説明

位置情報取得システム、位置情報取得装置および位置情報取得方法

【課題】取得された位置情報が示す位置に関する記憶をユーザが容易に喚起可能とする。
【解決手段】既知の固定ポイントP1、P2、P3、P4およびP5を巡回し、それぞれのポイントにおいて、到着した時刻T1、T2、T3、T4およびT5を記録する。各ポイントを巡回する間の任意のタイミングで、位置が未知のポイントPxに赴き、到着した時刻Taを記録する。ポイントPxにおいて記録された時刻Taと、各固定ポイントP1〜P5で記録された時刻T1〜T5それぞれとの差分ΔTa-1、ΔTa-2、ΔTa-3、ΔTa-4およびΔTa-5を求め、差分の絶対値が最小値を取る差分ΔTminに対応する時刻Tyを選択する。この時刻Tyに対応する位置Lyが、ポイントPxの位置であると推定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、ユーザの位置に対応する位置情報を取得するようにした位置情報取得システム、位置情報取得装置および位置情報取得方法に関する。
【背景技術】
【0002】
自分の現在の位置を示す位置情報を取得する方法は、既に幾つかが提案および実用化されている。例えば、携帯電話端末が基地局と通信を行う際の電界強度に基づき位置を取得する方法が提案されている。また例えば、特許文献1には、自分の位置を示す位置情報と、位置情報が既知の固定位置の位置情報とをGPS(Global Positioning System)を用いて取得し、取得された固定位置の位置情報で自分の位置を示す位置情報を補正するようにした技術が記載されている。
【特許文献1】特開平9−230025号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ここで、例えば、ユーザが旅行先や観光地などにおいて各所で記念撮影を行った場合について考える。その際に、ユーザにとって既知の場所A、B、Dで撮影した写真の中に、ユーザにとって未知の場所Cで撮影した写真が混ざっていたものとする。ユーザは、後にその場所Cで撮影した写真を見て、その写真が実際には何処で、どのような状況で撮影された写真であるかを知りたいと考えたとする。
【0004】
一般的に、ディジタルカメラ装置などでは、写真を撮影した際に、撮影によって得られた画像データは、当該画像データの属性情報として撮影が行われた時刻を示す時刻情報が付加されて記憶媒体に記録される。ユーザは、上述したユーザに未知の場所Cが何処であるかを、この場所Cで撮影され得られた画像データに付加された時刻情報に基づきユーザ自身の記憶などに頼って思い出す必要があった。この場合、場所Cが何処であるかを、ユーザが忘却していたり記憶違いしていたりすることが往々にしてあり、実際の撮影場所や、撮影が行われた状況などを思い出すことが容易ではない場合が有り得るという問題点があった。
【0005】
一方、近年では、時刻情報取得機能、撮影機構およびGPSを用いた位置取得機能を有する携帯端末装置が広く普及している。このような携帯端末装置を用い、撮影機構により撮影され得られた画像データに対し、撮影が行われた時刻を示す時刻情報と、GPSを用いて取得した位置情報とを付加して記憶媒体に記憶することが考えられる。しかしながら、この場合において正確な位置情報が分かったとしても、その位置情報は、旅行先や観光地などをユーザが巡った場所との関連付けがなされていないため、後に、撮影が行われた状況などを思い出すことが容易ではない場合が有り得るという問題点があった。
【0006】
したがって、この発明の目的は、ユーザが、取得された位置情報が示す位置に関する記憶を容易に喚起可能とするような位置情報取得システム、位置情報取得装置および位置情報取得方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述した課題を解決するために、第1の発明は、それぞれ固定点に設置され、ユーザによるユーザ識別情報の入力に応じて、固定点の位置に対応する位置情報と、入力に対応する時刻を示す第1の時刻情報と、入力されたユーザ識別情報とを出力する複数の情報出力装置と、情報出力装置から出力された位置情報と第1の時刻情報とユーザ識別情報とを対応付けて蓄積的に格納する格納部と、端末装置と通信を行う通信部と、通信部により受信された、端末装置から送信されたデータに対応する位置を推定する位置推定部とを備えるサーバ装置とを有し、通信部は、端末装置から送信された少なくとも第2の時刻情報とユーザ識別情報とを受信し、位置推定部は、格納部から、通信部により受信されたユーザ識別情報に対応する位置情報および第1の時刻情報を抽出し、通信部により受信された第2の時刻情報が示す時刻と格納部から抽出された複数の第1の時刻情報が示す時刻それぞれとの差分を求め、差分の絶対値が最も小さくなる第1の時刻情報に対応する位置情報が示す位置を、第2の時刻情報に対応する位置であると推定することを特徴とする位置情報取得システムである。
【0008】
また、第2の発明は、それぞれ固定点に設置された複数の情報出力装置から、ユーザによるユーザ識別情報の入力に応じて出力された、固定点の位置に対応する位置情報と、入力に対応する時刻を示す第1の時刻情報と、入力されたユーザ識別情報とを対応付けて蓄積的に格納する格納部と、端末装置と通信を行う通信部と、通信部により受信された、端末装置から送信されたデータに対応する位置を推定する位置推定部とを有し、通信部は、端末装置から送信された少なくとも第2の時刻情報とユーザ識別情報とを受信し、位置推定部は、格納部から、通信部により受信されたユーザ識別情報に対応する位置情報および第1の時刻情報を抽出し、通信部により受信された第2の時刻情報が示す時刻と格納部から抽出された複数の第1の時刻情報が示す時刻それぞれとの差分を求め、差分の絶対値が最も小さくなる第1の時刻情報に対応する位置情報が示す位置を、第2の時刻情報に対応する位置であると推定することを特徴とする位置情報取得装置である。
【0009】
また、第3の発明は、それぞれ固定点に設置された複数の情報出力装置から、ユーザによるユーザ識別情報の入力に応じて出力された、固定点の位置に対応する位置情報と、入力に対応する時刻を示す第1の時刻情報と、入力されたユーザ識別情報とを対応付けて蓄積的に格納部に格納するステップと、端末装置と通信を行う通信のステップと、通信のステップにより受信された、端末装置から送信されたデータに対応する位置を推定する位置推定のステップとを有し、通信のステップは、端末装置から送信された少なくとも第2の時刻情報とユーザ識別情報とを受信し、位置推定のステップは、格納部から、通信のステップにより受信されたユーザ識別情報に対応する位置情報および第1の時刻情報を抽出し、通信部により受信された第2の時刻情報が示す時刻と格納部から抽出された複数の第1の時刻情報が示す時刻それぞれとの差分を求め、差分の絶対値が最も小さくなる第1の時刻情報に対応する位置情報が示す位置を、第2の時刻情報に対応する位置であると推定することを特徴とする位置情報取得方法である。
【0010】
また、第4の発明は、それぞれ固定点に設置され、ユーザによるユーザ識別情報の入力に応じて、固定点の位置に対応する第1の位置情報と、入力されたユーザ識別情報とを出力する複数の情報出力装置と、情報出力装置から出力された第1の位置情報とユーザ識別情報とを対応付けて蓄積的に格納する格納部と、端末装置と通信を行う通信部と、通信部により受信された、端末装置から送信されたデータに対応する位置を推定する位置推定部とを備えるサーバ装置とを有し、通信部は、端末装置から送信された少なくとも第2の位置情報とユーザ識別情報とを受信し、位置推定部は、格納部から、通信部により受信されたユーザ識別情報に対応する第1の位置情報を抽出し、通信部により受信された第2の位置情報が示す位置と格納部から抽出された複数の第1の位置情報が示す位置それぞれとの距離を求め、距離が最も小さくなる第1の位置情報が示す位置を、第2の位置情報に対応する位置であると推定することを特徴とする位置情報取得システムである。
【0011】
また、第5の発明は、それぞれ固定点に設置された複数の情報出力装置から、ユーザによるユーザ識別情報の入力に応じて出力された、固定点の位置に対応する第1の位置情報と、入力されたユーザ識別情報とを対応付けて蓄積的に格納する格納部と、端末装置と通信を行う通信部と、通信部により受信された、端末装置から送信されたデータに対応する位置を推定する位置推定部とを有し、通信部は、端末装置から送信された少なくとも第2の位置情報とユーザ識別情報とを受信し、位置推定部は、格納部から、通信部により受信されたユーザ識別情報に対応する第1の位置情報を抽出し、通信部により受信された第2の位置情報が示す位置と格納部から抽出された複数の第1の位置情報が示す位置それぞれとの距離を求め、距離が最も小さくなる第1の位置情報が示す位置を、第2の位置情報に対応する位置であると推定することを特徴とする位置情報取得装置である。
【0012】
また、第6の発明は、それぞれ固定点に設置された複数の情報出力装置から、ユーザによるユーザ識別情報の入力に応じて出力された、固定点の位置に対応する第1の位置情報と、入力されたユーザ識別情報とを対応付けて蓄積的に格納部に格納するステップと、端末装置と通信を行う通信ステップと、通信のステップにより受信された、端末装置から送信されたデータに対応する位置を推定する位置推定のステップとを有し、通信のステップは、端末装置から送信された少なくとも第2の位置情報とユーザ識別情報とを受信し、位置推定のステップは、格納部から、通信のステップにより受信されたユーザ識別情報に対応する第1の位置情報を抽出し、通信のステップにより受信された第2の位置情報が示す位置と格納部から抽出された複数の第1の位置情報が示す位置それぞれとの距離を求め、距離が最も小さくなる第1の位置情報が示す位置を、第2の位置情報に対応する位置であると推定することを特徴とする位置情報取得方法である。
【0013】
上述したように、第1、第2および第3の発明は、それぞれ固定点に設置された複数の情報出力装置から、ユーザによるユーザ識別情報の入力に応じて出力された、固定点の位置に対応する位置情報と、入力に対応する時刻を示す第1の時刻情報と、入力されたユーザ識別情報とを対応付けて蓄積的に格納部に格納し、端末装置から送信された少なくとも第2の時刻情報とユーザ識別情報とを受信し、受信されたユーザ識別情報に対応する位置情報および第1の時刻情報を格納部から抽出し、受信された第2の時刻情報が示す時刻と格納部から抽出された複数の第1の時刻情報が示す時刻それぞれとの差分を求め、差分の絶対値が最も小さくなる第1の時刻情報に対応する位置情報が示す位置を、第2の時刻情報に対応する位置であると推定するようにしているため、ユーザが実際に赴いた固定点の位置に基づき第2の時刻情報に対応する位置が推定されるので、推定された位置に関する記憶をユーザが容易に喚起できることが期待できる。
【0014】
また、第4、第5および第6の発明は、それぞれ固定点に設置された複数の情報出力装置から、ユーザによるユーザ識別情報の入力に応じて出力された、固定点に対応する示す第1の位置情報と、入力されたユーザ識別情報とを対応付けて蓄積的に格納部に格納し、端末装置から送信された少なくとも第2の位置情報とユーザ識別情報とを受信し、受信されたユーザ識別情報に対応する第1の位置情報を格納部から抽出し、受信された第2の位置情報が示す位置と格納部から抽出された複数の第1の位置情報が示す位置それぞれとの距離を求め、距離が最も小さくなる第1の位置情報が示す位置を、第2の位置情報に対応する位置であると推定するようにしているため、ユーザが実際に赴いた固定点の位置に基づき第2の位置情報に対応する位置が推定されるので、端末装置から第2の位置情報を送信した場所に関する記憶をユーザが容易に喚起できることが期待できる。
【発明の効果】
【0015】
第1、第2および第3の発明は、上述したように、それぞれ固定点に設置された複数の情報出力装置から、ユーザによるユーザ識別情報の入力に応じて出力された、固定点の位置に対応する位置情報と、入力に対応する時刻を示す第1の時刻情報と、入力されたユーザ識別情報とを対応付けて蓄積的に格納部に格納し、端末装置から送信された少なくとも第2の時刻情報とユーザ識別情報とを受信し、受信されたユーザ識別情報に対応する位置情報および第1の時刻情報を格納部から抽出し、受信された第2の時刻情報が示す時刻と格納部から抽出された複数の第1の時刻情報が示す時刻それぞれとの差分を求め、差分の絶対値が最も小さくなる第1の時刻情報に対応する位置情報が示す位置を、第2の時刻情報に対応する位置であると推定するようにしているため、ユーザが実際に赴いた固定点の位置に基づき第2の時刻情報に対応する位置が推定されるので、推定された位置に関する記憶をユーザが容易に喚起できることが期待できる効果がある。
【0016】
また、第4、第5および第6の発明は、上述したように、それぞれ固定点に設置された複数の情報出力装置から、ユーザによるユーザ識別情報の入力に応じて出力された、固定点の位置に対応する第1の位置情報と、入力されたユーザ識別情報とを対応付けて蓄積的に格納部に格納し、端末装置から送信された少なくとも第2の位置情報とユーザ識別情報とを受信し、受信されたユーザ識別情報に対応する第1の位置情報を格納部から抽出し、受信された第2の位置情報が示す位置と格納部から抽出された複数の第1の位置情報が示す位置それぞれとの距離を求め、距離が最も小さくなる第1の位置情報が示す位置を、第2の位置情報に対応する位置であると推定するようにしているため、ユーザが実際に赴いた固定点の位置に基づき第2の位置情報に対応する位置が推定されるので、端末装置から第2の位置情報を送信した場所に関する記憶をユーザが容易に喚起できることが期待できる効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、この発明の実施の第1の形態について説明する。この発明の実施の第1の形態は、ユーザの端末装置から送信された時刻情報と、所定に設置された、位置情報が既知のリーダ装置をユーザが操作した際の時刻情報および当該リーダ装置の位置情報とに基づき、ユーザが端末装置から送信した時刻情報に対応する位置を推定するものである。
【0018】
図1および図2を用いて、この発明の実施の第1の形態の概念について説明する。一例として、図1に示されるように、所定のエリアに配置された既知の固定ポイントP1、P2、P3、P4およびP5を考え、それぞれの位置をL1、L2、L3、L4およびL5とする。ユーザは、これらポイントP1、P2、P3、P4およびP5を任意に巡回し、それぞれのポイントにおいて、到着した時刻T1、T2、T3、T4およびT5を記録する。
【0019】
ここで、ユーザは、上述のポイントP1、P2、P3、P4およびP5を巡回する間の任意のタイミングで、これらP1、P2、P3、P4およびP5の何れにも該当しない、位置が未知のポイントPxに赴いたものとする。ユーザは、当該ポイントPxにおいて、当該ポイントPxに到着した時刻Taを記録する。
【0020】
この実施の第1の形態では、ユーザが巡回し到着時刻を記録した既知の固定ポイントP1〜P5の位置L1〜L5およびユーザに記録された時刻T1〜T5と、未知のポイントPxでユーザに記録された時刻Taとに基づき、未知のポイントPxの位置を推測する。
【0021】
この実施の第1の形態によるポイントPxの位置推測方法について説明する。先ず、ポイントPxにおいて記録された時刻Taと、各固定ポイントP1〜P5で記録された時刻T1〜T5それぞれとの差分ΔTa-1、ΔTa-2、ΔTa-3、ΔTa-4およびΔTa-5を求め、差分の絶対値が最小値を取る差分ΔTminに対応する時刻Tyを選択する。この時刻Tyに対応する位置Lyが、ポイントPxの位置であると推定する。
【0022】
より具体的な例を用いて説明する。例えば、ユーザは、図1に点線で示されるように、ポイントP1、ポイントP2、ポイントP5、ポイントP4、ポイントP3の順で、各ポイントを巡回したものとする。ポイントPxにおける時刻Taと各ポイントP1〜P5における時刻T1〜T5との差分は、図2Aに例示されるように、時刻Taと時刻T1との差分ΔTa-1が−40分、時刻Taと時刻T2との差分ΔTa-2が−5分、時刻Taと時刻T3との差分ΔTa-3が+100分、時刻Taと時刻T4との差分ΔTa-4が+60分、時刻Taと時刻T5との差分ΔTa-5が+30分となっている。
【0023】
なお、差分ΔTにおいて負の値となる時間は、対応するポイントに、ユーザがポイントPxに到着するより以前に到着していることを示す。
【0024】
図2Aから分かるように、差分の絶対値が最小値を取る差分ΔTminは、ポイントPxとポイントP2との差分Δa-2の−5分であることが分かり、ポイントPxの位置Lyは、ポイントP2の位置L2に対応する、若しくは、ポイントP2の近傍であると推定できる。例えば、図2Aに例示されるように、ポイントP1〜ポイントP5がそれぞれ何らかの施設であるとした場合に、ポイントPxは、ポイントP2に対応する施設「BBB」の内部または近傍であると推定できる。
【0025】
このように、この発明の実施の第1の形態によれば、ユーザの位置を示す位置情報を、当該位置において記録された時刻情報と、ユーザが辿った道程における所定ポイントの位置および時刻情報とに基づき推定することができる。ユーザが実際に赴いた既知のポイントに基づき位置が推定されるので、推定された位置に関する記憶をユーザが容易に喚起できることを期待できる。
【0026】
なお、図2Bに例示されるように、差分の絶対値が最小値を取る差分ΔTminが複数、求められることも考えられる。この図2Bの例では、ポイントPxとの差分ΔTが、ポイントP2において−5分、ポイントP6において+5分となっており、絶対値を取った場合、これらは等しくなる。このような場合には、これらポイントP2およびポイントP6の情報をユーザに所定の方法で提示し、ユーザが適当な方を選択できるようにすると好ましい。
【0027】
図3は、この発明の実施の第1の形態に適用可能なシステムの一例の構成を示す。このシステムによるサービスが提供されるエリアに対し、リーダ装置10A、10B、・・・がそれぞれの設置位置を示す位置情報を既知として所定に設置される。リーダ装置10A、10B、・・・が設置されるエリアは、例えば数km乃至数10kmの広がりを持つ比較的広域のエリアであるものとする。一例として、リーダ装置10A、10B、・・・は、このエリア内に点在する施設にそれぞれ設置されているものとする。これに限らず、施設や建造物内といった、比較的狭いエリアに、これらリーダ装置10A、10B、・・・を設置してもよい。
【0028】
リーダ装置10A、10B、・・・は、有線および/または無線によりネットワーク11に接続され、ユーザによる入力操作に応じて所定のデータを出力し、ネットワーク11に対して送信する。入力操作は、例えばリーダ装置10A、10B、・・・に、ユーザ媒体14に記憶されたデータを読み出させることでなされる。所定の入力手段を用いてマニュアルでデータ入力を行ってもよい。リーダ装置10A、10B、・・・は、ユーザ媒体14から読み出したリデータを、データの読み出しを行った時刻を示す時刻情報と、リーダ装置10A、10B、・・・の位置を示す位置情報(リーダ位置情報と呼ぶ)と共に、ネットワーク11を介して後述するサーバシステム12に向けて送信する。ネットワーク11は、このシステムでクローズなネットワークでもよいし、インターネットのようにオープンなネットワークでもよい。
【0029】
ユーザ媒体14は、記憶内容がリーダ装置10A、10B、・・・で読み出し可能とされた所定の記憶媒体を有する。ユーザ媒体14は、固有の識別情報(ユーザIDとする)が記憶媒体に予め記憶される。この固有の識別情報は、例えばこのシステムを利用するユーザに対して固有に与えられたユーザIDである。以下、ユーザ媒体14に記憶されるこの固有の識別情報を、ユーザIDと呼ぶ。
【0030】
ユーザ媒体14として適用可能な記憶媒体は、様々に考えられる。例えば、合成樹脂製のカード内にIC(Integrated Circuit)チップ、不揮発性メモリおよびアンテナを内蔵させ、リーダ装置から発せられる電波により自己発電を行い作動するようにされたカード型記憶媒体を、ユーザ媒体14として適用することができる。また、ユーザが所持する携帯およびデータの送受信が可能な情報機器を、ユーザ媒体14として適用することができる。このような情報機器としては、データの送受信が可能とされた携帯電話端末やPDA(Personal Digital Assistant)などが考えられる。
【0031】
さらに、近年では、携帯電話端末に対して、電話通信機能とは別途にICチップやアンテナ機構、不揮発性メモリを内蔵させ、カード型記憶媒体と同等の機能を持たせた製品も出現している。このような携帯電話端末の、カード型記憶媒体対応機能部分をユーザ媒体14として用いることも可能である。
【0032】
ネットワーク11に対して、さらに、サーバシステム12が接続される。サーバシステム12は、サーバ部20とデータベース21とを有し、このシステムの全体の制御や管理を行う。サーバ部20は、1または複数のコンピュータや所定の周辺機器からなり、所定のプログラムに従いこのシステムの制御や管理を行う。データベース21は、このシステムに登録されたユーザに関する情報や、上述のリーダ装置10A、10B、・・・からネットワーク11を介して送信されたデータが蓄積される。
【0033】
サーバシステム12において、サーバ部20とインターネット13とが接続される。サーバシステム12は、インターネット13に接続された端末装置とインターネット13を介して通信を行うことができるようにされている。
【0034】
携帯端末30は、例えば撮像機能、時刻情報取得機能およびインターネット13との通信機能を有する。携帯端末30は、ユーザ操作により撮像機能を用いて撮影がなされると、撮影が行われた時刻を示す時刻情報が時刻情報取得機能を用いて取得され、取得された時刻情報と撮影され得られた画像データとを対応付けて、内蔵する記憶媒体に記憶する。また、記憶媒体には、携帯端末30または携帯端末30を使用したユーザの識別情報(ユーザID)が記憶される。ユーザの所定の操作により、記憶媒体に記憶された画像データや時刻情報を、インターネット13を介してサーバシステム12に対して送信することができる。
【0035】
サーバシステム12は、リーダ装置10A、10B、・・・からネットワーク11を介して送信された、ユーザ媒体14から読み出されたユーザIDと、ユーザIDを読み出した時刻を示す時刻情報と、ユーザIDを読み出したリーダ装置のリーダ位置情報とを受信してサーバ部20に供給する。サーバ部20は、供給されたこれらのデータを互いに対応付けて、データベース21に格納する。
【0036】
このようなシステムにおける、ユーザの位置を示す位置情報取得処理について、図4のフローチャートを用いて説明する。このフローチャートの処理に先立って、サーバシステム12のデータベース21に対して、ユーザの行動に基づくデータの蓄積がなされているものとする。
【0037】
すなわち、ユーザによりサービス対象エリア内が任意に巡回され、ユーザが利用した各施設において、ユーザは、リーダ装置10A、10B、・・・にユーザ媒体14に記憶されるユーザIDを所定に読み出させる。読み出されたユーザIDは、読み出しを行ったリーダ装置(例えばリーダ装置10A)のリーダ位置情報および読み出しを行った時刻を示す時刻情報と共に、ネットワーク11を介してサーバシステム12に送信され、サーバ部20に供給される。サーバ部20は、供給されたデータをデータベース21に蓄積する。また、ユーザにより、任意のタイミング、且つ、エリア内の任意の位置で、携帯端末30を用いて撮影が行われる。撮影された画像データは、撮影された時刻Taを示す時刻情報と共に携帯端末30に内蔵される記憶媒体に記憶される。
【0038】
最初のステップS10において、ユーザの携帯端末30に対する操作に応じて、携帯端末30の記憶媒体に記憶されている画像データおよび時刻情報が、ユーザIDと共に、ネットワーク11を介してサーバシステム12に対して送信される。サーバシステム12は、携帯端末30から送信されたデータを受信し、サーバ部20に供給する。サーバ部20は、この供給されたデータから時刻Taを示す時刻情報を取り出し、所定に保持する(ステップS11)。
【0039】
次に、サーバ部20は、携帯端末30から送信されたデータに含まれるユーザIDに基づきデータベース21を検索し、リーダ装置10A、10B、・・・から送信されデータベース21に格納された時刻T1、T2、・・・、Tnを示す時刻情報と、リーダ位置情報のうち、ユーザIDが対応する位置情報を、ユーザの確定している位置L1、L2、・・・、Lnを示す位置情報として呼び出す(ステップS12)。
【0040】
なお、以下では、繁雑さを避けるために、「時刻Tnを示す時刻情報」を適宜「時刻Tn」として記述し、「位置Lnを示す位置情報」を適宜「位置Ln」として記述する。
【0041】
次のステップS13で、サーバ部20は、携帯端末30から送信されたデータから取り出された時刻Taと、データベース21から呼び出された時刻T1、T2、・・・、Tnとの差分ΔTa-1、ΔTa-2、・・・、ΔTa-nがそれぞれ計算される。そして、計算の結果求められた各差分ΔTa-1、ΔTa-2、・・・、ΔTa-nのうち最小の値を取る差分ΔTminが抽出され、対応する時刻Tyが選択される。
【0042】
サーバ部20は、ステップS14で、時刻Tyに対応する位置Lyを、ユーザが携帯端末30で撮影を行った位置であると推定し、この推定された位置を示す位置情報を推定ユーザ位置情報とする。一例として、各差分ΔTa-1、ΔTa-2、・・・、ΔTa-nのうち、差分ΔTa-2が最小の値を取るとされれば、差分ΔTa-2に対応する時刻T2が選択され、この時刻T2に対応する位置L2を示す位置情報が、推定ユーザ位置情報とされる。推定ユーザ位置情報は、例えばインターネット13を介してユーザの携帯端末30に対して送信され、ユーザに対して提示される。
【0043】
ここで、例えば、サービス対象エリアを旅先の土地や観光地とし、リーダ装置10A、10B、・・・を、サービス対象エリア内のランドマークや名所旧跡といった印象的な場所の入場部などに設置した場合について考える。例えば、ユーザがリーダ装置10A、10B、・・・の設置場所以外の任意の位置、且つ任意のタイミングで撮影した画像データに基づく推定ユーザ位置情報を、リーダ装置10A、10B、・・・にそれぞれ対応するランドマークや名所旧跡の名前を用い、「○○寺の近辺」、「△△橋の近辺」などとして提示する。これにより、対応する画像データに関するユーザの記憶が刺激され、撮影時の状況などの想起が容易となることが期待される。
【0044】
この場合、データベース21に対し、リーダ装置10A、10B、・・・それぞれのリーダ位置情報に対応する名称を、リーダ位置情報と対応付けて格納する。リーダ位置情報に対応する名称は、例えばリーダ装置の設置される施設などの名称や、リーダ装置が設置される位置に関する代表的な地名や呼称などを用いることが考えられる。
【0045】
撮像機能を用いて撮影され得られた画像データには、データを作成した日時を示す時刻情報が属性情報として付加されるのが一般的である。したがって、ユーザは、各ポイントP1、P2、・・・を巡回する際に各ポイントP1、P2、・・・毎に時刻情報をサーバシステム12に登録しておけば、画像データに付加された時刻情報に基づきその画像データを撮影したと推定される位置を知ることができる。換言すれば、ユーザは、このシステムを利用することで、画像データに基づき過去に赴いた場所に関する情報を得ることができる。これにより、この画像データを何処で撮影したか、また、どのような状況で撮影したかといった記憶を、ユーザが容易に喚起できることが期待される。
【0046】
次に、この発明の実施の第2の形態について説明する。この発明の実施の第2の形態は、ユーザの端末装置において自身の位置情報を取得可能とし、ユーザの端末装置で取得された位置情報と、所定の施設などによる既知の位置情報とに基づきユーザの位置を推定する。
【0047】
例えば、ユーザの端末装置で取得された位置情報と、位置が既知である所定の施設などに設置されたリーダ装置をユーザが使用したことを示す情報とに基づき、ユーザが端末装置から送信した位置情報に対応する施設などの位置を推定する。より具体的には、リーダ装置をランドマークや名所旧跡など著名な場所に設置し、ユーザに対して、推定された位置を示す位置情報を、対応するリーダ装置が設置されたランドマークや名所旧跡の名前として提示する。これにより、ユーザが、端末装置から位置情報を送信した場所に関する記憶を容易に喚起できることが期待される。
【0048】
図5および図6を用いて、この発明の実施の第2の形態の概念について説明する。一例として、図5に示されるように、所定のエリアに配置された既知の固定ポイントP1、P2、P3、P4およびP5を考え、それぞれの位置をL1、L2、L3、L4およびL5とする。ユーザは、これらポイントP1、P2、P3、P4およびP5を任意に巡回し、それぞれのポイントにおいて、そのポイントに到着した旨を示す記録を行う。
【0049】
ここで、ユーザは、上述のポイントP1、P2、P3、P4およびP5を巡回する間の任意のタイミングで、これらP1、P2、P3、P4およびP5の何れにも該当しない、位置が未知のポイントPxに赴いたものとする。ユーザは、当該ポイントPxにおいて、当該ポイントPxの位置情報Lbを取得し、取得された位置情報Lbを記録する。
【0050】
この実施の第2の形態では、ユーザが巡回し到着した旨を記録した既知の固定ポイントP1〜P5の位置L1〜L5と、未知のポイントPxでユーザに記録された位置Lbとに基づき、未知のポイントPxの位置を推定する。
【0051】
この実施の第2の形態によるポイントPxの位置推定方法について説明する。先ず、ポイントPxにおいて取得された位置Lbと、各固定ポイントP1〜P5の位置L1〜L5それぞれとの距離ΔLa-1、ΔLa-2、ΔLa-3、ΔLa-4およびΔLa-5を求め、ポイントPxとの距離が最小となる距離ΔLminに対応する位置Lyを選択する。この位置LyがポイントPxの位置に対応すると推定する。
【0052】
より具体的な例を用いて説明する。例えば、ユーザは、図5に例示される各ポイントP1〜P5を任意の順番で巡回したものとする。また、ユーザは、これらポイントP1〜P5が含まれるエリア内の任意のポイントPxで、位置Lbを取得したものとする。ポイントPxにおける位置Lbと、各ポイントP1〜P5の位置L1〜L5との距離は、図6Aに例示されるように、位置Lbと位置L1との距離ΔLb-1が10km、位置Lbと位置L2との距離ΔLb-2が15km、位置Lbと位置L3との距離ΔLb-3が30km、位置Lbと位置L4との距離ΔLb-4が25km、位置Lbと位置L5との距離ΔLb-5が0.5kmとなっている。
【0053】
図6Aから分かるように、ポイントPxとの距離が最小となる距離ΔLminは、ポイントPxとポイントP5との距離である。したがって、ポイントPxは、ポイントP5と対応する位置であると推定できる。例えば、図6Aに例示されるように、ポイントP1〜P5がそれぞれ何らかの施設であるとした場合に、ポイントPxは、ポイントP5に対応する施設「EEE」の内部または近傍であると推定できる。
【0054】
なお、図6Bに例示されるように、ポイントPxとの距離が最小となる距離ΔLminが複数のポイントについて求められることも考えられる。この図6Bの例では、ポイントPxとの距離ΔLが、ポイントP5およびポイントP6においてそれぞれ0.5kmとなっており、共にポイントPxとの距離が最小となっている。このような場合には、このポイントP5およびポイントP6の情報をユーザに所定の方法で提示し、ユーザが適当な方を選択できるようにすると好ましい。
【0055】
図7は、この発明の実施の第2の形態に適用可能なシステムの一例の構成を示す。なお、図7において、上述した図4と共通する部分には同一の符号を付し、詳細な説明を省略する。リーダ装置10A’、10B’、・・・は、上述と同様に、それぞれの設置位置を示す位置情報を既知として、比較的広域のエリアに所定に設置される。リーダ装置10A’、10B’、・・・は、有線および/または無線によりネットワーク11に接続され、ユーザによる入力操作に応じて所定のデータを出力し、ネットワーク11に対して送信する。入力操作は、上述と同様に、例えばユーザ媒体14に記憶されたデータをリーダ装置10A’、10B’、・・・に読み出させることでなされる。勿論、所定の入力手段を用いてマニュアルでデータ入力を行ってもよい。リーダ装置10A’、10B’、・・・は、ユーザ媒体14から読み出したデータを、リーダ装置10A’、10B’、・・・の位置を示すリーダ位置情報と共に、ネットワーク11を介してサーバシステム12に向けて送信する。
【0056】
ユーザ媒体14は、上述と同様に、記憶内容がリーダ装置10A’、10B’、・・・で読み出し可能とされた所定の記憶媒体を有し、固有の識別情報(ユーザIDとする)が記憶媒体に予め記憶される。
【0057】
端末装置31は、例えば撮像機能、現在の位置示す位置情報を取得する位置情報取得機能およびインターネット13との通信機能を有する。撮像機能を用いて撮影された画像データは、内蔵する記憶媒体に記憶される。ここで、例えば撮像の際に位置情報取得機能を用いて現在位置を取得し、取得された現在位置を示す位置情報を画像データと対応付けて記憶媒体に記憶させることができる。また、端末装置31とサーバシステム12とは、インターネット13を介して互いに通信を行うことができる。
【0058】
携帯端末31が現在の位置を示す位置情報を取得する手段としては、GPS(Global Positioning System)を利用する方法が考えられる。例えば、携帯端末31は、複数の衛星40、40、・・・から送信された測位のための電波(以下、測位電波と呼ぶ)を受信し、受信された測位電波に基づき測位計算を行い、現在位置を示す位置情報を所定の精度で緯度および経度などで取得することができる。
【0059】
なお、位置情報取得機能による現在位置の取得方法は、GPSを利用する方法に限られない。例えば、携帯端末31が電波を用いて電話通信を行う携帯電話装置であれば、携帯端末31と、当該携帯端末31が無線通信を行う基地局との位置関係などに基づき現在位置を取得することが可能である。以下では、現在位置情報を、GPSを用いて緯度および経度として取得するものとして説明を行う。
【0060】
サーバシステム12は、リーダ装置10A’、10B’、・・・からネットワーク11を介して送信された、ユーザ媒体14から読み出されたユーザIDと、ユーザIDを読み出したリーダ装置のリーダ位置情報とを受信してサーバ部20に供給する。サーバ部20は、供給されたこれらのデータを互いに対応付けて、データベース21に格納する。
【0061】
このようなシステムにおける、ユーザの位置を示す位置情報取得処理について、図8のフローチャートを用いて説明する。このフローチャートの処理に先立って、サーバシステム12のデータベース21に対して、ユーザの行動に基づくデータの蓄積がなされているものとする。すなわち、ユーザによりサービス対象エリア内が任意に巡回され、ユーザが利用した各施設において、ユーザは、リーダ装置10A’、10B’、・・・にユーザ媒体14に記憶されるユーザIDを所定に読み出させる。読み出されたユーザIDは、読み出しを行ったリーダ装置10Aのリーダ位置情報と共に、ネットワーク11を介してサーバシステム12に送信され、サーバ部20に供給される。サーバ部20は、供給されたデータをデータベース21に蓄積する。
【0062】
また、ユーザにより、任意のタイミング、且つ、エリア内の任意の位置で、携帯端末31を用いて撮影が行われる。この撮影に対応して、位置情報取得機能を用いて現在位置を示す位置情報Lbが取得される。撮影された画像データは、現在位置を示す位置情報Lbと共に、携帯端末31に内蔵される記憶媒体に記憶される。
【0063】
最初のステップS20において、ユーザの携帯端末31に対する操作に応じて、携帯端末31に内蔵の記憶媒体に記憶されている画像データおよび位置情報Lbが、ユーザIDと共にネットワーク11を介してサーバシステム12に送信される。サーバシステム12は、携帯端末31から送信されたデータを受信し、サーバ部20に供給する。サーバ部20は、この供給されたデータから位置情報Lbを取り出し、所定に保持する(ステップS21)。
【0064】
次に、サーバ部20は、携帯端末31から送信されたデータに含まれるユーザIDに基づきデータベース21を検索し、リーダ装置10A’、10B’、・・・から送信されデータベース21に格納されたリーダ位置情報のうち、ユーザIDが対応するリーダ位置情報が示す位置を、ユーザの確定している位置L1、L2、・・・、Lnとして呼び出す(ステップS22)。
【0065】
次のステップS23で、サーバ部20は、携帯端末31から送信されたデータから取り出された位置情報Lbと、データベース21から呼び出された位置L1、L2、・・・、Lnとの差分ΔLb-2、ΔLb-2、・・・、ΔLb-nがそれぞれ計算される。そして、計算の結果求められた各差分ΔLb-1、ΔLb-2、・・・、ΔLb-nのうち最小の値を取る差分ΔLminが抽出され、対応する位置Lyが選択される。
【0066】
サーバ部20は、ステップS24で選択された位置Lyを、ユーザが携帯端末31で撮影を行った位置であると推定し、推定したこの位置を示す位置情報を推定ユーザ位置情報とする。一例として、各差分ΔLa-1、ΔLa-2、・・・、ΔLa-nのうち、差分ΔLa-2が最小の値を取るとされれば、差分ΔLa-2に対応する位置L2を示す位置情報が、推定ユーザ位置情報とされる。推定ユーザ位置情報は、例えばインターネット13を介してユーザの携帯端末31に対して送信され、ユーザに対して提示される。
【0067】
このように、この実施の第2の形態によれば、ユーザが位置情報を送信することで、ユーザが辿った道程における所定ポイントの位置情報に基づき、送信された位置情報に対応すると推定される位置情報が取得される。ユーザが実際に赴いた既知のポイントに基づき位置が推定されるので、ユーザは、推定された位置に関する記憶を容易に喚起できることが期待できる。
【0068】
ここで、例えば、サービス対象エリアを旅先の土地や観光地とし、データベース21に対し、リーダ装置10A、10B、・・・それぞれのリーダ位置情報に対応する名称を、リーダ位置情報と対応付けて格納する。リーダ装置10A’、10B’、・・・を、サービス対象エリア内のランドマークや名所旧跡といった印象的な場所の入場部などに設置し、ユーザに送信される推定ユーザ位置情報を、データベース21に格納されたリーダ位置情報に対応する名称に基づきリーダ装置10A’、10B’、・・・にそれぞれ対応するランドマークや名所旧跡の名前を用い、「○○寺の近辺」、「△△橋の近辺」などとして提示することが考えられる。これにより、対応する画像データに関するユーザの記憶が刺激され、撮影時の状況などの想起が容易となることが期待される。
【0069】
この場合、データベース21に対し、リーダ装置10A、10B、・・・それぞれのリーダ位置情報に対応する名称を、リーダ位置情報と対応付けて格納する。リーダ位置情報に対応する名称は、例えばリーダ装置の設置される施設などの名称や、リーダ装置が設置される位置に関する代表的な地名や呼称などを用いることが考えられる。
【0070】
次に、この発明の実施の第3の形態について説明する。この実施の第3の形態は、上述の実施の第1および/または第2の形態のより具体的な適用例である。なお、この実施の第3の形態は、上述の実施の第1および第2の形態の何れも適用可能なものであるが、以下では、実施の第1の形態による、時刻情報に基づき位置情報を取得する例をこの実施の第3の形態に適用した場合について説明する。
【0071】
図9を用いて、この実施の第3の形態を適用したシステムがサービスを提供するエリアについて概念的に説明すると共に、ユーザ媒体からユーザIDを読み出すリーダ装置の配置の例について説明する。例えば、N市の全域からなるエリア100と、N市に対して鉄道や道路で接続されるH市の全域からなるエリア101とを、この実施の第3の形態を適用したシステムのサービス対象エリアとする。勿論、これに限らず、この実施の第3の形態を適用したシステムのサービス対象エリアを、さらに広域としてもよい。
【0072】
ユーザ媒体からユーザIDを読み出すためのリーダ装置は、この図9の例では、N市においては、来訪者に対する玄関口となる○×駅110(以下、駅110)、N市の名所である××タワー111(以下、施設111)、ならびに、N市の繁華街であるショッピングセンタ112Aおよび112Bにそれぞれ設置される。また、H市においては、リーダ装置は、×××駅120(以下、駅120)、H市の名所旧跡である△△神社121(以下、施設121)および□□城跡122(以下、施設122)にそれぞれ設置される。リーダ装置のそれぞれは、図示されないネットワークを介してこのシステムによるサービスの提供を行うためのサーバシステムに接続される。なお、図9においては、リーダ装置は、繁雑さを避けるために図示が省略されている。
【0073】
この図9に示されるような状況において、ユーザがN市内の任意の地点αで撮像機能付き携帯端末や携帯型ディジタルカメラ装置で撮影を行い、画像データと共に撮影時の時刻を示す時刻情報を取得した場合について考える。地点αが図9に「×(バツ)」印で示される位置である場合、後にユーザは、当該時刻情報に基づき地点αの位置を示す位置情報を取得する際に、当該位置が110またはショッピングセンタ112Aの近辺として提示されることを期待すると考えられる。同様に、ユーザがH市内の任意の地点βで撮影を行い、画像データと共に撮影時の時刻を示す時刻情報を取得した場合、後にユーザは、当該時刻情報に基づき地点βの位置を示す位置情報を取得する際に、当該位置が120または施設121の近辺として提示されることを期待すると考えられる。
【0074】
図10は、この実施の第3の形態に適用可能なシステムの一例の構成を示す。この図10に例示するシステムは、基本的な構成は、図3を用いて説明したこの発明の実施の第1の形態によるシステム例と同様である。このシステムによるサービスが適用されるN市の全域からなるエリア100およびH市の全域からなるエリア101を対象とし、リーダ装置150A、150B、・・・がそれぞれの設置位置を示す位置情報を既知として、所定に配置される。すなわち、図9を参照し、リーダ装置150A、150B、・・・は、エリア100においてはそれぞれ駅110、施設111、ならびに、ショッピングセンタ112Aおよび112Bにそれぞれ設置され、エリア101においては駅120、施設121および122にそれぞれ設置される。
【0075】
リーダ装置150A、150B、・・・は、有線および/または無線によりネットワーク151に接続され、ユーザの入力操作に応じて所定のデータを出力する。入力操作は、例えばユーザ媒体154に記憶されたユーザIDをリーダ装置150A、150B、・・・に読み出させることでなされる。勿論、所定の入力手段を用いてマニュアルでユーザIDを入力してもよい。リーダ装置150A、150B、・・・は、読み出したユーザIDを、ユーザIDの読み出しを行った時刻を示す時刻情報と、リーダ装置150A、150B、・・・を識別する識別情報であるリーダIDと共に、ネットワーク151を介して後述するサーバシステム152に送信する。ネットワーク151は、このシステムでクローズなネットワークでもよいし、インターネットのようにオープンなネットワークでもよい。
【0076】
ユーザ媒体154は、記憶内容がリーダ装置150A、150B、・・・で読み出し可能とされた所定の記憶媒体を有する。ユーザ媒体154は、例えばこのシステムを利用するユーザが所持し、所持するユーザを識別するためのユーザIDが記憶媒体に予め記憶される。ユーザ媒体154として適用可能な記憶媒体は、上述したように様々に考えられるが、ここでは、カード型記憶媒体をユーザ媒体154として用いるものとする。
【0077】
ネットワーク151に対して、さらに、サーバシステム152が接続される。サーバシステム152は、サーバ部160とデータベース161、162および163とを有し、このシステムの全体の制御や管理を行う。サーバ部160は、1または複数のコンピュータや所定の周辺機器からなり、所定のプログラムに従いこのシステムの制御や管理を行う。データベース161は、ユーザ情報を管理するユーザ情報データベースであって、このシステムに登録されたユーザの情報をユーザIDと対応付けて管理する。データベース162は、リーダ装置データベースであって、リーダ装置150A、150B、・・・それぞれの設置位置を示す位置情報や属性情報を、リーダIDと対応付けて管理する。また、データベース163は、時刻情報データベースであり、リーダ装置150A、150B、・・・から送信された時刻情報、リーダIDおよびユーザIDを互いに対応付けて、蓄積的に格納する。
【0078】
サーバシステム152において、サーバ部160とインターネット153とが接続される。サーバシステム152は、インターネット153に接続された端末装置170、171や、ウェブサーバ173とインターネット153を介して通信を行うことができるようにされている。
【0079】
端末装置170は、例えば撮像機能、時刻情報取得機能およびインターネット153との通信機能を有すると共に、携帯可能に構成される携帯端末装置である。端末装置170としては、電波を用いて電話通信を行う携帯電話端末や、PDA(Personal Digital Assistant)を適用することができる。端末装置170は、ユーザ操作により撮像機能を用いて撮影が行われると、撮影が行われた時刻を示す時刻情報が時刻情報取得機能を用いて取得され、時刻情報を撮影により得られた画像データに付加して、内蔵する記憶媒体に記憶する。また、記憶媒体には、ユーザIDが記憶される。
【0080】
端末装置170は、所定の操作に応じて、記憶媒体に記憶された、時刻情報が付加された画像データを、ユーザIDと共にインターネット153を介してサーバシステム152に対して送信することができる。
【0081】
端末装置171は、例えばパーソナルコンピュータであって、インターネット153との通信機能を有する。端末装置171は、例えばディジタルカメラ装置172で撮影され得られた画像データを取り込み、インターネット153を介してサーバシステム152に対して送信することができる。
【0082】
一例として、ディジタルカメラ装置172は、撮影して得られた画像データに対して撮影を行った時刻を示す時刻情報を付加して、例えば脱着可能な記憶媒体に格納する。ディジタルカメラ装置172と端末装置171とを所定のインターフェイスにより接続することで、ディジタルカメラ装置172の記憶媒体に格納された、時刻情報が付加された画像データを端末装置171に転送することができる。端末装置171がディジタルカメラ装置172に用いられる記憶媒体の読み書きが可能であれば、当該記憶媒体をディジタルカメラ装置172から取り外して端末装置171に装着し、当該記憶媒体から直接的に当該画像データを読み出してもよい。
【0083】
端末装置171は、ディジタルカメラ装置172の記憶媒体から読み出された、時刻情報が付加された画像データを、例えば端末装置170に内蔵されるハードディスクなど所定のストレージに一旦格納する。そして、所定の操作に応じて、ディジタルカメラ装置172の記憶媒体から読み出されストレージに格納された当該画像データに対してユーザIDをさらに付加し、ユーザIDおよび時刻情報が付加された画像データを、インターネット153を介してサーバシステム152に対して送信する。ユーザIDは、ユーザが端末装置171のキーボードを操作して入力してもよいし、内蔵のストレージに所定に格納されたユーザIDを用いてもよい。
【0084】
サーバシステム152は、リーダ装置150A、150B、・・・からネットワーク151を介して送信された、ユーザ媒体154から読み出されたユーザIDと、ユーザIDを読み出した時刻を示す時刻情報と、ユーザIDを読み出したリーダ装置に対応するリーダIDとを受信してサーバ部160に供給する。サーバ部160は、供給されたユーザIDおよびリーダIDを、時刻情報データベース163に所定に格納する。また、サーバシステム152は、端末装置170や端末装置171からインターネット153を介して送信された、時刻情報およびユーザIDを付加された画像データを受信し、サーバ部160に供給する。この時刻情報およびユーザIDを付加された画像データは、サーバ部160が有する所定のストレージ装置に格納される。
【0085】
サーバシステム152が有するデータベース161、162および163について説明する。図11は、ユーザ情報データベース161に格納されるユーザ情報テーブルの一例の構成を示す。ユーザ情報テーブルでは、ユーザを識別するためのユーザIDに対して、当該ユーザの連絡先としての電子メールアドレスが対応付けられる。さらに、ユーザ情報テーブルにおいて、ユーザIDに対して、当該ユーザIDで示されるユーザの属性情報が対応付けられる。ユーザの属性情報としては、例えば当該ユーザの氏名、住所、生年月日などが考えられる。
【0086】
図12Aは、リーダ情報データベース162に格納されるリーダ情報テーブルの一例の構成を示す。このように、リーダ情報テーブルにおいて、リーダ装置150A、150B、・・・それぞれを識別するリーダIDと、リーダ装置150A、150B、・・・それぞれの位置情報が対応付けられて登録される。位置情報は、例えば緯度(Lat)および経度(Lon)によって表現される。また、リーダ情報テーブルに対し、リーダ装置の属性情報がリーダIDに対応付けられて登録される。リーダ装置の属性情報としては、例えば当該リーダ装置が設置される場所の名前が考えられる。
【0087】
図13は、時刻情報データベース163に格納される時刻情報テーブルの一例の構成を示す。このように、リーダ装置150A、150B、・・・から送信され供給された時刻情報、リーダIDおよびユーザIDが互いに対応付けられて、例えば時刻順に、時刻情報テーブルに登録される。なお、図13では省略されているが、時刻情報には、日付情報も含まれる。
【0088】
なお、上述では、リーダ装置150A、150B、・・・がシステムに専用の装置であるように説明したが、これはこの例に限られない。すなわち、リーダ装置150A、150B、・・・は、他の装置と機能を兼用することができる。他の装置と機能を兼用する例としては、図9の例では、駅110、120におけるカード型記憶媒体に対応した自動改札装置や、ショッピングセンタ112A、112Bなどにおいて購入額に応じてポイントを加算するためのポイントカードのリーダ装置や、クレジットカードのリーダ装置などが考えられる。また、名所旧跡や大規模遊戯施設、博物館などの施設(図9の例では、施設111、施設121および施設122)において、チケットや会員証カードにICチップやアンテナ機構、不揮発性メモリを埋め込んだ電子チケットや電子会員証を採用している場合には、電子チケットや電子会員証のデータを読み出すリーダ装置の機能と、このシステムによるリーダ装置の機能とを兼用させることが考えられる。
【0089】
このように、リーダ装置150A、150B、・・・と他の装置とで機能を兼用可能としたシステム構成となっている場合、図12Bに例示されるように、兼用される機能の種類または兼用される装置を示す情報を、リーダ装置の属性情報として登録することが考えられる。この図12Bの例では、リーダIDが「R001」であるリーダ装置は、○×駅に設置され、当該駅の自動改札機と機能が兼用されていることが示される。
【0090】
さらに、ユーザIDを記憶するためのユーザ媒体154も、単一の種類のものに限られない。例えば、上述した駅110、120の自動改札装置に対応するカード型記憶媒体や、ポイントカード、電子チケット、電子会員証にそれぞれユーザIDを記憶させておくことが考えられる。
【0091】
これに限らず、ユーザ媒体種類毎に独自に設定されたユーザ識別情報を利用することも考えられる。この場合、図14に一例が示されるような変換テーブルを用いて、これらカード型記憶媒体、ポイントカード、電子チケットおよび電子会員証を用いるシステムそれぞれにおいて独自に設定されるユーザの識別情報を、この実施の第3の形態によるシステムにおけるユーザIDに変換することが考えられる。
【0092】
このようなシステムにおいて、ユーザは、エリア100および101を任意に巡回し、駅110、120、ショッピングセンター112A、112B、施設111、121、122といった、リーダ装置150A、150B、・・・が設置された場所に到着した際に、必要に応じて、リーダ装置150A、150B、・・・によりユーザ媒体154に記憶されるユーザIDを読み出させる。リーダ装置150A、150B、・・・により読み出されたユーザIDは、上述したように、読み出した行われた時刻を示す時刻情報と、読み出しを行ったリーダ装置に対応したリーダIDと共に、ネットワーク151を介してサーバシステム152に送信されてサーバ部160に供給され、時刻情報データベース163に所定に格納される。
【0093】
ここで、ユーザは、図9を参照し、N市の全域からなるエリア100を、駅110を出発点として、施設111(××タワー)、ショッピングセンター112A、112Bの順で巡回し、それぞれの場所に設置されているリーダ装置に、ユーザ媒体154に記憶されているユーザIDを読み出させる。また、N市の巡回中に、ユーザは、任意の地点αにおいて、例えば撮像、時刻取得およびインターネット通信機能付きの携帯電話端末である端末装置170を用いて、時刻Tαに撮影を行ったものとする。さらにユーザは、H市に移動し、エリア101を、駅120を出発点として、施設121(△△神社)、施設122(□□城跡)の順で巡回し、それぞれの場所に設置されているリーダ装置に、ユーザ媒体154に記憶されているユーザIDを読み出させる。上述と同様、H市の巡回中に、ユーザは、任意の地点βにおいて、端末装置170を用いて時刻Tβに撮影を行ったものとする。
【0094】
このユーザの行動により、時刻情報データベース163に対して、リーダ装置150A、150B、・・・にユーザ媒体154からユーザIDを読み出させた時刻を示す時刻情報が、ユーザIDの読み出しを行ったリーダ装置の位置を示す位置情報と対応付けられて蓄積される。
【0095】
ここで、例えば後日にユーザが、地点αおよび地点βのそれぞれで撮影した画像データを見たが、それらの撮影を行った場所が思い出せず、地点αおよび地点βの場所を知るためにこのシステムを利用する場合について考える。この場合、ユーザは、端末装置170に内蔵の記憶媒体に記憶される、地点αで撮影された画像データと、地点βで撮影された画像データとを、それぞれ撮影時刻を示す時刻情報を付加し、ユーザIDと共にサーバシステム152に送信する。サーバシステム152は、この画像データと共に送信された時刻情報とユーザIDとに基づき、当該画像データが撮影された場所を推定する。
【0096】
この場所の推定処理について、上述した実施の第1の形態による図4のフローチャートを参照しながら説明する。例えば地点αについて知りたい場合、ユーザは、端末装置170に対して所定の操作を行い、端末装置170から、地点αで時刻Tαに撮影され内蔵の記憶媒体に記憶された画像データを選択し、選択された画像データを撮影時刻を示す時刻情報TαとユーザIDと対応付けて、サーバシステム152に送信する(図4のステップS10)。サーバシステム152は、端末装置170から送信されたデータを受信し、サーバ部160に供給する。サーバ部160は、この供給されたデータから、時刻Tαを示す時刻情報を取り出す。
【0097】
次に、サーバ部160は、端末装置170から送信されたデータからユーザIDを取り出し、このユーザIDに基づき時刻情報データベース163を検索し、リーダ装置150A、150B、・・・から送信され時刻情報データベース163に格納されたデータのうち、ユーザIDが対応する時刻情報およびリーダIDの組を呼び出す。リーダIDは、リーダ情報テーブルで位置情報Lnに変換される(ステップS12)。これら位置情報および時刻情報の組の一例を、図15における列「位置」および列「時刻Tn」に示す。
【0098】
この図15の例では、エリア100(N市)においては、駅110では12時0分(時刻T1とする)、施設111では13時0分(時刻T2とする)、ショッピングセンター112Aおよびショッピングセンター112Bではそれぞれ13時30分、14時0分(それぞれ時刻T3、T4とする)に、ユーザ媒体154からユーザIDの読み出しが行われ、エリア101(H市)においては、駅120では14時30分(時刻T5とする)、施設121では15時30分(時刻T6とする)、施設122では17時0分(時刻T7とする)に、ユーザ媒体154からユーザIDの読み出しが行われたものとされている。
【0099】
サーバ部160は、端末装置170から送信されたデータから取り出された時刻情報が示す時刻Tαと、時刻情報データベース163から呼び出された時刻情報が示す時刻T1〜T7のそれぞれとの差分ΔTα-1、ΔTα-2、・・・、ΔTα-7を計算する。そして、計算の結果求められた各差分ΔTα-1、ΔTα-2、・・・、ΔTα-7のうち最小の値を取る差分ΔTminが抽出され、対応する時刻情報Txが選択される(ステップS13)。そして、この時刻情報Txに対応する位置情報Lxが、推定ユーザ位置情報とされる。
【0100】
図15の例では、時刻Tαと時刻T1との差分ΔTα-1がー20分、時刻Tαと時刻T2との差分ΔTα-2が+40分、時刻Tαと時刻T3との差分ΔTα-3が+70分、時刻Tαと時刻T4との差分ΔTα-4が+100分、時刻Tαと時刻T5との差分ΔTα-5が+130分、時刻Tαと時刻T6との差分ΔTα-6が+190分、時刻Tαと時刻T7との差分ΔTα-7が+280分となっている。
【0101】
これにより、差分の絶対値が最小値を取る差分ΔTminは、時刻T1との差分ΔTα-1であることが分かる。したがって、地点αの位置は、時刻T1に対応する位置L1、すなわち駅110(N市の○×駅)または当該駅110の近傍であると推定できる。推定されたこの位置が推定ユーザ位置情報として、例えばサーバ部160からインターネット153を介して端末装置170に対して送信され、ユーザに対して提示される(ステップS14)。
【0102】
地点βについても、同様にして推定ユーザ位置情報が求められる。図15の例では、地点βで撮影が行われた時刻Tβと時刻T1〜T7との差分ΔTβ-nに基づき、差分の絶対値が最小値を取る差分ΔTminは、時刻T6と差分ΔTβ-6であることが分かる。したがって、地点βの位置は、時刻T6に対応する位置L6、すなわち施設121(H市の△△神社)または当該施設121の近傍であると推定できる。推定されたこの位置が、推定ユーザ位置情報として所定にユーザに提示される。
【0103】
上述では、この実施の第3の形態に対し、実施の第1の形態による時刻情報に基づき位置情報を推定する例を適用したが、これはこの例に限られない。すなわち、この実施の第3の形態に対し、実施の第2の形態による、ユーザの端末装置により取得された位置情報を用いて、所定の施設などに基づく位置情報を推定する例を適用することができる。実施の第1の形態と実施の第2の形態とを組み合わせ、時刻情報に基づく位置情報の推定と、ユーザの端末装置により取得された位置情報を用いた位置情報の推定とを適宜、併用してもよい。
【0104】
実施の第3の形態に対し、実施の第2の形態による位置情報推定方法を適用する場合、ユーザの端末装置170などにおいて位置情報を取得してサーバシステム152に送信する点、リーダ装置150A、150B、・・・から少なくともリーダIDおよびユーザIDを送信すればよく、時刻情報を送信する必要が無い点、ならびに、サーバシステム152においても時刻情報を蓄積する必要が無い点以外は、実施の第1の形態を適用した場合と略同一の構成で実現できる。また、推定ユーザ位置情報を取得するための処理は、図8のフローチャートを用いて説明した処理をそのまま適用できる。
【0105】
また、この実施の第2の形態を適用する場合において、図9に例示するN市全域によるエリア100や、H市全域によるエリア101といった広域の範囲を特定するような位置情報をさらに用いることも考えられる。この範囲を特定するような位置情報の例としては、範囲の外縁における複数の所定位置の位置情報が考えられる。この範囲を特定する位置情報に基づき、例えばユーザの端末装置170などから送信されたデータから取り出された位置情報に示される位置が含まれる範囲を特定する。このようにすることで、検索対象の範囲が限定され、推定ユーザ位置情報の取得を高速に行うことができる。
【0106】
なお、上述では、端末装置170で取得された時刻情報に基づき求められた推定ユーザ位置情報を、端末装置170に対して送信することでユーザに提示するように説明したが、これはこの例に限られない。例えば、推定ユーザ位置情報を、時刻情報を取得した端末装置170とは異なる機器、例えばパーソナルコンピュータである端末装置171に対して送信することもできる。
【0107】
推定ユーザ位置情報は、例えば電子メールを用いてユーザに対して提示される。例えばサーバシステム152は、推定ユーザ位置情報が取得されると、ユーザIDに基づきユーザ情報データベース161を検索して対応する電子メールアドレスを抽出し、取得された推定ユーザ位置情報を記述した電子メールを当該電子メールアドレスを宛先として作成する。推定ユーザ位置情報に関連する広告情報などを、この電子メールにさらに記述することもできる。サーバシステム152は、このように作成された電子メールを、インターネット153に向けて送信する。
【0108】
取得された推定ユーザ位置情報を、インターネット153上のウェブサイトを利用してユーザに提示することもできる。すなわち、取得された推定ユーザ位置情報を、ウェブサイト上のウェブページに掲示し、インターネット153上で閲覧可能としてユーザに提示する。
【0109】
このとき、推定ユーザ位置情報を取得する際にユーザの端末装置170や端末装置171から送信された画像データや、他の画像データなどを、推定ユーザ位置情報と共に当該ウェブページに表示することができる。他の画像データは、例えば、リーダ装置150A、150B、・・・が設置される各施設などにおいて、位置情報が確定された状態で撮影された画像データを用いることができる。
【0110】
より具体的には、当該各施設の運営側や他の業者などにより撮影された画像データや、リーダ装置と連動可能なカメラ装置により、ユーザ媒体154のデータをリーダ装置に読み出させるのに伴い撮影された画像データなどを用いることが考えられる。ユーザ自身やユーザの同行者などが撮影した画像データを用いてもよい。これらの画像データは、カメラ装置がネットワーク151に接続されていれば、撮影に伴い、位置情報およびユーザ媒体154から読み出されたユーザIDと共に、自動的にサーバシステム152に向けて送信される。撮影された画像データと、位置情報およびユーザIDとを、マニュアル操作でサーバシステム152に送信してもよい。
【0111】
一例として、サーバ部160は、推定ユーザ位置情報、当該推定ユーザ位置情報に対応する画像データ、他の画像データおよび当該他の画像データに対応する位置情報を一纏めにしたパッケージデータを作成する。パッケージデータには、さらに、画像データの属性情報として、対応する位置の名称(図9の例では、「○×駅」、「△△神社」など)や、撮影またはリーダ装置によるユーザIDの読み出しが行われた時刻を示す時刻情報などを、各画像データのそれぞれに対応付けて格納することができる。画像データに対応する位置に関連する広告情報を、パッケージデータに含めてもよい。
【0112】
サーバ部160は、このようにして作成されたパッケージデータを、サーバ部160に設けられた、インターネット153上のURL(Uniform Resource Locator)を定義可能とされたストレージ装置に格納する。この場合には、パッケージデータは、各画像データ、各画像データの属性情報および推定ユーザ位置情報が格納されるフォルダである。パッケージデータに格納される各画像データには、それぞれ所定のURLが定義される。
【0113】
サーバ部160は、HTML(Hyper Text Markup Language)やXML(Extensible Markup Language)など、インターネット153上のウェブページとして提示可能な書式を用いて、ストレージ装置に保持されたパッケージデータに含まれる画像データのリンク情報やレイアウト情報、推定ユーザ位置情報や各画像データの属性情報に基づくテキストデータ、広告情報に基づくリンク情報などを記述したファイル(以降、ウェブファイルと呼ぶ)を作成する。このウェブファイルを、インターネット153上のウェブサーバ173に転送する。
【0114】
ウェブサーバ173は、このウェブファイルに対してURLを定義し、ウェブページとしてインターネット153上で閲覧可能とする。ユーザは、インターネット153に接続されたユーザ端末170やユーザ端末171を用いて当該URLにアクセスすることで、パッケージデータに含まれる各画像データや、推定ユーザ位置情報、各画像データに対応する位置の名称といった属性情報、広告情報などをウェブページ上で閲覧可能とされる。
【0115】
一例として、サーバ部160は、ウェブサーバ173に対してウェブファイルを転送すると共に、ユーザに対して、当該ウェブファイルがインターネット153に対して閲覧可能とされていることを通知する。より具体的には、サーバ部160は、ユーザ情報データベース161内のユーザ情報テーブルを検索し、ユーザの電子メールアドレスを取得する。そして、サーバ部160は、当該ウェブファイルのURLを所定に記述した電子メールを作成し、取得された電子メールアドレスに宛てて送信する。この電子メールを受信したユーザは、電子メールの記述に基づき当該URLにアクセスする。
【0116】
図16は、パッケージデータに含まれる各データを閲覧させるウェブページの一例の画面構成を示す。なお、この図16および後述する図17は、時刻情報に基づき推定ユーザ位置情報を取得するようにしたシステムにおける表示の例である。ウェブページは、一般的には、パーソナルコンピュータである端末装置171に搭載されるブラウザと呼ばれるソフトウェアで表示などがなされる。ブラウザは、例えば入力されたURLに従いインターネット153の上のファイルにアクセスする。アクセスしたファイルが例えばHTML形式といった所定の形式で記述されていれば、ファイルの記述に従い、テキストデータの表示、画像データへのリンクや、各表示のレイアウトなどを行う。また、ブラウザは、読み込んだファイルに指定された手段で、ウェブサーバ173に対してデータを送信することができる。
【0117】
このようなブラウザソフトウェアは、パーソナルコンピュータなどの他に、端末装置170のようにインターネット接続が可能な携帯端末や、家庭用ゲーム機器などにも搭載されるのが一般的となってきている。以下では、ブラウザがパーソナルコンピュータに搭載されているものとして説明する。ブラウザの各機能は、マウスといったポインティングデバイスと、キーボードなどのキャラクタ入力デバイスとにより制御するできるようにされている。
【0118】
図16を参照し、ブラウザ画面200において、ブラウザ自身のコントロールやOS(Operating System)によるコントロールを行うための表示部201の下部に、ウェブページの表示を行うためのウェブページ表示部202が設けられる。ウェブページ表示部202に対し、パッケージデータに含まれる各画像データ、各画像データに対応する属性情報、推定ユーザ位置情報および広告情報が所定に配置され表示される。
【0119】
図16の例では、ウェブページ表示部202の右側に各画像データが縦列配置され、それぞれの画像データの左側に、画像データに対応する属性情報が表示される。ウェブページ表示部202に対する画像データの表示の際に、実際の画像データ(実画像データと呼ぶ)の表示サイズを縮小したサムネイル画像を用いると好ましい。サムネイル画像は、例えばサーバ部160において予め作成され、パッケージデータに格納される。サムネイル画像に対して、対応する実画像データへのリンク情報を対応付けることで、ユーザがブラウザ上でサムネイル画像を所定に指定した際に、対応する実画像データが表示されるようにできる。
【0120】
画像データ214を例にとって説明する。画像データ214に対応して、撮影時刻を示す時刻情報211(日付情報を含む)と、当該画像データ214に対応する位置の名称212とが表示される。また、この図16の例では、画像データ214がユーザが推定ユーザ位置情報を取得するために端末装置170或いは端末装置171から送信した画像データであって、名称212が推定ユーザ位置情報に基づくものであることを示す情報213が、当該画像データ214に対応して表示される。
【0121】
チェックボックス210は、所定の操作によりチェックすることで、対応する画像データが選択状態とされる。例えば、ブラウザ上で所定の操作を行うことで、選択状態とされた画像データを端末装置171にダウンロードさせることができる。このとき、選択状態とされた画像データに対して、撮影時刻を示す時刻情報や当該画像データに対応する位置の名称、位置の名称が推定ユーザ位置情報に基づくものであるか否かを示す情報など、当該画像データの属性情報を付加してダウンロードさせる。
【0122】
パッケージデータに広告情報が含まれている場合には、対応する広告表示215が表示される。広告情報が、広告元などによるウェブページへのリンク情報である場合には、広告表示215を所定に指定することで、当該ウェブページをさらに表示させることができる。
【0123】
なお、図2Bや図6Bを用いて既に説明したように、時刻または距離差分の絶対値が最小値を取る差分ΔTminまたは差分ΔLminが複数、求められ、複数の推定ユーザ位置情報が取得される場合が有り得る。このような場合、適切な推定ユーザ位置情報をユーザが選択可能にウェブページを構成すると好ましい。
【0124】
図17は、推定ユーザ位置情報をユーザが選択可能としたウェブページの一例の表示を示す。なお、図17において、上述した図16と共通する部分は同一の符号を付し、詳細な説明を省略する。この図17の例では、撮影を行った時刻が×月×日の12時20分である画像データ214に対して、それぞれ名称212Aおよび212Bが「○×駅」および「××タワー」である2の推定ユーザ位置情報が取得されている。これら名称212Aおよび212Bに対応して、ラジオボタン215Aおよび215Bが表示される。ラジオボタン215Aおよび215Bは、複数の選択項目から1の項目を選択するようにされており、1の項目を選択することで、他の項目の選択状態が解除される。
【0125】
ユーザは、例えば画像データ214を参照して当該画像データ214を撮影した場所が名称212Aおよび212Bの何れであるかを判断し、ラジオボタン215Aおよび215Bのうち適当な方を所定に指定する。これにより、当該画像データ214に対して、名称212Aおよび212Bのうちラジオボタン215Aおよび215Bで指定された側に対応する名称が対応付けられる。例えば、当該画像データ214をダウンロードする際には、ラジオボタン215Aおよび215Bにより指定された側に対応する名称が、当該画像データ214の撮影場所に対応する名称として当該画像データ214に対して付加される。
【0126】
なお、上述では、推定ユーザ位置情報や対応する画像データ、属性情報などを、当該推定ユーザ位置情報を取得するために時刻情報や位置情報を送信したユーザに対して提示するように説明したが、これはこの例に限定されない。例えば、ユーザ情報データベース161内において、ユーザIDに対して他のユーザのユーザIDを関連付けることで、推定ユーザ位置情報や対応する画像データ、属性情報などを、当該推定ユーザ位置情報を取得するために時刻情報や位置情報を送信したユーザに提示するのみならず、当該ユーザのユーザIDに関連付けられた他のユーザIDに対応するユーザにも提示するようにできる。
【図面の簡単な説明】
【0127】
【図1】発明の実施の第1の形態の概念について説明するための略線図である。
【図2】発明の実施の第1の形態の概念について説明するための略線図である。
【図3】発明の実施の第1の形態に適用可能なシステムの一例の構成を示す略線図である。
【図4】発明の実施の第1の形態による位置情報取得の一例の処理を示すフローチャートである。
【図5】発明の実施の第2の形態の概念について説明するための略線図である。
【図6】発明の実施の第2の形態の概念について説明するための略線図である。
【図7】発明の実施の第2の形態に適用可能なシステムの一例の構成を示す略線図である。
【図8】発明の実施の第2の形態による位置情報取得の一例の処理を示すフローチャートである。
【図9】実施の第3の形態を適用したシステムがサービスを提供するエリアについて概念的に説明するための略線図である。
【図10】実施の第3の形態に適用可能なシステムの一例の構成を示す略線図である。
【図11】ユーザ情報データベースに格納されるユーザ情報テーブルの一例の構成を示す略線図である。
【図12】リーダ情報データベースに格納されるリーダ情報テーブルの一例の構成を示す略線図である。
【図13】時刻情報データベースに格納される時刻情報テーブルの一例の構成を示す略線図である。
【図14】ユーザIDを変換するための変換テーブルの一例の構成を示す略線図である。
【図15】発明の実施の第3の形態による位置情報取得の例を説明するための略線図である。
【図16】パッケージデータに含まれる各データを閲覧させるウェブページの一例の画面構成を示す略線図である。
【図17】パッケージデータに含まれる各データを閲覧させるウェブページの一例の画面構成を示す略線図である。
【符号の説明】
【0128】
10A,10B,10C,10D,10E,10F リーダ装置
11,151 ネットワーク
12,152 サーバシステム
13,153 インターネット
14,154 ユーザ媒体
20,160 サーバ部
21 データベース
30,31 携帯端末
150A,150B,150C,150D,150E,150F リーダ装置
161 ユーザ情報データベース
162 リーダ情報データベース162
163 時刻情報データベース
170,171 端末装置
172 カメラ装置
173 ウェブサーバ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
それぞれ固定点に設置され、ユーザによるユーザ識別情報の入力に応じて、該固定点の位置に対応する位置情報と、該入力に対応する時刻を示す第1の時刻情報と、入力された該ユーザ識別情報とを出力する複数の情報出力装置と、
上記情報出力装置から出力された上記位置情報と上記第1の時刻情報と上記ユーザ識別情報とを対応付けて蓄積的に格納する格納部と、
端末装置と通信を行う通信部と、
上記通信部により受信された、端末装置から送信されたデータに対応する位置を推定する位置推定部と
を備えるサーバ装置と
を有し、
上記通信部は、
上記端末装置から送信された少なくとも第2の時刻情報とユーザ識別情報とを受信し、
上記位置推定部は、
上記格納部から、上記通信部により受信された上記ユーザ識別情報に対応する上記位置情報および上記第1の時刻情報を抽出し、
上記通信部により受信された上記第2の時刻情報が示す時刻と上記格納部から抽出された複数の該第1の時刻情報が示す時刻それぞれとの差分を求め、該差分の絶対値が最も小さくなる該第1の時刻情報に対応する上記位置情報が示す位置を、該第2の時刻情報に対応する位置であると推定する
ことを特徴とする位置情報取得システム。
【請求項2】
請求項1に記載の位置情報取得システムにおいて、
上記情報出力装置は、
所定の記憶媒体に記憶されたデータを読み出すリーダ部を有し、
上記入力は、上記リーダ部により上記所定の記憶媒体に記憶された上記ユーザ識別情報を読み出すことでなされる
ことを特徴とする位置情報取得システム。
【請求項3】
請求項1に記載の位置情報取得システムにおいて、
上記端末装置は撮像機能を有し、上記第2の時刻情報は該撮像機能により撮影が行われた時刻に対応する
ことを特徴とする位置情報取得システム。
【請求項4】
請求項3に記載の位置情報取得システムにおいて、
上記端末装置は、上記撮像機能により撮影した画像データを、上記第2の時刻情報および上記ユーザ識別情報と共に送信するようにされ、
上記サーバ装置は、
上記通信部により上記端末装置から送信された上記画像データをさらに受信し、該画像データと共に受信された上記第2の時刻情報に基づき上記位置推定部により上記推定された上記位置を示す推定位置情報と、受信された該画像データとを対応付けて上記ユーザに通知する
ことを特徴とする位置情報取得システム。
【請求項5】
請求項4に記載の位置情報取得システムにおいて、
上記通知は、通知される位置情報に対応する上記固定点に関連する名称を用いてなされる
ことを特徴とする位置情報取得システム。
【請求項6】
請求項4に記載の位置情報取得システムにおいて、
上記通知は、上記受信された画像データに対応付けられた位置情報が上記位置推定部により推定された上記推定位置情報であるか否かをさらに示す
ことを特徴とする位置情報取得システム。
【請求項7】
請求項4に記載の位置情報取得システムにおいて、
上記通知は、上記推定位置情報と上記受信された画像データとを対応付けて上記端末装置に送信することでなされる
ことを特徴とする位置情報取得システム。
【請求項8】
請求項4に記載の位置情報取得システムにおいて、
上記通知は、上記推定位置情報と上記受信された画像データとを対応付けて他の端末装置に送信することでなされる
ことを特徴とする位置情報取得システム。
【請求項9】
請求項4に記載の位置情報取得システムにおいて、
上記通知は、上記推定位置情報と上記受信された画像データとを対応付けると共に、上記固定点に対応した他の画像データを該固定点の位置を示す位置情報と対応付け、該推定位置情報に対応付けられた該受信された画像データと、該固定点の位置を示す位置情報と対応付けられた該他の画像データとを一纏めにパッケージングしてなされる
ことを特徴とする位置情報取得システム。
【請求項10】
請求項4に記載の位置情報取得システムにおいて、
上記通知は、インターネット上のウェブサイトを介して送信される
ことを特徴とする位置情報取得システム。
【請求項11】
請求項1に記載の位置情報取得システムにおいて、
上記情報出力装置は、他の目的のための装置の機能を利用して構成される
ことを特徴とする位置情報取得システム。
【請求項12】
請求項11に記載の位置情報取得システムにおいて、
上記情報出力装置は、
上記他の目的のための装置に対応した他の記憶媒体に記憶されたデータを読み出す他のリーダ部を有し、
上記他の記憶媒体に上記ユーザ識別情報を記憶させ、上記入力は、上記他のリーダ部により上記他の記憶媒体に記憶された上記ユーザ識別情報を読み出すことでなされる
ことを特徴とする位置情報取得システム。
【請求項13】
請求項11に記載の位置情報取得システムにおいて、
上記情報出力装置は、
上記他の目的のための装置に対応した他の記憶媒体に記憶されたデータを読み出す他のリーダ部を有し、
上記他の記憶媒体に上記他の目的に対応した他のユーザ識別情報を記憶させ、上記入力は、上記他のリーダ部により上記他の記憶媒体に記憶された上記他のユーザ識別情報を読み出すことでなされる
ことを特徴とする位置情報取得システム。
【請求項14】
請求項13に記載の位置情報取得システムにおいて、
上記サーバ装置は、
上記他のユーザ識別情報を上記ユーザ識別情報に変換する変換テーブルをさらに有する
ことを特徴とする位置情報取得システム。
【請求項15】
それぞれ固定点に設置された複数の情報出力装置から、ユーザによるユーザ識別情報の入力に応じて出力された、該固定点の位置に対応する位置情報と、該入力に対応する時刻を示す第1の時刻情報と、入力された該ユーザ識別情報とを対応付けて蓄積的に格納する格納部と、
端末装置と通信を行う通信部と、
上記通信部により受信された、端末装置から送信されたデータに対応する位置を推定する位置推定部と
を有し、
上記通信部は、
上記端末装置から送信された少なくとも第2の時刻情報とユーザ識別情報とを受信し、
上記位置推定部は、
上記格納部から、上記通信部により受信された上記ユーザ識別情報に対応する上記位置情報および上記第1の時刻情報を抽出し、
上記通信部により受信された上記第2の時刻情報が示す時刻と上記格納部から抽出された複数の該第1の時刻情報が示す時刻それぞれとの差分を求め、該差分の絶対値が最も小さくなる該第1の時刻情報に対応する上記位置情報が示す位置を、該第2の時刻情報に対応する位置であると推定する
ことを特徴とする位置情報取得装置。
【請求項16】
それぞれ固定点に設置された複数の情報出力装置から、ユーザによるユーザ識別情報の入力に応じて出力された、該固定点の位置に対応する位置情報と、該入力に対応する時刻を示す第1の時刻情報と、入力された該ユーザ識別情報とを対応付けて蓄積的に格納部に格納するステップと、
端末装置と通信を行う通信のステップと、
上記通信のステップにより受信された、端末装置から送信されたデータに対応する位置を推定する位置推定のステップと
を有し、
上記通信のステップは、
上記端末装置から送信された少なくとも第2の時刻情報とユーザ識別情報とを受信し、
上記位置推定のステップは、
上記格納部から、上記通信のステップにより受信された上記ユーザ識別情報に対応する上記位置情報および上記第1の時刻情報を抽出し、
上記通信部により受信された上記第2の時刻情報が示す時刻と上記格納部から抽出された複数の該第1の時刻情報が示す時刻それぞれとの差分を求め、該差分の絶対値が最も小さくなる該第1の時刻情報に対応する上記位置情報が示すを、該第2の時刻情報に対応する位置であると推定する
ことを特徴とする位置情報取得方法。
【請求項17】
それぞれ固定点に設置され、ユーザによるユーザ識別情報の入力に応じて、該固定点の位置に対応する第1の位置情報と、入力された該ユーザ識別情報とを出力する複数の情報出力装置と、
上記情報出力装置から出力された上記第1の位置情報と上記ユーザ識別情報とを対応付けて蓄積的に格納する格納部と、
端末装置と通信を行う通信部と、
上記通信部により受信された、端末装置から送信されたデータに対応する位置を推定する位置推定部と
を備えるサーバ装置と
を有し、
上記通信部は、
上記端末装置から送信された少なくとも第2の位置情報とユーザ識別情報とを受信し、
上記位置推定部は、
上記格納部から、上記通信部により受信された上記ユーザ識別情報に対応する上記第1の位置情報を抽出し、
上記通信部により受信された上記第2の位置情報が示す位置と上記格納部から抽出された複数の該第1の位置情報が示す位置それぞれとの距離を求め、該距離が最も小さくなる該第1の位置情報が示す位置を、該第2の位置情報に対応する位置であると推定する
ことを特徴とする位置情報取得システム。
【請求項18】
請求項17に記載の位置情報取得システムにおいて、
上記情報出力装置は、
所定の記憶媒体に記憶されたデータを読み出すリーダ部を有し、
上記入力は、上記リーダ部により上記所定の記憶媒体に記憶された上記ユーザ識別情報を読み出すことでなされる
ことを特徴とする位置情報取得システム。
【請求項19】
請求項17に記載の位置情報取得システムにおいて、
上記端末装置は撮像機能を有し、上記第2の位置情報は該撮像機能により撮影が行われた位置に対応する
ことを特徴とする位置情報取得システム。
【請求項20】
請求項19に記載の位置情報取得システムにおいて、
上記端末装置は、上記撮像機能により撮影した画像データを、上記第2の位置情報および上記ユーザ識別情報と共に送信するようにされ、
上記サーバ装置は、
上記通信部により上記端末装置から送信された上記画像データをさらに受信し、該画像データと共に受信された上記第2の位置情報に基づき上記位置推定部により上記推定された上記位置を示す推定位置情報と、受信された該画像データとを対応付けて上記ユーザに通知する
ことを特徴とする位置情報取得システム。
【請求項21】
請求項20に記載の位置情報取得システムにおいて、
上記通知は、通知される位置情報に対応する上記固定点に関連する名称を用いてなされる
ことを特徴とする位置情報取得システム。
【請求項22】
請求項20に記載の位置情報取得システムにおいて、
上記通知は、上記受信された画像データに対応付けられた位置情報が上記位置推定部により推定された上記推定位置情報であるか否かをさらに示す
ことを特徴とする位置情報取得システム。
【請求項23】
請求項20に記載の位置情報取得システムにおいて、
上記通知は、上記推定位置情報と上記受信された画像データとを対応付けて上記端末装置に送信することでなされる
ことを特徴とする位置情報取得システム。
【請求項24】
請求項20に記載の位置情報取得システムにおいて、
上記通知は、上記推定位置情報と上記受信された画像データとを対応付けて他の端末装置に送信することでなされる
ことを特徴とする位置情報取得システム。
【請求項25】
請求項20に記載の位置情報取得システムにおいて、
上記通知は、上記推定位置情報と上記受信された画像データとを対応付けると共に、上記固定点に対応した他の画像データを該固定点の位置を示す位置情報と対応付け、該推定位置情報に対応付けられた該受信された画像データと、該固定点の位置を示す位置情報と対応付けられた該他の画像データとを一纏めにパッケージングしてなされる
ことを特徴とする位置情報取得システム。
【請求項26】
請求項20に記載の位置情報取得システムにおいて、
上記通知は、インターネット上のウェブサイトを介して送信される
ことを特徴とする位置情報取得システム。
【請求項27】
請求項17に記載の位置情報取得システムにおいて、
上記情報出力装置は、他の目的のための装置の機能を利用して構成される
ことを特徴とする位置情報取得システム。
【請求項28】
請求項27に記載の位置情報取得システムにおいて、
上記情報出力装置は、
上記他の目的のための装置に対応した他の記憶媒体に記憶されたデータを読み出す他のリーダ部を有し、
上記他の記憶媒体に上記ユーザ識別情報を記憶させ、上記入力は、上記他のリーダ部により上記他の記憶媒体に記憶された上記ユーザ識別情報を読み出すことでなされる
ことを特徴とする位置情報取得システム。
【請求項29】
請求項27に記載の位置情報取得システムにおいて、
上記情報出力装置は、
上記他の目的のための装置に対応した他の記憶媒体に記憶されたデータを読み出す他のリーダ部を有し、
上記他の記憶媒体に上記他の目的に対応した他のユーザ識別情報を記憶させ、上記入力は、上記他のリーダ部により上記他の記憶媒体に記憶された上記他のユーザ識別情報を読み出すことでなされる
ことを特徴とする位置情報取得システム。
【請求項30】
請求項29に記載の位置情報取得システムにおいて、
上記サーバ装置は、
上記他のユーザ識別情報を上記ユーザ識別情報に変換する変換テーブルをさらに有する
ことを特徴とする位置情報取得システム。
【請求項31】
それぞれ固定点に設置された複数の情報出力装置から、ユーザによるユーザ識別情報の入力に応じて出力された、該固定点の位置に対応する第1の位置情報と、入力された該ユーザ識別情報とを対応付けて蓄積的に格納する格納部と、
端末装置と通信を行う通信部と、
上記通信部により受信された、端末装置から送信されたデータに対応する位置を推定する位置推定部と
を有し、
上記通信部は、
上記端末装置から送信された少なくとも第2の位置情報とユーザ識別情報とを受信し、
上記位置推定部は、
上記格納部から、上記通信部により受信された上記ユーザ識別情報に対応する上記第1の位置情報を抽出し、
上記通信部により受信された上記第2の位置情報が示す位置と上記格納部から抽出された複数の該第1の位置情報が示す位置それぞれとの距離を求め、該距離が最も小さくなる該第1の位置情報が示す位置を、該第2の位置情報に対応する位置であると推定する
ことを特徴とする位置情報取得装置。
【請求項32】
それぞれ固定点に設置された複数の情報出力装置から、ユーザによるユーザ識別情報の入力に応じて出力された、該固定点の位置に対応する第1の位置情報と、入力された該ユーザ識別情報とを対応付けて蓄積的に格納部に格納するステップと、
端末装置と通信を行う通信ステップと、
上記通信のステップにより受信された、端末装置から送信されたデータに対応する位置を推定する位置推定のステップと
を有し、
上記通信のステップは、
上記端末装置から送信された少なくとも第2の位置情報とユーザ識別情報とを受信し、
上記位置推定のステップは、
上記格納部から、上記通信のステップにより受信された上記ユーザ識別情報に対応する上記第1の位置情報を抽出し、
上記通信のステップにより受信された上記第2の位置情報が示す位置と上記格納部から抽出された複数の該第1の位置情報が示す位置それぞれとの距離を求め、該距離が最も小さくなる該第1の位置情報が示す位置を、該第2の位置情報に対応する位置であると推定する
ことを特徴とする位置情報取得方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公開番号】特開2008−263337(P2008−263337A)
【公開日】平成20年10月30日(2008.10.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−103505(P2007−103505)
【出願日】平成19年4月11日(2007.4.11)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】