説明

付加情報管理装置、記録媒体、及び、付加情報管理方法

【課題】 ウェブコンテンツ上に貼り付けられた付加情報をグループ間で共有する情報共有システムを提供する。
【解決手段】 付加情報管理サーバは、いずれかのグループに属するユーザがウェブコンテンツに貼り付けた付加情報を、これらのユーザに対応付けて格納しておき、ユーザから付加情報が要求された場合に、要求したユーザが属するグループを特定し、特定されたグループの各ユーザに対応付けられた付加情報のデータを抽出し、ユーザに提供する。各グループに対して利用期間が設定されており、付加情報管理サーバは、あるグループの利用期間が終了すると、このグループ内で共有された付加情報を、このグループに属するユーザの記録媒体に書き込ませる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ウェブコンテンツに付される付加情報の管理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、特許文献1には、あるウェブ表示端末から注釈データを受信すると、他のウェブ表示端末に対して注釈データが設定された旨を通知する注釈管理装置が開示されている。
【特許文献1】特開2007−233697号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明は、上述した背景からなされたものであり、ウェブコンテンツ上に貼り付けられた付加情報の共同利用を促進させる情報共有システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記目的を達成するために、本発明に係る付加情報提供装置は、ユーザの端末と通信可能な付加情報管理装置であって、各ユーザによってウェブコンテンツ上に貼り付けられた付加情報のデータを、これらのユーザに対応付けて格納する付加情報格納手段と、ユーザから付加情報が要求された場合に、要求したユーザが属するグループを特定するグループ特定手段と、前記グループ特定手段により特定されたグループの各ユーザに対応付けられた付加情報のデータを、前記付加情報格納手段から読み出し、読み出された付加情報のデータを、要求したユーザの端末に提供する提供手段と、各グループに対して設定された利用期限を監視し、利用期限が到来したグループのユーザに対して、前記提供手段による付加情報の提供を禁止する期限監視手段とを有する。
【0005】
好適には、グループの利用期限が到来したことを条件として、当該グループのユーザに対応付けられた付加情報のデータを、これらのユーザそれぞれが管理する記録領域に書き込ませる書込み支援手段をさらに有する。
【0006】
好適には、前記記録領域は、ユーザが所持する記録媒体の記録領域であり、この記録媒体には、ユーザを認証するためのユーザ認証情報が書き込まれており、前記グループ特定手段は、前記記録媒体から読み出されたユーザ認証情報に基づいて、ユーザが属するグループを特定し、前記書込み支援手段は、前記記録媒体の記録領域に、特定されたグループの付加情報のデータを書き込ませる。
【0007】
好適には、前記記録媒体には、付加情報を閲覧及び編集するためのプログラムファイルの少なくとも一部、が格納されており、前記付加情報格納手段は、前記記録媒体に格納されているプログラムファイルを用いて編集された付加情報のデータを格納し、前記提供手段は、前記記録媒体に格納されているプログラムファイルに対して付加情報のデータを提供し、ユーザ端末のウェブコンテンツ上に付加情報を表示させる。
【0008】
好適には、付加情報と、この付加情報が貼り付けられたウェブコンテンツの属性情報とに基づいて、ユーザにサービスを提供するサービス提供手段をさらに有する。
【0009】
また、本発明に係る記録媒体は、コンピュータ端末に着脱自在な記録媒体であって、ユーザを認証するためのユーザ認証情報と、ウェブコンテンツ上に貼り付けられる付加情報を編集するための編集プログラムと、前記付加情報をウェブコンテンツ上で表示するための閲覧プログラムとを有する。
【0010】
好適には、付加情報のデータを格納する記録領域をさらに有し、前記閲覧プログラムは、前記ユーザ認証情報が有効である場合に、外部から提供される付加情報のデータを用いて、付加情報を表示し、前記ユーザ認証情報の有効期間が経過した場合に、前記記録領域に格納された付加情報のデータを用いて、付加情報を表示する。
【0011】
また、本発明に係る付加情報管理方法は、ウェブコンテンツ上に貼り付けられた付加情報を管理する付加情報管理方法であって、コンピュータ端末が、記録媒体に格納された編集プログラムを用いて、ウェブコンテンツ上に貼り付ける付加情報を、ユーザの指示に応じて編集するステップと、サーバ端末が、前記コンピュータ端末によって編集された付加情報のデータを、これらのユーザに対応付けて格納するステップと、サーバ端末が、ユーザから付加情報が要求された場合に、要求したユーザが属するグループを特定するステップと、サーバ端末が、特定されたグループの各ユーザに対応付けられた付加情報のデータを抽出し、抽出された付加情報のデータを、要求したユーザのコンピュータ端末に提供するステップとを有する。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、ウェブコンテンツ上に貼り付けられた付加情報の共同利用が促進される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
[システム構成]
まず、情報共有システム1の全体構成を説明する。
図1は、情報共有システム1の構成を例示する図である。
図1に例示するように、情報共有システム1は、付加情報管理サーバ10、ユーザ端末30、及び記録媒体40(不図示:後述)を有する。
付加情報管理サーバ10は、コンピュータ端末であり、図1に例示するように、インターネット等のネットワークを介して、複数のユーザ端末30に接続している。なお、本例の付加情報管理サーバ10は、インターネットを介してユーザ端末30に接続するが、インターネットを経由せず、LAN又は無線通信回線を介して、ユーザ端末30に接続してもよい。
【0014】
ユーザ端末30は、コンピュータ端末であり、インターネット等のネットワークを介して、付加情報管理サーバ10及びウェブサーバ90に接続する。本例のユーザ端末30には、ウェブサイトを閲覧するためのウェブブラウザがインストールされている。ユーザ端末30は、このウェブブラウザを用いて、ウェブサーバ90から提供されるウェブサイトにアクセスする。
また、ユーザ端末30には、記録媒体40が着脱自在に接続されている。記録媒体40は、USBメモリや外部ハードディスクドライブなどのように物理的に着脱自在な記録媒体であってもよいし、ICチップ、携帯電話又は赤外線通信端末などのように論理的に着脱自在な記録媒体であってもよい。記録媒体40には、付加情報を閲覧及び編集するためのプログラムが格納されており、ユーザ端末30は、このプログラムを用いて、ウェブサイトのコンテンツ(ウェブコンテンツ)上に、付加情報を表示する。ここで、付加情報とは、ウェブコンテンツに付加される情報であり、本例では、WWWコンソーシアムで標準化されたアノテーションである。
【0015】
複数のウェブサーバ90それぞれは、ウェブコンテンツが含まれたウェブサイトをユーザ端末30に提供する。ウェブコンテンツとは、ウェブサイトを構成する要素であり、例えば、文字列、コンピュータグラフィックス、写真、動画などである。
【0016】
図2は、付加情報管理サーバ10(図1)にインストールされる付加情報管理プログラム5の機能構成と、記録媒体40が接続されたユーザ端末30の機能構成とを例示する図である。
図2に例示するように、付加情報管理プログラム5は、ユーザ認証部500、グループ特定部505、登録部510、付加情報データベース(付加情報DB)515、付加情報抽出部520、期限監視部525、提供部530、及び、書込み支援部535を有する。
付加情報管理プログラム5の各機能構成は、例えば、CD−ROM等の記録媒体に記録されており、この記録媒体を介して付加情報管理サーバ10(図1)にインストールされる。また、付加情報管理プログラム5の機能構成は、ネットワークを介して、付加情報管理サーバ10にインストールされてもよい。
【0017】
付加情報管理プログラム5において、ユーザ認証部500は、ユーザ端末30から受信したユーザ認証情報に基づいて、ユーザの認証を行い、認証に成功した場合に、当該ユーザのユーザ識別情報(ユーザID)をグループ特定部505に出力する。
【0018】
グループ特定部505は、ユーザ認証部500から入力されたユーザIDに基づいて、ユーザが属するグループを特定し、特定されたグループの識別情報(グループID)をユーザIDと共に登録部510又は付加情報抽出部520に出力する。
【0019】
登録部510は、ユーザ端末30によって生成又は編集された付加情報のデータをユーザIDに対応付けて付加情報DB515に登録する。付加情報DB515は、登録部510により登録された付加情報のデータをユーザIDに対応付けて記録する。
【0020】
付加情報抽出部520は、ユーザ端末30から付加情報が要求された場合に、当該ユーザが属するグループの全ユーザに対応付けられた付加情報を、付加情報DB515から抽出し、抽出された付加情報のデータを期限監視部525に出力する。
【0021】
期限監視部525は、各グループに設定された利用期限を監視し、いずれかのグループの利用期限が到来し場合に、このグループのユーザに対する付加情報の提供を禁止する。
本例の期限監視部525は、いずれかのユーザ端末30から付加情報の生成、編集又は閲覧が要求されると、このユーザが属するグループの利用期限が到来しているか否かを判断し、利用期限の到来前である場合に、提供部530に対して、付加情報抽出部520により抽出された付加情報のデータをユーザ端末30に送信するよう指示し、利用期限が到来している場合に、書込み支援部535に対して、付加情報抽出部520から入力された付加情報のデータをユーザ端末30の記録媒体40に書き込むよう指示し、当該ユーザのアクセス権限を無効にする。
【0022】
提供部530は、付加情報抽出部520により抽出された付加情報のデータを、期限監視部525を介して取得し、取得された付加情報のデータを、付加情報の閲覧又は編集を要求したユーザ端末30に送信する。
【0023】
書込み支援部535は、グループの利用期限が到来したことを条件として、当該グループに属するユーザに対応付けられた付加情報のデータを、これらのユーザのユーザ端末30で管理されている記録領域に書き込ませる。
本例の書込み支援部535は、期限監視部525から付加情報のデータが入力されると、入力された付加情報のデータを、ユーザ端末30に接続された記録媒体40に書き込ませる。
なお、書込み支援部535は、付加情報のデータと共に、これらの付加情報が貼り付けられたウェブコンテンツのデータを記録媒体40に書き込ませてもよい。この場合、付加情報が貼り付けられたウェブコンテンツが更新されても、貼付当時の状況が再現可能になる。
【0024】
次に、ユーザ端末30の機能構成を説明する。
図2に例示するように、ユーザ端末30には、ウェブブラウザ300がインストールされ、さらに、記録媒体40が接続されている。記録媒体40には、認証情報400、認証プログラム405、編集プログラム410、閲覧プログラム415、及び付加情報記録領域420が設けられている。なお、本例の認証プログラム405、編集プログラム410及び閲覧プログラム415は、ウェブブラウザ300に対するプラグインであり、ウェブブラウザ300と協働して、各機能を実現する。また、本例では、編集プログラム410及び閲覧プログラム415の全体が記録媒体40に格納されているが、これらプログラムの一部のみが記録媒体40に格納されて、プログラムの他の部分が外部(例えば、付加情報管理サーバ10)に格納されていてもよい。この場合には、分散配置されたプログラムが互いに協働して、編集プログラム410及び閲覧プログラム415の機能を実現する。
認証プログラム405は、付加情報の生成、編集又は閲覧のためのユーザ認証を要求するプログラムであり、認証情報400を付加情報管理装置10に送信する。
編集プログラム410は、ユーザからの指示に応じて、付加情報の生成及び編集を行う。
閲覧プログラム415は、ユーザからの指示に応じて、付加情報管理装置10から受信した付加情報のデータを、対応するウェブコンテンツ上に表示する。
付加情報記録領域420は、付加情報のデータを格納するために予め割り当てられた記録領域であってもよいし、汎用的な記録領域であってもよい。
【0025】
図3(A)は、付加情報のデータを例示し、図3(B)は、グループ特定部505で管理されるグループ管理テーブルを例示する図である。
図3(A)に例示するように、付加情報のデータには、ユーザが付加した付加情報(例えば、文字列や画像)に加えて、当該付加情報を付加したユーザのユーザID、当該付加情報が貼り付けられるウェブサイトのURL(貼付先URL)、当該付加情報が貼り付けられるウェブコンテンツのID(貼付先コンテンツID)、当該付加情報が貼り付けられたウェブコンテンツ上の位置(貼付位置)、当該付加情報が生成又は編集された日時(貼付日時)、ウェブサイトに設定されたキーワード、ユーザが設定したキーワード、当該付加情報が表示されるオブジェクトの色を指定する情報(色)、当該付加情報の公開範囲を指定する情報(公開/非公開)、当該付加情報の分類、及び、前記分類の上位にある分類を指定する情報(上位分類)などが含まれている。
【0026】
図3(B)に例示するように、グループ管理テーブルには、グループを特定するためのグループID、当該グループに対して設定された利用期限、当該グループの各ユーザに対して付加情報の書出しを行ったか否かを示す書出しフラグ、及び、当該グループに属するユーザのユーザIDが含まれている。
【0027】
図4は、ウェブブラウザ300の表示画面を例示する図である。
図4に例示するように、ユーザが付加情報の閲覧を要求すると、ウェブブラウザ300及び閲覧プログラムは、ウェブサーバ90から受信したウェブコンテンツと、付加情報管理サーバ10から受信した付加情報とを重ね合わせて表示する。付加情報の位置は、図3(A)に例示した「貼付位置」に基づいて決定される。また、付加情報の枠(オブジェクト)は、図3(A)の「色」に基づいて決定される。
また、これらの付加情報は、同一のグループに属する複数のユーザにより登録されたものであり、各ユーザが生成した付加情報は、グループ内で共有されることになる。
【0028】
図5は、ユーザが付加情報の閲覧又は編集を要求した場合の動作(S10)を説明するフローチャートである。
ユーザは、ユーザ端末30を操作して、所望のウェブサイトをURLなどで指定して、付加情報の閲覧又は編集を要求すると、ユーザ端末30のウェブブラウザ300(図2)は、URLに対応するウェブサーバ90に対して、ウェブコンテンツを要求し、認証プログラム405は、記録媒体40に格納された認証情報400及び当該URLを付加情報管理サーバ10に送信して、認証を要求する。なお、ウェブコンテンツを要求されたウェブサーバ90は、この要求に応じて、ウェブコンテンツをユーザ端末30に送信する。
図5に示すように、ステップ100(S100)において、付加情報管理サーバ10のユーザ認証部500は、ユーザ端末30から受信した認証情報400に基づいて、ユーザ認証を行う。
【0029】
ステップ110(S110)において、ユーザ認証部500は、認証に成功した場合に、ユーザID及びURL(ウェブコンテンツのURL)をグループ特定部505に出力する。
付加情報管理プログラム5は、認証に成功した場合に、S120の処理に移行し、認証に失敗した場合に、その旨をユーザ端末30に通知して処理を終了する。
【0030】
ステップ120(S120)において、グループ特定部505は、グループ管理テーブル(図3(B))を参照して、ユーザ認証部500から入力されたユーザIDに対応するグループIDを特定し、特定されたグループID、当該ユーザID及びURLを登録部510、付加情報抽出部520及び期限監視部525に出力する。
【0031】
ステップ130(S130)において、期限監視部525は、グループ特定部505から入力されたグループIDの利用期限(図3(B))を参照し、利用期間内である場合に、付加情報の新規登録及び編集を登録部510に対して許可し、付加情報の提供を提供部530に対して許可する。一方、期限監視部525は、利用期間終了後である場合に、付加情報の新規登録及び編集を登録部510に対して禁止し、付加情報の提供を提供部530に対して禁止する。
なお、付加情報管理プログラム5は、利用期間内である場合に、S140の処理に移行し、利用期間終了後である場合に、S170の処理に移行する。
【0032】
ステップ140(S140)において、付加情報抽出部520は、グループ特定部505から入力されたグループID及びURLに対応する各ユーザの付加情報(すなわち、同一グループに属す各ユーザが、同一のウェブサイトで貼り付けた付加情報)を付加情報DB515から読み出し、読み出された付加情報のデータを期限監視部525に出力する。
【0033】
ステップ150(S150)において、提供部530は、期限監視部525から入力された付加情報のデータを、要求したユーザ端末30に送信する。
ユーザ端末30では、ウェブブラウザ300と閲覧プログラム415とが協働して、付加情報管理サーバ10から受信した付加情報を、ウェブサーバ90から受信したウェブコンテンツ上に表示する。
【0034】
ステップ160(S160)において、登録部510は、ユーザ端末30の編集プログラム410から編集指示を受信すると、編集された付加情報を当該ユーザのユーザIDに対応付けて付加情報DB515に登録する。
【0035】
ステップ170(S170)において、期限監視部525は、グループ管理テーブル(図3(B))の書出しフラグを参照して、当該ユーザに対する書出しが終了しているか否かを判断し、書出しが終了していない場合には、付加情報抽出部520に対して、当該ユーザが属するグループの全付加情報(すなわち、利用期間内にグループ内で貼り付けられた付加情報)の読出しを指示し、書出しが終了している場合には、記録媒体40の付加情報記録領域420から付加情報を読み出すようユーザ端末30に指示する。
【0036】
ステップ180(S180)において、付加情報抽出部520は、期限監視部525からの指示に応じて、グループ特定部505から入力されたグループIDに対応する各ユーザの付加情報のデータを付加情報DB515から読み出し、読み出された付加情報のデータを期限監視部525に出力する。
【0037】
ステップ190(S190)において、期限監視部525は、付加情報抽出部520から入力された付加情報のデータを書込み支援部535に対して出力して、付加情報の書出しを指示する。
書込み支援部535は、指示に応じて、期限監視部525から入力された付加情報のデータを、ユーザ端末30に接続された記録媒体40の付加情報記録領域420に書き込ませる。
【0038】
このように、本実施形態における情報共有システム1では、グループに属するユーザは、利用期間内に、種々のウェブサイト上で情報(付加情報)を共有でき、利用期間終了後には、記録媒体40に格納された情報(すなわち、情報共有による成果物)をユーザ端末上で利用できる。
【0039】
次に、第2の実施形態を説明する。
図6(A)は、第2の付加情報管理プログラム52の機能構成を例示し、図6(B)は、サービス決定テーブルを例示する図である。なお、本図に示された各構成のうち、図2に示された構成と実質的に同一のものには同一の符号が付されている。
図6(A)に例示するように、第2の付加情報管理プログラム52は、図2で例示した付加情報管理プログラム5に、サービス提供部540を追加した構成をとる。
付加情報管理プログラム52において、サービス提供部540は、付加情報と、この付加情報が貼り付けられたウェブコンテンツの属性情報(例えば、タグ情報)とに基づいて、ユーザにサービスを提供する。例えば、サービス提供部540は、図6(B)に例示するサービス決定テーブルを有し、貼り付けられた付加情報に含まれる文字列と、この付加情報が貼り付けられたウェブコンテンツの属性との組合せに対応するサービス内容を、ユーザに提供する。すなわち、付加情報に「10:30」などの時刻が含まれており、この付加情報がスケジュール表のウェブコンテンツに貼り付けられた場合に、サービス提供部540は、付加情報に含まれた時刻になると、ユーザ端末30に対してリマインドメールを送信する。また、付加情報に「更新要チェック」の文字列が含まれており、この付加情報が貼り付けられたウェブコンテンツが更新された場合に、サービス提供部540は、ウェブコンテンツが更新された旨をユーザ端末30に通知する。また、付加情報に転送先を示す情報(アドレス)が含まれており、この付加情報が地図のウェブコンテンツに貼り付けられた場合に、サービス提供部540は、付加情報が貼り付けられた地点の地図情報(例えば、経度及び緯度)を、付加情報に含まれた転送先(例えば、カーナビなど)に送信する。
【0040】
図7(A)は、情報共有システム1をスケジュール管理システムとして利用する形態を例示し、図7(B)は、情報共有システム1を自動予約システムとして利用する形態を例示する。
図7(A)に例示するように、ウェブサイト上にウェブコンテンツとしてスケジュール表を設けて、このスケジュール表に対して、各グループに属するユーザが、予定情報(予定時刻、予定場所)などを含む付加情報を貼り付ける。これにより、グループ内でスケジュールが共有可能になる。さらに、サービス提供部540は、予定時刻になると、この予定情報を貼り付けたユーザ、又は、このユーザが属するグループ全体に対して、リマインドメールを送信する。
【0041】
また、図7(B)に例示するように、ウェブサイト上にウェブコンテンツとして予約日程表を設けて、この予約日程表に対して、各店舗の顧客(上記グループに相当)が、予約情報(予約人数、予約時刻)などを含む付加情報を貼り付ける。なお、本例では、店舗の予約管理者と、これらの店舗の顧客とが、上記ユーザに相当する。
サービス提供部540は、予約日程表に予約情報が新たに貼り付けられると、予約時刻が属する時間帯の予約人数を算出し、算出された予約人数に基づいて、予約が可能であるか否かを判断する。本例のサービス提供部540は、予約が可能であると判断した場合には、この予約を確定させて、その旨をユーザ(店舗及び顧客)に通知し、予約が不可能であると判断した場合に、当該予約情報を、先の予約情報(すなわち、予約が確定しているもの)と異なる態様で表示して、キャンセル待ちであることを顧客に通知する。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】情報共有システム1の構成を例示する図である。
【図2】付加情報管理サーバ10(図1)にインストールされる付加情報管理プログラム5の機能構成と、記録媒体40が接続されたユーザ端末30の機能構成とを例示する図である。
【図3】(A)は、付加情報のデータを例示し、(B)は、グループ特定部505で管理されるグループ管理テーブルを例示する図である。
【図4】ウェブブラウザ300の表示画面を例示する図である。
【図5】ユーザが付加情報の閲覧又は編集を要求した場合の動作(S10)を説明するフローチャートである。
【図6】(A)は、第2の付加情報管理プログラム52の機能構成を例示し、(B)は、サービス決定テーブルを例示する図である。
【図7】(A)は、情報共有システム1をスケジュール管理システムとして利用する形態を例示し、(B)は、情報共有システム1を自動予約システムとして利用する形態を例示する。
【符号の説明】
【0043】
1・・・情報共有システム
10・・・付加情報管理サーバ
30・・・ユーザ端末
40・・・記録媒体
5,52・・・付加情報管理プログラム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザの端末と通信可能な付加情報管理装置であって、
各ユーザによってウェブコンテンツ上に貼り付けられた付加情報のデータを、これらのユーザに対応付けて格納する付加情報格納手段と、
ユーザから付加情報が要求された場合に、要求したユーザが属するグループを特定するグループ特定手段と、
前記グループ特定手段により特定されたグループの各ユーザに対応付けられた付加情報のデータを、前記付加情報格納手段から読み出し、読み出された付加情報のデータを、要求したユーザの端末に提供する提供手段と、
各グループに対して設定された利用期限を監視し、利用期限が到来したグループのユーザに対して、前記提供手段による付加情報の提供を禁止する期限監視手段と
を有する付加情報管理装置。
【請求項2】
グループの利用期限が到来したことを条件として、当該グループのユーザに対応付けられた付加情報のデータを、これらのユーザそれぞれが管理する記録領域に書き込ませる書込み支援手段
をさらに有する請求項1に記載の付加情報管理装置。
【請求項3】
前記記録領域は、ユーザが所持する記録媒体の記録領域であり、
この記録媒体には、ユーザを認証するためのユーザ認証情報が書き込まれており、
前記グループ特定手段は、前記記録媒体から読み出されたユーザ認証情報に基づいて、ユーザが属するグループを特定し、
前記書込み支援手段は、前記記録媒体の記録領域に、特定されたグループの付加情報のデータを書き込ませる
請求項2に記載の付加情報管理装置。
【請求項4】
前記記録媒体には、付加情報を閲覧及び編集するためのプログラムファイルの少なくとも一部、が格納されており、
前記付加情報格納手段は、前記記録媒体に格納されているプログラムファイルを用いて編集された付加情報のデータを格納し、
前記提供手段は、前記記録媒体に格納されているプログラムファイルに対して付加情報のデータを提供し、ユーザ端末のウェブコンテンツ上に付加情報を表示させる
請求項3に記載の付加情報管理装置。
【請求項5】
付加情報と、この付加情報が貼り付けられたウェブコンテンツの属性情報とに基づいて、ユーザにサービスを提供するサービス提供手段
をさらに有する請求項1に記載の付加情報管理装置。
【請求項6】
コンピュータ端末に着脱自在な記録媒体であって、
ユーザを認証するためのユーザ認証情報と、
ウェブコンテンツ上に貼り付けられる付加情報を編集するための編集プログラムと、
前記付加情報をウェブコンテンツ上で表示するための閲覧プログラムと
を有する記録媒体。
【請求項7】
付加情報のデータを格納する記録領域
をさらに有し、
前記閲覧プログラムは、前記ユーザ認証情報が有効である場合に、外部から提供される付加情報のデータを用いて、付加情報を表示し、前記ユーザ認証情報の有効期間が経過した場合に、前記記録領域に格納された付加情報のデータを用いて、付加情報を表示する
請求項6に記載の記録媒体。
【請求項8】
ウェブコンテンツ上に貼り付けられた付加情報を管理する付加情報管理方法であって、
コンピュータ端末が、記録媒体に格納された編集プログラムを用いて、ウェブコンテンツ上に貼り付ける付加情報を、ユーザの指示に応じて編集するステップと、
サーバ端末が、前記コンピュータ端末によって編集された付加情報のデータを、これらのユーザに対応付けて格納するステップと、
サーバ端末が、ユーザから付加情報が要求された場合に、要求したユーザが属するグループを特定するステップと、
サーバ端末が、特定されたグループの各ユーザに対応付けられた付加情報のデータを抽出し、抽出された付加情報のデータを、要求したユーザのコンピュータ端末に提供するステップと
を有する付加情報管理方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2009−163349(P2009−163349A)
【公開日】平成21年7月23日(2009.7.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−340299(P2007−340299)
【出願日】平成19年12月28日(2007.12.28)
【出願人】(306012020)株式会社COM−ONE (2)
【出願人】(593197422)株式会社管理工学研究所 (6)
【Fターム(参考)】