説明

伝搬時間測定装置、伝搬時間測定方法

【課題】波動の伝搬時間の測定において、少ない送受波子数及び少ない測定回数で高精度の測定を実現する伝搬時間測定装置、伝搬時間測定方法を提供する。
【解決手段】N個の長さMのベクトルV1とN次の直交行列U1とのクロネッカ積に基づくベクトルV2同士を加算してベクトルV3を生成するベクトル生成部と、ベクトルV3と搬送波に基づいて変調を行う変調部と、変調部の出力が伝搬路を伝搬した信号を復調してベクトルV4とする復調部と、N次の直交行列U2とM次の単位行列とのクロネッカ積により得られる行列U3を用い、ベクトルM3及び行列U3の乗算に基づいてベクトルV5を算出するベクトル算出部と、ベクトルV5とベクトルV1との相関演算を行ってベクトルV6を算出する相関演算部と、ベクトルV6同士を加算してベクトルV7を算出する加算部と、ベクトルV7内のピークに基づいて伝搬時間を検出する検出部とを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、波動の伝搬時間を測定する伝搬時間測定装置、伝搬時間測定方法に関する。
【背景技術】
【0002】
超音波による伝搬時間測定の基本原理は、超音波の直進性及び定速性を利用し、送波子により送信されたパルス超音波が物体に当たって反射し、受波子により受信されるまでに要する時間を測定する。例えば、M系列信号を用いた送信信号と受信信号との相互相関処理を行うことにより伝搬時間を測定する技術がある。(例えば、非特許文献1、非特許文献2参照)。この技術は、M系列信号の自己相関特性を用いることで、チャープ波などを用いる方法と比較して、SN比を改善させている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0003】
【非特許文献1】T. Tanzawa, N. Kiyohiro, S. Kotani, H. Mori, "The ultrasonic range finder for outdoor mobile robots," International Conference on Intelligent Robots and Systems-Volume 3, pp. 3368, 1995.
【非特許文献2】T. Yamamoto, R. Kijima, "Ultrasonic distance measurement system using Direct Sequence Spread Spectrum," Proceedings of the Virtual Reality Society of Japan Annual Conference (CD-ROM), pp. 3B3-3, 2006.
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、高精度の測定や長距離の測定を実現するためには、雑音の影響を低減するために、信号の繰り返し測定による平均化や、多くの送受波子による同時多点計測が必要である。
【0005】
本発明は上述した問題点を解決するためになされたものであり、波動の伝搬時間の測定において、少ない送受波子数及び少ない測定回数で高精度の測定を実現する伝搬時間測定装置、伝搬時間測定方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決するため、本発明の一態様は、波動の伝搬時間を測定する伝搬時間測定装置であって、互いに異なるN(Nは2以上の整数)個の長さMの所定のベクトルV1とN次の直交行列U1の各行ベクトルとのクロネッカ積に基づくN個のベクトルV2同士を加算して、1個のベクトルV3を生成するベクトル生成部と、ベクトルV3と搬送波に基づいて変調を行う変調部と、変調部の出力が伝搬路を伝搬した信号を復調してベクトルV4とする復調部と、直交行列U1に基づくN次の直交行列U2の各行ベクトルとM次の単位行列とのクロネッカ積により得られるN個の行列U3を用い、ベクトルM3及び行列U3の乗算に基づいてN個のベクトルV5を算出するベクトル算出部と、N個のベクトルV5の夫々とN個のベクトルV1の夫々との相関演算を行ってN個のベクトルV6を算出する相関演算部と、N個のベクトルV6同士を加算して1個のベクトルV7を算出する加算部と、ベクトルV7内のピークに基づいて伝搬時間を検出する検出部とを有する。
【0007】
また、本発明の一態様は、波動の伝搬時間を測定する伝搬時間測定方法であって、互いに異なるN(Nは2以上の整数)個の長さMの所定のベクトルV1とN次の直交行列U1の各行ベクトルとのクロネッカ積に基づくN個のベクトルV2同士を加算して、1個のベクトルV3を生成し、ベクトルV3と搬送波に基づいて変調を行い、変調の結果が伝搬路を伝搬した信号を復調してベクトルV4とし、直交行列U1に基づくN次の直交行列U2の各行ベクトルとM次の単位行列とのクロネッカ積により得られるN個の行列U3を用い、ベクトルM3及び行列U3の乗算に基づいてN個のベクトルV5を算出し、N個のベクトルV5の夫々とN個のベクトルV1の夫々との相関演算を行ってN個のベクトルV6を算出し、N個のベクトルV6同士を加算して1個のベクトルV7を算出する加算部と、ベクトルV7内のピークに基づいて伝搬時間を検出することを実行する。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、波動の伝搬時間の測定において、少ない送受波子数及び少ない測定回数で高精度の測定を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】超音波伝搬時間測定装置の構成を示すブロック図である。
【図2】変調部の構成を示すブロック図である。
【図3】復調部の構成を示すブロック図である。
【図4】超音波伝搬時間測定装置による測定結果の一例を示す波形図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しつつ説明する。
【0011】
以下の実施の形態においては、本発明の伝搬時間測定装置を適用した超音波伝搬時間測定装置について説明する。
【0012】
本実施の形態の超音波伝搬時間測定装置は、N(Nは2以上の整数)個の信号を1つの信号に重畳させる超多次元信号重畳を行うことにより、一対の素子及び一回の送受信で、N回分の音波伝搬時間計測を行う。
【0013】
本実施の形態においては、測定信号としてZCZ(Zero Correlation Zone)系列を用い、チップインターリーブ処理のための直交系列としてIDFT(inverse discrete Fourier transform:逆離散フーリエ変換)行列を用いる。
【0014】
測定信号として、M系列(maximal length sequences)、Gold系列、完全相補系列など自己相関特性に優れた系列を用いても良い。ここで、自己相関特性に優れた系列は、例えば、自己相関関数のピークレベルに対するピーク以外のレベルの比率が所定の比率以下となる系列である。所定のチップインターリーブ処理のための直交系列としてIDFT(discrete Fourier transform:離散フーリエ変換)行列、DFT行列、ユニタリ行列、完全相補系列などを用いても良い。
【0015】
本実施の形態における超音波伝搬時間測定装置の構成について以下に説明する。
【0016】
図1は、超音波伝搬時間測定装置1の構成を示すブロック図である。本実施の形態における超音波伝搬時間測定装置1は、変調部2、送波子3(Transmitter)、受波子4(Receiver)、復調部5を有する。
【0017】
図2は、変調部2の構成を示すブロック図である。変調部2は、ZCZ系列出力部11(ZCZ Sequences)、IDFT行列出力部12(IDFT Matrix)、乗算部13(Kronecker Product)、加算部14、ガードインターバル付加部15(Add Guard Interval)、直交変調部16(Quadrature modulation)を有する。
【0018】
図3は、復調部5の構成を示すブロック図である。復調部5は、直交検波部22(Quadrature detection)、マッチドフィルタ23(Matched Filter)、ZCZ系列出力部24(ZCZ Sequences)、N個の相関演算部25(Correlation)、平均化演算部26、伝搬時間検出部27(Propagation Time Detection)を有する。
【0019】
超音波伝搬時間測定装置1による超音波伝搬時間測定処理について以下に説明する。
【0020】
ZCZ系列出力部11は、予め記憶された長さM(Mは2以上の整数)のZCZ系列のベクトルxi(i=1,2,...N)を出力する。IDFT行列出力部11は、予め記憶されたN次IDFT行列の各行のベクトルfi(i=1,2,...N)を出力する。
【0021】
次に、乗算部13は、fiとxiのクロネッカ積である長さMNのベクトルsi(i=1,2,...N)を算出する。この乗算部13の処理により、xiのスペクトラムは、拡散される。siは、次式(1)で表される。
【0022】
【数1】

【0023】
即ち、siは、fiとxiのクロネッカ積で表される。
【0024】
次に、加算部14は、iが1からNまでのsi同士を加算することにより多重化して長さMNのベクトルuとする。
【0025】
次に、ガードインターバル付加部15は、uにガードインターバル(サイクリックプレフィックス)を付加してu’とすることにより、擬周期性を持たせる擬周期化を行う。
【0026】
次に、直交変調部16は、u’の実数部をIチャネルとして搬送波cos(ωt)を乗算すると共に、u’の虚数部をQチャネルとして搬送波sin(ωt)を乗算し、Iチャネルの乗算結果とQチャネルの乗算結果を加算する。
【0027】
次に、送波子3は、変調部2により出力された電気信号を超音波に変換して伝搬路6へ送信する。ここでの伝搬路6は、マルチパス環境(Multipath Environment)とする。次に、受波子4は、伝搬路6から受信した超音波を電気信号に変換して復調部5へ入力する。
【0028】
次に、直交検波部22は、BPFにより受波子4出力から不要な周波数成分を除去して2つに分配する。次に、直交検波部22は、分配した一方に搬送波cos(ωt)を乗算しLPFにより不要な高周波成分を除去してIチャネルとすると共に、分配した他方に搬送波sin(ωt)を乗算しLPFにより不要な高周波成分を除去してQチャネルとし、Iチャネルを実数部としQチャネルを虚数部とした長さMNのベクトルrを得る。
【0029】
マッチドフィルタ23は、予め記憶されたN行MN列の行列ZiにおけるN個の各行ベクトルのマッチドフィルタであり、rとZi(i=1,2,...N)を乗算してベクトルyi’を算出し、yi’の中央の長さMのベクトルをyiとする。N次DFT行列GNにおけるi番目の行ベクトルをgi(i=1,2,...N)とすると、Ziは、giとM次の単位行列IMを用いて、次式(2)で表される。
【0030】
【数2】

【0031】
即ち、Ziは、giとIMのクロネッカ積で表される。
【0032】
このマッチドフィルタ23によれば、受信された信号のスペクトラムが逆拡散されると共に多重化されていたN個の信号に分離される。即ち、N個の長さMのベクトルxiにそれぞれ伝搬路6のインパルス応答Hが重畳されたN個の長さMのベクトルyiが算出される。これは、互いにiが異なる2つのxiは、周期相互相関がすべてのシフトで0になるという性質を持つためである。
【0033】
次に、ZCZ系列出力部24は、ZCZ系列出力部11と同じく、予め記憶された長さMのZCZ系列のベクトルxi(i=1,2,...N)を出力する。
【0034】
次に、相関演算部25は、yiとxiとの相関演算を行って周期自己相関ci(i=1,2,...N)を得る。ここで、ciは、伝搬路6のインパルス応答Hに相当する。
【0035】
次に、平均化演算部26は、iが1からNまでのci同士を加算することにより平均化し、平均化結果を伝搬路6のインパルス応答を示すベクトルdとして出力する。
【0036】
次に、伝搬時間検出部27は、dの波形から直接波のピークを検出し、直接波の遅延時間である伝搬時間を算出する。
【0037】
測定結果における直接波と反射波の分離精度(時間分解能)は、単位時間当たりに送信されるビット数により決まる。
【0038】
図4は、超音波伝搬時間測定装置1による測定結果の一例を示す波形図である。この図は、上から順に、c1,c2,cN、及びdの波形を示す。この図において、横軸はサンプル番号(Sample Number)を表し、縦軸はピークレベルを1とした相対振幅を表す。
【0039】
1,c2,...cNは、同じ伝搬路6のインパルス応答を示す波形であり、それぞれ直接波(Direct Path)のピーク、反射波(Reflected Path)のピーク、雑音成分を含む。雑音成分は、ランダム性を持つことから、c1,c2,...cNにおける雑音成分は、互いに異なる。一方、dは、c1,c2,...cNの各サンプルが平均化された波形である。dにおける直接波のピークから伝搬時間Δtが検出される。従って、dにおいて雑音成分の影響は低減されている。例えば、シミュレーション及び実測が十分可能な値としてNを64とすると、平均化を行わない場合の測定結果と比較すると、本実施の形態の平均化により、SN比が約10dB改善することが期待できる。
【0040】
1,c2,...cNは、同時に送波子3から送信され、同じマルチパスの伝搬路6を通って、同時に受波子4に到達するため、c1,c2,...cNは、互いに完全に同期している。繰り返し測定を行う方式においては同期誤差が発生する場合があるが、本実施の形態においては同期誤差が発生しない。
【0041】
水中音響計測において、音波伝搬時間の精密測定は、主に深海域で多数のアレイを用いて行われている。それは、マルチパスの分離がしやすいためと、精度確保のために多くの機器を設置する必要があるためである。本実施の形態の方式によれば、シンプルな測定系であらゆる環境下での精密音響測定が可能になる。また、本実施の形態の方式は、音響通信の分野に応用することができる。例えば、チャネル等化のためのチャネル推定に用いることができる。
【0042】
本実施の形態によれば、一対の素子及び一回の送受信で、N回分の音波伝搬時間計測を行うことができる。また、本実施の形態によれば、あらゆる場所における温度や流速などを精度良く測定することができる。これにより、本実施の形態は、河口などにおける複雑な流れ場、空気中における温度や風向、混相流における流れ場、などの解明に寄与することができる。
【0043】
なお、ZCZ系列出力部11,24は、算出式からZCZ系列を生成しても良い。IDFT行列出力部12は、算出式からIDFT行列を生成しても良い。変調部2は、乗算部13、加算部14、ガードインターバル付加部15、直交変調部16のいずれかの出力において、予め記憶した波形を出力する構成としても良い。
【0044】
超音波伝搬時間測定装置の各機能は、ハードウェアにより実現されても良いし、ソフトウェアにより実現されても良い。ソフトウェアにより実現される場合、超音波伝搬時間測定装置は、例えばCPU(Central Processing Unit)やDSP(Digital Signal Processor)等のプロセッサと記憶部を有し、プロセッサが記憶部に格納されたプログラムを実行することにより超音波伝搬時間測定装置の各機能を実現する。
【0045】
本実施の形態では、伝搬させる波動として、超音波を用いたが、他の帯域の音波、振動、光、電磁波等を用いても良い。
【0046】
ベクトル生成部は、実施の形態におけるZCZ系列出力部11、IDFT行列出力部12、乗算部13、加算部14、ガードインターバル付加部15に対応する。変調部は、実施の形態における直交変調部16に対応する。復調部は、実施の形態における直交検波部22に対応する。ベクトル算出部は、実施の形態におけるマッチドフィルタ23に対応する。加算部は、実施の形態における平均化演算部26に対応する。検出部は、実施の形態における伝搬時間検出部27に対応する。
【0047】
ベクトルV1は、実施の形態におけるxiに対応する。直交行列U1は、実施の形態におけるN次IDFT行列(N個の行ベクトルfi)に対応する。ベクトルV2は、実施の形態におけるsiに対応する。ベクトルV3は、実施の形態におけるuに対応する。ベクトルV4は、実施の形態におけるrに対応する。直交行列U2は、実施の形態におけるN次DFT行列(N個の行ベクトルgi)に対応する。行列U3は、実施の形態におけるZiに対応する。ベクトルV5は、実施の形態におけるyiに対応する。ベクトルV6は、実施の形態におけるciに対応する。ベクトルV7は、実施の形態におけるdに対応する。
【0048】
本発明は、その精神または主要な特徴から逸脱することなく、他の様々な形で実施することができる。そのため、前述の実施の形態は、あらゆる点で単なる例示に過ぎず、限定的に解釈してはならない。本発明の範囲は、特許請求の範囲によって示すものであって、明細書本文には、何ら拘束されない。更に、特許請求の範囲の均等範囲に属する全ての変形、様々な改良、代替および改質は、全て本発明の範囲内のものである。
【符号の説明】
【0049】
1 超音波伝搬時間測定装置
2 変調部
3 送波子
4 受波子
5 復調部
11 ZCZ系列出力部
12 IDFT行列出力部
13 乗算部
14 加算部
15 ガードインターバル付加部
16 直交変調部
22 直交検波部
23 マッチドフィルタ
24 ZCZ系列出力部
25 相関演算部
26 平均化演算部
27 伝搬時間検出部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
波動の伝搬時間を測定する伝搬時間測定装置であって、
互いに異なるN(Nは2以上の整数)個の長さMの所定のベクトルV1とN次の直交行列U1の各行ベクトルとのクロネッカ積に基づくN個のベクトルV2同士を加算して、1個のベクトルV3を生成するベクトル生成部と、
ベクトルV3と搬送波に基づいて変調を行う変調部と、
前記変調部の出力が伝搬路を伝搬した信号を復調してベクトルV4とする復調部と、
直交行列U1に基づくN次の直交行列U2の各行ベクトルとM次の単位行列とのクロネッカ積により得られるN個の行列U3を用い、ベクトルM3及び行列U3の乗算に基づいてN個のベクトルV5を算出するベクトル算出部と、
N個のベクトルV5の夫々とN個のベクトルV1の夫々との相関演算を行ってN個のベクトルV6を算出する相関演算部と、
N個のベクトルV6同士を加算して1個のベクトルV7を算出する加算部と、
ベクトルV7内のピークに基づいて伝搬時間を検出する検出部と
を備える伝搬時間測定装置。
【請求項2】
ベクトルV1は、自己相関関数のピークレベルに対するピーク以外のレベルの比率が所定の比率以下となる系列である、
請求項1に記載の伝搬時間測定装置。
【請求項3】
ベクトルV1は、ZCZ系列、M系列、Gold系列、完全相補系列のいずれかである、
請求項2に記載の伝搬時間測定装置。
【請求項4】
直交行列U1は、逆離散フーリエ変換行列、離散フーリエ行列、ユニタリ行列、完全相補系列のいずれかであり、
直交行列U2は、逆離散フーリエ変換行列、離散フーリエ行列、ユニタリ行列、完全相補系列のいずれかである、
請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の伝搬時間測定装置。
【請求項5】
ベクトルV6は、ベクトルV1の自己相関関数と前記伝搬路のインパルス応答とが重畳された波形を表し、
N個のベクトルV6は、互いに同期している、
請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の伝搬時間測定装置。
【請求項6】
波動の伝搬時間を測定する伝搬時間測定方法であって、
互いに異なるN(Nは2以上の整数)個の長さMの所定のベクトルV1とN次の直交行列U1の各行ベクトルとのクロネッカ積に基づくN個のベクトルV2同士を加算して、1個のベクトルV3を生成し、
ベクトルV3と搬送波に基づいて変調を行い、
前記変調の結果が伝搬路を伝搬した信号を復調してベクトルV4とし、
直交行列U1に基づくN次の直交行列U2の各行ベクトルとM次の単位行列とのクロネッカ積により得られるN個の行列U3を用い、ベクトルM3及び行列U3の乗算に基づいてN個のベクトルV5を算出し、
N個のベクトルV5の夫々とN個のベクトルV1の夫々との相関演算を行ってN個のベクトルV6を算出し、
N個のベクトルV6同士を加算して1個のベクトルV7を算出する加算部と、
ベクトルV7内のピークに基づいて伝搬時間を検出する、
ことを実行する伝搬時間測定方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2010−210369(P2010−210369A)
【公開日】平成22年9月24日(2010.9.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−55962(P2009−55962)
【出願日】平成21年3月10日(2009.3.10)
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第1項適用申請有り 平成20年12月5日、国立大学法人東京工業大学主催の「The 5th Tokyo Young Researchers Workshop」において文書をもって発表
【出願人】(504171134)国立大学法人 筑波大学 (510)
【Fターム(参考)】