説明

人工ゼオライトの生成方法、生成装置および廃水処理方法、廃水処理装置

【課題】効率的な油脂を含む廃水処理方法を提供する。
【解決手段】廃水処理方法では、廃水中にアルカリ溶液を添加して油脂の加水分解を行い(S200)、さらに加水分解によって得られた界面活性剤をミセル形成濃度まで高め、このミセル形成濃度の界面活性剤を含有する被処理水に珪酸ナトリウムを添加し(S202)、層状で蜂の巣形状の細孔を有するカネマイトを合成し(S204)、次いで電解処理を行い、珪酸ナトリウムの珪素原子をアルミニウム原子に一部置換し(S206)、次に酸溶液を添加して中和して、油脂等の不純物内包ゼオライト結晶を生成させる(S208)。さらに、油脂等の不純物内包ゼオライトを固液分離し(S210)、浄化水を排水する(S212)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、油脂を用いた人工ゼオライトの生成方法、生成装置および廃水処理方法、廃水処理装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
業務用厨房からの廃水に含まれる生ゴミ、油脂および沈殿汚物(スカム)等の汚濁物質を分離収集し、汚濁物質を含む廃水を直接下水道に流さないように一時溜めておくための油脂分離装置として、グリストラップ(粗集器)の設置が昭和50年に建設省公示第1597号により義務づけられている。また、具体的な排出基準は「水質汚濁防止法」等により規模しく規定されている。
【0003】
通常、グリストラップ自体には、自浄能力を持たないため、グリストラップをそのまま放置すると、油脂等が腐敗して悪臭を発する。したがって、定期的な清掃が不可欠であるが、この定期的な清掃を行う作業者にとって、上記悪臭等は苦痛である。
【0004】
そこで、近年、グリストラップに浄化装置を付加したグリストラップ浄化装置が提案されている。例えば、特許文献1には、オゾンによる有機物の酸化分解をするとともに超音波振動により未分解物の沈殿を防止させる浄化方法が提案されている。また、特許文献2には、脂肪分解酵素を主剤とする生化学的洗浄薬剤を注入する厨房汚水処理装置が提案され、特許文献3には、油分を酵素の作用により分解させることを促進させるために曝気手段を制御するグリストラップの浄化システムが提案されている。また、特許文献4には、(1)乳化剤と(2)パイナップル酵素と、(3)タンパク分解酵素、澱粉分解酵素、植物繊維分解酵素および糖質分解酵素から選ばれる1または2以上の分解酵素を添加してEAレーションを行う官房廃水中の有機物を処理する方法が提案されている。
【0005】
【特許文献1】特開2006−169726号公報
【特許文献2】特開2004−237189号公報
【特許文献3】特開2003−266062号公報
【特許文献4】特開2005−169316号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
グリストラップは、流入する廃水量に対し規模が小さいため、グリストラップの廃水の滞留時間は数時間と極めて短い。そのため、十分に廃水中の油脂等を分解して廃水を浄化することは難しい。
【0007】
そこで、本発明では、グリストラップ中の油脂を利用し人工ゼオライトを合成するとともに、該人工ゼオライトの結晶孔中に油脂を内包させて沈降させ、固液分離することにより廃水中の油脂分を除去可能な廃水処理方法、廃水処理装置および人工ゼオライトの生成方法、生成装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、以下の特徴を有する。
【0009】
(1)エステル結合を有する化合物を含有するアルカリ溶液中にオゾンを注入し界面活性剤を生成させ界面活性剤分子集合体形成濃度の界面活性剤とを含有する第1の混合溶液を生成させる工程と、前記第1の混合溶液に珪酸ナトリウムを添加し珪酸ナトリウムと界面活性剤分子集合体とを含有する第2の混合溶液を生成させる工程と、カソードをアルミニウム電極としアノードをアルミニウム以外の金属電極として前記第2の混合液に電圧を印加して格子状細孔形態を有するゼオライトを生成させゼオライト含有溶液を得る工程と、前記ゼオライト含有溶液を中和してゼオライト結晶を生成させる工程と、を有する人工ゼオライトの生成方法である。
【0010】
(2)上記(1)に記載の人工ゼオライトの生成方法において、前記エステル結合を有する化合物が廃油脂である人工ゼオライトの生成方法である。
【0011】
(3)廃油脂を含有するアルカリ溶液中にオゾンを注入し界面活性剤を生成させ廃油脂の一部と界面活性剤分子集合体形成濃度の界面活性剤とを含有する第1の混合溶液を生成させる工程と、前記第1の混合溶液に珪酸ナトリウムを添加し廃油脂の一部と珪酸ナトリウムと界面活性剤分子集合体とを含有する第2の混合溶液を生成させる工程と、カソードをアルミニウム電極としアノードをアルミニウム以外の金属電極として前記第2の混合液に電圧を印加して格子状細孔形態を有するゼオライトを生成させゼオライト含有溶液を得る工程と、前記ゼオライト含有溶液を中和して廃油脂内包ゼオライト結晶を生成させる工程と、前記廃油脂内包ゼオライト結晶と水溶液とを固液分離する工程と、を有する廃水処理方法である。
【0012】
(4)油脂を含有するアルカリ溶液を貯留する貯留槽と、前記貯留槽にオゾンを注入するオゾン注入装置と、前記貯留槽に珪酸ナトリウムを添加する珪酸ナトリウム添加装置と、前記貯留槽に設けられカソードをアルミニウム電極としアノードをアルミニウム以外の金属電極とを有する電解処理装置と、電解処理後の溶液を中和するための酸を添加する酸添加装置と、得られたゼオライトを分離する固液分離手段と、を有する人工ゼオライトの生成装置である。
【0013】
(5)廃油脂を含有するアルカリ溶液を貯留する貯留槽と、前記貯留槽にオゾンを注入するオゾン注入装置と、前記貯留槽に珪酸ナトリウムを添加する珪酸ナトリウム添加装置と、前記貯留槽に設けられカソードをアルミニウム電極としアノードをアルミニウム以外の金属電極とを有する電解処理装置と、電解処理後の溶液を中和するための酸を添加する酸添加装置と、得られた廃油脂内包ゼオライトを固液分離する固液分離手段と、を有する廃水処理装置である。
【0014】
(6)上記(3)に記載の廃水処理方法および上記(5)に記載の廃水処理装置において、前記廃油脂は、少なくとも鉱物性由来の廃油脂、植物性由来の廃油脂、動物性由来の廃油脂を含む。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、廃水中の油脂を用いて十分に廃水中の油脂をゼオライトに吸着させて分離させ水質浄化させることができる。さらに、廃水中の油脂を用いて、多用途に利用可能なゼオライトを生成させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下に、本実施の形態における人工ゼオライトの生成方法および生成装置、廃水処理方法および廃水処理装置について、図面を用いて説明する。図1には、本実施の形態における廃水処理装置100の構成の概要が示されている。なお、ここでは、排水処理装置の一例を説明するが、人工ゼオライト生成装置の一例も図1に示す構成を有することをいうまでもない。なお、本発明の「エステル結合を有する化合物」は、脂肪酸を含有する化合物を含み、油脂も含む意味である。また、本実施の形態における「油脂」は、鉱物由来の油脂、植物由来の油脂、動物由来の油脂を含む。また、本実施の形態における「廃油脂」は、鉱物由来の廃油脂、植物由来の廃油脂、動物由来の廃油脂を含む。
【0017】
図1に示すように、業務用厨房からの廃水に含まれる生ゴミ、油脂および沈殿汚物(スカム)等の汚濁物質を分離収集するためのグリストラップ10には、業務用厨房などから排出される廃水が流入する流入口12と、浄化処理後の浄化水を排出させる排出口14と、グリストラップ10の固形分および後述するゼオライトを排出するための固形物排出口16を有する。さらに、グリストラップ10は三層構造を有し、第1層には、大型ゴミを受ける金網かご18が設けられ、第2層には、油脂分と汚物の分離を行う層であって沈殿物と上澄みとに分離される。第3層では、上澄みの水がフィルタにより濾別され排出可能な水質の排水にする層である。ここで、フィルタは固液分離手段に相当する。
【0018】
また、グリストラップ10の底部には、被処理水40のエアレーションを兼ねてオゾンを放出するオゾン放出部24が設けられ、オゾン放出部24は、オゾン発生装置20から流量調整器22を介してオゾンが供給される。また、制御部70は、流量調整器22を調節してグリストラップ10へ供給されるオゾン量を調整するために、流量調整器22と信号のやり取りを行っている。ここで、オゾン放出部24、オゾン発生装置20から流量調整器22は、オゾン注入装置に相当する。
【0019】
アルカリ溶液が貯留されたアルカリ溶液貯留槽62と、上水を貯留した上水貯留槽64と酸溶液を貯留した酸溶液貯留槽66が設けられ、アルカリ溶液、上水および酸溶液のそれぞれのグリストラップ10への添加およびその流量は、それぞれ電磁弁52,54,56の開閉および開閉度合いによって調節され、これらの溶液は吐出口68a,68bから被処理水に対し吐出される。さらに、電磁弁72,74の開閉により吐出口68a,68bのいずれか又は両方より上記溶液が被処理水に添加される。上記電磁弁52,54,56,72,74は制御部70によりその開閉が制御される。また、上記アルカリ溶液貯留槽62に貯留される溶液は、アルカリ金属水酸化物が好ましく、例えば水酸化ナトリウム水溶液を用いることができる。また、上記酸溶液貯留槽66に貯留される溶液は、無機酸、有機酸、鉱物酸のいずれでも良いが、好ましくは塩酸水溶液、硫酸水溶液である。なお、硫酸水溶液を用いた場合には、中和塩が沈殿するため、後工程処理が容易になるという利点がある。
【0020】
また、グリストラップ10には、被処理水のpHを測定するpH測定器50が複数個配設され、pH測定器50からのpH測定値の信号が制御部70に送られる。このpH値の信号に応じて、制御部70は電磁弁52,54,56の開閉を調節する。
【0021】
珪酸ナトリウム水溶液が貯留された珪酸ナトリウム貯留槽80から、ポンプ82を介して珪酸ナトリウム水溶液がグリストラップ10に添加される。制御部70は、ポンプ82の流量を制御する。また、ここで、珪酸ナトリウム貯留槽80およびポンプ82は、珪酸ナトリウム添加装置に相当する。
【0022】
また、グリストラップ10の第2層には、電解処理装置が設けられ、カソードをアルミニウム電極32aとしアノードをアルミニウム以外の金属電極32bとが直流電源30にそれぞれ電気的に接続されている。ここで、上記金属電極32bとして、例えばステンレスからなる金属電極を用いてもよい。
【0023】
次に、本実施の形態における廃水処理装置100の動作について、図1、図9を用い、適宜図3から図8,10を用いて以下に説明する。まず、業務用厨房などから排出される廃水を流入口12よりグリストラップ10に流入させ、大きなゴミは金網かご18により捕捉され、一方、制御部70により制御して電磁弁52,72を開、電磁弁54,56,74を閉として、アルカリ溶液貯留槽62から水酸化ナトリウム水溶液が吐出口68aからグリストラップ10の第1,2層内の被処理水40に添加される。第1層のpHを測定するpH測定器50からのpH測定値の信号が制御部70に送られ、アルカリ性になっていることを確認しながら、水酸化ナトリウム水溶液が添加される。これらと同時またはあとに、制御部70により制御して、オゾン発生装置20から流量調整器22を介してオゾンが、グリストラップ10の各層内にエアレーションさせながら投入される。これにより、廃水中の油脂は、水酸化ナトリウムにより加水分解され(S200)、図3に示すように脂肪酸(石けん)とグリセリンに分解されるとともに、図2に示すように、オゾンにより油脂分解が連続的に進行し、被処理水40中に界面活性剤が生成する。ここで、図2に示す「・」は活性状態を表し、「HO・」は活性かされた水酸基であり、「ヒドロキシラジカル」といわれる。上記加水分解の被処理水の状態は、図10の「油脂加水分解」の状態である。
【0024】
図4に示すように、油脂の加水分解によって生成した界面活性剤は、1分子中に、炭素鎖長を有する疎水基(油などの有機物に可溶性を示す官能基)とカルボキシル基とを有する親水基(水に可溶性を示す官能基)とをそれぞれ有し、図5に示すように、疎水基同士が集合し一方親水基が水溶液側に位置するように、界面活性剤が水溶液中に放射状に界面活性剤分子集合体(ミセル)を形成する。そして、臨界ミセル濃度(critical micelle concentration:CMC)以上で、ミセルが形成される。このミセルの内部に、場合によっては(廃)油脂の一部が含まれていても良い。本実施の形態では、上記CMC以上の界面活性剤濃度になるまで、廃水と水酸化ナトリウム水溶液とオゾンを添加する。これにより、界面活性剤集合体形成濃度の界面活性剤を含有し場合によっては(廃)油脂の一部を含む第1の混合溶液が得られる。
【0025】
次に、制御部70により制御して、ポンプ82を用いて珪酸ナトリウム貯留槽80より珪酸ナトリウム水溶液がグリストラップ10の第1層に添加される(S202)。これにより、グリストラップ10の第1層には、図6に示す層状珪酸塩である「カネマイト」が合成され(S204)、界面活性剤分子集合体形成濃度の界面活性剤と珪酸ナトリウムとを含有する第2の混合溶液が得られる。この第2の混合溶液において、図6に示すようにミセル芯にカネマイトが結合した層状で格子状の細孔、例えば蜂の巣状細孔を有する珪酸ナトリウムが形成される。ここで、珪酸ナトリウム水溶液は、図10に示す「水ガラス作成」に示すような透明溶液である。また、図6で得られるカネマイトが合成された被処理水の状態は、図10の「電気反応によるカネマイト合成」に示す通りである。以下、格子状の細孔が蜂の巣状細孔であるものを例に挙げて説明する。
【0026】
次に、上記第2の混合溶液は第2層に移行し、第2層のpH測定器50からのpH測定値の信号に基づいて、制御部70においてアルカリ性であることを確認しながらが、制御部70によりを制御して、直流電源30を用いて、アルミニウム電極32aと金属電極32bとに例えば12V付近の電圧を印加する(S206)。これにより、図7にも示すように、カソードのアルミニウム電極32aよりアルミニウムが第2の混合溶液に溶け出し、以下に示す反応が起こり、上記蜂の巣状の細孔を有する珪酸ナトリウムの珪素原子の一部がアルミニウム原子に置き換わり、アルミン酸ナトリウム(NaAlO)となる。
2Al+2NaOH+2HO→2NaAlO+3H
【0027】
次に、制御部70により、電磁弁52を閉じ、電磁弁54を開け、上水貯留槽64から上水を流し配管中のアルカリ溶液をグリストラップ10中に押し流す。
【0028】
次いで、蜂の巣状細孔を有するアルミン酸ナトリウムとその細孔中に界面活性剤のミセルおよび場合によっては(廃)油脂が内包されている被処理水40を第3層に移行させ、第3層のpH測定器50からのpH信号に基づき、制御部70を用いて、電磁弁52,54,72を閉、電磁弁56,74を開とし、酸溶液貯留槽66より塩酸水溶液を吐出口68bから第3槽に添加して、被処理水40を中和する(S208)。これにより、アルミン酸ナトリウム(NaAlO)は図8に示す構造のゼオライトの結晶となる。図8に示すように、ゼオライトは、アルミニウム結合手がシリカゲルの珪素より1つ少ないため、酸素原子の一つが結合できずに、マイナスイオンになっている。このため、ゼオライトは、陽イオン(カチオン)と結合しやすく、またゼオライトの結晶はかご状構造を有し、このかごの中に中性分子(イオン化していない分子)を取り込むことができることから、凝集剤として利用することができる。このときの処理水の状態は、図10に示す「水和反応」に示す通りである。
【0029】
上記中和において中性、たとえばpH7.5以下pH6.5以上になるように維持することが好ましい。この中性領域において、ミセルを形成していた油脂由来の界面活性剤と上述の加水分解により生成したグリセリンとがエステル結合して油脂に戻るが、この油脂はゼオライト結晶の細孔に内包された状態で存在し、密度の差から、油脂内包ゼオライト結晶は沈降または沈殿する。また、中性域においてゼオライトは、上述したようにマイナス電荷を有するため、廃水中の金属イオンを吸着することもでき、さらにかご状構成のゼオライトのかご内に他の廃水中の不純物も捕捉される。なお、pHが酸性域になると、ゼオライトの体積が増加して、密度が減少して浮遊してしまうため、pHを中性域に保つように制御部70により制御する。
【0030】
次に、第3層のフィルタ(図示せず)を用いて固液分離を行い(S210)、浄化された処理水を排出口14より排水し、固形物排出口16より油脂等を内包し不純物を吸着したゼオライトを排出される(S212)。固液分離された浄化された処理水は、図10に示す「分離」に示すように透明清浄な溶液となっている。
【0031】
なお、処理水は、中和により塩化ナトリウムを含むが、フィルタを適宜選定して塩化ナトリウムを捕捉してもよい。また、排出された不純物等を吸着・内包したゼオライトはそのまま廃棄または焼却してもよいが、適宜洗浄し清浄したゼオライトを他用途に用いてもよい。
【0032】
以上、業務用厨房からの廃水処理を例に挙げて説明したが、これに限るものではなく、エステル結合を有する化合物、例えば油脂が排水中に混入する産業全てに、同様に、本実施の形態の廃水処理方法、廃水処理装置および人工ゼオライトの生成方法、生成装置を適用することができる。
【産業上の利用可能性】
【0033】
本発明の廃水処理方法および処理装置は、油脂を含む廃水処理用途に特に有用であり、また、人工ゼオライトの生成方法および生成装置は、ゼオライトを利用する用途に有用である。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】実施形態における廃水処理装置の一例の構成の概要を示す図である。
【図2】オゾンによる油脂分解反応を説明する図である。
【図3】油脂の加水分解を説明する図である。
【図4】界面活性剤の構造の模式図である。
【図5】界面活性剤によるミセル形成を説明する図である。
【図6】カネマイトから蜂の巣状細孔構造のシリカゲルの形成工程を説明する図である。
【図7】電解処理工程を説明する模式図である。
【図8】ゼオライトの構造を説明する図である。
【図9】本実施の形態における廃水処理方法の工程の一例を示すフローチャートである。
【図10】本実施の形態における廃水処理工程毎の処理水を撮影した写真である。
【符号の説明】
【0035】
10 グリストラップ、12 流入口、14 排出口、16 固形物排出口、20 オゾン発生装置、22 流量調整器、24 オゾン放出部、30 直流電源、32a アルミニウム電極、32b 金属電極、40 被処理水、50 pH測定器、52,54,56,72,74 電磁弁、62 アルカリ溶液貯留槽、64 上水貯留槽、66 酸溶液貯留槽、68a,68b 吐出口、70 制御部、80 珪酸ナトリウム貯留槽、82 ポンプ、100 廃水処理装置。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
エステル結合を有する化合物を含有するアルカリ溶液中にオゾンを注入し界面活性剤を生成させ、界面活性剤分子集合体形成濃度の界面活性剤とを含有する第1の混合溶液を生成させる工程と、
前記第1の混合溶液に珪酸ナトリウムを添加し、珪酸ナトリウムと界面活性剤分子集合体とを含有する第2の混合溶液を生成させる工程と、
カソードをアルミニウム電極としアノードをアルミニウム以外の金属電極として前記第2の混合液に電圧を印加して格子状細孔形態を有するゼオライトを生成させゼオライト含有溶液を得る工程と、
前記ゼオライト含有溶液を中和してゼオライト結晶を生成させる工程と、
を有することを特徴とする人工ゼオライトの生成方法。
【請求項2】
請求項1に記載の人工ゼオライトの生成方法において、
前記エステル結合を有する化合物が廃油脂であることを特徴とする人工ゼオライトの生成方法。
【請求項3】
廃油脂を含有するアルカリ溶液中にオゾンを注入し界面活性剤を生成させ、廃油脂の一部と界面活性剤分子集合体形成濃度の界面活性剤とを含有する第1の混合溶液を生成させる工程と、
前記第1の混合溶液に珪酸ナトリウムを添加し、廃油脂の一部と珪酸ナトリウムと界面活性剤分子集合体とを含有する第2の混合溶液を生成させる工程と、
カソードをアルミニウム電極としアノードをアルミニウム以外の金属電極として前記第2の混合液に電圧を印加して格子状細孔形態を有するゼオライトを生成させゼオライト含有溶液を得る工程と、
前記ゼオライト含有溶液を中和して廃油脂内包ゼオライト結晶を生成させる工程と、
前記廃油脂内包ゼオライト結晶と水溶液とを固液分離する工程と、
を有することを特徴とする廃水処理方法。
【請求項4】
エステル結合を有する化合物を含有するアルカリ溶液を貯留する貯留槽と、
前記貯留槽にオゾンを注入するオゾン注入装置と、
前記貯留槽に珪酸ナトリウムを添加する珪酸ナトリウム添加装置と、
前記貯留槽に設けられカソードをアルミニウム電極としアノードをアルミニウム以外の金属電極とを有する電解処理装置と、
電解処理後の溶液を中和するための酸を添加する酸添加装置と、
得られたゼオライトを分離する固液分離手段と、
を有することを特徴とする人工ゼオライトの生成装置。
【請求項5】
廃油脂を含有するアルカリ溶液を貯留する貯留槽と、
前記貯留槽にオゾンを注入するオゾン注入装置と、
前記貯留槽に珪酸ナトリウムを添加する珪酸ナトリウム添加装置と、
前記貯留槽に設けられカソードをアルミニウム電極としアノードをアルミニウム以外の金属電極とを有する電解処理装置と、
電解処理後の溶液を中和するための酸を添加する酸添加装置と、
得られた廃油脂内包ゼオライトを固液分離する固液分離手段と、
を有することを特徴とする廃水処理装置。
【請求項6】
請求項3に記載の廃水処理方法において、
前記廃油脂は、少なくとも鉱物性由来の廃油脂、植物性由来の廃油脂、動物性由来の廃油脂を含むことを特徴とする廃水処理方法。
【請求項7】
請求項5に記載の廃水処理装置において、
前記廃油脂は、少なくとも鉱物性由来の廃油脂、植物性由来の廃油脂、動物性由来の廃油脂を含むことを特徴とする廃水処理装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図6】
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【図9】
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【図4】
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【図5】
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【図7】
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【図8】
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【図10】
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【公開番号】特開2008−174404(P2008−174404A)
【公開日】平成20年7月31日(2008.7.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−7257(P2007−7257)
【出願日】平成19年1月16日(2007.1.16)
【出願人】(507016616)
【Fターム(参考)】