代謝性症候群に対して適用するための特殊なデンプン食品を製造するための方法およびこれにより製造される生産物
【課題】穀類デンプン食物において見られる各非消化性デンプン(例えば、耐性デンプンおよびアミロース)の含有量を増大するための方法と、当該方法により製造された生産物に関し、特に、代謝性症候群を獲得したヒトに対して適用するための非消化性穀類食物の含有量を増大するための方法の提供。
【解決手段】デンプン型の全ての穀類成分を粉砕し、篩い分けされた粉末にし、30〜140℃の温度、およびダイ上での1mPa〜5mPaの混練圧力を含む一連の基準の設定で規則正しく加熱および加圧混練した後、プロダクト形状へと予備成形して、前記形成されたプレプロダクトを30℃〜70℃の温度基準の設定の下で間欠的に加熱して5%〜15%の含水率を有するプレプロダクトを製造する。更に、結合剤を加えて前記プレプロダクトと十分に混合して前記プレプロダクトの表面上にフィルムコートを形成して、その後乾燥させてプロダクトを製造する。
【解決手段】デンプン型の全ての穀類成分を粉砕し、篩い分けされた粉末にし、30〜140℃の温度、およびダイ上での1mPa〜5mPaの混練圧力を含む一連の基準の設定で規則正しく加熱および加圧混練した後、プロダクト形状へと予備成形して、前記形成されたプレプロダクトを30℃〜70℃の温度基準の設定の下で間欠的に加熱して5%〜15%の含水率を有するプレプロダクトを製造する。更に、結合剤を加えて前記プレプロダクトと十分に混合して前記プレプロダクトの表面上にフィルムコートを形成して、その後乾燥させてプロダクトを製造する。
【発明の詳細な説明】
【発明の概要】
【0001】
発明の詳細な説明
背景
本発明は穀類デンプン食品中に見出される非消化性デンプン(たとえば耐性デンプンおよびアミロース)のそれぞれの含有量を増加させるための方法および当該方法により製造される生産物に関し、および特に後天性代謝性症候群のヒトに対して適用するための非消化性デンプン食品の含有量を増加させるための方法に関する。
【0002】
従来技術
生活習慣病タイプの糖尿病の患者数は全世界において年々増加している。これは代謝異常により引き起こされ、その人数が近年増えている肥満者およびライフスタイルが身体活動を欠いたものに変化しているヒトに通常見出され、グルコースおよび脂質の代謝作用の異常により引き起こされる。これらの異常はしばしば見出される慢性疾患、たとえば生活習慣病タイプの糖尿病、高血圧症、冠状動脈性心臓病(CHD)等の発生に密接に関連する。例として、インスリン抵抗性および低いインスリン分泌にり患している主体が、炭水化物代謝の障害を有している場合、彼または彼女は、糖尿病に罹りやすい。糖尿病の進展の過程または糖尿病の初期段階における進展の過程の間中、血管系疾患などの幾つかの他の合併症が生じる可能性があり、これは、この主体の生活の質が甚だしく脅かされるためである。これらの代謝性疾患は、肥満、高血糖、高血圧および異脂肪血症などの慢性疾患に関する増大を誘導し、それらは代謝性症候群(metabolic syndrome)として集合的に知られている。
【0003】
代謝性症候群を罹患する個体は通常、同時にインスリン抵抗性に関連している。インスリン抵抗性は、肥満、異脂肪血症、高血圧、グルコース耐性疾患および代謝性症候群の根本的な原因と看做されている。インスリン抵抗性により引き起こされる代謝経路障害は、代謝性疾患により引き起こされる他の症候群、例えば、異脂肪血症、肥満、糖尿病、高血圧、グルコース耐性疾患および他の代謝性疾患を誘導するであろう。他の合併症、例えば、脳卒中(stroke)および心血管性疾患などが、通常同時に発生し得る。過去においては、肥満は不適当な割合の代謝性症候群の属性であるとするために使用されており、これは、肥満した者がインスリン抵抗性を有し易いためである。しかしながら、実際においては、肥満の標準に満たない体重インデックス(body mass index、BMI)を有する多少のヒトが、インスリン過剰症、インスリン抵抗性、II型糖尿病、痴呆、慢性心疾患などにり患している。従って、BMIの肥満標準に満たない個体も尚、代謝性症候群に罹患するであろう。
【0004】
文献により示される通り、20歳以上のヒト成人の3分の1または4分の1は、代謝性症候群を有し、その割合は増加を維持している。最近、台湾において、40歳以上のヒトにおける異なる年齢群の約30%〜65%がそのような代謝性症候群を有する。遺伝的な異常、胎児栄養不良および内臓肥満の全てが、代謝性症候群を引き起こすような炭水化物代謝障害およびインスリン抵抗性を誘導し得る。
【0005】
ヒト生体におけるグルコースは、ホルモンの調節を介して一定に維持される。低血糖症の場合においては、膵臓のα細胞がグルカゴンの分泌を促進する。他方において、高血糖の場合においては、膵臓のβ細胞がインスリンの分泌を促進する。高血糖の場合においては、肝臓への外因性のグルコースの吸収の後に、インスリンが、グリコーゲンの形態で貯蔵されるようにグリコーゲン分解を阻害するために機能する。そのように貯蔵されているグリコーゲンの量が、飽和濃度(肝臓重量の約5%)に達する場合には、過剰な外因性のグルコースは、インスリンの機能により肝臓における脂肪酸形成を継続し、それにより、それはリポタンパク質の形成で、肝臓外および血液循環に輸送される。循環中、リポタンパク質に含まれる脂肪酸は分解され、遊離脂肪酸が脂肪を含む他の組織および筋肉組織により利用されるように放出される。更に、これらの脂肪酸は、トリグリセリドを形成するために使用される。脂肪組織におけるトリグリセリドの分解は、インスリンの機能を介する脂肪開裂酵素によるトリグリセリドの加水分解を阻害することを介して阻害される。この機能の目的は、脂肪細胞へのグルコースの吸収である。同時に、これらの細胞におけるグルコースは、グリセロールに変換される。脂肪細胞におけるグリセロールは、肝臓から輸送された遊離脂肪酸と結合してトリグリセリドを形成する。上記の機序に基づいて、インスリンが、更に血中グルコースの減少することが知られており、これは脂質の代謝に密接に関連する。
【0006】
代謝性症候群は、グルコースおよび脂質に関する代謝障害の原因となり、例えば、異脂肪血症、肥満、糖尿病、インスリン抵抗性およびグルコース不耐性を誘導し、且つ多くの代謝性機構に影響を及ぼす。従って、疾患が誘導され、幾つかの慢性疾患、例えば、II型糖尿病および心血管系疾患が更に個体の健康を乱刺することを誘導する。医薬の使用に加えて、代謝性障害の予防および制御は、多くの文献により示されるように、食事習慣の変更または定期的な運動の実行により効果的に達成できる。
【0007】
II型糖尿病の抑制および制御における有効性が証明されている食物繊維に加えて、非消化性デンプンは、食物繊維と同様に健康管理機能を有する。所謂、非消化性繊維は、耐性デンプン(RS)およびアミロースを含み、これはその組成のためにデンプン型として貯蔵される。一般的なデンプンと比べて、アミロースは、構造において何れの分岐も持たず、従って、アミロースの加水分解速度が緩慢である。更に、その物理的構造および化学的特徴のために、アミロースは、非消化性デンプンと称される種類のデンプンであり、何故ならば、これは、ヒト生体の小腸における酵素(例えば、アミラーゼ)により分解されず、大腸における最近により発酵されるのみであるからである。そのような非消化性デンプンは、胃および小腸を通過して大腸に至り、次に、腸内フロラにより短鎖脂肪酸に発酵される。非消化性デンプンは、一般的に、アミロースを高含有量で含む。非消化および非吸収の特徴のために、非消化デンプンの生理学的な値および利点は、植物繊維のものと同じである。
【0008】
非消化性デンプンは、食物繊維と同じ特徴、例えば、グルコースの吸収率の減少、食事後の血中グルコース上昇率の低下、血清中の総コレステロール濃度およびトリグリセリド濃度の減少、消化不良の促進、排泄物の排泄量の増加、および短鎖脂肪酸の濃度の上昇などの特徴を有しているために、それらは、ヒト生体における遊離脂肪酸の含有量を減少できる。一方で、それらはまた、例えば、脂肪の酸化の促進、腸内pHの減少および低カロリーに関して幾つかの利点を有する。動物試験により示されるように、長時間に亘る非消化性デンプンの摂取は、インスリン感受性を改善し、血中のコレステロールおよびトリグリセリドの濃度を減少する。非消化性特性のために、非消化性デンプンは、代謝性症候群の予防および代謝性症候群を有する患者の治療のためのブルマトセラピー(bromatotherapy)として使用できる。
【0009】
非消化性デンプンは、処理方法により製造される。従って、本発明の1つの目的は、穀類食品を処理および製造するための方法であって、そこにおいて、非消化性デンプンの含有量が製造後に上昇し、食品の食味品質が保証されており、それにより代謝性症候群の予防および治療のために適用できる方法を提供することである。
【0010】
概要
1つの側面において、本発明による1つの方法は成分を粉砕し、その後80〜100メッシュにより篩い分けする配合物供給の工程を主に有する。続いて、加圧混練の工程を加熱しおよび次々と成分を加圧混練するために用いる。第2の工程により製造された半完成品をダイおよびブレードと同時に作動するラインの出口に送り、加圧混練工程における成形を行なう。成形されたプレプロダクトを乾燥工程において間欠的な加熱により乾燥させる。続いて、フィルムコート形成の工程において結合剤を加えて半完成品と十分に混合してプレプロダクトの表面上にフィルムコートを形成した後に乾燥させる。
【0011】
他の側面において、本発明の他の目的は、乾燥チャンバを含むいくつかのデバイスを用いる、フィルムコート形成工程を有する方法を提供することである。乾燥チャンバに接続された投入口を用いて混練形成したプレプロダクトを乾燥チャンバ内に送る。送風穴を乾燥チャンバの下部に位置させ、下方側から乾燥チャンバ内へと熱風を上方向に送風してプレプロダクトが乾燥チャンバ22内で上方向に浮動する。結合剤を放出するために1よりも多くのノズルを乾燥チャンバ周囲の適切な場所に位置させる。結合剤を乾燥チャンバ内でプレプロダクトと十分に混合してフィルムコートを形成する。乾燥チャンバ上方に位置する一連の出口を用いて熱風を送風して乾燥チャンバから完成生産物を送り出す。
【0012】
他の側面において、本発明の他の目的は、代謝性症候群を治療するために穀類食品を適用することができる非消化性デンプンを製造するための方法を提供する。生産物の組成は大粒米、オートムギ、トウモロコシ、オオムギ、ソバおよびコムギ胚芽を含む。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】図1は、本発明に従って穀類食品を製造するための方法を示すフローチャートである。
【図2】図2は、本発明に従ってフィルムコートを形成する方法を示すフローチャートである。
【図3A】図3Aは、本発明の生産物のヒト生体臨床試験に従う実験群(番号PPB−R−203)および対照群(番号TK9)により入手した、それぞれ1日目および2日目において得られる血清中のグルコース濃度の変化に関する試験結果を示す表である。
【図3B】図3Bは、本発明の生産物のヒト生体臨床試験に従う実験群(PPB−R−203)および対照群(TK9)により入手した、それぞれ第3日目および第4日目において得られたデータである、血漿中のグルコース濃度の変化に関する試験結果を示す表である。
【図4】図4は、図3Aおよび図3Bの曲線ダイアグラム。
【図5】図5Bは、本発明の生産物のヒト生体臨床試験に従う第1日目から第4日目における実験群(PPB−R−203)および対照群(TK9)の被験者それぞれの血漿中のグルコースの平均濃度を示す。
【図6A】図6Aは、本発明の生産物のヒト生体臨床試験に従う実験群(PPB−R−203)および対照群(TK9)のヒトからそれぞれ採取した血清中のインスリン濃度を4日間収集した結果のデータを示す。
【図6B】図6Bは、本発明の生産物のヒト生体臨床試験に従う実験群(PPB−R−203)および対照群(TK9)のヒトからそれぞれ採取した血清中のインスリン濃度を4日間収集した結果のデータを示す。
【図7A】図7Aは、本発明の生産物のヒト生体臨床試験に従って定期的にモニタリングすることにより得られた実験群(PPB−R−203−2)および対照群(TK9)の平均グルコース濃度における変化を示す曲線ダイアグラムである。
【図7B】図7Bは、図7Aに示す被験者についての食後のグルコース濃度における変化を示す棒グラフである。
【図8A】図8Aは、本発明の生産物のヒト生体臨床試験に従って被験者を定期的にモニタリングすることにより得られる平均グルコースにおける変化を示す曲線ダイアグラムである。
【図8B】図8Bは本発明の生産物PPB−R−203−3を食べた図8のヒトから得られたGI表である。
【0014】
発明の詳細な説明
本説明を本発明の1つの好ましい実施形態に従ってする。
【0015】
図1に示すように、大粒米、オートムギ、トウモロコシ、オオムギ、ソバ、およびコムギ胚芽を成分として用い、および以下のパラグラフに記載する段階により処理する。
【0016】
配合物供給の第1の工程:全ての成分を粉砕し、80〜100メッシュに篩い分ける。ミキサーを用いて成分の粉末をむらなく十分に混合し、成分を準備のために樽に入れる。
【0017】
加圧混練の第2の工程:第1の工程により製造された成分を、成分中40%〜50%の含水率、30〜140℃の温度、およびダイ上での1mPa〜5mPaの混練圧力を含む一連の基準の設定で複数の段階で規則正しく加熱および加圧混練する。この実施形態において、この工程は7つの段階に分けられて各段階は以下に示す独自の温度基準を有する:
85℃〜95℃の温度基準設定を有する第1の段階;
105℃〜115℃の温度設定基準を有する第2の段階;
110℃〜120℃の温度設定基準を有する第3の段階;
125℃〜135℃の温度設定基準を有する第4の段階;
130℃〜140℃の温度設定基準を有する第5の段階;
80℃〜90℃の温度設定基準を有する第6の段階;
35℃〜45℃の温度設定基準を有する第7の段階。
【0018】
当該段階の各1つの段階における加熱時間は1分〜5分に設定される。
【0019】
加圧形成の第3の工程:第2の工程により製造されたプレプロダクトを所望のプロダクト形状へと予備成形して、ブレードと同時に作動するプレスラインの出口に位置されたダイにより所望形状へ切断する。1つの実施形態において、切断−形成機能を実施するためのブレードの回転速度は20Hz〜35Hzである。このように製造した生産物は粒状である。しかしながら、切断機能を実施するためにブレードを5Hz〜20Hzの速度で操作する場合には、棒状形が得られるであろう。
【0020】
乾燥の第4の工程:形成されたプレプロダクトを30℃〜70℃の温度基準の設定の下で間欠的に加熱する。乾燥後、プレプロダクトは5%〜15%の含水率を有する。
【0021】
フィルムコート形成の第5工程:図2のフローチャートに示すように、題4の工程で形成されたプレプロダクト1を乾燥チャンバ22中に投入口21を通じて送る。乾燥チャンバ22は下部に送風穴を備える。熱風を乾燥チャンバ22に下方側から上方向に送風する。つまり、プレプロダクト1はチャンバ22内で上方向に浮動するであろう。加えて、結合剤をチャンバ22周囲に位置するノズル241、242、251および252を通じて放出する。従って、結合剤をプレプロダクト1と十分に混合させることができ、プレプロダクト1の表面にフィルムコートを形成することができる。送風穴23を通る熱風は、結合剤と混合されたプレプロダクトを乾燥チャンバ22のより高い側へと上方向に飛ばし、プレプロダクトは乾燥チャンバ22のより高い側にある放出口を通じてチャンバ22から送り出す。この工程により製造された生産物は15%〜20%の含水率を有するであろう。
【0022】
この実施形態の5つの段階に従って製造したデンプン食品をPPB−R−203として番号付けする。これは普通の米の形状を有し、米を炊く方法により調理することができる。第5の段階におけるダイおよび回転スピードを変化させると、生産物の外観の形状は棒状のような異なる形状となるであろうし、これはヌードルを調理する方法で調理されうる。
【0023】
上記した発明の実施形態の方法に従って製造した生産物PPB−R−203をMedicine and Industrial Hygiene Certification Laboratory of HWAYO TECH & LAB CO., LTD.により試験を行なうために送る。生産物の100グラムにおけるカロリーと栄養成分を示す試験レポートを表1に示す。
【表1】
【0024】
表1に示すように、この実施形態に従って製造された生産物は100グラムあたりのカロリーと栄養成分の点からみて普通の米と同様である。すなわち、この実施形態において製造された生産物は米と置き換えることができてヒトのカロリー源としての役目を果たす。
【0025】
加えて、PPB−R−203生産物の成分をここに含まれるアミロース(すなわち、非消化性デンプン)を測定するために試験する。結果を表2に示す。
【表2】
【0026】
PPB−R−203生産物をここに含まれるアミロース(すなわち、非消化性デンプン)を測定するために試験する。結果を表2に示す。
【表3】
【0027】
表3に示すように、この実施形態によって製造したPPB−R−203の生産物は27.45%のアミロース含有率を有する。表3に示す結果(この実施形態において用いられる成分についての試験結果)と比較して、もともとアミロースを含まないデンプンを、本発明の方法によりアミロースの高含有率を有する食品へと製造することができる。つまり、食品中の非消化性デンプンの含有率を実際に向上させる。
【0028】
本発明の方法に従って製造される生産物を代謝性症候群に適用することに関して、本発明の方法により製造されるPPB−R−203生産物を実験群として設定する一方でタイワン蒸し米(番号Tk9)を対照群として設定する。40例の健康なヒトを募集し、臨床試験「20例の糖尿病患者におけるTK9基礎食事に対するPPB-R-203基礎食事の効果および安全の評価試験(A Study to Evaluate the Efficacy and Safety of PPB-R-203-Based Meal Versus TK9-Based Meal in 20 Patients With Diabetes)」、番号NCT01065402(IRC01080520)を4日間の期間に亘り行なうために、血液グルコースの変化および血中インスリン変化を定期的に試験する研究対象として用意する。
【0029】
この試験において、40例の健康なヒトを無作為に2つの食事モジュールに分け、そこにおいて1つは実験群(番号PPB-R-203)であり、もう1つは、対照群(番号TK9)である。各モジュールを2日間に亘り維持し、全体で4日間試験される。標準メニューを被験者について使用し、食事から達成されるカロリーおよび3栄養素の各量は同じであることを確保する。食事の給仕時間は、各々7:00(朝食)、12:00(昼食)、17:00(夕食)および22:00(夜食)である。
【0030】
この場合において、血漿グルコース濃度(mg/dL)および血清インスリン濃度(μU/mL)を血中グルコースの調節についての試験インデックスとして使用する。サンプルは、夫々朝食前の時点30分および食事後の時点15、30、45、60、90、120および180分で採取する。昼食および夕食に対しては、サンプルは夫々、食事前時点30分および食事後の時点2時間で採取し、それにより1に当たりの試験インデックスの変化濃度を観察する。
【0031】
血清グルコース濃度の変化に関する結果については、第1日目と第2日目で達成されたデータを図3Aに示す。第3日目および第4日目についてのデータは図3Bに示す。図4は、図3Aおよび図3Bにおいて示された試験データを有するヒトについての血中グルコースの変化を示す曲線図を示す。この場合において、Y軸は、血中グルコース濃度を意味し、X軸は、試験が行われた時間を意味する。図5は、第1日目〜第5日目で試験された被験者の血清中のグルコース濃度を意味する。
【0032】
図5に示すように、第1日目〜第4日目での被験者の平均血清中グルコース濃度に関して、(本発明の方法に従って製造されたPPB-R-203生産物を摂取した)実験群のヒトにおいて見られた平均濃度は、明らかに対照群(番号TK9)のヒトにおいて見られた平均濃度よりも低く、これは朝食後の時点0.24hr〜1.5hrで試験された。食事後0.25hr、血清中のグルコース濃度は、123.58mg/dLから113.64 mg/dLに低下する。食事後の時点0.5hrで試験された血清中グルコース濃度は、夫々、75.73 mg/dLから80.53 mg/dL (昼食)に、73.54 mg/dLから81.18 mg/dL(夕食)に促進される。
【0033】
図3A、図3B、図4および図5に示されるように、本発明の方法に従い製造された生産物(PPB-R-203)を食した被検者は、食事後の血清中グルコース濃度がより低く、従って、彼らのグルコース耐性はより良好であることが示されることが分かる。各食事時間の間の期間では、本発明の生産物(PPB-R-203)を食した者は、食事前により高い血中グルコース濃度を有し、従って、これは、本発明の生産物は、ヒト生体における血液グルコースの吸収を緩和し、当該者が空の胃である時に一定の血液グルコースを維持することを示している。上記に基づき、本発明の産生物を食した者の生理学的機構が、ヒト試験の間に亘り影響を及ぼし、例えば、食事後のグルコースの吸収速度を緩和し、食事後の血液グルコースの上昇率をより低いものに低下することが証明される。
【0034】
図6Aに示されるように、第4日目に採取された結果データは、実験群(PPB-R-203)と対照群(TK9)のヒトから夫々得た血清中のインスリン濃度である。図6Bは、被検者のインスリン濃度の変化を示す曲線図を示し、ここにおいて、Y軸はインスリン濃度を意味し、X軸は試験が行われた時間を意味する。統計学に基づいて、実験群(本発明の方法に従って製造されたPPB-R-203生産物を食した)ヒトは、対照群(TK9)のヒトに比べて明らかに血清中のインスリン濃度がより低く、これは第1日目の朝食後の時点0.25hrおよび2hrで試験された(p < 0.05)食事後の時点0.25hrでのインスリン濃度は、75.97μU/mLから44.67μU/mLに低下する。他の試験項目において、実験群(PPB-R-203)のヒトの血清中インスリン濃度は、対照群(TK9)の値よりも低い傾向がある。
【0035】
ヒト生体における血液グルコース濃度が低下している、または血液グルコースに対するインスリン感受性が促進されている場合、ヒト生体により要求されるインスリンの量は減少する。従って、インスリンの分泌量は、血中インスリン濃度をより低下させるように減少するであろう。そのため、図6Aおよび図6Bに示される結果に基づき、本発明の生産物(PPB-R-203)を食した者は、その者の生体においてより低いインスリン濃度を有し、これは被験者のインスリン分泌量がより低いことを示す。上記のことに基づき、本発明に従い製造された生産物は、ヒト試験に証明されたように、実際に、生理学的機構に影響を与え、それは、血液グルコースに対するインスリン感受性を増加し、それと共に生体におけるインスリン分泌を低下する。
【0036】
本発明の他の態様に従って製造された生産物番号PPB-R-203-2は、棒状の形態を有する。それぞれ3つの食事時間でPPB-R-203-2生産物を食するヒトは、実験群において募られ、市場において入手可能なヌードルを食する他のヒトは対照群において募られる。試験対象として勤めた24例の糖尿病患者あり、各被験者の血液グルコースの変化は、2日間に亘り定期的に測定され、それにより臨床試験「糖尿患者における商業的に入手可能な湿潤ヌードルに対するPPB-R-203-02基礎ヌードルの血液グルコース調節および安全の評価試験(A Study to Evaluate the Blood Glucose Regulation and Safety of PPB-R-203-02 Based Noodle Versus Commercially Available Wet Noodle in Patients With Diabetes)」、番号NCT01102452(IRC01100118)を行う。
【0037】
試験結果を図7Aに示し、これは、ザ・メドトロニック・ニミメドCGMSデバイス(the Medtronic MiniMed CGMS device)による2日間連続した定期的にモニタシングにおける被験者(実験群および対照群を含む)の平均血液グルコース濃度における変化を示す曲線図である。図7Bは、棒グラフであり、図7Aにおいて示した被験者についての食後の血液グルコース濃度における変化を示す。試験結果により示されるように、対照群と比較して、PPB-R-203-2の生産物を食した実験群のヒトは、血液グルコース濃度を調節することに関して長期間の効果を達成し、これにより、糖尿病患者は、食事後により低い血液グルコース濃度を維持し、血液グルコースにおける変化の全範囲をより低くすることが可能になる。
【0038】
本発明のもう一つの態様に従って製造された生産物番号PPB-R-203-3は、クッキーと同様の板状の形態を有する。8例の健康な成人を臨床試験「健康な非糖尿病成人における5種類のPPB-R-203-03クラッカーの血糖症応答を評価するための比較試験の報告書(The Report of A Comparative Study to Evaluate the Glycemic Response of Five Kinds of PPB-R-203-03 Crackers in Healthy Non-diabetic Adults)」、番号IRC01090928、を実施する試験対照として用意する。経口グルコース耐性試験が実験方法として使用される。即ち、被験者の血液グルコース反応を、被験者が生産物PPB-R-203-3が食した後の時点2hrと、被験者が50gのグルコースを食した後の時点2hrで試験し、それによって被験者の血糖症インデックス(glycemic index、GI)を測定し、これは、図8AのGI曲線図に示した通りの結果を示す。GIが低ければ低い程、血液グルコースの反応もより低い。図8Bは、本発明の生産物PPB-R-203-3を食したヒトにより達成されたGIテーブルであり、37.5の平均値を示す。従って、本発明の生産物の摂食により引き起こされる血液グルコース反応は、非常に低く、代謝性症候群の制御における効果を達成することが可能である。生産物分析および上記のヒト臨床試験から得られた結果に基づいて、本来的に如何なる非消化性デンプン、例えば、アミロースなども含んではいない穀類が、本発明の方法によって製造された生産物に従う、アミロースを高含有量で有する食品に製造することが可能である。従って、食品における非消化性デンプンの含有量が実際に上昇する。更に、本発明の態様、各番号NCT01065402 (IRC01080520)、NCT01102452(IRC01100118)およびIRC01090928の臨床試験において得られた結果に基づくと、本発明に従って製造された生産物は、ヒト生体による炭水化物の吸収、食後のグルコース吸収率および食事後の血液グルコースの上昇率を緩和すること、それと共に、空の胃での血液グルコースの濃度(consistency)を改善することが確認されるであろう。更に、健康なヒトの試験により、当該生産物が、インスリン感受性を促進し、インスリンの分泌領を減少できる生理学的機構に影響を及ぼすことが証明される。従って、本発明に従って製造された生産物は、将来において糖尿病の予防および糖尿病の治療のための食事療法のために適用でき、それにより、血液グルコースを調節して、代謝性症候群の患者に対して利益をより効率的に寄与できる。
【発明の概要】
【0001】
発明の詳細な説明
背景
本発明は穀類デンプン食品中に見出される非消化性デンプン(たとえば耐性デンプンおよびアミロース)のそれぞれの含有量を増加させるための方法および当該方法により製造される生産物に関し、および特に後天性代謝性症候群のヒトに対して適用するための非消化性デンプン食品の含有量を増加させるための方法に関する。
【0002】
従来技術
生活習慣病タイプの糖尿病の患者数は全世界において年々増加している。これは代謝異常により引き起こされ、その人数が近年増えている肥満者およびライフスタイルが身体活動を欠いたものに変化しているヒトに通常見出され、グルコースおよび脂質の代謝作用の異常により引き起こされる。これらの異常はしばしば見出される慢性疾患、たとえば生活習慣病タイプの糖尿病、高血圧症、冠状動脈性心臓病(CHD)等の発生に密接に関連する。例として、インスリン抵抗性および低いインスリン分泌にり患している主体が、炭水化物代謝の障害を有している場合、彼または彼女は、糖尿病に罹りやすい。糖尿病の進展の過程または糖尿病の初期段階における進展の過程の間中、血管系疾患などの幾つかの他の合併症が生じる可能性があり、これは、この主体の生活の質が甚だしく脅かされるためである。これらの代謝性疾患は、肥満、高血糖、高血圧および異脂肪血症などの慢性疾患に関する増大を誘導し、それらは代謝性症候群(metabolic syndrome)として集合的に知られている。
【0003】
代謝性症候群を罹患する個体は通常、同時にインスリン抵抗性に関連している。インスリン抵抗性は、肥満、異脂肪血症、高血圧、グルコース耐性疾患および代謝性症候群の根本的な原因と看做されている。インスリン抵抗性により引き起こされる代謝経路障害は、代謝性疾患により引き起こされる他の症候群、例えば、異脂肪血症、肥満、糖尿病、高血圧、グルコース耐性疾患および他の代謝性疾患を誘導するであろう。他の合併症、例えば、脳卒中(stroke)および心血管性疾患などが、通常同時に発生し得る。過去においては、肥満は不適当な割合の代謝性症候群の属性であるとするために使用されており、これは、肥満した者がインスリン抵抗性を有し易いためである。しかしながら、実際においては、肥満の標準に満たない体重インデックス(body mass index、BMI)を有する多少のヒトが、インスリン過剰症、インスリン抵抗性、II型糖尿病、痴呆、慢性心疾患などにり患している。従って、BMIの肥満標準に満たない個体も尚、代謝性症候群に罹患するであろう。
【0004】
文献により示される通り、20歳以上のヒト成人の3分の1または4分の1は、代謝性症候群を有し、その割合は増加を維持している。最近、台湾において、40歳以上のヒトにおける異なる年齢群の約30%〜65%がそのような代謝性症候群を有する。遺伝的な異常、胎児栄養不良および内臓肥満の全てが、代謝性症候群を引き起こすような炭水化物代謝障害およびインスリン抵抗性を誘導し得る。
【0005】
ヒト生体におけるグルコースは、ホルモンの調節を介して一定に維持される。低血糖症の場合においては、膵臓のα細胞がグルカゴンの分泌を促進する。他方において、高血糖の場合においては、膵臓のβ細胞がインスリンの分泌を促進する。高血糖の場合においては、肝臓への外因性のグルコースの吸収の後に、インスリンが、グリコーゲンの形態で貯蔵されるようにグリコーゲン分解を阻害するために機能する。そのように貯蔵されているグリコーゲンの量が、飽和濃度(肝臓重量の約5%)に達する場合には、過剰な外因性のグルコースは、インスリンの機能により肝臓における脂肪酸形成を継続し、それにより、それはリポタンパク質の形成で、肝臓外および血液循環に輸送される。循環中、リポタンパク質に含まれる脂肪酸は分解され、遊離脂肪酸が脂肪を含む他の組織および筋肉組織により利用されるように放出される。更に、これらの脂肪酸は、トリグリセリドを形成するために使用される。脂肪組織におけるトリグリセリドの分解は、インスリンの機能を介する脂肪開裂酵素によるトリグリセリドの加水分解を阻害することを介して阻害される。この機能の目的は、脂肪細胞へのグルコースの吸収である。同時に、これらの細胞におけるグルコースは、グリセロールに変換される。脂肪細胞におけるグリセロールは、肝臓から輸送された遊離脂肪酸と結合してトリグリセリドを形成する。上記の機序に基づいて、インスリンが、更に血中グルコースの減少することが知られており、これは脂質の代謝に密接に関連する。
【0006】
代謝性症候群は、グルコースおよび脂質に関する代謝障害の原因となり、例えば、異脂肪血症、肥満、糖尿病、インスリン抵抗性およびグルコース不耐性を誘導し、且つ多くの代謝性機構に影響を及ぼす。従って、疾患が誘導され、幾つかの慢性疾患、例えば、II型糖尿病および心血管系疾患が更に個体の健康を乱刺することを誘導する。医薬の使用に加えて、代謝性障害の予防および制御は、多くの文献により示されるように、食事習慣の変更または定期的な運動の実行により効果的に達成できる。
【0007】
II型糖尿病の抑制および制御における有効性が証明されている食物繊維に加えて、非消化性デンプンは、食物繊維と同様に健康管理機能を有する。所謂、非消化性繊維は、耐性デンプン(RS)およびアミロースを含み、これはその組成のためにデンプン型として貯蔵される。一般的なデンプンと比べて、アミロースは、構造において何れの分岐も持たず、従って、アミロースの加水分解速度が緩慢である。更に、その物理的構造および化学的特徴のために、アミロースは、非消化性デンプンと称される種類のデンプンであり、何故ならば、これは、ヒト生体の小腸における酵素(例えば、アミラーゼ)により分解されず、大腸における最近により発酵されるのみであるからである。そのような非消化性デンプンは、胃および小腸を通過して大腸に至り、次に、腸内フロラにより短鎖脂肪酸に発酵される。非消化性デンプンは、一般的に、アミロースを高含有量で含む。非消化および非吸収の特徴のために、非消化デンプンの生理学的な値および利点は、植物繊維のものと同じである。
【0008】
非消化性デンプンは、食物繊維と同じ特徴、例えば、グルコースの吸収率の減少、食事後の血中グルコース上昇率の低下、血清中の総コレステロール濃度およびトリグリセリド濃度の減少、消化不良の促進、排泄物の排泄量の増加、および短鎖脂肪酸の濃度の上昇などの特徴を有しているために、それらは、ヒト生体における遊離脂肪酸の含有量を減少できる。一方で、それらはまた、例えば、脂肪の酸化の促進、腸内pHの減少および低カロリーに関して幾つかの利点を有する。動物試験により示されるように、長時間に亘る非消化性デンプンの摂取は、インスリン感受性を改善し、血中のコレステロールおよびトリグリセリドの濃度を減少する。非消化性特性のために、非消化性デンプンは、代謝性症候群の予防および代謝性症候群を有する患者の治療のためのブルマトセラピー(bromatotherapy)として使用できる。
【0009】
非消化性デンプンは、処理方法により製造される。従って、本発明の1つの目的は、穀類食品を処理および製造するための方法であって、そこにおいて、非消化性デンプンの含有量が製造後に上昇し、食品の食味品質が保証されており、それにより代謝性症候群の予防および治療のために適用できる方法を提供することである。
【0010】
概要
1つの側面において、本発明による1つの方法は成分を粉砕し、その後80〜100メッシュにより篩い分けする配合物供給の工程を主に有する。続いて、加圧混練の工程を加熱しおよび次々と成分を加圧混練するために用いる。第2の工程により製造された半完成品をダイおよびブレードと同時に作動するラインの出口に送り、加圧混練工程における成形を行なう。成形されたプレプロダクトを乾燥工程において間欠的な加熱により乾燥させる。続いて、フィルムコート形成の工程において結合剤を加えて半完成品と十分に混合してプレプロダクトの表面上にフィルムコートを形成した後に乾燥させる。
【0011】
他の側面において、本発明の他の目的は、乾燥チャンバを含むいくつかのデバイスを用いる、フィルムコート形成工程を有する方法を提供することである。乾燥チャンバに接続された投入口を用いて混練形成したプレプロダクトを乾燥チャンバ内に送る。送風穴を乾燥チャンバの下部に位置させ、下方側から乾燥チャンバ内へと熱風を上方向に送風してプレプロダクトが乾燥チャンバ22内で上方向に浮動する。結合剤を放出するために1よりも多くのノズルを乾燥チャンバ周囲の適切な場所に位置させる。結合剤を乾燥チャンバ内でプレプロダクトと十分に混合してフィルムコートを形成する。乾燥チャンバ上方に位置する一連の出口を用いて熱風を送風して乾燥チャンバから完成生産物を送り出す。
【0012】
他の側面において、本発明の他の目的は、代謝性症候群を治療するために穀類食品を適用することができる非消化性デンプンを製造するための方法を提供する。生産物の組成は大粒米、オートムギ、トウモロコシ、オオムギ、ソバおよびコムギ胚芽を含む。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】図1は、本発明に従って穀類食品を製造するための方法を示すフローチャートである。
【図2】図2は、本発明に従ってフィルムコートを形成する方法を示すフローチャートである。
【図3A】図3Aは、本発明の生産物のヒト生体臨床試験に従う実験群(番号PPB−R−203)および対照群(番号TK9)により入手した、それぞれ1日目および2日目において得られる血清中のグルコース濃度の変化に関する試験結果を示す表である。
【図3B】図3Bは、本発明の生産物のヒト生体臨床試験に従う実験群(PPB−R−203)および対照群(TK9)により入手した、それぞれ第3日目および第4日目において得られたデータである、血漿中のグルコース濃度の変化に関する試験結果を示す表である。
【図4】図4は、図3Aおよび図3Bの曲線ダイアグラム。
【図5】図5Bは、本発明の生産物のヒト生体臨床試験に従う第1日目から第4日目における実験群(PPB−R−203)および対照群(TK9)の被験者それぞれの血漿中のグルコースの平均濃度を示す。
【図6A】図6Aは、本発明の生産物のヒト生体臨床試験に従う実験群(PPB−R−203)および対照群(TK9)のヒトからそれぞれ採取した血清中のインスリン濃度を4日間収集した結果のデータを示す。
【図6B】図6Bは、本発明の生産物のヒト生体臨床試験に従う実験群(PPB−R−203)および対照群(TK9)のヒトからそれぞれ採取した血清中のインスリン濃度を4日間収集した結果のデータを示す。
【図7A】図7Aは、本発明の生産物のヒト生体臨床試験に従って定期的にモニタリングすることにより得られた実験群(PPB−R−203−2)および対照群(TK9)の平均グルコース濃度における変化を示す曲線ダイアグラムである。
【図7B】図7Bは、図7Aに示す被験者についての食後のグルコース濃度における変化を示す棒グラフである。
【図8A】図8Aは、本発明の生産物のヒト生体臨床試験に従って被験者を定期的にモニタリングすることにより得られる平均グルコースにおける変化を示す曲線ダイアグラムである。
【図8B】図8Bは本発明の生産物PPB−R−203−3を食べた図8のヒトから得られたGI表である。
【0014】
発明の詳細な説明
本説明を本発明の1つの好ましい実施形態に従ってする。
【0015】
図1に示すように、大粒米、オートムギ、トウモロコシ、オオムギ、ソバ、およびコムギ胚芽を成分として用い、および以下のパラグラフに記載する段階により処理する。
【0016】
配合物供給の第1の工程:全ての成分を粉砕し、80〜100メッシュに篩い分ける。ミキサーを用いて成分の粉末をむらなく十分に混合し、成分を準備のために樽に入れる。
【0017】
加圧混練の第2の工程:第1の工程により製造された成分を、成分中40%〜50%の含水率、30〜140℃の温度、およびダイ上での1mPa〜5mPaの混練圧力を含む一連の基準の設定で複数の段階で規則正しく加熱および加圧混練する。この実施形態において、この工程は7つの段階に分けられて各段階は以下に示す独自の温度基準を有する:
85℃〜95℃の温度基準設定を有する第1の段階;
105℃〜115℃の温度設定基準を有する第2の段階;
110℃〜120℃の温度設定基準を有する第3の段階;
125℃〜135℃の温度設定基準を有する第4の段階;
130℃〜140℃の温度設定基準を有する第5の段階;
80℃〜90℃の温度設定基準を有する第6の段階;
35℃〜45℃の温度設定基準を有する第7の段階。
【0018】
当該段階の各1つの段階における加熱時間は1分〜5分に設定される。
【0019】
加圧形成の第3の工程:第2の工程により製造されたプレプロダクトを所望のプロダクト形状へと予備成形して、ブレードと同時に作動するプレスラインの出口に位置されたダイにより所望形状へ切断する。1つの実施形態において、切断−形成機能を実施するためのブレードの回転速度は20Hz〜35Hzである。このように製造した生産物は粒状である。しかしながら、切断機能を実施するためにブレードを5Hz〜20Hzの速度で操作する場合には、棒状形が得られるであろう。
【0020】
乾燥の第4の工程:形成されたプレプロダクトを30℃〜70℃の温度基準の設定の下で間欠的に加熱する。乾燥後、プレプロダクトは5%〜15%の含水率を有する。
【0021】
フィルムコート形成の第5工程:図2のフローチャートに示すように、題4の工程で形成されたプレプロダクト1を乾燥チャンバ22中に投入口21を通じて送る。乾燥チャンバ22は下部に送風穴を備える。熱風を乾燥チャンバ22に下方側から上方向に送風する。つまり、プレプロダクト1はチャンバ22内で上方向に浮動するであろう。加えて、結合剤をチャンバ22周囲に位置するノズル241、242、251および252を通じて放出する。従って、結合剤をプレプロダクト1と十分に混合させることができ、プレプロダクト1の表面にフィルムコートを形成することができる。送風穴23を通る熱風は、結合剤と混合されたプレプロダクトを乾燥チャンバ22のより高い側へと上方向に飛ばし、プレプロダクトは乾燥チャンバ22のより高い側にある放出口を通じてチャンバ22から送り出す。この工程により製造された生産物は15%〜20%の含水率を有するであろう。
【0022】
この実施形態の5つの段階に従って製造したデンプン食品をPPB−R−203として番号付けする。これは普通の米の形状を有し、米を炊く方法により調理することができる。第5の段階におけるダイおよび回転スピードを変化させると、生産物の外観の形状は棒状のような異なる形状となるであろうし、これはヌードルを調理する方法で調理されうる。
【0023】
上記した発明の実施形態の方法に従って製造した生産物PPB−R−203をMedicine and Industrial Hygiene Certification Laboratory of HWAYO TECH & LAB CO., LTD.により試験を行なうために送る。生産物の100グラムにおけるカロリーと栄養成分を示す試験レポートを表1に示す。
【表1】
【0024】
表1に示すように、この実施形態に従って製造された生産物は100グラムあたりのカロリーと栄養成分の点からみて普通の米と同様である。すなわち、この実施形態において製造された生産物は米と置き換えることができてヒトのカロリー源としての役目を果たす。
【0025】
加えて、PPB−R−203生産物の成分をここに含まれるアミロース(すなわち、非消化性デンプン)を測定するために試験する。結果を表2に示す。
【表2】
【0026】
PPB−R−203生産物をここに含まれるアミロース(すなわち、非消化性デンプン)を測定するために試験する。結果を表2に示す。
【表3】
【0027】
表3に示すように、この実施形態によって製造したPPB−R−203の生産物は27.45%のアミロース含有率を有する。表3に示す結果(この実施形態において用いられる成分についての試験結果)と比較して、もともとアミロースを含まないデンプンを、本発明の方法によりアミロースの高含有率を有する食品へと製造することができる。つまり、食品中の非消化性デンプンの含有率を実際に向上させる。
【0028】
本発明の方法に従って製造される生産物を代謝性症候群に適用することに関して、本発明の方法により製造されるPPB−R−203生産物を実験群として設定する一方でタイワン蒸し米(番号Tk9)を対照群として設定する。40例の健康なヒトを募集し、臨床試験「20例の糖尿病患者におけるTK9基礎食事に対するPPB-R-203基礎食事の効果および安全の評価試験(A Study to Evaluate the Efficacy and Safety of PPB-R-203-Based Meal Versus TK9-Based Meal in 20 Patients With Diabetes)」、番号NCT01065402(IRC01080520)を4日間の期間に亘り行なうために、血液グルコースの変化および血中インスリン変化を定期的に試験する研究対象として用意する。
【0029】
この試験において、40例の健康なヒトを無作為に2つの食事モジュールに分け、そこにおいて1つは実験群(番号PPB-R-203)であり、もう1つは、対照群(番号TK9)である。各モジュールを2日間に亘り維持し、全体で4日間試験される。標準メニューを被験者について使用し、食事から達成されるカロリーおよび3栄養素の各量は同じであることを確保する。食事の給仕時間は、各々7:00(朝食)、12:00(昼食)、17:00(夕食)および22:00(夜食)である。
【0030】
この場合において、血漿グルコース濃度(mg/dL)および血清インスリン濃度(μU/mL)を血中グルコースの調節についての試験インデックスとして使用する。サンプルは、夫々朝食前の時点30分および食事後の時点15、30、45、60、90、120および180分で採取する。昼食および夕食に対しては、サンプルは夫々、食事前時点30分および食事後の時点2時間で採取し、それにより1に当たりの試験インデックスの変化濃度を観察する。
【0031】
血清グルコース濃度の変化に関する結果については、第1日目と第2日目で達成されたデータを図3Aに示す。第3日目および第4日目についてのデータは図3Bに示す。図4は、図3Aおよび図3Bにおいて示された試験データを有するヒトについての血中グルコースの変化を示す曲線図を示す。この場合において、Y軸は、血中グルコース濃度を意味し、X軸は、試験が行われた時間を意味する。図5は、第1日目〜第5日目で試験された被験者の血清中のグルコース濃度を意味する。
【0032】
図5に示すように、第1日目〜第4日目での被験者の平均血清中グルコース濃度に関して、(本発明の方法に従って製造されたPPB-R-203生産物を摂取した)実験群のヒトにおいて見られた平均濃度は、明らかに対照群(番号TK9)のヒトにおいて見られた平均濃度よりも低く、これは朝食後の時点0.24hr〜1.5hrで試験された。食事後0.25hr、血清中のグルコース濃度は、123.58mg/dLから113.64 mg/dLに低下する。食事後の時点0.5hrで試験された血清中グルコース濃度は、夫々、75.73 mg/dLから80.53 mg/dL (昼食)に、73.54 mg/dLから81.18 mg/dL(夕食)に促進される。
【0033】
図3A、図3B、図4および図5に示されるように、本発明の方法に従い製造された生産物(PPB-R-203)を食した被検者は、食事後の血清中グルコース濃度がより低く、従って、彼らのグルコース耐性はより良好であることが示されることが分かる。各食事時間の間の期間では、本発明の生産物(PPB-R-203)を食した者は、食事前により高い血中グルコース濃度を有し、従って、これは、本発明の生産物は、ヒト生体における血液グルコースの吸収を緩和し、当該者が空の胃である時に一定の血液グルコースを維持することを示している。上記に基づき、本発明の産生物を食した者の生理学的機構が、ヒト試験の間に亘り影響を及ぼし、例えば、食事後のグルコースの吸収速度を緩和し、食事後の血液グルコースの上昇率をより低いものに低下することが証明される。
【0034】
図6Aに示されるように、第4日目に採取された結果データは、実験群(PPB-R-203)と対照群(TK9)のヒトから夫々得た血清中のインスリン濃度である。図6Bは、被検者のインスリン濃度の変化を示す曲線図を示し、ここにおいて、Y軸はインスリン濃度を意味し、X軸は試験が行われた時間を意味する。統計学に基づいて、実験群(本発明の方法に従って製造されたPPB-R-203生産物を食した)ヒトは、対照群(TK9)のヒトに比べて明らかに血清中のインスリン濃度がより低く、これは第1日目の朝食後の時点0.25hrおよび2hrで試験された(p < 0.05)食事後の時点0.25hrでのインスリン濃度は、75.97μU/mLから44.67μU/mLに低下する。他の試験項目において、実験群(PPB-R-203)のヒトの血清中インスリン濃度は、対照群(TK9)の値よりも低い傾向がある。
【0035】
ヒト生体における血液グルコース濃度が低下している、または血液グルコースに対するインスリン感受性が促進されている場合、ヒト生体により要求されるインスリンの量は減少する。従って、インスリンの分泌量は、血中インスリン濃度をより低下させるように減少するであろう。そのため、図6Aおよび図6Bに示される結果に基づき、本発明の生産物(PPB-R-203)を食した者は、その者の生体においてより低いインスリン濃度を有し、これは被験者のインスリン分泌量がより低いことを示す。上記のことに基づき、本発明に従い製造された生産物は、ヒト試験に証明されたように、実際に、生理学的機構に影響を与え、それは、血液グルコースに対するインスリン感受性を増加し、それと共に生体におけるインスリン分泌を低下する。
【0036】
本発明の他の態様に従って製造された生産物番号PPB-R-203-2は、棒状の形態を有する。それぞれ3つの食事時間でPPB-R-203-2生産物を食するヒトは、実験群において募られ、市場において入手可能なヌードルを食する他のヒトは対照群において募られる。試験対象として勤めた24例の糖尿病患者あり、各被験者の血液グルコースの変化は、2日間に亘り定期的に測定され、それにより臨床試験「糖尿患者における商業的に入手可能な湿潤ヌードルに対するPPB-R-203-02基礎ヌードルの血液グルコース調節および安全の評価試験(A Study to Evaluate the Blood Glucose Regulation and Safety of PPB-R-203-02 Based Noodle Versus Commercially Available Wet Noodle in Patients With Diabetes)」、番号NCT01102452(IRC01100118)を行う。
【0037】
試験結果を図7Aに示し、これは、ザ・メドトロニック・ニミメドCGMSデバイス(the Medtronic MiniMed CGMS device)による2日間連続した定期的にモニタシングにおける被験者(実験群および対照群を含む)の平均血液グルコース濃度における変化を示す曲線図である。図7Bは、棒グラフであり、図7Aにおいて示した被験者についての食後の血液グルコース濃度における変化を示す。試験結果により示されるように、対照群と比較して、PPB-R-203-2の生産物を食した実験群のヒトは、血液グルコース濃度を調節することに関して長期間の効果を達成し、これにより、糖尿病患者は、食事後により低い血液グルコース濃度を維持し、血液グルコースにおける変化の全範囲をより低くすることが可能になる。
【0038】
本発明のもう一つの態様に従って製造された生産物番号PPB-R-203-3は、クッキーと同様の板状の形態を有する。8例の健康な成人を臨床試験「健康な非糖尿病成人における5種類のPPB-R-203-03クラッカーの血糖症応答を評価するための比較試験の報告書(The Report of A Comparative Study to Evaluate the Glycemic Response of Five Kinds of PPB-R-203-03 Crackers in Healthy Non-diabetic Adults)」、番号IRC01090928、を実施する試験対照として用意する。経口グルコース耐性試験が実験方法として使用される。即ち、被験者の血液グルコース反応を、被験者が生産物PPB-R-203-3が食した後の時点2hrと、被験者が50gのグルコースを食した後の時点2hrで試験し、それによって被験者の血糖症インデックス(glycemic index、GI)を測定し、これは、図8AのGI曲線図に示した通りの結果を示す。GIが低ければ低い程、血液グルコースの反応もより低い。図8Bは、本発明の生産物PPB-R-203-3を食したヒトにより達成されたGIテーブルであり、37.5の平均値を示す。従って、本発明の生産物の摂食により引き起こされる血液グルコース反応は、非常に低く、代謝性症候群の制御における効果を達成することが可能である。生産物分析および上記のヒト臨床試験から得られた結果に基づいて、本来的に如何なる非消化性デンプン、例えば、アミロースなども含んではいない穀類が、本発明の方法によって製造された生産物に従う、アミロースを高含有量で有する食品に製造することが可能である。従って、食品における非消化性デンプンの含有量が実際に上昇する。更に、本発明の態様、各番号NCT01065402 (IRC01080520)、NCT01102452(IRC01100118)およびIRC01090928の臨床試験において得られた結果に基づくと、本発明に従って製造された生産物は、ヒト生体による炭水化物の吸収、食後のグルコース吸収率および食事後の血液グルコースの上昇率を緩和すること、それと共に、空の胃での血液グルコースの濃度(consistency)を改善することが確認されるであろう。更に、健康なヒトの試験により、当該生産物が、インスリン感受性を促進し、インスリンの分泌領を減少できる生理学的機構に影響を及ぼすことが証明される。従って、本発明に従って製造された生産物は、将来において糖尿病の予防および糖尿病の治療のための食事療法のために適用でき、それにより、血液グルコースを調節して、代謝性症候群の患者に対して利益をより効率的に寄与できる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
代謝性症候群に対して適用するための特殊なデンプン食品を製造するための方法であって、
デンプン型の全ての穀類成分を粉砕し、80〜100メッシュにより篩い分けされた粉末にし、準備のために十分に混合する、配合物供給の第1の工程と、
前記第1の工程により製造された前記成分を、成分中30%〜50%の含水率、30〜140℃の温度、およびダイ上での1mPa〜5mPaの混練圧力を含む一連の基準の設定で規則正しく加熱および加圧混練する、加圧混練の第2の工程と、
前記第2の工程により製造されたプレプロダクトを所望のプロダクト形状へと予備成形して、その後ブレードと同時に作動するプレスラインの出口に位置されたダイにより所望形状へ切断する、予備形成の第3の工程と、
前記形成されたプレプロダクトを30℃〜70℃の温度基準の設定の下で間欠的に加熱して5%〜15%の含水率を有するプレプロダクトを製造する、乾燥の第4の工程と、
結合剤を加えて前記第4の工程において製造された前記プレプロダクトと十分に混合して前記プレプロダクトの表面上にフィルムコートを形成して、その後乾燥させてプロダクトを製造する、フィルムコート形成の第5の工程と、
を含み;
ここで、このように製造された前記プロダクトは15%〜20%の含水率を有する方法。
【請求項2】
前記加圧混練工程は:
85℃〜95℃の温度基準設定を有する第1の段階;
105℃〜115℃の温度設定基準を有する第2の段階;
110℃〜120℃の温度設定基準を有する第3の段階;
125℃〜135℃の温度設定基準を有する第4の段階;
130℃〜140℃の温度設定基準を有する第5の段階;
80℃〜90℃の温度設定基準を有する第6の段階;
35℃〜45℃の温度設定基準を有する第7の段階;
を含み、および
ここで、当該段階の各1つの段階における加熱時間は1分〜5分に設定される、
請求項1に記載の代謝性症候群に対して適用するための特殊なデンプン食品を製造するための方法。
【請求項3】
前記フィルムコート形成の工程において用いられるデバイスは
乾燥チャンバ;
前記プレプロダクトを前記乾燥チャンバ内に送るための前記乾燥チャンバと接続された投入口;
下方側から前記乾燥チャンバ内へと熱風を上方向に送風するための前記乾燥チャンバの下部に位置する送風穴;
結合剤を放出して前記乾燥チャンバ内で前記プレプロダクトと十分に混合するための前記乾燥チャンバ周囲の適切な場所に位置する1よりも多くのノズル、および
前記乾燥チャンバ外へ前記プロダクトを送るために前記乾燥チャンバ上方に位置する出口穴
を備える請求項1に記載の代謝性症候群に対して適用するための特殊なデンプン食品を製造するための方法。
【請求項4】
前記フィルムコート形成工程が:
前記乾燥の第4の工程において製造された前記プレプロダクトを前記乾燥チャンバ内に送り、前記熱風を下方側から前記乾燥チャンバ内に上方向に吹き込み、その結果前記プレプロダクトが前記乾燥チャンバ内で上方向に浮動する、第1の工程;
前記プレプロダクトと十分に混合させて前記フィルムコートを形成するために前記結合剤を放出する、第2の工程;
その上に形成された前記フィルムコートを有する前記プロダクトを熱風により前記乾燥チャンバから送り出す、第3の工程
を含む請求項3に記載の代謝性症候群に対して適用するための特殊なデンプン食品を製造するための方法。
【請求項5】
20重量%〜60重量%の大粒米;
5重量%〜30重量%のオートムギ;
10重量%〜40重量%のトウモロコシ;
10重量%〜30重量%のオオムギ;
10重量%〜30重量%のコムギ;および
5重量%〜15重量%のソバ
を含む組成物を有する請求項1の方法に従って製造された代謝性症候群に対して適用するための特殊なデンプン食品。
【請求項1】
代謝性症候群に対して適用するための特殊なデンプン食品を製造するための方法であって、
デンプン型の全ての穀類成分を粉砕し、80〜100メッシュにより篩い分けされた粉末にし、準備のために十分に混合する、配合物供給の第1の工程と、
前記第1の工程により製造された前記成分を、成分中30%〜50%の含水率、30〜140℃の温度、およびダイ上での1mPa〜5mPaの混練圧力を含む一連の基準の設定で規則正しく加熱および加圧混練する、加圧混練の第2の工程と、
前記第2の工程により製造されたプレプロダクトを所望のプロダクト形状へと予備成形して、その後ブレードと同時に作動するプレスラインの出口に位置されたダイにより所望形状へ切断する、予備形成の第3の工程と、
前記形成されたプレプロダクトを30℃〜70℃の温度基準の設定の下で間欠的に加熱して5%〜15%の含水率を有するプレプロダクトを製造する、乾燥の第4の工程と、
結合剤を加えて前記第4の工程において製造された前記プレプロダクトと十分に混合して前記プレプロダクトの表面上にフィルムコートを形成して、その後乾燥させてプロダクトを製造する、フィルムコート形成の第5の工程と、
を含み;
ここで、このように製造された前記プロダクトは15%〜20%の含水率を有する方法。
【請求項2】
前記加圧混練工程は:
85℃〜95℃の温度基準設定を有する第1の段階;
105℃〜115℃の温度設定基準を有する第2の段階;
110℃〜120℃の温度設定基準を有する第3の段階;
125℃〜135℃の温度設定基準を有する第4の段階;
130℃〜140℃の温度設定基準を有する第5の段階;
80℃〜90℃の温度設定基準を有する第6の段階;
35℃〜45℃の温度設定基準を有する第7の段階;
を含み、および
ここで、当該段階の各1つの段階における加熱時間は1分〜5分に設定される、
請求項1に記載の代謝性症候群に対して適用するための特殊なデンプン食品を製造するための方法。
【請求項3】
前記フィルムコート形成の工程において用いられるデバイスは
乾燥チャンバ;
前記プレプロダクトを前記乾燥チャンバ内に送るための前記乾燥チャンバと接続された投入口;
下方側から前記乾燥チャンバ内へと熱風を上方向に送風するための前記乾燥チャンバの下部に位置する送風穴;
結合剤を放出して前記乾燥チャンバ内で前記プレプロダクトと十分に混合するための前記乾燥チャンバ周囲の適切な場所に位置する1よりも多くのノズル、および
前記乾燥チャンバ外へ前記プロダクトを送るために前記乾燥チャンバ上方に位置する出口穴
を備える請求項1に記載の代謝性症候群に対して適用するための特殊なデンプン食品を製造するための方法。
【請求項4】
前記フィルムコート形成工程が:
前記乾燥の第4の工程において製造された前記プレプロダクトを前記乾燥チャンバ内に送り、前記熱風を下方側から前記乾燥チャンバ内に上方向に吹き込み、その結果前記プレプロダクトが前記乾燥チャンバ内で上方向に浮動する、第1の工程;
前記プレプロダクトと十分に混合させて前記フィルムコートを形成するために前記結合剤を放出する、第2の工程;
その上に形成された前記フィルムコートを有する前記プロダクトを熱風により前記乾燥チャンバから送り出す、第3の工程
を含む請求項3に記載の代謝性症候群に対して適用するための特殊なデンプン食品を製造するための方法。
【請求項5】
20重量%〜60重量%の大粒米;
5重量%〜30重量%のオートムギ;
10重量%〜40重量%のトウモロコシ;
10重量%〜30重量%のオオムギ;
10重量%〜30重量%のコムギ;および
5重量%〜15重量%のソバ
を含む組成物を有する請求項1の方法に従って製造された代謝性症候群に対して適用するための特殊なデンプン食品。
【図1】
【図2】
【図3A】
【図3B】
【図4】
【図5】
【図6A】
【図6B】
【図7A】
【図7B】
【図8A】
【図8B】
【図2】
【図3A】
【図3B】
【図4】
【図5】
【図6A】
【図6B】
【図7A】
【図7B】
【図8A】
【図8B】
【公開番号】特開2011−200221(P2011−200221A)
【公開日】平成23年10月13日(2011.10.13)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2011−10806(P2011−10806)
【出願日】平成23年1月21日(2011.1.21)
【出願人】(511019580)カマソン・カンパニー・リミテッド (1)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年10月13日(2011.10.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−10806(P2011−10806)
【出願日】平成23年1月21日(2011.1.21)
【出願人】(511019580)カマソン・カンパニー・リミテッド (1)
【Fターム(参考)】
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