説明

位相補償のための集積回路、通信ユニット、および方法

通信ユニット(200)は、コントローラ(217)と、一連の増幅段(330,332,334)の各々と動作可能に接続された複数の遅延要素を有する無線周波数信号経路と、を備え、コントローラ(217)は、増幅段(330,332,334)の各々をそれぞれ活性化するように構成される。活性化させることに応じて、複数の遅延要素のうちのいくつかの遅延要素が選択的に無線周波数信号経路に挿入され又は無線周波数信号経路からバイパスされて、無線周波数信号経路を介して供給される信号に適用される位相シフトを調整する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の分野は、通信ユニットにおける信号の位相補償に関する。本発明の分野は、モノスタティック・レーダーシステムの利用に好適な通信ユニットのための集積回路に適用可能であるが、これに限定されない。
【背景技術】
【0002】
一般的にレーダーと呼称される無線検出および測距の利用が、適応走行制御およびセンサに基づく用途等の多くの車両用途において増加している。レーダーシステムは、無線信号を出力し、対象物からこの無線信号の反射された像(image)を受信し、対象に対する方向および距離を判定するように構成される電子システムである。将来的に車両製造業者に対して、車両の始動および停止の少なくとも一方の判定により、事前衝突検出の実行、および緊急ブレーキを潜在的に生じさせること等の安全関連用途において車両レーダーシステムを付加的に採用することが提案されている。車両用途のために提案されたレーダー技術の一例では、77GHzの周波数帯域において動作するように構成されたモノスタティック・レーダー技術を利用する。
【0003】
集積回路(IC)および通信ユニットの少なくとも一方は、送受信チップ、互いに近接して配置された別個の送信回路および受信回路を必要とするレーダー技術を使用して、対象に対する距離および方向の判定精度を向上させるように構成される。特に77GHzの周波数帯域等の極めて高い送信(および受信)周波数を有する標準的なレーダー周波数により、ICs又は通信ユニットにおいて、モノスタティック・レーダー技術では、このような極めて高い周波数の送信信号と受信信号との間の弱いアイソレーションに起因する干渉を受けることが知られている。
【0004】
図1は、高周波通信ユニット100における干渉効果の周知な原因を概略的に示す。高周波通信ユニット100は、受信動作に関して図示され、アンテナ102は、高周波信号を受信し、この高周波信号を低ノイズ増幅器104に送信する。低ノイズ増幅器104は、受信器の設計およびシステムの要件に応じて、任意であってバイパス可能である。受信され、且つ増幅された高周波信号106は、ダウンコンバート・ミキサ108に供給され、ダウンコンバート・ミキサ108は、LOソース110から供給される局部発振(LO)信号112と増幅信号106とを掛け合わせることにより増幅信号106をダウンコンバートする。ダウンコンバート・ミキサ108の出力は、所望の中間周波数(IF)信号114であり、中間周波数信号114は、低域通過フィルタ処理又は帯域通過フィルタ処理を用いて周波数領域で不要な信号を除去又は減衰できるように使用されるような極めて低い周波数である。IF信号は、低周波数(LF)信号、超低IF信号、又はDC(ゼロIF)信号でもよい。図1に示すように、特に高無線周波(RF)信号を有する場合、信号は、近傍の回路、要素、伝送路等に不要に放射する可能性がある。従って、LO信号は、受信経路上に直接的に放射されることにより干渉の原因となることが知られている。この干渉は、クロストーク干渉又はアイソレーション・クロストークとして知られている。
【0005】
結果として、内部回路、要素、伝送路等に放射される干渉のレベルを低減するため、多くのレーダーシステムは、超短パルスのエコーがレーダー受信器にて予測された場合、超短送信パルスを用いて送信器が停止することを補償する(従って、送信器の発振信号は、アンテナから隔離される)。代替的には、又は追加的には、レーダーシステムは、送信動作又は受信動作の各々に対する空間的分離アンテナを用いる。空間的分離アンテナは、送信動作と受信動作との間の高いアイソレーションを提供するように構成される。また、高性能のサーキュレータを用いて干渉効果を低減するレーダーシステムが知られている。
【0006】
クロストークを最小限にするためのアイソレーションは、送信経路と受信経路との間に配置された高性能のサーキュレータ又はラットレース結合器(rat-race coupler)150を用いて高周波数において実施される。ラットレース結合器は、一般的に、2つの経路の間の20dB未満のアイソレーションを提供する。従って、例えば20dBのアイソレーションのラットレース結合器に供給される77GHz、16dBmのレーダー送信信号は、−4dBmの送信信号152を受信チェーンに漏洩する。この漏洩電力のレベルは、所望の受信信号より著しく大きい。従って、送信信号のかなりの部分が受信チャネル又は受信回路に結合される。この不要な送信信号は、受信器のダウン・ミキサ回路において、付加的な且つ不要な信号として処理されるので、中間周波数回路、低周波回路、又はベースバンド回路においてシステム全体の性能を低下させる不要なダウンコンバート信号を生成する。
【0007】
高周波ミキサ回路は、即知のギルバートセル型に基づいている。ギルバートセル型は、変換損の代わりに変換利得を提供する能動ミキサー(active mixer)である。しかしながら、このような能動ミキサの線形性では、制限されることが知られている。従って、信号漏洩が−4dBmを容易に超えるモノスティック・レーダーシステムでは、ミキサは、このような高い漏洩レベルにおいても線形モードで動作すべきである。この高い漏洩レベルにおける線形性を得るため、受信器の線形性に対する測定項目である1dB圧縮ポイントに対応する入力は、最大入力電力と比べて十分なマージンを考慮して設計される必要がある。経験則として、圧縮ポイントは、最大電力レベルに10dBを足して計算される。従って、上記した例では、漏洩レベルが−4dBmの場合、所望の1dB圧縮ポイントは、+6dBmの辺りとなる。このため、このような高線形性のミキサ・コアの設計では、トランジスタにおいて高い供給電圧と、極めて高い電流密度とが必要となる。能動ギルバートセル・ミキサでは、相反するシステムパラメータの組み合わせが維持できず、トレードオフが行われ、例えば送信器の出力電力は、多くの場合、受信経路に対するクロスカップル漏洩(cross-coupled leakage)を低減させるために低下される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、より小さな送信電力は、システムの信号対ノイズ比(signal-to-noise ratio : SNR)を低下させ、同様にシステム性能も低下させる。この問題を克服するため、受信器へのクロスカップル信号(cross-coupled signal)は、代替的な手法を用いて除去される必要がある。
【0009】
さらに、コスト、サイズ、およびアイソレーション特性の少なくとも1つの制限により高周波数で制御可能な位相シフタ技術を実施することが一般的に且つ現実的に実現できないため、ギルバートセル・ミキサの無線周波数回路(radio frequency circuit : RF circuit)の位相効果を補償することが困難である。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、添付の特許請求の範囲に記載されるような位相補償のための集積回路、通信ユニット、および方法を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】高周波通信ユニットにおける干渉効果の周知な原因を概略的に示す。
【図2】高周波通信ユニットの一例のブロック図を示す。
【図3】高周波通信ユニット回路のより詳細な例のブロック図を示す。
【図4】高周波通信ユニットの一例の回路図を示す。
【図5】高周波通信ユニットに用いられる位相補償処理の一例のフローチャートを示す。
【図6】図3,4の局部発振信号の位相補償を示すグラフ表示の一例を示す。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明の実施形態は、独立請求項に記載されている。
これら実施形態と本発明の他の態様は、後述する実施形態から明らかであり、後述する実施形態を参照しつつ説明する。
【0013】
さらに詳細には、単に例として、本発明の形態および実施形態が図面を参照しつつ説明される。図面内の構成要素は、簡単かつ明確にするために示されており、必ずしも一定の縮尺で描かれていない。
【0014】
説明される例では、より詳細に後述するように、電気的に調整可能な位相シフタは、伝送路の有効な長さの適応電気的調整により具体化される。以下の例では、電気的に調整可能な位相シフタは、モノスタティック・レーダーシステム等の周波数変調持続波(frequency modulated constant wave:FMCW)のレーダーシステムを用いる通信ユニットで具体化される。しかしながら、モノスタティック・レーダーシステムを用いる例は、多くの用途例のうちの一例である。電気的に調整可能な位相シフタは、DCオフセット、すなわち差動の中間周波数(IF)出力間のDCバランスが問題である能動ミキサ(例えば、アップ又はダウン周波数変換回路又は装置)を用いる如何なる通信ユニット又はシステムで具体化される。例えば、電気的に調整可能な位相シフタは、あらゆる高周波数のヘテロダイン式又はホモダイン式のシステム、又は通信ユニットで具体化され、ダウンコンバートされたIFは、通信ユニットの高動作周波数に対してDCに比較的近いものとして考慮される。例えば、IFは、高周波数の0.01%未満である。このような例は、あらゆるIF周波数を含み、特に(DCと等しい)ゼロIFを含む。
【0015】
以下により詳細に説明されるように、示される例では、適応可能な且つ電気的に調整可能な位相シフタは、現在の実施例では、複雑すぎて実現することができないか、又は大電力が消費されるような高周波数(例えば、上位のGHz)の信号の位相シフトを調整するように構成される。適応可能な且つ電気的に調整可能な位相シフタの例は、1以上の増幅段を用いて具体化される。1以上の増幅段は、各増幅段の制御に応答して個別の伝送路の区分を挿入又はバイパスすることにより、伝送路の有効な長さを調整して、伝送路を介して伝送される信号の位相を調整する。
【0016】
以下に、例として周波数変換動作において受信チェーン又は送信チェーンに適用される局部発振信号を位相補償するメカニズムを説明する。しかしながら、同様の技術は、如何なる高周波無線周波数経路、例えば無線周波数の受信経路および送信経路の少なくとも一方において位相を調整するように使用し得る。
【0017】
詳細な特定の例を説明する前に、装置、要素、および方法の段階は、必要に応じて図面において一般的な符号により表されていることを注意すべきであり、図面は、明細書中の記載の利益をもとらすこととなる当業者により容易に理解されるであろう詳細をともなって開示が不明確とならないように、本発明の実施形態の理解に関して具体的な詳細のみを示す。
【0018】
図2を参照すると、高周波通信ユニット200の例の概略ブロック図を示す。実際には、本発明の実施形態を説明するだけのために、機能的な要素が、多くの無線通信ユニットにある機能的な要素と同様又は同一と認識されるが、高周波通信ユニットは、モノスタティック・レーダー通信ユニット200に関して記載される。高周波通信ユニット200は、アンテナ202を含み、この例では、高周波通信ユニット200内の受信チェーンおよび送信チェーン間のアイソレーションを提供するラットレース結合器204と動作可能に接続される。
【0019】
受信チェーンは、周知のように(信号受信、信号増幅、信号フィルタ処理、および受信した高周波信号から中間周波数信号又はベースバンド周波数信号へのダウンコンバージョンの1以上の機能を効率的に提供する)受信フロントエンド回路206を含む。フロントエンド回路206は、信号処理論理208に直列的に接続される。信号処理論理208からの出力は、好適な出力デバイス210に供給される。車両レーダー用途では、出力デバイス210の例は、潜在的に緊急ブレーキを生じさせるためのダッシュボード上の指示器又は電気又は機械ブレーキ装置、又は事前衝突検出を実行する場合の別個のエアーバックコントローラ回路等を含む。
【0020】
コントローラ217は、高周波通信ユニット200の制御全体を維持する。コントローラ217は、受信フロントエンド回路206および(デジタル信号処理装置(digital signal processor:DSP)により一般的に理解される)信号処理論理208に接続される。また、コントローラ217は、高周波通信ユニット200において、動作タイミング(時間依存信号の送信又は受信)を制御するように構成されるタイマ218に接続される。
【0021】
送信チェーンに関して、送信チェーンは、送信/変調回路222と、ラットレース結合器204を介してアンテナ202に接続された高周波電力増幅器224とを基本的に備える。送信/変調回路222および電力増幅器224は、コントローラ217に動作的に応答する。
【0022】
送信チェーン内の信号処理論理208は、受信チェーン内の処理装置とは異なるように具体化される。代替的には、図2に示すように、信号処理論理208は、送信信号および受信信号の両方を処理するように使用され得る。明確には、高周波通信ユニット200内の種々の要素は、基本構成を有し、用途特定又は単に設計選択である個別要素構成又は集積要素構成で具体化される。
【0023】
この例では、高周波通信ユニット200は、送信チェーン内の送信/変調回路222および受信チェーン内のフロントエンド回路206の両方に動作可能に接続された周波数生成回路216を備える。周波数生成回路216は、送信/変調回路222およびフロントエンド回路206の両方又はいずれか一方に位相補償された局部発振信号を供給するように構成される。周波数生成回路216は、(以下、局部発振器(local oscillator:LO)と呼称される)水晶発振器等の周波数生成装置を備える(又は動作可能に接続される)。LOは、適応電気的調整可能な位相シフタと動作可能に接続され、適応電気的調整可能な位相シフタは、伝送路の有効な長さを電気的に調整することにより具体化される。周波数生成回路216の動作および機能は、適応電気的調整可能な位相シフタとともに、以下の動作説明にて説明される。
【0024】
上記した例では、周波数生成回路216およびコントローラ217は、同一の集積回路(integrated circuit:IC)のパッケージ内に形成される。他の例では、周波数生成回路216およびコントローラ217は、別個又は個別ICパッケージ内に形成され、又は別個の集中素子又は回路等に形成され得る。他の例では、周波数生成回路216およびコントローラ217の少なくとも一方は、例えば、アップ・ミキサおよびダウン・ミキサの少なくとも一方の要素又は回路(図示しない)を包含することにより、送信/変調回路222およびフロントエンド回路206の少なくとも一方の一部として又は全てを包含するように同一ICパッケージ内に形成される。
【0025】
図3を参照すると、周波数生成回路216のより詳細な例のブロック図が示される。周波数生成回路216は、例えば局部発振器に基づく分数N合成器(fractional-N synthesizer)で構成される周波数発生源310を備え、周波数発生源310は、送信チェーンに高周波信号225を供給するように構成される。説明された例では、周波数発生源310は、連続した増幅段330,332,334の各入力に動作可能に接続される。(3つの増幅段は説明を明確にする目的で示されている)連続した増幅段330,332,334の各動作状態は、コントローラ217により制御され、コントローラ217は、制御信号322を用いて各増幅段の「オン」又は「オフ」を切り替えることができる。このような構成では、個別の増幅段330,332,334の各々の動作を制御することにより、コントローラ217は、受信ダウンコンバージョン・ミキサ段308へのLO経路を形成する入力/出力の特定の伝送路長340,342,344を個別に選択的に切り替えることができる。
【0026】
従って、例として、コントローラは、増幅器A1 330を選択的にターンオンさせる。この例では、全ての他の増幅段は、ターンオフされる。従って、周波数発生源310により供給されるLO信号は、経路変更され、増幅器A1 330により増幅され、伝送路の区分L1からLnの各々を介して受信ダウンコンバージョン・ミキサ段308に供給される。伝送路の有効な長さは、およそ伝送路長(L1,L2,…,Ln)の各々の合計値である。送信経路と受信経路との間の位相シフトの調整が必要であると判定される場合、この例では、コントローラ217は、連続した増幅段330,332,334の動作を再構成してもよい。例えば、位相シフトの差を低減するために、伝送路の有効な長さは、低減されなければならない。この場合、コントローラ217は、増幅器A2 332をターンオンさせ、増幅器A1 330をターンオフさせる。また、他の増幅段の全ては維持され、又はターンオフされる。伝送路の有効な長さは、およそ伝送路長の減少された数の各々の合計値、すなわちL2,L3,…,Lnの合計値であり、これにより小さな位相シフトが受信ダウンコンバージョン・ミキサ段308に適用される。従って、このような構成では、コントローラ217は、複数の選択可能な伝送路長から伝送路長を選択的に挿入又は除去することができ、例えば、受信チェーンにおいて使用されるLO信号を伝送させるように構成される。
【0027】
増幅段は、共通エミッタ、供給ソース、又はカスコード段等の異なる技術において構成され、且つ具体化される。個別の増幅区分を活性化又は非活性化にすることにより、有効な伝送路の長さは変更され、この場合、有効な伝送路に起因する位相シフトが調整される。さらに異なる実施例では、増幅段は、シングルエンド増幅器又は差動増幅器を用いて構成され、且つ具体化され得る。
【0028】
図4を参照すると、カスコード増幅器および具体化されたヘテロ接合バイポーラトランジスタ(heterojunctionbipolar transistors:HBTs)に基づいて、高周波通信ユニット回路400のより詳細な例が説明される。HBTは、バイポーラ接合トランジスタ(bipolar junction transistor:BJT)の改良であり、例えば数百GHzまでの極めて高い周波数の信号を処理することができる。
【0029】
高周波通信ユニット回路400は、例えば分数N合成器の局部発振器で構成された周波数発生源310を備え、周波数発生源310は、高周波信号225を送信チェーンに供給するように構成される。説明された例では、周波数発生源310は、明確にするために簡潔な一段のカスケード増幅段で示された連続した増幅段430,432,434,436の各入力に動作可能に接続される。連続した増幅段430,432,434,436は、コントローラ217により制御され、コントローラ217は、制御信号322を用いて各増幅段の「オン」又は「オフ」を個別に切り替えることができる。このような構成では、個別の増幅段430,432,434,436の動作を制御することにより、コントローラ217は、入力/出力の特定の伝送路長446,448を選択的に切り替えることができる。選択可能な伝送路長446,448は、減結合コンデンサ(de-coupling capacitor)403および低ノイズ増幅段404を介して受信ダウン・ミキサ308に動作可能に接続される。
【0030】
高周波通信ユニット回路400は、例えば分数N合成器の局部発振器で構成された周波数発生源310を備え、周波数発生源310は、高周波信号225を送信チェーンに供給する。説明された例では、周波数発生源310は、連続した増幅段430,432,434,436の各入力に動作可能に接続される。連続した増幅段430,432,434,436は、コントローラ217により制御され、コントローラ217は、制御信号322を用いて、各増幅段のオン又はオフを個別に切り替えることができる。各増幅段をターンオンさせるため、各増幅段430,432,434,436の制御電圧(Vbe)は、対応する入力抵抗を介して印加されなければならない。通常、コントローラ217が、対応するHBTのベース・エミッタのダイオードのオン電圧以上の制御電圧をHBTのベースVbe1に印加する場合、各HBT増幅段は活性化される。反対に、コントローラ217が、対応するHBTのベース・エミッタのダイオードのオン電圧未満の制御電圧をHBTのベースVbe1に印加する場合、各HBT増幅段は非活性化される。個別の増幅段430,432,434,436の各々のコレクタ電圧は、カスコード電圧VCAS462および供給電圧VCC460により供給されることで、各カスコード増幅段450,452,454,456のエミッタにより設定される。このような構成では、個別の増幅段430,432,434,436の動作を制御することにより、コントローラ217は、受信ダウンコンバージョン・ミキサ段308へのLO経路を形成する入力/出力の特定の伝送路長446,448を個別に選択的に切り替えることができる。
【0031】
従って、例として、コントローラは、第1HBT増幅段430を選択的にターンオンさせ、他の増幅段の全てをターンオフさせる。従って、周波数発生源310により供給されたLO信号は、経路変更され、第1HBT増幅段430により増幅され、区分Lnまでの伝送路の各々を介して受信ダウンコンバージョン・ミキサ段308に供給される。伝送路の有効な長さは、およそ伝送路長(L1,L2,…,Ln)の各々の合計値である。送信経路と受信経路との間の位相シフトの調整が必要であると判定される場合、この例では、コントローラ217は、増幅段430,432,434,436の動作を再構成する。例えば、位相シフトの差を小さくために、伝送路の有効な長さを短縮しなければならない。この場合、コントローラ217は、最後から2番目のHBT増幅段434をターンオンさせ、第1HBT増幅段430をターンオフさせる。また、他の増幅段の全ては維持され、又はターンオフされる。伝送路の有効な長さは、およそ減少された数の伝送路長の合計値、すなわちLn−1およびLnの合計値であるので、小さな位相シフトが受信ダウンコンバージョン・ミキサ段308に適用される。従って、このような構成では、コントローラ217は、直列に接続された複数の選択可能な伝送路長からあらゆる数の伝送路長を選択的に挿入又は除去することができ、例えば、受信チェーンで使用されるべきLO信号を伝送させるように構成される。
【0032】
図2に戻って参照すると、以下の例では、信号処理論理208は、DCオフセット判定論理209を備え、又は動作可能に接続されている。DCオフセット判定論理209は、あらゆる差動IF(又はベースバンド)のDCオフセットおよび受信された差動IF(又はベースバンド)信号の不均衡の少なくとも一方を測定するように構成される。従って、位相が正確に調整されない場合、DCオフセット又はDC不均衡は、DCオフセット判定論理209により測定される。あらゆるDCオフセットは、受信ダウン・ミキサ動作の不均衡に起因し、DCオフセットは、受信ダウン・ミキサのノイズ指数がIF(ベースバンド)信号のDCオフセットと直接的に相関するため、受信器のノイズ特性を著しく低下させる。DCオフセット判定論理209によってIF(ベースバンド)信号のDCオフセットが存在すると判定される場合、DCオフセット判定論理209は、このことをコントローラ217に通知する。これに応答して、コントローラ217は、図3又は図4に関して上述したように、個別の増幅段の動作を再構成する。各増幅段の動作を再構成することにより、IF(ベースバンド)信号の位相は、上記したように、対応する伝送路長の選択的な挿入又は除去により適宜に調整される。
【0033】
一例では、DCオフセット判定論理209は、IF段階の出力に配置されたアナログ−デジタル変換器(analogue-to-digital converter:ADC)の構成でもよい。このADC信号は、コントローラ217に入力され、コントローラ217は、ADC信号を用いて正しい等価伝送路長を選択してDCオフセットを最小化する。
【0034】
上記した例では、通常、および高周波通信ユニットが圧縮状態(compression)で動作する場合の両方で、受信システムの雑音特性を著しく向上させることができる。そのような能動的に制御された圧縮技術を用いるため、能動的なミキサ・コアの要件を、大幅に低減することができるので、より低い全体的な電力消費および著しく向上したシステムの信号対雑音比(signal-to-noise:SNR)特性を得ることができる。ダウンコンバートされたIF信号の信号対雑音比(signal-to-noise:SNR)に基づいてRF信号の位相を自動的に調整する能動実時間フィードバックシステム(active real-time feedback system)が提供される。一実施形態では、上記したADCを用いる例として、位相補償の制御は、デジタル領域全体で実施される。さらに、上記した例は、あらゆるRF動作周波数に適用され、その後、あらゆるIF周波数またはベースバンド周波数に適用される。
【0035】
上記した例では、等しい長さの伝送路は、位相補償処理にて用いられ、且つ合計される等しい位相シフトを提供するように用いられる。しかしながら、他の例では、等しくない長さの伝送路が複数の等しくない位相シフトを合計するように用いられるので、精度良く位相を調整することができる。従って、各伝送路長は、異なるように調整されてもよく、意図する用途、動作周波数、および生じ得る一般的な位相不整合の少なくとも1つに応じて設定されてもよい。
【0036】
上記した例では、制限された数の伝送路および対応する数の増幅段が用いられた。しかしながら、必要とされる位相補償の精度に基づいて、一から何十までのあらゆる数の伝送路および対応する増幅段を用いてもよい。一例では、1以上の個別の伝送路は、集中インダクタおよびフィルタ回路又はフィルタ回路の均等物の少なくとも1つにより置き換えられてもよい。この場合、アイソレーション又はあらゆる組み合わせにおいてこれらが等価位相シフトを特定の動作周波数で提供する限り、1以上の個別の伝送路は置き換えられる。
【0037】
上記した例では、位相補償は、対応するアップ・ミキサ段/ダウン・ミキサ段において受信信号又は送信信号と掛け合わされるLO信号に適用される。しかしながら、前述したように他の例では、位相補償は、受信チェーンおよび送信チェーンの少なくとも一方のRF経路に直接的に適用される。RF経路に適用する場合、受信結合器(passive coupler)は、両方の信号を組み合わせるように用いられてもよい。この場合、不要クロスカップル漏洩(cross-coupled leakage)は、能動ミキサ・コアのRF入力にて直接的に除去される。除去は、有害モード(destructive mode)において信号に付加することにより実施される。
【0038】
例として、不要な信号は、信号がA0∠P0として記載可能であるように、振幅「A0」および位相「P0」を示す。振幅「A1」および位相「P1」(即ち、A1∠P1)を有する信号が局部発振器により生成され、クロスカップル信号に付加される場合、不要なA0∠P0の信号の除去は、生成された信号の振幅「A1」および位相「P1」を調整することにより実施される。信号の位相P1を調整するため、上記した位相補償の例が用いられてもよい。一例では、振幅は、可変利得増幅器により調整される。振幅A1が振幅A0と略同一である場合、且つ位相P1が位相P0(∠P1〜∠P0+/−180°)を補完する場合、不要なクロスカップル信号は、実質的に除去される。この混合動作によって、回路設計で考慮に入れる必要がある送信経路における損失が追加され、受信経路における雑音が増加する。例えば、(受信)ウィルキンソン分配器は、両方の信号を混合するように用いられ、理論的には、3dB雑音が受信経路において追加され、送信経路の出力電力が3dBだけ低下する。
【0039】
上記した例では、高周波通信ユニット回路の回路図例は、ラットレース結合器を利用する。他の例では、結合器は、(GaAs基板を利用する場合に特に有効である)方向性結合器(directional coupler)、ウィルキンソン分配器、ブランチライン結合器(branch-line coupler)、又はランゲ結合器(lange-coupler)等で構成されてもよい。
【0040】
図5を参照すると、フローチャート500は、高周波通信ユニットにおいて用いられる位相補償処理の例を示す。位相補償処理は、周波数依存信号(frequency-dependent signal)を案内する有効な伝送路長を電気的に調整することにより周波数依存信号の位相を調整する。有効な伝送路長は、特定の伝送路を電気的に挿入するか又はバイパスすることにより調整される。ステップ505において開始した後、例えばレーダー通信ユニットをターンオンするために、コントローラは、ステップ510に示すように各伝送路に関連する連続した増幅段のバイアスレベルを設定して周波数依存信号を案内する。例えば、連続した増幅段は、レーダー通信ユニットの受信チェーンおよび送信チェーンの少なくとも一方へ局部発振信号を(例えば、特定の伝送路を挿入するかバイパスすることによって)案内することを制御する。特定の伝送路を挿入するか又はバイパスすることにより有効な伝送路長が電気的に調整されるので、周波数依存信号に適用される位相シフトが調整される。コントローラは、最初に初期設定を用いて、連続した増幅段のバイアスレベルを設定する。
【0041】
ステップ515において、高周波信号は、レーダー通信ユニットから送信され、反射された高周波信号が検出される。ステップ520において、検出された高周波信号は、中間周波数(IF)信号又はベースバンド信号にダウンコンバートされ、IF信号又はベースバンド信号のDCオフセットおよびDC不均衡の合計を判定するために処理される。ステップ525において、DCオフセットが閾値レベルを下回るかどうかについて判定される。ステップ525において、DCオフセットが閾値レベルを下回ると判定された場合、検出された受信高周波信号の位相は位相シフトする必要がなく、レーダー動作は、予め設定された増幅段を用いて継続される。
【0042】
ステップ525において、DCオフセットが閾値レベルを下回らないと判定された場合、検出された受信高周波信号の位相は、位相シフトする必要がある。従って、ステップ535において、判定されたDCオフセットに基づいて、DCオフセットを閾値内に移行させるために位相シフトを受信高周波信号にどの程度適用する必要があるかが判定される。ステップ540において、コントローラは、特定の伝送路を挿入又はバイパスするために所望の位相シフト、次に増幅段のバイアスを指示して、所望の位相シフトを達成する。ステップ545において、コントローラは、この新たなバイアスを各増幅段に印加し、ステップ515に戻って、高周波信号の次の送信又は受信でDCオフセットが閾値を下回ると判定されるどうか判定する。
【0043】
図6を参照すると、図3又は図4の局部発振信号の位相補償を示すグラフ表示600の例が示される。グラフ表示600は、上記した位相補償を実施したLO信号の位相に対して、変換利得波形620および雑音指数波形615をdBで示す。
【0044】
当然のことながら、上記した高周波通信ユニット、集積回路、および高周波通信ユニットにおいて特定の伝送路を挿入又はバイパスすることにより適応的に且つ電気的に調整する方法により、通信ユニットは、通信ユニット内を案内される信号の位相制御を向上させることができる。さらに、この例では、通常、および高周波通信ユニットが圧縮状態である場合の両方で、受信システムの雑音特性を向上させる。さらにこの例は、IF信号のSNRに基づいて自動的に位相を調整する能動フィードバックシステムを提供する。さらにまたこの例は、完全にデジタル的に制御される位相制御を実施する。
【0045】
当業者であれば、明細書中に記載された上記の認識された利益および他の利益が単に例示であり、本発明が得られるこれら利益の全てを必要でないことを理解するだろう。
明細書中に記載された例がマイクロプロセッサ、デジタル信号プロセッサ、カスタマイズされたプロセッサおよびフィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ(field programmable gate arrays:FPGAs)等の1以上の汎用もしくは専用プロセッサ(又は信号プロセッサ)で構成されてもよく、(ソフトウェアおよびファームウェアの両方を含む)固有の記憶されたプログラム命令によって、1以上のプロセッサを制御して、特定のプロセッサではない回路と連携して明細書中に記載された電力制御を実行する方法および装置の機能の一部、大部分、又は全てを実施しても良いことが考えられる。代替的には、機能の一部又は全ては、記憶されたプログラム命令を持たない状態機械、又は1以上の特定用途向け集積回路(application specific integrated circuits:ASICs)により実施可能であり、各機能又は特定の機能の如何なる組み合わせは、カスタム論理として実施される。当然ながら、2つの手法の組み合わせは使用可能である。状態機械およびASICの両方は、前述の説明および特許請求の範囲の用語の目的のための信号プロセッサとして明細書において考えられる。
【0046】
さらにまた、本発明の実施形態は、(例えば、処理装置を備える)コンピュータをプログラミングするコードが記憶されたコンピュータ読取可能な記憶要素として具体化され、本明細書で説明および請求した方法を行なう。このようなコンピュータ読取可能な記憶要素の例としては(これらに限定されないが)、ハード・ディスク、CD−ROM、光学記憶装置、磁気記憶装置、読み出し専用メモリ(Read Only Memory:ROM)、プログラマブル読み出し専用メモリ(Programmable Read Only Memory:PROM)、消去可能なプログラマブル読み出し専用メモリ(Erasable Read Only Memory:EPROM)、電気的にプログラム可能な読み出し専用メモリ(Electrically Erasable Read Only Memory:EEPROM)、およびフラッシュ・メモリを含む。さらに、当業者であれば、例えば利用可能な時間、現在の技術、および経済的な考慮により動着付けされるできる限りの著しい努力および多くの設計上の選択にもかかわらず、明細書中に記載された概念および原理により導かれる場合に、最小限の実験とともにそのようなソフトフェア命令、プログラム、およびICsを容易に生成することできることが考えられる。
【0047】
上記した明細書において、本発明の特定の実施形態が記載されている。しかしながら、当業者であれば、種々の修正及び変更が、添付の特許請求の範囲に記載されたような本発明の範囲から逸脱することなく行われることを認識する。
【0048】
従って、明細書および図面は、限定的であるというよりむしろ例示であると解釈すべきであり、また、そのような全ての修正は、本発明の範囲内に含まれるものとする。効果、利益、問題に対する解決策、およびあらゆる効果、利益、又は問題に対する解決策が生じる又は明確となる如何なる要素は、一部又は全ての請求項の不可欠、必須、又は本質的な特徴もしくは要素であると解釈すべきではない。本発明は、取得されるようにこの出願およびこれら特許請求の範囲の均等物の継続中に行われるあらゆる補正を含む現状の特許請求の範囲により単に定義される。
【0049】
さらにまた、個別の特徴は、異なる請求項に含まれないが、これらは、できる限り効果的に組み合わされ、異なる請求項の包含物は、特徴の組み合わせが実行可能であることおよび効果的であることの少なくとも一方ではないことを意味しない。また、特許請求の範囲の1つのカテゴリーにおける特徴の包含物は、カテゴリーの制限を意味せず、むしろ認識されるような他の請求項のカテゴリーと同様に適用可能な特徴を示す。
【0050】
加えて、明細書では、第1および第2、最上層および最下層、および同様の用語等の関係語は、特別必要とする以外に、又はこのような要素又は動作間の具体的な関係又は順序を意味する以外に、単に一方の要素又は動作と、他方の要素又は動作とを区別するために使用されている。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
通信ユニット(200)であって、
コントローラ(217)と、
一連の増幅段(330,332,334)の各々と動作可能に接続された複数の遅延要素を有する無線周波数信号経路と、を備え、
前記コントローラ(217)は、前記増幅段(330,332,334)の各々をそれぞれ活性化させるように構成され、前記活性化させることに応じて、前記複数の遅延要素のうちのいくつかの遅延要素が選択的に前記無線周波数信号経路に挿入され又は前記無線周波数信号経路からバイパスされて、前記無線周波数信号経路を介して供給される信号に適用される位相シフトを調整する、通信ユニット。
【請求項2】
前記複数の遅延要素は、複数の伝送路の各々のうちのいくつかの伝送路を含む、請求項1に記載の通信ユニット。
【請求項3】
前記複数の伝送路の各々は、直列に接続される、請求項2に記載の通信ユニット。
【請求項4】
前記複数の伝送路の各々は、前記無線周波数信号経路に用いられる伝送路の有効な長さを調整するように前記無線周波数信号経路に挿入される、請求項2又は3に記載の通信ユニット。
【請求項5】
等しくない長さの伝送路は、個別の増幅段を活性化させるコントローラ(217)により選択的に導入される等しくない位相シフトの各々を提供するように用いられる、請求項2〜4のいずれか1項に記載の通信ユニット。
【請求項6】
前記コントローラ(217)に動作可能に接続され、前記無線周波数信号経路を介して供給される信号に適用される位相シフトのコントローラ(217)に、指示を供給するように構成される能動実時間フィードバック回路をさらに備える、請求項1〜5のいずれか1項に記載の通信ユニット。
【請求項7】
前記能動実時間フィードバック回路は、前記コントローラ(217)に動作可能に接続され、受信されたダウンコンバート信号のDCオフセットと、閾値とを比較するように構成されるDCオフセット判定論理(209)を備える、請求項6に記載の通信ユニット。
【請求項8】
前記能動実時間フィードバック回路は、位相補償がデジタル領域全体で実行されるように、デジタル形式で実施される、請求項6又は7に記載の通信ユニット。
【請求項9】
前記複数の遅延要素のいくつかが選択的に、LO信号を伝送する前記無線周波数信号経路に挿入され、または前記無線周波数信号経路からバイパスされるように、局部発振(LO)信号を生成する周波数生成回路(216)を備える、請求項1〜8のいずれか1項に記載の通信ユニット。
【請求項10】
前記複数の遅延要素のいくつかが選択的に、第1の高周波信号を伝送する前記無線周波数信号経路に挿入され、又は前記無線周波数信号経路からバイパスされるように、前記第1の高周波信号を送信する送信器を備える、請求項1〜9のいずれか1項に記載の通信ユニット。
【請求項11】
前記複数の遅延要素のいくつかが選択的に、第2の高周波信号を伝送する前記無線周波数信号経路に挿入され、又は前記無線周波数信号経路からバイパスされるように、前記第2の高周波信号を受信する受信器を備える、請求項1〜10のいずれか1項に記載の通信ユニット。
【請求項12】
モノスタティック・レーダーシステムにおいて動作するように適応される、請求項1〜11のいずれか1項に記載の通信ユニット。
【請求項13】
通信ユニット(200)の集積回路であって、
コントローラ(217)と、
一連の増幅段(330,332,334)の各々と動作可能に接続された複数の遅延要素を有する無線周波数信号経路と、を備え、
前記コントローラ(217)は、前記増幅段(330,332,334)の各々をそれぞれ活性化させるように構成され、前記活性化させることに応じて、複数の遅延要素のうちのいくつかの遅延要素が選択的に前記無線周波数信号経路に挿入され又は前記無線周波数信号経路からバイパスされて、前記無線周波数信号経路を介して供給される信号に適用される位相シフトを調整する、集積回路。
【請求項14】
コントローラ(217)と、一連の増幅段(330,332,334)の各々と動作可能に接続された複数の遅延要素を有する無線周波数信号経路とを備える通信ユニット(200)における信号の位相を補償する方法であって、
各増幅段(330,332,334)を個別に活性化させる段階と、
前記活性化させることに応じて、複数の遅延要素のうちのいくつかの遅延要素を選択的に前記無線周波数信号経路に挿入するか、又は複数の遅延要素のうちのいくつかの遅延要素を選択的に前記無線周波数信号経路からバイパスする段階と、を備え、
前記無線周波数信号経路を介して供給される信号に適用される位相シフトを調整する、方法。
【請求項15】
コンピュータ読み取り可能な記憶要素であって、該記憶要素は、コントローラ(217)と、連続した増幅段(330,332,334)の各々と動作可能に接続された複数の遅延要素を有する無線周波数信号経路とを備える通信ユニット(200)において信号の位相を補償するようにコンピュータをプログラムするためのコンピュータ読み取り可能なコードを有する記憶要素であって、
前記コードは、
前記各増幅段(330,332,334)を個別に活性化させること、
前記活性化させることに応じて、複数の遅延要素のうちのいくつかの遅延要素を選択的に前記無線周波数信号経路に挿入するか、又は複数の遅延要素のうちのいくつかの遅延要素を選択的に前記無線周波数信号経路からバイパスして、前記無線周波数信号経路を介して供給される信号に適用される位相シフトを調整することのために動作可能である、ストレージ要素。
【請求項16】
前記コンピュータ読み取り可能な記憶要素は、
ハード・ディスク、CD−ROM、光学記憶装置、磁気記憶装置、読み出し専用メモリ、プログラマブル読み出し専用メモリ、消去可能なプログラマブル読み出し専用メモリ、電気的にプログラム可能な読み出し専用メモリ、およびフラッシュ・メモリのうちの少なくとも1つを備える、請求項15に記載の記憶要素。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公表番号】特表2012−509490(P2012−509490A)
【公表日】平成24年4月19日(2012.4.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−543826(P2011−543826)
【出願日】平成20年11月18日(2008.11.18)
【国際出願番号】PCT/IB2008/054833
【国際公開番号】WO2010/058244
【国際公開日】平成22年5月27日(2010.5.27)
【出願人】(504199127)フリースケール セミコンダクター インコーポレイテッド (806)
【Fターム(参考)】