選択すればよく、例えば銅に比べ耐食性に優れたステンレス合金を用いれば、薄肉化でき、熱交換器の軽量化が実現できる。
また、外管2、第1および第2ヘッダー4,5、および第1および第2配管6,7にはアルミ合金を用いるものとしているが、第1冷媒に応じて適宜選択すればよく、例えばステンレス合金、銅などを用いればよい。
また、外管2と第1および第2ヘッダー4,5とをロウ付けにより接合し、第1および第2ヘッダー4,5と第1および第2配管6,7とをロウ付けにより接合するものとしているが、ロウ付けに代えて圧接接合や共晶接合を用いてもよい。特に、冷熱機器側の配管には銅製の配管が主に用いられることから、アルミ合金製の第1および第2配管6,7と冷熱機器側の配管との接合には、ロウ付け以外の圧接接合や共晶接合などが好ましい。
【0018】
つぎに、本二重管式熱交換器10を用いたヒートポンプシステムについて説明する。
実施例1.
図8はこの発明の実施の形態1に係る二重管式熱交換器を用いたヒートポンプシステムの実施例1を示す冷媒回路図である。
図8において、ヒートポンプシステム20Aは、第1冷媒を圧縮するための圧縮機21と、膨張弁23と、室外熱交換器24と、利用側熱交換器25と、第2冷媒を圧送するポンプ26と、室外空気を室外熱交換器24に供給し、室外熱交換器24内を流通する第1冷媒と外気とを熱交換させるファン29と、第1冷媒と第2冷媒とを熱交換させる二重管式熱交換器10と、を備える。ここでは、第1冷媒としてR410Aを用い、第2冷媒として水道水を用いている。
【0019】
そして、圧縮機21の冷媒吐出口が二重管式熱交換器10の熱交換用二重管1の第1配管6に接続され、熱交換用二重管1の第2配管7が膨張弁23を介して室外熱交換器24の入口に接続され、室外熱交換器24の出口が圧縮機21の冷媒吸入口に接続されている。第1冷媒は、圧縮機21→熱交換用二重管1の外管2の細孔2a→膨張弁23→室外熱交換器24→圧縮機21の順で第1冷媒回路内を循環する。また、ポンプ26の冷媒吐出口が二重管式熱交換器10の熱交換用二重管1の内管3の一端に接続され、熱交換用二重管1の内管3の他端が利用側熱交換器25の入口に接続され、利用側熱交換器25の出口がポンプ26の冷媒吸入口に接続されている。第2冷媒は、ポンプ26→熱交換用二重管1の内管3→利用側熱交換器25→ポンプ26の順で第2冷媒回路内を循環する。
【0020】
このヒートポンプシステム20Aでは、ポンプ26が駆動され、水道水が第2冷媒回路内を循環する。そして、第1冷媒が圧縮機21で高温高圧の冷媒となって熱交換用二重管1の第1ヘッダー4内に導入され、各細孔2aに分配される。第1冷媒は、細孔2a内を流通しつつ、内管3内を流通する第2冷媒と熱交換する。そして、第1冷媒は、第2冷媒と熱交換して凝縮し、膨張弁23で減圧され、室外熱交換器24に導入される。室外熱交換器24に導入された第2冷媒は、ファン29により送風された空気と熱交換して蒸発し、圧縮機21に戻される。一方、第1冷媒と熱交換して加熱された第2冷媒は利用側熱交換器25に戻され、放熱し、ポンプ26に戻される。
このヒートポンプシステム20Aは、例えばラジエータや床暖房ヒータなどを利用側熱交換器2に用いた暖房システムとして利用される。
【0021】
実施例2.
図9はこの発明の実施の形態1に係る二重管式熱交換器を用いたヒートポンプシステムの実施例2を示す冷媒回路図である。
図9において、ヒートポンプシステム20Bは、利用側熱交換器25を内包するタンク28を備えている。なお、ヒートポンプシステム20Bは、タンク28を備えている点を除いて、上記実施例1のヒートポンプシステム20Aと同様に構成されている。
【0022】
このヒートポンプシステム20Bでは、タンク28に給水されて利用側熱交換器25を流通する第2冷媒と熱交換して加熱された流体を取水し、暖房又は給湯に利用する。
そこで、このヒートポンプシステム20Bを用いた暖房又は給湯システムは、従来のボイラを熱源とした暖房又は給湯システムに比べて省エネ効果がある。
【0023】
実施例3.
図10はこの発明の実施の形態1に係る二重管式熱交換器を用いたヒートポンプシステムの実施例3を示す冷媒回路図である。
図10において、ヒートポンプシステム20Cは、圧縮機21の冷媒吐出口が室外熱交換器24の入口に接続され、室外熱交換器24の出口が膨張弁23を介して二重管式熱交換器10の熱交換用二重管1の第1配管6に接続され、熱交換用二重管1の第2配管7が圧縮機21の冷媒吸入口に接続されている。第1冷媒は、圧縮機21→室外熱交換器24→膨張弁23→熱交換用二重管1の外管2の細孔2a→圧縮機21の順で第1冷媒回路内を循環する。なお、ヒートポンプシステム20Cは、第1冷媒回路を流れる第1冷媒の流れ方向が異なる点を除いて、上記実施例1のヒートポンプシステム20Aと同様に構成されている。
【0024】
このヒートポンプシステム20Cでは、ポンプ26が駆動され、水道水が第2冷媒回路内を循環する。そして、第1冷媒が圧縮機21で高温高圧の冷媒となって室外熱交換器24に導入される。室外熱交換器24に導入された第2冷媒は、ファン29により送風された空気と熱交換して凝縮し、膨張弁23で減圧されて、熱交換用二重管1の第1ヘッダー4内に導入され、各細孔2aに分配される。第1冷媒は、細孔2a内を流通しつつ、内管3内を流通する第2冷媒と熱交換する。そして、第1冷媒は、第2冷媒と熱交換して蒸発し、圧縮機21に戻される。一方、第1冷媒と熱交換して冷却された第2冷媒は利用側熱交換器25に戻される。
このヒートポンプシステム20Cは、例えば空気熱交換器を利用側熱交換器2に用いた冷房システムや、冷水パネルを利用側熱交換器2に用いた輻射冷房システムとして利用される。
【0025】
実施例4.
図11はこの発明の実施の形態1に係る二重管式熱交換器を用いたヒートポンプシステムの実施例4を示す冷媒回路図である。
図11において、ヒートポンプシステム20Dは、四方弁22を第1冷媒回路に設け、四方弁22を切り換えて、圧縮機21で圧縮された第1冷媒を室外熱交換器24又は二重管式熱交換器10に導入できるようにしている。なお、ヒートポンプシステム20Dは、四方弁22を第1冷媒回路に設けている点を除いて、上記実施例1,3のヒートポンプシステム20A,20Cと同様に構成されている。
【0026】
このヒートポンプシステム20Dは、圧縮機1で圧縮された高圧高温の第1冷媒が二重管式熱交換器10に導入されるように四方弁22を切り換えることで、ヒートポンプシステム20Aとして動作し、圧縮機1で圧縮された高圧高温の第1冷媒が室外熱交換器24に導入されるように四方弁22を切り換えることで、ヒートポンプシステム20Cとして動作する。このように、四方弁22を組み入れるだけで、1つのシステムで、暖熱と冷熱とを切り換えて利用できる。
また、実施例2におけるヒートポンプシステム20Bに四方弁22を組み入れることで、給湯と冷水とを切り換えて利用できるようになる。
【0027】
なお、上記各実施例では、第1冷媒としてR410A、第2冷媒として水道水を用いるものとしているが、第1および第2冷媒はこれに限定されるものではなく、例えば第1冷媒として他のフロン系冷媒、或いは二酸化炭素や炭化水素などの自然冷媒を用いてもよいし、第2冷媒としてブラインや第1冷媒と同じ冷媒を用いてもよい。また、第2冷媒の循環方向は、熱交換用二重管1を流れる第1冷媒と平行流もしくは対交流となるように適時設定してよい。
【0028】
実施の形態2.
図12はこの発明の実施の形態2に係る二重管式熱交換器に適用される熱交換用二重管を示す斜視図、図13はこの発明の実施の形態2に係る二重管式熱交換器に適用される熱交換用二重管の一方のヘッダーを省略した状態を示す斜視図、図14はこの発明の実施の形態2に係る二重管式熱交換器に適用される熱交換用二重管を示す縦断面図、図15はこの発明の実施の形態2に係る二重管式熱交換器に適用される熱交換用二重管のヘッダー内の冷媒流れを説明する横断面図、図16はこの発明の実施の形態2に係る二重管式熱交換器に適用される熱交換用二重管のヘッダー内の冷媒流れを説明する縦断面図である。
【0029】
図12乃至図14において、第1管としての外管11が所定肉厚の円筒状の大径部11aと大径部11aの両端に同軸に突設された肉薄の円筒状の小径部11bとからなり、中心穴が軸心位置に穿設されたアルミ合金製の段付き管に作製され、管路としての細孔11cが孔方向を軸心と平行として大径部11aを貫通して、大径部11aの端面に開口するように、同一円周上に等角ピッチで例えば12個形成されている。第1および第2ヘッダー4,5が、貫通穴4a,5aに外管11の小径部11bを挿通させて、貫通穴4a,5aの内壁面が小径部11bの外壁面に接合され、開口端面が大径部11aの細孔11cの形成領域の径方向外方の端面に接合されて、外管11の両端部のそれぞれに同軸に設けられている。なお、このように構成された熱交換用二重管1Aは、外管2に代えて外管11を用いている点を除いて、上記実施の形態1による熱交換用二重管1と同様に構成されている。
【0030】
この熱交換用二重管1Aでは、第1および第2ヘッダー空間9a,9bが第1および第2ヘッダー4,5と外管11とから構成されている。つまり、第1および第2ヘッダー空間9a,9bの内周壁が外管11の一部である小径部11bにより構成されている。そこで、銅製の内管3が腐食し、亀裂やピンホールが内管3に発生しても、内管3内を流通する第2冷媒の第1および第2ヘッダー空間9a,9b内への流入が小径部11bにより阻止され、第1冷媒と第2冷媒との混合が確実に防止される。
【0031】
このように構成された熱交換用二重管1Aは、上記実施の形態1と同様に、第1配管6が第1冷熱機器の吐出配管に連結され、第2配管7が第1冷熱機器の吸入配管に連結され、内管3の一端が第2冷熱機器の吐出配管に接続され、内管3の他端が第2冷熱機器の吸入配管に接続され、第1冷媒と第2冷媒とを熱交換させる二重管式熱交換器として適用される。
この熱交換用二重管1Aにおいても、図15中矢印で示されるように、第1配管6から第1ヘッダー4内に導入された第1冷媒8は、円周方向の旋回成分を有する。そして、第1冷媒8は、遠心力により第1ヘッダー4の内周壁面に沿ったほぼ均一の厚みの液膜(冷媒液8a)と冷媒蒸気8bとの環状流となる。そして、第1冷媒8は、図16に矢印で示されるように、冷媒蒸気8bに同伴されて、外管11の大径部11aの端面に到達し、各細孔11cに均等に分配される。
【0032】
ここで、外管11は、例えば、アルミ合金を押し出し加工して細孔11cが形成された所定肉厚の円筒状の管体を作製し、ついで管体を軸心回りに回転させつつ切削加工を施して、管体の両端の肉厚を薄くして作製される。
【0033】
実施の形態3.
図17はこの発明の実施の形態3に係る二重管式熱交換器に適用される熱交換用二重管を示す斜視図、図18はこの発明の実施の形態3に係る二重管式熱交換器に適用される熱交換用二重管のヘッダー構造を説明する一部破断斜視図、図19はこの発明の実施の形態3に係る二重管式熱交換器に適用される熱交換用二重管を示す縦断面図、図20はこの発明の実施の形態3に係る二重管式熱交換器に適用される熱交換用二重管のヘッダー内の冷媒流れを説明する横断面図、図21はこの発明の実施の形態3に係る二重管式熱交換器に適用される熱交換用二重管のヘッダー内の冷媒流れを説明する縦断面図である。
【0034】
図17乃至図19において、第1管としての外管12は、中心穴が軸心位置に穿設されたアルミ合金製の所定肉厚の円筒状の管体12aに作製され、環状溝としての円環状の凹溝12bが管体12aの両端に同軸に凹設され、細孔12cが孔方向を軸心と平行として管体12aを貫通して、凹溝12bの底部に開口するように、同一円周上に等角ピッチで例えば12個形成されている。第1および第2配管6,7が管体12aの両端側の外周壁面に接合されている。端板13が、中心位置に穿設された貫通穴13aを有するアルミ合金製の円板に作製され、管体12aの両端面に接合され、凹溝12bの開口を塞口している。なお、このように構成された熱交換用二重管1Bは、外管2および第1および第2ヘッダー4,5に代えて外管12を用いている点を除いて、上記実施の形態1による熱交換用二重管1と同様に構成されている。端板13は外管12と協働して第1および第2ヘッダー空間9a、9bを画成する第1および第2ヘッダーとして機能する。
【0035】
この熱交換用二重管1Bでは、第1および第2ヘッダー空間9a,9bが管体12aの凹溝12bを端板13で塞口して構成されている。そこで、第1および第2ヘッダー空間9a,9bが簡素な構造で構成できる。さらに、銅製の内管3が腐食し、亀裂やピンホールが内管3に発生しても、内管3内を流通する第2冷媒の第1および第2ヘッダー空間9a,9b内への流入が外管12により阻止され、第1冷媒と第2冷媒との混合が確実に防止される。
【0036】
このように構成された熱交換用二重管1Bは、上記実施の形態1と同様に、第1配管6が第1冷熱機器の吐出配管に連結され、第2配管7が第1冷熱機器の吸入配管に連結され、内管3の一端が第2冷熱機器の吐出配管に接続され、内管3の他端が第2冷熱機器の吸入配管に接続され、第1冷媒と第2冷媒とを熱交換させる二重管式熱交換器として適用される。
この熱交換用二重管1Bにおいても、図20中矢印で示されるように、第1配管6から凹溝12b内に導入された第1冷媒8は、円周方向の旋回成分を有する。そして、第1冷媒8は、遠心力により凹溝12bの内周壁面に沿ったほぼ均一の厚みの液膜(冷媒液8a)と冷媒蒸気8bとの環状流となる。そして、第1冷媒8は、図21に矢印で示されるように、冷媒蒸気8bに同伴されて、外管12の凹溝12bの底面に到達し、各細孔12cに均等に分配される。
【0037】
ここで、外管12は、例えば、アルミ合金を押し出し加工して細孔12cが形成された所定肉厚の円筒状の管体12aを作製し、ついで管体12aを軸心回りに回転させつつ軸方向外方から切削加工を施して、所定の溝幅の円環状の凹溝12bを管体12aの両端部に形成して、作製される。
【0038】
実施の形態4.
図22はこの発明の実施の形態4に係る二重管式熱交換器に適用される熱交換用二重管を示す縦断面図、図23は図22のXXIII−XXIII矢視断面図である。
【0039】
図22および図23において、第1管としての外管14が所定肉厚の円筒状の大径部14aと大径部14aの両端から同軸に突設され肉薄の円筒状の小径部14bとからなり、中心穴14dが軸心位置に穿設されたアルミ合金製の段付き管に作製され、細孔14cが孔方向を軸心と平行として大径部14aを貫通して、大径部14aの端面に開口するように、同一円周上に等角ピッチで例えば12個形成されている。耐食層15が外管14の中心穴14dの内周壁面の全面に被覆されている。第1および第2ヘッダー4,5が、貫通穴4a,5aに外管14の小径部14bを挿通させて、貫通穴4a,5aの内壁面が小径部14bの外壁面に接合され、開口端面が大径部14aの細孔14cの形成領域の径方向外方の端面に接合されて、外管14の大径部14aの両端部のそれぞれに同軸に設けられている。なお、このように構成された熱交換用二重管1Cは、外管2および内管3に代えて外管14を用いている点を除いて、上記実施の形態1による熱交換用二重管1と同様に構成されている。
【0040】
このように構成された熱交換用二重管1Cは、上記実施の形態1と同様に、第1配管6が第1冷熱機器の吐出配管に連結され、第2配管7が第1冷熱機器の吸入配管に連結され、外管14の一方の小径部14bが第2冷熱機器の吐出配管に接続され、他方の小径部14bが第2冷熱機器の吸入配管に接続され、第1冷媒と第2冷媒とを熱交換させる二重管式熱交換器として適用される。
【0041】
この熱交換用二重管1Cにおいても、上記実施の形態1と同様に、第1冷媒を各細孔14cに均等に分配できる。
また、この熱交換用二重管1Cでは、耐食層15が内周壁面の全面に被覆された外管14の中心穴14dに第2冷媒を流通させているので、内管3が不要となり、熱交換器の軽量化を図ることができる。
【0042】
なお、耐食層15としては、母材である外管14より電気化学的に卑である金属材料を用いることができ、外管14がアルミ合金やアルミである場合には、例えば、マグネシウムを含む金属材料を用いることができる。そして、例えば、マグネシウムを含む金属材料をアルミ合金やアルミの表面に被覆してなるクラッド材を用いて外管を作製すればよい。この場合は、細孔14cを設けた平板状のクラッド材をロール成形などにより円筒状に形成し、継ぎ目を電縫溶接などで接続すればよい。また、母材で外管を作製した後、外管の中心穴の内周壁面にメッキを施し、耐食層を形成してもよい。
また、金属材料に代えて、ポリエチレン等の樹脂を外管14の中心穴14dの内周壁面の全面に被覆して耐食層としてもよい。
【0043】
実施の形態5.
図24はこの発明の実施の形態5に係る二重管式熱交換器に適用される熱交換用二重管を示す縦断面図である。
【0044】
図24において、第1管としての外管16が所定肉厚の円筒状の大径部16aと大径部16aの両端から同軸に突設された肉薄の円筒状の小径部16bとからなり、中心穴16eが軸心位置に穿設されたアルミ合金製の段付き管に作製され、環状溝としての円環状の凹溝16cが大径部16aの両端に同心状に凹設され、細孔16dが孔方向を軸心と平行として大径部16aを貫通して、凹溝16cの底部に開口するように、同一円周上に等角ピッチで例えば12個形成されている。第1および第2配管6,7が大径部16aの両端側の外周壁面に接合されている。端板13が、中心位置に穿設された貫通穴13aを有するアルミ合金製の円板に作製され、大径部16aの両端面と小径部16bの外周壁面に接合され、凹溝16cの開口を塞口している。さらに、耐食層15が外管16の中心穴16eの内周壁面の全面に被覆されている。なお、このように構成された熱交換用二重管1Dは、外管2、内管3および第1および第2ヘッダー4,5に代えて外管16および端板13を用いている点を除いて、上記実施の形態1による熱交換用二重管1と同様に構成されている。
【0045】
このように構成された熱交換用二重管1Dは、上記実施の形態1と同様に、第1配管6が第1冷熱機器の吐出配管に連結され、第2配管7が第1冷熱機器の吸入配管に連結され、外管16の一方の小径部16bが第2冷熱機器の吐出配管に接続され、他方の小径部16bが第2冷熱機器の吸入配管に接続され、第1冷媒と第2冷媒とを熱交換させる二重管式熱交換器として適用される。
【0046】
この熱交換用二重管1Dにおいても、上記実施の形態1と同様に、第1冷媒を各細孔16dに均等に分配できる。
また、この熱交換用二重管1Dでは、耐食層15が内周壁面の全面に被覆された外管16の中心穴16eに第2冷媒を流通させているので、内管3が不要となり、熱交換器の軽量化を図ることができる。
また、第1および第2ヘッダー空間9a,9bが大径部16aの凹溝16cを端板13で塞口して構成されているので、第1および第2ヘッダー空間9a,9bが簡素な構造で構成できる。
【0047】
実施の形態6.
図25はこの発明の実施の形態6に係る二重管式熱交換器を示す側面図である。
図25において、二重管式熱交換器30は、1本の内管3で連結された4つの熱交換用二重管1が、隣り合う熱交換用二重管1を連結する内管3の部分をU字状に曲げ成形され、外管2の軸心を同一平面上で互いに平行として、第1ヘッダー4と第2ヘッダー5とを相対するように隣接して1列に配列され、熱交換用二重管1の第2配管7が隣接する熱交換用二重管1の第1配管6に接続されて構成されている。ここでは、二重管式熱交換器30が4つの熱交換用二重管1から構成されているものとしているが、熱交換用二重管1の個数は要求される熱交換能力により適宜設定される。
【0048】
このように構成された二重管式熱交換器30は、上記実施の形態1と同様に、配列方向の先頭の熱交換用二重管1の第1配管6が第1冷熱機器の吐出配管に連結され、配列方向の最後の熱交換用二重管1の第2配管7が第1冷熱機器の吸入配管に連結され、内管3の一端が第2冷熱機器の吐出配管に接続され、内管3の他端が第2冷熱機器の吸入配管に接続され、第1冷媒と第2冷媒とを熱交換させる二重管式熱交換器として適用される。
そして、第1冷媒が配列方向の先頭の熱交換用二重管1の第1配管6から流入し、4つの熱交換用二重管1の細孔2aを順次流通し、配列方向の最後の熱交換用二重管1の第2配管7から流出する。この時、第1冷媒は、各熱交換用二重管1の細孔2aに均等に分配され、熱交換用熱交換器1の伝熱性能の低下が抑えられる。
【0049】
つぎに、この二重管式熱交換器30の製造方法について説明する。
まず、熱交換用二重管1の構成部品である外管2、内管3、第1および第2ヘッダー4,5、第1および第2配管6,7が用意される。そして、第1および第2配管6,7を第1および第2ヘッダー4,5に接合する。ついで、第1および第2ヘッダー4,5を外管2の両端に接合し、図26に示されるように、熱交換本体部31を作製する。ついで、内管3を4つの熱交換本体部31の外管2に挿通し、その後内管3を拡管し、図27に示されるように、4つの熱交換本体部31が各外管2と内管3とを熱的に密接されて一体に連設された熱交換器組立体32を作製する。ついで、熱交換器組立体32の内管3の隣り合う熱交換本体部31間の部位を曲げて、図25に示されるように、外管2の軸心が同一平面上で互いに平行となり、第1ヘッダー4と第2ヘッダー5とが相対するように4つの熱交換本体部31を隣接して1列に配列させる。その後、各熱交換本体部31の第2配管7を隣に位置する熱交換本体部31の第1配管6に接続し、二重管式熱交換器30が作製される。
【0050】
この製造方法によれば、内管3の直径が外管2の直径より小径であることから、内管3を小さな曲率半径で曲げ加工でき、同じ熱交換長さを1つの熱交換用二重管1で構成した場合に比べ、小型化を図ることができる。
なお、第1および第2配管6,7を第1および第2ヘッダー4,5に接合する工程が、最初の工程として説明しているが、この工程は、最初に実施される必要はなく、隣接して1列に配列された熱交換本体部31の第1配管6と第2配管7との接続工程に先立って実施されていればよい。
【0051】
ここで、上記実施の形態6では、二重管式熱交換器30が、外管2の軸心を同一平面上で互いに平行として、かつ第1ヘッダー4と第2ヘッダー5とを相対するように、熱交換用二重管1を隣接して1列4行に配列して構成されているものとしているが、熱交換用二重管1の配列はこれに限定されるものではなく、例えば図28に示されるように、内管3の曲げ方向を90度変位させて、外管2の軸心を互いに平行として、かつ第1ヘッダー4と第2ヘッダー5とを相対するように、熱交換用二重管1を隣接して2列2行に配列してもよい。このように、内管3の曲げ方向および曲げ角度を変えることで、熱交換用二重管1の配列を収納空間に合わせることができる。従って、この製造方法によれば、熱交換器の小型化図れると共に、収納空間に合わせた形状の熱交換器を簡易に製造できる。また、第1ヘッダー4および第1配管6と第2ヘッダー5および第2配管7を同じ構成とすることで、隣接する第1配管6と第2配管7の接続工程の生産性が向上する。
【0052】
実施の形態7.
この実施の形態7による二重管式熱交換器は、図示していないが、熱交換用二重管1に代えて上記実施の形態2による熱交換用二重管1Aを用いている点を除いて、上記実施の形態6と同様に構成されている。
従って、この実施の形態7による二重管熱交換器は、上記実施の形態6による二重管式熱交換器30と同様に動作し、同様の効果を奏する。
【0053】
つぎに、この二重管式熱交換器の製造方法について説明する。
まず、熱交換用二重管1Aの構成部品である外管11、内管3、第1および第2ヘッダー4,5、第1および第2配管6,7が用意される。そして、第1および第2配管6,7を第1および第2ヘッダー4,5に接合する。ついで、第1および第2ヘッダー4,5を外管11の両端に接合し、熱交換本体部を作製する。ついで、内管3を4つ熱交換本体部の外管11に挿通し、その後内管3を拡管し、4つの熱交換本体部が各外管11と内管3とを熱的に密接されて一体に連設された熱交換器組立体を作製する。ついで、熱交換器組立体の内管3の隣り合う熱交換本体部間の部位を曲げて、外管11の軸心が同一平面上で互いに平行となり、第1ヘッダー4と第2ヘッダー5とが相対するように4つの熱交換本体部を隣接して1列4行に配列させる。その後、各熱交換本体部の第2配管7を隣に位置する熱交換本体部の第1配管6に接続し、二重管式熱交換器が作製される。
【0054】
この製造方法においても、内管3の直径が外管2の直径より小径であることから、内管3を小さな曲率半径で曲げ加工でき、同じ熱交換長さを1つの熱交換用二重管1Aで構成した場合に比べ、小型化を図ることができる。
なお、第1および第2配管6,7を第1および第2ヘッダー4,5に接合する工程が、最初の工程として説明しているが、この工程は、最初に実施される必要はなく、隣接して1列に配列された熱交換本体部31の第1配管6と第2配管7との接続工程に先立って実施されていればよい。
【0055】
実施の形態8.
この実施の形態8による二重管式熱交換器は、熱交換用二重管1に代えて上記実施の形態3による熱交換用二重管1Bを用いている点を除いて、上記実施の形態6と同様に構成されている。
従って、この実施の形態8による二重管熱交換器は、上記実施の形態6による二重管式熱交換器30と同様に動作し、同様の効果を奏する。
【0056】
つぎに、この二重管式熱交換器の製造方法について説明する。
まず、熱交換用二重管1Bの構成部品である外管12、内管3、第1および第2配管6,7、端板13が用意される。そして、第1および第2配管6,7を外管12に接合する。ついで、端板13を外管12の両端に接合し、熱交換本体部を作製する。ついで、内管3を4つ熱交換本体部の外管12に挿通し、その後内管3を拡管し、4つの熱交換本体部が各外管12と内管3とを熱的に密接されて一体に連設された熱交換器組立体を作製する。ついで、熱交換器組立体の内管3の隣り合う熱交換本体部間の部位を曲げて、外管12の軸心が同一平面上で互いに平行となり、第1配管6と第2配管7とが相対するように4つの熱交換本体部を隣接して1列4行に配列させる。その後、各熱交換本体部の第2配管7を隣に位置する熱交換本体部の第1配管6に接続し、二重管式熱交換器が作製される。
【0057】
この製造方法においても、内管3の直径が外管2の直径より小径であることから、内管3を小さな曲率半径で曲げ加工でき、同じ熱交換長さを1つの熱交換用二重管1Bで構成した場合に比べ、小型化を図ることができる。
なお、第1および第2配管6,7を外管12に接合する工程が、最初の工程として説明しているが、この工程は、最初に実施される必要はなく、隣接して1列に配列された熱交換本体部の第1配管6と第2配管7との接続工程に先立って実施されていればよい。
【0058】
実施の形態9.
図29はこの発明の実施の形態9に係る二重管式熱交換器を示す側面図である。
図29において、二重管式熱交換器35は、2つの熱交換用二重管1を内管としてのU字状に曲げ成形されたヘアピン管36で連結してなる2組の熱交換器組立体38が、外管2の軸心を同一平面上で互いに平行として、第1ヘッダー4と第2ヘッダー5とを相対するように隣接して1列に配列され、一方のヘアピン管36の他端と他方のヘアピン管36の一端とがUベント管37で接続され、熱交換用二重管1の第2配管7が隣接する熱交換用二重管1の第1配管6に接続されて構成されている。ここでは、二重管式熱交換器35が4つの熱交換用二重管1から構成されているものとしているが、熱交換用二重管1の個数は要求される熱交換能力により適宜設定される。
【0059】
このように構成された二重管式熱交換器35は、上記実施の形態1と同様に、配列方向の先頭の熱交換用二重管1の第1配管6が第1冷熱機器の吐出配管に連結され、配列方向の最後の熱交換用二重管1の第2配管7が第1冷熱機器の吸入配管に連結され、ヘアピン管36の一端が第2冷熱機器の吐出配管に接続され、ヘアピン管36の他端が第2冷熱機器の吸入配管に接続され、第1冷媒と第2冷媒とを熱交換させる二重管式熱交換器として適用される。
そして、第1冷媒が配列方向の先頭の熱交換用二重管1の第1配管6から流入し、4つの熱交換用二重管1の細孔2aを順次流通し、配列方向の最後の熱交換用二重管1の第2配管7から流出する。この時、第1冷媒は、各熱交換用二重管1の細孔2aに均等に分配され、熱交換用熱交換器1の伝熱性能の低下が抑えられる。
【0060】
つぎに、この二重管式熱交換器35の製造方法について説明する。
まず、熱交換用二重管1の構成部品である外管2、ヘアピン管36、第1および第2ヘッダー4,5、第1および第2配管6,7、Uベント管37が用意される。そして、第1および第2配管6,7を第1および第2ヘッダー4,5に接合する。ついで、第1および第2ヘッダー4,5を外管2の両端に接合し、熱交換本体部31を作製する。ついで、ヘアピン管36を2つの熱交換本体部31の外管2に挿通し、その後ヘアピン管36を拡管し、2つの熱交換本体部31が各外管2とヘアピン管36とを熱的に密接されて一体に連設された熱交換器組立体38を作製する。ついで、図30に示されるように、外管2の軸心が同一平面上で互いに平行となり、第1ヘッダー4と第2ヘッダー5とが相対するように4つの熱交換本体部31が隣接して1列に配列するように、2組の熱交換器組立体38を並べる。その後、ヘアピン管36同士をUベント管37で接続し、各熱交換本体部31の第2配管7を隣に位置する熱交換本体部31の第1配管6に接続し、図29に示される二重管式熱交換器35が作製される。
【0061】
この製造方法によれば、内管としてのヘアピン管36およびUベント管37の直径が外管2の直径より小径であることから、ヘアピン管36およびUベント管37を小さな曲率半径で曲げ加工でき、同じ熱交換長さを1つの熱交換用二重管1で構成した場合に比べ、小型化を図ることができる。また、予め曲げられたヘアピン管36を熱交換本体部31の外管2に挿通し、予め曲げられたUベンド管37を用いて隣り合う熱交換器組立体38のヘアピン管36同士を連結しているので、上記実施の形態6に記載した熱交換器組立体32の内管3の隣り合う熱交換本体部31の間の部分を曲げる製造方法に比べ、より生産性が向上する。
【0062】
なお、第1および第2配管6,7を第1および第2ヘッダー4,5に接合する工程が、最初の工程として説明しているが、この工程は、最初に実施される必要はなく、隣接して配列された熱交換本体部31の第1配管6と第2配管7との接続工程に先立って実施されていればよい。また、各組の熱交換器組立体38内における熱交換本体部31の第1配管6と第2配管7との接続工程は、上記工程のいずれの段階で実施されてもよい。また、第1ヘッダー4および第1配管6と第2ヘッダー5および第2配管7を同じ構成とすることで、隣接する第1配管6と第2配管7の接続工程の生産性が向上する。
【0063】
ここで、上記実施の形態9では、二重管式熱交換器35が、2つの熱交換器組立体38を互いに平行として、外管2の軸心を同一平面上で互いに平行として、かつ第1ヘッダー4と第2ヘッダー5とを相対するように、熱交換用二重管1を隣接して1列、4行に配列して構成されているものとしているが、熱交換用二重管1の配列はこれに限定されるものではなく、例えば図31に示されるように、4つの熱交換器組立体38を互いに平行として、外管2の軸心を互いに平行として、かつ第1ヘッダー4と第2ヘッダー5とを相対するように、熱交換用二重管1を隣接して2列4行に配列してもよい。このように、熱交換器組立体38の配列を変えることで、熱交換用二重管1の配列を収納空間に合わせることができる。従って、この製造方法によれば、熱交換器の小型化図れると共に、収納空間に合わせた形状の熱交換器を簡易に製造できる。
【0064】
実施の形態10.
この実施の形態10による二重管式熱交換器は、熱交換用二重管1に代えて上記実施の形態2による熱交換用二重管1Aを用いている点を除いて、上記実施の形態9と同様に構成されている。
従って、この実施の形態10による二重管熱交換器は、上記実施の形態9による二重管式熱交換器35と同様に動作し、同様の効果を奏する。
【0065】
つぎに、この二重管式熱交換器の製造方法について説明する。
まず、熱交換用二重管1Aの構成部品である外管11、内管としてのヘアピン管36、第1および第2ヘッダー4,5、第1および第2配管6,7、Uベント管37が用意される。そして、第1および第2配管6,7を第1および第2ヘッダー4,5に接合する。ついで、第1および第2ヘッダー4,5を外管11の両端に接合し、熱交換本体部を作製する。ついで、ヘアピン管36を2つの熱交換本体部の外管2に挿通し、その後ヘアピン管36を拡管し、2つの熱交換本体部が各外管2とヘアピン管36とを熱的に密接されて一体に連設された熱交換器組立体を作製する。ついで、外管2の軸心が同一平面上で互いに平行となり、第1ヘッダー4と第2ヘッダー5とが相対するように4つの熱交換本体部が隣接して1列に配列するように、2組の熱交換器組立体を並べる。その後、ヘアピン管36同士をUベント管37で接続し、各熱交換本体部の第2配管7を隣に位置する熱交換本体部の第1配管6に接続し、二重管式熱交換器が作製される。
【0066】
この製造方法によれば、内管としてのヘアピン管36およびUベント管37の直径が外管2の直径より小径であることから、ヘアピン管36およびUベント管37を小さな曲率半径で曲げ加工でき、同じ熱交換長さを1つの熱交換用二重管1で構成した場合に比べ、小型化を図ることができる。また、予め曲げられたヘアピン管36を熱交換本体部の外管11に挿通し、予め曲げられたUベンド管37を用いて隣り合う熱交換器組立体のヘアピン管36同士を連結しているので、上記実施の形態6に記載した熱交換器組立体32の内管3の隣り合う熱交換本体部31の間の部分を曲げる製造方法に比べ、より生産性が向上する。
【0067】
なお、第1および第2配管6,7を第1および第2ヘッダー4,5に接合する工程が、最初の工程として説明しているが、この工程は、最初に実施される必要はなく、隣接して配列された熱交換本体部の第1配管6と第2配管7との接続工程に先立って実施されていればよい。また、各組の熱交換器組立体内における熱交換本体部の第1配管6と第2配管7との接続工程は、上記工程のいずれの段階で実施されてもよい。また、第1ヘッダー4および第1配管6と第2ヘッダー5および第2配管7を同じ構成とすることで、隣接する第1配管6と第2配管7の接続工程の生産性が向上する。
【0068】
実施の形態11.
この実施の形態11による二重管式熱交換器は、熱交換用二重管1に代えて上記実施の形態3による熱交換用二重管1Bを用いている点を除いて、上記実施の形態9と同様に構成されている。
従って、この実施の形態11による二重管熱交換器は、上記実施の形態9による二重管式熱交換器35と同様に動作し、同様の効果を奏する。
【0069】
つぎに、この二重管式熱交換器の製造方法について説明する。
まず、熱交換用二重管1Bの構成部品である外管12、内管としてのヘアピン管36、第1および第2配管6,7、端板13、Uベント管37が用意される。そして、そして、第1および第2配管6,7を外管12に接合する。ついで、端板13を外管12の両端に接合し、熱交換本体部を作製する。ついで、ヘアピン管36を2つの熱交換本体部の外管2に挿通し、その後ヘアピン管36を拡管し、2つの熱交換本体部が各外管2とヘアピン管36とを熱的に密接されて一体に連設された熱交換器組立体を作製する。ついで、外管2の軸心が同一平面上で互いに平行となり、第1ヘッダー4と第2ヘッダー5とが相対するように4つの熱交換本体部が隣接して1列に配列するように、2組の熱交換器組立体を並べる。その後、ヘアピン管36同士をUベント管37で接続し、各熱交換本体部の第2配管7を隣に位置する熱交換本体部の第1配管6に接続し、二重管式熱交換器が作製される。
【0070】
この製造方法によれば、内管としてのヘアピン管36およびUベント管37の直径が外管2の直径より小径であることから、ヘアピン管36およびUベント管37を小さな曲率半径で曲げ加工でき、同じ熱交換長さを1つの熱交換用二重管1で構成した場合に比べ、小型化を図ることができる。また、予め曲げられたヘアピン管36を熱交換本体部の外管12に挿通し、予め曲げられたUベンド管37を用いて隣り合う熱交換器組立体のヘアピン管36同士を連結しているので、上記実施の形態6に記載した熱交換器組立体32の内管3の隣り合う熱交換本体部31の間の部分を曲げる製造方法に比べ、より生産性が向上する。
【0071】
なお、第1および第2配管6,7を第1および第2ヘッダー4,5に接合する工程が、最初の工程として説明しているが、この工程は、最初に実施される必要はなく、隣接して配列された熱交換本体部の第1配管6と第2配管7との接続工程に先立って実施されていればよい。また、各組の熱交換器組立体内における熱交換本体部の第1配管6と第2配管7との接続工程は、上記工程のいずれの段階で実施されてもよい。
【0072】
実施の形態12.
上記実施の形態9では、2つの熱交換用二重管1をヘアピン管36で連結してなる2組の熱交換器組立体38を配列して二重管式熱交換器35を構成するものとしているが、この実施の形態12では、4つの熱交換用二重管1をヘアピン管36で連結してなる2組の熱交換器組立体38Aを配列して二重管式熱交換器35Aを構成している。
【0073】
この実施の形態12では、第1および第2配管6,7を第1および第2ヘッダー4,5に接合する。ついで、第1および第2ヘッダー4,5を外管2の両端に接合し、熱交換本体部31を作製する。ついで、ヘアピン管36を4つの熱交換本体部31の外管2に挿通し、その後ヘアピン管36を拡管し、4つの熱交換本体部31が各外管2とヘアピン管36とを熱的に密接されて一体に連設された熱交換器組立体38Aを作製する。ついで、図33に示されるように、外管2の軸心が同一平面上で互いに平行となり、第1ヘッダー4と第2ヘッダー5とが相対するように8つの熱交換本体部31が隣接して1列に配列するように、2組の熱交換器組立体38Aを並べる。その後、ヘアピン管36同士をUベント管37で接続し、各熱交換本体部31の第2配管7を隣に位置する熱交換本体部31の第1配管6に接続し、図32に示される二重管式熱交換器35Aが作製される。
【0074】
このように構成された二重管式熱交換器35Aは、4つの熱交換用二重管1を内管としてのU字状に曲げ成形されたヘアピン管36で連結してなる2組の熱交換器組立体38Aが、外管2の軸心を同一平面上で互いに平行として、第1ヘッダー4と第2ヘッダー5とを相対するように隣接して1列に配列され、一方のヘアピン管36の他端と他方のヘアピン管36の一端とがUベント管37で接続され、熱交換用二重管1の第2配管7が隣接する熱交換用二重管1の第1配管6に接続されている。
【0075】
従って、この二重管式熱交換器35Aは、上記実施の形態9による二重管式熱交換器35に比べ、熱交換用二重管1の個数を増やすことができ、熱交換能力を大きくすることができる。
また、この実施の形態12においても、熱交換用二重管1に代えて熱交換用二重管1A,1Bを用いることができるとともに、熱交換用二重管1の個数、熱交換器組立体38Aの配列を変えることで、要求される熱交換能力および収納空間に適合する熱交換器を容易に製造することができる。
【0076】
実施の形態13.
図34はこの発明の実施の形態13に係る二重管式熱交換器を示す側面図である。
図34において、二重管式熱交換器40は、4つの熱交換用二重管1が、外管2の軸心を同一平面上で互いに平行として、第1ヘッダー4と第2ヘッダー5とを相対するように隣接して1列に配列され、第1および第2冷媒が4つの熱交換用二重管1を直列に流れるように隣り合う熱交換用二重管1の内管3の端部同士および第1配管6と第2配管7とを接続されて構成されている。
【0077】
このように構成された二重管式熱交換器40は、上記実施の形態1と同様に、配列方向の先頭の熱交換用二重管1の第1配管6が第1冷熱機器の吐出配管に連結され、配列方向の最後の熱交換用二重管1の第2配管7が第1冷熱機器の吸入配管に連結され、直列に接続された内管3の一端が第2冷熱機器の吐出配管に接続され、内管3の他端が第2冷熱機器の吸入配管に接続され、第1冷媒と第2冷媒とを熱交換させる二重管式熱交換器として適用される。
そして、第1冷媒が配列方向の先頭の熱交換用二重管1の第1配管6から流入し、4つの熱交換用二重管1の細孔2aを順次流通し、配列方向の最後の熱交換用二重管1の第2配管7から流出する。この時、第1冷媒は、各熱交換用二重管1の細孔2aに均等に分配され、熱交換用熱交換器1の伝熱性能の低下が抑えられる。
【0078】
つぎに、この二重管式熱交換器40の製造方法について説明する。
まず、熱交換用二重管1の構成部品である外管2、内管3、第1および第2ヘッダー4,5、第1および第2配管6,7、Uベント管37が用意される。そして、第1および第2配管6,7を第1および第2ヘッダー4,5に接合する。ついで、第1および第2ヘッダー4,5を外管2の両端に接合し、図35に示されるように、熱交換本体部31を作製する。ついで、図36に示されるように、内管3を1つの熱交換本体部31の外管2に挿通し、その後内管3を拡管し、熱交換本体部31が外管2と内管3とを熱的に密接されて一体に連設された熱交換器組立体41、即ち熱交換用二重管1を作製する。
【0079】
ついで、外管2の軸心が同一平面上で互いに平行となり、第1ヘッダー4と第2ヘッダー5とが相対するように4つの熱交換本体部31が隣接して1列に配列するように、4組の熱交換器組立体41を並べる。その後、内管3同士をUベント管37で接続し、各熱交換本体部31の第2配管7を隣に位置する熱交換本体部31の第1配管6に接続し、図34に示される二重管式熱交換器40が作製される。
【0080】
この製造方法によれば、Uベント管37の直径が外管2の直径より小径であることから、Uベント管37を小さな曲率半径で曲げ加工でき、同じ熱交換長さを1つの熱交換用二重管1で構成した場合に比べ、小型化を図ることができる。また、予め曲げられたUベンド管37を用いて隣り合う熱交換器組立体41の内管3同士を連結しているので、上記実施の形態6に記載した熱交換器組立体32の内管3の隣り合う熱交換本体部31の間の部分を曲げる製造方法に比べ、要求される収納空間に適合する熱交換器を容易に製造することができ、生産性が向上する。また、上記実施の形態9に記載したヘアピン管36が不要となるので、部品点数が削減できる効果もある。
【0081】
なお、第1および第2配管6,7を第1および第2ヘッダー4,5に接合する工程が、最初の工程として説明しているが、この工程は、最初に実施される必要はなく、隣接して配列された熱交換本体部31の第1配管6と第2配管7との接続工程に先立って実施されていればよい。また、第1ヘッダー4および第1配管6と第2ヘッダー5および第2配管7を同じ構成とすることで、隣接する第1配管6と第2配管7の接続工程の生産性が向上する。
【0082】
ここで、上記実施の形態13では、二重管式熱交換器40が、外管2の軸心を同一平面上で互いに平行として、かつ第1ヘッダー4と第2ヘッダー5とを相対するように、熱交換用二重管1(熱交換器組立体41)を隣接して1列、4行に配列して構成されているものとしているが、熱交換用二重管1の配列はこれに限定されるものではなく、例えば図37に示されるように、外管2の軸心を互いに平行として、かつ第1ヘッダー4と第2ヘッダー5とを相対するように、熱交換用二重管1(熱交換器組立体41)を隣接して2列4行に配列してもよい。このように、熱交換用二重管1(熱交換器組立体41)の個数および配列を変えることで、要求される熱交換能力および収納空間に適合する熱交換器を容易に製造することができる。
また、この実施の形態13においても、熱交換用二重管1に代えて熱交換用二重管1A,1Bを用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【0083】
【図1】この発明の実施の形態1に係る二重管式熱交換器に適用される熱交換用二重管を示す斜視図である。
【図2】この発明の実施の形態1に係る二重管式熱交換器に適用される熱交換用二重管の一方のヘッダーを省略した状態を示す斜視図である。
【図3】この発明の実施の形態1に係る二重管式熱交換器に適用される熱交換用二重管を示す縦断面図である。
【図4】図3のIV−IV矢視断面図である。
【図5】図3のV−V矢視断面図である。
【図6】この発明の実施の形態1に係る二重管式熱交換器に適用される熱交換用二重管のヘッダー内の冷媒流れを説明する横断面図である。
【図7】この発明の実施の形態1に係る二重管式熱交換器に適用される熱交換用二重管のヘッダー内の冷媒流れを説明する縦断面図である。
【図8】この発明の実施の形態1に係る二重管式熱交換器を用いたヒートポンプシステムの実施例1を示す冷媒回路図である。
【図9】この発明の実施の形態1に係る二重管式熱交換器を用いたヒートポンプシステムの実施例2を示す冷媒回路図である。
【図10】この発明の実施の形態1に係る二重管式熱交換器を用いたヒートポンプシステムの実施例3を示す冷媒回路図である。
【図11】この発明の実施の形態1に係る二重管式熱交換器を用いたヒートポンプシステムの実施例4を示す冷媒回路図である。
【図12】この発明の実施の形態2に係る二重管式熱交換器に適用される熱交換用二重管を示す斜視図である。
【図13】この発明の実施の形態2に係る二重管式熱交換器に適用される熱交換用二重管の一方のヘッダーを省略した状態を示す斜視図である。
【図14】この発明の実施の形態2に係る二重管式熱交換器に適用される熱交換用二重管を示す縦断面図である。
【図15】この発明の実施の形態2に係る二重管式熱交換器に適用される熱交換用二重管のヘッダー内の冷媒流れを説明する横断面図である。
【図16】この発明の実施の形態2に係る二重管式熱交換器に適用される熱交換用二重管のヘッダー内の冷媒流れを説明する縦断面図である。
【図17】この発明の実施の形態3に係る二重管式熱交換器に適用される熱交換用二重管を示す斜視図である。
【図18】この発明の実施の形態3に係る二重管式熱交換器に適用される熱交換用二重管のヘッダー構造を説明する一部破断斜視図である。
【図19】この発明の実施の形態3に係る二重管式熱交換器に適用される熱交換用二重管を示す縦断面図である。
【図20】この発明の実施の形態3に係る二重管式熱交換器に適用される熱交換用二重管のヘッダー内の冷媒流れを説明する横断面図である。
【図21】この発明の実施の形態3に係る二重管式熱交換器に適用される熱交換用二重管のヘッダー内の冷媒流れを説明する縦断面図である。
【図22】この発明の実施の形態4に係る二重管式熱交換器に適用される熱交換用二重管を示す縦断面図である。
【図23】図22のXXIII−XXIII矢視断面図である。
【図24】この発明の実施の形態5に係る二重管式熱交換器に適用される熱交換用二重管を示す縦断面図である。
【図25】この発明の実施の形態6に係る二重管式熱交換器を示す側面図である。
【図26】この発明の実施の形態6に係る二重管式熱交換器の製造方法を説明する平面図である。
【図27】この発明の実施の形態6に係る二重管式熱交換器の製造方法を説明する平面図である。
【図28】この発明の実施の形態6に係る二重管式熱交換器の実施態様を示す斜視図である。
【図29】この発明の実施の形態9に係る二重管式熱交換器を示す側面図である。
【図30】この発明の実施の形態9に係る二重管式熱交換器の製造方法を説明する平面図である。
【図31】この発明の実施の形態9に係る二重管式熱交換器の実施態様を示す斜視図である。
【図32】この発明の実施の形態12に係る二重管式熱交換器を示す側面図である。
【図33】この発明の実施の形態12に係る二重管式熱交換器の製造方法を説明する平面図である。
【図34】この発明の実施の形態13に係る二重管式熱交換器を示す側面図である。
【図35】この発明の実施の形態13に係る二重管式熱交換器の製造方法を説明する平面図である。
【図36】この発明の実施の形態13に係る二重管式熱交換器の製造方法を説明する平面図である。
【図37】この発明の実施の形態13に係る二重管式熱交換器の実施態様を示す斜視図である。
【符号の説明】
【0084】
1,1A,1B,1C,1D,30,35,35A,40 熱交換用二重管、2,11,12,14,16 外管(第1管)、2a,11c,12c,14c,16d 細孔(管路)、3 内管(第2管)、4 第1ヘッダー、5 第2ヘッダー、6 第1配管、7 第2配管、9a 第1ヘッダー空間、9b 第2ヘッダー空間、10 二重管式熱交換器、12b,16c 凹溝(環状溝)、13 端板(第1および第2ヘッダー)、14a,16a 大径部、14b,16b 小径部、14d,16e 中心穴、15 耐食層、20A,20B,20C,20D ヒートポンプシステム、31 熱交換本体部、32,38,38A,41 熱交換器組立体、36 ヘアピン管、37 Uベント管。
【技術分野】
【0001】
本発明は、低温流体と高温流体とを熱交換させて高温流体から低温流体に熱を伝える冷熱機器などに用いられる二重管式熱交換器およびその製造方法並びにそれを備えたヒートポンプシステムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の二重管式熱交換器では、壁内を貫通する多数の冷媒流通孔を開設した円筒形の冷媒流通管を通水官の外周に接合して作製された熱交換用二重管と、通水管の外周壁に接合して冷媒流通管の端末部に設けられた袋状のヘッダーと、を備えている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】特開2002−213885号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の二重管式熱交換器では、多数の冷媒流通孔が周方向に配列して冷媒流通管の壁内を貫通して形成されているので、気液二相状態の冷媒を流通させる場合には、冷媒がヘッダー内に供給された後、各冷媒流通孔に均一に分配されにくい。特に、従来の二重管式熱交換器を蒸発器として動作させた場合、気液二相状態の冷媒が冷媒流通孔に不均一に分配され、液冷媒の分配量の少ない冷媒流通孔では、液冷媒がその管路半ばで全て蒸発してしまい、余分な過熱領域が長くなり、熱交換器全体の伝熱性能が極端に低下するという不具合を生じる。
【0005】
この発明は、上述のような問題を解決するためになされたものであり、気液二相状態の冷媒であっても、複数の管路に均一に分配できる二重管式熱交換器およびその製造方法並びにそれを備えたヒートポンプを得ることを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明の二重管式熱交換器は、中心穴が軸心位置に形成された円筒状に作製され、第1冷媒が流通する複数の管路がその管路中心を該軸心と平行として周方向に配列して形成された第1管、上記第1管の中心穴内に挿通されて該第1管の中心穴の内周壁面に密接して配設され、第2冷媒が流通する円筒状の第2管、上記第1管の一端側に同軸に所定の径方向幅および所定の軸方向長さを有する円環状の筒状に形成され、上記複数の管路の一端側が開口され、上記第1冷媒を該複数の管路に分配する第1ヘッダー空間、上記第1管の他端側に形成され、上記複数の管路の他端側が開口され、該複数の管路を流通した上記第1冷媒を集める第2ヘッダー空間、上記第1管と協働して上記第1および第2ヘッダー空間を画成する第1および第2ヘッダー、および上記第1および第2ヘッダー空間のそれぞれに接続された第1および第2配管を有し、上記第1冷媒と上記第2冷媒とを熱交換させる熱交換用二重管を備えている。そして、上記第1配管は、その管路中心が上記第1管の軸心と直交する平面上に位置し、該第1管路の軸心から径方向外方に変位して該径方向と直交するように上記第1ヘッダー空間に接続されている。
【発明の効果】
【0007】
この発明によれば、第1配管の管路中心が第1管の軸心と直交する平面上に位置し、第1管路の軸心から径方向外方に変位して径方向と直交するように第1ヘッダー空間に接続されているので、第1配管から第1ヘッダー空間に流入した気液二相状態の冷媒は、大きな周方向の旋回成分を有する。そこで、冷媒は遠心力により第1ヘッダー空間の外周壁面に沿ったほぼ均一な液膜と冷媒蒸気との環状流となり、第1ヘッダー空間に開口する複数の管路に均等に分配される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
実施の形態1.
図1はこの発明の実施の形態1に係る二重管式熱交換器に適用される熱交換用二重管を示す斜視図、図2はこの発明の実施の形態1に係る二重管式熱交換器に適用される熱交換用二重管の一方のヘッダーを省略した状態を示す斜視図、図3はこの発明の実施の形態1に係る二重管式熱交換器に適用される熱交換用二重管を示す縦断面図、図4は図3のIV−IV矢視断面図、図5は図3のV−V矢視断面図、図6はこの発明の実施の形態1に係る二重管式熱交換器に適用される熱交換用二重管のヘッダー内の冷媒流れを説明する横断面図、図7はこの発明の実施の形態1に係る二重管式熱交換器に適用される熱交換用二重管のヘッダー内の冷媒流れを説明する縦断面図である。
【0009】
図1乃至図5において、熱交換用二重管1は、アルミ合金を押し出し加工して中心穴が軸心位置に穿設された所定肉厚の円筒状の管体に作製され、管路としての細孔2aが孔方向を軸心と平行として壁内を貫通して同一円周上に等角ピッチで例えば12個形成され、第1冷媒が流通する第1管としての外管2と、銅材で円筒状に作製され、外管2の中心穴の内壁面に密接して外管2を挿通して外管2と同軸に配設され、第2冷媒が流通する第2管としての内管3と、それぞれアルミ合金で有底円筒状に作製され、底部に同軸に穿設された貫通穴4a,5aに外管2の両端からの内管3の延出部を挿通させて、貫通穴4a,5aの内壁面が内管3の外壁面に接合され、開口端面が外管2の細孔2aの形成領域の径方向外方の端面に接合されて、外管2の両端部のそれぞれに外管2と同軸に設けられた第1および第2ヘッダー4,5と、管路中心が外管2の軸心と直交する平面上に位置して外管2の軸心から半径方向にずれた位置で半径方向に直交するように第1および第2ヘッダー4,5の底部側に接続されたアルミ合金製の第1および第2配管6,7と、を備える。
【0010】
ここで、外管2と内管3とは、内管3を外管2の中心穴に挿入した後、内管3を機械的に拡管することにより、内管3の外壁面が外管2の中心穴の内壁面に密接し、熱的に密着している。外管2と第1および第2ヘッダー4,5とは、ロウ付けにて接合される。また、内管3と第1および第2ヘッダー4,5とは両者の間に薄板状のステンレス合金を介してロウ付けにて接合される。さらに、第1および第2配管6,7は第1および第2ヘッダー4,5にロウ付けにて接合される。第1ヘッダー空間9aが、外管2、内管3および第1ヘッダー4により外管2の一端側に画成され、所定の径方向幅および所定の軸方向長さを有する円環状の筒状に形成されている。同様に、第2ヘッダー空間9bが、外管2、内管3および第2ヘッダー5により外管2の他端側に画成され、所定の径方向幅および所定の軸方向長さを有する円環状の筒状に形成されている。なお、結露などによる水分からロウ付け部の腐食を防止するために、ロウ付け部の外表面に防食塗装を施しても良い。
【0011】
この実施の形態1による二重管式熱交換器10は、このように構成された1つの熱交換用二重管1を、例えば、図示していないが、第1配管6が第1冷熱機器の吐出配管に連結され、第2配管7が第1冷熱機器の吸入配管に連結され、内管3の一端が第2冷熱機器の吐出配管に接続され、内管3の他端が第2冷熱機器の吸入配管に接続される。
【0012】
そして、第1冷熱機器から吐出された第1冷媒は、第1配管6を介して第1ヘッダー4内に流入し、各細孔2aに分配される。第1冷媒は、各細孔2a内を流通して第2ヘッダー5に集められ、第2配管7から第1冷熱機器に戻される。
一方、第2冷熱機器から吐出された第2冷媒は、内管3内を流通し、第2冷熱機器に戻される。この第2冷媒は内管3内を流通しつつ細孔2a内を流れる第1冷媒と熱交換される。第2冷媒は、細孔2a内を流れる第1冷媒に対して平行流となっているが、第2配管7を第1冷熱機器の吐出配管に接続した場合には、第2冷媒は細孔2a内を流れる第1冷媒に対して対向流となる。もしくは、内管3と第2冷熱機器の連結方向を変えて接続した場合でも第2冷媒は細孔2a内を流れる第1冷媒に対して対向流となる。
【0013】
この二重管式熱交換器10では、熱交換用二重管1の第1および第2配管6,7が、その管路中心が外管2の軸心と直交する平面上に位置し、外管2の軸心から半径方向にずれた位置で半径方向に直交するように第1および第2ヘッダー4,5の底部側に接続されている。そこで、冷媒液8aと冷媒蒸気8bとが混合された気液二相状態の第1冷媒8は、図6中矢印で示されるように、第1配管6から第1ヘッダー4内に導入され、円周方向の旋回成分を有する。そして、第1冷媒8は、遠心力により第1ヘッダー4の内周壁面(第1ヘッダー空間9aの外周壁面)に沿ったほぼ均一の厚みの液膜(冷媒液8a)と冷媒蒸気8bとの環状流となる。そして、第1冷媒8は、図7に矢印で示されるように、冷媒蒸気8bに同伴されて、外管2の端面に到達し、各細孔2aに均等に分配される。
【0014】
この二重管式熱交換器10を蒸発器として動作させる場合に、冷媒液8aが各細孔2aに均等に分配されていないと、冷媒液8aの分配量が少ない細孔2aでは、冷媒液8aの全てが細孔2aの半ばで蒸発してしまう。そこで、余分な過熱領域が長くなり、熱交換器全体の伝熱性能が極端に低下する。この二重管式熱交換器10では、冷媒液8aが各細孔2aに均等に分配されるので、上述の熱交換器の性能低下を防止することができる。
【0015】
なお、熱交換用二重管1の構造上、第1ヘッダー4内での第1冷媒の周方向における分布が重力の影響を受けることから、外管2の軸心を水平に対して傾斜させるように熱交換用二重管1を配置することが好ましく、外管2の軸心を鉛直とするように熱交換用二重管1を配置することがより好ましい。
【0016】
また、第1配管6の管路中心と外管2の径方向との直交点を外管2の軸心から径方向外方に変位させるほど、第1ヘッダー4内に導入された冷媒の円周方向の旋回成分が大きくなることから、第1配管6の管路中心と外管2の径方向との直交点を外管2の外周側に位置させることが好ましい。特に、第1配管6の管路中心を第1ヘッダー4の内周壁面の接線に略一致させるようにすることがより好ましい。つまり、図5に示されるように、第1配管6の管路中心が外管2の軸心と直交する平面上に位置して外管2の半径方向に直交し、かつ第1配管6の内周壁面の接線が第1ヘッダー4の内周壁面の接線と交差するように、第1配管6を第1ヘッダー4に接続すればよい。なお、冷媒の吐出側の第2ヘッダー5および第2配管7は、両者の接続構造を含めて、同じ構成とすることで、第2配管7から第1冷媒を流入させても細孔2aに均等に分配できるので、第1ヘッダー4および第1配管6が流入側に特定されず、熱交換用二重管1の設置自由度を増大することができる。また、後述するように、複数の隣り合う熱交換用二重管1の第2配管7を隣接する熱交換用二重管1の第1配管6に接続して二重管式熱交換器30を製造する場合の生産性も向上する。
【0017】
また、内管3には銅材を用いるものとしているが、これに限定されるものではなく、第2冷媒に応じて適宜選択すればよく、例えば銅に比べ耐食性に優れたステンレス合金を用いれば、薄肉化でき、熱交換器の軽量化が実現できる。
また、外管2、第1および第2ヘッダー4,5、および第1および第2配管6,7にはアルミ合金を用いるものとしているが、第1冷媒に応じて適宜選択すればよく、例えばステンレス合金、銅などを用いればよい。
また、外管2と第1および第2ヘッダー4,5とをロウ付けにより接合し、第1および第2ヘッダー4,5と第1および第2配管6,7とをロウ付けにより接合するものとしているが、ロウ付けに代えて圧接接合や共晶接合を用いてもよい。特に、冷熱機器側の配管には銅製の配管が主に用いられることから、アルミ合金製の第1および第2配管6,7と冷熱機器側の配管との接合には、ロウ付け以外の圧接接合や共晶接合などが好ましい。
【0018】
つぎに、本二重管式熱交換器10を用いたヒートポンプシステムについて説明する。
実施例1.
図8はこの発明の実施の形態1に係る二重管式熱交換器を用いたヒートポンプシステムの実施例1を示す冷媒回路図である。
図8において、ヒートポンプシステム20Aは、第1冷媒を圧縮するための圧縮機21と、膨張弁23と、室外熱交換器24と、利用側熱交換器25と、第2冷媒を圧送するポンプ26と、室外空気を室外熱交換器24に供給し、室外熱交換器24内を流通する第1冷媒と外気とを熱交換させるファン29と、第1冷媒と第2冷媒とを熱交換させる二重管式熱交換器10と、を備える。ここでは、第1冷媒としてR410Aを用い、第2冷媒として水道水を用いている。
【0019】
そして、圧縮機21の冷媒吐出口が二重管式熱交換器10の熱交換用二重管1の第1配管6に接続され、熱交換用二重管1の第2配管7が膨張弁23を介して室外熱交換器24の入口に接続され、室外熱交換器24の出口が圧縮機21の冷媒吸入口に接続されている。第1冷媒は、圧縮機21→熱交換用二重管1の外管2の細孔2a→膨張弁23→室外熱交換器24→圧縮機21の順で第1冷媒回路内を循環する。また、ポンプ26の冷媒吐出口が二重管式熱交換器10の熱交換用二重管1の内管3の一端に接続され、熱交換用二重管1の内管3の他端が利用側熱交換器25の入口に接続され、利用側熱交換器25の出口がポンプ26の冷媒吸入口に接続されている。第2冷媒は、ポンプ26→熱交換用二重管1の内管3→利用側熱交換器25→ポンプ26の順で第2冷媒回路内を循環する。
【0020】
このヒートポンプシステム20Aでは、ポンプ26が駆動され、水道水が第2冷媒回路内を循環する。そして、第1冷媒が圧縮機21で高温高圧の冷媒となって熱交換用二重管1の第1ヘッダー4内に導入され、各細孔2aに分配される。第1冷媒は、細孔2a内を流通しつつ、内管3内を流通する第2冷媒と熱交換する。そして、第1冷媒は、第2冷媒と熱交換して凝縮し、膨張弁23で減圧され、室外熱交換器24に導入される。室外熱交換器24に導入された第2冷媒は、ファン29により送風された空気と熱交換して蒸発し、圧縮機21に戻される。一方、第1冷媒と熱交換して加熱された第2冷媒は利用側熱交換器25に戻され、放熱し、ポンプ26に戻される。
このヒートポンプシステム20Aは、例えばラジエータや床暖房ヒータなどを利用側熱交換器2に用いた暖房システムとして利用される。
【0021】
実施例2.
図9はこの発明の実施の形態1に係る二重管式熱交換器を用いたヒートポンプシステムの実施例2を示す冷媒回路図である。
図9において、ヒートポンプシステム20Bは、利用側熱交換器25を内包するタンク28を備えている。なお、ヒートポンプシステム20Bは、タンク28を備えている点を除いて、上記実施例1のヒートポンプシステム20Aと同様に構成されている。
【0022】
このヒートポンプシステム20Bでは、タンク28に給水されて利用側熱交換器25を流通する第2冷媒と熱交換して加熱された流体を取水し、暖房又は給湯に利用する。
そこで、このヒートポンプシステム20Bを用いた暖房又は給湯システムは、従来のボイラを熱源とした暖房又は給湯システムに比べて省エネ効果がある。
【0023】
実施例3.
図10はこの発明の実施の形態1に係る二重管式熱交換器を用いたヒートポンプシステムの実施例3を示す冷媒回路図である。
図10において、ヒートポンプシステム20Cは、圧縮機21の冷媒吐出口が室外熱交換器24の入口に接続され、室外熱交換器24の出口が膨張弁23を介して二重管式熱交換器10の熱交換用二重管1の第1配管6に接続され、熱交換用二重管1の第2配管7が圧縮機21の冷媒吸入口に接続されている。第1冷媒は、圧縮機21→室外熱交換器24→膨張弁23→熱交換用二重管1の外管2の細孔2a→圧縮機21の順で第1冷媒回路内を循環する。なお、ヒートポンプシステム20Cは、第1冷媒回路を流れる第1冷媒の流れ方向が異なる点を除いて、上記実施例1のヒートポンプシステム20Aと同様に構成されている。
【0024】
このヒートポンプシステム20Cでは、ポンプ26が駆動され、水道水が第2冷媒回路内を循環する。そして、第1冷媒が圧縮機21で高温高圧の冷媒となって室外熱交換器24に導入される。室外熱交換器24に導入された第2冷媒は、ファン29により送風された空気と熱交換して凝縮し、膨張弁23で減圧されて、熱交換用二重管1の第1ヘッダー4内に導入され、各細孔2aに分配される。第1冷媒は、細孔2a内を流通しつつ、内管3内を流通する第2冷媒と熱交換する。そして、第1冷媒は、第2冷媒と熱交換して蒸発し、圧縮機21に戻される。一方、第1冷媒と熱交換して冷却された第2冷媒は利用側熱交換器25に戻される。
このヒートポンプシステム20Cは、例えば空気熱交換器を利用側熱交換器2に用いた冷房システムや、冷水パネルを利用側熱交換器2に用いた輻射冷房システムとして利用される。
【0025】
実施例4.
図11はこの発明の実施の形態1に係る二重管式熱交換器を用いたヒートポンプシステムの実施例4を示す冷媒回路図である。
図11において、ヒートポンプシステム20Dは、四方弁22を第1冷媒回路に設け、四方弁22を切り換えて、圧縮機21で圧縮された第1冷媒を室外熱交換器24又は二重管式熱交換器10に導入できるようにしている。なお、ヒートポンプシステム20Dは、四方弁22を第1冷媒回路に設けている点を除いて、上記実施例1,3のヒートポンプシステム20A,20Cと同様に構成されている。
【0026】
このヒートポンプシステム20Dは、圧縮機1で圧縮された高圧高温の第1冷媒が二重管式熱交換器10に導入されるように四方弁22を切り換えることで、ヒートポンプシステム20Aとして動作し、圧縮機1で圧縮された高圧高温の第1冷媒が室外熱交換器24に導入されるように四方弁22を切り換えることで、ヒートポンプシステム20Cとして動作する。このように、四方弁22を組み入れるだけで、1つのシステムで、暖熱と冷熱とを切り換えて利用できる。
また、実施例2におけるヒートポンプシステム20Bに四方弁22を組み入れることで、給湯と冷水とを切り換えて利用できるようになる。
【0027】
なお、上記各実施例では、第1冷媒としてR410A、第2冷媒として水道水を用いるものとしているが、第1および第2冷媒はこれに限定されるものではなく、例えば第1冷媒として他のフロン系冷媒、或いは二酸化炭素や炭化水素などの自然冷媒を用いてもよいし、第2冷媒としてブラインや第1冷媒と同じ冷媒を用いてもよい。また、第2冷媒の循環方向は、熱交換用二重管1を流れる第1冷媒と平行流もしくは対交流となるように適時設定してよい。
【0028】
実施の形態2.
図12はこの発明の実施の形態2に係る二重管式熱交換器に適用される熱交換用二重管を示す斜視図、図13はこの発明の実施の形態2に係る二重管式熱交換器に適用される熱交換用二重管の一方のヘッダーを省略した状態を示す斜視図、図14はこの発明の実施の形態2に係る二重管式熱交換器に適用される熱交換用二重管を示す縦断面図、図15はこの発明の実施の形態2に係る二重管式熱交換器に適用される熱交換用二重管のヘッダー内の冷媒流れを説明する横断面図、図16はこの発明の実施の形態2に係る二重管式熱交換器に適用される熱交換用二重管のヘッダー内の冷媒流れを説明する縦断面図である。
【0029】
図12乃至図14において、第1管としての外管11が所定肉厚の円筒状の大径部11aと大径部11aの両端に同軸に突設された肉薄の円筒状の小径部11bとからなり、中心穴が軸心位置に穿設されたアルミ合金製の段付き管に作製され、管路としての細孔11cが孔方向を軸心と平行として大径部11aを貫通して、大径部11aの端面に開口するように、同一円周上に等角ピッチで例えば12個形成されている。第1および第2ヘッダー4,5が、貫通穴4a,5aに外管11の小径部11bを挿通させて、貫通穴4a,5aの内壁面が小径部11bの外壁面に接合され、開口端面が大径部11aの細孔11cの形成領域の径方向外方の端面に接合されて、外管11の両端部のそれぞれに同軸に設けられている。なお、このように構成された熱交換用二重管1Aは、外管2に代えて外管11を用いている点を除いて、上記実施の形態1による熱交換用二重管1と同様に構成されている。
【0030】
この熱交換用二重管1Aでは、第1および第2ヘッダー空間9a,9bが第1および第2ヘッダー4,5と外管11とから構成されている。つまり、第1および第2ヘッダー空間9a,9bの内周壁が外管11の一部である小径部11bにより構成されている。そこで、銅製の内管3が腐食し、亀裂やピンホールが内管3に発生しても、内管3内を流通する第2冷媒の第1および第2ヘッダー空間9a,9b内への流入が小径部11bにより阻止され、第1冷媒と第2冷媒との混合が確実に防止される。
【0031】
このように構成された熱交換用二重管1Aは、上記実施の形態1と同様に、第1配管6が第1冷熱機器の吐出配管に連結され、第2配管7が第1冷熱機器の吸入配管に連結され、内管3の一端が第2冷熱機器の吐出配管に接続され、内管3の他端が第2冷熱機器の吸入配管に接続され、第1冷媒と第2冷媒とを熱交換させる二重管式熱交換器として適用される。
この熱交換用二重管1Aにおいても、図15中矢印で示されるように、第1配管6から第1ヘッダー4内に導入された第1冷媒8は、円周方向の旋回成分を有する。そして、第1冷媒8は、遠心力により第1ヘッダー4の内周壁面に沿ったほぼ均一の厚みの液膜(冷媒液8a)と冷媒蒸気8bとの環状流となる。そして、第1冷媒8は、図16に矢印で示されるように、冷媒蒸気8bに同伴されて、外管11の大径部11aの端面に到達し、各細孔11cに均等に分配される。
【0032】
ここで、外管11は、例えば、アルミ合金を押し出し加工して細孔11cが形成された所定肉厚の円筒状の管体を作製し、ついで管体を軸心回りに回転させつつ切削加工を施して、管体の両端の肉厚を薄くして作製される。
【0033】
実施の形態3.
図17はこの発明の実施の形態3に係る二重管式熱交換器に適用される熱交換用二重管を示す斜視図、図18はこの発明の実施の形態3に係る二重管式熱交換器に適用される熱交換用二重管のヘッダー構造を説明する一部破断斜視図、図19はこの発明の実施の形態3に係る二重管式熱交換器に適用される熱交換用二重管を示す縦断面図、図20はこの発明の実施の形態3に係る二重管式熱交換器に適用される熱交換用二重管のヘッダー内の冷媒流れを説明する横断面図、図21はこの発明の実施の形態3に係る二重管式熱交換器に適用される熱交換用二重管のヘッダー内の冷媒流れを説明する縦断面図である。
【0034】
図17乃至図19において、第1管としての外管12は、中心穴が軸心位置に穿設されたアルミ合金製の所定肉厚の円筒状の管体12aに作製され、環状溝としての円環状の凹溝12bが管体12aの両端に同軸に凹設され、細孔12cが孔方向を軸心と平行として管体12aを貫通して、凹溝12bの底部に開口するように、同一円周上に等角ピッチで例えば12個形成されている。第1および第2配管6,7が管体12aの両端側の外周壁面に接合されている。端板13が、中心位置に穿設された貫通穴13aを有するアルミ合金製の円板に作製され、管体12aの両端面に接合され、凹溝12bの開口を塞口している。なお、このように構成された熱交換用二重管1Bは、外管2および第1および第2ヘッダー4,5に代えて外管12を用いている点を除いて、上記実施の形態1による熱交換用二重管1と同様に構成されている。端板13は外管12と協働して第1および第2ヘッダー空間9a、9bを画成する第1および第2ヘッダーとして機能する。
【0035】
この熱交換用二重管1Bでは、第1および第2ヘッダー空間9a,9bが管体12aの凹溝12bを端板13で塞口して構成されている。そこで、第1および第2ヘッダー空間9a,9bが簡素な構造で構成できる。さらに、銅製の内管3が腐食し、亀裂やピンホールが内管3に発生しても、内管3内を流通する第2冷媒の第1および第2ヘッダー空間9a,9b内への流入が外管12により阻止され、第1冷媒と第2冷媒との混合が確実に防止される。
【0036】
このように構成された熱交換用二重管1Bは、上記実施の形態1と同様に、第1配管6が第1冷熱機器の吐出配管に連結され、第2配管7が第1冷熱機器の吸入配管に連結され、内管3の一端が第2冷熱機器の吐出配管に接続され、内管3の他端が第2冷熱機器の吸入配管に接続され、第1冷媒と第2冷媒とを熱交換させる二重管式熱交換器として適用される。
この熱交換用二重管1Bにおいても、図20中矢印で示されるように、第1配管6から凹溝12b内に導入された第1冷媒8は、円周方向の旋回成分を有する。そして、第1冷媒8は、遠心力により凹溝12bの内周壁面に沿ったほぼ均一の厚みの液膜(冷媒液8a)と冷媒蒸気8bとの環状流となる。そして、第1冷媒8は、図21に矢印で示されるように、冷媒蒸気8bに同伴されて、外管12の凹溝12bの底面に到達し、各細孔12cに均等に分配される。
【0037】
ここで、外管12は、例えば、アルミ合金を押し出し加工して細孔12cが形成された所定肉厚の円筒状の管体12aを作製し、ついで管体12aを軸心回りに回転させつつ軸方向外方から切削加工を施して、所定の溝幅の円環状の凹溝12bを管体12aの両端部に形成して、作製される。
【0038】
実施の形態4.
図22はこの発明の実施の形態4に係る二重管式熱交換器に適用される熱交換用二重管を示す縦断面図、図23は図22のXXIII−XXIII矢視断面図である。
【0039】
図22および図23において、第1管としての外管14が所定肉厚の円筒状の大径部14aと大径部14aの両端から同軸に突設され肉薄の円筒状の小径部14bとからなり、中心穴14dが軸心位置に穿設されたアルミ合金製の段付き管に作製され、細孔14cが孔方向を軸心と平行として大径部14aを貫通して、大径部14aの端面に開口するように、同一円周上に等角ピッチで例えば12個形成されている。耐食層15が外管14の中心穴14dの内周壁面の全面に被覆されている。第1および第2ヘッダー4,5が、貫通穴4a,5aに外管14の小径部14bを挿通させて、貫通穴4a,5aの内壁面が小径部14bの外壁面に接合され、開口端面が大径部14aの細孔14cの形成領域の径方向外方の端面に接合されて、外管14の大径部14aの両端部のそれぞれに同軸に設けられている。なお、このように構成された熱交換用二重管1Cは、外管2および内管3に代えて外管14を用いている点を除いて、上記実施の形態1による熱交換用二重管1と同様に構成されている。
【0040】
このように構成された熱交換用二重管1Cは、上記実施の形態1と同様に、第1配管6が第1冷熱機器の吐出配管に連結され、第2配管7が第1冷熱機器の吸入配管に連結され、外管14の一方の小径部14bが第2冷熱機器の吐出配管に接続され、他方の小径部14bが第2冷熱機器の吸入配管に接続され、第1冷媒と第2冷媒とを熱交換させる二重管式熱交換器として適用される。
【0041】
この熱交換用二重管1Cにおいても、上記実施の形態1と同様に、第1冷媒を各細孔14cに均等に分配できる。
また、この熱交換用二重管1Cでは、耐食層15が内周壁面の全面に被覆された外管14の中心穴14dに第2冷媒を流通させているので、内管3が不要となり、熱交換器の軽量化を図ることができる。
【0042】
なお、耐食層15としては、母材である外管14より電気化学的に卑である金属材料を用いることができ、外管14がアルミ合金やアルミである場合には、例えば、マグネシウムを含む金属材料を用いることができる。そして、例えば、マグネシウムを含む金属材料をアルミ合金やアルミの表面に被覆してなるクラッド材を用いて外管を作製すればよい。この場合は、細孔14cを設けた平板状のクラッド材をロール成形などにより円筒状に形成し、継ぎ目を電縫溶接などで接続すればよい。また、母材で外管を作製した後、外管の中心穴の内周壁面にメッキを施し、耐食層を形成してもよい。
また、金属材料に代えて、ポリエチレン等の樹脂を外管14の中心穴14dの内周壁面の全面に被覆して耐食層としてもよい。
【0043】
実施の形態5.
図24はこの発明の実施の形態5に係る二重管式熱交換器に適用される熱交換用二重管を示す縦断面図である。
【0044】
図24において、第1管としての外管16が所定肉厚の円筒状の大径部16aと大径部16aの両端から同軸に突設された肉薄の円筒状の小径部16bとからなり、中心穴16eが軸心位置に穿設されたアルミ合金製の段付き管に作製され、環状溝としての円環状の凹溝16cが大径部16aの両端に同心状に凹設され、細孔16dが孔方向を軸心と平行として大径部16aを貫通して、凹溝16cの底部に開口するように、同一円周上に等角ピッチで例えば12個形成されている。第1および第2配管6,7が大径部16aの両端側の外周壁面に接合されている。端板13が、中心位置に穿設された貫通穴13aを有するアルミ合金製の円板に作製され、大径部16aの両端面と小径部16bの外周壁面に接合され、凹溝16cの開口を塞口している。さらに、耐食層15が外管16の中心穴16eの内周壁面の全面に被覆されている。なお、このように構成された熱交換用二重管1Dは、外管2、内管3および第1および第2ヘッダー4,5に代えて外管16および端板13を用いている点を除いて、上記実施の形態1による熱交換用二重管1と同様に構成されている。
【0045】
このように構成された熱交換用二重管1Dは、上記実施の形態1と同様に、第1配管6が第1冷熱機器の吐出配管に連結され、第2配管7が第1冷熱機器の吸入配管に連結され、外管16の一方の小径部16bが第2冷熱機器の吐出配管に接続され、他方の小径部16bが第2冷熱機器の吸入配管に接続され、第1冷媒と第2冷媒とを熱交換させる二重管式熱交換器として適用される。
【0046】
この熱交換用二重管1Dにおいても、上記実施の形態1と同様に、第1冷媒を各細孔16dに均等に分配できる。
また、この熱交換用二重管1Dでは、耐食層15が内周壁面の全面に被覆された外管16の中心穴16eに第2冷媒を流通させているので、内管3が不要となり、熱交換器の軽量化を図ることができる。
また、第1および第2ヘッダー空間9a,9bが大径部16aの凹溝16cを端板13で塞口して構成されているので、第1および第2ヘッダー空間9a,9bが簡素な構造で構成できる。
【0047】
実施の形態6.
図25はこの発明の実施の形態6に係る二重管式熱交換器を示す側面図である。
図25において、二重管式熱交換器30は、1本の内管3で連結された4つの熱交換用二重管1が、隣り合う熱交換用二重管1を連結する内管3の部分をU字状に曲げ成形され、外管2の軸心を同一平面上で互いに平行として、第1ヘッダー4と第2ヘッダー5とを相対するように隣接して1列に配列され、熱交換用二重管1の第2配管7が隣接する熱交換用二重管1の第1配管6に接続されて構成されている。ここでは、二重管式熱交換器30が4つの熱交換用二重管1から構成されているものとしているが、熱交換用二重管1の個数は要求される熱交換能力により適宜設定される。
【0048】
このように構成された二重管式熱交換器30は、上記実施の形態1と同様に、配列方向の先頭の熱交換用二重管1の第1配管6が第1冷熱機器の吐出配管に連結され、配列方向の最後の熱交換用二重管1の第2配管7が第1冷熱機器の吸入配管に連結され、内管3の一端が第2冷熱機器の吐出配管に接続され、内管3の他端が第2冷熱機器の吸入配管に接続され、第1冷媒と第2冷媒とを熱交換させる二重管式熱交換器として適用される。
そして、第1冷媒が配列方向の先頭の熱交換用二重管1の第1配管6から流入し、4つの熱交換用二重管1の細孔2aを順次流通し、配列方向の最後の熱交換用二重管1の第2配管7から流出する。この時、第1冷媒は、各熱交換用二重管1の細孔2aに均等に分配され、熱交換用熱交換器1の伝熱性能の低下が抑えられる。
【0049】
つぎに、この二重管式熱交換器30の製造方法について説明する。
まず、熱交換用二重管1の構成部品である外管2、内管3、第1および第2ヘッダー4,5、第1および第2配管6,7が用意される。そして、第1および第2配管6,7を第1および第2ヘッダー4,5に接合する。ついで、第1および第2ヘッダー4,5を外管2の両端に接合し、図26に示されるように、熱交換本体部31を作製する。ついで、内管3を4つの熱交換本体部31の外管2に挿通し、その後内管3を拡管し、図27に示されるように、4つの熱交換本体部31が各外管2と内管3とを熱的に密接されて一体に連設された熱交換器組立体32を作製する。ついで、熱交換器組立体32の内管3の隣り合う熱交換本体部31間の部位を曲げて、図25に示されるように、外管2の軸心が同一平面上で互いに平行となり、第1ヘッダー4と第2ヘッダー5とが相対するように4つの熱交換本体部31を隣接して1列に配列させる。その後、各熱交換本体部31の第2配管7を隣に位置する熱交換本体部31の第1配管6に接続し、二重管式熱交換器30が作製される。
【0050】
この製造方法によれば、内管3の直径が外管2の直径より小径であることから、内管3を小さな曲率半径で曲げ加工でき、同じ熱交換長さを1つの熱交換用二重管1で構成した場合に比べ、小型化を図ることができる。
なお、第1および第2配管6,7を第1および第2ヘッダー4,5に接合する工程が、最初の工程として説明しているが、この工程は、最初に実施される必要はなく、隣接して1列に配列された熱交換本体部31の第1配管6と第2配管7との接続工程に先立って実施されていればよい。
【0051】
ここで、上記実施の形態6では、二重管式熱交換器30が、外管2の軸心を同一平面上で互いに平行として、かつ第1ヘッダー4と第2ヘッダー5とを相対するように、熱交換用二重管1を隣接して1列4行に配列して構成されているものとしているが、熱交換用二重管1の配列はこれに限定されるものではなく、例えば図28に示されるように、内管3の曲げ方向を90度変位させて、外管2の軸心を互いに平行として、かつ第1ヘッダー4と第2ヘッダー5とを相対するように、熱交換用二重管1を隣接して2列2行に配列してもよい。このように、内管3の曲げ方向および曲げ角度を変えることで、熱交換用二重管1の配列を収納空間に合わせることができる。従って、この製造方法によれば、熱交換器の小型化図れると共に、収納空間に合わせた形状の熱交換器を簡易に製造できる。また、第1ヘッダー4および第1配管6と第2ヘッダー5および第2配管7を同じ構成とすることで、隣接する第1配管6と第2配管7の接続工程の生産性が向上する。
【0052】
実施の形態7.
この実施の形態7による二重管式熱交換器は、図示していないが、熱交換用二重管1に代えて上記実施の形態2による熱交換用二重管1Aを用いている点を除いて、上記実施の形態6と同様に構成されている。
従って、この実施の形態7による二重管熱交換器は、上記実施の形態6による二重管式熱交換器30と同様に動作し、同様の効果を奏する。
【0053】
つぎに、この二重管式熱交換器の製造方法について説明する。
まず、熱交換用二重管1Aの構成部品である外管11、内管3、第1および第2ヘッダー4,5、第1および第2配管6,7が用意される。そして、第1および第2配管6,7を第1および第2ヘッダー4,5に接合する。ついで、第1および第2ヘッダー4,5を外管11の両端に接合し、熱交換本体部を作製する。ついで、内管3を4つ熱交換本体部の外管11に挿通し、その後内管3を拡管し、4つの熱交換本体部が各外管11と内管3とを熱的に密接されて一体に連設された熱交換器組立体を作製する。ついで、熱交換器組立体の内管3の隣り合う熱交換本体部間の部位を曲げて、外管11の軸心が同一平面上で互いに平行となり、第1ヘッダー4と第2ヘッダー5とが相対するように4つの熱交換本体部を隣接して1列4行に配列させる。その後、各熱交換本体部の第2配管7を隣に位置する熱交換本体部の第1配管6に接続し、二重管式熱交換器が作製される。
【0054】
この製造方法においても、内管3の直径が外管2の直径より小径であることから、内管3を小さな曲率半径で曲げ加工でき、同じ熱交換長さを1つの熱交換用二重管1Aで構成した場合に比べ、小型化を図ることができる。
なお、第1および第2配管6,7を第1および第2ヘッダー4,5に接合する工程が、最初の工程として説明しているが、この工程は、最初に実施される必要はなく、隣接して1列に配列された熱交換本体部31の第1配管6と第2配管7との接続工程に先立って実施されていればよい。
【0055】
実施の形態8.
この実施の形態8による二重管式熱交換器は、熱交換用二重管1に代えて上記実施の形態3による熱交換用二重管1Bを用いている点を除いて、上記実施の形態6と同様に構成されている。
従って、この実施の形態8による二重管熱交換器は、上記実施の形態6による二重管式熱交換器30と同様に動作し、同様の効果を奏する。
【0056】
つぎに、この二重管式熱交換器の製造方法について説明する。
まず、熱交換用二重管1Bの構成部品である外管12、内管3、第1および第2配管6,7、端板13が用意される。そして、第1および第2配管6,7を外管12に接合する。ついで、端板13を外管12の両端に接合し、熱交換本体部を作製する。ついで、内管3を4つ熱交換本体部の外管12に挿通し、その後内管3を拡管し、4つの熱交換本体部が各外管12と内管3とを熱的に密接されて一体に連設された熱交換器組立体を作製する。ついで、熱交換器組立体の内管3の隣り合う熱交換本体部間の部位を曲げて、外管12の軸心が同一平面上で互いに平行となり、第1配管6と第2配管7とが相対するように4つの熱交換本体部を隣接して1列4行に配列させる。その後、各熱交換本体部の第2配管7を隣に位置する熱交換本体部の第1配管6に接続し、二重管式熱交換器が作製される。
【0057】
この製造方法においても、内管3の直径が外管2の直径より小径であることから、内管3を小さな曲率半径で曲げ加工でき、同じ熱交換長さを1つの熱交換用二重管1Bで構成した場合に比べ、小型化を図ることができる。
なお、第1および第2配管6,7を外管12に接合する工程が、最初の工程として説明しているが、この工程は、最初に実施される必要はなく、隣接して1列に配列された熱交換本体部の第1配管6と第2配管7との接続工程に先立って実施されていればよい。
【0058】
実施の形態9.
図29はこの発明の実施の形態9に係る二重管式熱交換器を示す側面図である。
図29において、二重管式熱交換器35は、2つの熱交換用二重管1を内管としてのU字状に曲げ成形されたヘアピン管36で連結してなる2組の熱交換器組立体38が、外管2の軸心を同一平面上で互いに平行として、第1ヘッダー4と第2ヘッダー5とを相対するように隣接して1列に配列され、一方のヘアピン管36の他端と他方のヘアピン管36の一端とがUベント管37で接続され、熱交換用二重管1の第2配管7が隣接する熱交換用二重管1の第1配管6に接続されて構成されている。ここでは、二重管式熱交換器35が4つの熱交換用二重管1から構成されているものとしているが、熱交換用二重管1の個数は要求される熱交換能力により適宜設定される。
【0059】
このように構成された二重管式熱交換器35は、上記実施の形態1と同様に、配列方向の先頭の熱交換用二重管1の第1配管6が第1冷熱機器の吐出配管に連結され、配列方向の最後の熱交換用二重管1の第2配管7が第1冷熱機器の吸入配管に連結され、ヘアピン管36の一端が第2冷熱機器の吐出配管に接続され、ヘアピン管36の他端が第2冷熱機器の吸入配管に接続され、第1冷媒と第2冷媒とを熱交換させる二重管式熱交換器として適用される。
そして、第1冷媒が配列方向の先頭の熱交換用二重管1の第1配管6から流入し、4つの熱交換用二重管1の細孔2aを順次流通し、配列方向の最後の熱交換用二重管1の第2配管7から流出する。この時、第1冷媒は、各熱交換用二重管1の細孔2aに均等に分配され、熱交換用熱交換器1の伝熱性能の低下が抑えられる。
【0060】
つぎに、この二重管式熱交換器35の製造方法について説明する。
まず、熱交換用二重管1の構成部品である外管2、ヘアピン管36、第1および第2ヘッダー4,5、第1および第2配管6,7、Uベント管37が用意される。そして、第1および第2配管6,7を第1および第2ヘッダー4,5に接合する。ついで、第1および第2ヘッダー4,5を外管2の両端に接合し、熱交換本体部31を作製する。ついで、ヘアピン管36を2つの熱交換本体部31の外管2に挿通し、その後ヘアピン管36を拡管し、2つの熱交換本体部31が各外管2とヘアピン管36とを熱的に密接されて一体に連設された熱交換器組立体38を作製する。ついで、図30に示されるように、外管2の軸心が同一平面上で互いに平行となり、第1ヘッダー4と第2ヘッダー5とが相対するように4つの熱交換本体部31が隣接して1列に配列するように、2組の熱交換器組立体38を並べる。その後、ヘアピン管36同士をUベント管37で接続し、各熱交換本体部31の第2配管7を隣に位置する熱交換本体部31の第1配管6に接続し、図29に示される二重管式熱交換器35が作製される。
【0061】
この製造方法によれば、内管としてのヘアピン管36およびUベント管37の直径が外管2の直径より小径であることから、ヘアピン管36およびUベント管37を小さな曲率半径で曲げ加工でき、同じ熱交換長さを1つの熱交換用二重管1で構成した場合に比べ、小型化を図ることができる。また、予め曲げられたヘアピン管36を熱交換本体部31の外管2に挿通し、予め曲げられたUベンド管37を用いて隣り合う熱交換器組立体38のヘアピン管36同士を連結しているので、上記実施の形態6に記載した熱交換器組立体32の内管3の隣り合う熱交換本体部31の間の部分を曲げる製造方法に比べ、より生産性が向上する。
【0062】
なお、第1および第2配管6,7を第1および第2ヘッダー4,5に接合する工程が、最初の工程として説明しているが、この工程は、最初に実施される必要はなく、隣接して配列された熱交換本体部31の第1配管6と第2配管7との接続工程に先立って実施されていればよい。また、各組の熱交換器組立体38内における熱交換本体部31の第1配管6と第2配管7との接続工程は、上記工程のいずれの段階で実施されてもよい。また、第1ヘッダー4および第1配管6と第2ヘッダー5および第2配管7を同じ構成とすることで、隣接する第1配管6と第2配管7の接続工程の生産性が向上する。
【0063】
ここで、上記実施の形態9では、二重管式熱交換器35が、2つの熱交換器組立体38を互いに平行として、外管2の軸心を同一平面上で互いに平行として、かつ第1ヘッダー4と第2ヘッダー5とを相対するように、熱交換用二重管1を隣接して1列、4行に配列して構成されているものとしているが、熱交換用二重管1の配列はこれに限定されるものではなく、例えば図31に示されるように、4つの熱交換器組立体38を互いに平行として、外管2の軸心を互いに平行として、かつ第1ヘッダー4と第2ヘッダー5とを相対するように、熱交換用二重管1を隣接して2列4行に配列してもよい。このように、熱交換器組立体38の配列を変えることで、熱交換用二重管1の配列を収納空間に合わせることができる。従って、この製造方法によれば、熱交換器の小型化図れると共に、収納空間に合わせた形状の熱交換器を簡易に製造できる。
【0064】
実施の形態10.
この実施の形態10による二重管式熱交換器は、熱交換用二重管1に代えて上記実施の形態2による熱交換用二重管1Aを用いている点を除いて、上記実施の形態9と同様に構成されている。
従って、この実施の形態10による二重管熱交換器は、上記実施の形態9による二重管式熱交換器35と同様に動作し、同様の効果を奏する。
【0065】
つぎに、この二重管式熱交換器の製造方法について説明する。
まず、熱交換用二重管1Aの構成部品である外管11、内管としてのヘアピン管36、第1および第2ヘッダー4,5、第1および第2配管6,7、Uベント管37が用意される。そして、第1および第2配管6,7を第1および第2ヘッダー4,5に接合する。ついで、第1および第2ヘッダー4,5を外管11の両端に接合し、熱交換本体部を作製する。ついで、ヘアピン管36を2つの熱交換本体部の外管2に挿通し、その後ヘアピン管36を拡管し、2つの熱交換本体部が各外管2とヘアピン管36とを熱的に密接されて一体に連設された熱交換器組立体を作製する。ついで、外管2の軸心が同一平面上で互いに平行となり、第1ヘッダー4と第2ヘッダー5とが相対するように4つの熱交換本体部が隣接して1列に配列するように、2組の熱交換器組立体を並べる。その後、ヘアピン管36同士をUベント管37で接続し、各熱交換本体部の第2配管7を隣に位置する熱交換本体部の第1配管6に接続し、二重管式熱交換器が作製される。
【0066】
この製造方法によれば、内管としてのヘアピン管36およびUベント管37の直径が外管2の直径より小径であることから、ヘアピン管36およびUベント管37を小さな曲率半径で曲げ加工でき、同じ熱交換長さを1つの熱交換用二重管1で構成した場合に比べ、小型化を図ることができる。また、予め曲げられたヘアピン管36を熱交換本体部の外管11に挿通し、予め曲げられたUベンド管37を用いて隣り合う熱交換器組立体のヘアピン管36同士を連結しているので、上記実施の形態6に記載した熱交換器組立体32の内管3の隣り合う熱交換本体部31の間の部分を曲げる製造方法に比べ、より生産性が向上する。
【0067】
なお、第1および第2配管6,7を第1および第2ヘッダー4,5に接合する工程が、最初の工程として説明しているが、この工程は、最初に実施される必要はなく、隣接して配列された熱交換本体部の第1配管6と第2配管7との接続工程に先立って実施されていればよい。また、各組の熱交換器組立体内における熱交換本体部の第1配管6と第2配管7との接続工程は、上記工程のいずれの段階で実施されてもよい。また、第1ヘッダー4および第1配管6と第2ヘッダー5および第2配管7を同じ構成とすることで、隣接する第1配管6と第2配管7の接続工程の生産性が向上する。
【0068】
実施の形態11.
この実施の形態11による二重管式熱交換器は、熱交換用二重管1に代えて上記実施の形態3による熱交換用二重管1Bを用いている点を除いて、上記実施の形態9と同様に構成されている。
従って、この実施の形態11による二重管熱交換器は、上記実施の形態9による二重管式熱交換器35と同様に動作し、同様の効果を奏する。
【0069】
つぎに、この二重管式熱交換器の製造方法について説明する。
まず、熱交換用二重管1Bの構成部品である外管12、内管としてのヘアピン管36、第1および第2配管6,7、端板13、Uベント管37が用意される。そして、そして、第1および第2配管6,7を外管12に接合する。ついで、端板13を外管12の両端に接合し、熱交換本体部を作製する。ついで、ヘアピン管36を2つの熱交換本体部の外管2に挿通し、その後ヘアピン管36を拡管し、2つの熱交換本体部が各外管2とヘアピン管36とを熱的に密接されて一体に連設された熱交換器組立体を作製する。ついで、外管2の軸心が同一平面上で互いに平行となり、第1ヘッダー4と第2ヘッダー5とが相対するように4つの熱交換本体部が隣接して1列に配列するように、2組の熱交換器組立体を並べる。その後、ヘアピン管36同士をUベント管37で接続し、各熱交換本体部の第2配管7を隣に位置する熱交換本体部の第1配管6に接続し、二重管式熱交換器が作製される。
【0070】
この製造方法によれば、内管としてのヘアピン管36およびUベント管37の直径が外管2の直径より小径であることから、ヘアピン管36およびUベント管37を小さな曲率半径で曲げ加工でき、同じ熱交換長さを1つの熱交換用二重管1で構成した場合に比べ、小型化を図ることができる。また、予め曲げられたヘアピン管36を熱交換本体部の外管12に挿通し、予め曲げられたUベンド管37を用いて隣り合う熱交換器組立体のヘアピン管36同士を連結しているので、上記実施の形態6に記載した熱交換器組立体32の内管3の隣り合う熱交換本体部31の間の部分を曲げる製造方法に比べ、より生産性が向上する。
【0071】
なお、第1および第2配管6,7を第1および第2ヘッダー4,5に接合する工程が、最初の工程として説明しているが、この工程は、最初に実施される必要はなく、隣接して配列された熱交換本体部の第1配管6と第2配管7との接続工程に先立って実施されていればよい。また、各組の熱交換器組立体内における熱交換本体部の第1配管6と第2配管7との接続工程は、上記工程のいずれの段階で実施されてもよい。
【0072】
実施の形態12.
上記実施の形態9では、2つの熱交換用二重管1をヘアピン管36で連結してなる2組の熱交換器組立体38を配列して二重管式熱交換器35を構成するものとしているが、この実施の形態12では、4つの熱交換用二重管1をヘアピン管36で連結してなる2組の熱交換器組立体38Aを配列して二重管式熱交換器35Aを構成している。
【0073】
この実施の形態12では、第1および第2配管6,7を第1および第2ヘッダー4,5に接合する。ついで、第1および第2ヘッダー4,5を外管2の両端に接合し、熱交換本体部31を作製する。ついで、ヘアピン管36を4つの熱交換本体部31の外管2に挿通し、その後ヘアピン管36を拡管し、4つの熱交換本体部31が各外管2とヘアピン管36とを熱的に密接されて一体に連設された熱交換器組立体38Aを作製する。ついで、図33に示されるように、外管2の軸心が同一平面上で互いに平行となり、第1ヘッダー4と第2ヘッダー5とが相対するように8つの熱交換本体部31が隣接して1列に配列するように、2組の熱交換器組立体38Aを並べる。その後、ヘアピン管36同士をUベント管37で接続し、各熱交換本体部31の第2配管7を隣に位置する熱交換本体部31の第1配管6に接続し、図32に示される二重管式熱交換器35Aが作製される。
【0074】
このように構成された二重管式熱交換器35Aは、4つの熱交換用二重管1を内管としてのU字状に曲げ成形されたヘアピン管36で連結してなる2組の熱交換器組立体38Aが、外管2の軸心を同一平面上で互いに平行として、第1ヘッダー4と第2ヘッダー5とを相対するように隣接して1列に配列され、一方のヘアピン管36の他端と他方のヘアピン管36の一端とがUベント管37で接続され、熱交換用二重管1の第2配管7が隣接する熱交換用二重管1の第1配管6に接続されている。
【0075】
従って、この二重管式熱交換器35Aは、上記実施の形態9による二重管式熱交換器35に比べ、熱交換用二重管1の個数を増やすことができ、熱交換能力を大きくすることができる。
また、この実施の形態12においても、熱交換用二重管1に代えて熱交換用二重管1A,1Bを用いることができるとともに、熱交換用二重管1の個数、熱交換器組立体38Aの配列を変えることで、要求される熱交換能力および収納空間に適合する熱交換器を容易に製造することができる。
【0076】
実施の形態13.
図34はこの発明の実施の形態13に係る二重管式熱交換器を示す側面図である。
図34において、二重管式熱交換器40は、4つの熱交換用二重管1が、外管2の軸心を同一平面上で互いに平行として、第1ヘッダー4と第2ヘッダー5とを相対するように隣接して1列に配列され、第1および第2冷媒が4つの熱交換用二重管1を直列に流れるように隣り合う熱交換用二重管1の内管3の端部同士および第1配管6と第2配管7とを接続されて構成されている。
【0077】
このように構成された二重管式熱交換器40は、上記実施の形態1と同様に、配列方向の先頭の熱交換用二重管1の第1配管6が第1冷熱機器の吐出配管に連結され、配列方向の最後の熱交換用二重管1の第2配管7が第1冷熱機器の吸入配管に連結され、直列に接続された内管3の一端が第2冷熱機器の吐出配管に接続され、内管3の他端が第2冷熱機器の吸入配管に接続され、第1冷媒と第2冷媒とを熱交換させる二重管式熱交換器として適用される。
そして、第1冷媒が配列方向の先頭の熱交換用二重管1の第1配管6から流入し、4つの熱交換用二重管1の細孔2aを順次流通し、配列方向の最後の熱交換用二重管1の第2配管7から流出する。この時、第1冷媒は、各熱交換用二重管1の細孔2aに均等に分配され、熱交換用熱交換器1の伝熱性能の低下が抑えられる。
【0078】
つぎに、この二重管式熱交換器40の製造方法について説明する。
まず、熱交換用二重管1の構成部品である外管2、内管3、第1および第2ヘッダー4,5、第1および第2配管6,7、Uベント管37が用意される。そして、第1および第2配管6,7を第1および第2ヘッダー4,5に接合する。ついで、第1および第2ヘッダー4,5を外管2の両端に接合し、図35に示されるように、熱交換本体部31を作製する。ついで、図36に示されるように、内管3を1つの熱交換本体部31の外管2に挿通し、その後内管3を拡管し、熱交換本体部31が外管2と内管3とを熱的に密接されて一体に連設された熱交換器組立体41、即ち熱交換用二重管1を作製する。
【0079】
ついで、外管2の軸心が同一平面上で互いに平行となり、第1ヘッダー4と第2ヘッダー5とが相対するように4つの熱交換本体部31が隣接して1列に配列するように、4組の熱交換器組立体41を並べる。その後、内管3同士をUベント管37で接続し、各熱交換本体部31の第2配管7を隣に位置する熱交換本体部31の第1配管6に接続し、図34に示される二重管式熱交換器40が作製される。
【0080】
この製造方法によれば、Uベント管37の直径が外管2の直径より小径であることから、Uベント管37を小さな曲率半径で曲げ加工でき、同じ熱交換長さを1つの熱交換用二重管1で構成した場合に比べ、小型化を図ることができる。また、予め曲げられたUベンド管37を用いて隣り合う熱交換器組立体41の内管3同士を連結しているので、上記実施の形態6に記載した熱交換器組立体32の内管3の隣り合う熱交換本体部31の間の部分を曲げる製造方法に比べ、要求される収納空間に適合する熱交換器を容易に製造することができ、生産性が向上する。また、上記実施の形態9に記載したヘアピン管36が不要となるので、部品点数が削減できる効果もある。
【0081】
なお、第1および第2配管6,7を第1および第2ヘッダー4,5に接合する工程が、最初の工程として説明しているが、この工程は、最初に実施される必要はなく、隣接して配列された熱交換本体部31の第1配管6と第2配管7との接続工程に先立って実施されていればよい。また、第1ヘッダー4および第1配管6と第2ヘッダー5および第2配管7を同じ構成とすることで、隣接する第1配管6と第2配管7の接続工程の生産性が向上する。
【0082】
ここで、上記実施の形態13では、二重管式熱交換器40が、外管2の軸心を同一平面上で互いに平行として、かつ第1ヘッダー4と第2ヘッダー5とを相対するように、熱交換用二重管1(熱交換器組立体41)を隣接して1列、4行に配列して構成されているものとしているが、熱交換用二重管1の配列はこれに限定されるものではなく、例えば図37に示されるように、外管2の軸心を互いに平行として、かつ第1ヘッダー4と第2ヘッダー5とを相対するように、熱交換用二重管1(熱交換器組立体41)を隣接して2列4行に配列してもよい。このように、熱交換用二重管1(熱交換器組立体41)の個数および配列を変えることで、要求される熱交換能力および収納空間に適合する熱交換器を容易に製造することができる。
また、この実施の形態13においても、熱交換用二重管1に代えて熱交換用二重管1A,1Bを用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【0083】
【図1】この発明の実施の形態1に係る二重管式熱交換器に適用される熱交換用二重管を示す斜視図である。
【図2】この発明の実施の形態1に係る二重管式熱交換器に適用される熱交換用二重管の一方のヘッダーを省略した状態を示す斜視図である。
【図3】この発明の実施の形態1に係る二重管式熱交換器に適用される熱交換用二重管を示す縦断面図である。
【図4】図3のIV−IV矢視断面図である。
【図5】図3のV−V矢視断面図である。
【図6】この発明の実施の形態1に係る二重管式熱交換器に適用される熱交換用二重管のヘッダー内の冷媒流れを説明する横断面図である。
【図7】この発明の実施の形態1に係る二重管式熱交換器に適用される熱交換用二重管のヘッダー内の冷媒流れを説明する縦断面図である。
【図8】この発明の実施の形態1に係る二重管式熱交換器を用いたヒートポンプシステムの実施例1を示す冷媒回路図である。
【図9】この発明の実施の形態1に係る二重管式熱交換器を用いたヒートポンプシステムの実施例2を示す冷媒回路図である。
【図10】この発明の実施の形態1に係る二重管式熱交換器を用いたヒートポンプシステムの実施例3を示す冷媒回路図である。
【図11】この発明の実施の形態1に係る二重管式熱交換器を用いたヒートポンプシステムの実施例4を示す冷媒回路図である。
【図12】この発明の実施の形態2に係る二重管式熱交換器に適用される熱交換用二重管を示す斜視図である。
【図13】この発明の実施の形態2に係る二重管式熱交換器に適用される熱交換用二重管の一方のヘッダーを省略した状態を示す斜視図である。
【図14】この発明の実施の形態2に係る二重管式熱交換器に適用される熱交換用二重管を示す縦断面図である。
【図15】この発明の実施の形態2に係る二重管式熱交換器に適用される熱交換用二重管のヘッダー内の冷媒流れを説明する横断面図である。
【図16】この発明の実施の形態2に係る二重管式熱交換器に適用される熱交換用二重管のヘッダー内の冷媒流れを説明する縦断面図である。
【図17】この発明の実施の形態3に係る二重管式熱交換器に適用される熱交換用二重管を示す斜視図である。
【図18】この発明の実施の形態3に係る二重管式熱交換器に適用される熱交換用二重管のヘッダー構造を説明する一部破断斜視図である。
【図19】この発明の実施の形態3に係る二重管式熱交換器に適用される熱交換用二重管を示す縦断面図である。
【図20】この発明の実施の形態3に係る二重管式熱交換器に適用される熱交換用二重管のヘッダー内の冷媒流れを説明する横断面図である。
【図21】この発明の実施の形態3に係る二重管式熱交換器に適用される熱交換用二重管のヘッダー内の冷媒流れを説明する縦断面図である。
【図22】この発明の実施の形態4に係る二重管式熱交換器に適用される熱交換用二重管を示す縦断面図である。
【図23】図22のXXIII−XXIII矢視断面図である。
【図24】この発明の実施の形態5に係る二重管式熱交換器に適用される熱交換用二重管を示す縦断面図である。
【図25】この発明の実施の形態6に係る二重管式熱交換器を示す側面図である。
【図26】この発明の実施の形態6に係る二重管式熱交換器の製造方法を説明する平面図である。
【図27】この発明の実施の形態6に係る二重管式熱交換器の製造方法を説明する平面図である。
【図28】この発明の実施の形態6に係る二重管式熱交換器の実施態様を示す斜視図である。
【図29】この発明の実施の形態9に係る二重管式熱交換器を示す側面図である。
【図30】この発明の実施の形態9に係る二重管式熱交換器の製造方法を説明する平面図である。
【図31】この発明の実施の形態9に係る二重管式熱交換器の実施態様を示す斜視図である。
【図32】この発明の実施の形態12に係る二重管式熱交換器を示す側面図である。
【図33】この発明の実施の形態12に係る二重管式熱交換器の製造方法を説明する平面図である。
【図34】この発明の実施の形態13に係る二重管式熱交換器を示す側面図である。
【図35】この発明の実施の形態13に係る二重管式熱交換器の製造方法を説明する平面図である。
【図36】この発明の実施の形態13に係る二重管式熱交換器の製造方法を説明する平面図である。
【図37】この発明の実施の形態13に係る二重管式熱交換器の実施態様を示す斜視図である。
【符号の説明】
【0084】
1,1A,1B,1C,1D,30,35,35A,40 熱交換用二重管、2,11,12,14,16 外管(第1管)、2a,11c,12c,14c,16d 細孔(管路)、3 内管(第2管)、4 第1ヘッダー、5 第2ヘッダー、6 第1配管、7 第2配管、9a 第1ヘッダー空間、9b 第2ヘッダー空間、10 二重管式熱交換器、12b,16c 凹溝(環状溝)、13 端板(第1および第2ヘッダー)、14a,16a 大径部、14b,16b 小径部、14d,16e 中心穴、15 耐食層、20A,20B,20C,20D ヒートポンプシステム、31 熱交換本体部、32,38,38A,41 熱交換器組立体、36 ヘアピン管、37 Uベント管。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
中心穴が軸心位置に形成された円筒状に作製され、第1冷媒が流通する複数の管路がその管路中心を該軸心と平行として周方向に配列して形成された第1管、上記第1管の中心穴内に挿通されて該第1管の中心穴の内周壁面に密接して配設され、第2冷媒が流通する円筒状の第2管、上記第1管の一端側に同軸に所定の径方向幅および所定の軸方向長さを有する円環状の筒状に形成され、上記複数の管路の一端側が開口され、上記第1冷媒を該複数の管路に分配する第1ヘッダー空間、上記第1管の他端側に形成され、上記複数の管路の他端側が開口され、該複数の管路を流通した上記第1冷媒を集める第2ヘッダー空間、上記第1管と協働して上記第1および第2ヘッダー空間を画成する第1および第2ヘッダー、および上記第1および第2ヘッダー空間のそれぞれに接続された第1および第2配管を有し、上記第1冷媒と上記第2冷媒とを熱交換させる熱交換用二重管を備えた二重管式熱交換器において、
上記第1配管は、その管路中心が上記第1管の軸心と直交する平面上に位置し、該第1管路の軸心から径方向外方に変位して該径方向と直交するように上記第1ヘッダー空間に接続されていることを特徴とする二重管式熱交換器。
【請求項2】
上記第2配管は、その管路中心が上記第1管の軸心と直交する平面上に位置し、該第1管路の軸心から径方向外方に変位して該径方向と直交するように上記第2ヘッダー空間に接続されていることを特徴とする請求項1記載の二重管式熱交換器。
【請求項3】
上記第1および第2ヘッダー空間を画成する内周壁が、上記第1管の一部で構成されていることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の二重管式熱交換器。
【請求項4】
上記第1および第2ヘッダーがリング状の端板で構成され、
上記第1および第2ヘッダー空間は、環状溝を上記第1管の両端のそれぞれに同軸に凹設し、上記端板を上記環状溝の開口を塞口するように上記第1管の両端に接合して構成されていることを特徴とする請求項3記載の二重管式熱交換器。
【請求項5】
一対の小径部が大径部の両端に同軸に連設された段付き円筒状に作製され、第2冷媒が流通する中心穴が軸心位置に形成され、第1冷媒が流通する複数の管路がその管路中心を該軸心と平行として周方向に配列して該大径部に形成された第1管、上記大径部の一端側に同軸に所定の径方向幅および所定の軸方向長さを有する円環状の筒状に形成され、上記複数の管路の一端側が開口され、上記第1冷媒を該複数の管路に分配する第1ヘッダー空間、上記大径管の他端側に形成され、上記複数の管路の他端側が開口され、該複数の管路を流通した上記第1冷媒を集める第2ヘッダー空間、上記第1管と協働して上記第1および第2ヘッダー空間を画成する第1および第2ヘッダー、および上記第1および第2ヘッダー空間のそれぞれに接続された第1および第2配管を有し、上記第1冷媒と上記第2冷媒とを熱交換させる熱交換用二重管を備えた二重管式熱交換器において、
上記第1配管は、その管路中心が上記第1管の軸心と直交する平面上に位置し、該第1管路の軸心から径方向外方に変位して該径方向と直交するように上記第1ヘッダー空間に接続され、
耐食層が上記第1管の中心穴の内周壁面に被覆されていることを特徴とする二重管式熱交換器。
【請求項6】
上記第2配管は、その管路中心が上記第1管の軸心と直交する平面上に位置し、該第1管路の軸心から径方向外方に変位して該径方向と直交するように上記第2ヘッダー空間に接続されていることを特徴とする請求項5記載の二重管式熱交換器。
【請求項7】
上記第1および第2ヘッダーがリング状の端板で構成され、
上記第1および第2ヘッダー空間は、環状溝を上記大径部の両端のそれぞれに同軸に凹設し、上記端板を上記環状溝の開口を塞口するように上記大径部の両端に接合して構成されていることを特徴とする請求項5又は請求項6記載の二重管式熱交換器。
【請求項8】
上記耐食層は、上記第1管の材料より電気化学的に卑な金属材料で作製されていることを特徴とする請求項5乃至請求項7の何れか1項に記載の二重管式熱交換器。
【請求項9】
上記耐食層は、樹脂で作製されていることを特徴とする請求項5乃至請求項7の何れか1項に記載の二重管式熱交換器。
【請求項10】
上記第1配管は、その管路中心が上記第1ヘッダー空間の径方向外周側で上記第1管路の径方向と直交していることを特徴とする請求項1乃至請求項9の何れか1項に記載の二重管式熱交換器。
【請求項11】
上記第1配管は、その管路の内周壁面の接線が上記第1ヘッダー空間の外周壁面の接線に直交するように上記第1ヘッダー空間に接続されていることを特徴とする請求項10記載の二重管式熱交換器。
【請求項12】
上記熱交換用二重管は、上記第1管の軸心が水平に対して傾斜して配置されていることを特徴とする請求項1乃至請求項11の何れか1項に記載の二重管式熱交換器。
【請求項13】
上記熱交換用二重管は、上記第1管の軸心が鉛直となるように配置されていることを特徴とする請求項12記載の二重管式熱交換器。
【請求項14】
上記請求項1乃至請求項4、請求項10乃至請求項13の何れか1項に記載の二重管式熱交換器であって、かつ上記熱交換用二重管を複数備えた二重管式熱交換器の製造方法であって、
上記第1および第2ヘッダーを上記第1管に接合して複数の熱交換本体部を作製する工程と、
1本の直管からなる上記第2管を上記複数の熱交換本体部のそれぞれの上記第1管の中心穴に挿通し、その後該第2管を拡管してそれぞれの上記第1管を該第2管に密接状態に固着し、該複数の熱交換本体部が該第2管に所定間隔で連設された熱交換器組立体を作製する工程と、
上記熱交換器組立体の隣り合う上記熱交換本体部間の上記第2管の部位を曲げ成形する工程と、
を有する二重管式熱交換器の製造方法。
【請求項15】
上記請求項1乃至請求項4、請求項10乃至請求項13の何れか1項に記載の二重管式熱交換器であって、かつ上記熱交換用二重管を複数備えた二重管式熱交換器の製造方法であって、
上記第1および第2ヘッダーを上記第1管に接合して複数の熱交換本体部を作製する工程と、
U字状に曲げ成形された上記第2管を上記複数の熱交換本体部のそれぞれの上記第1管の中心穴に挿通し、その後該第2管を拡管してそれぞれの上記第1管を該第2管に密接状態に固着し、該複数の熱交換本体部が該第2管に所定間隔で連設された複数組の熱交換器組立体を作製する工程と、
上記複数組の熱交換器組立体の上記第2管の端部同士を管体で接合し、該複数組の熱交換器組立体の上記第2管を直列に連結する工程と、
を有する二重管式熱交換器の製造方法。
【請求項16】
上記請求項1乃至請求項4、請求項10乃至請求項13の何れか1項に記載の二重管式熱交換器であって、かつ上記熱交換用二重管を複数備えた二重管式熱交換器の製造方法であって、
上記第1および第2ヘッダーを上記第1管に接合して複数の熱交換本体部を作製する工程と、
上記複数の熱交換本体部のそれぞれの上記第1管の中心穴に上記第2管を1本ずつ挿通し、その後該第2管を拡管して該第1管を該第2管に密接状態に固着し、該複数の熱交換本体部がそれぞれ該第2管に固着された複数の熱交換器組立体を作製する工程と、
上記複数の熱交換器組立体の上記第2管の端部同士を管体で接合し、該複数の熱交換器組立体の上記第2管を直列に連結する工程と、
を有する二重管式熱交換器の製造方法。
【請求項17】
上記請求項1乃至請求項13の何れか1項に記載の二重管式熱交換器を備えたヒートポンプシステム。
【請求項1】
中心穴が軸心位置に形成された円筒状に作製され、第1冷媒が流通する複数の管路がその管路中心を該軸心と平行として周方向に配列して形成された第1管、上記第1管の中心穴内に挿通されて該第1管の中心穴の内周壁面に密接して配設され、第2冷媒が流通する円筒状の第2管、上記第1管の一端側に同軸に所定の径方向幅および所定の軸方向長さを有する円環状の筒状に形成され、上記複数の管路の一端側が開口され、上記第1冷媒を該複数の管路に分配する第1ヘッダー空間、上記第1管の他端側に形成され、上記複数の管路の他端側が開口され、該複数の管路を流通した上記第1冷媒を集める第2ヘッダー空間、上記第1管と協働して上記第1および第2ヘッダー空間を画成する第1および第2ヘッダー、および上記第1および第2ヘッダー空間のそれぞれに接続された第1および第2配管を有し、上記第1冷媒と上記第2冷媒とを熱交換させる熱交換用二重管を備えた二重管式熱交換器において、
上記第1配管は、その管路中心が上記第1管の軸心と直交する平面上に位置し、該第1管路の軸心から径方向外方に変位して該径方向と直交するように上記第1ヘッダー空間に接続されていることを特徴とする二重管式熱交換器。
【請求項2】
上記第2配管は、その管路中心が上記第1管の軸心と直交する平面上に位置し、該第1管路の軸心から径方向外方に変位して該径方向と直交するように上記第2ヘッダー空間に接続されていることを特徴とする請求項1記載の二重管式熱交換器。
【請求項3】
上記第1および第2ヘッダー空間を画成する内周壁が、上記第1管の一部で構成されていることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の二重管式熱交換器。
【請求項4】
上記第1および第2ヘッダーがリング状の端板で構成され、
上記第1および第2ヘッダー空間は、環状溝を上記第1管の両端のそれぞれに同軸に凹設し、上記端板を上記環状溝の開口を塞口するように上記第1管の両端に接合して構成されていることを特徴とする請求項3記載の二重管式熱交換器。
【請求項5】
一対の小径部が大径部の両端に同軸に連設された段付き円筒状に作製され、第2冷媒が流通する中心穴が軸心位置に形成され、第1冷媒が流通する複数の管路がその管路中心を該軸心と平行として周方向に配列して該大径部に形成された第1管、上記大径部の一端側に同軸に所定の径方向幅および所定の軸方向長さを有する円環状の筒状に形成され、上記複数の管路の一端側が開口され、上記第1冷媒を該複数の管路に分配する第1ヘッダー空間、上記大径管の他端側に形成され、上記複数の管路の他端側が開口され、該複数の管路を流通した上記第1冷媒を集める第2ヘッダー空間、上記第1管と協働して上記第1および第2ヘッダー空間を画成する第1および第2ヘッダー、および上記第1および第2ヘッダー空間のそれぞれに接続された第1および第2配管を有し、上記第1冷媒と上記第2冷媒とを熱交換させる熱交換用二重管を備えた二重管式熱交換器において、
上記第1配管は、その管路中心が上記第1管の軸心と直交する平面上に位置し、該第1管路の軸心から径方向外方に変位して該径方向と直交するように上記第1ヘッダー空間に接続され、
耐食層が上記第1管の中心穴の内周壁面に被覆されていることを特徴とする二重管式熱交換器。
【請求項6】
上記第2配管は、その管路中心が上記第1管の軸心と直交する平面上に位置し、該第1管路の軸心から径方向外方に変位して該径方向と直交するように上記第2ヘッダー空間に接続されていることを特徴とする請求項5記載の二重管式熱交換器。
【請求項7】
上記第1および第2ヘッダーがリング状の端板で構成され、
上記第1および第2ヘッダー空間は、環状溝を上記大径部の両端のそれぞれに同軸に凹設し、上記端板を上記環状溝の開口を塞口するように上記大径部の両端に接合して構成されていることを特徴とする請求項5又は請求項6記載の二重管式熱交換器。
【請求項8】
上記耐食層は、上記第1管の材料より電気化学的に卑な金属材料で作製されていることを特徴とする請求項5乃至請求項7の何れか1項に記載の二重管式熱交換器。
【請求項9】
上記耐食層は、樹脂で作製されていることを特徴とする請求項5乃至請求項7の何れか1項に記載の二重管式熱交換器。
【請求項10】
上記第1配管は、その管路中心が上記第1ヘッダー空間の径方向外周側で上記第1管路の径方向と直交していることを特徴とする請求項1乃至請求項9の何れか1項に記載の二重管式熱交換器。
【請求項11】
上記第1配管は、その管路の内周壁面の接線が上記第1ヘッダー空間の外周壁面の接線に直交するように上記第1ヘッダー空間に接続されていることを特徴とする請求項10記載の二重管式熱交換器。
【請求項12】
上記熱交換用二重管は、上記第1管の軸心が水平に対して傾斜して配置されていることを特徴とする請求項1乃至請求項11の何れか1項に記載の二重管式熱交換器。
【請求項13】
上記熱交換用二重管は、上記第1管の軸心が鉛直となるように配置されていることを特徴とする請求項12記載の二重管式熱交換器。
【請求項14】
上記請求項1乃至請求項4、請求項10乃至請求項13の何れか1項に記載の二重管式熱交換器であって、かつ上記熱交換用二重管を複数備えた二重管式熱交換器の製造方法であって、
上記第1および第2ヘッダーを上記第1管に接合して複数の熱交換本体部を作製する工程と、
1本の直管からなる上記第2管を上記複数の熱交換本体部のそれぞれの上記第1管の中心穴に挿通し、その後該第2管を拡管してそれぞれの上記第1管を該第2管に密接状態に固着し、該複数の熱交換本体部が該第2管に所定間隔で連設された熱交換器組立体を作製する工程と、
上記熱交換器組立体の隣り合う上記熱交換本体部間の上記第2管の部位を曲げ成形する工程と、
を有する二重管式熱交換器の製造方法。
【請求項15】
上記請求項1乃至請求項4、請求項10乃至請求項13の何れか1項に記載の二重管式熱交換器であって、かつ上記熱交換用二重管を複数備えた二重管式熱交換器の製造方法であって、
上記第1および第2ヘッダーを上記第1管に接合して複数の熱交換本体部を作製する工程と、
U字状に曲げ成形された上記第2管を上記複数の熱交換本体部のそれぞれの上記第1管の中心穴に挿通し、その後該第2管を拡管してそれぞれの上記第1管を該第2管に密接状態に固着し、該複数の熱交換本体部が該第2管に所定間隔で連設された複数組の熱交換器組立体を作製する工程と、
上記複数組の熱交換器組立体の上記第2管の端部同士を管体で接合し、該複数組の熱交換器組立体の上記第2管を直列に連結する工程と、
を有する二重管式熱交換器の製造方法。
【請求項16】
上記請求項1乃至請求項4、請求項10乃至請求項13の何れか1項に記載の二重管式熱交換器であって、かつ上記熱交換用二重管を複数備えた二重管式熱交換器の製造方法であって、
上記第1および第2ヘッダーを上記第1管に接合して複数の熱交換本体部を作製する工程と、
上記複数の熱交換本体部のそれぞれの上記第1管の中心穴に上記第2管を1本ずつ挿通し、その後該第2管を拡管して該第1管を該第2管に密接状態に固着し、該複数の熱交換本体部がそれぞれ該第2管に固着された複数の熱交換器組立体を作製する工程と、
上記複数の熱交換器組立体の上記第2管の端部同士を管体で接合し、該複数の熱交換器組立体の上記第2管を直列に連結する工程と、
を有する二重管式熱交換器の製造方法。
【請求項17】
上記請求項1乃至請求項13の何れか1項に記載の二重管式熱交換器を備えたヒートポンプシステム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【図33】
【図34】
【図35】
【図36】
【図37】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【図33】
【図34】
【図35】
【図36】
【図37】
【公開番号】特開2009−150573(P2009−150573A)
【公開日】平成21年7月9日(2009.7.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−327158(P2007−327158)
【出願日】平成19年12月19日(2007.12.19)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年7月9日(2009.7.9)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年12月19日(2007.12.19)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】
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