説明

交通画像情報提供システム

【課題】プライバシーを保護し、かつ瞬時に交通状況を認識可能にする。
【解決手段】道路の交通状況を撮影する複数の監視カメラ1a,…,1nと、マスク処理に関するデータを格納するマスク処理テーブル21aを持った道路画像管理装置2と、路側に設置された無線通信装置3とを備え、道路画像管理装置2は、監視カメラで撮影した道路交通状況の画像データに付されるカメラ識別データからマスク処理テーブル21aを参照し、画像データの中に存在する所定の構造物をマスク処理するか判定する判定処理部22と、マスク処理すると判定したとき、所定の構造物に対してマスクデータを合成する合成処理部23と、マスク処理された画像データを符号化する符号化処理部24とを設け、符号化された道路交通状況の画像データを、無線通信装置3による無線通信により撮影場所に連なる道路を走行する車両に提供する交通画像情報提供システムである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、監視カメラで撮影した道路の交通状況などの画像をドライバーに提供する交通画像情報提供システムに関する。
【背景技術】
【0002】
道路の適宜な場所に監視カメラを設置し、監視カメラで撮影した道路の交通状況の画像を送信し、走行車両に搭載される車載機を含む情報表示装置に表示させ、ドライバーに道路の混雑状況などを知らせる方法がとられている。
【0003】
ところで、ドライバーが監視カメラで撮影した道路の交通状況の画像から混雑状況を瞬時に把握するためには、適宜な距離や広がりを持った道路の交通状況を撮影する必要がある。しかし、監視カメラの設置場所によっては、ビルなどの建造物や交通状況を提供していない路線の道路も映ってしまうため、ドライバーが一見しただけでは道路の交通状況を認識し難い場合がある。
【0004】
また、監視カメラで撮影した道路の交通状況の画像を、例えば高速道路のサービスエリアやパーキングエリアに設置された情報表示装置に表示する場合、交通状況を提供する路線と交通状況を提供していない路線の画像を含めて表示していると、ドライバーに混乱を与えてしまう可能性が考えられる。
【0005】
さらに、監視カメラで撮影した道路の交通状況の画像は、不特定多数の人が見るため、例えばビル,マンション,住居等の建造物が映り込んでいる場合、プライバシーに対する配慮が必要となる。
【0006】
通常、監視カメラの撮影範囲を狭めて近い距離から道路の交通状況を撮影すれば、交通状況の提供路線以外の路線が映らないようにすることが可能である。しかし、撮影範囲が狭くなると、道路上での車両の混在状況が伝え難くなる。また、近距離で交通状況を撮影し管理する場合、交通状況を提供する路線にそって多数の監視カメラを設置しなければならず、監視カメラの設置台数が増え、また管理する道路交通状況の画像も増えてくることから、データベースの管理コストが嵩んでしまう問題がある。
【0007】
従って、ビル,マンション,住居等の建造物や交通状況の画像情報の提供路線以外の路線が映っている広い撮影範囲の画像であっても、プライバシーに対する配慮が十分になされ、しかもドライバーに瞬時に道路の交通状況を認識させるシステムの実現が望まれている。
【0008】
そこで、本願発明の技術内容に類似する従来の2つの先行文献について説明する。
【0009】
その1つは、プライバシーを保護しつつ道路交通状況の画像を提供する交通状況画像提供システムである(特許文献1)。
【0010】
この交通状況画像提供システムは、予め定めた場所に監視カメラを設置し、監視カメラで撮影した画像をモザイク処理してプライバシーを保護するとともに、動きのある走行車両を予め定めたキャラクタに置き換え、かつ、当該キャラクタが走行車両の重心点位置の動きベクトルに応じて動くように表示させることにより、実際の走行車両に応じた擬似画像を表示させる構成である。
【0011】
他の1つは、DSRC(Dedicated Short Range)を用いて、走行車両に必要な道路情報を提供する車載機の通信制御装置である(特許文献2)。
【0012】
この車載機の通信制御装置は、車両の車体情報,車載機の機器情報,ドライバー等の個人情報の他、ドライバーが任意に欲するユーザ設定情報(道路沿線のコンビニ所在情報、音楽情報等)に基づき、予め情報サービス局にその設定に応じたコンテンツ情報が保存されている。この状態において、情報サービス局が走行車両からDSRC通信により車体情報,車載機の機器情報等を取得すると、ドライバーが欲するコンテンツ情報を車載機に提供するものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0013】
【特許文献1】特開2002−150483号公報
【特許文献2】特開2007−114027号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
ところで、特許文献1に記載の技術によれば、道路上を走行する多数の車両が全てキャラクタである図形で置き換えられているので、ドライバーがそれらの表示図形を見て瞬間的に道路の交通状況を把握することが非常に難しい。そうかと言って、高速道路などを走行中に長い間表示中の図形を見ることは危険である。そのため、表示図形を何回かに分けて繰り返し見ることから、道路の交通状況を認識するまでに相当の時間がかかってしまう問題がある。
【0015】
次に、特許文献2に記載の技術によれば、予め設定したユーザ設定情報に応じたコンテンツ情報をドライバーに提供するものであって、監視カメラで撮影した道路の混雑状況を表す動画画像を提供するものでなく、また、プライバシーについても何ら配慮するものでもない。
【0016】
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、広い撮影範囲で撮影した道路の交通状況の画像であっても、プライバシーを保護しつつ瞬時に交通状況を認識させるようにする交通画像情報提供システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0017】
上記課題を解決するために、本発明は、道路の交通状況を撮影する複数の監視カメラと、
各監視カメラの撮影場所に応じたマスク処理に関するデータを記憶するマスク処理テーブルと、前記監視カメラで撮影した道路の交通状況の画像データに付されるカメラ識別データから前記撮影場所を特定し、前記画像データの中に存在する所定の構造物をマスク処理するか否かを判定する判定処理手段と、この判定処理手段によりマスク処理すると判定したとき、前記道路交通状況の画像データの中に存在する前記所定の構造物にマスクデータを合成する合成処理手段と、この合成処理手段から出力される交通状況の画像データを符号化処理する符号化処理手段と、この符号化処理された道路交通状況の画像データを受信し、所定の情報表示装置に動画画像として提供する通信装置とを備えた交通画像情報提供システムである。
【0018】
なお、前記通信装置としては、これから向かってくる前記撮影場所に連なる道路を走行する車両に対して、前記道路交通状況の画像データを無線通信により送信する路側に設置された無線通信装置が用いられる。
【0019】
また、前記走行車両としては、符号化処理された道路の交通状況の画像データを復号化する復号化処理手段及びこの復号化された交通状況の画像データを動画表示する表示手段とを備えた車載機を含む前記情報表示装置が搭載されているものとする。
【0020】
また、本発明は、前述した構成に新たに、監視カメラの撮影場所近傍の路側に設置され、車両の走行速度に関するデータを検知する車両検知センサと、この車両検知センサで検知された車両の走行速度に関するデータから撮影場所の車両の混雑状況を判定する判定手段とを設けるか、あるいは監視カメラで撮影した道路の交通状況の画像データから車両の混雑状況を判定する判定する判定手段とを設け、
前記判定手段によって混雑状況に有ると判定したとき、前述した走行車両に対して道路の交通状況の動画画像を提供する構成としてもよい。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、広い撮影範囲で撮影した道路の交通状況の画像であっても、プライバシーを保護しつつ瞬時に交通状況を認識させ得る交通画像情報提供システムを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明に係る交通画像情報提供システムの第1の実施の形態を示す構成図。
【図2】図1に示すマスク処理テーブルのデータ配列の一例図。
【図3】本発明に係る交通画像情報提供システムの第1の実施の形態での道路画像管理装置の動作の流れを説明する図。
【図4】監視カメラで撮影した道路交通状況の画像を走行車両に提供する例を説明する概念構成図。
【図5】道路を除く建造物を含む各種の構造物をマスク処理した例を示す図。
【図6】本発明に係る交通画像情報提供システムの第2の実施の形態を示す構成図。
【図7】交通状況を判定する交通状況判定テーブルの設定データの一例を示す図。
【図8】本発明に係る交通画像情報提供システムの第2の実施の形態における道路画像管理装置の動作の流れを説明する図。
【図9】本発明に係る交通画像情報提供システムの第3の実施の形態における道路画像管理装置の動作の流れを説明する図。
【図10】本発明に係る交通画像情報提供システムの第4の実施の形態を示す構成図。
【図11】注目路線以外の路線道路、建造物等をマスク処理し、結果として注目路線の道路を強調した交通状況画像を提供した一例図。
【図12】特定の路線の注目箇所以外を全てマスク処理し、注目箇所だけの道路交通状況の画像を提供した一例図。
【図13】特定の注目路線を線で囲んで強調表示して提供する図。
【図14】路線以外を全て所定の色データで塗りつぶして路線のみを強調して道路交通状況の画像を提供した一例図。
【図15】各路線の道路状況に応じて車両または車両相当図形に異なる色を付した状態の道路交通状況の画像を提供した一例図。
【図16】各路線の道路状況に応じて車両または車両対応図形に異なる色を付した状態の道路交通状況の画像を生成する道路画像管理装置の動作の流れを説明する図。
【発明を実施するための形態】
【0023】
(第1の実施の形態)
図1は本発明に係る交通画像情報提供システムの第1の実施形態を示す構成図である。
【0024】
この交通画像情報提供システムは、道路の交通状況を撮影する複数の監視カメラ1a,…,1nと、この監視カメラ1a,…,1nで撮影した道路交通状況の動画画像を取り込んだ後、プライバシーの保護が必要な領域をマスク処理する道路画像管理装置2と、この道路画像管理装置2から通信ネットワーク3を通じて伝送されてくるマスク処理された道路交通状況の画像を無線通信により走行車両4に送信する複数の無線通信装置5a,…,5nと、これら無線通信装置5a,…,5nから送信されてくる道路交通状況の画像を受信し動画表示する情報表示装置(各種の表示機能を持った車載機を含む。以下,同じ)6とで構成される。
【0025】
監視カメラ1a,…,1nは、所要の道路を望む箇所に設置される定置式カメラであって、比較的広い撮影範囲にわたって道路の交通状況を撮影し、この撮影した道路の交通状況の画像をカメラID(カメラ識別データ)とともに道路画像管理装置2に送信する。
【0026】
道路画像管理装置2には、データベース21が備えられ、内部的には判定処理部22、合成処理部23及び符号化処理部24が設けられている。
【0027】
データベース21には、少なくともマスク処理テーブル21aを備え、必要に応じて各監視カメラ1a,…、1nで撮影した一定時間にわたる道路交通状況の画像データやマスク処理した画像データを蓄積する画像蓄積部21bが設けられている。
【0028】
マスク処理テーブル21aには、図2に示すように例えばカメラID、撮影場所(カメラ設置場所を含む)、マスク処理の時間帯、マスク指定領域(座標位置)データ、マスクデータ(例えばマスク色データ)、画像宛先アドレス等が規定されている。
【0029】
判定処理部22は、所定周期ごとに監視カメラ1a,…,1nから送られてくるカメラIDを含む道路交通状況の画像を取得し、カメラIDのもとにマスク処理テーブル21aを参照してマスク処理するか否かを判定し、マスク処理する場合にはカメラIDに対応する撮影場所データとともに撮影された道路の交通状況の画像データを合成処理部23に送る。
【0030】
合成処理部23は、道路交通状況の画像の中の撮影場所データに対応付けられたマスク指定領域の画像データをマスクデータによってマスク処理する。つまり、道路の交通状況の画像の中のプライバシーを必要とする領域画像に対してマスクデータを合成する。
【0031】
符号化処理部24は、合成処理部23で合成化された画像データを符号化処理し、通信ネットワーク3を介して画像宛先アドレスの無線通信装置例えば5aに伝送する。
【0032】
各無線通信装置5a,…,5nは、道路の適宜な場所(路側)に設置され、DSRC(Dedicated Short Range:狭域無線通信)により、走行中の車両4にマスク処理された道路交通状況の画像を送信する。
【0033】
情報表示装置6には、復号化処理部61及び表示部62が設けられている。
【0034】
次に、以上のような交通画像情報提供システムの動作について図3を参照して説明する。
【0035】
システムの動作が開始すると、道路画像管理装置2の判定処理部22は、適宜なメモリカウンタ(図示せず)にi=1(カメラ台数)を設定した後(S1)、監視カメラ1aで撮影した道路の交通状況の画像及び当該道路交通状況の画像に付されているカメラIDを取得する(S2)。
【0036】
判定処理部22は、カメラIDを取得した後、マスク処理テーブル21aを参照し、カメラIDに対応する撮影場所及びマスク処理時間帯等からマスク処理するか否かを判定する(S3)。図2に示すように、例えば撮影場所××B1では、道路交通状況の画像の中に高層マンション等が映ることから、5:00〜17:00の時間帯にはマスク処理を必要とするが、17:00以降から深夜にかけてカーテン等で覆われ、あるいは消灯等により、マスク処理が不要となる。また、撮影場所××B2では、道路交通状況の画像の中に建造物や交通画像情報を提供していない道路が映らないことから、マスク処理を必要としない。
【0037】
そこで、判定処理部22は、マスク処理が必要と判定したとき、カメラIDまたは当該カメラIDに対応する撮影場所××B1とともに、撮影場所××B1を撮影した道路交通状況の画像を合成処理部23に送出する。
【0038】
ここで、合成処理部23は、撮影場所××B1に基づき、マスク処理テーブル21aからマスク指定領域データを取り出し、道路交通状況の画像の該当マスク指定領域をマスク処理(合成処理)する(S4)。具体的には、道路交通状況の画像の中に映っている建造物や交通状況の画像を提供しない道路に対して、マスクデータ(例えば薄赤色データ)で塗り被せるようにマスク処理する。従って、必要な建造物をマスク処理してプライバシーを保護するとともに、道路交通状況の画像の中にかすかに建造物等をぼかした状態として符号化処理部24に送出する。その理由は、監視対象となる道路だけを残し、その他を真っ黒にすることも考えられるが、周囲の背景関係から遠近感やロケーション分からなくなり、瞬時(例えば2秒程度)に道路の交通状況を認識できなくなる恐れがあるので、かすかに建造物等がぼかして残った状態にしておく。
【0039】
符号化処理部24は、合成処理部23で合成化された道路状況の画像データを例えばMPEG4による符号化処理をした後(S5)、マスク処理テーブル21aに規定される画像宛先アドレスに基づき、通信ネットワーク3を介して対応する無線通信装置例えば5aに伝送する(S6)。なお、符号化処理については、MPEG4等の符号化処理方法が適用可能である(例えば、非特許文献:「動画像の高能率符号化」小野定康著、オーム社発行)。
【0040】
しかる後、道路画像管理装置2は、全部の監視カメラから道路交通状況の画像を取得したか判断し(S7)、未だ残っている監視カメラがあればカウンタメモリに+1をインクリメントし(S8)、ステップS2に戻り、次の監視カメラ例えば1b(図示せず)の道路交通状況の画像を取得し、一連の処理を繰り返し実行する。
【0041】
そして、全部の監視カメラ1a,…,1nの道路交通状況の画像を取得したとき、処理継続(S9)であれば、画像取得周期に従ってステップS1に移行し、同様の処理を繰り返し実行する。
【0042】
一方、無線通信装置例えば5aは、道路画像管理装置2の符号化処理部24から伝送されてくるマスク処理された道路交通状況の画像を受信し、DSRC(Dedicated Short Range)の狭域無線通信により、走行中の車両4に送信する。
【0043】
走行中の車両4の情報表示装置6は、無線通信装置例えば5aから無線通信により送信されてくるマスク処理された道路交通状況の画像データを例えばMPEG4による復号化処理をした後、これから向かう道路の交通状況の動画画像を表示部62に表示し、ドライバーに提供する。
【0044】
因みに、図4は本発明に係る交通画像情報提供システムの高速道路への適用例を概略的に説明する図である。
【0045】
図4(a)は、車両4が高速道路のA領域からB1,B2,…,BN(BNは図示せず)領域に向かって走行している場合、例えばB1領域,B2領域を望む場所に順次監視カメラ1a,1bを設置し、各監視カメラ1a,1bで撮影した道路交通状況の画像を道路画像管理装置2に送信する。道路画像管理装置2は、受信した道路交通状況の画像の中からプライバシーの保護を必要とする領域をマスク処理し、A領域の路側に設置される無線通信装置例えば5aを介してA領域を走行中の車両4の情報表示装置6に狭域無線通信し、表示部62に表示する。従って、車両4のドライバーは、A領域の走行中にこれから向かうB1領域の道路交通状況を認識できる。
【0046】
図4(b)は、B路線、C路線に分岐するジャンクションを備えたA道路において、B路線、C路線に望む場所に監視カメラ1a,1bを設置し、B路線,C路線の道路交通状況の画像を撮影し、道路画像管理装置2に送信する。
【0047】
道路画像管理装置2は、監視カメラ1a,1bからB路線,C路線の道路交通状況の画像を受け取ると、必要に応じてマスク処理した後、B路線に連なるA道路の車線側に設置された無線通信装置例えば5bを介してA道路走行中の車両4の情報表示装置6に狭域無線通信し、また、C路線に連なるA道路の車線側に設置された無線通信装置例えば5cを介してA道路走行中の車両4の情報表示装置6に狭域無線通信し、各車両4のドライバーに対し、これから向かう先の路線の道路交通状況の動画画像を提供する。
【0048】
従って、以上のような実施の形態によれば、監視カメラ例えば1aで撮影した道路交通状況の画像の中に図5(a)に示すように複数の路線R1〜R4及び複数の高層ビルB1,B2が映っているが、各路線R1〜R4以外の領域をマスク処理することにより、道路だけが強調された状態で表示されるので、道路の交通状況を容易に認識できる。
【0049】
また、道路以外の複数の高層ビルなどが例えば薄赤色データで合成しぼかした状態としているので、道路以外の複数の高層ビル等のプライバシーを十分に保護することができる。また、ドライバーはぼかした複数の高層ビルからどの場所の道路交通状況であるか遠近感をもって即座に認識できる。
【0050】
また、道路以外の複数の高層ビルなどをマスク処理することにより、注目すべき場所以外の情報を単純化できるため、符号化処理を行った際に圧縮効率を大幅に向上させることができる。
【0051】
なお、本発明は、道路の交通状況だけでなく、例えばプラントの監視や建屋侵入者の監視などのように、監視画像の中に注目すべき画像と除外してもよい画像が混在している対象であれば、同様に適用可能である。
【0052】
(第2の実施の形態)
図6は本発明に係る交通画像情報提供システムの第2の実施形態を示す構成図である。
【0053】
この実施の形態における交通画像情報提供システムは、図1とほぼ同様な構成であるが、特に異なるところは、各監視カメラ1a,1b,…に対応付けてそれぞれ車両検知センサ11a,11b,…を設置し、道路の混雑状況時に各監視カメラ1a,1b,…で撮影した道路の交通状況の画像を取得し、第1の実施の形態と同様なマスク処理し、これから向かう車両に道路の交通状況を提供する構成である。従って、図6において、図1と同一または等価な部分には同一符号を付し、その詳しい説明を省略する。
【0054】
具体的には、各監視カメラ1a,1b,…が望む撮影場所近傍の路側にそれぞれ車両検知センサ11a,11b,…を設置する。また、データベース21には、マスク処理テーブル21a及び画像蓄積部21bの他、図7に示す道路の混雑状況を判定するための交通状況判定テーブル21cが設けられている。なお、交通状況判定テーブル21cには20Km/h未満の渋滞速度と20Km/h以上〜40Km/h未満の混雑状況速度とに分けたが、例えば40Km/h未満(渋滞速度を含む)の場合を混雑状況の判定参照値としてもよい。
【0055】
一方、判定処理部22としては、新たに各監視カメラ1a,1b,…が望む撮影場所近傍の走行車両の平均速度を算出し、その走行車両の平均速度から道路の混雑状況か否かを判定し、混雑状況に有ると判定したとき、第1の実施の形態と同様の処理を実行する。
【0056】
次に、本実施の形態における交通画像情報提供システムの動作について図8を参照して説明する。
道路画像管理装置2の判定処理部22は、適宜なメモリカウンタ(図示せず)にi=1を設定した後(S21)、車両検知センサ11aのセンサ情報から所定区間内の車両通過時間または単位時間内の車両通過台数を取得し、走行車両4の平均速度を算出する(S22)。しかる後、判定処理部22は、交通状況判定テーブル21cを参照し、求めた走行車両4の平均速度と交通状況判定テーブル21cの混雑状況の判定参照値とを比較し、該当道路が混雑状況に有るか否かを判定する(S23)。
【0057】
ここで、該当道路が混雑状況に無い場合、ステップS8に移行し、メモリカウンタを+1インクリメントし、次の撮影場所近傍に設置される車両検知センサ11bのセンサ情報から走行車両4の平均速度を算出する(S22)。
【0058】
一方、該当道路が混雑状況に有ると判定したとき、前述した第1の実施の形態で説明した図3に示すステップS2〜S9の一連の処理を実行する。なお、ステップS2〜S9の処理については図3の説明に譲る。
【0059】
従って、この第2の実施の形態によれば、路側に設置された車両検知センサ11a,11b,…のセンサ情報から道路が混雑状況に有るか否かを判定し、これから向う該当道路が混雑状況に有る場合だけ、道路交通状況の動画画像をドライバーに提供するか否かを判定することができる。このことは、走行車両4に道路交通状況の動画画像が提供されていないとき、ドライバーは少なくともこれから向う道路が混雑していないと判断でき、しかも道路状況の動画画像を見る必要が無いので、安全運転にも貢献することができる。
【0060】
また、例えば走行車両4がこれから向う交差点やジャンクションを通過するに当り、走行車線を選択する必要がある場合、道路が混雑状況に有る場合に限り、必ず交差点やジャンクション付近の道路交通状況の動画画像をドライバーに提供するので、円滑、かつ安全な道路交通を達成できる。特に走行車両4の渋滞時に交差点やジャンクションの直近で車線変更を行うと、周辺車両との接触などの危険を伴う場合が多いが、ドライバーに対して速めに道路交通状況の動画画像を提供することにより、接触事故などの危険を未然に減らすことができる。
【0061】
(第3の実施の形態)
第3の実施の形態は、判定処理部22の判定処理内容が異なるものであって、その他の構成は図1と全く同じである。従って、本実施の形態における交通画像情報提供システムは図1を用いて説明する。
【0062】
第2の実施の形態では、車両検知センサ11aのセンサ情報から一定時間内に通過した車両の平均速度などを演算する。その結果、混雑の度合いを判定するためのアルゴリズムを構築する必要があり、さらに多数の車両の速度から平均速度などを演算することから、混雑状況を判定までに時間が必要となる。
【0063】
そこで、第3の実施の形態では、監視カメラ1a,…,1nからカメラIDを含む道路交通状況の撮影画像を取得し、この撮影画像から道路が混雑しているか否かを判定し、混雑しているときに道路の交通状況の動画画像をドライバーに提供する。
【0064】
従って、第3の実施の形態では、予めデータベース21の交通状況判定テーブル21cに混雑状況を判定する判定参照値を設定する。ここで、判定参照値としては、例えば撮影場所の道路と道路以外のもので占める割合や撮影場所の道路内の総車両台数等が用いられる。なお、前者の道路以外の占める割合の算出は、予め定める道路の色あるいは画像から道路と認識できる色を特定し、撮影された道路全体面積に対する道路の色以外のものの色で占める割合をもって算出する。後者の撮影道路内での総車両台数は、予め車両パターンを記憶し、この車両パターンのもとに撮影道路内の画像の中に存在する車両相当パターンを順次カウントし、総車両台数を求める。
【0065】
次に、本実施の形態における交通画像情報提供システムの動作について図9を参照して説明する。
道路画像管理装置2の判定処理部22は、適宜なメモリカウンタ(図示せず)にi=1を設定した後(S31)、監視カメラ1aから道路交通状況の画像を取り込んだ後(S32)、該当道路が混雑しているか否かを判定する(S33)。例えば撮影画像の中の予め既知となる道路全体面積に対し、道路の色以外のもの(車両)の色で占める割合を算出し、この算出された割合が予め設定される混雑状況の判定参照値(道路の色以外のものの色で占める割合)を超えたとき,混雑状況に有ると判定する。
【0066】
ここで、該当道路が混雑状況に無い場合、ステップS8に移行し、メモリカウンタを+1インクリメントし、ステップS32に戻り、次の監視カメラ1bから道路交通状況の画像を取り込んで同様の処理を繰り返す。
【0067】
一方、該当道路が混雑状況に有ると判定したとき、前述した第1の実施の形態で説明した図3に示すステップS2〜S9の一連の処理を実行する。なお、ステップS2〜S9の処理については図3の説明に譲る。なお、混雑と判定したとき、改めてステップS2にて監視カメラ1aの撮影画像及びカメラIDを取り込んで処理を進めてもよいが、既にステップS32で道路交通状況の画像及びカメラIDを取り込んで保存している場合にはステップS2を省略し、ステップS3から処理を進めてもよい。
【0068】
従って、この実施の形態によれば、路側に設置される監視カメラ1a,…,1nで撮影された画像データから該当撮影場所の混雑状況の有無を判定し、混雑状況に有ると判定したとき、道路交通状況の動画画像をドライバーに提供するので、道路交通状況の動画画像を提供するか否かをリアルタイムに判定し、ドライバーに道路交通状況の動画画像を早めに提供することができる。
【0069】
(第4の実施の形態)
図10は本発明に係る交通画像情報提供システムの第4の実施形態を示す構成図である。
【0070】
第4の実施の形態は、符号化処理部24で符号化処理された画像データを有線による通信ネットワーク3を通して目的の情報表示装置6に提供するものである。
【0071】
前記第1〜第3の実施の形態では、符号化処理部24で符号化処理された画像データを通信ネットワーク3を介して画像宛先アドレスの無線通信装置例えば5aに伝送した後、当該無線通信装置例えば5aから狭域無線通信により、走行中の車両4の情報表示装置6にマスク処理された道路交通状況の動画画像を提供する構成である。
【0072】
しかし、以上のように道路交通状況の動画画像データを無線通信により車両4宛に送信した場合、通信環境によっては通信エラーが発生して画像データが失われることが考えられる。
【0073】
そこで、本実施の形態では、例えば高速道路のサービスエリアやパーキングエリアなどの場所に設置される情報表示装置6´は有線接続が可能な環境にあるので、道路画像管理装置2を構成する符号化処理部24の出力側及びサービスエリアやパーキングエリアなどに固定設置される情報表示装置6´の復号化処理部61の入力側にそれぞれデータ送受信機能を有する通信部25、63を設け、これら通信部25、63間をLANなどの有線的な通信ネットワーク3で接続し、通信部25にて符号化処理された道路交通状況の画像フレームを順次パケット化して有線通信ネットワーク3により情報表示装置6´に伝送してもよい。
【0074】
従って、以上のような実施の形態によれば、有線通信によって所要とする場所の情報表示装置6´に道路交通状況の動画画像を提供するので、通信エラーなどが原因で画像データが失われることなく、確実に道路の交通状況を提供できる。
【0075】
(その他の実施の形態)
(1) 上記実施の形態では、プライバシーの保護を必要とする道路以外の建造物などをマスク処理しているが、例えば判定処理部22が監視カメラ1a,…の道路交通状況の画像と共にカメラIDを受け取るので、このカメラIDに基づき、図2に示すマスク処理テーブル21aから撮影場所ないし何れの路線を注目しているかを判断し、合成処理部23に通知することができる。
【0076】
そこで、合成処理部23は、注目路線以外の路線の道路、建造物をマスク処理し、結果として図11に示すように該当注目路線R2に向かってくる走行車両4に対し、注目路R2を強調した形で道路交通状況の動画画像を提供できる。
【0077】
なお、合成処理部23によるマスク処理手段は、注目路線以外の路線及び建造物がボンヤリ見える程度に例えば薄赤色の色データを合成し、マスク処理するものである。
【0078】
従って、この実施の形態によれば、注目路線以外の路線及び建造物をマスク処理するので、ドライバーは自車がこれから向かう路線の道路交通状況の画像だけを一見して認識することができる。
【0079】
(2) 前述したその他の実施の形態(1)では、監視カメラ1a,…から送られてくるカメラIDと図2に示すマスク処理テーブル21aとから注目路線R2を抽出したが、マスク処理テーブル21aに例えば注目路線R2の中の特にカーブとか危険個所だけの領域データR2aを規定しておけば、図12に示すように例えば注目路線R2のカーブの部分R2aだけを強調し、当該カーブに向かってくる走行中の車両4のドライバーにカーブの交通状況の動画画像を提供できる。
【0080】
従って、この実施の形態によれば、走行中の車両4に対してこれから通過するカーブなどの注目させたい場所R2aの交通状況の動画画像を提供するので、ドライバーは例えば道路管理事業者などが提供する危険場所を一見して認識することができ、ひいては安全走行を促すことができる。
【0081】
(3) 上記実施の形態では、注目路線以外の路線や建造物をマスク処理したが、注目路線に対応する座標データ(画素位置データ)及び強調濃度補正値を割り付けし、カメラIDに基づき、図13に示すよう同一または異なる色の強調濃度補正値を用いて、自車がこれから向かう注目路線R2を太線で囲むことにより強調処理し、かつ、注目路線以外の路線はそのままとし、各路線以外の建造物などをマスク処理する構成であってもよい。
【0082】
これにより、ドライバーはこれから向かう注目路線R2の強調処理によって即座に交通状況を認識でき、しかも建造物等をマスク処理するのでプライバシーの保護にも配慮することができる。
【0083】
(4) 上記実施の形態では、マスク処理時間帯に建造物等をマスク処理するようにしたが、道路以外のものを完全に消去した方が道路交通状況を的確に認識できる場合がある。例えば図5(a)に示すように複数本の路線R1〜R4が相互に交差するような複雑な道路構造となっている場合、マスク処理された建造物が無くても、相互の路線の交差によって遠近感やロケーションを把握できるので、路線R1〜R4以外のものを完全に消去することにより、各路線R1〜R4の道路交通状況の画像だけをドライバーに的確に提供することができる。
【0084】
(5) 上記実施の形態では、路線だけに注目し、それら注目路線における道路交通状況の画像をドライバーに提供したが、例えば図15に示すように、ある監視カメラ1aの撮影画像に複数の路線R1〜R4が映っている場合に各路線R1〜R4ごとに混雑状況を判定し、各路線R1〜R4の混雑状況に応じてを該当路線を走行する車両または当該車両対応図形データに特定の色データを付し、路線ごとに渋滞か、混雑か、あるいは通常速度の走行かを認識させる構成であってもよい。
【0085】
次に、各路線R1〜R4の交通状況を考慮しつつ車両または車両対応図形に特定の色データを付す処理例について、図16を参照して説明する。
【0086】
道路画像管理装置2の判定処理部22は、第1のメモリカウンタ(図示せず)にi=1(カメラ台数)を設定した後(S41)、監視カメラ1aで撮影した道路交通状況の画像及びカメラIDを取得し、データベース21の画像蓄積部21bに蓄積する(S42)。
【0087】
しかる後、第2のメモリカウンタ(図示せず)にj=1(路線数)を設定した後(S42)、第2の実施の形態における車両検知センサ11a,…,11nのセンサ情報から各車両4の平均速度または第3の実施の形態における撮影された路線全体面積に対する該当路線の色以外のものの色で占める割合を算出し、例えば図7に基づき渋滞であれば例えば赤色データと決定し、混雑状態であれば例えば黄色データと決定し、通常の走行速度であれば例えば青色データと決定する(S44〜S48)。
【0088】
そして、決定された色データに基づき、該当路線の画像中に存在する車両または車両に代わる図形を色データ値に置き換える色データ変換処理を行った後(S49)、全路線の色データ決定完了か否かを判断し(S50)、未だ完了していない場合にはjに+1インクリメントした後(S6)、ステップS44に戻り、次の路線の色データを決定し、次路線の車両または車両対応図形を色データ値に置き換える(S44〜S49)。
【0089】
全路線の車両または車両対応図形を色データ値に置き換えが完了すると、図3に示すステップS4〜S7の処理を実行した後、ステップS8及びS9により次の監視カメラ1bで撮影した道路交通状況の画像及びカメラIDを取得し(S42)、同様の処理を繰り返し実行する。
【0090】
従って、以上のような実施の形態によれば、車両または車両対応図形に対して、路線ごとの交通状況に応じて所定の色付け処理を行った道路交通状況の画像を走行車両に提供するので、ドライバーは瞬時に各路線R1〜R4の道路交通状況を認識することができる。
【0091】
(6) また、監視カメラ例えば1aから出力されるカメラIDから注目路線を見つけ出し、当該路線を所定の色データで塗りつぶし、かつ、道路以外の建造物をマスク処理し、これから向かう路線を走行する車両に提供してもよい。
【0092】
その他、本発明は、上記実施の形態に限定されるものでなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施できる。
【符号の説明】
【0093】
1a,…,1n…監視カメラ、2…道路画像管理装置、3…LAN等による有線通信ネットワーク、4…車両、5a,…,5n…無線通信装置、6…情報表示装置、21…データベース、21a…マスク処理テーブル、21b…画像蓄積部、21c…混在状況判定テーブル、22…判定処理部、23…合成処理部、24…符号化処理部、25…通信部、61…復号化処理部、62…表示部、63…通信部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
道路の交通状況を撮影する複数の監視カメラと、
各監視カメラの撮影場所に応じたマスク処理に関するデータを記憶するマスク処理テーブルと、
前記監視カメラで撮影した道路の交通状況の画像データに付されるカメラ識別データまたは前記撮影場所に基づき、前記画像データの中に存在する所定領域の画像をマスク処理するか否かを判定する判定処理手段と、
この判定処理手段でマスク処理すると判定したとき、前記道路交通状況の画像データの中に存在する前記所定領域の画像に対してマスクデータを合成する合成処理手段と、
この合成処理手段から出力される前記道路交通状況の画像データを符号化処理する符号化処理手段と、
この符号化処理された道路交通状況の画像データを受信し、所定の情報表示装置に送信する通信装置と
を備えたことを特徴とする交通画像情報提供システム。
【請求項2】
請求項1に記載の交通画像情報提供システムにおいて、
前記通信装置としては、これから向かってくる前記撮影場所に連なる道路を走行する車両に対して、前記道路交通状況の画像データを無線通信により送信する路側に設置された無線通信装置であることを特徴とする交通画像情報提供システム。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の交通画像情報提供システムにおいて、
前記撮影場所に連なる道路を走行する車両には、前記符号化処理された道路交通状況の画像データを復号化する復号化処理手段及びこの復号化された道路交通状況の画像データを動画表示する表示手段とを備えた前記情報表示装置が搭載されていることを特徴とする交通画像情報提供システム。
【請求項4】
請求項1ないし請求項3の何れか一項に記載の交通画像情報提供システムにおいて、
前記監視カメラの撮影場所近傍の路側に設置され、車両の走行速度に関するデータを検知する車両検知センサと、この車両検知センサで検知された車両の走行速度に関するデータから前記撮影場所道路における車両の混雑状況を判定する判定手段とを設け、
この判定手段によって混雑状況に有ると判定したとき、前記請求項1に記載の一連の処理を実行し、前記所定の情報表示装置に前記道路交通状況の動画画像を提供することを特徴とする交通画像情報提供システム。
【請求項5】
請求項1ないし請求項3の何れか一項に記載の交通画像情報提供システムにおいて、
前記監視カメラで撮影した道路の交通状況の画像データから車両の混雑状況を判定する判定する判定手段とを設け、
この判定手段により混雑状況に有ると判定したとき、前記請求項1に記載の一連の処理を実行し、前記所定の情報表示装置に前記道路交通状況の動画画像を提供することを特徴とする交通画像情報提供システム。
【請求項6】
請求項1、請求項4及び請求項5の何れか一項に記載の交通画像情報提供システムにおいて、
所定の場所に前記情報表示装置が固定設置されている場合、
前記符号化処理手段の出力側に符号化処理した道路交通状況の画像データを有線による通信ネットワークを通して前記情報表示装置に伝送する通信部を設けたことを特徴とする交通画像情報提供システム。
【請求項7】
請求項1ないし請求項5の何れか一項に記載の交通画像情報提供システムにおいて、
前記監視カメラで撮影した道路の交通状況の画像データに付されるカメラ識別データから、前記画像データの中に存在する複数の路線から注目している路線を特定し、この注目路線以外の路線を含む建造物をマスク処理し、これから向かってくる前記注目路線に連なる路線を走行する車両に搭載される前記情報表示装置に対して、当該注目路線に関する交通状況の動画画像を提供することを特徴とする交通画像情報提供システム。
【請求項8】
請求項1ないし請求項5の何れか一項に記載の交通画像情報提供システムにおいて、
前記監視カメラで撮影した道路の交通状況の画像データに付されるカメラ識別データから、特定の路線の注目させたい箇所を特定し、当該注目させたい箇所を除く当該特定の路線、他の路線を含む建造物をマスク処理し、これから向かってくる前記注目させたい箇所に連なる路線を走行する車両に搭載される前記情報表示装置に対して、当該注目させたい箇所に交通状況の動画画像を提供することを特徴とする交通画像情報提供システム。
【請求項9】
請求項1ないし請求項5の何れか一項に記載の交通画像情報提供システムにおいて、
前記監視カメラで撮影した道路の交通状況の画像データに付されるカメラ識別データから、前記画像データの中に存在する複数の路線から注目している路線を特定し、当該注目路線の輪郭を、同一または異なる色の強調濃度補正値データを用いて、線で囲むことにより強調処理し、他の路線を除く建造物の画像をマスク処理することを特徴とする交通画像情報提供システム。
【請求項10】
請求項1ないし請求項5の何れか一項に記載の交通画像情報提供システムにおいて、
前記監視カメラで撮影した道路の交通状況の画像データの中に複数の路線が存在している場合、この複数の路線以外のものを当該画像データの中から消去することを特徴とする交通画像情報提供システム。
【請求項11】
請求項1ないし請求項5の何れか一項に記載の交通画像情報提供システムにおいて、
前記監視カメラで撮影した道路の交通状況の画像データの中に複数の路線が存在する場合、前記請求項2または請求項3に記載される判定手段により、各路線ごとに渋滞、混雑、通常かの交通状況を判定し、この交通状況に応じて各路線を走行する車両または車両相当図形に異なる色データを付加し、各路線に連なる路線を走行する車両に搭載される情報表示装置に複数路線の交通状況の動画画像を提供することを特徴とする交通画像情報提供システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2011−18286(P2011−18286A)
【公開日】平成23年1月27日(2011.1.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−164044(P2009−164044)
【出願日】平成21年7月10日(2009.7.10)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】