説明

位相シフトマスクの製造方法

【課題】品質を損なわずに、補助パターン型位相シフトマスクを製造することが可能とする。
【解決手段】第1工程が、第1のレジスト膜4に、主開口部5及び補助開口部6に対応するパターンを露光し、現像して第1のレジストパターン4aを形成する工程を有する。第2工程が、第1工程において得られた基板上に第2のレジスト膜7を形成する工程と、補助開口部6に対応するパターンを露光し、現像して第2のレジストパターン7aを形成する工程と、第2のレジストパターン7aをマスクに、透明基板1の一部を、主開口部5と補助開口部6とを通過する光の位相が所定角度異なるような深さにエッチングする工程と、残存した第2レジストパターン7aを剥離する工程とを有する。第3工程が、第2工程で得られた基板におけるエッチングマスク層3aの所望の一部、又は全部を除去する工程を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば半導体装置製造工程等に用いられるフォトマスクに関し、特に高解像度パターン転写が可能とされる補助パターン型位相シフトマスクの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年のフォトリソグラフフィーにおける超解像技術の1つに、位相シフトマスクが挙げられる。位相シフトマスクには、様々な種類の位相シフトマスクが提案されているが、その中で、コンタクトホール等の孤立パターンを形成するための位相シフトマスクとして、補助パターン型位相シフトマスクがある。
図3(a)は補助パターン型位相シフトマスクの平面図、図3(b)は図3(a)の点線A部分の断面図である。これらの図のように、補助パターン型位相シフトマスクは、透明基板20上に、遮光性膜21により形成された主開口部22と、その周辺部分に設けられた補助開口部23を有し、主開口部22を通過する光と補助開口部23を通過する光とが略180度の位相差となるように、例えば主開口部の基板が所定の深さ彫り込まれた基板彫り込み部24を有している。尚、補助開口部23は、補助開口部23を通過する光が被転写基板上のレジストを解像しないように、微細な線幅と形成位置が設定される。
このような補助パターン型位相シフトマスクの製造方法としては、例えば特許文献1に、次のような方法が記載されている。
まず、特許文献1に記載の発明における従来の補助パターン型位相シフトマスクの製造方法(従来技術の方法1)について、図4を参照しながら説明する。
透明基板20に遮光性膜21と第1のレジスト膜25を順次形成する(図4(1)参照)。
次に、主開口部及び補助開口部に対応するパターンを、例えば電子線露光装置を用いて露光し、現像して第1レジストパターン25aを形成し、該第1のレジストパターン25aをマスクに遮光性膜をエッチングすることによって主開口部22と補助開口部23とからなる遮光性膜パターン21aを形成し(図4(2)参照)、その後残存した第1のレジストパターンを剥離する(図4(3)参照)。
次に、上記で得られた基板表面に第2のレジスト膜26を形成する(図4(4)参照)。
前記第2のレジスト膜に、主開口部に対応するパターンを、例えば電子線露光装置を用いて露光し、現像して第2のレジストパターン26aを形成し(図4(5))、該レジストパターン26aをマスクに基板をエッチングすることによって基板彫り込み部24を形成し(図4(5))、その後残存した第2のレジストパターン26aを剥離して補助パターン型位相シフトマスクが完成する(図4(6))。
特許文献1によれば、主開口部と補助開口部が近接しているため、電子線描画によって主開口部と補助開口部との両方を同じレジスト膜に描画することが困難とされている。その問題点を解決するために、特許文献1では、次のような方法(従来技術の方法2)が提案されている。その方法を、図5を参照しながら説明する。
透明基板20に遮光性膜21と第1のレジスト膜27を順次形成する(図5(1)参照)。
次に、主開口部に対応するパターンを、例えば電子線露光装置を用いて露光し、現像して第1レジストパターン27aを形成し、該第1のレジストパターン27aをマスクに遮光性膜をエッチングすることによって主開口部22からなる遮光性膜パターン21bを形成し(図5(2)参照)、引続き、第1のレジストパターン27a及び遮光性膜パターン21bをマスクに基板をエッチングすることによって基板彫り込み部24を形成し(図5(2)参照)、その後残存した第1のレジストパターン27aを剥離する(図5(3)参照)。
次に、上記で得られた基板表面に第2のレジスト膜28を形成する(図5(4)参照)。
前記第2のレジスト膜28に、補助開口部に対応するパターンを、例えば電子線露光装置を用いて露光し、現像して第2のレジストパターン28aを形成し、該第2のレジストパターンをマスクに遮光性膜21をエッチングし(図5(5))、その後残存した第2のレジストパターン28aを剥離して補助パターン型位相シフトマスクが完成する(図5(6))。
【特許文献1】特開平7−20625号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところが、特許文献1に記載の「従来技術の方法1」に対する問題点、即ち、主開口部と補助開口部が近接しているため、電子線描画によって主開口部と補助開口部との両方を同じレジスト膜に描画することが困難であるという問題点は、近年における電子線露光技術の進歩により解消されつつある。一方で、「従来技術の方法2」の方法を採用した場合、主開口部と補助開口部とを別々の工程で描画するため、それら開口部同士を位置精度良く重ねあわせることが困難であるという問題があり、そのような観点からは、「従来技術の方法1」の方が好ましいという事実が解明された。
しかしながら、「従来技術の方法1」においては、次のような問題点があった。即ち、主開口部の基板の掘り込みエッチングのために第2のレジストパターンを形成するが、第2のレジストパターンの形成(描画)と主開口部と位置合わせが難しく、若干の位置ずれを起してしまい、遮光性膜が露出してしまう場合がある。さらに第2のレジストパターンをマスクに基板の掘り込みエッチングを行うと、第2のレジストパターンの形状がだれて、遮光性膜が露出してしまう。そのような状況の下、基板の掘り込みエッチングを行うと、露出した遮光性膜がダメージを受けて、形状が悪化すると共に、通常、表面反射防止膜を有する遮光性膜の反射率がその部分だけ変化してしまう等の品質を損なってしまうという問題があった。図6に、矢印で表示した部分が、遮光性膜21のダメージを受けてしまう部分である。同図において26は第2のレジストパターンを示す。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、品質を損なわずに製造することができる補助パターン型位相シフトマスクの製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明は、以下の構成を有する。
(構成1) 透明基板上に遮光性膜を一部除去してなる主開口部と、前記主開口部の周辺部分に補助開口部とを有すると共に、前記主開口部と補助開口部とを通過する光の位相が所定角度異なるように、前記透明基板が深さ方向に一部除去された位相シフトマスクの製造方法において、
基板上に、遮光性膜、エッチングマスク層を形成するための薄膜、第1のレジスト膜が順次形成されたフォトマスクブランクを準備する工程と、
前記第1のレジスト膜に、主開口部及び補助開口部に対応するパターンを露光し、現像して第1のレジストパターンを形成する工程と、
前記第1のレジストパターンをマスクに、エッチングマスク層を形成するための薄膜をエッチングする工程と、
前記エッチングマスク層をマスクに、遮光性膜をエッチングする工程と、
残存した前記第1のレジストパターンを剥離する工程と、
を含む第1工程と、
前記第1工程において得られた基板上に第2のレジスト膜を形成する工程と、
前記主開口部及び前記補助開口部の何れか一方に対応するパターンを露光し、現像して第2のレジストパターンを形成する工程と、
前記第2のレジストパターンをマスクに、前記透明基板の一部を、前記主開口部と補助開口部とを通過する光の位相が所定角度異なるような深さにエッチングする工程と、
残存した前記第2レジストパターンを剥離する工程と、
を含む第2工程と、
前記第2工程で得られた基板におけるエッチングマスク層の所望の一部、又は全部を除去する工程
を含む第3工程と、
を有することを特徴とする位相シフトマスクの製造方法。
(構成2) 前記遮光性膜がフッ素系エッチング媒質によりエッチング可能な材料とし、前記遮光性膜をフッ素系エッチング媒質によりエッチングすることを特徴とする構成1記載の位相シフトマスクの製造方法。
【発明の効果】
【0005】
本発明によれば、品質を損なわずに、補助パターン型位相シフトマスクを製造することが可能となった。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
本発明によれば、まず、第1工程において、主開口部及び補助開口部からなる遮光性膜パターンを形成し、次いで、第2工程において透明基板の彫り込みエッチングを行うため、第1工程において主開口部と補助開口部を同時に露光することができ、両者の位置合わせ精度が良好となる。さらに、遮光性膜のパターニングをエッチングマスク層を用いて行うことから、遮光性膜の加工精度が良好となり、さらに、該エッチングマスク層の除去を、最終工程である第3工程で行うため、第2工程における透明基板の彫り込みエッチングの際にエッチングマスク層が遮光性膜を保護することができ、透明基板の彫り込みエッチングの際に遮光性膜がダメージを受けることを防止することができる。即ち、透明基板の彫り込みエッチングの際にダメージを受けるのが、エッチングマスク層であり、このエッチングマスク層は第3工程にて除去されてしまうため、問題とならない。
【0007】
尚、本発明において、遮光性膜とは、露光光を実質的に透過しない機能を有する膜、例えばクロム又はクロム化合物等からなる遮光膜、及び、露光光を所望の透過率透過させる機能を有する膜、例えば金属にシリコン、酸素、窒素、炭素等を含有させた光半透過膜を含むものである。
また、透明基板とは、石英基板等のガラス基板、ガラス基板上にSiO2(SOGを含む)等の透明な位相シフト膜を形成したもの、及び該ガラス基板と位相シフト膜との間に透明エッチングストッパー等他の透明膜が介在されたものを含むものである。
【実施例1】
【0008】
以下、実施例を用いて本発明を詳細に説明する。
図1は、本実施例に係る補助パターン型位相シフトマスクの製造工程図である。以下、図1を参照しながら、本実施例を説明する。
(第1工程)
石英からなる透明基板1にMoSi2からなる遮光性膜2、Crからなるエッチングマスクを形成するための薄膜3、ポジ型電子線レジストからなる第1のレジスト膜4を順次形成した(図1(1)参照)。
次に、主開口部及び補助開口部に対応するパターンデータを、電子線露光装置(日本電子社製JBX9000MV)を用いて描画し、現像して第1レジストパターン4aを形成した。尚、主開口部のパターン寸法Bは、1.0μmであり、補助パターンのパターン寸法Cは0.2μmとした。次いで、該第1のレジストパターン4aをマスクにエッチングマスク層をエッチングガスをしてCl2+O2を用いたドライエッチングにてエッチングを行い、次に、エッチングガスをCF4+O2に切り替えて遮光性膜のドライエッチングをおこなって、主開口部5と補助開口部6とからなるエッチングマスク層3a及び遮光性膜パターン2aを形成した(図1(2)参照)、その後残存した第1のレジストパターン4aを剥離後、洗浄を施した(図1(3)参照)。
上記工程において、遮光性膜のドライエッチングに対し、エッチングマスク層が耐性を有するような各々の材料を選択していることから、遮光性膜の加工精度が良好であった。また、主開口部及び補助開口部に対応するパターンデータを、上記電子線露光装置を用いて描画したことから、主開口部、補助開口部共に高精度な開口部が形成することができた。尚、上記電子線描画装置は、高加速電圧の採用、近接効果補正機能の活用等、近年の電子線描画技術の発達によって本来であれば形成不可能であった前記の実施形態のようなパターンが同時にしかも設計値に対して忠実に(±5nm以内)で形成することが出来た。また、主開口部と補助開口部の描画を同じ描画工程において行っていることから、同一の描画機を用いてアライメントを取ることで重ね合わせ精度を±30nm以内に収めることが出来き、両者の位置精度も良好なものであった。
【0009】
(第2工程)
次に、上記で得られた基板表面にポジ型電子線レジストからなる第2のレジスト膜7を形成した(図1(4)参照)。
次に、前記第2のレジスト膜7に、主開口部に対応するパターンを、上記と同様の電子線露光装置を用いて露光し、現像して第2のレジストパターン7aを形成した(図1(5))。次に、該レジストパターン7をマスクに、CF4+O2のドライエッチングにて透明基板1をエッチングすることによって基板彫り込み部8を形成した。
このとき、レジストパターン7aは、主開口部5と若干ずれてエッチングマスク層3aが多少露出し、また、エッチングが進むに連れてレジストパターン7aは、形状がだれて、エッチングマスク層3aの露出部が大きくなり、エッチングマスク層3aへのダメージが発生したが、その下の遮光性膜2には何ら影響がなかった。
その後残存した第2のレジストパターン7aを剥離し、洗浄を施した(図1(6))。
【0010】
(第3工程)
次に、エッチングマスク層を、硝酸第2セリウムアンモニウムと過塩素酸からなるエッチング液を用いて除去し、洗浄を施し、補助パターン型位相シフトマスクが完成した(図1(7))。
即ち、本実施例では、エッチングマスク層のエッチングに対し、遮光性膜及び透明基板が耐性を有するような各々の材料を用いているため、第3工程において、エッチングマスク層の除去が可能となる。
【0011】
尚、本発明は上記実施例に限定されるものではない。
上記実施例では、主開口部の透明基板の彫り込みエッチングを行ったが、主開口部のエッチングではなく、補助開口部のエッチングを行ってもよい。但し、補助開口部は寸法が微細なため、加工精度の観点からは、主開口部のエッチングの方が好ましい。
また、上記実施例では、ガラス基板を彫り込むことによって位相をシフトさせたが、ガラス基板上に形成された位相シフト用の薄膜をエッチングするようにしてもよい。
また、遮光性膜とエッチングマスク層の材料は、上記材料に限定されるものではなく、エッチングマスク層が遮光性膜のエッチングの際に耐性を有し、最後に選択的除去が可能な各々の材料を適宜選択することができる。例えば、エッチングマスク層と遮光性膜の組み合せとしては、フッ素系のエッチング媒質によりエッチング可能な材料と塩素系のエッチング媒質によりエッチング可能な材料の組み合せが考えられる。塩素系のエッチング媒質によりエッチング可能な材料としては、クロム、タンタル、チタン、アルミニウム、ハフニウム、バナジウム、ジルコニウム、等の金属又はこれら1種又は2種以上の合金、又はこれら金属又は合金に酸素、窒素、炭素、フッ素等が1種又は2種以上含有された金属化合物、又はそれらの積層膜を例示することができる。また、フッ素系のエッチング媒質によりエッチング可能な材料としては、高融点金属のシリサイド、例えばモリブデン、タングステン、又はタンタル等のシリサイド、又はそれらに酸素、窒素、炭素、フッ素等が1種又は2種以上含有された材料が例示される。これらの材料系をエッチングマスク層と遮光性膜の何れに組み合せてもよいが、ガラス基板はフッ素系エッチング媒質によりエッチングされるため、エッチングマスク層の除去の際に用いるエッチング媒質により透明基板がエッチングされてしまうと、透明基板にダメージを与えてしまう。その点を考慮すると、エッチングマスク層に、フッ素系エッチング媒質に耐性を有する塩素系エッチング媒質にてエッチング可能な材料とし、遮光性膜にフッ素系エッチング媒質にてエッチング可能な材料を選択することが好ましい。尚、エッチング媒質とは、ドライエッチングの場合はドライエッチングガス、ウェットエッチングの場合はエッチング液を指す。
尚、主開口部と補助開口部のエッチングにおいては、加工精度の観点からドライエッチングが好ましい。エッチングマスクの除去の際には、ウェットエッチングでもよいが、後述のようにエッチングマスクを一部残す場合で、該残しパターンに加工精度が要求される場合はドライエッチングを選択することができる。
また、遮光性膜は、光半透過膜であってもよい。光半透過膜としては、クロム、タンタル、チタン、アルミニウム、ハフニウム、バナジウム、ジルコニウム、等の金属又はこれら1種又は2種以上の合金に酸素、窒素、炭素、フッ素等を含有した材料、高融点金属のシリサイド、例えばモリブデン、タングステン、又はタンタル等のシリサイドに酸素、窒素、炭素、フッ素等が1種又は2種以上含有された材料が例示される。さらに、この光半透過膜は、位相差が所定角度(例えば略180度)に調整された膜であってもよい。
さらにまた、遮光性膜は単層に限らず、複数層にてその機能を発揮するものであればよい。この場合、表裏の反射防止膜等の公知の機能層と組み合わせることができる。
また、上記実施例においては、第3工程においてエッチングマスク層を全て除去したが、目的に応じて一部残すようにしてもよい。例えば、遮光性膜が光半透過膜である場合、エッチングマスク層を実質的に露光光を遮光する膜、あるいは遮光性膜との積層において実質的に露光光を遮光する膜とし、エッチングマスク層を、非転写領域、パターンが形成されていない領域、マークが形成される領域などに残すことが考えられる。
その場合は、図2に示されるように、上記実施例において第3工程が終了して得られた基板(図2(1))に対し、第3のレジストパターン9を形成し、次いで、残したいエッチングマスク層に対応するパターン露光を施し、現像して残したいエッチングマスク層を覆う第3のレジストパターン9aを形成し(図2(3))、前記第3のレジストパターン9aをマスクにエッチングマスク層3をエッチングし(図2(3))、最後に残存した第3のレジストパターン9aを剥離して洗浄し、エッチングマスク層が一部残った補助パターン型位相シフトマスクを得ることができる(図2(4))。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の実施例1に係る補助パターン型位相シフトマスクの製造工程を説明するための模式的断面図である。
【図2】本発明の補助パターン型位相シフトマスクの製造工程において、エッチングマスク層を一部残す態様を説明するための模式的断面図である。
【図3】補助パターン型位相シフトマスクを説明するための図であり、図3(a)は補助パターン型位相シフトマスクの平面図、図3(b)は図3(a)の点線A部分の断面図である。
【図4】従来の補助パターン型位相シフトマスクの製造工程(従来法1)を説明するための模式的断面図である。
【図5】従来の補助パターン型位相シフトマスクの製造工程(従来法2)を説明するための模式的断面図である。
【図6】従来の補助パターン型位相シフトマスクの製造工程(従来法1)の問題点を説明するための模式的断面図である。
【符号の説明】
【0013】
1 透明基板
2 遮光性膜
2a 遮光性膜パターン
3 エッチングマスクを形成するための薄膜
3a エッチングマスク層
4 第1のレジスト膜
4a 第1レジストパターン
5 主開口部
6 補助開口部
7 第2のレジスト膜
7a 第2のレジストパターン
8 基板彫り込み部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
透明基板上に遮光性膜を一部除去してなる主開口部と、前記主開口部の周辺部分に前記主開口部よりパターン寸法の小さい補助開口部とを有すると共に、前記主開口部と補助開口部とを通過する光の位相が所定角度異なるように、前記透明基板が深さ方向に一部除去された位相シフトマスクの製造方法において、
基板上に、遮光性膜、エッチングマスク層を形成するための薄膜、第1のレジスト膜が順次形成されたフォトマスクブランクを準備する工程と、
前記第1のレジスト膜に、主開口部及び補助開口部に対応するパターンを露光し、現像して第1のレジストパターンを形成する工程と、
前記第1のレジストパターンをマスクに、エッチングマスク層を形成するための薄膜をエッチングする工程と、
前記エッチングマスク層をマスクに、遮光性膜をエッチングする工程と、残存した前記第1のレジストパターンを剥離する工程と、
を含む第1工程と、
前記第1工程において得られた基板上に第2のレジスト膜を形成する工程と、
前記補助開口部に対応するパターンを露光し、現像して第2のレジストパターンを形成する工程と、
前記第2のレジストパターンをマスクに、前記透明基板の一部を、前記主開口部と補助開口部とを通過する光の位相が所定角度異なるような深さにエッチングする工程と、
残存した前記第2レジストパターンを剥離する工程と、
を含む第2工程と、
前記第2工程で得られた基板におけるエッチングマスク層の所望の一部、又は全部を除去する工程を含む第3工程と、
を有することを特徴とする位相シフトマスクの製造方法。
【請求項2】
前記遮光性膜は、モリブデン、タングステン、又はタンタルのシリサイド、或いはそれらに酸素、窒素、炭素、フッ素等が1種又は2種以上含有された材料を含むことを特徴とする、請求項1に記載の位相シフトマスクの製造方法。
【請求項3】
前記遮光性膜は、光半透過膜であることを特徴とする、請求項1又は2に記載の位相シフトマスクの製造方法。
【請求項4】
前記遮光性膜は、光半透過膜であり、前記光半透過膜は、位相差が略180度に調整されていることを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載の位相シフトマスクの製造方法。
【請求項5】
前記第3工程において、エッチングマスク層の所望の一部、又は全部を、エッチング液により除去することを特徴とする、請求項1〜4のいずれかに記載の位相シフトマスクの製造方法。
【請求項6】
前記第3工程においてエッチングマスク層の一部を残すことを特徴とする、請求項1〜5のいずれかに記載の位相シフトマスクの製造方法。
【請求項7】
前記透明基板の上にエッチングストッパー膜を有することを特徴とする、請求項1〜6のいずれかに記載の位相シフトマスクの製造方法。
【請求項8】
前記第1のレジスト膜に、主開口部及び補助開口部に対応するパターンを露光する際には、電子線露光装置を用いることにより、設計値に対して、±5nm以内の加工精度で前記パターンを形成することを特徴とする、請求項1〜7のいずれかに記載の位相シフトマスクの製造方法。
【請求項9】
前記エッチングマスク層は、クロムを含むことを特徴とする、請求項1〜8のいずれかに記載の位相シフトマスクの製造方法。
【請求項10】
前記位相シフトマスクは、コンタクトホールパターンを有するものであることを特徴とする、請求項1〜9のいずれか記載の位相シフトマスクの製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2009−20541(P2009−20541A)
【公開日】平成21年1月29日(2009.1.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−276072(P2008−276072)
【出願日】平成20年10月27日(2008.10.27)
【分割の表示】特願2003−293835(P2003−293835)の分割
【原出願日】平成15年8月15日(2003.8.15)
【出願人】(000113263)HOYA株式会社 (3,820)
【Fターム(参考)】