説明

交通機関移動支援プログラム、該装置、該システム、及び発券機

【課題】本発明は、乗車駅の券売機から車両内の所定位置を経て降車駅の出口までの最短の移動ルートを利用者に提示することを目的とする。
【解決手段】交通機関の移動車両を利用して乗車地から降車地に移動する支援を行う処理をコンピュータに実行させる交通機関移動支援プログラムは、発券機より送信された該購入データを取得して、その購入データ及び時刻に基づいて、乗車対象となる前記移動車両を特定し、該特定した移動車両内の対象体の位置を示す対象体位置情報を取得し、前記購入データに基づいて、その移動車両内の対象体の位置を経由した前記乗車地と前記降車地との間の最短距離を算出し、その算出された最短距離情報に基づいて、移動ルート情報を作成することにより上記課題の解決を図る。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、交通機関の移動支援技術に関する。
【背景技術】
【0002】
電車等の交通機関では、通常、優先席が設けられている。優先席とは、特定の人が優先的に使用できるよう設けられた座席のことであり、特に電車・バスなどの公共交通機関で、高齢者・体の不自由な人・病気やけがの人・妊婦などが優先的に使用できる座席のことである。このような優先席に関連する発明として特許文献1がある。
【特許文献1】特開2005−311731号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
電車等の交通機関を利用する場合には、赤ちゃんを抱えた女性、妊婦、老人、及び身体障害者等の社会的弱者は、体力的な理由により、優先席を利用することを望んでいるが、列車ごとの優先席の位置を把握できない場合がある。
【0004】
たとえば、ホーム上に優先席車両位置を示す案内を施している駅もあるが、列車の型式や車両数により優先席の位置が変化する場合があり、列車ごとの優先席の位置を把握できなかった。
【0005】
また、そのような社会的弱者は、電車を使って駅間を移動するにしても、思うように体を動かすことができなかったり、体力的にも負担がかかり、長距離を歩いて移動することができない場合がある。したがって、券売機から優先席までの移動距離は少ない方が望まれる。
【0006】
また、降車駅についても同様に、車両から降りて改札口までの移動距離は少ない方が望まれる。それにも関わらず、降車駅での出口が分からずに、その結果、駅構内を迷って、余分に移動してしまうことがある。
【0007】
上記課題に鑑み、本発明は、乗車駅の券売機から車両内の所定位置を経て降車駅の出口までの最短の移動ルートを利用者に提示することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明にかかる、交通機関の移動車両を利用して乗車地から降車地に移動する支援を行う処理をコンピュータに実行させる交通機関移動支援プログラムは、前記乗車地にある発券機より送信された切符の購入に関する購入データであって、該乗車地を識別する乗車地識別情報と、前記発券機を識別する発券機識別情報と、前記降車地を識別する降車地識別情報と、該降車地の出口を識別する出口識別情報と、を少なくとも含む該購入データを取得する購入データ取得処理と、前記購入データ及び時刻に基づいて、乗車対象となる前記移動車両を特定し、該特定した移動車両内の対象体の位置を示す情報である対象体位置情報を取得する対象体位置情報取得処理と、前記購入データに基づいて、前記特定した移動車両内の対象体の位置を経由した前記乗車地と前記降車地との間の最短距離を算出する最短距離算出処理と、前記算出された最短距離情報に基づいて、移動ルート情報を作成する移動ルート情報作成処理と、をコンピュータに実行させることを特徴とする。
【0009】
このように構成することにより、乗車駅の券売機から車両内の対象位置を経て降車駅の出口までの最短の移動ルートを利用者に提示することができる。
前記交通機関移動支援プログラムにおいて、前記最短距離算出処理は、前記購入データに基づいて、前記乗車地に関する乗車地関連情報が格納された乗車地関連情報格納手段から前記発券機の位置情報を取得し、前記対象体位置情報と該発券機の位置情報とに基づいて、該各対象体位置と該発券機との間の第1の移動距離を算出する乗車地側移動距離算出処理と、前記購入データに基づいて、前記降車地に関する情報である降車地関連情報が格納された降車地関連情報格納手段から前記出口の位置情報を取得し、前記対象体位置情報と該出口の位置情報とに基づいて、該各対象体位置と該出口との間の第2の移動距離を算出する降車地側移動距離算出処理と、前記各対象体位置について、前記第1の移動距離と前記第2の移動距離とを合算し、該合算した移動距離のうち最小の移動距離を最短距離とする最短距離決定処理と、を実行することを特徴とする。
【0010】
このように構成することにより、車両内に存在する複数ある対象位置のうち、発券機−対象位置−出口の3点間を結ぶ距離を最小にする対象位置を決定することができる。
前記交通機関移動支援プログラムにおいて、前記移動ルート情報作成処理は、前記最短距離情報に基づいて、前記発券機から前記対象体位置へ、又は該対象体位置から前記出口への移動ルート情報を所定の地図情報に重畳させる、ことを特徴とする。
【0011】
このように構成することにより、最短の移動ルートを分かりやすくユーザに提供することができる。
本発明にかかる、交通機関の移動車両を利用して乗車地から降車地に移動する支援を行う交通機関移動支援装置は、前記乗車地にある発券機より送信された切符の購入に関する購入データであって、該乗車地を識別する乗車地識別情報と、前記発券機を識別する発券機識別情報と、前記降車地を識別する降車地識別情報と、該降車地の出口を識別する出口識別情報と、を少なくとも含む該購入データを取得する購入データ取得手段と、前記移動車両内の対象体の位置情報が格納された対象体位置情報格納手段と、前記購入データ及び時刻に基づいて、乗車対象となる前記移動車両を特定し、前記対象体位置情報格納手段から該特定した移動車両内の対象体位置情報を取得する対象体位置情報取得手段と、前記購入データに基づいて、前記対移動車両内の対象体の位置を経由した前記乗車地と前記降車地との間の最短距離を算出する最短距離算出手段と、前記算出された最短距離情報に基づいて、移動ルート情報を作成する移動ルート情報作成手段と、を備えることを特徴とする。
【0012】
このように構成することにより、乗車駅の券売機から車両内の対象位置を経て降車駅の出口までの最短の移動ルートを利用者に提示することができる。
本発明にかかる、少なくとも発券機と交通機関移動支援サーバ装置とから構成され、交通機関の移動車両を利用して乗車地から降車地に移動する支援を行う交通機関移動支援システムは、前記降車地を特性する情報である降車地情報が入力される入力手段と、前記降車地に関する情報に基づいて、該降車地における出口に関する情報である出口関連情報が表示される出口関連情報表示手段と、前記表示された出口関連情報のうち選択された出口を識別する出口識別情報と、前記降車地を識別する降車地識別情報と、前記乗車地を識別する乗車地識別情報と、前記発券機を識別する発券機識別情報と、を少なくとも含む購入データを取得する購入データ取得手段と、前記移動車両内の対象体の位置情報が格納された対象体位置情報格納手段と、前記購入データ及び時刻に基づいて、乗車対象となる前記移動車両を特定し、前記対象体位置情報格納手段から該特定した移動車両内の対象体位置情報を取得する対象体位置情報取得手段と、前記購入データに基づいて、前記移動車両内の対象体の位置を経由した前記乗車地と前記降車地との間の最短距離を算出する最短距離算出手段と、前記算出された最短距離に基づいて、移動ルート情報を作成する移動ルート情報作成手段と、前記移動ルート情報を表示させる移動ルート情報表示手段と、前記移動ルート情報に基づいて、発券処理を行う発券手段と、を備えることを特徴とする。
【0013】
このように構成することにより、乗車駅の券売機から車両内の対象位置を経て降車駅の出口までの最短の移動ルートを利用者に提示することができる。
本発明にかかる、交通機関の移動車両を利用して乗車地から降車地に移動する支援を行う交通機関移動支援サーバ装置に対してデータの送受信を行う発券機は、前記降車地を特定する情報である降車地情報が入力される降車地情報入力手段と、前記降車地に関する情報に基づいて、該降車地における出口に関する情報である出口関連情報が表示される出口関連情報表示手段と、前記表示された出口関連情報のうち選択された出口を識別する出口識別情報と、前記降車地を識別する降車地識別情報と、前記乗車地を識別する乗車地識別情報と、前記発券機を識別する発券機識別情報と、を少なくとも含む購入データを前記交通機関移動支援サーバ装置に送信する購入データ送信手段と、を備えることを特徴とする。
【0014】
このように構成することにより、乗車駅の券売機から車両内の対象位置を経て降車駅の出口までの最短の移動ルートを利用者に提示することができる。
【発明の効果】
【0015】
本発明を用いることにより、本発明は、乗車駅の券売機から車両内の特定位置を経て降車駅の出口までの最短の移動ルートを利用者に提示することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
図1は、本発明にかかる交通機関移動支援システムの概念構成図である。交通機関移動支援システム1は、交通機関の移動車両を利用して乗車地から降車地に移動する支援を行うものであり、少なくとも発券機3と交通機関移動支援装置2とから構成される。
【0017】
交通機関移動支援装置2は、購入データ取得手段2a、対象体位置情報格納手段2c、対象体位置情報取得手段2b、最短距離算出手段2d、乗車地関連情報格納手段2h、降車地関連情報格納手段2i、移動ルート情報作成手段2jから構成される。
【0018】
購入データ取得手段2aは、前記乗車地にある発券機より送信された切符の購入に関する購入データであって、該乗車地を識別する乗車地識別情報と、前記発券機を識別する発券機識別情報と、前記降車地を識別する降車地識別情報と、該降車地の出口を識別する出口識別情報と、を少なくとも含む該購入データを取得する。購入データ取得手段2aは、後述の実施形態でいえば、図10のS21の処理に相当する。
【0019】
対象体位置情報格納手段2cは、前記移動車両内の対象体の位置情報が格納されている。対象体位置情報格納手段2cは、後述の実施形態でいえば、図2の列車別優先席位置情報データベース(以下、データベースをDBと称する)14に相当する。
【0020】
対象体位置情報取得手段2bは、前記購入データ及び時刻に基づいて、乗車対象となる前記移動車両を特定し、前記対象体位置情報格納手段2cから該特定した移動車両内の対象体位置情報を取得する。対象体位置情報取得手段2bは、後述の実施形態でいえば、図13AのS34及びS37に相当する。
【0021】
乗車地関連情報格納手段2hには、前記乗車地に関する情報である乗車地関連情報が格納されている。乗車地関連情報格納手段2hは、後述の実施形態でいえば、図2の駅別発券機情報DB12に相当する。
【0022】
降車地関連情報格納手段2iには、前記降車地に関する情報である降車地関連情報が格納されている。降車地関連情報格納手段2iは、後述の実施形態でいえば、図2の駅別出口情報DB13に相当する。
【0023】
最短距離算出手段2dは、前記購入データに基づいて、前記対移動車両内の対象体の位置を経由した前記乗車地と前記降車地との間の最短距離を算出する。前記最短距離算出手段2dは、乗車地側移動距離算出手段2e、降車地側移動距離算出手段2f、最短距離決定手段2gからなる。
【0024】
乗車地側移動距離算出手段2eは、前記購入データに基づいて、前記乗車地関連情報格納手段より前記発券機の位置情報を取得し、前記対象体位置情報と該発券機の位置情報とから該各対象体位置と該発券機との間の第1の移動距離を算出する。乗車地側移動距離算出手段2eは、後述の実施形態でいえば、図13AのS37〜S41の処理に相当する。
【0025】
降車地側移動距離算出手段2fは、前記購入データに基づいて、前記降車地関連情報格納手段より前記出口の位置情報を取得し、前記対象体位置情報と該出口の位置情報とから該各対象体位置と該出口との間の第2の移動距離を算出する。降車地側移動距離算出手段2fは、後述の実施形態でいえば、図13BのS46〜S50の処理に相当する。
【0026】
最短距離決定手段2gは、前記各対象体位置について、前記第1の移動距離と前記第2の移動距離とを合算し、該合算した移動距離のうち最小の移動距離を最短距離とする。最短距離決定手段2gは、後述の実施形態でいえば、図13BのS51〜S53の処理に相当する。
【0027】
移動ルート情報作成手段2jは、前記算出された最短距離情報に基づいて、移動ルート情報を作成する。より具体的には、移動ルート情報作成手段2jは、前記最短距離情報に基づいて、前記発券機から前記対象体位置へ、又は該対象体位置から前記出口への移動ルート情報を所定の地図情報に重畳させる。移動ルート情報作成手段2jは、後述の実施形態でいえば、図13BのS54に相当する。
【0028】
発券機3は、降車地情報入力手段3a、出口関連情報表示手段3b、対象体利用選択手段3c、購入データ送信手段3d、移動ルート表示手段3e、発券手段3fから構成される。
【0029】
降車地情報入力手段3aは、前記降車地を特定する情報である降車地情報が入力される。降車地情報入力手段3aは、後述の実施形態でいえば、図6(a)(b)のタッチパネル操作に相当する。
【0030】
出口関連情報表示手段3bは、前記降車地に関する情報に基づいて、該降車地における出口に関する情報である出口関連情報を表示する。前記出口関連情報は、前記出口と、該各出口に対応するランドマーク情報とが含まれる。前記出口関連情報表示手段は、前記出口関連情報の一覧を表示させる。出口関連情報表示手段3bは、後述の実施形態でいえば、図6(c)に相当する。
【0031】
対象体利用選択手段3cは、前記降車地情報が入力される場合、該降車地への移動に際して、前記交通機関の移動車両内の対象体を利用するか否かを選択させる。対象体利用選択手段3cは、後述の実施形態でいえば、図6(a)の「優先席希望する」のチェックボックス32に相当する。
【0032】
購入データ送信手段3dは、前記表示された出口関連情報のうち選択された出口を識別する出口識別情報と、前記降車地を識別する降車地識別情報と、前記乗車地を識別する乗車地識別情報と、前記発券機を識別する発券機識別情報と、を少なくとも含む購入データを前記交通機関移動支援装置2に送信する。購入データ送信手段3dは、後述の実施形態
でいえば、図9のS12に相当する。
【0033】
移動ルート表示手段3eは、前記購入データに基づいて前記交通機関移動支援サーバ装置により作成された移動ルート情報であって、前記発券機から前記対象体の位置へ、又は該対象体の位置から前記出口への移動ルート情報を所定の地図情報に重畳させた移動ルート情報を受信して、該移動ルート情報を表示させる。移動ルート表示手段3eは、後述の実施形態でいえば、図6(d)に相当する。
【0034】
発券手段3fは、前記移動ルート情報に基づいて、発券処理を行う。発券手段3fは、後述の実施形態でいえば、図6(d)の印刷ボタン30押下後の発券処理に相当する。
このように構成することにより、乗車駅の券売機から車両内の特定位置を経て降車駅の出口までの最短の移動ルートを利用者に提示することができる。
【0035】
以下で説明する本発明の実施形態では、列車内の対象体として優先席を用いる場合を説明する。
図2は、本実施形態における優先席利用者支援システムの概念構成を示す。同図の優先席利用者支援システム10は、概して、優先席利用者支援サーバ11と発券機20とから構成されている。優先席利用者支援サーバ11と発券機20とは所定のネットワークで接続されている。
【0036】
発券機20は、発券部、金銭処理部、表示操作部、表示制御部、制御部、通信制御部等から構成される。発券部は、額面金額、発行日時、乗車区間等の所定内容の磁気データを切符に書き込んだり、切符の表面に印字したりして該切符を作成して発券する。
【0037】
金銭処理手段は、投入された硬貨や紙幣等の金銭を検銭したり釣銭を排出したりする。制御部は、CPU等から構成され発券機全体の制御を司る。通信制御部は、優先席利用者支援サーバ11との間のデータの送受信を制御する。
【0038】
表示操作部は、タッチパネルである。表示制御部は、タッチパネルの表示内容を制御したり、タッチ操作に基づいて制御部にその指示を伝達したりする。
次に、発券機20の操作手順について説明する。まず、利用者21が発券機20を用いて切符を購入するための購入操作をする。購入操作は、金額範囲を選択したり、優先席を希望するか否かを選択したり、降車駅(出口)等を選択したりして、その選択した内容(購入データ40)をデータ化するものである。発券機20は、その作成した購入データ40を優先席利用者支援サーバ11へ送信する。
【0039】
優先席利用者支援サーバ11は、その購入データ40を受信すると、所定の処理を行って、発券データを発券機20へ送信する。発券データは、最短優先席位置及び移動ルート、駅名など従来通りの発券情報である。その発券データを受信した発券機20は、その発券データに基づいて発券する。
【0040】
優先席利用者支援サーバ11は、駅別発券機情報DB12、駅別出口情報DB13、列車別優先席位置情報DB14、料金情報DB15、駅構内マップ情報DB16、列車運行情報DB17の、各データベースを備えている。
【0041】
料金情報DB15には、運賃に関する情報が格納されている。駅構内マップ情報DB16には、駅構内の地図情報が格納されている。列車運行情報DB17は、列車運行情報(ダイヤグラム)に関する情報が格納されている。これらの料金情報DB15、駅構内マップ情報DB16、及び列車運行情報DB17は、従来より鉄道会社各社が利用しているDBである。
【0042】
駅別発券機情報DB12には、各駅に設置されている発券機に関する情報が格納されている。駅別出口情報DB13には、各駅の出口に関する情報が格納されている。列車別優先席位置情報DB14には、各列車の優先席の位置に関する情報が格納されている。
【0043】
そして、優先席利用者支援サーバ11は、主として、移動距離比較処理18、移動距離算出処理19を実行する。移動距離算出処理19は、後述するように、乗車対象となる列車内の優先席と当該発券機20との間の移動距離と、その優先席と降車駅の所定の出口との間の移動距離との和を、それぞれの優先席について算出する。移動距離比較処理18は、優先席ごとに算出された移動距離を比較して、最短の移動距離を検出する。
【0044】
図3は、本実施形態における駅別発券機情報DB12のデータ構造を示す。駅別発券機情報DB12は、駅別の発券機に関する情報が格納されたデータベースである。駅別発券機情報DB12には、「発券機ID」、「位置情報」のデータ項目から構成されたテーブルが、駅別に構築されている。「発券機ID」には、発券機を識別するIDが格納される。「位置情報」には、発券機の設置位置が格納される。
【0045】
図4は、本実施形態における駅別出口情報DB13のデータ構造を示す。駅別出口情報DB13は、駅別の出口に関する情報が格納されたデータベースである。駅別出口情報DB13には、「出口ID」、「位置情報」、「ランドマーク」のデータ項目から構成されたテーブルが、駅別に構築されている。「出口ID」には、出口を識別するIDが格納されている。「位置情報」には、出口の位置情報が格納される。「ランドマーク」には、その出口付近にある建築物の名称等が格納される。
【0046】
図5は、本実施形態における列車別優先席位置情報DB14のデータ構造を示す。列車別優先席位置情報DB14は、列車別の優先席の位置に関する情報が格納されたデータベースである。列車別優先席位置情報DB14には、「停車駅ID」、「優先席1位置情報」、「優先席2位置情報」・・・「優先席n位置情報」のデータ項目から構成されたテーブルが、列車別に構築されている。「停車駅ID」には、停車駅を識別するIDが格納される。「優先席1位置情報」、「優先席2位置情報」・・・「優先席n位置情報」には、列車内における優先席の位置情報が格納される。
【0047】
図6は、本実施形態における切符購入操作に伴い遷移する発券機画面の一例を示す。同図において、例えば、現在、X駅の入り口1にある発券機20でA駅までの乗車切符を買うとする。
【0048】
まず、(a)利用者は発券機20のタッチパネル上で金額範囲を選択する。このとき、優先席を希望する場合には、「優先席希望する」のチェックボックス32を選択する。
すると、(b)その選択した金額範囲の降車駅名が表示されるので、そのうちのいずれかを選択する。例えば、A駅を選択する。
【0049】
すると、(c)その選択した駅における出口名称及びその出口付近にあるランドマークの一覧が表示される。そこで、降車駅の出口のいずれかを選択すると、購入データ(「金額」、「優先席希望有無」、「降車駅(出口)」等)が優先席利用者支援サーバ11へ送信される。
【0050】
それから、(d)優先席利用者支援サーバ11から優先席希望発券データが送信される。発券機20は、その優先席希望発券データに基づいて、直近にA駅に到着する該当の列車についての乗車位置図(移動ルートも含まれている)31を表示する。
【0051】
この乗車位置図31では、現在地(入り口1)から売店の前を通ってエスカレータに乗り、そのエスカレータで3番線ホームまで誘導する移動ルートが矢印で表示されている。そして、画面の下方部分には、「3番線ホーム HH:mm発 XYZ行」というように乗車ホーム名、出発時刻、行き先が表示されている。ここで、発券機20に設けられている「印刷ボタン」30を押下すると、優先席希望発券データに基づいた切符が発券される。
【0052】
図7は、本実施形態における発券された切符の一例を示す。同図に示すように、切符の左側には出発地の乗車駅(X)から到着地の降車駅(A)まで移動する旨が表示され、その下方には「発売当日のみ有効」と印字されている。
【0053】
また、切符の右側には現在地(入り口1)から乗車対象の列車の乗車位置がイメージで表示されている。
図8は、本実施形態における購入データのデータ構造の一例を示す。購入データ40は、発券機20から優先席利用者支援サーバ11へ送信されるデータである。購入データ40は、「(乗車情報)駅ID」、「(乗車情報)発券機ID」、「優先席希望フラグ」、「(降車情報)駅ID」、「(降車情報)出口ID」、「金額」のデータ項目から構成される。
【0054】
「(乗車情報)駅ID」には、乗車駅の駅IDが格納される。「(乗車情報)発券機ID」には、乗車駅で購入操作の対象となっている発券機の発券機IDが格納される。「優先席希望フラグ」には、図6(a)の「優先席希望する」のチェックボックス32が選択された場合には、「ON」が格納され、選択されなかった場合には、「OFF」が格納される。「優先席希望フラグ」には、デフォルトとして「OFF」が格納されている。
【0055】
「(降車情報)駅ID」には、降車駅の駅IDが格納される。「(降車情報)出口ID」には、降車駅の出口の出口IDが格納される。「金額」には、降車駅までの乗車運賃が格納される。
【0056】
図9は、本実施形態における発券機20の処理フローを示す。本フローは図6の(a)〜(c)に対応する発券機20の処理を示し、図8の購入データ40を作成して、優先席利用者支援サーバ11へ送信するフローである。
【0057】
まず、発券機20は、入金、金額範囲入力、優先席希望入力を受け付ける(ステップ1。以下、ステップを「S」と称する)。
図6(a)において、「優先席希望する」のチェックボックス32が選択されない場合(S2で「No」へ進む)、発券機20は、購入データ40に「乗車駅ID」、「金額」を設定し、優先席利用者支援サーバ11へ送信する(S3)。ここでは、発券機20は、優先席利用者支援サーバ11と連携し、従来通りの発券処理を行う。
【0058】
一方、図6(a)において、「優先席希望する」のチェックボックス32が選択されると(S2で「Yes」へ進む)、発券機20は、購入データ40に乗車情報の「駅ID」、「発券機ID」と優先席希望フラグ「ON」を設定する(S4)。
【0059】
次に、発券機20は、優先席利用者支援サーバ11に問い合わせて、料金情報DB15を参照して入力された金額範囲に該当する駅名(駅ID)を取得し、その取得した駅名を発券機20のタッチパネルにて表示する(S5)。
【0060】
次に、発券機20は、図6(b)の駅名選択入力を受け付ける(S6)。発券機20は、その入力された駅名に該当する駅IDを、購入データ40の「(降車情報)駅ID」と
して設定する(S7)。
【0061】
次に、発券機20は、優先席利用者支援サーバ11に問い合わせて、入力された駅名に該当する駅IDの駅別出口情報DB13を参照し、その入力された駅IDについて設定されている全レコードの出口IDとランドマークを取得する。発券機20は、取得したその出口IDとランドマークを一覧形式でタッチパネルに表示させる。また、出口不明(出口IDなし)のものを一覧の最後尾にタッチパネルにて表示する(S8)。
【0062】
次に、発券機20は、図6(c)の出口選択入力を受け付ける(S9)。その選択された出口について出口IDがあれば(S10で「Yes」へ進む)、発券機20は、出口IDを購入データ40の降車情報の出口IDとして設定する(S11)。
【0063】
そして、発券機20は、購入データ40を優先席利用者支援サーバ11へ送信し(S12)、優先席利用者支援サーバ11と連携して発券処理を行う。
図10は、本実施形態における優先席利用者支援サーバ11のメインフローを示す。優先席利用者支援サーバ11は、発券機20より送信された購入データ40を受信する(S21)。
【0064】
次に、優先席利用者支援サーバ11は、購入データ40のデータ項目「金額」を参照し、その「金額」(行き先)に応じた従来とおりの発券処理を行う(S22)。
次に、優先席利用者支援サーバ11は、購入データ40から「優先席希望フラグ」を抽出し(S23)、「優先席希望フラグ」がONか否かを判定する(S24)。優先席希望フラグがOFFの場合(S24で「No」へ進む)、優先席利用者支援サーバ11は、従来通りの発券データ処理を行う(S27)。
【0065】
優先席希望フラグがONの場合(S24で「Yes」へ進む)、優先席利用者支援サーバ11は、優先席希望発券データ処理を行う(S25)。優先席希望発券データ処理では、図11で説明する優先席希望発券データ50が作成される。この処理の詳細については後述する。
【0066】
その後、優先席利用者支援サーバ11は、優先席希望発券データ50を発券機20へ送信する(S26)。そうすると、図6(d)で説明したように、発券機20のタッチパネル上に乗車位置図31が表示される。
【0067】
図11は、本実施形態における優先席希望発券データ50のデータ構造の一例を示す。優先席希望発券データ50は、乗車位置図31としてタッチパネルに表示させたり、切符の裏面に磁気データとして書き込んだり、表面に印刷するために用いられるものである。
【0068】
優先席希望発券データ50は、「発車時刻」、「入線ホーム」、「行先表示名」、「マップ情報」、「優先席位置情報」のデータ項目から構成される。
「発車時刻」には、乗車対象となる列車の発車時刻が格納される。「入線ホーム」には、乗車対象となる列車が入線するホーム名が格納される。「行先表示名」には、列車の行き先(終点駅名)が格納される。「マップ情報」には、乗車位置図31や切符に印刷するイメージデータが格納される。「優先席位置情報」には乗車対象となる列車の優先席の位置に関する情報が格納される。
【0069】
以下では、図10の優先席希望発券データ処理(S25)について詳述する。このとき、図12の最短優先席特定作業テーブル60を用いて処理を行うので、予め当該最短優先席特定作業テーブル60について説明する。
【0070】
図12は、本実施形態における最短優先席特定作業テーブル60のデータ構造の一例を示す。最短優先席特定作業テーブル60は、「優先席n」、「乗車駅内移動距離」、「降車駅内移動距離」、「総移動距離」のデータ項目から構成される。
【0071】
「優先席n」には、乗車対象となる列車内での優先席を識別する番号が格納される。「乗車駅内移動距離」には、乗車駅内で移動するのに必要な距離、すなわち、発券機20から所定の通路にそって対象となるホームへ行き、そのホームで当該優先席nへ最も近い乗車位置までの距離が格納される。
【0072】
「降車駅内移動距離」には、降車駅内で移動するのに必要な距離、すなわち、当該優先席から所定の降車位置で降車して、所定の通路を経由して目的とする出口までの距離が格納される。
【0073】
「総移動距離」には、「乗車駅内移動距離」に格納された値と「降車駅内移動距離」に格納された値との和が格納される。
図13A及び図13Bは、図10の優先席希望発券データ処理(S25)の詳細な処理フローを示す。まず、優先席利用者支援サーバ11は、購入データ40から乗車情報の「駅ID」、「発券機ID」、降車情報の「駅ID」を取得する(S31)。
【0074】
次に、優先席利用者支援サーバ11は、駅別発券機情報DB12から乗車情報の「駅ID」に対応するデータテーブルを読み込む。そして、そのデータテーブルから、購入データ40から抽出した「発券機ID」に対応する「位置情報」を取得し、発券機位置情報HPとする(S32)。
【0075】
次に、優先席利用者支援サーバ11は、現在時刻を取得する(S33)。優先席利用者支援サーバ11は、列車運行情報DB17を参照し、「現在時刻」、「乗車情報の駅ID」、「降車情報の駅ID」を検索条件として、該当する列車(列車ID)を検索する。その検索条件に該当する列車IDが検索されれば、優先席利用者支援サーバ11は、その列車IDに対応する、「発車時刻」、「入線ホーム」、「行先表示名」を取得し、それぞれを優先席希望発券データ50の「発車時刻」、「入線ホーム」、「行先表示名」に設定する(S34)。
【0076】
次に、優先席利用者支援サーバ11は、優先席番号を示す変数であるカウンタiを1で初期化する(S35)。なお、変数i=1〜nの整数である。
次に、優先席利用者支援サーバ11は、最短優先席特定作業テーブル60を初期化する(S36)。すなわち、最短優先席特定作業テーブル60のデータ項目「乗車駅内移動距離」、「降車駅内移動距離」、及び「総移動距離」が0で初期化される。
【0077】
次に、優先席利用者支援サーバ11は、列車別優先席位置情報DB14から特定した列車IDに対応するデータテーブルを取得する。そのデータテーブルから、購入データ40から取得した「乗車情報の駅ID」をキーにして、該当するレコードを抽出し、そのレコードの有する「優先席1位置情報」,・・・,「優先席n位置情報」(=「優先席i(i=1〜n)位置情報」)を取得する(S37)。
【0078】
次に、優先席利用者支援サーバ11は、優先席i位置情報YPと、発券機位置情報HPを利用して、移動距離を算出し、この移動距離を乗車駅内移動距離K1とする(S38)。ここで乗車駅内移動距離K1は、優先席i位置情報YP−発券機位置情報HP間の最短距離であるが、この最短距離は、直線距離であってもよく、また、例えば、駅構内マップ情報DB16に基づいて駅構内マップ上の通路に基づいた最短距離であってもよい。
【0079】
次に、優先席利用者支援サーバ11は、最短優先席特定作業テーブル60のデータ項目「優先席n」に「i」を設定し、データ項目「乗車駅内移動距離」に「乗車駅内移動距離K1」を設定する(S39)。それから、優先席利用者支援サーバ11は、iをインクリメントする(S40)。
【0080】
優先席利用者支援サーバ11は、該当するレコードの優先席位置情報を全て処理するまでS37〜S40を繰り返す(S41)。すなわち、i≦nの間、S37〜S40を繰り返す。
【0081】
i>nとなると、優先席利用者支援サーバ11は、購入データ40からデータ項目「降車情報の出口ID」を読み込み(S42)、そのデータ項目「降車情報の出口ID」に出口IDが存在するか否かを判定する(S43)。S43で、出口IDが存在しないと判定されると(S43で「No」へ進む)、S51へ進む。
【0082】
S43で、出口IDが存在すると判定されると(S43で「Yes」へ進む)、優先席利用者支援サーバ11は、駅別出口情報DB13から購入データ40の「降車情報の駅ID」に対応するデータテーブルを取得する。そのデータテーブルから、購入データ40から取得した「降車情報の出口ID」をキーにして、該当するレコードを抽出し、その出口IDに対応する位置情報を取得し、出口位置情報DPとする(S44)。再び、優先席利用者支援サーバ11は、カウンタiを1で初期化する(S45)。
【0083】
次に、優先席利用者支援サーバ11は、列車別優先席位置情報DB14から特定した列車IDに対応するデータテーブルを取得する。そのデータテーブルから、購入データ40から取得した「降車情報の駅ID」をキーにして、該当するレコードを抽出し、そのレコードの有する「優先席1位置情報」,・・・,「優先席n位置情報」(=「優先席i(i=1〜n)位置情報」)を取得する(S46)。
【0084】
次に、優先席利用者支援サーバ11は、優先席i位置情報YPと、出口位置情報DPを利用して、移動距離を算出し、この移動距離を降車駅内移動距離K2とする(S47)。ここで降車駅内移動距離K2は、優先席i位置情報YP−出口位置情報DP間の最短距離であるが、この最短距離は、直線距離であってもよく、また、例えば、駅構内マップ情報DB16に基づいて駅構内マップ上の通路に基づいた最短距離であってもよい。
【0085】
次に、優先席利用者支援サーバ11は、最短優先席特定作業テーブル60の第1項目「優先席n」の「n」と、取得した「優先席i位置情報」の「i」を対応させて、「n=i」となる第1項目「優先席n」に該当する、第3項目「降車駅内移動距離」に「降車駅内移動距離K2」を設定する(S48)。それから、優先席利用者支援サーバ11は、iをインクリメントする(S49)。
【0086】
優先席利用者支援サーバ11は、該当するレコードの優先席位置情報を全て処理するまでS46〜S49を繰り返す(S50)。すなわち、i≦nの間、S46〜S49を繰り返す。
【0087】
i>nの場合、または、S43で出口IDがないと判定された場合(S43で「No」へ進む)、優先席利用者支援サーバ11は、最短優先席特定作業テーブル60の各レコードごとに、第2項目「乗車駅内移動距離」(K1)と第3項目「降車駅内移動距離」(K2)を合算し、第4項目「総移動距離」(=K1+K2)に設定する(S51)。
【0088】
優先席利用者支援サーバ11は、最短優先席特定作業テーブル60の全レコードを読み込み、第4項目「総移動距離」の1番小さい第1項目「優先席n」を抽出し、最短優先席
とする(S52)。
【0089】
優先席利用者支援サーバ11は、購入データ40から取得した乗車情報の駅IDをキーに列車別優先席位置情報DB14を参照し、最短優先席に該当するレコードの優先席n位置情報を取得し、最短優先席位置情報とする(S53)。
【0090】
優先席利用者支援サーバ11は、駅構内マップ情報DB16から、乗車駅に関するマップ情報を取得し、最短優先席n位置情報YPと、発券機位置情報HPと、その2点間の移動ルートと、を優先席希望発券データ50の第4項目「マップ情報」に上書きし、最短優先席位置情報(S53で作成)を第5項目「優先席位置情報」に設定する(S54)。
【0091】
図14は、本実施形態における優先席利用者支援サーバ11のハードウェア環境の構成ブロック図である。同図において優先席利用者支援サーバ11は、CPU72、リードオンリーメモリ(ROM)73、ランダムアクセスメモリ(RAM)76、通信インターフェース(以下、インターフェースをI/Fという)74、記憶装置77、出力I/F71、入力I/F75、可搬型記憶媒体の読み取り装置78、およびこれらの全てが接続されたバス79、出力I/F71に接続している出力装置80、入力I/F75に接続している入力装置81によって構成されている。
【0092】
記憶装置77としてはハードディスク、磁気ディスク、フラッシュメモリなど様々な形式の記憶装置を使用することができる。このような記憶装置77、またはROM73には、上記の実施形態で用いたフローのプログラムが格納されている。また、記憶装置77には、上記の実施形態で用いた駅別発券機情報DB12、駅別出口情報DB13、列車別優先席位置情報DB14、料金情報DB15、駅構内マップ情報DB16、及び列車運行情報DB17が格納されている。
【0093】
本実施形態にかかるプログラムは、プログラム提供者側からネットワーク82、および通信I/F74を介して、例えば記憶装置77に格納してもよい。また、このプログラムは、市販され、流通している可搬型記憶媒体に格納され、読み取り装置78にセットされて、CPU72によって実行してもよい。可搬型記憶媒体としてはCD−ROM、フレキシブルディスク、光ディスク、光磁気ディスク、ICカードなど様々な形式の記憶媒体を使用することができ、このような記憶媒体に格納されたプログラムが読み取り装置78によって読み取られる。
【0094】
また、入力装置81には、キーボード、マウス、または電子カメラ、マイク、スキャナ、センサ、タブレットなどを用いることが可能である。また、出力装置80には、ディスプレイ、プリンタ、スピーカなどを用いることが可能である。また、ネットワーク82は、インターネット、LAN、WAN、専用線、有線、無線、公衆回線等の通信網であってよい。
【0095】
本実施形態では、列車内の優先席を経由した、乗車駅の券売機から降車駅の出口までの最短距離を算出して切符購入者に提供したが、優先席に限定されない。例えば、列車内の特定の位置として、例えば、授乳室、トイレ、食堂等であってもよい。また、交通機関は列車に限定されない。
本実施形態によれば、乗車駅の券売機から車両内の対象位置を経て降車駅の出口までの最短の移動ルートを利用者に提示することができる。
【0096】
(付記1) 交通機関の移動車両を利用して乗車地から降車地に移動する支援を行う処理をコンピュータに実行させる交通機関移動支援プログラムであって、
前記乗車地にある発券機より送信された切符の購入に関する購入データであって、該乗
車地を識別する乗車地識別情報と、前記発券機を識別する発券機識別情報と、前記降車地を識別する降車地識別情報と、該降車地の出口を識別する出口識別情報と、を少なくとも含む該購入データを取得する購入データ取得処理と、
前記購入データ及び時刻に基づいて、乗車対象となる前記移動車両を特定し、該特定した移動車両内の対象体の位置を示す情報である対象体位置情報を取得する対象体位置情報取得処理と、
前記購入データに基づいて、前記特定した移動車両内の対象体の位置を経由した前記乗車地と前記降車地との間の最短距離を算出する最短距離算出処理と、
前記算出された最短距離情報に基づいて、移動ルート情報を作成する移動ルート情報作成処理と、
をコンピュータに実行させることを特徴とする交通機関移動支援プログラム。
【0097】
(付記2) 前記最短距離算出処理は、
前記購入データに基づいて、前記乗車地に関する乗車地関連情報が格納された乗車地関連情報格納手段から前記発券機の位置情報を取得し、前記対象体位置情報と該発券機の位置情報とに基づいて、該各対象体位置と該発券機との間の第1の移動距離を算出する乗車地側移動距離算出処理と、
前記購入データに基づいて、前記降車地に関する情報である降車地関連情報が格納された降車地関連情報格納手段から前記出口の位置情報を取得し、前記対象体位置情報と該出口の位置情報とに基づいて、該各対象体位置と該出口との間の第2の移動距離を算出する降車地側移動距離算出処理と、
前記各対象体位置について、前記第1の移動距離と前記第2の移動距離とを合算し、該合算した移動距離のうち最小の移動距離を最短距離とする最短距離決定処理と、
を実行する付記1に記載の交通機関移動支援プログラム。
【0098】
(付記3) 前記移動ルート情報作成処理は、前記最短距離情報に基づいて、前記発券機から前記対象体位置へ、又は該対象体位置から前記出口への移動ルート情報を所定の地図情報に重畳させる、
ことを特徴とする付記1に記載の交通機関移動支援プログラム。
【0099】
(付記4) 前記移動車両内の対象体位置は、移動車両内における、優先席、授乳室、トイレ、または食堂の位置
であることを特徴とする付記1に記載の交通機関移動支援プログラム。
【0100】
(付記5) 交通機関の移動車両を利用して乗車地から降車地に移動する支援を行う交通機関移動支援装置であって、
前記乗車地にある発券機より送信された切符の購入に関する購入データであって、該乗車地を識別する乗車地識別情報と、前記発券機を識別する発券機識別情報と、前記降車地を識別する降車地識別情報と、該降車地の出口を識別する出口識別情報と、を少なくとも含む該購入データを取得する購入データ取得手段と、
前記移動車両内の対象体の位置情報が格納された対象体位置情報格納手段と、
前記購入データ及び時刻に基づいて、乗車対象となる前記移動車両を特定し、前記対象体位置情報格納手段から該特定した移動車両内の対象体位置情報を取得する対象体位置情報取得手段と、
前記購入データに基づいて、前記対移動車両内の対象体の位置を経由した前記乗車地と前記降車地との間の最短距離を算出する最短距離算出手段と、
前記算出された最短距離情報に基づいて、移動ルート情報を作成する移動ルート情報作成手段と、
を備えることを特徴とする交通機関移動支援装置。
【0101】
(付記6) 前記交通機関移動支援装置は、さらに、
前記乗車地に関する情報である乗車地関連情報が格納された乗車地関連情報格納手段と、
前記降車地に関する情報である降車地関連情報が格納された降車地関連情報格納手段と、
を備え、
前記最短距離算出手段は、
前記購入データに基づいて、前記乗車地関連情報格納手段より前記発券機の位置情報を取得し、前記対象体位置情報と該発券機の位置情報とから該各対象体位置と該発券機との間の第1の移動距離を算出する乗車地側移動距離算出手段と、
前記購入データに基づいて、前記降車地関連情報格納手段より前記出口の位置情報を取得し、前記対象体位置情報と該出口の位置情報とから該各対象体位置と該出口との間の第2の移動距離を算出する降車地側移動距離算出手段と、
前記各対象体位置について、前記第1の移動距離と前記第2の移動距離とを合算し、該合算した移動距離のうち最小の移動距離を最短距離とする最短距離決定手段と、
を備えることを特徴とする付記5に記載の交通機関移動支援装置。
【0102】
(付記7) 前記移動ルート情報作成手段は、前記最短距離情報に基づいて、前記発券機から前記対象体位置へ、又は該対象体位置から前記出口への移動ルート情報を所定の地図情報に重畳させる、
ことを特徴とする付記5に記載の交通機関移動支援装置。
【0103】
(付記8) 前記移動車両内の対象体位置は、移動車両内の優先席、授乳室、トイレ、または食堂の位置
であることを特徴とする付記5に記載の交通機関移動支援装置。
【0104】
(付記9) 少なくとも発券機と交通機関移動支援サーバ装置とから構成され、交通機関の移動車両を利用して乗車地から降車地に移動する支援を行う交通機関移動支援システムであって、
前記降車地を特性する情報である降車地情報が入力される入力手段と、
前記降車地に関する情報に基づいて、該降車地における出口に関する情報である出口関連情報が表示される出口関連情報表示手段と、
前記表示された出口関連情報のうち選択された出口を識別する出口識別情報と、前記降車地を識別する降車地識別情報と、前記乗車地を識別する乗車地識別情報と、前記発券機を識別する発券機識別情報と、を少なくとも含む購入データを取得する購入データ取得手段と、
前記移動車両内の対象体の位置情報が格納された対象体位置情報格納手段と、
前記購入データ及び時刻に基づいて、乗車対象となる前記移動車両を特定し、前記対象体位置情報格納手段から該特定した移動車両内の対象体位置情報を取得する対象体位置情報取得手段と、
前記購入データに基づいて、前記移動車両内の対象体の位置を経由した前記乗車地と前記降車地との間の最短距離を算出する最短距離算出手段と、
前記算出された最短距離に基づいて、移動ルート情報を作成する移動ルート情報作成手段と、
前記移動ルート情報を表示させる移動ルート情報表示手段と、
前記移動ルート情報に基づいて、発券処理を行う発券手段と、
を備えることを特徴とする交通機関移動支援システム。
【0105】
(付記10) 前記交通機関移動支援システムは、さらに、
前記乗車地に関する情報である乗車地関連情報が格納された乗車地関連情報格納手段と

前記降車地に関する情報である降車地関連情報が格納された降車地関連情報格納手段と、
を備え、
前記最短距離算出手段は、
前記購入データに基づいて、前記乗車地関連情報格納手段より前記発券機の位置情報を取得し、前記対象体位置情報と該発券機の位置情報とから該各対象体位置と該発券機との間の第1の移動距離を算出する乗車地側移動距離算出手段と、
前記購入データに基づいて、前記降車地関連情報格納手段より前記出口の位置情報を取得し、前記対象体位置情報と該出口の位置情報とから該各対象体位置と該出口との間の第2の移動距離を算出する降車地側移動距離算出手段と、
前記各対象体位置について、前記第1の移動距離と前記第2の移動距離とを合算し、該合算した移動距離のうち最小の移動距離を最短距離とする最短距離決定手段と、
を備えることを特徴とする付記9に記載の交通機関移動支援システム。
【0106】
(付記11) 前記移動ルート情報作成手段は、前記最短距離情報に基づいて、前記発券機から前記対象体位置へ、又は該対象体位置から前記出口への移動ルート情報を所定の地図情報に重畳させる、
ことを特徴とする付記9に記載の交通機関移動支援システム。
【0107】
(付記12) 前記移動車両内の対象体位置は、移動車両内の優先席、授乳室、トイレ、または食堂の位置
であることを特徴とする付記9に記載の交通機関移動支援システム。
【0108】
(付記13) 交通機関の移動車両を利用して乗車地から降車地に移動する支援を行う交通機関移動支援サーバ装置に対してデータの送受信を行う発券機であって、
前記降車地を特性する情報である降車地情報が入力される降車地情報入力手段と、
前記降車地に関する情報に基づいて、該降車地における出口に関する情報である出口関連情報が表示される出口関連情報表示手段と、
前記表示された出口関連情報のうち選択された出口を識別する出口識別情報と、前記降車地を識別する降車地識別情報と、前記乗車地を識別する乗車地識別情報と、前記発券機を識別する発券機識別情報と、を少なくとも含む購入データを前記交通機関移動支援サーバ装置に送信する購入データ送信手段と、
を備えることを特徴とする発券機。
【0109】
(付記14) 前記出口関連情報は、前記出口と、該各出口に対応するランドマーク情報とが含まれ、
前記出口関連情報表示手段は、前記出口関連情報の一覧を表示させる、
ことを特徴とする付記13に記載の発券機。
【0110】
(付記15) 前記発券機は、さらに、
前記降車地情報が入力される場合、該降車地への移動に際して、前記交通機関の移動車両内の対象体を利用するか否かを選択させる対象体利用選択手段
を備えることを特徴とする付記13に記載の発券機。
【0111】
(付記16) 前記発券機は、さらに、
前記購入データに基づいて前記交通機関移動支援サーバ装置により作成された移動ルート情報であって、前記発券機から前記対象体の位置へ、又は該対象体の位置から前記出口への移動ルート情報を所定の地図情報に重畳させた移動ルート情報を受信して、該移動ルート情報を表示させる移動ルート表示手段と、
前記移動ルート情報に基づいて、発券処理を行う発券手段と、
を備えることを特徴とする付記13に記載の発券機。
【0112】
(付記17) 前記移動車両内の対象体は、移動車両内の優先席、授乳室、トイレ、または食堂
であることを特徴とする付記13に記載の発券機。
【図面の簡単な説明】
【0113】
【図1】本発明にかかる交通機関移動支援システムの概念構成図である。
【図2】本実施形態における優先席利用者支援システムの概念構成を示す図である。
【図3】本実施形態における駅別発券機情報DB12のデータ構造を示す図である。
【図4】本実施形態における駅別出口情報DB13のデータ構造を示す図である。
【図5】本実施形態における列車別優先席位置情報DB14のデータ構造を示す図である。
【図6】本実施形態における切符購入操作に伴い遷移する発券機画面の一例を示す図である。
【図7】本実施形態における発券された切符の一例を示す図である。
【図8】本実施形態における購入データ40のデータ構造の一例を示す図である。
【図9】本実施形態における発券機20の処理フローを示す図である。
【図10】本実施形態における優先席利用者支援サーバ11のメインフローを示す図である。
【図11】本実施形態における優先席希望発券データ50のデータ構造の一例を示す図である。
【図12】本実施形態における最短優先席特定作業テーブル60のデータ構造の一例を示す図である。
【図13A】図10の優先席希望発券データ処理(S25)の詳細な処理フロー(その1)を示す図である。
【図13B】図10の優先席希望発券データ処理(S25)の詳細な処理フロー(その2)を示す図である。
【図14】本実施形態における優先席利用者支援サーバ11のハードウェア環境の構成ブロック図である。
【符号の説明】
【0114】
1 交通機関移動支援システム
2 交通機関移動支援装置
2a 購入データ取得手段
2b 対象体位置情報取得手段
2c 対象体位置情報格納手段
2d 最短距離算出手段
2e 乗車地側移動距離算出手段
2f 降車地側移動距離算出手段
2g 最短距離決定手段
2h 乗車地関連情報格納手段
2i 降車地関連情報格納手段
2j 移動ルート情報作成手段
3 発券機
3a 降車地情報入力手段
3b 出口関連情報表示手段
3c 対象体利用選択手段
3d 購入データ送信手段
3e 移動ルート表示手段
3f 発券手段
10 優先席利用者支援システム
11 優先席利用者支援サーバ
12 駅別発券機情報DB
13 駅別出口情報DB
14 列車別優先席位置情報DB
15 料金情報DB
16 駅構内マップ情報DB
17 列車運行情報DB
20 発券機

【特許請求の範囲】
【請求項1】
交通機関の移動車両を利用して乗車地から降車地に移動する支援を行う処理をコンピュータに実行させる交通機関移動支援プログラムであって、
前記乗車地にある発券機より送信された切符の購入に関する購入データであって、該乗車地を識別する乗車地識別情報と、前記発券機を識別する発券機識別情報と、前記降車地を識別する降車地識別情報と、該降車地の出口を識別する出口識別情報と、を少なくとも含む該購入データを取得する購入データ取得処理と、
前記購入データ及び時刻に基づいて、乗車対象となる前記移動車両を特定し、該特定した移動車両内の対象体の位置を示す情報である対象体位置情報を取得する対象体位置情報取得処理と、
前記購入データに基づいて、前記特定した移動車両内の対象体の位置を経由した前記乗車地と前記降車地との間の最短距離を算出する最短距離算出処理と、
前記算出された最短距離情報に基づいて、移動ルート情報を作成する移動ルート情報作成処理と、
をコンピュータに実行させることを特徴とする交通機関移動支援プログラム。
【請求項2】
前記最短距離算出処理は、
前記購入データに基づいて、前記乗車地に関する乗車地関連情報が格納された乗車地関連情報格納手段から前記発券機の位置情報を取得し、前記対象体位置情報と該発券機の位置情報とに基づいて、該各対象体位置と該発券機との間の第1の移動距離を算出する乗車地側移動距離算出処理と、
前記購入データに基づいて、前記降車地に関する情報である降車地関連情報が格納された降車地関連情報格納手段から前記出口の位置情報を取得し、前記対象体位置情報と該出口の位置情報とに基づいて、該各対象体位置と該出口との間の第2の移動距離を算出する降車地側移動距離算出処理と、
前記各対象体位置について、前記第1の移動距離と前記第2の移動距離とを合算し、該合算した移動距離のうち最小の移動距離を最短距離とする最短距離決定処理と、
を実行する請求項1に記載の交通機関移動支援プログラム。
【請求項3】
前記移動ルート情報作成処理は、前記最短距離情報に基づいて、前記発券機から前記対象体位置へ、又は該対象体位置から前記出口への移動ルート情報を所定の地図情報に重畳させる、
ことを特徴とする請求項1に記載の交通機関移動支援プログラム。
【請求項4】
交通機関の移動車両を利用して乗車地から降車地に移動する支援を行う交通機関移動支援装置であって、
前記乗車地にある発券機より送信された切符の購入に関する購入データであって、該乗車地を識別する乗車地識別情報と、前記発券機を識別する発券機識別情報と、前記降車地を識別する降車地識別情報と、該降車地の出口を識別する出口識別情報と、を少なくとも含む該購入データを取得する購入データ取得手段と、
前記移動車両内の対象体の位置情報が格納された対象体位置情報格納手段と、
前記購入データ及び時刻に基づいて、乗車対象となる前記移動車両を特定し、前記対象体位置情報格納手段から該特定した移動車両内の対象体位置情報を取得する対象体位置情報取得手段と、
前記購入データに基づいて、前記対移動車両内の対象体の位置を経由した前記乗車地と前記降車地との間の最短距離を算出する最短距離算出手段と、
前記算出された最短距離情報に基づいて、移動ルート情報を作成する移動ルート情報作成手段と、
を備えることを特徴とする交通機関移動支援装置。
【請求項5】
少なくとも発券機と交通機関移動支援サーバ装置とから構成され、交通機関の移動車両を利用して乗車地から降車地に移動する支援を行う交通機関移動支援システムであって、
前記降車地を特性する情報である降車地情報が入力される入力手段と、
前記降車地に関する情報に基づいて、該降車地における出口に関する情報である出口関連情報が表示される出口関連情報表示手段と、
前記表示された出口関連情報のうち選択された出口を識別する出口識別情報と、前記降車地を識別する降車地識別情報と、前記乗車地を識別する乗車地識別情報と、前記発券機を識別する発券機識別情報と、を少なくとも含む購入データを取得する購入データ取得手段と、
前記移動車両内の対象体の位置情報が格納された対象体位置情報格納手段と、
前記購入データ及び時刻に基づいて、乗車対象となる前記移動車両を特定し、前記対象体位置情報格納手段から該特定した移動車両内の対象体位置情報を取得する対象体位置情報取得手段と、
前記購入データに基づいて、前記移動車両内の対象体の位置を経由した前記乗車地と前記降車地との間の最短距離を算出する最短距離算出手段と、
前記算出された最短距離に基づいて、移動ルート情報を作成する移動ルート情報作成手段と、
前記移動ルート情報を表示させる移動ルート情報表示手段と、
前記移動ルート情報に基づいて、発券処理を行う発券手段と、
を備えることを特徴とする交通機関移動支援システム。
【請求項6】
交通機関の移動車両を利用して乗車地から降車地に移動する支援を行う交通機関移動支援サーバ装置に対してデータの送受信を行う発券機であって、
前記降車地を特定する情報である降車地情報が入力される降車地情報入力手段と、
前記降車地に関する情報に基づいて、該降車地における出口に関する情報である出口関連情報が表示される出口関連情報表示手段と、
前記表示された出口関連情報のうち選択された出口を識別する出口識別情報と、前記降車地を識別する降車地識別情報と、前記乗車地を識別する乗車地識別情報と、前記発券機を識別する発券機識別情報と、を少なくとも含む購入データを前記交通機関移動支援サーバ装置に送信する購入データ送信手段と、
を備えることを特徴とする発券機。

【図1】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13A】
image rotate

【図13B】
image rotate

【図14】
image rotate

【図2】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate


【公開番号】特開2008−198031(P2008−198031A)
【公開日】平成20年8月28日(2008.8.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−34154(P2007−34154)
【出願日】平成19年2月14日(2007.2.14)
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【Fターム(参考)】