説明

伝送状態表示装置

【課題】例えば、遠隔制御監視システムなどにおける伝送状態表示装置で、ユーザにとって理解し易い伝送状態に関する情報を表示する。
【解決手段】デジタル無線伝送の伝送状態に関する情報を表示する伝送状態表示装置36、37、40において、評価値取得手段が前記デジタル無線伝送で伝送される信号について複数の異なる評価指標の評価値の情報を取得し、3段階評価値決定手段が前記評価値取得手段により取得された複数の異なる評価指標の評価値の情報に基づいてこれらを統合した3段階の評価値の情報を決定し、表示手段が前記3段階評価値決定手段により決定された3段階の評価値の情報を表示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、遠隔制御監視システムなどにおける伝送状態表示装置に関し、特に、伝送状態に関する総合的な評価結果の情報を表示することにより、ユーザにとって理解し易い伝送状態に関する情報を表示する伝送状態表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、図1に示されるようなマイクロ受信基地局システムでは、伝送状態を把握する手法として、各評価指標に基づく評価値をそれぞれ表示することで、操作者(ユーザ)への情報提供を行っている。デジタル無線伝送においては、TS(Transport Stream)信号に重畳させた支援データによって、より詳細な情報が操作端末内で解析可能となり、ユーザは伝送の可否についてより確証を得た判断を行えるようになった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004−297722号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、ここで問題となるのが、判断のパラメータが増えたことによる複雑度の影響である。過去のアナログ伝送においては、ユーザはおおよそ受信電界の1つのパラメータによって状態を判断し、また、受信された映像の鮮明さによって状態を認識することができた。
【0005】
一方、現在のデジタル伝送においては、例えば、BER(Bit Error Rate)、遅延プロファイル、コンスタレーションの他、様々な評価指標に基づくパラメータが加わった。この理由としては、受信した映像によって伝送状態を評価することが困難となり、様々なパラメータによる状態認識・判断が不可欠となったことが挙げられる。勿論、該当するシステム及び伝送技術を深く理解する技術側のユーザについては、これらのデータによってより的確な判断が可能となった。しかしながら、運用側のユーザは、システムを熟知していない場合が多く、いずれのパラメータが重要であるのか、また、各パラメータとしてはどれくらいの値が必要であるのか、などが不明であることが少なくない。
【0006】
本発明は、このような従来の事情に鑑み為されたもので、伝送状態に関する総合的な評価結果の情報を表示することにより、ユーザにとって理解し易い伝送状態に関する情報を表示することができる伝送状態表示装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため、本発明では、デジタル無線伝送の伝送状態に関する情報を表示する伝送状態表示装置において、次のような構成とした。
すなわち、評価値取得手段が、前記デジタル無線伝送で伝送される信号について、複数の異なる評価指標の評価値の情報を取得する。3段階評価値決定手段が、前記評価値取得手段により取得された複数の異なる評価指標の評価値の情報に基づいて、これらを統合した3段階の評価値の情報を決定する。表示手段が、前記3段階評価値決定手段により決定された3段階の評価値の情報を表示する。
従って、伝送状態に関する総合的な評価結果の情報を表示することにより、ユーザにとって理解し易い伝送状態に関する情報を表示することができる。
【0008】
ここで、デジタル無線伝送としては、種々なものに適用されてもよく、例えば、デジタル放送における無線伝送に適用することができる。
また、評価指標(評価値)としては、種々なものが用いられてもよい。
また、3段階の評価値の情報を決定するために用いられる複数の異なる評価指標(評価値)の数としては、種々な数が用いられてもよい。
また、複数の異なる評価指標の評価値の情報に基づいてこれらを統合した3段階の評価値の情報を決定する手法としては、種々なものが用いられてもよく、例えば、複数の異なる評価指標の評価値をパラメータとした所定の数式により3段階の評価値を決定する手法や、或いは、複数の異なる評価指標の評価値と3段階の評価値との対応テーブルを用いて決定する手法などを用いることができる。
また、3段階の評価値の情報を表示する態様としては、種々なものが用いられてもよく、例えば、信号機のように3色で区別して表示する態様や、或いは、数字(1、2、3など)や文字や記号等を用いて表示する態様などを用いることができる。
【発明の効果】
【0009】
以上説明したように、本発明に係る伝送状態表示装置によると、伝送状態に関する総合的な評価結果の情報(3段階の評価値の情報)を表示することにより、ユーザにとって理解し易い伝送状態に関する情報を表示することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の一実施例に係るマイクロ受信基地局システムの構成例を示す図である。
【図2】本発明の一実施例に係る操作端末における総合3段階状態表示を加えた画面の表示の一例を示す図である。
【図3】本発明の一実施例に係る総合3段階状態を定めて総合3段階状態表示を可能とするための各評価指標パラメータの設定画面の一例を示す図である。
【図4】本発明の一実施例に係る総合3段階状態表示部における状態変化情報の表示の一例を示す図である。
【図5】参考技術1に係るデジタル伝送状態評価についての表示の一例を示す図である。
【図6】参考技術1に係るデジタル無線伝送の安定度を評価するための構成例(伝送状態表示装置の構成例)を示す図である。
【図7】参考技術1に係るコンスタレーションの変動度(安定値)の表示の一例を示す図である。
【図8】参考技術1に係る遅延プロファイルの変動度(安定値)の表示の一例を示す図である。
【図9】参考技術1に係るマージン・受信電界の変動度(安定値)の表示の一例を示す図である。
【図10】参考技術1に係るデジタル伝送の総合的な状態判断結果の表示の一例を示す図である。
【図11】参考技術2に係るコンスタレーション評価の手法の一例を示す図である。
【図12】参考技術2に係るマイクロ受信基地局システムの操作端末における方向調整操作画面の表示の一例を示す図である。
【図13】参考技術2に係る評価値に関する情報を含むコンスタレーション情報の表示の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明に係る実施例を図面を参照して説明する。
例えば、テレビジョン放送の放送用素材をテレビ局本社へ伝送する方法として、素材の無線伝送がある。近年、その伝送方式は、テレビジョン放送のデジタル化にあわせてアナログ伝送からデジタル伝送へ移行しつつあるため、デジタル無線伝送における技術向上は重要な課題となっている。
このようなデジタル無線伝送では、一般に、FPU(Field Pick−up Unit)を用いた基地局間の固定無線伝送を含むマイクロ受信基地局システムが利用されている。
本例では、遠隔制御監視システムの一例として、マイクロ受信基地局システムに適用した場合を示す。
【0012】
図1には、本発明の一実施例に係るマイクロ受信基地局システムの構成例を示してある。
本例のマイクロ受信基地局システムの系統では、送信点1(送信点A)と、基地局2と、本社3と、送信点4(送信点B)が存在する。
送信点1には、送信部11と、アンテナ12を備えている。
基地局2には、回転受信アンテナ21と、受信部22と、送信部23と、固定アンテナ24と、被制御端局25と、変復調部26を備えている。
本社3には、固定アンテナ31と、受信部32と、回転受信アンテナ33と、受信部34と、復号部35と、情報生成部36と、情報編集部37と、変復調部28と、制御端局39と、操作端末40と、ネットワーク61と、ネットワーク62を備えている。
送信点2には、送信部51と、アンテナ52を備えている。
また、本例では、基地局2の変復調部26と本社3の変復調部38とを通信可能に接続するネットワーク71を備えている。
【0013】
本例のマイクロ受信基地局システムにおいて行われる動作の一例を示す。
本例では、送信点1及び送信点4から本社3へ素材を伝送する場合を示す。
本社3から遠距離にある送信点1(送信点A)からの素材は、基地局2を通して、本社3へ無線伝送される。まず、送信点1にある送信部11は、素材を無線伝送可能なマイクロ波信号へ変換して、アンテナ12からその電波を送信する。
ここで、送信部11は、SDI(Serial Digital Interface)信号をFPUでの伝送に用いられる固定長のパケット形式のフレームフォーマットであるTS信号に符号化し、それを中間周波信号へ変調した後に、マイクロ波帯へ周波数変換してアンテナ12へ伝送する機能を有する。
【0014】
送信点1から送信された電波は、基地局2内の回転受信アンテナ21の装置により受信されて、受信部22へ送られる。
ここで、受信部22は、マイクロ波帯の信号を中間周波信号へ周波数変換して、前記TS信号へ復調し、SDI信号へ復号する機能を有する。但し、基地局2内の受信部22においては、最小限、信号劣化の無い前記TS信号へ変換するまでの機能があればよい。
【0015】
このTS信号は、受信部22から送信部23へ送られて、固定アンテナ24から電波で送信される。
ここで、前記した受信部22と同様に、基地局2内の送信部23は、最小限、TS信号をマイクロ波帯の信号へ変換する機能があればよい。
基地局2から送信された電波は、本社3の固定アンテナ31により受信され、受信部32及び復号部35によってSDI信号へ復号されて、本線へ送られる。
【0016】
また、本社3から近距離にある送信点4(送信点B)からの素材は、送信部51を通ってアンテナ52から送信され、直接、本社3の回転受信アンテナ33の装置により受信され、そして、受信部34及び復号部35によって復号されて、本線へ送られる。
【0017】
このようなシステムを用いた無線伝送では、基地局2において送信点1からの電波を如何に効率よく受信することができるかが重要となってくる。つまり、送信点1の位置によって、基地局2内の受信アンテナ21は方向を変えられねばならない。このため、マイクロ受信基地局システムでは、受信アンテナ21として、本社3からの遠隔制御により回転することが可能な回転架台を有するもの(回転受信アンテナ)が用いられている。
また、同様に、本社3においても、送信点4に対して、回転受信アンテナ33が用いられている。
【0018】
回転受信アンテナ21の制御監視方法について説明する。
本社3内で、操作端末40よりネットワーク61へ送信された制御パケットは、制御端局39により受信されて、シリアル信号へ変換される。このシリアル信号は、更に、変復調部38において、例えばアナログ信号へ変調されて、基地局2へ向けて送信される。
なお、ネットワーク61に複数の操作端末や複数の制御端局をつなげて、それぞれの機器の識別情報(ID)によって送信相手や受信相手を特定して送受信を行うことも可能である。
【0019】
変復調部38から送信されたアナログ信号は、基地局2内の変復調部26により受信されて、シリアル信号へ復調された後に、被制御端局25へ送信される。
被制御端局25は、変復調部26から受信した信号(制御信号)を解読して、その解読結果に基づいて、回転受信アンテナ21の装置に対して制御を行う。
【0020】
また、回転受信アンテナ21の装置における角度などの情報(監視情報)は、監視信号として、被制御端局25へ送られる。
被制御端局25は、その監視情報をシリアル信号として変復調部26へ送信する。
変復調部26は、被制御端局25から受信したシリアル信号を例えばアナログ信号へ変調して、本社3に向けて送信する。
【0021】
本社3内の変復調部38は、基地局2の変復調部26から受信したアナログ信号をシリアル信号へ復調して、制御端局39へ送信する。
制御端局39は、変復調部38から受信したシリアル信号を解読して、その解読結果に基づいて、監視パケットをネットワーク61へ送信する。
操作端末40は、ネットワーク61を介してその監視パケットを受信して、端末上に情報として表示する。
【0022】
以上のようにして、基地局2内の回転受信アンテナ21の装置の制御監視が可能である。
また、本例のマイクロ受信基地局システムでは、前記した回転受信アンテナ21の装置に対する制御監視と同様に、基地局2に設置された受信部22や送信部23における受信レベルや送信レベル、送受信チャンネル(周波数帯)、変調方式、送信出力、復号方式、また例えば、信号切替器の接点選択、信号多重・分離装置における信号入力・出力選択などについても、操作端末40と制御端局39と被制御端局25と制御装置における一連の信号伝達によって制御監視することが可能である。
【0023】
また、送信点4からの素材伝送のように、本社3へ直接的に送信する場合には、操作端末40と制御端局39と制御装置という信号伝達経路を用いて、本社3に存在する回転受信アンテナ33の装置や受信部34などの装置に対して制御監視することが可能である。
【0024】
また、マイクロ受信基地局システムでは、受信アンテナの方向調整を行うためのより詳細な情報の提供として、受信部22、34における受信周波数や変調方式などの伝送パラメータを含むTMCC(Transmission and Multiplexing Configuration Control)情報、受信レベル、余裕度(Margin Degree)、BER、MER(Modulation Error Ratio)、遅延プロファイル、コンスタレーションなどの支援データを前記TS信号に重畳させて本社3へ伝送し、情報生成部36によって分離し、情報編集部37によって編集し、ネットワーク62を介して、操作端末40(例えば、その画面)上に表示させることが行われる。
【0025】
以下で、総合3段階評価について詳しく説明する。
図2には、操作端末40における総合3段階状態表示を加えた画面の表示の一例を示してある。
本例の画面表示では、受信電界表示部101、102、アンテナ角度表示部103、BER・マージン表示部104、地図及びアンテナ角度表示部105、回転アンテナ装置及び受信装置設定表示部106、送信点情報表示部107が設けられており、更に、総合3段階状態表示部108が設けられている。
【0026】
ここで、例えば、従来では、総合3段階状態表示部108は無く、更に遅延プロファイルやコンスタレーション等を表示させて伝送状態の判断を行っていたが、本例では、通常は、遅延プロファイルやコンスタレーション等の各評価指標に係る詳細情報を個々に表示せずに、総合3段階状態表示で情報提供することで、知識不足なユーザでも即時に伝送状態を把握することを可能としている。
なお、本例においても、遅延プロファイルやコンスタレーション等の各評価指標に係る詳細情報が個々に表示されてもよい。
【0027】
図3には、総合3段階状態を定めて総合3段階状態表示を可能とするための各評価指標パラメータの設定画面の一例を示してある。
本例では、電界[dBm]、マージン[dB]、コンスタレーション[対64QAM(Quadrature Amplitude Modulation)基準点距離比]等といった各評価指標における、総合3段階状態表示の段階毎の設定値を設定することができる。
具体的には、各評価指標について、設定数直線111a、111b、111c、良段階設定基準値112a、112b、112c、注意段階設定基準値113a、113b、113cが示されている。
【0028】
ここで、本例では、ユーザにより良段階設定基準値や注意段階設定基準値を設定することができ、良段階設定基準値と注意段階設定基準値との間が注意段階となり、その注意段階よりも良好なところが良段階となり、その注意段階よりも悪いところが悪段階となる。そして、それが設定数直線により表現されている。
例えば、図3において、電界については、良段階設定基準値(−60)と注意段階設定基準値(−65)との間が注意段階となり、その注意段階よりも良好なところ(−60以上のところ、又は、−60を超えるところ)が良段階となり、その注意段階よりも悪いところ(−65以下のところ、又は、−65未満のところ)が悪段階となる。
また、図3において、マージンについては、良段階設定基準値(10)と注意段階設定基準値(15)との間が注意段階となり、その注意段階よりも良好なところ(15以上のところ、又は、15を超えるところ)が良段階となり、その注意段階よりも悪いところ(10以下のところ、又は、10未満のところ)が悪段階となる。
また、図3において、コンスタレーションについては、良段階設定基準値(0.5)と注意段階設定基準値(0.3)との間が注意段階となり、その注意段階よりも良好なところ(0.5以上のところ、又は、0.5を超えるところ)が良段階となり、その注意段階よりも悪いところ(0.3以下のところ、又は、0.3未満のところ)が悪段階となる。
【0029】
図3に示されるような設定画面を用いて、予め、有識ユーザによって設定を行っておくことにより、状態表示において、個々のパラメータをそれぞれの段階設定で解析・判断し、全てを統合した段階表示として情報提供することが可能となる。
【0030】
ここで、遅延プロファイルやコンスタレーションのような画像データについては、任意の手法によって数値化し、段階を設定することが可能である(例えば、参考技術1、2を参照。)。また、各評価指標において、余裕値や変動度(安定値)や安定度の算出が可能であり(例えば、参考技術1、2を参照。)、それぞれの算出値に基づいて段階設定を行うこととして、総合3段階状態表示を実現することも可能である。
また、各段階の設定値に関しては、例えば、予め、無線伝送の伝送設定などに基づいて設定デフォルト値(基準参考値)を表示することも可能である。このデフォルト値に関しては、例えば、余裕値から、破綻レベルに対する差分を算出することで導出することができる。
【0031】
図4には、図2に示される総合3段階状態表示部108における状態変化情報の表示の一例を示してある。
本例では、状態変化情報121として、総合3段階評価の評価状態が変化した時間(「09/09/30 12:34:56」)の情報と、変化した要因(「マージン」)の情報が示されている。総合3段階状態表示においては、このような状態の経過(変化)に関する情報を表示することも有効である。
【0032】
また、例えば、状態変化情報121の表示枠内を、操作端末40の操作部(例えば、キーボードやマウスなど)により明示的に指定した際に、変化した要因となった評価指標の詳細情報を表示する構成とすることにより、状態確認の利便性を向上させることができる。このとき、このような詳細情報表示に安定度の表示などを利用することにより、状態変化時における評価パラメータの変化量や、余裕度に対する変動値の割合を即時に調査することが可能となる。
【0033】
また、上記のような状態経過の表示においては、時刻や、変化要因となった評価指標以外にも、例えば、変化前の状態を明示することや、変化前や変化後の状態維持時間を表示しておくことも有用である。これは、例えば、伝送可能状態となった時点からの時間経過、また、MTBF(Mean Time Between Failure)や、MTTR(Mean Time To Repair)を即時に取得したい場合などに、特に有効である。
【0034】
また、総合3段階評価の状態は、例えば、各評価指標における評価値のロギング(記録)とあわせて保存していくことで、後の解析・統計などに利用することが可能となる。
例えば、装置の内部に伝送状態を示す全ての情報を取得及び数値化して保持しておき、それらを統合した総合的な情報のみをユーザに対して提供することにより、操作者(ユーザ)は原因に係わらない伝送可否のみを認識することができ、また、伝送不可となり要因調査が必要となっても、装置の内部から所望の情報を迅速に取得することが可能である。
【0035】
以上のように、本例の伝送状態表示装置による伝送状態表示方法では、無線伝送の伝送状態を表示するに際して、1つの受信信号に対して複数の評価指標を用いて各々の評価値を求める処理(ステップ)と、当該求めた各評価値を統合した総合3段階評価を求めて表示する処理を実行する。
【0036】
また、本例の伝送状態表示方法では、例えば、前記した各評価値の一定期間内における変化量によって前記無線伝送における各評価指標の変動度(安定値)を算出する処理と、現在における前記した各評価値が前記無線伝送において最低限必要な当該評価指標における評価レベルに対して保持する正の差分を現在の余裕値としたときにおける前記余裕値と前記変動度(安定値)から各評価指標の安定度を求める処理を実行し、前記余裕値又は前記変動度(安定値)又は前記安定度のうちの1つ以上を総合3段階評価の算出要素とする。
【0037】
また、本例の伝送状態表示方法では、総合3段階評価が変化した際における時刻、変化前の状態、現在又は変化前の状態の維持時間、のうちの少なくとも1つを表示する。
このように、本例では、例えば、FPUの操作端末40において、パラメータ(例えば、遅延プロファイルやコンスタレーション等といった任意の複数のパラメータ)を解析や数値化して、各評価指標の優先度、数値の余裕度、安定度などに基づいて、統合的且つ容易に判断可能な1指標を生成し、伝送状態のレベルを(例えば、青黄赤の信号機のように)3段階で表示する。
【0038】
従って、本例では、無線伝送を用いた遠隔制御監視システムなどにおいて、複数存在する評価指標パラメータを統合した総合3段階評価を表示することにより、伝送状態(例えば、伝送路の状態など)の判断材料を明解にし、ユーザによって伝送可否を容易に判断可能にすることができる。
また、例えば、無線伝送を用いた遠隔制御監視システムなどの操作・表示部(本例では、操作端末40)上において、伝送可否をユーザの習得度に因らずに認識することができ、また、詳細な情報が必要となっても、例えば従来と同様に操作端末40内で保持する算出データ等を用いて、効率的に必要な情報を取得することができる。
【0039】
ここで、複数の評価値を統合して総合3段階評価を求める方法としては、種々なものが用いられてもよく、例えば、複数の評価値の合計値と2つの異なる閾値(良、中、悪について、良と中との境界となる閾値と、中と悪との境界となる閾値)から3段階に判定する方法や、或いは、複数の評価値の平均値と2つの異なる閾値から3段階に判定する方法や、或いは、複数の評価値のうちの1つでも評価が悪であれば全体としても悪とする方法などを用いることができ、また、例えば、複数の評価値に優先度を設けて、優先度の高い(例えば、予め設定された1つ以上の所定数の)評価値に基づいて評価する方法や、或いは、複数の評価値に優先度を設けて、優先度の高いものの重みを大きくして、各評価値を合計するときに重み付けをして、合計値に基づいて評価する方法を用いることができ、また、これら幾つかの方法を組み合わせた方法を用いることも可能である。
【0040】
なお、本例のマイクロ受信基地局システムでは、本社3において、情報生成部36や情報編集部37や操作端末40の機能により伝送状態表示装置が構成されており、このような伝送状態表示装置において、複数の異なる評価指標の評価値の情報を取得する評価値取得手段の機能や取得された複数の異なる評価指標の評価値の情報に基づいてこれらを統合した3段階の評価値の情報を決定する3段階評価値決定手段の機能を情報編集部37(或いは、他の処理部や、複数の処理部にわたってもよい)に備えており、決定された3段階の評価値の情報を表示する表示手段の機能を操作端末40に備えている。
【0041】
[以下、参考技術]
以下で、上記した本発明に係る実施例に利用することが可能な参考技術1、2を示す。なお、ここで示す参考技術1、2は、必ずしも全てが従来技術であるとは限らず、新規な技術も含み得る。
【0042】
(参考技術1)
(参考技術1の概要)
参考技術1では、デジタル無線伝送の伝送状態に関する情報を表示する伝送状態表示装置において、次のような構成とした。
すなわち、評価値取得手段が、前記デジタル無線伝送で伝送される信号について、所定の期間内における所定の評価値の情報を取得する。表示手段が、前記評価値取得手段により取得された情報に基づいて、前記所定の評価値について、前記所定の期間内における変動の範囲(例えば、変動度(安定値))を表示する。
【0043】
ここで、所定の評価値としては、種々なものが用いられてもよく、例えば、コンスタレーションにおける平均距離や最大距離、遅延プロファイルにおける主波や反射波に関する相関レベルや遅延量、C/N(Carrier to Noise)等のマージン、受信電界、BER、MERなどに関する評価値を用いることができる。
【0044】
参考技術1に係る伝送状態表示装置では、一構成例として、次のような構成とした。
すなわち、安定度算出手段が、予め設定された数式を用いて、前記所定の評価値について、前記所定の期間内における変動の範囲に基づく安定度を数値として算出する。前記表示手段は、前記安定度算出手段により算出された安定度の数値を表示する。
【0045】
従って、デジタル無線伝送で伝送される信号について、所定の期間内における所定の評価値の変動の範囲に基づく安定度を数値として表示することにより、デジタル無線伝送における伝送状態の評価結果の情報を効果的に表示することができ、例えば、その伝送回線がどの程度安定したものであるかを知ることができ、現在の余裕度が前記伝送回線の状態において十分なレベルであるかをより正確に把握することが可能となる。
ここで、安定度を算出するための数式としては、種々なものが用いられてもよい。
【0046】
(参考技術1の実施例)
図5には、デジタル無線伝送における伝送状態の表示例を示してある。
具体的には、コンスタレーション601、遅延プロファイル602、マージン603、受信電界(ボトムレベル)604、受信電界とマージンのレベルメータ表示605、TMCC情報606、BER607を示している。
【0047】
本例では、上記した評価指標を用いてデジタル無線伝送における伝送状態の変動度(安定値)及び安定度を求め、それを状態判断者に対して分かりやすい形で表示部に表示する技術を提案する。
図6には、参考技術1に係るデジタル無線伝送の安定度を評価するための構成例として、伝送状態表示装置2000の構成例を示してある。
本例の伝送状態表示装置2000は、蓄積部2001と、解析部2002と、表示部2003を備えている。
【0048】
本例の伝送状態表示装置2000の構成では、任意のデジタル無線伝送状態評価手法(例えば、従来と同様なデジタル無線伝送状態評価手法を使用することができる)を用いてデジタル無線伝送の受信信号が解析されて評価された評価データを、連続的に入力される。そして、蓄積部2001は前記評価データを一定時間蓄積する機能を有しており、解析部2002は前記蓄積された評価データを解析する機能を有しており、表示部2003は前記解析の結果を例えば画面に表示する機能を有している。
【0049】
前記評価データには、前記デジタル無線伝送状態評価手法における複数種のデータが含まれている。このデータによって、例えば、図5に示されるコンスタレーション601における受信シンボル(等価器トレーニング用のシンボルは除く)の座標位置のように、評価値として数値化されていない情報が与えられる場合には、解析部2002が前記評価データを、任意の評価手法(例えば従来と同様な評価手法を使用することができる)に基づいて、定量的な評価値へ変換する。
なお、他の構成例として、図6に示される構成内に送られるよりも前段において、前記評価データが定量的な評価値へ変換されて送られてきても構わない。
【0050】
ここで、本例の伝送状態表示装置2000の構成を実現する一態様としては、例えば、コンピュータ端末の記憶・演算・表示装置を用いることが考えられる。
以下の各実施例では、表示部(の画面)2003上の表示例を基に説明する。
【0051】
(参考技術1の実施例1)
図7には、参考技術1に係る表示部2003上におけるコンスタレーションの変動度(安定値)を含む状態の表示例を示してある。
基準点201は、受信シンボルに最も近いコンスタレーション上の信号点であり、基準点202は、2番目に近い信号点であり、中点203は、これら2つの信号点の中点である。無数の受信シンボルについて共通の基準点201、202を用いて受信シンボルを点描すると、帯状分布が表れる。即ち、受信シンボルは、互いに独立の同相(I)成分と直交(Q)成分とからなり、両成分についての基準点201から差の2乗和の平方根は、カイ2乗分布に近いものになるので、基準点201から距離が少し離れたところで受信シンボルの密度が極大になる。コンスタレーションのどの点を基準点とするかによって分布が異なるので、帯状分布も複数表れる。図7では、基準点201から最も遠いところに現れる分布を最大分布帯205、各分布を区別せず平均した後の分布を平均分布帯204として表している。信号点の各分布の中心や広がりは、受信信号が適切に等化できる状況においては、コンスタレーションの種類によっておおよそ決まる。
【0052】
本例は、事前に最大分布帯205の位置や幅を(コンスタレーションに対応付けて)予め記憶しておき、この分布を扇形に模式的に表示するものである。即ち、直近の一定期間TL内に算出された前記受信シンボルと基準点201との距離(または複素差分)を蓄積部2001内に保存し、一定期間TL内に検出された最大距離、最小距離に対応する幅の扇型で、所定の色等に塗りつぶして描画する。最大分布帯205のみを表示するのであれば、所定のしきい値以上距離の離れた受信シンボルについて、最大、最小検出をすればよい。図7では、最大分布帯205について、最大距離(max)、最小距離(min)、及びその間の範囲(X)を、説明のために示してある。扇形の中心は、本来の分布に似せて適当な位置に設定する。
また、現在の基準点201からの距離(current)も、同じ点を中心とし他の色で円弧状に表示する。ここで現在の距離とは、例えば表示の更新間隔と同じ時間Ts(数百ms)程度で平均化したものであり、一方の一定期間TLは、例えばテレビの生放送中継に用いる場合その中継時間(例えば3分)にあわせて任意に設定できるものである。
前記した距離の範囲Xは、一定期間内に伝送信号から算出されたデータシンボルが動いた軌跡であり、元々理想基準点に位置するべきデータシンボルが伝送中の信号劣化及び多信号の干渉によってコンスタレーション座標上で動いた誤差の範囲である。
【0053】
本例では、この誤差の範囲を、コンスタレーション評価における変動度(安定値)と定義する。つまり、この変動度(安定値)が小さいほど、伝送回線状態が安定している(一定の劣化・干渉を受けている)と認識でき、この変動度(安定値)が大きければ、伝送回線状態が変動し不安定であると判断できる。
【0054】
ここで、図7の例では、変動度(安定値)を示しているのは基準点から最も遠い帯状分布205のみであるが、同様な方法により、平均分布帯204の変動度(安定値)を算出して表示することが可能である。また、最大距離205の変動度(安定値)、平均距離204の変動度(安定値)の合算によって、総合的な変動度(安定値)を算出することや表示することも有用であると考えられる。
また、この変動度(安定値)は、コンスタレーション評価方法により算出される任意の評価値の変動範囲として表すこともできる。
【0055】
また、最大分布帯の統計量に基づいて、所定時間の伝送が安全か、或いは何分までの伝送が安全に行えるかを検定することもできる。即ち、最大分布帯205を正規分布或いはカイ2乗分布として求めた分散を母分散と見なし、所望伝送時間(即ち所望の標本数)内で中点203を越える標本が1個以上取り出されるという仮説を所定の危険率で検定し、これに基づき判断者は伝送の合否判断をする。あるいは、単に上記仮説が起こる確率と所望BERとの比を求め、その比で以って所望伝送時間を変更するようにしても良い。
【0056】
(参考技術1の実施例2)
図8には、参考技術1に係る表示部2003上における遅延プロファイルの変動度(安定値)を含む状態の表示例を示してある。
具体的には、縦軸に相関レベルをとり横軸に遅延量をとった座標上に、主波の相関301、反射波の相関302、遅延の基準(遅延無し)線303、雑音と主波・反射波とを区別するための最低相関レベル線304、OFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing)伝送におけるガードインターバルのリミット線305が示されている。
【0057】
この時、主波のピークが一定期間内に上下に変動した範囲を遅延プロファイル評価での相関変動度(図8中のX1)として蓄積部2001内に保存するとともに、主波のピークが一定期間内に左右に変動した範囲を遅延プロファイル評価での遅延変動度(図8中のX2)として蓄積部2001内に保存し、現在の状況とあわせて表示する。
前記した変動度(安定値)は、主波が一定時間内に相関や遅延の点において変動した軌跡であり、この変動量によって、実施例1で示したコンスタレーションと同様に、遅延プロファイルの変動度(安定値)を判断することができる。
【0058】
ここで、図8の例では、主波の変動度(安定値)のみを示しているが、同様な方法により、反射波の変動度(安定値)を算出して表示することが可能である。また、主波の変動度(安定値)、反射波の変動度(安定値)の合算によって、総合的な変動度(安定値)を算出することや、反射波の変動の範囲が、所望の伝送時間内にリミット線を超える確率を算出することも有用であると考えられる。
【0059】
(参考技術1の実施例3)
図9には、参考技術1に係る表示部2003上におけるマージン・受信電界の変動度(安定値)を含む状態の表示例を示してある。これは、数値レベルによって示される評価値の変動度(安定値)を含む状態の表示例となる。
具体的には、受信電界レベル401、マージンレベル402、マージン無しの基準ライン403を示している。
【0060】
この時、マージンが一定期間内に変動した範囲(図9中のX3)をマージン評価の変動度(安定値)として蓄積部1001内に保存し、現在のマージン値(下向きの三角形のマーカ)とあわせて表示する。
前記した変動度(安定値)は、所要の信号対雑音比(C/N)を基準とする裕度(マージン)が変動した範囲であり、基本的には受信電界レベル401の変動と連動している。この変動量によって、実施例1で示したコンスタレーションや実施例2で示した遅延プロファイルと同様に、マージンの変動度(安定値)を判断することができる。
【0061】
ここで、図9では、マージンの変動度(安定値)のみを表示しているが、同様な方法により、受信電界やBERやMERなどのように数値化された評価値を視覚的にレベルメータ化した表示方法における値の変動度(安定値)を算出して表示することが可能である。
【0062】
(参考技術1の実施例4)
本例では、デジタル伝送の総合的な状態判断結果を表示部2003上に表示する方法の一例を示す。
図10には、参考技術1に係るデジタル伝送の総合的な状態判断結果の表示例として、デジタル伝送での安定度の評価を含めた伝送状態の簡易表示例を示してある。
具体的には、図10に示される表示部2003の画面では、従来のアナログ伝送に無かったデジタル伝送特有の状態評価指標の中で特に留意すべき、コンスタレーション、遅延プロファイル、マージンについての情報が一覧に表示されている。これらの各評価値について、レベルメータ501a、501b、501c及び変動範囲502a、502b、502c、安定度503a、503b、503c、各指標の詳細画面へのリンクボタン504a、504b、504cが示されている。
ここで、他の評価値の例として、受信電界や、BERや、MERなどに関する情報を表示する構成とすることも可能である。
【0063】
本例では、レベル表示501a、501b、501cについては、その評価に対して最低限必要なレベルを基準線(図10において、縦の線)としてそれぞれ表示してある。レベルメータ501aは、コンスタレーションに関するもので、受信シンボルとその受信シンボルに2番目に近い信号点との距離を右向きのリニア軸にしたもので、基準線は、実施例1の中点203(図7)に相当する。レベルメータ501bは、実施例2(図8)における最低相関レベル線304を超える最遅の反射波がリミット線305より進んでいる時間を右向きのリニア軸にしたもので、基準線は、リミット線305に相当する。レベルメータ501cは、実施例3(図9)における受信電界のマージンを右向きの対数軸にしたもので、基準線は、マージンなしの基準ライン403と同じである。
【0064】
また、本例では、レベルメータ501a、501b、501cとあわせて、上述した変動度(安定値)算出方法において記録した一定時間内における値の変化を分布502a、502b、502cで表示する。
このような分布の表示方法としては、例えば、図10に示されるように変動したmaxとminの範囲で各値の分布を色の濃淡や配色に変換して示す方法や、分布数に応じて高さを異ならせたヒストグラムやグラフを用いて示す方法などを用いることができる。また、時間的な経過を縦軸にしてグラフ表示しても有用である。また、単にmaxとminの範囲のみを表示してもよい。
【0065】
また、安定度503a、503b、503cについては、例えば、前記した基準線の値と前記した変動量及びその最大値・最小値を利用して、
安定度=[1−{変動度/((最大値+最小値)/2−基準線の値)}]×100[%]
とする。これにより、破綻レベルからの現在までの統計的な平均余裕値に対して、変動度(安定値)がどれ程あるかが一目で分かる。
【0066】
この方法によると、安定判断の基準に応じて、前記した安定度の算出式中の{(最大値+最小値)/2}の部分を最大値或いは最小値或いは平均値、現在値などに変更することで、ユーザのシステム仕様や要件などに対応させることができる。
更に、図10に示されるように、この安定度の値によって、一定の基準で表示色を変化させ、又は警告を表示し、操作者に注意を促すことも有用である。また、前記表示色を変化させる基準に現在の評価値を加味し、現在値と安定度の総合評価から表示色を決定することも可能である。
【0067】
また、本例では、各状態簡易表示に対し、図7、図8、図9を例とする詳細表示へのリンク504a、504b、504cが表示されている。具体的には、コンスタレーションのリンク504aが指定されると図7に示される画面表示となり、遅延プロファイルのリンク504bが指定されると図8に示される画面表示となり、マージンのリンク504cが指定されると図9に示される画面表示となる。
【0068】
本例では、例えば、デジタル無線伝送における状態判断に不慣れな判断者に対しては簡易画面を表示し、熟練した判断者に対してはそれぞれの詳細画面を表示することにより、判断者の要求するレベルに応じた状態判断材料を提供することができる。ここで、判断者などのユーザは、例えば、本例の伝送状態表示装置2000の操作部(例えば、キーやマウスやボタンなど)を操作することで、図10に示されるような全体的な簡易な情報の画面表示と図7、図8、図9に示されるような個別の詳細な情報の画面表示を任意に指定して表示させることができる。
【0069】
[以上に示した実施例のまとめ]
以上のように、本例の伝送状態表示装置2000では、デジタル無線伝送における伝送状態の安定度を評価するために、所定のデジタル無線伝送状態評価手法(例えば、従来と同様なデジタル無線伝送状態評価手法を使用することができる)を用いて前記デジタル無線伝送の受信信号が解析・評価された評価データを連続的に受信可能な状況において、蓄積部2001により前記評価データを一定時間蓄積し、解析部2002により前記蓄積された評価データを解析し、表示部2003により前記解析結果を表示する。
【0070】
また、本例の伝送状態表示装置2000では、前記蓄積された評価データを解析する解析部2002は、前記評価データから算出される評価値の一定期間内における変化量によって前記デジタル無線伝送の変動度(安定値)を算出し、また、現在の評価値が前記デジタル無線伝送において最低限必要な前記評価手法における評価レベルに対して保持する正の差分を現在の余裕値とした時における、前記余裕値と前記変動度(安定値)から伝送状態の安定度を求める。
【0071】
また、本例の伝送状態表示装置2000では、前記解析結果の表示部2003は、現在の評価値に加え、評価値の分布、変動度(安定値)、及び安定度を表示することが可能であり、また、デジタル無線伝送の運用可否を判断する者の熟練度に応じた段階的な伝送状態表示が可能である。
【0072】
従って、本例の伝送状態表示装置2000では、デジタル無線伝送における伝送状態の安定度を評価することができ、例えば、従来の無線伝送状態評価手法によって示される伝送破綻レベルへの余裕度が前記デジタル無線伝送の回線状態において十分なレベルであるのかを、伝送状態の判断者に対して、表示部2003上から、より的確に判断させることができる。また、判断者の熟練度に応じた情報提供を行うことができ、幅広いユーザが利用できるシステムとなる。
【0073】
このように、本例の伝送状態表示装置2000では、デジタル無線伝送において、評価データの一定時間内の変動量を算出、解析、評価して、前記デジタル無線伝送における伝送状態の安定度を評価し、例えば、伝送状態の安定度を定量的な数値として表示部2003上に明快に表示して、前記デジタル無線伝送の運用可否の判断を、例えば従来の手法より、更に支援することができる。本例では、例えば、デジタル無線伝送における従来の評価指標に対して、各変動度(安定値)を数値化することができる。
本例では、直近の所定期間内におけるエラーベクトル(図7)や遅延プロファイル(図8)や受信レベル若しくはそのマージン(図9)などに関する情報を、ヒストグラムで画面に表示することや、その最低値、最高値が分かるように画面に表示することなどが行われる。
【0074】
なお、本例の伝送状態表示装置2000では、デジタル無線伝送で伝送される信号について所定の期間内における所定の評価値の情報を例えば外部から取得する機能、或いは、蓄積部2001に蓄積(記憶)された評価データに基づいて、解析部2002が解析を行うことにより、デジタル無線伝送で伝送される信号について所定の期間内における所定の評価値の情報を取得する機能により、評価値取得手段が構成されており、また、例えば、解析部2002により、予め設定された数式を用いて所定の評価値について所定の期間内における変動の範囲に基づく安定度を数値として算出する機能により安定度算出手段が構成されており、また、表示部2003により各種の情報を画面に表示する機能(及び、必要な場合には、解析部2002により表示対象となる情報を生成する機能)により表示手段が構成されている。
【0075】
(参考技術2)
(参考技術2の概要)
参考技術2では、デジタル無線伝送の伝送状態に関する情報を表示する伝送状態表示装置において、次のような構成とした。
すなわち、評価値算出手段が、前記デジタル無線伝送で伝送される信号のコンスタレーションにおけるデータシンボルの点と理想的なコンスタレーションにおけるデータシンボルの基準点との間の距離d(後述する参考技術2の実施例を参照)に基づいて、所定の評価値を算出する。表示手段が、前記評価値算出手段により算出された評価値を前記デジタル無線伝送の伝送状態に関する情報として表示する。
【0076】
従って、例えば、マイクロ受信基地局システムの端末表示において、コンスタレーションの評価値や、コンスタレーションの時間的経緯を用いて、操作者により受信状態を容易に判断することを可能とすることができる。
【0077】
ここで、デジタル無線伝送で伝送される信号のコンスタレーションにおけるデータシンボルの点は、実際に伝送された信号のデータシンボルの点(位置)を表しており、また、理想的なコンスタレーションにおけるデータシンボルの基準点は、伝送時などの誤り等が無いとした理想的な場合におけるデータシンボルの点(位置)を表している。
また、評価値を算出するために、例えば、理想的なコンスタレーションにおける最小の基準点間距離L(後述する参考技術2の実施例を参照)を用いることもできる。
【0078】
また、評価値としては、種々なものが用いられてもよく、好ましい態様例として、余裕値Dや平均誤差E(後述する参考技術2の実施例を参照)を用いることができる。
また、評価値を画面に表示する手法としては、種々なものを用いることができ、例えば、数値で表示する手法や、グラフ化して表示する手法や、時間的な経緯を表示する手法などを用いることができる。
【0079】
(参考技術2の実施例)
図1に示されるようなマイクロ受信基地局システムを例とする。なお、説明の便宜上から、図1に示されるのと同じ符号を用いて説明する。
ここで、重要となってくるのが、受信アンテナ方向調整の材料となる方調支援データの情報である。
基地局2を通る伝送の場合には、この情報は、基地局2内の受信部22から被制御端局25、本社3の制御端局39を通して操作端末40へ送られる監視情報にあるか、又は、基地局2において受信部22が回転受信アンテナ21の装置から受信信号を受けてTS信号へ変換して送信する際に当該TS信号に多重する方調支援データの中にある。
【0080】
方調支援データは、それが多重されたTS信号が送信部23を通って固定アンテナ24、31の固定回線を通って本社3の受信部32において再びTS信号へ戻されて送信された後に、情報生成部36において当該送信されてきた当該TS信号から分離される。この分離された方調支援データは、情報編集部37において操作者にとって分かりやすい形に編集されて、ネットワーク62を通して操作端末40へ送信され、そして、端末画面上に表示される。
【0081】
また、本社3へ直接伝送される場合における方調支援データについては、信号を受信する受信部34から制御端局39を通して操作端末40へ送られる監視情報により端末画面上に表示されるか、又は、受信部34によりTS信号に多重された方調支援データを情報生成部36により分離して、情報編集部37により編集した後に、操作端末40へ送信することによって、端末画面上に表示される。
【0082】
以上のようにして、本社3にいる操作者は、操作端末40を用いて、受信部22、34における受信状態の情報を見ながら、回転受信アンテナ21、33の装置や受信部22、34を制御して、送信点1、4に対するアンテナ方向や受信設定を調整する。
【0083】
このように、各装置を制御する操作者は、端末画面上に表示される情報から現在の受信状態を判断する必要があるため、その材料となる方調支援データはマイクロ受信基地局システムにとって必要不可欠な情報である。
また、これまでのアナログ無線伝送と違って、デジタル伝送状態については、受信電界レベル以外にも複数の状態パラメータが存在する。現在の方調支援データに含まれる情報としては、例えば、受信部22、34における受信周波数や変調方式などの伝送パラメータを含んだTMCC情報、受信レベル、余裕度、BER、遅延プロファイル、コンスタレーションなどがあるが、伝送状態の評価を行うための情報としては1つの指標のみでは不十分であるため、通常は複数の指標を用いて総合的に評価することが多い。
【0084】
次に、本例のマイクロ受信基地局システムにおいて行われるコンスタレーションの評価について詳しく説明する。
本例では、情報編集部37により、コンスタレーションの評価が行われる。
ここで、情報生成部36により、単位時間当たりに解析された被調査信号のコンスタレーションで示されるデータシンボル群が生成されて、情報編集部37へ送られたとする。
【0085】
図11には、このような場合に情報編集部37により行われるコンスタレーション評価の手法の一例を示してある。具体的には、コンスタレーション上の理想基準点1201、1202、中間点1203、データシンボル1204を示してある。
一般に、デジタル無線伝送におけるコンスタレーションはI−Q座標上に展開される。ここで、Iはデジタル無線伝送における信号の同相成分を表し、Qは当該信号の直交成分を表す。
【0086】
図11において、基準点1201及び基準点1202は前記信号の変調方式によって算出された理想コンスタレーションで示される理想基準点の抜粋であり、基準点1202は基準点1201から最も近い距離Lに存在する理想基準点の1つである。また、点1203は、基準点1201と基準点1202の中間点であり、点1203と基準点(基準点1201又は基準点1202)との距離は(L/2)となる。また、データシンボル1204は、情報生成部36により提供されたデータシンボル群の1つである。
本例では、情報生成部36により提供された全てのデータシンボル1204に対して、最も近い理想基準点1201、1202との距離dを計算して、その中の最大値を最大誤差Mdとする。そして、(L/2)と最大誤差Mdとの差を算出して、これをコンスタレーションの余裕値Dとして第1の評価値とする。
【0087】
デジタル伝送において、十分な受信電界があり、且つBERが十分に低く、且つマージンがとれている安定状態である場合には、前記伝送の伝送状態を示すコンスタレーションは理想コンスタレーションとほぼ同様なシンボル配置を示す。このとき、データシンボル1204は、理想コンスタレーションの理想基準点1201、1202に集中するように位置するため、各データシンボル1204に対して計算されるdは小さくなり、最大誤差Mdも小さい値となる。
【0088】
逆に、状態が悪くなり、受信電界が低くなるか、若しくはBERが高くなるか、若しくはマージンが無くなっていくと、コンスタレーションのシンボル配置は理想基準点1201、1202に密集しなくなり、伝送状態の悪化が各dの値の増加として表れるため、最大誤差Mdも増加する。このとき、理想基準点1201、1202からの距離dは、他の理想基準点に位置するべきデータシンボルとの距離の余裕度に関係しており、伝送状態が過剰に悪くなると、別々の理想基準点に位置するべきデータシンボル同士が干渉を起こして、信号の誤りが発生してしまう。
【0089】
このように、最大誤差Mdは、他のデータシンボルとあとどれくらいで干渉を起こすかという危険度を示しているため、伝送状態の良し悪しを判断する尺度として有用であることが分かる。
また、距離Lは信号の変調方式による、単位時間に伝送可能な情報量の多さに関係する。この情報量が増加すると、コンスタレーション上では、理想基準点の数が増加して、各基準点同士の間隔が狭まり、このため、データシンボル同士の位置干渉が起こりやすくなる。
上記で定義した余裕値Dは、コンスタレーションにおけるデータシンボル同士の位置干渉に対して絶対的な余裕値を示しているため、変調方式(伝送レート)に因らない伝送状態の評価を行うことが可能である。
【0090】
次に、第2の評価値として、各シンボルに対して計算されたdの平均を平均誤差Eとして算出する。
平均誤差Eは、データシンボル1204と理想基準点1201、1202との座標の差を偏差としたときの平均絶対偏差となるため、この値によりデータシンボル群の散らばり具合を読み取ることができる。
なお、この値は、公知の状態評価値MERで代用することも可能であるが、MERの算出方法は、データシンボル1204の距離ベクトルの絶対値を電力換算したものと、理想基準点1201、1202の電力とを比にしたものを求めるものであり、本コンスタレーション上の評価では、余裕値Dと対比がとれないため、算出したdを利用した評価値として、前記した平均誤差Eを用いている。
【0091】
ここで、余裕値Dに係る最大誤差Mdの算出方法としては、例えば、全シンボルに対して計算されたdの上位数%(例えば、上位の定数個分)を平均化することや、或いは、当該上位数%(例えば、上位の定数個分)の中で最も小さいdを採用することもでき、その設定基準に応じて如何様にも設定することが可能である。
また、余裕値Dについても、例えば、{(L/2)−Md}から一定数を加減することや、或いは、{(L/2)−Md}に対して一定割合を乗除することを行って、評価値として用いることも可能である。
【0092】
また、平均誤差Eの算出方法としては、例えば、dの標準偏差などのように散らばり具合を示す数値や、或いは、全体で上位数%(例えば、上位の定数番目)のdなどのように全体から一定の基準で抽出された値を利用することも可能である。
更に、分散を利用した二乗単位での評価として、最大誤差Mdを二乗して、二乗の次元で両者を比較評価する方法を利用することも可能である。
【0093】
図12及び図5を参照して、本例のマイクロ受信基地局システムの端末表示について説明する。
図12には、本例のマイクロ受信基地局システムの操作端末40における方向調整操作画面(方調画面)の表示の一例を示してある。
本例の方向調整操作画面では、各監視情報の表示領域として、受信部22、34の受信電界を視覚的に表すメータ(BLメータ表示部)1301と、受信電界の値としてBL値を表す部分(BL値表示部)1302と、回転受信アンテナ21、33の装置の角度を表す部分(回転受信アンテナ装置角度表示部)1303と、前記回転受信アンテナ21、33の装置の状態を表す監視部分(回転受信アンテナ装置監視表示部)1304と、受信部22、34の設定と状態を表す監視部分(受信部監視表示部)1305と、前記回転受信アンテナ21、33の装置を制御するための制御部分(回転受信アンテナ装置制御表示部)1306と、アンテナの位置と方向を示す地図画面の部分(地図表示部)1307と、当該地図の縮尺変更や当該地図の高度情報の表示を行わせるためのボタン(地図表示ボタン)1308が設けられている。
【0094】
更に、本例の方向調整操作画面では、方調支援データを表示させるためのボタン(方調支援データ表示ボタン)1309が設けられている。操作者がマウスなどを操作して、方調支援データ表示ボタン1309を押下することにより、方調支援データ表示ウインドウを表示させることができる。
【0095】
図5には、本例のマイクロ受信基地局システムの操作端末40において方調支援データを表示する画面である方調支援データ表示ウインドウの表示の一例を示してある。
本例の方調支援データ表示ウインドウでは、BERの状態を表す部分(BER表示部)607と、余裕度(マージン)を表す部分(マージン表示部)603と、BL値を表す部分(BL値表示部)604と、BLのメータ(BLメータ表示部)605と、TMCC情報を表す部分(TMCC情報表示部)606と、遅延プロファイル情報を表す部分(遅延プロファイル情報表示部)602と、コンスタレーションを表す部分(コンスタレーション表示部)601が設けられている。
【0096】
本例では、図5に示されるコンスタレーション表示に対して、更に上記した評価値(第1の評価値D及び第2の評価値E)に関する情報を加えて表示する図13に示されるような表示を行う。
図13には、本例のマイクロ受信基地局システムの操作端末40における本例の評価値に関する情報を含むコンスタレーション情報の表示の一例を示してある。
本例のコンスタレーション情報の表示画面では、画面の上部に、信号の変調方式と当該変調方式により算出される誤差限界(例えば、前記した(L/2))を表示する部分(変調方式・誤差限界表示部)1501と、各評価値(余裕値D、平均誤差E、最大誤差Md)を表示する部分(コンスタレーション評価値表示部)1502が設けられている。
【0097】
また、本例のコンスタレーション情報の表示画面では、余裕値D、平均誤差E、最大誤差Mdをグラフ表示する部分が設けられている。
具体的には、基準点1503、1504は、コンスタレーションの理想基準点を表している。中間点1505は、両基準点1503、1504の中間を表している。これにより、誤差限界を基準点1503、1504と中間点1505との距離で表すことができる。
また、基準点1503と基準点1504を結ぶ直線上に、平均誤差(平均誤差E)1506、最大誤差(最大誤差Md)1507、余裕値(余裕値D)1508を表示することで、現状態を視覚的に読み取れるようにしてある。
【0098】
このとき、例えば、画面上の両基準点1503、1504の間の距離を誤差限界の変化に応じて変化させると、伝送方式によって確定する基準点間の余裕度(限界誤差)についても視覚的に理解することができると考えられる。
また、値の変化によって各値や線の表示色を変化させることで、操作者に対して注意を促すことも有用である。また、評価値が一定の閾値を越えた時点(又は、一定の閾値未満となった時点など)で操作端末40の画面上に警告メッセージを表示させて警告音と共に知らせることで、より効果的な情報提供を行うことができる。
【0099】
ここで、図13に示されるような情報の表示に関しては、情報編集部37において図13に示されるような画面を作成して、例えばWEBエンコーダなどを通して操作端末40へ提供する方法を用いることができる。或いは、操作端末40において、情報編集部37から提供されたデータを元にして画面を作成して表示する方法を用いることもできる。
【0100】
本例の表示により、コンスタレーションは、定量的な値として評価することができるようになる。これにより、これまで画像(或いは、映像)として保存していたデータを値として保存することができるようになり、情報格納資源の必要量に関して大幅な削減を実現することができる。また、コンスタレーションの経緯を値の変化として記録することができるため、評価値の統計処理やグラフ化などにより、過去のデータ解析についても大きな向上を図ることができる。
【0101】
一例として、図13に示される本例のコンスタレーション情報の表示画面では、グラフ表示を行わせるためのボタン(グラフ表示ボタン)1509が設けられている。そして、操作者がマウスなどを操作して、グラフ表示ボタン1509を押下することに応じて、その下部に、評価値の数値履歴1510をグラフ化して表示する。この場合に、例えば、複数の評価値を一度に表示させて、視覚的に比較を可能とすることも有効である。
また、例えば、平均誤差1506、最大誤差1507、余裕値1508の表示部分において、過去の一定期間中に動いた範囲を重ねたもの(例えば、図中のmax、minの範囲部分)を表示することで、評価値の範囲の広さやピーク値によって状態の安定・不安定を把握させて、状態を判断させることも可能である。
【0102】
以上のように、本例のマイクロ受信基地局システムでは、デジタル無線伝送の伝送路を確立や調整するための表示画面において、当該デジタル無線伝送の状態表示として、当該デジタル無線伝送における信号のコンスタレーションから算出される評価値を含む伝送状態を表示する。
具体的には、前記した評価値としては、例えば、受信した信号のコンスタレーションに関して、コンスタレーションの各データシンボルと伝送の変調方式により算出される理想コンスタレーションで示される理想基準点との距離や、前記理想コンスタレーションにおける最小基準点間距離を利用して算出される値を用いる。そして、操作端末40上に、その評価値と経緯を含んだ情報を表示させる。
また、本例では、前記した評価値は、客観的且つ定量的な値を用いて表すことができ、コンスタレーションの時間的経緯を少ないデータ量で評価値の変化として保存や表現することが可能である。
【0103】
従って、本例では、デジタル無線伝送におけるコンスタレーションを、常時、客観的且つ定量的に評価することができ、コンスタレーションの時間的経緯を少ないデータ量でその評価値の変化として保存や表現することができ、これにより、マイクロ受信基地局システムの端末表示において、新たな評価指標を与えて、操作者による伝送状態の判断(判定)を従来よりもよりサポート(支援)することができる。このように、本例では、コンスタレーションから伝送状態を評価して表示することで、操作者などにとって、コンスタレーションの評価値やコンスタレーションの時間的経緯などの情報をグラフなどにより参照して、受信状態をより判断しやすい状況を実現することができる。
【0104】
なお、本例のマイクロ受信基地局システムでは、本社3において、情報生成部36や情報編集部37や操作端末40の機能により伝送状態表示装置が構成されており、このような伝送状態表示装置において、所定の評価値(本例では、余裕値Dや平均誤差E)を算出する評価値算出手段の機能を情報編集部37(或いは、他の処理部や、複数の処理部にわたってもよい)に備えており、算出された評価値を画面に表示する表示手段の機能を操作端末40に備えている。
[以上、参考技術]
【0105】
ここで、本発明に係るシステムや装置などの構成としては、必ずしも以上に示したものに限られず、種々な構成が用いられてもよい。また、本発明は、例えば、本発明に係る処理を実行する方法或いは方式や、このような方法や方式を実現するためのプログラムや当該プログラムを記録する記録媒体などとして提供することも可能であり、また、種々なシステムや装置として提供することも可能である。
また、本発明の適用分野としては、必ずしも以上に示したものに限られず、本発明は、種々な分野に適用することが可能なものである。
また、本発明に係るシステムや装置などにおいて行われる各種の処理としては、例えばプロセッサやメモリ等を備えたハードウエア資源においてプロセッサがROM(Read Only Memory)に格納された制御プログラムを実行することにより制御される構成が用いられてもよく、また、例えば当該処理を実行するための各機能手段が独立したハードウエア回路として構成されてもよい。
また、本発明は上記の制御プログラムを格納したフロッピー(登録商標)ディスクやCD(Compact Disc)−ROM等のコンピュータにより読み取り可能な記録媒体や当該プログラム(自体)として把握することもでき、当該制御プログラムを当該記録媒体からコンピュータに入力してプロセッサに実行させることにより、本発明に係る処理を遂行させることができる。
【符号の説明】
【0106】
1、4・・送信点、 2・・基地局、 3・・本社、 11、23、51・・送信部、 12、52・・アンテナ、 21、33・・回転受信アンテナ、 22、32、34・・受信部、 24、31・・固定アンテナ、 25・・被制御端局、 26、38・・変復調部、 35・・復号部、 36・・情報生成部、 37・・情報編集部、 39・・制御端局、 40・・操作端末、 61、62、71・・ネットワーク、
101、102・・受信電界表示部、 103・・アンテナ角度表示部、 104・・BER・マージン表示部、 105・・地図及びアンテナ角度表示部、 106・・回転アンテナ装置及び受信装置設定表示部、 107・・送信点情報表示部、 108・・総合3段階状態表示部、
111a〜111c・・設定数直線、 112a〜112c・・良段階設定基準値、 113a〜113c・・注意段階設定基準値、
121・・状態変化情報、
201、202・・理想基準点、 203・・2つの理想基準点の中点、 204・・平均距離、 205・・最大距離、
301・・主波の相関、 302・・反射波の相関、 303・・遅延の基準(遅延無し)線、 304・・最低相関レベル線、 305・・ガードインターバルのリミット線、
401・・受信電界レベル、 402・・マージンレベル、 403・・マージン無しの基準ライン、
501a、501b、501c・・レベルメータ、 502a、502b、502c・・変動範囲、 503a、503b、503c・・安定度、 504a、504b、504c・・リンクボタン、
601・・コンスタレーション(コンスタレーション表示部)、 602・・遅延プロファイル(遅延プロファイル情報表示部)、 603・・マージン(マージン表示部)、 604・・受信電界(BL値表示部)、 605・・受信電界とマージンのレベルメータ表示(BLメータ表示部)、 606・・TMCC情報(TMCC情報表示部)、 607・・BER(BER表示部)、
1201、1202・・理想基準点、 1203・・中間点、 1204・・データシンボル、
1301・・BLメータ表示部、 1302・・BL値表示部、 1303・・回転受信アンテナ装置角度表示部、 1304・・回転受信アンテナ装置監視表示部、 1305・・受信部監視表示部、 1306・・回転受信アンテナ装置制御表示部、 1307・・地図表示部、 1308・・地図表示ボタン、 1309・・方調支援データ表示ボタン、
1501・・変調方式・誤差限界表示部、 1502・・コンスタレーション評価値表示部、 1503、1504・・理想基準点、 1505・・中間点、 1506・・平均誤差、 1507・・最大誤差、 1508・・余裕値、 1509・・グラフ表示ボタン、 1510・・評価値の数値履歴、
2000・・伝送状態表示装置、 2001・・蓄積部、 2002・・解析部、 2003・・表示部、

【特許請求の範囲】
【請求項1】
デジタル無線伝送の伝送状態に関する情報を表示する伝送状態表示装置において、
前記デジタル無線伝送で伝送される信号について複数の異なる評価指標の評価値の情報を取得する評価値取得手段と、
前記評価値取得手段により取得された複数の異なる評価指標の評価値の情報に基づいて、これらを統合した3段階の評価値の情報を決定する3段階評価値決定手段と、
前記3段階評価値決定手段により決定された3段階の評価値の情報を表示する表示手段と、
を備えたことを特徴とする伝送状態表示装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2011−24036(P2011−24036A)
【公開日】平成23年2月3日(2011.2.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−168129(P2009−168129)
【出願日】平成21年7月16日(2009.7.16)
【出願人】(000001122)株式会社日立国際電気 (5,007)
【Fターム(参考)】