説明

二重配管継手装置

【課題】二重管構造の内部熱交換器を二重管構造のままフロント側回路およびリア側回路に接続できるようにする。
【解決手段】二重配管継手装置11は、三方に継手となる二重管構造の継手部を有し、第1の継手部は、一端が圧縮機およびレシーバのそれぞれに接続された第1二重配管41の他端に接続され、第2の継手部は、一端がフロント側膨張弁4に接続された二重配管46および第2二重配管43の他端に接続され、第3の継手部は、一端がリア側膨張弁6に接続された第3二重配管49の他端に接続されている。第1二重配管41、二重配管継手装置11、二重配管46および第2二重配管43、および第3二重配管49は、配管とともに内部熱交換器を構成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は二重配管継手装置に関し、特に自動車用空調装置の冷凍サイクルにて内部熱交換器として機能している二重配管を流れる冷媒が二重管構造を維持した状態で分岐・合流できる二重配管継手装置に関する。
【背景技術】
【0002】
車室容量の大きな車両には、車室内のフロント側とリア側とをそれぞれ独立して空調できるようにした自動車用空調装置が搭載されていることがある。このような自動車用空調装置では、フロント側の空調制御を行うフロント側膨張弁およびフロント側蒸発器の回路とリア側の空調制御を行うリア側膨張弁およびリア側蒸発器の回路とを並列に配置して構成した冷凍サイクルが用いられている。ここで、フロント側回路およびリア側回路に用いられる膨張弁としては、それぞれの蒸発器の出口における冷媒の温度および圧力を感知してその蒸発器出口の冷媒が所定の過熱度になるように蒸発器へ供給する冷媒の流量を制御するようにした温度式膨張弁を用いることが多い。
【0003】
また、冷凍サイクルにおいては、一般に、膨張弁に向かう凝縮された高温・高圧の冷媒と蒸発器から圧縮機へ向かう低温・低圧の冷媒との間で熱交換を行う内部熱交換器を備えることにより、システムの効率を向上できることも知られている。これは、凝縮された冷媒が内部熱交換器によってさらに冷却されることで膨張弁および蒸発器の入口の冷媒のエンタルピを低下させ、また、蒸発器を出た冷媒が内部熱交換器によってさらに過熱されることで圧縮機の吸入口の冷媒のエンタルピを上昇させることにより、エンタルピ差が大きくなって成績係数が向上するからである。このような内部熱交換器としては、内管と外管とが同心配置された二重配管が用いられ、内管を流れる冷媒と、内管と外管との間の空間を流れる冷媒との間で熱交換するようにしている。
【0004】
フロント用およびリア用にそれぞれ膨張弁および蒸発器を備えた冷凍サイクルにおいてもこのような内部熱交換器を適用することにより、同じようにシステムの効率を向上させることができる(たとえば、特許文献1参照。)。この特許文献1によれば、凝縮された高温・高圧の冷媒と蒸発された低温・低圧の冷媒との間で熱交換を行う二重管構造の内部熱交換器を備え、その両端は、それぞれ2本の独立したパイプに分岐された構成になっている。内部熱交換器の一端側で分岐されたパイプの一方は高圧の熱交換器に接続され、他方のパイプは圧縮機の吸入口に接続されている。また、内部熱交換器の他端側で分岐された一方のパイプはフロント側膨張弁およびリア側膨張弁への分岐点に接続され、他方のパイプはフロント側蒸発器およびリア側蒸発器からの合流点に接続されている。さらに、上記の特許文献1では、高圧の熱交換器および圧縮機とフロント側膨張弁およびフロント側蒸発器の回路との間に第1の内部熱交換器を設け、フロント側膨張弁およびフロント側蒸発器の回路とリア側膨張弁およびリア側蒸発器の回路との間に第2の内部熱交換器を設けた構成も示されている。
【特許文献1】特開2007−71461号公報(図11、図12)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来の内部熱交換器は、その両端がそれぞれ2本の独立したパイプに分岐されているため、分岐継手が多くなり、配管が複雑になるという問題点があった。
本発明はこのような点に鑑みてなされたものであり、二重管構造のままフロント側回路およびリア側回路に接続して内部熱交換器を構成することができる二重配管継手装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明では上記問題を解決するために、軸方向両端にそれぞれ設けられた二重管構造の第1の継手部および第2の継手部と、前記第1の継手部および前記第2の継手部の軸線に概略直交する方向に設けられた二重管構造の第3の継手部とを備え、前記第1の継手部、前記第2の継手部および前記第3の継手部のそれぞれの内管は互いに内部で連通されているとともに、それぞれの外管と前記内管との間の空間は互いに内部で連通されていることを特徴とする二重配管継手装置が提供される。
【0007】
このような二重配管継手装置によれば、二重管構造の第1ないし第3の継手部を有することによって、レシーバおよび圧縮機に接続される第1二重配管と、フロント側膨張弁およびリア側膨張弁に接続される第2および第3二重配管とを二重管構造のまま直接接続することができる。これにより、エンジンルームからフロント側膨張弁およびリア側膨張弁まで二重配管で接続することができ、途中で2本の独立したパイプに分岐することがないので、配管構成をシンプルにすることができる。
【発明の効果】
【0008】
本発明の二重配管継手装置は、それぞれ二重管構造に構成された第1ないし第3の継手部を有するため、レシーバおよび圧縮機に接続される第1二重配管を、フロント側膨張弁およびリア側膨張弁に接続される第2および第3二重配管と二重管構造のまま直接接続することができるので、エンジンルームからフロント側膨張弁およびリア側膨張弁までの配管がそれぞれ1本の二重配管になって配管構成をシンプルにすることができ、しかも、その配管は内部熱交換器を兼ねた構成にすることができるという利点がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して詳細に説明する。
図1は自動車用空調装置の冷凍サイクルを示すシステム図である。
この冷凍サイクルは、車両のエンジンルーム内に配置されて、冷媒を圧縮する圧縮機1と、圧縮された冷媒を冷却して凝縮させる凝縮器2と、凝縮された冷媒を気液に分離して液冷媒を送り出すレシーバ3とを備えている。車室内のフロント側には、液冷媒を断熱膨張させるフロント側膨張弁4と、膨張された冷媒を蒸発させるフロント側蒸発器5とが配置され、車室内のリア側には、液冷媒を断熱膨張させるリア側膨張弁6と、膨張された冷媒を蒸発させるリア側蒸発器7とが配置されている。そして、レシーバ3とフロント側膨張弁4およびリア側膨張弁6との間は、二重管構造の内部熱交換器8によって接続され、内部熱交換器8の低圧出口は、圧縮機1の吸入口に接続されている。また、フロント側蒸発器5およびリア側蒸発器7の近傍には、これらに車室内の空気を通過させるための送風機9,10が設けられている。
【0010】
フロント側膨張弁4は、フロント側蒸発器5の出口における冷媒の温度および圧力をパワーエレメントが感知してそのフロント側蒸発器5の出口の冷媒が所定の過熱度になるようにフロント側蒸発器5へ供給する冷媒の流量を制御するようにした温度式膨張弁である。温度式膨張弁は、レシーバ3からの高圧の液冷媒を受けるポートと、フロント側蒸発器5で蒸発された低圧の冷媒を圧縮機1へ送り出すポートとを備えているが、このフロント側膨張弁4は、それらのポートを二重管構造にして、二重管構造の内部熱交換器8と直接接続されている。
【0011】
リア側膨張弁6は、リア側蒸発器7の出口における冷媒の温度および圧力をパワーエレメントが感知してそのリア側蒸発器7の出口の冷媒が所定の過熱度になるようにリア側蒸発器7へ供給する冷媒の流量を制御するようにした温度式膨張弁である。このリア側膨張弁6も、レシーバ3からの高圧の液冷媒を受けるポートと、リア側蒸発器7で蒸発された低圧の冷媒を圧縮機1へ送り出すポートとを二重管構造にして、二重管構造の内部熱交換器8と直接接続されている。このリア側膨張弁6は、電磁弁が設けられていて、非通電状態では閉弁され、通電状態ではパワーエレメントによる流量制御を可能にしている。
【0012】
内部熱交換器8は、その途中に二重管構造のままフロント側回路およびリア側回路に分岐接続することができる二重配管継手装置11が介挿されている。すなわち、この二重配管継手装置11は、概略T字状の外形を有し、その三方にそれぞれ継手を構成する二重管構造の継手部が形成されている。第1の継手部は一端がレシーバ3および圧縮機1に接続された二重配管の他端が接続され、第2の継手部は一端がフロント側膨張弁4に接続された二重配管の他端が接続され、第3の継手部は一端がリア側膨張弁6に接続された二重配管の他端が接続されて、これら二重配管と二重配管継手装置11とで内部熱交換器8を構成するとともに、冷凍サイクルの接続配管の一部を構成している。
【0013】
ここで、たとえばフロント側のみ空調を行うとき、リア側膨張弁6は、非通電の状態にされて閉弁しており、リア側回路の冷媒流路に冷媒が流れることはない。この状態で、圧縮機1およびフロント側の送風機9が起動されると、圧縮機1で圧縮された高温・高圧の冷媒は、凝縮器2にて凝縮され、レシーバ3に溜められる。レシーバ3の液冷媒は、内部熱交換器8を通ってフロント側膨張弁4に供給され、そこで断熱膨張されて低温・低圧の冷媒になる。低温・低圧の冷媒になった冷媒は、フロント側蒸発器5に送られ、そこで送風機9によって送られてきた車室内の空気との熱交換により蒸発される。蒸発された冷媒は、フロント側膨張弁4および内部熱交換器8を介して圧縮機1の入口に送られる。
【0014】
蒸発した冷媒がフロント側膨張弁4を通過するとき、そのパワーエレメントは、フロント側蒸発器5を出た冷媒の温度および圧力を感知し、そのフロント側蒸発器5の出口における冷媒が所定の過熱度になるようにフロント側蒸発器5に送り出す冷媒の流量を制御する。内部熱交換器8は、レシーバ3からフロント側膨張弁4に向けて流れる高温の冷媒とフロント側膨張弁4から圧縮機1に向けて流れる低温の冷媒との間で熱交換する。これにより、フロント側膨張弁4に送られる冷媒はより冷却され、圧縮機1に送られる冷媒はより過熱されることにより、フロント側膨張弁4の入口と圧縮機1の入口とのエンタルピ差が大きくなる。その結果、冷凍サイクルの成績係数が向上するため、圧縮機1を駆動する走行用エンジンの負荷を小さくすることができ、自動車用空調装置の効率を向上させることができる。
【0015】
リア側の空調を行うときには、リア側膨張弁6が通電され、送風機10が起動される。これにより、内部熱交換器8の二重配管継手装置11にて分岐された高温・高圧の液冷媒がリア側膨張弁6に供給され、そこで断熱膨張されて低温・低圧の冷媒になる。低温・低圧になった冷媒は、リア側蒸発器7に送られ、そこで送風機10によって送られてきた車室内の空気との熱交換により蒸発される。蒸発された冷媒は、リア側膨張弁6を介して内部熱交換器8に入り、二重配管継手装置11にてフロント側膨張弁4から来た冷媒と合流し、合流した冷媒が圧縮機1の吸入口に送られる。
【0016】
蒸発した冷媒がリア側膨張弁6を通過するとき、そのパワーエレメントは、リア側蒸発器7を出た冷媒の温度および圧力を感知し、そのリア側蒸発器7の出口における冷媒が所定の過熱度になるようにリア側蒸発器7に送り出す冷媒の流量を制御する。レシーバ3からリア側膨張弁6に向けて流れる高温の冷媒は、内部熱交換器8によって、リア側膨張弁6から圧縮機1に向けて流れる低温の冷媒との間で熱交換される。これにより、リア側膨張弁6に送られる高温の冷媒はより冷却され、圧縮機1に送られる低温の冷媒はより過熱され、冷凍サイクルの成績係数が向上する。
【0017】
図2は二重配管継手装置の加工前の材料を示す図であって、(A)は第1の中空押し出し成形材を示し、(B)は第2の中空押し出し成形材を示している。図3は二重配管継手装置を示す図であって、(A)は平面図、(B)は(A)のa−a矢視断面図、(C)は左側面図、(D)は正面図である。
【0018】
二重配管継手装置11は、中空押し出し成形材12,13を加工して形成される。その中空押し出し成形材12,13は、円柱部14とその側面に位置する帯状部15とが一体に形成された外形を有している。その円柱部14は、図2の(A)に示す中空押し出し成形材12の場合、帯状部15のある側を除いて円周方向に断面が円弧状の中空部16が2つ配置されている。図2の(B)に示す中空押し出し成形材13の場合には、その円弧状の中空部16に加え、円柱部14の中心に断面が円形の中空部17が配置されている。
【0019】
このような円弧状の中空部16および円形の中空部17を有する中空押し出し成形材12,13は、金型から母材を押し出すことによってたとえば数メートルの長さに成形され、それを適当な長さに切断して二重配管継手装置11の材料にしている。中空押し出し成形材12,13は、円弧状の中空部16を有することによって、中実の円柱部材を切削加工する場合に比べ、材料を大幅に削減することを可能にしている。
【0020】
二重配管継手装置11のボディ21は、以上のような中空押し出し成形材12,13を適当な長さに切断後、精密切削機械加工することによって形成される。まず、切断されたボディ21の素材に対して、円柱部14の長手方向中央部を除く両側から帯状部15を除去し、両端縁にフランジ部22,23が形成されるように外周面が切削加工され、円柱部14の両端面から円弧状の中空部16が円周方向に繋がるように環状溝24,25が切削加工され、これによって図3の(B)に示されるように、外管26,27が形成される。このとき、円柱部14の中心に断面が円形の中空部17を有する素材の場合は、同時に、外管26,27と同心の内管28,29が形成されて、円柱部14の両端は、二重管構造になる。中空部17のない素材の場合は、円柱部14の中心軸に丸孔を穿設することによって内管28,29を形成することになる。
【0021】
さらに、二重配管継手装置11のボディ21は、円柱部14の長手方向中央部の帯状部15を機械加工して、軸線が円柱部14の軸線に概略直交する二重管を形成している。すなわち、円柱部14の側面に円柱部が突設されるように帯状部15を切削加工し、その後、円弧状の中空部16に連通するように環状溝30が切削加工され、これによって図3の(B)および(C)に示されるように、外管31が形成される。そして、この外管31と同心の丸孔を円形の中空部17に連通するように穿設することによって内管32が形成され、二重管構造の端面になる。
【0022】
このようにして、二重配管継手装置11は、円柱部14の両端に継手を構成する二重管構造の第1および第2の継手部を有し、円柱部14の軸線に概略直交する側面に継手を構成する二重管構造の第3の継手部を有するボディ21が形成され、その内部では、それぞれの内管同士は連通し、内管と外管との間の空間は円弧状の中空部16を介して互いに連通していることになる。
【0023】
図4は冷凍サイクルの二重管部分を示す断面図である。なお、図中の矢印は、冷媒の流れ方向を示している。
二重配管継手装置11は、その第1の継手部に第1二重配管41が接続されている。すなわち、この第1二重配管41の一端側は、内管と外管との二重管構造になっていて、その内管は、二重配管継手装置11の内管28に嵌合され、Oリングによってシールされ、外管は、二重配管継手装置11の外管26に嵌合され、Oリングによってシールされ、さらに、パイプクランプ42によって機械的に結合されている。第1二重配管41の他端側は、その内管および外管が分岐されており、内管はレシーバ3に接続され、外管は圧縮機1の吸入口に接続されている。
【0024】
二重配管継手装置11の第2の継手部には、第2二重配管43が接続されている。この第2二重配管43の一端側は、内管と外管との二重管構造になっていて、その内管は、二重配管継手装置11の内管29に嵌合され、Oリングによってシールされ、外管は、二重配管継手装置11の外管27に嵌合され、Oリングによってシールされ、さらに、パイプクランプ44によって機械的に結合されている。第2二重配管43の他端側は、隔壁45を介して車室からエンジンルーム内に延びる二重配管46の一端に接続され、その他端は、フロント側膨張弁4に接続されている。このフロント側膨張弁4も、高圧冷媒入口および低圧冷媒出口が二重管構造に形成されていて、二重配管46に二重管構造のまま接続することができる。フロント側膨張弁4は、さらに、フロント側蒸発器5との接続も二重管構造のまま行うことができるようにしてある。
【0025】
二重配管継手装置11の第3の継手部は、その内管32および外管31の軸方向の長さが短いので、それぞれにジョイント用の内管47および外管48が溶接されている。このジョイント用の内管47および外管48は、隔壁45を介して車室からエンジンルーム内に延びる第3二重配管49の一端に接続され、パイプクランプ50によって機械的に結合されている。第3二重配管49の他端は、リア側膨張弁6に接続されている。このリア側膨張弁6も、高圧冷媒入口および低圧冷媒出口が二重管構造に形成されていて、第3二重配管49に二重管構造のまま直接接続することができる。リア側膨張弁6は、さらに、リア側蒸発器7との接続も二重管構造のまま行うことができるようにしてある。
【0026】
以上のように二重配管継手装置11に接続された第1および第2二重配管41,43と、ジョイント用の内管47および外管48を介して接続された第3二重配管49と、第2二重配管43に接続された二重配管46とは、内部熱交換器8を構成している。この内部熱交換器8は、また、第1二重配管41とフロント側膨張弁4およびリア側膨張弁6との間の配管も兼ねており、しかも、二重配管継手装置11によって、各二重配管の両端をそれぞれ2本の独立したパイプに分岐するような分岐継手が不要なので、冷凍サイクルの配管を非常にシンプルにすることができる。
【0027】
なお、この実施の形態に係る二重配管継手装置11では、そのボディ21を中空押し出し成形材を機械加工することによって形成しているが、このような三方に二重管構造の継手部を有する二重配管継手装置11としては、ダイカスト鋳造法によってもボディ21を形成することは可能である。この場合、第3の継手部は、他の第1および第2の継手部と同様の軸方向長さを有するように形成するのがよい。
【0028】
また、上記の実施の形態では、内部熱交換器8を構成している第1二重配管41、第2二重配管43、二重配管46、第3二重配管49、および二重配管継手装置11は、その内管に高圧の冷媒を流し、内管と外管との間の冷媒通路に低圧の冷媒を流しているが、内管に低圧の冷媒を流し、内管と外管との間の冷媒通路に高圧の冷媒を流すようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】自動車用空調装置の冷凍サイクルを示すシステム図である。
【図2】二重配管継手装置の加工前の材料を示す図であって、(A)は第1の中空押し出し成形材を示し、(B)は第2の中空押し出し成形材を示している。
【図3】二重配管継手装置を示す図であって、(A)は平面図、(B)は(A)のa−a矢視断面図、(C)は左側面図、(D)は正面図である。
【図4】冷凍サイクルの二重管部分を示す断面図である。
【符号の説明】
【0030】
1 圧縮機
2 凝縮器
3 レシーバ
4 フロント側膨張弁
5 フロント側蒸発器
6 リア側膨張弁
7 リア側蒸発器
8 内部熱交換器
9,10 送風機
11 二重配管継手装置
12,13 中空押し出し成形材
14 円柱部
15 帯状部
16,17 中空部
21 ボディ
22,23 フランジ部
24,25 環状溝
26,27 外管
28,29 内管
30 環状溝
31 外管
32 内管
41 第1二重配管
42 パイプクランプ
43 第2二重配管
44 パイプクランプ
45 隔壁
46 二重配管
47 内管
48 外管
49 第3二重配管
50 パイプクランプ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
軸方向両端にそれぞれ設けられた二重管構造の第1の継手部および第2の継手部と、前記第1の継手部および前記第2の継手部の軸線に概略直交する方向に設けられた二重管構造の第3の継手部とを備え、前記第1の継手部、前記第2の継手部および前記第3の継手部のそれぞれの内管は互いに内部で連通されているとともに、それぞれの外管と前記内管との間の空間は互いに内部で連通されていることを特徴とする二重配管継手装置。
【請求項2】
前記第1の継手部、前記第2の継手部および前記第3の継手部のボディは、軸方向に複数の通路を持った中空押し出し成形材を素材とし、前記中空押し出し成形材の両端を機械加工により二重管構造に形成して前記第1の継手部および前記第2の継手部を構成し、前記中空押し出し成形材の軸線に概略直交する方向に機械加工により二重管構造に形成して前記第3の継手部を構成したことを特徴とする請求項1記載の二重配管継手装置。
【請求項3】
前記通路は、前記第1の継手部および前記第2の継手部の前記外管と前記内管との間の空間を互いに連通する冷媒通路を構成していることを特徴とする請求項2記載の二重配管継手装置。
【請求項4】
前記通路の1つは、前記第1の継手部および前記第2の継手部の前記内管を互いに連通する冷媒通路を構成していることを特徴とする請求項2記載の二重配管継手装置。
【請求項5】
フロント側の空調制御を行うフロント側膨張弁およびフロント側蒸発器と、リア側の空調制御を行うリア側膨張弁およびリア側蒸発器と、二重管構造の内部熱交換器とを有する冷凍サイクルにおいて、
軸方向両端にそれぞれ設けられた二重管構造の第1の継手部および第2の継手部と、前記第1の継手部および前記第2の継手部の軸線に概略直交する方向に設けられた二重管構造の第3の継手部とを有する二重配管継手装置を備え、
前記二重配管継手装置が、エンジンルーム側の第1二重配管を、前記フロント側膨張弁までの第2二重配管および前記リア側膨張弁までの第3二重配管に接続して前記内部熱交換器を構成したことを特徴とする冷凍サイクル。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2009−63036(P2009−63036A)
【公開日】平成21年3月26日(2009.3.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−230035(P2007−230035)
【出願日】平成19年9月5日(2007.9.5)
【出願人】(000133652)株式会社テージーケー (280)
【Fターム(参考)】