説明

仮想内視鏡画像処理装置、方法、及びプログラム

【課題】三次元データを可視化した2つの仮想内視鏡画像の一方で位置指定を行ったとき、他方の仮想内視鏡画像における対応位置の状態を簡易に観察することを可能にする。
【解決手段】仮想内視鏡画像生成手段13は、第1及び第2の三次元データ21、22に基づいて、第1及び第2の仮想内視鏡画像を生成する。位置指定受付手段14は、第1の仮想内視鏡画像上で位置の指定を受け付ける。三次元位置特定手段15は、ユーザの指定位置に該当する第1の三次元データ21中の三次元位置を特定する。三次元位置変換手段16は、ユーザの指定位置に該当する第1の三次元データ21中の三次元位置を第2の三次元データ22中の三次元位置に変換する。対応位置可視化手段17は、ユーザの指定位置に対応する第2の三次元データ22中の三次元位置部分を可視化して表示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、仮想内視鏡画像処理装置、方法、及びプログラムに関し、更に詳しくは、被検体の内部を示す三次元データから被検体内の管腔の仮想内視鏡画像を生成する仮想内視鏡画像処理装置、方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、撮影装置(モダリティ)の進歩に伴い、撮影装置で撮影された画像データの分解能が向上しており、画像データに基づいて被検体の詳細な解析が可能になっている。例えばマルチスライスCT(Multi Detector-row Computed Tomography)は、一度に複数枚の断層画像を撮影することが可能であり、薄いスライス厚で断層画像を撮影することが可能である。スライス厚が薄くなることで、複数の断層画像を積層した三次元データの体軸方向の分解能が上がり、より詳細な三次元データを得ることができる。そのような三次元データを表示し解析することで、これまで見つけることが困難であった病変などを見つけることも可能になっている。
【0003】
三次元データは、そのまま人間が観察するには不向きである。このため、三次元データは、通常、任意の視点からの疑似的な三次元画像に変換された上で表示される。三次元データの分解能の向上に伴って質の高い三次元画像の生成が可能になっており、三次元画像表示の応用技術として仮想内視鏡画像表示法が提案されている。仮想内視鏡表示法とは、管腔の内部に視点を設定し、その視点に基づいて透視投影画像を生成し表示する方法である。仮想内視鏡表示では、ユーザが逐次的に視点を変更することで、あたかも内視鏡のカメラが身体内部を移動しながら撮影したような画像を提供することが可能である。仮想内視鏡表示は、特に大腸CT検査で利用されている。
【0004】
特許文献1は、仮想内視鏡表示が記載された文献である。特許文献1には、仮想内視鏡画像(三次元画像)と、その仮想内視鏡画像生成の際の視点位置を含む二次元断面画像とを表示することが記載されている。また、特許文献1には、仰臥位と腹臥位とでCT撮影を行うことが記載されている。仰臥位のCTデータから仰臥位仮想内視鏡画像を生成し、腹臥位のCTデータから腹臥位仮想内視鏡画像を生成する。特許文献1には、二元ビューモードで動作する間に、それら2つの仮想内視鏡画像を同時にディスプレイ上に表示することが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特許第4088348号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1では、管腔構造に沿った一連の視点(パス)で対応する二つの仮想内視鏡画像を同時に表示できる。しかし、特許文献1では、2つの仮想内視鏡画像を同時に表示するにとどまり、一方の仮想内視鏡画像上の物体の位置を、他方の画像上で特定することができない。例えば、仰臥位仮想内視鏡画像に病変らしき物体が見つかったとする。このとき、ユーザは腹臥位内視鏡画像中に病変らしき物体が現れているか否かを判断したい。しかし、特許文献1では、仮想内視鏡画像上の物体の対応関係はユーザ自身が判断せざるを得ない。従って、ユーザは、腹臥位仮想内視鏡画像を注意深く観察し、仰臥位仮想内視鏡画像上で発見された物体に対応する物体が腹臥位仮想内視鏡画像中に現れているか否かを調べなくてはならない。
【0007】
本発明は、上記従来技術の問題点を解消し、一方の三次元データを可視化した仮想内視鏡画像上で位置指定を行ったとき、他方の三次元データにおける対応する位置の状態を簡易に観察することができる仮想内視鏡画像処理装置、方法、及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、本発明は、それぞれが、撮影装置を用いて撮影された管腔を有する被検体の内部を示す第1及び第2の三次元データに基づいて、同一の管腔の内部を疑似的な三次元画像で可視化するための第1及び第2の仮想内視鏡画像をそれぞれ生成する仮想内視鏡画像生成手段と、前記第1の仮想内視鏡画像の上で位置の指定を受け付ける位置指定受付手段と、前記第1の仮想内視鏡画像上で指定された位置に該当する第1の三次元データ中の三次元位置を特定する三次元位置特定手段と、前記三次元位置特定手段で特定された第1の三次元データ中の三次元位置から、該三次元位置に対応する、前記第2の三次元データ中の三次元位置を求める三次元位置変換手段と、前記求められた第2の三次元データ中の三次元位置部分を可視化して表示する対応位置可視化手段とを備えたことを特徴とする仮想内視鏡画像処理装置を提供する。
【0009】
本発明の仮想内視鏡画像処理装置は、前記三次元位置変換手段が、前記第1及び第2の三次元データから計算された管腔の構造から得られる情報を用いて、前記第2の三次元データ中の三次元位置を求める構成を採用できる。
【0010】
本発明の仮想内視鏡画像処理装置は、前記三次元位置特定手段が、前記ユーザの指定位置から前記第1の三次元データの三次元画像空間へ、前記位置の指定が行われた第1の仮想内視鏡画像の視点から前記ユーザの指定位置へ向かう視線方向に沿ってレイを飛ばし、該レイが所定の条件を満たす前記第1の三次元データ中のボクセルを通過するとき、当該ボクセルの座標位置に基づいて、前記第1の仮想内視鏡画像上で指定された位置に該当する第1の三次元データ中の三次元位置を特定する構成とすることができる。
【0011】
本発明の仮想内視鏡画像処理装置は、前記第1及び第2の三次元データに対して前記管腔に沿って第1及び第2のパスをそれぞれ設定するパス設定手段を更に備え、前記仮想内視鏡画像生成手段が、前記第1及び第2パス上の点を視点として、該視点から前記管腔の内部を見たことを想定した疑似的な三次元画像をそれぞれ前記第1及び第2の仮想内視鏡画像として生成する構成としてもよい。
【0012】
本発明の仮想内視鏡画像処理装置は、前記三次元位置変換手段が、前記第1の仮想内視鏡画像上で位置が指定されたときの第1のパス上の視点位置と前記三次元位置特定手段が特定した第1の三次元データ中の三次元位置との位置関係、及び前記第1の三次元データの撮影時の被検体の体位と前記第2の三次元データの撮影時の被検体の体位との関係に基づいて、前記三次元位置特定手段で特定された第1の三次元データ中の三次元位置から前記第2の三次元データ中の三次元位置を求める構成を採用できる。
【0013】
本発明の仮想内視鏡画像処理装置は、前記三次元位置変換手段が、前記位置指定が行われたときの第1の仮想内視鏡画像の視点から前記三次元位置特定手段で特定された第1の三次元データ中の三次元位置に向かう第1の視線方向を、前記第1の三次元データの撮影時の被検体の体位と前記第2の三次元データの撮影時の被検体の体位との関係に従って第2の視線方向に変換する視線方向変換手段と、前記位置指定が行われたときの第1の仮想内視鏡画像の視点の前記第1のパス上での位置に基づいて、前記第2のパス上で対応する視点位置を求める視点位置変換手段と、前記求められた第2の視線方向と第2のパス上で対応する視点位置とに基づいて、前記三次元位置特定手段で特定された第1の三次元データ中の三次元位置に対応する前記第2の三次元データ中の三次元位置を求める対応座標変換手段とを有する構成を採用することができる。
【0014】
本発明の仮想内視鏡画像処理装置は、前記対応座標変換手段が、前記第2の三次元データの三次元画像空間で、前記視点位置変換手段が求めた第2のパス上の対応する視点位置から前記第2の視線方向にレイを飛ばし、該レイが所定の条件を満たすボクセルを通過するとき、当該ボクセルの座標位置を、前記対応する前記第2の三次元データ中の三次元位置とする構成とすることができる。
【0015】
本発明の仮想内視鏡画像処理装置は、前記視点位置変換手段が、前記第1のパスの始点から前記位置指定時の第1の仮想内視鏡画像の視点までの距離を求め、前記第2のパス上で前記第2のパスの始点から前記求めた距離だけ離れた点を前記第2のパス上の対応する視点位置とする構成を採用できる。
【0016】
本発明の仮想内視鏡画像処理装置では、前記1及び第2の三次元データの何れか一方が仰臥位で撮影されたデータで、他方が腹臥位で撮影されたデータであり、前記視点方向変換手段が、前記第1の視線方向を体軸周りに180°回転させた方向を前記第2の視線方向としてもよい。
【0017】
本発明の仮想内視鏡画像処理装置は、前記仮想内視鏡画像生成手段が、前記第1及び第2のパスの始点からの距離が相互に等しい点を視点とする第1及び第2の仮想内視鏡画像をそれぞれ生成する構成を採用できる。
【0018】
本発明の仮想内視鏡画像処理装置は、前記第1及び第2の三次元データに基づいて、それぞれ前記管腔の内壁を表す第1及び第2の展開ビューを生成する展開ビュー生成手段を更に備え、前記三次元位置変換手段が、前記第1の展開ビューと第2の展開ビューとを非剛体位置合わせする際の情報を用いて、前記三次元位置特定手段で特定された第1の三次元データ中の三次元位置に対応する前記第2の三次元データ中の三次元位置を求める構成を採用することができる。
【0019】
本発明の仮想内視鏡画像処理装置は、三次元位置変換手段が、前記特定された第1の三次元データ中の三次元位置を前記第1の展開ビュー上の位置に変換する指定位置変換手段と、前記第1の展開ビューと前記第2の展開ビューとを非剛体位置合わせする際の情報を用いて、前記指定位置変換手段が変化した第1の展開ビュー上の位置に対応する前記第2の展開ビュー上の位置を求める対応点特定手段と、前記対応点特定手段が求めた第2の展開ビュー上の位置を前記第2の三次元データ中の三次元位置に変換する対応位置変換手段とを有する構成を採用できる。
【0020】
本発明の仮想内視鏡画像処理装置は、前記対応位置可視化手段が、前記求められた第2の三次元データ中の三次元位置部分を、前記仮想内視鏡画像生成手段が生成した前記第2の仮想内視鏡画像で可視化すると共に、前記第2の仮想内視鏡画像における前記求められた第2の三次元データ中の三次元位置部分に対応位置であることを示すマークを付加する構成とすることができる。
【0021】
本発明の仮想内視鏡画像処理装置は、前記仮想内視鏡画像生成手段が、前記三次元位置変換手段が前記第2の三次元データ中の三次元位置を求めると、該求められた第2の三次元データ中の三次元位置を正面にとらえることができる点を視点とする第2の仮想内視鏡画像を生成し、前記対応位置可視化手段が、第2の三次元データ中の三次元位置部分を、当該生成された第2の仮想内視鏡画像で可視化してもよい。
【0022】
本発明の仮想内視鏡画像処理装置は、前記第2の三次元データに基づいて、前記求められた第2の三次元データ中の三次元位置を含む二次元断面画像を生成する断面画像生成手段を更に備え、前記対応位置可視化手段は、前記第2の仮想内視鏡画像に加えて、又はこれに代えて、前記二次元断面画像で第2の三次元データ中の三次元位置部分を可視化してもよい。
【0023】
本発明の仮想内視鏡画像処理装置は、前記三次元位置特定手段が、前記第1の三次元データ及び前記第1の仮想内視鏡画像の少なくとも一方から前記指定された位置に存在する物体を検出し、該検出された物体の重心位置を、前記指定された位置に該当する第1の三次元データ中の三次元位置として特定する構成としてもよい。
【0024】
本発明は、撮影装置を用いて撮影された管腔を有する被検体の内部を示す第1及び第2の三次元データのうち、少なくとも前記第1の三次元データに基づいて、管腔の内部を疑似的な三次元画像で可視化するための第1の仮想内視鏡画像を生成する仮想内視鏡画像生成ステップと、前記第1の仮想内視鏡画像の上で位置の指定を受け付ける位置指定ステップと、前記第1の仮想内視鏡画像上で指定された位置に該当する第1の三次元データ中の三次元位置を特定する三次元位置特定ステップと、前記特定された第1の三次元データ中の三次元位置から、該三次元位置に対応する、前記第2の三次元データ中の三次元位置を求める三次元位置変換ステップと、前記求められた第2の三次元データ中の三次元位置部分を可視化して表示する対応位置可視化ステップとを有することを特徴とする仮想内視鏡画像処理方法を提供する。
【0025】
本発明の仮想内視鏡画像処理方法は、前記仮想内視鏡画像生成ステップにおいて、第1の仮想内視鏡画像の生成に加えて、前記第2の三次元データに基づいて、前記第1の仮想内視鏡画像で可視化する管腔と同一の管腔の内部を可視化するための第2の仮想内視鏡画像を生成し、前記対応位置可視化ステップにおいて、前記第2の仮想内視鏡画像を表示すると共に、前記第2の仮想内視鏡画像における前記求められた第2の三次元データ中の三次元位置部分に対応位置であることを示すマークを表示してもよい。
【0026】
本発明の仮想内視鏡画像処理方法は、前記第2の三次元データに基づいて、前記求められた第2の三次元データ中の三次元位置を含む二次元断面画像を生成する断面画像生成ステップを更に有し、前記対応位置可視化ステップにおいて、前記第2の仮想内視鏡画像に加えて、又はこれに代えて、前記二次元断面画像を表示してもよい。
【0027】
本発明は、コンピュータに、撮影装置を用いて撮影された管腔を有する被検体の内部を示す第1及び第2の三次元データのうち、少なくとも前記第1の三次元データに基づいて、管腔の内部を疑似的な三次元画像で可視化するための仮想内視鏡画像を生成するステップと、前記第1の三次元データに基づいて生成された仮想内視鏡画像の上で位置の指定を受け付けるステップと、前記第1の三次元データに基づいて生成された仮想内視鏡画像上で指定された位置に該当する第1の三次元データ中の三次元位置を特定するステップと、前記特定された第1の三次元データ中の三次元位置から、該三次元位置に対応する、前記第2の三次元データ中の三次元位置を求めるステップと、前記求められた第2の三次元データ中の三次元位置部分を可視化して表示するステップとを実行させることを特徴とするプログラムを提供する。
【発明の効果】
【0028】
本発明では、ユーザが第1の三次元データを可視化した第1の仮想内視鏡画像上で位置を指定すると、ユーザの指定位置に対応する第1の三次元データの三次元位置を特定し、特定された第1の三次元データの三次元位置を第2の三次元データの三次元位置に変換し、変換された第2の三次元データの三次元位置部分を可視化して表示する。本発明では、ユーザが第1の仮想内視鏡画像上で位置指定を行ったときに、その指定位置に対応する第2の三次元データ中の三次元位置部分を可視化して表示するため、ユーザは、第2の三次元データにおける、ユーザの指定位置に対応する位置の状態を簡易に観察することができる。その結果、ユーザは、第1の仮想内視鏡画像上で指定した位置の形態が、第2の三次元データでどのようになっているかを把握することができる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】本発明の第1実施形態の仮想内視鏡画像処理装置を示すブロック図。
【図2】第1実施形態における三次元位置変換手段の構成を示すブロック図。
【図3】第1実施形態の仮想内視鏡画像処理装置の動作手順を示すフローチャート。
【図4】第1の三次元データ中の三次元位置への変換を示す図。
【図5】(a)は第1の三次元データから得られる管腔を表し、図5(b)は第2の三次元データから得られる管腔を表す図。
【図6】(a)及び(b)は、それぞれ腹臥位及び仰臥位の三次元データから抽出された大腸領域を示す図。
【図7】(a)及び(b)は、それぞれ腹臥位及び仰臥位の大腸の仮想内視鏡画像を示す図。
【図8】本発明の第2実施形態の仮想内視鏡画像処理装置を示すブロック図。
【図9】第2実施形態における三次元位置変換手段の構成を示すブロック図。
【図10】第2実施形態における動作手順を示すフローチャート。
【図11】(a)は第1の展開ビューを示し、(b)は第2の展開ビューを示す図。
【図12】第2の三次元データに含まれる管腔の一部を示す図。
【図13】本発明の第4実施形態の仮想内視鏡画像処理装置を示すブロック図。
【図14】(a)は三次元データに含まれる物体を示し、(b)は物体の断面画像を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下、図面を参照し、本発明の実施の形態を詳細に説明する。図1は、本発明の第1実施形態の仮想内視鏡画像処理装置(以下、単に画像処理装置とも呼ぶ)を示している。画像処理装置10は、三次元データ入力手段11、パス設定手段12、仮想内視鏡画像生成手段13、位置指定受付手段14、三次元位置特定手段15、三次元位置変換手段16、対応位置可視化手段17、及び出力手段18を備える。画像処理装置10は、例えばサーバ装置やワークステーションなどのコンピュータシステムで構成される。画像処理装置10内の各部の機能は、コンピュータシステムが所定のプログラムに従って処理を実行することで実現可能である。
【0031】
三次元データ入力手段11は、第1及び第2の三次元データ21、22を入力する。第1及び第2の三次元データ21、22は、それぞれ撮影装置を用いて撮影された被検体の内部を示す三次元の画像データである。被検体は管腔を有している。第1及び第2の三次元データ21、22の撮影に用いる撮影装置は、典型的にはX線CT装置であり、第1及び第2の三次元データ21、22は、典型的には所定スライス厚でスライスされた被検体の断層画像を複数枚積層した画像データである。
【0032】
第1の三次元データ21と第2の三次元データ22とは、同一の被検体を撮影したデータである。第1の三次元データ21と第2の三次元データ22とは相互に異なる。つまり第1の三次元データ21と第2の三次元データ22とは同一データではない。第1の三次元データ21と第2の三次元データ22とは、例えば同一人物に対して異なる体位で撮影されたデータである。第1の三次元データ21は、例えば仰臥位で撮影されたデータであり、第2の三次元データ22は、例えば腹臥位で撮影されたデータである。第1の三次元データ21と第2の三次元データ22との組み合わせはこれには限定されず、種々の組み合わせが考えられる。
【0033】
パス設定手段12は、管腔の内部にパスを設定する。パス設定手段12は、第1の三次元データ21に含まれる管腔に対して、管腔に沿って第1のパスを設定する。また、パス設定手段12は、第2の三次元データ22に含まれる管腔に対して、管腔に沿って第2のパスを設定する。例えばパス設定手段12は、管腔が大腸であれば、大腸の出口(肛門)の部分をスタート地点とし小腸との境界部分をエンド地点とするパスを、それぞれ第1及び第2のパスとして設定する。
【0034】
パス設定手段12が設定するパスは、管腔の形状(構造)に基づいて決まる。パス設定手段12は、例えば第1及び第2の三次元データ21、22を解析して管腔領域を抽出し、抽出した管腔領域の構造に基づいて自動的に第1及び第2のパスを設定してもよい。或いはパス設定手段12は、ユーザが、表示装置30上に表示された管腔の三次元画像を参照しながら任意に設定したパスを、第1及び第2のパスとしてもよい。またパス設定手段12は、自動的に設定したパスに対してユーザが修正を加えたものを、第1及び第2のパスとしてもよい。
【0035】
仮想内視鏡画像生成手段13は、第1及び第2の三次元データ21、22に基づいて、それぞれ第1及び第2の仮想内視鏡画像を生成する。第1及び第2の仮想内視鏡画像は、それぞれ被検体内の管腔の内部を疑似的な三次元画像で可視化するための画像である。第1の仮想内視鏡画像で可視化する管腔と、第2の仮想内視鏡画像で可視化する管腔とは同一の管腔である。仮想内視鏡画像生成手段13は、例えば、第1の三次元データ21中に含まれる大腸部分の内部を疑似的な三次元画像で可視化する第1の仮想内視鏡画像を生成すると共に、第2の三次元データ22中に含まれる大腸部分の内部を疑似的な三次元画像で可視化する第2の仮想内視鏡画像を生成する。
【0036】
仮想内視鏡画像生成手段13は、パス設定手段12が設定したパス上に視点を置き、その視点から管腔の内部を見たことを想定した画像を仮想内視鏡画像として生成する。仮想内視鏡画像生成手段13は、例えばパスに従ってスタート地点からエンド地点まで順次に視点を変更しつつ、仮想内視鏡画像を生成する。仮想内視鏡画像生成手段13は、それぞれ第1及び第2のパスの始点からの距離が相互に等しい点を視点とする第1及び第2の仮想内視鏡画像を生成してもよい。仮想内視鏡画像の視点は、必ずしもパス設定手段12が設定したパス上になくてもよく、仮想内視鏡画像生成手段13は、ユーザが任意に設定した点を視点とする仮想内視鏡画像を生成してもよい。
【0037】
出力手段18は、仮想内視鏡画像生成手段13が生成した仮想内視鏡画像を表示装置30へ出力する。表示装置30は、例えば液晶ディスプレイなどの表示デバイスである。表示装置30は、表示画面上に、第1の仮想内視鏡画像31及び第2の仮想内視鏡画像32を表示する。出力手段18は、第1及び第2の仮想内視鏡画像を同時に出力し、表示装置30の表示画面上に、第1及び第2の仮想内視鏡画像31、32を同時並列に表示させてもよい。或いは出力手段18は、第1及び第2の仮想内視鏡画像を選択的に出力し、表示装置30の表示画面上に第1及び第2の仮想内視鏡画像31、32を切り替えて表示させてもよい。
【0038】
位置指定受付手段14は、第1の仮想内視鏡画像31の上でユーザによる位置の指定を受け付ける。位置指定受付手段14が位置の指定を受け付けるとき、表示装置30の表示画面上には少なくとも第1の仮想内視鏡画像31が表示されていればよい。ユーザは、入力装置41を用いて、第1の仮想内視鏡画像31上の任意の点を指定位置として指定することができる。位置指定受付手段14は、入力装置41を介して第1の仮想内視鏡画像31上で指定された位置の情報を入力する。入力装置41には、例えばマウスなどのポインティングデバイスを用いることができる。
【0039】
なお、本実施形態では、位置指定受付手段14が第1の仮想内視鏡画像31上で位置の指定を受け付けるものとして説明するが、位置指定受付手段14は、第1及び第2の仮想内視鏡画像31、32のうちの何れか一方で位置の指定を受け付ければよい。位置指定受付手段14が第2の仮想内視鏡画像32上で位置の指定を受け付ける場合は、第1の仮想内視鏡画像と第2の仮想内視鏡画像とを、適宜入れ替えて読み替えればよい。
【0040】
三次元位置特定手段15は、第1の仮想内視鏡画像31上で指定された位置に該当する第1の三次元データ21中の三次元位置を特定する。第1の仮想内視鏡画像31は、第1の三次元データ21を管腔内の視点位置から投影面に透視投影することで生成された画像であり、三次元位置特定手段15は、第1の仮想内視鏡画像上の指定位置が、第1の三次元データ21中のどの画素(ボクセル)を投影したものであるかを特定する。
【0041】
三次元位置変換手段16は、三次元位置特定手段15で特定された第1の三次元データ21中の三次元位置を、第2の三次元データ22中の三次元位置に変換する。つまり、三次元位置変換手段16は、三次元位置特定手段15で特定された第1の三次元データ21中の三次元位置に対応する第2の三次元データ22中の三次元位置を求める。
【0042】
三次元位置変換手段16は、例えば第1及び第2の三次元データ21、22から計算された管腔の構造から得られる情報を用いて、ユーザの指定位置に対応する第2の三次元データ22中の三次元位置を求める。仮想内視鏡画像で可視化すべき管腔は同一被検体内の同一の管腔であり、第1の三次元データ21から計算された管腔の構造と、第2の三次元データ22から計算された管腔の構造とには、対応関係が存在すると考えられる。この対応関係を利用することで、第1の三次元データ21中の三次元位置を第2の三次元データ22中の三次元位置に変換することが可能である。三次元位置変換手段16は、例えばパス設定手段12が設定した第1及び第2のパスを管腔の構造から得られる情報として用い、第2の三次元データ22中の三次元位置を求める。
【0043】
三次元位置変換手段16は、例えば位置指定が行われたときの第1のパス上にある第1の仮想内視鏡画像31の視点位置と、三次元位置特定手段15が特定した第1の三次元データ21中の三次元位置との位置関係を求める。三次元位置変換手段16は、求めた位置関係と、第1の三次元データ21の撮影時の被検体の体位と第2の三次元データ22の撮影時の被検体の体位との関係とに基づいて、特定された第1の三次元データ21中の三次元位置を第2の三次元データ22中の三次元位置に変換する。
【0044】
対応位置可視化手段17は、三次元位置変換手段16が求めたユーザの指定位置に対応する第2の三次元データ22中の三次元位置部分を可視化する。対応位置可視化手段17は、例えば仮想内視鏡画像生成手段13で生成された第2の仮想内視鏡画像で、ユーザの指定位置に対応する第2の三次元データ22中の三次元位置部分を可視化する。その際、対応位置可視化手段17は、表示装置30上に表示される第2の仮想内視鏡画像32の、ユーザの指定位置に対応する第2の三次元データ22中の三次元位置の部分に、対応位置であることを示すマークを付加する。
【0045】
対応位置可視化手段17は、ユーザが位置指定を行うときに表示装置30の表示画面上に第2の仮想内視鏡画像32が表示されていないときは、仮想内視鏡画像生成手段13に、ユーザの指定位置に対応する第2の三次元データ22中の三次元位置の部分を可視化する第2の仮想内視鏡画像を生成させる。仮想内視鏡画像生成手段13が生成した仮想内視鏡画像は、出力手段18を介して表示装置30に出力され、表示装置30の表示画面上に第2の仮想内視鏡画像32として表示される。ユーザが第1の仮想内視鏡画像31上で位置指定を行うとき、表示画面上に第2の仮想内視鏡画像32が既に表示されているときは、第2の仮想内視鏡画像を新たに生成しなくてもよい。
【0046】
図2は、三次元位置変換手段16の構成を示している。三次元位置変換手段16は、視線方向変換手段61、視点位置変換手段62、及び対応座標変換手段63を有する。視線方向変換手段61は、第1の視線方向を第2の視線方向に変換する。第1の視線方向は、位置指定が行われたときの第1の仮想内視鏡画像31の視点位置と、三次元位置特定手段15で特定されたユーザの指定位置に該当する第1の三次元データ21中の三次元位置との位置関係に応じて決まる。第1の視線方向は、位置指定が行われたときの第1の仮想内視鏡画像31の視点から、三次元位置特定手段15で特定された第1の三次元データ21中の三次元位置に向かう三次元のベクトルで表わすことができる。
【0047】
視線方向変換手段61は、第1の三次元データ21の撮影時の被検体の体位と、第2の三次元データ22の撮影時の被検体の体位との関係に従って、第1の視線方向を第2の視線方向に変換する。例えば第1の三次元データ21が仰臥位で撮影され、第2の三次元データ22が腹臥位で撮影されているとする。仰臥位と腹臥位とは、体の向きが180°異なる。この場合、視線方向変換手段61は、第1の視線方向(ベクトル)を体軸周りに180°回転させた方向を、第2の視線方向とする。なお、撮影時の体位が異なる場合でも、第1の三次元データ21と第2の三次元データ22とで被検体の向きが一致するように事前に座標変換がなされているような場合には、視線方向の変換(回転)は必要がない。
【0048】
視点位置変換手段62は、第1の視点位置を第2の視点位置に変換する。第1の視点位置は、ユーザが位置指定を行ったときの第1の仮想内視鏡画像31の視点位置である。第2の視点位置は、位置指定時の第1の仮想内視鏡画像31で可視化した部分と同じ部分を第2の仮想内視鏡画像32で可視化したことを想定したときの第2の仮想内視鏡画像32の視点位置である。視点位置変換手段62は、第1のパスと第2のパスとの対応関係を用いて、第1の視点位置を第2の視点位置に変換する。視点位置変換手段62は、例えば第1のパスの始点から位置指定時の仮想内視鏡画像の視点位置までのパスの経路上の距離を求め、第2のパスの始点からパスの経路上で同じ距離だけ離れた位置を、第2の視点位置とする。
【0049】
第1の仮想内視鏡画像31と第2の仮想内視鏡画像32とで、パスの始点から距離が等距離となる位置に視点を置いた場合、双方の仮想内視鏡画像で管腔内の同じ位置を可視化することになるため、第1の仮想内視鏡画像31上でユーザが指定した位置は、第2の仮想内視鏡画像32内に存在していると考えることができる。第1の仮想内視鏡画像31上でユーザが指定した位置に該当する第1の三次元データ21中の三次元位置は、第1の仮想内視鏡画像31の視点位置から第1の視線方向に向かって進んだ方向に存在にする。このため、三次元位置変換手段16で求めるべきユーザの指定位置に対応する第2の三次元データ22中の三次元位置は、視点位置変換手段62が求めた第2の視点位置から、視線方向変換手段61が求めた第2の視線方向に向かって延びる直線(半直線)上にあると考えることができる。
【0050】
対応座標変換手段63は、視線方向変換手段61が求めた第2の視線方向と、視点位置変換手段62が求めた第2の視点位置とに基づいて、ユーザの指定位置に該当する第1の三次元データ21中の三次元位置に対応する第2の三次元データ22中の三次元位置を求める。対応座標変換手段63は、視点位置変換手段62が求めた第2の視点位置から、視線方向変換手段61が求めた第2の視線方向に向かって延びる半直線が通過するボクセルのうちで所定の条件を満たすボクセルの座標位置を、対応する第2の三次元データ22中の三次元位置とする。
【0051】
図3は、動作手順を示している。三次元データ入力手段11は、第1及び第2の三次元データ21、22を入力する(ステップA1)。パス設定手段12は、第1及び第2の三次元データ21、22に基づいて、それぞれ仮想内視鏡画像で可視化すべき管腔内に第1及び第2のパスを設定する(ステップA2)。仮想内視鏡画像生成手段13は、第1及び第2の三次元データ21、22に基づいて、それぞれ第1及び第2の仮想内視鏡画像を生成する(ステップA3)。仮想内視鏡画像生成手段13は、ステップA3では、パス設定手段12が設定した第1及び第2のパス上に視点がある第1及び第2の仮想内視鏡画像をそれぞれ生成する。
【0052】
出力手段18は、表示装置30に第1及び第2の仮想内視鏡画像を出力する。表示装置30は、表示画面上に第1及び第2の仮想内視鏡画像31、32を表示する(ステップA4)。画像処理装置10は、ユーザが位置指定を行ったか否かを判断する(ステップA5)。ユーザが位置指定を行わないとき、仮想内視鏡画像生成手段13は、生成すべき第1及び第2の仮想内視鏡画像の視点位置を変更する(ステップA6)。その後ステップA3に戻り、仮想内視鏡画像生成手段13は、変更した視点位置で第1及び第2の仮想内視鏡画像を生成する。仮想内視鏡画像生成手段13は、例えば第1及び第2のパスの経路に沿って視点位置をエンド地点側に進めて第1及び第2の仮想内視鏡画像を生成する。
【0053】
ユーザが入力装置41を用いて位置指定を行うと、位置指定受付手段14は、ユーザが第1の仮想内視鏡画像31上で指定した位置(座標)を三次元位置特定手段15に渡す。三次元位置特定手段15は、位置指定受付手段14からユーザの指定位置に関する情報を受け取り、第1の仮想内視鏡画像31上でユーザが指定した位置を、第1の三次元データ21中の三次元位置に変換する(ステップA7)。三次元位置特定手段15は、変換した、ユーザの指定位置に該当する第1の三次元データ21中の三次元位置を三次元位置変換手段16に渡す。
【0054】
三次元位置変換手段16の視線方向変換手段61(図2)は、位置指定時の第1の仮想内視鏡画像31の視点位置と、ユーザの指定位置に該当する第1の三次元データ21中の三次元位置との位置関係に基づいて第1の視線方向を求める。視線方向変換手段61は、求めた第1の視線方向を第2の視線方向に変換する(ステップA8)。視点位置変換手段62は、位置指定時の第1の仮想内視鏡画像31の視点位置(第1の視点位置)を第2の仮想内視鏡画像32の視点位置(第2の視点位置)に変換する(ステップA9)。対応座標変換手段63は、第2の視線方向と第2の視点位置とを用いて、第1の三次元データ21中の三次元位置を第2の三次元データ22中の三次元位置に変換する(ステップA10)。
【0055】
三次元位置変換手段16は、ユーザの指定位置に対応する第2の三次元データ22中の三次元位置に関する情報を対応位置可視化手段17に渡す。対応位置可視化手段17は、受け取った第2の三次元データ22中の三次元位置が、第2の仮想内視鏡画像32上のどの座標に該当するかを割り出す。対応位置可視化手段17は、出力手段18を介して表示装置30に割り出した座標にマークを付加する旨の情報を出力する(ステップA11)。表示装置30は、第2の仮想内視鏡画像32上に、対応位置を示すマークを重ねて表示する。或いは対応位置可視化手段17は、第2の仮想内視鏡画像に対応位置を示すマークを書き込んでもよい。
【0056】
図4は、第1の三次元データ中の三次元位置への変換を模式的に示している。三次元位置特定手段15は、ステップA7では、例えば以下に説明する手順で、第1の仮想内視鏡画像31(図1)上のユーザの指定位置を第1の三次元データ21中の三次元位置へ変換する。三次元位置特定手段15は、まず、第1の仮想内視鏡画像31上でユーザが指定した位置から第1の三次元データ21の三次元画像空間へ、視線に沿ってレイを飛ばす。言い換えれば、三次元位置特定手段15は、位置指定時の第1の仮想内視鏡画像31の視点Pから第1の仮想内視鏡画像31上のユーザの指定位置xへ向かう視線を延長し、その方向に沿って、ユーザの指定位置xから第1の三次元データ21の三次元画像空間へレイを飛ばす。
【0057】
次いで、三次元位置特定手段15は、指定位置x側から順次に、レイが所定の条件を満たすボクセルを通過したか否かを調べる。この所定の条件は、第1の仮想内視鏡画像を生成する際のパラメータに連動した条件である。所定の条件としては、具体的にはレイを通過するボクセルの不透明度が急激に変化するといった条件や、別マスクに接触するといった条件が考えられる。三次元位置特定手段15は、レイが所定の条件を満たすボクセルを通過するとき、そのボクセルの座標位置を、ユーザの指定位置xに該当する第1の三次元データ21中の三次元位置Xとする。この処理は、第1の仮想内視鏡画像31に不透明で表示されるユーザの指定位置の部分が、第1の三次元データ21中のどのボクセルに由来しているかを調べていることと等価である。
【0058】
上記では、三次元位置特定手段15は、求めたボクセルの座標位置をそのまま指定位置に該当する第1の三次元データ21中の三次元位置としているが、これには限定されない。例えば、三次元位置特定手段15は、求めたボクセル位置の周辺で物体検出を行い、物体が検出されたとき、その物体の重心位置をユーザの指定位置に該当する第1の三次元データ中の三次元位置としてもよい。図4の例で言えば、三次元位置Xの周辺で直方体を物体として検出し、検出された直方体の重心位置をユーザの指定位置に該当する第1の三次元データ21中の三次元位置としてもよい。物体は、例えば第1の三次元データ21、及び/又は第1の仮想内視鏡画像31を解析することで検出可能である。検出対象の物体は、仮想内視鏡画像で表示する管腔に応じて適宜決めておけばよい。例えば大腸の仮想内視鏡画像検査を考えた場合、ポリープを検出対象の物体とすればよい。物体の検出は、例えば検出対象の物体に対応した物体検出用のパターンを用意し、パターンマッチングを行うことで実施することができる。
【0059】
図5は、第2の三次元データ22中の三次元位置への変換を模式的に示している。図5(a)は第1の三次元データ21から得られる管腔を表し、図5(b)は第2の三次元データ22から得られる管腔を表している。ここでは、図5(a)は仰臥位で撮影された大腸を表しているとし、図5(b)は腹臥位で撮影された大腸を表しているとする。パス設定手段12は、仰臥位と腹臥位で撮影された大腸に対して、第1のパス(スタート地点S1〜エンド地点E1)及び第2のパス(スタート地点S2〜エンド地点E1)をそれぞれ設定している。
【0060】
視線方向変換手段61(図2)は、ステップA8において、位置指定時の第1の仮想内視鏡画像31の視点位置P1と、三次元位置特定手段15で特定された第1の三次元データ21中の三次元位置X1とから、第1の視線方向a1を求める。視線方向変換手段61は、第1の視線方向a1を第2の視線方向a2に変換する。仰臥位と腹臥位とは表裏が逆になった関係であるので、視線方向変換手段61は、第1の視線方向a1を表すベクトルを体軸周りに180°回転させ、その回転させたベクトルが指し示す方向を第2の視線方向a2とする。
【0061】
視点位置変換手段62は、ステップA9において、第1のパスの始点S1から位置指定時の第1の仮想内視鏡画像31の視点位置P1までのパスの経路上での距離dを求める。視点位置変換手段62は、第2のパスの始点S2から求めた距離dだけ離れた第2のパス上の点を、位置指定時の第1の仮想内視鏡画像31の視点位置に対応する第2の仮想内視鏡画像の視点位置P2とする。或いは視点位置変換手段62は、第1のパスの経路長と距離dとの比を求め、第2のパス上で同じ比率になる点を対応する視点位置P2としてもよい。
【0062】
なお、位置指定時の第1の仮想内視鏡画像31の視点位置が第1のパス上に存在しないときは、視点位置からパスの経路に対して垂線を下ろし、その垂線と第1のパスとが交差する点をパス上の対応点とし、スタート地点S1からその対応点までの距離を求めてもよい。また、仮想内視鏡画像生成手段13が、パスのスタート地点からの距離が同一の距離のパス上の点を視点位置とする第1及び第2の仮想内視鏡画像を同時に生成している場合、視点位置変換手段62は、上記の処理で対応する視点位置を求めるのに代えて、仮想内視鏡画像生成手段13から第2の仮想内視鏡画像の視点位置を取得してもよい。
【0063】
対応座標変換手段63は、ステップA10において、第2の三次元データ22の三次元画像空間で、対応する視点位置P2から、変換された視線方向a2の方向にレイを飛ばす。対応座標変換手段63は、レイが所定の条件を満たすボクセルを通過するとき、そのボクセルの座標位置を、対応する第2の三次元データ22中の三次元位置X2とする。この所定の条件は、第2の仮想内視鏡画像を生成する際のパラメータに連動した条件である。対応位置可視化手段17は、求められた第2の三次元データ22中の三次元位置X2が、第2の仮想内視鏡画像32のどの部分(座標)に表示されるかを求め、その座標にマークを付加することで、第2の仮想内視鏡画像32において対応位置であることを明示する。
【0064】
本実施形態では、三次元位置特定手段15は、ユーザが2つの三次元データのうちの一方から生成された仮想内視鏡画像上で位置指定を行ったとき、ユーザの指定位置に該当する一方の三次元データ中の三次元位置を特定する。また、三次元位置変換手段16は、特定された一方の三次元データ中の三次元位置を他方の三次元データ中の三次元位置に変換し、対応位置可視化手段17は、他方の三次元データから生成される仮想内視鏡画像のどの部分が一方の仮想内視鏡画像上でユーザが指定した位置であるかを明示する。このようにすることで、ユーザは、一方の三次元データを可視化した仮想内視鏡画像上で指定した位置の形態が、他方の三次元データでどのようになっているかを把握することができる。
【0065】
図6(a)及び(b)は、腹臥位及び仰臥位の三次元データから抽出された大腸領域を疑似的な三次元画像で示している。また、図7(a)及び(b)は、腹臥位及び仰臥位の大腸の仮想内視鏡画像を示している。図7(a)は、図6(a)に示す視点位置から大腸内部を見たことを想定した仮想内視鏡画像を示し、図7(b)は、図6(b)に示す視点位置から大腸内部を見たことを想定した仮想内視鏡画像を示している。双方の仮想内視鏡画像における視点位置は、それぞれのパスの始点から等距離にある。つまり、図7(a)及び(b)は、大腸内の同じ個所を可視化する仮想内視鏡画像を示している。
【0066】
例えば図7(a)に示す腹臥位仮想内視鏡画像と図7(b)に示す仰臥位仮想内視鏡画像とを同時に表示装置30に表示することを考える。管腔の内部を観察していったときに、腹臥位仮想内視鏡画像中に病変らしき物体が見つかったとする。ユーザは、病変らしき物体が存在する位置を、腹臥位仮想内視鏡画像(図7(a))上で指定する。図7(a)に示す腹臥位仮想内視鏡画像と図7(b)に示す仰臥位仮想内視鏡画像とを比較すると、両者は大腸の同じ部分を可視化したものではあるものの、一方の仮想内視鏡画像上の一点が、他方の仮想内視鏡画像上のどの点に対応するかは容易にはわからない。本実施形態では、腹臥位仮想内視鏡画像上で指定した点が、仰臥位仮想内視鏡画像上のどの点に対応するかを明示するため、ユーザは、自身で2つの仮想内視鏡画像を見比べて対応位置を探さなくても、仰臥位仮想内視鏡画像中の対応位置を簡易に判別できる。
【0067】
ユーザは、明示された仰臥位仮想内視鏡画像中の対応位置の部分を観察することで、ユーザの指定位置に対応する位置の状態を簡易に観察することができる。腹臥位仮想内視鏡画像で発見された病変らしき物体が本当に病変である場合、その病変は、腹臥位で撮影された三次元データだけでなく、仰臥位で撮影された三次元データにも現れていると考えられる。一方、たまたま腹臥位仮想内視鏡画像において残渣などが病変のように見えただけであれば、仰臥位で撮影された三次元データには病変らしき物体は現れていないと考えられる。本実施形態では、一方の仮想内視鏡画像上で指定した位置に対応する位置を他方の仮想内視鏡画像に明示するため、ユーザは双方の画像の対応する部分同士を簡易に見比べることができ、病変か否かを的確に判断できることが期待できる。
【0068】
次に、本発明の第2実施形態を説明する。図8は、本発明の第2実施形態の画像処理装置を示している。本実施形態の画像処理装置10aは、図1に示す第1実施形態の画像処理装置10の構成に加えて展開ビュー生成手段19を備える。また、本実施形態の画像処理装置10aにおける三次元位置変換手段16aの構成及び動作は、第1実施形態の画像処理装置10における三次元位置変換手段16のそれとは異なる。その他の点は、第1実施形態と同様である。
【0069】
展開ビュー生成手段19は、第1及び第2の三次元データ21、22に基づいて、それぞれ管腔の内壁を二次元画像に展開した第1及び第2の展開ビューを生成する。ここで、展開ビューとは、仮想内視鏡画像で表示される管腔の内壁部分に相当する部分を、管腔を切り開いて二次元画像上に投影(マッピング)した画像である。展開ビュー生成手段19は、第1及び第2の展開ビューの各画素(各座標)が、それぞれ第1及び第2の三次元データ21、22中のどのボクセルに対応しているかを示す情報も生成する。
【0070】
展開ビューは、例えば以下の手順で生成できる。展開ビュー生成手段19は、まず、第1の三次元データ21から抽出された、仮想内視鏡画像で可視化すべき管腔をその中心線方向に伸ばす。次いで、展開ビュー生成手段19は、管腔の各断面上で中心線から全方向(360°)にレイを飛ばし、レイが所定の条件を満たすボクセルを通過するとき、そのボクセルを二次元画像上に投影する。このように投影された二次元画像が、第1の展開ビューとなる。展開ビュー生成手段19は、同様な処理を第2の三次元データ22に対しても行い、第2の展開ビューを生成する。
【0071】
本実施形態における三次元位置変換手段16aは、第1及び第2の展開ビューを利用し、第1の展開ビューと第2の展開ビューとを非剛体位置合わせする際の情報を用いて、第1の三次元データ21中の三次元位置を第2の三次元データ22中の三次元位置に変換する。より詳細には、三次元位置変換手段16aは、三次元位置特定手段15で特定された第1の三次元データ21中の三次元位置から第1の展開ビュー上の位置(座標)を求め、第1の展開ビューと第2の展開ビューとを非剛体位置合わせする際の情報を用いて第1の展開ビュー上の位置を第2の展開ビュー上の位置に変換し、変換した第2の展開ビュー上の位置を第2の三次元データ22中の三次元位置に変換する。
【0072】
図9は、三次元位置変換手段16aの構成を示している。三次元位置変換手段16aは、指定位置変換手段64、対応点特定手段65、及び対応位置変換手段66を有する。指定位置変換手段64は、三次元位置特定手段15が特定した三次元位置を第1の展開ビュー上の座標に変換する。言い換えれば、指定位置変換手段64は、三次元位置特定手段15が特定した三次元位置のボクセルが、第1の展開ビュー上のどの位置に投影されているかを特定する。三次元位置特定手段15が特定した三次元位置のボクセルが第1の展開ビュー上のどの位置に投影されているかは、第1の展開ビューを生成したときの情報を参照することで特定可能である。
【0073】
ここで、三次元位置特定手段15が特定した三次元位置のボクセルが、第1の展開ビューに投影されていないことも考えられる。つまり、第1の展開ビューに、三次元位置特定手段15が特定した三次元位置のボクセルに対応する画素が含まれていないことも考えられる。そのような場合、指定位置変換手段64は、第1の展開ビューに投影されたボクセルのうちで、特定された三次元位置に最も近い三次元位置のボクセルを調べ、そのボクセルが投影された第1の展開ビュー上の座標を、特定された三次元位置のボクセルが投影された座標とすればよい。
【0074】
対応点特定手段65は、非剛体位置合わせの手法を用いて、指定位置変換手段64で変換された第1の展開ビュー上の座標に対応する第2の展開ビュー上の座標を求める。つまり対応点特定手段65は、指定位置変換手段64で変換された第1の展開ビュー上の座標(展開ビュー上の点)が、第2の展開ビュー上のどの座標に該当するかを調べる。対応点特定手段65は、第1の展開ビューと第2の展開ビューとを非剛体位置合わせする際の情報を用いて座標変換を行う。この情報は、例えば第1の展開ビューにおける座標系を、第2の展開ビューにおける座標系に変換するために必要な情報を含む。第1の展開ビューと第2の展開ビューとを非剛体位置合わせする際の情報は、管腔の構造から得られる情報に相当する。
【0075】
対応位置変換手段66は、対応点特定手段65が求めた第2の展開ビュー上の点を、第2の三次元データ22中の三次元位置に変換する。つまり対応位置変換手段66は、対応点特定手段65が求めた第2の展開ビュー上の点が、第2の三次元データ22中のどの三次元位置のボクセルを投影した点であるかを特定する。第2の展開ビュー上の点が、第2の三次元データ22中のどの三次元位置のボクセルを投影した点であるかは、第2の展開ビューを生成したときの情報を参照することで特定可能である。対応位置変換手段66の動作は、指定位置変換手段64が第1の三次元データ21中の三次元位置を第1の展開ビュー上の座標に変換する動作の逆の動作となる。
【0076】
図10は、第2実施形態における動作手順を示している。三次元データ入力手段11は、第1及び第2の三次元データ21、22を入力する(ステップB1)。パス設定手段12は、管腔内部に第1及び第2のパスを設定する(ステップB2)。展開ビュー生成手段19は、第1及び第2の三次元データ21、22に基づいて、それぞれ第1及び第2の展開ビューを生成する(ステップB3)。展開ビュー生成手段19は、例えばパス設定手段12が設定した第1及び第2のパスのスタート地点からエンド地点までの管腔の内壁を二次元画像に展開した展開ビューを、それぞれ第1及び第2の展開ビューとして生成する。
【0077】
仮想内視鏡画像生成手段13は、第1及び第2の三次元データ21、22に基づいて、それぞれ第1及び第2の仮想内視鏡画像を生成する(ステップB4)。仮想内視鏡画像生成手段13は、ステップB4では、パス設定手段12が設定した第1及び第2のパス上に視点がある第1及び第2の仮想内視鏡画像をそれぞれ生成する。出力手段18は、表示装置30に第1及び第2の仮想内視鏡画像を出力する。表示装置30は、表示画面上に、第1及び第2の仮想内視鏡画像31、32を表示する(ステップB5)。
【0078】
画像処理装置10aは、ユーザが位置指定を行ったか否かを判断する(ステップB6)。ユーザが位置指定を行わないとき、仮想内視鏡画像生成手段13は、生成すべき第1及び第2の仮想内視鏡画像の視点位置を変更する(ステップB7)。その後ステップA3に戻り、仮想内視鏡画像生成手段13は、変更した視点位置で第1及び第2の仮想内視鏡画像を生成する。仮想内視鏡画像生成手段13は、例えば第1及び第2のパスの経路に沿って視点位置をエンド地点側に進めて第1及び第2の仮想内視鏡画像を生成する。
【0079】
ユーザが入力装置41を用いて位置指定を行うと、位置指定受付手段14は、ユーザが第1の仮想内視鏡画像31上で指定した位置(座標)を三次元位置特定手段15に渡す。三次元位置特定手段15は、位置指定受付手段14からユーザの指定位置に関する情報を受け取り、第1の仮想内視鏡画像31上でユーザが指定した位置を、第1の三次元データ21中の三次元位置に変換する(ステップB8)。三次元位置特定手段15は、ユーザの指定位置に該当する第1の三次元データ21中の三次元位置を三次元位置変換手段16aに渡す。
【0080】
三次元位置変換手段16aの指定位置変換手段64(図9)は、三次元位置特定手段15が特定した第1の三次元データ21中の三次元位置を、第1の展開ビュー上の位置に変換する(ステップB9)。対応点特定手段65は、第1の展開ビューと第2の展開ビューを非剛体位置合わせする際の情報を用いて、指定位置変換手段64が変換した第1の展開ビュー上の位置に対応する第2の展開ビュー上の位置を特定する(ステップB10)。対応位置変換手段66は、対応点特定手段65が特定した第2の展開ビュー上の位置を、第2の三次元データ22中の三次元位置に変換する(ステップB11)。
【0081】
三次元位置変換手段16aは、ユーザの指定位置に対応する第2の三次元データ22中の三次元位置に関する情報を対応位置可視化手段17に渡す。対応位置可視化手段17は、受け取った第2の三次元中の三次元位置が、第2の仮想内視鏡画像上のどの座標に該当するかを割り出す。対応位置可視化手段17は、出力手段18を介して表示装置30に割り出した座標にマークを付加する旨の情報を出力する(ステップB12)。表示装置30は、対応位置を可視化する第2の仮想内視鏡画像32上に、対応位置を示すマークを重ねて表示する。或いは対応位置可視化手段17は、第2の仮想内視鏡画像に対応位置を示すマークを書き込んでもよい。
【0082】
なお、本実施形態における動作手順は、ステップB3で展開ビューを生成し、ステップB9〜B11で展開ビューを用いてユーザの指定位置に対応する第2の三次元データ22中の三次元位置を求める点を除けば、図3に示す第1実施形態における動作手順と同様である。図10のステップB1、B2、B4〜B8、B12は、それぞれ図3のステップA1、A2、A3〜A8、A11に相当する。
【0083】
図11(a)は第1の展開ビューを示し、(b)は第2の展開ビューを示している。対応点特定手段65は、第1の展開ビューと第2の展開ビューとを非剛体位置合わせし、第1の展開ビューにおける各点と、第2の展開ビューにおける各点との対応関係を求めておく。例えば第1の展開ビューを基準に考えた場合、図11(a)に示す第1の展開ビュー上で直交座標に対して平行な直線上の各点は、図11(b)に示すように、第2の展開ビュー上ではゆがんだ曲線上の各点に対応する。なお、非剛体位置合わせでは双方の展開ビュー間で各点の対応関係が求まればよく、実際に第2の展開ビューを変形して第1の展開ビューと重ね合わせることまでは要しない。
【0084】
三次元位置特定手段15は、ユーザの指定位置に該当する第1の三次元データ21中の三次元位置を求める。この三次元位置の求め方は第1実施形態における求め方と同じでよい(図4)。指定位置変換手段64は、特定されたユーザの指定位置に該当する第1の三次元データ21中の三次元位置が、第1の展開ビュー上のどの位置に対応するかを特定する。第1の三次元データ21中の三次元位置は、第1の展開ビューでは図11(a)に示す位置Q1であったとする。
【0085】
対応点特定手段65は、第1の展開ビュー上の点Q1の位置が、第2の展開ビューではどの位置になるかを特定する。対応点特定手段65が特定した第2の展開ビュー上の対応位置は、図11(b)に示す位置Q2であったとする。第2の展開ビュー上の対応点は、非剛体位置合わせの際の情報を用いることで特定可能である。対応点特定手段65は、例えば第1の展開ビュー上の点Q1の座標位置(x1,y1)に対して座標変換処理を施すことで、第2の展開ビュー上の対応点Q2の座標位置(x2,y2)を求める。対応位置変換手段66は、第2の展開ビュー上の対応点Q2を、第2の展開ビュー生成時の情報を用いて第2の三次元データ22中の三次元位置に変換する。
【0086】
本実施形態では、展開ビュー生成手段19は第1及び第2の展開ビューを生成し、三次元位置変換手段16aは、第1の展開ビューと第2の展開ビューとを非剛体位置合わせする際の情報を用いて、ユーザの指定位置に対応する第2の三次元データ22中の三次元位置を求める。ユーザの指定位置に該当する第1の三次元データ21中の三次元位置を第1の展開ビュー上の点に変換し、第1の展開ビュー上の点に対応する第2の展開ビュー上の位置を展開ビュー間の対応関係を用いて特定し、第2の展開ビュー上の対応点を第2の三次元データ22中の三次元位置に変換することでも、ユーザの指定位置に対応する第2の三次元データ22中の三次元位置を求めることができる。その他の効果は第1実施形態と同様である。
【0087】
次いで、本発明の第3実施形態を説明する。本実施形態の画像処理装置の構成は、図1に示す第1実施形態における画像処理装置10と同様である。本実施形態の画像処理装置は、対応位置可視化手段17における動作が、第1実施形態における動作と相違する。本実施形態の画像処理装置における第1及び第2の三次元データの入力から、ユーザの指定位置に対応する第2の三次元データ中の三次元位置への変換までの動作は、図3に示すステップA1〜10の動作と同様である。
【0088】
対応位置可視化手段17は、ユーザの指定位置に対応する第2の三次元データ22中の三次元位置が求まると、仮想内視鏡画像生成手段13に対して、ユーザの指定位置に対応する第2の三次元データ22中の三次元位置がよく観察できる位置に視点を置いた第2の仮想内視鏡画像の生成を指示する。仮想内視鏡画像生成手段13は、ユーザの指定位置に対応する第2の三次元データ22中の三次元位置を正面にとらえることができる点を視点とする第2の仮想内視鏡画像を生成する。仮想内視鏡画像生成手段13は、例えばユーザの指定位置に対応する第2の三次元データ22中の三次元位置から管腔の中心線(第2のパス)に対して垂線を下ろし、中心線と垂線とが交差する位置を視点に設定し、その視点からユーザの指定位置に対応する三次元位置の方向を見る第2の仮想内視鏡画像を生成する。
【0089】
また、対応位置可視化手段17は、仮想内視鏡画像生成手段13に対して、ユーザの指定位置がよく観察できる位置に視点を置いた第1の仮想内視鏡画像の生成を指示する。仮想内視鏡画像生成手段13は、ユーザの指定位置に該当する第1の三次元データ21中の三次元位置を正面にとらえることができる点を視点とする第1の仮想内視鏡画像を生成する。仮想内視鏡画像生成手段13は、例えばユーザの指定位置に対応する三次元位置から管腔の中心線(第1のパス)に対して垂線を下ろし、中心線と垂線とが交差する位置を視点に設定し、その視点からユーザの指定位置に対応する三次元位置の方向を見る第1の仮想内視鏡画像を生成する。
【0090】
本実施形態においては、対応位置可視化手段17は、仮想内視鏡画像生成手段13が生成した第2の仮想内視鏡画像、すなわち視点位置をユーザの指定位置に対応した第2の三次元データ22中の三次元位置が観察しやすい位置に置いた第2の仮想内視鏡画像で、ユーザの指定位置に対応する第2の三次元データ22中の三次元位置部分を可視化する。また、対応位置可視化手段17は、上記に加えて、ユーザの指定位置に該当する第1の三次元データ21中の三次元位置部分を、ユーザの指定位置に該当する三次元位置が観察しやすい位置に視点位置を置いた第1の仮想内視鏡画像で可視化する。
【0091】
出力手段18は、仮想内視鏡画像生成手段13で生成された、指定位置及びその対応位置を正面から観察できる位置に視点を置いた第1及び第2の仮想内視鏡画像を表示装置30に出力する。表示装置30は、位置指定時に表示していた第1及び第2の仮想内視鏡画像31、32に加えて、ユーザの指定位置及びその対応位置を正面から観察できる第1及び第2の仮想内視鏡画像を表示する。或いは表示装置30は、位置指定時に表示していた第1及び第2の仮想内視鏡画像31、32に代えて、ユーザの指定位置及びその対応位置を正面から観察できる第1及び第2の仮想内視鏡画像を表示してもよい。
【0092】
図12は、第2の三次元データ22に含まれる管腔の一部を示している。視点位置P2は、ユーザの位置指定時の第1の仮想内視鏡画像の視点位置P1(図5(a))に対応した視点位置であるとする。三次元位置X2は、ユーザの指定位置に対応する第2の三次元データ22中の三次元位置である。この三次元位置X2は、例えば、図5(b)に示すように視点位置P2から第2の視線方向a2にレイを飛ばすことで求めることができる。
【0093】
ここで、ユーザが、第1の仮想内視鏡画像31上で位置を指定したことから考えると、視点位置P2の第2の仮想内視鏡画像32には、ユーザの指定位置に対応する三次元位置X2が描かれている(映っている)と考えられる。しかしながら、視点位置P2は、必ずしも三次元位置X2の観察に最適な視点位置になっているとは限らない。そこで、視点位置を、三次元位置X2を正面から観察できる位置である位置P2aにずらす。仮想内視鏡画像生成手段13で、視点位置を位置P2aに置いた第2の仮想内視鏡画像を生成し、その第2の仮想内視鏡画像を表示装置30に表示することで、ユーザは、第1の仮想内視鏡画像31上で指定した位置に対応する第2の三次元データ22中の三次元位置X2を、その位置を観察するのに適した第2の仮想内視鏡画像で観察することができる。
【0094】
本実施形態では、対応位置可視化手段17は、ユーザの指定位置に対応する第2の三次元データ22中の三次元位置を、その位置を正面にとらえることができる点を視点とする第2の仮想内視鏡画像で可視化する。このようにする場合、ユーザは、より観察に適した第2の仮想内視鏡画像で、ユーザの指定位置に対応する第2の三次元データ22中の三次元位置を観察できる。また、仮想内視鏡画像生成手段13が、ユーザの指定位置に該当する第1の三次元データ21中の三次元位置を、その位置を正面にとらえることができる点を視点とする第1の仮想内視鏡画像を生成する場合は、ユーザは、双方の三次元データで、ユーザの指定位置及びその対応位置の状態がどのようになっているかを見比べることができ、病変が存在するか否かの判断を適切に行うことができる。
【0095】
なお、本実施形態では、対応位置を正面にとらえる第2の仮想内視鏡画像で対応位置を可視化するため、位置指定時に第2の仮想内視鏡画像を生成していなくてもよい。また、対応位置を正面にとらえることができる位置を視点位置とする第2の仮想内視鏡画像では、対応位置は第2の仮想内視鏡画像の中央付近にあるので、ユーザはその第2の仮想内視鏡画像から対応位置をすぐに判別可能であると考えられる。このため、第2の仮想内視鏡画像に付加すべき対応位置であることを示すマークは省略しても構わない。対応位置を正面にとらえる仮想内視鏡画像では、対応位置が厳密に画像の中央にある必要まではない。対応位置は、例えば仮想内視鏡画像の中央を中心に所定半径の円を考えたとき、対応位置がその円の内側に入っていればよい。
【0096】
続いて、本発明の第4実施形態を説明する。図13は、本発明の第4実施形態の画像処理装置を示している。本実施形態の画像処理装置10bの構成は、図1に示す第1実施形態における画像処理装置10の構成に加えて、断面画像生成手段20を備える。断面画像生成手段20は、三次元データ中の任意の位置の二次元断面画像を生成する。本実施形態では、対応位置可視化手段17は、第2の仮想内視鏡画像に加えて、又はこれに加えて、断面画像生成手段20が生成する二次元断面画像を用いて、ユーザの指定位置に対応する第2の三次元データ22中の三次元位置を可視化する。
【0097】
対応位置可視化手段17は、ユーザの指定位置に対応する第2の三次元データ22中の三次元位置が求まると、断面画像生成手段20に対して、ユーザの指定位置に対応する第2の三次元データ22中の三次元位置を含む二次元断面画像の生成を指示する。断面画像生成手段20は、ユーザの指定位置に対応する第2の三次元データ22中の三次元位置を含む二次元断面画像を生成する。また、対応位置可視化手段17は、断面画像生成手段20に対して、ユーザの指定位置に該当する第1の三次元データ21中の三次元位置を含む二次元断面画像の生成を指示する。断面画像生成手段20は、ユーザの指定位置に該当する第1の三次元データ21中の三次元位置を含む二次元断面画像を生成する。
【0098】
本実施形態においては、対応位置可視化手段17は、断面画像生成手段20が生成した二次元断面画像、すなわちユーザの指定位置に対応した第2の三次元データ22中の三次元位置を含む二次元断面画像で、ユーザの指定位置に対応する第2の三次元データ22中の三次元位置部分を可視化する。また、対応位置可視化手段17は、上記に加えて、ユーザの指定位置に該当する第1の三次元データ21中の三次元位置部分を、ユーザの指定位置に該当する三次元位置を含む二次元断面画像で可視化する。
【0099】
出力手段18は、断面画像生成手段20で生成された指定位置及びその対応位置を含む二次元断面画像を表示装置30に出力する。表示装置30は、位置指定時に表示していた第1及び第2の仮想内視鏡画像31、32に加えて、ユーザの指定位置及びその対応位置を含む二次元断面画像を表示する。或いは表示装置30は、位置指定時に表示していた第1及び第2の仮想内視鏡画像31、32に代えて、ユーザの指定位置及びその対応位置を含む二次元断面画像を表示してもよい。
【0100】
図14(a)は三次元データに含まれる物体を示し、(b)は物体の断面画像を示している。図14(a)において、+のマークが付けられた位置が、ユーザの指定位置に対応する第2の三次元データ22中の三次元位置であるとする。第2の三次元データ22は、互いに直交するx,y,zの3つの軸を有する座標系で表わされているとする。断面画像生成手段20は、例えば図14(b)に示すように、ユーザの指定位置に対応する第2の三次元データ22中の三次元位置をxy平面で切断した断面図、yz平面で切断した断面図、及びxz平面で切断した断面図を生成する。対応位置可視化手段17は、二次元断面画像に対しても、対応位置であることを示すマーク(+)を付加してもよい。
【0101】
本実施形態では、対応位置可視化手段17は、ユーザの指定位置に対応する第2の三次元データ22中の三次元位置を、その位置を含む二次元断面画像で可視化する。このようにする場合、ユーザは、指定位置に対応する三次元位置を断面画像で観察することができる。また、断面画像生成手段20が、ユーザの指定位置に該当する第1の三次元データ21中の三次元位置を、その位置を含む二次元断面画像を生成する場合、ユーザは、双方の断面画像を観察して、ユーザの指定位置及びその対応位置の状態がどのようになっているかを調べることができる。
【0102】
なお、第1の三次元データ21と第2の三次元データ22とは、必ずしも同一の撮影装置を用いて撮影されている必要はない。例えば同一被検体に対して、ある撮影装置を用いて撮影された三次元画像データを第1の三次元データ21とし、別の撮影装置を用いて撮影された三次元画像データを第2の三次元データ22としてもよい。また、上記各実施形態では、主に撮影時の体位が異なる三次元データを用いて説明を行ったが、第1及び第2の三次元データ21、22は同一データでなければよく、例えば撮影時の体位は同じで撮影日時が異なるデータでもよい。撮影時の体位が同じ場合は、視線方向変換手段61(図2)における視線方向の変換は省略してもよい。
【0103】
上記各実施形態は、適宜組み合わせて用いることができる。例えば第3及び第4実施形態は、第1実施形態との組み合わせだけでなく、展開ビューを用いてユーザの指定位置に対応する三次元位置を求める第2実施形態と組み合わせることも可能である。また、第3実施形態と第4実施形態とを組み合わせることもできる。その場合、表示装置30には、ユーザの指定位置に対応する第2の三次元データ22中の三次元位置を正面でとらえることができる第2の仮想内視鏡画像と、その位置の二次元断面画像とを同時に表示してもよい。多様な画像でユーザの指定位置に対応する第2の三次元データ22中の三次元位置を可視化することで、ユーザは、その位置がどのような状態になっているかを適切に判断することができる。
【0104】
以上、本発明をその好適な実施形態に基づいて説明したが、本発明の仮想内視鏡画像処理装置、方法、及びプログラムは、上記実施形態にのみ限定されるものではなく、上記実施形態の構成から種々の修正及び変更を施したものも、本発明の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0105】
10:仮想内視鏡画像処理装置
11:三次元データ入力手段
12:パス設定手段
13:仮想内視鏡画像生成手段
14:位置指定受付手段
15:三次元位置特定手段
16:三次元位置変換手段
17:対応位置可視化手段
18:出力手段
19:展開ビュー生成手段
20:断面画像生成手段
21、22:三次元データ
30:表示装置
31、32:仮想内視鏡画像
41:入力装置
61:視線方向変換手段
62:視点位置変換手段
63:対応座標変換手段
64:指定位置変換手段
65:対応点特定手段
66:対応位置変換手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
それぞれが、撮影装置を用いて撮影された管腔を有する被検体の内部を示す第1及び第2の三次元データに基づいて、同一の管腔の内部を疑似的な三次元画像で可視化するための第1及び第2の仮想内視鏡画像をそれぞれ生成する仮想内視鏡画像生成手段と、
前記第1の仮想内視鏡画像の上で位置の指定を受け付ける位置指定受付手段と、
前記第1の仮想内視鏡画像上で指定された位置に該当する第1の三次元データ中の三次元位置を特定する三次元位置特定手段と、
前記三次元位置特定手段で特定された第1の三次元データ中の三次元位置から、該三次元位置に対応する、前記第2の三次元データ中の三次元位置を求める三次元位置変換手段と、
前記求められた第2の三次元データ中の三次元位置部分を可視化して表示する対応位置可視化手段とを備えたことを特徴とする仮想内視鏡画像処理装置。
【請求項2】
前記三次元位置変換手段が、前記第1及び第2の三次元データから計算された管腔の構造から得られる情報を用いて、前記第2の三次元データ中の三次元位置を求めるものであることを特徴とする請求項1に記載の仮想内視鏡画像処理装置。
【請求項3】
前記三次元位置特定手段が、前記ユーザの指定位置から前記第1の三次元データの三次元画像空間へ、前記位置の指定が行われた第1の仮想内視鏡画像の視点から前記ユーザの指定位置へ向かう視線方向に沿ってレイを飛ばし、該レイが所定の条件を満たす前記第1の三次元データ中のボクセルを通過するとき、当該ボクセルの座標位置に基づいて、前記第1の仮想内視鏡画像上で指定された位置に該当する第1の三次元データ中の三次元位置を特定するものであることを特徴とする請求項1又は2に記載の仮想内視鏡画像処理装置。
【請求項4】
前記第1及び第2の三次元データに対して前記管腔に沿って第1及び第2のパスをそれぞれ設定するパス設定手段を更に備え、
前記仮想内視鏡画像生成手段が、前記第1及び第2パス上の点を視点として、該視点から前記管腔の内部を見たことを想定した疑似的な三次元画像をそれぞれ前記第1及び第2の仮想内視鏡画像として生成するものであることを特徴とする請求項1から3何れかに記載の仮想内視鏡画像処理装置。
【請求項5】
前記三次元位置変換手段が、前記第1の仮想内視鏡画像上で位置が指定されたときの第1のパス上の視点位置と前記三次元位置特定手段が特定した第1の三次元データ中の三次元位置との位置関係、及び前記第1の三次元データの撮影時の被検体の体位と前記第2の三次元データの撮影時の被検体の体位との関係に基づいて、前記三次元位置特定手段で特定された第1の三次元データ中の三次元位置から前記第2の三次元データ中の三次元位置を求めるものであることを特徴とする請求項4に記載の仮想内視鏡画像処理装置。
【請求項6】
前記三次元位置変換手段が、
前記位置指定が行われたときの第1の仮想内視鏡画像の視点から前記三次元位置特定手段で特定された第1の三次元データ中の三次元位置に向かう第1の視線方向を、前記第1の三次元データの撮影時の被検体の体位と前記第2の三次元データの撮影時の被検体の体位との関係に従って第2の視線方向に変換する視線方向変換手段と、
前記位置指定が行われたときの第1の仮想内視鏡画像の視点の前記第1のパス上での位置に基づいて、前記第2のパス上で対応する視点位置を求める視点位置変換手段と、
前記求められた第2の視線方向と第2のパス上で対応する視点位置とに基づいて、前記三次元位置特定手段で特定された第1の三次元データ中の三次元位置に対応する前記第2の三次元データ中の三次元位置を求める対応座標変換手段とを有することを特徴とする請求項5に記載の仮想内視鏡画像処理装置。
【請求項7】
前記対応座標変換手段が、前記第2の三次元データの三次元画像空間で、前記視点位置変換手段が求めた第2のパス上の対応する視点位置から前記第2の視線方向にレイを飛ばし、該レイが所定の条件を満たすボクセルを通過するとき、当該ボクセルの座標位置を、前記対応する前記第2の三次元データ中の三次元位置とするものであることを特徴とする請求項6に記載の仮想内視鏡画像処理装置。
【請求項8】
前記視点位置変換手段が、前記第1のパスの始点から前記位置指定時の第1の仮想内視鏡画像の視点までの距離を求め、前記第2のパス上で前記第2のパスの始点から前記求めた距離だけ離れた点を前記第2のパス上の対応する視点位置とするものであることを特徴とする請求項6又は7に記載の仮想内視鏡画像処理装置。
【請求項9】
前記1及び第2の三次元データの何れか一方が仰臥位で撮影されたデータで、他方が腹臥位で撮影されたデータであり、前記視点方向変換手段が、前記第1の視線方向を体軸周りに180°回転させた方向を前記第2の視線方向とするものであることを特徴とする請求項6から8何れかに記載の仮想内視鏡画像処理装置。
【請求項10】
前記仮想内視鏡画像生成手段が、前記第1及び第2のパスの始点からの距離が相互に等しい点を視点とする第1及び第2の仮想内視鏡画像をそれぞれ生成するものであることを特徴とする請求項4から9何れかに記載の仮想内視鏡画像処理装置。
【請求項11】
前記第1及び第2の三次元データに基づいて、それぞれ前記管腔の内壁を表す第1及び第2の展開ビューを生成する展開ビュー生成手段を更に備え、
前記三次元位置変換手段が、前記第1の展開ビューと第2の展開ビューとを非剛体位置合わせする際の情報を用いて、前記三次元位置特定手段で特定された第1の三次元データ中の三次元位置に対応する前記第2の三次元データ中の三次元位置を求めるものであることを特徴とする請求項1から4何れかに記載の仮想内視鏡画像処理装置。
【請求項12】
三次元位置変換手段が、
前記特定された第1の三次元データ中の三次元位置を前記第1の展開ビュー上の位置に変換する指定位置変換手段と、
前記第1の展開ビューと前記第2の展開ビューとを非剛体位置合わせする際の情報を用いて、前記指定位置変換手段が変化した第1の展開ビュー上の位置に対応する前記第2の展開ビュー上の位置を求める対応点特定手段と、
前記対応点特定手段が求めた第2の展開ビュー上の位置を前記第2の三次元データ中の三次元位置に変換する対応位置変換手段とを有することを特徴とする請求項11に記載の仮想内視鏡画像処理装置。
【請求項13】
前記対応位置可視化手段が、前記求められた第2の三次元データ中の三次元位置部分を、前記仮想内視鏡画像生成手段が生成した前記第2の仮想内視鏡画像で可視化すると共に、前記第2の仮想内視鏡画像における前記求められた第2の三次元データ中の三次元位置部分に対応位置であることを示すマークを付加するものであることを特徴とする請求項1から12何れかに記載の仮想内視鏡画像処理装置。
【請求項14】
前記仮想内視鏡画像生成手段が、前記三次元位置変換手段が前記第2の三次元データ中の三次元位置を求めると、該求められた第2の三次元データ中の三次元位置を正面にとらえることができる点を視点とする第2の仮想内視鏡画像を生成し、前記対応位置可視化手段が、第2の三次元データ中の三次元位置部分を、当該生成された第2の仮想内視鏡画像で可視化するものであることを特徴とする請求項1から13何れかに記載の仮想内視鏡画像処理装置。
【請求項15】
前記第2の三次元データに基づいて、前記求められた第2の三次元データ中の三次元位置を含む二次元断面画像を生成する断面画像生成手段を更に備え、前記対応位置可視化手段は、前記第2の仮想内視鏡画像に加えて、又はこれに代えて、前記二次元断面画像で第2の三次元データ中の三次元位置部分を可視化するものであることを特徴とする請求項13又は14に記載の仮想内視鏡画像処理装置。
【請求項16】
前記三次元位置特定手段が、前記第1の三次元データ及び前記第1の仮想内視鏡画像の少なくとも一方から前記指定された位置に存在する物体を検出し、該検出された物体の重心位置を、前記指定された位置に該当する第1の三次元データ中の三次元位置として特定するものであることを特徴とする請求項1から15何れかに記載の仮想内視鏡画像処理装置。
【請求項17】
撮影装置を用いて撮影された管腔を有する被検体の内部を示す第1及び第2の三次元データのうち、少なくとも前記第1の三次元データに基づいて、管腔の内部を疑似的な三次元画像で可視化するための第1の仮想内視鏡画像を生成する仮想内視鏡画像生成ステップと、
前記第1の仮想内視鏡画像の上で位置の指定を受け付ける位置指定ステップと、
前記第1の仮想内視鏡画像上で指定された位置に該当する第1の三次元データ中の三次元位置を特定する三次元位置特定ステップと、
前記特定された第1の三次元データ中の三次元位置から、該三次元位置に対応する、前記第2の三次元データ中の三次元位置を求める三次元位置変換ステップと、
前記求められた第2の三次元データ中の三次元位置部分を可視化して表示する対応位置可視化ステップとを有することを特徴とする仮想内視鏡画像処理方法。
【請求項18】
前記仮想内視鏡画像生成ステップにおいて、第1の仮想内視鏡画像の生成に加えて、前記第2の三次元データに基づいて、前記第1の仮想内視鏡画像で可視化する管腔と同一の管腔の内部を可視化するための第2の仮想内視鏡画像を生成し、前記対応位置可視化ステップにおいて、前記第2の仮想内視鏡画像を表示すると共に、前記第2の仮想内視鏡画像における前記求められた第2の三次元データ中の三次元位置部分に対応位置であることを示すマークを表示することを特徴とする請求項17に記載の仮想内視鏡画像処理方法。
【請求項19】
前記第2の三次元データに基づいて、前記求められた第2の三次元データ中の三次元位置を含む二次元断面画像を生成する断面画像生成ステップを更に有し、前記対応位置可視化ステップにおいて、前記第2の仮想内視鏡画像に加えて、又はこれに代えて、前記二次元断面画像を表示することを特徴とする請求項18に記載の仮想内視鏡画像処理方法。
【請求項20】
コンピュータに、
撮影装置を用いて撮影された管腔を有する被検体の内部を示す第1及び第2の三次元データのうち、少なくとも前記第1の三次元データに基づいて、管腔の内部を疑似的な三次元画像で可視化するための仮想内視鏡画像を生成するステップと、
前記第1の三次元データに基づいて生成された仮想内視鏡画像の上で位置の指定を受け付けるステップと、
前記第1の三次元データに基づいて生成された仮想内視鏡画像上で指定された位置に該当する第1の三次元データ中の三次元位置を特定するステップと、
前記特定された第1の三次元データ中の三次元位置から、該三次元位置に対応する、前記第2の三次元データ中の三次元位置を求めるステップと、
前記求められた第2の三次元データ中の三次元位置部分を可視化して表示するステップとを実行させることを特徴とするプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図5】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図12】
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【図13】
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【図4】
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【図6】
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【図7】
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【図11】
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【図14】
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【公開番号】特開2011−206297(P2011−206297A)
【公開日】平成23年10月20日(2011.10.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−77412(P2010−77412)
【出願日】平成22年3月30日(2010.3.30)
【出願人】(306037311)富士フイルム株式会社 (25,513)
【Fターム(参考)】